説明

センサ装置及び電子機器

【課題】部品数が少なく簡単な構造でなるセンサ装置、及びこのセンサ装置を備える電子機器を提供すること。
【解決手段】本実施形態のセンサ装置100では、タッチパネル2により、操作領域5aを押圧する操作子の接触位置が検出される。また感圧センサ3により、押圧された操作領域5aの撓み量(表示カバー5の撓み量)に応じて、操作領域5aに加えられた押圧力が検出される。押圧された操作領域5aは自らの弾性力により元の形状に戻るので、例えばスプリング等の弾性部材を用いる必要がない。これにより、部品数を抑えることができ、またセンサ装置100の構造を簡単にすることができる。また部品コストを抑えることができ、センサ装置100の組み立てにおける作業性も向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルを備えるセンサ装置、及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、パーソナルコンピュータ等の電子機器として、タッチパッドを備えるものが知られている。タッチパッドのタッチ面が指やタッチペンにより押圧され、その指等の押圧位置が検出されることで入力操作が行われる。例えば特許文献1には、可変キャパシタが用いられることで、タッチ面に加えられた力の位置及び量が測定されるタッチパッドが記載されている(特許文献1の図2等参照)。
【0003】
特許文献1に記載のタッチパッドでは、可変キャパシタの2つのプレート(電極)のうち、一方のプレートが、タッチ面を支持する頂部平面部材に配置される。もう一方のプレートは、タッチパッドのフレームを形成する基準フレームに配置される。頂部平面部材と基準フレームは、複数のスプリングを介して連結され、2つのプレートが対向するように配置される。押圧されたタッチ面は押圧方向に移動され、スプリングの弾性力によって元の位置に戻る。この時、可変キャパシタの2つのプレート間の距離が変化し、可変キャパシタの電気容量が変化する。この電気容量の変化に基づいて、タッチ面に加えられた力の位置及び量が測定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−198503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のタッチパッドでは、タッチ面の移動量が、スプリングの弾性力により規定される。従って、適切な弾性力を有するスプリングを、適切な位置に組み込まなければならないので、部品数が多くなり構造も複雑になる。このことはタッチパッドの小型化を図る上で、大きな問題となる。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、部品数が少なく簡単な構造でなるセンサ装置、及びこのセンサ装置を備える電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るセンサ装置は、表示カバーと、フレームと、タッチパネルと、感圧センサとを具備する。
前記表示カバーは、操作子により押圧される操作領域と、前記操作領域の周縁に位置する周縁領域とを有する。
前記フレームは、前記操作領域に覆われる開口部と、前記周縁領域を固定する固定部とを有する。
前記タッチパネルは、前記開口部に配置されるように前記表示カバーに支持され、前記操作子が前記操作領域に接触する位置を検出する。
前記感圧センサは前記表示カバーと前記フレームの間に設けられ、第1の電極と、前記第1の電極に対向する第2の電極とを有し、前記操作領域に対する押圧力を、前記表示カバーの撓み量に応じた前記第1及び前記第2の電極間の静電容量の変化に基づいて検出する。
【0008】
このセンサ装置では、タッチパネルにより、操作領域を押圧する操作子の接触位置が検出される。また感圧センサにより、押圧された表示カバーの撓み量に応じて、操作領域に加えられた押圧力が検出される。表示カバーは自らの弾性力により元の形状に戻るので、例えばスプリング等の弾性部材を用いる必要がない。これにより部品数を抑えることができ、またセンサ装置の構造を簡単にすることができる。
【0009】
前記感圧センサは、前記周縁領域に設けられる前記第1の電極と、前記固定部に設けられる前記第2の電極と、前記周縁領域及び前記固定部の間に設けられるスペーサとを有してもよい。
【0010】
例えば操作領域が何度も押圧されると、操作領域が押圧されていない状態での第1及び第2の電極間の距離が変動してしまう可能性がある。そうすると静電容量の変化に基づいた押圧力の検出の精度が低下してしまう。しかしながら本形態では、上記スペーサにより、非操作時における第1及び第2の電極間の距離が保たれるので、このような問題を防ぐことができる。また表示カバーの周縁領域に第1の電極が設けられるので、押圧された表示カバーの撓み量を、第1及び第2の電極間の静電容量の変化として、高い感度で検出することができる。
【0011】
前記感圧センサは、第3の電極と、接続層と、演算回路とを有してもよい。
前記第3の電極は、前記第1の電極及び前記周縁領域の間に、前記第1の電極と対向するように設けられる。
前記接続層は、前記第1及び前記第3の電極間に配置され、前記第1及び前記第3の電極間の距離の変化を規制する。
前記演算回路は、前記第1及び前記第2の電極間の静電容量と、前記第1及び前記第3の電極間の静電容量との差分の変化率を検出する。
【0012】
このセンサ装置では、第1及び第2の電極間の静電容量と、第1及び第3の電極間の静電容量との差分の変化率に基づいて、操作領域に加えられた押圧力が検出される。第1及び第3の電極間には上記の接続層が設けられるので、操作領域が押圧される際の第1及び第3の電極間の静電容量はほとんど変化せず、従って差分の変化率は大きい値となる。また、差分をとる際には同相のノイズ信号がキャンセルされるので、検出される信号のS/N比が向上する。以上により、操作領域に加えられた押圧力を精度よく検出することができる。
【0013】
前記感圧センサは、前記第3の電極及び前記周縁領域の間に、前記第3の電極と対向するように設けられた、グランド電位に接続される導電層を有してもよい。
【0014】
例えば操作領域に指等が接近することで、第1及び第2の電極間の静電容量が変化してしまう場合がある。このように押圧以外を要因として第1及び第2の電極間の静電容量が変化すると、操作領域が押圧された際の静電容量の変化が所定のものとならず、押圧力の検出精度が低下してしまう。本形態のセンサ装置では、上記の導電層が設けられることで、指等が接近する場合の第1及び第2の電極間の静電容量の変化を抑えることができる。
【0015】
前記感圧センサは、第3の電極と、接続層と、演算回路とを有してもよい。
前記第3の電極は、前記第2の電極及び前記固定部の間に、前記第2の電極と対向するように設けられる。
前記接続層は、前記第2及び前記第3の電極間に配置され、前記第2及び前記第3の電極間の距離の変化を規制する。
前記演算回路は、前記第1及び前記第2の電極間の静電容量と、前記第2及び前記第3の電極間の静電容量との差分の変化率を検出する。
【0016】
第3の電極が第2の電極と対向するように設けられ、操作領域に加えられた押圧力が、第1及び第2の電極間の静電容量と第2及び第3の電極間の静電容量との差分の変化率に基づいて検出されてもよい。この場合でも、操作領域に加えられた押圧力を精度よく検出することができる。
【0017】
前記感圧センサは、前記第1の電極及び前記周縁領域の間に、前記第1の電極と対向するように設けられた、グランド電位に接続される導電層を有してもよい。
このセンサ装置では、第1の電極と対向するように上記導電層が設けられる。この導電層により、指等が接近する場合の第1及び第2の電極間の静電容量の変化が抑えられる。
【0018】
前記タッチパネルは、前記表示カバーに固定される第1の面と、前記第1の面の反対側の第2の面とを有してもよい。
この場合、前記感圧センサは、前記第2の面に設けられる前記第1の電極と、前記固定部に設けられる前記第2の電極と、前記第1の電極に対向するように前記第1の面に設けられる第3の電極と、前記第1及び前記第2の電極間の静電容量と前記第1及び前記第3の電極間の静電容量との差分の変化率を検出する演算回路とを有してもよい。
【0019】
このセンサ装置では、第1及び第3の電極がタッチパネルを間に挟んで対向する。従って、操作領域が押圧された際に第1及び第3の電極間の静電容量はほとんど変化しない。これにより、操作領域に加えられる押圧力が、第1及び第2の電極間の静電容量と第1及び第3の電極間の静電容量との差分の変化率に基づいて、精度よく検出される。
【0020】
前記タッチパネルは、前記表示カバーに固定される第1の面と、前記第1の面の反対側の第2の面とを有してもよい。
