説明

セキュリティ画像通信方法、送信側装置、受信側装置、通信システム装置及び通信処理プログラム並びに該プログラムを記録した記録媒体

送信側装置により原稿画像に対して画像を歪ませて、特定の受信者以外に対しては画像の判読を困難とすることが可能なセキュリティ画像通信方法、送信側装置、受信側装置、通信システム装置及び通信処理プログラム並びに該プログラムを記録した記録媒体の提供。 通信回線と、原稿画像を画像歪み処理したセキュリティ画像を作成送信するセキュリティ画像送信側装置と、通信回線を介して受信出力された当該セキュリティ画像から原稿画像に基づく復元画像を作成するセキュリティ画像受信側装置とで構成されるセキュリティ画像通信システム装置であって、セキュリティ画像送信側装置に、原稿画像読取部と、パスワード設定部と、画像歪み処理部とを具備させて、セキュリティ画像受信側装置に、セキュリティ画像読取部と、パスワード入力部と、画像逆歪み処理部とを具備させる、特徴的構成手段の採用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信回線を介して送受信され、送信側で原稿画像を画像歪み処理したセキュリティ画像を作成送信し、受信側で受信した当該セキュリティ画像を画像逆歪み処理して当該原稿画像に基づく復元画像を作成出力するためのセキュリティ画像通信方法、並びにその実施に直接使用するセキュリティ画像送信側装置、セキュリティ画像受信側装置、セキュリティ画像通信システム装置、セキュリティ画像通信処理プログラム及び該プログラムを記録した記録媒体に係わる。
【背景技術】
【0002】
従来、送信者及び受信者の間でセキュリティを確保した画像通信を行うには、例えば、電話回線に接続されたファクシミリやインターネットに接続された通信端末等の通信装置に別途、高価な暗号/復号化装置を送信側装置及び受信側装置の双方にそれぞれ接続する必要があった。
【0003】
このような通信方式によると、送信する送信画像が通信回線上にて送信可能にエンコードされた後に、このエンコードされた画像データの、例えばヘッダに対してのみ、予め設定された冗長データを付加することで原稿画像に対する加工を行っていた。
【0004】
また、より安価な手段として、大容量のメモリを送信側装置及び受信側装置の双方に搭載させて、送信側装置から受信側装置に対して送信画像とともに予め設定されたパスワードを送信して、受信側装置において入力されたパスワードが合致した場合にのみ受信した送信画像を直接出力して、特定の受信者以外の、正しいパスワードの入力ができない者に対しては送信画像を出力しないようにしていた。
【0005】
なお、上記画像通信に適用される画像通信方法及び装置の詳細については、下記の特許文献1及び2に記載されている。
【特許文献1】特開平11−298740号公報
【特許文献2】特開平10−079862号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来の画像通信方式を用いて、送信側及び受信側の通信装置に暗号化/復号化装置を設置して画像の送受信を安全に行おうとする場合、通信装置とは別途に高価な暗号/復号化装置を用意する必要があり、自ずと、装置価格が高価となり、広く普及された通信機器で採用されるのは困難である。
【0007】
また、画像をメモリに蓄積する方式では、送信側装置から送信された送信画像は、受信側装置にて出力されずに受信側装置内に搭載されたメモリに保持されたままであることから、送信側装置より送信画像が受信したか否かが容易に認識できず、通信装置が具備する表示部等で逐一確認する必要があった。
【0008】
さらに、以上のような方式は、送信側装置及び受信側装置が1対1での通信形態であり、画像を受信した受信側装置でのみ送信画像の再現出力が可能であり、例えば、出張先やホテル滞在時など、特定の受信側装置が設置されない場所において、特定の受信者にのみ送信画像を再現出力可能なセキュリティが保持された受信を可能とするものはなかった。
【0009】
ここにおいて、本発明の解決すべき主要な目的は、次のとおりである。
即ち、本発明の第1の目的は、送信側装置により原稿画像に対して画像を歪ませて、特定の受信者以外に対しては画像の判読を困難とすることが可能なセキュリティ画像通信方法、送信側装置、受信側装置、通信システム装置及び通信処理プログラム並びに該プログラムを記録した記録媒体を提供せんとするものである。
【0010】
本発明の第2の目的は、受信側装置においてセキュリティ画像を出力した上で再度読み込み復元画像を作成し、受信者にとって容易に受信があったことを認識することが可能なセキュリティ画像通信方法、送信側装置、受信側装置、通信システム装置及び通信処理プログラム並びに該プログラムを記録した記録媒体を提供せんとするものである。
【0011】
本発明の第3の目的は、原稿画像に対して複雑な暗号化及び復号化を行う高価な暗号/復号化装置を必要としないセキュリティ画像通信方法、送信側装置、受信側装置、通信システム装置及び通信処理プログラム並びに該プログラムを記録した記録媒体を提供せんとするものである。
【0012】
本発明の第4の目的は、受信側装置の受信制限はなく、歪み復元機能を有する受信側装置においてのみ復元画像を作成することが可能なセキュリティ画像通信方法、送信側装置、受信側装置、通信システム装置及び通信処理プログラム並びに該プログラムを記録した記録媒体を提供せんとするものである。
【0013】
本発明の他の目的は、明細書、図面、特に請求の範囲の各項の記載から、自ずと明らかとなろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
まず、本発明方法においては、送信側装置において、まず、原稿画像を読み取るとともに、当該原稿画像の送信側と受信側との間で予め設定された設定パスワードを入力し、次に、当該設定パスワードをパターン化して書き込んだ画像ヘッダを作成し、続いて、原稿画像に対して画像を歪ませる画像歪み処理を実施するとともに、当該画像ヘッダを付加してセキュリティ画像を作成して後、当該セキュリティ画像を受信側装置に送信し、一方、当該受信側装置において、当該受信したセキュリティ画像を一旦出力した上で、まず、設定パスワードに合致する入力パスワードを入力するとともに、送信側装置から受信して出力されたセキュリティ画像の画像ヘッダ中から、設定パスワードを読み取り、次に、入力された入力パスワードと当該設定パスワードとの合致を確認し、ここで、当該設定パスワードと当該入力パスワードが合致した場合、さらに、セキュリティ画像を読み取り、その後、当該セキュリティ画像に対して画像の歪みを補正して当該原稿画像に基づく復元画像を作成する画像逆歪み処理を実施し、最後に、当該復元画像を出力する、という特徴的構成手法を講じる。
【0015】
一方、本発明送信側装置においては、原稿画像を読み取る原稿画像読取部と、当該原稿画像に対して、当該原稿画像の送信側と受信側との間で予め設定された設定パスワードを当該原稿画像毎に入力するパスワード設定部と、当該原稿画像読取部から原稿画像を入力されるとともに、パスワード設定部から設定パスワードを入力されて、当該設定パスワードをパターン化して書き込んだ画像ヘッダを作成するとともに、原稿画像に対して画像を歪ませる画像歪み処理を実施して、当該画像ヘッダが付加されたセキュリティ画像を作成する画像歪み処理部と、を具備させる、という特徴的構成手段を講じる。
【0016】
他方、本発明受信側装置においては、受信側画像出力部で一旦受信印刷又は表示出力されたセキュリティ画像と、印刷又は表示出力された当該セキュリティ画像に付加されかつ予め設定されてパターン化された設定パスワードを書き込んだ画像ヘッダを読み取るセキュリティ画像読取部と、当該設定パスワードに照合する入力パスワードを入力するパスワード入力部と、当該設定パスワードと当該入力パスワードとが合致するものであった場合に、セキュリティ画像に対して画像の歪みを補正して当該原稿画像に基づく復元画像を作成する画像逆歪み処理を実施する画像逆歪み処理部と、を具備させる、という特徴的構成手段を講じる。
【0017】
また、本発明システム装置においては、通信回線と、原稿画像を画像歪み処理したセキュリティ画像を作成送信する送信側装置と、当該通信回線を介して受信又は受信出力された当該セキュリティ画像から当該原稿画像に基づく復元画像を作成する受信側装置とで構築されるセキュリティ画像通信システム装置であって、受信側装置は、上記本発明セキュリティ画像受信側装置であり、送信側装置は、上記本発明セキュリティ画像送信側装置である、という特徴的構成手段を講じる。
【0018】
さらに、本発明プログラムにおいては、送信側装置に、原稿画像を読み取る処理手順とともに、当該原稿画像の送信側と受信側との間で予め設定された設定パスワードを入力する処理手順と、を実行させ、当該設定パスワードをパターン化して書き込んだ画像ヘッダを作成させる処理手順と、原稿画像に対して画像を歪ませる画像歪み処理を実行する処理手順と、画像ヘッダを付加してセキュリティ画像を作成する処理手順と、セキュリティ画像を受信側装置に送信する処理手順と、を順次実行させて、一方、受信側装置に、送信側装置から受信して出力されたセキュリティ画像の画像ヘッダ中から、設定パスワードを読み取る処理手順とともに、当該設定パスワードに照合する入力パスワードを入力する処理手順と、を実行させた後に、入力された当該入力パスワードと当該設定パスワードとの合致を確認する処理手順を実行させ、ここで、当該設定パスワードと当該入力パスワードが合致した場合に、セキュリティ画像を読み取る処理手順と、当該セキュリティ画像に対して画像の歪みを補正して復元画像を作成する画像逆歪み処理を実行する処理手順と、当該復元画像を出力する処理手順と、を順次実行させる、という特徴的構成手順を講じる。
【0019】
加えて、本発明記録媒体においては、上記本発明プログラムにおける各処理手順の実践手続をコンピュータ読取可能に実録してなる、という特徴的構成手続を講じる。
【0020】
さらに、具体的詳細に述べると、当該課題の解決では、本発明が次に列挙する上位概念から下位概念に亙る新規な特徴的構成手法、手段、手順及び手続を採用することにより、前記目的を達成するように為される。
【0021】
即ち、本発明方法の第1の特徴は、原稿画像を画像歪み処理したセキュリティ画像を送信側装置から作成送信して、通信回線を介して受信出力された当該セキュリティ画像から当該原稿画像に基づく復元画像を受信側装置で作成出力するセキュリティ画像通信方法であって、送信側装置において、まず、原稿画像を読み取るとともに、当該原稿画像の送信側と受信側との間で予め設定された設定パスワードを入力し、次に、当該設定パスワードをパターン化して書き込んだ画像ヘッダを作成し、続いて、原稿画像に対して画像を歪ませる画像歪み処理を実施するとともに、当該画像ヘッダを付加してセキュリティ画像を作成して後、当該セキュリティ画像を受信側装置に送信し、一方、当該受信側装置において、当該受信したセキュリティ画像を一旦出力した上で、まず、設定パスワードに合致する入力パスワードを入力するとともに、送信側装置から受信して出力されたセキュリティ画像の画像ヘッダ中から、設定パスワードを読み取り、次に、入力された入力パスワードと当該設定パスワードとの合致を確認し、ここで、当該設定パスワードと当該入力パスワードが合致した場合、さらに、セキュリティ画像を読み取り、その後、当該セキュリティ画像に対して画像の歪みを補正して復元画像を作成する画像逆歪み処理を実施し、最後に、当該復元画像を出力してなる、セキュリティ画像通信方法の構成採用にある。
【0022】
本発明方法の第2の特徴は、上記本発明方法の第1の特徴における受信側装置が、別途設置された他の画像逆歪み処理をなし得ない受信側装置において、取り敢えず、送信側装置からのセキュリティ画像を事前に受信出力して置き、その後、当該出力セキュリティ画像を、画像逆歪み処理なし得る受信側装置において読み取ることにより、復元画像を作成出力してなる、セキュリティ画像通信方法の構成採用にある。
【0023】
本発明方法の第3の特徴は、上記本発明方法の第2の特徴における画像逆歪み処理をなし得ない受信側装置が、通信回線上の任意の領域に配置されたパーソナルコンピュータであって、当該パーソナルコンピュータにより、通信回線を介してセキュリティ画像を受信し、当該パーソナルコンピュータに接続されたプリンタに当該セキュリティ画像の印刷命令を通知することにより、当該プリンタにて当該セキュリティ画像を印刷してなる、セキュリティ画像通信方法の構成採用にある。
