説明

タイヤ安全支持体用の潤滑組成物

本発明は、タイヤケーシングと上記ケーシング内のホイールリムに取付けられた安全支持体の間の界面を潤滑するのに使用され得る潤滑組成物に関する。さらに本発明は、そのようなケーシング及び先述の潤滑組成物が提供された自動車用の取付け組立体に関する。本発明の潤滑組成物は、潤滑組成物としてアルケンオキシドポリマー(ポリオキシアルケン)及び増粘剤として4%〜7.5%のシリカ(潤滑組成物の質量割合)を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、タイヤと上記タイヤ内のホイールリム上に取付けられた安全支持体との間の界面を潤滑するのに使用され得る潤滑組成物、及びそのようなタイヤ及び上記潤滑組成物が提供される自動車に対する取付け組立体に関する。本発明は、さらにタイヤ内のタイヤ圧の落下の後、ランフラット(running flat)時、支持体とタイヤの間の潤滑剤にも関する。
タイヤが、低い又はゼロ圧で走行するとき(ラニング「フラット」として知られる)、タイヤの内表面の種々の部分の間又はタイヤと金属ホイールリムの間の摩擦ゾーンの加熱による劣化を遅らせるため、従来、これらの摩擦ゾーンの摩擦を削減するために設計された潤滑組成物を有するタイヤの内部面を提供することが求められてきた。
これらのタイヤ/タイヤ又はリム/タイヤ潤滑組成物は、既知の方法で、以下、
(1)アルケンオキシドポリマー(又はポリオキシアルケン)又はグリセリンのような潤滑剤、
(2)シリカのような増粘剤であって、自動車が、停止して又は膨らんだタイヤで回転する時の重力のため、上記潤滑剤の流れを最少化するために潤滑剤の粘度を上げることが企図されている増粘剤、
(3)ランフラットの間、揮発し得る1種以上の揮発性液体、例えば、水、アルコール又は塩の水溶液、及び
(4)界面活性剤補強剤、さらにその水溶液、
を含む。
【0002】
例として、タイヤ/タイヤ又はタイヤ/ホイール界面を潤滑するように設計された潤滑組成物を示す特許明細書FR-A-2 293 486(又はUS 4,051,884)を引用し得、これは、潤滑剤、増粘剤、揮発性液体及び界面活性剤補強剤を含む。この組成物の潤滑剤は、ポリオキシアルケン、好ましくはエチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマーから成る。使用される増粘剤は、潤滑組成物中の質量分率が、少なくとも7.5%である細かく分けられたシリカであり、この質量分率の範囲は、実際の例で8.4%〜9.0%である。この潤滑剤は、コポリマーの相対的に高い粘度を下げることを企図して揮発性液体として水をさらに含む。最後に、界面活性剤補強剤は、pH5.5〜8.5でアルカリ金属イオン塩水溶液からなる。
特許US-A-3 946 783を引用することができ、これは、タイヤ/ホイール界面を潤滑するために設計された潤滑組成物を示す。この組成物は、一方でタイヤケーシング内部に適用されるように企図された非揮発性剤を含み、いかなる既知の潤滑剤(例えば、水、油、エステル、シラン、界面活性剤、ポリオキシアルケングリコール、グリコールエーテル、クロロフルオロカーボンのポリマー又はシリコーン)及び有機又は無機不活性充填剤(例えば、シリケート、アスベスト繊維、シリカ、セルロース誘導体又はポリアミド)を含む1種以上の増粘剤及び、他方で、ホイール上に取付けられた油受けにためられることを企図された揮発性剤を含み、ランフラット時、それらは、上記非揮発剤と、混合し得るように放出され好ましくは水及び表面活性剤を含む。
さらに最近、タイヤ圧が落ちてもタイヤのトレッドを維持できるようにホイールリム上に取付けられたタイヤ内部の特定の安全支持体を提供することによって、低又はゼロタイヤ圧で走行条件下、取付け組立体の耐久力を改良することが求められている。そのような支持体の記載について、例えば特許明細書FR-A-2 746 347(又はUS5,891,279)又はWO 00/70791(又はUS 6,564,842)を引用できる。
【0003】
本明細書において、上記支持体とその周囲のタイヤの内表面間の摩擦を減少するように特に設計されている支持体/タイヤ潤滑組成物が、ランフラット条件下、またより重い負荷及び安全支持体なしで、先の試験の典型より相当に長い時間試験される。これらの組成物は、このタイヤの内表面がリムに取付けられる前に、タイヤの内表面に通常適用される。
特許FR-A-2 480 201(又はGB-A-2 074 955)は、支持体/タイヤ潤滑組成物を示し、約70%の質量分率のポリグリコールから成る潤滑剤及び約30%の質量分率のゴム粉末、ガラス及びプラスチック小球を含む固体粒子の大多数を含む増粘剤、及び任意に酸化シリコンを含む。
