説明

センサ値取得方法、センサ制御装置、センサ制御方法、センサ制御プログラムおよび取得間隔制御プログラム

【課題】端末群単位で省電力化を実現することを課題とする。
【解決手段】サーバ10は、センサから得られたセンサ値をセンサ無線端末Aとセンサ無線端末Bとから取得し、取得したセンサ値を、端末を識別するIDと共にテーブルへ保管する。そして、サーバ10は、保管したセンサ値を識別子が異なるセンサ値間で比較し、比較した差分が閾値以下となる識別子を抽出する。その後、サーバ10は、抽出した識別子を有する端末の少なくとも1台、例えばセンサ無線端末Aに対しては、センサ値を取得するよう指示する。一方、サーバ10は、他の識別子を有する端末、例えばセンサ無線端末Bに対しては、センサ値の取得間隔を延長する指示を送出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ値取得方法、センサ制御装置、センサ制御方法、センサ制御プログラムおよび取得間隔制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、温度センサ、湿度センサ、気圧センサなどのセンサを搭載するとともに、通信機能も搭載するセンサ搭載端末が知られている。このようなセンサ搭載端末は、所定間隔でセンサから取得したセンサ値を、通信で接続されるセンターサーバに送信する。センターサーバを管理する管理者は、各端末から受信したセンサ値に基づいて、端末周囲の状況を把握する。
【0003】
このように、センサ搭載端末は、センサを動作させるための電力と通信を実行するための電力とを用いることから、センサを有しない通信端末や通信機能を有しないセンサに比べて、電力消費が激しい。
【0004】
近年では、このようなセンサ搭載端末の省電力化を行う技術が開示されている。例えば、バッテリー動作する携帯端末に対して、1つは通常ユーザが手にする部分に設置し、もう1つを通常ユーザの手が触れない部分に設置して、両センサの出力値の差分値が所定時間所定値以下である場合には、電源オフモードに遷移させる技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−4522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の技術では、同種のセンサを用いて省電力化を行う場合に、単一の機器で実行する省電力化には限界があるという問題があった。また、端末に同種のセンサを2つ搭載させることになるので、コストがかかることも懸念されている。
【0007】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、端末群単位で省電力化を実現できるセンサ値取得方法、センサ制御装置、センサ制御方法、センサ制御プログラムおよび取得間隔制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願の開示するセンサ値取得方法、センサ制御装置、センサ制御方法、センサ制御プログラムおよび取得間隔制御プログラムは、一つの態様において、センサから得られたセンサ値を端末から取得する。そして、センサ値取得方法等は、取得したセンサ値を、端末を識別する識別子と共にテーブルへ保管する。センサ値取得方法等は、保管したセンサ値を識別子が異なるセンサ値間で比較し、比較した差分が閾値以下となる識別子を抽出する。センサ値取得方法等は、抽出した識別子を有する端末の少なくとも1台は、センサ値を取得するよう指示する。センサ値取得方法等は、他の識別子を有する端末へは、センサ値の取得間隔を延長する指示を送出する処理を実行する。
【発明の効果】
【0009】
本願の開示するセンサ値取得方法、センサ制御装置、センサ制御方法、センサ制御プログラムおよび取得間隔制御プログラムの一つの態様によれば、端末群単位で省電力化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、実施例1に係るシステムの全体構成を示す図である。
【図2】図2は、実施例1に係るサーバの構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、温度データテーブルに記憶される情報の例を示す図である。
【図4】図4は、実施例1に係るセンサ無線端末の構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、実施例1に係るサーバが実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】図6は、実施例1に係るセンサ無線端末が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】図7は、実施例1に係るシステムが実行する処理の流れを示すシーケンス図である。
【図8】図8は、実施例1に係るシステムが実行する処理の流れを示すシーケンス図である。
【図9】図9は、実施例1に係るシステムが実行する処理の流れを示すシーケンス図である。
【図10】図10は、実施例2に係るシステムが実行する処理の流れを示すシーケンス図である。
【図11】図11は、グループ分けの例を示す図である。
【図12】図12は、アクセスポイントによる分類例を示す図である。
【図13】図13は、サーバ側センサ制御プログラムを実行するコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。
【図14】図14は、端末側センサ制御プログラムを実行するコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願の開示するセンサ値取得方法、センサ制御装置、センサ制御方法、センサ制御プログラムおよび取得間隔制御プログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0012】
[全体構成]
図1は、実施例1に係るシステムの全体構成を示す図である。図1に示すように、このシステムは、サーバ10とセンサ無線端末Aとが無線通信で接続されており、同様に、サーバ10とセンサ無線端末Bとが無線通信で接続されている。なお、図1に示した各装置の台数や通信手法等については、あくまで例示であり、これに限定されるものではない。
【0013】
センサ無線端末Aおよびセンサ無線端末Bは、温度センサ、湿度センサ、加速度センサなどのセンサを有する。また、センサ無線端末Aおよびセンサ無線端末Bは、Wi−Fi(Wireless Fidelity)などのWLAN(Wireless Local Area Network)機能を有する。これらのセンサ無線端末は、所定間隔でセンサを用いてセンシングを実行し、センシングで得られたセンサ値を所定間隔でサーバ10に送信する。
【0014】
また、センサ無線端末Aおよびセンサ無線端末Bは、同一空間内に設置されるか、または、同一空間内に存在する人に保持されている。同一空間としては、例えば、データセンター、教室、映画館、電車内などが挙げられる。また、同一空間の別例としては、1つのアクセスポイントと無線通信可能な範囲内、言い換えると、同じアクセスポイントの管理下にある状況などが挙げられる。
【0015】
サーバ10は、無線通信のアクセスポイントとしての機能を有し、センサ無線端末Aとセンサ無線端末Bとから所定間隔でセンサ値を受信する。サーバ10が取得したセンサ値は、管理者等によって利用される。例えば、サーバ10が温度情報を取得した場合には、この温度情報に基づいて空調調整等が実行される。
【0016】
このようなサーバ10は、各センサ無線端末から取得したセンサ値を、センサ無線端末を識別する識別子と共にテーブルへ保管する。続いて、サーバ10は、保管したセンサ値を識別子が異なるセンサ値間で比較し、比較した差分が閾値以下となる識別子を抽出する。その後、サーバ10は、抽出した識別子を有するセンサ無線端末の少なくとも1台は、センサ値を取得するよう指示し、他の識別子を有するセンサ無線端末へは、センサ値の取得間隔を延長する指示を送出する。
【0017】