【0024】
本発明方法の第4の特徴は、上記本発明方法の第1、第2又は第3の特徴における画像歪み処理を、原稿画像をビットマップ形式として読み取り、当該原稿画像を構成するそれぞれのピクセルを、予め設定されたピクセル数分特定方向に移動させて、原稿画像に対して画像逆歪み処理により復元可能な画像歪みを発生させてなる、セキュリティ画像通信方法の構成採用にある。
【0025】
本発明方法の第5の特徴は、上記本発明方法の第1、第2、第3又は第4の特徴における送信側装置が、原稿画像に対して予め設定された図形を上書きして、当該図形が上書きされた当該原稿画像に対して画像歪み処理を行ってなる、セキュリティ画像通信方法の構成採用にある。
【0026】
本発明方法の第6の特徴は、上記本発明方法の第5の特徴における画像逆歪み処理を、セキュリティ画像中に含まれる、送信側装置により原稿画像に上書きされて画像歪み処理された図形部分を認識して、当該図形部分を、当該画像歪み処理される以前の図形に補正することで、セキュリティ画像全体を、当該図形が上書きされた原稿画像の状態に復元してなる、セキュリティ画像通信方法の構成採用にある。
【0027】
本発明方法の第7の特徴は、上記本発明方法の第1、第2、第3、第4、第5又は第6の特徴における画像歪み処理を、原稿画像の特定の範囲に対して当該画像歪み処理のスキップ指定が為された場合、当該特定の範囲はそのままに、当該特定の範囲を除く部分に対してのみ画像を歪ませてなる、セキュリティ画像通信方法の構成採用にある。
【0028】
本発明方法の第8の特徴は、上記本発明方法の第1、第2、第3、第4、第5、第6又は第7の特徴における受信側装置が、読み取った画像ヘッダに書き込まれる設定パスワードと合致する入力パスワードとは異なる入力パスワードが入力された場合には、エラーを通知して、画像逆歪み処理を中断して終了してなる、セキュリティ画像通信方法の構成採用にある。
【0029】
本発明方法の第9の特徴は、上記本発明方法の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7又は第8の特徴における送信側通信装置が、原稿画像の読み取りにおいて、当該原稿画像をページ単位で読み取り、当該ページ毎に、設定パスワードを書き込んだ画像ヘッダを付加したセキュリティ画像を作成してなる、セキュリティ画像通信方法の構成採用にある。
【0030】
本発明方法の第10の特徴は、上記本発明方法の第9の特徴における受信側通信装置が、画像ヘッダ中から設定パスワードの読み取りをページ毎に行い、当該画像ヘッダに書き込まれる設定パスワードに合致する入力パスワードの入力確認を、当該ページ毎に行ってなる、セキュリティ画像通信方法の構成採用にある。
【0031】
本発明方法の第11の特徴は、上記本発明方法の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9又は第10の特徴における復元画像の出力を、当該復元画像の自動出力の後に、受信側装置において保持された当該復元画像を削除してなる、セキュリティ画像通信方法の構成採用にある。
【0032】
一方、本発明送信側装置の第1の特徴は、通信回線を介して受信側装置に送信される、原稿画像を画像歪み処理して作成された復元可能なセキュリティ画像を作成送信するための送信側装置であって、原稿画像を読み取る原稿画像読取部と、当該原稿画像に対して、当該原稿画像の送信側と受信側との間で予め設定された設定パスワードを当該原稿画像毎に入力するパスワード設定部と、原稿画像読取部から当該原稿画像を入力されるとともに、パスワード設定部から設定パスワードを入力されて、当該設定パスワードをパターン化して書き込んだ画像ヘッダを作成するとともに、原稿画像に対して画像を歪ませる画像歪み処理を実施して、当該画像ヘッダが付加されたセキュリティ画像を作成する画像歪み処理部と、を具備してなる、セキュリティ画像送信側装置の構成採用にある。
【0033】
本発明送信側装置の第2の特徴は、上記本発明送信側装置の第1の特徴における送信側装置が、通信回線に接続されて、セキュリティ画像をエンコードして、当該通信回線を介して接続される受信側装置に対し当該セキュリティ画像を送信する画像送信部を有してなる、セキュリティ画像送信側装置の構成採用にある。
【0034】
本発明送信側装置の第3の特徴は、上記本発明送信側装置の第1又は第2の特徴における画像歪み処理部が、原稿画像読取部にてビットマップ形式として読み取られた原稿画像に対して、当該原稿画像を構成するそれぞれのピクセルを、予め設定されたピクセル数分特定方向に移動させて歪みを発生させる画像歪み処理を実施するよう機能構成されてなる、セキュリティ画像送信側装置の構成採用にある。
【0035】
本発明送信側装置の第4の特徴は、上記本発明送信側装置の第1、第2又は第3の特徴における画像歪み処理部が、原稿画像に対して予め設定された図形を上書きして、当該図形が上書きされた当該原稿画像に対して画像歪み処理を行うよう機能構成されてなる、セキュリティ画像送信側装置の構成採用にある。
【0036】
本発明送信側装置の第5の特徴は、上記本発明送信側装置の第1、第2、第3又は第4の特徴における画像歪み処理部が、読み込まれた原稿画像に対して、特定の範囲に対して画像歪み処理のスキップ指定を設定可能に保持し、当該特定の範囲はそのままに、当該特定の範囲を除く原稿画像に対してのみ画像を歪ませる画像歪み処理を実施するよう機能構成されてなる、セキュリティ画像送信側装置の構成採用にある。
【0037】
本発明送信側装置の第6の特徴は、上記本発明送信側装置の第1、第2、第3、第4又は第5の特徴における画像歪み処理部が、原稿画像読取部からページ単位で読み取られた原稿画像を入力されて、当該ページ毎に、設定パスワードを書き込んだ画像ヘッダを付加したセキュリティ画像を作成するよう機能構成されてなる、セキュリティ画像送信側装置の構成採用にある。
【0038】
本発明送信側装置の第7の特徴は、上記本発明送信側装置の第1、第2、第3、第4、第5又は第6の特徴における送信側装置が、画像歪み処理部にて当該原稿画像に基づき作成されたセキュリティ画像を出力する送信側画像出力部を具備してなる、セキュリティ画像送信側装置の構成採用にある。
【0039】
本発明送信側装置の第8の特徴は、上記本発明送信側装置の第7の特徴における送信側画像出力部が、原稿画像読取部にて読み取られた原稿画像を出力可能に当該原稿画像読取部に接続されてなる、セキュリティ画像送信側装置の構成採用にある。
【0040】
他方、本発明受信側装置の第1の特徴は、通信回線を介して送信側装置から送信された原稿画像を画像歪み処理して作成された復元可能なセキュリティ画像から、当該原稿画像に基づく復元画像を作成出力するための受信側装置であって、受信側画像出力部で一旦受信印刷又は表示出力されたセキュリティ画像と、印刷又は表示出力された当該セキュリティ画像に付加されかつ予め設定されてパターン化された設定パスワードを書き込んだ画像ヘッダを読み取るセキュリティ画像読取部と、当該設定パスワードに照合する入力パスワードを入力するパスワード入力部と、当該設定パスワードと当該入力パスワードとが合致するものであった場合に、セキュリティ画像に対して画像の歪みを補正して復元画像を作成する画像逆歪み処理を実施する画像逆歪み処理部と、を具備してなる、セキュリティ画像受信側装置の構成採用にある。
【0041】
本発明受信側装置の第2の特徴は、上記本発明受信側装置の第1の特徴における受信側装置が、通信回線に接続し、当該通信回線を介して接続される送信側装置からエンコードされたセキュリティ画像のデータを受信して、当該データを当該セキュリティ画像にデコードする画像受信部を有してなる、セキュリティ画像受信側装置の構成採用にある。
【0042】
本発明受信側装置の第3の特徴は、上記本発明受信側装置の第1又は第2の特徴における受信側画像出力部が、画像逆歪み処理部にて作成された復元画像をも印刷出力するよう機能構成されてなる、セキュリティ画像受信側装置の構成採用にある。
【0043】
本発明受信側装置の第4の特徴は、上記本発明受信側装置の第3の特徴における画像逆歪み処理部が、受信側画像出力部にて復元画像を印刷出力した後に、保持する当該復元画像を削除するように機能構成されてなる、セキュリティ画像受信側装置の構成採用にある。
【0044】
本発明受信側装置の第5の特徴は、上記本発明受信側装置の第3又は第4の特徴における受信側画像出力部が、印刷出力可能なプリンタを有してなる、セキュリティ画像受信側装置の構成採用にある。
【0045】
本発明受信側装置の第6の特徴は、上記本発明受信側装置の第3、第4又は第5の特徴における受信側画像出力部が、表示出力可能なディスプレイを有してなる、セキュリティ画像受信側装置の構成採用にある。
【0046】
本発明受信側装置の第7の特徴は、上記本発明受信側装置の第6の特徴における受信側画像出力部が、ディスプレイに表示出力されたセキュリティ画像をセキュリティ画像読取部に入力可能に接続構成されてなる、セキュリティ画像受信側装置の構成採用にある。
【0047】
本発明受信側装置の第8の特徴は、上記本発明受信側装置の第1、第2、第3、第4、第5、第6又は第7の特徴における画像逆歪み処理部が、セキュリティ画像中に含まれる、送信側装置により原稿画像に上書きされて画像歪み処理された、予め設定された図形部分を認識して、当該図形部分を、当該画像歪み処理される以前の図形に補正することで、セキュリティ画像全体を、当該図形が上書きされた原稿画像の状態に復元して復元画像を作成するよう機能構成されてなる、セキュリティ画像受信側装置の構成採用にある。
【0048】
本発明受信側装置の第9の特徴は、上記本発明受信側装置の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7又は第8の特徴における画像逆歪み処理部が、読み取った画像ヘッダに書き込まれる設定パスワードと合致する入力パスワードとは異なる入力パスワードが入力された場合にはエラーを通知して、画像歪み処理を中断して終了するよう機能構成されてなる、セキュリティ画像受信側装置の構成採用にある。
【0049】
本発明受信側装置の第10の特徴は、上記本発明受信側装置の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8又は第9の特徴における画像逆歪み処理部が、セキュリティ画像をセキュリティ画像読取部からページ単位で入力されて、当該ページ毎に、画像ヘッダに書き込まれる設定パスワードに合致する入力パスワードの入力確認を行うように機能構成されてなる、セキュリティ画像受信側装置の構成採用にある。
【0050】
また、本発明システム装置の第1の特徴は、通信回線と、原稿画像を画像歪み処理したセキュリティ画像を作成送信する送信側装置と、当該通信回線を介して受信又は受信出力された当該セキュリティ画像から当該原稿画像に基づく復元画像を作成する受信側装置とで構築されるセキュリティ画像通信システム装置であって、送信側装置が、上記本発明送信側装置の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7又は第8の特徴におけるセキュリティ画像送信側装置であり、受信側装置が、上記本発明受信側装置の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9又は第10の特徴におけるセキュリティ画像受信側装置である、セキュリティ画像通信システム装置の構成採用にある。
【0051】
本発明システム装置の第2の特徴は、上記本発明システム装置の第1の特徴における送信側装置と受信側装置が、原稿画像読取部とセキュリティ画像読取部との機能を併せて構成された画像読取部と、パスワード設定部とパスワード入力部との機能を併せて構成されたパスワード設定/入力部と、画像歪み処理部と画像逆歪み処理部との機能を併せて構成されて、画像読取部とパスワード設定/入力部と接続された画像正逆歪み処理部と、を有して、セキュリティ画像を作成可能に機能構成される一方、出力された当該セキュリティ画像から復元画像を作成可能に機能構成されるセキュリティ画像送受信装置である、セキュリティ画像通信システム装置の構成採用にある。
【0052】
