説明

ソース選択装置およびソース選択方法

【課題】 複数のソースを選択する際のユーザの操作性を向上させること。
【解決手段】 表示手段11は、1または複数のソース装置による複数のソース種別をそれぞれ表示する。状態移行手段62は、オーディオ装置1の動作状態をスタンバイ状態とパワーオン状態との間で移行させる。記憶手段63は、パワーオン状態で選択されたソース種別を示すソース種別情報を記憶する。そして、ソース種別選択手段62は、スタンバイ状態で、表示手段11を制御して、複数のソース種別のうち、記憶手段63に記憶されているソース種別情報が示すソース種別を表示させる。また、ソース種別選択手段62は、複数のソース種別のうちの1つのソース種別を選択し、動作状態がスタンバイ状態からパワーオン状態へ移行したときには、記憶手段63に記憶されているソース種別情報が示すソース種別を選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソース選択装置およびソース選択方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、オーディオ信号を出力するソース装置としては、FM方式、AM方式などのラジオ放送を受信するラジオ放送受信装置、カセットテープ、コンパクトディスク(CD)、ミニディスク(登録商標)(MD)などの記録媒体に記録された音声データを再生するメディア再生装置などがある。そして、これらのソース装置から得られるオーディオ信号のいずれかが選択され、選択されたオーディオ信号が、イコライザ、アンプなどを通してスピーカへ供給され、スピーカから音声が出力される。
【0003】
このように、1または複数のソース装置により複数のソース種別(例えば、FM放送、AM放送、CD、MDなど)が提供される場合、複数のソース種別から、1つのソース種別を選択するソース選択装置が独立にあるいは電子機器内に設置される。
【0004】
このようなソース選択装置の場合、予め決められたソース装置がソース選択装置に接続され、その予め決められたソース装置によるソース種別が、筐体表面への印刷などにより示され、その近傍に、ソース種別を選択する際にユーザが操作する操作部が設置されることが多い。
【0005】
したがって、従来から、ユーザの利便性を考慮して、音声出力中に現在選択されているソース種別を表示するもの(例えば特許文献1参照)、CDプレーヤによるソース種別としてのCDが選択された場合にCDプレーヤが不動作状態であるとエラー表示を行うもの(例えば特許文献2参照)、ラジオ放送のうちのFM放送とAM放送を別々のソース種別として選択可能としたもの(例えば特許文献3参照)、路側帯放送を簡単な操作で選択可能としたもの(例えば特許文献3参照)、操作部に回転つまみを採用した場合、選択肢の最初および最後においてそれを超えて回転つまみが回転しないように操作部の形状を工夫したもの(例えば特許文献4参照)などが提案されている。
【特許文献1】特開2002−209284号公報(明細書段落0035,0040、図2〜図5等)
【特許文献2】実用新案登録第2578545号(明細書)
【特許文献3】特開平3−24822号公報(第1図、特許請求の範囲等)
【特許文献4】実開昭63−077233号公報(図面)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の従来のソース選択装置には、ユーザの利便性に関し下記の問題がある。
【0007】
上述の従来のソース選択装置では、音声出力中に現在選択されているソース種別をユーザが確認することはできるが、スタンバイ状態において、パワーオン移行時に最初に選択されるソース種別を確認することは困難である。
【0008】
また、上述の従来のソース選択装置では、路側帯放送を聴取している最中において、路側帯放送の聴取終了後に復帰するソース種別をユーザが確認することが困難である。
【0009】
また、近年、ラジオ放送局(特にFM局)は各地で増加しており、FM放送、AM放送といった変調方式を単位としてソース種別を割り当てるだけでは、ユーザが簡単に選局することが困難である。複数のFM放送局を複数グループにプリセットする機能があるが、その場合でも、まず、ソース種別としてのFMを選択した後、グループを選択し、さらにその後に、そのグループ内の放送局を選択する必要がある。
【0010】
また、上述の従来のソース選択装置では、特殊な機械的構造を有する操作部を採用して、列挙されたソース種別の端部の選択肢を選択する際の操作性を向上させている。しかしながら、装置コストの観点から、最近では、端部での機械的な係止構造を有さないロータリエンコーダなどの、連続して回転可能な汎用の操作部を使用することが多い。そのような連続して回転可能な汎用の操作部を使用する場合、操作部が機械的に係止されないため、端部の選択肢を選択する際の操作が難しい。例えば操作部を見ずに操作している場合、回転させているうちに今どの選択肢を選択しているかが把握できなくなってしまう。
【0011】
本発明は、上記の諸問題を鑑みてなされたものであり、ユーザの操作性を向上させるソース選択装置およびソース選択方法を得ることを目的とする。
【0012】
すなわち、本発明は、パワーオン移行時に最初に選択されるソース種別をスタンバイ状態において確認可能としたり、また、路側帯放送等の聴取終了後に復帰するソース種別をユーザが確認可能としたり、また、多数の放送局から所望の局をユーザが簡単に選局可能としたり、また、連続して回転可能な汎用の操作部を使用する場合でも、端部の選択肢を選択する操作を簡単に行うことができるようにしたりするソース選択装置およびソース選択方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、本発明では以下のようにした。
【0014】
本発明に係るソース選択装置の1つは、1または複数のソース装置による複数のソース種別をそれぞれ表示する表示手段と、当該ソース選択装置または当該ソース選択装置を内蔵する装置の動作状態をスタンバイ状態とパワーオン状態との間で移行させる状態移行手段と、パワーオン状態で選択されたソース種別を示すソース種別情報を記憶する記憶手段と、スタンバイ状態で、表示手段を制御して、複数のソース種別のうち、記憶手段に記憶されているソース種別情報が示すソース種別を表示させるソース種別表示制御手段と、複数のソース種別のうちの1つのソース種別を選択し、動作状態がスタンバイ状態からパワーオン状態へ移行したときには、記憶手段に記憶されているソース種別情報が示すソース種別を選択するソース種別選択手段とを備える。
【0015】
本発明に係るソース選択装置の1つは、1または複数のオーディオ信号出力装置による複数のソース種別をそれぞれ表示する表示手段と、当該ソース選択装置または当該ソース選択装置を内蔵するオーディオ装置の動作状態をスタンバイ状態とパワーオン状態との間で移行させる状態移行手段と、パワーオン状態で選択されたソース種別を示すソース種別情報を記憶する記憶手段と、スタンバイ状態で、表示手段を制御して、複数のソース種別のうち、記憶手段に記憶されているソース種別情報が示すソース種別を、残りのオーディオ信号出力装置のソース種別とは区別して表示させるソース種別表示制御手段と、複数のソース種別のうちの1つのソース種別を選択し、動作状態がスタンバイ状態からパワーオン状態へ移行したときには、記憶手段に記憶されているソース種別情報が示すソース種別を選択するソース種別選択手段とを備える。
【0016】
また、本発明に係るソース選択装置は、上記ソース選択装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。つまり、その場合、複数のオーディオ信号出力装置のうちの1または複数は、記録媒体を挿抜可能であってその記録媒体に格納されたオーディオデータを読み取りそのオーディオデータからオーディオ信号を再生し出力するメディア再生装置である。そして、記憶手段は、メディア再生装置のソース種別を示すソース種別情報およびそのソース種別の1つ前に選択されていたソース種別を示すソース種別情報を記憶する。また、ソース種別表示制御手段は、スタンバイ状態において、メディア再生装置のソース種別が表示されている場合に記録媒体のイジェクトを検出すると、記憶手段におけるソース種別情報を参照し、表示手段を制御して、そのメディア再生装置のソース種別の表示を止め、そのメディア再生装置のソース種別の1つ前に選択されていたソース種別を表示させる。
【0017】
また、本発明に係るソース選択装置は、上記ソース選択装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。つまり、その場合、ソース種別選択手段は、スタンバイ状態において記録媒体のイジェクトを検出したメディア再生装置のソース種別情報が記憶手段に記憶されている場合、状態移行手段によるスタンバイ状態からパワーオン状態への移行のときに、記憶手段に記憶されているソース種別情報に基づき、そのメディア再生装置のソース種別の1つ前に選択されていたソース種別を選択する。
【0018】
また、本発明に係るソース選択装置は、上記ソース選択装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。つまり、その場合、ソース種別表示制御手段は、パワーオン状態では、複数のオーディオ信号出力装置のソース種別についてオーディオ信号を出力可能か否かを特定し、表示手段を制御して、オーディオ信号を出力可能なソース種別のうち、ソース種別選択手段により選択されているソース種別を第1の態様で、残りのソース種別を上記第1の態様とは異なる第2の態様で表示させ、またオーディオ信号を出力可能ではないソース種別を表示させない。
【0019】
また、本発明に係るソース選択装置は、上記ソース選択装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。つまり、その場合、このソース選択装置は、回転自在で、かつ押下可能な操作部と、操作部に対する押下操作を検出する第1の操作検出手段と、操作部に対する回転操作を検出する第2の操作検出手段とを備える。そして、状態移行手段は、第1の操作検出手段により操作部に対する押下操作が検出されると、当該ソース選択装置またはオーディオ装置の動作状態をスタンバイ状態とパワーオン状態との間で交互に移行させる。また、表示手段は、操作部の周囲に周方向に沿って配され、点灯と消灯の状態を有し各ソース種別について点灯によりソース種別を表示する。そして、ソース種別選択手段は、パワーオン状態において、第2の操作検出手段により検出される回転操作に応じて、オーディオ信号を出力可能なソース種別のうちの1つを選択する。
【0020】
また、本発明に係るソース選択装置は、上記ソース選択装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。つまり、その場合、複数のオーディオ信号出力装置は、FMラジオ放送および/またはAMラジオ放送の放送受信装置、並びにコンパクトディスクまたはミニディスク(登録商標)を記録媒体とするメディア再生装置を含む。
【0021】
また、本発明に係るソース選択装置は、上記ソース選択装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。つまり、ソース種別表示制御手段は、複数のオーディオ信号出力装置のうちの放送受信装置のオートシーク動作時には、表示手段を制御して、オートシークの対象となるソース種別を、パワーオン状態でのソース種別の表示態様およびスタンバイ状態でのソース種別の表示態様のいずれとも異なる態様で表示させる。
【0022】
本発明に係るソース選択装置の1つは、放送受信装置を含む1または複数のオーディオ信号出力装置による複数のソース種別をそれぞれ表示する表示手段と、複数のソース種別のうちのいずれか1つのソース種別を選択するソース種別選択手段と、ソース種別選択手段により選択されたソース種別を示すソース種別情報を記憶する記憶手段と、特定目的の内容を有する放送の聴取の開始と終了のときに操作される特定目的操作部と、特定目的操作部に対する聴取開始操作を検出すると、表示手段を制御して、聴取開始操作検出時に記憶手段に記憶されているソース種別情報が示すソース種別を聴取開始操作検出前とは別の態様で表示させ、その後、特定目的操作部に対する聴取終了操作が検出されると、表示手段を制御して、聴取開始操作検出時に記憶手段に記憶されているソース種別情報が示すソース種別を聴取開始操作検出前と同一態様で表示させるソース種別表示制御手段とを備える。
