説明

センサデータ履歴蓄積システム、センサデータ履歴蓄積方法およびプログラム

【課題】移動体の状況に応じた詳細度のセンサデータの履歴を少ない記憶容量で蓄積できるセンサデータ履歴蓄積システムを提供する。
【解決手段】センサデータ履歴記憶手段81は、センサによって検知された移動体の状況を表すデータであるセンサデータの履歴を記憶する。精度決定手段82は、各センサデータに対応付けられたそのセンサデータの変化の度合いに応じて、そのセンサデータの精度を決定する。サンプリング周期決定手段83は、センサデータの中から記録対象とするセンサデータを抽出する周期であるサンプリング周期をセンサデータの変化の度合いに基づいて決定し、そのサンプリング周期で入力されたセンサデータを抽出する。センサデータ変換手段84は、抽出されたセンサデータを精度に基づいて変換したデータである精度対応データを生成する。履歴蓄積手段85は、精度対応データをセンサデータ履歴記憶手段81に蓄積させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体のセンサが測定したデータの履歴を収集及び蓄積するセンサデータ履歴蓄積システム、センサデータ履歴蓄積方法およびセンサデータ履歴蓄積プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
交通管制や物流管理においては、大量の車や人が送信する位置情報などのセンサデータをサーバで収集し、そのデータを加工したセンサデータ履歴を蓄積する処理が大量に行われている。このとき、例えば、車や人が位置する道路や建物を、それらの位置情報をもとに特定する処理なども行われる。
【0003】
車や人などの位置や加速度などのセンサデータを送信する機器の例として、プローブカーやGPS(global positioning system)付き携帯端末などがある。プローブカーやGPS付き携帯端末のように移動しながらサーバにセンサデータを送信する物体を、以下移動体と呼ぶ。
【0004】
大量の移動体が送信するセンサデータの履歴を蓄積しようとしても、利用可能な記憶容量は有限である。そのため、移動体個々のセンサデータ履歴を小さな記憶容量で蓄積することが必要になる。そのため、移動体の位置などの履歴を少ない容量で蓄積する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1に記載されたナビゲーション装置では、位置情報を予め設定されたエリアのいずれかに分類することにより、少ない記憶容量で移動体の位置履歴を記憶する。
【0006】
また、特許文献2には、移動速度に応じて縮尺の異なる地図を選択するナビゲーション装置が記載されている。特許文献2に記載された装置では、速度を区分けした範囲ごとに縮尺の異なる種類の地図を予め記憶しておく。そして、車両等に備えたセンサが移動速度を検出すると、特許文献2に記載された装置は、移動速度に対応する縮尺の地図を取得する。
【0007】
なお、特許文献3には、データの時間的変化率(例えば、エンジン回転数)が所定以上になると、信号化する桁の表示位置を変更する自動車用のディジタル表示装置(例えば、スピードメータ)が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−14475号公報(段落0006)
【特許文献2】特開2008−261805号公報(段落0013,0024,0030)
【特許文献3】特開昭53−112763号公報(2頁右上ブロック,2頁左下ブロック)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
位置情報のようなセンサデータは、詳細度が低いほど少ない記憶容量で蓄積できる。例えば、位置情報を緯度及び経度で表わしたデータを蓄積する場合とエリアに分類して蓄積する場合とを比較する。緯度及び経度で表わしたデータを蓄積する場合、ある時刻の位置を2つの実数で表現したデータを蓄積することになる。一方、特許文献1に記載されたナビゲーション装置のように、エリアに分類して蓄積する場合、エリアを識別する符号1つで表現したデータを蓄積すればよい。
【0010】
しかし、特許文献1に記載された装置では、移動体の状況に関わらず、予め定められたエリアのいずれかにセンサデータの履歴を分類することになる。そのため、分割したエリアの大きさによる詳細度でしか移動体のセンサデータ履歴を蓄積することができないという問題がある。
【0011】
一方、特許文献2に記載されたナビゲーション装置では、異なる縮尺の地図を移動速度に応じて取得するため、移動体の状況に応じた大きさのエリアに変更することは可能である。しかし、特許文献2に記載されたナビゲーション装置では、センサからセンサデータを受信するたびに、受信したセンサデータを逐次蓄積するため、上述のように大量のセンサデータを受信する場合には、多くの記憶容量を消費してしまう。そのため、上述のように大量なセンサデータを受信するような場合であっても、より記憶容量を抑制できることが望ましい。
【0012】
そこで、本発明は、移動体の状況に応じた詳細度のセンサデータの履歴を少ない記憶容量で蓄積できるセンサデータ履歴蓄積システム、センサデータ履歴蓄積方法およびセンサデータ履歴蓄積プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によるセンサデータ履歴蓄積システムは、センサによって検知された移動体の状況を表すデータであるセンサデータの履歴を記憶するセンサデータ履歴記憶手段と、各センサデータに対応付けられたそのセンサデータの変化の度合いに応じて、そのセンサデータの精度を決定する精度決定手段と、センサデータの中から記録対象とするセンサデータを抽出する周期であるサンプリング周期をセンサデータの変化の度合いに基づいて決定し、そのサンプリング周期で入力されたセンサデータを抽出するサンプリング周期決定手段と、抽出されたセンサデータを精度に基づいて変換したデータである精度対応データを生成するセンサデータ変換手段と、精度対応データをセンサデータ履歴記憶手段に蓄積させる履歴蓄積手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
本発明による他のセンサデータ履歴蓄積システムは、センサによって検知された移動体の状況を表すデータであるセンサデータの履歴を記憶するセンサデータ履歴記憶手段と、移動体ごとにセンサデータの精度を記憶する移動体精度記憶手段と、センサデータの中から記録対象とするセンサデータを抽出する周期であるサンプリング周期を、各センサデータに対応付けられたそのセンサデータの変化の度合いに基づいて決定し、そのサンプリング周期で入力されたセンサデータを抽出するサンプリング周期決定手段と、抽出されたセンサデータを移動体精度記憶手段に記憶された精度に基づいて変換したデータである精度対応データを生成するセンサデータ変換手段と、センサデータ変換手段が変換したセンサデータの精度を変更するか否かを判定する精度判定手段と、精度対応データをセンサデータ履歴記憶手段に蓄積させる履歴蓄積手段とを備え、精度判定手段が、センサデータ変換手段が変換したセンサデータと、そのセンサデータを変換する直前にセンサデータ変換手段が変換したセンサデータとを比較して精度を変更するか否かを判定し、履歴蓄積手段が、精度判定手段が精度を変換すると判定したときに、精度判定手段が変換後の精度に基づいて変換したセンサデータをセンサデータ履歴記憶手段に蓄積させることを特徴とする。
【0015】
本発明によるセンサデータ履歴蓄積方法は、センサによって検知された移動体の状況を表すデータであるセンサデータのそれぞれに対応付けられたそのセンサデータの変化の度合いに応じて、そのセンサデータの精度を決定し、センサデータの中から記録対象とするセンサデータを抽出する周期であるサンプリング周期をセンサデータの変化の度合いに基づいて決定し、サンプリング周期で入力されたセンサデータを抽出し、抽出されたセンサデータを精度に基づいて変換したデータである精度対応データを生成し、センサデータの履歴を記憶するセンサデータ履歴記憶手段に精度対応データを蓄積させることを特徴とする。
【0016】
本発明によるセンサデータ履歴蓄積プログラムは、センサによって検知された移動体の状況を表すデータであるセンサデータの履歴を記憶するセンサデータ履歴記憶手段を備えたコンピュータに適用されるセンサデータ履歴蓄積プログラムであって、コンピュータに、各センサデータに対応付けられたそのセンサデータの変化の度合いに応じて、そのセンサデータの精度を決定する精度決定処理、センサデータの中から記録対象とするセンサデータを抽出する周期であるサンプリング周期をセンサデータの変化の度合いに基づいて決定し、そのサンプリング周期で入力されたセンサデータを抽出するサンプリング周期決定処理、抽出されたセンサデータを精度に基づいて変換したデータである精度対応データを生成するセンサデータ変換処理、および、精度対応データをセンサデータ履歴記憶手段に蓄積させる履歴蓄積処理を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、移動体の状況に応じた詳細度のセンサデータの履歴を少ない記憶容量で蓄積できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるセンサデータ履歴蓄積システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】センサデータ収集手段1が入力するデータの一例を示す説明図である。
【図3】センサデータ収集手段1が入力するデータの一例を示す説明図である。
【図4】精度決定手段2が決定した詳細度の一例を示す説明図である。
【図5】サンプリング周期を決定する方法の一例を示す説明図である。
【図6】センサデータ変換手段3が変換した測定値履歴の一例を示す説明図である。
【図7】履歴記憶手段4が記憶するデータの一例を示す説明図である。
【図8】第1の実施形態におけるセンサデータ履歴蓄積システム全体の動作の一例を示すフローチャートである。
【図9】位置情報の精度を決定する場合の動作の一例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施形態におけるセンサデータ履歴蓄積システムの構成例を示すブロック図である。
【図11】分布図決定手段211が決定した精度の一例を示す説明図である。
【図12】概要地図と、測定値履歴に含まれる物理的測定情報とにより表現された位置の一例を模式的に示した説明図である。
【図13】詳細地図と、測定値履歴に含まれる物理的測定情報とにより表現された位置の一例を模式的に示した説明図である。
【図14】分布図マッチ手段311がマッチング処理を行った結果の一例を示す説明図である。
【図15】意味的測定情報の精度の履歴を表すデータ例を示す説明図である。
【図16】意味的データ第1履歴記憶手段411が記憶する意味的測定情報の履歴を表すデータの一例を示す説明図である。
【図17】意味的データ第2履歴記憶手段412が記憶する意味的測定情報の履歴を表すデータの一例を示す説明図である。
【図18】意味的データ第n履歴記憶手段41nが記憶する意味的測定情報の履歴を表すデータの一例を示す説明図である。
【図19】一時的な測定値履歴の記憶処理の一例を示すフローチャートである。
【図20】意味的測定情報の履歴を記憶する処理の一例を示すフローチャートである。
【図21】マッチング処理の精度を決定する動作の一例を示すフローチャートである。
【図22】本発明の第3の実施形態におけるセンサデータ履歴蓄積システムの構成例を示すブロック図である。
【図23】第3の実施形態におけるセンサデータ履歴蓄積システム全体の動作の一例を示すフローチャートである。
【図24】本発明の第4の実施形態におけるセンサデータ履歴蓄積システムの構成例を示すブロック図である。
【図25】測定値履歴をランレングス圧縮した結果の例を示す説明図である。
【図26】第4の実施形態におけるセンサデータ履歴蓄積システム全体の動作の一例を示すフローチャートである。
【図27】本発明の第5の実施形態によるセンサデータ履歴蓄積システムの構成例を示すブロック図である。
【図28】使用精度一時記憶手段241が記憶するデータの一例を示す説明図である。
【図29】本発明の第5の実施形態におけるセンサデータ履歴蓄積システム全体の動作の一例を示すフローチャートである。
【図30】本発明によるセンサデータ履歴蓄積システムの最小構成の例を示すブロック図である。
【図31】本発明によるセンサデータ履歴蓄積システムの他の最小構成の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0020】
実施形態1.
