説明

タイルのせん断接着強度試験装置および試験方法

【課題】装置として適切な設置が可能であるとともに、方法としても合理的にタイルの接着個所にせん断力を作用させることが可能であって、試験精度の向上およびタイルのせん断接着強度そのものを的確に試験することができるタイルのせん断接着強度試験装置および試験方法を提供する。
【解決手段】試験対象タイルTaの表面Xに固着される加力アタッチメント5と、試験対象タイル以外の、2以上のタイルTbにそれぞれ固着される反力受けアタッチメント6,7と、これら反力受けアタッチメント間に設けられ、これら反力受けアタッチメントを一体化するための連結治具8と、いずれかの反力受けアタッチメントと加力アタッチメントとの間に設けられ、試験対象タイルにその表面に沿った力を入力するために、反力受けアタッチメントに反力をとって加力アタッチメントに加力する加力手段9とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置として適切な設置が可能であるとともに、方法としても合理的にタイルの接着個所にせん断力を作用させることが可能であって、試験精度の向上およびタイルのせん断接着強度そのものを的確に試験することができるタイルのせん断接着強度試験装置および試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
壁などのタイル接着面に接着されるタイルは、日射によるタイルと下地コンクリートの熱膨張差などから生じるせん断作用で剥がれ落ちることがあるため、タイルのせん断接着強度を試験することが望ましい。
【0003】
特に、試験室内ではなく、実際の施工物件を対象としてこの種試験を実施する技術として、例えば、特許文献1にあっては、既設建築物の外装タイルの接着性能試験を、作業員一人で、実際の現場で容易に測定することを可能にする目的で、建築物の外装タイルを1枚置きに鉛直方向への引張試験を行い、該引張試験によって取り除かれた外装タイル跡に小型化された現場型剪断試験機を設置し、該現場型剪断試験機で外装タイルへ水平方向に力を加えることにより外装タイルの剪断方向の接着性能試験を行うようにしている。
【0004】
詳細には、下地コンクリート上で積層状態にある張り付けモルタルおよび外装タイルの双方に水平方向の力を加えて、張り付けモルタルごと外装タイルを剥がすようにしている。
【特許文献1】特開2007−170887号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
背景技術にあっては、外装タイル跡は不整地面であって、当該不整地面に試験機を設置するようにしているため、剪断試験対象となる外装タイルに対して精度良く試験機を配置することが困難であり、試験誤差が生じるおそれがあった。また、外装タイル跡の不整地面を平滑にするには手間がかかり、試験を円滑に実施することができない。
【0006】
また、水平方向力を外装タイルおよび張り付けモルタル双方に加えて試験を行うものであるため、下地コンクリートと張り付けモルタルとの間の剪断破壊は評価することができるが、タイルのせん断接着強度、すなわちタイルの裏足が張り付けモルタルから剥離する態様や、張り付けモルタルの凝集破壊などを評価することはできず、試験機として、また試験方法として、不満足なものであった。
【0007】
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、装置として適切な設置が可能であるとともに、方法としても合理的にタイルの接着個所にせん断力を作用させることが可能であって、試験精度の向上およびタイルのせん断接着強度そのものを的確に試験することができるタイルのせん断接着強度試験装置および試験方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかるタイルのせん断接着強度試験装置は、建築部材のタイル接着面に接着したタイルのせん断接着強度を試験する装置であって、試験対象タイルの表面に固着される加力アタッチメントと、上記試験対象タイル以外の、2以上のタイルにそれぞれ固着される反力受けアタッチメントと、これら反力受けアタッチメント間に設けられ、これら反力受けアタッチメントを一体化するための連結治具と、いずれかの上記反力受けアタッチメントと上記加力アタッチメントとの間に設けられ、上記試験対象タイルにその表面に沿った力を入力するために、該反力受けアタッチメントに反力をとって該加力アタッチメントに加力する加力手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