この場合、前記感圧センサは、前記第2の面に設けられる前記第1の電極と、前記固定部に設けられる前記第2の電極と、前記第1の面に前記第1の電極と対向するように設けられた、グランド電位に接続される導電層とを有してもよい。
【0021】
このセンサ装置では、タッチパネルの第1の面に上記の導電層が設けられる。導電層は、タッチパネルを間に挟んで第1の電極と対向するように設けられる。これにより指等が接近する場合の第1及び第2の電極間の静電容量の変化を抑えることができる。
【0022】
前記表示カバーは矩形状を有してもよい。この場合、前記第1及び前記第2の電極は、前記表示カバーの少なくとも1辺に配置されてもよい。
【0023】
前記第1及び前記第2の電極は、前記表示カバーの縁に沿うように環状に形成されてもよい。
これにより、感圧センサからの配線の数を少なくすることができ、センサ装置の構造を簡単にすることができる。
【0024】
前記第1及び前記第2の電極間は、エアギャップとなってもよい。
第1及び第2の電極間がエアギャップとなることにより、操作領域が押圧された際に、第1及び第2の電極間の距離が変化しやすくなる。従って操作領域に加えられる押圧力が小さく、表示カバーの撓み量が小さい場合でも、第1及び第2の電極間の静電容量に基づいて、押圧力を感度よく検出することができる。
【0025】
前記センサ装置は、前記タッチパネルに固定される第1の面と、前記第1の面と反対側の第2の面とを有する表示パネルをさらに具備してもよい。この場合、前記感圧センサは、前記第2の面に設けられる
【0026】
このセンサ装置では、表示パネルにより、操作領域に画像が表示される。操作領域は、表示パネルから見て第1の面側に位置する。従って、表示パネルの第2の面に設けられた感圧センサにより、表示パネルの画像の表示が遮られることがない。これにより感圧センサの形状や数、又は表示パネルに対する感圧センサの位置等の自由度が大きくなる。
【0027】
本発明の一形態に係る電子機器は、表示カバーと、フレームと、タッチパネルと、感圧センサと、制御ユニットとを具備する。
前記表示カバーは、操作子により押圧される操作領域と、前記操作領域の周縁に位置する周縁領域とを有する。
前記フレームは、前記操作領域に覆われる開口部と、前記周縁領域を固定する固定部とを有する。
前記タッチパネルは、前記開口部に配置されるように前記表示カバーに支持され、前記操作子が前記操作領域に接触する位置を検出する。
前記感圧センサは前記表示カバーと前記フレームの間に設けられ、第1の電極と、前記第1の電極に対向する第2の電極とを有し、前記操作領域に対する押圧力を、前記表示カバーの撓み量に応じた前記第1及び前記第2の電極間の静電容量の変化に基づいて検出する。
前記制御ユニットは、前記タッチパネルにより検出された前記操作子の接触位置に関する信号と、前記感圧センサにより検出された前記操作子の押圧力に関する信号とを処理する。
【発明の効果】
【0028】
以上のように、本発明によれば、部品数が少なく簡単な構造でなるセンサ装置、及びこのセンサ装置を備える電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るセンサ装置を示す模式的な断面図である。
【図2】図1に示すセンサ装置の模式的な分解斜視図である。
【図3】図1に示す感圧センサを拡大して示す部分拡大図である。
【図4】図1に示すセンサ装置の動作を説明するための図である。
【図5】表示カバーに加えられる押圧力と、表示カバーの撓み量との関係を示すグラフである。
【図6】表示カバーの操作領域が押圧された際の、第1の電極の変位量を説明するための図である。
【図7】表示カバーの操作領域が押圧された際の、第1及び第2の電極間の静電容量の変化及び変化率を示すグラフである。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るセンサ装置の、感圧センサを拡大して示す模式的な断面図である。
【図9】表示カバーの操作領域が押圧された際の、第1及び第2の電極間の静電容量の変化率と、第1の電極及び差動電極間の静電容量の変化率とを示すグラフである。
【図10】第1及び第2の電極間の静電容量と、第1の電極及び差動電極間の静電容量との差分の変化率を示すグラフである。
【図11】本発明の第3の実施形態に係るセンサ装置の、感圧センサを拡大して示す模式的な断面図である。
【図12】第2の実施形態で説明した「差分の変化率」を、ノイズがない場合とノイズがある場合とで比較したグラフである。
【図13】比較例として挙げる、シールド層が設けられていない感圧センサでの、「ノイズなし」及び「ノイズあり」の差分の変化率を示すグラフである。
【図14】本発明の第4の実施形態に係るセンサ装置の感圧センサを示す模式的な断面図である。
【図15】本発明の第5の実施形態に係るセンサ装置の感圧センサを示す模式的な断面図である。
【図16】本発明の第6の実施形態に係るセンサ装置を示す模式的な断面図である。
【図17】図16に示すセンサ装置の模式的な分解斜視図である。
【図18】図16に示す感圧センサの一部を拡大して示した模式的な断面図である。
【図19】本発明の第7の実施形態に係るセンサ装置を示す模式的な断面図である。
【図20】図19に示すセンサ装置の模式的な分解斜視図である。
【図21】第7の実施形態に係る感圧センサの形状等の、他の例を示した図である。
【図22】本発明の第8の実施形態に係るセンサ装置の感圧センサを示す模式的な断面図である。
【図23】第8の実施形態に係るセンサ装置の模式的な分解斜視図である。
【図24】本発明の第9の実施形態に係るセンサ装置の感圧センサを示す模式的な断面図である。
【図25】本発明の第10の実施形態に係る電子機器を示す模式的な斜視図である。
【図26】第1の実施形態に係る第1及び第2の電極の形状等の変形例を示した図である。
【図27】図14に示す第4の実施形態に係るセンサ装置の変形例を示したものである。
【図28】図22に示す第8の実施形態に係るセンサ装置の変形例を示したものである。
【図29】図23に示す第8の実施形態に係るセンサ装置の変形例を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0031】
<第1の実施形態>
[センサ装置の構成]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るセンサ装置を示す模式的な断面図である。図2は、図1に示すセンサ装置の模式的な分解斜視図である。図2では、後に説明するセンサ装置のフレームが省略されて図示されている。
【0032】
センサ装置100は、筐体1と、筐体1の内部に配置されるタッチパネル2と、感圧センサ3とを有する。筐体1は、開口部4aが形成されたフレーム4と、開口部4aを覆うようにフレーム4に固定される表示カバー5とを有する。表示カバー5により覆われた開口部4aは、筐体1の内部空間の一部を構成する。タッチパネル2は、開口部4aに配置されるように表示カバー5に支持される。
【0033】
図2に示すように、表示カバー5は矩形状でなり、例えば指やタッチペン等の図示しない操作子により押圧される操作領域5aと、操作領域5aの周りを囲む周縁領域5bとを有する。フレーム4は、開口部4aの周りに設けられた固定部4bを有しており、図1に示すように、この固定部4bに表示カバー5の周縁領域5bが固定される。従って、表示カバー5の操作領域5aにより、フレーム4の開口部4aが覆われることになる。
【0034】
表示カバー5は、操作領域5aに作用する所定以上の押圧力に対して、周縁領域5bと固定部4bとの間の接合点を支点とする操作領域5aの撓み変形が可能なように構成される。操作領域5aの撓み変形は弾性的であり、操作領域5aの撓み量は押圧力に応じて連続的に変化する。表示カバー5は、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の透明プラスチック板のほか、ガラス板、セラミックス板等で構成することができる。表示カバー5は、筐体の一部として適宜の剛性を有しつつ、ユーザによる所定以上の押圧操作力を受けて変形できるように、その厚み及び大きさ等が設定される。
【0035】
本実施形態では、表示カバー5の操作領域5aの内面6aに、タッチパネル2の上面2a(第1の面)が接着され、タッチパネル2の下面2b(第2の面)には、例えば液晶パネル等の表示パネル7が設けられる。操作領域5aの内面6a及びタッチパネル2の上面2aは、例えば、ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社製の光学弾性樹脂「SRV(Super View Resin)」(商品名)等の図示しない透明な接着層により相互に接合される。またタッチパネル2の下面2b及び表示パネル7も同様の接着層により相互に接合される。表示パネル7の下側には、クッション部材8を介して金属シールド9が設けられ、この金属シールド9は、フレーム4の底部4cに固定される。
