説明

タイミング情報の取得およびレンジングを行うための装置、システムおよび方法

システムは、第1装置(1)と、1つまたは複数の第2装置(2)とを含む。第1信号(61)および第2信号(62)が、第1装置(1)から第2装置(2)へと送信され、第3信号(63)が、第2装置から第1装置へと送信される。これらの信号(61,62,64)が送信され受信される時刻が、測定され、第1および第2装置の第1および第2ローカルクロックにおける異なるクロック速度の修正を含むタイミング情報の計算に用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1および第2装置の間のタイミング情報を得るためのシステムおよび方法に関し、特に、このタイミング情報を用いたレンジングの方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レンジングは、2つの電子装置AおよびBの間で、信号を伝えることによる距離の測定を含む。装置AおよびBの両方が、内部にクロックを有すると仮定される。典型的には、AがBに信号を送り、Bがこれを受信すると、直ちにAに信号を返送する。Aは次に、その信号の送信とBから戻った信号の受信の間の時間差を計算し、これを2で割り、速度を掛けて、AからBへの距離または距離範囲を得る。
【0003】
この方法は、Aに位置するクロックのみを用いており、AとBのクロックが同期されてない場合に起こり得る問題を避けるものである。しかしながら、BからAへの信号の返送に遅れがあった場合に、問題が発生し、測定される距離範囲に著しい不正確さを生じる原因となる。
【0004】
この問題を、AのクロックとBのクロックの両方を使用して修正する方法は、AとBのクロックが同期されていないということを、考慮に入れる必要がある。
【0005】
1995年7月に、Aetherwire & Location Inc for the US Advanced Research Projects Agency / Federal Bureau of Investigation (Contract J-FBI-94-058)により作成された、“Low-power, miniature, Distributed Position Location and Communication Devices Using Ultra-Wideband, Nonsinusoidal Communication Technology”と題されたレポートにおける“Protocols for Co-operating Localisers to Determine range”から、従来の提案の1つが知られている。本明細書を書いている時点では、このレポートの1バージョンが、http://www.aetherwire.comより入手可能である。
【0006】
このレポートにおいて、レンジングの方法が提案されており、この方法では、装置Bが、Bのクロックに基づいて示された遅延時間であって、BがAからの信号に返信する際にかかる遅延時間を、Aに送信する。これにより、Aは遅延に対する修正を行うことができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、この手法は、AのクロックおよびBのクロックが、正確に同一の速度で進行していることを前提としている。少しでも不一致があれば、エラーが発生する。
【0008】
したがって、異なる速度で進行する、同期されていないクロックを扱うことが可能な方法の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によると、それぞれ第1および第2ローカルクロックを有する第1および第2装置の間のタイミング情報を得るための方法が提供され、この方法は、
第1信号を、第1ローカルクロックを基準とする第1時刻t1に、第1装置から第2装置に送信し、
第1信号が第2装置に到着する、第2ローカルクロックを基準とする第2時刻t2を、測定し、
第2信号を、第1ローカルクロックを基準とする、t1とは異なる第3時刻t3に、第1装置から第2装置に送信し、
第2信号が第2装置に到着する、第2ローカルクロックを基準とする第4時刻t4を、測定し、
第3信号を、第2ローカルクロックを基準とする第5時刻t5に、第2装置から第1装置に送信し、
第3信号が第1装置に到着する、第1ローカルクロックを基準とする第6時刻t6を測定し、
第1および第2ローカルクロックにおける異なるクロック速度およびクロックタイムの修正を含めて、第1、第2、第3、第4、第5および第6時刻から、タイミング情報を計算する。