前記加力手段の加力値を表示する加力計および該加力手段による前記加力アタッチメントの変位量を表示する変位計を備えたことを特徴とする。
【0010】
前記加力手段は、前記反力受けアタッチメントに保持されることを特徴とする。
【0011】
前記反力受けアタッチメントは、前記加力手段の加力方向に沿って、前記試験対象タイルの両側に配置されることを特徴とする。
【0012】
前記連結治具は、前記試験対象タイル両側に配置された前記反力受けアタッチメント間にわたって延設され、前記加力アタッチメントには、該連結治具にスライド自在に係合するスライドガイドが設けられることを特徴とする。
【0013】
本発明にかかるタイルのせん断接着強度試験方法は、建築部材のタイル接着面に接着したタイルのせん断接着強度を試験する方法であって、試験対象タイルの表面に加力アタッチメントを固着するとともに、該試験対象タイルの接着面積を超える接着面積となる他のタイルに反力受けアタッチメントを固着し、次いで、上記反力受けアタッチメントと上記加力アタッチメントとの間に設けた加力手段により、該反力受けアタッチメントに反力をとって該加力アタッチメントに加力して、上記試験対象タイルにその表面に沿った力を加えることを特徴とする。
【0014】
試験実施前に予め、前記タイル周囲の目地材を除去しておくことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明にかかるタイルのせん断接着強度試験装置および試験方法にあっては、装置として適切な設置ができるとともに、方法としても合理的にタイルの接着個所にせん断力を作用させることができ、試験精度の向上およびタイルのせん断接着強度そのものを的確に試験することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明にかかるタイルのせん断接着強度試験装置およびその試験方法の好適な一実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。本実施形態にかかるタイルのせん断接着強度試験装置(以下、単に「試験装置」という)およびその試験方法は、試験体や既設の建築物等の壁、床または天井に、横方向もしくは縦方向あるいは縦横方向に配列したタイルのいずれに対しても、適用可能である。
【0017】
図1は本実施形態にかかる試験装置1の側断面図、図2はその平面図、図3は図1中A−A線矢視断面図、図4は図1中B−B線矢視断面図、図5は図2中C−C線矢視図である。
【0018】
タイルTa,Tb,Tcは例えば、壁などの下地コンクリート2の表面をタイル接着面4として、その上に施工された張り付けモルタル3を介して、張り付けられる。タイル接着面4に対するせん断破壊は通常、タイルTa,Tb,Tcの足裏と張り付けモルタル3の間、張り付けモルタル3の凝集破壊、張り付けモルタル3とタイル接着面4である下地コンクリート2表面との界面で観察される。張り付けられた複数のタイルTa,Tb,Tcのいずれかが、試験対象タイルTaとされる。
【0019】
試験装置1は主に、加力アタッチメント5と、2以上の反力受けアタッチメント6,7と、反力受けアタッチメント6,7を連結して一体とする連結治具8と、加力手段9を備える。
【0020】
加力アタッチメント5は、試験対象タイルTaの表面Xに固着される。加力アタッチメント5は、試験対象タイルTaの表面Xに接着材で固着されるベース10と、ベース10上に搭載される下方ブロック11と、下方ブロック11上に搭載され、ボルト12で当該下方ブロック11と締結される上方プレート13と、上方プレート13から下方ブロック11を貫通してベース10に螺着され、ベース10から上方プレート13までを一体化する第1締結ボルト14と、ベース10と下方ブロック11との間に装着されるワッシャ15を備える。
【0021】
下方ブロック11には、第1締結ボルト14を挟んで、互いに平行な一対の溝部16が形成され、これら溝部16が上方プレート13で覆われることにより、連結治具8にスライド自在に係合する通孔状のスライドガイド17が一対形成される。
【0022】
反力受けアタッチメント6,7は、試験対象タイルTa以外の、他の2以上のタイルTbにそれぞれ個別に固着される。本実施形態にあっては、2つの反力受けアタッチメント6,7は、試験対象タイルTaに対し縦並びあるいは横並びで当該試験対象タイルTaの両側にタイルTc一枚分を隔てて位置する、2枚のタイルTbにそれぞれ配設される。
【0023】
