説明

タッチスクリーン信号処理

スクリーン(1)全体にわたって光を向けるそのスクリーン(1)の1つまたは複数の縁部における光源(4)と、上記光源(4)から光を受け取るようにそのスクリーン(1)の周囲に配置されている、電子出力を有する少なくとも2つのカメラ(6)とを使用するタッチスクリーン(1)。プロセッサが上記カメラ(6)の出力を受け取り、上記スクリーン(1)近傍の物体の位置を測定するために三角測量法を使用する。物体の存在を検出することは、その物体に起因する直接光の有無をカメラにおいて検出すること及びスクリーン表面を鏡面として使用することと、物体に起因する反射光の有無をカメラにおいて検出することとを含む。光源(4)を、カメラ(6)の出力においてある周波数帯域を与えるために変調してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチスクリーンに関し、特に、信号処理を使用することによって物体の存在を光学的に検出することに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術のタッチスクリーンは5つの主要な形態を取ることが可能である。タッチスクリーン入力装置のこの5つの形態は、抵抗膜方式、静電容量方式、表面弾性波(SAW)方式、赤外線(IR)方式、および、光学式を含む。これらのタイプのタッチスクリーンの各々が、それ自体の特徴と利点と欠点とを有する。
【0003】
抵抗膜方式は、最も一般的なタイプのタッチスクリーン技術である。この方式は、ハンドヘルドコンピュータとPDAと家電製品とPOS用途とを含む多くのタッチスクリーン用途に見い出される低コストの解決策である。抵抗膜方式タッチスクリーンは、接触接続を生じさせるために、コントローラと、ディスプレイ表面上にオーバレイされた特別なコーティングガラスとを使用する。抵抗膜のオーバレイ膜の基本的なタイプは、4線式と、5線式と、8線式である。5線式技術と8線式技術は製造と較正とに関して非常に高コストであり、一方、4線式は画像鮮明度が劣る。一般的に、2つの選択肢、すなわち、研磨またはグレア防止が与えられる。研磨は画像の鮮明性を実現するが、グレアを生じさせることが一般的である。グレア防止はグレアを最小化するが、光をさらに拡散させ、それによって鮮明性を低下させる。抵抗膜方式のディスプレイを使用することの1つの利点は、この抵抗膜方式ディスプレイに(手袋を着用しているか、または、手袋を着用していない)指、ペン、針、または、硬い物体を用いてアクセスすることが可能であるということである。しかし、抵抗膜方式ディスプレイは、抵抗膜層に起因する画像鮮明性の劣化と、このフィルムに引っ掻き傷が付き易いこととを原因として、公共的な環境においては有効性が劣っている。こうしたトレードオフにも係わらず、抵抗膜方式スクリーンは、(より小さいスクリーンサイズにおける)その相対的に低い価格と、様々な入力手段(指、手袋、硬い針、軟らかい針)を使用可能であることにより、最も一般的に普及している技術である。
【0004】
静電容量方式タッチスクリーンは全体がガラス製であり、および、ATMとこれに類似したキオスク(kiosk)タイプの用途において使用するように設計されている。小電流が、オーバレイに接触する人間の静電容量を測定するためにそのスクリーンの隅に配置されている回路とスクリーン全体にわたって流れる。このスクリーンに接触することがその電流を遮断し、キオスクを動作させるソフトウェアを起動させる。ガラスと、このガラスをディスプレイに装着するベゼルを密封することが可能なので、タッチスクリーンは水と埃と汚れとに対して耐久性がありかつ頑丈である。この理由から、一般的に、静電容量式タッチスクリーンは、ゲーム用ディスプレイ、自動販売用ディスプレイ、公共用キオスク、および、工業用途のようなより過酷な環境で使用される。しかし、静電容量方式タッチスクリーンは、人間の指の接触によってしか起動されず、手袋を着用した指、ペン、針、または、硬い物体では動作しない。したがって、医療および食品調製を含む多くの用途における使用には適していない。
【0005】
表面弾性波(SAW)技術は、純粋なガラス構造を使用するので、より優れた画像鮮明性を実現する。SAWタッチスクリーンは、ガラス製のディスプレイオーバレイを使用する。音波がこのディスプレイの表面全体にわたって伝送される。各々の音波が、そのオーバレイの縁部に沿ったリフレクタアレイから跳ね返ることによって、スクリーン全体にわたって拡散させられる。2つの受信器がこの音波を検出する。ユーザがガラス表面に接触すると、そのユーザの指が音波のエネルギーの一部分を吸収し、および、コントローラ回路系がその接触位置を測定する。SAWタッチスクリーン技術は、ATM、遊園地、銀行業務用途、金融用途、および、キオスクで使用される。この技術は密封することが不可能であり、したがって、多くの工業用途または商業用途には適していない。抵抗膜方式および静電容量方式の技術と比較して、この表面弾性波技術は、優れた画像鮮明度と、分解能と、より高い光透過率とを提供する。
【0006】
赤外線方式の技術はディスプレイスクリーンの前方の赤外光格子の遮断に基づいている。タッチフレームすなわちオプトマトリックス(opto−matrix)フレームは、赤外LEDとフォトトランジスタとの列とを含み、これらの赤外LEDとフォトトランジスタの各々は、目に見えない赤外光の格子を生じさせるために、互いに反対側の2つの側部に取り付けられている。このフレームアセンブリは、オプトエレクトロニクス素子が装着されているプリント配線基板で構成されており、赤外透過性ベゼルの背後に隠されている。このベゼルは、赤外ビームがそのベゼルを通過することを可能にしながら、動作環境からオプトエレクトロニクス素子をシールドする。赤外コントローラが、赤外光ビームの格子を生じさせるためにLEDに連続的にパルス印加する。指のような針状物がこの格子の中に入ると、それは赤外光ビームを遮断する。1つまたは複数のフォトトランジスタが光の欠如を検出して、x座標とy座標とを識別する信号を送る。赤外線方式タッチスクリーンは、完全に密封することが可能であり、かつ、様々な硬い物体または軟らかい物体を使用して操作することが可能なので、製造用途と医療用途において使用されることが多い。赤外線方式タッチスクリーンに関する主な問題点は、タッチフレームの配置(seating)がそのスクリーンのわずかに上方であるということである。したがって、赤外式タッチスクリーンは、指または針がスクリーンに実際に接触する前に早期起動(early activation)を起こしやすい。さらに、赤外ベゼルを製造するコストが極めて高い。
【0007】
タッチスクリーンのための光学イメージングは、接触箇所を検出するために、ラインスキャンカメラと、ディジタル信号処理と、前面照明または背面照明と、アルゴリズムとを使用する。撮像レンズは、ディスプレイの表面に沿って走査することによってユーザの指、針、または物体を撮像する。このタイプのタッチスクリーンは、移動する影と強い光とによって誤った読み取りを生じやすく、読み取りが行われる前にスクリーンが接触されることを必要とする。こうした欠点を克服する試みが行われてきた。光学撮像技術を使用するタッチスクリーンは、次の公報に開示されている。
【0008】
ディジタル周辺光サンプリングを使用するタッチスクリーンが米国特許第4,943,806号明細書に開示されている。特にこの特許は、連続的に周辺光の測定値をサンプリングして記憶し、事前に採取された測定値に対してこれらの測定値を比較するタッチ入力装置を開示する。これは、強い光と影との影響を最小化するために行われる。
【0009】
コンピュータシステムと組み合わせて使用するためのタッチスクリーンが米国特許第5,914,709号明細書に開示されている。特に、閾値調整処理を使用する、接触を感知できるユーザ入力装置が開示されている。光強度値が測定されて、「ON」閾値が設定され、この閾値の測定と調整は頻繁かつ周期的に行われる。
【0010】
米国特許第5,317,140号明細書では、タッチスクリーンディスプレイ上の物体の位置と方向とを光学的に検出する方法を開示する。特に、タッチスクリーン全体にわたって平均的な光強度を生じさせるために、ディフューザが光源を覆って配置される。
【0011】
米国特許第5,698,845号明細書では、商用交流電源の2倍の周波数に発光器のON/OFF周波数を変調する光検出装置を使用するタッチスクリーンディスプレイを開示する。受光器が光の存在を検出し、伝送される実際の信号とこの光を比較する。
【0012】
米国特許第4,782,328号明細書では、タッチスクリーンの上方の予め決められた高さに配置されている光検出器を使用し、ポインタがタッチスクリーンに近づくと、そのポインタから反射された周辺光またはそのポインタの陰影が付いた周辺光の光線が、そのポインタを検出することを可能にするタッチスクリーンを開示する。
【0013】
米国特許第4,868,551号明細書では、ポインタによって反射された(反射若しくは拡散)光を検出することによってディスプレイの表面付近にあるポインタを検出することが可能なタッチスクリーンを開示する。
【発明の開示】
【0014】
本発明の目的は、上述の欠点を克服し、または、有効な選択肢を公衆に少なくとも提供する、タッチスクリーンを提供することである。
【0015】
概略的に述べると、本発明は、第1の側面において、
ユーザがスクリーン上で又はスクリーンを通じて画像を観察し、且つユーザが触れるスクリーンと、
上記スクリーンの1つ又は複数の縁部に配置されている光源であって、上記スクリーンの表面全体にわたって光を向ける光源と、
走査画像を含む出力を有し、且つ上記スクリーンの前面の空間を撮像するために上記スクリーンの周囲に各々が配置される少なくとも2つのカメラと、
光源からの直接光及び/又は上記光源からの反射光を含む光のレベルを検出するために上記出力を処理する手段と、
上記カメラの処理された出力を受け取るプロセッサであって、その処理された出力が上記スクリーン近傍の物体の存在を示すかどうかを判定するために、且つ物体が存在する場合には、上記物体の位置を測定するために、三角測量法と上記処理された出力を使用するプロセッサとを備えるタッチディスプレイにあると言うことができる。
【0016】
上記処理された出力は、上記カメラを基準とした、推定された物体の位置の相対方位を示すことが好ましい。
【0017】
上記処理された出力は、上記カメラのレンズの中心を基準とした、推定された物体の位置の相対方位を示すことが好ましい。
【0018】
上記プロセッサは、平面スクリーン座標として上記物体の位置を測定することが好ましい。
【0019】
上記光源は、上記スクリーンを通過させて光を投射するように上記スクリーンの背後に配置され、且つ上記タッチディスプレイは、光源を有する各々の縁部において、上記光源から放出された光を上記スクリーンの表面全体にわたって向ける光偏向器を上記スクリーンの前面に有することが好ましい。
【0020】
上記カメラはラインスキャンカメラであり、上記カメラの出力は、走査されたラインに関する情報を含み、且つ上記プロセッサは、上記物体の位置の測定に上記情報を使用することが好ましい。
【0021】
上記タッチディスプレイは、
上記カメラの撮像可能範囲内の周波数帯域を提供するように上記光源からの光を変調する手段と、
上記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する手段とを含むことが好ましい。
【0022】
上記出力を処理する手段は、上記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する手段を含み、且つ上記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する手段はフィルタリングを含むことが好ましい。
【0023】
上記フィルタリングは、
くし形フィルタと、
ハイパスフィルタと、
ノッチフィルタと、
バンドパスフィルタから成るグループから選択されたフィルタを適用することが好ましい。
【0024】
上記タッチディスプレイは、
上記光源を制御する手段と、
照明されていない周辺光状態と照明状態とにおいて撮像された画像を取得及び処理する手段とを含み、
上記出力を処理する手段は、光のレベルを検出する前に、上記照明状態から上記周辺光状態を減算することが好ましい。
【0025】
上記光源はLEDであり、および、上記タッチディスプレイは、上記光源の他のセクションから独立して上記光源のセクションの動作を制御する手段を含むことが好ましい。
【0026】
上記光源のセクションの動作を制御する手段は、上記光源の実効輝度を独立して制御する手段を含むことが好ましい。
