説明

ソーラーパネル取付け用基礎装置

【課題】 本発明は、横葺又は竪平葺の折板式屋根面において、ソーラーパネル装置を確実かつ容易に設置することができる手段を提供することを目的とする。
【解決手段】 全体が立方体に成る硬質ゴム製の基台1の中心部に通孔を設け、この通孔を基台底面部に設けた凹溝部16に連通し、前記通孔に挿入する適当長さの螺軸3の基端に基板5を固着して前記凹溝部に嵌置し、前記螺軸の上端に雌螺子4を螺装し、前記基板の一端部に設けた取付部材7を前記基台の一部に連結して成るソーラーパネル取付け用の基礎装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折板屋根上に設置するソーラーパネル取付け用の基礎装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ソーラーパネルを屋根面に設置することが普及しているところ、本発明者は長年屋根面における雪止め取付具を開発実施して来たことに鑑み、その技術をソーラーパネルの取付け装置において応用せんとして開発するものである。
【0003】
従来公開されている屋根用の一般的な取付装置として、次に例示されるような極めて複雑な構造のものはあるし、また普及している折板屋根にあっては、屋根板の適所に穿孔し螺子や釘を用いて取付けているものもあるため、雨水の浸入という悪影響を及ぼしていたものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平1−89523号公報
【特許文献2】実開平6−22438号公報
【特許文献3】特開2001−140416号公報
【特許文献4】特許第3811412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、折板屋根である横葺用屋根面及び竪平葺用屋根面において、ソーラーパネルを確実に取付ける手段を提供するとともに屋根勾配面に即応したソーラーパネルの取付け用の基礎装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、全体が立方体に成る硬質ゴム製の基台の中心部に通孔を設け、この通孔を基台底面部に設けた凹溝部に連通し、前記通孔に挿入する適当長さの螺軸の基端に基板を固着して前記凹溝部に嵌置し、前記螺軸の上端に雌螺子を螺装し、前記基板の一端部に設けた取付部材を前記基台の一部に連結し、この取付部材を横葺屋根の一部又は竪平葺屋根の一部に取付けるように成るソーラーパネル取付け用の基礎装置である。
【0007】
また、基台の一側端面部に当接する抑止板と基台の他側端面部に設ける取付部材との間を基板で連結し、前記取付部材は上下の水平板と締付板との間に横葺屋根部を挟合しこれを螺子にて緊締するように成るソーラーパネル取付け用基礎装置である。
【0008】
また、基台の上側面部に載置した当接板の曲折した一側面部に連結する左右の取付板を設けた取付部材は、左右に分岐した把持板間に竪平葺屋根部を挟合しこれを螺子にて緊締するように設けて成るソーラーパネル取付け用基礎装置である。
【発明の効果】
【0009】
本装置は、横葺又は竪平葺の折板屋根の所定箇所に多数個取付ける取付部材は、立方体の硬質ゴム材から成る基台と一体に構成しているものであるから、その上面部にソーラーパネル材を設置したときには、安定性のよい状態の基礎装置として支持されるようになる。
【0010】
この基礎装置は、取付ける対象の屋根形態が横葺であろうと竪平葺であろうとも変わらず、確実に安定性よく取付けることができる。
【0011】
その取付け施工は比較的迅速かつ簡単に行うことができるし、折板屋根面への影響は一切なく、太陽光熱を確実に受容して発電量を増大することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1実施例の各部材の斜視図
【図2】同上の各部材の組立て時の平斜視図
【図3】図2の底斜視図
【図4】同上の取付け施工時の斜視図
【図5】第2実施例の各部材の斜視図
【図6】同上の各部材の組立て時の平斜視図
【図7】図6の底斜視図
【図8】同上の取付け施工時の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明にあっては、2つの実施例として、ソーラーパネルを横葺屋根面上に取付ける場合の基礎装置と竪平葺屋根面上に取付ける場合の基礎装置とがあるから、これについて各別に説明する。
【0014】
第1実施例の場合にあっては、硬質ゴム製の立方体に成る基台の一側端面部に当接する抑止板の他側端面部に取付部材を固着し、前記基台の中心部に設けた通孔を基台の底面部に形成した凹溝部に連通し、この凹溝部に嵌装する基板に前記螺軸の基端を固着し、前記螺軸の上端部には雌螺子を螺合し、前記取付部材は上下の水平板と締付板とを横葺の折板部に挿入挟合した後、螺子により緊締するものである。
【0015】
第2の実施例の場合にあっては、硬質ゴム製の立方体の基台の上側面部に当接板を載置し、この当接板及び前記基台の中心部に設けた通孔に螺軸を挿入し、この螺軸の基端に固着した基板を基台の底面部中央に設けた凹溝部の一部に連通して嵌置し、この当接板の一側面部に取付板を介して左右に分岐した把持板から成る取付部材を設け、この取付部材の左右把持板間に竪平葺の折板部を挟合した後、螺子により緊締するものである。
【実施例1】
【0016】
第1実施例について説明する。(図1乃至図4参照)
【0017】
1は適当大きさの立方体に成る基台で、この基台は硬質ゴム材によって構成する。