【0023】
また、本発明に係るソース選択装置は、上記ソース選択装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。つまり、その場合、このソース選択装置は、当該ソース選択装置または当該ソース選択装置を内蔵する装置の動作状態をスタンバイ状態とパワーオン状態との間で移行させる状態移行手段を備える。そして、記憶手段は、パワーオン状態で選択されたソース種別を示すソース種別情報を記憶し、ソース種別表示制御手段は、パワーオン状態において聴取開始操作が検出されると、聴取開始操作検出時に記憶手段に記憶されているソース種別情報が示すソース種別を聴取開始操作検出前とは別の態様で表示させ、その後、聴取終了操作が検出されると、聴取開始操作検出時に記憶手段に記憶されているソース種別情報が示すソース種別を聴取開始操作検出前と同一態様で表示させ、また、スタンバイ状態において聴取開始操作が検出されると、聴取終了操作が検出されるまで、すべてのソース種別の表示を停止する。
【0024】
また、本発明に係るソース選択装置は、上記ソース選択装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。つまり、その場合、複数のオーディオ信号出力装置のうちの放送受信装置は、特定目的の内容を有する放送として、所定の変調方式かつ所定の周波数で伝播される交通情報放送を受信可能である。
【0025】
本発明に係るソース選択装置の1つは、放送受信装置により受信可能な同一変調方式の複数の放送局が複数のグループへプリセットされる場合において、放送受信装置についてプリセットされた複数のグループのそれぞれを1つのソース種別として、複数のソース種別を配列して表示するソース種別表示部と、ソース種別表示部に列挙されている複数のソース種別のうちの1つを選択するソース種別選択手段とを備える。
【0026】
また、本発明に係るソース選択装置は、上記ソース選択装置に加え、次のようにしてもよい。つまり、その場合、ソース種別表示部は、FM放送およびAM放送を受信する放送受信装置についての、所定の数のFM局がプリセットされた第1FM局グループ、所定の数の別のFM局がプリセットされた第2FM局グループ、および所定の数のAM局がプリセットされたAM局グループをそれぞれソース種別として配列し同時に表示する。
【0027】
本発明に係るソース選択装置の1つは、複数回の回転が連続して可能な操作部と、操作部に対する回転操作を検出する回転操作検出手段と、1または複数のソース装置による複数のソース種別を操作部の周囲に周方向に沿って配列して表示するソース種別表示部と、ソース種別表示部により表示されているソース種別のうちの1つを回転操作検出手段により検出される回転操作に応じて選択し、回転操作検出手段により検出された回転操作量が、ソース種別の配列の最初または最後に位置するソース種別を選択するための回転操作量を超えた場合、その回転操作方向に応じてソース種別の配列の最初または最後に位置するソース種別を選択するソース種別選択手段とを備える。
【0028】
また、本発明に係るソース選択装置は、上記ソース選択装置に加え、次のようにしてもよい。つまり、その場合、このソース選択装置は、各ソース装置が各ソース種別のソース信号を出力可能であるか否かを判定する判定手段を備える。そして、ソース種別表示部は、判定手段による判定に基づいて、ソース信号を出力可能であるソース種別のみを操作部の周囲に周方向に沿って表示する。
【0029】
また、本発明に係るソース選択装置は、上記ソース選択装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。つまり、その場合、回転操作検出手段は、操作部に機械的に接続されたロータリエンコーダを有する。
【0030】
本発明に係るソース選択方法の1つは、1または複数のソース装置による複数のソース種別のうち、パワーオン状態で選択されているソース種別を示すソース種別情報をソース選択装置の所定の記憶手段に記憶するステップと、ソース選択装置またはソース選択装置を内蔵する装置の動作状態をパワーオン状態からスタンバイ状態へ移行させるステップと、スタンバイ状態で、複数のソース種別のうち、所定の記憶手段に記憶されているソース種別情報が示すソース種別を、所定の表示手段に表示させるステップと、ソース選択装置またはソース選択装置を内蔵する装置の動作状態をスタンバイ状態からパワーオン状態へ移行させるステップと、スタンバイ状態からパワーオン状態への動作状態の移行に応じて、複数のソース種別のうちの、所定の記憶手段に記憶されているソース種別情報が示すソース種別を選択するステップとを備える。
【0031】
本発明に係るソース選択方法の1つは、放送受信装置を含む1または複数のオーディオ信号出力装置による複数のソース種別から選択されたソース種別を示すソース種別情報を所定の記憶手段に記憶するステップと、特定目的の内容を有する放送の聴取の開始と終了のときに操作される特定目的操作部に対する聴取開始操作を検出するステップと、特定目的操作部に対する聴取開始操作を検出すると、聴取開始操作検出時に所定の記憶手段に記憶されているソース種別情報が示すソース種別を聴取開始操作検出前とは別の態様で所定の表示手段に表示させるステップと、特定目的操作部に対する聴取終了操作を検出するステップと、特定目的操作部に対する聴取終了操作が検出されると、聴取開始操作検出時に記憶手段に記憶されているソース種別情報が示すソース種別を聴取開始操作検出前と同一態様で所定の表示手段に表示させるステップとを備える。
【0032】
本発明に係るソース選択方法の1つは、放送受信装置により受信可能な同一変調方式の複数の放送局が複数のグループへプリセットされる場合において、放送受信装置についてプリセットされた複数のグループのそれぞれを1つのソース種別として、複数のソース種別を配列して表示するステップと、表示されている上記複数のソース種別のうちの1つを選択するステップとを備える。
【0033】
本発明に係るソース選択方法の1つは、複数回の回転が連続して可能な操作部に対する回転操作を検出するステップと、1または複数のソース装置による複数のソース種別を操作部の周囲に周方向に沿って配列して表示するステップと、表示されているソース種別のうちの1つを、検出した回転操作に応じて選択し、検出した回転操作量が、ソース種別の配列の最初または最後に位置するソース種別を選択するための回転操作量を超えた場合、その回転操作方向に応じてソース種別の配列の最初または最後に位置するソース種別を選択するステップとを備える。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、ユーザの操作性を向上させるソース選択装置およびソース選択方法を得ることができる。
【0035】
すなわち、本発明によれば、パワーオン移行時に最初に選択されるソース種別をスタンバイ状態において確認可能としたり、あるいは、路側帯放送等の聴取終了後に復帰するソース種別をユーザが確認可能としたり、あるいは、多数の放送局から所望の局をユーザが簡単に選局可能としたり、あるいは、連続して回転可能な汎用の操作部を使用する場合でも、端部の選択肢を選択する操作を簡単に行うことができるようにしたりすることができるソース選択装置およびソース選択方法を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0037】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るソース選択装置を内蔵したオーディオ装置を示す正面図である。図2は、図1のオーディオ装置1の構成を示すブロック図である。
【0038】
このオーディオ装置1は、車載用の装置であって、ソース選択装置、ラジオ放送受信装置、CDおよびMDの2つのメディア再生装置を内蔵する。なお、この実施の形態1では、図2におけるユーザインタフェース(UI)部31および制御部33によりソース選択装置が構成される。
【0039】
図1において、ソース選択UI部11は、オーディオ装置1の状態に応じてソース種別を表示するソース種別表示部と、ソース種別を選択する際に操作される操作部とを有する。
【0040】
メディア挿入口12は、CD再生部51にCDを挿入するために、オーディオ装置1の筐体正面に形成された開口部である。イジェクトボタン13は、挿入されているCDをイジェクト(排出)させる際に操作される操作部である。イジェクトボタン13は、図2のCD操作部42の一部である。なお、CD操作部42は、CDの再生、選曲、停止などを行わせる際に操作される操作部であり、ここでは、イジェクトボタン13以外は図示を省略する。
【0041】
メディア挿入口14は、MD再生部52にMDを挿入するために、オーディオ装置1の筐体正面に形成された開口部である。イジェクトボタン15は、挿入されているMDをイジェクト(排出)させる際に操作される操作部である。イジェクトボタン15は、図2のMD操作部43の一部である。なお、MD操作部43は、MDの再生、選曲、停止などを行わせる際に操作される操作部であり、ここでは、イジェクトボタン15以外は図示を省略する。
【0042】
イジェクトボタン13,15は、それぞれ、ボタン部材と、それに対する押下操作を電気的に検出するプッシュスイッチとを有する。
【0043】
チューニング操作部16は、ラジオ放送受信部53での受信周波数を変更する際、および特定の放送局から交通情報を受信する際に操作される操作部である。実施の形態1では、チューニング操作部16は、円筒形の操作部であって、回転操作を光学的または電気的に検出するロータリエンコーダ、および押下操作を電気的に検出するプッシュスイッチを有し、受信周波数の変更の際には回転され、交通情報の受信の開始および終了の際には押下される。
【0044】
プリセット局選択操作部17は、現在選択されているソース種別(ここでは「FM1」、「FM2」または「AM」)についてプリセットされた放送局を選局する際に操作される操作部である。実施の形態1では、プリセット局選択操作部17は、6個のボタン部材と、それらに対する押下操作を電気的に検出する同数のプッシュスイッチとを有する。
【0045】
音量調節操作部18は、アンプ56へ入力されるオーディオ信号の振幅を調整する際に操作される操作部である。実施の形態1では、音量調節操作部18は、円筒形の回転操作部と、それに対する回転操作を検出するロータリエンコーダとを有する。
【0046】
ディスプレイ装置19は、液晶などの表示パネルを有し、オーディオ装置の各種状態を、文字、絵などにより適宜表示する装置である。
【0047】
また、音響特性設定ボタン20は、残響時間の調整の際に操作される操作部である。イコライザボタン21は、アンプ56の前段に設けられた図示せぬフィルタの使用/不使用およびその周波数特性を設定する際に操作される操作部である。表示色設定ボタン22は、ディスプレイ装置19の表示色を変更する際に操作される操作部である。実施の形態1では、ボタン20〜22は、それぞれ、ボタン部材と、それに対する押下操作を検出するプッシュスイッチを有する。
【0048】
このように、オーディオ装置1の正面パネルには、上述した操作部および表示部からなるUI部31が配置される。
【0049】
そして、このオーディオ装置1は、その内部に、いずれかのオーディオ信号出力装置からのオーディオ信号を出力するオーディオ音声再生部32、および、このオーディオ装置1の内部を制御する制御部33を有する。
【0050】
まず、音声再生部32は、オーディオ信号出力装置としてのCD再生部51、MD再生部52およびラジオ放送受信部53、並びにソースセレクタ54、電子ボリューム55およびアンプ56を有する。
【0051】
CD再生部51は、記録媒体としてのCDからオーディオデータを読み出し、デジタルまたはアナログの音声信号として出力するメディア再生装置である。
【0052】
MD再生部52は、記録媒体としてのMDからオーディオデータを読み出し、デジタルまたはアナログの音声信号として出力するメディア再生装置である。
【0053】
