説明

ソイルセメントサンプル採取用具

【課題】所定の採取位置で確実にソイルセメントのサンプルを採取することが可能なソイルセメントサンプル採取用具を提供する。
【解決手段】周壁部7に窓開口8を有し、掘削土壌とセメントミルクとを混合攪拌する掘削及び攪拌用ロッド6の先端部に取り付けられる外筒体2と、その外筒体2内に回転自在に嵌合され、周壁部12に窓開口13aを有してなる内筒体3とで主に構成されるソイルセメントサンプル採取用具1であって、ロッド6を反時計方向に回転させながらサンプル採取位置まで掘進する際には内外筒体2、3の窓開口8,13aは閉じた状態にあり、サンプル採取位置でロッド6を時計方向に回転させることによって内外筒体2,3の窓開口8,13aが開口した状態となり、内筒体3内にサンプルを採取することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軟弱地盤等を掘削し、その掘削土壌にセメントミルクを注入し、そのセメントミルクと掘削土壌とを混合攪拌して、地盤中にソイルセメント杭を造成するにあたり、掘削土壌とセメントミルクとが適正に混合攪拌されているかどうかを確認するために、ソイルセメントが固化する前にペースト状の状態でそのサンプルを採取するのに使用されるソイルセメントサンプル採取用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のソイルセメントサンプル採取用具として、特許公報等の公知文献を具体的に挙げることはできないが、従来では、例えばサンプル採取缶をホルダーに収納保持し、このホルダーを、掘削土壌とセメントミルクとを混合攪拌するソイルセメント造成装置の掘削及び攪拌用ロッドの先端部に取付け固定しておいて、このロッドを回転させながら下降させて削孔内の掘削された土壌とセメントミルクとを混合攪拌し、掘孔下端部のサンプル採取位置まで下降させた後、ロッドを引き上げる際に、混合されたソイルセメントのサンプルをサンプル採取缶に採取して、ロッドの引き上げによってサンプル採取缶を取り出すようにしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような従来のソイルセメントサンプル採取用具では、掘削及び攪拌用ロッドの先端部に取付け固定したサンプル採取缶が、掘孔下端部のサンプル採取位置に到達する迄の間に、未だ十分に混合されていないソイルセメントを受け入れたりするなど、サンプル採取缶が掘孔下端部の所定の採取位置で確実にソイルセメントのサンプルを採取することが難しいという問題があった。
【0004】
本発明は、上記の事情に鑑み、掘孔下端部の所定の採取位置で確実にソイルセメントのサンプルを採取することが可能なソイルセメントサンプル採取用具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための手段を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明は、周壁部7に窓開口8を有すると共に、掘削土壌とセメントミルクとを混合攪拌する掘削及び攪拌用ロッド6の先端部に取り付けられる外筒体2と、その外筒体2内に回転自在に嵌合されると共に、周壁部12に窓開口13aを有してなる内筒体3と、その内筒体3を前記外筒体2内で回転可能なように前記内筒体3に取り付けられてなる上下壁体4,5と、で構成されるソイルセメントサンプル採取用具1であって、前記上下壁体4,5に夫々内筒体回転操作片16,17を突設させ、この各操作片16,17を夫々同一方向に回動させることにより内筒体3を回転して内筒体3の窓開口13aを外筒体2の周壁部7で覆って閉じ、その閉じた位置で各操作片16,17を停止させるストッパー11a,11aを前記外筒体2に夫々突設させてなり、各操作片16,17を夫々前記方向とは逆方向に回動させることによって内筒体3の窓開口13aと外筒体2の窓開口8を一致させて内筒体3の窓開口13aを開け、その開けた位置で各操作片16,17を停止させるストッパー11b,11bを前記外筒体2にさらに夫々突設させてなるようにし、内筒体3の窓開口13aを閉じた状態で各内筒体回転操作片16,17が土壌抵抗を受けて内筒体3の窓開口13aが閉じる方向に掘削及び攪拌用ロッド6を回転させながら掘進し、採取位置まで掘進したら、前記ロッド6を逆転させて内筒体3の窓開口13aを開けてサンプルを採取し、採取後は前記ロッド6を内筒体3の窓開口13aが閉じる方向に回転させて引き上げるようにすることを特徴としている。
【0006】
請求項2は、請求項1に記載のソイルセメントサンプル採取用具において、外筒体2の周壁部7には、窓開口8と対向する位置に空気抜き孔9を設けてなることを特徴とする。