本発明システム装置の第3の特徴は、上記本発明システム装置の第2の特徴におけるセキュリティ画像送受信装置が、画像送信部と画像受信部との機能を併せて構成されて、通信回線に接続されるともに画像正逆歪み処理部に接続された画像送受信部を有してなる、セキュリティ画像通信システム装置の構成採用にある。
【0053】
本発明システム装置の第4の特徴は、上記本発明システム装置の第2又は第3の特徴におけるセキュリティ画像送受信装置が、送信側画像出力部と受信側画像出力部との機能を併せて構成された画像出力部を有してなる、セキュリティ画像通信システム装置の構成採用にある。
【0054】
本発明システム装置の第5の特徴は、上記本発明システム装置の第1、第2、第3又は第4の特徴におけるセキュリティ画像通信システム装置が、送信側装置から送信されたセキュリティ画像を受信する通信回線上の任意の領域に配置されたパーソナルコンピュータと、当該パーソナルコンピュータに接続されて、当該パーソナルコンピュータの印刷命令に基づきセキュリティ画像を印刷するプリンタと、を具備して、受信側装置により、当該プリンタにて印刷したセキュリティ画像を読込み、復元画像を作成可能に構築されてなる、セキュリティ画像通信システム装置の構成採用にある。
【0055】
さらに、本発明プログラムの第1の特徴は、共にコンピュータの基本的機能を具備するとともに、原稿画像を画像歪み処理したセキュリティ画像を作成送信する送信側装置と、通信回線を介して受信出力された当該セキュリティ画像から当該原稿画像に基づく復元画像を作成出力する受信側装置と、を有して構築されたネットワークシステムに適用されるセキュリティ画像通信処理プログラムであって、送信側装置に、原稿画像を読み取る処理手順とともに、当該原稿画像の送信側と受信側との間で予め設定された設定パスワードを入力する処理手順と、を実行させ、当該設定パスワードをパターン化して書き込んだ画像ヘッダを作成させる処理手順と、原稿画像に対して画像を歪ませる画像歪み処理を実行する処理手順と、画像ヘッダを付加してセキュリティ画像を作成する処理手順と、当該セキュリティ画像を受信側装置に送信する処理手順と、を順次実行させて、一方、受信側装置に、送信側装置から受信して出力されたセキュリティ画像の画像ヘッダ中から、設定パスワードを読み取る処理手順とともに、当該設定パスワードに照合する入力パスワードを入力する処理手順と、を実行させた後に、入力された当該入力パスワードと当該設定パスワードとの合致を確認する処理手順を実行させ、ここで、当該設定パスワードと当該入力パスワードが合致した場合に、セキュリティ画像を読み取る処理手順と、当該セキュリティ画像に対して画像の歪みを補正して復元画像を作成する画像逆歪み処理を実行する処理手順と、当該復元画像を出力する処理手順と、を順次実行させてなる、セキュリティ画像通信処理プログラムの構成採用にある。
【0056】
本発明プログラムの第2の特徴は、上記本発明プログラムの第1の特徴における受信側装置における設定パスワードを読み取る処理手順を、別途設置された他の従来の受信側装置において、送信側装置から送信されたセキュリティ画像を一旦受信出力する処理手順を事前に実行させた後に実行させてなる、セキュリティ画像通信処理プログラムの構成採用にある。
【0057】
本発明プログラムの第3の特徴は、上記本発明プログラムの第2の特徴における送信側装置から送信されたセキュリティ画像を一旦受信出力する処理手順を、別途設置された他の従来の受信側装置として通信回線上の任意の領域に配置されたパーソナルコンピュータに、通信回線を介してセキュリティ画像を受信させる手順と、当該パーソナルコンピュータから、当該パーソナルコンピュータに接続されたプリンタに当該セキュリティ画像の印刷命令を通知することにより、当該プリンタにて当該セキュリティ画像を印刷させる手順と、を順次実行させてなる、セキュリティ画像通信処理プログラムの構成採用にある。
【0058】
本発明プログラムの第4の特徴は、上記本発明プログラムの第1、第2又は第3の特徴における画像歪み処理を実行する処理手順を、予め、原稿画像を読み取る処理手順として、当該原稿画像をビットマップ形式として読み取る処理手順を実行させた上で、当該原稿画像を構成するそれぞれのピクセルを、予め設定されたピクセル数分特定方向に移動させる処理手順を実行させてなる、セキュリティ画像通信処理プログラムの構成採用にある。
【0059】
本発明プログラムの第5の特徴は、上記本発明プログラムの第1、第2、第3又は第4の特徴における画像歪み処理を実行する処理手順を、原稿画像に対して予め設定された図形を上書きする処理手順と、当該図形が上書きされた当該原稿画像に対して画像歪み処理を行う処理手順と、を順次実行させてなる、セキュリティ画像通信処理プログラムの構成採用にある。
【0060】
本発明プログラムの第6の特徴は、上記本発明プログラムの第5の特徴における画像逆歪み処理を実行する処理手順を、セキュリティ画像中に含まれる、送信側装置により原稿画像に上書きされて画像歪み処理された図形部分を認識する処理手順と、当該図形部分を、当該画像歪み処理される以前の図形に補正することで、セキュリティ画像全体を、当該図形が上書きされた原稿画像の状態に復元する処理手順と、を順次実行させてなる、セキュリティ画像通信処理プログラムの構成採用にある。
【0061】
本発明プログラムの第7の特徴は、上記本発明プログラムの第1、第2、第3、第4、第5又は第6の特徴における画像歪み処理を実行する処理手順を、原稿画像の特定の範囲に対して画像歪み処理のスキップ指定を確認する処理手順と、当該スキップ指定を確認する処理手順において、当該スキップ指定が設定されていた場合に、当該特定の範囲はそのままに、当該特定の範囲を除く部分に対してのみ画像を歪ませる処理手順を実行させてなる、セキュリティ画像通信処理プログラムの構成採用にある。
【0062】
本発明プログラムの第8の特徴は、上記本発明プログラムの第1、第2、第3、第4、第5、第6又は第7の特徴における入力パスワードと設定パスワードとの合致を確認する処理手順を、読み取った画像ヘッダに書き込まれる当該設定パスワードと合致する当該入力パスワードとは異なる入力パスワードが入力された場合には、エラーを通知して処理を中断し終了する処理手順を実行させてなる、セキュリティ画像通信処理プログラムの構成採用にある。
【0063】
本発明プログラムの第9の特徴は、上記本発明プログラムの第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7又は第8の特徴におけるセキュリティ画像を作成する処理手順を、原稿画像を読み取る処理手順において事前に当該原稿画像をページ単位で読み取り設定された場合に、当該ページ単位で作成するセキュリティ画像に対して、当該ページ毎に設定パスワードを書き込んだ画像ヘッダを付加する処理手順を実行させてなる、セキュリティ画像通信処理プログラムの構成採用にある。
【0064】
本発明プログラムの第10の特徴は、上記本発明プログラムの第9の特徴における入力パスワードと設定パスワードとの合致を確認する処理手順を、当該設定パスワードを読み取る処理手順において事前にページ毎に当該設定パスワードが設定されていた場合に、当該ページ毎に入力パスワードと当該設定パスワードとの合致を確認する処理手順を実行させてなる、セキュリティ画像通信処理プログラムの構成採用にある。
【0065】
本発明プログラムの第11の特徴は、上記本発明プログラムの第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9又は第10の特徴における復元画像を出力する処理手順を、当該復元画像の出力の後に、受信側装置において保持された当該復元画像を削除する処理手順を実行させてなる、セキュリティ画像通信処理プログラムの構成採用にある。
【0066】
また、本発明記録媒体の第1の特徴は、上記本発明プログラムの第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10又は第11の特徴におけるセキュリティ画像通信処理プログラムにおける各処理手順の実行手続をコンピュータ読取可能に実録してなる、セキュリティ画像通信処理プログラムを記録した記録媒体の構成採用にある。
【発明の効果】
【0067】
本発明によれば、送信側装置にてセキュリティ画像に設定される設定パスワードに合致する入力パスワードを通知された特定の受信者以外に対して画像の判読を困難として、特定の受信者のみが内容を判読することができ、かつ、高価な暗号/復号化装置を別途必要としない画像通信が可能となり、また、一度判読が困難なものであるセキュリティ画像を受信し、出力した上で、受信側装置にて新たに読み込むことで復元画像を作成するものであることから、受信者にとって容易に受信があったことを認識することが可能となる。
【0068】
さらに、特定の送信側装置及び受信側装置に依存する暗号/復号化を行うものではなく、画像歪み処理されたセキュリティ画像をそのまま出力して、この出力された歪み処理されたセキュリティ画像を新たに読み込み、復元を行うものであるから、受信者は、特定の受信側装置における受信に限定されずに、任意の従来の受信手段によるセキュリティ画像の受信を行うことも可能であり、受信出力した受信側装置と同時に搭載される又は別途備えた画像逆歪み処理を行う機能により復元画像を作成することが可能となる。
【0069】
送信側装置の通信出力部にディスプレイ及びプリンタを装備し、原稿画像、歪み画像、組み合わせ画像等をその都度チェックして送信画像の正確を期すとともに、相手がその問合せに対し即答可能な送信記録資料を印刷保管可能であるばかりか、セキュリティ画像の受信出力は従来のファックス等で可能であるから、受信出力と復元再生は別箇に行うことが出来て、受信の便利さと秘密性をより高める等優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の一実施形態例に係る装置例1としてのセキュリティ画像通信システム装置を示すシステム構成図である。
【図2】同上の一実施形態例に係る装置例2としてのセキュリティ画像通信システム装置を示すシステム構成図である。
【図3】同上の一実施形態例に係る装置例3としてのセキュリティ画像通信システム装置を示すシステム構成図である。
【図4】同上のセキュリティ画像に付加される画像ヘッダの例である。
【図5】同上のセキュリティ画像通信システム装置に適用される原稿画像として、「A」、「B」二つのキャラクタよりなる原稿画像例である。
【図6】図4に示した原稿画像に対して、処理例における画像歪み処理のピクセル行毎に1ピクセルの移動処理を実行した場合の画像歪み例である。
【図7】同上のセキュリティ画像通信システム装置が適用される他の原稿画像例に図形が上書きされた画像例である。
【図8】図6に示した原稿画像例に対してピクセル行毎に1ピクセルの移動による画像歪み処理を実施した場合の画像歪み例である。
【図9】図6に示した原稿画像例に対してピクセル行毎に3ピクセルの移動による画像歪み処理を実施した場合の画像歪み例である。
【図10】本発明の実施の形態におけるセキュリティ画像送信側装置に適用するセキュリティ画像通信方法を説明するためのシーケンス図である。
【図11】同上の画像歪み処理について詳細に説明するためのフローチャートである。
【図12】同上におけるセキュリティ画像受信側装置でセキュリティ画像を受信して出力する際に適用されるセキュリティ画像通信方法を説明するためのシーケンス図である。
【図13】同上したセキュリティ画像をパーソナルコンピュータとプリンタとを用いて受信、出力する際に適用されるセキュリティ画像通信方法を説明するためのシーケンス図である。
【図14】同上のセキュリティ画像受信側装置における出力されたセキュリティ画像から復元画像を作成する際に適用されるセキュリティ画像通信方法を説明するためのシーケンス図である。
【図15】同上した画像逆歪み処理について詳細に説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0071】
α,β,γ…セキュリティ画像通信システム装置
A…セキュリティ画像送信側装置
B…セキュリティ画像受信側装置
C,C´…セキュリティ画像送受信装置
D…従来の受信側装置
N…通信回線
a1…原稿画像読取部
a2…パスワード設定部
a3…画像歪み処理部
a4…画像送信部
a5…送信側画像出力部
b1…セキュリティ画像読取部
b2…パスワード入力部
b3…画像逆歪み処理部
b4…画像受信部
b5…受信側画像出力部
c1…画像読取部
c2…パスワード設定/入力部