特許FR-A-2 415 551(又はGB-A-2 0013 143)は、さらにポリプロピレングリコール及びゴム及びグラウンドアップ(ground-up)タイヤケーブル、アスベスト、及びシリカのような繊維元素増粘剤からなる潤滑剤を含む支持体/タイヤ潤滑剤組成物を示す。
より最近、国際特許出願WO 02/04237(又はUS2003/087766)は、一方で潤滑剤を他方でポリサッカライドを含む支持体/タイヤ潤滑組成物を開示し、上記潤滑剤を厚くするように設計され、上記潤滑剤は、少なくとも60質量%のグリセリンを含み、95%〜99%の質量分率で組成物に存在する。
【0004】
本発明の目的は、タイヤと、上記タイヤ内部のホイールリムに取付けられた安全支持体の間の界面の潤滑に使用され得る新規な潤滑組成物を提案することである。
出願人は、予想外にも、アルケンオキシドポリマーを含む潤滑剤の上記潤滑組成物と、4.0%〜7.5%(潤滑組成物の質量%)の小割合の増粘剤としてのシリカとの相関によって、ランフラットの前に、上記組成物の流れを阻止すること及びランフラットの間、耐久力が既知の潤滑組成物によって達成されるのと比較して改良されることを確実にすることを可能にしたことを発見した。これらは、さらにより少量の潤滑組成物を使用することにより得られ得る。
本発明は、さらに自動車タイヤと、上記タイヤ内部のホイールリム上に取付けられた安全支持体との間の界面を潤滑する本発明の潤滑組成物の使用に関する。
本発明は、さらに、取付けされるように設計されたホイールリムに対向するように設計された内周面を含むタイヤに関し、そのような上記内周面に本発明の潤滑組成物が提供される。
本発明は、さらに、自動車に対する本発明の取付け組立体であって、リム、上記リム上かつ少なくとも外周面に取付けられた、ゴム組成物又はプラスチック材料からなる安全支持体に関し、上記支持体の周囲の上記リム上に取付けられたタイヤ、2つの周辺端部のそれぞれで上記タイヤの取り付けられたビード上のリムシートを有するリムを含む。この取付け組立体は、タイヤ/安全支持体界面を潤滑するように設計された本発明の潤滑組成物が提供されることを特徴とする。
【0005】
好ましくは、本発明の取付け組立体は、リムに対向するタイヤの内周面上に潤滑組成物が提供される。
本発明は、以下の詳細な説明及び添付された図の観点から容易に理解されるだろう。
本発明の潤滑組成物において、シリカの割合(又は質量分率)は、4.0%より高くかつ7.5%より低く、上記とは別に、本発明の取付け組立体に必要とされるフラットラニング時の耐久力レベルは、達成されない。この理由で、シリカの割合は、好ましくは5.3%〜6.7%及びさらに好ましくは5.5%〜6.5%の範囲内である。約6.0%(すなわち6±0.3%)のシリカの質量分率は、多数の場合において、最適となる。
使用されるシリカは、当業者に知られるいかなるシリカ、例えば、堆積した又は好ましくは、450m2/g以下の特定のBET及びCTAB表面積を有する発熱性シリカである。
本明細書において、BET比表面積(「単位質量あたりの面積」)が、”The Journal of the American Chemical Society”, Vol. 60, p.309, February 1938に記載されたBrunauer-Emmett-Teller法を使用するガス吸着によって決定され、より正確には、1996年12月のフランス標準NF ISO 9277に従う[多点容積測定法(5点)-気体:窒素-脱気:160℃で1時間-相対圧範囲p/p0:0.05〜0.17]。CTAB比表面積が、1987年12月のフランス標準NF T 45-007に従って決定される外部表面積である(方法B)。
より好ましくは、使用されるシリカは、50〜350m2/gのBET表面積を有する。本発明の取付け組立体の上記350m2/gの耐久力は、最適条件から逸脱させ得るが、組成物リスクの補強は、50m2/g以下に影響される。従って、特に安全支持体が、天然ゴム又はポリウレタンエラストマーのようなジエンエラストマーで作られた支持体であるとき、BET表面積が100〜250m2/gのシリカを選択することが最良である。
【0006】
使用されるポリオキシアルキレン(又はポリオキシアルケン)は、好ましくは、ポリアルキレングリコールである。さらに、アルキレン(又はアルケン)は、好ましくは、エチレン、プロピレン及びブチレンから選択される。
エチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマー又は混合物のポリマーを使用することが有利である。そのようなコポリマーの場合に対して、混合物ポリマーは、40%〜80%の好ましいモル分率でエチレンオキシドから得られる単位(特に50%〜70%)及び20%〜60%の好ましいモル分率のプロピレンオキシドから得られる単位(特に30%〜50%)を含む。
