説明

センサアセンブリ及びセンサプローブの組み立て方法

【課題】製造コストが安く、故障部品が交換可能なセンサプローブを組み立てる。
【解決手段】センサを組み立てる方法は、エミッタ336をプローブキャップ300内に配置するステップを含み、エミッタ336は少なくとも1つのマイクロ波信号から電磁界を生成するように構成される。内側スリーブ302は環状であり、該表面324を囲むねじ部326を含む。ねじ部326はプローブキャップ300のねじ部322と連携し、互いにねじ結合される。外側スリーブ304は、内表面328を囲むねじ部332を持ち、内側スリーブ302のねじ部326と連携し、外側スリーブ304内に、内側スリーブ302をねじ結合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に電力システムに関し、より具体的にはセンサアセンブリ、及びセンサプローブの組み立て方法に関する。
【背景技術】
【0002】
既知の機械は、動作中、振動及び/又はその他の異常挙動を示すことがある。機械の動作を測定及び/又は監視し、且つ例えば機械の駆動軸内で示される振動の量、機械の駆動軸の回転速度、及び/又は作業機械又はモータのその他の適宜の動作特性を判定するために1つ又は複数のセンサを使用してもよい。既知のセンサは、複数のモニタを含む機械監視システムに結合されることが多い。監視システムは、1つ又は複数のセンサから測定値を表す信号を受信し、信号に対して少なくとも1つの処理ステップを実行し、次いで診断プラットフォームに修正信号を送信し、これがユーザーに測定値を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7604413号明細書
【発明の開示】
【0004】
既知の機械の少なくとも一部は、機械コンポーネントの振動及び/又は位置を測定するために1つ又は複数の近接センサ及び/又はセンサプローブを使用する。既知の近接センサは通常、例えば射出成形工程を用いて単一の統合コンポーネントとして製造される。より具体的には、既知のセンサの少なくとも一部では、プローブチップは、チップが封入された1つ又は複数の検知素子を含むように射出成形される。しかし、このような製造工程は費用が高く、且つ/又は複雑な製造ステップ及び/又は機械装置を含むことがある。その上、ユニットが統合コンポーネントであるため、近接センサの1つの素子が故障又は損傷すると、センサ全体を交換することが必要になる場合がある。
【0005】
一実施形態では、少なくとも1つのマイクロ波信号から電磁界を生成するように構成されたエミッタをプローブのキャップに配置するステップを含むセンサプローブの組み立て方法を提供する。内側スリーブがプローブキャップに結合され、外側スリーブが内側スリーブに結合される。
【0006】
別の実施形態では、少なくとも1つのマイクロ波信号から電磁界を生成するように構成されたエミッタを含むセンサプローブであって、プローブキャップはエミッタを受容するサイズとされ、内側スリーブがプローブキャップに結合され、外側スリーブが内側スリーブに結合されるセンサプローブを提供する。
【0007】
更に別の実施形態では、少なくとも1つのプローブを含むセンサアセンブリを提供する。少なくとも1つのプローブは、少なくとも1つのマイクロ波信号から電磁界を生成するように構成されたエミッタを含み、プローブキャップはエミッタを受容するサイズとされ、内側スリーブがプローブキャップに結合され、外側スリーブが内側スリーブに結合される。マイクロ波センサアセンブリは更に、少なくとも1つのプローブに結合される信号処理デバイスを含む。信号処理デバイスは、エミッタに誘発されるローディングに基づいて近接測定値を生成するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】例示的な電力システムのブロック図である。
【図2】図1に示す電力システムと共に使用される例示的なセンサアセンブリのブロック図である。
【図3】図2に示すセンサアセンブリと共に使用される例示的なプローブの断面図である。