図1は、本発明の第1の実施形態におけるセンサデータ履歴蓄積システムの構成例を示すブロック図である。本実施形態におけるセンサデータ履歴蓄積システムは、センサデータ収集手段1と、精度決定手段2と、センサデータ変換手段3と、履歴記憶手段4とを備えている。
【0021】
センサデータ収集手段1は、移動体の状況を検知するセンサによる測定結果を入力する。各測定結果には、少なくとも、センサが測定した時刻(以下、測定時刻と記す。)における移動体の状況を表すデータ(以下、センサデータと記す。)が含まれる。なお、測定結果に、センサデータの変化の度合いを示すデータ(以下、便宜的に変化率と記すこともある。)を含んでいてもよい。以下、1つの移動体の測定時刻におけるセンサの測定結果を点と記す。また、その点(1点と記すこともある)における測定時刻とセンサデータの値との組を測定値情報と記す。測定値情報には、センサデータだけでなく、センサデータの変化率を含んでいてもよい。また、その測定値情報の履歴を測定値履歴と記す。
【0022】
センサデータ収集手段1は、例えば、移動体の状況を検知するセンサによって実現されてもよく、移動体の状況を検知したセンサからセンサデータを受信して本システムにそのセンサデータを入力する装置によって実現されてもよい。
【0023】
図2は、センサデータ収集手段1が入力するデータの一例を示す説明図である。図2に示す例では、センサデータ収集手段1が入力するデータは、IDT2001と、時刻T2002と、緯度T2003と、経度T2004と、速さT2005と、方位T2006とを含む。
【0024】
IDT2001は、移動体の識別子である。時刻T2002は、移動体の位置を測定した時刻である。緯度T2003及び経度T2004は、時刻T2002における移動体が位置する緯度及び経度である。速さT2005は、時刻T2002における移動体の速度の大きさである。方位T2006は、時刻T2002における移動体の進行方位の方位角である。なお、緯度T2003及び経度T2004がセンサデータに相当し、速さT2005と方位T2006とを組み合わせたデータが変化率に相当する。なお、速さT2005のみを変化率としてもよい。
【0025】
図2に示す例では、緯度や経度を移動体の位置情報として用いる場合について説明した。ただし、位置情報は、緯度や経度に限定されない。例えば、基準点からの角度の組を位置情報として用いてもよい。また、図2に示す例では、移動体の測位時における速さと方位との組を変化率として用いる場合について説明した。ただし、変化率は、速さと方位の組に限定されない。例えば、測位時の東西方向の速度と南北方向との組を変化率として用いてもよい。もしくは、測位時前後の所定の期間における平均速度を変化率として用いてもよい。さらに、変化率は、実数で表現されていなくてもよい。変化率として、例えば、「高速」「低速」「停止」のような変化率の大きさを表す符号を用いてもよい。
【0026】
以下の説明では、センサデータ収集手段1が、センサデータとして移動体の位置情報を、変化率として移動体の移動速度を、それぞれ入力する場合について説明する。ただし、センサデータ収集手段1が入力するデータは、位置情報及び移動体の速度に限られず、他の情報であってもよい。
【0027】
センサデータの値の例として、例えば、緯度や経度、温度や加速度などが挙げられる。なお、センサデータの値は、数値データに限定されない。センサデータの値は、例えば、移動体が現在位置するエリア名や、停止中もしくは歩行中など状況を表すラベル、位置を識別する符号などであってもよい。
【0028】
精度決定手段2は、センサデータ収集手段1が入力した測定値履歴に基づいて、サンプリング周期及び履歴記憶手段4に記憶させる移動体のセンサデータの詳細度を決定し、そのサンプリング周期でセンサデータ変換手段3に通知する。すなわち、サンプリング周期とは、入力されたセンサデータの中から記録対象とするセンサデータを抽出する周期である。そのため、サンプリング周期は、入力されたセンサデータのフィルタの役割を有すると言える。
【0029】
具体的には、精度決定手段2は、センサデータ収集手段1から入力された測定値情報に含まれるセンサデータの変化率に応じて、移動体の位置情報を履歴記憶手段4に記憶させるための詳細度とサンプリング周期とを決定する。すなわち、精度決定手段2は、入力されたセンサデータの変化率に基づいて、その変化率に対応するセンサデータの詳細度及びサンプリング周期を決定する。そして、精度決定手段2は、決定したサンプリング周期で入力された測定値情報及び詳細度をセンタデータ変換手段3に通知する。例えば、センサデータとして移動体ごとの位置情報が入力されると、精度決定手段2は、位置情報の変化率である移動速度に応じて、位置情報の詳細度及びサンプリング周期を決定し、そのサンプリング周期で位置情報、変化率及び詳細度をセンサデータ変換手段3に通知する。なお、以下の説明では、詳細度を精度と記すこともある。
【0030】
図3及び図4を参照して、精度決定手段2が詳細度を決定する方法について詳細に説明する。図3は、センサデータ収集手段1が入力するデータの一例を示す説明図である。図3に示す例では、センサデータ収集手段1が入力するデータは、IDT1001と、時刻T1002と、緯度T1003と、経度T1004と、速さT1005と方位T1006とを含む。図3に例示するIDT1001、時刻T1002、緯度T1003、経度T1004、速さT1005及び方位T1006は、図2におけるIDT2001、時刻T2002、緯度T2003、経度T2004、速さT2005及び方位T2006に対応する。
【0031】
図4は、精度決定手段2が決定した詳細度の一例を示す説明図である。図4に示す例は、図3に例示するデータが入力されたとき、精度決定手段2が、移動体の速さT1005と閾値とを比較し、移動体の位置の詳細度として、緯度と経度とを10進表記する場合における小数点以下の桁数を出力したものである。
【0032】
ここで、図4に例示するIDT1101及び時刻T1102は、入力された図3のデータにおけるIDT1001及び時刻T1002に対応する。また、精度T1103は、IDT1101の時刻T1102における位置情報に対して、後述のセンサデータ変換手段3がデータを変換する際の詳細度である。なお、図4に示す例では、速さT1005が、閾値10未満ならば精度「4」、閾値10以上20未満ならば精度「3」、閾値20以上ならば精度「2」であるものとする。
【0033】
このように、精度決定手段2は、予め定められた閾値に基づいて詳細度を決定してもよい。ただし、精度決定手段2が詳細度を決定する方法は、上記方法に限られない。例えば、詳細度は、3段階に限定されるものではなく、任意の段階数であってもよい。もしくは、点の変化率に相当する情報に対する関数で定められた指標(すなわち、センサデータの変化率に応じて詳細度を導く関数により決定される値)を詳細度として用いてもよい。また、上記説明では、詳細度として緯度及び経度の桁数を用いる場合について説明したが、緯度及び経度の桁数以外の内容を詳細度として用いてもよい。
【0034】
また、精度決定手段2は、入力された測定値履歴中の1つの測定値情報ごとに詳細度を決定せず、複数の測定値情報の集合ごとに詳細度を決定してもよい。精度決定手段2は、例えば、30秒ごとの平均の速さから詳細度を決定してもよい。他にも、精度決定手段2は、例えば、入力されたデータに含まれる速さの中央値から詳細度を決定してもよい。また、精度決定手段2は、点(すなわち、1つの移動体のある時刻におけるセンサの測定結果)におけるセンサデータの変化率に加え、他の情報を使用して詳細度を決定してもよい。
【0035】
さらに、精度決定手段2は、センサデータの変化率が小さいほどセンサデータの精度を高く決定してもよい。以下、センサデータの変化率が小さいほどセンサデータの精度をより高く決定し、センサデータの変化率が大きいほどセンサデータの精度をより低く決定する場合の効果について、位置情報の履歴を蓄積する場合を例に挙げて説明する。
【0036】
車で走行中の場合、一般的に、現在走行中の道路上における区間(例えば、道路番号や走行中の地域)が分かれば履歴として十分であることが多い。一方、歩行中の場合、より詳細な位置の履歴を蓄積したいという要求がある。位置の変化(すなわち、変化率)に着目した場合、歩行中は位置の変化率が小さく、車で走行中は位置の変化率が大きい。この場合、精度決定手段2が、車で走行中の(変化率の大きい)移動体については道路及び地域など荒い詳細度にすると決定し、歩行中の(変化率の小さい)移動体については高い詳細度(例えば、測定した位置情報)にすると決定することで、移動体の状況に応じた詳細度の履歴をより少ない記憶容量で蓄積できる。
【0037】
次に、精度決定手段2がサンプリング周期を決定する方法について具体的に説明する。図5は、精度決定手段2がサンプリング周期を決定する方法の一例を示す説明図である。図5に示す例では、移動体の速さVに対し、V<Vならばサンプリング周期がT、V≦V<Vならばサンプリング周期T=T(V)、V≦Vならばサンプリング周期がTと決定されることを示す。
【0038】
例えば、移動体の速さがvのとき、速さvに対応する図5のグラフ上の点は、点P1001であり、v<Vである。よって、精度決定手段2は、サンプリング周期をTと決定する。また、移動体の速さがvのとき、速さvに対応する図5のグラフ上の点は、点P1002であり、V≦v<Vである。よって、精度決定手段2は、サンプリング周期をTと決定する。さらに、移動体の速さがvのとき、速さvに対応する図5のグラフ上の点は、点P1003であり、V≦vである。よって、精度決定手段2は、サンプリング周期をTと決定する。
【0039】
以上のように、精度決定手段2は、変化率に基づいてサンプリング周期を決定し、そのサンプリング周期で入力されたセンサデータを抽出する。具体的には、精度決定手段2は、センサデータの変化率(ここでは、速さ)と、サンプリング周期とを対応付けた情報(以下、サンプリング周期対応情報と記す。)に基づいてサンプリング周期を決定し、そのサンプリング周期で測定値情報をセンサデータ変換手段3に通知する。
【0040】
このように、精度決定手段2が、変化率に基づいて決定されるサンプリング周期に基づき、入力されたセンサデータの中から記憶対象のセンサデータを抽出することにより、移動体の状況変化に応じて記憶容量を抑制することができる。
【0041】
すなわち、一般的に、センサデータは定期的に移動体の状況を検出するため、センサが検出するセンサデータには、冗長なデータが含まれていることが多い。そのため、精度決定手段2が、移動体の速さに応じて精度を変更するとともに、サンプリング周期でセンサデータを抽出するため、履歴として必要なセンサデータを少ない記憶容量で蓄積できる。
【0042】
なお、上述の方法は、サンプリング周期を決定する方法の一例に過ぎず、サンプリング周期の決定方法は、上述の方法に限定されない。例えば、サンプリング周期を段階化し、その段階ごとに速度と比較するための閾値を対応付けた情報をサンプリング周期対応情報として予め準備しておいてもよい。この場合、精度決定手段2は、その速度の閾値と移動体の速さとを比較してサンプリング周期を決定してもよい。
【0043】
また、精度決定手段2は、移動体のセンサデータの変化率が大きいほど、サンプリング周期を短く決定してもよい。このようにすることで、変化率が大きい部分の履歴の欠損を防止できる。
【0044】
センサデータ変換手段3は、測定値履歴に含まれるセンサデータを、精度決定手段2が決定した詳細度のデータに変換する。そして、センサデータ変換手段3は、変換したセンサデータを含む測定値履歴を履歴記憶手段4へ記憶させる。なお、以下の説明では、センサデータを変換することを、測定値履歴を変換すると記すこともある。
【0045】
図6を参照して、センサデータ変換手段3が測定値履歴を変換する処理の詳細について説明する。図6は、センサデータ変換手段3が変換した測定値履歴の一例を示す説明図である。図6に示す例では、センサデータ変換手段3が変換したデータが、IDT1201と、時刻T1202と、精度1203と、緯度T1204と、経度T1205とを含んでいることを示す。図6に示す例では、図3及び図4に例示したデータがセンサデータ変換手段3に通知されると、センサデータ変換手段3は、緯度及び経度の小数点以下を図4に例示するように決定された精度が示す桁数で丸めるように変換する。このように変換された測定値履歴が、履歴記憶手段4に記憶される。
【0046】
なお、図6に例示するIDT1201は、図3に例示するIDT1001及び図4に例示するIDT1101に対応し、図6に例示する時刻T1202は、図3に例示する時刻T1002及び図4に例示する時刻T1102に対応する。また、図6に例示する精度T1203は、図4に例示する精度T1103に対応する。また、図6に例示する緯度T1204及び経度T1205は、それぞれ図3における緯度T1003及び経度T1004の小数点以下を、精度T1203に指定された桁数以下の値を四捨五入することで丸めた値である。
【0047】
上記説明では、センサデータ変換手段3が、指定された精度の桁数に測定値履歴を変換する方法について説明した。ただし、上記説明は、測定値履歴を変換する方法の一例に過ぎず、測定値履歴を変換する方法は、上記方法に限定されない。センサデータ変換手段3は、指定された桁数にデータを丸める以外の方法で測定値履歴を変換してもよい。
【0048】
また、センサデータ変換手段3へ通知されるデータには、センサデータ収集手段1が入力した全てのデータを含んでいなくてもよい。センサデータ変換手段3へ通知されるデータには、センサデータ変換手段3が変換処理を行い、履歴記憶手段4に記憶させるために必要なデータが含まれていればよい。また、センサデータ変換手段3は、センサデータ収集手段1から入力される測定値履歴に含まれる全ての種類のデータを変換する必要はない。
【0049】
履歴記憶手段4は、センサデータ変換手段3が変換した測定値履歴を記憶する。図7は、履歴記憶手段4が記憶するデータの一例を示す説明図である。図7に示す例では、履歴記憶手段4に記憶されるデータが、IDT1301と、時刻T1302と、精度T1303と、緯度T1304と、経度T1305とを含んでいることを示す。IDT1301は、移動体の識別子である。時刻T1302は、移動体の位置の測定時刻である。精度T1303は、履歴記憶手段4が記憶するデータの中でIDT1301により識別される移動体の時刻T1302における位置情報の精度を表すデータである。図7に示す例では、精度T1303は、緯度T1304及び経度T1305の小数点以下の有効な桁数を表す。緯度T1304及び経度T1305は、IDT1301により識別される移動体の時刻T1302における緯度及び経度である。
【0050】
なお、履歴記憶手段4が記憶する情報は、上記内容に限定されない。移動体の測定値履歴を表すデータであれば、他の内容であってもよい。履歴記憶手段4は、例えば、磁気ディスクにより実現される。
【0051】
精度決定手段2と、センサデータ変換手段3とは、プログラム(センサデータ履歴蓄積プログラム)に従って動作するコンピュータのCPUによって実現される。例えば、プログラムは、コンピュータの記憶部(図示せず)に記憶され、CPUは、そのプログラムを読み込み、プログラムに従って、精度決定手段2及びセンサデータ変換手段3として動作してもよい。また、精度決定手段2と、センサデータ変換手段3とは、それぞれが専用のハードウェアで実現されていてもよい。
【0052】
次に、図8を参照して、本実施形態によるセンサデータ履歴蓄積システムの動作を説明する。図8は、本発明の第1の実施形態におけるセンサデータ履歴蓄積システム全体の動作の一例を示すフローチャートである。以下の説明では、点(すなわち、1つの移動体のある時刻におけるセンサの測定結果)として、位置情報を用いる場合について説明する。ただし、点には、位置情報以外の他の種類のセンサデータを含んでいてもよい。
【0053】
本実施形態によるセンサデータ履歴蓄積システムでは、まず、センサデータ収集手段1が測定値履歴を読み取り、測定値履歴を精度決定手段2に通知する(ステップS101)。次に、精度決定手段2は、入力された測定値履歴中の移動体の状況変化に関する情報をもとに、サンプリング周期及び履歴記憶手段4に記憶させる測定値履歴の精度を決定する(ステップS102)。そして、精度決定手段2は、決定したサンプリング周期で測定値情報及び精度をセンサデータ変換手段3に通知する。
【0054】
センサデータ変換手段3は、通知された測定値履歴を、精度決定手段2が決定した精度の測定値履歴に変換する(ステップS103)。そして、センサデータ変換手段3は、変換された測定値履歴を履歴記憶手段4に記憶させる(ステップS104)。
【0055】
図9を参照して、図8のステップS102における測定値履歴の精度を決定する方法をより具体的に説明する。図9は、本発明の第1の実施形態において位置情報の精度を決定する場合の、ステップS102の動作の一例を示すフローチャートである。図9に例示するフローチャートは、入力された測定値履歴が移動体の速さと緯度及び経度を含む場合に、精度決定手段2が、履歴記憶手段4に記憶させる移動体の位置の精度として、緯度及び経度の小数点以下の桁数を決定する処理を示す。
【0056】
図9に示す例では、精度決定手段2が、移動体の速さvを2つの閾値V、V(ただし、0<V<V)と比較し、v<Vならば、精度をN桁と、V≦v<Vならば、精度をN桁と、V≦vならば、精度をN桁と決定する場合について説明する。ただし、N<N<Nである。
【0057】
精度決定手段2は、まず、入力された測定値履歴から1つの移動体の最初の時刻におけるデータ(例えば、図3に例示する1行目のデータ)を読み込む(ステップS1031)。次に、精度決定手段2は、読み込んだ点(すなわち、1つの移動体のある時刻におけるセンサの測定結果)における移動体の速さvを閾値Vと比較する(ステップS10321)。速さv≧Vならば(ステップS10321のYes)、精度決定手段2は、測定結果を記憶させる精度をN桁と決定する(ステップS10331)。一方、速さv<Vならば(ステップS10321のNo)、精度決定手段2は、速さvを閾値Vと比較する(ステップS10322)。速さv≧Vならば(ステップS10322のYes)、精度決定手段2は、測定結果を記憶させる精度をN桁と決定する(ステップS10332)。また、速さv<Vならば(ステップS10322のNo)、精度決定手段2は、測定結果を記憶させる精度をN桁と決定する(ステップS10333)。最後に、精度決定手段2は、入力された測定値履歴中の全ての点の精度を決定したか否かを判定する(ステップS1034)。全ての点の精度を決定していない場合(ステップS1034のNo)、精度決定手段2は、次の点について、ステップS1031からステップS1034までの処理を繰り返す。一方、全ての点の精度を決定した場合(ステップS1034のYes)、精度決定手段2は、精度を決定する処理を終了する。
【0058】
上記説明では、2つの閾値と速さとを比較して詳細度を決定する場合について説明した。ただし、上記説明は、詳細度を決定する方法の一例に過ぎず、詳細度を決定する方法は、上記方法に限られない。精度決定手段2は、任意の個数の閾値と比較して詳細度を決定してもよい。また、精度決定手段2は、速さと閾値とを比較する方法以外の方法を用いて詳細度を決定してもよい。精度決定手段2は、例えば、移動体の速さに関する減少関数(すなわち、移動体の速さが早くなるほど、詳細度を低く決定する関数)により精度を決定してもよい。
【0059】
また、精度決定手段2は、点(すなわち、1つの移動体のある時刻におけるセンサの測定結果)におけるセンサデータの変化率に関するデータ以外のデータを併用して精度を決定してもよい。
【0060】
以上のように、本実施形態によれば、精度決定手段2が、センサデータの変化の度合いに基づいて詳細度及びサンプリング周期を決定し、決定したサンプリング周期で入力されたセンサデータを抽出する。そして、センサデータ変換手段3が、移動体の測定値履歴を精度決定手段2が決定した精度に変換し、変換したデータを履歴記憶手段4に記憶させる。したがって、移動体の状況変化に応じた精度による測定値履歴を少ない記憶容量で蓄積できる。
【0061】
すなわち、本発明によれば、精度決定手段2が移動体の状況変化(つまりセンサデータの変化量の大小)に応じて、移動体のセンサデータを蓄積する詳細度を制御する。したがって、センサデータの履歴を移動体の状況変化に応じた詳細度かつ少ない記憶容量で記憶することができる。
【0062】
実施形態2.