【0027】
上記光源のセクションを制御する上記手段は、上記セクションを逆位相に配線し、ブリッジ駆動を使用して駆動することが好ましい。
【0028】
上記光源のセクションを制御する上記手段は対角ブリッジ駆動(diagonal bridge drive)を使用することが好ましい。
【0029】
上記光源のセクションを制御する上記手段は、制御されるべき各セクションに対してシフトレジスタを使用することが好ましい。
【0030】
画像を取得及び処理する上記手段は、上記光源のセクション及び上記各々のカメラを制御し、且つ上記出力を処理する手段は、上記セクションが照明されるか否かに関する情報を処理することが好ましい。
【0031】
画像が撮られる時に、幾つかのセクションが照明され、かつ、他のセクションが照明されないことが好ましい。
【0032】
概略的に述べると、本発明は、第2の側面において、
ユーザがスクリーン上で又はスクリーンを通じて画像を観察し、且つユーザが触れるスクリーンと、
上記スクリーンの1つ又は複数の縁部に配置されている光源であって、上記スクリーンの表面全体にわたって光を向ける光源と、
走査画像を含む出力を有し、上記スクリーンの周囲において、上記光源からの直接光を受けないように配置され、且つ上記スクリーンの前面の空間を撮像する、少なくとも2つのカメラと、
反射された光のレベルを検出するために上記出力を処理する手段と、
上記カメラの処理された出力を受け取るプロセッサであって、その処理された出力が上記スクリーン近傍の物体の存在を示すかどうかを判定するために、且つ物体が存在する場合には、上記物体の位置を測定するために、三角測量法と上記処理された出力を使用するプロセッサとを備えるタッチディスプレイにあると言うことができる。
【0033】
上記処理された出力は、上記カメラを基準とした、推定された物体の位置の相対方位を示すことが好ましい。
【0034】
上記処理された出力は、上記カメラのレンズの中心を基準とした、推定された物体の位置の相対方位を示すことが好ましい。
【0035】
上記プロセッサは、平面スクリーン座標として上記物体の位置を測定することが好ましい。
【0036】
上記タッチディスプレイは、
上記カメラの撮像可能範囲内の周波数帯域を提供するように上記光源からの光を変調する手段と、
上記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する手段とを含むことが好ましい。
【0037】
上記出力を処理する手段は、上記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する手段を含み、且つ上記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する手段はフィルタリングを含むことが好ましい。
【0038】
上記フィルタリングは、
くし形フィルタと、
ハイパスフィルタと、
ノッチフィルタと、
バンドパスフィルタから成るグループから選択されたフィルタを適用することが好ましい。
【0039】
上記タッチディスプレイは、
上記光源を制御する手段と、
照明されていない周辺光状態と照明状態とにおいて撮像された画像を取得及び処理する手段とを含み、
上記出力を処理する手段は、光のレベルを検出する前に、上記照明状態から上記周辺光状態を減算することが好ましい。
【0040】
上記光源はLEDであり、上記タッチディスプレイは、上記光源の他のセクションから独立して上記光源のセクションの動作を制御する手段を含むことが好ましい。
【0041】
上記光源のセクションの動作を制御する手段は、上記光源の実効輝度を独立して制御する手段を含むことが好ましい。
【0042】
上記光源のセクションを制御する手段は、上記セクションを逆位相に配線し、ブリッジ駆動を使用して駆動することが好ましい。
【0043】
上記光源のセクションの動作を制御する手段は、対角ブリッジ駆動を使用することが好ましい。
【0044】
上記光源のセクションを制御する手段は、制御される各セクションに対してシフトレジスタを使用することが好ましい。
【0045】
画像を取得及び処理する手段は、上記光源のセクション及び上記各々のカメラを制御し、且つ上記出力を処理する手段は、上記セクションが照明されるか否かに関する情報を処理することが好ましい。
【0046】
画像が撮られる時に、幾つかのセクションが照明され、且つ他のセクションが照明されないことが好ましい。
【0047】
上記スクリーンは反射性であり、上記カメラはさらに上記スクリーンを撮像し、且つ上記出力を処理する手段は、鏡映画像からの光のレベルを検出することが好ましい。
【0048】
上記処理された出力は、上記カメラを基準とした推定された物体の相対方位と、上記スクリーンからの上記物体の距離とを示すことが好ましい。
【0049】
概略的に述べると、本発明は、第3の側面において、画像に関連してユーザ入力を受け取る方法にあり、この方法は、
ユーザがスクリーン上で又はスクリーンを通して画像を観察し、且つユーザが触れるスクリーンを設ける段階と、
上記スクリーンの1つ又は複数の縁部に配置されており、且つ上記スクリーンの表面全体にわたって光を向ける光源を設ける段階と、
走査画像を含む出力を有し、且つ上記スクリーンの前面の空間を撮像するように上記スクリーンの周囲に各々が配置される少なくとも2つのカメラを設ける段階と、
上記光源からの直接光及び/又は上記光源からの反射光を含む光のレベルを検出するために上記出力を処理する段階と、
上記物体の位置を測定するために三角測量法を使用して上記カメラの処理された出力を処理する段階とを含むと言うことができる。
【0050】
上記処理された出力は、上記カメラを基準とした推定された物体の位置の相対方位を示すことが好ましい。
【0051】
上記処理された出力は、上記カメラのレンズの中心を基準とした推定された物体の位置の相対方位を示すことが好ましい。
【0052】
上記物体の位置は平面スクリーン座標で表されることが好ましい。
【0053】
上記光源は、上記スクリーンを通過させて光を投射するように上記スクリーンの背後に配置され、且つ上記ディスプレイは、光源を有する各々の縁部において、上記光源から放出された光を上記スクリーンの表面全体にわたって向ける光偏向器を上記スクリーンの前面に有することが好ましい。
【0054】
上記カメラはラインスキャンカメラであり、上記カメラの出力は、走査されたラインに関する情報を含み、且つ上記プロセッサは、上記物体の位置の測定に上記情報を使用することが好ましい。
【0055】
上記方法は、
上記カメラの撮像可能範囲内の周波数帯域を提供するように上記光源からの光を変調する段階と、
上記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する段階とを含むことが好ましい。
【0056】
上記出力を処理する段階は、上記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する段階を含み、且つ上記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する段階はフィルタリングを含むことが好ましい。
【0057】
上記フィルタリングは、
くし形フィルタと、
ハイパスフィルタと、
ノッチフィルタと、
バンドパスフィルタから成るグループから選択されたフィルタを適用する段階を含むことが好ましい。
【0058】
上記方法は、
上記光源を制御する段階と、
照明されていない周辺光状態と照明状態とにおいて撮像された画像を取得及び処理する段階とを含み、
上記出力を処理する段階は、光のレベルを検出する前に、上記照明状態から上記周囲光状態を減算することが好ましい。
【0059】
上記光源はLEDであり、および、上記タッチディスプレイは、上記光源の他のセクションから独立して上記光源のセクションの動作を制御する手段を含むことが好ましい。
【0060】
上記光源のセクションの動作を制御する段階は、上記光源の実効輝度を独立して制御することが好ましい。
【0061】
上記光源のセクションを制御する段階は、上記セクションを逆位相に配線し、ブリッジ駆動を使用して駆動することが好ましい。
【0062】
上記光源のセクションを制御する段階は、対角ブリッジ駆動を使用することが好ましい。
【0063】
上記光源のセクションを制御する段階は、制御される各セクションに対してシフトレジスタを使用することが好ましい。
【0064】
上記画像を取得及び処理する段階は、上記光源のセクション及び上記各々のカメラを制御し、上記出力を処理する段階は、上記セクションが照明されるか否かに関する情報を処理することが好ましい。
【0065】
画像が撮られる時に、幾つかのセクションが照明され、且つ他のセクションが照明されないことが好ましい。
【0066】
概略的に述べると、本発明は、第4の側面において、画像に関連してユーザ入力を受け取る方法にあり、この方法は、
ユーザがスクリーン上で又はスクリーンを通じて画像を観察し、且つユーザが触れるスクリーンを設ける段階と、
上記スクリーンの1つまたは複数の縁部に配置されて、且つ上記スクリーンの表面全体にわたって光を向ける光源を設ける段階と、
走査画像を含む出力を有し、上記スクリーンの周囲において、上記光源からの直接光を受けないように配置され、且つ上記スクリーンの前面の空間を各々が撮像する、少なくとも2つのカメラを設ける段階と、
反射光のレベルを検出するために上記出力を処理する段階と、
上記処理された出力が上記スクリーン近傍の物体の存在を示すかどうかを判定するために、且つ物体が存在する場合には上記物体の位置を測定するために、三角測量法と上記処理された出力を使用して、上記カメラの上記処理された出力を処理する段階とを含むと言うことができる。
【0067】
上記処理された出力は、上記カメラを基準とした、推定された物体の位置の相対方位を示すことが好ましい。
【0068】
上記処理された出力は、上記カメラのレンズの中心を基準とした、推定された物体の位置の相対方位を示すことが好ましい。
【0069】
上記プロセッサは、平面スクリーン座標として上記物体の位置を測定することが好ましい。
【0070】
上記方法は、
上記カメラの撮像可能範囲内の周波数帯域を提供するように上記光源からの光を変調する手段と、
上記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する手段とを含むことが好ましい。
【0071】
上記出力を処理する手段は、上記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する上記手段を含み、且つ上記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する上記手段はフィルタリングを含むことが好ましい。
【0072】
上記フィルタリングは、
くし形フィルタと、
ハイパスフィルタと、
ノッチフィルタと、
バンドパスフィルタから成るグループから選択されたフィルタを適用することが好ましい。
【0073】
上記方法は、
上記光源を制御する手段と、
照明されていない周辺光状態と照明状態とにおいて撮像された画像を撮像および処理する手段とを含み、
上記出力を処理する手段は、光のレベルを検出する前に、上記照明状態から上記周辺光状態を減算することが好ましい。
【0074】
上記光源はLEDであり、且つ上記タッチディスプレイは、上記光源の他のセクションから独立して上記光源のセクションの動作を制御する手段を含むことが好ましい。
【0075】
上記光源のセクションの動作を制御する手段は、上記光源の実効輝度を独立して制御する手段を含むことが好ましい。
【0076】
上記光源のセクションを制御する手段は、上記セクションを逆位相に配線し、ブリッジ駆動を使用して駆動することが好ましい。
【0077】
上記光源のセクションを制御する手段は、対角ブリッジ駆動を使用することが好ましい。
【0078】
上記光源のセクションを制御する手段は、制御される各セクションに対してシフトレジスタを使用することが好ましい。
【0079】
上記画像を取得及び処理する手段は、上記光源のセクション及び上記各々のカメラを制御し、且つ上記出力を処理する手段は、上記セクションが照明されるか否かに関する情報を処理することが好ましい。
【0080】
画像が撮られる時に、幾つかのセクションが照明され、且つ他のセクションが照明されないことが好ましい。
【0081】
上記スクリーンは反射性であり、さらに上記カメラは上記スクリーンを撮像し、且つ上記出力を処理する手段は、鏡映画像からの光のレベルを検出することが好ましい。
【0082】