このように、サーバ10は、同種のセンサを有するセンサ無線端末各々から取得したセンサ値の差が小さい場合には、1つのセンサ無線端末からセンサ値を取得するように、他のセンサ無線端末に対してセンシング間隔を長くする指示を送出する。この結果、サーバ10は、センシング間隔を長くしたセンサ無線端末のセンサによる電力消費を抑制しつつ、他のセンサ無線端末から通常通りセンサ値を取得できる。したがって、端末群単位で省電力化を実現できる。
【0018】
[装置の構成]
次に、図1に示したサーバ10とセンサ無線端末について具体的な例を挙げて説明する。ここでは、サーバの構成、センサ無線端末の構成、処理の流れ、効果について説明する。なお、ここでは、各センサ無線端末が温度センサを有し、センシングした温度情報をサーバ10に送信する例について説明する。また、センサ無線端末Aとセンサ無線端末Bとは同様の構成を有するので、ここでは、センサ無線端末30として説明する。
【0019】
(サーバの構成)
図2は、実施例1に係るサーバの構成を示すブロック図である。図2に示すように、サーバ10は、WLAN通信部11、温度データテーブル12、データ受信部13、データ比較部14、参照用データ決定部15、制御信号生成部16、延長間隔決定部17、コマンド生成部18、コマンド送信部19を有する。
【0020】
WLAN通信部11は、各センサ無線端末と無線通信を接続する通信インタフェースである。例えば、WLAN通信部11は、センサ無線端末Aやセンサ無線端末Bの間で、Wi−Fiなどを用いた無線通信を確立し、各端末との間でデータの送受信を実行する。
【0021】
温度データテーブル12は、各センサ無線端末から取得された温度情報を記憶する。図3は、温度データテーブルに記憶される情報の例を示す図である。図3に示すように、温度テーブル12は、「ID、端末名、温度データ(℃)、センサ制御、取得間隔の延長」を対応付けて記憶する。なお、ここで記憶される情報は、後述するデータ受信部13によって格納される。また、図3に示した情報はあくまで例示であり、これに限定されるものではなく、任意に設定変更できる。例えば、温度データテーブル12は、各センサ無線端末のIP(Internet Protocol)アドレスなど通信に使用する情報を記憶していてもよい。
【0022】
ここで記憶される「ID」は、センサ無線端末を識別する識別子であり、WLAN通信部11が無線通信を確立した際に付与してもよく、予め設定されていてもよい。「端末名」は、センサ無線端末を特定する装置名であり、WLAN通信部11が無線通信から取得した情報であってもよく、予め設定されていてもよい。「温度データ(℃)」は、センサ無線端末がセンシングしたセンサ値であり、後述するデータ受信部13等によって格納される。「センサ制御」は、センサ無線端末に対して送出したセンシング指示であり、後述するコマンド生成部18等によって格納される。「取得間隔の延長」は、センサ無線端末に対して送出したセンシング間隔の延長時間であり、後述するコマンド生成部18等によって格納される。
【0023】
図3の1行目の例の場合、「ID=100」が割り振られたセンサ無線端末Aから温度データ「34℃」を取得しており、このセンサ無線端末Aに対して、センサ制御として「イネーブル信号」および「取得間隔の延長=なし」が送出されていることを示す。図3の2行目の場合、「ID=110」が割り振られたセンサ無線端末Bから温度データ「32℃」を取得しており、このセンサ無線端末Bに対して、センサ制御として「ディセーブル信号」および「取得間隔の延長=5sec延長」が送出されていることを示す。
【0024】
データ受信部13は、WLAN通信部11を介して、各センサ無線端末からセンサ値を受信する。例えば、データ受信部13は、各センサ無線端末から温度データが付加されたパケットを受信する。そして、データ受信部13は、パケットのヘッダ等からIDを抽出し、抽出したIDと受信した温度データとを対応付けて温度データテーブル12に格納する。
【0025】
データ比較部14は、温度データテーブル12が更新された場合に、温度データテーブル12に記憶される温度データを比較する。例えば、データ比較部14は、温度データテーブル12を参照して、センサ無線端末Aの温度データ(SA)とセンサ無線端末Bの温度データ(SB)とを抽出する。そして、データ比較部14は、SAとSBとの差分を算出し、算出した差分が例えば1度などで示される閾値よりも小さいか否かを判定する。
【0026】
その後、データ比較部14は、算出した差分が閾値よりも小さい場合、センサ無線端末Aからの取得を維持すると判定し、その旨を参照用データ決定部15と制御信号生成部16と延長間隔決定部17とに出力する。また、データ比較部14は、算出した差分が閾値よりも大きい場合、各センサ無線端末からの取得を初期化すると判定し、その旨を参照用データ決定部15と制御信号生成部16と延長間隔決定部17とに出力する。なお、データ比較部14が算出した差分が閾値よりも小さい場合に、いずれのセンサ無線端末からの取得を維持するかについては、ユーザが任意に設定できる。
【0027】
参照用データ決定部15は、センサ無線端末内で動作するセンシングアプリの参照先を決定する。例えば、参照用データ決定部15が、データ比較部14からセンサ無線端末Aからの取得を維持する旨の通知を受信したとする。この場合、参照用データ決定部15は、センサ無線端末Aに対しては自端末の温度データを参照することをコマンド生成部18に出力する。また、参照用データ決定部15は、センサ無線端末Bに対しては他端末の温度データを参照することをコマンド生成部18に出力する。
【0028】
一方、参照用データ決定部15が、データ比較部14から各センサ無線端末からの取得を初期化する旨の通知を受信したとする。この場合、参照用データ決定部15は、センサ無線端末Aに対して自端末の温度データを参照することをコマンド生成部18に出力する。また、参照用データ決定部15は、センサ無線端末Bに対しても自端末の温度データを参照することをコマンド生成部18に出力する。
【0029】
制御信号生成部16は、各センサ無線端末に対してセンシングを実行させるか否かを示す制御信号を生成する。上述した例で説明すると、制御信号生成部16が、データ比較部14からセンサ無線端末Aからの取得を維持する旨の通知を受信したとする。この場合、制御信号生成部16は、センサ無線端末Aに対しては、センシング許可を示す「イネーブル信号」を生成してコマンド生成部18に出力する。また、制御信号生成部16は、センサ無線端末Bに対しては、センシング抑止を示す「ディセーブル信号」を生成してコマンドの生成指示をコマンド生成部18に出力する。
【0030】
延長間隔決定部17は、各センサ無線端末が実行するセンシングの延長間隔を決定する。上述した例で説明すると、延長間隔決定部17が、データ比較部14からセンサ無線端末Aからの取得を維持する旨の通知を受信したとする。この場合、延長間隔決定部17は、センサ無線端末Aに対しては、初期値通りすなわち延長無しでセンシングするように決定したことをコマンド生成部18に出力する。また、延長間隔決定部17は、センサ無線端末Bに対しては、センシング間隔を5sec延長するように決定したことをコマンド生成部18に出力する。
【0031】
このとき、延長間隔決定部17は、連続して、データ比較部14からセンサ無線端末Aからの取得を維持する旨の通知を受信したとする。この場合、延長間隔決定部17は、センサ無線端末Aに対しては、初期値通りセンシングするように決定したことをコマンド生成部18に出力する。また、延長間隔決定部17は、センサ無線端末Bに対しては、センシング間隔をさらに延長させるために、センシング間隔を10sec延長するように決定したことをコマンド生成部18に出力する。
【0032】
コマンド生成部18は、参照用データ決定部15、制御信号生成部16、延長間隔決定部17各々から取得したコマンドまたは指示に基づいて、コマンドを生成する。上述した例で説明すると、コマンド生成部18は、センサ無線端末Aに対して、「参照先温度データ=自端末の温度データ(SA)、制御信号=イネーブル信号、取得間隔の延長=なし」を示す制御コマンドAを生成する。また、コマンド生成部18は、センサ無線端末Bに対して、「参照先温度データ=他端末の温度データ(SA)、制御信号=ディセーブル信号、取得間隔の延長=5sec」を示す制御コマンドBを生成する。なお、コマンド生成部18は、各制御コマンドと送信先とをコマンド送信部19に通知する。