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図10は、本発明の第2の実施形態におけるセンサデータ履歴蓄積システムの構成例を示すブロック図である。なお、第1の実施形態と同様の構成については、図1と同一の符号を付し、説明を省略する。
【0063】
本実施形態におけるセンサデータ履歴蓄積システムは、センサデータ収集手段1と、一時記憶制御手段112と、センサデータ履歴一時記憶手段113と、分布図決定手段211と、分布図マッチ手段311と、データ精度履歴記憶手段410と、意味的データ第1履歴記憶手段411から意味的データ第n履歴記憶手段41nまでのn個の意味的データ履歴記憶手段とを備える。ただし、nは有限の番号(正の整数)である。図10においては、意味的データ履歴記憶手段として、意味的データ第1履歴記憶手段411と、意味的データ第2履歴記憶手段412と、以降の意味的データ第n履歴記憶手段41nとを示す。なお、以下の説明では、意味的データ第1履歴記憶手段411から意味的データ第n履歴記憶手段41nまでのn個の履歴記憶手段のうちの一つを意味的データ履歴記憶手段と記すこともある。
【0064】
センサデータ履歴一時記憶手段113は、センサデータ収集手段1が入力した移動体の測定値情報を一時的に蓄積する。センサデータ履歴一時記憶手段113は、センサデータ収集手段1が入力したデータをそのまま蓄積してもよく、符号化した状態で蓄積してもよい。また、センサデータ履歴一時記憶手段113は、後述の一時記憶制御手段112の制御により、記憶する測定値情報を分布図決定手段211に出力する。
【0065】
一時記憶制御手段112は、センサデータ履歴一時記憶手段113が測定値履歴を分布図決定手段211に出力するタイミングを制御する。具体的には、一時記憶制御手段112は、センサデータ履歴一時記憶手段113に対し、所定の間隔で測定値履歴を分布図決定手段211に出力するよう指示する。
【0066】
一時記憶制御手段112は、例えば、1つの移動体について所定の個数の位置情報及び速さを示す情報が蓄積されるごとに、1つの移動体の位置情報及び速さの組を測定値履歴として出力するよう指示してもよい。もしくは、一時記憶制御手段112は、蓄積された移動体の位置情報及び速さの組を一定時間ごとに出力するよう指示してもよい。ただし、上述の制御方法は一例であり、位置情報及び速さの組を測定値履歴として出力指示する方法は、上記方法に限定されない。
【0067】
分布図決定手段211は、センサデータ履歴一時記憶手段113から受け取った測定値履歴に基づいて、第1の実施形態における精度決定手段2と同様、測定値履歴の精度とサンプリング周期とを決定し、決定したサンプリング周期で測定値履歴及び精度を分布図マッチ手段311に出力する。本実施形態における測定値履歴の精度は、後述の分布図マッチ手段311が、意味的データ履歴記憶手段に記憶させる移動体の測定値情報を、予め定められた分布図と照合する際に用いられる精度である。
【0068】
ここで、分布図とは、移動体のセンサデータと、そのセンサデータの内容を示す情報とを精度ごとに対応付けた情報であるである。分布図は、例えば、緯度及び経度を示すデータと、道路や建物などを示すデータとを精度ごとに対応付けた情報である。分布図として、例えば、道路や建物を含む地図などが挙げられる。分布図は、精度ごとに予め定められ、例えば、磁気ディスク等によって実現される分布図記憶手段(図示せず)に記憶される。
【0069】
分布図決定手段211は、例えば、予め定められた閾値を超えたか否かを判断して測定値履歴の精度を決定してもよい。この閾値は、例えば、メモリ等に記憶される。以下、図3及び図11を参照して、分布図決定手段211が精度を決定する方法について詳細に説明する。図11は、分布図決定手段211が決定した精度の一例を示す説明図である。図3に例示した測定値履歴が入力されると、分布図決定手段211は、移動体の速さT1005と閾値とを比較する。そして、分布図決定手段211が、移動体の位置の精度として、緯度と経度をそのまま記憶するか、移動体の位置と詳細地図とを照合した結果を記憶するか、移動体の位置と概要地図とを照合した結果を記憶するか、のいずれかに決定する。そのようにして決定された結果が、図11に例示する内容である。
【0070】
ここで、図11に例示するIDT2101及び時刻T2102は、入力された図3のデータにおけるIDT1001及び時刻T1002に対応する。また、精度T2103は、IDT2101の時刻T2102において、後述の分布図マッチ手段311がマッチング処理を行う精度を示す情報である。
【0071】
ここで、分布図マッチ手段311が、移動体の位置を概要地図とマッチングするときの精度を、第1レベルの精度と記す。図11に示す例では、この第1レベルの精度のことを「概要」と記す。また、分布図マッチ手段311が、移動体の位置を詳細地図とマッチングするときの精度を、第2レベルの精度と記す。図11に示す例では、この第2レベルの精度のことを「詳細」と記す。さらに、分布図マッチ手段311が、マッチング処理を行わない(すなわち、センサが検知した緯度及び経度そのままの値を意味的データ履歴記憶手段に記憶させる)ときの精度を、第3レベルの精度と記す。図11に示す例では、この第3レベルの精度のことを「緯度・経度」と記す。
【0072】
すなわち、図11に例示するマッチング方法は、速さT1005が、閾値10未満ならば「マッチングしない(緯度と経度をそのまま記憶)」、閾値10以上20未満ならば「詳細地図との照合」、閾値20以上ならば「概要地図との照合」であることを示す。
【0073】
上記説明では、分布図決定手段211が、照合に用いられる精度を「緯度・経度」,「詳細」,「概要」の3段階に決定する場合について説明した。ただし、上記説明は、精度を決定する方法の一例に過ぎず、精度を決定する方法は、上記方法に限られない。分布図決定手段211は、照合に用いられる精度を、3段階ではなく、任意の数の段階に決定してもよい。また、上記説明では、照合に使用する地図を有限段階の中から選択させることを精度として表していた。ただし、照合処理の対象は地図だけに限られず、地図以外でも精度を示すことが可能な有限段階の情報を精度として用いてもよい。
【0074】
また、分布図決定手段211は、入力された測定値履歴中のある1つの測定値情報と時刻ごとに精度を決定せず、複数の時刻の測定値情報の集合ごとに精度を決定してもよい。分布図決定手段211は、例えば、30秒ごとの平均の速さから精度を決定してもよい。他にも、分布図決定手段211は、例えば、入力されたデータに含まれる速さの中央値から精度を決定してもよい。また、分布図決定手段211は、点(すなわち、1つの移動体のある時刻におけるセンサの測定結果)におけるセンサデータの変化率に加え、他の情報を使用して精度を決定してもよい。
【0075】
また、第1の実施形態における精度決定手段2と同様、分布図決定手段211は、センサデータ履歴一時記憶手段113から取り出した測定値履歴に基づいて、点の変化の大きさが小さい程測定値履歴の精度を高くしてもよい。
【0076】
分布図マッチ手段311は、分布図決定手段211が決定した精度に応じて予め定められた分布図をもとに、その分布図からセンサデータに対応するデータを抽出し、抽出したデータを意味的データ履歴記憶手段に記憶させる。具体的には、分布図マッチ手段311は、分布図決定手段211から受け取った測定値履歴について、分布図決定手段211が決定した精度で地図など分布図上の領域と照合し、照合して得られた結果を意味的データ記憶手段に記憶させる。
【0077】
なお、上述の通り、意味的データ履歴記憶手段は、意味的データ第1履歴記憶手段411から意味的データ第n履歴記憶手段41nまでのn個存在する。そこで、分布図マッチ手段311は、分布図決定手段211が決定した精度に対応する意味的データ履歴記憶手段に、照合して得られた結果を蓄積させる。なお、意味的データ履歴記憶手段と精度とは、予め対応付けしておけばよい。
【0078】
また、分布図マッチ手段311は、点(すなわち、1つの移動体のある時刻におけるセンサの測定結果)と、その点における精度とを対応付けて、後述のデータ精度履歴記憶手段410に記憶させる。
【0079】
例えば、分布図マッチ手段311は、GPSから得られた緯度及び経度を、地図上の道路や建物などの物体や領域と照合し、その結果特定された物体や領域などを履歴として出力する。以下、センサなどから得られた移動体の状況を示す値(すなわち、測定値情報の生データ)を物理的測定情報、物理的測定情報を分布図と照合した結果特定された物体や領域などを意味的測定情報と記す。すなわち、分布図は、センサデータと意味的測定情報とを精度ごとに対応付けた情報と言うことが出来る。なお、物理的測定情報自身も物体や領域などを表す情報であることから、物理的測定情報も意味的測定情報の一種であると言える。物理的測定情報を意味的測定情報として用いる場合、分布図マッチ手段311は、対応するデータを抽出する必要はない。
【0080】
物理的測定情報の一例として、GPSから得られた緯度及び経度や、加速度センサにより得られたx,y,z軸方向の加速度が挙げられる。また、意味的測定情報の一例として、移動体の存在する道路や建物、特定の地点などが挙げられる。また、以下の説明では、物理的測定情報から意味的測定情報を求める照合処理をマッチング処理と記すこともある。すなわち、分布図マッチ手段311は、入力された測定値履歴に含まれる物理的測定情報に対し、分布図決定手段211が決定した精度でマッチング処理を行い、意味的測定情報の履歴を出力すると言うことができる。
【0081】
図12、図13及び図14を参照して、マッチング処理の詳細を具体的に説明する。図12は、概要地図と、測定値履歴に含まれる物理的測定情報とにより表現された位置の一例を模式的に示した説明図である。図13は、詳細地図と、測定値履歴に含まれる物理的測定情報とにより表現された位置の一例を模式的に示した説明図である。
【0082】
図12に示す例では、分布図を4つの領域に分割し、各領域に識別子(ID)を付与していることを示す。また、図13に示す例では、図12に例示する各領域中、さらに小さい領域や道路に対して、それぞれの意味的測定情報を識別する識別子(ID)を付与したことを示す。
【0083】
また、図12及び図13に示す例では、図3に例示する測定値履歴に含まれる物理的測定情報を、概要地図上及び詳細地図上にそれぞれプロットしたことを示す。図3におけるDAT1001、DAT1002、DAT1003、DAT1004、DAT1005、及び、DAT1006の物理的測定情報が、それぞれ図12および図13においてプロットしたP1001、P1002、P1003、P1004、P1005、P1006で示す点に対応する。
【0084】
図12、図13に示す例では、分布図マッチ手段311が、センサデータ履歴一時記憶手段113から取り出された図3に例示する測定値履歴と、分布図決定手段211が決定した図11に例示する精度を受け取り、マッチング処理を行う。
【0085】
分布図決定手段211は、例えば、点P1003に対応する測定値履歴については、概要地図を用いて(すなわち、第1レベルの精度で)マッチング処理を行うと決定する。図12に示す例の場合、点P1003に対応する測定値履歴のマッチング処理を行った結果は、図12に例示する概要地図上の場所を示す領域6310101になる。
【0086】
また、分布図決定手段211は、点P1002、点P1004及び点P1006に対応する測定値履歴については、概要地図とのマッチング結果から詳細地図を引き、さらに、これらの測定値履歴と詳細地図とのマッチング処理(すなわち、第2レベルの精度でマッチング処理)を行うと決定する。図12に示す例の場合、点P1002、点P1004及び点P1006に対応する測定値履歴のマッチング処理を行った結果は、図13に例示する詳細地図上において、概要地図の領域6310101内のエリアA891647、領域6310101内のエリアA891605及び領域630115内の道路R163になる。
【0087】
一方、分布図決定手段211は、点P1001及び点P1005に対応する測定値履歴については、緯度及び経度をそのままマッチング結果にする(すなわち、第3レベルの精度)と決定する。
【0088】
図14は、分布図マッチ手段311がマッチング処理を行った結果の一例を示す説明図である。図14に示す例では、分布図マッチ手段311がマッチング処理した結果に、IDT2111と、時刻T2112と、精度T2113と、概要T2114と、詳細T2115と、緯度・経度T2116とが含まれることを示す。
【0089】
図14に例示するIDT2111及び時刻T2112は、入力された図3に例示する測定値履歴のIDT1001及び時刻T1002に対応する。また、精度T2113は、位置情報をマッチング処理した精度である。図14に示す例では、精度T2113は、「概要」(すなわち、第1レベルの精度)、「詳細」(すなわち、第2レベルの精度)及び「緯度・経度」(すなわち、第3レベルの精度)の3種類に分類される。
【0090】
概要T2114、詳細T2115及び緯度・経度T2116のいずれも、移動体の位置情報を表す意味的測定情報である。ただし、位置情報の精度により、含まれるマッチング結果が異なる。図14に示す例では、概要T2114には、精度T2113が「概要」、「詳細」、「緯度・経度」のいずれの場合もマッチング結果が含まれ、詳細T2115には、精度T2113が「詳細」又は「緯度・経度」の場合にマッチング結果が含まれ、緯度・経度T2116には、精度T2113が「緯度・経度」の場合にマッチング結果が含まれていることを示す。なお、意味的測定情報の内容は、上述の内容に限定されない。移動体の意味的測定情報を示す履歴であれば、他の内容であってもよい。
【0091】
上記説明では、マッチング処理の対象になる物理的測定情報が、移動体の位置である場合について説明した。ただし、物理的測定情報は、移動体の位置に限定されない。物理的測定情報として、例えば、加速度センサが検知する加速度を用いてもよい。この場合、分布図決定手段211が、加速度の分散が所定の値よりも大きい場合に「歩いている」と判断し、分散が小さい場合に歩いていると判断して精度を決定し、分布図マッチ手段311が、その精度に基づいて意味的測定情報とのマッチング処理を行ってもよい。
【0092】
他にも、物理的測定情報として、温度や降水量を検知するセンサが検知する値を用いてもよい。この場合、分布図決定手段211が、温度や降水量の変化に基づいて精度を決定し、分布図マッチ手段311が、その精度に基づいて意味的測定情報とのマッチング処理を行ってもよい。
【0093】
データ精度履歴記憶手段410は、分布図マッチ手段311によるマッチング処理の結果として、意味的データ履歴記憶手段に記憶される精度の履歴を記憶する。すなわち、データ精度履歴記憶手段410は、点(すなわち、1つの移動体のある時刻におけるセンサの測定結果)と、その意味的測定情報の精度とを対応付けて記憶する。
【0094】
図15は、意味的測定情報の精度の履歴を表すデータ例を示す説明図である。データ精度履歴記憶手段410には、例えば、図6に例示する精度の履歴が記憶される。図15に示す例では、データ精度履歴記憶手段410が記憶するデータには、IDT2301と、時刻T2302と、精度T2303とが含まれる。
【0095】
IDT2301は、移動体の識別子である。時刻T2302は、移動体のセンサデータの測定時刻である。精度T2303は、IDT2301で識別される移動体の時刻T2302における意味的測定情報がマッチング処理された精度を表すデータである。図15に示す例では、精度T2303は、「概要」(すなわち、第1レベルの精度)、「詳細」(すなわち、第2レベルの精度)及び「緯度・経度」(すなわち、第3レベルの精度)の3種類に分類される。
