説明

タイロッド調整用オープンエンドレンチ

【課題】直径の異なるタイロッド六角部を把持して確実に回転させることにより、自動車のトー調整を迅速かつ正確に行う。
【解決手段】一対の昇降カムプレート66が下降すると、一対の横行カムプレート68が接近する方向へとスライドし、一対の横行カムプレート68の動作が、円弧状摺接面68b及び円弧状突起部56aを介して一対のスライドプレート56へと伝達される。一対のスライドプレート56は、ばね60の開方向への付勢力に対抗して、互いに接近する方向へとスライドし、一対のスライドプレート56の互いに対向する端面64を、タイロッド六角部に当接させ、確実に挟持する。この状態で、歯車列34を駆動すると、環状外歯歯車62が回転し、環状外歯歯車62と共に、一対のスライドプレート56及びばね60がタイロッド六角部の中心軸12C周りに回転する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のトー調整用タイロッドのタイロッド六角部を回転させるための、タイロッド調整用オープンエンドレンチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、図6に示される、自動車のトー調整用タイロッド10のタイロッド六角部12を回転させ、タイロッド10を伸縮させることにより、トー調整を自動的に行うことが可能なオープンエンドレンチが開発されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−289640号公報
【特許文献2】特開2004−17907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のタイロッド調整用オープンエンドレンチは、タイロッド六角部12の一面、又は連続する二面に跨って当接する当接部により、タイロッド六角部12に回転力を伝達するものであり、予め想定された直径のタイロッド六角部12については、確実に回転させることが可能であるが、車両毎に異なる様々な直径のタイロッド六角部12に対しては、把持が不十分となり、若しくは、タイロッド六角部12の中心が回転中心からずれた状態で把持されることとなることから、タイロッド六角部12を確実に回転させることが困難であった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、直径の異なるタイロッドのタイロッド六角部の中心が必ず回転中心に位置するように、確実にタイロッド六角部を把持して確実に回転させることにより、自動車のトー調整を迅速かつ正確に行うことにある。
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の実施の形態に係るタイロッド調整用オープンエンドレンチは、タイロッドの側方からタイロッドに接近して、タイロッド六角部を挟持するための挟持手段と、タイロッド六角部を挟持した状態で、前記挟持手段を回転させるための回転駆動手段とを備えるタイロッド調整用オープンエンドレンチであって、
タイロッド六角部に直接的に当接するための、互いに対向する一対の当接部の二面巾を適宜変更して、該一対の当接部によりタイロッド六角部を挟持することにより、タイロッド調整用オープンエンドレンチに汎用性を持たせ、タイロッドの径の大小にかかわらずタイロッド六角部を確実に挟持して、タイロッド六角部を回転させることを可能とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
【0007】
タイロッドの側方からタイロッドに接近して、タイロッド六角部を挟持するための挟持手段と、タイロッド六角部を挟持した状態で、前記挟持手段を自転させるための回転駆動手段とを備えるタイロッド調整用オープンエンドレンチであって、
前記挟持手段は、タイロッド六角部に直接的に当接するための、互いに対向する一対の当接部と、該一対の当接部が連動してタイロッド六角部に対し離間接近するための開閉駆動機構とを備え、
前記挟持手段の開閉駆動機構は、前記回転駆動手段と独立して作動する機構として、
スライド動作により互いに離間接近する一対のスライドプレートと、リニアアクチュエータと、該リニアアクチュエータの動作を前記一対のスライドプレートの開閉動作に変換するカム機構と、前記一対のスライドプレートを常時開方向へと付勢するばねとを備え、前記一対のスライドプレート及び前記ばねが、これらを取り囲む位置に配置された環状外歯歯車によって、タイロッド六角部の中心軸周りに回転可能に保持され、前記環状外歯歯車は、その一部が切り欠かれたC字状をなし、該切り欠き部が、タイロッドの側方からタイロッドに接近する際のオープンエンド部に配置され、かつ、前記当接部として、各スライドプレートの互いに対向する端面が、互いに平行な平面状に構成されており、
前記回転駆動手段は、前記環状外歯歯車と、前記環状外歯歯車を回転させるための歯車列を備えることを特徴とするタイロッド調整用オープンエンドレンチ(請求項1)。
【0008】