【0018】
2は前記基台1の中心部に設ける通孔で、この通孔には螺軸3が挿入し、この螺軸の上端部には雌螺子4が螺合する。
【0019】
5は中央部に前記螺軸3の基端が固着する断面凵形に成る基板で、この基板の一側端面部には垂直に抑止板6を設ける。
【0020】
7は前記基板5の他側端面部に副板6’を介して設ける取付部材で、この取付部材にはL形垂直部の外立板8とL形水平部の水平板9を設け、かつこの水平板の対向上位置にはL形に成る水平の締付板10と垂直の内立板11を設ける。
【0021】
前記取付部材7の垂直の外立板8と内立板11とは、その上端部を前記副板6’との間に止着12している。
【0022】
前記外立板8に止着12する内立板11と一体に成る締付板10は、下方の水平板9との間に開口部13を形成するとともにその中央部間に螺子14を設け、これに雌螺子15を螺装するように成る。
【0023】
16は前記基台1の底面部中央に設けた凹溝部で、前記基台の中心部に設けた通孔2の下端部はこの凹溝部16に連通している。
【0024】
前記基台1の凹溝部16には前記基板5が嵌装し、これによって、前記抑止板6が基台の一側面部に当接し、また前記内立板11及び外立板8は基台の反対側面部に当接する。
【0025】
17は予備的に用意する適度の三角形勾配を有する補助台で、これは前記基台1と同一材料によって構成するが、その中心部には通孔18を設ける。この通孔には、前記基台1の通孔2に連通する螺軸3が挿通するようになる。この補助台は、その角度勾配の異なるものを複数用意するとよい。
【0026】
前記取付部材7の水平板9は横葺屋根aの折板部の下側に挿入し、これに対向する上方の締付板10は横葺屋根の折板部の上側に当接した後、螺子14及び雌螺子15の螺合によって屋根部材の一部を挟合して固定する。
【実施例2】
【0027】
第2実施例について説明する。(図5乃至図8参照)
【0028】
21は適当大きさの立方体になる基台で、この基台は硬質ゴム材によって構成する。
【0029】
22は前記基台21の中心部に設けた通孔で、この通孔には螺軸23が挿入し、この螺軸の上端部には雌螺子24が螺合する。
【0030】
前記通孔22の下端部は、前記基台21の底面部中央に設けた凹溝部25の中心部に連通している。
【0031】
26は中央部に前記螺軸23の基端が固着する基板で、この基板は前記基台21の底面部中央に設けた凹溝部25の中央部のやや巾広溝部25’に嵌置する。
【0032】
27は前記基台21の上側面部に載置する当接板で、この当接板の中央部の通孔には前記螺軸23を挿入し雌螺子24によって螺装する。
【0033】
28は前記当接板27の直角に曲折した一側面部27’に左右の取付板29,29を介して取付ける取付部材で、この取付部材は左右に分岐した把持板30,30間に竪平葺屋根部bを挟合して取付ける。
【0034】
31,31,31,31は前記両把持板30,30の各前後端部に設けた載置部で、竪平葺屋根の平面部に設置する。
【0035】
32,32は前記取付部材28の左右把持板30,30間に架設して緊締する螺子で、これによって竪平葺屋根部bに固定する。
【0036】
この第2実施例の場合であっても、前記した三角形勾配を有する補助台17を予備的に用意してもよい。
【0037】
Aは前記基台1,21上に架設するソーラーパネル取付け用の設置部材である。
【符号の説明】
【0038】
1 基台
2 通孔
3 螺軸
4 雌螺子
5 基板
6 抑止板
6’ 副板
7 取付部材
8 外立板
9 水平板
10 締付板
11 内立板
12 止着
13 開口部
14 螺子
15 雌螺子
16 凹溝部
17 補助台
18 通孔
21 基台
22 通孔
23 螺軸
24 雌螺子
25 凹溝部
25’ 巾広溝部
26 基板
27 当接板
27’ 一側面部
28 取付部材
29,29 取付板
30,30 把持板
31,31,31,31 載置部
32,32 螺子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体が立方体に成る硬質ゴム製の基台の中心部に通孔を設け、この通孔を基台底面部に設けた凹溝部に連通し、前記通孔に挿入する適当長さの螺軸を基端に基板を固着して前記凹溝部に嵌置し、前記螺軸の上端に雌螺子を螺装し、前記基板の一端部に設けた取付部材を前記基台の一部に連結して成ることを特徴とするソーラーパネル取付け用基礎装置。
【請求項2】
基台の一側端面部に当接する抑止板と基台の他側端面部に設ける取付部材との間を基板で連結し、前記取付部材は上下の水平板と締付板との間に横葺屋根部を挟合しこれを螺子にて緊締するように成る請求項1に記載したソーラーパネル取付け用基礎装置。
【請求項3】
基台の上側面部に載置した当接板の曲折した一側面部に連結する左右の取付板を設けた取付部材は、左右に分岐した把持板間に竪平葺屋根部を挟合しこれを螺子にて緊締するように設けて成る請求項1に記載したソーラーパネル取付け用基礎装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−1912(P2012−1912A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−135729(P2010−135729)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【出願人】(599045534)有限会社盛岡原田 (6)
【Fターム(参考)】