【0036】
本実施形態では、タッチパネル2として静電容量方式のものが用いられる。例えばPET基板等の透明な部材からなるX電極基板及びY電極基板の2つの基板が積層される。X電極基板及びY電極基板には、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明な導電性材料からなる検出用X透明電極パターン及び検出用Y透明電極パターンがそれぞれ形成される。検出用X透明電極パターン及び検出用Y透明電極パターンは共に、一方向に延在するストライプ状の形状となるように形成される。X電極基板及びY電極基板が積層される際には、検出用X透明電極パターンの延在方向と検出用Y透明電極パターンの延在方向とが、互いに略直交するように積層される。このようなものがタッチパネル2として用いられる場合、検出用X透明電極パターン及び検出用Y透明電極パターンは、制御ユニットCに電気的に接続される。
【0037】
静電容量方式のものの代わりに、タッチパネル2として、例えば、光学方式、表面弾性波方式、抵抗膜方式、又は超音波方式等を採用したタッチパネルが用いられてもよい。
【0038】
制御ユニットCは、例えば、回路基板とこれに搭載される演算処理回路、メモリ等を含む各種電子部品で構成される。制御ユニットCは、筐体1(フレーム4)の内部に収容され、さらに詳しくは、金属シールド9とフレームの底部4cの間の空間内に配置されている。制御ユニットCは、タッチパネル2による操作位置の検出制御、表示パネル7の表示制御、後述する感圧センサ3による押圧力の検出制御など、センサ装置100の動作全体を制御する。
【0039】
次に、感圧センサ3の構成について説明する。
【0040】
図1に示すように、感圧センサ3は、表示カバー5とフレーム4との間に設けられる。図2に示すように、感圧センサ3は環状に形成された第1の電極10と、同じく環状に形成された第2の電極11とを有する。第1及び第2の電極10及び11には図示しない配線が接続され、この配線により、制御ユニットCに電気的に接続される。タッチパネル2は、この環状の第1及び第2の電極10及び11の、環の内部側に配置される。
【0041】
第1及び第2の電極10及び11としては、例えば銅、銀、ニッケル、アルミニウム、金等の金属材料や、ZnO、ITO等の透明な導電性酸化物材料が用いられる。また、これらの導電性材料の表面に、例えばポリイミド等の絶縁材料が積層されたものが、第1及び第2の電極10及び11として用いられてもよい。
【0042】
図3は、図1に示す感圧センサ3を拡大して示す部分拡大図である。図3に示すように、上記した第1の電極10は、粘着剤12aを介して、表示カバー5の周縁領域5bの内面6bに設けられる。第2の電極11は、粘着剤12bを介して、フレーム4の固定部4bに設けられる。第1及び第2の電極10及び11は、それぞれ対向するように配置され、第1及び第2の電極10及び11の間はエアギャップ13となる。粘着剤12a、12bとしては、例えばアクリル樹脂系の透明粘着剤が用いられる。
【0043】
第1及び第2の電極10及び11の厚みは、例えば10μm以上100μm以下の範囲である。また、第1の電極10と、表示カバー5の周縁領域5bの内面6bとの接触幅は、例えば1mmである。同様に第2の電極11と、フレーム4の固定部4bとの接触幅は、例えば1mmである。エアギャップ13の大きさは、例えば10μm以上100μm以下の範囲であり、本実施形態では、エアギャップ13の大きさを10μm以上30μm以下としている。エアギャップ13の大きさは、表示カバー5の撓み変形の際に第1及び第2の電極10及び11が相互に接触しない大きさに設定される。
【0044】
第1の電極10として、例えば表示カバー5の周縁領域5bの内面6bに、例えば銅、金等の金属ペーストを印刷したものが用いられてもよい。同様に第2の電極11として、フレーム4の固定部4bに金属ペーストを印刷したものが用いられてもよい。
【0045】
また図2及び図3に示すように、感圧センサ3は、環状に形成されたスペーサ14を有する。スペーサ14は、表示カバー5の周縁領域5bの内面6bと、フレーム4の固定部4bとの間に、粘着剤12a及び12bを介して固定される。すなわち本実施形態では、表示カバー5の周縁領域5bとフレーム4の固定部4bとが、スペーサ14を介して相互に固定され、第1の電極10と第2の電極11との間のエアギャップ13は、スペーサ14によって形成される。
【0046】
スペーサ14としては、例えばPETフィルム等の絶縁材料が用いられる。スペーサ14の厚みは、第1及び第2の電極10及び11間のエアギャップ13の大きさが、上記した10μm以上30μm以下の範囲となるように適宜設定される。また、周縁領域5bの内面6b及び固定部4bとの間に、所定の厚みを有する粘着剤が設けられ、これがスペーサ14として用いられてもよい。
【0047】
感圧センサ3は、操作領域5aが操作されたときの第1の電極10及び第2の電極11の間の容量変化を検出する演算回路をさらに有する。本実施形態において、上記演算回路は、制御ユニットCの一部として構成される。なお、上記演算回路は、制御ユニットCとは別に構成されてもよく、この場合、演算回路の出力が制御ユニットCに供給される。
【0048】
[センサ装置の動作]
図4は、図1に示すセンサ装置100の動作を説明するための図である。この説明では、操作子としてユーザの指が用いられ、この指により表示カバー5の操作領域5aが押圧される。図4(A)は、操作領域5aが押圧されない、非操作時のセンサ装置100を示す図である。図4(B)は、指15により操作領域5aが押圧された状態のセンサ装置100を示す図である。
【0049】
図4(A)に示すように、非操作時では、スペーサ14により、第1及び第2の電極10及び11間のエアギャップ13が所定の大きさで維持されている。図4(B)に示すように、指15により表示カバー5の操作領域5aが押圧されると、図1等に示すタッチパネル2により、押圧する指15の接触位置が検出される。また感圧センサ3により、操作領域5aに加えられる押圧力が検出される。
【0050】
タッチパネル2の検出用X透明電極パターン及び検出用Y透明電極パターンには所定の電圧が加えられる。操作領域5aに操作子が接触すると、接触位置で重なるX透明電極パターン及び検出用Y透明電極パターンの静電容量が変化する。そうすると検出用X透明電極パターン及び検出用Y透明電極パターンを流れる電流が変化し、その変化が制御ユニットCにて検出される。制御ユニットCは、検出された電流の変化に基づいて、操作子が接触した位置のXY座標を特定し、その結果に基づいてセンサ装置100の動作を制御する。
【0051】
図4(A)及び(B)に示すように、表示カバー5は操作領域5aの周りを囲む周縁領域5bでフレーム4の固定部4bに固定されている。従って操作領域5aが指15により押圧されると、表示カバー5が押圧方向に撓むように変形する。
【0052】
表示カバー5が撓むように変形すると、図4(B)に示すように、周縁領域5bの内面6bに設けられた第1の電極10が、第2の電極11の方へ移動する。これにより第1及び第2の電極10及び11間の距離が変化するので、第1及び第2の電極10及び11間の静電容量が変化する。この第1及び第2の電極10及び11間の静電容量の変化が制御ユニットCで検出される。制御ユニットCは、検出された静電容量の変化に基づいて操作領域5aに加えられた押圧力を検出し、この検出結果に基づいてセンサ装置100の動作を制御する。
【0053】
図5は、表示カバー5に加えられる押圧力と、表示カバー5の撓み量との関係を示すグラフである。ここでは表示カバー5として、矩形状の強化ガラス板が用いられる。ガラス板の大きさは115mm×62mmであり、厚みは0.5mmである。
【0054】
表示カバー5の周縁領域5bを固定し、操作領域5aの略中央を押圧する。そうすると図5のグラフに示すように、表示カバー5の撓み量は、押圧力に対して略比例するリニアな特性を有している。従って、周縁領域5bの内面6bに設けられた第1の電極10も、押圧力に対して略比例するよう変位し、第2の電極11の方へ移動する。
【0055】
図6は、表示カバー5の操作領域5aが押圧された際の、第1の電極10の変位量を説明するための図である。図6では、説明の便宜上、第1及び第2の電極10及び11のみが図示されている。ここでは、上記した強化ガラス板が表示カバー5として用いられる。
【0056】
図6(A)では、操作領域5aの略中央が押圧されて、表示カバー5の撓み量が略200μmとなった状態が図示されている。図6(A)は、大きさが115mm×62mm(上記の強化ガラス板の大きさ)である表示カバー5の、長さが62mmである辺から見た図である。従って操作領域5aの略中央は、第1の電極10から略30mm離れた位置となる。また第1の電極10の幅(周縁領域5bに対する接触幅)は1mmである。