本項に記載のタイロッド調整用オープンエンドレンチは、挟持手段が、タイロッド六角部に直接的に当接するための、互いに対向する一対の当接部と、該一対の当接部が連動してタイロッド六角部に対し離間接近するための開閉駆動機構とを備えることから、互いに対向する一対の当接部の二面巾を適宜変更することで、タイロッドの径の大小にかかわらず、タイロッド六角部が一対の当接部によって確実に挟持される。そして、回転駆動手段によって挟持手段を自転させることで、タイロッド六角部を回転させ、トーの調整を行うものである。
【0009】
又、本項に記載のタイロッド調整用オープンエンドレンチは、挟持手段の開閉駆動機構が回転駆動手段と独立して作動することにより、互いに対向する一対の当接部の二面巾を適宜変更して、タイロッドの径の大小にかかわらずタイロッド六角部を確実に挟持し、タイロッド六角部を回転させるものである。
【0010】
又、スライド動作により互いに離間接近する一対のスライドプレートが、ばねにより常時開方向へと付勢される。又、一対のスライドプレート及びばねを取り囲む位置に配置された環状外歯歯車は、その一部が切り欠かれたC字状をなし、該切り欠き部が、タイロッドの側方からタイロッドに接近する際のオープンエンド部に配置されている。よって、一対のスライドプレートが最も離間した状態で、許容し得る最大直径のタイロッド六角部を、オープンエンド部にひき込みことを可能としている。
そして、リニアアクチュエータの動作をカム機構によって一対のスライドプレートの開閉動作に変換することで、互いに平行な平面状に構成された各スライドプレートの互いに対向する端面を、タイロッド六角部に当接させ、タイロッドの径の大小にかかわらずタイロッド六角部を確実に挟持するものである。
【0011】
又、当接部である各スライドプレートの互いに対向する端面によって、タイロッド六角部を挟持した状態で、回転駆動手段の歯車列により、環状外歯歯車を駆動することで、環状外歯歯車によりタイロッド六角部の中心軸周りに回転可能に保持された一対のスライドプレートを回転させ、タイロッド六角部を回転させるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明はこのように構成したので、直径の異なるタイロッドのタイロッド六角部の中心が、必ず回転中心に位置するように確実に把持して、タイロッド六角部を確実に回転させることにより、自動車のトー調整を迅速かつ正確に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の参考例に係るタイロッド調整用オープンエンドレンチの、正面図である。
【図2】図1に示されるタイロッド調整用オープンエンドレンチの、側面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るタイロッド調整用オープンエンドレンチの要部を示すものであり、(a)は分解図、(b)は完成図である。
【図4】本発明の第2の参考例に係るタイロッド調整用オープンエンドレンチの、要部分解図である。
【図5】本発明の第3の参考例に係るタイロッド調整用オープンエンドレンチの、内部構造を示す正面図である。
【図6】自動車のトー調整用タイロッドを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基づいて説明する。なお、従来技術と同一部分若しくは相当する部分については、詳しい説明を省略する。
図1、図2には、本発明の参考例に係るタイロッド調整用オープンエンドレンチ14(以下、単に「オープンエンドレンチ」という。)が示されている。オープンエンドレンチ14は、タイロッド10(図6参照)の側方からタイロッドに接近して、タイロッド六角部12(図6参照)を挟持するための挟持手段16と、タイロッド六角部12を挟持した状態で、挟持手段16を回転させるための回転駆動手段18とを備えている。又、挟持手段16は、タイロッド六角部12に直接的に当接するための、互いに対向する一対の当接部20と、一対の当接部20が連動してタイロッド六角部に対し離間接近するための開閉駆動機構22とを備えている。そして、挟持手段16の開閉駆動機構22は、回転駆動手段18と独立して作動する機構を備えている。なお、挟持手段16は、オープンエンドレンチ14のオープンエンド部Oに配置されている。
【0015】
より具体的には、挟持手段16は、開閉駆動機構22として、一対のアーム24と、リニアアクチュエータ26と、リニアアクチュエータ26の動作を一対のアーム24の開閉動作に変換するリンク機構28とを備えている。一対のアーム24は、多軸ロボットのロボットアームの先端部29に固定されるベースプレート30の、先端部に設けられたV字状ブラケット32によって、回転駆動手段18を構成する歯車列34の、一対の歯車34Dの回転軸36と同軸上に軸着されている。又、リンク機構は、一対のアーム24の基端部と、ベースプレート30に固定されたリニアアクチュエータ(エアシリンダ)26のピストンロッド26aとを、連結ロッド38及びピボット40、42を介して軸着したものである。