【0010】
本発明に係る方法は、このように、これらの信号からのタイミング情報を用いて、ローカルクロックにおけるオフセットクロックおよび異なるクロック速度を修正する。したがって、異なるクロックが、正確に同一の速度を有する必要がない。
【0011】
送信器および受信器は、好ましくは、無線周波数送信器および受信器である。このような無線信号は、cの信号速度を有し、これは、空気中の光の速度である。
【0012】
この方法は、第1ローカルクロックに対する第2ローカルクロックの速度の測定値aを計算することができる。これは、好適な実施形態においては、次のようになる。
【数1】

【0013】
第1および第2装置の間の距離範囲rを、記録された時刻および信号速度cから、次の式を用いて計算することができる。
【数2】

【0014】
第1装置において、時間情報を協同して収集するために、第3信号は、第2、第4および第5時刻を含んでいてもよい。
【0015】
代わりの実施形態においては、個別の信号に第2、第4および第5時刻を含めて、第2装置から第1装置に送信してもよい。あるいは、遅延および距離範囲の計算は、(t4−t2)および(t5−t2)のみを必要とし、したがって、遅延および距離範囲情報のみが必要である場合に、代わりに(t4−t2)および(t5−t2)を送信しても良いことに留意されたい。
【0016】
さらに、必ずしも第1装置で情報を集める必要はない。また、信号に第1、第3および第6時刻を含めて、第1装置から第2装置に送り、第2装置に計算を行わせることも可能である。さらに、すべての必要なデータを第3装置に送って、計算を行わせることも可能である。
【0017】
このシステムでは、例えば装置のフィルタまたは他の構成要素において、既知の遅延に対する時間の修正を行ってもよい。
【0018】
他の態様においては、本発明は、タイミング情報を得るためのシステムに関し、このシステムは、
第1ローカルクロックと、送信器と、受信器とを有する第1装置であって、
第1信号を、第1ローカルクロックを基準とする第1時刻t1に送信し、
第2信号を、第1ローカルクロックを基準とする第3時刻t3に送信し、
第3信号を受信し、第3信号が第1装置に到着する、第1ローカルクロックを基準とする第6時刻t6を測定するように構成された第1装置と、
第2ローカルクロックと、送信器と、受信器とを有する第2装置であって、
第1信号を受信し、第1信号が第2装置に到着する、第2ローカルクロックを基準とする第2時刻t2を測定し、
第2信号を受信し、第2信号が第2装置に到着する、第2ローカルクロックを基準とする第4時刻t4を測定し、
第3信号を、第2ローカルクロックを基準とする第5時刻t5に送信するように構成された第2装置と、
を備え、
第1および第2ローカルクロックにおける異なるクロック速度およびクロックタイムの修正を含めて、第1、第2、第3、第4、第5および第6時刻から、タイミング情報を計算するように構成されている。
【0019】
第1装置を、移動局とし、第2装置を、第1基地局とてもよく、システムは、それぞれローカルクロックを有するさらなる基地局をさらに含んでもよい。さらなる基地局は、それぞれ、第1および第2のさらなる基地局信号を受信し、さらなる基地局のローカルクロックを基準とする、これらの信号がさらなる基地局に到着する時刻を測定し、さらなる応答信号を、さらなる基地局のローカルクロックを基準とする所定の時刻に送信するように構成してもよい。システムは、移動局とそれぞれの基地局との間で送信される信号の時刻を用いて、それぞれの基地局からの移動局の距離範囲を計算し、この距離範囲から、移動局の位置を計算してもよい。
【0020】
移動局からそれぞれの基地局へ送信される信号は、それぞれの基地局に共通の放送信号とすることができ、あるいは、それぞれの基地局のための個別のメッセージ信号を、使用してもよい。したがって、好適な実施形態においては、移動局から基地局へと送信される第1および第2信号は、さらなる基地局においても、第1および第2のさらなる基地局信号として受信され、ただし、第1基地局から返送される第3信号は、それぞれのさらなる基地局から返送されるさらなる応答信号とは別のものである。放送信号を使用するこの手法は、移動局が、第1および第2信号を送信する際に、どの基地局が距離範囲内にあるかを知る必要性を避ける。
【0021】
本発明は、また、一態様において、第2ローカルクロックを有する第2装置と協同して動作するための装置を含む、個別の装置に関し、この装置は、
第1ローカルクロックと、