【0033】
コマンド送信部19は、コマンド生成部18によって生成された制御コマンドを、WLAN通信部11を介して各センサ無線端末に送信する。例えば、コマンド送信部19は、コマンド生成部18から送信先として「ID」や「端末名」を取得する。そして、コマンド送信部19は、これらの情報をキーにして温度データテーブル12等からIPアドレスなど特定し、特定したIPアドレスに、該当する制御コマンドを送信する。
【0034】
(センサ無線端末の構成)
図4は、実施例1に係るセンサ無線端末の構成を示すブロック図である。図4に示すように、センサ無線端末30は、WLANモジュール31、温度センサ32、タイマー33、コマンド受信部34、コマンド解読部35、測定部36、センシングアプリ37、スイッチ部38、データ送信部39を有する。
【0035】
WLANモジュール31は、サーバ10と無線通信を接続する通信インタフェースである。例えば、WLANモジュール31は、サーバ10や他のセンサ無線端末との間で、Wi−Fiなどを用いた無線通信を確立し、確立した通信を用いてデータの送受信を実行する。
【0036】
温度センサ32は、温度を検出する感知器であり、常時または所定間隔で温度を検出して後述するデータバッファ部36cに格納する。タイマー33は、温度センサ32のセンシング間隔を調整する。コマンド受信部34は、WLANモジュール31を介して、サーバ10から制御コマンドを受信し、受信した制御コマンドをコマンド解読部35に出力する。
【0037】
コマンド解読部35は、コマンド受信部34から取得した制御コマンドを解読して、他の制御部に処理を指示する。上述した例で説明すると、コマンド受信部34が制御コマンドA「参照先温度データ=端末Aの温度データ(SA)、制御信号=イネーブル信号、取得間隔の延長=なし」を受信したとする。
【0038】
この場合、コマンド解読部35は、制御コマンドAから抽出した「自端末の温度データ(SA)」にしたがって、スイッチ部38に対して「自装置のセンサ値」を参照するように指示する。また、コマンド解読部35は、制御コマンドAから抽出した「イネーブル信号」をセンサ設定部36aに出力する。また、コマンド解読部35は、制御コマンドAから抽出した「取得間隔の延長=なし」をセンサ間隔設定部36bに出力する。
【0039】
また、コマンド受信部34が制御コマンドB「参照先温度データ=他端末の温度データ(SA)、制御信号=ディセーブル信号、取得間隔の延長=5sec」を受信したとする。
【0040】
この場合、コマンド解読部35は、制御コマンドBから抽出した「他端末の温度データ(SA)」にしたがって、スイッチ部38に対して「センサ無線端末Aがセンシングした温度データ(SA)」を参照するように指示する。また、コマンド解読部35は、制御コマンドBから抽出した「ディセーブル信号」をセンサ設定部36aに出力する。また、コマンド解読部35は、制御コマンドBから抽出した「取得間隔の延長=5sec」をセンサ間隔設定部36bに出力する。
【0041】
測定部36は、センサ設定部36aとセンサ間隔設定部36bとデータバッファ部36cとを有し、これらによって温度センサ32を制御して温度を検出する。センサ設定部36aは、コマンド解読部35から取得した情報にしたがって温度センサの状態を制御する。例えば、センサ設定部36aは、コマンド解読部35から「イネーブル信号」を受信した場合には、温度センサ32を有効にする。一方、センサ設定部36aは、コマンド解読部35から「ディセーブル信号」を受信した場合には、タイマー33に設定された時間、温度センサ32を無効にする。
【0042】
センサ間隔設定部36bは、コマンド解読部35から取得した情報にしたがって温度センサ32のタイマーを設定する。例えば、センサ間隔設定部36bは、コマンド解読部35から「取得間隔の延長=なし」を受信した場合には、タイマー33に設定しない。また、センサ間隔設定部36bは、コマンド解読部35から「取得間隔の延長=5sec」を受信した場合には、タイマー33に5secを設定する。
【0043】
データバッファ部36cは、温度センサ32がセンシングした温度データを格納する記憶装置である。ここで記憶される温度データは、スイッチ部38の制御によって、センシングアプリ37によって参照される。
【0044】
センシングアプリ37は、センサ無線端末30が実行する温度センシング全体を司るアプリケーションである。つまり、センシングアプリ37が実行されることで、測定部36や温度センサ32等が動作し、温度センシングが実行される。また、センシングアプリ37は、スイッチ部38を介して、データバッファ部36cに記憶される温度データを読み出して、データ送信部39に出力する。また、センシングアプリ37は、スイッチ部38を介して、コマンド解読部35によって得られた他端末の温度データを参照する。この場合、センシングアプリ37は、データ送信部39に対する温度データの出力を抑止する。
【0045】
スイッチ部38は、コマンド解読部35から指示された情報にしたがって、センシングアプリ37の参照先を切り替える。例えば、スイッチ部38は、コマンド解読部35から「他端末の温度データ」を参照するように指示された場合、センシングアプリ37からのアクセスをデータバッファ部36cではなく「他端末の温度データ」に振り分ける。なお、コマンド解読部35から受信した「他端末の温度データ」については、メモリや測定部36の内部メモリ等に格納される。一方、スイッチ部38は、コマンド解読部35から「自端末の温度データ」を参照するように指示された場合、センシングアプリ37からのアクセスをデータバッファ部36cに振り分ける。
【0046】
データ送信部39は、センシングアプリ37がデータバッファ部36cから取得した温度データを、WLANモジュール31を介してサーバ10に送信する。このとき、データ送信部39は、温度データを送信するパケットに、自装置を識別するID等を含めてもよい。
【0047】
[処理の流れ]
次に、図5〜図9を用いて、図1に示したシステムで実行される処理について説明する。ここでは、サーバ10が実行する処理、センサ無線端末が実行する処理、システムのシーケンスについて説明する。
【0048】
(サーバが実行する処理)
図5は、実施例1に係るサーバが実行する処理の流れを示すフローチャートである。図5に示すように、WLAN通信部11が各センサ無線端末と無線通信を確立すると(S101肯定)、データ受信部13は、温度データテーブル12を初期化する(S102)。つまり、データ受信部13は、温度データテーブル12のセンサ制御や取得間隔を初期化する。
【0049】
その後、データ受信部13は、各センサ無線端末から温度データを受信すると(S103肯定)、受信した温度データを、送信先の端末を識別するID等に対応付けて温度データテーブル12に格納する(S104)。そして、データ比較部14は、温度データテーブル12を参照して、各センサ無線端末の温度データを比較し、差分が閾値よりも小さいか否かを判定する(S105)。
【0050】
各センサ無線端末の温度データの差分が閾値よりも小さい場合(S105肯定)、延長間隔決定部17は、1つのセンサ無線端末に対しては通常通りセンシングし、もう一方のセンサ無線端末に対してはセンシング間隔を延長するように決定する(S106)。上述した例で説明すると、延長間隔決定部17は、センサ無線端末Aに対しては「取得間隔の延長=なし」と決定し、センサ無線端末Bに対しては「取得間隔の延長=5sec」と決定する。
【0051】
続いて、参照用データ決定部15は、各センサ無線端末に対して、1つの温度データを参照するように決定する(S107)。上述した例で説明すると、参照用データ決定部15は、センサ無線端末Aに対しては自装置のセンサ値を取得するように決定し、センサ無線端末Bに対してはセンサ無線端末Aが取得したセンサ値を取得するように決定する。
【0052】