よって、一対のアーム24は、リニアアクチュエータ26のピストンロッド26aの伸縮に伴い、支点(回転軸36)を回転中心として先端部が互いに離間接近するものである。なお、図1には、一対のアーム24の先端部が最も離間した状態(待機状態)が実線で、一対のアーム24の先端部が接近し、一対の当接部20がタイロッド六角部12に当接する状態が二点鎖線で示されている。
【0016】
そして、一対のアーム24の各々には、歯車34Dと常時噛み合うように配置された歯車34Eが回転軸44によって軸着され、更に、歯車34Eと一体回転可能に、当接部20を構成する摩擦車46が軸着されている。摩擦車46は、表面にセレーション、ローレット等の凹凸が形成されたものや、サンドブラスト処理がされたもの、あるいは、ウレタン層によって覆われたもの等、適宜、表面の摩擦係数を高めるための処理がなされたものが用いられる。
【0017】
一方、回転駆動手段18は、歯車列34及びモータの回転軸に連結される駆動軸48を備え、歯車列34を構成する歯車34A、34B、34C(いずれも図1にのみ示す。)は直列に配置され、ベースプレート30に軸着されてこの順番に噛み合っている。そして、V字状ブラケット32に対し回転軸36によって軸着された一対の歯車34Dは、歯車34Cと等距離の位置に配置されて、歯車34Cと噛み合っている。又、歯車34Cと一体回転可能に摩擦車46が軸着されている。一方、駆動軸48に連結されるモータ(サーボモータ)についても、適宜、ベースプレート30に固定される。そして、モータにより駆動軸48を駆動することで、モータの動力が歯車列34により伝達され、歯車34C及び歯車34Eと一体回転する3個の摩擦車46を、全て同一方向に同一速度で自転させることが可能となっている。
なお、図1には、リニアアクチュエータ26、駆動軸48を駆動するモータ49及びリニアアクチュエータ26及びモータ49を作動制御する制御装置50が模式的に示されている。制御装置50は、パーソナルコンピュータ等の電子計算機によって構成することが可能である。そして、オープンエンドレンチ14の各部の動作は、以下に説明する手順によって、自動的に行われる。
【0018】
ここで、図1、図2及び図6を参照しながら、オープンエンドレンチ14を用いた自動車のトー調整手順を説明する。
(S1)トー調整設備に車両が搬送される。なお、トー調整設備には、操作盤、アライメント計測装置が備えられている。
(S2)作業者によって、操作盤の起動スイッチが操作される。
(S3)ロボットアームが作動し、オープンエンドレンチ14が、タイロッド10の側方からタイロッドに接近して、オープンエンド部Oを、タイロッド六角部12に引き込む。そして、制御装置50によりリニアアクチュエータ26を作動させ、一対のアーム24に軸支された当接部20(摩擦車46)をタイロッド六角部12に当接させる。一対のアーム24の停止位置は、リニアアクチュエータ26の負荷検出を行う等によって決定される。
(S4)アライメント計測装置により、トー角度の計測が行われる。
(S5)必要な回転量が、制御装置50によって算出される
(S6)制御装置50によりモータ49を作動させ、3個の摩擦車46を自転させることにより、タイロッド六角部12を回転させる。この際、タイロッド六角部12の表面に対し各摩擦車46が適切な圧力で当接するように、一対のアーム24を駆動するアクチュエータ26が受動的に作動し、一対のアーム24の、若干の開閉を許容する。
(S7)アライメント計測装置により、トー角度の計測が行われる。
(S8)トー角度が適正値となるまで、S5からS7の各ステップが繰り返される。
(S9)トー角度が適正値となると、制御装置50によりリニアアクチュエータ26を作動させ、一対のアーム24が開き、タイロッド六角部12を開放する。そして、ロボットアームが作動し、オープンエンドレンチ14は待機位置へと復帰する。
【0019】
さて、上記構成をなす、本発明の参考例によれば、次のような作用効果をえることが可能となる。オープンエンドレンチ14は、挟持手段16が、タイロッド六角部12に直接的に当接するための、互いに対向する一対の当接部20と、一対の当接部20が連動してタイロッド六角部12に対し離間接近するための開閉駆動機構22とを備えることから、互いに対向する一対の当接部20の二面巾を適宜変更することで、タイロッド10の径の大小にかかわらず、タイロッド六角部12が一対の当接部20によって確実に挟持される。そして、回転駆動手段18によって挟持手段16を回転させることで、タイロッド六角部12を回転させ、トーの調整を行うものである。なお、挟持手段16の開閉駆動機構22は、回転駆動手段18と独立して作動するものである。
【0020】
又、オープンエンドレンチ14は、リニアアクチュエータ26によって一対のアーム24の先端部が互いに離間接近することで、一対のアーム24の各々に軸支された摩擦車46をタイロッド六角部12に当接させ、タイロッド10の径の大小にかかわらずタイロッド六角部12を確実に挟持することができる。そして、摩擦車46によってタイロッド六角部12を挟持した状態で、回転駆動手段18の歯車列34によって摩擦車46を全て同一方向に同一速度で自転させることで、タイロッド六角部12を回転させることができる。
