説明

ソーラーコントロール及びその他の使用のための赤外線反射フィルム

可視光線透過性可撓性支持体と、第一の核形成酸化物シード層と、第一の金属層と、有機スペーサ層と、第二の核形成酸化物シード層と、第二の金属層と、ポリマー保護層と、を含むソーラーコントロールフィルムである。金属層及びスペーサ層の厚さは、フィルムが可視光線透過性であり、赤外線反射性であるような厚さである。フィルムは、高い可視光線透過率、高い反射エネルギー、及び低い総太陽熱透過率を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は2007年12月28日に出願された米国特許仮出願第61/017477号の出願日の利益を主張し、その開示内容を参照することによって本明細書に援用する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、ソーラーコントロールフィルム、及び乗り物のグレージングなどのグレージングに関連する。
【背景技術】
【0003】
ソーラーコントロールフィルムは、太陽熱利得、室内温度及びエアコン負荷を減少させるために自動車用窓ガラス及び他の乗り物のグレージングに使用される。市販のソーラーコントロールフィルムには、サウスウォール社(Southwall Corporation)製のXIR(商標)−70、XIR−75、V−KOOL(商標)及びHuper Optik(商標)フィルム、ベカート・スペシャルティ・フィルム有限会社(Bekaert Specialty Films, LLC)製のULTRA PERFORMANCE(商標)75フィルム、積水化学株式会社製のS−LEC(商標)サウンド及びソーラーフィルム、並びにCPフィルム社(CPFilms, Inc.)製の様々なフィルムが挙げられる。ソーラーコントロール機能を備えるコーティングされたガラス製品には、PPGインダストリーズ社(PPG Industries, Inc.)製のSUNGATE(商標)フロントガラス、及びAFGインダストリーズ社(AFG Industries, Inc.)製のSOLARSHIELD(商標)ガラスが挙げられる。これらのフィルム及びコーティングされたガラス製品は、可視光線を透過しながら赤外線(又は他の場合では紫外線)エネルギーを拒絶又は吸収することを目的としている。残念ながら、優れた赤外線拒絶と優れた可視透過性とは逆相関にある。適用される可視光線透過性(Tvis)要件を依然として満たしながら望ましいソーラーコントロールレベルを得ることは困難であり得る。例えば、ヨーロッパ規格のECE R−43は、フロントガラスに対しては少なくとも75%、並びにサイドライト及びバックライトに対しては少なくとも70%のTvisを求めている。米国連邦自動車安全規格205(49C.F.R 571.205部)、SAE ANSI Z26.1−1996及び日本基準路上走行車用JIS安全規格第29条は自動車グレージングに対して少なくとも70%のTvisを求めている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここに、高い可視光線透過率及び優れたソーラーコントロール特性を有するソーラーコントロールフィルムの必要性が残されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、1つの態様においては、順に、少なくとも可視光線透過性可撓性支持体と、第一の核形成酸化物シード層と、第一の金属層と、有機スペーサ層と、第二の核形成酸化物シード層と、第二の金属層と、ポリマー保護層と、を備えるソーラーコントロールフィルムが提供され、その金属層及びスペーサ層の厚さは、フィルムが可視光線透過性であり、赤外線反射性であるような厚さである。
【0006】
本発明は、別の態様においては、順に、少なくとも第一のグレージング材料層と、第一の機械的エネルギー吸収層と、開示されたソーラーコントロールフィルムと、第二の機械的エネルギー吸収層と、第二のグレージング材料層と、を含む、積層されたグレージング物品が提供される。
【0007】
本発明は、別の態様においては、ソーラーコントロールフィルムを形成するための方法が提供され、その方法は、
a)可視光線透過性可撓性支持体を提供することと、
b)その支持体上に第一の核形成酸化物シード層を形成することと、
c)その第一のシード層上に第一の金属層を形成することと、
d)その第一の金属層上に有機スペーサ層を形成することと、
e)そのスペーサ層上に第二の核形成酸化物シード層を形成することと、
f)その第二のシード層上に第二の金属層を形成することと、
g)その第二の金属層上にポリマー保護層を形成することと、
を含み、
その金属層及びスペーサ層の厚さは、フィルムが可視光線透過性であり、赤外線反射性であるような厚さである。
【0008】
本発明のこれら及び他の態様は、以下の「発明を実施するための形態」から明らかになるであろう。しかしながら、上記要約は、請求された主題に関する限定として決して解釈されるべきでなく、主題は、審査手続中に補正され得る添付の特許請求の範囲によってのみ規定される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ソーラーコントロールフィルムの概略断面図。
【図2】ソーラーコントロールフィルムの概略断面図。
【図3】ソーラーコントロールフィルムを作製するための装置の略図。
【図4】積層されたグレージング物品の概略断面図。
【図5】いくつかのソーラーコントロールフィルムにおける反射エネルギー(Re)対総太陽熱透過率(TSHT)を示すグラフ。
【図6】いくつかのソーラーコントロールフィルムにおける反射エネルギー(Re)対総太陽熱透過率(TSHT)を示すグラフ。
【0010】
図面の様々な図における同様の参照記号は、同様の要素を指し示す。図中の要素は原寸に比例していない。
【発明を実施するための形態】
【0011】
「a」、「an」、及び「the」といった単語は「少なくとも1つの」と同義的に使用され、説明される要素のうちの1つ以上を意味するものとする。開示されるコーティングされた物品内の種々の要素の位置について、「の上に」「上に」「最上部の」「下層の」等のような配向に関する用語を用いることにより、水平に配置された、上方に面する支持体に対する、要素の相対位置を指す。フィルム又は物品が、その製造中又は製造後に、空間的に特定の配向を有すべきであることを意図するものではない。
【0012】
用語「複合曲率」は、表面又は物品に対して用いるとき、表面又は物品が、単一点から2つの異なる非直線方向へ曲がることを意味する。
【0013】
「コポリマー」という用語は、ランダム及びブロックコポリマーの両方を含む。
【0014】
用語「架橋」は、ポリマーに対して用いるとき、ポリマーが、通常架橋分子又は架橋基を介して、共有化学結合により共に結合して、網状ポリマーを形成するポリマー鎖を有することを意味する。架橋ポリマーは、一般に不溶性によって特徴付けられるが、適当な溶媒の存在下で膨潤性であってもよい。
【0015】
用語「延伸性がある」は、ソーラーコントロールフィルムに対して用いるとき、フィルムが、約0.25mの距離で裸眼により検知される際に、フィルム内に目に見える不連続性を形成することなく面内方向に少なくとも約3%延伸できることを意味する。
【0016】
用語「赤外線反射性」は、支持体、層、フィルム、又は物品に対して用いるとき、支持体、層、フィルム、又は物品が、ほぼ垂直な角度で(例えば、入射角約6°で)測定して、約700nm〜約4,000nmの波長域の少なくとも100nmの幅の帯域で少なくとも約50%の光を反射することを意味する。