【0007】
請求項3は、請求項1又は2に記載のソイルセメントサンプル採取用具において、内筒体3の周壁部12には、内筒体3の中心軸に対して線対称となる位置に夫々窓開口13a,13bを設けてなることを特徴とする。
【0008】
請求項4は、請求項1〜3の何れかに記載のソイルセメントサンプル採取用具において、上下壁体4,5を内筒体3に対し着脱自在に構成してなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
上記解決手段による発明の効果を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明によると、使用にあたって、外筒体2を、掘削及び攪拌用ロッド6の先端部に取り付け、内筒体3の窓開口13aを閉じた状態で各内筒体回転操作片16,17が土壌抵抗を受けて内筒体3の窓開口13aが閉じる方向にロッド6を回転させながら、掘削土壌とセメントミルクとが攪拌混合されたソイルセメント内をサンプル採集位置まで下降させてゆけば、その下降中は内筒体3の窓開口13aが閉じたままとなり、ロッド6が所定深さまで下降した採取位置でロッド6を逆転させることにより内筒体3の窓開口13aを開けてサンプルを採取することができる。しかして、サンプル採取後、ロッド6を内筒体3の窓開口13aが閉じる方向に回転させて内筒体3の窓開口13aを閉じた状態でロッド6を引き上げれば、所定の採取位置でのみソイルセメントのサンプルを採取できるから、掘削土壌とセメントミルクとの混合状態を正確に把握することができる。
【0010】
また、請求項2に係る発明のように、外筒体2の周壁部7に空気抜き孔9を設ければ、内筒体3内の空気を外部に排出することができ、ソイルセメントのサンプルを内筒体3内に取り入れやすくなる。
【0011】
また、請求項3に係る発明のように、内筒体3の周壁部12には、内筒体3の中心軸に対して線対称となる位置に窓開口13a,13bを夫々設けてなるから、サンプル採取後、内筒体3内からソイルセメントのサンプルを取り出す際に、サンプルが取り出しやすくなる。
【0012】
また、請求項4に係る発明のように、上下壁体4,5を内筒体3に対し着脱自在に構成することにより、外筒体2に対する内筒体3の組み付け及び取り外しが容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に本発明の好適な一実施形態を図面に基づいて説明すると、図1は本発明に係るソイルセメントサンプル採取用具1の使用状態を示す正面図で、内筒体3の窓開口13aが閉じている状態を示し、図2(a)は平面図、図2(b)は図1のX−X線断面図である。図3は内筒体3の窓開口13a,13bが開いている状態の正面図、図4(a)は平面図、図4(b)は図3のY−Y線断面図である。このソイルセメントサンプル採取用具1は、周壁部7に窓開口8を有する外筒体2と、周壁部12に窓開口13a,13bを有すると共に、外筒体2内に回転自在に嵌合された内筒体3と、この内筒体3を外筒体2から上下に離脱するのを規制する一方、外筒体2内で回転可能なように内筒体3にボルト止めによって着脱可能に取り付けられてなる上下壁体4,5で構成され、使用にあたって、掘削土壌とセメントミルクとを混合攪拌する掘削及び攪拌用ロッド6の先端部に取付金具20,20により着脱可能に取り付けられてなるものである。
【0014】
上記ソイルセメントサンプル採取用具1の構造及び、ソイルセメントサンプル採取用具1の使用にあたって着脱可能に取り付けられる取付金具20,20について更に詳しく説明すれば、図5(a)は外筒体2の正面図、(b)は平面図であり、図6(a)は内筒体3の正面図、(b)は平面図、図7(a)は上壁体4の正面図、(b)は平面図、図8(a)は一対の掴持アーム21,22からなる取付金具20の一部である掴持アーム21の正面図、(b)は平面図である。また、図9はソイルセメントサンプル採取用具1及び取付金具20,20の分解斜視図である。
【0015】
これらの図を参照すると、外筒体2は、図5及び図9から分かるように、短円筒状の周壁部7の正面側に縦長矩形状の窓開口8が設けられ、窓開口8の右側端部よりもやや右側寄りの周壁部7の軸方向に3つのフランジ10,10,10が等間隔に設けられている。そして、窓開口8の左側端部及び角部に沿うように上下方向に短四角柱からなるストッパー11a,11aが溶接Wによって周壁部7に固着され、さらに周壁部7の中心軸に対して短四角柱からなるストッパー11a,11aと対称となる位置に短四角柱からなるストッパー11b,11bが上下方向に溶接Wによって周壁部7に固着されている。そしてまた、周壁部7には、窓開口8と対向する位置に、ソイルセメントのサンプルを内筒体3内に取り入れやすくするための円形状の空気抜き孔9が設けられている。なお、フランジ10には、ボルト10b,10bを挿通するためのボルト挿通孔10a,10aが設けられている。