よって、オープンエンドレンチ14によれば、直径の異なるタイロッドのタイロッド六角部12の中心が、必ず回転中心に位置するように確実に把持して、タイロッド六角部12を確実に回転させることにより、自動車のトー調整を迅速かつ正確に行うことが可能となる。
【0021】
続いて、図3を参照しながら、本発明の実施の形態に係るタイロッド調整用オープンエンドレンチ52(以下、単に「オープンエンドレンチ」という。)について説明する。ここで、本発明の参考例に係るオープンエンドレンチ14と同一部分、若しくは相当する部分については、同一の符号で示し、詳しい説明を省略する。
なお、図3(a)にはオープンエンドレンチ52の要部分解図が、図3(b)には同オープンエンドレンチ52の完成図が示されている。
【0022】
オープンエンドレンチ52の、挟持手段16の開閉駆動機構54は、参考例に係るオープンエンドレンチ14と同様に、回転駆動手段18と独立して作動する機構を備えている。
具体的には、開閉駆動機構54として、スライド動作により互いに離間接近する一対のスライドプレート56と、参考例に係るリニアアクチュエータ26と同様のリニアアクチュエータ(図1、図2参照)と、リニアアクチュエータ26の動作を一対のスライドプレート56の開閉動作に変換するカム機構58と、一対のスライドプレート56を常時開方向へと付勢するばね60とを備えている。そして、一対のスライドプレート56及びばね60が、これらを取り囲む位置に配置された環状外歯歯車62(便宜上、歯形は省略されている。)によって、タイロッド六角部の中心軸12C周りに回転可能に保持されている。又、一対のスライドプレート56の互いに対向する端面64が、互いに平行な平面状をなすことにより、タイロッド六角部12に直接的に当接するための当接部を構成している。なお、環状外歯歯車62は、その一部が切り欠かれたC字状をなしている。
【0023】
又、オープンエンドレンチ52の回転駆動手段18として、環状外歯歯車62と、環状外歯歯車62を回転させるための歯車列34と、モータの回転軸に連結される駆動軸48とを備えている。歯車列は、モータの回転軸に連結される駆動軸48に固定された歯車34Fと、歯車34F及び環状外歯歯車62との間に配置される一対の歯車34Gとを備えている。
更に、回転駆動手段18、開閉駆動機構54の各構成部材は、ベースプレート65A及びプレートカバー65Bの内部に格納され、環状外歯歯車62の切り欠き部62aが、タイロッド12(図6)の側方からタイロッドに接近する際の、ベースプレート65A及びプレートカバー65Bのオープンエンド部Oに配置されている。リニアアクチュエータ26(図1、図2参照)及びモータについても、ベースプレート65A又はプレートカバー65Bに固定されている。なお、ベースプレート65A及びプレートカバー65Bには、タイロッド六角部12を挿通するための切り欠き651、652が形成されている。
【0024】
開閉駆動機構54のカム機構58は、リニアアクチュエータ26のシリンダロッド26a(図1、図2参照)によって昇降する一対の昇降カムプレート66と、昇降カムプレートの互いに対向する傾斜面66aに摺接する傾斜面68aを有する一対の横行カムプレート68とが含まれる。一対の昇降カムプレート66は、ベースプレート65A及びプレートカバー65Bの内部で、昇降動作のみ可能であり、図3の横方向の動きが規制されている。又、一対の横行カムプレート68は、ベースプレート65A及びプレートカバー65Bの内部で、横行動作のみ可能であり、図3の上下方向の動きが規制されている。
又、カム機構58には、一対の横行カムプレート68及び一対のスライドプレート56の相対回転を許容し、なおかつ、一対の横行カムプレート68の開閉動作を一対のスライドプレート56に伝達するための、一対の横行カムプレート68に形成された円弧状摺接面68bと、一対のスライドプレート56の互いに対向する端面を囲むようにしてタイロッド六角部の中心軸12C方向へと突出し、円弧状摺接面68bに摺接する円弧状突起部56aとが含まれている。
【0025】
図3の例では、一対の昇降カムプレート66が下降すると、一対の横行カムプレート68が接近する方向へとスライドし、一対の横行カムプレート68の動作が、円弧状摺接面68b及び円弧状突起部56aを介して一対のスライドプレート56へと伝達される。従って、一対のスライドプレート56は、ばね60の開方向への付勢力に対抗して、互いに接近する方向へとスライドし、当接部である一対のスライドプレート56の互いに対向する端面64を、タイロッド六角部12(図6)に当接させ、タイロッド10の径の大小にかかわらずタイロッド六角部12を確実に挟持することができる。この状態で、モータにより歯車列34を駆動すると、環状外歯歯車62が回転し、環状外歯歯車62と共に、一対のスライドプレート56及びばね60がタイロッド六角部の中心軸12C周りに回転する。