【0017】
用語「光」は、太陽光線の照射を意味する。
【0018】
用語「金属」は、純粋な金属及び金属合金を含む。
【0019】
用語「非平面」は、(例えば、ガラス又は他のグレージング材料の)表面又は物品に対して用いるとき、表面又は物品が連続的、断続的、単向性、又は複合曲率を有することを意味する。
【0020】
用語「光学的厚さ」は、層に対して用いるとき、層の物理的厚さ×その面内屈折率を意味する。
【0021】
用語「光学的にクリアである」は、ソーラーコントロールフィルム又は積層されたグレージング物品に対して用いるとき、約1mの距離で裸眼により検知される際に、フィルム又は物品内に目に見えて顕著なゆがみ、かすみ又は不具合が存在しないことを意味する。
【0022】
用語「ポリマー」は、ホモポリマー及びコポリマー、並びに例えば共押出しによって、又は例えばエステル交換などの反応によって、混和性ブレンド中で形成され得るホモポリマー又はコポリマーを含む。
【0023】
用語「反射エネルギー」(「Re」)は、250〜2,500nmの波長範囲において反射されるエネルギーを指す。
【0024】
用語「可視光線透過性」又は「可視光線透過の」は、支持体、層、フィルム、又は物品に対して用いるとき、支持体、層、フィルム、又は物品が、550nmで50%超の可視光線透過率を有することを意味する。
【0025】
用語「実質的な亀裂又はひだがない」は、積層されたグレージング物品内のソーラーコントロールフィルムに対して用いるとき、約1メートル、好ましくは約0.5mの距離で裸眼により検知される際に、フィルム内に目に見える不連続性が存在しないことを意味する。
【0026】
用語「実質的にしわがない」は、積層されたグレージング物品内のソーラーコントロールフィルムに対して用いるとき、約1m、好ましくは約0.5mの距離で裸眼により検知される際に、平滑フィルム表面の収縮により生じる小さな隆起又は溝が存在しないことを意味する。
【0027】
図1に関して、代表的なソーラーコントロールフィルムが概して100で示される。フィルム100は、可視光線透過性プラスチックフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート(「PET」)から作製される)の形態の可撓性支持体102及び支持体102上の層の積み重ね体104を備える。積み重ね体104は、第一の核形成酸化物シード層106(例えば酸化亜鉛から作製される)と、第一の金属層108(例えば銀から作製される)と、有機スペーサ層110(例えば架橋アクリレートから作製される)と、第二の核形成酸化物シード層112(これも例えば酸化亜鉛から作製される)と、第二の金属層114(これも例えば銀から作製される)と、を含む。保護ポリマー層116(例えば架橋アクリレートから作製される)は、第二の金属層114上に位置する。保護ポリマー層116は、積み重ね体104への損傷を抑え、またその積み重ね体の光学的特性を変化させることもできる。支持体102、第一のシード層106、第一の金属層108、有機スペーサ層110、第二のシード層112、第二の金属層114及び保護ポリマー層116は互いに隣接していてもよいし、又は図1には示されていない1つ以上の更なる層によって分離されていてもよい。シード層116及び112、金属層108及び114、並びに有機スペーサ層110は、それぞれ可視光線透過性であり(全体としてフィルム100のように)、少なくとも第一の金属層108、有機スペーサ層110及び第二の金属層114は連続的である。シード層106及び112は連続的である必要はなく、金属層108及び114又は有機スペーサ層110よりもずっと薄くてもよい。例えば、シード層106及び112はそれぞれ、より均一な又はより密度の高い上層の金属層の付着を助ける核形成部位として機能する一連の島であってよい。金属層108及び114、介在する有機スペーサ層110並びに積み重ね体104の厚さは、金属層108及び114が部分的に反射性でありかつ部分的に透過性であるように十分に薄くなるように、またフィルム100が可視光線透過性及び赤外線反射性であるように層110によって十分に相隔たるように選択される。例えば、スペーサ層110は、透過光線の所望する通過帯域の中心の波長が約1/4〜1/2である光学的厚さを有することができ、積み重ね体104は、ファブリー・ペロー干渉積み重ね体を代表することができる。波長が通過帯域内である光線は、主に金属層108及び114を通って透過される。波長が通過帯域の上又は下の光線は、主に金属層108及び114によって反射される。
【0028】
図2では、別の代表的なソーラーコントロールフィルムが200で概して示されている。フィルム200はフィルム100に似ているが、支持体102と第一のシード層との間に有機ベースコート層202(例えば架橋アクリレートから作製される)を含む。ベースコート層202は、支持体102の表面粗さ及び他の不具合を平滑にするのを補助し、より平滑な金属層108及び114の最終的な付着を助ける。ベースコート層202は、積み上げ体104の光学的特性を変化させることもできる。ベースコート層202は必要に応じて、硬さ(例えば、露出されたハードコート(hardcoat)上での鉛筆硬度試験を使って判定される)を増大させ得る充填材粒子(図2では示されていないが、例えば酸化亜鉛ナノ粒子のような高屈折率粒子から作製される)(そのような充填材粒子を含有しないベースコート層に比べて)を含有するハードコート層でもよい。適切に選択されると、充填材粒子はまた、そのような粒子なしに作製される物品と比較して、物品200を通す可視光線透過率の上昇をもたらすこともできる。積み重ね体104及び保護ポリマー層116の下に埋め込まれているにもかかわらず、ハードコートは驚くべきことに、より柔らかなベースコート上にコーティングされた又は支持体102上に直接コーティングされた積み重ね体を有する物品と比較して、(例えば、物品200上で実施される改善された磨耗耐性又は鉛筆硬度試験により明らかなように)積み重ね体104に改善された耐久性を付与することができる。より軟らかいベースコート層及びハードコート層を両方とも必要に応じて用いることができ、それらの順番は逆になってもよい。
【0029】
図3は、開示されたソーラーコントロールフィルムを製造するのに便宜的に使用することができる代表的な装置300を示している。動力リール302及び304は、装置300の中を通して支持体306を前後に動かす。温度制御された回転ドラム308並びにアイドラー310及び312は、プラズマ前処理器314、シード金属又はシード金属酸化物スパッタリングアプリケータ316、反射金属スパッタリングアプリケータ318、蒸発器320、及び電子ビーム架橋装置322を越えて支持体306を運ぶ。液体モノマー又はオリゴマー324は、リザーバ326から蒸発器320に供給される。装置300を最初に通過するとき、層106などの第一の核形成酸化物シード層、層108などの第一の金属層、及び層110などの有機スペーサ層を、支持体306上に適用又は形成することができる。有機スペーサ層は、新しくコーティングされた支持体306をリール304からリール302に巻き戻す間、第一の金属層への損傷を制限する一時的な保護層として機能することができる。装置300を2回目に通過させて、層112などの第2の核形成酸化物シード層、層114などの第2の金属層、及び層116などのポリマー保護層を適用又は形成することができる。酸素、水蒸気、埃、及びその他の大気中の汚染物質が様々な前処理、コーティング、架橋、及びスパッタリング工程に干渉するのを妨げるために、装置300を好適なチャンバ(図3には図示せず)内に入れて、真空下で維持するか、又は好適な不活性雰囲気を供給してもよい。反応性気体(例えば、酸素又は水蒸気)を装置300に導入して(又は支持体若しくはチャンバ自体から気体放出してもよい)、意図的に干渉を引き起こし、例えば金属層を酸化物層に変換することもできる。