【図4】図3に示すプローブと共に使用されるマイクロ波センサプローブの例示的な組み立て方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、機械102を含む例示的な電力システム100を示す。例示的実施形態において、機械102は、水力発電タービン、ガスタービン、又は圧縮機を含むが、これらに限定されない。あるいは、機械102は、電力システムで使用されるその他のいずれかの機械でもよい。例示的実施形態において、機械102は、発電機などの負荷106に結合される駆動軸104を回転させる。
【0010】
例示的実施形態において、駆動軸104は、機械102内、及び/又は負荷106内に収容される1つ又は複数のベアリング(図示せず)によって少なくとも部分的に支持される。その代わりに、又はそれに加えて、ベアリングをギヤボックスなどの別個の支持構造体108内に収容してもよく、又は電力システム100を本明細書に記載のように機能可能にするその他のいずれかの構造体又はコンポーネント内に収納してもよい。
【0011】
例示的実施形態において、電力システム100は、機械102、駆動軸104、負荷106、及び/又は電力システム100を本明細書に記載のように機能可能にする電力システムのその他のいずれかのコンポーネントの少なくとも1つの動作状態を測定し、且つ/又は監視する少なくとも1つのセンサアセンブリ110を含む。より具体的には、例示的実施形態において、センサアセンブリ110は、駆動軸104とセンサアセンブリ110との間で画定される距離(図1には図示せず)を測定し、且つ/又は監視するために駆動軸104に近接して配置される近接センサアセンブリ110である。更に、例示的実施形態において、センサアセンブリ110は、センサアセンブリ110に対する電力システム100のコンポーネントの近接度を束帯するためにマイクロ波信号を利用する。本明細書に記載する「マイクロ波」という用語は、約300メガヘルツ(MHz)から約300ギガヘルツ(GHz)の間の1つ又は複数の周波数を有する信号を受信し、且つ/又は送信する信号又はコンポーネントを意味する。あるいは、センサアセンブリ110は電力システム100のその他のいずれかのコンポーネントを測定し、且つ/又は監視してもよく、且つ/又は電力システム100を本明細書に記載のように機能可能にするその他のいずれかのセンサ又はトランスデューサアセンブリであってもよい。例示的実施形態において、各々のセンサアセンブリ110は、電力システム100内の任意の位置に配置される。更に、例示的実施形態において、少なくとも1つのセンサアセンブリ110は、センサアセンブリ110によって生成される1つ又は複数の信号を処理し、且つ/又は分析するために使用される診断システム112に結合される。
【0012】
動作中、例示的実施形態では機械102の動作によって、電力システム100の駆動軸104などの1つ又は複数のコンポーネントの、少なくとも1つのセンサアセンブリ110に対する位置の変化が引き起こされることがある。例えば、コンポーネントの振動が誘発されることがあり、且つ/又は電力システム100内の動作温度の変化と共にコンポーネントが膨張したり収縮したりすることがある。例示的実施形態において、センサアセンブリ110は、各々のセンサアセンブリ110に対するコンポーネントの近接度、位置、及び/又は振動量を測定し、且つ/又は監視し、コンポーネントの測定された近接度、位置、及び/又は振動量を示す信号(以下「近接度測定信号」という)を処理及び/又は分析のために診断システム112に送信する。
【0013】
図2は、(図1に示す)電力システム100に使用できる例示的なセンサアセンブリ110の概略図である。例示的実施形態において、センサアセンブリ110は、信号処理デバイス200と、データコンジット204を介して信号処理デバイス200に結合されるプローブ202とを含む。更に、例示的実施形態において、プローブ202は、プローブハウジング208に結合され、その内部に配置されるエミッタ206を含む。より具体的には、例示的実施形態において、プローブ202は、マイクロ波エミッタ206を含むマイクロ波センサプローブ202である。従って、例示的実施形態において、エミッタ206は、マイクロ波の周波数範囲内にある少なくとも1つの共振周波数を有する。
【0014】