c3…画像正逆歪み処理部
c4…画像送受信部
c5…画像出力部
d1…パーソナルコンピュータ
d2…プリンタ
1…セキュリティ画像
11…画像ヘッダ
11a…設定パスワードパターン部
11b…送信日時記録部
11c…セキュリティ画像明示部
12…セキュリティ画像部
【発明を実施するための最良の形態】
【0072】
以下、本発明の実施の形態につき、装置例及びこれに対応する方法例を添付図面を参照しつつ、本発明をページ単位に送受信される画像に適用した場合を例に挙げて順に説明し、これに引続き、この方法例を具現化するプログラム例及び記録媒体例を説明する。
【0073】
(装置例1)
まず、図1は、本発明の一実施形態例に係る装置例1としてのセキュリティ画像通信システム装置を示すシステム構成図である。ここで、セキュリティ画像送信側装置A及びセキュリティ画像受信側装置B内部に示した各構成部間の信号フローを、セキュリティ画像送信側装置Aから通信回線Nまでを実線矢印で、一方、通信回線Nからセキュリティ画像受信側装置Bまでを点線矢印で示している。
【0074】
同図に示すように、本装置例にかかるセキュリティ画像通信システム装置αは、通信回線Nと、原稿画像を画像歪み処理したセキュリティ画像を作成送信するセキュリティ画像送信側装置Aと、例えば、電話回線やインターネット等の通信回線Nを介して受信出力されたセキュリティ画像から当該原稿画像に基づく復元画像を作成するセキュリティ画像受信側装置Bとで構築されて、セキュリティ画像送信側装置Aはセキュリティ画像受信側装置Bとともに、例えば、従来の受信側装置Dに対してもセキュリティ画像を送信可能に接続されている。
【0075】
セキュリティ画像送信側装置Aは、例えば、CPU(Central Processing Unit)とメモリ等を搭載して、通信回線Nを介してセキュリティ画像受信側装置Bに送信される、原稿画像を画像歪み処理して作成された復元可能なセキュリティ画像を作成するための送信側装置であって、原稿画像を読み取る原稿画像読取部a1と、原稿画像に対して、原稿画像の送信側と受信側との間で予め設定された設定パスワードを原稿画像毎に入力するパスワード設定部a2と、原稿画像読取部a1から、例えば、ビットマップ形式等で原稿画像を入力されるとともに、パスワード設定部a2から設定パスワードを入力されて、この設定パスワードを、例えばバイナリコードに変換する等によりパターン化して書き込んだ画像ヘッダを作成するとともに、原稿画像に対して画像を歪ませる画像歪み処理を実施して、画像ヘッダが付加されたセキュリティ画像を作成する画像歪み処理部a3と、を具備する。
【0076】
加えて、セキュリティ画像送信側装置Aは、通信回線Nに接続されて、セキュリティ画像をエンコードして、通信回線Nを介して接続されるセキュリティ画像受信側装置B又は従来の受信側装置Dに対しセキュリティ画像を送信する画像送信部a4を有してもよく、画像送信部a4は、従来の画像を送信可能な通信装置であっても構わない。
【0077】
ここで、画像歪み処理部a3は、原稿画像読取部a1にて、例えば、ビットマップ形式として読み取られた原稿画像に対して、この原稿画像を構成するそれぞれの、例えば、白と黒の2色を示すビット又はピクセル等を、予め設定された数分だけ、例えば、1行ずつ特定方向に移動させることで画像に復元可能な歪みを発生させて、画像歪み処理を実施するよう機能構成されて、容易に原稿画像を判読できないように機能する。
【0078】
また、画像歪み処理部a3は、画像歪み処理を行うにあたり、原稿画像に対して予め送信者側と受信者側とで設定された、例えば、水平線や垂直線等の画像歪み処理後にも容易に認識可能な図形を上書きして、この図形が上書きされた原稿画像に対して画像歪み処理を行うよう機能構成されることにより、セキュリティ画像受信側装置Bにて復元される際に、この図形を認識して画像逆歪み処理の指標とすることができるようにしてもよく、より正確な復元を可能とするものである。
【0079】
さらに、画像歪み処理部a3は、原稿画像読取部a1にて読み込まれた原稿画像に対して、特定の範囲、例えば、受信者、件名、ページ数等の情報を含むような1ページ全体や、画像の一領域等に対してのみ画像歪み処理を行わない、予め設定された特定範囲のスキップ指定を設定可能に保持して、このスキップ指定された特定の範囲はそのままに、スキップ指定された範囲以外の原稿画像の領域に対してのみ画像を歪ませる画像歪み処理を実施するよう機能構成されてもよい。
【0080】
原稿画像読取部a1にてページ単位で原稿画像が読み込まれた場合、画像歪み処理部a3は、このページ単位の原稿画像を入力されるものであるが、このページ毎に設定パスワードを書き込んだ画像ヘッダを付加したセキュリティ画像を作成するように機能構成されてもよい。
【0081】
なお、セキュリティ画像送信側装置Aは、さらに、画像歪み処理部a3にてこの原稿画像に基づき作成されるセキュリティ画像を出力する、例えば、表示出力可能なディスプレイや印刷出力可能なプリンタ、あるいはメモリや別途具備する記憶装置にファイル出力可能に構成される送信側画像出力部a5を具備してもよく、送信側画像出力部a5は画像歪み処理部a3に接続される。
【0082】
さらに、この送信側画像出力部a5を原稿画像読取部a1に接続させて、原稿画像読取部a1にて読み取られた原稿画像を出力可能に機能構成されてもよい。
【0083】
一方、セキュリティ画像受信側装置Bは、例えば、セキュリティ画像送信側装置Aと同様のCPUとメモリ等を搭載して、通信回線Nを介してセキュリティ画像送信側装置Aから送信された原稿画像を画像歪み処理して作成された復元可能なセキュリティ画像から、この原稿画像に基づく復元画像を作成するための受信側装置であって、受信側画像出力部b5で一旦受信印刷又は表示出力されたセキュリティ画像と、印刷又は表示出力された当該セキュリティ画像に付加されかつ予め設定されて、例えば、バイナリコード変換等によりパターン化された設定パスワードを書き込まれた画像ヘッダを読み取るセキュリティ画像読取部b1と、設定パスワードに照合する入力パスワードを入力するパスワード入力部b2と、この設定パスワードと入力パスワードとが合致するか確認して、合致するものであった場合に、セキュリティ画像に対して画像の歪みを補正して復元画像を作成する画像逆歪み処理を実施する画像逆歪み処理部b3と、を具備する。
【0084】
加えて、セキュリティ画像受信側装置Bは、通信回線Nに接続されて、通信回線Nを介して接続されるセキュリティ画像送信側装置Aからエンコードされたセキュリティ画像のデータを受信して、当該データをセキュリティ画像にデコードする画像受信部b4を有してもよく、画像受信部b4は、従来の画像を受信可能な通信装置であっても構わない。
【0085】
また、受信側画像出力部b5は、画像逆歪み処理部b3にて作成された復元画像を印刷出力するよう機能構成されてもよく、画像受信部b4と受信側画像出力部b5を併せて具備した場合、受信側画像出力部b5は、通信回線Nを介して画像受信部b4にて受信したセキュリティ画像を、セキュリティ画像読取部b1にて読み取り可能に出力するよう機能構成されるとよい。
【0086】
なお、画像逆歪み処理部b3により作成された復元画像が、画像逆歪み処理部b3に接続された受信側画像出力部b5にて印刷出力されたときには、画像逆歪み処理部b3に保持される復元画像のデータを削除するように機能構成されることで、より確実にセキュリティを保持することが可能となる。
【0087】
また、この受信側画像出力部b5は、例えば、印刷出力可能なプリンタを有して、セキュリティ画像送信側装置Aから送信されたセキュリティ画像を印刷することも可能でありまた、画像逆歪み処理部b3にて作成された復元画像を印刷することも可能に機能構成されてもよく、さらに、受信側画像出力部b5が、例えば、表示出力可能なディスプレイを有してもよく、もちろん、プリンタとディスプレイとの双方を併せて有しても構わず、印刷出力されたセキュリティ画像又は別途設置された従来の受信側装置Dにて受信印刷されたセキュリティ画像をセキュリティ画像読取部b1にて読み取るように構成される。
【0088】
ここで、受信側画像出力部b5が、ディスプレイを有して、このディスプレイに表示出力されたセキュリティ画像を、セキュリティ画像読取部b1に入力可能に機能構成されるときには、受信側画像出力部b5はセキュリティ画像読取部b1と接続構成されても構わない。
【0089】
画像逆歪み処理部b3は、セキュリティ画像中に含まれる、セキュリティ画像送信側装置Aの画像歪み処理部a3により原稿画像に上書きされて画像歪み処理された、予め送信側と受信側とで設定された、例えば、水平線や垂直線等が画像歪み処理された図形部分を認識して、この図形部分を指標としてセキュリティ画像の画像歪み処理された部分を一体に、画像歪み処理とは逆方向に画像を歪めるような画像逆歪み処理を実施して、セキュリティ画像全体を図形が上書きされた原稿画像の状態に復元して復元画像を作成するよう機能構成されてもよく、これにより外部要因により歪みが発生した場合でも、画像歪み処理される以前の画像に正確に補正することができる。
【0090】
また、画像逆歪み処理部b3は、セキュリティ画像読取部b1により読み取ったセキュリティ画像に付加された画像ヘッダに書き込まれる設定パスワードと合致する入力パスワードとは異なる入力パスワードが入力された場合にはエラーを通知して、画像歪み処理を中断して終了するよう機能構成されてもよい。
【0091】
さらに、画像逆歪み処理部b3は、セキュリティ画像をセキュリティ画像読取部b1からページ単位で入力された場合、このセキュリティ画像の各ページ毎に、各ページの画像ヘッダを読み取って、画像ヘッダ中の設定パスワードに合致する入力パスワードの入力確認を全ページに亙って繰り返し行うように機能構成されてもよい。
【0092】
(装置例2)
次に、図2は、本発明の一実施形態例に係る装置例2としてのセキュリティ画像通信システム装置を示すシステム構成図である。ここで、同図に示したセキュリティ画像送受信装置C内部の各構成部間の接続関係は、図1に示した送信側信号のフローを示す実線矢印と受信側信号のフローを示す点線矢印と同一又は同等のものである。
【0093】
図2は、図1に示したセキュリティ画像送信側装置Aとセキュリティ画像受信側装置Bがそれぞれ具備する各機能構成部を同時に具備するセキュリティ画像送受信装置Cが通信回線Nに接続されて、セキュリティ画像の送受信を可能とするセキュリティ画像通信システム装置βである。
【0094】
同図に示すように、セキュリティ画像送受信装置Cは、例えば、セキュリティ画像送信側装置A及びセキュリティ画像受信側装置Bと同様のCPUとメモリ等を搭載して、図1に示した、原稿画像読取部a1とセキュリティ画像読取部b1との機能を併せて構成された画像読取部c1と、パスワード設定部a2とパスワード入力部b2との機能を併せて構成されたパスワード設定/入力部c2と、画像歪み処理部a3と画像逆歪み処理部b3との機能を併せて構成された画像正逆歪み処理部c3とを有して、セキュリティ画像を作成可能に機能構成される一方、出力されたセキュリティ画像から復元画像を作成可能に機能構成される。
【0095】
加えて、セキュリティ画像送受信装置Cは、図1に示した画像送信部a4と画像受信部b4との機能を併せて構成されて、通信回線Nに接続されるとともに画像正逆歪み処理部c3に接続された画像送受信部c4を有してもよいものであるが、画像送受信部c4は、従来の手段による画像を送受信可能な通信装置であっても構わない。
【0096】
また、併せて送信側画像出力部a5と受信側画像出力部b5との機能を併せて構成された画像出力部c5を有しても構わず、これにより画像出力部c5は、画像正逆歪み処理部c3にて作成された復元画像を出力するとともに、画像送受信部c4にて受信したセキュリティ画像を出力可能に構成される。
【0097】
なお、画像出力部c5は、例えば、ファクシミリ等の送受信における印刷出力可能にプリンタ等を有して構成された場合には、画像送受信部c4にて受信したセキュリティ画像を印刷出力して、この印刷出力されたセキュリティ画像又は別途設置された従来の受信側装置Dにて受信出力されたセキュリティ画像を画像読取部c1にて読み取るように構成される。
【0098】
一方、画像出力部c5が、例えば、電子メール等の送受信における表示出力可能にディスプレイ等を有して構成された場合には、画像送受信部c4にて受信したセキュリティ画像をこのディスプレイに表示出力して、接続される画像読取部c1にそのままセキュリティ画像を出力可能に構築されても構わない。