【0030】
図4は、積層された安全フロントガラス400の断面図を示している。フロントガラス400は、フロントガラス400の中心領域(図4で折れ線でのみ示されている)近くでは曲率半径が相対的に大きくてもよいが、フロントガラス400のより鋭く湾曲した端部領域402、404の近くでは相対的に小さな数値に減少し得る、連続的に湾曲した表面を有する。フロントガラス400は、順に少なくともガラス外層406と、第一の機械的エネルギー吸収層408(例えば、可塑化ポリビニルブチラール(「PVB」)から作製される)と、ソーラーエネルギーコントロールフィルム200(支持体102と、有機ベースコート層202と、第一の核形成酸化物シード層106と、第一の金属層108と、有機スペーサ層110と、第二の核形成酸化物シード層112と、第二の金属層114と、保護ポリマー層116と、を含む)と、第二の機械的エネルギー吸収層410(これも例えばPVBから作製される)と、ガラス内層412と、を含む。図4に示されているように、ニップローラー414及び416は、ガラス層406及び412、エネルギー吸収層408及び410、並びにフィルム200を脱気し共に付着させるために使用されている。ソーラーコントロールフィルムは、必要に応じて、支持体が第一の機械的エネルギー吸収層410よりも第二の機械的エネルギー吸収層410により近くに(例えば隣接して)配置されるように、フロントガラス400内に配向され得る。しかしながら、支持体が米国特許第7,215,473B2号に記載されているもののような多層光学フィルム(「MOF」)の場合は、ソーラーコントロールフィルムを望ましくは支持体が第一の機械的エネルギー吸収層410により近くなるように配向する。
【0031】
種々の可視光透過性支持体を用いることができる。代表的な支持体としては、ポリエステル(例えば、PET又はポリエチレンナフタレート)、ポリアクリレート(例えば、ポリメチルメタクリレート)、ポリカーボネート、ポリプロピレン、高密度又は低密度のポリエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリ二フッ化ビニリデン、ポリエチレンスルフィド及び環状オレフィンポリマー(例えば、トーパス・アドバンスト・ポリマーズ(Topas Advanced Polymers)製トーパス(TOPAS)(商標)及びゼオン・ケミカルズ(Zeon Chemicals, L.P.)製ゼオノール(ZEONOR)(商標))のような熱可塑性フィルム、並びにセルロース誘導体、ポリイミド、ポリイミドベンゾキサゾール及びポリベンゾキサゾールのような熱硬化性フィルムを含む可撓性プラスチック材料が挙げられるが、これらに限定されない。PET及びMOFから作製された支持体が好ましい。支持体は、例えば約0.01〜約1mmの厚さのような様々な厚さを持つことができる。しかし、例えば、自己支持ソーラーコントロール物品が所望される場合、支持体は、相当に厚くなり得る。このような自己支持物品は、薄い可撓性支持体上に開示されたソーラーコントロールフィルムを形成し、ガラス又はプラスチックパネルのような、より厚く非可撓性である又は可撓性の低い追加の支持体に、可撓性支持体を積層する又は別の方法で接合させることにより、作製することもできる。
【0032】
様々なソーラーコントロールフィルム層の平滑度、連続性、又は接着性のうちの1つ以上は、支持体の適切な前処理により強化することができる。1つの実施形態では、前処理レジメンは、反応性又は非反応性雰囲気(例えば、空気、窒素、酸素、又はアルゴンのような不活性ガス)の存在下における支持体の放電前処理(例えば、プラズマ、グロー放電、コロナ放電、誘電体バリア放電、又は大気圧放電)、化学的前処理、又は火炎前処理を伴う。これらの前処理は、支持体又は上層の表面が、その後適用される層を確実に受け入れるよう補助することができる。別の実施形態では、支持体を、有機ベースコート層、例えば層202として図2に示されている有機ベースコート層(単数又は複数)でコーティングし、所望により、続いてプラズマ又は上述の他の前処理のうちの1つを用いて更に前処理する。使用するとき、有機ベースコート層は、好ましくは、1つ以上の架橋アクリレートポリマーに基づく。もし有機ベースコート層がハードコート層であるか又はそれを含む場合は、ハードコートは好ましくは米国特許第5,104,929号(ビルカディ(Bilkadi))に記載されている組成物のような無機酸化物粒子の分散液を含有するコーティング組成物に基づく。3M906磨耗耐性コーティング(3M社製)が、好ましいハードコート組成物である。有機ベースコート層(単数又は複数)は、溶液コーティング、ロールコーティング(例えば、グラビアロールコーティング)、又はスプレーコーティング(例えば、静電スプレーコーティング)を含む種々の技術を用いて適用し、次いで、例えば紫外線を用いて架橋することができる。有機ベースコート層(望ましくは、有機スペーサ層及びポリマー保護層も)は、好ましくは、上記米国特許第7,215,473B2号、同第6,929,864B2号、同第7,018,713B2号、及びそれらに引用される文献に記載されるように、放射線架橋性モノマー又はオリゴマー(例えば、アクリレートモノマー又はオリゴマー)のフラッシュ蒸発及び蒸着により適用され、続いて(例えば、電子ビーム装置、紫外線源、放電装置、又はその他の好適な装置を用いて)その場で架橋される。有機ベースコート層の所望の化学組成及び厚さは、ある程度支持体の性質に依存する。PET及びMOFの支持体の場合、ベースコート層は、例えば、アクリレートモノマー又はオリゴマーから形成することができ、例えば、連続的な層を提供するのに十分な厚さ(例えば、数nm〜約2マイクロメートル)を有し得る。ベースコート層の厚さは、フィルムの光学特性を強化するために、例えば、積み重ね体を通る透過率を上昇させ、かつ積み重ね体による反射を最小限に抑えるように調節することもできる。第一の核形成酸化物シード層の支持体への接着は、有機ベースコート層内に接着促進又は耐食添加剤を含むことにより、更に改善することができる。好適な接着促進又は耐食添加剤としては、メルカプタン、酸(カルボン酸又は有機リン酸)、トリアゾール、染料、及び湿潤剤が挙げられる。具体的な接着促進添加剤、エチレングリコールビスチオグリコレートは、米国特許第4,645,714号に記載されている。添加剤は、望ましくは、シード層の過度な酸化又は他の分解を引き起こすことなく、シード層の接着を向上させるのに十分な量で存在する。
【0033】