上記処理された出力は、上記カメラを基準とした推定された物体の相対方位と、上記スクリーンからの上記物体の距離とを示すことが好ましい。
【0083】
概略的に述べると、本発明は、第5の側面において、画像に関連してユーザ入力を受け取る方法にあり、この方法は、
上記画像全体にわたって光を向ける少なくとも1つの光源を上記画像の周囲または周囲付近に設ける段階と、
上記画像の周囲または周囲付近の少なくとも2つの位置において光のレベルを検出して、上記レベルを出力として提供する段階と、
上記出力が上記画像近傍の物体の存在を示すかどうかを判定するために、且つ物体が存在する場合には、上記物体の位置を測定するために、三角測量法を使用して上記出力を処理する段階とを含むと言うことができる。
【0084】
上記位置は、物体が存在する時に上記出力が上記物体から反射された光を実質的に示すように、実質的に互いに反対側には位置していないことが好ましい。
【0085】
したがって、概略的に述べると、本発明は、第6の側面において、画像に関連して物体の位置を検出するユーザ入力装置にあり、このユーザ入力装置は、
上記画像全体にわたって光を向ける、上記画像の周囲または周囲付近の少なくとも1つの光源と、
出力を有し、上記スクリーンの前面の空間を撮像するために上記画像近傍に配置され、且つ上記出力は光のレベルを示す少なくとも1つの検出器と、
上記出力を受け取り、三角測量法と上記出力とを使用し、物体の存在を判定し、且つ物体が存在する場合には上記物体の位置を測定するプロセッサを含むと言うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0086】
本発明の好ましい一実施形態を、添付図面を参照しながら以下で説明する。
本発明は、光学撮像タッチスクリーンの分野における信号処理の改善に関する。好ましい実施形態では、光学タッチスクリーンは前面照明を使用し、および、スクリーンと、一連の光源と、同一平面内且つスクリーンの周囲に配置されている少なくとも2つのエリアスキャンカメラとから構成されている。別の実施形態では、光学タッチスクリーンはバックライト照明を使用する。このスクリーンは、タッチスクリーンの背後に配置され、タッチパネルの表面全体へ向け直される光源アレイによって取り囲まれている。少なくとも2つのラインスキャンカメラがタッチスクリーンパネルと同一の平面内で使用される。これらの実現によって生じる信号処理の改善は、物体がタッチスクリーン表面の直ぐ近くに存在する時にその物体を感知することを可能とし、較正が容易であり、且つ物体の感知が、例えば移動する光や影のような変化する周辺光条件による悪影響を受けないということである。
【0087】
一般的なタッチスクリーンシステム1のブロック図を図3に示す。情報が、カメラ6から、処理モジュール10として一括して示されているビデオ処理ユニットおよびコンピュータへと流れる。この処理モジュール10は、フィルタリングと、データサンプリングと、三角測量とを含む様々なタイプの計算を行い、および、照明光源4の変調を制御する。
【0088】
前面照明タッチスクリーン
本発明のタッチスクリーンの好ましい実施形態が図1に示されている。このタッチスクリーンシステム1は、モニタ2と、タッチスクリーンパネル3と、少なくとも2つの光源4と、処理モジュール(図示されていない)と、少なくとも2つのエリアスキャンカメラ6とによって構成されている。ユーザに対して情報を表示するモニタ2は、タッチスクリーンパネル3の背後に配置されている。タッチスクリーンパネル3とモニタ2の下方には、エリアスキャンカメラ6と光源4とが配置されている。光源4は発光ダイオード(LED)であることが好ましいが、例えば蛍光灯のような別のタイプの光源であってもよい。LEDが固有のスイッチング周波数を持たないので、必要に応じて変調されるようにLEDを使用することが理想的である。カメラ6とLED4とがタッチパネル3と同一の平面内に存在する。
【0089】
図1aを参照すると、エリアスキャンカメラ6の視野6aとLED4の放射光路4aとが同一平面内にあり、かつ、タッチパネル3に対して平行である。指として示されている物体7が放射光路4aの中に入ると、この物体7が照明される。これは、前面パネル照明又は物体照明として一般的に知られている。図1bでは、この原理が再び図解されている。指7が放射野4aの中に入ると、信号が反射されてカメラ6に戻される。このことが、指7がタッチパネル3の近傍にあるかタッチパネル3に接触していることを示す。指7が実際にタッチパネル3に接触しているかどうかを判定するためには、タッチパネル3の位置が確認されなければならない。これは、別の信号すなわち鏡映信号を使用して行われる。
【0090】
鏡映信号
鏡映信号は、物体7がタッチパネル3に近づく時に発生する。タッチパネル3が、反射性を有するガラスで作られていることが好ましい。図2に示すように、指7がタッチパネル3の上方の距離8のところに位置しており、および、タッチパネル3内に7aとして映し出されている。カメラ6(単にカメラレンズとして示されている)は指7とその鏡映画像7aの両方を撮像する。指7の画像はパネル3内に反射された7aである。この画像は、フィールドライン6b、6cと仮想フィールドライン6dとを通して見ることが可能である。このことがカメラ6が指7の反射画像7aを撮像することを可能にする。カメラ6で生成されたデータは、フィールドライン6e、6bがカメラ6に入るため、フィールドライン6e、6bの位置に対応する。その次に、このデータが解析のために処理モジュール10に送り込まれる。
【0091】
図2aに、処理モジュール10のセクションを示す。処理モジュール10内には、一連の走査撮像装置13と、一連のディジタルフィルタ11と、ソフトウェアの形で実現されている一連の比較器12とが存在する。例えば30,000ピクセルのような設定された数のピクセルがタッチパネル上に存在する。これらのピクセルを、300個のピクセルで各列が構成されている100個の列の形に分割してもよい。ピクセル数はここで使用されているピクセル数よりも多くても少なくてもよく、このピクセル数は例示のために使用されているに過ぎない。この状況では、300個のピクセルで各列が構成されている100個の列に分けられている、30,000個のディジタルフィルタ11と比較器12とが存在し、これはモニタ2上のピクセルのマトリックスと同様のマトリックスを形成する。1つの列が1つのイメージスキャナ13と3つの組14a、14b、14cのディジタルフィルタ11および比較器12によって処理される形で、図2aに示されており、この形では3つのピクセルから情報を読み取ることができる。このマトリックスのさらに詳細な例が図2bに示されている。8つのピクセル3a−3hが、列のグループとして、(処理モジュール10の一部分としての)フィルタ11と比較器12とにさらに接続されているイメージスキャナ13に接続されている。図2bで使用されているピクセル数は例示のためだけに使用されているにすぎず、正確なピクセル数はこれよりも多くても少なくてもよい。この図に示されているピクセルはパネル3においてこの形状を形成しなくてもよく、その形状は、使用されるカメラ6の位置とタイプとによって決定される。
【0092】
再び図2を参照すると、指7と映し出された指7aとが少なくとも2つのピクセルを作動させる。この2つのピクセルは説明を分かり易くするために使用される。このことが、処理モジュール10の中に入るフィールドライン6e、6bによって示されている。これがソフトウェアを起動し、その結果として、2つの信号がディジタルフィルタ11と比較器12とを通過し、したがって、ディジタル信号出力12a−12eを生じさせる。比較器12は、予め決められた閾値に対して、フィルタ11からの出力を比較する。当該ピクセルにおいて指7が検出される場合には、その出力は高であり、検出されない場合にはその出力は低となる。
【0093】
鏡映信号も、カメラ6に対する指7の位置に関する情報を提供する。この情報は、パネル3の上方の指7の高さ8とその角度位置とを決定することが可能である。鏡映画像から集められた情報は、指7がパネル3に接触する必要なしに、パネル3に対して指7がどこに存在するかを判定するのに十分である。
【0094】
図4と図4aは、鏡映信号の処理から得られる位置情報を示す。この位置情報は極座標の形で与えられる。この位置情報は、パネル3の上方の指7の高さと指7の位置とに関係する。
【0095】
再び図2を参照すると、パネル3の上方の指7の高さを出力12a−12eの間の距離として見ることが可能である。この例では、指7はパネル3の上方の高さ8にあり、出力12bと出力12eとが高信号を発生している。他の出力12a、12dは低信号を発生している。高出力12b、12eの間の距離9は、パネル3の上方の指の実際高さ8の2倍の大きさであることが分かる。
【0096】
変調
処理モジュール10はLED 4を変調およびコリメートし、さらに、サンプリングレートを設定する。LED4は変調され、最も単純な実施形態では、LED4は予め決められた周波数でON/OFFスイッチングされる。例えば正弦波による変調のような他のタイプの変調も可能である。高周波数でLED4を変調することが、変化する光と影とによって生じる他のあらゆる周波数よりも著しく大きい、(指7が感知される時の)周波数測定値を生じさせる。この変調周波数は500Hzより高く、かつ、10kHz未満である。
【0097】
サンプリング
カメラ6は連続的に出力を発生し、この出力は、データおよび時間の制約のために処理モジュール10によって周期的にサンプリングされる。好ましい実施形態では、サンプリングレートが変調周波数の少なくとも2倍である。このサンプリングレートはエリアシングを回避するために使用される。LEDの変調とサンプリング周波数とが同期化されることは必要ではない。
【0098】
フィルタリング
図6に、走査撮像装置13からの周波数ドメインにおける出力を示す。図6には、感知される物体が存在しない時を示すグラフ21と、指が感知される時を示すグラフ20という2つの典型的なグラフが示されている。両方のグラフには、約5Hzから約20Hzの影22の移動の領域と、約50Hzから約60Hzの交流電源周波数領域とがある。
【0099】
好ましい実施形態では、視野内に物体が存在しない時には、エリアカメラに信号が送られず、したがって他のピークが出力中に存在しない。物体が視野内に存在する時には、例えば500HzのようなLED変調周波数に相当する信号24が存在する。低い方の不要な周波数22、23を様々な形態のフィルタによって除去することが可能である。フィルタのタイプは、くし形フィルタと、ハイパス高域フィルタと、ノッチフィルタと、バンドパスフィルタとを含むことができる。
【0100】
図6aでは、イメージスキャナからの出力が、信号20に印加される1対の互いに異なるフィルタ応答26、27を伴って示されている。単純な具体例では、(500Hzの変調周波数を使用する場合に)500Hzのくし形フィルタ26を実装できる。このくし形フィルタは最も低い方の周波数だけを除去するだろう。より高度な具体例は、バンドパスフィルタ27またはノッチフィルタの使用を含む。この状況では、所望の周波数が予想される領域を除いて、データのすべてが除去される。図6aでは、これが、500Hzの変調周波数を有する信号20に適用される500Hz狭帯域フィルタ27として示されている。さらに、フィルタ26、27からのこれらの出力30、31が図6bに示されている。上方のグラフは、くし形フィルタ26が使用される場合の出力30を示し、一方、下方のグラフは、バンドパスフィルタ27が使用される時の出力31を示す。バンドパスフィルタ27は、関心領域を残すと同時に、不要信号のすべてを除去する。
【0101】
信号のフィルタリングが完了し、関心領域内の信号が識別された後に、その結果として得られた信号が、その信号をディジタル信号に変換するために比較器に送られ、および、物体の実際位置を求めるために三角測量が行われる。三角測量は従来技術で公知であり、米国特許第5,534,917号明細書と米国特許第4,782,328号明細書に開示されており、これらの特許は本明細書に参照として組み入れられている。
【0102】
較正
本発明のタッチスクリーンの好ましい実施形態は、タッチスクリーンがあらゆる状況において使用され、新たな場所に移動させられることを可能にする、非常に迅速で容易な較正を使用し、例えば、このタッチスクリーンがラップトップ型として製造される。図5に示されているように、較正は3つの互いに異なる場所31a、31b、31cにおいてパネル3に接触することを含む。このことがタッチパネル3の接触面を規定する。この3つの接触点31a、31b、31cはタッチパネル3に関する接触面の位置と大きさとを計算するのに十分な情報を処理モジュール(図示されていない)に提供する。上述したように、接触点31a、31b、31cの各々は、所要のデータを生成するために、鏡映信号と直接信号の両方を使用する。この接触点31a、31b、31cはパネル3上で変化してよく、図示されている実際の位置である必要はない。