【0099】
以上のように構成されたセキュリティ画像送受信装置Cは、原稿画像からセキュリティ画像を作成して、セキュリティ画像受信側装置B又はセキュリティ画像送受信装置Cと同様の構成であるセキュリティ画像送受信装置C´に対して送信可能に構成されるとともに、セキュリティ画像送信側装置A又はセキュリティ画像送受信装置C´から送信されたセキュリティ画像を受信、又は他の受信側装置Dにて受信出力して、このセキュリティ画像から復元画像を作成可能に構成される。
【0100】
(装置例3)
続いて、図3は、本発明の一実施形態例に係る装置例3としてのセキュリティ画像通信システム装置を示すシステム構成図である。
【0101】
同図に示すように、本装置例に係るセキュリティ画像通信システム装置γは、図1及び図2に示した従来の受信側装置Dに替えて、例えば、インターネット等の通信回線Nを介してセキュリティ画像送信側装置Aあるいはセキュリティ画像送受信側装置Cからセキュリティ画像を受信可能なコンピュータの基本機能を具備したパーソナルコンピュータd1と、パーソナルコンピュータd1からの印刷命令に従い所定のデータを印刷可能なプリンタd2とを有して構成される。
【0102】
このとき、セキュリティ画像通信システム装置γは、プリンタd2にて印刷出力されたセキュリティ画像を、図1あるいは図2に示したセキュリティ画像受信側装置Bあるいはセキュリティ画像送受信側装置C´にて読取るとともに、受信側ユーザの読取可能な復元画像を作成、出力可能に構築されるとよい。
【0103】
これにより、セキュリティ画像の受信側では、セキュリティ画像の受信機能を搭載する専用の装置を必要とすることなく、インターネット等の通信回線Nに接続された任意のパーソナルコンピュータd1にてセキュリティ画像を受信、印刷出力することが可能となるとともに、この任意のパーソナルコンピュータd1にて受信可能な画像は読取が困難なセキュリティ画像のみであることから、機密性やプライバシーを十分に担保することができる。
【0104】
[セキュリティ画像例]
続いて、本装置例において適用されるセキュリティ画像例について説明する。
まず、図4は、本画像例に付加される画像ヘッダの例である。以下、本画像例においては、装置例1のセキュリティ画像送信側装置Aとセキュリティ画像受信側装置Bとで説明するものの、装置例2のセキュリティ画像通信システム装置βあるいはセキュリティ画像通信システム装置γに適用するものであっても構わない。
【0105】
同図に示すように、本画像例におけるセキュリティ画像1は、例えば、ページ先頭等のセキュリティ画像1の先頭部に、画像歪み処理部a3により付加された画像ヘッダ11と、同じく画像歪み処理部a3により原稿画像に対して歪みを生じさせた画像で構成されるセキュリティ画像部12とからなる。
【0106】
ここで、画像ヘッダ11は、セキュリティ画像送信側装置Aのパスワード設定部a2にて設定入力された、予め送信側及び受信側で設定された設定パスワードを、画像歪み処理部a3にて、判読不能な形式の、例えば、バイナリコード等に変換することによりパターン化された設定パスワードパターン部と、他に、例えば、送信日時が記載される送信日時記録部11bと、後に続く判読不能な画像がセキュリティ画像であることを受信者に通知して誤解を与えないように、例えば、「セキュリティ画像」と記載して明示セキュリティ画像明示部11c等で構成される。
【0107】
この設定パスワードパターン部11aは、セキュリティ画像受信側装置Bのセキュリティ画像読取部b1で読み取られるものであり、画像逆歪み処理部b3では、この設定パスワードと合致する予め送信側及び受信側において設定された入力パスワードが入力された場合にのみ、セキュリティ画像部12から復元画像の作成を可能とするものである。
【0108】
[画像歪み処理例]
一方、セキュリティ画像部12は、画像歪み処理部a3にて原稿画像に対して画像歪み処理されて作成されるものであるが、ここで、その画像歪み処理例について詳説する。
【0109】
図5は、本処理例を適用される原稿画像として、「A」、「B」二つのキャラクタよりなる原稿画像例であり、図5は、図4に示した原稿画像に対して、本処理例における画像歪み処理例の、例えば、1ピクセルの移動処理を実施した場合の画像歪み例である。
【0110】
本処理例では、原稿画像読取部a1にてビットマップ形式で読み込まれた図4に示すような原稿画像に対し、最も簡単な、それぞれのピクセル行を1ピクセルずつ平行移動させることにより1ピクセルの画像歪み処理を実施したものであるが、各ピクセル行の移動させるピクセル数に任意の値を採用して画像歪み処理することで、原稿画像に記載される情報の判読を困難なものとする。
【0111】
なお、図6は、図5と比較してピクセルの移動方向に伸長された画像サイズとなっているが、ファクシミリ等の画像サイズが規定されている場合、後述するように、伸長された部分をピクセルの移動方向とは逆の付加された空白部分に配置することで、原稿画像と同じ画像サイズを保つことができる。
【0112】
続いて、図7乃至図9を用いて画像歪み処理例を詳説する。
図7は、本処理例が適用される他の原稿画像例に中央交差する2直線からなる図形を上書きされた画像例であり、図8及び図9は、図7に示した図形を上書きされた原稿画像例に対して画像歪み処理例を実施した場合の画像歪み例である。
【0113】
図7の原稿画像には、画像逆歪み処理部b3にて復元が容易となるように、原稿画像中央で交差する2本の斜線を別途原稿画像に対して上書きした例であり、この図形を上書きされた原稿画像に対して、原稿画像を構成するそれぞれのピクセルの各行を1ピクセルずつ移動させたものが図8であり、3ピクセルずつ移動させたものが図9である。
【0114】
図8及び図9に示すように、各ピクセル行の移動させるピクセル数を増大することで原稿画像の判読を困難にすることができ、移動させるピクセル数は、セキュリティ画像送信側装置Aとセキュリティ画像受信側装置Bとで予め設定された任意のピクセル数であって構わない。
【0115】
ここで、図7乃至図9は、原稿画像に対して、別途任意の図形を上書きしてから画像歪み処理を実施させたものであるが、例えば、水平線や垂直線などを原稿画像に上書きすることにより、このセキュリティ画像を画像逆歪み処理部b3にて復元する際に、受信時や出力時及び読み取り時に画像に歪みが発生した場合にも、画像逆歪み処理を実施するピクセル位置を適切に認識することができ、より正確な復元画像を得ることができる。
【0116】
また、図8及び図9に示すように、各ピクセルの移動に伴い発生する、原稿図形と比較して伸長する範囲の図形は、同じ画像歪み処理により生じる図形の空白部分にシフトすることで、原稿画像とセキュリティ画像との画像サイズが同一に保たれる。
【0117】
なお、ここではピクセル単位での画像歪み処理例及び画像逆歪み処理例を説明したが、ビットマップ形式で読み取られた原稿画像に対してビット単位で画像歪み処理を行い、続いて、この作成されたセキュリティ画像に対して、ビット単位による画像逆歪み処理を行うことも可能である。
【0118】
なお、図8又は図9に示すセキュリティ画像1を読み取るセキュリティ画像受信側装置Bは、このセキュリティ画像1から、画像歪み処理の対象となった原稿画像に基づく復元画像を作成するよう機能構成されるものであるが、ここで作成される復元画像は、セキュリティ画像受信側装置Bを利用するユーザが読み取り可能な、例えば、原稿画像と同等のものであり、また、図7に示した原稿画像に図形を上書きされたものであっても構わない。
【0119】
(方法例)
続いて、以上のように構築されたセキュリティ画像通信システム装置αを用いて原稿画像を画像歪み処理したセキュリティ画像1をセキュリティ画像送信側装置Aから作成送信して、通信回線Nを介して受信出力されたこのセキュリティ画像1からこの原稿画像に基づく復元画像をセキュリティ画像受信側装置Bで作成出力するセキュリティ画像通信方法の具体例を説明するものであるが、セキュリティ画像通信システム装置βあるいはセキュリティ画像通信システム装置γに対しても同様に適用される。
【0120】
まず、図10は、本発明のセキュリティ画像送信側装置におけるセキュリティ画像通信方法を説明するためのシーケンス図である。
【0121】
同図に示すように、本形態例では、セキュリティ画像送信側装置Aの原稿画像読取部a1において、まず、原稿画像を、例えば、スキャナ等で読み取って画像歪み処理部a3に出力する(ST1)とともに、パスワード設定部a2から画像歪み処理部a3に向けてこの原稿画像の送信側と受信側との間で予め設定された設定パスワードを入力する(ST2)。
【0122】
次いで、それぞれ入力された画像歪み処理部a3において、この設定パスワードをパターン化した、例えば、設定パスワードパターン部11aを書き込んだ画像ヘッダ11を作成する(ST3)。ここで、画像ヘッダ11には、設定パスワードパターン部11aの他に、例えば、送信日時記録部11bやセキュリティ画像明示部11c等を書き込むように設定されても構わない。
【0123】
続いて、画像歪み処理部3aに入力された原稿画像の、例えば、受信者名やページ数、件名等を記載した1ページ全体や特定領域等の特定の範囲に対しては画像を歪ませる画像歪み処理を行わない、画像歪み処理スキップ指定が事前に設定されているか確認して(ST4)もよく、ここで、スキップ指定が設定されていた場合には、この特定の範囲に対しては次に実施する画像歪み処理を行わずに原稿画像の画像状態のままとして、この特定の範囲を除くその他の領域についてのみ、もしくはスキップ指定が設定されない場合にその原稿画像に対して、画像歪み処理部a3により画像歪み処理を行い(ST5)、セキュリティ画像1のセキュリティ画像部12を作成する。
【0124】
引続き、画像歪み処理部a3において、ST3において作成したパターン化された設定パスワードである設定パスワードパターン部11aを書き込んだ画像ヘッダ11をST5にて作成した画像歪み処理されたセキュリティ画像部12に付加してセキュリティ画像1を作成して(ST6)、例えば、このとき、このセキュリティ画像1を画像送信部a4に出力して、画像送信部a4が出力されたセキュリティ画像1を、接続された通信回線Nを介して所望のセキュリティ画像受信側装置Bに送信可能にエンコードして(ST7)、セキュリティ画像受信側装置Bに向けて送信する(ST8)。
【0125】
また、例えば、ST1にて原稿画像読取部a1にて原稿画像をページ単位にて読み取って、このページ単位毎に複数ページに亙って送信する場合には、画像歪み処理部a3のST6において、このページ毎にセキュリティ画像1を作成した後に、全てのページを処理したものであるか確認して(ST9)、未処理の原稿画像のページがある場合には、再度画像歪み処理のST4からST6を繰り返すようにするとよい。
【0126】
このとき、ここで作成されるセキュリティ画像1のページ毎に、イメージ化された設定パスワードである設定パスワードパターン部11aを書き込んだ画像ヘッダ11を付加することもでき、また、付加する画像ヘッダ11に書き込む設定パスワードについても、ページ毎に任意に設定、変更可能なものとすることもできる。
【0127】
なお、画像送信部a4は適時に通信回線Nとの回線接続及び回線切断を可能とするようにしても構わない。
【0128】
また、セキュリティ画像送信側装置Aに、送信側画像出力部a5を具備させた場合には、ST6にて作成したセキュリティ画像1を画像送信部a4に出力する(ST6a)とともに、送信側画像出力部a5に出力させることにより、送信側で作成したセキュリティ画像1の確認が可能となる。また、ST1にて原稿画像を読み取り、画像歪み処理部a3に出力するとともに送信側画像出力部a5に出力する(ST1a)ようにしてもよい。
【0129】
さらに、セキュリティ画像送信側装置AのST6おいて作成されるセキュリティ画像1は、例えば、ビットマップ形式等の既存の画像形式データであることから、セキュリティ画像1作成後のセキュリティ画像受信側装置Bへ送信する前にコンピュータ等でこのセキュリティ画像を他の画像に貼り付け加工する等の編集を直接実施することも容易に可能である。
【0130】
続いて、図11は、図10に示した画像歪み処理について詳細に説明するためのフローチャートであり、ここで、ST5に示した画像歪み処理の実施について詳細に説明する。
【0131】