【0026】
一方、一対の昇降カムプレート66が上昇すると、一対の横行カムプレート68が離間する方向へとスライドし、ばね60の開方向への付勢力によって、一対のスライドプレート56は、開方向へとスライドする。
なお、オープンエンドレンチ52を用いた自動車のトー調整手順については、参考例に係るオープンエンドレンチ14と同様であり、詳しい説明を省略する。
【0027】
上記構成をなす、本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能となる。すなわち、オープンエンドレンチ52は、スライド動作により互いに離間接近する一対のスライドプレート56が、ばね60により常時開方向へと付勢される。又、一対のスライドプレート56及びばね60を取り囲む位置に配置された環状外歯歯車62は、その一部が切り欠かれたC字状をなし、切り欠き部62aが、タイロッドの側方からタイロッドに接近する際のオープンエンド部Oに配置されている。よって、一対のスライドプレート56が最も離間した状態で、許容し得る最大直径のタイロッド六角部12を、オープンエンド部Oにひき込みことが可能である。
【0028】
そして、リニアアクチュエータ26(図1、図2参照)の動作をカム機構58によって一対のスライドプレート56の開閉動作に変換することで、互いに平行な平面状に構成された各スライドプレート56の互いに対向する端面64を、タイロッド六角部12に当接させ、タイロッド10の径の大小にかかわらずタイロッド六角部12を確実に挟持することができる。
又、オープンエンドレンチ52は、当接部である各スライドプレートの互いに対向する端面64によって、タイロッド六角部12を挟持した状態で、回転駆動手段18の歯車列34により、環状外歯歯車62を駆動することで、環状外歯歯車62によりタイロッド六角部12の中心軸12C周りに回転可能に保持された一対のスライドプレート56を回転させ、タイロッド六角部12を回転させることができる。
その他、参考例と同一の作用効果については、詳しい説明を省略する。
【0029】
続いて、図4を参照しながら、本発明の第2の参考例に係るタイロッド調整用オープンエンドレンチ70(以下、単に「オープンエンドレンチ」という。)について説明する。ここで、本発明の参考例、実施の形態に係るオープンエンドレンチ14、52と同一部分、若しくは相当する部分については、同一の符号で示し、詳しい説明を省略する。
なお、本発明の第2の参考例に係るオープンエンドレンチ70の外観は、実施の形態に係るオープンエンドレンチ52と同様であることから、図4にはオープンエンドレンチ70の要部分解図のみ示し、完成図は省略する。
【0030】
本発明の第2の参考例に係るオープンエンドレンチ70は、本発明の参考例、実施の形態に係るオープンエンドレンチ14、52と異なり、挟持手段16の開閉駆動機構72が、回転駆動手段18と連動して作動する機構を備えている。
具体的には、挟持手段16の開閉駆動機構72は、スライド動作により互いに離間接近する一対のスライドプレート74を備え、タイロッド六角部12(図6)に直接的に当接するための、互いに対向する一対の当接部として、一対のスライドプレートの互いに対向する端面76が互いに平行な平面状に構成されている。又、回転駆動手段18は、一対のスライドプレート74を、タイロッド六角部の中心軸12C周りに回転駆動するものである。
【0031】
より具体的には、回転駆動手段18は、挟持手段を取り囲む位置に設けられた環状外歯歯車78と、環状外歯歯車78の一側端面を塞ぐカムプレート80と、カムプレート80の中央部に設けられた開口の端面であるカム面82と、一対のスライドプレート74から突出し、カムプレート80のカム面82に当接することで環状外歯歯車78の回転動作を一対のスライドプレート74に伝達するための、ピン状の従動子84と、環状外歯歯車78を回転させるための歯車列34を備えている。歯車列34は、本発明の実施の形態に係るオープンエンドレンチ52と同様に、モータの回転軸に連結される駆動軸48に固定された歯車34Fと、歯車34F及び環状外歯歯車78との間に配置される一対の歯車34Gとを備えている。又、環状外歯歯車78についても、本発明の実施の形態に係るオープンエンドレンチ52の環状外歯歯車62と同様に、その一部が切り欠かれたC字状をなしており、切り欠き部78aが、タイロッド10の側方からタイロッドに接近する際のベースプレート65A及びプレートカバー65B(図3参照)のオープンエンド部Oに配置されている。又、カムプレート80には、タイロッド六角部12を挿通するための切り欠き801が形成され、切り欠き801の奥に、カム面82が形成されている。
【0032】
又、挟持手段16の開閉駆動機構72として、一対のスライドプレート74を常時開方向へと付勢するばね86と、一対のスライドプレート74及びばね86を環状外歯歯車78に対し相対回転可能に支持する回転プレート88とを備え、従動子84がカムプレート80のカム面82に沿って移動することで、環状外歯歯車78と回転プレート88との位相のずれが一対のスライドプレート74の開閉動作へと変換されるものである。