続いて、制御信号生成部16は、各センサ無線端末に対してセンシングを実行させるか否かを示す制御信号を生成する(S108)。上述した例で説明すると、制御信号生成部16は、センサ無線端末Aに対しては「イネーブル信号」を生成し、センサ無線端末Bに対しては「ディセーブル信号」を生成する。
【0053】
一方、各センサ無線端末の温度データの差分が閾値よりも小さい場合(S105否定)、延長間隔決定部17は、各センサ無線端末に対してはセンシング間隔を初期化するように決定する(S109)。
【0054】
続いて、参照用データ決定部15は、各センサ無線端末に対して、自装置でセンシングされた温度データを参照するように決定する(S110)。さらに、制御信号生成部16は、各センサ無線端末に対して、通常通りセンシングを実行させる制御信号を生成する(S111)。上述した例で説明すると、制御信号生成部16は、センサ無線端末Aとセンサ無線端末B各々に対しては「イネーブル信号」を生成する。
【0055】
なお、S106からS108までどのような順番で実行されてもよい。同様に、S109からS111までどのような順番で実行されてもよい。
【0056】
その後、コマンド生成部18は、S106からS108で決定された情報又はS109からS111で決定された情報に基づいて、センサ無線端末ごとに制御コマンドを生成する(S112)。そして、コマンド送信部19は、WLAN通信部11を介して、コマンド生成部18によって生成された制御コマンドを各センサ無線端末に送信する(S113)。
【0057】
その後、各センサ無線端末との無線接続が切断されて通信が終了すると(S114肯定)、サーバ10は、処理を終了する。一方、各センサ無線端末との無線接続が継続されると(S114否定)、サーバ10は、S103以降の処理を繰り返す。
【0058】
(センサ無線端末が実行する処理)
図6は、実施例1に係るセンサ無線端末が実行する処理の流れを示すフローチャートである。図6に示すように、WLANモジュール31がサーバ10と無線接続を開始すると(S201肯定)、センシングアプリ37は、温度センシングを開始する(S202)。そして、データ送信部39は、温度センサ32が検出した温度データを、WLANモジュール31を介してサーバ10に送信する(S203)。
【0059】
つまり、センシングアプリ37は、測定部36や温度センサ32等を動作させて、温度センシングが実行される。なお、温度センサ32、初期動作時には、予め設定された間隔で温度を検出する。
【0060】
その後、コマンド受信部34がサーバ10から制御コマンドを受信すると(S204肯定)、コマンド解読部35は、受信された制御コマンドに含まれている制御信号が「イネーブル信号」か否かを判定する(S205)。
【0061】
そして、「イネーブル信号」である場合(S205肯定)、センサ設定部36aは、コマンド解読部35が制御コマンドから抽出した「イネーブル信号」を温度センサ32に設定し、温度センサ32を有効にする(S206)。続いて、センサ間隔設定部36bは、コマンド解読部35が制御コマンドから抽出した「参照先温度データ」にしたがって、センシングアプリ37の参照先がデータバッファ部36cになるように、スイッチ部38を制御する(S207)。
【0062】
一方、「イネーブル信号」でなく「ディセーブル信号」である場合(S205否定)、センサ設定部36は、コマンド解読部35が制御コマンドから抽出した「ディセーブル信号」を温度センサ32aに設定する(S208)。この結果、温度センサ32は、タイマー33に設定される時間、センシングを停止する。続いて、センサ間隔設定部36bは、コマンド解読部35が制御コマンドから抽出した「参照先温度データ」にしたがって、センシングアプリ37の参照先がサーバ10から取得された「他装置の温度データ」になるように、スイッチ部38を制御する(S209)。さらに、センサ間隔設定部36bは、コマンド解読部35が制御コマンドから抽出した「取得間隔の延長」にしたがって、タイマー33に延長時間を設定する(S210)。
【0063】
その後、サーバ10との無線接続が切断されると(S211肯定)、センサ無線端末30は、温度データのセンシングを終了する。一方、サーバ10との無線接続が継続されると(S211否定)、センサ無線端末30のセンシングアプリ37は、センシング間隔に到達したか否かを判定する(S212)。
【0064】
そして、センシングアプリ37は、センシング間隔に到達した場合(S212肯定)、S202以降の処理を実行する。例えば、センシングアプリ37は、S206からS207が実行された場合には、例えば5secごとなど、予め指定された初期間隔が経過した場合に、温度データを取得してサーバ10に送信する。また、センシングアプリ37は、S208からS210が実行された場合には、例えば初期値+延長時間が経過した場合に、温度データを取得してサーバ10に送信する。
【0065】
(処理シーケンス)
図7〜図9は、実施例1に係るシステムが実行する処理の流れを示すシーケンス図である。なお、ここで図示した処理は、あくまで一例であり、処理の流れを限定するものではない。
【0066】
図7に示すように、センサ無線端末AのWLANモジュール31は、ユーザ等の指示操作を受け付けて、サーバ10との無線通信を確立する(S301)。すると、センシングアプリ37が測定部36や温度センサ32等を起動させて温度データ「SA0」を取得し、データ送信部39は、温度データ「SA0」をサーバ10に送信する(S302)。そして、サーバ10のデータ受信部13は、WLAN通信部11を介して、センサ無線端末Aから温度データ「SA0」を受信して、温度データテーブル12に格納する(S303)。
【0067】
同様に、センサ無線端末BのWLANモジュール31は、ユーザ等の指示操作を受け付けて、サーバ10との無線通信を確立する(S304)。すると、センシングアプリ37が測定部36や温度センサ32等を起動させて温度データ「SB0」を取得し、データ送信部39は、温度データ「SB0」をサーバ10に送信する(S305)。そして、サーバ10のデータ受信部13は、WLAN通信部11を介して、センサ無線端末Bから温度データ「SB0」を受信して、温度データテーブル12に格納する(S306)。
【0068】
その後、サーバ10のデータ比較部14は、温度データ「SA0」と温度データ「SB0」とを比較して(S307)、差分が閾値よりも小さく許容範囲内であると判定する(S308)。このとき、データ比較部14は、温度データ「SA0」を主データとして選択する。
【0069】
続いて、サーバ10のコマンド生成部18は、参照用データ決定部15、制御信号生成部16、延長間隔決定部17各々からの出力結果に基づいて、制御コマンドAと制御コマンドBを生成する(S309)。具体的には、コマンド生成部18は、制御コマンドAとして、「制御信号=イネーブル信号、参照先=SA0、取得間隔の延長=タイマーなし」を含んだコマンドを生成する。また、コマンド生成部18は、制御コマンドBとして、「制御信号=ディセーブル信号、参照先=SA0、取得間隔の延長=タイマー(5ms)」を含んだコマンドを生成する。
【0070】
そして、サーバ10のコマンド送信部19は、WLAN通信部11を介して、制御コマンドAをセンサ無線端末Aに送信し、制御コマンドBをセンサ無線端末Bに送信する(S310)。
【0071】
センサ無線端末Aでは、コマンド受信部34が、WLANモジュール31を介して、サーバ10から制御コマンドAを受信する(S311)。すると、センサ無線端末Aは、コマンド解読部35が制御コマンドAを解読した結果に基づいて、S312とS313を実行する。
【0072】
つまり、センサ設定部36aは、温度センサ32にイネーブル信号を設定して温度センサ32を有効化する(S312)。さらに、コマンド解読部35は、受信した「温度データ」が自装置の温度データである「SA0」であることから、スイッチ部38のスイッチング先をデータバッファ部36cに設定する(S313)。
【0073】
また、センサ無線端末Bでは、コマンド受信部34が、WLANモジュール31を介して、サーバ10から制御コマンドBを受信する(S314)。すると、センサ無線端末Bは、コマンド解読部35が制御コマンドBを解読した結果に基づいて、S315からS317を実行する。