ST5の画像歪み処理の実施は、例えば、ST1にて原稿画像読取部a1が原稿画像をビットマップ形式として読み取ることで読み取られたビットマップ形式として保持される原稿画像に対して、例えば、垂直線や水平線のような原稿画像の示す内容を判読不能としない範囲の図形を上書きしてもよい(ST51)。
【0132】
ここで、原稿画像に対して上書きする図形は、セキュリティ画像送信側装置Aとセキュリティ画像受信側装置Bとの間で、予め設定されたものが望ましく、この図形を上書きされた原稿画像に対して次に続く画像歪み処理を実施する際においても原稿画像の画像歪み処理された画像とは区別して認識可能なものが好適である。
【0133】
続いて、原稿画像又はST51にて特定の図形を上書きされた原稿画像を構成するそれぞれのピクセルを、例えば、それぞれのピクセル行毎に予め設定されたピクセル数分特定方向に移動させて(ST52)、後にセキュリティ画像受信側装置Bの具備する画像逆歪み処理部b3にて原稿画像を受信者側で判読可能な復元画像を作成できるような規則的な画像歪みを発生させることにより、ST5に示すセキュリティ画像部12を作成する画像歪み処理を実施させるとよい。
【0134】
次に、図12は、本発明のセキュリティ画像受信側装置におけるセキュリティ画像を受信して出力する際に適用されるセキュリティ画像通信方法を説明するためのシーケンス図である。
【0135】
同図に示すように、セキュリティ画像受信側装置Bにてセキュリティ画像送信側装置Aからセキュリティ画像1を受信して出力するには、まず、セキュリティ画像受信側装置Bにおいて、通信回線Nと接続された画像受信部b4にて、セキュリティ画像送信側装置Aから送信されたセキュリティ画像1を受信して(ST11)、引続き、通信回線Nを介して送受信されるためにエンコードされたデータに対してデコードして(ST12)、セキュリティ画像1を受信側画像出力部b5に渡す。
【0136】
セキュリティ画像1を受け渡された、例えば、印刷手段や表示手段等の受信側画像出力部b5は、画像歪み処理されたままのセキュリティ画像部12を有するセキュリティ画像1を、例えば、プリンタから印刷出力や、ディスプレイにて表示出力、記憶装置へのファイル出力等の出力をする(ST13)。なお、以上のST11乃至ST13の過程は、従来の受信側装置Dによりセキュリティ画像1の受信、出力を行い、その後に別途セキュリティ画像受信側装置Bにてセキュリティ画像1を読み取り、後述する画像逆歪み処理を実施しても構わない。
【0137】
ここで、図13は、図12に示したセキュリティ画像をパーソナルコンピュータとプリンタとを用いて受信、出力する際に適用されるセキュリティ画像通信方法を説明するためのシーケンス図である。
【0138】
同図に示すように、セキュリティ画像通信システム装置γに本方法例を適用する場合は、図12に示したST11乃至ST13のセキュリティ画像の受信、出力を、インターネット等の通信回線N1上の任意の領域に配置されたパーソナルコンピュータd1により、セキュリティ画像1を受信(ST11a)して、デコードし(ST12a)、接続されたプリンタd2にこのセキュリティ画像1の画像データを印刷命令を通知することにより、プリンタd2において、所望のセキュリティ画像1の画像データを印刷する(ST13a)ようにするとよい。
【0139】
続いて、図14は、本発明のセキュリティ画像受信側装置における出力されたセキュリティ画像から復元画像を作成する際に適用されるセキュリティ画像通信方法を説明するためのシーケンス図である。
【0140】
同図に示すように、まず、セキュリティ画像受信側装置Bにおいて、受信したセキュリティ画像1をセキュリティ画像受信側装置B、従来の受信側装置D、又はセキュリティ画像送受信装置C等で一旦出力した上で、まず、パスワード入力部b2にて、セキュリティ画像1の送信側と受信側との間で予め設定された設定パスワードに合致する入力パスワードを入力して(ST21)画像逆歪み部b3にこの入力パスワードを渡す。
【0141】
さらに、ST21とともに、セキュリティ画像読取部b1により、セキュリティ画像送信側装置Aから受信して出力された、例えば、ST13での出力や、他の受信側装置Dにて出力されたセキュリティ画像1から、画像ヘッダ11中の設定パスワードパターン部11aから設定パスワードを読み取り(ST22)、この画像ヘッダを画像逆歪み部b3に渡す。
【0142】
続いて、画像逆歪み部b3では、ST21にて入力された入力パスワードと、ST22にて読み取った設定パスワードとの合致を確認する(ST23)。ここで、この入力パスワードと設定パスワードとの組が、予め送信側と受信側とで設定されたものとは異なるものであった場合、続くセキュリティ画像1の読み取り及びセキュリティ画像1に対する画像逆歪み処理を行わずに、例えば、セキュリティ画像受信側装置Bを利用するユーザに対してエラーを通知して以降の処理を終了する。
【0143】
一方、入力された入力パスワードと設定パスワードとが合致する場合には、セキュリティ画像読取部b1によりセキュリティ画像1を読み取り(ST24)、このセキュリティ画像1を画像逆歪み処理部b3へ渡して、画像逆歪み処理部b3にて、セキュリティ画像送信側装置Aの画像歪み処理部a3により画像歪み処理されたセキュリティ画像部12に対して、例えば、この画像歪み処理と逆方向に画像を歪ませる等の画像逆歪み処理により原稿画像を判読可能とする復元画像を作成し(ST25)、作成した復元画像を受信側画像出力部b5に渡して、受信側画像出力部b5にて復元画像を出力する(ST26)。
【0144】
また、例えば、ST24のセキュリティ画像読取部b1にて読み取ったセキュリティ画像1が、ページ単位で複数ページに亙って送信されたものである場合には、ST22において、先頭ページのみならず、セキュリティ画像読取部b1にてページ毎に画像ヘッダ11中の設定パスワードパターン部11aから設定パスワードを読み出し、続いて、ST23の画像逆歪み処理部b3において、設定パスワードと入力パスワードとの合致を確認するようにするとよい。
【0145】
そこで、画像逆歪み処理部b3は、ST25において復元画像を作成した後に、全てのページを処理したものであるか確認して(ST27)、未処理の原稿画像ページがある場合には、再度、ST21からST26を順次繰り返すようにすることで、全ての原稿画像に対応する復元画像を出力することが可能となる。
【0146】
なお、ここで、ST22及びST24にて読み取るセキュリティ画像及びセキュリティ画像1に付加された画像ヘッダ11は、同時にセキュリティ画像受信側装置Bに搭載する画像受信部b4にて受信して、受信側画像出力部b5にて、例えば、印刷出力又はデータ出力されたものに限定されず、別途設置された他の受信側装置Dにおいて、セキュリティ画像送信側装置Aからのセキュリティ画像1を事前に、例えば、受信印刷出力又はデータ出力されたものを読み取るものでも構わない。
【0147】
また、ST22及びST24を実施するセキュリティ画像読取部b1は、セキュリティ画像受信側装置Bに同時に搭載されて接続された受信側画像出力部b5にてデータ出力されたセキュリティ画像1をそのまま読み取るものでも構わない。
【0148】
続いて、図15は、図14に示した画像逆歪み処理について詳細に説明するためのフローチャートであり、ここで、ST5に示した画像逆歪み処理について詳細に説明する。
【0149】
同図に示すように、ST5の画像逆歪み処理は、例えば、ST24にてセキュリティ画像読取部b1がビットマップ形式として読み取ったセキュリティ画像1に対して、図11に示したST51によりそのセキュリティ画像1が、例えば、垂直線や水平線等の特定の図形を上書きされた原稿画像に対して画像歪み処理して作成されたものである場合には、まず、その画像歪み処理されたセキュリティ画像1中の上書きされた特定の図形部分を認識する(ST251)。
【0150】
次いで、この認識した特定の図形を指標として、画像歪み処理された特定の図形をもとの上書きされた図形の形状に復元するにあたり、その他の画像歪み処理された領域に対しても一体に画像の歪みを補正することで画像逆歪み処理を行い、復元画像のデータを作成して(ST252)、セキュリティ画像1の送受信間や、読み込み、出力等で歪みが発生した場合に対しても、画像逆歪み処理する、例えば、ピクセル位置を正確に認識することが可能なものであるから、より正確な原稿画像の復元を可能するものである。
【0151】
続いて、作成した復元画像のデータを受信側画像出力部b5に渡して(ST253)受信側画像出力部b5に出力させて、画像逆歪み処理(ST25)を終了してもよいが、引続き、画像逆歪み処理部b3にて作成して保持された復元画像のデータを削除する(ST254)ことにより、より確実なセキュリティを確保することができる。
【0152】
(プログラム例及び記録媒体例)
最後に、共にコンピュータの基本的機能を具備するとともに、原稿画像を画像歪み処理したセキュリティ画像1を作成送信するセキュリティ画像送信側装置Aと、通信回線Nを介して受信出力された当該セキュリティ画像からこの原稿画像に基づく復元画像を作成出力するセキュリティ画像受信側装置Bと、を有して構築されたセキュリティ画像通信システム装置αに備わるコンピュータに導入して実行されるセキュリティ画像通信処理プログラム例を説明する。なお、本プログラム例は、セキュリティ画像通信システム装置β,γに適用するものであっても構わない。
【0153】
まず、セキュリティ画像送信側装置Aに、原稿画像を読み取る処理手順とともに、当該原稿画像の送信側と受信側との間で予め設定された設定パスワードを入力する処理手順と、を実行させて、当該設定パスワードをパターン化した設定パスワードパターン部11aを書き込んだ画像ヘッダ11を作成する処理手順と、当該原稿画像に対して画像を歪ませる画像歪み処理を実行する処理手順とともに、画像ヘッダ11を付加してセキュリティ画像1を作成する処理手順と、セキュリティ画像1をセキュリティ画像受信側装置Bに送信する処理手順と、を順次実行させる。
【0154】
一方、セキュリティ画像受信側装置Bに、セキュリティ画像送信側装置Aから受信して出力されたセキュリティ画像1の画像ヘッダ11に書き込まれた設定パスワードパターン部11aから設定パスワードを読み取る処理手順とともに、当該設定パスワードに照合する入力パスワードを入力する処理手順と、を実行させた後に、入力された当該入力パスワードと当該設定パスワードとの合致を確認する処理手順と、を順次実行させる。
【0155】
ここで、設定パスワードと入力パスワードが合致した場合に、セキュリティ画像を読み取る処理手順と、当該セキュリティ画像に対して画像の歪みを補正して原稿画像に基づく復元画像を作成する画像逆歪み処理を実行する処理手順と、当該復元画像を出力する処理手順と、を順次実行させる。
【0156】
このセキュリティ画像受信側装置Bにおける画像ヘッダ11に書き込まれた設定パスワードパターン部11aから設定パスワードを読み取る処理手順は、別途設置された他の従来の受信側装置Dにおいて、セキュリティ画像送信側装置Aから送信されたセキュリティ画像1を一旦受信して、例えば、印刷出力する処理手順を事前に実行させた後に実行されても構わない。
【0157】
なお、セキュリティ画像受信側装置Bにおけるセキュリティ画像1を一旦受信して印刷出力する処理手順を、セキュリティ画像通信システム装置γに適用させる場合には、通信回線N上の任意の領域に配置されたパーソナルコンピュータd1に、通信回線を介してセキュリティ画像1を受信させる手順と、パーソナルコンピュータd1から、プリンタd2にセキュリティ画像1の印刷命令を通知することにより、プリンタd2にてセキュリティ画像1を印刷させる手順とを順次実行させるとよい。
【0158】
また、セキュリティ画像送信側装置Aにて読み取った原稿画像に対して画像歪み処理を実行する処理手順は、予め、原稿画像を読み取る処理手順として、原稿画像をビットマップ形式として読み取る処理手順を実行させた上で、この原稿画像を構成するそれぞれのピクセルを、例えば、それぞれのピクセル行毎に予め設定されたピクセル数分特定方向に移動させる処理手順を実行させる。
【0159】
加えて、この画像歪み処理を実行する処理手順は、原稿画像に対して予め設定された図形を上書きする処理手順と、この図形が上書きされた原稿画像に対して画像歪み処理を行う処理手順と、を順次実行させても構わない。
【0160】