なお、CD再生部51およびMD再生部52は、記録媒体を挿抜可能であってその記録媒体に格納されたオーディオデータを読み取りそのオーディオデータからオーディオ信号を再生し出力するメディア再生装置である。そして、CD再生部51およびMD再生部52は、ソース種別としての「CD」および「MD」をそれぞれ提供するソース装置であり、オーディオ信号を出力するオーディオ信号出力装置である。
【0054】
ラジオ放送受信部53は、アンテナに接続され、アンテナの感受した電磁波や電波を復調し、デジタルまたはアナログの音声信号として出力する放送受信装置である。
【0055】
なお、ラジオ放送受信部53は、ソース種別としての「FM1」、「FM2」および「AM」を提供するソース装置であり、オーディオ信号を出力するオーディオ信号出力装置である。ここで、「FM1」とは、所定の数のFMラジオ放送局を含む1つのグループであり1つのソースを構成し、「FM2」とは、所定の数のFMラジオ放送局を含む別のグループであり1つのソースを構成する。ただし、ソース種別としての「FM1」または「FM2」が選択された場合に、チューニング操作部16を操作することで、「FM1」または「FM2」に含まれる放送局以外の周波数に受信周波数を変更することは可能である。また、「AM」とは、所定の数のAMラジオ放送局を含む1つのグループであり1つのソースを構成する。ただし、ソース種別としての「AM」が選択された場合に、チューニング操作部16を操作することで、「AM」に含まれる放送局以外の周波数に受信周波数を変更することは可能である。
【0056】
ソースセレクタ54は、制御信号を供給され、その制御信号に応じて、複数の入力のいずれかを選択し、その選択した入力の信号を出力する装置である。この実施の形態1では、ソースセレクタ54は、MPU62からの制御信号に応じて、CD再生部51、MD再生部52およびラジオ放送受信部53からのオーディオ信号のいずれかを選択し、選択したオーディオ信号を出力する。
【0057】
また、電子ボリューム55は、制御信号を供給され、その制御信号に応じてオーディオ信号の振幅を調節する回路である。アンプ56は、オーディオ信号を増幅し、スピーカなどの出力する回路である。
【0058】
他方、制御部33は、ソース制御部61、MPU62、および状態記憶部63を有する。
【0059】
ソース制御部61は、CD再生部51、MD再生部52およびラジオ放送受信部53に対して制御信号を供給してそれらを制御するとともに、CD再生部51、MD再生部52およびラジオ放送受信部53からの制御信号を取得してそれらの各種状態を検出する回路である。
【0060】
マイクロプロセシングユニット(MPU)62は、図示せぬROM、フラッシュメモリなどの記憶媒体に格納されたプログラムを実行し、CD再生部51、MD再生部52およびラジオ放送受信部53の状態、UI部31に対するユーザの操作などに基づいて、UI部31を制御し、また、直接的にあるいはソース制御部61を介して間接的に音声再生部32を制御するとともに、制御部33内での情報処理を実行する演算処理装置である。
【0061】
MPU62は、ソース選択装置を含むオーディオ装置1全体の動作状態をスタンバイ状態とパワーオン状態との間で切り替える状態移行手段として機能する。
【0062】
スタンバイ状態とは、UI部31および制御部33(あるいは制御部33のみ)には電源からの電力が供給され動作しているが、音声再生部31におけるCD再生部51、MD再生部52およびラジオ放送受信部53のいずれからもオーディオ信号が出力されていない状態である。なお、この実施の形態1では、スタンバイ状態でも、CD再生部51およびMD再生部52には電力供給がなされており、CD再生部51およびMD再生部52からのCDおよびMDのイジェクトはそれぞれ可能である。また、この実施の形態1では、スタンバイ状態においては電子ボリューム55およびアンプ56への電源供給は停止される。
【0063】
一方、パワーオン状態とは、UI部31、音声再生部32および制御部33のすべてに電源からの電力が供給されており、CD再生部51、MD再生部52およびラジオ放送受信部53の少なくとも1つがオーディオ信号を出力可能な状態あるいは出力している状態である。つまり、オーディオ信号が出力されていればパワーオン状態であり、放送局のシーク中、ユーザ操作による一時停止中などのようにオーディオ信号が一時的に出力されていなくても装置が動作している状態であればパワーオン状態である。
【0064】
そして、実施の形態1におけるオーディオ装置1の場合、例えばイグニッションキーがアクセサリ(ACC)ポジションとされると、スタンバイ状態となる。スタンバイ状態で、オーディオ装置1の所定の操作部(実施の形態1では後述のソース選択UI部11の回転操作部11f)が操作されると、MPU62がその操作を電気的に検出し、ソース制御部61を介してまたは直接的に音声再生部32を制御してパワーオン状態に移行させる。また、パワーオン状態で、オーディオ装置1の所定の操作部(実施の形態1では後述のソース選択UI部11の回転操作部11f)が操作されると、MPU62がその操作を電気的に検出し、ソース制御部61を介してまたは直接的に音声再生部32を制御してスタンバイ状態に移行させる。また、MPU62は、制御部33の動作状態もスタンバイ状態とパワーオン状態との間で切り替え、その状態に応じて、ソース選択UI部11でのソース種別の表示方式を変更する。
【0065】
状態記憶部63は、UI部31、音声再生部32および制御部33の現在および/または過去の状態についての情報を記憶する回路または装置である。実施の形態1では、状態記憶部63は、現在および/または過去に選択されたソース種別の履歴を示す一連のソース種別情報を格納する。状態記憶部63は、スタンバイ状態では、過去に選択されたソース種別のソース種別情報を選択順に記憶し、パワーオン状態では、現在選択されているソース種別のソース種別情報を先頭に、2番目以降に、過去に選択されたソース種別のソース種別情報を選択順に記憶する。なお、状態記憶部63としては、揮発性または不揮発性のメモリ、磁気記録媒体などが適宜使用される。
【0066】
図3は、図1におけるソース選択UI部11の詳細を示す正面図である。図4は、図1におけるソース選択UI部11の詳細を示す斜視図である。
【0067】
図3および図4に示すように、ソース選択UI部11では、円環状のソース種別表示部に、各ソース種別の状態(選択中、選択可能、および選択不可)を表示する表示窓11a〜11eが配置され、円環状のソース種別表示部の内側に円筒形の回転操作部11fが押下可能にかつ回転自在に配置される。円環状のソース種別表示部のうち、表示窓11a〜11eのみが透明とされ、その他の部分は有色で裏面から表面への光の透過を遮断する。各表示窓11x(x=a,b,c,d,e)は、ソース種別を示す文字列の形状を有し、ソース種別「CD」,「MD」,「FM1」,「FM2」,「AM」にそれぞれ対応する。
【0068】
そして、各表示窓11x(x=a,b,c,d,e)の裏面側には発光ダイオード(LED)などの発光素子が配置され、回転操作部11fには、ロータリエンコーダとプッシュスイッチが機械的に接続される。
【0069】
図5は、図1におけるソース選択UI部11およびその駆動回路の電気的構成の詳細を示す回路図である。なお、図5に示す回路は、一例であり、同様に動作するその他の回路でもよい。
【0070】
図5において、発光ダイオードLEDr1,LEDg1は、表示窓11aへ光を入射させる赤色および緑色の発光素子である。発光ダイオードLEDr2,LEDg2は、表示窓11bへ光を入射させる赤色および緑色の発光素子である。発光ダイオードLEDr3,LEDg3は、表示窓11cへ光を入射させる赤色および緑色の発光素子である。発光ダイオードLEDr4,LEDg4は、表示窓11dへ光を入射させる赤色および緑色の発光素子である。発光ダイオードLEDr5,LEDg5は、表示窓11eへ光を入射させる赤色および緑色の発光素子である。
【0071】
また、トランジスタQr1,Qg1は、発光ダイオードLEDr1,LEDg1をそれぞれ点灯または消灯させるスイッチング素子である。トランジスタQr2,Qg2は、発光ダイオードLEDr2,LEDg2をそれぞれ点灯または消灯させるスイッチング素子である。トランジスタQr3,Qg3は、発光ダイオードLEDr3,LEDg3をそれぞれ点灯または消灯させるスイッチング素子である。トランジスタQr4,Qg4は、発光ダイオードLEDr4,LEDg4をそれぞれ点灯または消灯させるスイッチング素子である。トランジスタQr5,Qg5は、発光ダイオードLEDr5,LEDg5をそれぞれ点灯または消灯させるスイッチング素子である。
【0072】
このトランジスタQr1〜Qr5,Qg1〜Qg5のベースは、MPU62に接続され、MPU62からの制御信号のレベルに応じてオン/オフする。図5の回路では、トランジスタQr1〜Qr5,Qg1〜Qg5は、N型(NPN型)トランジスタとされ、そのエミッタが接地され、そのコレクタが、対応する発光ダイオード(LEDr1〜LEDr5,LEDg1〜LEDg5)のカソードに接続される。また、発光ダイオードLEDr1〜LEDr5,LEDg1〜LEDg5のアノードは、抵抗R1を介して電源ラインVccに接続される。
【0073】
他方、回転操作部11fには、ロータリエンコーダENCとプッシュスイッチSWが機械的に接続されている。回転操作部11fは、時計回り方向および反時計回り方向のいずれにも回転可能とされ、所定の回転角度で機械的に係止されることはない。ロータリエンコーダENCは、回転操作部11fの回転角度に比例した数のパルスを含むパルス信号を出力する素子であり、プッシュスイッチSWは、回転操作部11fに対する押下操作に応じてオン/オフする素子である。ロータリエンコーダENCの出力ラインは、MPU62に接続される。また、プッシュスイッチSWの一端は接地され、他端は、抵抗R2を介して電源電圧にプルアップされるとともに、MPU62に接続される。なお、プッシュスイッチSWとMPU62との間には、押下操作を正確に検出するために波形整形回路などを設けるようにしてもよい。
【0074】
次に、上記装置の動作について説明する。
【0075】
図6は、実施の形態1に係るソース選択装置を内蔵したオーディオ装置1の動作を説明するフローチャートである。図7は、実施の形態1におけるMPU62による発光ダイオードLEDri,LEDgi(i=1,・・・,5)の制御パターンを示す図である。図7(A)はスタンバイ状態での、図7(B)はパワーオン状態での制御パターンをそれぞれ示す。
【0076】
まず、オーディオ装置1に例えば車載バッテリといった電源が電気的に接続されたとき、MPU62は、起動して所定のプログラムの実行を開始し、オーディオ装置1の動作状態をスタンバイ状態とする(ステップS1)。
【0077】
次に、MPU62は、状態記憶部63に記憶されているソース種別情報を読み出し、そのソース種別情報が示すソース種別を、パワーオン状態への移行時に自動的に選択されるソース種別として、ソース選択UI部11に表示させる(ステップS2)。このとき、MPU62は、図7(A)に示すように、そのソース種別に対応する緑色の発光ダイオードLEDgjを点灯させ、その他のソース種別に対応する緑色の発光ダイオードLEDgk(k≠j)およびすべての赤色の発光ダイオードLEDr1〜LEDr5を消灯させる。
【0078】
なお、状態記憶部63にソース種別情報が記憶されていない場合には、MPU62は、所定のソース種別(例えば「AM」)を、パワーオン状態への移行時に自動的に選択されるソース種別として選択し、そのソース種別情報を状態記憶部63に記憶させるとともにソース選択UI部11に表示させるようにすればよい。
【0079】
その後、MPU62は、スタンバイ状態において、パワーオン操作が検出されたか否か(ステップS3)、およびソース選択UI部11で表示中のソース種別について記録媒体のイジェクトが発生したか否か(ステップS4)を監視する。
【0080】
MPU62は、パワーオン操作が発生したか否かを、ソース選択UI部11のプッシュスイッチSWからの出力ラインの電圧に基づいて判定する。また、MPU62は、表示中のソース種別について記録媒体のイジェクトが発生したか否かを、ソース制御部61により検出されたCD再生部51またはMD再生部52からの制御信号に基づいて判定する。
【0081】