【0057】
図6(B)は、第1及び第2の電極10及び11を拡大して示す図である。表示カバー5の撓み量が略200μmの場合、図6(B)に示すように、第1の電極10は第2の電極11の方へ略6.7μm変位する。操作領域5aの略中央でない部分が押圧された場合には、同じ押圧力であっても表示カバー5の撓み量は200μmよりも小さくなる場合がある。その場合、第1の電極10の変位量も小さくなる。そこで、上記した変位量の略6.7μmの略半分の略3.3μmを、操作領域5aが押圧された際の、第1の電極10の変位量の平均値とする。
【0058】
例えば非操作時での第1及び第2の電極10及び11間の距離t1を30μmとすると、操作時における距離t1の変化率は平均して略11%となる。変化率が略11%程度であれば、その変化を第1及び第2の電極10及び11間の静電容量の変化として、十分検出することができる。
【0059】
図7は、表示カバー5の操作領域5aが押圧された際の、第1及び第2の電極10及び11間の静電容量の変化及び変化率を示すグラフである。ここでは表示カバー5として、大きさが115mm×62mmであり、厚みが1mmである強化ガラス板が用いられる。この強化ガラス板の撓み量も、押圧力に対して略比例するリニアな特性を有している。第1及び第2の電極10及び11としては、厚みが9μmでなる銅箔の表面に、厚みが25μmでなるポリイミドが設けられたものが用いられる。
【0060】
図7のグラフに示すように、第1及び第2の電極10及び11間の静電容量の変化はわずかである。しかしながら容量変化率が押圧力に対して略比例しているので、第1及び第2の電極10及び11の静電容量も、押圧力に略比例してリニアに変化することがわかる。従って、第1及び第2の電極10及び11間の静電容量の変化を検出することで、表示カバー5の操作領域5aに加えられた押圧力を検出することができる。
【0061】
本実施形態のセンサ装置100では、タッチパネル2により、操作領域5aを押圧する操作子の接触位置が検出される。また感圧センサ3により、押圧された表示カバー5の撓み量に応じて、操作領域5aに加えられた押圧力が検出される。表示カバー5は自らの弾性力により元の形状にもどるので、例えばスプリング等の弾性部材を用いる必要がない。従って、部品数を抑えることができ、センサ装置100の構造を簡単にすることができる。また部品コストも抑えられ、センサ装置100の組み立てにおける作業性も向上する。
【0062】
また、本実施形態の感圧センサ3は、表示カバー5の周縁領域5b及びフレーム4の固定部4bの間にスペーサ14が設けられる。例えば操作領域5aが何度も押圧されると、操作領域5aが押圧されていない状態での、第1及び第2の電極10及び11間の距離が変動してしまう可能性がある。そうすると静電容量の変化に基づいた押圧力の検出の精度が低下してしまう。しかしながら本実施形態では、上記スペーサ14により、非操作時における第1及び第2の電極10及び11間の距離が保たれるので、このような問題を防ぐことができる。また表示カバー5の周縁領域5bに第1の電極10が設けられるので、表示カバー5の撓みに応じて追従性よく第1の電極10が変位する。従って、操作領域5aに加えられた押圧力を、高い感度で検出することができる。また本実施形態では、第1及び第2の電極10及び11が環状に形成されるので、操作領域5aの押圧位置にかかわらず高い精度で押圧力を検出することができる。
【0063】
さらに、本実施形態では、表示カバー5の撓み量に応じて押圧力が検出されるので、スプリング等の弾性部材が用いられるものよりも、第1及び第2の電極10及び11間の距離を小さくすることができる。これにより、操作領域5aに加えられた押圧力の検出の感度を向上させることができる。また、表示カバー5が自らの弾性力により元の形状に戻るので、スプリング等が用いられるものよりも、押圧力の検出における反応速度を速くすることができる。
【0064】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態に係るセンサ装置について説明する。これ以降の説明では、上記の実施形態で説明したセンサ装置100における構成及び作用と同様な部分については、同じ符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【0065】
図8は、本発明の第2の実施形態に係るセンサ装置の、感圧センサを拡大して示す模式的な断面図である。本実施形態のセンサ装置200は、第1の実施形態のセンサ装置100と比べて、感圧センサの構造が異なるものである。従ってこの点を中心に説明する。
【0066】
感圧センサ203は、互いに対向する第1及び第2の電極10及び11と、差動電極(第3の電極)216とを有する。差動電極216は、第1の電極10と対向するように第1の電極10及び周縁領域5bの間に設けられ、粘着剤12aにより周縁領域5bの内面6bに接着される。差動電極216としては、第1及び第2の電極10及び11と同様な導電性材料が用いられる。この導電性材料の表面に、例えばポリイミド等の絶縁層が設けられたものが、差動電極216として用いられてもよい。
【0067】
差動電極216及び第1の電極10の間には接続層218が設けられる。接続層218は、差動電極216と第1の電極10とを一体的に接合することで、表示カバー5の操作領域5aが押圧された際に、第1の電極10及び差動電極216間の距離の変化を規制する。接続層218としては、例えばPETフィルム等の絶縁材料が用いられる。その他、厚みが適宜設定された粘着剤が、接続層218として用いられてもよい。
【0068】
表示カバー5の周縁領域5bの内面6bと、フレーム4の固定部4bとの間にはスペーサ14が設けられる。スペーサ14の厚みは、第1及び第2の電極10及び11間のエアギャップ13の大きさが所期のものとなるように適宜設定される。
【0069】
本実施形態では、第1及び第2の電極10及び11、及び差動電極216はそれぞれ共通する回路基板(図示せず)に電気的に接続される。操作領域5aが押圧されると、第1及び第2の電極10及び11間の静電容量と第1の電極10及び差動電極216間の静電容量との差分の変化率が、制御ユニットCにより検出される。
【0070】
図9は、表示カバー5の操作領域5aが押圧された際の、第1及び第2の電極10及び11間の静電容量の変化率と、第1の電極10及び差動電極216間の静電容量の変化率とを示すグラフである。図10は、第1及び第2の電極10及び11間の静電容量と、第1の電極10及び差動電極216間の静電容量との差分の変化率を示すグラフである。
【0071】
図9では、第1及び第2の電極10及び11を感圧電極として表示している。また第1の電極10及び差動電極216を固定電極として表示している。また図9では、第1の電極10及び差動電極216間の容量変化率の値のみが表として示されている。第1及び第2の電極10及び11間の静電容量の変化率は、第1の実施形態で説明した図7に示す容量変化率と略等しい。
【0072】
表示カバー5としては、大きさが115mm×62mmで厚みが1mmとなる強化ガラス板が用いられる。また第1及び第2の電極10及び11、及び差動電極216として、厚みが9μmの銅箔の表面に厚みが25μmのポリイミドが形成されたものが用いられる。接続層218としては、厚みが125μmの粘着剤が用いられる。なお接続層218として用いられない他の粘着剤12a及び12bの厚みは25μmである。スペーサ14は、第1及び第2の電極10及び11間のエアギャップ13の大きさが30μmとなるように厚みが適宜設定される。
【0073】
図9に示すように、第1の電極10及び差動電極216間の静電容量の変化率は、第1及び第2の電極10及び11間の静電容量の変化率と比べて小さい。これは第1の電極10及び差動電極216間に、第1の電極10及び差動電極216間の距離の変化を規制する接続層218が設けられているためである。
【0074】
従って図10に示すように、第1及び第2の電極10及び11間の静電容量と、第1の電極10及び差動電極216間の静電容量との差分の変化率は、5Nの押圧力で操作領域5aが押圧された際には10%を越える値となる。第1の実施形態で説明した図7のグラフに示す、第1及び第2の電極10及び11間の静電容量の変化率は、押圧力が5Nの際には1.7%程度であった。すなわち、第1及び第2の電極10及び11間の静電容量の変化率と比べて、上記した差分の変化率は大幅に大きいものとなる。また、差分をとる際には同相のノイズ信号がキャンセルされるので、検出される信号のS/N比が向上する。以上により、操作領域5aに加えられた押圧力を精度よく検出することができる。