様々な酸化物を、核形成酸化物シード層で使用することができる。シード層は、同一であっても異なっていてもよいが、同一であるのが望ましい。シード層の酸化物は、望ましくは、後に適用される金属層の、より均一若しくはより高密度の方式での付着を促進するか、又は連続的な金属層のより早い形成(つまり、適用された、より薄い厚さでの)を促進する。適切な酸化物の選択は、選択された支持体及び隣接する金属層に依存する可能性があり、通常経験的に作製される。代表的なシード層の酸化物としては、酸化ガリウム、酸化インジウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化スズ、及びこれらの混合物(混合した酸化物及びドープした酸化物を含む)が挙げられる。例えば、シード層は酸化亜鉛又はアルミニウム若しくは酸化アルミニウムでドープした酸化亜鉛を含有することができる。シード層は、スパッタリング(例えば、平面又は回転マグネトロンスパッタリング)、蒸着(例えば、抵抗性又は電子ビーム蒸着)、化学蒸着、金属有機CVD(MOCVD)、プラズマ強化、支援、又は活性化CVD(PECVD)、イオンスパッタリングなどのような、フィルム金属化分野で使用されている技術を用いて形成することができる。シード層は、例えば、シード層の酸化物をスパッタリングすることにより直接、又は酸化雰囲気中で前駆体金属をスパッタリングすることによりその場で、都合よく形成することができる。スパッタリングターゲットには、スパッタリングターゲットをより伝導性にするための金属(例えば、アルミニウム、インジウム、スズ、又は亜鉛)又は酸化物(例えば、アルミナ、酸化インジウム、酸化インジウムスズ、酸化スズ、又は酸化亜鉛)を挙げることもできる。代表的なスパッタリングターゲットとしては、酸化亜鉛:アルミナ、酸化亜鉛:酸化ガリウム、酸化亜鉛:酸化スズ、酸化インジウム:酸化亜鉛、酸化インジウム:酸化スズ、酸化インジウム:酸化スズ:酸化亜鉛、インジウム:亜鉛、インジウム:スズ、インジウム:スズ:亜鉛、酸化インジウムガリウム亜鉛、又はZn(1−x)MgO:Al、MgIn(4−x)が挙げられる。これらの具体例としては、99:1及び98:2の酸化亜鉛:アルミナ、95:5の酸化亜鉛:酸化ガリウム、93:7の酸化亜鉛:酸化ガリウム、90:10の酸化インジウム:酸化亜鉛、90:10及び95:5の酸化インジウム:酸化スズ、約76:24〜約57:43のインジウム:亜鉛、並びに90:10のインジウム:スズが挙げられる。複数のシード層は同じ厚さを有しても異なる厚さを有してもよく、後に適用される金属層が、光吸収が最小限である均質なものになるように、それぞれ十分に厚いことが好ましい。シード層は、フィルムを用いて結果として得られるソーラーコントロールフィルム及び物品が、所望する可視光線透過率及び近赤外線又は赤外線反射率を有することを確保するために十分に薄いことが好ましい。例えば、シード層は、約20nm未満、約10nm未満、約8nm未満、約5nm未満、約4nm未満、又は約3nm未満の物理的厚さ(光学的厚さとは対照的に)を有することができる。シード層は、0nm超、少なくとも0.5nm、又は少なくとも1nmの物理的厚さを有することもできる。1つの実施形態では、シード層は、0超かつ約5nm未満の物理的厚さを有する。第2の実施形態では、シード層の物理的厚さは、0超かつ約4nm未満である。第3の実施形態では、シード層の物理的厚さは、0超かつ約3nm未満である。
【0034】
種々の金属を、金属層で使用することができる。金属層は、同一であっても異なっていてもよいが、望ましくは同一である。代表的な金属としては、銀、銅、ニッケル、クロム、貴金属(例えば、金、プラチナ、又はパラジウム)、及びこれらの合金が挙げられる。金属層は、シード層について上記で述べたもののようなフィルム金属化の分野の技術を用い、また非貴金属の場合は非酸化雰囲気を用いて、形成することができる。金属層は、連続的とするために十分に厚く、かつソーラーコントロールフィルム及びそのフィルムを用いる物品が所望する可視光線透過率及び近赤外線又は赤外線反射率を有することを確かにするために十分に薄いものである。金属層は、通常、シード層よりも厚いであろう。1つの実施形態では、金属層は、約5〜約50nmの物理的厚さを有する。別の実施形態では、金属層の厚さは、約5〜約15nmである。第3の実施形態では、金属層の厚さは、約5〜約12nmである。
【0035】
有機スペーサ層は、第一の金属層と第二の核形成シード層との間に位置し、かつ種々の有機材料から形成することができる。必要に応じて、スペーサ層は、ロールコーティング(例えば、グラビアロールコーティング)又はスプレーコーティング(例えば、静電スプレーコーティング)のような従来のコーティング方法を用いて適用することができる。スペーサ層は好ましくは、例えば、架橋有機ベースコート層を用いるときに使用することができるもののような技術を用いて架橋される。架橋有機スペーサ層は、非架橋有機スペーサ層に比べていくつかの利点を有する。架橋有機スペーサ層は、非架橋有機スペーサ層のように、加熱によって感知できるほどに溶融することも軟化することもなく、したがって、形成又は積層プロセス中のように、同時に温度及び圧力の影響を受けて著しく流動する、変形する、又は薄くなる可能性が低い。架橋有機スペーサ層は高度に溶媒耐性があり、一方非架橋有機スペーサ層は、ガソリン、油、トランスミッション液、窓ガラス用洗剤剤のような自動車用流体で見られるものを含む溶媒により溶解する又は感知できるほど軟化する場合がある。架橋有機スペーサ層は、高い弾性率及び剛性、ひずみを与えたときの良好な弾性回復又は良好な弾力性のような、同様のポリマーから製作された非架橋有機スペーサ層に比べて望ましい物理的特性を有することもできる。好ましくは、スペーサ層を第一の金属層又は合金層上にその場で架橋する。スペーサ層は好ましくは、上述の米国特許第6,929,864B2号、同第7,018,713B2号、同第7,215,473B2号、及びそれらに引用される文書に記載されているように、フラッシュ蒸発、蒸着及びモノマーの架橋を伴うプロセスにより形成される。揮発性の(メタ)アクリレートはこのようなプロセスで使用するのに好ましく、揮発性のアクリレートが特に好ましい。コーティング効率は、支持体を冷却することにより改善され得る。特に好ましいモノマーとしては、単独で又はヘキサンジオールジアクリレート、エトキシエチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、シアノエチル(モノ)アクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、オクタデシルアクリレート、アクリル酸イソデシル、ラウリルアクリレート、β−カルボキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ジニトリルアクリレート、ペンタフルオロフェニルアクリレート、ニトロフェニルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAエポキシジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピル化トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、フェニルチオエチルアクリレート、ナフチルオキシエチルアクリレート、UCBケミカルズ(UCB Chemicals)製のIRR−214環状ジアクリレート、ラッド−キュア社(Rad-Cure Corporation)製のエポキシアクリレートRDX80095、及びこれらの混合物のような、他の多官能性又は一官能性(メタ)アクリレートと組み合わせて使用される、多官能性(メタ)アクリレートが挙げられる。例えば、アクリルアミド、ビニルエーテル、ビニルナフタレン、アクリロニトリル、及びこれらの混合物等の、様々な他の硬化性物質をスペーサ層に含むことができる。スペーサ層の物理的厚さはある程度その屈折率に依存し、ある程度ソーラーコントロールフィルムの所望の光学特性に依存する。好ましい光学的厚さは、透過光の所望の通過帯域の中央の波長の約1/4〜1/2である。赤外線排除干渉積み重ね体で使用する場合、架橋有機スペーサ層は、例えば、約1.3〜約1.7の屈折率、約75〜約275nm(例えば、約100〜約150nm)の光学的厚さ、及び約50〜約210nm(例えば、約65〜約100nm)の対応する物理的厚さを有することができる。光学モデリングを使用して、好適な層の厚さを選択することができる。