【0016】
内筒体3は、図6及び図9から分かるように、外筒体2内に回転自在に嵌合される短円筒状の周壁部12からなり、その周壁部12の上下面には、周壁部12の円周よりも幅狭な円形状の厚板で形成されてなる上下面突設部14,15が形成されている。さらに、周壁部12には、正面側に縦長矩形状の窓開口13aが設けられ、その窓開口13aと内筒体3の中心軸に対して線対称となる位置にもう一つの窓開口13bが設けられている。また、上面突設部14は、中心に孔14bが設けられ、周方向にボルト4b,4b,4bに対応するねじ溝14a,14a,14aが等間隔に設けられている。なお、下面突設部15は上面突設部14と同様の構成で形成されているため説明は省略する。
【0017】
上壁体4は、図7及び図9から分かるように、円形状の厚板からなり、周方向等間隔にボルト4b,4b,4bを挿通するボルト挿通孔4a,4a,4aが設けられている。そして、上壁体4の上面に位置するボルト挿通孔4a,4a間の略中央位置に矩形状の厚板片からなる内筒体回転操作片16が溶接等によって一体に突設されている。なお、下壁体5は上壁体4と同様の構成であり、下壁体5の下面に矩形状の厚板片からなる内筒体回転操作片17が前記回転操作片16と上下同一面域上に一体に突設されている。
【0018】
取付金具20は、図8及び図9から分かるように、一対の円弧状掴持アーム21,22からなるもので、一対の円弧状掴持アーム21,22夫々の一端部にボルト10b,10bを挿通させるための円筒形状のボルト挿通孔21a,22aが固着され、さらに夫々の他端部にはロッド6に取付金具20を係止させるためのボルト挿入孔21b,22bが設けられている。
【0019】
上述のような構成部材からなるソイルセメントサンプル採取用具1を組み立てるには、内筒体3を外筒体2の周壁部7内に嵌め込み、内筒体3の周壁部12の上面に設けられた上面突設部14に上壁体4を、上壁体4に設けられたボルト挿通孔4a,4a,4a及び上面突設部14に設けられたねじ溝14a,14a,14aを利用してボルト4b,4b,4bで締結するようにする。そしてさらに、内筒体3の周壁部12の下面に設けられた下面突設部15に下壁体5をボルト5b,5b,5bで締結することにより、組立を終える。
【0020】
このようにして組み立てられたソイルセメントサンプル採取用具1は、図4に示すように、内筒体回転操作片16,17が一方のストッパー11a,11a側に位置しているときには、外筒体2の窓開口8と内筒体3の窓開口13aが一致して、窓開口13aが開いた状態となり、窓開口13bと空気抜き孔9が一致する状態となる。なお、このように、窓開口13bと空気抜き孔9が一致すれば、円筒体3内の空気を空気抜き孔9より外部へ排出しやすくなり、ソイルセメントのサンプルを内筒体3内に取り入れやすくなる。
【0021】
そして、次に、内筒体回転操作片16,17を掴んで図2に示すように、他方のストッパー11b,11b側に回動させると、それに伴い内筒体3が回転して、内筒体3の窓開口13a,13bが外筒体2の周壁部により覆われて閉じるような構造となっている。
【0022】
このように内筒体3の窓開口13a,13bを開放したり閉じたりすることが可能な構造であるソイルセメントサンプル採取用具1を取付金具20,20によって掘削及び攪拌用ロッド6に係止し、ロッド6を予め掘削された掘孔内の掘削土壌中で回転させる時のソイルセメントサンプル採取用具1の動きは後述のとおりである。なお、ソイルセメントサンプル採取用具1を取付金具20,20によって掘削及び攪拌用ロッド6に係止するには、ソイルセメントサンプル採取用具1に取付金具20,20を取り付けた後、ロッド6に取付金具20,20を係止させればよい。具体的には、取付金具20,20夫々のボルト挿通孔21a,22aをソイルセメントサンプル採取用具1のフランジ10,10間に夫々挿通し、ボルト10b,10b及びナット10c,10cを使用して締結すれば、取付金具20,20をソイルセメントサンプル採取用具1に取り付けることができる。そして、その取付後、図2に示すように、ロッド6の所要箇所に両掴持アーム21,22を開放姿勢から閉じて両掴持アーム21,22の他端部のボルト挿入孔21b,22bどうしをボルト・ナット(図示省略)で締結すればロッド6に取付金具20,20を係止させることができる。