例示的実施形態において、信号処理デバイス200は、送信電力検知器212と、受信電力検知器214と、信号調整デバイス216とに結合される方向性結合デバイス210を含む。更に、例示的実施形態において、信号調整デバイス216は、信号発生器218、減算器220と、リニアライザ222とを含む。エミッタ206は、マイクロ波信号がエミッタ206を経て送信されると電磁界224を発する。
【0015】
動作中、例示的実施形態において、信号発生器218は、エミッタ206の少なくとも1つの共振周波数に等しいか、ほぼ等しいマイクロ波周波数を有する少なくとも1つの電気信号(以下「マイクロ波信号」という)を生成する。信号発生器218は、マイクロ波信号を方向性結合デバイス210に送信する。方向性結合デバイス210は、マイクロ波信号の一部を送信電力検知器212に送信し、マイクロ波信号の残りの部分をエミッタ206に送信する。マイクロ波信号がエミッタ206を通して送信されると、電磁界224がエミッタ206からプローブハウジング208の外側へと発される。駆動軸104又は(図1に示す)機械102及び/又は電力システム100の別のコンポーネントなどの物体が電磁界224内に入り、且つ/又は電磁界224内の物体の相対位置が変化すると、物体と電磁界224との間に電磁結合が生じ得る。より具体的には、電磁界224内に物体が存在するため、且つ/又はこのような物体が移動するため、電磁界224は崩壊することがあり、それは例えば、物体内の電磁誘導、及び/又は物体内に容量性効果が誘発され、それによって電磁界224の少なくとも一部が、電流及び/又は電荷として物体に誘導結合及び/又は容量結合を引き起こすことがあるからである。このような場合、エミッタ206は離調し(すなわちエミッタ206の共振周波数が低減及び/又は変化し)、エミッタ206にローディングが誘発される。エミッタ206に誘発されたローディングは、マイクロ波信号(以下「離調したローディング信号」という)の反射を、データコンジット204を通って方向性結合デバイス210に送信させる。例示的実施形態において、離調したローディング信号は、マイクロ波信号の電力振幅及び/又は位相よりも低い電力振幅と、マイクロ波信号の位相とは異なる位相とを有する。更に、例示的実施形態において、離調したローディング信号の電力振幅は、エミッタ206に対する物体の近接度に依存する。方向性結合デバイス210は、離調したローディング信号を受信電力検知器214に送信する。
【0016】
例示的実施形態において、受信電力検知器214は、離調したローディング信号に基づく電力量、及び/又はそれに含まれる電力量を判定し、離調したローディング信号を表す信号を信号調整デバイス216に送信する。更に、送信電力検知器212は、マイクロ波信号に基づく電力量、及び/又はそれに含まれる電力量を判定し、マイクロ波信号を表す信号を信号調整デバイス216に送信する。例示的実施形態において、減算器220は、マイクロ波信号の電力、及び離調したローディング信号の電力を受信し、マイクロ波信号の電力と離調したローディング信号の電力との差を計算する。減算器220は、計算された差を表す信号(以下「電力差信号」という)をリニアライザ222に送信する。例示的実施形態において、電力差信号の振幅は、電磁界224内の駆動軸104などの物体と、プローブ202及び/又はエミッタ206との間で画定される距離226と、例えば反比例又は指数関数的比例のように比例する(すなわち、距離226は物体の近接度として知られる)。例えばエミッタ206の幾何形状などのエミッタ206の特性に応じて、電力差信号の振幅は、物体の近接度に対して少なくとも部分的に非線形関係を呈することがある。
【0017】
例示的実施形態において、リニアライザ222は、電力差信号を、物体の近接度と信号の振幅との間にほぼ線形関係を呈する電圧出力信号(すなわち「近接度測定信号」)へと変換する。更に、例示的実施形態において、リニアライザ222は、診断システム112内での処理及び/又は分析に適するスケール係数を有する近接度測定信号を(図1に示す)診断システム112に送信する。例示的実施形態において、近接度測定信号は、ボルト毎ミリメートルのスケール係数を有する。あるいは、近接度測定信号は、診断システム112及び/又は電力システム100を、本明細書に記載のように機能可能にするその他のいずれかのスケール係数を有してもよい。