図示例において、左側の主反力受けアタッチメント6は、タイルTbの表面に接着材で固着されるベース18と、ベース18上に搭載される下方プレート19と、下方プレート19上方に配設される上方ブロック20と、上方ブロック20から下方プレート19を貫通してベース18に螺着され、ベース18から上方ブロック20までを一体化するための第2締結ボルト21と、ベース18と下方プレート19との間に装着されるワッシャ22を備える。
【0024】
主反力受けアタッチメント6には、下方プレート19と上方ブロック20との間に挟み込んで、板状の連結治具8が設けられる。上方ブロック20には、これに連結治具8を一体的に締結する取付ボルト23が螺着される。従って、連結治具8は、取付ボルト23および第2締結ボルト21によって、主反力受けアタッチメント6に固定される。
【0025】
図示例において、右側の副反力受けアタッチメント7は、タイルTbの表面に接着材で固着されるベース24と、ベース24上に搭載される下方プレート25と、下方プレート25上に搭載される上方プレート26と、上方プレート26から下方プレート25を貫通してベース24に螺着され、ベース24から上方プレート26までを一体化する第3締結ボルト27と、ベース24と下方プレート25との間に装着されるワッシャ28を備える。
【0026】
下方プレート25には、第3締結ボルト27を挟んで、スライドガイド17方向に沿って互いに平行に一対の段部29が形成され、これら段部29とそれらの上に迫り出す上方プレート26により、連結治具8に嵌合する受け溝部30が一対形成される。副反力受けアタッチメント7は必要に応じて、上記以外の他のタイルに配置することで、2つ以上設置してもよい。
【0027】
上述した連結治具8は、平面外形輪郭がU字状に形成される。連結治具8は、試験対象タイルTaの両側に配置された反力受けアタッチメント6,7の間に、主反力受けアタッチメント6から、加力アタッチメント5のスライドガイド17を貫通して、副反力受けアタッチメント7にわたって延設される。
【0028】
連結治具8は、U字状の折り返し部8aが取付ボルト23および第2締結ボルト21によって主反力受けアタッチメント6に締結固定され、折り返し部8aから延びる一対の延設部8bが加力アタッチメント5のスライドガイド17に挿通されるとともに、各延設部8aの先端が副反力受けアタッチメント7の受け溝部30に、第3締結ボルト27の締結力で嵌合固定される。必要に応じて、延設部8b先端は、副反力受けアタッチメント7の上部プレート26などに溶接等で強固に仮固定するようにしてもよい。
【0029】
これにより、試験対象タイルTa以外の2つのタイルTbに固着された反力受けアタッチメント6,7は一体化されて、両者一体で反力を受け止めるようになっている。すなわち、主反力受けアタッチメント6と副反力受けアタッチメント7は、同等の反力を受け持つ。
【0030】
加力手段9は、連結治具8で連結された反力受けアタッチメント6,7のうちの主反力受けアタッチメント6と加力アタッチメント5との間に設けられる。主反力受けアタッチメント6の上方プレート20には、立ち上げ部20aが形成され、加力手段9は、この立ち上げ部20aにボルト31で取付固定されて、主反力受けアタッチメント6に保持される。
【0031】
本実施形態にあっては、加力手段9として、主反力受けアタッチメント6から加力アタッチメント5へ向かって加力する油圧ポンプ9a付きの油圧シリンダ9bが採用されている。油圧シリンダ9b本体が主反力受けアタッチメント6に固定され、図示しないピストン部が少なくとも、加力アタッチメント5の下方ブロック11に面してこれを押圧するようになっている。加圧アタッチメント5に加力すると、反力受けアタッチメント6,7に反力をとって、試験対象タイルTaにその表面に沿った力が入力されるようになっている。
【0032】
従って本実施形態では、連結治具8で連結一体化される2つの反力受けアタッチメント6,7は、加力手段9の加力方向に沿って、試験対象タイルTaの両側に配置されている。
【0033】
試験装置1にはまた、加力手段9の加力値を測定し表示する加力計および加力手段9による加力アタッチメント5の変位量を測定し表示する変位計32が設けられる。加力計は、油圧ポンプ9aの油圧を測定して表示する図示しない油圧計で構成される。
【0034】
変位計32は、主反力受けアタッチメント6に、加力手段9を挟んで配置して一対取り付けられる。変位計32は、筒状体32aに内蔵したスプリングや筒状体32a内に導入するエア等の押圧手段によって当該筒状体32aから突出される接触子32bを有し、当該接触子32bを加力アタッチメント5に当接させてその突出量を、筒状体32aに備えた図示しない位置センサで測定し表示するようになっている。