なお、図中、符号90で示される板ばね90は、ねじ92によって環状外歯歯車78の内周面に固定されている。そして、板ばね90がスライドプレート88のばね受け面88aに当接することによって、環状外歯歯車78に対するスライドプレート88の位相をセンター位置へと常時付勢すると共に、板ばね90が適宜弾性変形することにより、環状外歯歯車78と回転プレート88との位相のずれを許容するものである。
【0033】
カムプレート80のカム面82は、星形に類似する左右対称形状を有しており、環状外歯歯車78に対するスライドプレート88の位相がセンタ位置にあるとき、一対のスライドプレート74の各従動子84は、カム面82の、星形の腕の各頂点部分に位置している。
ここで、モータにより歯車列34を駆動すると、環状外歯歯車78が回転し、環状外歯歯車78に対しスライドプレート88が相対回転する。このとき、一対のスライドプレート74の各従動子84は、カム面82の、星形の腕の各頂点部分からカム面82に沿ってスライドし、タイロッド六角部の中心軸12Cへ向けて移動する。よって、一対のスライドプレート74は、ばね86の開方向への付勢力に対抗して互いに接近し、当接部である一対のスライドプレート74の互いに対向する端面76を、タイロッド六角部12(図6)に当接させ、タイロッド10の径の大小にかかわらずタイロッド六角部12を確実に挟持することができる。この状態で、モータにより歯車列34の駆動を継続すると、環状外歯歯車78が回転し、環状外歯歯車78と共に、一対のスライドプレート74及びばね86がタイロッド六角部の中心軸12C周りに回転する。
【0034】
上記のスライドプレート74の動作は、カムプレート80のカム面82が星形に類似する左右対称形状を有していることから、環状外歯歯車62を何れの方向に回転させても生じるものである。一方、板ばね90によってスライドプレート88は、環状外歯歯車78に対するセンター位置へと常時付勢されていることから、モータによる歯車列34の駆動が停止されると、環状外歯歯車78とスライドプレート88との相対変位は自動的に解消され、一対のスライドプレート74は、ばね84の開方向への付勢力によって互いに離間し、開位置へと復帰する。
なお、オープンエンドレンチ70を用いた自動車のトー調整手順については、参考例に係るオープンエンドレンチ14と同様であり、詳しい説明を省略する。
【0035】
上記構成をなす、本発明の第2の参考例によれば、次のような作用効果を得ることが可能となる。オープンエンドレンチ70は、一対のスライドプレート74の、互いに平行な平面状に構成された各スライドプレートの互いに対向する端面76を、タイロッド六角部12(図6)に当接させることにより、タイロッド10の径の大小にかかわらずタイロッド六角部12を確実に挟持することが可能である。そして、当接部である各スライドプレートの互いに対向する端面76によって、タイロッド六角部12を挟持した状態で、回転駆動手段18によって、一対のスライドプレート74をタイロッド六角部の中心軸12C周りに駆動することにより、タイロッド六角部を回転させるものである。
【0036】
又、挟持手段16を構成する一対のスライドプレート74及びばね86が、回転プレート88によって環状外歯歯車78に対し相対回転可能に支持されており、一対のスライドプレート74が、ばね86により常時開方向へと付勢される。又、挟持手段16を取り囲む位置に設けられた環状外歯歯車78は、その一部が切り欠かれたC字状をなし、切り欠き部が、タイロッド10の側方からタイロッドに接近する際のオープンエンド部Oに配置されている。よって、一対のスライドプレート74が最も離間した状態で、許容し得る最大直径のタイロッド六角部12を、オープンエンド部Oにひき込むことが可能である。
【0037】
そして、回転駆動手段18の歯車列34によって環状外歯歯車78が回転駆動されると、環状外歯歯車78と回転プレート88の回転位相に変化を生じ、一対のスライドプレート74から突出し、カムプレート80のカム面82に当接する従動子84が、環状外歯歯車78の一側端面を塞ぐカムプレート80のカム面82に案内され、環状外歯歯車78の回転を一対のスライドプレート74の開閉動作に変換する。すなわち、回転駆動手段18と連動して、互いに平行な平面状に構成された各スライドプレート74の互いに対向する端面76を、タイロッド六角部12に当接させることにより、タイロッド10の径の大小にかかわらずタイロッド六角部12を確実に挟持することが可能である。
【0038】
又、各スライドプレート74の互いに対向する端面76が、タイロッド六角部12に当接すると、一対のスライドプレート74から突出する従動子84の、カムプレート80のカム面82に対する移動が制限され、従動子84はカムプレート80のカム面82に対しスライドすることなく、カムプレート80によって回転駆動され、環状外歯歯車78の回転動作が一対のスライドプレート74に伝達される。よって、一対のスライドプレート74及びこれを支持する回転プレート88は、環状外歯歯車78と一体回転する。このように、一対のスライドプレート74をタイロッド六角部の中心軸C12周りに駆動することにより、タイロッド六角部12を回転させることが可能である。