そして、MPU62は、表示中のソース種別について記録媒体のイジェクトが発生した場合、パワーオン状態への移行時に自動的に選択されるソース種別の表示を切り替える(ステップS5)。その際、MPU62は、状態記憶部63において表示切替前のソース種別のソース種別情報の次に記憶されているソース種別情報を読み出し、そのソース種別を表示切替後のソース種別とする。また、MPU62は、表示切替前のソース種別のソース種別情報を状態記憶部63から削除し、表示切替後のソース種別のソース種別情報を先頭とする(ステップS6)。
【0082】
例えば、状態記憶部63に、2つのソース種別情報が「CD」、「FM1」の順番で新しい順に記憶されており、ステップS2においてソース種別「CD」が表示されている場合に、CD再生部51からCDがイジェクトされると、MPU62は、ソース種別「CD」の発光ダイオードLEDg1を消灯させ、ソース種別「FM1」の発光ダイオードLEDg3を点灯させる。その後、継続的にステップS2において発光ダイオードLEDg3が点灯する。
【0083】
また、例えば、状態記憶部63に、3つのソース種別情報が「CD」、「MD」、「FM1」の順番で新しい順に記憶されており、ステップS2においてソース種別「CD」が表示されている場合に、CD再生部51からCDがイジェクトされると、MPU62は、ソース種別「CD」の発光ダイオードLEDg1を消灯させ、ソース種別「MD」の発光ダイオードLEDg2を点灯させる。その後、MD再生部52からMDがイジェクトされると、MPU62は、ソース種別「MD」の発光ダイオードLEDg2を消灯させ、ソース種別「FM1」の発光ダイオードLEDg3を点灯させる。ただし、スタンバイ状態で、状態記憶部63に、3つのソース種別情報が「CD」、「MD」、「FM1」の順番で新しい順に記憶されており、ステップS2においてソース種別「CD」が表示されている場合に、表示されていないソース種別「MD」の記録媒体(MD)がイジェクトされると、MPU62は、状態記憶部63に記憶されている「MD」のソース種別情報を削除する。この場合、MPU62は、ソース種別「CD」の発光ダイオードLEDg1を継続して点灯させる。
【0084】
なお、MPU62は、図7(A)に示すように、記録媒体のイジェクト操作を検出すると、イジェクト動作が完了するまで、その記録媒体に対応するソース種別の発光ダイオードLEDgi(i=1,・・・,5)を点滅させる。
【0085】
このように、スタンバイ状態においては、パワーオン状態への移行時に自動的に選択されるソース種別が、状態記憶部63に記憶されたソース種別情報に基づいて表示される。
【0086】
スタンバイ状態において、MPU62は、ソース選択UI部11におけるプッシュスイッチ11fの出力ラインの電圧に基づいて、ソース選択UI部11の回転操作部11fに対する押下操作、つまりパワーオン操作が発生したと判定すると、オーディオ装置1の動作状態をパワーオン状態へ移行させる(ステップS7)。これにより、音声再生部32のすべての構成要素に対して電力が供給される。
【0087】
また、MPU62は、パワーオン状態への移行時に、ソース選択UI部11での表示方式を、スタンバイ状態の表示方式から変化させる。パワーオン状態では、MPU62は、選択中のソース種別を第1の態様で表示させ、選択可能なソース種別を第2の態様で表示させる。この実施の形態1では、MPU62は、図7(B)に示すように、パワーオン状態では、選択中のソース種別の赤色の発光ダイオードLEDrj(j=1,・・・,5)を点灯させ、選択可能なソース種別の緑色の発光ダイオードLEDgk(k≠j)を点灯させ、その他の発光ダイオードLEDrp(p≠j),LEDgq(q≠k)を消灯させる。その際、MPU62は、ソース制御部61を介して、CD再生部51にCDが挿入されており再生可能であるか否か、およびMD再生部52にMDが挿入されており再生可能であるか否かを特定し、ソース種別「CD」,「MD」が選択可能なソース種別であるか否かを判断する。すなわち、CD再生部51にCDが挿入されていれば、ソース種別「CD」はオーディオ信号を出力可能であるため選択可能と判断され、そうでなければ、ソース種別「CD」は選択不可と判断される。
【0088】
そして、MPU62は、状態記憶部63に記憶されている先頭のソース種別情報を読み出し、そのソース種別情報が示すソース種別に対応するオーディオ信号出力装置からの入力をソースセレクタ54に選択させる(ステップS8)。このときに選択されるソース種別は、ステップS2において表示されていたソース種別と同一である。
【0089】
また、MPU62は、そのオーディオ信号出力装置の種別(および必要に応じてソース種別)の情報をソース制御部61へ供給し、ソース制御部61は、そのオーディオ信号出力装置に制御信号を供給し、そのソース種別のオーディオ信号を出力させる(ステップS9)。
【0090】
これにより、ソースセレクタ54から、いずれかのオーディオ信号出力装置(CD再生部51、MD再生部52およびラジオ放送受信部53のいずれか)により出力されたオーディオ信号が、電子ボリューム55に供給される。電子ボリューム55は、このオーディオ信号の振幅を、MPU62からの制御信号に応じて調節する。なお、MPU62は、音声調整操作部18から検出された操作量に応じた制御信号を電子ボリューム55に供給する。そして、電子ボリューム55から出力されたオーディオ信号はアンプ56により増幅され、増幅後のオーディオ信号がスピーカ等へ出力される。なお、アンプ56の前段に設けられた図示せぬフィルタおよびエフェクタにより、音響特性設定ボタン20およびイコライザボタン21への操作に応じたMPU62からの制御信号に基づく残響時間特性および周波数特性が実現される。
【0091】
このように、パワーオン操作が検出されると、MPU62は、音声再生部32に対して、スタンバイ状態でソース選択UI部11で表示していたソース種別のオーディオ信号の出力を自動的に開始させる。
【0092】
パワーオン状態において、MPU62は、ソース種別切替操作が発生したか否か(ステップS10)、記録媒体のイジェクトが発生したか否か(ステップS11)、およびパワーオフ操作(スタンバイ状態への移行のための操作)が発生したか否か(ステップS12)を監視する。
【0093】
MPU62は、ソース種別切替操作が発生したか否かを、ソース選択UI部11のロータリエンコーダENCからの信号に基づいて判定する。MPU62は、その信号に基づいて、ソース選択UI部11の回転操作部11fに対する回転操作の操作方向および操作量を特定し、その操作方向および操作量に応じて、現在選択中のソース種別とは別のソース種別を選択する操作が発生したと判定する。MPU62は、ソース種別切替操作の操作方向および操作量に応じて現在選択中のソース種別とは別のソース種別を特定する。その際、MPU62は、その時点で選択可能なソース種別のみから、別のソース種別を特定する。
【0094】
ソース種別切替操作が発生すると、MPU62は、まず、切替後のソース種別のソース種別情報を状態記憶部63に記憶させる(ステップS13)。その際、このソース種別情報は、状態記憶部63において先頭に挿入されて記憶される。つまり、状態記憶部63におけるその他の既存のソース種別情報は上書きされたり削除されたりしない。
【0095】
次に、MPU62は、切替後に選択されたソース種別を、他の選択可能なソース種別とは別の態様でソース選択UI部11に表示させるとともに、そのソース種別に対応するオーディオ信号出力装置の入力をソースセレクタ54に選択させる(ステップS14)。この実施の形態1では、切替後に選択されたソース種別の表示は、緑色から赤色へ変化し、切替前に選択されていたソース種別の表示は、赤色から緑色へ変化する。
【0096】
そして、MPU62は、切替後のソース種別に対応するオーディオ信号出力装置(および必要に応じてそのソース種別)の情報をソース制御部61に供給する。ソース制御部61は、その情報に基づいて、切替前のソース種別のオーディオ信号の出力を停止させ、切替後のソース種別のオーディオ信号の出力を開始させる(ステップS15)。
【0097】
その後、MPU62は、ステップS10〜S12の監視状態に戻る。
【0098】
一方、MPU62は、記録媒体のイジェクトが発生したか否かを、ソース制御部61により検出されたCD再生部51またはMD再生部52からの制御信号に基づいて判定する(ステップS11)。
【0099】
そして、MPU62は、記録媒体のイジェクトが発生した場合、イジェクトが発生したソース種別のソース種別情報を状態記憶部63から削除する(ステップS16)。また、MPU62は、イジェクトが発生したソース種別が再生中であったか否かを判定する(ステップS17)。なお、イジェクトが発生した場合、そのソース種別の表示は、イジェクト完了までの期間、緑色点滅に変更される。
【0100】
イジェクトが発生したソース種別が再生中であった場合には、MPU62は、状態記憶部63から先頭のソース種別情報を読み出す(ステップS18)。なお、ステップS16において、イジェクトが発生したソース種別のソース種別情報は削除されているため、ステップS18で読み出されるソース種別情報は、イジェクトが発生したソース種別の1つ前に選択されていたソース種別を示すものとなる。
【0101】
そして、MPU62は、そのソース種別情報の示すソース種別をソース選択UI部11に表示させるとともに、そのソース種別に対応するオーディオ信号出力装置の入力をソースセレクタ54に選択させる(ステップS14)。この実施の形態1では、新たに選択されたソース種別の表示は、緑色から赤色へ変化し、イジェクトの発生したソース種別については、赤色の表示から表示なし(消灯)へ変化する。
【0102】
そして、MPU62は、そのソース種別に対応するオーディオ信号出力装置(および必要に応じてそのソース種別)の情報をソース制御部61に供給する。ソース制御部61は、その情報に基づいて、イジェクトの発生したソース種別のオーディオ信号の出力を停止させ、新たに選択されたソース種別のオーディオ信号の出力を開始させる(ステップS15)。
【0103】
その後、MPU62は、ステップS10〜S12の監視状態に戻る。
【0104】
また、記録媒体のイジェクトが発生したときに、イジェクトが発生したソース種別が再生中ではなかった場合、MPU62は、イジェクト前には選択可能であったそのソース種別が選択不可になったため、そのソース種別についてのソース選択UI部11の表示を停止させる(ステップS19)。この実施の形態1では、再生中ではなかったソース種別についてイジェクトの発生した場合、そのソース種別については、緑色の表示から表示なし(消灯)へ変化する。
【0105】
その後、MPU62は、ステップS10〜S12の監視状態に戻る。
【0106】
他方、MPU62は、パワーオフ操作が発生したか否かを、ソース選択UI部11のプッシュスイッチSWからの出力ラインの電圧に基づいて判定する(ステップS12)。つまり、パワーオン状態において、ソース選択UI部11の回転操作部11fに対して押下操作が発生すると、パワーオフ操作と判断される。
【0107】
パワーオン状態において、MPU62は、ソース選択UI部11におけるプッシュスイッチ11fの出力ラインの電圧に基づいて、ソース選択UI部11の回転操作部11fに対する押下操作、つまりパワーオフ操作が発生したと判定すると、オーディオ装置1の動作状態をスタンバイ状態へ移行させる(ステップS1)。これにより、MPU62の制御により、オーディオ信号の出力は停止され、ソース選択UI部11におけるソース種別の表示も、上述したスタンバイ状態の表示方式に変更される。
【0108】
また、パワーオフ時(パワーオン状態からスタンバイ状態への移行時)には、状態記憶部63において、先頭のソース種別情報が、パワーオフ時の直前まで選択されていたソース種別のものとなっているため、スタンバイ状態では、そのソース種別のみがソース選択UI部11に表示され、次回のパワーオン状態への移行時には、原則としてそのソース種別が自動的に選択される。ただし、パワーオフ時の直前まで選択されていたソース種別がメディア再生装置によるソース種別であり、スタンバイ状態においてそのメディア再生装置から記録媒体が抜出された場合には、そのソース種別の1つ前に選択されていたソース種別が選択される。さらに、1つ前に選択されていたソース種別がメディア再生装置によるもので、かつそのメディア再生装置からも記録媒体が抜出された場合には、さらに1つ前に選択されていたソース種別が選択される。