【0103】
背面照明タッチスクリーン
図7は、本発明のタッチスクリーンの別の実施形態を示す。上記の好ましい実施形態のように、モニタ40がタッチパネル41の背後にあり、および、パネル41の側部と下部縁部との周囲に光源アレイ42がある。これらはユーザに向かって外方に向いており、拡散プレート43によってパネル41全体へ向けて方向を変えられている。光源アレイ42は多数の発光ダイオード(LED)から成る。拡散プレート43は、LED42から放出される光をパネル41全体へ向けて方向を変えて拡散させるために使用される。少なくとも2つのラインスキャンカメラ44がパネル3の上部の2つの隅に配置されており、物体を撮像可能となっている。この代わりに、カメラ44を、パネル41の周囲の周りの任意の位置に配置することが可能である。タッチパネル41の周囲の周りにはベゼル45又は外枠がある。ベゼル45は、光放射が外部環境に送られることを防ぐフレームとしての役割を果たす。ベゼル45は光線をカメラ44の中に反射し、したがって、タッチパネル41の付近に物体がない時には、光信号が常にカメラ44の中に読み込まれる。
【0104】
代わりとして、光源アレイ42を冷陰極管で置き換えてもよい。冷陰極管を使用する場合には、冷陰極管の外側チューブが光を拡散するので、拡散プレート43は不要である。冷陰極管はパネル41の1つの側部の全長に沿って延びる。このことが、パネル41の表面全体にわたって実質的に均一な光強度を提供する。冷陰極管は、パネル41の各側部の特定の長さに適合するように変更することが困難でありかつ高コストであるので、冷陰極管の使用は好ましくない。LEDの使用は、パネル41のサイズと形状とにおけるより高い融通性をもたらす。
【0105】
拡散プレート43は、光源アレイ42が多数のLEDから成る時に使用される。拡散プレート43は、LEDから放出された光を拡散し、この光をパネル41の全体へ向けて方向を変えるために使用される。図7aに示されているように、LED42からの光47はパネル41に対して直交する光路で始まる。この光47が拡散プレート43に衝突すると、この光47はパネル41に対して平行に方向を変える。光47は、パネル41を照明するように、パネル41の表面のわずかに上方を進む。光47は、上述したように処理モジュール(図示されていない)によってコリメートされ、変調される。
【0106】
図7aを参照すると、ベゼル45の幅46を増減させることが可能である。ベゼル45の幅46を増大させることは、物体が感知されることが可能な距離を増大させる。同様に、逆のことがベゼル45の幅10を減少させることに当てはまる。
【0107】
ラインスキャンカメラ44はCCD素子とレンズとドライバ制御回路系とから成る。画像がカメラ44によって撮られると、これに対応する出力信号が生成される。
【0108】
図7b及び図7cを参照すると、タッチスクリーンが使用されていない時に、すなわち、ユーザのインタラクションすなわち入力が無い時に、光源アレイ42から放出される光のすべてがラインスキャンカメラ44に送られる。ユーザの入力がある時には、すなわち、ユーザがスクリーン上の何かに自分の指で触れることによってそのスクリーン上の何かを選択する時には、カメラ44に送られる光の一部分が遮断される。カメラ44から出力されたデータに関して三角測量アルゴリズムを使用して計算することによって、その作動の場所を検出することが可能である。
【0109】
ラインスキャンカメラ44は、2つの光変数、すなわち、LED42から送られた直接光と、反射光を読み取ることが可能である。直接光と反射光とを感知し読み取る方法は、上述した方法と同様であるが、ラインスキャンカメラがパネルから1度に1つの列だけしか読み取られず、且つエリアスキャンカメラを使用する場合のようにマトリックスの形に分割されないので、より一層容易である。このことが、パネル41がセクション14a−14d(ラインスキャンカメラが撮像可能なもの)に分割されている図7dに示されている。このプロセスのその他の部分は既に上述されている。この図に示されているピクセルはパネル41においてこの形状を形成する必要はなく、その形状は、使用されるカメラ44の位置とタイプとによって決定される。
【0110】
別の実施形態では、ベゼルがタッチパネルを囲んでいるので、ラインスキャンカメラは、LEDから送られる変調された光を連続的に読み取る。この結果として、光路を遮断する物体が存在しない時には何時でも、変調された周波数が出力に存在していることになる。物体が光路を遮断する時には、出力に変調された周波数が存在しない。このことは、物体がタッチパネル近傍にあるかタッチパネルに接触しているということを示す。出力信号に存在する周波数は、上記の好ましい実施形態における周波数の2倍の高さ(2倍の振幅)である。これは、両方の信号(直接光の信号と反射光の信号)が同時に存在していることを原因とする。
【0111】
図8に示されているさらに別の実施形態では、LEDがON/OFF変調される時に、カメラからの出力がサンプリングされる。これは周辺光+バックライトの測定値50と、周辺光だけの測定値51とを与える。物体がLEDからの光を遮断する時には、出力50に一時的低下52がある。周辺光が大きく変動するので、この小さな一時的低下52を発見することは困難である。このため、周辺光測定値51は「周辺光+バックライト」の測定値50から減算される。このことが、一時的低下52を発見することが可能な出力53をもたらし、したがって、単純な閾値処理をこの一時的低下52を識別するために使用することが可能である。
【0112】
この別の実施形態の較正は、上述した方法と同様に行われるが、接触点31a、31b、31c(図5を参照されたい)は同一の線内になく、これらはパネル3の表面に散らばらなければならない。
【0113】
図7では、バックライトが幾つかの個別のセクション42a−42fに分割されている。1つのセクションまたはセクションのサブセットが常に作動する。これらのセクションの各々がイメージセンサ44のピクセルのサブセットによって撮像される。単一のバックライト制御装置を有するシステムに比較して、バックライトエミッタは、より短い期間にわたって、より高い電流で動作させられる。エミッタの平均電力は制限されているので、ピーク輝度を増大させられる。ピーク輝度の増大は周辺光のパフォーマンスを改善する。
【0114】
有利には、バックライトのスイッチングが、1つのセクションが照明されている最中に別のセクションの周辺光のレベルを信号プロセッサによって測定するように設定してもよい。周辺光セクションとバックライト照明セッションとを同時に測定することによって、単一のバックライトシステムよりも速度が改善される。
【0115】
各セクションが、そのセクションを見るピクセルに関して一定不変の「信号対ノイズ+周辺光比」(signal to noise plus ambient ratio)を維持しながら最小の平均電力を使用するように起動させられるので、バックライトの輝度は、LED電流またはパルス持続時間を制御することによって適応的に調整される。
【0116】
最小数の制御ラインを用いた複数のセクションの制御が、幾つかの方法の中の1つによって実現される。
【0117】
2セクションバックライトの第1の具体例では、ダイオードの2つのグループ44a、44bが、逆位相に配線され、ブリッジ駆動によって駆動される。
【0118】
3つ以上のセクションを用いる第2の具体例では、対角ブリッジ駆動が使用される。図9bでは、4本の配線が12個のセクションの中の1つのセクションを選択することが可能であり、5本の配線が20個のセクションを駆動することが可能であり、6本の配線が30個のセクションを駆動する。
【0119】
図9cに示される第3の具体例では、多数のセクションのために、シフトレジスタ60がバックライトの周囲に物理的に配され、2つの制御ラインだけしか必要とされない。
【0120】
X−Y多重化構成が当業で公知である。例えば、8+4線が、32個のLEDを有する4デジットディスプレイを制御するために使用される。図9bは、12個のLEDを有する4線対角多重化構成を示す。制御ラインA、B、C、Dが、Microchip PICファミリーのようなマイクロプロセッサのピンにおいて一般的に使用されているような3値状態出力によって駆動される。各々の3値状態出力は、一般的にMOSFETである2つの電子スイッチを有する。これらのスイッチのどちらかをONにすることが可能であり、または、これらのスイッチの両方ともONにしないことが可能である。LEDのL1aを動作させるために、スイッチA1とスイッチB0だけを動作可能にする。L1Bを動作させるために、A0とB1を動作可能にする。L2aを動作させるために、A1とD0を動作可能にする、等である。この構成は、任意の数の制御ラインに関して使用することが可能であるが、4、5、及び6線の制御ラインの場合に特に有利であり、この場合に12個、20個、及び30個のLEDを制御することが可能であり、一方、プリント回路基板のトラッキングは単純なままである。より多い制御数が使用される場合には、実際の相互接続の困難さを容易にするために、採用可能なLEDの幾つかを割愛する、退歩した形態を使用することが有利であることがある。
【0121】
この対角多重化システムは次の特徴を有する。
− 4線以上の制御ラインが存在する場合に有利である。
− 各制御ライン上に3値状態プッシュプルドライバを必要とする。
− 交差点においてLEDと共に制御ラインのx−y配置を使用するのではなく、この構成が、制御ラインの相互間の対角線の各々の上に配置されている1対の逆位相LEDを有する制御ラインの輪によって表される。各LEDを一意に選択することが可能であり、特定の組合せも選択することが可能である。
− 可能な限り少ない数の配線を使用する。
− ワイヤ上でEMCフィルタリングが必要である場合には、構成要素が著しく節約される。
【0122】
本発明の構造の様々な変更及び様々に異なる具体例と用途とが、添付されている特許請求の範囲に定義されている本発明の範囲から逸脱することなしに、本発明が関係する分野の専門家にとって明らかだろう。本明細書における開示内容と説明は純粋に例示的なものであり、限定するものであることは全く意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】本発明のタッチスクリーンの好ましい実施形態の概略正面図である。
【図1a】図1のX−Xにおける断面図である。
【図1b】本発明のタッチスクリーンの好ましい実施形態の前面照明の説明図である。
【図2】本発明のタッチスクリーンの好ましい実施形態における反射効果の説明図である。
【図2a】本発明のタッチスクリーンの好ましい実施形態のフィルタの具体例のブロック図である。
【図2b】本発明の好ましい実施形態における、エリアカメラによって撮像されて処理モジュールに送られるピクセルの概略的な説明図である。
【図3】本発明のタッチスクリーンの好ましい実施形態のシステムのブロック図である。
【図4】本発明のタッチスクリーンの好ましい実施形態における、反射信号を使用する物体の位置の検出の側面図である。
【図4a】本発明のタッチスクリーンの好ましい実施形態における、反射信号を使用する物体の位置の検出の平面図である。
【図5】本発明のタッチスクリーンの好ましい実施形態における、較正の説明図である。
【図6】本発明のタッチスクリーンの好ましい実施形態における、処理モジュール内の撮像装置からの出力を周波数ドメインで表すグラフである。
【図6a】本発明のタッチスクリーンの好ましい実施形態における、撮像装置からの信号に対するフィルタ応答を周波数ドメインで表すグラフである。
【図6b】本発明のタッチスクリーンの好ましい実施形態における、2つのタイプのフィルタリングの後の、バックグラウンドからの物体の分離を周波数ドメインで表すグラフである。
【図7】本発明のタッチスクリーンの別の実施形態の正面図である。
【図7a】本発明のタッチスクリーンの別の実施形態の図7のX−Xにおける断面図である。
【図7b】本発明のタッチスクリーンの別の実施形態の背面照明の説明図である。
【図7c】本発明の別の実施形態の検出高さ(sense height)を制御する背面照明の説明図である。
【図7d】本発明の別の実施形態における、ラインスキャンカメラによって撮像されて処理モジュールに送られるピクセルの概略的な説明図である。