【0036】
様々な有機材料を用いて、ポリマー保護層を形成することができる。必要に応じて、保護層は、ロールコーティング(例えば、グラビアロールコーティング)又はスプレーコーティング(例えば、静電スプレーコーティング)のような、従来のコーティング方法を用いて適用することができる。保護層は好ましくは、例えば、架橋有機ベースコート層が用いられるときに使用することができるもののような技術を用いて架橋される。保護層はまた、別々に形成され、積層法を用いて適用されてもよい。好ましくは、保護層は上記で述べたような、フラッシュ蒸発、蒸着、及びモノマー又はオリゴマーの架橋を用いて形成される。このような保護層で用いるための代表的なモノマー又はオリゴマーとしては、揮発性の(メタ)アクリレートが挙げられる。保護層はまた、接着促進添加剤を含有してよい。代表的な添加剤としては、上記スペーサ層添加剤が挙げられる。ソーラーコントロールフィルムを、PVBのような機械的エネルギー吸収材料のシートの間に積層する場合、保護層の屈折率は、機械的エネルギー吸収材料とソーラーコントロールフィルムとの間の屈折率の任意の差に起因する境界面での反射を最小限に抑えるように選択することができる。保護層は後処理されて、保護層の機械的エネルギー吸収材料への接着を強化することもできる。代表的な後処理としては、上記のような支持体の前処理が挙げられる。1つの実施形態では、ソーラーコントロールフィルムの両面のプラズマ後処理を使用することができる。
【0037】
種々の機能層又は要素を、開示されたフィルムに添加して、特にフィルムの表面のうちの1面で、その物理的又は化学的特性を変化させる又は改善することができる。このような層又はコーティングとしては、例えば、製造プロセス中にフィルムの取り扱いをより容易にするための低摩擦コーティング又はスリップ粒子、フィルムに拡散特性を付与するため又はフィルムが別のフィルム若しくは表面の隣に位置するときのウェットアウト若しくはニュートン環を防ぐための粒子、感圧性接着剤又はホットメルト接着剤のような接着剤、隣接する層への接着を促進するための下塗剤、フィルムが接着剤ロールの形態で用いられるときに使用するための低接着バックサイズ(backsize)材料、及び金属層のうちの1層又は両方の層を介した電流、電圧感知又は電気容量感知を可能にするための電極を挙げることができる。機能層又はコーティングとしては、例えば、PCT国際公開特許第WO01/96115A1号に記載されている機能層等の、飛散耐性、抗侵入、又は破壊−引裂耐性フィルム及びコーティングも挙げることができる。更なる機能層又はコーティングとしては、米国特許第6,132,882号及び同第5,773,102号に記載されているもののような、振動減衰性又は吸音性フィルム層、並びに水若しくは有機溶媒のような液体、又は酸素、水蒸気若しくは二酸化炭素のような気体から保護する、あるいはそれらへのフィルムの透過特性を変化させるためのバリア層を挙げることもできる。これらの機能性構成要素は、フィルムの1つ以上の最外層に組み込むことができるか又はそれらを別個のフィルム若しくはコーティングとして適用することができる。いくつかの用途のために、例えば、染色フィルム層を導電性フィルムに積層すること、有色素コーティングをソーラーコントロールフィルムの表面に適用すること、あるいは、ソーラーコントロールフィルムを作製するために使用される1つ以上の材料の中に染料又は顔料を含めることによって、ソーラーコントロールフィルムの外観又は性能を変更することが望ましい場合がある。染料又は顔料は、赤外、紫外又は可視スペクトルの一部を含むスペクトルの1つ以上の選択された領域で吸収することができる。染料又は顔料は、特にソーラーコントロールフィルムがいくつかの周波数を透過させると同時に他を反射させる場合、ソーラーコントロールフィルムの特性を補完するために使うことができる。開示されたフィルムで使用することができる特に有用な有色素層は、米国特許第6,811,867B1号に開示されている。この層はフィルム上の表面薄層として、積層、押出コーティング、又は共押出され得る。色素の充填量を約0.01〜約1.0重量%で変化させて、必要に応じて可視光線透過率を変化させることができる。紫外線にさらされた場合に不安定であり得るフィルムの任意の内部層を保護するために、UV吸収性カバー層の追加が望ましいこともある。ソーラーコントロールフィルムに追加することができる他の機能層又はコーティングとしては、例えば、帯電防止コーティング又はフィルム、難燃剤、紫外線安定剤、磨耗耐性又はハードコート材料、光学コーティング、防曇材料、磁気又は磁気光学コーティング又はフィルム、液晶パネル、エレクトロクロミック又はエレクトロルミネセンスパネル、写真乳剤、プリズムフィルム、及びホログラフィックフィルム又はホログラフィック画像が挙げられる。更なる機能層又はコーティングは、例えば、米国特許第6,368,699号、同第6,352,761号、及び同第6,830,713号に記載されている。ソーラーコントロールフィルムを、例えば、製品識別、位置確認情報、広告、警告、装飾、又は他の情報を表示するのに用いられるもののような、インク又は他の印刷されたしるしで処理することができる。例えばスクリーン印刷、インクジェット印刷、熱転写印刷、凸版印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、点刻印刷、レーザー印刷などような種々の技術を用いて、ソーラーコントロールフィルム上に印刷することができ、また1成分及び2成分インク、酸化的乾燥及び紫外線乾燥インク、溶解インク、分散インク、並びに100%のインク系を含む種々のタイプのインクを用いることができる。
【0038】
電極を備えるとき、開示されたソーラーコントロールフィルムは、アンテナ、電磁干渉(EMI)シールド、並びにグレージング、乗り物の窓及びディスプレイの除曇、除霧、除霜、又は除氷のような電気加熱したフィルムの用途の目的のために用いることができる。電気加熱したフィルムの用途はかなりの通電容量を必要とする場合があるが、可視光線透明度を必要とするときは非常に薄い(かつ、それに応じて非常に脆弱である)金属又は金属合金層を使用しなければならない。電気加熱したフィルムの用途は、米国特許第3,529,074号、同第4,782,216号、同第4,786,783号、同第5,324,374号及び同第5,332,888号に開示されている。電気加熱したフィルムは、乗り物用の安全なグレージング、例えば、自動車、飛行機、電車又は他の乗り物のフロントガラス、バックライト、サンルーフ又は側窓で特に関心を持たれている。電気加熱したグレージングは、PVB層、電気加熱したフィルム層及び適した電極をガラス層間に配置し、係合表面から空気を取り除き、次に組立体をオートクレーブ内で高温高圧にかけて、PVB、電気加熱されたフィルム層及びガラスを光学的にクリアな構造物体内に融着させることによって作製することができる。このようなフィルム内で低電圧にて使用するための金属層は、低い電気抵抗、例えば、約20オーム/スクエア未満の抵抗を有することが望ましい。例えば、金属層は約5オーム/スクエア〜約20オーム/スクエアの抵抗、約7.5オーム/スクエア〜約15オーム/スクエアの抵抗、又は約7.5オーム/スクエア〜約10オーム/スクエアの抵抗を有することができる。