この場合、セキュリティ画像受信側装置Bにて実行させる画像逆歪み処理を実行する処理手順は、セキュリティ画像1中に含まれる、セキュリティ画像送信側装置Aにより原稿画像に上書きされて画像歪み処理された図形部分を認識する処理手順と、この図形部分を、画像歪み処理される以前の図形に補正することで、セキュリティ画像1全体を、図形が上書きされた原稿画像の状態に復元する処理手順と、を順次実行させることで復元画像の作成が可能となる。
【0161】
一方、セキュリティ画像送信側装置Aにて実行させる画像歪み処理を実行する処理手順は、原稿画像の特定の範囲に対して画像歪み処理のスキップ指定を確認する処理手順と、このスキップ指定を確認する処理手順において、スキップ指定が設定されていた場合に、この特定の範囲はそのままに、特定の範囲を除く部分に対してのみ画像を歪ませる処理手順を実行させてもよい。
【0162】
さらに、セキュリティ画像受信側装置Bに実行させる入力パスワードと設定パスワードとの合致を確認する処理手順は、読み取った画像ヘッダ11に書き込まれる設定パスワードパターン部11a中の設定パスワードと合致する入力パスワードとは異なる他の入力パスワードが入力された場合には、エラーを通知して処理を中断し終了する処理手順を実行させても構わない。
【0163】
また、セキュリティ画像送信側装置Aに実行させるセキュリティ画像を作成する処理手順は、原稿画像を読み取る処理手順において事前にこの原稿画像をページ単位で読み取り設定された場合に、ページ単位で作成するセキュリティ画像1に対して、このページ毎に設定パスワードパターン部11aを書き込んだ画像ヘッダ11を付加する処理手順を実行させても構わない。
【0164】
この場合、セキュリティ画像受信側装置Bに実行させる入力パスワードと設定パスワードとの合致を確認する処理手順は、設定パスワードを読み取る処理手順において事前にページ毎に設定パスワードが設定されていた場合に、このページ毎に入力パスワードと設定パスワードとの合致を確認する処理手順を実行させるとよい。
【0165】
さらに、セキュリティ画像受信側装置Bに実行させる復元画像を出力する処理手順は、この復元画像の出力の後に、セキュリティ画像受信側装置Bにおいて保持された復元画像のデータを削除する処理手順を実行させることにより、より確かなセキュリティの確保が可能となる。
このとき、一連の処理手順からなる以上のプログラム例をコンピュータ読取可能な実践手続として実録する記録媒体を得る。
【0166】
なお、本実施形態例においては、送受信される対象を画像と呼ぶものの、セキュリティ画像の送受信は原稿画像の内容に制限されるものではなく、原稿画像としては、例えば、文字、文章、写真、画像、それらを混在するもの、FAX文書等であって構わない。
【0167】
以上、本発明の実施の形態につき、本発明をビットマップ形式で読み取り、画像歪み処理及び画像逆歪み処理を適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明は、必ずしも上述した手段、手法、手順及び手続にのみ限定されるものではなく、前述の効果を有する範囲内において、適宜、変更実施することが可能なものであり、例えば、電子メール等のインターネットを介した画像の送受信や、ファクシミリ等に適用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿画像を画像歪み処理したセキュリティ画像を送信側装置から作成送信して、通信回線を介して受信出力された当該セキュリティ画像から当該原稿画像に基づく復元画像を受信側装置で作成出力するセキュリティ画像通信方法であって、
前記送信側装置において、
まず、前記原稿画像を読み取るとともに、
当該原稿画像の送信側と受信側との間で予め設定された設定パスワードを入力し、
次に、当該設定パスワードをパターン化して書き込んだ画像ヘッダを作成し、
続いて、前記原稿画像に対して画像を歪ませる画像歪み処理を実施するとともに、当該画像ヘッダを付加して前記セキュリティ画像を作成して後、
当該セキュリティ画像を前記受信側装置に送信し、
一方、当該受信側装置において、
当該受信したセキュリティ画像を一旦出力した上で、
まず、前記設定パスワードに合致する入力パスワードを入力するとともに、
前記送信側装置から受信して出力された前記セキュリティ画像の前記画像ヘッダ中から、前記設定パスワードを読み取り、
次に、入力された前記入力パスワードと当該設定パスワードとの合致を確認し、
ここで、当該設定パスワードと当該入力パスワードが合致した場合、
さらに、前記セキュリティ画像を読み取り、
その後、当該セキュリティ画像に対して画像の歪みを補正して前記復元画像を作成する画像逆歪み処理を実施し、
最後に、当該復元画像を出力する、
ことを特徴とするセキュリティ画像通信方法。
【請求項2】
前記受信側装置は、
別途設置された他の画像逆歪み処理をなし得ない受信側装置において、取り敢えず、前記送信側装置からのセキュリティ画像を事前に受信出力して置き、
その後、当該出力セキュリティ画像を、前記画像逆歪み処理なし得る受信側装置において読み取ることにより、前記復元画像を作成出力する、
ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載のセキュリティ画像通信方法。
【請求項3】
前記画像逆歪み処理をなし得ない受信側装置は、
前記通信回線上の任意の領域に配置されたパーソナルコンピュータであって、当該パーソナルコンピュータにより、前記通信回線を介して前記セキュリティ画像を受信し、
当該パーソナルコンピュータに接続されたプリンタに当該セキュリティ画像の印刷命令を通知することにより、当該プリンタにて当該セキュリティ画像を印刷する、
ことを特徴とする請求の範囲第2項に記載のセキュリティ画像通信方法。
【請求項4】
前記画像歪み処理は、
前記原稿画像をビットマップ形式として読み取り、
当該原稿画像を構成するそれぞれのピクセルを、予め設定されたピクセル数分特定方向に移動させて、
前記原稿画像に対して前記画像逆歪み処理により復元可能な画像歪みを発生させる、
ことを特徴とする請求の範囲第1項、第2項又は第3項に記載のセキュリティ画像通信方法。
【請求項5】
前記送信側装置は、
前記原稿画像に対して予め設定された図形を上書きして、
当該図形が上書きされた当該原稿画像に対して前記画像歪み処理を行う、
ことを特徴とする請求の範囲第1項、第2項又は第3項に記載のセキュリティ画像通信方法。
【請求項6】
前記画像逆歪み処理は、
前記セキュリティ画像中に含まれる、前記送信側装置により前記原稿画像に上書きされて前記画像歪み処理された前記図形部分を認識して、
当該図形部分を、当該画像歪み処理される以前の図形に補正することで、前記セキュリティ画像全体を、当該図形が上書きされた前記原稿画像の状態に復元する、
ことを特徴とする請求の範囲第5項に記載のセキュリティ画像通信方法。
【請求項7】
前記画像歪み処理は、
前記原稿画像の特定の範囲に対して当該画像歪み処理のスキップ指定が為された場合、
当該特定の範囲はそのままに、当該特定の範囲を除く部分に対してのみ画像を歪ませる、
ことを特徴とする請求の範囲第1項、第2項又は第3項に記載のセキュリティ画像通信方法。
【請求項8】
前記受信側装置は、
読み取った前記画像ヘッダに書き込まれる前記設定パスワードと合致する前記入力パスワードとは異なる入力パスワードが入力された場合には、エラーを通知して、
前記画像逆歪み処理を中断して終了する、
ことを特徴とする請求の範囲第1項、第2項又は第3項に記載のセキュリティ画像通信方法。
【請求項9】
前記送信側通信装置は、
前記原稿画像の読み取りにおいて、当該原稿画像をページ単位で読み取り、
当該ページ毎に、前記設定パスワードを書き込んだ前記画像ヘッダを付加した前記セキュリティ画像を作成する、
ことを特徴とする請求の範囲第1項、第2項又は第3項に記載のセキュリティ画像通信方法。
【請求項10】
前記受信側通信装置は、
前記画像ヘッダ中から前記設定パスワードの読み取りを前記ページ毎に行い、
当該画像ヘッダに書き込まれる前記設定パスワードに合致する前記入力パスワードの入力確認を、当該ページ毎に行う、
ことを特徴とする請求の範囲第9項に記載のセキュリティ画像通信方法。
【請求項11】
前記復元画像の出力は、
当該復元画像の自動出力の後に、前記受信側装置において保持された当該復元画像を削除する、
ことを特徴とする請求の範囲第1項、第2項又は第3項に記載のセキュリティ画像通信方法。
【請求項12】
通信回線を介して受信側装置に送信される、原稿画像を画像歪み処理して作成された復元可能なセキュリティ画像を作成送信するための送信側装置であって、
前記原稿画像を読み取る原稿画像読取部と、
当該原稿画像に対して、当該原稿画像の送信側と受信側との間で予め設定された設定パスワードを当該原稿画像毎に入力するパスワード設定部と、
前記原稿画像読取部から当該原稿画像を入力されるとともに、前記パスワード設定部から前記設定パスワードを入力されて、当該設定パスワードをパターン化して書き込んだ画像ヘッダを作成するとともに、前記原稿画像に対して画像を歪ませる画像歪み処理を実施して、当該画像ヘッダが付加された前記セキュリティ画像を作成する画像歪み処理部と、を具備する、
ことを特徴とするセキュリティ画像送信側装置。
【請求項13】
前記送信側装置は、
前記通信回線に接続されて、
前記セキュリティ画像をエンコードして、当該通信回線を介して接続される前記受信側装置に対し当該セキュリティ画像を送信する画像送信部を有する、
ことを特徴とする請求の範囲第12項に記載のセキュリティ画像送信側装置。
【請求項14】
前記画像歪み処理部は、
前記原稿画像読取部にてビットマップ形式として読み取られた前記原稿画像に対して、当該原稿画像を構成するそれぞれのピクセルを、予め設定されたピクセル数分特定方向に移動させて歪みを発生させる画像歪み処理を実施するよう機能構成される、
ことを特徴とする請求の範囲第12項に記載のセキュリティ画像送信側装置。
【請求項15】
前記画像歪み処理部は、
前記原稿画像に対して予め設定された図形を上書きして、当該図形が上書きされた当該原稿画像に対して前記画像歪み処理を行うよう機能構成される、
ことを特徴とする請求の範囲第12項に記載のセキュリティ画像送信側装置。
【請求項16】
前記画像歪み処理部は、
読み込まれた前記原稿画像に対して、特定の範囲に対して前記画像歪み処理のスキップ指定を設定可能に保持し、
当該特定の範囲はそのままに、当該特定の範囲を除く前記原稿画像に対してのみ画像を歪ませる前記画像歪み処理を実施するよう機能構成される、
ことを特徴とする請求の範囲第12項に記載のセキュリティ画像送信側装置。
【請求項17】
前記画像歪み処理部は、
前記原稿画像読取部からページ単位で読み取られた前記原稿画像を入力されて、当該ページ毎に、前記設定パスワードを書き込んだ前記画像ヘッダを付加した前記セキュリティ画像を作成するよう機能構成される、
ことを特徴とする請求の範囲第12項に記載のセキュリティ画像送信側装置。
【請求項18】
前記送信側装置は、
前記画像歪み処理部にて当該原稿画像に基づき作成された前記セキュリティ画像を出力する送信側画像出力部を具備する、
ことを特徴とする請求の範囲第12項に記載のセキュリティ画像送信側装置。
【請求項19】
前記送信側画像出力部は、
前記原稿画像読取部にて読み取られた前記原稿画像を出力可能に当該原稿画像読取部に接続される、
ことを特徴とする請求の範囲第18項に記載のセキュリティ画像送信側装置。
【請求項20】
通信回線を介して送信側装置から送信された原稿画像を画像歪み処理して作成された復元可能なセキュリティ画像から、当該原稿画像に基づく復元画像を作成出力するための受信側装置であって、
受信側画像出力部で一旦受信印刷又は表示出力された前記セキュリティ画像と、印刷又は表示出力された当該セキュリティ画像に付加されかつ予め設定されてパターン化された設定パスワードを書き込んだ画像ヘッダを読み取るセキュリティ画像読取部と、
当該設定パスワードに照合する入力パスワードを入力するパスワード入力部と、
当該設定パスワードと当該入力パスワードとが合致するものであった場合に、前記セキュリティ画像に対して画像の歪みを補正して前記復元画像を作成する画像逆歪み処理を実施する画像逆歪み処理部と、を具備する、
ことを特徴とするセキュリティ画像受信側装置。
【請求項21】
前記受信側装置は、
前記通信回線に接続し、