【0109】
このように、メディア再生装置によるソース種別は、スタンバイ状態において選択不可になる可能性があるので、状態記憶部63には、メディア再生装置によるソース種別以外のソース種別のソース種別情報が少なくとも1つ記憶されていることが好ましい。
【0110】
以上で説明したように、オーディオ装置1は、スタンバイ状態およびパワーオン状態のいずれかの動作状態にあり、動作状態に応じて、ソース選択UI部11でのソース種別の表示方式を変化させるとともに、メディア再生装置によるソース種別が選択可能か否かに応じて動的にソース種別の表示を変化させる。
【0111】
ここで、ソース種別切替操作および記録媒体のイジェクトに応じたソース選択UI部11でのソース種別の表示変化の一例を説明する。図8は、実施の形態1におけるソース種別切替操作および記録媒体のイジェクトに応じたソース選択UI部11でのソース種別の表示変化の一例を説明する図である。
【0112】
図8における状態1は、パワーオン状態であって、パワーオン操作が検出され、直前のソース種別が選択された状態である。状態1では、ソース種別「FM1」が選択されているため、ソース種別「FM1」が表示され、LEDr3が赤色に点灯している。また、状態1では、CDが挿入された状態にあるため、ソース種別「CD」,「FM2」,「AM」が選択可能と判断されて表示され、LEDg1,4,5が緑色に点灯している。このとき、MDが挿入されていない状態にあるため、ソース種別「MD」は消灯している。
【0113】
なお、図面中では、説明の便宜上、赤色に点灯しているものを太字の書体で、緑色に点灯しているものを白抜きの書体で、消灯しているものを白抜きかつ破線の輪郭線の書体で表している。図8以外の図面においても同様に表現する。
【0114】
状態1において、回転操作部11fに対して、反時計回り方向に、所定の回転角度分の操作量が検出されると、「FM1」から反時計回り方向に隣接する選択可能なソース種別「CD」が選択される。この場合、反時計回り方向への回転操作が検出されても、消灯中のソース種別「MD」は選択不可であるため、選択されることはない。
【0115】
なお、この場合において、仮に、時計回り方向に所定の回転角度分の操作量が検出されたとすると、ソース種別「FM2」が選択され、さらに継続して同一方向に所定の回転角度分の操作量が検出されると、「FM2」の選択が解除されソース種別「AM」が選択される。
【0116】
このように、MPU62は、ソース選択UI部11により表示されているソース種別のうちの1つをロータリエンコーダENCにより検出される回転操作に応じて選択する。その際、ロータリエンコーダENCにより検出された回転操作量が、ソース種別の配列の最初または最後に位置するソース種別を選択するための回転操作量を超えた場合、MPU62は、回転操作方向に応じて、ソース種別の配列の最初または最後に位置するソース種別を選択する。つまり、この実施の形態1では、図8の状態1においては、反時計回りに回転操作部11fを一定角度以上回転させると、ソース種別の表示配列の一方の端部にあるソース種別「CD」が常に選択される。また、時計回りに回転操作部11fを一定角度以上回転させると、他方の端部にあるソース種別「AM」が常に選択される。なお、仮に、状態1において「CD」が表示されておらず、「FM1」、「FM2」および「AM」が表示されている場合、現在選択中の「FM1」が端部になるため、反時計回りに回転操作部11fを何度回転させても、「FM1」が継続して選択される。
【0117】
そして、状態1において上述のCD選択操作が発生すると、ソース選択UI部11および状態記憶部63は状態2へ移行する。
【0118】
状態2では、状態記憶部63における先頭のソース種別情報は「CD」となり、その次のソース種別情報が、状態1で選択されていた「FM1」のものとなる。また、状態2では、ソース種別「CD」が選択されているため、ソース種別「CD」が表示され、LEDr1が赤色に点灯している。また、状態2では、ソース種別「FM1」,「FM2」,「AM」が選択可能と判断され、LEDg3,4,5が緑色に点灯している。このとき、MDが挿入されていない状態にあるため、ソース種別「MD」は消灯している。
【0119】
状態2において、CDがイジェクトされると、ソース選択UI部11および状態記憶部63は状態3へ移行する。
【0120】
状態3では、CDイジェクトによりソース種別「CD」は選択不可となり、「CD」のソース種別情報は状態記憶部63から削除され、状態記憶部63における先頭のソース種別情報は「FM1」となる。そして、そのソース種別「FM1」が選択される。したがって、状態3では、ソース種別「FM1」が選択されているため、ソース種別「FM1」が表示され、LEDr3が赤色に点灯している。また、状態3では、ソース種別「FM2」,「AM」が選択可能と判断され、LEDg4,5が緑色に点灯しているが、このとき、MDおよびCDはいずれも挿入されていない状態にあるため、ソース種別「CD」,「MD」は消灯している。
【0121】
他方、状態2においてパワーオフ操作が発生すると、ソース選択UI部11および状態記憶部63は状態4へ移行する。状態4はスタンバイ状態であるため、状態記憶部63の先頭のソース種別情報に対応するソース種別「CD」が緑色に表示され、その他のソース種別は表示されない。
【0122】
そして、状態4において、パワーオン操作が検出されると、ソース選択UI部11および状態記憶部63は状態5へ移行する。状態5は、パワーオン状態であって、状態記憶部63における先頭のソース種別情報に対応する「CD」、つまり、スタンバイ状態で緑色に表示されていた「CD」が自動的に選択される。状態5では、そのソース種別「CD」が赤色に表示され、選択可能な「FM1」,「FM2」,「AM」が緑色に表示される。このとき、MDが挿入されていないため、「MD」は表示されない。
【0123】
他方、状態4において、CDのイジェクトが検出されると、ソース選択UI部11および状態記憶部63は状態6へ移行する。CDイジェクトにより、状態記憶部63における「CD」のソース種別情報は削除され、「FM1」のソース種別情報が先頭となる。状態6はスタンバイ状態であるため、状態記憶部63の先頭のソース種別情報に対応するソース種別「FM1」が緑色に表示され、その他のソース種別は表示されない。
【0124】
以上のように、上記実施の形態1によれば、表示手段としてのソース選択UI部11は、1または複数のソース装置による複数のソース種別をそれぞれ表示する。また、状態移行手段としてのMPU62は、オーディオ装置1の動作状態をスタンバイ状態とパワーオン状態との間で移行させる。また、記憶手段としての状態記憶部63は、パワーオン状態で選択されたソース種別を示すソース種別情報を記憶する。そして、ソース種別選択手段としてのMPU62は、スタンバイ状態で、ソース選択UI部11を制御して、複数のソース種別のうち、状態記憶部63に記憶されているソース種別情報が示すソース種別を表示させる。また、ソース種別選択手段としてのMPU62は、複数のソース種別のうちの1つのソース種別を選択し、動作状態がスタンバイ状態からパワーオン状態へ移行したときには、状態記憶部63に記憶されているソース種別情報が示すソース種別を選択する。特に、MPU62は、スタンバイ状態で、複数のソース種別のうち、状態記憶部63に記憶されているソース種別情報が示すソース種別を、残りのオーディオ信号出力装置のソース種別とは区別して表示させる。
【0125】
これにより、パワーオン移行時に最初に選択されるソース種別を、スタンバイ状態において簡単に確認することができる。
【0126】
また、上記実施の形態1によれば、状態記憶部63は、メディア再生装置のソース種別を示すソース種別情報およびそのソース種別の1つ前に選択されていたソース種別を示すソース種別情報を記憶する。また、MPU62は、スタンバイ状態において、メディア再生装置のソース種別が表示されている場合に記録媒体のイジェクトを検出すると、状態記憶部63におけるソース種別情報を参照し、ソース選択UI部11を制御して、そのメディア再生装置のソース種別の表示を止め、そのメディア再生装置のソース種別の1つ前に選択されていたソース種別を表示させる。
【0127】
これにより、パワーオン移行時に最初に選択されるソース種別が記録媒体のイジェクトにより選択できなくなった場合でも、代替のソース種別を、スタンバイ状態において簡単に確認することができる。
【0128】
また、上記実施の形態1によれば、MPU62は、スタンバイ状態において記録媒体のイジェクトを検出したメディア再生装置のソース種別情報が状態記憶部63に記憶されている場合、スタンバイ状態からパワーオン状態への移行のときに、状態記憶部63に記憶されているソース種別情報に基づき、そのメディア再生装置のソース種別の1つ前に選択されていたソース種別を選択する。
【0129】
これにより、パワーオン移行時に最初に選択されるソース種別が記録媒体のイジェクトにより選択できなくなった場合でも、代替のソース種別が自動的に選択され、その代替のソース種別を、スタンバイ状態において簡単に確認することができる。
【0130】
また、上記実施の形態1によれば、MPU62は、パワーオン状態では、複数のオーディオ信号出力装置のソース種別についてオーディオ信号を出力可能か否かを特定し、ソース選択UI部11を制御して、オーディオ信号を出力可能なソース種別のうち、選択中のソース種別を第1の態様(ここでは赤色点灯)で、残りのソース種別を上記第1の態様とは異なる第2の態様(ここでは緑色点灯)で表示させ、またオーディオ信号を出力可能ではないソース種別を表示させない。
【0131】
これにより、現在選択中のソース種別以外のソース種別をユーザが選択しようとしたとき、その選択肢を簡単に確認することができる。
【0132】
また、上記実施の形態1によれば、第1の操作検出手段としてのプッシュスイッチSWは、回転自在で、かつ押下可能な回転操作部11fに対する押下操作を検出し、第2の操作検出手段としてのロータリエンコーダENCは、回転操作部11fに対する回転操作を検出する。そして、MPU62は、プッシュスイッチSWにより回転操作部11fに対する押下操作が検出されると、オーディオ装置1の動作状態をスタンバイ状態とパワーオン状態との間で交互に移行させる。また、ソース選択UI部11のソース種別表示部は、回転操作部11fの周囲に周方向に沿って配され、点灯と消灯の状態を有し各ソース種別について点灯によりソース種別を表示する。そして、MPU62は、パワーオン状態において、ロータリエンコーダENCにより検出される回転操作に応じて、オーディオ信号を出力可能なソース種別のうちの1つを選択する。
【0133】
これにより、パワーオン状態・スタンバイ状態の切替、およびソース種別の選択に係る操作部と各動作状態でのソース種別の表示とが、ソース選択UI部11一箇所に集約され、各状態でのソース種別の表示の意味をユーザが理解し易くなる。
【0134】
また、上記実施の形態1によれば、ソース選択UI部11のソース種別表示部は、放送受信装置により受信可能な同一変調方式の複数の放送局が複数のグループへプリセットされる場合において、放送受信装置についてプリセットされた複数のグループのそれぞれを1つのソース種別として、複数のソース種別を配列して表示する。特に、この実施の形態1では、ソース選択UI部11は、FM放送およびAM放送を受信する放送受信装置についての、所定の数のFM局がプリセットされた第1FM局グループ、所定の数の別のFM局がプリセットされた第2FM局グループ、および所定の数のAM局がプリセットされたAM局グループをそれぞれソース種別として配列し同時に表示する。
【0135】
これにより、選局までのユーザの操作回数が減り、多数の放送局から所望の局をユーザが簡単に選局することができる。
【0136】