【0074】
つまり、センサ設定部36aは、温度センサ32にディセーブル信号を設定して温度センサ32を無効化する(S315)。さらに、コマンド解読部35は、受信した「温度データ」が他装置の温度データである「SA0」であることから、スイッチ部38のスイッチング先を受信した温度データ「SA0」に設定する(S316)。さらに、センサ間隔設定部36bは、受信された「取得間隔の延長=タイマー(5ms)」にしたがって、タイマー33にタイマー値として「5ms」を設定する(S317)。
【0075】
その後、センサ無線端末Aでは、予め定められた初期間隔で温度センシングを実行する。つまり、温度センサ32は、予め定められた初期間隔で温度データ「SA1」を検出し、データ送信部39は、検出された温度データ「SA1」を、WLANモジュール31を介してサーバ10に送信する(S318)。そして、サーバ10のデータ受信部13は、WLAN通信部11を介して、センサ無線端末Aから温度データ「SA1」を受信して、温度データテーブル12に格納する(S319)。
【0076】
さらに、温度センサ32は、予め定められた初期間隔で温度データ「SA2」を検出し、データ送信部39は、検出された温度データ「SA2」を、WLANモジュール31を介してサーバ10に送信する(S320)。そして、サーバ10のデータ受信部13は、WLAN通信部11を介して、センサ無線端末Aから温度データ「SA2」を受信して、温度データテーブル12に格納する(S321)。
【0077】
その後、センサ無線端末Bは、予め定められた初期間隔+タイマー設定値が経過すると、温度センシングを実行する(S322)。つまり、温度センサ32は、タイマー経過後、温度データ「SB1」を検出し、データ送信部39は、検出された温度データ「SB1」を、WLANモジュール31を介してサーバ10に送信する(S323)。そして、サーバ10のデータ受信部13は、WLAN通信部11を介して、センサ無線端末Bから温度データ「SB1」を受信して、温度データテーブル12に格納する(S324)。
【0078】
その後、サーバ10のデータ比較部14は、温度データ「SA2」と温度データ「SB1」とを比較して(S325)、差分が閾値よりも小さく許容範囲内であると判定する(S326)。このとき、データ比較部14は、温度データ「SA2」を主データとして選択する。なお、データ比較部14は、各端末から受信した温度データのタイムスタンプから比較対象を決定する。
【0079】
続いて、サーバ10のコマンド生成部18は、参照用データ決定部15、制御信号生成部16、延長間隔決定部17各々からの出力結果に基づいて、制御コマンドAと制御コマンドBを生成する(S327)。このとき、延長間隔決定部17は、温度データの差分が連続して閾値よりも小さいため、先に延長した間隔よりも長い延長時間を指示する。具体的には、コマンド生成部18は、制御コマンドAとして「制御信号=イネーブル信号、参照先=SA2、取得間隔の延長=タイマーなし」を含んだコマンドを生成する。また、コマンド生成部18は、制御コマンドBとして「制御信号=ディセーブル信号、参照先=SA2、取得間隔の延長=タイマー(5s×2=10s)」を含んだコマンドを生成する。
【0080】
そして、サーバ10のコマンド送信部19は、WLAN通信部11を介して、制御コマンドAをセンサ無線端末Aに送信し、制御コマンドBをセンサ無線端末Bに送信する(S328)。
【0081】
センサ無線端末Aでは、コマンド受信部34が、WLANモジュール31を介してサーバ10から制御コマンドAを受信する(S329)。すると、センサ無線端末Aは、コマンド解読部35が制御コマンドAを解読した結果に基づいて、S330とS331を実行する。
【0082】
つまり、センサ設定部36aは、温度センサ32にイネーブル信号を設定して温度センサ32を有効化する(S330)。さらに、コマンド解読部35は、受信した「温度データ」が自装置の温度データである「SA2」であることから、スイッチ部38のスイッチング先をデータバッファ部36cに設定する(S331)。
【0083】
また、センサ無線端末Bでは、コマンド受信部34が、WLANモジュール31を介して、サーバ10から制御コマンドBを受信する(S332)。すると、センサ無線端末Bは、コマンド解読部35が制御コマンドBを解読した結果に基づいて、S333からS335を実行する。
【0084】
つまり、センサ設定部36aは、温度センサ32にディセーブル信号を設定して温度センサ32を無効化する(S333)。さらに、コマンド解読部35は、受信した「温度データ」が他装置の温度データである「SA2」であることから、スイッチ部38のスイッチング先を受信した温度データ「SA2」に設定する(S334)。さらに、センサ間隔設定部36bは、受信された「取得間隔の延長=タイマー(10s)」にしたがって、タイマー33にタイマー値として「10s」を設定する(S335)。
【0085】
その後、センサ無線端末Aでは、予め定められた初期間隔で温度センシングを実行する。つまり、温度センサ32は、予め定められた初期間隔で温度データ「SA3」を検出し、データ送信部39は、検出された温度データ「SA3」を、WLANモジュール31を介してサーバ10に送信する(S336)。そして、サーバ10のデータ受信部13は、WLAN通信部11を介して、センサ無線端末Aから温度データ「SA3」を受信して、温度データテーブル12に格納する(S337)。
【0086】
さらに、温度センサ32は、予め定められた初期間隔で温度データ「SA4」を検出し、データ送信部39は、検出された温度データ「SA4」を、WLANモジュール31を介してサーバ10に送信する(S338)。そして、サーバ10のデータ受信部13は、WLAN通信部11を介して、センサ無線端末Aから温度データ「SA4」を受信して、温度データテーブル12に格納する(S339)。
【0087】
その後、センサ無線端末Bは、予め定められた初期間隔+タイマー設定値が経過すると、温度センシングを実行する(S340)。つまり、温度センサ32は、タイマー経過後、温度データ「SB2」を検出し、データ送信部39は、検出された温度データ「SB2」を、WLANモジュール31を介してサーバ10に送信する(S341)。そして、サーバ10のデータ受信部13は、WLAN通信部11を介して、センサ無線端末Bから温度データ「SB2」を受信して、温度データテーブル12に格納する(S342)。
【0088】
その後、サーバ10のデータ比較部14は、温度データ「SA4」と温度データ「SB2」とを比較して(S343)、差分が閾値よりも大きく許容範囲外であると判定する(S344)。なお、データ比較部14は、各端末から受信した温度データのタイムスタンプから比較対象を決定する。
【0089】
続いて、サーバ10のコマンド生成部18は、参照用データ決定部15、制御信号生成部16、延長間隔決定部17各々からの出力結果に基づいて、制御コマンドAと制御コマンドBを生成する(S345)。具体的には、コマンド生成部18は、制御コマンドAとして「制御信号=イネーブル信号、参照先=SA4、取得間隔の延長=タイマーなし」を含んだコマンドを生成する。また、コマンド生成部18は、制御コマンドBとして「制御信号=イネーブル信号、参照先=SB2、取得間隔の延長=タイマーなし」を含んだコマンドを生成する。
【0090】
そして、サーバ10のコマンド送信部19は、WLAN通信部11を介して、制御コマンドAをセンサ無線端末Aに送信し、制御コマンドBをセンサ無線端末Bに送信する(S346)。
【0091】
センサ無線端末Aでは、コマンド受信部34が、WLANモジュール31を介して、サーバ10から制御コマンドAを受信する(S347)。すると、センサ無線端末Aは、コマンド解読部35が制御コマンドAを解読した結果に基づいて、S348とS349を実行する。
【0092】
つまり、センサ設定部36aは、温度センサ32にイネーブル信号を設定して温度センサ32を有効化する(S348)。さらに、コマンド解読部35は、受信した「温度データ」が自装置の温度データである「SA4」であることから、スイッチ部38のスイッチング先をデータバッファ部36cに設定する(S349)。
