説明

タッチセンサパネル、静電容量検出方法、タッチセンサシステム、及び情報端末

【課題】読み出し速度の時定数が良好な大型のタッチセンサパネルを提供する。
【解決手段】タッチセンサパネル2aは、垂直配線HVL・LVLと、左側垂直配線HLVL・LLVL及び右側垂直配線HRVL・LRVLと、水平配線LHL・RHLと、上側水平配線LHHL・RHHL及び下側水平配線LLHL・RLHLと、静電容量Cとを備え、水平配線LHL・RHL、上側水平配線LHHL・RHHL及び下側水平配線LLHL・RLHLは、垂直配線HVL・LVLに沿って切断されており、垂直配線HVL・LVL、左側垂直配線HLVL・LLVL及び右側垂直配線HRVL・LRVLは、水平配線LHL・RHLに沿って切断されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、垂直配線と、垂直配線の左右に配置された複数の左側垂直配線及び複数の右側垂直配線と、水平配線と、水平配線の上下に配置された複数の上側水平配線及び複数の下側水平配線と、これらの配線がそれぞれ交差する位置に形成された複数の静電容量とを備えたタッチセンサパネル、静電容量検出方法、タッチセンサシステム、及び情報端末に関する。
【背景技術】
【0002】
静電容量型のタッチセンサパネルでは、例えば、特許文献1の図3に示すように、垂直方向の配線と水平方向の配線との交差部分に静電容量が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第4,639,720号明細書(1987年1月27日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の図3に示されるようなダイヤモンド型形状のセンサを交差配置した静電容量型のタッチセンサパネルを考える。タッチセンサパネルが20インチサイズで、長辺に垂直な配線(ドライブラインという)が64本とし、短辺に垂直な配線(センスラインという)が40本とすると、センサピッチは6.8mm程度となる。
【0005】
Agのメッシュ配線により、この20インチサイズのタッチパネルを実現すると、センスラインの総容量は150pF程度になり、総抵抗は1kΩ程度にとなるので、タッチセンサパネルに形成された静電容量の2次元分布の読み出し速度の時定数は0.15μsecとなる。
【0006】
これと同じAgのメッシュ配線を用い、同じセンサ形状と同じセンサピッチにより、40インチサイズのタッチセンサパネルと、80インチサイズのタッチセンサパネルとを作成すると、センスラインの総容量、総抵抗の双方とも、それぞれ、20インチサイズのものの2倍、4倍となるので、読み出し速度の時定数はそれぞれ、4倍、16倍となる。以上を整理すると次表に示すようになる。
【0007】
【表1】