【0075】
差動電極216は、第2の電極11と対向するように、第2の電極11及びフレーム4の固定部4bの間に設けられてもよい。この場合、差動電極216は、粘着剤12bにより固定部4bに接着される。また差動電極216及び第2の電極11の間には接続層218が設けられ、接続層218を間に挟んで差動電極216及び第2の電極11が対向する。このように差動電極216が設けられた場合では、第1及び第2の電極10及び11間の静電容量と第2の電極11及び差動電極216間の静電容量との差分の変化率が、制御ユニットCにより検出される。この差分の変化率に基づいて操作領域5aに加えられた押圧力を精度よく検出することができる。
【0076】
<第3の実施形態>
図11は、本発明の第3の実施形態に係るセンサ装置の、感圧センサを拡大して示す模式的な断面図である。本実施形態のセンサ装置300は、第2の実施形態の感圧センサ203にシールド層317(導電層)が設けられたものである。
【0077】
図11に示すように、シールド層317は、差動電極216と対向するように、差動電極216及び周縁領域5bの間に設けられる。シールド層317は、粘着剤12aにより周縁領域5bの内面6bに接着される。差動電極216及び第1の電極10の間には粘着剤12cが設けられ、図11に示すように、粘着剤12cを間に挟んでシールド層317及び差動電極216が対向する。
【0078】
シールド層317は、第1及び第2の電極10及び11、及び差動電極216と同様な導電性材料が用いられる。この導電性材料の表面に、例えばポリイミド等の絶縁層が設けられたものが、シールド層317として用いられてもよい。本実施形態では、シールド層317として、厚みが9μmの銅箔の表面に、厚みが25μmのポリイミドが形成されたものが用いられる。またシールド層317は、グランド電位に接続される。
【0079】
図12は、第2の実施形態で説明した「差分の変化率」を、ノイズがない場合とノイズがある場合とで比較したグラフである。まずここでいうノイズについて説明する。本発明の各実施形態では、操作領域5aに加えられた押圧力が、第1及び第2の電極10及び11間の静電容量の変化に基づいて検出される。例えば操作領域5aに指等が接近すると、指が操作領域5aに接触しない状態であっても、第1及び第2の電極10及び11間の静電容量が変化してしまう場合がある。このように押圧以外を要因として第1及び第2の電極10及び11間の静電容量が変化すると、操作領域5aが押圧された際の静電容量の変化が所定のものとならず、押圧力の検出精度が低下してしまう。図12に示すグラフでは、操作領域5aに指等を接近させておき、その状態で操作領域5aが押圧された際の差分の変化率を、「ノイズあり」のグラフとして示している。
【0080】
本実施形態の感圧センサ303には、シールド層317が形成されるので、図12に示すように、「ノイズなし」のグラフ及び「ノイズあり」のグラフは互いに略等しくなる。すなわちシールド層317が形成されることより、操作領域5aに指等が接近した場合の、第1及び第2の電極10及び11間の静電容量の変化を抑えることができる。
【0081】
図13は、比較例として挙げる、シールド層が設けられていない感圧センサでの、「ノイズなし」及び「ノイズあり」の差分の変化率を示すグラフである。シールド層317が設けられていない感圧センサでは、図13に示すように、「ノイズあり」での差分の変化率が、「ノイズなし」の差分の変化率と大きく異なる。従って、シールド層317が設けられた感圧センサ303の方が、シールド層317が設けられていない感圧センサよりも、高い精度で押圧力を検出することができる。
【0082】
本実施形態では、シールド層317が差動電極216及び周縁領域5bの間に設けられた。例えば、差動電極216がフレーム4の固定部4bと第2の電極11との間に設けられた場合、表示カバー5の周縁領域5bと第1の電極10との間にシールド層317が設けられる。この場合でも本実施形態と同様な効果が得られる。
【0083】
また図11に示すセンサ装置303において、第2の電極11及び固定部4bとの間に、さらにシールド層が設けられてもよい。
【0084】
<第4の実施形態>
本発明の第4の実施形態に係るセンサ装置を説明する。図14は、本実施形態に係るセンサ装置の感圧センサを示す模式的な断面図である。本実施形態のセンサ装置400では、表示カバー5の内面6に接着されたタッチパネル2を間に挟むように、第1の電極10及び差動電極216が設けられる。
【0085】
図14に示すように、タッチパネル2の上面2aに差動電極216が設けられる。従って差動電極216は、タッチパネル2の上面2aと、表示カバー5の周縁領域5bの内面6bとの間に設けられる。差動電極216は、例えば粘着剤を介して、タッチパネル2の上面2a及び周縁領域5bの内面6bにそれぞれ接着されてもよい。あるいは、例えばタッチパネル2の上面2a又は周縁領域5bの内面6bに印刷された金属ペースト等が、差動電極216として用いられてもよい。
【0086】
タッチパネル2の下面2bには、第1の電極10が設けられる。第1の電極10は、差動電極216に対向するように設けられる。従って、第1の電極10及び差動電極216は、タッチパネル2を間に挟んで対向する。
【0087】
例えば、タッチパネル2として、透明電極パターンが形成された2つの基板を有する静電容量方式のものが用いられたとする。この場合、タッチパネル2の下面2b側に配置される基板上に、上記透明電極パターンが形成される際に、第1の電極10が形成されてもよい。これにより、第1の電極10の形成における作業性が向上する。
【0088】
フレーム4の固定部4bには、粘着剤412を介して、例えばPETからなる支持部419が設けられる。そして支持部419上に、第2の電極11が設けられる。支持部419の厚みは、第1及び第2の電極10及び11間のエアギャップ13の大きさが所期のものとなるように適宜設定される。
【0089】
また図14に示すように、タッチパネル2の下面2b及び支持部419の間にスペーサ14が設けられる。本実施形態では、スペーサ14は、第1及び第2の電極10及び11の、図14で見て右側及び左側の両側に設けられる。これにより、第1及び第2の電極10及び11間のエアギャップ13の大きさを安定して保つことができるので、高い精度で押圧力を検出することができる。
【0090】
本実施形態のセンサ装置400では、表示カバー5の操作領域5aが押圧された際に、表示カバー5が撓むように変形し、これと一体となってタッチパネル2も撓むように変形する。従ってタッチパネル2の下面2bに設けられた第1の電極10が、第2の電極11の方へ移動される。これにより、操作領域5aに加えられた押圧力が、操作領域5aの撓み量に応じた第1及び第2の電極10及び11間の静電容量の変化に基づいて検出される。
【0091】
第1の電極10及び差動電極216は、タッチパネル2を間に挟んで対向する。従って、操作領域5aが押圧された際に第1の電極10及び差動電極216間の静電容量はほとんど変化しない。これにより操作領域5aに加えられる押圧力が、第1及び第2の電極10及び11間の静電容量と、第1の電極10及び差動電極216間の静電容量との差分の変化率に基づいて精度よく検出される。
【0092】
また本実施形態のセンサ装置400では、第2の電極11が支持部419上に設けられる。また第1の電極10及び差動電極216は、タッチパネル2の下面2b及び上面2aにそれぞれ設けられる。従って、例えば表示カバー5、タッチパネル2、スペーサ14、及び支持部419を有するモジュールを形成すれば、第1及び第2の電極10及び11と差動電極216とを、このモジュール内に組み込むことができる。従ってタッチパネル2及び感圧センサ403を一体として形成することができ、上記モジュールをフレーム4に組み付けることで、簡単に感圧センサ403を設けることができる。これによりセンサ装置400の製造における作業性が向上し、また製造コストの低減も図れる。
【0093】
<第5の実施形態>
本発明の第5の実施形態に係るセンサ装置を説明する。図15は、本実施形態に係るセンサ装置の感圧センサを示す模式的な断面図である。
【0094】
本実施形態のセンサ装置500では、表示カバー5の内面6に、例えばPET等からなる支持部520が接着される。図15に示すように、表示カバー5の内面6と支持部520の上面520aとが接着される。支持部520の下面520bには、例えば紫外線硬化樹脂等の接着層521を介して、タッチパネル2の上面2aが接着される。タッチパネル2の下面2bは、粘着剤512を介してフレーム4の固定部4bに接着される。
【0095】