また、上記実施の形態1によれば、回転操作検出手段としてのロータリエンコーダENCは、複数回の回転が連続して可能な回転操作部11fに対する回転操作を検出する。ソース選択UI部11のソース種別表示部は、1または複数のソース装置による複数のソース種別を回転操作部11fの周囲に周方向に沿って配列して表示する。そして、MPU62は、ソース種別表示部により表示されているソース種別のうちの1つを、ロータリエンコーダENCにより検出される回転操作に応じて選択し、ロータリエンコーダENCにより検出された回転操作量が、ソース種別の配列の最初または最後に位置するソース種別を選択するための回転操作量を超えた場合、その回転操作方向に応じて、ソース種別の配列の最初または最後に位置するソース種別を選択する。
【0137】
これにより、ソース種別の配列における一方の端部の選択肢を超えて他方の端部の選択肢へ直接移行することがないため、連続して回転可能な汎用の操作部を使用する場合でも、端部の選択肢を選択する操作を簡単に行うことができる。
【0138】
また、上記実施の形態1によれば、判定手段としてのMPU62は、各ソース装置が各ソース種別のソース信号を出力可能であるか否かを判定し、ソース選択UI部11のソース種別表示部は、その判定に基づいて、ソース信号を出力可能であるソース種別のみを、回転操作部11fの周囲に周方向に沿って表示する。
【0139】
これにより、ソース種別の配列の最初または最後に位置するソース種別が変更される場合でも、それに応じて、回転操作量が超過すると、最初または最後に位置するソース種別が常に選択されるため、端部の選択肢を選択する操作を簡単に行うことができる。
【0140】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係るオーディオ装置は、実施の形態1の構成に加え、交通情報聴取時にソース選択UI部11の表示方式を切り替えるようにしたものである。この実施の形態2では、交通情報はソース種別の1つとはされない。なお、実施の形態2に係るオーディオ装置の構成は、実施の形態1のものと同様であるが、MPU62による制御が実施の形態1から変更される。
【0141】
次に、実施の形態2における交通情報聴取時のオーディオ装置の動作について説明する。図9は、実施の形態2において、交通情報聴取時の、MPU62による発光ダイオードLEDri,LEDgi(i=1,・・・,5)の制御パターンを示す図である。図9(A)はパワーオン状態での、図9(B)はスタンバイ状態での制御パターンをそれぞれ示す。
【0142】
パワーオン状態においては、MPU62は、いずれかのソース種別が選択されている場合に、チューニング操作部16に対する押下操作を検出すると、ソースセレクタ54に、ラジオ放送受信部53からの入力を選択させ、また、ソース制御部61に対して交通情報聴取開始の指令を供給する。
【0143】
ソース制御部61は、その指令に基づいて、ラジオ放送受信部53を制御して、変調方式および受信周波数を、交通情報放送局の所定の変調方式および周波数に設定させ、オーディオ信号を出力させる。
【0144】
これにより、交通情報のオーディオ信号がスピーカ等へ出力される。
【0145】
その後、MPU62は、チューニング操作部16に対する押下操作を検出すると、状態記憶部63における先頭のソース種別情報を読み出し、そのソース種別情報が示すソース種別を特定し、ソースセレクタ54に、そのソース種別のオーディオ信号出力装置からの入力を選択させる。
【0146】
これにより、交通情報聴取終了後は、自動的に、交通情報聴取直前のソース種別が選択され、そのソース種別のオーディオ信号がスピーカ等に出力される。
【0147】
この一連の処理において、交通情報聴取開始時のチューニング操作部16に対する押下操作を検出すると、MPU62は、ソース選択UI部11の表示方式を変更し、交通情報聴取開始直前のソース種別(つまり、状態記憶部63における先頭のソース種別情報が示すソース種別)を別の態様で表示する。なお、交通情報聴取開始直前のソース種別は、交通情報聴取終了後のソース種別である。
【0148】
この実施の形態2では、図9(A)に示すように、MPU62は、そのソース種別に対応する赤色および緑色の両方の発光ダイオードLEDri,giを発光させ、そのソース種別を橙色に表示させる。なお、その他のソース種別は、通常表示されないが、CDまたはMDがイジェクトされる間、その記録媒体に対応するソース種別が、緑色点滅で表示される。
【0149】
一方、スタンバイ状態においてチューニング操作部16に対する押下操作を検出すると、MPU62は、ソースセレクタ54にラジオ放送受信部53からの入力を選択させ、また、ソース制御部61に対して交通情報聴取開始の指令を供給する。ソース制御部61は、その指令に基づいて、ラジオ放送受信部53を制御して交通情報のオーディオ信号を出力させる。
【0150】
これにより、交通情報のオーディオ信号がスピーカ等へ出力される。
【0151】
その後、MPU62は、チューニング操作部16に対する押下操作を検出すると、ソース制御部61を介して、ラジオ放送受信部53からのオーディオ信号の出力を停止させるとともに、動作状態をスタンバイ状態に移行させる。
【0152】
これにより、交通情報聴取終了後は、自動的に、交通情報聴取直前の状態であるスタンバイ状態に戻る。
【0153】
この一連の処理において、交通情報聴取開始時のチューニング操作部16に対する押下操作を検出すると、MPU62は、ソース選択UI部11の表示方式を変更する。交通情報聴取終了後は、オーディオ装置1の動作状態がスタンバイ状態に戻るため、図9(B)に示すように、交通情報聴取終了まではすべてのソース種別は表示されない。
【0154】
ここで、交通情報聴取の開始前から終了後までの、ソース選択UI部11でのソース種別の表示変化の例を説明する。図10は、実施の形態2において、パワーオン状態で交通情報聴取が発生した場合の、交通情報の開始前から終了後までの、ソース選択UI部11でのソース種別の表示変化の例を示す図である。図11は、実施の形態2において、スタンバイ状態で交通情報聴取が発生した場合の、交通情報の開始前から終了後までの、ソース選択UI部11でのソース種別の表示変化の例を示す図である。
【0155】
図10において、状態2では、ソース種別「CD」が選択されており、赤色に表示され、選択可能な「FM1」,「FM2」,「AM」が緑色に表示され、選択不可な「MD」は表示されない。
【0156】
状態2において、MPU62は、上述の交通情報聴取開始操作を検出すると、表示方式を変更して、表示状態を状態7に移行させる。状態7では、MPU62は、状態2において選択されていた「CD」を橙色に表示させ、その他のソース種別の表示を停止させる。なお、図10においては、図面の制約上、橙色のソース種別についても、赤色のソース種別と同様に、太字の文字列で表現する(その他の図面でも同様とする)。
【0157】
その後、状態7において、MPU62は、上述の交通情報聴取終了操作を検出すると、表示方式を変更して、表示状態を状態2に移行させる。状態2は、交通情報聴取開始前の状態である。
【0158】
他方、状態7において、交通情報聴取中にCDがイジェクトされた場合、MPU62は、ソース選択UI部11の表示状態を状態8に移行させる。つまり、MPU62は、CDのイジェクトに対応して、状態記憶部63における「CD」のソース種別情報を削除し、その後に先頭に位置するソース種別情報が示す「FM1」を選択し、交通情報聴取中、「FM1」を橙色に表示させる。
【0159】
その後、状態8において、MPU62は、上述の交通情報聴取終了操作を検出すると、表示方式を変更して、表示状態を状態9に移行させる。状態9では、MPU62は、状態記憶部63におけるソース種別情報が示す「FM1」を自動的に選択し、「FM1」からのオーディオ信号を出力させるとともに、その「FM1」を赤色で表示させる。また、選択可能な「FM2」および「AM」は緑色で表示される。
【0160】
一方、図11においては、スタンバイ状態の状態4では、状態記憶部63における先頭のソース種別情報が「CD」のものであり、「CD」が緑色で表示されており、その他のソース種別は表示されていない。
【0161】
状態4において、MPU62は、上述の交通情報聴取開始操作を検出すると、表示方式を変更して、表示状態を状態10に移行させる。状態10では、すべてのソース種別の表示を停止させる。
【0162】
その後、状態10において、MPU62は、上述の交通情報聴取終了操作を検出すると、表示方式を変更して、表示状態を状態4に移行させる。状態4は、交通情報聴取開始前の状態である。
【0163】
他方、状態10において、交通情報聴取中にCDがイジェクトされた場合、MPU62は、ソース選択UI部11の表示状態を状態11に移行させる。つまり、MPU62は、CDのイジェクトに対応して、状態記憶部63における「CD」のソース種別情報を削除する。
【0164】
その後、状態11において、MPU62は、上述の交通情報聴取終了操作を検出すると、表示方式を変更して、表示状態を状態12に移行させる。状態12では、MPU62は、状態記憶部63における先頭に位置するソース種別情報が示す「FM1」を選択し、スタンバイ状態中、「FM1」を緑色に表示させる。
【0165】
なお、実施の形態2に係るオーディオ装置のその他の動作については、実施の形態1の場合と同様であるので、その説明を省略する。
【0166】
以上のように、上記実施の形態2によれば、表示手段としてのソース選択UI部11は、放送受信装置を含む1または複数のオーディオ信号出力装置による複数のソース種別をそれぞれ表示する。また、ソース種別選択手段としてのMPU62は、複数のソース種別のうちのいずれか1つのソース種別を選択する。記憶手段としての状態記憶部63は、MPU62により選択されたソース種別を示すソース種別情報を記憶する。特定目的操作部としての回転操作部11fは、交通情報といった特定目的の内容を有する放送の聴取の開始と終了のときに操作される。なお、このような放送の放送局の変調方式および放送周波数の情報は、ラジオ放送受信部53またはソース制御部61に予め記憶されている。
【0167】
そして、ソース種別表示制御手段としてのMPU62は、回転操作部11fに対する聴取開始操作を検出すると、ソース選択UI部11を制御して、聴取開始操作検出時に状態記憶部63に記憶されているソース種別情報が示すソース種別を聴取開始操作検出前とは別の態様で表示させ、その後、回転操作部11fに対する聴取終了操作が検出されると、聴取開始操作検出時に状態記憶部63に記憶されているソース種別情報が示すソース種別を聴取開始操作検出前と同一態様で表示させる。
【0168】
これにより、交通情報といった特定目的の内容を有する放送(例えば路側帯放送)の聴取終了後に復帰するソース種別を、その放送の聴取中にユーザが確認することができる。
【0169】
また、上記実施の形態2によれば、状態記憶部63は、パワーオン状態で選択されたソース種別を示すソース種別情報を記憶し、MPU62は、パワーオン状態において聴取開始操作が検出されると、聴取開始操作検出時に状態記憶部63に記憶されているソース種別情報が示すソース種別を聴取開始操作検出前とは別の態様で表示させ、その後、聴取終了操作が検出されると、聴取開始操作検出時に状態記憶部63に記憶されているソース種別情報が示すソース種別を聴取開始操作検出前と同一態様で表示させる。一方、スタンバイ状態において聴取開始操作が検出されると、MPU62は、聴取終了操作が検出されるまで、すべてのソース種別の表示を停止する。
【0170】
これにより、交通情報といった特定目的の内容を有する放送(例えば路側帯放送)の聴取開始前がパワーオン状態である場合には、パワーオン状態で選択されていたソース種別が表示され、聴取開始前がスタンバイ状態である場合には、いずれのソース種別も表示されない、したがって、聴取開始前がスタンバイ状態である場合には、聴取終了後にスタンバイ状態、つまり無音状態に戻ることを、ユーザが確認することができる。
【0171】
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係るオーディオ装置は、実施の形態1または2の構成に加え、放送局のオートシーク動作時にソース選択UI部11の表示方式を切り替えるようにしたものである。なお、実施の形態3に係るオーディオ装置の構成は、実施の形態1または2のものと同様であるが、MPU62による制御が実施の形態1または2から変更される。
【0172】