第1信号を、第1ローカルクロックを基準とする第1時刻t1に第2装置に送信し、第2信号を、第1ローカルクロックを基準とする第3時刻t3に第2装置に送信するように構成された送信器と、
第3信号を、第2装置から受信し、その到着時刻を、第1ローカルクロックを基準とする第6時刻t6において測定するように構成された受信器と、
第2装置が第1信号を受信する、第2ローカルクロックに基づく第2時刻t2と、第2装置が第2信号を受信する、第2ローカルクロックに基づく第4時刻t4と、第2装置が第3信号を送信する、第2ローカルクロックに基づく第5時刻t5と、を含むタイミング情報を、第2装置から受信し、第1および第2ローカルクロックにおける異なるクロック速度およびクロックタイムの修正を含めて、第1、第2、第3、第4、第5および第6時刻から、タイミング情報を計算するように構成された計算ユニットと、を備える。
【0022】
上記装置においては、計算ユニットは第1装置に設けられていることに留意されたい。
【0023】
上述のように、計算を第2装置において行いうことも可能であり、したがって、他の態様においては、第1ローカルクロックを有する第1装置と協同して動作するための装置が提供され、この装置は、
第2ローカルクロックと、
第1および第2信号を、第1装置から受信し、第1信号の到着時刻を、第2ローカルクロックに基づく第2時刻t2として測定し、第2信号の到着時刻を、第2ローカルクロックに基づく第4時刻t4として測定するように構成された受信器と、
第3信号を、第2ローカルクロックを基準とする第5時刻t5に、第1装置に送信するように構成された送信器と、
第1装置が第1信号を送信する、第1ローカルクロックに基づく第1時刻t1と、第1装置が第3信号を送信する、第1ローカルクロックに基づく第3時刻t3と、第1装置が第6信号を受信する、第1ローカルクロックに基づく第6時刻t6と、を含むタイミング情報を第1装置から受信し、第1および第2ローカルクロックにおける異なるクロック速度およびクロックタイムの修正を含めて、第1、第2、第3、第4、第5および第6時刻から、タイミング情報を計算するように構成された計算ユニットと、を備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1は、通信アンテナ11に接続され、第1ローカルクロック14を含む通信マイクロプロセッサ12により制御される通信送受信器10を有する携帯電話1を示している。
【0025】
この図は、また、通信アンテナ21に接続され、第2ローカルクロック26を含む通信マイクロプロセッサ22により制御される通信送受信器20をそれぞれが備える3つの基地局2を示している。
【0026】
使用に際し、携帯電話は、基地局2のうちの1つである主基地局24に登録され、この主基地局24および対応する携帯電話ネットワークとの音声およびデータ通信を容易にする。このような通信には、例えば、音声通話、テキストメッセージ、およびインターネットへのアクセスが挙げられる。携帯電話ネットワーク内での2方向通信用の、このような電話および基地局の設計および製造は、周知であるため、本発明に直接関係がない部分については、さらなる説明は行わない。
【0027】
多くの場合、携帯使用者は、移動局の場所の位置決定を行うことを望むであろう。例えば、緊急通話を行う場合、移動局が自動的に位置を決定し、この位置を、緊急サービスオペレータに渡す。これは、米国においてPSAP(Public Safety Answer Point)として知られている。位置決定を得るためには、携帯電話MSは、既知の場所の少なくとも3つの基地局に届く必要がある。図示されていないが、追加の基地局に届くことも可能である。
【0028】
図2に示されるように、本発明によれば、システムは以下のステップを実行する。
【0029】
最初に(ステップ30)、第1信号61が、移動局内のローカルクロック14を基準とする第1時刻t1において移動局から送信される。ローカルクロック14は、以下では移動局ローカルクロックと呼ぶ。
【0030】
この信号は、基地局で受信され(ステップ32)、その到着時刻が測定される。この測定到着時刻を、第2時刻t2と称し、これは、基地局のローカルクロック26を基準とする。次いで、第2信号62が、t1とは異なる第3時刻t3に移動局から送信され(ステップ34)、時刻t3は、再び移動局ローカルクロックで測定される。この信号は、基地局にて受信され(ステップ36)、その到着時刻が、基地局ローカルクロックに基づいて第4時刻t4として測定される。次いで、第3信号63が、基地局ローカルクロックを基準とする第5時刻t5に基地局から移動局に送信され(ステップ38)、移動局において受信され(ステップ40)、移動局ローカルクロックにより測定される第6時刻t6として測定される。