【0018】
図3は、プローブ202及びプローブハウジング208の断面図である。例示的実施形態において、プローブハウジング208は、プローブキャップ300、内側スリーブ302、及び外側スリーブ304を含む。略円筒形の空洞306の少なくとも一部がキャップ300、内側スリーブ302、及び外側スリーブ304によって画定される。より具体的には、プローブキャップ300、内側スリーブ302、及び外側スリーブ304は、プローブハウジング208を組み立てると、空洞の少なくとも一部がプローブキャップ300、内側スリーブ302、及び外側スリーブ304によって画定されるように概ね中空である。
【0019】
例示的実施形態において、プローブキャップ300は、上流側表面310と、反対の下流側表面312とを有する略円筒形の端壁308を含む。プローブキャップ300は更に、上流側表面310を囲む環状側壁314を含む。側壁314は、空洞の少なくとも一部を画定する外表面316と、反対側の内表面318とを含む。例示的実施形態において、プローブキャップ300は、プローブハウジング208を組み立てるとプローブハウジング208を貫通して延びる中心線軸320に対して略対称である。より具体的には、側壁314は中心線軸320から略等間隔だけ離間している。
【0020】
例示的実施形態において、プローブキャップ300は、内表面318を囲むねじ部322を含む。例示的実施形態において、プローブキャップ300は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などのポリケトン材料から製造され、且つ/又は、電力システム100の動作中に実質的に劣化せずに(両方とも図1に示す)産業環境内、及び/又は機械102内にプローブキャップ300を配置できるようなその他のいずれかの材料及び/又は複合材料から製造される。
【0021】
例示的実施形態において、内側スリーブ302は環状であり、プローブキャップ300内に少なくとも一部が収容されるサイズとされる。内側スリーブ302は、外表面324と、反対側の内表面325とを含む。例示的実施形態において、内側スリーブ302は、外表面324を囲むねじ部326を含む。ねじ部326はプローブキャップのねじ部322と連携して、プローブキャップ300と内側スリーブ302とが互いにねじ結合されることを可能にする。例示的実施形態において、内側スリーブ302は、熱可塑性材料、又はその他の可塑性材料などの実質的に非電導性の材料から製造される。従って、内側スリーブ302は、外側スリーブ304から、及び/又はプローブ202に近接する機械102の別の部分からエミッタ206を電磁絶縁するために役立つ。あるいは、内側スリーブ302は、プローブ202を本明細書に記載のように機能可能にするいずれかの材料及び/又は複合材料から製造してもよい。
【0022】
例示的実施形態において、外側スリーブ304は環状であり、内側スリーブ302の少なくとも一部を受容するサイズとされる。外側スリーブ304は、内表面328と、反対側の外表面330とを含む。例示的実施形態において、外側スリーブ304は、内表面328を囲む内側ねじ部332と、外表面330を囲む外側ねじ部334とを含む。内側ねじ部332は内側スリーブのねじ部326と連携して、内側スリーブ302の少なくとも一部が外側スリーブ304内にねじ結合されることを可能にする。外側のねじ部334は、機械102などの機械内に形成されるねじ穴(図示せず)と連携するサイズ及び形状とされる。従って、プローブ202が組み立てられると、測定され、且つ/又は監視される機械コンポーネントに近接してプローブ202が位置するように、プローブ202を機械102内にねじ結合してもよい。あるいは、外側スリーブ304を概ね平滑に製造し、且つ/又は外側のねじ部334を含まないように製造して、1つ又は複数のボルト、ブラケット、及び/又は(図1に示す)電力システム100を本明細書に記載のように機能可能にするその他のいずれかの結合機構を介してプローブ202及び/又は外側スリーブ304を機械102に結合してもよい。
【0023】