当該通信回線を介して接続される前記送信側装置からエンコードされた前記セキュリティ画像のデータを受信して、当該データを当該セキュリティ画像にデコードする画像受信部を有する、
ことを特徴とする請求の範囲第20項に記載のセキュリティ画像受信側装置。
【請求項22】
前記受信側画像出力部は、
前記画像逆歪み処理部にて作成された前記復元画像をも印刷出力するよう機能構成される、
ことを特徴とする請求の範囲第20項に記載のセキュリティ画像受信側装置。
【請求項23】
前記画像逆歪み処理部は、
前記受信側画像出力部にて前記復元画像を印刷出力した後に、保持する当該復元画像を削除するように機能構成される、
ことを特徴とする請求の範囲第22項に記載のセキュリティ画像受信側装置。
【請求項24】
前記受信側画像出力部は、
印刷出力可能なプリンタを有する、
ことを特徴とする請求の範囲第22項に記載のセキュリティ画像受信側装置。
【請求項25】
前記受信側画像出力部は、
表示出力可能なディスプレイを有する、
ことを特徴とする請求の範囲第22項に記載のセキュリティ画像受信側装置。
【請求項26】
前記受信側画像出力部は、
前記ディスプレイに表示出力された前記セキュリティ画像を前記セキュリティ画像読取部に入力可能に接続構成される、
ことを特徴とする請求の範囲第25項に記載のセキュリティ画像受信側装置。
【請求項27】
前記画像逆歪み処理部は、
前記セキュリティ画像中に含まれる、前記送信側装置により前記原稿画像に上書きされて前記画像歪み処理された、予め設定された図形部分を認識して、当該図形部分を、当該画像歪み処理される以前の図形に補正することで、前記セキュリティ画像全体を、当該図形が上書きされた前記原稿画像の状態に復元して前記復元画像を作成するよう機能構成される、
ことを特徴とする請求の範囲第20項に記載のセキュリティ画像受信側装置。
【請求項28】
前記画像逆歪み処理部は、
読み取った前記画像ヘッダに書き込まれる前記設定パスワードと合致する前記入力パスワードとは異なる入力パスワードが入力された場合にはエラーを通知して、前記画像歪み処理を中断して終了するよう機能構成される、
ことを特徴とする請求の範囲第20項に記載のセキュリティ画像受信側装置。
【請求項29】
前記画像逆歪み処理部は、
前記セキュリティ画像を前記セキュリティ画像読取部からページ単位で入力されて、当該ページ毎に、前記画像ヘッダに書き込まれる前記設定パスワードに合致する前記入力パスワードの入力確認を行うように機能構成される、
ことを特徴とする請求の範囲第20項に記載のセキュリティ画像受信側装置。
【請求項30】
通信回線と、原稿画像を画像歪み処理したセキュリティ画像を作成送信する送信側装置と、当該通信回線を介して受信又は受信出力された当該セキュリティ画像から当該原稿画像に基づく復元画像を作成する受信側装置とで構築されるセキュリティ画像通信システム装置であって、
前記送信側装置は、
請求の範囲第12項、第13項、第14項、第15項、第16項、第17項、第18項又は第19項に記載のセキュリティ画像送信側装置であり、
前記受信側装置は、
請求の範囲第20項、第21項、第22項、第23項、第24項、第25項、第26項、第27項、第28項又は第29項に記載のセキュリティ画像受信側装置である、
ことを特徴とするセキュリティ画像通信システム装置。
【請求項31】
前記送信側装置と前記受信側装置は、
前記原稿画像読取部と前記セキュリティ画像読取部との機能を併せて構成された画像読取部と、
前記パスワード設定部と前記パスワード入力部との機能を併せて構成されたパスワード設定/入力部と、
前記画像歪み処理部と前記画像逆歪み処理部との機能を併せて構成されて、前記画像読取部と前記パスワード設定/入力部と接続された画像正逆歪み処理部と、を有して、
前記セキュリティ画像を作成可能に機能構成される一方、出力された当該セキュリティ画像から前記復元画像を作成可能に機能構成されるセキュリティ画像送受信装置である、
ことを特徴とする請求の範囲第30項に記載のセキュリティ画像通信システム装置。
【請求項32】
前記セキュリティ画像送受信装置は、
前記画像送信部と前記画像受信部との機能を併せて構成されて、前記通信回線に接続されるともに前記画像正逆歪み処理部に接続された画像送受信部を有する、
ことを特徴とする請求の範囲第31項に記載のセキュリティ画像通信システム装置。
【請求項33】
前記セキュリティ画像送受信装置は、
前記送信側画像出力部と前記受信側画像出力部との機能を併せて構成された画像出力部を有する、
ことを特徴とする請求の範囲第31項に記載のセキュリティ画像通信システム装置。
【請求項34】
前記セキュリティ画像通信システム装置は、
前記送信側装置から送信された前記セキュリティ画像を受信する前記通信回線上の任意の領域に配置されたパーソナルコンピュータと、
当該パーソナルコンピュータに接続されて、当該パーソナルコンピュータの印刷命令に基づき前記セキュリティ画像を印刷するプリンタと、を具備して、
前記受信側装置により、当該プリンタにて印刷した前記セキュリティ画像を読込み、前記復元画像を作成可能に構築される、
ことを特徴とする請求の範囲第30項に記載のセキュリティ画像通信システム装置。
【請求項35】
共にコンピュータの基本的機能を具備するとともに、原稿画像を画像歪み処理したセキュリティ画像を作成送信する送信側装置と、通信回線を介して受信出力された当該セキュリティ画像から当該原稿画像に基づく復元画像を作成出力する受信側装置と、を有して構築されたネットワークシステムに適用されるセキュリティ画像通信処理プログラムであって、
前記送信側装置に、
前記原稿画像を読み取る処理手順とともに、
当該原稿画像の送信側と受信側との間で予め設定された設定パスワードを入力する処理手順と、を実行させ、
当該設定パスワードをパターン化して書き込んだ画像ヘッダを作成させる処理手順と、
前記原稿画像に対して画像を歪ませる画像歪み処理を実行する処理手順と、
前記画像ヘッダを付加して前記セキュリティ画像を作成する処理手順と、
当該セキュリティ画像を前記受信側装置に送信する処理手順と、を順次実行させて、
一方、前記受信側装置に、
前記送信側装置から受信して出力された前記セキュリティ画像の前記画像ヘッダ中から、前記設定パスワードを読み取る処理手順とともに、
当該設定パスワードに照合する入力パスワードを入力する処理手順と、を実行させた後に、
入力された当該入力パスワードと当該設定パスワードとの合致を確認する処理手順を実行させ、
ここで、当該設定パスワードと当該入力パスワードが合致した場合に、
前記セキュリティ画像を読み取る処理手順と、
当該セキュリティ画像に対して画像の歪みを補正して前記復元画像を作成する画像逆歪み処理を実行する処理手順と、
当該復元画像を出力する処理手順と、を順次実行させる、
ことを特徴とするセキュリティ画像通信処理プログラム。
【請求項36】
前記受信側装置における前記設定パスワードを読み取る処理手順は、
別途設置された他の従来の受信側装置において、前記送信側装置から送信された前記セキュリティ画像を一旦受信出力する処理手順を事前に実行させた後に実行させる、
ことを特徴とする請求の範囲第35項に記載のセキュリティ画像通信処理プログラム。
【請求項37】
前記送信側装置から送信された前記セキュリティ画像を一旦受信出力する処理手順は、
前記別途設置された他の従来の受信側装置として前記通信回線上の任意の領域に配置されたパーソナルコンピュータに、前記通信回線を介して前記セキュリティ画像を受信させる手順と、
当該パーソナルコンピュータから、当該パーソナルコンピュータに接続されたプリンタに当該セキュリティ画像の印刷命令を通知することにより、当該プリンタにて当該セキュリティ画像を印刷させる手順と、を順次実行させる、
ことを特徴とする請求の範囲第36項に記載のセキュリティ画像通信処理プログラム。
【請求項38】
前記画像歪み処理を実行する処理手順は、
予め、前記原稿画像を読み取る処理手順として、当該原稿画像をビットマップ形式として読み取る処理手順を実行させた上で、
当該原稿画像を構成するそれぞれのピクセルを、予め設定されたピクセル数分特定方向に移動させる処理手順を実行させる、
ことを特徴とする請求の範囲第35項に記載のセキュリティ画像通信処理プログラム。
【請求項39】
前記画像歪み処理を実行する処理手順は、
前記原稿画像に対して予め設定された図形を上書きする処理手順と、
当該図形が上書きされた当該原稿画像に対して前記画像歪み処理を行う処理手順と、を順次実行させる、
ことを特徴とする請求の範囲第35項に記載のセキュリティ画像通信処理プログラム。
【請求項40】
前記画像逆歪み処理を実行する処理手順は、
前記セキュリティ画像中に含まれる、前記送信側装置により前記原稿画像に上書きされて前記画像歪み処理された前記図形部分を認識する処理手順と、
当該図形部分を、当該画像歪み処理される以前の図形に補正することで、前記セキュリティ画像全体を、当該図形が上書きされた前記原稿画像の状態に復元する処理手順と、を順次実行させる、
ことを特徴とする請求の範囲第39項に記載のセキュリティ画像通信処理プログラム。
【請求項41】
前記画像歪み処理を実行する処理手順は、
前記原稿画像の特定の範囲に対して前記画像歪み処理のスキップ指定を確認する処理手順と、
当該スキップ指定を確認する処理手順において、当該スキップ指定が設定されていた場合に、
当該特定の範囲はそのままに、当該特定の範囲を除く部分に対してのみ画像を歪ませる処理手順を実行させる、
ことを特徴とする請求の範囲第35項に記載のセキュリティ画像通信処理プログラム。
【請求項42】
前記入力パスワードと前記設定パスワードとの合致を確認する処理手順は、
読み取った前記画像ヘッダに書き込まれる当該設定パスワードと合致する当該入力パスワードとは異なる入力パスワードが入力された場合には、エラーを通知して処理を中断し終了する処理手順を実行させる、
ことを特徴とする請求の範囲第35項に記載のセキュリティ画像通信処理プログラム。
【請求項43】
前記セキュリティ画像を作成する処理手順は、
前記原稿画像を読み取る処理手順において事前に当該原稿画像をページ単位で読み取り設定された場合に、
当該ページ単位で作成する前記セキュリティ画像に対して、当該ページ毎に前記設定パスワードを書き込んだ前記画像ヘッダを付加する処理手順を実行させる、
ことを特徴とする請求の範囲第35項に記載のセキュリティ画像通信処理プログラム。
【請求項44】
前記入力パスワードと前記設定パスワードとの合致を確認する処理手順は、
当該設定パスワードを読み取る処理手順において事前に前記ページ毎に当該設定パスワードが設定されていた場合に、
当該ページ毎に前記入力パスワードと当該設定パスワードとの合致を確認する処理手順を実行させる、
ことを特徴とする請求の範囲第43項に記載のセキュリティ画像通信処理プログラム。
【請求項45】
前記復元画像を出力する処理手順は、
当該復元画像の出力の後に、前記受信側装置において保持された当該復元画像を削除する処理手順を実行させる、
ことを特徴とする請求の範囲第35項に記載のセキュリティ画像通信処理プログラム。
【請求項46】
請求の範囲第35項、第36項、第37項、第38項、第39項、第40項、第41項、第42項、第43項、第44項又は第45項に記載のセキュリティ画像通信処理プログラムにおける各処理手順の実践手続をコンピュータ読取可能に実録してなる、
ことを特徴とするセキュリティ画像通信処理プログラムを記録した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【国際公開番号】WO2005/002207
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【発行日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−511025(P2005−511025)
【国際出願番号】PCT/JP2004/008814
【国際出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(000160500)
【出願人】(303027690)メトロ・オーバーシーズ・ジャパン株式会社 (1)
【出願人】(599093535)株式会社宇宙環境工学研究所 (7)
【復代理人】
【識別番号】100106895
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 洋一
【Fターム(参考)】