【0096】
上記説明では、精度T2303が、意味的測定情報の精度を表すデータを記憶する場合について説明した。ただし、精度T2303は、意味的測定情報の精度を表すデータの代わりに、その精度の意味的測定情報を記憶する記憶手段(図示せず)を参照するポインタを記憶してもよい。
【0097】
意味的データ履歴記憶手段は、変換されたセンサデータの履歴を精度に応じて記憶する。具体的には、各意味的データ履歴記憶手段は、意味的測定情報の履歴を精度に応じて記憶する。上述の通り、意味的データ履歴記憶手段には、意味的データ第1履歴記憶手段411から意味的データ第n履歴記憶手段41nまでのn個の記憶手段が含まれる。各記憶手段は、例えば、磁気ディスク等により実現される。
【0098】
意味的データ第1履歴記憶手段411は、分布図マッチ手段311がマッチング処理を行って抽出した各移動体における最も低い精度の意味的測定情報の履歴を記憶する。
【0099】
図16は、意味的データ第1履歴記憶手段411が記憶する意味的測定情報の履歴を表すデータの一例を示す説明図である。図16に示す例では、意味的データ第1履歴記憶手段411が記憶するデータは、IDT23011と、時刻T23012と、第1レベル位置T23013とを含む。
【0100】
IDT23011は、移動体の識別子である。時刻T23012は、移動体のセンサデータの測定時刻である。第1レベル位置T23013は、IDT23011の移動体の時刻T23012における、最も低い精度による意味的測定情報である。図16に例示する第1レベル位置T23013は、概要地図によるマッチング処理(すなわち、第1レベルの精度によるマッチング処理)の結果得られた場所を識別するためのIDである。
【0101】
ただし、第1レベル位置T23013に記憶される内容は、上述の内容に限定されない。第1レベル位置T23013には、各移動体における意味的測定情報の履歴のうち、最も低い精度のデータが記憶されていればよい。なお、意味的データ第1履歴記憶手段411が記憶する意味的測定情報の履歴は、位置を示す内容に限定されない。
【0102】
意味的データ第2履歴記憶手段412は、分布図マッチ手段311がマッチング処理を行って抽出した各移動体における2番目に低い精度の意味的測定情報の履歴を記憶する。ここで、意味的データ第2履歴記憶手段412が記憶する意味的測定情報の履歴は、2番目に低い精度以上の精度(すなわち、最も低い精度及び2番目に低い精度)でマッチング処理された測定値情報に対応するデータである。
【0103】
図17は、意味的データ第2履歴記憶手段412が記憶する意味的測定情報の履歴を表すデータの一例を示す説明図である。図17に示す例では、意味的データ第2履歴記憶手段412が記憶するデータは、IDT23021と、時刻T23022と、第2レベル位置T23023とを含む。
【0104】
IDT23021は、移動体の識別子である。時刻T23022は、移動体のセンサデータの測定時刻である。第2レベル位置T23023は、IDT23021の移動体の時刻T23012における、2番目に低い精度による意味的測定情報である。図17に例示する第2レベル位置T23023は、詳細地図によるマッチング処理(すなわち、第2レベルの精度によるマッチング処理)の結果得られた場所を識別するためのIDである。
【0105】
ただし、第2レベル位置T23023に記憶される内容は、上述の内容に限定されない。第2レベル位置T23023には、各移動体における意味的測定情報の履歴のうち、2番目に低い精度のデータが記憶されていればよい。なお、意味的データ第2履歴記憶手段412が記憶する意味的測定情報の履歴は、位置を示す内容に限定されない。
【0106】
意味的データ第n履歴記憶手段41nは、分布図マッチ手段311がマッチング処理を行って抽出した各移動体におけるn番目に低い精度の意味的測定情報の履歴を記憶する。ここで、意味的データ第n履歴記憶手段41nが記憶する意味的測定情報の履歴は、n番目に低い精度以上(すなわち、最も低い精度からn番目に低い精度まで)の精度でマッチング処理された測定値情報に対応するデータである。
【0107】
図18は、意味的データ第n履歴記憶手段41nが記憶する意味的測定情報の履歴を表すデータの一例を示す説明図である。ここで、n=3である。図18に示す例では、意味的データ第n履歴記憶手段41nが記憶するデータは、IDT23031と、時刻T23032と、第3レベル位置T23033とを含む。
【0108】
IDT23031は、移動体の識別子である。時刻T23032は、移動体のセンサデータの測定時刻である。第3レベル位置T23033は、IDT23031の移動体の時刻T23032における、3番目に低い精度による意味的測定情報である。図18に例示する、第3レベル位置T23033は、緯度及び経度(すなわち、第3レベルの精度)を表す。
【0109】
ただし、第3レベル位置T23033に記憶される内容は、上述の内容に限定されない。第3レベル位置T23033には、各移動体における意味的測定情報の履歴のうち、3番目に低い精度のデータが記憶されていればよい。なお、意味的データ第n履歴記憶手段41n(ここでは、意味的データ第3履歴記憶手段413)が記憶する意味的測定情報の履歴は、位置を示す内容に限定されない。
【0110】
なお、上記説明では、意味的データ履歴記憶手段が、3つの記憶手段(意味的データ第1履歴記憶手段411、意味的データ第2履歴記憶手段412及び意味的データ第n履歴記憶手段41n。ただし。n=3。)を含み、それぞれが1番目から3番目までの低い精度による意味的測定情報を記憶する場合について説明した。ただし、意味的データ履歴記憶手段に含まれる記憶手段の数は3つに限定されず、記憶される精度も3番目に低い精度までの意味的測定情報に限定されない。
【0111】
分布図決定手段211と、分布図マッチ手段311とは、プログラム(センサデータ履歴蓄積プログラム)に従って動作するコンピュータのCPUによって実現される。また、分布図決定手段211と、分布図マッチ手段311とは、それぞれが専用のハードウェアで実現されていてもよい。
【0112】
次に、本実施形態によるセンサデータ履歴蓄積システムの動作を説明する。上述の通り、本実施形態におけるセンサデータ履歴蓄積システムは、センサデータ収集手段1が、入力した測定値履歴を一時的にセンサデータ履歴一時記憶手段113に記憶させる(以下、一時的な測定値履歴の記憶処理と記す。)。そして、一時記憶制御手段112と、センサデータ履歴一時記憶手段113と、分布図決定手段211と、分布図マッチ手段311とにより、データ精度履歴記憶手段410に対しては、履歴の記憶処理が行われ、意味的データ第1履歴記憶手段411から意味的データ第n履歴記憶手段41nまでの記憶手段(すなわち、意味的データ履歴記憶手段)に対しては、意味的測定情報の履歴を記憶する処理が行われる。
【0113】
一時的な測定値履歴の記憶処理は、移動体の物理的測定情報が入力されるたびに開始される。また、意味的測定情報の履歴を記憶する処理は、一時記憶制御手段112が指定したタイミングで開始される。タイミングの一例として、センサデータ履歴一時記憶手段113に一定の個数の物理的履歴が蓄積されたタイミングが挙げられる。ただし、一時記憶制御手段112が指定するタイミングは、上記タイミングに限定されない。以下の説明では、点(すなわち、1つの移動体のある時刻におけるセンサの測定結果)として、位置情報を用いる場合について説明する。ただし、点には、他の種類のセンサデータを含んでいてもよい。
【0114】
以下、図19を参照して、本実施形態によるセンサデータ履歴蓄積システムにおける一時的な測定値履歴の記憶処理について説明する。図19は、一時的な測定値履歴の記憶処理の一例を示すフローチャートである。まず、センサデータ収集手段1は、システムに入力された移動体の物理的測定情報を読み取り(ステップS211)、センサデータ履歴一時記憶手段113に追加する(ステップS212)。そして、センサデータ収集手段1は、物理的測定情報の入力が終了したか否かを判定する(ステップS213)。入力が終了した場合(ステップS213におけるYes)、センサデータ収集手段1は、処理を終了する。一方、入力が終了した場合(ステップS213におけるYes)、センサデータ収集手段1は、入力が終了するまでステップS211及びS212の処理を繰り返す。
【0115】
次に、図20を参照して、本実施形態において意味的測定情報の履歴を記憶する処理全体について説明する。図20は、第2の実施形態において、意味的測定情報の履歴を記憶する処理全体の一例を示すフローチャートである。
【0116】
まず、分布図決定手段211は、センサデータ履歴一時記憶手段113から測定値履歴を取り出す。すなわち、分布図決定手段211に測定値履歴が入力される(ステップS221)。なお、ステップS221で取り出されたデータ(測定値履歴)は、センサデータ履歴一時記憶手段113から消去される。例えば、分布図マッチ手段311が、取り出した測定値履歴を、センサデータ履歴一時記憶手段113から消去してもよい。
【0117】
次に、分布図決定手段211は、センサデータ履歴一時記憶手段113から取り出した測定値履歴からマッチング処理の精度及びサンプリング周期を決定する(ステップS222)。そして、分布図マッチ手段311は、サンプリング周期で取り出した測定値履歴に対し、分布図決定手段211が決定した精度でマッチング処理を行う(ステップS223)。そして、分布図マッチ手段311は、マッチング処理により得られた意味的測定情報の履歴を、意味的データ第1履歴記憶手段411から意味的データ第n履歴記憶手段41nのうち、対応する精度の測定値履歴を記憶する記憶手段に記憶させる(ステップS224)。なお、分布図マッチ手段311は、対応する精度以下の測定値履歴を記憶する記憶手段に、得られた意味的測定情報の履歴を記憶させてもよい。
【0118】
次に、図20に例示するステップS222においてマッチング処理の精度を決定する方法について、図21を参照して具体的に説明する。図21は、第2の実施形態においてマッチング処理の精度を決定する動作の一例を示すフローチャートである。図21に例示するフローチャートは、図20におけるステップS222の処理をより具体的に説明したものである。
【0119】
図21に示す例では、入力された測定値履歴に移動体の速さと緯度経度とを含むものとし、移動体の位置の精度が、概要レベル(すなわち、第1レベルの精度)、詳細レベル(すなわち、第2レベルの精度)、緯度・経度レベル(すなわち、第3レベルの精度)の3段階のいずれかに決定される場合について説明する。
【0120】
また、図21に示す例では、分布図決定手段211が、移動体の速さvを2つの閾値V、V(ただし、0<V<V)と比較し、v<Vならば、精度を「緯度・経度レベル」と、V≦v<Vならば、精度を「詳細レベル」と、V≦vならば、精度を「概要レベル」と決定する場合について説明する。
【0121】
分布図決定手段211は、まず、入力された測定値履歴から1つの点(例えば、図3に例示する1行目のデータ)を読み込む(ステップS1031)。次に、分布図決定手段211は、読み込んだ点における移動体の速さvを閾値Vと比較する(ステップS10321)。速さv≧Vならば(ステップS10321のYes)、分布図決定手段211は、マッチング処理の精度を「概要レベル」と決定する(ステップS22231)。一方、速さv<Vならば(ステップS10321のNo)、分布図決定手段211は、vを閾値V2と比較する(ステップS10322)。速さv≧Vならば(ステップS10322のYes)、分布図決定手段211は、マッチング処理の精度を「詳細レベル」と決定する(ステップS22232)。また、速さv<Vならば(ステップS10322のNo)、分布図決定手段211は、マッチング処理の精度を「緯度・経度レベル」と決定する(ステップS22233)。分布図決定手段211は、全ての点の精度を決定したか否かを判定する(ステップS1034)。全ての点の精度を決定していない場合(ステップS1034のNo)、分布図決定手段211は、次の点について、ステップS1031からS1034までの処理を繰り返す。一方、全ての点の精度が決定した場合(ステップS1034のYes)、分布図決定手段211は、精度を決定する動作を終了する。
【0122】
上記説明では、2つの閾値と速さとを比較してマッチング処理の精度を決定する場合について説明した。ただし、上記説明は、マッチング処理の精度を決定する方法の一例に過ぎず、マッチング処理の精度を決定する方法は、上記方法に限られない。分布図決定手段211は、任意の個数の閾値と比較してマッチング処理の精度を決定してもよい。また、分布図決定手段211は、速さと閾値とを比較する方法以外の方法を用いてマッチング処理の精度を決定してもよい。分布図決定手段211は、例えば、移動体の速さに関する減少関数(すなわち、移動体の速さが早くなるほど、詳細度を低く決定する関数)によりマッチング処理の精度を決定してもよい。
【0123】
また、分布図決定手段211は、点(すなわち、1つの移動体のある時刻におけるセンサの測定結果)におけるセンサデータの変化率に関するデータ以外のデータを併用してマッチング処理の精度を決定してもよい。
【0124】
次に、図20に例示するステップS224において意味的データ履歴記憶手段に意味的測定情報を記憶させる処理について、より具体的に説明する。
【0125】
例えば、図20に例示するステップS222において、分布図決定手段211が、a番目(ただし、aは正の整数)に低い精度までマッチング処理を行うと決定したとする。このとき、分布図マッチ手段311は、まず、データ精度履歴記憶手段410にはaを出力する。具体的には、分布図マッチ手段311は、測定値情報と精度(ここでは、a)とを対応付けてデータ精度履歴記憶手段410に記憶させる。
【0126】
次に、i=1と定義し、i≦aならば、分布図マッチ手段311は、意味的データ第i履歴記憶手段41iに、i番目に低い精度によるマッチング処理の結果得られた意味的測定情報の履歴を記憶させ、iをインクリメントする。分布図マッチ手段311は、上記処理をi≦aを満たす間繰り返し、i>aになったときに処理を終了する。
【0127】
なお、分布図マッチ手段311が、意味的データ履歴記憶手段に意味的測定情報を記憶させる方法は、上記方法に限定されない。
【0128】
以上のように、本実施形態によれば、分布図決定手段211が、決定された精度における分布図から、物理的測定情報に対応する意味的測定情報を抽出し、分布図マッチ手段311が、精度に応じて意味的測定情報を記憶する意味的データ履歴記憶手段に抽出した意味的測定情報を蓄積させる。このように、物理的測定情報を意味的測定情報に変換しているため、第1の実施形態の効果に加え、より少ない記憶容量でセンサデータの履歴を蓄積できる。
【0129】
また、一般的に、マッチング処理を行う情報が少ないほど、マッチング処理を高速に行うことが可能である。また、点の変化が大きい場合、点の変化が小さい場合に比べて、各点の情報の精度を低くしても問題ないことが多い。本実施形態によれば、分布図決定手段211が、点の変化の大きさに基づいてマッチング処理の精度を決定する。よって、精度をそれほど高くする必要がない場合には、マッチング処理の精度を低くし、高速にマッチング処理をさせることが可能になる。したがって、移動体の状況変化に対して十分な精度の意味的測定情報の履歴を高速に蓄積できる。
【0130】
また、本実施形態によれば、センサデータ収集手段1が、センサデータ履歴一時記憶手段113に測定値履歴を一時的に蓄積する。そして、一時記憶制御手段112の制御により測定値履歴が分布図決定手段211及び分布図マッチ手段311に入力される。したがって、外部から測定値履歴を入力せずに1点を入力するだけで位置情報の履歴を蓄積できる。
【0131】
実施形態3.