例示的実施形態において、エミッタアセンブリ336は、プローブハウジング208内に配置されてプローブ202を形成する。より具体的には、例示的実施形態において、エミッタ206は、エミッタアセンブリ336内でエミッタ本体338に結合される。エミッタ本体338は上流側表面340と、反対側の下流側表面342とを含む。例示的実施形態において、エミッタ本体338は略平坦なプリント基板(PCB)であり、エミッタ206は、エミッタ本体の下流側表面342と一体に形成され、且つ/又はこれに結合される1つ又は複数のトレース及び/又はその他のコンジット(図示せず)を含む。あるいは、エミッタ206及び/又はエミッタ本体338は、プローブ202を本明細書に記載のように機能可能にするその他のいずれかの構造及び/又は構成を有してもよい。結合デバイス344は、信号を(図2に示す)信号処理デバイス200に送信し、又は信号処理デバイス200から受信するために使用されるデータコンジット204などのデータコンジットにエミッタ本体338とエミッタ206とを結合する。例示的実施形態において、結合デバイス344は、1つ又は複数のボルト、ブラケット、溶接及び/又はエミッタアセンブリ336を本明細書に記載のように機能可能にするその他のいずれかの結合機構を含む。あるいは、データコンジット204をエミッタ206、エミッタ本体338、及び/又は信号処理デバイス200と一体に形成してもよい。
【0024】
例示的実施形態において、動作時、プローブキャップ300は、測定され且つ/又は監視される物体と下流側表面312とが対面するように配置される。従って、(図2に示す)電磁界224がエミッタ206によって生成され、電磁界224は下流側表面312から外側に延びる。
【0025】
組み立て中、エミッタアセンブリ336は、結合デバイス344を介してデータコンジット204をエミッタ本体の上流側表面340と、エミッタ206とに結合することによって形成される。エミッタアセンブリ336の少なくとも一部はプローブキャップ300内に配置される。より具体的には、エミッタ338は、エミッタ本体の下流側表面342及びエミッタ206と端壁の上流側表面とが対面するように空洞306内に配置される。内側スリーブ302は空洞306内に挿入され、データコンジット204を中心に配置される。更に、内側スリーブ302は、ねじ部326及び322を介してプローブキャップ300にねじ結合される。内側スリーブ302は、プローブキャップ300にねじ結合され、内側スリーブ302の環状縁部346は、エミッタ本体の上流側表面340と接触し、エミッタ本体338の下流側表面342を端壁の上流側表面310と強制的に接触させる。ねじ部322と326とは連携して、プローブ202の動作中に内側スリーブ302がエミッタ本体338と端壁308との接触状態を保つことを可能にする。
【0026】
外側スリーブ304は、外側スリーブ304が内側スリーブ302を少なくとも部分的に包囲するように内側スリーブ302にねじ結合される。より具体的には、プローブ202が組み立てられると、プローブキャップ300と外側スリーブ304とが内側スリーブ302を包囲する。更に、プローブキャップ300、外側スリーブ304、及び内側スリーブ302は、データコンジット204の少なくとも一部を包囲する。従って、組み立てた状態では、プローブハウジング208は空洞306を実質的に密閉して、エミッタ206を損傷から保護する役割を果たす。図3では、1つ又は複数の空隙348が、プローブキャップ300、内側スリーブ302、外側スリーブ304及び/又はエミッタ本体338の間に画定されるものとして図示されているが、プローブ202を完全に組み立てた後は、プローブキャップ300、内側スリーブ302、外側スリーブ304、及び/又はエミッタ本体338は互いに結合されて、外部環境から実質的に密閉されたプローブ202が形成されることを理解されたい。一実施形態では、空洞306及び/又はプローブ202を外部環境から実質的に密閉し、且つ/又はプローブ202のコンポーネントを互いに結合し易くするため、空洞306にエポキシ材料及び/又はその他のいずれかの材料を充填してもよい。別の実施形態では、空洞306及び/又はプローブ202を外部環境から実質的に密閉し、且つ/又はコンポーネントを互いに結合し易くするため、シール(図示せず)をデータコンジット204、内側スリーブ302、外側スリーブ304、及び/又はプローブ202のその他のコンポーネントに結合してもよい。例示的実施形態において、組み立て後、プローブ202はデータコンジット204を介して信号処理デバイス200に結合される。