【図8】本発明の別の実施形態における、バックグラウンドからの物体の簡単な分離を表すグラフである。
【図9a】本発明の2本の配線によって駆動される2セクションバックライトを示す。
【図9b】本発明の4本の配線によって駆動される12セクションバックライトを示す。
【図9c】本発明の分散型シフトレジスタバックライトの一部分を示す。
【符号の説明】
【0124】
1 タッチスクリーンシステム
2 モニタ
3 タッチスクリーンパネル
4 光源
4a 放射経路
6 エリアスキャンカメラ
7 指
7a 指の反射画像
10 処理モジュール
11 ディジタルフィルタ
12 比較器
13 走査型撮像装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチディスプレイであって、
ユーザがスクリーン上で又はスクリーンを通じて画像を観察し、且つユーザが触れる該スクリーンと、
前記スクリーンの1つ又は複数の縁部に配置され、前記スクリーンの表面全体にわたって光を向ける光源と、
走査画像を含む出力を有し、且つ前記スクリーンの前面の空間を撮像するために前記スクリーンの周囲に各々が配置される少なくとも2つのカメラと、
前記光源からの直接光及び/又は前記光源からの反射光を含む光のレベルを検出するために前記出力を処理する手段と、
前記カメラの処理された出力を受け取るプロセッサであって、前記処理された出力が前記スクリーン近傍の物体の存在を示すかどうかを判定するために、且つ物体が存在する場合には、前記物体の位置を測定するために、三角測量法と前記処理された出力を使用するプロセッサと、
を備えることを特徴とするタッチディスプレイ。
【請求項2】
前記処理された出力は、前記カメラを基準とした、推定された物体の位置の相対方位を示す請求項1に記載のタッチディスプレイ。
【請求項3】
前記処理された出力は、前記カメラのレンズの中心を基準とした、推定された物体の位置の相対方位を示す請求項1又は2に記載のタッチディスプレイ。
【請求項4】
前記プロセッサは、平面スクリーン座標として前記物体の位置を測定する請求項1〜3の何れか一項に記載のタッチディスプレイ。
【請求項5】
前記光源は、前記スクリーンを通過させて光を投射するように前記スクリーンの背後に配置され、且つ前記ディスプレイは、光源を有する各々の縁部において、前記光源から放出された光を前記スクリーンの表面全体にわたって向ける光偏向器を前記スクリーンの前面に有する、請求項1〜4の何れか一項に記載のタッチディスプレイ。
【請求項6】
前記カメラはラインスキャンカメラであり、前記カメラの出力は、走査されたラインに関する情報を含み、且つ前記プロセッサは、前記物体の位置の測定に前記情報を使用する、請求項1〜5の何れか一項に記載のタッチディスプレイ。
【請求項7】
前記光源からの光を前記カメラの撮像可能範囲内の周波数帯域を提供するように変調する手段と、
前記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する手段を含む、請求項1〜6の何れか一項に記載のタッチディスプレイ。
【請求項8】
前記出力を処理する手段は、前記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する手段を含み、且つ前記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する手段はフィルタリングを含む、請求項7に記載のタッチディスプレイ。
【請求項9】
前記フィルタリングは、
くし型フィルタと、
ハイパスフィルタと、
ノッチフィルタと、
バンドパスフィルタから成るグループから選択されたフィルタを適用する、請求項8に記載のタッチディスプレイ。
【請求項10】
前記光源を制御する手段と、
照明されていない周辺光状態と照明状態とにおいて撮像された画像を取得及び処理する手段とを含み、
前記出力を処理する手段は、光のレベルを検出する前に、前記照明状態から前記周辺光状態を減算する、請求項1〜9の何れか一項に記載のタッチディスプレイ。
【請求項11】
前記光源はLEDであり、且つ前記タッチディスプレイは、前記光源の他のセクションから独立して前記光源のセクションの動作を制御する手段を含む、請求項1〜10の何れか一項に記載のタッチディスプレイ。
【請求項12】
前記光源のセクションの動作を制御する手段は、前記光源の実効輝度を独立して制御する手段を含む、請求項11に記載のタッチディスプレイ。
【請求項13】
前記光源のセクションを制御する手段は、前記セクションを逆位相に配線し、ブリッジ駆動を使用して駆動する、請求項11又は12に記載のタッチディスプレイ。
【請求項14】
前記光源のセクションを制御する手段は、対角ブリッジ駆動を使用する、請求項11又は12に記載のタッチディスプレイ。
【請求項15】
前記光源のセクションを制御する手段は、制御される各セクションに対してシフトレジスタを使用する、請求項11又は12に記載のタッチディスプレイ。
【請求項16】
前記画像を取得及び処理する手段は、前記光源のセクション及び前記各々のカメラを制御し、且つ前記出力を処理する手段は、前記セクションが照明されるか否かに関する情報を処理する、請求項11〜15の何れか一項に記載のタッチディスプレイ。
【請求項17】
画像が撮られる時に、幾つかのセクションが照明され、且つ他のセクションが照明されない、請求項16に記載のタッチディスプレイ。
【請求項18】
タッチディスプレイであって、
ユーザがスクリーン上で又はスクリーンを通じて画像を観察し、且つユーザが触れる該スクリーンと、
前記スクリーンの1つ又は複数の縁部に配置され、前記スクリーンの表面全体にわたって光を向ける光源と、
走査画像を含む出力を有し、前記スクリーンの周囲において、前記光源からの直接光を受けないように配置され、且つ前記スクリーンの前面の空間を各々が撮像する、少なくとも2つのカメラと、
反射光のレベルを検出するために前記出力を処理する手段と、
前記カメラの処理された出力を受け取るプロセッサであって、前記処理された出力が前記スクリーン近傍の物体の存在を示すかどうかを判定するために、且つ物体が存在する場合には、前記物体の位置を測定するために、三角測量法と前記処理された出力を使用するプロセッサと、
を備えることを特徴とするタッチディスプレイ。
【請求項19】
前記処理された出力は、前記カメラを基準とした、推定された物体の位置の相対方位を示す請求項18に記載のタッチディスプレイ。
【請求項20】
前記処理された出力は、前記カメラのレンズの中心を基準とした、推定された物体の位置の相対方位を示す請求項18又は19に記載のタッチディスプレイ。
【請求項21】
前記プロセッサは、平面スクリーン座標として前記物体の位置を測定する請求項18〜20の何れか一項に記載のタッチディスプレイ。
【請求項22】
前記光源からの光を前記カメラの撮像可能範囲内の周波数帯域を提供するように変調する手段と、
前記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する手段を含む、請求項18〜21の何れか一項に記載のタッチディスプレイ。
【請求項23】
前記出力を処理する手段は、前記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する手段を含み、且つ前記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する手段はフィルタリングを含む、請求項22に記載のタッチディスプレイ。
【請求項24】
前記フィルタリングは、
くし型フィルタと、
ハイパスフィルタと、
ノッチフィルタと、
バンドパスフィルタから成るグループから選択されたフィルタを適用する、請求項23に記載のタッチディスプレイ。
【請求項25】
前記光源を制御する手段と、
照明されていない周辺光状態と照明状態とにおいて撮像された画像を取得及び処理する手段とを含み、
前記出力を処理する手段は、光のレベルを検出する前に、前記照明状態から前記周辺光状態を減算する、請求項18〜24の何れか一項に記載のタッチディスプレイ。
【請求項26】
前記光源はLEDであり、且つ前記タッチディスプレイは、前記光源の他のセクションから独立して前記光源のセクションの動作を制御する手段を含む、請求項18〜25の何れか一項に記載のタッチディスプレイ。
【請求項27】
前記光源のセクションの動作を制御する手段は、前記光源の実効輝度を独立して制御する手段を含む、請求項26に記載のタッチディスプレイ。
【請求項28】
前記光源のセクションを制御する手段は、前記セクションを逆位相に配線し、ブリッジ駆動を使用して駆動する、請求項26又は27に記載のタッチディスプレイ。
【請求項29】
前記光源のセクションを制御する手段は、対角ブリッジ駆動を使用する、請求項26又は27に記載のタッチディスプレイ。
【請求項30】
前記光源のセクションを制御する手段は、制御される各セクションに対してシフトレジスタを使用する、請求項26又は27に記載のタッチディスプレイ。
【請求項31】
前記画像を取得及び処理する手段は、前記光源のセクション及び前記各々のカメラを制御し、且つ前記出力を処理する手段は、前記セクションが照明されるか否かに関する情報を処理する、請求項26〜30の何れか一項に記載のタッチディスプレイ。
【請求項32】
画像が撮られる時に、幾つかのセクションが照明され、且つ他のセクションが照明されない、請求項31に記載のタッチディスプレイ。
【請求項33】
前記スクリーンは反射性であり、さらに前記カメラは前記スクリーンを撮像し、且つ前記出力を処理する手段は鏡映画像からの光のレベルを検出する、請求項18〜31の何れか一項に記載のタッチディスプレイ。
【請求項34】
前記処理された出力は、前記カメラを基準とした推定された物体の位置の相対方位及び前記スクリーンからの前記物体の距離を示す、請求項33に記載のタッチディスプレイ。
【請求項35】
画像に関連してユーザ入力を受け取る方法であって、
ユーザがスクリーン上で又はスクリーンを通じて画像を観察し、且つユーザが触れる該スクリーンを設ける段階と、
前記スクリーンの1つ又は複数の縁部に配置され、前記スクリーンの表面全体にわたって光を向ける光源を設ける段階と、
走査画像を含む出力を有し、且つ前記スクリーンの前面の空間を撮像するために前記スクリーンの周囲に各々が配置される少なくとも2つのカメラを設ける段階と、
前記光源からの直接光及び/又は前記光源からの反射光を含む光のレベルを検出するために前記出力を処理する段階と、
前記物体の位置を取得するために、前記カメラの処理された出力を三角測量法を使用して処理する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項36】
前記処理された出力は、前記カメラを基準とした、推定された物体の位置の相対方位を示す請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記処理された出力は、前記カメラのレンズの中心を基準とした、推定された物体の位置の相対方位を示す請求項35又は36に記載の方法。
【請求項38】
前記位置が平面スクリーン座標である請求項35〜37の何れか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記光源は、前記スクリーンを通過させて光を投射するように前記スクリーンの背後に配置され、且つディスプレイは、光源を有する各々の縁部において、前記光源から放出された光を前記スクリーンの表面全体にわたって向ける光偏向器を前記スクリーンの前面に有する、請求項35〜38の何れか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記カメラはラインスキャンカメラであり、前記カメラの出力は、走査されたラインに関する情報を含み、且つ前記プロセッサは、前記物体の位置の測定に前記情報を使用する、請求項35〜39の何れか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記光源からの光を前記カメラの撮像可能範囲内の周波数帯域を提供するように変調する段階と、
前記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する段階を含む、請求項35〜40の何れか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記出力を処理する段階は、前記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する段階を含み、且つ前記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する段階はフィルタリングを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記フィルタリングは、