【0039】
開示されたフィルムは、広範な基材に接合又は積層することができる。典型的な基材材料としては、ガラス(絶縁、調質、積層、焼なまし、又は熱強化されていてよい)及びプラスチック(ポリカーボネート及びポリメチルメタクリレートなど)のようなグレージング材料が挙げられる。フィルムは、基材の1つの主要側に結合されるか、又は2つ以上の基材にはさまれてもよい。フィルムは、非平面基材、特に複合曲率を有する基材に関連して特に有用である。フィルムは望ましくは延伸性があり、実質的に亀裂又はひだがなく、積層及び脱気プロセス中、このような非平面基材に適合することができる。開示されたフィルムは配向され、所望によりフィルムが実質的にしわなく非平面基材に適合するのを補助するのに十分な条件下でヒートセットされることができる。これは、フィルムが積層されるべき非平面基材が既知の形状又は曲率を有するとき、また、特に基材が既知の重度の複合曲率を有するときに、特に有用である。各面内方向でのフィルムの収縮を個々に制御することにより、フィルムを積層中、例えばニップロール積層又はオートクレーブ中に、制御された方式で収縮させることができる。例えば、フィルムが積層されるべき非平面基材が複合曲率を有する場合、フィルムの収縮を各面内方向で調整して、それらの方向の基材の特定の曲率特性を一致させることができる。最も収縮する面内のフィルム方向は、最も小さな曲率、つまり最も大きな曲率半径を有する基材の寸法に揃えることができる。曲率半径に従った曲率の特性化に加えて又はその代わりに、必要に応じて他の測定値(基材の主表面により画定される幾何学的表面から測定される隆起又はくぼみ部の深さなど)を用いることもできる。典型的な非平面基材に積層する場合、フィルムの収縮は両方の面内方向において約0.4%超、少なくとも1つの面内方向において約0.7%超、又は少なくとも1つの面内方向において約1%超であってよい。1つの実施形態では、全体的なフィルムの収縮は、縁部剥離又は「プルイン(pull-in)」の低減に限られる。したがって、フィルムの収縮は、各面内方向において約3%未満、又は各面内方向において約2.5%未満であり得る。収縮挙動は主に、使用されるフィルム又は基材材料、並びにフィルムの延伸比、ヒートセット温度、滞留時間及びトーイン(toe-in)(最大レール設定に対して測定されるテンターヒートセット領域におけるレール間隔の減少)などの要因により決定される。コーティングは、フィルムの収縮特性を変化させることもできる。例えば、下塗剤コーティングは横断方向(「TD」)の収縮を約0.2%〜約0.4%減少させ、機械方向(「MD」)の収縮を約0.1〜約0.3%増加させることができる。配向及びヒートセット設備は変化に富み、理想のプロセス設定は典型的には、各事例で経験的に決定される。標的とする収縮特性を有する物品を製造するための技術に関する更なる詳細は、米国特許第6,797,396号に記載されている。MOF支持体を使用する物品を製造するための技術及び1層又は2層のグレージングを使用する積層体を製造するための技術に関する更なる詳細は、米国特許第7,189,447B2号に記載されている。
【0040】
開示されたソーラーコントロールフィルム及び物品は、自動車のグレージング、建築上のグレージング、太陽電池、太陽集光器及び機器を含む、種々の目的に使うことができる。フィルムは、例えば正常軸に沿って計測されたときに、少なくとも約60%、少なくとも約70%又は少なくとも約75%のように種々の可視光線透過率(Tvis)の値を有することができる。フィルムは、好ましくは高いRe値及び低いTSHT値を有する。TSHTは、ISO標準9050:2003に従って決定されることができ、グレージングによって吸収され、建物、乗り物又は他の格納機構内に放射されるエネルギー、更に格納機構内に透過されるエネルギーの測定値である。TSHT及びReは、等式によってTe(フィルム又は物品を通して透過されるエネルギーのパーセント)に関連している。
【0041】
TSHT=(8/31)(100−Te−Re)+Te
開示されたソーラーコントロールフィルムが、積層された安全グレージングに組み入れられ、入射角0°で測定されると、グレージングは好ましくは約60%未満、より好ましくは約55%未満、及び最も好ましくは約50%未満のTSHTを有し、少なくとも約20%、より好ましくは少なくとも約25%、及び最も好ましくは少なくとも約30%のReを有する。
【0042】
本発明を以下の実施例において更に説明する。実施例中、すべての部、百分率及び比率は、特に断らない限り重量基準とする。
【実施例】
【0043】
(実施例1)
PET支持体は、アクリレートA/ZnO/Ag/アクリレートB/ZnO/Ag/アクリレートBの積み重ね構成の、酸化亜鉛核形成シード層と、銀金属層と、2つの異なるアクリレート混合物(アクリレートA又はアクリレートB)を使って作製される有機層と、を含む光学的積み重ね体でコーティングされた。アクリレートAは、64%IRR214アクリレート(UCBケミカルズ(UCB Chemicals))、28%n−ラウリルアクリレート及び8%エチレングリコールビスチオグリコレートを含有していた。アクリレートBは、80%フェニルチオエチルアクリレート及び20%ペンタエリスリトールトリアクリレートを含有していた。個々の層は以下のように形成された。
【0044】
(層1)厚さ0.05mm、幅508mmのPETフィルム(デュポン帝人フィルムズ(DuPont Teijin Films)製MELINEX(商標)453)のロールが、真空槽内に位置している図3に示されているもののようなロールツーロール(roll to roll)装置に装填された。槽内の圧力は0.04Pa(3×10−4torr)まで下げられ、ドラム308は−18℃まで冷却された。メーカーから供給されたPETフィルムは、一方の側に未確認処理を有する。PETフィルムの未処理の側は、窒素プラズマ内で1kW直流で動作するチタンターゲットマグネトロンを使用してプラズマ前処理に曝露させた。PETフィルムの前処理された側は次に、脱気され、かつフラッシュ蒸発されたアクリレートAモノマー混合物で、38.1m/分のウェブ速度でコーティングされた。モノマー混合物は、アクリレートAを約0.13Pa(1×10−3torr)の圧力に曝露することにより脱気され、それを次に274℃に維持された蒸発槽中に超音波噴霧器を通して2mL/分で注入することによりフラッシュ蒸発された。蒸発されたアクリレートA混合物は、移動しているPETフィルム上に槽から噴霧され、そこで低ドラム温度のために液化した。液化したアクリレートAモノマー混合物は、次に7.5kVで稼動する単一のフィラメントガンを使用して電子ビーム照射で架橋された。架橋されたアクリレートAベースコートの最終的な厚さは、およそ140nmであった。前処理、コーティング及び架橋は、一回の通過で連続的に行われた。
【0045】
(層2)フィルム方向を逆にした。第一の酸化亜鉛(ZnO)核形成シード層が、約1nmの厚さでアクリレートAベースコート上にコーティングされた。
【0046】
(層3)連続的に、同じ通過で、第一の銀(Ag)金属層が、約6.75nmの厚さで第一のZnOシード層上にコーティングされた。
【0047】