本発明の別の好ましい特性によれば、ポリオキシアルケンは、1000〜10000g/molより好ましくは2000〜6000g/molの数平均分子量(Mnで示される)を有する。他方で、その分散度(polymolecularity index) (Ipで示される)は、好ましくは1.5以下及びより好ましくは、1.3未満(Ip=Mw/Mn(式中、Mwは、質量平均分子量である。)であることを回帰させる。)である。
本発明の別の好ましい特性によれば、使用されるポリオキシアルケンは、100〜1500mPa.s(1mPa.s=1cP)、より好ましくは200〜1000mPa.sの見掛け粘度を有し、上記粘度は、ヨーロッパ及び国際標準EN ISO 2555(1999年6月)(Brookfield法による粘度:A型の回転粘度計、回転速度20r/分、モービルNo.2、モデルRVT)に従って23℃で測定される。
有利に、これは、生成物を例えば取付け組立体から除去する必要がある場合、単に水で洗浄することにより、水溶性型のポリオキシアルケンが使用される。
【0007】
以下の明細書及び実施例の観点から、当業者であれば、本発明の特定の実施条件、特に安全支持体の性質及び幾何学の機能として、容易に潤滑組成物の粘度を調節することにより、以下、
(1)過度な高流動性のために、組成物の付随ドレン(parasitic drainage)のリスクであって、一方このドレンは、正常条件下その後の走行の間、ホイールバランスの問題を発生する傾向がある(企図された膨張圧での)リスク、
(2)過度の低流動性のために、ランフラット条件下、安全支持体の周囲の組成物の非統一分配(non-uniform distribution)のリスク、
を避けるために、容易に潤滑組成物の粘度を制御することが可能であろう。
もちろん、粘度調節は、要求されたシリカ濃度範囲(4.0%〜7.5%)に従う間、ランフラット条件の取付け組立体の耐久力を不利にしないように、実施する。
従って、特に安全支持体が天然ゴムのようなジエンエラストマーからなる場合、300〜700mPa.sの範囲内の粘度、例えば、400〜650mPa.sで、ポリオキシアルケンを使用することが有利である。
より高い粘度範囲、例えば450〜850mPa.sが、ポリウレタンエラストマーからなる安全支持体の場合、さらに本発明に好適である。
本発明の潤滑組成物の別の有利な特性は、水の存在を必要とせず、潤滑剤(ポリオキシアルケン)と増粘剤(シリカ)との相互作用を支持する。こういうわけで、「非-水溶性」又は非水溶性型とよばれ、悪影響なしで、少量の水の存在を許容し得たとしても、本件「非水溶性」下、組成物は、2%未満、より好ましくは1質量%未満の水を含む組成物を意味すると理解される(潤滑組成物の質量%)。
好ましくは、本発明の組成物は、150℃以下の温度で例えばアルコール又は塩(例えばアルカリ金属塩)を気化するいかなる他の揮発性液体をさらに欠く。
本発明の潤滑組成物は、1種以上の異なる添加剤、例えば酸化防止剤、着色剤、殺菌性、イオン又は非イオン界面活性剤添加剤を含み、そのような添加剤の含有量は、好ましくは2%未満である(組成物の質量%)。
【0008】
本発明の有利な態様において、本支持体の少なくとも外周面が、ゴム組成物からなり、このゴム組成物は、(天然又は合成)ジエンエラストマー(又はゴム)例えば天然ゴム又はエラストマーポリウレタンに基づき、有利にも、使用される支持体は、そのエラストマーマトリックスが、ほとんどの部分又は排他的に天然ゴム又はポリウレタンを含むエラストマーマトリックスである。
本発明の別の有利な態様において、上記支持体の少なくとも外周面が、プラスチック材料からなり、このプラスチック材料は、熱硬化性ポリウレタン(TPU)又は熱可塑性エラストマー(TPE)に基づき、有利に、使用される支持体は、プラスチック材料が、ほとんどの部分又は排他的にそのようなポリウレタン又はそのようなエラストマーを含むものである。
表1及び2に言及すると、実施例で試験されるそれぞれの支持体1は、実質的に、公報FR-A-2 746 247(US 5,891,279)又は先に引用されるWO 00/76791(US6,564,842)に記載されるように、
(1)一般的に環状形の基材2、
(2)クラウン3、実質的に環状、(任意に)その外周面上の長軸方向の溝5
(3)基材2に接続する環状体4及びクラウン3
を含む。
【0009】
特に、図2は、タイヤのタイヤ圧が大きく落ちる場合、タイヤ8(リム9に取付けられている)のトレッド7を支持しなくてはならない支持体1の機能を示す。