【0093】
また、センサ無線端末Bでは、コマンド受信部34が、WLANモジュール31を介して、サーバ10から制御コマンドBを受信する(S350)。すると、センサ無線端末Bは、コマンド解読部35が制御コマンドBを解読した結果に基づいて、S351からS353を実行する。
【0094】
つまり、センサ設定部36aは、温度センサ32にイネーブル信号を設定して温度センサ32を有効化する(S351)。さらに、コマンド解読部35は、受信した「温度データ」が自装置の温度データである「SB2」であることから、スイッチ部38のスイッチング先をデータバッファ部36cに設定する(S352)。さらに、センサ間隔設定部36bは、受信された「取得間隔の延長=タイマーなし」にしたがって、タイマー33のタイマー値を初期化する(S353)。その後は、サーバ10と各センサ無線端末とが無線接続されている間、上述したS301からS353の処理が繰り返し実行される。
【0095】
[実施例1による効果]
上述したように、各センサ無線端末は、サーバ10から通知された延長時間(タイマー)に基づいて、温度センシングを実行してサーバ10に送信する。サーバ10では、各端末間の温度データの差分が小さい場合には、一方の端末に対して温度センシングを実行するように指示し、もう一方の端末には所定時間温度センシングを中止させる。その結果、一方の端末は、温度センシングにかかる電力消費を削減することができ、センサ無線端末の電力消費を抑制し、端末群単位で省電力化を実現できる。したがって、1台ではできなかった高度な省電力を実現できる。
【実施例2】
【0096】
ところで、実施例1では、サーバ10は、各センサ無線端末からセンシングデータそのものを受信して、センシング間隔を調整する例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、サーバ10は、各センサ無線端末の利用状況を受信して、センシング間隔を調整することもできる。
【0097】
そこで、実施例2では、サーバ10は、各センサ無線端末の利用状況を受信してセンシング間隔を調整する例として、各センサ無線端末を保持する利用者が電車等に乗車中であるか否かを示す利用情報を取得する例について説明する。したがって、実施例2では、各センサ無線端末は加速度センサを有しているものとする。また、サーバ10は、各センサ無線端末から受信した利用情報を格納するテーブルとして、利用情報テーブルを有しているものとする。
【0098】
図10は、実施例2に係るシステムが実行する処理の流れを示すシーケンス図である。センサ無線端末AのWLANモジュール31は、ユーザ等の指示操作を受け付けて、サーバ10との無線通信を確立する(S401)。
【0099】
すると、センシングアプリ37は、測定部36や加速度センサ等を起動させて加速度を取得し、データ送信部39は、加速度に基づいて判定された利用情報Aをサーバ10に送信する(S402)。例えば、センシングアプリ37は、取得した加速度が所定値以上である場合には、センサ無線端末Aを保持するユーザが電車等に乗車中であると判定する。そして、データ送信部39は、利用情報Aとして「乗車中」をサーバ10に送信する。なお、センシングアプリ37は、取得した加速度が所定値未満である場合には、センサ無線端末Aを保持するユーザが電車等に乗車していないと判定する。その場合、データ送信部39は、利用情報Aとして「乗車なし」をサーバ10に送信する。
【0100】
そして、サーバ10のデータ受信部13は、WLAN通信部11を介して、センサ無線端末Aから利用情報A「乗車中」を受信して、利用情報テーブルに格納する(S403)。
【0101】
同様に、センサ無線端末BのWLANモジュール31は、ユーザ等の指示操作を受け付けて、サーバ10との無線通信を確立する(S404)。すると、センシングアプリ37は、測定部36や加速度センサ等を起動させて加速度を取得し、データ送信部39は、加速度に基づいて判定された利用情報B「乗車中」をサーバ10に送信する(S405)。
【0102】
そして、サーバ10のデータ受信部13は、WLAN通信部11を介して、センサ無線端末Bから利用情報B「乗車中」を受信して、利用情報テーブルに格納する(S406)。
【0103】
その後、サーバ10のデータ比較部14は、利用情報A「乗車中」と利用情報B「乗車中」とを比較して(S407)、両方の情報が一致すると判定する(S408)。このとき、データ比較部14は、利用情報A「乗車中」を主データとして選択する。
【0104】
続いて、サーバ10のコマンド生成部18は、参照用データ決定部15、制御信号生成部16、延長間隔決定部17各々からの出力結果に基づいて、制御コマンドAと制御コマンドBを生成する(S409)。具体的には、コマンド生成部18は、制御コマンドAとして、「制御信号=イネーブル信号、参照先=利用情報A「乗車中」、取得間隔の延長=タイマーなし」を含んだコマンドを生成する。また、コマンド生成部18は、制御コマンドBとして、「制御信号=ディセーブル信号、参照先=利用情報A「乗車中」、取得間隔の延長=タイマー(10ms)」を含んだコマンドを生成する。
【0105】
そして、サーバ10のコマンド送信部19は、WLAN通信部11を介して、制御コマンドAをセンサ無線端末Aに送信し、制御コマンドBをセンサ無線端末Bに送信する(S410)。
【0106】
センサ無線端末Aでは、コマンド受信部34が、WLANモジュール31を介して、サーバ10から制御コマンドAを受信する(S411)。すると、センサ無線端末Aは、コマンド解読部35が制御コマンドAを解読した結果に基づいて、S412とS413を実行する。
【0107】
つまり、センサ設定部36aは、加速度センサにイネーブル信号を設定して加速度センサを有効化する(S412)。さらに、コマンド解読部35は、受信した「利用情報A「乗車中」」に基づいて利用シーンとして「乗車中」を設定する(S413)。具体的には、コマンド解読部35は、スイッチ部38のスイッチング先をデータバッファ部36cに設定する。
【0108】
また、センサ無線端末Bでは、コマンド受信部31が、WLANモジュール31を介して、サーバ10から制御コマンドBを受信する(S414)。すると、センサ無線端末Bは、コマンド解読部35が制御コマンドBを解読した結果に基づいて、S415からS417を実行する。
【0109】
つまり、センサ設定部36aは、加速度センサにディセーブル信号を設定して加速度センサを無効化する(S415)。さらに、コマンド解読部35は、受信した「利用情報A「乗車中」」に基づいて利用シーンとして「乗車中」を設定する(S416)。具体的には、コマンド解読部35は、スイッチ部38のスイッチング先をデータバッファ部36cではなく、受信したデータに設定する。さらに、センサ間隔設定部36bは、受信された「取得間隔の延長=タイマー(10ms)」にしたがって、タイマー33にタイマー値として「10ms」を設定する(S417)。
【0110】
このように、サーバ10は、センシングデータだけでなく、センシングデータから判定された情報を用いて、センシング間隔を調整することもできる。したがって、サーバ10が実行するセンシング間隔の調整手法は、様々な分野で利用できる。
【実施例3】
【0111】
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下に異なる実施例を説明する。
【0112】
(電波強度による分類)
例えば、サーバ10は、同一空間内すなわち同じアクセスポイントを利用するセンサ無線端末において、電波強度においてグループ分けし、グループごとに実施例1や2の処理を実行することもできる。
【0113】
図11は、グループ分けの例を示す図である。図11に示すように、サーバ10は、センサ無線端末A、センサ無線端末B、センサ無線端末C、センサ無線端末D各々と無線通信で接続している。また、センサ無線端末A、センサ無線端末B、センサ無線端末C、センサ無線端末Dは同一空間内に存在する。
【0114】