【0039】
以上のごとく、本発明の第2の参考例に係るオープンエンドレンチ70は、挟持手段16の開閉駆動機構72が回転駆動手段18と連動して作動することにより、互いに対向する一対の当接部76の二面巾を適宜変更して、タイロッド10の径の大小にかかわらずタイロッド六角部12を確実に挟持し、タイロッド六角部12を回転させることができるものである。
その他、本発明の参考例、実施の形態と同一の作用効果については、詳しい説明を省略する。
【0040】
続いて、図5を参照しながら、本発明の第3の参考例に係るタイロッド調整用オープンエンドレンチ94(以下、単に「オープンエンドレンチ」という。)について説明する。ここで、本発明の実施の形態、本発明の参考例、第2の参考例に係るオープンエンドレンチ14、52、70と同一部分、若しくは相当する部分については、同一の符号で示し、詳しい説明を省略する。
【0041】
本発明の第3の参考例に係るオープンエンドレンチ94は、第2の参考例に係るオープンエンドレンチ70と同様に、挟持手段16の開閉駆動機構95が、回転駆動手段18と連動して作動する機構を備えている。
具体的には、挟持手段16の開閉駆動機構95は、スライド動作により互いに離間接近する一対のスライドプレート96を備え、タイロッド六角部12(図6)に直接的に当接するための、互いに対向する一対の当接部として、一対のスライドプレートの互いに対向する端面98が互いに平行な平面状に構成されている。一対のスライドプレート96は、ガイドピン100に対し、ガイド溝102が嵌まり込むことで、互いに離間接近する方向へとスライド可能となっている。なお、ガイドピン100は、後述するスライドプレート駆動歯車110と共に、タイロッド六角部の中心軸12C周りに回転可能となっている。
【0042】
又、回転駆動手段18は、一対のスライドプレート96を、タイロッド六角部の中心軸12C周りに回転駆動するものである。より具体的には、回転駆動手段18は、挟持手段16を取り囲む位置に設けられた環状の太陽歯車104と、太陽歯車104の半径方向外側に位置する遊星歯車106と、遊星歯車106の更に半径方向外側に位置する環状の外輪歯車108とを備える遊星歯車機構を備えている。そして、太陽歯車104及び外輪歯車108は、その一部が切り欠かれたC字状をなし、該切り欠き部104a、108aが、タイロッド10の側方からタイロッドに接近する際のオープンエンド部Oに配置されている。各遊星歯車106を軸支するキャリヤには、一定の制動が加えられており、通常は各遊星歯車106は公転せずに同一の場所で自転し、公転方向に一定以上の負荷が加わると、各遊星歯車106は公転を開始するように構成されている。
更に、太陽歯車104の内周面104b及び外輪歯車108の外周面108bにも歯が形成され、外輪歯車108の外周面108bの歯を駆動する歯車列34が設けられている。歯車列34は、本発明の実施の形態、本発明の参考例、第2の参考例に係るオープンエンドレンチ52、70と同様に、モータの回転軸に連結される駆動軸に固定された歯車34Fと、歯車34F及び外輪歯車108との間に配置される一対の歯車34Gとを備えている。
【0043】
又、挟持手段16は、開閉駆動機構95として、一対のスライドプレート98の基端部側に、一対のスライドプレート98と共に、タイロッド六角部の中心軸12C周りに回転可能に軸支され、太陽歯車104の内周面104bに形成された歯と噛み合うスライドプレート駆動歯車110と、スライドプレート駆動歯車110の回転動作を一対のスライドプレート96のスライド動作に変換するリンク機構112とを備えている。図示のリンク機構112は、スライドプレート駆動歯車110の側面と一対のスライドプレート96とをロッドで軸着したものであり、スライドプレート駆動歯車110が図示の回転センタ位置から左右どちらの方向に回転しても、一対のスライドプレート96は互いに接近する方向へとスライドする。又、スライドプレート駆動歯車110が回転センタ位置へと戻る方向へと回転すると、一対のスライドプレートは互いに離間する方向へとスライドし、スライドプレート駆動歯車110が図示の回転センタ位置にあるとき、一対のスライドプレート96は最も離間した状態となる。又、図中、符号114で示される部分は、タイロッド六角部12が当接するストッパーである。
なお、オープンエンドレンチ94を用いた自動車のトー調整手順については、参考例に係るオープンエンドレンチ14と同様であり、詳しい説明を省略する。
【0044】
上記構成をなす、本発明の第3の参考例によれば、次のような作用効果を得ることが可能となる。オープンエンドレンチ94は、挟持手段16を取り囲む位置に設けられた環状の太陽歯車104及び環状の外輪歯車108の何れも、その一部が切り欠かれたC字状をなし、切り欠き部104a、108aが、タイロッド10の側方からタイロッドに接近する際のオープンエンド部Oに配置されている。よって、一対のスライドプレート96が最も離間した状態で、許容し得る最大直径のタイロッド六角部12を、オープンエンド部Oにひき込むことを可能としている。