くし型フィルタと、
ハイパスフィルタと、
ノッチフィルタと、
バンドパスフィルタから成るグループから選択されたフィルタを適用する、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記光源を制御する段階と、
照明されていない周辺光状態と照明状態とにおいて撮像された画像を取得及び処理する段階とを含み、
前記出力を処理する段階は、光のレベルを検出する前に、前記照明状態から前記周辺光状態を減算する、請求項35〜43の何れか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記光源はLEDであり、且つ前記光源の他のセクションから独立して前記光源のセクションの動作を制御する段階を含む、請求項35〜44の何れか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記光源のセクションの動作を制御する段階は、前記光源の実効輝度を独立して制御する、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記光源のセクションを制御する段階は、前記セクションを逆位相に配線し、ブリッジ駆動を使用して駆動する、請求項45又は46に記載の方法。
【請求項48】
前記光源のセクションを制御する段階は、対角ブリッジ駆動を使用する、請求項45又は46に記載の方法。
【請求項49】
前記光源のセクションを制御する段階は、制御される各セクションに対してシフトレジスタを使用する、請求項45又は46に記載の方法。
【請求項50】
前記画像を取得及び処理する段階は、前記光源のセクション及び前記各々のカメラを制御し、且つ前記出力を処理する段階は、前記セクションが照明されるか否かに関する情報を処理する、請求項45〜49の何れか一項に記載の方法。
【請求項51】
画像が撮られる時に、幾つかのセクションが照明され、且つ他のセクションが照明されない、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
画像に関連してユーザ入力を受け取る方法であって、
ユーザがスクリーン上で又はスクリーンを通じて画像を観察し、且つユーザが触れる該スクリーンを設ける段階と、
前記スクリーンの1つ又は複数の縁部に配置され、前記スクリーンの表面全体にわたって光を向ける光源を設ける段階と、
走査画像を含む出力を有し、前記スクリーンの周囲において、前記光源からの直接光を受けないように配置され、且つ前記スクリーンの前面の空間を各々が撮像する、少なくとも2つのカメラを設ける段階と、
反射光のレベルを検出するために前記出力を処理する段階と、
前記処理された出力が前記スクリーン近傍の物体の存在を示すかどうかを判定するために、且つ物体が存在する場合には、前記物体の位置を測定するために、三角測量法と前記処理された出力を使用して、前記カメラの処理された出力を処理する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項53】
前記処理された出力は、前記カメラを基準とした、推定された物体の位置の相対方位を示す請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記処理された出力は、前記カメラのレンズの中心を基準とした、推定された物体の位置の相対方位を示す請求項52又は53に記載の方法。
【請求項55】
前記プロセッサは、平面スクリーン座標として前記物体の位置を測定する請求項52〜54の何れか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記光源からの光を前記カメラの撮像可能範囲内の周波数帯域を提供するように変調する段階と、
前記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する段階を含む、請求項52〜55の何れか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記出力を処理する段階は、前記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する段階を含み、且つ前記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する段階はフィルタリングを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記フィルタリングは、
くし型フィルタと、
ハイパスフィルタと、
ノッチフィルタと、
バンドパスフィルタから成るグループから選択されたフィルタを適用する、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記光源を制御する段階と、
照明されていない周辺光状態と照明状態とにおいて撮像された画像を取得及び処理する段階とを含み、
前記出力を処理する段階は、光のレベルを検出する前に、前記照明状態から前記周辺光状態を減算する、請求項52〜58の何れか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記光源はLEDであり、且つ前記光源の他のセクションから独立して前記光源のセクションの動作を制御する段階を含む、請求項52〜59の何れか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記光源のセクションの動作を制御する段階は、前記光源の実効輝度を独立して制御する、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記光源のセクションを制御する段階は、前記セクションを逆位相に配線し、ブリッジ駆動を使用して駆動する、請求項60又は61に記載の方法。
【請求項63】
前記光源のセクションを制御する段階は、対角ブリッジ駆動を使用する、請求項60又は61に記載の方法。
【請求項64】
前記光源のセクションを制御する段階は、制御される各セクションに対してシフトレジスタを使用する、請求項60又は61に記載の方法。
【請求項65】
前記画像を取得及び処理する段階は、前記光源のセクション及び前記各々のカメラを制御し、且つ前記出力を処理する段階は、前記セクションが照明されるか否かに関する情報を処理する、請求項60〜64の何れか一項に記載の方法。
【請求項66】
画像が撮られる時に、幾つかのセクションが照明され、且つ他のセクションが照明されない、請求項60に記載の方法。
【請求項67】
前記スクリーンは反射性であり、さらに前記カメラは前記スクリーンを撮像し、且つ前記出力を処理する段階は鏡映画像からの光のレベルを検出する、請求項52〜65の何れか一項に記載の方法。
【請求項68】
前記処理された出力は、前記カメラを基準とした推定された物体の位置の相対方位及び前記スクリーンからの前記物体の距離を示す、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
画像に関連してユーザ入力を受け取る方法であって、
前記画像の表面全体にわたって光を向ける光源を前記画像の周囲又は該周囲の近傍に設ける段階と、
前記画像の周囲又は該周囲の近傍の少なくとも2つの位置において光のレベルを検出し、該レベルを出力として提供する段階と、
前記出力が前記スクリーン近傍の物体の存在を示すかどうかを判定するために、且つ物体が存在する場合には、前記物体の位置を測定するために、三角測量法を使用して、前記出力を処理する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項70】
前記位置は、物体が存在する時に前記出力が前記物体で反射された光を実質的に表すように、実質的に互いに反対側には位置していない、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
画像に関連して物体の位置を検出するユーザ入力装置であって、
前記画像の表面全体にわたって光を向ける、前記画像の周囲又は該周囲の近傍の少なくとも1つの光源と、
光のレベルを示す出力を有し、前記スクリーンの前面の空間を撮像するために、前記画像近傍に配置される少なくとも1つの検出器と、
前記出力を受け取り、三角測量法及び前記出力を使用して、前記物体の存在を検出し、物体が存在する場合には、前記物体の位置を検出するプロセッサと、
を含むことを特徴とするユーザ入力装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチディスプレイであって、
ユーザがスクリーン上で又はスクリーンを通じて画像を観察し、且つユーザが触れる該スクリーンと、
前記スクリーンの1つ又は複数の縁部に配置され、前記スクリーンの表面全体にわたって光を向ける光源と、
前記光源からの光をカメラの撮像可能範囲内の周波数に変調する手段と、
走査画像を含む出力を有し、且つ前記スクリーンの前面の空間を撮像するために前記スクリーンの周囲に各々が配置される少なくとも2つのカメラと、
前記光源からの直接光及び/又は前記光源からの反射光を含む光のレベルを検出するために前記出力を処理する手段と、
前記変調周波数の範囲外の画像データを排除する手段と、
前記カメラの処理された出力を受け取るプロセッサであって、前記処理された出力が前記スクリーン近傍の物体の存在を示すかどうかを判定するために、且つ物体が存在する場合には、前記物体の位置を測定するために、三角測量法と前記処理された出力を使用するプロセッサと、
を備えることを特徴とするタッチディスプレイ。
【請求項2】
前記処理された出力は、前記カメラを基準とした、推定された物体の位置の相対方位を示す請求項1に記載のタッチディスプレイ。
【請求項3】
前記処理された出力は、前記カメラのレンズの中心を基準とした、推定された物体の位置の相対方位を示す請求項1又は2に記載のタッチディスプレイ。
【請求項4】
前記プロセッサは、平面スクリーン座標として前記物体の位置を測定する請求項1〜3の何れか一項に記載のタッチディスプレイ。
【請求項5】
前記光源は、前記スクリーンを通過させて光を投射するように前記スクリーンの背後に配置され、且つ前記ディスプレイは、光源を有する各々の縁部において、前記光源から放出された光を前記スクリーンの表面全体にわたって向ける光偏向器を前記スクリーンの前面に有する、請求項1〜4の何れか一項に記載のタッチディスプレイ。
【請求項6】
前記カメラはラインスキャンカメラであり、前記カメラの出力は走査されたラインに関する情報を含み、且つ前記プロセッサは、前記物体の位置の測定に前記情報を使用する、請求項1〜5の何れか一項に記載のタッチディスプレイ。
【請求項7】
前記出力を処理する手段は、前記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する手段を含み、且つ前記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する手段はフィルタリングを含む、請求項1〜6の何れか一項に記載のタッチディスプレイ。
【請求項8】
前記フィルタリングは、
くし形フィルタと、
ハイパスフィルタと、
ノッチフィルタと、
バンドパスフィルタから成るグループから選択されたフィルタを適用する、請求項7に記載のタッチディスプレイ。
【請求項9】
前記光源を制御する手段と、
照明されていない周辺光状態と照明状態とにおいて撮像された画像を取得及び処理する手段とを含み、
前記出力を処理する手段は、光のレベルを検出する前に、前記照明状態から前記周辺光状態を減算する、請求項1〜8の何れか一項に記載のタッチディスプレイ。
【請求項10】
タッチディスプレイであって、
ユーザがスクリーン上で又はスクリーンを通じて画像を観察し、且つユーザが触れる該スクリーンと、
前記スクリーンの前面の1つ又は複数の縁部に配置され、前記スクリーンの表面全体にわたって光を向ける光源と、
鏡影画像を含む出力を有し、前記スクリーンの周囲において、前記光源からの直接光を受けないように配置され、且つ前記スクリーンの前面の前記表面を各々が撮像する、少なくとも2つのカメラと、
反射された光のレベルと前記鏡映画像からの光のレベルを検出するために前記出力を処理するための手段と、