【0023】
掘削土壌中でのソイルセメントサンプル採取用具1の動きは、図1及び図2に示すように内筒体3の窓開口13a,13bが閉じている状態から、ロッド6を掘削土壌中において矢印A方向、即ち反時計方向に回転すると、ソイルセメントサンプル採取用具1の外筒体2はロッド6を中心に矢印A方向に旋回移動する。しかし、内筒体3は、内筒体回転操作片16,17が掘削土壌の抵抗を受けるため、外筒体2に対し相対的に回転して、内筒体3の窓開口13a,13bが閉じた状態を維持してサンプル採集位置まで掘進することができる。そして、図1及び図2に示す内筒体3の窓開口13a,13bの閉じた状態から、ロッド6を矢印Bに示すように時計方向に回転すると、内筒体回転操作片16,17はストッパー11a,11a側で停止させられるから、窓開口13a,13bは開くことになる。
【0024】
上述のような動きをするソイルセメントサンプル採取用具1によるソイルセメントの採取方法について、図10及び図11を参照して説明する。尚、図10及び図11において、符号30はオーガ装置で、これの下端部に掘削及び攪拌用ロッド6を垂下連結している。符号31はロッド6の先端に設けられた掘削刃、符号32は掘削刃31の上方に設けられた攪拌翼で、ソイルセメントサンプル採取用具1は、図示のように掘削刃31と攪拌翼32の間の掘削刃31寄りの位置に取り付けられる。
【0025】
先ず、図10(a)に示すように、オーガ装置30に垂下連結した掘削及び攪拌用ロッド6により地盤の所定箇所を予め所定深さまで掘削して、ロッド6を引き上げた後、このロッド6の先端部にソイルセメントサンプル採取用具1を取り付ける。そして、内筒体3の窓開口13a,13bを閉じた状態で、内筒体回転操作片16,17が掘削土壌の抵抗を受けて内筒体3の窓開口13a,13bを閉じる方向(図2(a)の矢印A方向、図10(b)の矢印a方向、即ち反時計方向)に掘削及び攪拌用ロッド6を回転させながら、図10(b)に示すように、掘削土壌とセメントミルクとが攪拌混合されたソイルセメント内、つまり、堀孔33内をサンプル採集位置まで掘進降下することになる。
【0026】
掘削及び攪拌用ロッド6が図10(c)に示すように所定深さのサンプル採取位置まで下降したならば、掘削及び攪拌用ロッド6を図11(a)に示すように一時的に逆転(図4(a)の矢印B方向、図11(a)の矢印b方向、即ち時計方向に回転)させることにより、内筒体3の窓開口13a,13bを開放して、掘削土壌とセメントミルクとが攪拌混合されたソイルセメントのサンプルを採取する。すなわち、そのサンプルを内筒体3の窓開口13aから内筒体3内に取り入れる。
【0027】
こうしてサンプルを採取した後、再び掘削及び攪拌用ロッド6を、図11(b)に示すように、内筒体回転操作片16,17が掘削土壌の抵抗を受けて内筒体3の窓開口13aを閉じる方向(図2(a)の矢印A方向、図11(b)の矢印a方向、即ち反時計方向)に回転させながら引き上げてゆき、同図(c)に示すようにロッド6が地上に引き上げられたならば、ロッド6の回転を停止させる。そして、内筒体3内に取り入れたソイルセメントは、固化しないうちに、内筒体3の窓開口13aからスコップ等の器具を用いて取り出すようになっている。また、ボルト4b,4b,4b及びボルト5b,5b,5bを取り外し、外筒体2内から内筒体3を取り出した後、ソイルセメントを内筒体3の窓開口13a,13bからスコップ等の器具を用いて取り出すこともできる。なお、窓開口13a,13bは1つだけでもよいが、2つ設けておいた方が内筒体3内のソイルセメントを取り出しやすくなり、さらには、円筒体3内の空気を空気抜き孔9から外部に排出しやすくなる。
【0028】
以上説明した本発明の一実施形態によれば、このソイルセメントサンプル採取用具1によれば、使用にあたって、外筒体2を、掘削及び攪拌用ロッド6の先端部の掘削刃30より手前側所要位置に取付金具20,20を用いて取り付け、内筒体3の窓開口13aを閉じた状態で各内筒体回転操作片16,17が土壌抵抗を受けて内筒体3の窓開口13aが閉じる方向にロッド6を回転させながら、掘削土壌とセメントミルクとが攪拌混合されたソイルセメント内、つまり、堀孔33内に下降させてゆけば、その下降中は内筒体3の窓開口13aが閉じたままであるから、下降途中にソイルセメントが内筒体3の内部に入り込むことはない。しかして、ロッド6が所定深さまで下降した採取位置でロッド6を逆転させることにより内筒体3の窓開口13aを開けてサンプルを採取することができ、その後、ロッド6を内筒体3の窓開口13aが閉じる方向に回転させて内筒体3の窓開口13aを閉じた状態でロッド6を引き上げれば、所定の採取位置でのみソイルセメントのサンプルを採取できる。従って、掘削土壌とセメントミルクとの混合状態を正確に把握することができる。