【0045】
そして、遊星歯車106の公転を止めかつ自転可能な状態で、回転駆動手段18の歯車列34によって環状の外輪歯車108が回転駆動されると、環状の外輪歯車108の回転が環状の太陽歯車104に伝達され、太陽歯車の内周面104bに形成された歯と噛み合うスライドプレート駆動歯車110が回転する。すると、スライドプレート駆動歯車110の回転動作がリンク機構112によって一対のスライドプレート96のスライド動作に変換される。すなわち、本発明の第3の参考例に係るオープンエンドレンチ94は、回転駆動手段18と連動して、互いに平行な平面状に構成された各スライドプレート96の互いに対向する端面98を、タイロッド六角部12に当接させることにより、タイロッド10の径の大小にかかわらずタイロッド六角部12を確実に挟持することが可能である。
【0046】
又、各スライドプレート96の互いに対向する端面98がタイロッド六角部12に当接し、一対のスライドプレート96が停止することにより、スライドプレート駆動歯車110の回転が規制され、スライドプレート駆動歯車110、環状の太陽歯車104、遊星歯車106が全てロックされた状態となり、環状の外輪歯車108と一体回転する。このとき、一対のスライドプレート96及びスライドプレート駆動歯車110も環状の外輪歯車108と共に、タイロッド六角部の中心軸12C周りに回転することにより、タイロッド六角部を回転駆動させるものである。
その他、本発明の実施の形態、本発明の参考例、第2の参考例と同一の作用効果については、詳しい説明を省略する。
【符号の説明】
【0047】
10:タイロッド、12:タイロッド六角部、 14、52、70、94:タイロッド調整用オープンエンドレンチ、16:挟持手段、18:回転駆動手段、 20:当接部、 22、54、72、95:開閉駆動機構、24:一対のアーム、26:リニアアクチュエータ、28:リンク機構、34:歯車列、 34A、34B、34C、34D、34E:歯車、 36、44:回転軸、38:連結ロッド、 40、42:ピボット、46:摩擦車、 56、74、96:一対のスライドプレート、56a:円弧状突起部、58:カム機構、 60、86:ばね、 62、78:環状外歯歯車、 64、76、98:端面、66:昇降カムプレート、66a:傾斜面、68:横行カムプレート、68a:傾斜面、68b:円弧状摺接面、80:カムプレート、82:カム面、84:従動子、88:回転プレート、104:太陽歯車、106:遊星歯車、108:外輪歯車、110:スライドプレート駆動歯車、O:オープンエンド部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイロッドの側方からタイロッドに接近して、タイロッド六角部を挟持するための挟持手段と、タイロッド六角部を挟持した状態で、前記挟持手段を自転させるための回転駆動手段とを備えるタイロッド調整用オープンエンドレンチであって、
前記挟持手段は、タイロッド六角部に直接的に当接するための、互いに対向する一対の当接部と、該一対の当接部が連動してタイロッド六角部に対し離間接近するための開閉駆動機構とを備え、
前記挟持手段の開閉駆動機構は、前記回転駆動手段と独立して作動する機構として、
スライド動作により互いに離間接近する一対のスライドプレートと、リニアアクチュエータと、該リニアアクチュエータの動作を前記一対のスライドプレートの開閉動作に変換するカム機構と、前記一対のスライドプレートを常時開方向へと付勢するばねとを備え、前記一対のスライドプレート及び前記ばねが、これらを取り囲む位置に配置された環状外歯歯車によって、タイロッド六角部の中心軸周りに回転可能に保持され、前記環状外歯歯車は、その一部が切り欠かれたC字状をなし、該切り欠き部が、タイロッドの側方からタイロッドに接近する際のオープンエンド部に配置され、かつ、前記当接部として、各スライドプレートの互いに対向する端面が、互いに平行な平面状に構成されており、
前記回転駆動手段は、前記環状外歯歯車と、前記環状外歯歯車を回転させるための歯車列を備えることを特徴とするタイロッド調整用オープンエンドレンチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−162266(P2012−162266A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−130739(P2012−130739)
【出願日】平成24年6月8日(2012.6.8)
【分割の表示】特願2010−86077(P2010−86077)の分割
【原出願日】平成20年4月18日(2008.4.18)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000191353)新明工業株式会社 (75)
【Fターム(参考)】