(層4)連続的に、同じ通過で、アクリレートBモノマー混合物から作製されるスペーサ層が、架橋スペーサ層の厚さが約120nmであったのを除いては層1に対して記載されたのと同じやり方でAg層にコーティングされ架橋された。
【0048】
(層5)フィルム方向を逆にした。第二のZnO核形成シード層が、約1nmの厚さでアクリレートBスペーサ層上にコーティングされた。
【0049】
(層6)連続的に、同じ通過で、第二のAg金属層が、約6.75nmの厚さで第二のZnOシード層上にコーティングされた。
【0050】
(層7)連続的に、同じ通過で、アクリレートBから作製された保護層が、保護層の厚さが約65nmであったのを除いては層1に対して記載されたのと同じやり方で第二のAg層にコーティングされ架橋された。
【0051】
その結果として生じたソーラーコントロールフィルムの両面は、連続的にプラズマ処理された。フィルムは、ガラス/PVB/フィルム/PVB/ガラスの構成を有する5層の自動車用フロントガラス安全グレージング構成体の中心に積層された。
【0052】
(実施例2)
実施例1の一般的な方法を使って、多層光学フィルム(3M社製3M(商標)ソーラー反射フィルム)が、アクリレートC/ZnO/Ag/アクリレートC/ZnO/Ag/アクリレートCの積み重ね構成の、酸化亜鉛核形成シード層と、銀金属層と、アクリレート混合物(アクリレートC)を使って作製される有機層と、を含む光学的積み重ね体でコーティングされた。アクリレートCは、90%フェニルチオエチルアクリレート、5%ペンタエリスリトールトリアクリレート、及び二官能性ビスフェノールA系エポキシアクリレートとエトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートとの50:50混合物5%を含有していた。個々の層は、アクリレートCベースコーティングの厚さが約120nmであったのを除いては実施例1のように形成され、第一及び第二のAg層の厚さは約8nmであり、アクリレートCスペーサ層の厚さは約112nmであり、アクリレートC保護層の厚さは約62nmであり、プラズマ前処理が金属層及び上部有機層の適用の間で使われた。
【0053】
その結果として生じたソーラーコントロールフィルムの両面は、連続的にプラズマ処理された。フィルムは、ガラス/PVB/フィルム/PVB/ガラスの構成を有する5層の自動車用フロントガラス安全グレージング構成体の中心に積層された。
【0054】
実施例1及び実施例2の評価
実施例1及び実施例2のフロントガラス構成体は、入射角0°でのTvis、Re及びTSHTを測定するために評価され、表1及び図5の試料A及びBとしてそれぞれ確認される。コーティングされていない3Mソーラー反射フィルム(試料C)を使って作製される5層構成体、サウスウォール社(Southwall Corporation)製XIR−75フィルム(試料D)を使って作製される5層構成体、ガラス/フィルム/ガラス構成のS−LECソーラーフィルム(積水化学株式会社製の赤外線吸収粒子充填PVB基材)(試料E)を使って作製される3層構成体、及びガラスコーティングがPVB層に面するコーティングされたガラス/PVB/コーティングされていないガラス構成のPPGインダストリーズ社(PPG Industries, Inc.)製SUNGATE金属コーティングガラス(試料F)を使って作製される3層構成体に対して比較測定値が得られた。Tvisの結果は以下の表1に示されており、Re及びTSHTの結果は図5に示されている。
【0055】
【表1】

【0056】
実施例1及び実施例2のフィルムは、自動車のフロントガラスに対するヨーロッパ、米国及び日本の可視光線透過率の要件を満たし、大変高いRe及びTSHT性能を備える積層体を提供した。実施例1(試料A)及び実施例2(試料B)のフィルム積層体は、コーティングされていない多層光学フィルム(試料C)、XIR−75フィルム(試料D)又はS−LECフィルム(試料E)を使って作製される積層体よりも優れた(つまり数値的により大きい)Re性能を提供した。実施例1のフィルム積層体は、コーティングされていない多層光学フィルム又はS−LECフィルムを使って作製される積層体よりも優れた(つまり数値的により小さい)TSHT性能を提供し、実施例2のフィルム積層体は、コーティングされていない多層光学フィルム、XIR−75フィルム又はS−LECフィルムを使って作製される積層体よりも優れたTSHT性能を提供した。より反射する接触面を有しているにも拘わらず、実施例2のフィルム積層体はまた、金属コーティングされたガラス積層体によって提供される性能に匹敵するRe性能及び若干より低いが非常に良いRe性能を提供した。実施例1及び実施例2のフィルムは両方とも、延伸性があり、丈夫であり、取り扱い及びプロセス中の損傷を抑えることができた。
【0057】
(実施例3)
実施例1の一般的な方法を使って、PET支持体が、アクリレートA/ZnO/Ag/アクリレートA/ZnO/Ag/アクリレートAの積み重ね体構成の、酸化亜鉛核形成酸化物シード層と、銀金属層と、アクリレート混合物(アクリレートA)を使って作製される有機層と、を含む光学的積み重ね体でコーティングされた。個々の層は、32m/分のウェブ速度が用いられたことを除いては、実施例1のように形成され、アクリレートAベースコーティングの厚さは約120nmであり、第一及び第二のAg層の厚さは約6.5nmであった。その結果として生じたソーラーコントロールフィルムの両面は、連続的にプラズマ処理された。フィルムは、ガラス/PVB/フィルム/PVB/ガラスの構成を有する5層の自動車用サイドライト安全グレージング構成体の中心に積層された。
【0058】
(実施例4)
実施例2の一般的な方法を使って、多層光学フィルム支持体が、アクリレートA/ZnO/Ag/アクリレートA/ZnO/Ag/アクリレートAの積み重ね体構成の、酸化亜鉛核形成酸化物シード層と、銀金属層と、アクリレート混合物(アクリレートA)を使って作製される有機層と、を含む光学的積み重ね体でコーティングされた。個々の層は、32m/分のウェブ速度が用いられたことを除いては、実施例2のように形成され、第一及び第二のAg層の厚さは約6.5nmであった。その結果として生じたソーラーコントロールフィルムの両面は、連続的にプラズマ処理された。フィルムは、ガラス/PVB/フィルム/PVB/ガラスの構成を有する5層の自動車用サイドライト安全グレージング構成体の中心に積層された。
【0059】
実施例3及び実施例4の評価
実施例3及び実施例4のサイドライト構成体は、入射角0°及び60°の両方の角度でのTvis、Re及びTSHTを測定するために評価され、表2及び図6の試料A及びBとしてそれぞれ確認される。コーティングされていない3Mソーラー反射フィルム(試料C)を使って作製される5層構成体、XIR−70フィルム(試料D)を使って作製される5層構成体、ガラス/フィルム/ガラス構成のS−LECソーラーフィルム(試料E)を使って作製される3層構成体、及びガラスコーティングがPVB層に面するコーティングされたガラス/PVB/コーティングされていないガラス構成のSUNGATE金属コーティングガラス(試料F)を使って作製される3層構成体に対して比較測定値が得られた。Tvisの結果は以下の表2に示されており、Re及びTSHTの結果は図6に示されている。各々の試料に対する結び付けられた端点は、入射角0°及び60°で得られた結果を示しており、観察された60°値は通常、0°値の左側かつ上側(つまり、Re値がより大きくTSHT値がより小さい)に位置する。入射角60°での測定値は通常報告されないが、Re及びTSHTの性能が角度的に依存性であり得ることを説明にするために図6に示されている。