そして、サーバ10は、各センサ無線端末と無線通信を確立した際に、各センサ無線端末が送信した無線通信の電波強度を測定する。なお、電波強度の測定は、公知の様々な技術を利用できるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0115】
例えば、サーバ10は、センサ無線端末Aの電波強度が「強度1」、センサ無線端末Bの電波強度が「強度2」、センサ無線端末Cの電波強度が「強度2」、センサ無線端末Dの電波強度が「強度1」と特定する。
【0116】
その後、サーバ10は、電波強度が「強度1」であるセンサ無線端末Aとセンサ無線端末Dとをグループ化し、電波強度が「強度2」であるセンサ無線端末Bとセンサ無線端末Cとをグループ化する。そして、サーバ10は、グループごとに実施例1や2の処理を実行することもできる。
【0117】
このようにすることで、サーバ10は、広い空間内にセンサ無線端末が存在している状況でも、電波強度でグループ化することで空間の各領域に分割する。そして、サーバ10は、各領域で、同様の値がセンシングされている場合には、少なくとも1台を除いて、他の端末の省電力化を実現できる。なお、電波強度による分類は、同じ電波強度をグループ化するだけでなく、所定範囲内の電波強度を有する端末をグループ化するなど、電波強度に幅を持たせることもできる。
【0118】
(アクセスポイントによる分類)
例えば、実施例1では、サーバ10がアクセスポイントの機能を有している例について説明したが、これに限定されるものではなく、サーバ10とアクセスポイントが別の装置であってもよい。
【0119】
図12は、アクセスポイントによる分類例を示す図である。図12に示すように、サーバ10は、センサ無線端末A、センサ無線端末B、センサ無線端末C、センサ無線端末D各々と無線通信で接続している。また、センサ無線端末Aとセンサ無線端末Bとは、ID=AP01を有するアクセスポイントの管理下に存在し、センサ無線端末Cとセンサ無線端末Dとは、ID=AP02を有するアクセスポイントの管理下に存在する。そして、サーバ10は、各アクセスポイントと接続される。
【0120】
その後、サーバ10は、各アクセスポイントごとに実施例1や2の処理を実行する。つまり、サーバ10は、センサ無線端末Aとセンサ無線端末Bをグループ1として実施例1や2の処理を実行し、センサ無線端末Cとセンサ無線端末Dをグループ2として実施例1や2の処理を実行する。
【0121】
このようにすることで、既存のアクセスポイントに機能を加えることなく、実施例1や2と同様の処理を実行することができる。また、サーバ10が複数台のアクセスポイントを管理できるので、アクセスポイントごとにサーバ10を用意する場合に比べて、コストの削減や省電力化に繋がる。
【0122】
(通信手法)
例えば、上述した実施例では、サーバ10は、各センサ無線端末またはアクセスポイントから無線通信でセンサ値を取得する例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、サーバ10と各センサ無線端末またはアクセスポイントとが有線で接続されていてもよい。また、サーバ10は、各センサ無線端末のセンサ値を管理者からの入力等で受け付けることもできる。その場合、サーバ10は、管理者から受け付けたセンサ値に基づいて、実施例1等の処理を実行し、生成した制御コマンドの情報をディスプレイ等に表示させる。そして、管理者が各センサ無線端末にコマンドを実行することで、実施例1等と同様の効果を得ることができる。
【0123】
(センサ無線端末の台数)
例えば、上述した実施例では、センサ無線端末が2台である場合について説明したが、これに限定されるものではなく、3台以上であってもよい。3台以上の場合、サーバ10は、各端末から取得したセンサ値の平均や標準偏差が閾値より小さいか否かを判定することで、実施例2等と同様の処理を実行できる。また、サーバ10は、各端末でセンサ値の差分を算出し、その合計が閾値より小さいか否かを判定することで、実施例2等と同様の処理を実行することもできる。
【0124】
(間隔調整)
上述した実施例では、サーバ10が、センサ無線端末にセンシング間隔、すなわち、温度センサが温度データを検出する間隔を延長する例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、サーバ10は、センサ無線端末がサーバ10にセンサ値を送信する間隔を延長することもできる。
【0125】
上述した実施例では、センサ無線端末は、温度センサ等がセンサ値を取得した場合に、当該センサ値をサーバ10に送信しているが、このセンサ値をサーバ10に送信する間隔を延長させることもできる。この結果、センサによる電力消費ではなく、センサ値の送信による電力消費を抑止できる。また、取得間隔および送信間隔の両方の制御を組み合わせることもでき、その場合は、センサによる電力消費とセンサ値の送信による電力消費との両方を抑止できる。
【0126】
(システム)
また、本実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともできる。あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、例えば図3等に示した各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0127】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られない。つまり、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0128】
(プログラム)
ところで、上記の実施例で説明した各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータシステムで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、上記の実施例と同様の機能を有するプログラムを実行するコンピュータシステムの一例を説明する。
【0129】
図13は、サーバ側センサ制御プログラムを実行するコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。図13に示すように、コンピュータシステム100は、バス101に、CPU102、入力装置103、出力装置104、通信インタフェース105、HDD(Hard Disk Drive)106、RAM(Random Access Memory)107が接続される。
【0130】
入力装置103は、マウスやキーボードであり、出力装置104は、ディスプレイなどであり、通信インタフェース105は、NIC(Network Interface Card)などのインタフェースである。HDD106は、サーバ側センサ制御プログラム106aととともに、図3等に示した各テーブル等に記憶される情報を記憶する。記録媒体の例としてHDD106を例に挙げたが、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、CD−ROM等の他のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に各種プログラムを格納しておき、コンピュータに読み取らせることとしてもよい。なお、記憶媒体を遠隔地に配置し、コンピュータが、その記憶媒体にアクセスすることでプログラムを取得して利用してもよい。また、その際、取得したプログラムをそのコンピュータ自身の記録媒体に格納して用いてもよい。
【0131】
CPU102は、サーバ側センサ制御プログラム106aを読み出してRAM107に展開することで、図2等で説明した各機能を実行するサーバ側センサ制御プロセス107aを動作させる。すなわち、サーバ側センサ制御プロセス107aは、図2に記載したデータ受信部13、データ比較部14、参照用データ決定部15、制御信号生成部16、延長間隔決定部17、コマンド生成部18、コマンド送信部19などと同様の機能を実行する。このようにコンピュータシステム100は、プログラムを読み出して実行することでサーバ側センサ制御方法を実行する情報処理装置として動作する。