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図22は、本発明の第3の実施形態におけるセンサデータ履歴蓄積システムの構成例を示すブロック図である。本実施形態におけるセンサデータ履歴蓄積システムは、センサデータ収集手段1と、状況推定手段221と、分布図決定手段211と、分布図マッチ手段311と、データ精度履歴記憶手段410と、意味的データ第1履歴記憶手段411から意味的データ第n履歴記憶手段41nまでのn個の履歴記憶手段とを備える。ただし、nは有限の番号(正の整数)である。なお、図22において第2の実施形態と同一の構成部分については、図10と同じ符号を付し、説明を省略する。
【0132】
状況推定手段221は、時系列に表わしたセンサデータの測定時刻と、その測定時刻における移動体のセンサデータの値との組に基づいて、各センサデータに対応付ける変化率を推定する。具体的には、状況推定手段221は、センサデータ収集手段1が入力したセンサデータをもとに、移動体の各点におけるセンサデータの変化率に関する情報を推定し、入力されたセンサデータにその推定結果を加えた情報を測定値履歴として分布図決定手段211に出力する。
【0133】
状況推定手段221は、例えば、ある測定時刻における位置と、その測定直前の時刻における位置との差分から算出した距離を、両時刻の差分から算出した時間で割ることにより、上記測定時刻における速度を推定してもよい。また、状況推定手段221は、ある測定時刻における位置と、その測定直後の時刻における位置との差分から算出した距離を、両時刻の差分から算出した時間で割ることにより、上記測定時刻における速度を推定してもよい。さらに、状況推定手段221は、ある測定時刻に対し、測定時刻の直前の時刻における位置と、測定時刻の直後の時刻における位置との差分から算出した距離を、上記直前の時刻と直後の時刻との差分から算出した時間で割ることにより、上記測定時刻における速度を推定してもよい。
【0134】
他にも、状況推定手段221は、前回の測定時刻における位置からの距離と、予め定められた閾値とを比較し、その閾値に応じて予め定められた速さを割り当てることで、速度を推定してもよい。
【0135】
また、例えば、移動体の速度が含まれるデータが入力されたときに、一部の測定時刻における速度が欠けている場合、状況推定手段221は、その欠けている測定時刻における速度を推定してもよい。
【0136】
さらに、入力されたデータにマッチング処理を行う対象になる値以外の情報が含まれている場合、状況推定手段221は、その情報を使用して変化率を推定してもよい。例えば、GPSにより測定された緯度及び経度と、加速度センサにより測定された加速度とを含む測定値履歴に対して、移動体の位置情報のマッチング処理を行う場合、状況推定手段221は、加速度センサが測定した値の推移をもとに、例えば、「停止中」、「歩行中」及び「車による移動中」のうち、いずれかの変化率と推定してもよい。
【0137】
なお、上記説明では、状況推定手段221が、速度を変化率として推定する場合について説明した。ただし、状況推定手段221が推定する変化率は、速度に限定されない。また、状況推定手段221が変化率を推定する方法も、上記方法に限定されない。
【0138】
分布図決定手段211と、状況推定手段221と、分布図マッチ手段311とは、プログラム(センサデータ履歴蓄積プログラム)に従って動作するコンピュータのCPUによって実現される。また、分布図決定手段211と、状況推定手段221と、分布図マッチ手段311とは、それぞれが専用のハードウェアで実現されていてもよい。
【0139】
次に、図23を参照して、本実施形態によるセンサデータ履歴蓄積システムの動作を説明する。図23は、本発明の第3の実施形態におけるセンサデータ履歴蓄積システム全体の動作の一例を示すフローチャートである。
【0140】
本実施形態によるセンサデータ履歴蓄積システムでは、まず、センサデータ収集手段1が入力した測定値履歴を、状況推定手段221に通知する(ステップS301)。次に、状況推定手段221は、移動体の状況(すなわち、各センサデータの変化率)を推定し、その結果を入力された測定値履歴に付与して分布図決定手段211に出力する(ステップS302)。
【0141】
分布図マッチ手段311は、状況推定手段221から測定値履歴が入力されると、分布図決定手段211は、入力された測定値履歴から、マッチング処理の精度及びサンプリング周期を決定する(ステップS222)。そして、分布図マッチ手段311は、決定された精度で入力された測定値履歴のマッチング処理を行う(ステップS223)。分布図マッチ手段311は、得られた精度をデータ精度履歴記憶手段410に記憶させ、また、得られた意味的測定情報の履歴を意味的データ第1履歴記憶手段411から意味的データ第n履歴記憶手段41nのうち、対応する精度の測定値履歴を記憶する記憶手段に記憶させる(ステップS224)。なお、分布図マッチ手段311は、対応する精度以下の測定値履歴を記憶する記憶手段に、得られた意味的測定情報の履歴を記憶させてもよい。
【0142】
ただし、図23に例示するフローチャートは、第3の実施形態におけるセンサデータ履歴蓄積システム全体の動作の一例にすぎず、第3の実施形態におけるセンサデータ履歴蓄積システム全体の動作は、図23に例示する処理に限定されない。
【0143】
以上のように、本実施形態によれば、状況推定手段221が、移動体のセンサデータの変化率に関する情報を推定し、分布図決定手段211に出力する。すなわち、状況推定手段221が、時系列に表されたセンサデータの測定時刻と、その測定時刻における移動体のセンサデータの値との組に基づいて、センサデータに対応付ける変化率を推定する。そして、分布図決定手段211が、推定された変化率に応じてセンサデータの精度を決定する。よって、第1の実施形態及び第2の実施形態における効果に加え、移動体のセンサデータの変化率に関する情報が入力されない場合でも、移動体の状況に応じた精度による位置情報の履歴を少ない記憶容量で蓄積できる。
【0144】
実施形態4.
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図24は、本発明の第4の実施形態におけるセンサデータ履歴蓄積システムの構成例を示すブロック図である。本実施形態におけるセンサデータ履歴蓄積システムは、センサデータ収集手段1と、分布図決定手段211と、分布図マッチ手段311と、履歴圧縮手段430と、データ精度圧縮履歴記憶手段4310と、意味的データ第1履歴圧縮記憶手段4311から意味的データ第n履歴圧縮記憶手段431nまでのn個の圧縮履歴記憶手段とを備える。ただし、nは有限の番号(正の整数)である。なお、図24に示す例では、意味的データ第1履歴圧縮記憶手段4311と、意味的データ第2履歴圧縮記憶手段4312と、以降の意味的データ第n履歴圧縮記憶手段431nとを示す。なお、以下の説明では、意味的データ第1履歴圧縮記憶手段4311から意味的データ第n履歴圧縮記憶手段431nまでのn個の圧縮履歴記憶手段のうちの一の記憶手段を意味的データ履圧縮歴記憶手段と記すこともある。なお、図24において、第2の実施形態と同一の構成部分については、図10と同じ符号を付し、説明を省略する。
【0145】
履歴圧縮手段430は、分布図マッチ手段311がマッチング処理を行った結果を圧縮する。履歴圧縮手段430は、例えば、変換された移動体の位置に対してランレングス圧縮を行ってもよい。もしくは、履歴圧縮手段430は、変換された移動体の位置を差分符号化することにより圧縮してもよい。また、履歴圧縮手段430は、変換された移動体の位置情報に対して辞書式圧縮を行ってもよい。ただし、履歴圧縮手段430が測定値履歴を圧縮する方法は、上記方法に限定されない。
【0146】
以下、履歴圧縮手段430が測定値履歴を圧縮する処理について説明する。履歴圧縮手段430は、ランレングス圧縮により、例えば、移動体の位置が一致した最初の時刻及び位置が一致していた期間を用いて測定値履歴を圧縮してもよい。図25は、図16に例示する測定値履歴をランレングス圧縮した結果の例を示す説明図である。図25に示す例では、履歴圧縮手段430が圧縮した測定値履歴が、IDT4011と、時刻T4012と、期間T4013と、第1レベル位置T4014とを含んでいることを示す。
【0147】
IDT4011は、移動体の識別子である。第1レベル位置T4014は、移動体IDT4011の位置を第1レベルの精度でマッチング処理した結果である。時刻T4012及び期間T4013は、それぞれ、IDT4011で識別される移動体の位置が第1レベル位置T4014で表される位置(エリア)とマッチした最初の時刻及びマッチしていた期間である。
【0148】
なお、履歴圧縮手段430が測定値履歴を圧縮する方法は、上記方法に限定されない。履歴圧縮手段430は、図25に例示する内容以外の構造を用いて圧縮データを表してもよく、また、他の符号化アルゴリズムを用いて測定値履歴を圧縮してもよい。
【0149】
また、履歴圧縮手段430は、分布図マッチ手段311がマッチング処理を行った結果だけでなく、後述の意味的データ履歴圧縮記憶手段に記憶された圧縮済みの測定値履歴と併せて圧縮してもよい。
【0150】
さらに、履歴圧縮手段430は、分布図決定手段211が決定した各測定値履歴の精度を圧縮し、後述のデータ精度圧縮履歴記憶手段4310に記憶させる。なお、各測定値履歴の精度を圧縮する方法は、測定値履歴を圧縮する方法と同様の方法を用いればよい。
【0151】
データ精度圧縮履歴記憶手段4310は、分布図マッチ手段311によるマッチング処理の結果が記憶される精度の履歴を圧縮して記憶する。すなわち、データ精度履歴記憶手段410は、点(すなわち、1つの移動体のある時刻におけるセンサの測定結果)と、その意味的測定情報の精度とを対応付けた情報を圧縮して記憶する。
【0152】
意味的データ履歴圧縮記憶手段は、圧縮されたセンサデータの履歴を精度に応じて記憶する。具体的には、意味的データ履歴圧縮記憶手段は、圧縮された意味的測定情報の履歴を精度に応じて記憶する。上述の通り、意味的データ履歴圧縮記憶手段には、意味的データ第1履歴圧縮記憶手段4311から意味的データ第n履歴圧縮記憶手段41nまでのn個の記憶手段が含まれる。各記憶手段は、例えば、磁気ディスク等により実現される。
【0153】
意味的データ第1履歴圧縮記憶手段4311は、履歴圧縮手段430が圧縮した各移動体における最も低い精度の意味的測定情報の履歴を記憶する。意味的データ第1履歴圧縮記憶手段4311が記憶するデータは、第2の実施形態で説明した意味的データ第1履歴記憶手段411が記憶するデータを圧縮した結果に相当する。
【0154】
意味的データ第2履歴圧縮記憶手段4312は、履歴圧縮手段430が圧縮した各移動体における2番目に低い精度の意味的測定情報の履歴を記憶する。意味的データ第2履歴圧縮記憶手段4312が記憶するデータは、第2の実施形態で説明した意味的データ第2履歴記憶手段412が記憶するデータを圧縮した結果に相当する。
【0155】
意味的データ第n履歴圧縮記憶手段431nは、履歴圧縮手段430が圧縮した各移動体におけるn番目に低い精度の意味的測定情報の履歴を記憶する。意味的データ第n履歴圧縮記憶手段431nが記憶するデータは、第2の実施形態で説明した意味的データ第n履歴記憶手段41nが記憶するデータを圧縮した結果に相当する。
【0156】
なお、上記説明では、意味的データ履歴圧縮記憶手段が、3つの記憶手段(意味的データ第1履歴圧縮記憶手段4311、意味的データ第2履歴圧縮記憶手段4312及び意味的データ第n履歴圧縮記憶手段431n。ただし。n=3。)を含み、それぞれが1番目から3番目までの低い精度による圧縮された意味的測定情報を記憶する場合について説明した。ただし、意味的データ履歴圧縮記憶手段に含まれる記憶手段の数は3つに限定されず、記憶される精度も3番目に低い精度までの圧縮された意味的測定情報に限定されない。
【0157】
分布図決定手段211と、分布図マッチ手段311とは、プログラム(センサデータ履歴蓄積プログラム)に従って動作するコンピュータのCPUによって実現される。また、分布図決定手段211と、分布図マッチ手段311とは、それぞれが専用のハードウェアで実現されていてもよい。
【0158】
次に、図26を参照して、本実施形態によるセンサデータ履歴蓄積システムの動作について説明する。図26は、本発明の第4の実施形態におけるセンサデータ履歴蓄積システム全体の動作の一例を示すフローチャートである。
【0159】
本実施形態によるセンサデータ履歴蓄積システムでは、まず、センサデータ収集手段1が入力した測定値履歴が、分布図決定手段211に通知される(ステップS221)。次に、分布図決定手段211は、通知された測定値履歴中の点の変化の大きさに関する情報から、測定値履歴のマッチング処理の精度及びサンプリング周期を決定する(ステップS222)。そして、分布図マッチ手段311は、決定された精度で測定値履歴のマッチング処理を行い、マッチング処理の結果及び精度を履歴圧縮手段430に出力する(ステップS223)。
【0160】
その後、履歴圧縮手段430は、入力された意味的測定情報の履歴及び精度を圧縮し(ステップS3041)、圧縮した結果をデータ精度履歴記憶手段410、及び、意味的データ第1履歴圧縮記憶手段4311から意味的データ第n履歴圧縮記憶手段431nまでの各記憶手段に記憶させる(ステップS3042)。
【0161】
以上のように、本実施形態によれば、履歴圧縮手段430が、移動体の位置情報の履歴を圧縮する。そのため、より少ない記憶容量で移動体の位置情報を記憶できる。
【0162】
すなわち、移動体の位置情報の精度は、速度の大きさが大きくなるほど低くなる。そのため、速度が大きくなった場合、同じ位置や近接する位置が連続して入力される確率が高くなり、入力されるデータに含まれる位置情報は冗長性が大きくなる。このような状態で圧縮処理を行うことで、高い効率で圧縮することが可能になり、より少ない記憶容量で移動体の位置情報を記憶できる。
【0163】
実施形態5.