【0060】
【表2】

【0061】
実施例3及び実施例4のフィルムは、自動車のサイドライトに対するヨーロッパ、米国及び日本の可視光線透過率の要件を満たし、大変高いRe及びTSHT性能を備える積層を提供した。差し当たって0°の結果に焦点を合わせると、実施例1(試料A)及び実施例2(試料B)のフィルム積層体は、コーティングされていない多層光学フィルム(試料C)、又はS−LECフィルム(試料E)を使って作製される積層体よりも優れた(つまり数値的により大きい)Re性能を提供した。実施例2のフィルム積層体はまた、XIR−75フィルムを使って作製される積層体(試料D)又は金属コーティングされたガラス積層体(試料F)よりも優れたRe性能、及びコーティングされていない多層光学フィルム、XIR−75フィルム又はS−LECフィルムを使って作製される積層体よりも優れた(つまり、数値的により低い)TSHT性能を提供し、実施例2のフィルム積層体は、コーティングされていない多層光学フィルム、XIR−75フィルム又はS−LECフィルムを使って作製される積層体よりも優れたTSHT性能を提供した。実施例3及び実施例4のフィルムは両方とも、延伸性があり、丈夫であり、取り扱い及びプロセス中の損傷を抑えることができた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
順に少なくとも可視光線透過性可撓性支持体と、第一の核形成酸化物シード層と、第一の金属層と、有機スペーサ層と、第二の核形成酸化物シード層と、第二の金属層と、ポリマー保護層と、を備えるソーラーコントロールフィルムであって、前記金属層及びスペーサ層の厚さは、前記フィルムが可視光線透過性であり、赤外線反射性であるような厚さである、ソーラーコントロールフィルム。
【請求項2】
前記支持体が多層光学フィルムを備える、請求項1に記載のフィルム。
【請求項3】
前記支持体と前記第一のシード層との間に有機ベースコート層を更に備える、請求項1に記載のフィルム。
【請求項4】
前記有機ベースコート層が、アクリレートポリマーを含む、請求項3に記載のフィルム。
【請求項5】
シード層が酸化ガリウム、酸化インジウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛又はそれらの混合物を含む、請求項1に記載のフィルム。
【請求項6】
前記第一及び第二のシード層が酸化亜鉛を含む、請求項1に記載のフィルム。
【請求項7】
前記第一及び第二のシード層が、アルミニウム又は酸化アルミニウムでドープされた酸化亜鉛を含む、請求項1に記載のフィルム。
【請求項8】
前記第一及び第二の金属層が銀を含む、請求項1に記載のフィルム。
【請求項9】
前記シード層が不連続的であり、前記金属層が連続的である、請求項1に記載のフィルム。
【請求項10】
前記有機スペーサ層がアクリレートポリマーを含む、請求項1に記載のフィルム。
【請求項11】
前記シード層が0を超過しかつ約5nm未満の物理的厚さを有し、前記金属層が約5〜約50nmの物理的厚さを有し、前記有機スペーサ層が約50〜130nmの物理的厚さを有する、請求項1に記載のフィルム。
【請求項12】
前記フィルムが、積層された安全グレージングに組み込まれ、かつ入射角0°で測定された場合、少なくとも約70%の可視光線透過率を呈する、請求項1に記載のフィルム。
【請求項13】
前記フィルムが、積層された安全グレージングに組み込まれ、かつ入射角0°で測定された場合、少なくとも約75%の可視光線透過率を呈する、請求項1に記載のフィルム。
【請求項14】
順に少なくとも第一のグレージング材料層と、第一の機械的エネルギー吸収層と、請求項1に記載のソーラーコントロールフィルムと、第二の機械的エネルギー吸収層と、第二のグレージング材料層と、を含む、積層されたグレージング物品。
【請求項15】
前記物品が、少なくとも約70%の可視光線透過率、約60%未満の総太陽熱透過率、及び少なくとも約20%の反射エネルギーを有する、請求項14に記載の物品。
【請求項16】
前記物品が、少なくとも約75%の可視光線透過率、約60%未満の総太陽熱透過率、及び少なくとも約25%の反射エネルギーを有する、請求項14に記載の物品。
【請求項17】
ソーラーコントロールフィルムを形成するための方法であって、前記方法が、
a)可視光線透過性可撓性支持体を提供することと、
b)前記支持体上に第一の核形成酸化物シード層を形成することと、
c)前記第一のシード層上に第一の金属層を形成することと、
d)前記第一の金属層上に有機スペーサ層を形成することと、
e)前記スペーサ層上に第二の核形成酸化物シード層を形成することと、
f)前記第二のシード層上に第二の金属層を形成することと
g)前記第二の金属層上にポリマー保護層を形成することと、
を含み、
前記金属層及びスペーサ層の厚さは、前記フィルムが可視光線透過性であり、赤外線反射性であるような厚さである、方法。
【請求項18】
前記支持体が多層光学フィルムを備える、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記支持体と前記第一のシード層との間に有機ベースコート層を形成することを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
シード層が酸化ガリウム、酸化インジウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛又はそれらの混合物を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記第一及び第二のシード層が酸化亜鉛を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記第一及び第二のシード層が、アルミニウム又は酸化アルミニウムでドープされた酸化亜鉛を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記第一及び第二の金属層が銀を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記有機スペーサ層がアクリレートポリマーを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記シード層が0を超過しかつ約5nm未満の物理的厚さを有し、前記金属層が約5〜50nmの物理的厚さを有し、前記有機スペーサ層が約50〜130nmの物理的厚さを有し、前記フィルムが、積層された安全グレージングに組み込まれ、かつ入射角0°で測定された場合、少なくとも約70%の可視光線透過率を呈する、請求項20に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−509193(P2011−509193A)
【公表日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−540779(P2010−540779)
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【国際出願番号】PCT/US2008/086954
【国際公開番号】WO2009/085741
【国際公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】