図2に示される断面図は、環状体4の第一固体部4a及びくぼみを含む第二部4b(図1を参照されたい)を有するそのような支持体1の特別な例を示し、これは、軸方向に環状体4の半分以上を実質的に拡張し、実質的に軸方向に外側に開く。これらのくぼみ4bは、規則的にすべて円形の環状体4の円周に分布し、クラウン3半径方向及び支持体1の基板2に直接接続する区分6を定義する。
この幾何学は、曲げるために間仕切6を生じさせる有利性を有するが、粉砕した場合、圧搾されない。くぼみ4b及び間仕切6は、十分に多数であり、タイヤが、支持体上を走行すると、規則的な支持を確実にする。
以下の実施例において、それぞれの支持体1の特徴的な次元は、ミリ単位(それぞれ幅-内部半径-高さ)で115-420-45である。各支持体1は、天然ゴムに基づき、補強充填剤として、高分散性シリカを含む。
【実施例1】
【0010】
この最初の試験において、本発明又は本発明でない及びC-1〜C-5の5つの潤滑組成物を以下の潤滑剤で調製する。
(1)C-1(コントロール):テクニカルグリセリン(90%純度)、
(2)C-2(発明):商標「Emkarox VG 217W」の名でUniquema社によって販売されるエチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマー(粘度=440mPa.s-Mn=4400g/mol-Mw=4900g/mol、Ip=1.11-それぞれ58%と42%のエチレンオキシドとプロピレンオキシドユニットのモル分率)、
(3)C-3(発明):商標「Emkarox VG 379W」の名でUniquema社によって販売されるエチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマー(粘度=650mPa.s-Mn=5500g/mol-Mw=6800g/mol、Ip=1.25-それぞれ59%と41%のエチレンオキシドとプロピレンオキシドユニットのモル分率)、
(4)C-4(発明):商標「Emkarox VG 650W」の名でUniquema社によって販売されるエチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマー(粘度=850mPa.s)、
(5)C-5(発明):商標「Emkarox VG 1051W」の名でUniquema社によって販売されるエチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマー(粘度=1400mPa.s-Mn=8400g/mol-Mw=10900g/mol、Ip=1.30-それぞれ62%と38%のエチレンオキシドとプロピレンオキシドユニットのモル分率)
それぞれの潤滑剤の粘度は、先に示されるように標準EN ISO 2555に従って測定される。マクロ構造(Mw及びMn)を35℃で排除クロマトグラフィーによって決定された(テトラヒドロフラン溶媒、流速1ml/分、濃度1g/l、ポリスチレン質量キャリブレーション、示差屈折率検出器からなる検出器)。エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのユニットのモル分率をNMRで決定した。
これらの組成物のそれぞれは、さらに増粘剤として、100〜250m2/gのBET表面積を有する5.4%の発熱性シリカ(Cabot社製「Cabosil M5」として既知のBET=200m2/g)を含む。これらの例において、添加剤は、潤滑剤組成物C-1〜C-5に添加されず、可塑化剤とシリカの単なる組み合わせから成る。
同一のタイヤに組成物C-1〜C-5を供給し、決定された質量の上記組成物を対応するタイヤの内表面の内部ゾーンに適用し、ゾーンは、実質的にその対称面としてタイヤの対称な赤道面の面を有する。次いで、このタイヤを図2に示されるように同一リム上にマウントし、図1及び2に関して先に記載したような同一の安全支持体を予め取付けた。
「RENAULT」自動車(「SCENIC」モデル)に適合するように設計されたそのように得られたそれぞれ取付け組立体の特別な次元は、ミリ単位で185-620-420である(それぞれ、タイヤ幅、タイヤ直径、リム直径)。
試験の目的で、直径6mmのパンクをそれぞれ取付け組立体、トレッド溝下の内周面に含まれるタイヤのトレッドの幅に沿って部分的に作る。
その後、連続的な運転試験をこれらの車両上で実施し、取付け組立体(右前方)の一つは、潤滑組成物C-1〜C-5の一つを含み、先のパンクのために各試験の始めからフラットランした。
各試験において、このフラットラニングの特別な条件は以下:車輪上の荷重が450kg、平均走行速度100km/h、運転中の周囲温度が25℃、モーターウェイ型サーキット上の走行である。それぞれの試験の終結基準は、安全支持体及び/又はタイヤの破壊の前に運行したキロ数である。
【0011】
得られた結果が下表1に示される。
表1