前記カメラの処理された出力を受け取るプロセッサであって、前記処理された出力が前記スクリーン近傍の物体の存在を示すかどうかを判定するために、且つ物体が存在する場合には、前記物体の位置を測定するために、三角測量法と前記処理された出力とを使用するプロセッサと、
を備えることを特徴とするタッチディスプレイ。
【請求項11】
前記処理された出力は、前記カメラを基準とした推定された物体の位置の相対方位と、前記スクリーンからの前記物体の距離を示す、請求項10に記載のタッチディスプレイ。
【請求項12】
前記処理された出力は、前記カメラのレンズの中心を基準とした、推定された物体位置の相対方位を示す、請求項10又は11に記載のタッチディスプレイ。
【請求項13】
前記処理された出力は、前記物体と前記推定された物体とが一致する時に前記物体が前記スクリーンに接触しているということを示す、請求項10〜12の何れか一項に記載のタッチディスプレイ。
【請求項14】
前記プロセッサは、平面スクリーン座標として前記物体の位置を測定する、請求項10〜13の何れか一項に記載のタッチディスプレイ。
【請求項15】
前記カメラはエリアスキャンカメラであり、前記カメラの出力は走査されたエリアに関する情報を含み、且つ前記プロセッサは前記物体の位置の測定に前記情報を使用する、請求項10〜14の何れか一項に記載のタッチディスプレイ。
【請求項16】
前記光源からの光を前記カメラの撮像可能範囲内の周波数帯域を提供するように変調する手段と、
前記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する手段とを含む、請求項10〜15の何れか一項に記載のタッチディスプレイ。
【請求項17】
前記出力を処理する手段は、前記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する手段を含み、且つ前記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する手段はフィルタリングを含む、請求項16に記載のタッチディスプレイ。
【請求項18】
前記フィルタリングは、
くし形フィルタと、
ハイパスフィルタと、
ノッチフィルタと、
バンドパスフィルタから成るグループから選択されたフィルタを適用する、請求項17に記載のタッチディスプレイ。
【請求項19】
前記光源を制御する手段と、
照明されていない周辺光状態と照明状態とにおいて撮像された画像を取得及び処理する手段とを含み、
前記出力を処理する手段は、光のレベルを検出する前に、前記照明状態から前記周辺光状態を減算する、請求項10〜18の何れか一項に記載のタッチディスプレイ。
【請求項20】
タッチディスプレイであって、
ユーザがスクリーン上で又はスクリーンを通じて画像を観察し、且つユーザが触れる該スクリーンと、
前記スクリーンの背後の1つ又は複数の縁部に配置され、且つ前記スクリーンの表面全体にわたって光を向ける光源と、
鏡映画像を含む出力を有し、且つ前記スクリーンの周囲に、前記光源からの直接光を受けないように配置され、前記スクリーンの前方の前記表面を各々が撮像する、少なくとも2つのカメラと、
反射された光のレベルと前記鏡映画像からの光のレベルとを検出するために前記出力を処理する手段と、
前記カメラの処理された出力を受け取るプロセッサであって、前記処理された出力が前記スクリーン近傍の物体の存在を示すかどうかを判定するために、且つ物体が存在する場合には、前記物体の位置を測定するために、三角測量法と前記処理された出力とを使用するプロセッサと、
を備えることを特徴とするタッチディスプレイ。
【請求項21】
前記処理された出力は、前記カメラを基準とした推定された物体の位置の相対方位と、前記スクリーンからの前記物体の距離とを示す請求項20に記載のタッチディスプレイ。
【請求項22】
前記処理された出力は、前記カメラのレンズの中心を基準とした、推定された物体の位置の相対方位を示す請求項20又は21に記載のタッチディスプレイ。
【請求項23】
前記処理された出力は、前記物体と前記推定された物体とが一致する時に前記物体が前記スクリーンに接触しているということを示す、請求項20〜22の何れか一項に記載のタッチディスプレイ。
【請求項24】
前記プロセッサは、平面スクリーン座標として前記物体の位置を測定する、請求項20〜23の何れか一項に記載のタッチディスプレイ。
【請求項25】
前記カメラはエリアスキャンカメラであり、前記カメラ出力は走査されたエリアに関する情報を含み、且つ前記プロセッサは前記物体の位置の測定に前記情報を使用する、請求項1〜5の何れか一項に記載のタッチディスプレイ。
【請求項26】
前記光源は、前記スクリーンを通過させて光を投射するように前記スクリーンの背後に配置され、且つ前記ディスプレイは、光源を有する各々の縁部において、前記光源から放出された光を前記スクリーンの表面全体にわたって向ける光偏向器を前記スクリーンの前面に有する、請求項20〜25の何れか一項に記載のタッチディスプレイ。
【請求項27】
前記光源からの光を前記カメラの撮像可能範囲内の周波数帯域を提供するように変調する手段と、
前記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する手段とを含む、請求項20〜26の何れか一項に記載のタッチディスプレイ。
【請求項28】
前記出力を処理する手段は、前記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する手段を含み、且つ前記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する手段はフィルタリングを含む、請求項27に記載のタッチディスプレイ。
【請求項29】
前記フィルタリングは、
くし形フィルタと、
ハイパスフィルタと、
ノッチフィルタと、
バンドパスフィルタから成るグループから選択されたフィルタを適用する、請求項28に記載のタッチディスプレイ。
【請求項30】
前記光源を制御する手段と、
照明されていない周辺光状態と照明状態とにおいて撮像された画像を取得及び処理する手段とを含み、
前記出力を処理する手段は、光のレベルを検出する前に、前記照明状態から前記周辺光状態を減算する、請求項20〜29の何れか一項に記載のタッチディスプレイ。
【請求項31】
タッチディスプレイであって、
ユーザがスクリーン上で又はスクリーンを通じて画像を観察し、且つユーザが触れる該スクリーンと、
前記スクリーンの1つ又は複数の縁部に配置され、前記スクリーンの表面全体にわたって光を向ける光源と、
前記光源の他のセクションから独立して前記光源のセクションの動作を制御する手段と、
走査画像を含む出力を有し、且つ前記スクリーンの前面の空間を撮像するために前記スクリーンの周囲に各々が配置される、少なくとも2つのカメラと、
前記光源からの直接光及び/又は前記光源からの反射光を含む光のレベルを検出するために前記出力を処理する手段と、
前記カメラの処理された出力を受け取るプロセッサであって、前記処理された出力が前記スクリーン近傍の物体の存在を示すかどうかを判定するために、且つ物体が存在する場合には、前記物体の位置を測定するために、三角測量法と前記処理された出力とを使用するプロセッサと、
を備えることを特徴とするタッチディスプレイ。
【請求項32】
前記処理された出力は、前記カメラを基準とした推定された物体の位置の相対方位と、前記スクリーンからの前記物体の距離とを示す請求項31に記載のタッチディスプレイ。
【請求項33】
前記処理された出力は、前記カメラのレンズの中心を基準とした、推定された物体の位置の相対方位を示す請求項31又は32に記載のタッチディスプレイ。
【請求項34】
前記処理された出力は、前記物体と前記推定された物体とが一致する時に前記物体が前記スクリーンに接触しているということを示す、請求項31〜33の何れか一項に記載のタッチディスプレイ。
【請求項35】
前記カメラはラインスキャンカメラであり、前記カメラの出力は走査されたラインに関する情報を含み、且つ前記プロセッサは、前記物体の位置の測定に前記情報を使用する、請求項31〜34の何れか一項に記載のタッチディスプレイ。
【請求項36】
前記プロセッサは、平面スクリーン座標として前記物体の位置を測定する請求項31〜35の何れか一項に記載のタッチディスプレイ。
【請求項37】
前記光源は、前記スクリーンを通過させて光を投射するように前記スクリーンの背後に配置され、且つ前記ディスプレイは、光源を有する各々の縁部において、前記光源から放出された光を前記スクリーンの表面全体にわたって向ける光偏向器を前記スクリーンの前面に有する、請求項31〜36の何れか一項に記載のタッチディスプレイ。
【請求項38】
前記光源は発光ダイオード(LED)である請求項31〜37の何れか一項に記載のタッチディスプレイ。
【請求項39】
前記光源のセクションの動作を制御する手段が、前記光源の実効輝度を独立して制御する手段を含む請求項38に記載のタッチディスプレイ。
【請求項40】
前記光源のセクションを制御する手段は、前記セクションを逆位相に配線し、ブリッジ駆動を使用して駆動する、請求項38又は39に記載のタッチディスプレイ。
【請求項41】
前記光源のセクションを制御する前記手段は、対角ブリッジ駆動を使用する、請求項38又は39に記載のタッチディスプレイ。
【請求項42】
前記光源のセクションを制御する手段は、制御される各セクションに対してシフトレジスタを使用する、請求項38又は39に記載のディスプレイ。
【請求項43】
前記画像を取得及び処理する手段は、前記光源のセクション及び前記各々のカメラを制御し、且つ前記出力を処理する手段は、前記セクションが照明されるか否かに関する情報を処理する、請求項38〜42の何れか一項に記載のタッチディスプレイ。
【請求項44】
画像が撮られる時に、幾つかのセクションが照明され、且つ他のセクションが照明されない、請求項43に記載のタッチディスプレイ。
【請求項45】
画像に関連してユーザ入力を受け取る方法であって、
ユーザがスクリーン上で又はスクリーンを通じて画像を観察し、且つユーザが触れる該スクリーンを設ける段階と、
前記スクリーンの1つ又は複数の縁部に配置され前記スクリーンの表面全体にわたって光を向ける光源を設ける段階と、
前記光源からの光をカメラの撮像可能範囲内の周波数に変調する段階と、
走査画像を含む出力を有し、且つ前記スクリーンの前面の空間を撮像するために前記スクリーンの周囲に各々が配置される、少なくとも2つのカメラを設ける段階と、
前記光源からの直接光及び/又は前記光源からの反射光を含む光のレベルを検出するために前記出力を処理する段階と、
前記変調周波数の範囲外の画像データを排除するために前記出力を処理する段階と、
前記物体の位置を取得するために、前記カメラの処理された出力を三角測量法を使用して処理する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項46】
前記処理された出力は、前記カメラを基準とした、推定された物体の位置の相対方位を示す請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記処理された出力は、前記カメラのレンズの中心を基準とした、推定された物体の位置の相対方位を示す請求項45又は46に記載の方法。
【請求項48】
前記位置が平面スクリーン座標で表わされる請求項45〜47の何れか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記光源は、前記スクリーンを通過させて光を投射するように前記スクリーンの背後に配置され、且つ前記ディスプレイは、光源を有する各々の縁部において、前記光源から放出された光を前記スクリーンの表面全体にわたって向ける光偏向器を前記スクリーンの前面に有する、請求項45〜48の何れか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記カメラはラインスキャンカメラであり、前記カメラの出力は走査されたラインに関する情報を含み、且つ前記プロセッサは、前記物体の位置の測定に前記情報を使用する、請求項45〜49の何れか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記出力を処理する段階は、前記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する段階を含み、且つ前記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する段階はフィルタリングを含む、請求項45〜50の何れか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記フィルタリングは、