【0132】
また、図14は、端末側センサ制御プログラムを実行するコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。図14に示すように、コンピュータシステム200は、バス201に、CPU202、入力装置203、出力装置204、通信インタフェース205、HDD206、RAM207が接続される。
【0133】
入力装置203は、マウスやキーボードであり、出力装置204は、ディスプレイなどであり、通信インタフェース205は、NICなどのインタフェースである。HDD206は、端末側センサ制御プログラム206aととともに、図3等に示した各データバッファ等に記憶される情報を記憶する。記録媒体の例としてHDD206を例に挙げたが、ROM、RAM、CD−ROM等の他のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に各種プログラムを格納しておき、コンピュータに読み取らせることとしてもよい。なお、記憶媒体を遠隔地に配置し、コンピュータが、その記憶媒体にアクセスすることでプログラムを取得して利用してもよい。また、その際、取得したプログラムをそのコンピュータ自身の記録媒体に格納して用いてもよい。
【0134】
CPU202は、端末側センサ制御プログラム206aを読み出してRAM207に展開することで、図4等で説明した各機能を実行する端末側センサ制御プロセス207aを動作させる。すなわち、端末側センサ制御プロセス207aは、図4に記載したコマンド受信部34、コマンド解読部35、測定部36、センシングアプリ37、スイッチ部38、データ送信部39などと同様の機能を実行する。このようにコンピュータシステム200は、プログラムを読み出して実行することで端末側センサ制御方法を実行する情報処理装置として動作する。
【符号の説明】
【0135】
10 サーバ
11 WLAN通信部
12 温度データテーブル
13 データ受信部
14 データ比較部
15 参照用データ決定部
16 制御信号生成部
17 延長間隔決定部
18 コマンド生成部
19 コマンド送信部
30 センサ無線端末
31 WLANモジュール
32 温度センサ
33 タイマー
34 コマンド受信部
35 コマンド解読部
36 測定部
36a センサ設定部
36b センサ間隔設定部
36c データバッファ部
37 センシングアプリ
38 スイッチ部
39 データ送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、
センサから得られたセンサ値を端末から取得し、
取得したセンサ値を、端末を識別する識別子と共にテーブルへ保管し、
保管したセンサ値を識別子が異なるセンサ値間で比較し、比較した差分が閾値以下となる識別子を抽出し、
抽出した識別子を有する端末の少なくとも1台は、センサ値を取得するよう指示し、
他の識別子を有する端末へは、センサ値の取得間隔を延長する指示を送出する
処理を実行することを特徴とするセンサ値取得方法。
【請求項2】
前記指示を送出する処理は、さらに、前記センサ値を前記コンピュータに送信する送信間隔を延長する指示を送出することを特徴とする請求項1に記載のセンサ値取得方法。
【請求項3】
前記指示を送出する処理は、前記センサ値の取得間隔延長後に取得されたセンサ値間の差分が前記閾値以下となる識別子が抽出された場合に、前記延長した取得間隔よりもさらに長い取得間隔の延長指示を送出することを特徴とする請求項1に記載のセンサ値取得方法。
【請求項4】
前記指示を送出する処理は、前記センサ値の取得間隔延長後に取得されたセンサ値間の差分が前記閾値以下となる識別子が抽出されなかった場合に、前記センサ値の取得間隔を延長する指示を受信した端末に対して、前記延長した取得間隔を延長前の取得間隔に変更する指示を送出することを特徴とする請求項1に記載のセンサ値取得方法。
【請求項5】
前記取得する処理は、前記端末から無線通信でセンサ値を取得し、
前記抽出する処理は、前記センサ値が取得された際の電波強度に基づいて端末をグループ化し、各グループごとに、前記センサ値を識別子が異なるセンサ値間で比較し差分が閾値以下となる識別子を抽出し、
前記指示する処理は、前記グループごとに、抽出した識別子を有する端末の少なくとも1台は、センサ値を取得するよう指示し、
前記指示を送出する処理は、前記グループごとに、他の識別子を有する端末へは、センサ値の取得間隔を延長する指示を送出することを特徴とする請求項1に記載のセンサ値取得方法。
【請求項6】
センサを有する端末から無線通信で、前記センサが取得したセンサ値を受信する受信部と、
前記受信部によって受信されたセンサ値を、前記端末を識別する識別子とともにテーブルへ保管する保管部と、
前記保管部に保管されるセンサ値を識別子が異なるセンサ値間で比較し、比較した差分が閾値以下となる識別子を抽出する抽出部と、
前記抽出部によって抽出された識別子を有する端末の少なくとも1台に、センサ値を取得する指示を、前記無線通信で送出する第1送出部と、
前記抽出部によって抽出された識別子以外の他の識別子を有する端末へは、センサ値の取得間隔を延長する指示を、前記無線通信で送出する第2送出部と
を有することを特徴とするセンサ制御装置。
【請求項7】
センサを有する複数の端末と、前記複数の端末と通信可能に接続されるサーバ装置とを有するシステムに用いるセンサ制御方法であって、
前記サーバ装置が、
前記端末から前記センサが取得したセンサ値を受信し、
前記受信されたセンサ値を、前記端末を識別する識別子とともにテーブルへ保管し、
前記保管されるセンサ値を識別子が異なるセンサ値間で比較し、比較した差分が閾値以下となる識別子を抽出し、
前記抽出された識別子を有する端末の少なくとも1台に、センサ値を取得する指示を送出し、
前記抽出された識別子以外の他の識別子を有する端末へは、センサ値の取得間隔を延長する指示を送出する処理を実行し、
前記複数の端末各々は、
前記サーバ装置からセンサ値を取得する指示を受信した場合に、前記センサがセンサ値を取得する間隔を、予め定められた取得間隔に設定し、
前記サーバ装置からセンサ値の取得間隔を延長する指示を受信した場合に、前記センサがセンサ値を取得する間隔を、前記サーバ装置から指定された時間延長し、
前記センサが検出したセンサ値を前記サーバ装置に送信する処理を実行する
ことを特徴とするセンサ制御方法。
【請求項8】
センサを有する複数の端末と、前記複数の端末と通信可能に接続されるサーバ装置とを有するシステムに用いるセンサ制御方法における前記サーバ装置に、
前記端末から前記センサが取得したセンサ値を受信し、
前記受信されたセンサ値を、前記端末を識別する識別子とともにテーブルへ保管し、
前記保管されるセンサ値を識別子が異なるセンサ値間で比較し、比較した差分が閾値以下となる識別子を抽出し、
前記抽出された識別子を有する端末の少なくとも1台に、センサ値を取得する指示を送出し、
前記抽出された識別子以外の他の識別子を有する端末へは、センサ値の取得間隔を延長する指示を送出する
処理を実行させることを特徴とするセンサ制御プログラム。
【請求項9】
センサを有する複数の端末と、前記複数の端末と通信可能に接続されるサーバ装置とを有するシステムに用いるセンサ制御方法における前記複数の端末各々に、
前記サーバ装置からセンサ値を取得する指示を受信した場合に、前記センサがセンサ値を取得する間隔を、予め定められた取得間隔に設定し、
前記サーバ装置からセンサ値の取得間隔を延長する指示を受信した場合に、前記センサがセンサ値を取得する間隔を、前記サーバ装置から指定された時間延長し、
前記センサが検出したセンサ値を前記サーバ装置に送信する処理を実行する
処理を実行させることを特徴とする取得間隔制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−198715(P2012−198715A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61761(P2011−61761)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】