【0031】
信号を送信および受信するステップは、図3においてステップ42として概略的に示されている。
【0032】
位置計算を行うための測定時刻を、協同して収集する必要がある。説明される実施形態において、計算は移動局1において行われる。基地局2において測定される時刻に関する情報は、第3信号で基地局から移動局へと送信され、その結果、移動局は、時刻t2、t4およびt5を含む。移動局が、第3信号を受信すると、そのメモリ(通信プロセッサ12の一部)にデータを格納することにより、タイミングデータを協同して収集する(ステップ44)。このステップの一部として、移動及び基地局1,2における信号の送受信における既知の遅延の時間を収集する。
【0033】
次に、移動局は、次の式を用いて、記録された時刻および光の速度cから、移動局1と基地局2の間の距離範囲を計算する(ステップ46)。
【数3】

【0034】
比率aは、移動局ローカルクロックを基準とする、基地局ローカルクロックの速度の測定値である。
【0035】
この手順は、少なくとも2つのさらなる基地局と共に、移動局により繰り返され(ステップ48)、移動局からこれらの追加的な基地局への距離範囲が計算される。
【0036】
次いで、移動局における三辺測量(ステップ50)を用いて、移動局の位置が決定される。三辺測量は、当該技術分野において周知の簡易な幾何学的技術であるため、さらなる説明は行わない。
【0037】
移動局位置は、次に、音声およびデータ通信を目的として、移動局が登録されている主基地局24に送信され、緊急サービスオペレータに転送され、これにより、電話の使用者は、迅速な、その場所に特定の援助を受けることができる。
【0038】
好ましくは、時刻t1、t2、t3、t4、t5およびt6は、ナノ秒の分解能で測定され、数メートル内のレンジングを可能にする。
【0039】
タイミング信号の送信と受信の時刻を測定するための特定の方法は、周知であるため、さらなる説明は行わない。当業者は、経過測定の時間の一部として発生するフィルタ、アナログ・デジタル変換器等を原因とする遅延が、送受信器に発生し得ること、そして、これらの遅延を、測定された距離範囲から差し引く必要があることを理解するであろう。しかしながら、相対クロック速度測定aは、遅延が一定であると仮定すると、このような遅延の影響を受けない。
【0040】
第2の実施形態においては、基地局2は、屋内または局部ネットワークの基地局であり、移動局1は、対応する移動局である。
【0041】
その他としては、基地局および移動局が、上述したように機能し、位置決定を行う。
【0042】
本開示の文脈より、他の変形および修正が、当業者には明らかとなるであろう。このような変形および修正は、通信および位置決定システムの設計、製造および使用において周知の、同等の他の機能を含むことができ、これらは、本明細書に記載される機能への追加またはその代わりとして使用することができる。特許請求の範囲は、本出願において、特定の機能の組合せとして構成されているが、開示の範囲は、ここに明示的または暗黙的に記載されるどのような新規な機能またはどのような新規な組合せ、あるいはどのような一般化も、それが同一の技術的問題の一部またはすべてを、本発明がするように軽減するにせよ、しないにせよ、含むものと理解されるべきである。本出願人は、このような機能および/またはこのような機能の組合せに関する新たな特許請求の範囲を、本適用またはそれより導かれるどのようなさらなる適用の実行の間にも構成し得ることを、ここに明記する。
【0043】
本発明を、3つの距離範囲の測定を用いて上に述べたが、3つを超える基地局に届かせることも可能であり、また、結果として生じる過度に決定された等式のセットを、最適な種類の反復方法を用いて解き、改善された精度および誤差の許容度で位置決定を提供することも可能である。さらに、電話移動局により送信される第1および第2タイミング信号は、3つの基地局すべてによって、または実際に距離範囲内にあるいずれに基地局によっても、受信および測定することができる。これは、異なる第1および第2信号を、異なる基地局に送る必要性を回避する。
【0044】
さらに、上の説明は、非常時を対象としているが、移動局の使用者がその位置を知りたいときはいつでも、同一の手順を実行することができる。
【0045】
さらに、レンジングのステップは、必ずしも移動局により開始される必要はなく、計算についても、必ずしも移動局にて実行させる必要はない。したがって、基地局のうちの1つが、レンジングステップを開始してもよく、この場合、計算を基地局で実行することが便利であろう。