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。図27は、本発明の第5の実施形態によるセンサデータ履歴蓄積システムの構成例を示すブロック図である。本実施形態におけるセンサデータ履歴蓄積システムは、センサデータ収集手段1と、サンプリング周期決定手段5と、使用精度一時記憶手段241と、分布図マッチ手段311と、分布図第2マッチ手段340と、データ精度履歴記憶手段410と、意味的データ第1履歴記憶手段411から意味的データ第n履歴記憶手段41nまでのn個の履歴記憶手段とを備える。ただし、nは有限の番号(正の整数)である。なお、図27において、第2の実施形態と同一の構成部分については、図10と同じ符号を付し、説明を省略する。
【0164】
サンプリング周期決定手段5は、サンプリング周期を決定する。なお、サンプリング周期を決定する方法は、第1の実施形態における精度決定手段2がサンプリング周期を決定する方法と同様のため、説明を省略する。
【0165】
使用精度一時記憶手段241は、移動体ごとにセンサデータの精度を記憶する。具体的には、使用精度一時記憶手段241は、前回のマッチング処理の精度を移動体ごとに記憶する。図28は、使用精度一時記憶手段241が記憶するデータの一例を示す説明図である。図28に示す例では、使用精度一時記憶手段241が記憶するデータは、IDT4101と、精度T4102とを含む。
【0166】
IDT4101は、移動体の識別子である。精度T4102は、分布図マッチ手段311がIDT4101の移動体を前回マッチング処理した際の精度である。精度T4102は、例えば、「概要」(すなわち、第1レベルの精度)、「詳細」(すなわち、第2レベルの精度)及び「緯度・経度」(すなわち、第3レベルの精度)の3段階の精度で表わされる。
【0167】
図28に示す例では、例えば、移動体の物理的測定情報として緯度及び経度が入力されたときに、識別子「1001」で識別される移動体における前回のマッチング処理の精度が、「詳細」であり、識別子「1002」で識別される移動体における前回のマッチング処理の精度が「緯度・経度」であることを示す。
【0168】
なお、使用精度一時記憶手段241が記憶する内容は、上述の内容に限定されない。例えば、使用精度一時記憶手段241は、前回マッチング処理に使用した分布図の識別子を精度の代わりに記憶してもよい。また、使用精度一時記憶手段241は、移動体の識別子及び前回のマッチング処理の精度以外のデータを記憶してもよい。例えば、使用精度一時記憶手段241は、前回のマッチング処理の結果得られた意味的測定情報を記憶してもよい。
【0169】
使用精度一時記憶手段241が記憶する内容は、後述の分布図第2マッチ手段340により更新される。なお、使用精度一時記憶手段241が記憶する内容の初期値は、例えば、最も低い精度にするなど、予め定めておけばよい。使用精度一時記憶手段241は、例えば、磁気ディスク等により実現される。
【0170】
分布図マッチ手段311は、使用精度一時記憶手段241に記憶された精度に応じて予め定められた分布図をもとに、その分布図からセンサデータに対応するデータ(すなわち、意味的測定情報)を抽出する。
【0171】
すなわち、分布図マッチ手段311は、センサデータ収集手段1が入力したセンサデータの精度を、使用精度一時記憶手段241から読み取る。そして、分布図マッチ手段311は、読み取った精度に応じて予め定められた分布図をもとに、その分布図からセンサデータに対応するデータ(すなわち、意味的測定情報)を抽出する。
【0172】
例えば、図28に例示するように、使用精度一時記憶手段241が移動体と精度とを対応付けて記憶している場合、分布図マッチ手段311は、センサデータ収集手段1が入力したセンサデータを測定した移動体に対応する精度を使用精度一時記憶手段241から読み取ってもよい。
【0173】
分布図第2マッチ手段340は、センサデータの精度を変更するか否かを判定する。精度を変更すると判定した場合、分布図第2マッチ手段340は、変更後の精度で意味的測定情報を抽出する。
【0174】
具体的には、分布図第2マッチ手段340は、分布図マッチ手段311が抽出した意味的測定情報を入力として、前回と同じ精度で意味的測定情報を記憶するか、切り替えた精度で意味的測定情報を記憶するかを判定し、判定結果の精度をデータ精度履歴記憶手段410に記憶させる。
【0175】
精度を切り替えると判定した場合、分布図第2マッチ手段340は、切り替え後の精度でマッチング処理を行い、意味的データ第1履歴記憶手段411から意味的データ第n履歴記憶手段41nうち適切な記憶手段にマッチング処理の結果を記憶させる。このとき、分布図第2マッチ手段340は、使用精度一時記憶手段241に記憶されているマッチング処理の精度を、切り替え後の精度に更新する。
【0176】
一方、精度を切り替えないと判定した場合、分布図第2マッチ手段340は、分布図マッチ手段311によるマッチング処理の結果を意味的データ履歴記憶手段に記憶させる。なお、記憶させる意味的データ履歴記憶手段を決定する方法は、第2の実施形態と同様である。
【0177】
以下、分布図第2マッチ手段340が精度を切り替えるか否かを判定する方法の例について具体的に説明する。
【0178】
分布図第2マッチ手段340は、例えば、直前のマッチング処理の結果得られた意味的測定情報(以下、前回意味的測定情報と記す。)と、今回のマッチング処理の結果得られた意味的測定情報(以下、今回意味的測定情報と記す。)とを比較する。前回意味的測定情報と今回意味的測定情報とが同じ場合、分布図第2マッチ手段340は、より高い精度に切り換えると判定してもよい。また、前回意味的測定情報と今回意味的測定情報とが、予め定められた閾値以上離れている場合、分布図第2マッチ手段340は、より低い精度に切り換えると判定してもよい。ただし、分布図第2マッチ手段340が精度を切り替えるか否かを判定する方法は、上述の方法に限定されない。
【0179】
使用精度一時記憶手段241と、分布図マッチ手段311と、分布図第2マッチ手段340とは、プログラム(センサデータ履歴蓄積プログラム)に従って動作するコンピュータのCPUによって実現される。また、使用精度一時記憶手段241と、分布図マッチ手段311と、分布図第2マッチ手段340とは、それぞれが専用のハードウェアで実現されていてもよい。
【0180】
次に、図29を参照して、本実施形態によるセンサデータ履歴蓄積システムの動作を説明する。図29は、本発明の第5の実施形態におけるセンサデータ履歴蓄積システム全体の動作の一例を示すフローチャートである。
【0181】
本実施形態によるセンサデータ履歴蓄積システムでは、まず、使用精度一時記憶手段241にマッチング処理の精度の初期値を記憶させることで、使用精度一時記憶手段241を初期化する(ステップS401)。以下、測定値情報の入力が終了するまでステップS402以降の処理を繰り返す。すなわち、測定値情報の入力が終了した場合(ステップS402におけるYes)には、処理を終了し、測定値情報の入力が終了していない場合には(ステップS402におけるNo)、ステップS403以降の処理を行う。
【0182】
まず、センサデータ収集手段1が測定値情報を入力すると、サンプリング周期決定手段5が決定したサンプリング周期で、入力された測定値情報が分布図マッチ手段311に通知される(ステップS403)。測定値情報が通知されると、分布図マッチ手段311は、使用精度一時記憶手段241に記憶されていた精度でマッチング処理を行う(ステップS404)。
【0183】
分布図第2マッチ手段340は、ステップS404においてマッチング処理された結果を元に、精度を切替えるか否かを判定する(ステップS4231)。精度を切替えると判定した場合(ステップS4231のYes)、切替えた精度により再びマッチング処理を行い(ステップS4232)、分布図第2マッチ手段340は、使用精度一時記憶手段241に記憶されているマッチング処理精度を更新する(ステップS4233)。さらに、分布図第2マッチ手段340は、切り替え後の精度をデータ精度履歴記憶手段410に記憶させる。そして、分布図第2マッチ手段340は、切り替え後の精度による意味的測定情報を抽出し、その意味的測定情報を意味的データ第1履歴記憶手段411から意味的データ第n履歴記憶手段41nのうち、対応する精度の測定値履歴を記憶する意味的データ履歴記憶手段に記憶させる(ステップS224)。なお、分布図第2マッチ手段340は、対応する精度以下の測定値履歴を記憶する意味的データ履歴記憶手段に、得られた意味的測定情報の履歴を記憶させてもよい。
【0184】
一方、精度を切り替えない(切替える必要がない)と判定した場合(ステップS4231のNo)、分布図第2マッチ手段340は、データ精度履歴記憶手段410に前回と同じ精度を記憶させる。そして、分布図第2マッチ手段340は、分布図マッチ手段311によるマッチング処理の結果である意味的測定情報を意味的データ第1履歴記憶手段411から意味的データ第n履歴記憶手段41nのうち、対応する精度の測定値履歴を記憶する意味的データ履歴記憶手段に記憶させる(ステップS224)。なお、分布図第2マッチ手段340は、対応する精度以下の測定値履歴を記憶する意味的データ履歴記憶手段に、得られた意味的測定情報の履歴を記憶させてもよい。
【0185】
以上のように、本実施形態によれば、サンプリング周期決定手段5が、変化率に基づいてサンプリング周期を決定し、そのサンプリング周期で入力されたセンサデータを抽出する。また、分布図マッチ手段311が、使用精度一時記憶手段241に記憶された精度に基づいてセンサデータを変換する。そして、分布図第2マッチ手段340が、分布図マッチ手段311が変換したセンサデータの精度を変更するか否か(すなわち、精度を前回より高くするか、低くするか、若しくは、変化させないようにするか)を判定する。具体的には、分布図第2マッチ手段340は、分布図マッチ手段311が変換したセンサデータと、そのセンサデータを変換する直前に分布図マッチ手段311が変換したセンサデータとを比較して、精度を変更するか否かを判定する。そして、分布図第2マッチ手段340は、変換すると判定したときに、変換後の精度に基づいて変換したセンサデータを意味的データ履歴記憶手段に記憶させる。したがって、センサデータの変化率を計算することなく、十分な精度のセンサデータ履歴を少ない記憶容量で記憶できる。
【0186】
なお、上記各実施形態において説明した各手段は、例えば、CPUやメモリ、ディスク装置などにより実現される。また、これらの手段は、1台の計算機で実現されていてもよく、例えば、通信ネットワークを介して互いに通信可能な複数の計算機で実現されていてもよい。
【0187】
次に、本発明によるセンサデータ履歴蓄積システムの最小構成の例を説明する。図30は、本発明によるセンサデータ履歴蓄積システムの最小構成の例を示すブロック図である。本発明によるセンサデータ履歴蓄積システムは、センサによって検知された移動体(例えば、人や車)の状況(例えば、位置)を表すデータであるセンサデータ(例えば、物理的測定情報)の履歴を記憶するセンサデータ履歴記憶手段81(例えば、履歴記憶手段4、意味的データ履歴記憶手段、意味的データ履歴圧縮記憶手段)と、各センサデータに対応付けられたそのセンサデータの変化の度合い(例えば、変化率、移動速度)に応じて、そのセンサデータの精度を決定する精度決定手段82(例えば、精度決定手段2、分布図決定手段211)と、センサデータの中から記録対象とするセンサデータを抽出する周期であるサンプリング周期をセンサデータの変化の度合いに基づいて(例えば、関数、閾値を用いて)決定し、そのサンプリング周期で入力されたセンサデータを抽出するサンプリング周期決定手段83(例えば、精度決定手段2、分布図決定手段211)と、抽出されたセンサデータを精度に基づいて変換したデータである精度対応データ(例えば、桁数を丸めたデータ)を生成するセンサデータ変換手段84(例えば、センサデータ変換手段3、分布図マッチ手段311)と、精度対応データをセンサデータ履歴記憶手段81に蓄積させる履歴蓄積手段85(例えば、センサデータ変換手段3、分布図マッチ手段311)とを備えている。
【0188】
また、図31は、本発明によるセンサデータ履歴蓄積システムの他の最小構成の例を示すブロック図である。本発明によるセンサデータ履歴蓄積システムは、センサによって検知された移動体(例えば、人や車)の状況を表すデータであるセンサデータ(例えば、位置情報)の履歴を記憶するセンサデータ履歴記憶手段81(例えば、意味的データ履歴記憶手段)と、移動体ごとにセンサデータの精度を記憶する移動体精度記憶手段91(例えば、使用精度一時記憶手段241)と、センサデータの中から記録対象とするセンサデータを抽出する周期であるサンプリング周期を、各センサデータに対応付けられたそのセンサデータの変化の度合いに基づいて決定し、そのサンプリング周期で入力されたセンサデータを抽出するサンプリング周期決定手段92(例えば、サンプリング周期決定手段5)と、抽出されたセンサデータを移動体精度記憶手段91に記憶された精度に基づいて変換したデータである精度対応データを生成するセンサデータ変換手段93(例えば、分布図マッチ手段311)と、センサデータ変換手段93が変換したセンサデータの精度を変更するか否かを判定する精度判定手段94(例えば、分布図第2マッチ手段340)と、精度対応データをセンサデータ履歴記憶手段81に蓄積させる履歴蓄積手段95(例えば、分布図第2マッチ手段340)とを備えている。