第1の電極10は、支持部520の下面520bに設けられ、第2の電極11はタッチパネル2の上面2aに設けられる。また、差動電極216が、第1の電極10と対向するように、支持部520の上面520aに設けられる。差動電極216は、表示カバー5の周縁領域5bの内面6bと、支持部520の上面520aとの間に設けられる。
【0096】
本実施形態では、支持部520により、第1の電極10及び差動電極216間の距離の変化が規制される。また、接着層521により、第1及び第2の電極10及び11間のエアギャップ13の大きさが保たれる。従って、支持部520及び接着層521は、所定の硬度を有するものが用いられる。
【0097】
本実施形態のセンサ装置500では、表示カバー5の操作領域5aが押圧された際に、表示カバー5が撓むように変形し、これと一体となって支持部520及び接着層521も撓むように変形する。従ってタッチパネル2の下面2bに設けられた第1の電極10が第2の電極11の方へ移動される。
【0098】
また本実施形態では、タッチパネル2も、表示カバー5と一体となって撓むように変形する。この際タッチパネル2の固定部4bに固定された部分522には、タッチパネル2から表示カバー5の方へ向かって応力が作用する。従ってタッチパネル2は、上記部分522が表示カバー5の方へ移動されるように変形する。従って上記部分522の上面2aに設けられた第2の電極11が第1の電極10の方へ移動される。
【0099】
以上のように、押圧された表示カバー5が撓むように変形すると、第1及び第2の電極10及び11間の距離が変化する。これにより操作領域5aに加えられた押圧力が、表示カバー5の撓み量に応じた第1及び第2の電極10及び11間の静電容量の変化に基づいて検出される。この際、第1及び第2の電極10及び11間の静電容量と、第1の電極10及び差動電極216間の静電容量との差分の変化率が検出されることで、押圧力を精度よく検出することができる。
【0100】
また本実施形態のセンサ装置500では、第2の電極11がタッチパネル2の上面2aに設けられる。また、第1の電極10及び差動電極216は、表示カバー5の内面6に接着された支持部520の下面520b及び上面520aにそれぞれ設けられる。従って、例えば表示カバー5、支持部520、接着層521、及びタッチパネル2を有するモジュールを形成すれば、第1及び第2の電極10及び11と差動電極216とを、このモジュール内に組み込むことができる。従ってタッチパネル2及び感圧センサ503を一体として形成することができ、上記モジュールをフレーム4に組み付けることで、簡単に感圧センサ503を設けることができる。これにより、センサ装置500の製造における作業性が向上し、また製造コストの低減も図れる。
【0101】
<第6の実施形態>
図16は、本発明の第6の実施形態に係るセンサ装置を示す模式的な断面図である。図17は、図16に示すセンサ装置の模式的な分解斜視図である。図18は、図16に示す感圧センサの一部を拡大して示した模式的な断面図である。
【0102】
本実施形態のセンサ装置600では、図17及び図18に示すように、第1及び第2の電極10及び11の間に、スペーサ614として、粘着剤612が設けられる。このように第1及び第2の電極10及び11間にスペーサ614(粘着剤612)が設けられてもよい。これにより第1及び第2の電極10及び11間の距離を安定して保つことができるので、高い精度で押圧力を検出することができる。また第1の電極10及び11間に、スペーサ614として例えばゴム等の弾性体を設けて、押圧された操作領域5aが自らの弾性力により元の形状に戻る際の、戻る速度を向上させてもよい。これにより、押圧力の検出における反応速度を速くすることができる。
【0103】
一方で、上記の各実施形態のように、第1及び第2の電極10及び11間がエアギャップとなる場合、操作領域5aが押圧された際に、第1及び第2の電極10及び11間の距離が変化しやすい。従って操作領域5aに加えられる押圧力が小さく、表示カバー5の撓み量が小さい場合でも、第1及び第2の電極10及び11間の静電容量の変化に基づいて、押圧力を感度よく検出することができる。
【0104】
第1及び第2の電極10及び11間にスペーサ614を設けるか、第1及び第2の電極10及び11間をエアギャップとするかは、所望するセンサ装置の特性に基づいて適宜設定されればよい。
【0105】
また図16及び図17に示すように、表示パネル7と金属シールド9との間に設けられたクッション部材608として、例えば適当な弾性部材が用いられ、表示カバー5が元の形状に戻る速度を向上させてもよい。本実施形態では、そのような弾性部材として、株式会社ロジャースイノアック製「ポロン」(登録商標)が用いられる。図17に示すように、矩形状のクッション部材608に、貫通孔623を形成し、クッション部材608の弾性力を適宜調整してもよい。
【0106】
<第7の実施形態>
図19は、本発明の第7の実施形態に係るセンサ装置を示す模式的な断面図である。図20は、図19に示すセンサ装置の模式的な分解斜視図である。
【0107】
本実施形態のセンサ装置700では、図19及び図20に示すように、タッチパネル2の下面2bに表示パネル7の上面7a(第1の面)が接着され、表示パネル7の下面7b(第2の面)に感圧センサ703が設けられる。表示カバー5は、環状に形成された粘着剤712によりフレーム4に固定される。
【0108】
図20に示すように、第1及び第2の電極10及び11は、表示パネル7の下面7b及び金属シールド9にそれぞれ設けられる。第1及び第2の電極10及び11の間には、スペーサ714が設けられる。本実施形態では、スペーサ714として矩形状の「ポロン」が用いられているがこれに限られない。スペーサ714として、例えば第1及び第2の電極10及び11の形状と同様な環状のものが用いられてもよい。なお図20では、スペーサ714は省略されている。
【0109】
本実施形態のセンサ装置700では、表示カバー5の操作領域5aが押圧された際に、表示カバー5が撓むように変形し、これと一体となってタッチパネル2及び表示パネル7が撓むように変形する。これにより操作領域5aに加えられた押圧力が、表示カバー5の撓み量に応じた第1及び第2の電極10及び11間の静電容量の変化に基づいて検出される。
【0110】
図21は、本実施形態に係る第1及び第2の電極10及び11の形状等の、他の例を示した図である。図21では、表示パネル7の下面7bに設けられた第1及び第2の電極10及び11が示されている。スペーサ714(図示せず)は、第1及び第2の電極10及び11の形状等に合わせて適宜設けられる。
【0111】
図21(A)に示すように、第1及び第2の電極10及び11が、表示カバー5の四隅に対応する位置と、操作領域5aの中央に対応する位置とに複数設けられてもよい。複数の第1及び第2の電極10及び11は、配線724によりそれぞれ電気的に接続されている。これにより操作領域5aの押圧位置にかかわらず、高い精度で押圧力を検出することができる。
【0112】
図21(B)に示すように、第1及び第2の電極10及び11が、操作領域5aの中央に対応する位置に所定の面積で設けられてもよい。例えば第1及び第2の電極10及び11の面積を大きくすることで、操作領域5aの押圧位置にかかわらず、高い精度で押圧力を検出することができる。
【0113】
本実施形態では、表示パネル7により、操作領域5aに画像が表示される。図19及び図20に示すように、操作領域5aは、表示パネル7から見て上面7a側に位置する。従って、表示パネル7の下面7bに設けられた感圧センサ703により、表示パネル7の画像の表示が遮られることがない。これにより感圧センサ703(第1及び第2の電極10及び11)の形状や数、又は表示パネル7に対する感圧センサ703の位置等の自由度が大きくなる。特に、図21(A)及び図21(B)に示すように、表示カバー5の操作領域5aの中央に対応する位置に感圧センサ703を設けることができる。
【0114】
また感圧センサ703が、表示パネル7の下面2bに設けられるので、表示カバー5、タッチパネル2及び表示パネル7の構造を、感圧センサ703が設置される位置にかかわらず、良好な光学特性が得られるように適宜設定することができる。
【0115】
<第8の実施形態>
図22は、本発明の第8の実施形態に係るセンサ装置の感圧センサを示す模式的な断面図である。図23は、本実施形態のセンサ装置の模式的な分解斜視図である。
【0116】
本実施形態では、静電容量方式によるタッチパネル802が用いられる。図22に示すように、タッチパネル802は、検出用X透明電極パターン825aが形成されたX電極基板825と、検出用Y透明電極パターン826aが形成されたY電極基板826とを有する。X電極基板825は、粘着剤827により表示カバー5の内面6に接着され、Y電極基板826は、粘着剤828によりX電極基板825に接着される。X電極基板825及びY電極基板826は、検出用X透明電極パターン825a及び検出用Y透明電極パターン826aが、タッチパネル802の下面802b側に向くようにそれぞれ配置される。