これらの結果は、コントロール組成物C-1に比較して、明らかに本発明の組成物C-2〜C-5の優位性を示し、本発明の取付け組立体は、潤滑剤としてグリセリンを含む先行技術の取付け組立体と比較して200kmを超える距離をカバーする。
もちろん、それぞれの取付け組立体に対して得られる耐久力はより良く、カバーするキロメートル数が大きいほど、使用される潤滑組成物の質量が小さくなる。この観点から、ここの最良の結果が、非常に少量(タイヤにつき60g)のC-2及びC-3組成物が提供される取付け組立体とともに得られ、潤滑剤として粘度が、ジエンエラストマーで作られた支持体に対して300〜700Pa.sの推奨される好ましい範囲であるポリオキシアルケンを含む。
【実施例2】
【0012】
第二試験5において、本発明の又は本発明でない新たなC-6〜C-10で示される潤滑組成物を調製し、表2に示されるように可変割合の増粘剤(「Cabosil M5」シリカ)を有する。従って、C-7及びC-8組成物のみが、4.0%より高く7.5%より低いシリカ含有量を含み、本発明に適合する。
この試験の潤滑剤は、先の試験で使用された製品「Emkarox VG 217W」及び「Emkarox VG 379W」である。これらの例において、添加剤を潤滑組成物に添加せず、従って、単に可塑化剤とシリカの組み合わせからなる。
この組成物は、試験No.1の前に示されるようにランフラット試験で試験される(タイヤごとにただ60gの潤滑組成物を使用する)。この結果を、以下表2に示す。
表2

これらの結果は、先の試験の結果、即ち、本発明(C-7及びC-8)の組成物が、200kmをはるかに超える取付け組立体の耐久力を与え、一方で、C-6組成物及び他方でC-9及びC-10は、比較によって、同一の潤滑剤及び非常に類似割合のシリカに関わらず、より低い耐久力となることを完全に確認する。
この結果、本発明の潤滑組成物は、本発明の取付け組立体に潤滑効果、かつ従って、実質的により少量の潤滑組成物が適用されても、より良いランフラット耐久力を与える。
従って、本発明の取付け組立体は、200g未満及びより好ましくは150g未満の潤滑組成物を含む有利で好ましい特性を有する。多くの場合、上記例で示されるように、潤滑組成物の量は、さらに100g未満である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の取付け組立体の一部を形成するように設計された安全支持体の側面図
【図2】本発明の取付け組立体の軸方向横断面であり、図1の支持体がホイールリム上に取付けられ、タイヤに接触して配置される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤと、前記タイヤ内のホイールリム上に取り付けられた安全支持体との間の界面を潤滑するために使用可能な潤滑組成物であって、潤滑剤としてポリオキシアルケンと、増粘剤としての4.0%〜7.5%のシリカとを含むことを特徴とする組成物。
【請求項2】
前記ポリオキシアルケンが、ポリオキシアルケングリコールである請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記アルケンが、エチレン、プロピレン及びブチレンから成る群から選択される請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記ポリオキシアルケンが、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマー又はポリマーの混合物である請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記ポリオキシアルケンが、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマーであり、前記コポリマーが、40%〜80%のモル分率のエチレンオキシドから得られる単位と60%〜20%のモル分率のプロピレンオキシドから得られる単位を含む請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記ポリオキシアルケンが、1000〜10000g/mol、好ましくは2000〜6000g/molの数平均分子量を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記ポリオキシアルケンが、1.5未満、好ましくは1.3未満の分散度を有する請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記ポリオキシアルケンが、100〜1500mPa.sの見掛け粘度(欧州標準EN ISO 2555に従って測定される)を有する請求項1〜7記載の組成物。
【請求項9】