【0029】
また、外筒体2の周壁部7に空気抜き孔9を設ければ、内筒体3内の空気を外部に排出することができ、ソイルセメントのサンプルを内筒体3内に取り入れやすくなる。
【0030】
また、内筒体3の周壁部12には、内筒体3の中心軸に対して線対称となる位置に窓開口13a,13bを夫々設けてなるから、サンプル採取後、内筒体3内からソイルセメントのサンプルを取り出す際に、サンプルが取り出しやすくなる。
【0031】
また、上下壁体4,5を内筒体3に対し着脱自在に構成することにより、外筒体2に対する内筒体3の組み付け及び取り外しが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係るソイルセメントサンプル採取用具の使用状態を示す正面図で、内筒体の窓開口が閉じている状態を示す図である。
【図2】(a)は図1の平面図、(b)は図1のX−X線断面図である。
【図3】内筒体の窓開口が開いた状態の正面図である。
【図4】(a)は図3の平面図、(b)は図3のY−Y線断面図である。
【図5】(a)は外筒体の正面図、(b)は平面図である。
【図6】(a)は内筒体の正面図、(b)は平面図である。
【図7】(a)は上壁体の正面図、(b)は平面図である。
【図8】(a)は取付金具の一部である掴持アームの正面図、(b)は平面図である。
【図9】ソイルセメントサンプル採取用具及び取付金具の分解斜視図である。
【図10】(a)〜(c)はソイルセメントサンプル採取用具によるソイルセメントの採取方法の前半を説明する説明図である。
【図11】(a)〜(c)は同上のソイルセメントの採取方法の後半を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0033】
1 ソイルセメントサンプル採取用具
2 外筒体
3 内筒体
4 上壁体
5 下壁体
6 掘削及び攪拌用ロッド
7 外筒体の周壁部
8 外筒体の窓開口
9 空気抜き孔
11a,11b ストッパー
12 内筒体の周壁部
13a,13b 内筒体の窓開口
16,17 内筒体回転操作片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周壁部に窓開口を有すると共に、掘削土壌とセメントミルクとを混合攪拌する掘削及び攪拌用ロッドの先端部に取り付けられる外筒体と、
その外筒体内に回転自在に嵌合されると共に、周壁部に窓開口を有してなる内筒体と、
その内筒体を前記外筒体内で回転可能なように前記内筒体に取り付けられてなる上下壁体と、で構成されるソイルセメントサンプル採取用具であって、
前記上下壁体に夫々内筒体回転操作片を突設させ、この各操作片を夫々同一方向に回動させることにより内筒体を回転して内筒体の窓開口を外筒体の周壁部で覆って閉じ、その閉じた位置で各操作片を停止させるストッパーを前記外筒体に夫々突設させてなり、各操作片を夫々前記方向とは逆方向に回動させることによって内筒体の窓開口と外筒体の窓開口を一致させて内筒体の窓開口を開け、その開けた位置で各操作片を停止させるストッパーを前記外筒体にさらに夫々突設させてなるようにし、内筒体の窓開口を閉じた状態で各内筒体回転操作片が土壌抵抗を受けて内筒体の窓開口が閉じる方向に掘削及び攪拌用ロッドを回転させながら掘進し、採取位置まで掘進したら、前記ロッドを逆転させて内筒体の窓開口を開けてサンプルを採取し、採取後は前記ロッドを内筒体の窓開口が閉じる方向に回転させて引き上げるようにするソイルセメントサンプル採取用具。
【請求項2】
外筒体の周壁部には、窓開口と対向する位置に空気抜き孔を設けてなる請求項1に記載のソイルセメントサンプル採取用具。
【請求項3】
内筒体の周壁部には、内筒体の中心軸に対して線対称となる位置に夫々窓開口を設けてなる請求項1又は2に記載のソイルセメントサンプル採取用具。
【請求項4】
上下壁体を内筒体に対し着脱自在に構成してなる請求項1〜3の何れかに記載のソイルセメントサンプル採取用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−71033(P2010−71033A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−242329(P2008−242329)
【出願日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【出願人】(592193719)株式会社絹田熔工 (3)
【Fターム(参考)】