【0117】
X電極基板825及びY電極基板826は、例えばPET基板等の透明な部材からなる。X電極基板825に形成される検出用X透明電極パターン825aとしては、例えば一方向に延在するストライプ状のITOが用いられる。Y電極基板にも、検出用Y透明電極パターン826aとして、一方向に延在するストライプ状のITOが形成される。検出用Y透明電極パターン826aは、その延在方向が、検出用X透明電極パターン825aが延在する方向と略直交するように形成される。
【0118】
検出用X透明電極パターン825a及び検出用Y透明電極パターン826aが互いに平面的に重なりあった領域が、操作領域5aに対応した座標検出領域Hとなる。操作領域5aに操作子が接触すると、座標検出領域Hで局所的な静電容量の変化が生じる。この局所的な静電容量の変化が検出されることで、操作子が接触した位置のXY座標が特定される。
【0119】
図22に示すように、本実施形態では、X電極基板825にシールド層817が形成される。またY電極基板826に第1の電極10が形成される。シールド層817は、検出用X透明電極パターン825aが形成されるのと同時に形成される。また第1の電極10は、検出用Y透明電極パターン826aが形成されるのと同時に形成される。従ってシールド層817及び第1の電極10はITOからなる。シールド層817及び第1の電極10が、各透明電極パターンと同時に形成されるので、シールド層817及び第1の電極10の形成における作業性が向上する。
【0120】
図23に示すように、Y電極基板826に、スペーサ814と、第2の電極11が形成された支持部819と、粘着剤812とがこの順で接着される。スペーサ814、支持部819、及び粘着剤812には、図示しない表示パネルによる操作領域5aへの画像の表示のために、表示窓829がそれぞれ形成されている。
【0121】
図23に示す、表示カバー5、タッチパネル802、スペーサ814、支持部819、及び粘着剤812でモジュール830を形成する。これにより、タッチパネル802と感圧センサ803とを一体として形成することができ、上記モジュール830をフレーム4に組み付けることで、簡単に感圧センサ803を設けることができる。従って、センサ装置800の製造における作業性が向上し、また製造コストの低減も図れる。
【0122】
なお本実施形態では、X電極基板825にシールド層817が形成されたが、シールド層817の代わりに、第2の実施形態等で説明した差動電極が形成されてもよい。そして、上記で説明した「差分の変化率」により、操作領域5aに加えられた押圧力が検出されてもよい。
【0123】
タッチパネル802の構成は本実施形態で説明したものに限られない。例えば、X電極基板825及びY電極基板826は、検出用X透明電極パターン825a及び検出用Y透明電極パターン826aがそれぞれ表示カバー5側に向くように配置されてもよい。あるいは、検出用X透明電極パターン825aが表示カバー5側に向くように、かつ、検出用Y透明電極パターン826aが下面802b側に向くように、X電極基板825及びY電極基板826が配置されてもよい。さらに、検出用X透明電極パターン825a及び検出用Y透明電極パターン826aが互いに対向するように、X電極基板825及びY電極基板826が配置されてもよい。
【0124】
<第9の実施形態>
図24は、本発明の第9の実施形態に係るセンサ装置の感圧センサを示す模式的な断面図である。
【0125】
図24に示すように、本実施形態では、タッチパネル2の上面2aにシールド層917が形成される。シールド層917は、表示カバー5の内面6に導電性インクが印刷されたものである。導電性インクとしては、例えば、金、銀、銅等の導電性材料を含有するものが用いられる。印刷方法としては、グラビア印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、又はスクリーン印刷等が用いられる。
【0126】
このように、シールド層917として導電性インクが印刷されたものが用いられてもよい。このシールド層917により、操作領域5aに指等が接近した場合の、第1及び第2の電極10及び11間の静電容量の変化を抑えることができる。
【0127】
また本実施形態では、シールド層917が表示カバー5の内面6に印刷されるので、表示カバー5の表面において、シールド層917を視認可能とすることができる。従って、加飾を目的としてシールド層917の形状や色を適宜設定することで、センサ装置900の意匠性を向上させることができる。
【0128】
<第10の実施形態>
図25は、本発明の第10の実施形態に係る電子機器1000を示す模式的な斜視図である。電子機器1000は、上記した各実施形態のセンサ装置の内部に、以下で説明する制御ユニットが組み込まれたものである。
【0129】
制御ユニットは、例えば指等の操作子により、表示カバー1005の操作領域1005aが押圧された際に、その押圧位置及び押圧力に基づいて、電子機器1000に所定の動作をさせる。すなわち制御ユニットは、筐体1001の内部のタッチパネルにより検出された操作子の接触位置に関する信号と、筐体1001の内部の感圧センサにより検出された操作子の押圧力に関する信号とを処理することが可能である。
【0130】
例えば、制御ユニットにより、操作領域1005aに複数のボタンが画像として表示される。そのボタンがユーザにより押圧されると、制御ユニットは、操作子の接触位置及び押圧力に基づいて、どのボタンが押圧されたかを判断する。そして、例えば押圧されたと判断したボタンに対応する画像を操作領域1005aに表示させる。あるいは、押圧されたと判断したボタンに対応するアプリケーションを起動させてもよい。
【0131】
本実施形態において、上記制御ユニットは、第1及び第2の電極間の静電容量の変化等を検出する演算回路を有する。制御ユニットは、操作領域5aに加えられた押圧力を検出する。
【0132】
例えば上記制御ユニットは、ハードウェアで実現されてもよいし、ソフトウェア及びハードウェアの両方で実現されてもよい。ハードウェアは、典型的には、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、NIC(Network Interface Card)、WNIC(Wireless NIC)等を含む。ソフトウェアを構成する各種プログラムは、ROMやその他の記憶デバイスに格納される。
【0133】
このような電子機器1000としては、例えば、デジタルカメラ及びデジタルビデオカメラ等の撮像装置、携帯電話及び携帯型オーディオビジュアル機器等の端末装置、携帯ゲーム機器、PDA(Personal Digital Assistance)、オンスクリーンキーボード、電子辞書、ディスプレイ装置、オーディオ/ビジュアル機器、プロジェクタ、ゲーム機器、ロボット機器、その他の電化製品等が挙げられる。
【0134】
<変形例>
本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更され得る。
【0135】
例えば、図26は、第1の実施形態に係る第1及び第2の電極10及び11の形状等の変形例を示した図である。ここでは、表示カバー5の周縁領域5bの内面6bに設けられた第1及び第2の電極10及び11が図示されている。
【0136】
図26(A)に示すように、第1及び第2の電極10及び11は、表示カバー5の四隅に対応する位置に複数設けられてもよい。複数の第1及び第2の電極10及び11は、配線24により、それぞれ電気的に接続される。また図26(B)に示ように、第1及び第2の電極10及び11が、表示カバー5の向かい合う2辺に対応する位置に設けられてもよい。図26(A)及び(B)に示すように第1及び第2の電極10及び11が設けられた場合、第1の実施形態で説明した環状に形成された第1及び第2の電極10及び11と同様に、操作領域5aの押圧位置にかかわらず、高い精度で押圧力を検出することができる。
【0137】
また図26(A)又は(B)に示すように第1及び第2の電極10及び11が形成された場合、第1及び第2の電極10及び11として用いられる導電性材料を減らすことができる。従って部品コストを低減することができる。一方、第1の実施形態で説明したように第1及び第2の電極10及び11が環状に形成される場合、第1及び第2の電極10及び11からの配線24を少なくすることができる。これによりセンサ装置100を簡単な構造にすることができる。なおここで説明した変形例は、上記した他の実施形態にも適用可能である。
【0138】