【図面の簡単な説明】
【0046】
本発明の実施形態は、純粋に例示として、添付の図面を参照に説明される。
【図1】図1は、近くにある複数の携帯電話ネットワーク基地局にレンジングする携帯電話移動局を示している。
【図2】図2は、信号の交換を示している。
【図3】図3は、本発明のレンジングの動作のフロー図を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ第1および第2ローカルクロックを有する第1および第2装置の間のタイミング情報を得る方法であって、
第1信号を、前記第1ローカルクロックを基準とする第1時刻t1に、前記第1装置から前記第2装置に送信し、
前記第1信号が前記第2装置に到着する、前記第2ローカルクロックを基準とする第2時刻t2を、測定し、
第2信号を、前記第1ローカルクロックを基準とする、t1とは異なる第3時刻t3に、前記第1装置から前記第2装置に送信し、
前記第2信号が前記第2装置に到着する、前記第2ローカルクロックを基準とする第4時刻t4を、測定し、
第3信号を、前記第2ローカルクロックを基準とする第5時刻t5に、前記第2装置から前記第1装置に送信し、
前記第3信号が前記第1装置に到着する、前記第1ローカルクロックを基準とする第6時刻t6を測定し、
前記第1および第2ローカルクロックにおける異なるクロック速度およびクロックタイムの修正を含めて、前記第1、第2、第3、第4、第5および第6時刻から、タイミング情報を計算する、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第4時刻から、前記第2時刻を引き、前記第2ローカルクロックに基づく前記第1および第2信号の間の時間の測定値を得、
前記第3時刻から、前記第1時刻を引き、前記第1ローカルクロックに基づく前記第1および第2信号の間の時間の測定値を得、
第2装置クロックに基づく前記第1および第2信号の間の時間を、第1装置クロックに基づく前記第1および第2信号の間の時間で割り、前記第1ローカルクロックを基準とする前記第2ローカルクロックの速度の測定値を得る、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2、第4および第5時刻を前記第1装置に伝送するために、前記第3信号は、測定された前記第2、第4および第5時刻を含んでいる、ことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1および第2装置における所定の遅延のために、前記第1、第2、第3、第4、第5および第6時刻を修正することを特徴とする前記請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
距離範囲rを、記録された時刻および信号速度cから、
【数1】

を用いて計算することを特徴とする前記請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
移動局の位置決定を行う方法であって、
前記基地局を第2局とし、前記移動局を第1局として距離範囲を計算する、請求項5に記載の方法を、各基地局に対し使用して、複数の基地局と前記移動局との間の距離範囲を計算し、
前記移動局の前記基地局からの距離範囲を使用して、三辺測量を行い、前記移動局の位置を決定する、
ことを特徴とする方法。
【請求項7】
タイミング情報を得るためのシステムにおいて、
第1ローカルクロックと、送信器と、受信器とを有する第1装置であって、
第1信号を、前記第1ローカルクロックを基準とする第1時刻t1に送信し、
第2信号を、前記第1ローカルクロックを基準とする第3時刻t3に送信し、
第3信号を受信し、前記第3信号が前記第1装置に到着する、前記第1ローカルクロックを基準とする第6時刻t6を測定するように構成された第1装置と、
第2ローカルクロックと、送信器と、受信器とを有する第2装置であって、
前記第1信号を受信し、前記第1信号が前記第2装置に到着する、前記第2ローカルクロックを基準とする第2時刻t2を測定し、
前記第2信号を受信し、前記第2信号が前記第2装置に到着する、前記第2ローカルクロックを基準とする第4時刻t4を測定し、
前記第3信号を、前記第2ローカルクロックを基準とする第5時刻t5に送信するように構成された第2装置と、
を備え、
前記第1および第2ローカルクロックにおける異なるクロック速度およびクロックタイムの修正を含めて、前記第1、第2、第3、第4、第5および第6時刻から、タイミング情報を計算するように構成されている、