くし形フィルタと、
ハイパスフィルタと、
ノッチフィルタと、
バンドパスフィルタから成るグループから選択されたフィルタを適用する、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記光源を制御する段階と、
照明されていない周辺光状態と照明状態とにおいて撮像された画像を取得及び処理する段階とを含み、
前記出力を処理する段階は、光のレベルを検出する前に、前記照明状態から前記周辺光状態を減算する、請求項45〜52の何れか一項に記載の方法。
【請求項54】
画像に関連してユーザ入力を受け取る方法であって、
ユーザがスクリーン上で又はスクリーンを通じて画像を観察し、且つユーザが触れる該スクリーンを設ける段階と、
前記スクリーンの背後の1つ又は複数の縁部に配置され、且つ前記スクリーンの表面全体にわたって光を向ける光源を設ける段階と、
前記光源の他のセクションから独立して前記光源のセクションの動作を制御する段階と、
走査画像を含む出力を有し、且つ前記スクリーンの前面の空間を撮像するように前記スクリーンの周囲に各々が配置される、少なくとも2つのカメラを設ける段階と、
前記光源からの直接光及び/又は前記光源からの反射光を含む光のレベルを検出するために前記出力を処理する段階と、
前記物体の位置を取得するために、三角測量法を使用して前記カメラの処理された出力を処理する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項55】
前記処理された出力は、前記カメラを基準とした、推定された物体の位置の相対方位を示す請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記処理された出力は、前記カメラのレンズの中心を基準とした、推定された物体の位置の相対方位を示す請求項54又は55に記載の方法。
【請求項57】
前記処理された出力は、前記物体と前記推定された物体とが一致する時に前記物体が前記スクリーンに接触しているということを示す、請求項54〜56の何れか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記カメラはラインスキャンカメラであり、前記カメラの出力は走査されたラインに関する情報を含み、且つ前記プロセッサは、前記物体の位置の測定に前記情報を使用する、請求項54〜57の何れか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記位置は平面スクリーン座標である請求項54〜58の何れか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記光源は、前記スクリーンを通過させて光を投射するように前記スクリーンの背後に配置され、且つ前記ディスプレイは、光源を有する各々の縁部において、前記光源から放出された光を前記スクリーンの表面全体にわたって向ける光偏向器を前記スクリーンの前面に有する、請求項54〜59の何れか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記光源はLEDであり、且つ前記タッチディスプレイは、前記光源の他のセクションから独立して前記光源のセクションの動作を制御する段階を含む、請求項54〜60の何れか一項に記載の方法。
【請求項62】
前記光源のセクションの動作を制御する段階は、前記光源の実効輝度を独立して制御する、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記光源のセクションを制御する段階は、前記セクションを逆位相に配線し、ブリッジ駆動を使用して駆動する、含む請求項61又は62に記載の方法。
【請求項64】
前記光源のセクションを制御する段階は、対角ブリッジ駆動を使用する、請求項61又は62に記載の方法。
【請求項65】
前記光源のセクションを制御する段階は、制御される各セクションに対してシフトレジスタを使用する、請求項61又は62に記載の方法。
【請求項66】
前記画像を取得及び処理する段階は、前記光源のセクション及び前記各々のカメラを制御し、且つ前記出力を処理する段階は、前記セクションが照明されるか否かに関する情報を処理する、請求項61〜65の何れか一項に記載の方法。
【請求項67】
画像が撮られる時に、幾つかのセクションが照明され、且つ他のセクションが照明されない請求項66に記載の方法。
【請求項68】
画像に関連してユーザ入力を受け取る方法であって、
ユーザがスクリーン上で又はスクリーンを通じて画像を観察し、且つユーザが触れる該スクリーンを設ける段階と、
前記スクリーンの背後の1つ又は複数の縁部に配置され、前記スクリーンの表面全体にわたって光を向ける光源を設ける段階と、
鏡映画像を含む出力を有し、前記スクリーンの周囲に配置され、且つ前記光源からの直接光を受けないように配置され、前記スクリーンの前面の前記表面を各々が撮像する、少なくとも2つのカメラを設ける段階と、
反射された光のレベルと前記鏡映画像からの光のレベルを検出するために前記出力を処理する段階と、
前記処理された出力が前記スクリーン近傍の物体の存在を示すかどうかを判定するために、且つ物体が存在する場合には、前記物体の位置を測定するために、三角測量法と前記処理された出力とを使用して、前記カメラの処理された出力を処理する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項69】
前記処理された出力は、前記カメラを基準とした推定された物体の位置の相対方位と、前記スクリーンからの前記物体の距離とを示す請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記処理された出力は、前記カメラのレンズの中心を基準とした、推定された物体の位置の相対方位を示す請求項68又は69に記載の方法。
【請求項71】
前記処理された出力は、前記物体と前記推定された物体とが一致する時に前記物体が前記スクリーンに接触しているということを示す、請求項68〜70の何れか一項に記載の方法。
【請求項72】
前記プロセッサは、平面スクリーン座標として前記物体の位置を測定する、請求項68〜71の何れか一項に記載の方法。
【請求項73】
前記カメラはエリアスキャンカメラであり、前記カメラの出力は走査されたエリアに関する情報を含み、且つ前記プロセッサは前記物体の位置の測定に前記情報を使用する、請求項68〜72の何れか一項に記載の方法。
【請求項74】
前記光源は、前記スクリーンを通過させて光を投射するように前記スクリーンの背後に配置され、且つ前記ディスプレイは、光源を有する各々の縁部において、前記光源から放出された光を前記スクリーンの表面全体にわたって向ける光偏向器を前記スクリーンの前面に有する、請求項68〜73の何れか一項に記載の方法。
【請求項75】
前記カメラの撮像可能範囲内の周波数帯域を提供するように前記光源からの光を変調する段階と、
前記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する段階とを含む請求項68〜74の何れか一項に記載の方法。
【請求項76】
前記出力を処理する段階は、前記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する前記段階を含み、且つ前記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する段階はフィルタリングを含む、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記フィルタリングは、
くし形フィルタと、
ハイパスフィルタと、
ノッチフィルタと、
バンドパスフィルタから成るグループから選択されたフィルタを適用する、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記光源を制御する段階と、
照明されていない周辺光状態と照明状態とにおいて撮像された画像を取得及び処理する段階とを含み、
前記出力を処理する段階は、光のレベルを検出する前に、前記照明状態から前記周辺光状態を減算する請求項68〜77の何れか一項に記載の方法。
【請求項79】
画像に関連してユーザ入力を受け取る方法であって、
ユーザがスクリーン上で又はスクリーンを通じて画像を観察し、且つユーザが触れる該スクリーンを設ける段階と、
前記スクリーンの前面の1つ又は複数の縁部に配置され、上記スクリーンの表面全体にわたって光を向ける光源を設ける段階と、
鏡影画像を含む出力を有し、前記光源からの直接光を受けないように配置され、前記スクリーンの前面の前記表面を各々が撮像する、少なくとも2つのカメラを設ける段階と、
反射された光のレベルと前記鏡映画像からの光のレベルを検出するために前記出力を処理する段階と、
前記物体の位置を取得するために、三角測量法を使用して、前記カメラの処理された出力を処理する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項80】
前記処理された出力は、前記カメラを基準とした推定された物体の位置の相対方位と、前記スクリーンからの前記物体の距離とを示す請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記処理された出力は、前記カメラのレンズの中心を基準とした、推定された物体の位置の相対方位を示す請求項79又は80に記載の方法。
【請求項82】
前記処理された出力は、前記物体と前記推定された物体とが一致する時に前記物体が前記スクリーンに接触しているということを示す、請求項79〜81の何れか一項に記載の方法。
【請求項83】
前記プロセッサは、平面スクリーン座標として前記物体の位置を測定する請求項79〜82の何れか一項に記載の方法。
【請求項84】
前記カメラはエリアスキャンカメラであり、前記カメラの出力は走査されたエリアに関する情報を含み、且つ前記プロセッサは前記物体の位置の測定に前記情報を使用する、請求項79〜83の何れか一項に記載の方法。
【請求項85】
前記光源からの光を前記カメラの撮像可能範囲内の周波数帯域を提供するように変調する段階と、
前記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する段階とを含む、請求項79〜84の何れか一項に記載の方法。
【請求項86】
前記出力を処理する段階は、前記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する段階を含み、且つ前記周波数帯域の範囲外の画像データを排除する段階はフィルタリングを含む、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記フィルタリングは、
くし形フィルタと、
ハイパスフィルタと、
ノッチフィルタと、
バンドパスフィルタから成るグループから選択されたフィルタを適用する、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記光源を制御する段階と、
照明されていない周辺光状態と照明状態とにおいて撮像された画像を取得及び処理する段階とを含み、
前記出力を処理する段階は、光のレベルを検出する前に、前記照明状態から前記周辺光状態を減算する、請求項79〜87の何れか一項に記載の方法。

【図1】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7】
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【図7b】
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【図7c】
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【図8】
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【公表番号】特表2006−518076(P2006−518076A)
【公表日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−502767(P2006−502767)
【出願日】平成16年2月16日(2004.2.16)
【国際出願番号】PCT/NZ2004/000029
【国際公開番号】WO2004/072843
【国際公開日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(505305972)ネクスト ホールディングス リミティド (1)
【Fターム(参考)】