なお、図26(B)において、第1及び第2の電極10及び11は、表示カバー5の長辺側の2辺に形成されてもよい。また、例えば表示カバー5の長辺側の2辺及び短辺側の1辺に第1及び第2の電極10及び11が形成されてもよい。すなわち表示カバー5の3辺に第1及び第2の電極10及び11が形成されてもよい。
【0139】
また、表示カバー5の1辺に第1及び第2の電極10及び11が形成されてもよい。例えば、表示カバー5の1辺に沿った領域のみにアイコンが表示される場合、その1辺に第1及び第2の電極10及び11が形成されれば、アイコンへの押圧力を検出することができる。このように、所定の領域に第1及び第2の電極10及び11が形成されてもよい。
【0140】
図27は、図14に示す第4の実施形態に係るセンサ装置の変形例を示したものである。このセンサ装置400の感圧センサ403では、スペーサ14は、第1及び第2の電極10及び11の一方の側(図27で見て右側)にのみ設けられる。このようにスペーサ14が、第1及び第2の電極10及び11の一方の側にのみ設けられる場合、第1及び第2の電極10及び11間の距離が変化しやすくなる。従って高い感度で操作領域5aへの押圧力を検出することができる。スペーサ14を、第1及び第2の電極10及び11の両側に設けるか、又は一方の側にのみ設けるかは、所望するセンサ装置の特性に基づいて適宜設定されればよい。
【0141】
図28及び図29は、図22及び図23に示す第8の実施形態に係るセンサ装置の変形例を示したものである。このセンサ装置800も、図27に示すセンサ装置400と同様に、スペーサ814が第1及び第2の電極10及び11の一方の側(図28で見て右側)にのみ形成される。従って図23に示すスペーサ814と比べて、図29に示すスペーサ814では、表示窓829の面積を大きくすることができる。従って表示パネルにより、面積の大きな画像が表示可能となる。
【0142】
上記各実施形態では、表示カバーの形状を矩形状とした。しかしながら、表示カバーの形状は、矩形状に限られず、例えば円形状、楕円形状、又は多角形状等のような、どんな形状であってもよい。また操作領域及び周縁領域の形状も適宜設定可能である。さらに表示カバー上に操作領域及び周縁領域が重なる領域が形成されてもよい。例えば、フレームに固定された表示カバー全体が操作子により押圧される場合、表示カバー全体が操作領域に相当し、そのうちフレームに固定される部分が周縁領域にも相当する。
【0143】
また、フレームの形状も適宜設定可能である。第10の実施形態で説明した各種の電子機器に応じた形状で、フレームが形成されればよい。
【符号の説明】
【0144】
1、1001…筐体
2、802…タッチパネル
2a…タッチパネルの上面
2b、802b…タッチパネルの下面
3、203、303、403、503、703、803…感圧センサ
4a…開口部
4…フレーム
4b…固定部
5、1005…表示カバー
5a、1005a…操作領域
5b…周縁領域
7…表示パネル
7a…表示パネルの上面
7b…表示パネルの下面
10…第1の電極
11…第2の電極
13…エアギャップ
14、614、714、814…スペーサ
100、200、300、400、500、600、700、800、900…センサ装置
216…差動電極
218…接続層
317、817、917…シールド層
1000…電子機器
制御ユニット…C

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作子により押圧される操作領域と、前記操作領域の周縁に位置する周縁領域とを有する表示カバーと、
前記操作領域に覆われる開口部と、前記周縁領域を固定する固定部とを有するフレームと、
前記開口部に配置されるように前記表示カバーに支持され、前記操作子が前記操作領域に接触する位置を検出するタッチパネルと、
第1の電極と、前記第1の電極に対向する第2の電極とを有し、前記操作領域に対する押圧力を、前記表示カバーの撓み量に応じた前記第1及び前記第2の電極間の静電容量の変化に基づいて検出する、前記表示カバーと前記フレームの間に設けられた感圧センサと
を具備するセンサ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のセンサ装置であって、
前記感圧センサは、
前記周縁領域に設けられる前記第1の電極と、
前記固定部に設けられる前記第2の電極と、
前記周縁領域及び前記固定部の間に設けられるスペーサとを有する
センサ装置。
【請求項3】
請求項2に記載のセンサ装置であって、
前記感圧センサは、
前記第1の電極及び前記周縁領域の間に、前記第1の電極と対向するように設けられた第3の電極と、
前記第1及び前記第3の電極間に配置され、前記第1及び前記第3の電極間の距離の変化を規制する接続層と、
前記第1及び前記第2の電極間の静電容量と、前記第1及び前記第3の電極間の静電容量との差分の変化率を検出する演算回路とを有する
センサ装置。
【請求項4】
請求項3に記載のセンサ装置であって、
前記感圧センサは、前記第3の電極及び前記周縁領域の間に、前記第3の電極と対向するように設けられた、グランド電位に接続される導電層を有するセンサ装置。
【請求項5】
請求項2に記載のセンサ装置であって、
前記感圧センサは、
前記第2の電極及び前記固定部の間に、前記第2の電極と対向するように設けられる第3の電極と、
前記第2及び前記第3の電極間に配置され、前記第2及び前記第3の電極間の距離の変化を規制する接続層と、
前記第1及び前記第2の電極間の静電容量と、前記第2及び前記第3の電極間の静電容量との差分の変化率を検出する演算回路とを有する
センサ装置。
【請求項6】
請求項5に記載のセンサ装置であって、
前記感圧センサは、前記第1の電極及び前記周縁領域の間に、前記第1の電極と対向するように設けられた、グランド電位に接続される導電層を有するセンサ装置。
【請求項7】
請求項1に記載のセンサ装置であって、
前記タッチパネルは、前記表示カバーに固定される第1の面と、前記第1の面の反対側の第2の面とを有し、
前記感圧センサは、
前記第2の面に設けられる前記第1の電極と、
前記固定部に設けられる前記第2の電極と、
前記第1の面に、前記第1の電極と対向するように設けられる第3の電極と、
前記第1及び前記第2の電極間の静電容量と、前記第1及び前記第3の電極間の静電容量との差分の変化率を検出する演算回路とを有する
センサ装置。
【請求項8】
請求項1に記載のセンサ装置であって、
前記タッチパネルは、前記表示カバーに固定される第1の面と、前記第1の面の反対側の第2の面とを有し、
前記感圧センサは、
前記第2の面に設けられる前記第1の電極と、
前記固定部に設けられる前記第2の電極と、
前記第1の面に前記第1の電極と対向するように設けられた、グランド電位に接続される導電層とを有する
センサ装置。
【請求項9】
請求項1に記載のセンサ装置であって、
前記表示カバーは矩形状を有し、
前記第1及び前記第2の電極は、前記表示カバーの少なくとも1辺に配置される
センサ装置。
【請求項10】
請求項8に記載のセンサ装置であって、
前記第1及び前記第2の電極は、前記表示カバーの縁に沿うように環状に形成されるセンサ装置。
【請求項11】
請求項1に記載のセンサ装置であって、
前記第1及び前記第2の電極間は、エアギャップとなるセンサ装置。
【請求項12】
請求項1に記載のセンサ装置であって、
前記タッチパネルに固定される第1の面と、前記第1の面と反対側の第2の面とを有する表示パネルをさらに具備し、
前記感圧センサは、前記第2の面に設けられる
センサ装置。
【請求項13】
操作子により押圧される操作領域と、前記操作領域の周縁に位置する周縁領域とを有する表示カバーと、
前記操作領域に覆われる開口部と、前記周縁領域を固定する固定部とを有するフレームと、
前記開口部に配置されるように前記表示カバーに支持され、前記操作子が前記操作領域に接触する位置を検出するタッチパネルと、
第1の電極と、前記第1の電極に対向する第2の電極とを有し、前記操作領域に対する押圧力を、前記表示カバーの撓み量に応じた前記第1及び前記第2の電極間の静電容量の変化に基づいて検出する、前記表示カバーと前記フレームの間に設けられた感圧センサと、
前記タッチパネルにより検出された前記操作子の接触位置に関する信号と、前記感圧センサにより検出された前記操作子の押圧力に関する信号とを処理する制御ユニットと
を具備する電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2011−100364(P2011−100364A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−255530(P2009−255530)
【出願日】平成21年11月6日(2009.11.6)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】