【0035】
これら油圧計および変位計32は必要に応じて、パソコン等の演算処理手段に接続され、これら油圧計および変位計32から出力される測定値を演算処理手段に出力して、例えば加力値と変位量の関係を示す連続的なグラフなどが表示出力されるようにすることが好ましい。
【0036】
次に、本実施形態にかかる試験装置1を用いた試験方法について説明する。まず、試験実施前に予め、タイルTa,Tb,Tc周囲の目地モルタル33等の目地材を下地コンクリート2内部に達するように切削して除去する。
【0037】
次いで、試験対象タイルTaの表面Xに加力アタッチメント5のベース10を接着材で固着するとともに、下地コンクリート2と試験対象タイルTaとの接着面積を超える接着面積となる他のタイル、具体的には試験対象タイルTa両側の2つのタイルTbに、反力受けアタッチメント6,7のベース18,24を接着材で固着する。
【0038】
次いで、加力アタッチメント5および副反力受けアタッチメント7のベース10,24上にそれぞれ下部ブロック11および下部プレート25を配置する一方、油圧ポンプ9a付き油圧シリンダ9b、変位計32および連結治具8を予め取り付けた主反力受けアタッチメント6の下部プレート19から上方部分のサブアッセンブリを、主反力受けアタッチメント6のベース18上に配置し、連結治具8の延設部8bを溝部16および段部29に合わせ、第2締結ボルト21を仮締めする。
【0039】
次いで、加力アタッチメント5および副反力受けアタッチメント7の上部プレート13,26を、連結治具8の上に被せつつ、下部ブロック11および下部プレート25上に載置し、第1締結ボルト14および第3締結ボルト27を仮締めする。その後、すべての締結ボルト14,21,27を本締めして、試験装置1のセットを完了する。
【0040】
次いで、加力手段9により、反力受けアタッチメント6,7に反力をとって加圧アタッチメント5に加力し、これにより試験対象タイルTaにその表面に沿った力を加える。
【0041】
本実施形態にあっては、加力アタッチメント5を試験対象タイルTaの表面Xに固着して加力するので、まさにタイルTaからタイル接着面4である下地コンクリート2までの層内にせん断力を作用させることができ、タイルTaの足裏と張り付けモルタル3の間、張り付けモルタル3の凝集破壊、張り付けモルタル3とタイル接着面4の間におけるせん断破壊を試験することができる。
【0042】
また、試験装置1のアタッチメント5〜7をタイルTa,Tb,Tcに固着するようにしたので、不整地面に設置する場合と異なり、試験精度を向上することができる。従ってまた、不整地面を平滑化する作業を不要とすることができる。
【0043】
試験対象タイルTaの接着面積よりも広い接着面積で反力をとるようにしたので、試験対象タイルTaの変位量のみを高精度で的確に測定することができる。
【0044】
以上要するに本実施形態にかかる試験装置および試験方法にあっては、試験装置1として適切な設置が可能であるとともに、試験方法としても合理的に試験対象タイルTaの接着個所にせん断力を作用させることができ、試験精度の向上およびタイルのせん断接着強度そのものを的確に試験することができる。
【0045】
また、加力手段9を主反力受けアタッチメント6に保持させるようにしたので、試験中に作業員が加力手段9を保持しなければならないなどの手間を省くことができ、円滑に試験を実施することができる。
【0046】
反力受けアタッチメント6,7を、加力手段9の加力方向に沿って、試験対象タイルTaの両側に配置するようにしたので、反力受けアタッチメント6,7を試験対象タイルTaの片側に並べて配置する場合に比べて、加力作用および反力を受ける作用を安定化することができる。
【0047】
連結治具8を、試験対象タイルTa両側の反力受けアタッチメント6,7間に延設するとともに、加力アタッチメント5に、連結治具8にスライド自在に係合するスライドガイド17を設けたので、加力時における試験対象タイルTaの水平方向への変位に伴う加力アタッチメント5の移動を円滑に案内することができるとともに、せん断破壊に伴う試験対象タイルTaおよび加力アタッチメント5の飛散を防止でき、安全性を確保できる。
【0048】
変位計32を、加力手段9を挟んで一対設けたので、試験対象タイルTaの変位態様を精度良く計測することができる。また、タイルTa,Tb,Tc周囲の目地材を除去しておくので、測定時の加力および反力に対する剛性が各タイルTa,Tbの接着個所で同様となり、計測した変位量から反力による変位を除いた、実際の変位量を容易に算定することができる。