【0027】
図4は、(図2に示す)プローブ202などのマイクロ波センサのプローブの例示的な組み立て方法の流れ図である。例示的実施形態において、エミッタをプローブキャップ内に配置する(402)。更に、例示的実施形態において、エミッタは、エミッタによって受信される少なくとも1つのマイクロ波信号から電磁界を生成するように構成される。より具体的には、例示的実施形態において、エミッタをプローブキャップ内に配置するステップ402は、略平坦なエミッタ本体をプローブキャップ内に配置するステップ404を含み、エミッタはエミッタ本体に結合され、且つ/又はエミッタ本体内に形成される。
【0028】
内側スリーブはプローブキャップにねじ結合され(406)、外側スリーブは内側スリーブにねじ結合される(408)。内側スリーブがプローブキャップに結合される(406)ので、内側スリーブはエミッタをプローブキャップと強制的に接触させる(410)。例示的実施形態において、内側スリーブ、外側スリーブ、及びプローブキャップによって少なくとも部分的に空洞が画定されるように、内側スリーブ、外側スリーブ、及びプローブキャップは概ね中空である。データコンジットは内側スリーブを通り、外側スリーブを通り、且つプローブキャップの少なくとも一部を通って(すなわち空洞を通って)延伸され(412)、データコンジットはエミッタに結合される(414)。例示的実施形態において、データコンジットは、エミッタが電磁界を生成可能であるようにするため、少なくとも1つのマイクロ波信号をエミッタに送信するように構成される。マイクロ波プローブは、上記により詳細に記載のように、エミッタに対する機械コンポーネントなどの物体の近接度を測定する。
【0029】
本明細書に記載の例示的なプローブは既知のプローブと比較すると、費用効果が高く、信頼できる方法で製造し、且つ/又は組み立てることができる。プローブキャップ、内側スリーブ、外側スリーブ、及びエミッタアセンブリを別個に製造してもよい。従って、本明細書に記載のプローブを製造するために使用される作業機械の複雑さ及び/又はコストを低減できる。更に、本明細書に記載の例示的なプローブは、最小限の工具で迅速かつ容易に組み立て、機械内に設置できる。プローブのコンポーネントが故障、又は損傷した場合は、単一のコンポーネントとして製造される既知のプローブとは異なり、プローブを分解し、コンポーネントを交換することができる。従って、本明細書に記載のプローブは、プローブを使用するセンサアセンブリ、及び電力システムのコスト及び複雑さを低減するのに役立つ。
【0030】
センサアセンブリ、及びセンサプローブの組み立て方法の例示的実施形態をこれまで詳細に記載した。方法及びセンサアセンブリは、本明細書に記載の特定の実施形態に限定されるものではなく、むしろセンサアセンブリのコンポーネント及び/又は方法ステップを、本明細書に記載のその他のコンポーネント及び/又はステップとは独立して、且つ別個に利用してもよい。例えば、センサアセンブリを別の測定システム及び方法と組み合わせて使用してもよく、本明細書に記載の電力システムのみに実施することに限定されない。むしろ、例示的実施形態を別の多くの測定及び/又は監視のアプリケーションと組み合わせて実装し、使用することができる。
【0031】
本発明の様々な実施形態の特定の特徴をある図面には示し、別の図面には示していないが、それは単に便宜上である。本発明の原理に従って、ある図面のいずれかの特徴を別の図面のいずれかの特徴と組み合わせて参照し、且つ/又は特許請求する。
【0032】
本明細書は、最良の態様を含む本発明を開示するために実施例を用いており、当業者は、デバイス又はシステムの製造及び使用、及び組み込まれたいずれかの方法の実施を可能にする。本発明の特許可能な範囲は請求項によって定義され、当業者が想到する別の実施例を含むものである。このような別の実施例は、請求項の文字言語と異ならない構造要素を有し、又は請求項の文字言語と実体のない相違しかない等価の構造要素を含んでいれば、請求の範囲に含まれることを意図するものである。
【符号の説明】
【0033】
100 電力システム