【0189】
精度判定手段94は、センサデータ変換手段93が変換したセンサデータ(例えば、今回意味的測定情報)と、そのセンサデータを変換する直前にセンサデータ変換手段93が変換したセンサデータ(例えば、前回意味的測定情報)とを比較して精度を変更するか否かを判定する。また、履歴蓄積手段95は、精度判定手段94が精度を変換すると判定したときに、精度判定手段94が変換後の精度に基づいて変換したセンサデータをセンサデータ履歴記憶手段81に蓄積させる。
【0190】
これらの構成により、移動体の状況に応じた詳細度のセンサデータの履歴を少ない記憶容量で蓄積できる。
【0191】
なお、少なくとも以下に示すようなセンサデータ履歴蓄積システムも、上記に示すいずれかの実施形態に開示されている。
【0192】
(1)センサによって検知された移動体(例えば、人や車)の状況(例えば、位置)を表すデータであるセンサデータ(例えば、物理的測定情報)の履歴を記憶するセンサデータ履歴記憶手段(例えば、履歴記憶手段4、意味的データ履歴記憶手段、意味的データ履歴圧縮記憶手段)と、各センサデータに対応付けられたそのセンサデータの変化の度合い(例えば、変化率、移動速度)に応じて、そのセンサデータの精度を決定する精度決定手段(例えば、精度決定手段2、分布図決定手段211)と、センサデータの中から記録対象とするセンサデータを抽出する周期であるサンプリング周期をセンサデータの変化の度合いに基づいて(例えば、関数、閾値を用いて)決定し、そのサンプリング周期で入力されたセンサデータを抽出するサンプリング周期決定手段(例えば、精度決定手段2、分布図決定手段211)と、抽出されたセンサデータを精度に基づいて変換したデータである精度対応データ(例えば、桁数を丸めたデータ)を生成するセンサデータ変換手段(例えば、センサデータ変換手段3、分布図マッチ手段311)と、精度対応データをセンサデータ履歴記憶手段に蓄積させる履歴蓄積手段(例えば、センサデータ変換手段3、分布図マッチ手段311)とを備えたセンサデータ履歴蓄積システム。
【0193】
(2)精度決定手段が、センサデータの変化の度合いが小さいほど(例えば、速度が遅いほど)精度を高く決定し、サンプリング周期決定手段が、センサデータの変化の度合いが大きい(例えば、速度が速い)ほどサンプリング周期を短く決定するセンサデータ履歴蓄積システム。
【0194】
(3)センサデータと、そのセンサデータの内容を示す情報であるセンサデータ内容情報(例えば、意味的測定情報)とを精度ごとに対応付けた情報であるセンサ対応情報(例えば、分布図)を記憶するセンサ対応情報記憶手段(例えば、分布図記憶手段)を備え、センサデータ変換手段(例えば、分布図マッチ手段311)が、精度決定手段が決定した精度のセンサ対応情報から、センサデータに対応するセンサデータ内容情報を抽出し、履歴蓄積手段が、センサデータ内容情報を、センサデータ履歴記憶手段に蓄積させるセンサデータ履歴蓄積システム。
【0195】
(4)センサデータ履歴記憶手段が、精度対応データの履歴を精度ごとに記憶する少なくとも1つ以上の変換データ履歴記憶手段(例えば、意味的データ履歴記憶手段)を含み、履歴蓄積手段が、精度決定手段が決定した精度に対応する変換データ履歴記憶手段にセンサデータ内容情報を蓄積させるセンサデータ履歴蓄積システム。
【0196】
(5)時系列に表されたセンサデータの測定時刻と、その測定時刻における移動体のセンサデータの値との組に基づいて、センサデータに対応付けるそのセンサデータの変化の度合いを推定する変化率推定手段(例えば、状況推定手段221)を備え、精度決定手段が、推定された度合いに応じてセンサデータの精度を決定するセンサデータ履歴蓄積システム。
【0197】
(6)精度対応データを圧縮する(例えば、ランレングス圧縮する)圧縮手段(例えば、履歴圧縮手段430)を備え、履歴蓄積手段が、圧縮された精度対応データをセンサデータ履歴記憶手段(例えば、意味的履歴圧縮記憶手段)に蓄積させるセンサデータ履歴蓄積システム。
【0198】
(7)センサによって検知された移動体(例えば、人や車)の状況を表すデータであるセンサデータ(例えば、位置情報)の履歴を記憶するセンサデータ履歴記憶手段(例えば、意味的データ履歴記憶手段)と、移動体ごとにセンサデータの精度を記憶する移動体精度記憶手段(例えば、使用精度一時記憶手段241)と、センサデータの中から記録対象とするセンサデータを抽出する周期であるサンプリング周期を、各センサデータに対応付けられたそのセンサデータの変化の度合いに基づいて決定し、そのサンプリング周期で入力されたセンサデータを抽出するサンプリング周期決定手段(例えば、サンプリング周期決定手段5)と、抽出されたセンサデータを移動体精度記憶手段に記憶された精度に基づいて変換したデータである精度対応データを生成するセンサデータ変換手段(例えば、分布図マッチ手段311)と、センサデータ変換手段が変換したセンサデータの精度を変更するか否かを判定する精度判定手段(例えば、分布図第2マッチ手段340)と、精度対応データをセンサデータ履歴記憶手段に蓄積させる履歴蓄積手段(例えば、分布図第2マッチ手段340)とを備え、精度判定手段が、センサデータ変換手段が変換したセンサデータ(例えば、今回意味的測定情報)と、そのセンサデータを変換する直前にセンサデータ変換手段が変換したセンサデータ(例えば、前回意味的測定情報)とを比較して精度を変更するか否かを判定し、履歴蓄積手段が、精度判定手段が精度を変換すると判定したときに、精度判定手段が変換後の精度に基づいて変換したセンサデータをセンサデータ履歴記憶手段に蓄積させるセンサデータ履歴蓄積システム。
【0199】
(8)センサデータが位置情報であり、センサデータの変化の度合いが位置情報の変化を表す移動速度であるセンサデータ履歴蓄積システム。
【0200】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0201】
(付記1)センサによって検知された移動体の状況を表すデータであるセンサデータの履歴を記憶するセンサデータ履歴記憶手段と、各センサデータに対応付けられた当該センサデータの変化の度合いに応じて、当該センサデータの精度を決定する精度決定手段と、センサデータの中から記録対象とするセンサデータを抽出する周期であるサンプリング周期をセンサデータの変化の度合いに基づいて決定し、当該サンプリング周期で入力されたセンサデータを抽出するサンプリング周期決定手段と、抽出されたセンサデータを前記精度に基づいて変換したデータである精度対応データを生成するセンサデータ変換手段と、前記精度対応データを前記センサデータ履歴記憶手段に蓄積させる履歴蓄積手段とを備えたことを特徴とするセンサデータ履歴蓄積システム。
【0202】
(付記2)精度決定手段は、センサデータの変化の度合いが小さいほど精度を高く決定し、サンプリング周期決定手段は、センサデータの変化の度合いが大きいほどサンプリング周期を短く決定する付記1記載のセンサデータ履歴蓄積システム。
【0203】
(付記3)センサデータと、当該センサデータの内容を示す情報であるセンサデータ内容情報とを精度ごとに対応付けた情報であるセンサ対応情報を記憶するセンサ対応情報記憶手段を備え、センサデータ変換手段は、精度決定手段が決定した精度のセンサ対応情報から、センサデータに対応するセンサデータ内容情報を抽出し、履歴蓄積手段は、前記センサデータ内容情報を、センサデータ履歴記憶手段に蓄積させる付記1または付記2記載のセンサデータ履歴蓄積システム。
【0204】
(付記4)センサデータ履歴記憶手段は、精度対応データの履歴を精度ごとに記憶する少なくとも1つ以上の変換データ履歴記憶手段を含み、履歴蓄積手段は、精度決定手段が決定した精度に対応する前記変換データ履歴記憶手段にセンサデータ内容情報を蓄積させる付記3記載のセンサデータ履歴蓄積システム。
【0205】
(付記5)時系列に表されたセンサデータの測定時刻と、当該測定時刻における移動体のセンサデータの値との組に基づいて、センサデータに対応付ける当該センサデータの変化の度合いを推定する変化率推定手段を備え、精度決定手段は、推定された前記度合いに応じてセンサデータの精度を決定する付記1から付記4のうちのいずれか1つに記載のセンサデータ履歴蓄積システム。
【0206】
(付記6)精度対応データを圧縮する圧縮手段を備え、履歴蓄積手段は、圧縮された精度対応データをセンサデータ履歴記憶手段に蓄積させる付記1から付記5のうちのいずれか1つに記載のセンサデータ履歴蓄積システム。
【0207】
(付記7)センサによって検知された移動体の状況を表すデータであるセンサデータの履歴を記憶するセンサデータ履歴記憶手段と、移動体ごとにセンサデータの精度を記憶する移動体精度記憶手段と、センサデータの中から記録対象とするセンサデータを抽出する周期であるサンプリング周期を、各センサデータに対応付けられた当該センサデータの変化の度合いに基づいて決定し、当該サンプリング周期で入力されたセンサデータを抽出するサンプリング周期決定手段と、抽出されたセンサデータを前記移動体精度記憶手段に記憶された精度に基づいて変換したデータである精度対応データを生成するセンサデータ変換手段と、前記センサデータ変換手段が変換したセンサデータの精度を変更するか否かを判定する精度判定手段と、前記精度対応データを前記センサデータ履歴記憶手段に蓄積させる履歴蓄積手段とを備え、前記精度判定手段は、センサデータ変換手段が変換したセンサデータと、当該センサデータを変換する直前にセンサデータ変換手段が変換したセンサデータとを比較して精度を変更するか否かを判定し、履歴蓄積手段は、前記精度判定手段が精度を変換すると判定したときに、前記精度判定手段が変換後の精度に基づいて変換したセンサデータをセンサデータ履歴記憶手段に蓄積させることを特徴とするセンサデータ履歴蓄積システム。
【0208】
(付記8)センサデータは位置情報であり、センサデータの変化の度合いは位置情報の変化を表す移動速度である付記1から付記7のうちのいずれか1つに記載のセンサデータ履歴蓄積システム。
【0209】
(付記9)センサデータと、当該センサデータの変化率とを入力する入力手段を備え、精度決定手段は、前記入力手段が入力したセンサデータの変化率に応じて、センサデータの精度を決定する付記1から付記4のうちのいずれか1つに記載のセンサデータ履歴蓄積システム。
【0210】
(付記10)入力されたセンサデータの履歴を一時的に記憶するセンサデータ履歴一時記憶手段と、前記センサデータ履歴一時記憶手段に記憶されたセンサデータを出力するタイミングを制御する一時記憶制御手段とを備えた付記1から付記9のうちのいずれか1つにセンサデータ履歴蓄積システム。
【0211】
(付記11)センサによって検知された移動体の状況を表すデータであるセンサデータのそれぞれに対応付けられた当該センサデータの変化の度合いに応じて、当該センサデータの精度を決定し、センサデータの中から記録対象とするセンサデータを抽出する周期であるサンプリング周期をセンサデータの変化の度合いに基づいて決定し、前記サンプリング周期で入力されたセンサデータを抽出し、抽出されたセンサデータを前記精度に基づいて変換したデータである精度対応データを生成し、センサデータの履歴を記憶するセンサデータ履歴記憶手段に前記精度対応データを蓄積させることを特徴とするセンサデータ履歴蓄積方法。
【0212】
(付記12)センサデータの精度を決定する際、センサデータの変化率が小さいほど精度を高く決定し、サンプリング周期を決定する際、センサデータの変化率が大きいほどサンプリング周期を短く決定する付記1記載のセンサデータ履歴蓄積方法。
【0213】
(付記13)センサデータを変換する際、センサデータと、当該センサデータの内容を示す情報であるセンサデータ内容情報とを精度ごとに対応付けた情報であるセンサ対応情報のうち、決定された精度のセンサ対応情報から、センサデータに対応するセンサデータ内容情報を抽出し、抽出されたセンサデータ内容情報を、センサデータ履歴記憶手段に蓄積させる付記11または付記12記載のセンサデータ履歴蓄積方法。
【0214】
(付記14)センサデータ内容情報を蓄積させる際、精度対応データの履歴を精度ごとに記憶する少なくとも1つ以上の変換データ履歴記憶手段のうち、決定された精度に対応する変換データ履歴記憶手段にセンサデータ内容情報を蓄積させる付記13記載のセンサデータ履歴蓄積方法。
【0215】
(付記15)時系列に表されたセンサデータの測定時刻と、当該測定時刻における移動体のセンサデータの値との組に基づいて、センサデータに対応付ける変化率を推定し、センサデータの精度を決定する際、推定された変化率に応じてセンサデータの精度を決定する付記11から付記14のうちのいずれか1つに記載のセンサデータ履歴蓄積方法。
【0216】
(付記16)精度対応データを圧縮し、圧縮された精度対応データをセンサデータ履歴記憶手段に蓄積させる付記11から付記15のうちのいずれか1つに記載のセンサデータ履歴蓄積方法。
【0217】
(付記17)センサによって検知された移動体の状況を表すデータであるセンサデータの中から記録対象とするセンサデータを抽出する周期であるサンプリング周期を、各センサデータに対応付けられた当該センサデータの変化を表す情報である変化率に基づいて決定し、当該サンプリング周期で入力されたセンサデータを抽出し、移動体ごとにセンサデータの精度を記憶する移動体精度記憶手段に記憶された精度に基づいて抽出されたセンサデータを変換したデータである精度対応データを生成し、変換されたセンサデータと、当該センサデータを変換する直前に変換されたセンサデータとを比較してセンサデータの精度を変更するか否かを判定し、精度を変換すると判定されたときに、変換後の精度に基づいて変換したセンサデータをセンサデータ履歴記憶手段に蓄積させるセンサデータ履歴蓄積方法。