【0049】
本実施形態にかかる試験装置1を用いた試験方法を実施した後は、反力受けアタッチメント6,7のベース18,24を固着したタイルTbに対し、従来周知の「建研式引張接着力試験器」を適用することで、タイルの面外方向引張試験を行うことができる。これにより、試験跡を取り除き、またせん断接着強度と引張接着強度の対比にも利用することができる。
【0050】
本発明にかかる試験装置および試験方法は、上記実施形態に限られるものではなく、反力受けアタッチメント6,7は、タイル表面に限らず、タイルに対し適宜な位置に固着すればよい。また、副反力受けアタッチメント7は、主反力受けアタッチメント6との間に加力アタッチメント5を挟む配置ではなく、主反力受けアタッチメント6と並べる配置としてもよい。
【0051】
また、加力手段9は、油圧シリンダに限らず、手動式もしくは動力式のジャッキなど、一軸方向力を発生するものであれば、どのような機構のものであっても用いることができる。また、試験装置および試験方法は、壁に限らず、床や柱、梁のタイルに対しても適用することができることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明にかかるタイルのせん断接着強度試験装置の好適な一実施形態を示す側断面図である。
【図2】図1に示した試験装置の平面図である。
【図3】図1中、A−A線矢視断面図である。
【図4】図1中、B−B線矢視断面図である。
【図5】図2中、C−C線矢視図である。
【符号の説明】
【0053】
1 試験装置
4 タイル接着面
5 加力アタッチメント
6,7 反力受けアタッチメント
8 連結治具
9 加力手段
17 スライドガイド
32 変位計
33 目地モルタル
Ta 試験対象タイル
Tb,Tc 他のタイル
X 試験対象タイルの表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築部材のタイル接着面に接着したタイルのせん断接着強度を試験する装置であって、
試験対象タイルの表面に固着される加力アタッチメントと、
上記試験対象タイル以外の、2以上のタイルにそれぞれ固着される反力受けアタッチメントと、
これら反力受けアタッチメント間に設けられ、これら反力受けアタッチメントを一体化するための連結治具と、
いずれかの上記反力受けアタッチメントと上記加力アタッチメントとの間に設けられ、上記試験対象タイルにその表面に沿った力を入力するために、該反力受けアタッチメントに反力をとって該加力アタッチメントに加力する加力手段とを備えたことを特徴とするタイルのせん断接着強度試験装置。
【請求項2】
前記加力手段の加力値を表示する加力計および該加力手段による前記加力アタッチメントの変位量を表示する変位計を備えたことを特徴とする請求項1に記載のタイルのせん断接着強度試験装置。
【請求項3】
前記加力手段は、前記反力受けアタッチメントに保持されることを特徴とする請求項1または2に記載のタイルのせん断接着強度試験装置。
【請求項4】
前記反力受けアタッチメントは、前記加力手段の加力方向に沿って、前記試験対象タイルの両側に配置されることを特徴とする請求項1〜3いずれかの項に記載のタイルのせん断接着強度試験装置。
【請求項5】
前記連結治具は、前記試験対象タイル両側に配置された前記反力受けアタッチメント間にわたって延設され、前記加力アタッチメントには、該連結治具にスライド自在に係合するスライドガイドが設けられることを特徴とする請求項4に記載のタイルのせん断接着強度試験装置。
【請求項6】
建築部材のタイル接着面に接着したタイルのせん断接着強度を試験する方法であって、
試験対象タイルの表面に加力アタッチメントを固着するとともに、該試験対象タイルの接着面積を超える接着面積となる他のタイルに反力受けアタッチメントを固着し、
次いで、上記反力受けアタッチメントと上記加力アタッチメントとの間に設けた加力手段により、該反力受けアタッチメントに反力をとって該加力アタッチメントに加力して、上記試験対象タイルにその表面に沿った力を加えることを特徴とするタイルのせん断接着強度試験方法。
【請求項7】
試験実施前に予め、前記タイル周囲の目地材を除去しておくことを特徴とする請求項6に記載のタイルのせん断接着強度試験方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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