ことを特徴とするシステム。
【請求項8】
前記第1および第2装置の間の距離範囲rを、記録された時刻および光の速度cから、
【数2】


用いて計算することを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1装置は、移動局であり、前記第2装置は、第1基地局であり、
前記システムは、それぞれがローカルクロックを有するさらなる基地局を含んでおり、前記さらなる基地局は、それぞれ、
第1および第2のさらなる基地局信号を受信し、前記さらなる基地局のローカルクロックを基準とする、これらの信号が前記さらなる基地局に到着する時刻を測定し、
さらなる応答信号を、前記さらなる基地局のローカルクロックを基準とする所定の時刻に送信するように構成されており、
前記システムは、前記移動局とそれぞれの前記基地局との間で送信される信号の時刻を用いて、それぞれの前記基地局からの前記移動局の距離範囲を計算し、前記距離範囲から、前記移動局の位置を計算するように構成されている、
ことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記移動局から前記基地局へと送信される前記第1および第2信号は、前記さらなる基地局においても、前記第1および第2のさらなる基地局信号として受信されるが、前記第1基地局から返送される前記第3信号は、それぞれの前記さらなる基地局から返送される前記さらなる応答信号とは別のものである、ことを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
第2ローカルクロックを有する第2装置と協同して動作するための装置であって、
第1ローカルクロックと、
第1信号を、前記第1ローカルクロックを基準とする第1時刻t1に前記第2装置に送信し、第2信号を、前記第1ローカルクロックを基準とする第3時刻t3に前記第2装置に送信するように構成された送信器と、
第3信号を、前記第2装置から受信し、その到着時刻を、前記第1ローカルクロックを基準とする第6時刻t6において測定するように構成された受信器と、
前記第2装置が前記第1信号を受信する、前記第2ローカルクロックに基づく第2時刻t2と、前記第2装置が前記第2信号を受信する、前記第2ローカルクロックに基づく第4時刻t4と、前記第2装置が前記第3信号を送信する、前記第2ローカルクロックに基づく第5時刻t5と、を含むタイミング情報を、前記第2装置から受信し、前記第1および第2ローカルクロックにおける異なるクロック速度およびクロックタイムの修正を含めて、前記第1、第2、第3、第4、第5および第6時刻から、タイミング情報を計算するように構成された計算ユニットと、
を備えることを特徴とする装置。
【請求項12】
第1ローカルクロックを有する第1装置と協同して動作するための装置であって、
第2ローカルクロックと、
第1および第2信号を、前記第1装置から受信し、前記第1信号の到着時刻を、前記第2ローカルクロックに基づく第2時刻t2として測定し、前記第2信号の到着時刻を、前記第2ローカルクロックに基づく第4時刻t4として測定するように構成された受信器と、
第3信号を、前記第2ローカルクロックを基準とする第5時刻t5に、前記第1装置に送信するように構成された送信器と、
前記第1装置が前記第1信号を送信する、前記第1ローカルクロックに基づく第1時刻t1と、前記第1装置が前記第3信号を送信する、前記第1ローカルクロックに基づく第3時刻t3と、前記第1装置が第6信号を受信する、前記第1ローカルクロックに基づく第6時刻t6と、を含むタイミング情報を、前記第1装置から受信し、前記第1および第2ローカルクロックにおける異なるクロック速度およびクロックタイムの修正を含めて、前記第1、第2、第3、第4、第5および第6時刻から、タイミング情報を計算するように構成された計算ユニットと、
を備えることを特徴とする装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−507500(P2006−507500A)
【公表日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−554763(P2004−554763)
【出願日】平成15年11月11日(2003.11.11)
【国際出願番号】PCT/IB2003/005089
【国際公開番号】WO2004/048997
【国際公開日】平成16年6月10日(2004.6.10)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】