なお、オートシーク動作とは、ラジオ放送のソース種別「FM1」,「FM2」,「AM」のいずれかが選択されているときに、所定の操作部が操作されると開始され、選択中のソース種別に対応する変調方式で、所定の周波数帯域内で順番に受信周波数を変化させていき、受信可能な局を探し、所定の電界強度以上で受信信号が得られる局を自動的にプリセットする動作である。例えば図1のように、1つのソース種別につき6個のプリセットP1〜P6が可能である場合には、FM1、FM2およびAMのそれぞれについて、6つの局がプリセットされる。その場合、「FM1」には電界強度の強い局が、「FM2」には電界強度の弱い局がプリセットされるようにしてもよい。なお、「FM1」または「FM2」の選択時にオートシーク動作を行った場合、同一変調方式である「FM1」および「FM2」の両方について、発見された局をプリセットするようにしてもよいし、選択中の「FM1」および「FM2」のいずれかについてのみ、発見された局をプリセットするようにしてもよい。また、ラジオ放送のすべてのソース種別「FM1」,「FM2」,「AM」について、発見された局をプリセットするようにしてもよい。このような機能は、別の地域を訪問した際に、その地域の局を別途プリセットする場合に便利である。
【0173】
この実施の形態3では、MPU62は、所定の操作部(図示せず)に対するオートシーク動作を実行させるための操作(オートシーク操作)を検出すると、オートシーク動作の指令をソース制御部61に供給する。ソース制御部61は、その指令に応じて、ラジオ放送受信部53を制御して、オートシーク動作を実行させる。
【0174】
オートシーク動作時には、MPU62は、ソース選択UI部11の表示方式を変更させる。MPU62は、オートシーク動作時には、オートシーク動作の対象となっているソース種別を、選択中のソース種別および選択可能なソース種別とは異なる態様で表示させる。この実施の形態3では、オートシーク動作の対象となっているソース種別は、オートシーク開始から完了までの期間、橙色で表示される。
【0175】
図12は、実施の形態3において、オートシーク動作開始前から終了後までの、ソース選択UI部11でのソース種別の表示変化の例を示す図である。
【0176】
図12において、状態13は、パワーオン状態で「FM2」が選択されている状態である。状態13においてオートシーク操作が検出されると、MPU62は、ソース選択UI部11の表示方式を変更しその表示状態を状態14に移行させ、オートシーク動作の対象となる「FM1」、「FM2」および「AM」を橙色で表示させる。このとき、状態13において選択可能な「CD」は、状態14でもそのまま緑色で表示される。
【0177】
その後、オートシーク動作が完了すると、MPU62は、ソース選択UI部11の表示状態を、状態14から元の状態13に戻す。
【0178】
一方、状態14において「CD」の選択操作を検出した場合、MPU62は、「CD」を選択して、CD再生部51からのオーディオ信号をソースセレクタ54に選択させるとともに、表示状態を状態15に移行させ、ソース選択UI部11において、「CD」を赤色に表示させ、「FM1」、「FM2」および「AM」を継続して橙色に表示させる。その後、オートシーク動作が完了すると、MPU62は、ソース選択UI部11の表示状態を状態15から状態16へ移行させ、選択中の「CD」を継続して赤色に表示させ、選択可能な「FM1」、「FM2」および「AM」を緑色に表示させる。
【0179】
このとき、状態14において「CD」の選択操作を検出した場合に、オートシーク動作を終了して状態14から状態16に直接移行するようにしてもよい。
【0180】
なお、実施の形態3に係るオーディオ装置のその他の動作については、実施の形態1または2の場合と同様であるので、その説明を省略する。
【0181】
以上のように、上記実施の形態3によれば、ソース種別表示制御手段として機能するMPU62は、複数のオーディオ信号出力装置のうちの放送受信装置のオートシーク動作時には、表示手段としてのソース選択UI部11を制御して、オートシークの対象となるソース種別を、パワーオン状態でのソース種別の表示態様およびスタンバイ状態でのソース種別の表示態様のいずれとも異なる態様(ここでは橙色)で表示させる。
【0182】
これにより、オートシークに起因してオートシークの対象になっているソース種別のオーディオ信号が出力されないことをユーザが視認することができる。ひいては、無音状態に起因して故障と誤認する可能性を低減することができる。
【0183】
実施の形態4.
本発明の実施の形態4は、上記実施の形態1〜3のいずれかを、オーディオ信号とビデオ信号を取り扱うAV装置に応用したものである。実施の形態4では、そのAV装置は、オーディオ信号およびビデオ信号、あるいはビデオ信号のみをソース信号として出力するソース装置からのソース信号を、ソース種別に基づいて切り替える。
【0184】
この実施の形態4の場合のソース種別としては、例えば、メディア再生装置としてDVD再生部によるソース種別「DVD」、テレビジョン放送受信部によるソース種別「TV」、通信装置を具備したパーソナルコンピュータによるソース種別「PC」などが可能である。この場合、例えば、ソース選択UI部11には、「DVD」、「TV」、「PC」などのソース種別が表示される。ソース種別「TV」については、「UHF」および「VHF」といったように複数のソース種別としてもよい。
【0185】
なお、実施の形態4では、ソース装置の種類が実施の形態1〜3の場合と異なるが、ソース選択装置としての構成は、上記実施の形態1〜3のいずれかと同様とすればよい。したがって、ここでは、ソース選択装置およびAV装置の説明を省略する。
【0186】
以上のように、上記実施の形態4によれば、オーディオ装置に限らず、ビデオ信号を取り扱うAV装置についても、実施の形態1〜3と同様の効果を得ることができる。
【0187】
なお、上述の各実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0188】
例えば、上記各実施の形態では、ラジオ放送受信部53によるソース種別「FM1」,「FM2」,「AM」,「TV」は、オートシーク時以外選択可能とされているが、「FM1」、「FM2」、「AM」および「TV」のそれぞれのソース種別における所定の周波数帯域を定期的にスキャンして受信可能局が1つもない場合には、選択不可とするようにしてもよい。
【0189】
また、上記各実施の形態では、UI部31と音声再生部32が同一の筐体内に設けられているが、UI部31を、音声再生部32とは別の筐体やリモートコントローラに設けるようにしてもよい。さらに、オーディオ信号出力装置をオーディオ装置1とは別体で設け、オーディオ信号出力装置からの信号をオーディオ装置1内のソース選択装置に入力するようにしてもよい。
【0190】
また、上記各実施の形態では、スタンバイ時には、パワーオン状態への移行時に選択されるソース種別が表示されその他のソース種別は表示されないが、その代わりに、スタンバイ時には、パワーオン状態への移行時に選択されるソース種別が第1の態様で表示され、その他のソース種別は、第一の態様とは異なる第二の態様で表示されるようにしてもよい。
【0191】
また、上記各実施の形態では、選択中のソース種別は赤色で、パワーオン状態で選択可能なソース種別およびパワーオン移行時に自動的に選択されるソース種別は緑色で、交通情報聴取から復帰した後のソース種別およびオートシークの対象となっているソース種別は橙色で表示されるが、これらの色は、別の色としてもよい。また、複数の表示態様を複数の色で実現する代わりに、全点灯と点滅といった発光ダイオードの複数のデューティ比、その複数のデューティ比と複数の色との組み合わせなどで実現するようにしてもよい。
【0192】
また、上記各実施の形態では、「FM1」、[FM2」および「AM」が選択された場合、前回聴取していた局を自動的に選局してその局から受信したオーディオ信号を自動的に出力させるようにしてもよい。また、「CD」および「MD」についても、リジューム機能により、前回聴取していた箇所から再生を自動的に開始するようにしてもよい。
【0193】
また、上記各実施の形態では、状態記憶部63内のデータ構造は、上述のようにソース種別情報を順番に配列する構造としているが、データ構造はこれに限らず、他の構造でもよい。例えば、各ソース種別について、選択中か否かの状態、および選択可能か否かの状態をフラグの値としてそれぞれ管理し、ソース種別の選択順を記憶するようにしてもよい。その場合、選択順の値としては、例えば、現在選択されているソース種別についての値を1とし、1つ前に選択されていたものについての値を2とし、n個前に選択されていたものについての値を(n+1)とする。この場合では、スタンバイ状態では、選択可能なソース種別のうち、選択順が最も新しいものを選択し表示すればよく、パワーオン状態では、フラグの値に基づいて、選択中のソース種別および選択可能なソース種別を表示すればよい。
【0194】
また、上記各実施の形態では、FM放送についてのソース種別として「FM1」および「FM2」の2つが設けられているが、同一の変調方式の放送について3つ以上のソース種別を設けるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0195】
本発明は、例えば、車載オーディオ装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0196】
【図1】本発明の実施の形態1に係るソース選択装置を内蔵したオーディオ装置を示す正面図である。
【図2】図1のオーディオ装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図1におけるソース選択UI部の詳細を示す正面図である。
【図4】図1におけるソース選択UI部の詳細を示す斜視図である。
【図5】図1におけるソース選択UI部およびその駆動回路の電気的構成の詳細を示す回路図である。
【図6】実施の形態1に係るソース選択装置を内蔵したオーディオ装置の動作を説明するフローチャートである。
【図7】実施の形態1におけるMPUによる発光ダイオードの制御パターンを示す図である。
【図8】実施の形態1におけるソース種別切替操作および記録媒体のイジェクトに応じたソース選択UI部でのソース種別の表示変化の一例を説明する図である。
【図9】実施の形態2において、交通情報聴取時の、MPUによる発光ダイオードの制御パターンを示す図である。
【図10】実施の形態2において、パワーオン状態で交通情報聴取が発生した場合の、交通情報の開始前から終了後までの、ソース選択UI部でのソース種別の表示変化の例を示す図である。
【図11】実施の形態2において、スタンバイ状態で交通情報聴取が発生した場合の、交通情報の開始前から終了後までの、ソース選択UI部でのソース種別の表示変化の例を示す図である。
【図12】実施の形態3において、オートシーク動作開始前から終了後までの、ソース選択UI部でのソース種別の表示変化の例を示す図である。
【符号の説明】
【0197】
1 オーディオ装置
11 ソース選択UI部(表示手段、ソース種別表示部、操作部)
11f 回転操作部(操作部)
16 チューニング操作部(特定目的操作部)
31 ユーザインタフェース部(ソース選択装置の一部)
33 制御部(ソース選択装置の一部)
51 CD再生部(ソース装置、オーディオ信号出力装置、メディア再生装置)
52 MD再生部(ソース装置、オーディオ信号出力装置、メディア再生装置)
53 ラジオ放送受信部(オーディオ信号出力装置、ソース装置、放送受信装置)
62 MPU(状態移行手段、ソース種別表示制御手段、ソース種別選択手段、判定手段)
63 状態記憶部(記憶手段)
ENC ロータリエンコーダ(第2の操作検出手段、回転操作検出手段)
SW プッシュスイッチ(第1の操作検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数のソース装置による複数のソース種別をそれぞれ表示する表示手段と、
当該ソース選択装置または当該ソース選択装置を内蔵する装置の動作状態をスタンバイ状態とパワーオン状態との間で移行させる状態移行手段と、
パワーオン状態で選択されたソース種別を示すソース種別情報を記憶する記憶手段と、
スタンバイ状態で、上記表示手段を制御して、上記複数のソース種別のうち、上記記憶手段に記憶されているソース種別情報が示すソース種別を表示させるソース種別表示制御手段と、