前記ポリオキシアルケンが、200〜1000mPa.sの見掛け粘度を有する請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記ポリオキシアルケンが、450〜850mPa.sの範囲の見掛け粘度を有する請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記ポリオキシアルケンが、300〜700mPa.sの範囲の見掛け粘度を有する請求項9に記載の組成物。
【請求項12】
前記ポリオキシアルケンが、400〜650mPa.sの範囲の見掛け粘度を有する請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
シリカの質量分率が、5.3%〜6.7%である請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
シリカの質量分率が、5.5%〜6.5%の範囲である請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
シリカの質量分率が、約6.0%である請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記シリカが、450m2/g未満のBET比表面積を有する請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
前記シリカが、50〜350m2/gのBET比表面積を有する請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記シリカが、100〜250m2/gのBET比表面積を有する請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記シリカが、発熱性シリカである請求項1〜18のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
内周面を含むタイヤであって、前記内周面は、タイヤが取り付けられるように設計されたホイールリムに対向して設計され、請求項1〜19のいずれか1項に記載の潤滑組成物が提供されていることを特徴とするタイヤ。
【請求項21】
自動車用の取付け組立体であって、ホイールリム、前記リムに取付けられ、かつ少なくとも外周面がゴム組成物又はプラスチック材料から成る安全支持体、及び前記支持体周囲の前記リム上に取付けられたタイヤを含み、前記リムが、その2つの周辺端部のそれぞれで、前記タイヤのビードが取付けられたリムシートを有し、前記リムが、その2つのシート間で、前記支持体を受ける軸受面を含む組立体において、前記取付け組立体に、請求項1〜19のいずれか1項に記載の潤滑組成物が供給されて、タイヤと安全支持体間との界面を潤滑するように設計されていることを特徴とする組立体。
【請求項22】
上記リムに対向する上記タイヤの内周面上に前記潤滑組成物が提供されていることを特徴とする請求項21に記載の取付け組立体。
【請求項23】
少なくとも前記支持体の外周面が、ジエンエラストマー、好ましくは天然ゴム、又はポリウレタンエラストマーをベースとするゴム組成物からなる請求項21又は22に記載の取付け組立体。
【請求項24】
少なくとも前記支持体の外周面が、熱硬化性ポリウレタン(TPU)又は熱可塑性エラストマー(TPE)をベースとするゴム組成物からなる請求項21又は22に記載の取付け組立体。
【請求項25】
200g未満の潤滑組成物を含む請求項21〜24のいずれか1項に記載の取付け組立体。
【請求項26】
150g未満の潤滑組成物を含む請求項26に記載の取付け組立体。
【請求項27】
100g未満の潤滑組成物を含む請求項26に記載の取付け組立体。
【請求項28】
自動車用のタイヤと、前記タイヤ内のホイールリム上に取付けられた安全支持体との間の界面を潤滑するための請求項1〜19のいずれか1項に記載の潤滑組成物の使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−518782(P2006−518782A)
【公表日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501698(P2006−501698)
【出願日】平成16年2月2日(2004.2.2)
【国際出願番号】PCT/EP2004/000919
【国際公開番号】WO2004/069565
【国際公開日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(599093568)ソシエテ ド テクノロジー ミシュラン (552)
【出願人】(599105403)ミシュラン ルシェルシュ エ テクニーク ソシエテ アノニム (228)
【Fターム(参考)】