102 機械
104 駆動軸
106 負荷
108 支持構造体
110 センサアセンブリ
112 診断システム
200 信号処理デバイス
202 プローブ
204 データコンジット
206 エミッタ
208 プローブハウジング
210 方向性結合デバイス
212 送信電力検知器
214 受信電力検知器
216 信号調整デバイス
218 信号発生器
220 減算器
222 リニアライザ
224 電磁界
226 距離
300 プローブキャップ
302 内側スリーブ
304 外側スリーブ
306 空洞
308 端壁
310 上流側表面
312 下流側表面
314 側壁
316 外表面
318 内表面
320 中心線軸
322 ねじ部
324 外表面
325 内表面
326 ねじ部
328 内表面
330 外表面
332 内側ねじ部
334 外側ねじ部
336 エミッタアセンブリ
338 エミッタ本体
340 上流側表面
342 下流側表面
344 結合デバイス
346 環状縁部
348 空隙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサプローブの組み立て方法(400)であって、
少なくとも1つのマイクロ波信号から電磁界を生成するように構成されたエミッタをプローブキャップ内に配置するステップ(402)と、
内側スリーブを前記プローブキャップに結合するステップ(406)と、
外側スリーブを前記内側スリーブに結合するステップ(408)とを含む、方法。
【請求項2】
内側スリーブを前記プローブキャップに結合するステップ(406)が、前記内側スリーブを前記プローブキャップにねじ結合するステップを含む、請求項1に記載の方法(400)。
【請求項3】
前記内側スリーブを前記プローブキャップにねじ結合するステップ(406)が、前記エミッタを前記プローブキャップに強制的に接触させる、請求項2に記載の方法(400)。
【請求項4】
前記外側スリーブを前記内側スリーブに結合するステップ(408)が、前記外側スリーブを前記内側スリーブにねじ結合するステップを含む、請求項1に記載の方法(400)。
【請求項5】
エミッタをプローブキャップ内に配置するステップ(402)が、略平坦なエミッタ本体を前記プローブキャップ内に配置するステップ(404)を含み、前記エミッタが前記エミッタ本体に結合される、請求項1に記載の方法(400)。
【請求項6】
データコンジットを前記エミッタに結合するステップ(414)を更に含み、前記データコンジットが、前記少なくとも1つのマイクロ波信号を前記エミッタに送信するように構成される、請求項1に記載の方法(400)。
【請求項7】
前記内側スリーブ、前記外側スリーブ、及び前記プローブキャップの各々が概ね中空であると共に、データコンジットを前記エミッタに結合するステップ(414)が、前記データコンジットを前記エミッタに結合するため、前記データコンジットを前記外側スリーブ、前記内側スリーブ、及び前記プローブキャップの少なくとも一部を通って延伸させるステップ(412)を含む、請求項6に記載の方法(400)。
【請求項8】
センサプローブ(202)であって、
少なくとも1つのマイクロ波信号から電磁界を生成するように構成されたエミッタ(206)と、
前記エミッタを収容するサイズのプローブキャップ(300)と、
前記プローブキャップに結合される内側スリーブ(302)と、
前記内側スリーブに結合される外側スリーブ(304)とを備える、センサプローブ。
【請求項9】
前記内側スリーブ(302)が前記プローブキャップ(300)にねじ結合される、請求項8に記載のセンサプローブ(202)。
【請求項10】
前記エミッタ(206)が、前記内側スリーブ(302)によって前記プローブキャップ(300)に強制的に接触される、請求項9に記載の方法(400)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−112948(P2012−112948A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−252229(P2011−252229)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】