上記複数のソース種別のうちの1つのソース種別を選択し、上記動作状態がスタンバイ状態からパワーオン状態へ移行したときには、上記記憶手段に記憶されているソース種別情報が示すソース種別を選択するソース種別選択手段と、
を備えることを特徴とするソース選択装置。
【請求項2】
1または複数のオーディオ信号出力装置による複数のソース種別をそれぞれ表示する表示手段と、
当該ソース選択装置または当該ソース選択装置を内蔵するオーディオ装置の動作状態をスタンバイ状態とパワーオン状態との間で移行させる状態移行手段と、
パワーオン状態で選択されたソース種別を示すソース種別情報を記憶する記憶手段と、
スタンバイ状態で、上記表示手段を制御して、上記複数のソース種別のうち、上記記憶手段に記憶されているソース種別情報が示すソース種別を、残りのオーディオ信号出力装置のソース種別とは区別して表示させるソース種別表示制御手段と、
上記複数のソース種別のうちの1つのソース種別を選択し、上記動作状態がスタンバイ状態からパワーオン状態へ移行したときには、上記記憶手段に記憶されているソース種別情報が示すソース種別を選択するソース種別選択手段と、
を備えることを特徴とするソース選択装置。
【請求項3】
前記複数のオーディオ信号出力装置のうちの1または複数は、記録媒体を挿抜可能であってその記録媒体に格納されたオーディオデータを読み取りそのオーディオデータからオーディオ信号を再生し出力するメディア再生装置であり、
前記記憶手段は、上記メディア再生装置のソース種別を示すソース種別情報およびそのソース種別の1つ前に選択されていたソース種別を示すソース種別情報を記憶し、
前記ソース種別表示制御手段は、スタンバイ状態において、上記メディア再生装置のソース種別が表示されている場合に記録媒体のイジェクトを検出すると、前記記憶手段におけるソース種別情報を参照し、前記表示手段を制御して、そのメディア再生装置のソース種別の表示を止め、そのメディア再生装置のソース種別の1つ前に選択されていたソース種別を表示させること、
を特徴とする請求項2記載のソース選択装置。
【請求項4】
前記ソース種別選択手段は、スタンバイ状態において記録媒体のイジェクトを検出した前記メディア再生装置のソース種別情報が前記記憶手段に記憶されている場合、前記状態移行手段によるスタンバイ状態からパワーオン状態への移行のときに、前記記憶手段に記憶されているソース種別情報に基づき、そのメディア再生装置のソース種別の1つ前に選択されていたソース種別を選択することを特徴とする請求項3記載のソース選択装置。
【請求項5】
前記ソース種別表示制御手段は、パワーオン状態では、前記複数のオーディオ信号出力装置のソース種別についてオーディオ信号を出力可能か否かを特定し、前記表示手段を制御して、オーディオ信号を出力可能なソース種別のうち、前記ソース種別選択手段により選択されているソース種別を第1の態様で、残りのソース種別を上記第1の態様とは異なる第2の態様で表示させ、またオーディオ信号を出力可能ではないソース種別を表示させないこと、
を特徴とする請求項2記載のソース選択装置。
【請求項6】
回転自在で、かつ押下可能な操作部と、
上記操作部に対する押下操作を検出する第1の操作検出手段と、
上記操作部に対する回転操作を検出する第2の操作検出手段とを備え、
前記状態移行手段は、上記第1の操作検出手段により上記操作部に対する押下操作が検出されると、当該ソース選択装置または前記オーディオ装置の動作状態をスタンバイ状態とパワーオン状態との間で交互に移行させ、
前記表示手段は、上記操作部の周囲に周方向に沿って配され、点灯と消灯の状態を有し各ソース種別について点灯によりソース種別を表示し、
前記ソース種別選択手段は、パワーオン状態において、上記第2の操作検出手段により検出される回転操作に応じて、オーディオ信号を出力可能なソース種別のうちの1つを選択すること、
を特徴とする請求項2記載のソース選択装置。
【請求項7】
前記複数のオーディオ信号出力装置は、FMラジオ放送および/またはAMラジオ放送の放送受信装置、並びにコンパクトディスクまたはミニディスク(登録商標)を記録媒体とするメディア再生装置を含むことを特徴とする請求項2記載のソース選択装置。
【請求項8】
前記ソース種別表示制御手段は、前記複数のオーディオ信号出力装置のうちの放送受信装置のオートシーク動作時には、前記表示手段を制御して、オートシークの対象となるソース種別を、パワーオン状態でのソース種別の表示態様およびスタンバイ状態でのソース種別の表示態様のいずれとも異なる態様で表示させることを特徴とする請求項2記載のソース選択装置。
【請求項9】
放送受信装置を含む1または複数のオーディオ信号出力装置による複数のソース種別をそれぞれ表示する表示手段と、
上記複数のソース種別のうちのいずれか1つのソース種別を選択するソース種別選択手段と、
上記ソース種別選択手段により選択されたソース種別を示すソース種別情報を記憶する記憶手段と、
特定目的の内容を有する放送の聴取の開始と終了のときに操作される特定目的操作部と、
上記特定目的操作部に対する聴取開始操作を検出すると、上記表示手段を制御して、聴取開始操作検出時に上記記憶手段に記憶されているソース種別情報が示すソース種別を聴取開始操作検出前とは別の態様で表示させ、その後、上記特定目的操作部に対する聴取終了操作が検出されると、上記表示手段を制御して、聴取開始操作検出時に上記記憶手段に記憶されているソース種別情報が示すソース種別を聴取開始操作検出前と同一態様で表示させるソース種別表示制御手段と、
を備えることを特徴とするソース選択装置。
【請求項10】
当該ソース選択装置または当該ソース選択装置を内蔵する装置の動作状態をスタンバイ状態とパワーオン状態との間で移行させる状態移行手段を備え、
前記記憶手段は、パワーオン状態で選択されたソース種別を示すソース種別情報を記憶し、
前記ソース種別表示制御手段は、パワーオン状態において前記聴取開始操作が検出されると、聴取開始操作検出時に前記記憶手段に記憶されているソース種別情報が示すソース種別を聴取開始操作検出前とは別の態様で表示させ、その後、聴取終了操作が検出されると、聴取開始操作検出時に前記記憶手段に記憶されているソース種別情報が示すソース種別を聴取開始操作検出前と同一態様で表示させ、また、スタンバイ状態において前記聴取開始操作が検出されると、前記聴取終了操作が検出されるまで、すべてのソース種別の表示を停止すること、
を特徴とする請求項9記載のソース選択装置。
【請求項11】
前記複数のオーディオ信号出力装置のうちの放送受信装置は、特定目的の内容を有する放送として、所定の変調方式かつ所定の周波数で伝播される交通情報放送を受信可能であることを特徴とする請求項9記載のソース選択装置。
【請求項12】
放送受信装置により受信可能な同一変調方式の複数の放送局が複数のグループへプリセットされる場合において、上記放送受信装置についてプリセットされた複数のグループのそれぞれを1つのソース種別として、複数の上記ソース種別を配列して表示するソース種別表示部と、
上記ソース種別表示部に列挙されている複数のソース種別のうちの1つを選択するソース種別選択手段と、
を備えることを特徴とするソース選択装置。
【請求項13】
前記ソース種別表示部は、FM放送およびAM放送を受信する放送受信装置についての、所定の数のFM局がプリセットされた第1FM局グループ、所定の数の別のFM局がプリセットされた第2FM局グループ、および所定の数のAM局がプリセットされたAM局グループをそれぞれソース種別として配列し同時に表示することを特徴とする請求項12記載のソース選択装置。
【請求項14】
複数回の回転が連続して可能な操作部と、
上記操作部に対する回転操作を検出する回転操作検出手段と、
1または複数のソース装置による複数のソース種別を上記操作部の周囲に周方向に沿って配列して表示するソース種別表示部と、
上記ソース種別表示部により表示されているソース種別のうちの1つを上記回転操作検出手段により検出される回転操作に応じて選択し、上記回転操作検出手段により検出された回転操作量が、ソース種別の配列の最初または最後に位置するソース種別を選択するための回転操作量を超えた場合、その回転操作方向に応じてソース種別の配列の最初または最後に位置するソース種別を選択するソース種別選択手段と、
を備えることを特徴とするソース選択装置。
【請求項15】
各ソース装置が各ソース種別のソース信号を出力可能であるか否かを判定する判定手段を備え、
前記ソース種別表示部は、上記判定手段による判定に基づいて、ソース信号を出力可能であるソース種別のみを前記操作部の周囲に周方向に沿って表示すること、
を特徴とする請求項14記載のソース選択装置。
【請求項16】
前記回転操作検出手段は、前記操作部に機械的に接続されたロータリエンコーダを有することを特徴とする請求項14または請求項15記載のソース選択装置。
【請求項17】
1または複数のソース装置による複数のソース種別のうち、パワーオン状態で選択されているソース種別を示すソース種別情報をソース選択装置の所定の記憶手段に記憶するステップと、
上記ソース選択装置または上記ソース選択装置を内蔵する装置の動作状態をパワーオン状態からスタンバイ状態へ移行させるステップと、
スタンバイ状態で、上記複数のソース種別のうち、上記所定の記憶手段に記憶されているソース種別情報が示すソース種別を、所定の表示手段に表示させるステップと、
上記ソース選択装置または上記ソース選択装置を内蔵する装置の動作状態をスタンバイ状態からパワーオン状態へ移行させるステップと、
スタンバイ状態からパワーオン状態への動作状態の移行に応じて、上記複数のソース種別のうちの、上記所定の記憶手段に記憶されているソース種別情報が示すソース種別を選択するステップと、
を備えることを特徴とするソース選択方法。
【請求項18】
放送受信装置を含む1または複数のオーディオ信号出力装置による複数のソース種別から選択されたソース種別を示すソース種別情報を所定の記憶手段に記憶するステップと、
特定目的の内容を有する放送の聴取の開始と終了のときに操作される特定目的操作部に対する聴取開始操作を検出するステップと、
上記特定目的操作部に対する聴取開始操作を検出すると、聴取開始操作検出時に上記所定の記憶手段に記憶されているソース種別情報が示すソース種別を聴取開始操作検出前とは別の態様で所定の表示手段に表示させるステップと、
上記特定目的操作部に対する聴取終了操作を検出するステップと、
上記特定目的操作部に対する聴取終了操作が検出されると、聴取開始操作検出時に上記記憶手段に記憶されているソース種別情報が示すソース種別を聴取開始操作検出前と同一態様で所定の表示手段に表示させるステップと、
を備えることを特徴とするソース選択方法。
【請求項19】
放送受信装置により受信可能な同一変調方式の複数の放送局が複数のグループへプリセットされる場合において、上記放送受信装置についてプリセットされた複数のグループのそれぞれを1つのソース種別として、複数の上記ソース種別を配列して表示するステップと、
表示されている上記複数のソース種別のうちの1つを選択するステップと、
を備えることを特徴とするソース選択方法。
【請求項20】
複数回の回転が連続して可能な操作部に対する回転操作を検出するステップと、
1または複数のソース装置による複数のソース種別を上記操作部の周囲に周方向に沿って配列して表示するステップと、
表示されている上記ソース種別のうちの1つを、検出した上記回転操作に応じて選択し、検出した上記回転操作量が、ソース種別の配列の最初または最後に位置するソース種別を選択するための回転操作量を超えた場合、その回転操作方向に応じてソース種別の配列の最初または最後に位置するソース種別を選択するステップと、
を備えることを特徴とするソース選択方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−318587(P2006−318587A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−141413(P2005−141413)
【出願日】平成17年5月13日(2005.5.13)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【出願人】(390005430)株式会社ホンダアクセス (205)
【Fターム(参考)】