【0218】
(付記18)センサデータと、当該センサデータの変化率とを入力し、入力されたセンサデータの変化率に応じて、センサデータの精度を決定する付記11から付記14のうちのいずれか1つに記載のセンサデータ履歴蓄積方法。
【0219】
(付記19)入力されたセンサデータの履歴を一時的に記憶するセンサデータ履歴一時記憶手段に対して、センサデータを出力するタイミングを制御する付記11から付記18のうちのいずれか1つにセンサデータ履歴蓄積方法。
【0220】
(付記20)センサによって検知された移動体の状況を表すデータであるセンサデータの履歴を記憶するセンサデータ履歴記憶手段を備えたコンピュータに適用されるセンサデータ履歴蓄積プログラムであって、前記コンピュータに、各センサデータに対応付けられた当該センサデータの変化の度合いに応じて、当該センサデータの精度を決定する精度決定処理、センサデータの中から記録対象とするセンサデータを抽出する周期であるサンプリング周期をセンサデータの変化の度合いに基づいて決定し、当該サンプリング周期で入力されたセンサデータを抽出するサンプリング周期決定処理、抽出されたセンサデータを前記精度に基づいて変換したデータである精度対応データを生成するセンサデータ変換処理、および、前記精度対応データを前記センサデータ履歴記憶手段に蓄積させる履歴蓄積処理を実行させるためのセンサデータ履歴蓄積プログラム。
【0221】
(付記21)コンピュータに、精度決定処理で、センサデータの変化率が小さいほど精度を高く決定させ、サンプリング周期決定処理で、センサデータの変化率が大きいほどサンプリング周期を短く決定させる付記20記載のセンサデータ履歴蓄積プログラム。
【0222】
(付記22)センサデータと、当該センサデータの内容を示す情報であるセンサデータ内容情報とを精度ごとに対応付けた情報であるセンサ対応情報を記憶するセンサ対応情報記憶手段を備えたコンピュータに適用されるセンサデータ履歴蓄積プログラムであって、前記コンピュータに、センサデータ変換処理で、精度決定処理で決定された精度のセンサ対応情報から、センサデータに対応するセンサデータ内容情報を抽出させ、履歴蓄積処理で、前記センサデータ内容情報を、センサデータ履歴記憶手段に蓄積させる付記20または付記21記載のセンサデータ履歴蓄積プログラム。
【0223】
(付記23)精度対応データの履歴を精度ごとに記憶する少なくとも1つ以上の変換データ履歴記憶手段を含むセンサデータ履歴記憶手段を備えたコンピュータに適用されるセンサデータ履歴蓄積プログラムであって、前記コンピュータに、履歴蓄積処理で、精度決定処理で決定された精度に対応する前記変換データ履歴記憶手段にセンサデータ内容情報を蓄積させる付記22記載のセンサデータ履歴蓄積プログラム。
【0224】
(付記24)コンピュータに、時系列に表されたセンサデータの測定時刻と、当該測定時刻における移動体のセンサデータの値との組に基づいて、センサデータに対応付ける変化率を推定する変化率推定処理を実行させ、精度決定処理で、推定された変化率に応じてセンサデータの精度を決定させる付記20から付記23のうちのいずれか1つに記載のセンサデータ履歴蓄積プログラム。
【0225】
(付記25)コンピュータに、精度対応データを圧縮する圧縮処理を実行させ、履歴蓄積処理で、圧縮された精度対応データをセンサデータ履歴記憶手段に蓄積させる付記20から付記24のうちのいずれか1つに記載のセンサデータ履歴蓄積プログラム。
【0226】
(付記26)センサによって検知された移動体の状況を表すデータであるセンサデータの履歴を記憶するセンサデータ履歴記憶手段と、移動体ごとにセンサデータの精度を記憶する移動体精度記憶手段とを備えたコンピュータに適用されるセンサデータ履歴蓄積プログラムであって、前記コンピュータに、センサデータの中から記録対象とするセンサデータを抽出する周期であるサンプリング周期を、各センサデータに対応付けられた当該センサデータの変化を表す情報である変化率に基づいて決定し、当該サンプリング周期で入力されたセンサデータを抽出するサンプリング周期決定処理、抽出されたセンサデータを前記移動体精度記憶手段に記憶された精度に基づいて変換したデータである精度対応データを生成するセンサデータ変換処理、前記センサデータ変換処理で変換されたセンサデータの精度を変更するか否かを判定する精度判定処理、および、前記精度対応データを前記センサデータ履歴記憶手段に蓄積させる履歴蓄積処理を実行させ、前記精度判定処理で、センサデータ変換処理で変換されたセンサデータと、当該センサデータが変換される直前にセンサデータ変換処理で変換されたセンサデータとを比較して精度を変更するか否かを判定させ、履歴蓄積処理で、前記精度判定処理で精度を変換すると判定されたときに、前記精度判定処理で変換後の精度に基づいて変換されたセンサデータをセンサデータ履歴記憶手段に蓄積させるセンサデータ履歴蓄積プログラム。
【0227】
(付記27)コンピュータに、センサデータと、当該センサデータの変化率とを入力する入力処理を実行させ、精度決定処理で、前記入力処理で入力されたセンサデータの変化率に応じて、センサデータの精度を決定させる付記20から付記23のうちのいずれか1つに記載のセンサデータ履歴蓄積プログラム。
【0228】
(付記28)入力されたセンサデータの履歴を一時的に記憶するセンサデータ履歴一時記憶手段を備えたコンピュータに適用されるセンサデータ履歴蓄積プログラムであって、前記コンピュータに、前記センサデータ履歴一時記憶手段に記憶されたセンサデータを出力するタイミングを制御する一時記憶制御処理を実行させる付記20から付記27のうちのいずれか1つにセンサデータ履歴蓄積プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0229】
本発明は、移動体のセンサが測定したデータの履歴を収集及び蓄積するセンサデータ履歴蓄積システムに好適に適用される。具体的には、本発明は、大量の移動体のセンサデータ履歴を収集及び分析する用途に好適に適用できる。
【符号の説明】
【0230】
1 センサデータ収集手段
2 精度決定手段
3 センサデータ変換手段
4 履歴記憶手段
5 サンプリング周期決定手段
112 一時記憶制御手段
113 センサデータ履歴一時記憶手段
211 分布図決定手段
221 状況推定手段
241 使用精度一時記憶手段
311 分布図マッチ手段
340 分布図第2マッチ手段
410 データ精度履歴記憶手段
411〜41n 意味的データ履歴記憶手段
430 履歴圧縮手段
4310 データ精度圧縮履歴記憶手段
4311〜431n 意味的データ履歴圧縮記憶手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサによって検知された移動体の状況を表すデータであるセンサデータの履歴を記憶するセンサデータ履歴記憶手段と、
各センサデータに対応付けられた当該センサデータの変化の度合いに応じて、当該センサデータの精度を決定する精度決定手段と、
センサデータの中から記録対象とするセンサデータを抽出する周期であるサンプリング周期をセンサデータの変化の度合いに基づいて決定し、当該サンプリング周期で入力されたセンサデータを抽出するサンプリング周期決定手段と、
抽出されたセンサデータを前記精度に基づいて変換したデータである精度対応データを生成するセンサデータ変換手段と、
前記精度対応データを前記センサデータ履歴記憶手段に蓄積させる履歴蓄積手段とを備えた
ことを特徴とするセンサデータ履歴蓄積システム。
【請求項2】
精度決定手段は、センサデータの変化の度合いが小さいほど精度を高く決定し、
サンプリング周期決定手段は、センサデータの変化の度合いが大きいほどサンプリング周期を短く決定する
請求項1記載のセンサデータ履歴蓄積システム。
【請求項3】
センサデータと、当該センサデータの内容を示す情報であるセンサデータ内容情報とを精度ごとに対応付けた情報であるセンサ対応情報を記憶するセンサ対応情報記憶手段を備え、
センサデータ変換手段は、精度決定手段が決定した精度のセンサ対応情報から、センサデータに対応するセンサデータ内容情報を抽出し、
履歴蓄積手段は、前記センサデータ内容情報を、センサデータ履歴記憶手段に蓄積させる
請求項1または請求項2記載のセンサデータ履歴蓄積システム。
【請求項4】
センサデータ履歴記憶手段は、精度対応データの履歴を精度ごとに記憶する少なくとも1つ以上の変換データ履歴記憶手段を含み、
履歴蓄積手段は、精度決定手段が決定した精度に対応する前記変換データ履歴記憶手段にセンサデータ内容情報を蓄積させる
請求項3記載のセンサデータ履歴蓄積システム。
【請求項5】
時系列に表されたセンサデータの測定時刻と、当該測定時刻における移動体のセンサデータの値との組に基づいて、センサデータに対応付ける当該センサデータの変化の度合いを推定する変化率推定手段を備え、
精度決定手段は、推定された前記度合いに応じてセンサデータの精度を決定する
請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載のセンサデータ履歴蓄積システム。
【請求項6】
精度対応データを圧縮する圧縮手段を備え、
履歴蓄積手段は、圧縮された精度対応データをセンサデータ履歴記憶手段に蓄積させる
請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載のセンサデータ履歴蓄積システム。
【請求項7】
センサによって検知された移動体の状況を表すデータであるセンサデータの履歴を記憶するセンサデータ履歴記憶手段と、
移動体ごとにセンサデータの精度を記憶する移動体精度記憶手段と、
センサデータの中から記録対象とするセンサデータを抽出する周期であるサンプリング周期を、各センサデータに対応付けられた当該センサデータの変化の度合いに基づいて決定し、当該サンプリング周期で入力されたセンサデータを抽出するサンプリング周期決定手段と、
抽出されたセンサデータを前記移動体精度記憶手段に記憶された精度に基づいて変換したデータである精度対応データを生成するセンサデータ変換手段と、
前記センサデータ変換手段が変換したセンサデータの精度を変更するか否かを判定する精度判定手段と、
前記精度対応データを前記センサデータ履歴記憶手段に蓄積させる履歴蓄積手段とを備え、
前記精度判定手段は、センサデータ変換手段が変換したセンサデータと、当該センサデータを変換する直前にセンサデータ変換手段が変換したセンサデータとを比較して精度を変更するか否かを判定し、
履歴蓄積手段は、前記精度判定手段が精度を変換すると判定したときに、前記精度判定手段が変換後の精度に基づいて変換したセンサデータをセンサデータ履歴記憶手段に蓄積させる
ことを特徴とするセンサデータ履歴蓄積システム。
【請求項8】
センサデータは位置情報であり、センサデータの変化の度合いは位置情報の変化を表す移動速度である
請求項1から請求項7のうちのいずれか1項に記載のセンサデータ履歴蓄積システム。
【請求項9】
センサによって検知された移動体の状況を表すデータであるセンサデータのそれぞれに対応付けられた当該センサデータの変化の度合いに応じて、当該センサデータの精度を決定し、
センサデータの中から記録対象とするセンサデータを抽出する周期であるサンプリング周期をセンサデータの変化の度合いに基づいて決定し、
前記サンプリング周期で入力されたセンサデータを抽出し、
抽出されたセンサデータを前記精度に基づいて変換したデータである精度対応データを生成し、
センサデータの履歴を記憶するセンサデータ履歴記憶手段に前記精度対応データを蓄積させる
ことを特徴とするセンサデータ履歴蓄積方法。
【請求項10】
センサによって検知された移動体の状況を表すデータであるセンサデータの履歴を記憶するセンサデータ履歴記憶手段を備えたコンピュータに適用されるセンサデータ履歴蓄積プログラムであって、
前記コンピュータに、
各センサデータに対応付けられた当該センサデータの変化の度合いに応じて、当該センサデータの精度を決定する精度決定処理、
センサデータの中から記録対象とするセンサデータを抽出する周期であるサンプリング周期をセンサデータの変化の度合いに基づいて決定し、当該サンプリング周期で入力されたセンサデータを抽出するサンプリング周期決定処理、
抽出されたセンサデータを前記精度に基づいて変換したデータである精度対応データを生成するセンサデータ変換処理、および、
前記精度対応データを前記センサデータ履歴記憶手段に蓄積させる履歴蓄積処理
を実行させるためのセンサデータ履歴蓄積プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2011−192198(P2011−192198A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−59749(P2010−59749)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度 総務省「高齢者・障害者のためのユビキタスネットワークロボット技術の研究開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】