【0008】
静電容量の2次元分布の読み出し速度は、この時定数により制限される。タッチ認識による滑らかなユーザインターフェースを実現するためには、この時定数は0.5μsec程度である必要がある。上記条件で作成した40インチサイズのタッチセンサパネルの時定数は0.6μsecであるから、時定数の上記制約をどうにか満たす。しかしながら、80インチサイズのタッチセンサパネルの時定数は2.4μsecとなり、0.5μsec程度という時定数の上記制約を満たさないので、タッチセンサパネルが80インチサイズのような大画面になると、滑らかなユーザインターフェースを実現することができないという問題が生じる。
【0009】
本発明の目的は、滑らかなユーザインターフェースを備えた大画面タッチセンサパネル、静電容量検出方法、タッチセンサシステム、及び情報端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るタッチセンサパネルは、垂直配線と、前記垂直配線の左右に配置された複数の左側垂直配線及び複数の右側垂直配線と、水平配線と、前記水平配線の上下に配置された複数の上側水平配線及び複数の下側水平配線と、前記垂直配線、前記左側垂直配線及び前記右側垂直配線と、前記水平配線、前記上側水平配線及び下側水平配線とがそれぞれ交差する位置に形成された複数の静電容量とを備えたタッチセンサパネルであって、前記水平配線、前記上側水平配線及び下側水平配線は、前記垂直配線に沿って切断されており、前記垂直配線、前記左側垂直配線及び前記右側垂直配線は、前記水平配線に沿って切断されていることを特徴とする。
【0011】
この特徴により、水平配線、上側水平配線及び下側水平配線は、垂直配線に沿って切断されており、垂直配線、左側垂直配線及び右側垂直配線は、水平配線に沿って切断されているので、タッチセンサパネルを4分割して駆動することができる。このため、読み出し速度の時定数を低減することができるので、滑らかなユーザインターフェースを備えた、例えば、80インチサイズの大型のタッチセンサパネルを提供することができる。
【0012】
本発明に係るタッチセンサパネルでは、前記水平配線、前記上側水平配線及び下側水平配線は、前記垂直配線に沿って電気的に切断されており、前記垂直配線、前記左側垂直配線及び前記右側垂直配線は、前記水平配線に沿って電気的に切断されており、前記水平配線、前記上側水平配線及び下側水平配線の切断部の長さは、前記垂直配線の幅に対応する長さとなっており、前記垂直配線、前記左側垂直配線及び右側垂直配線の切断部の長さは、前記水平配線の幅に対応する長さとなっていることが好ましい。
【0013】
上記特徴により、各切断部の長さが短くなるので、静電容量の分布をより正確に検出することができる。
【0014】
本発明に係るタッチセンサパネルは、垂直配線と、前記垂直配線の左右に配置された複数の左側垂直配線及び複数の右側垂直配線と、水平配線と、前記水平配線の上下に配置された複数の上側水平配線及び複数の下側水平配線と、前記垂直配線、前記左側垂直配線及び前記右側垂直配線と、前記水平配線、前記上側水平配線及び下側水平配線とがそれぞれ交差する位置に形成された複数の静電容量とを備えたタッチセンサパネルであって、前記水平配線、前記上側水平配線及び下側水平配線が、前記垂直配線に沿って切断されている構成と、前記垂直配線、前記左側垂直配線及び前記右側垂直配線が、前記水平配線に沿って切断されている構成との何れかの構成を有していることを特徴とする。
【0015】
この特徴により、水平配線と垂直配線との何れかが切断されているので、切断されていないほうの配線をドライブし、切断されているほうの配線から静電容量の信号を読み出すことにより、読み出し速度の時定数を低減して、例えば、80インチサイズの大型のタッチセンサパネルを提供することができる。
【0016】
本発明に係る静電容量検出方法は、垂直配線と、前記垂直配線の左右に配置された複数の左側垂直配線及び複数の右側垂直配線と、水平配線と、前記水平配線の上下に配置された複数の上側水平配線及び複数の下側水平配線と、前記垂直配線、前記左側垂直配線及び前記右側垂直配線と、前記水平配線、前記上側水平配線及び前記下側水平配線とがそれぞれ交差する位置に形成された複数の静電容量とを備えたタッチセンサパネルをドライブして前記静電容量を検出する静電容量検出方法であって、前記上側水平配線は、前記垂直配線に沿って左上側水平配線及び右上側水平配線に切断されており、前記下側水平配線は、前記垂直配線に沿って左下側水平配線及び右下側水平配線に切断されており、前記左側垂直配線は、前記水平配線に沿って上左側垂直配線及び下左側垂直配線に切断されており、前記右側垂直配線は、前記水平配線に沿って上右側垂直配線及び下右側垂直配線に切断されており、第1符号系列に基づいて前記上左側垂直配線及び前記下左側垂直配線を同時に駆動しながら、第2符号系列に基づいて前記上右側垂直配線及び前記下右側垂直配線を同時に駆動する垂直駆動工程と、第3符号系列に基づいて前記左上側水平配線及び前記右上側水平配線を同時に駆動しながら、第4符号系列に基づいて前記左下側水平配線及び前記右下側水平配線を同時に駆動する水平駆動工程とのいずれかを実行する駆動工程と、前記上左側垂直配線の駆動に基づく信号を、前記左上側水平配線を通して読み出し、前記下左側垂直配線の駆動に基づく信号を、前記左下側水平配線を通して読み出しながら、前記上右側垂直配線の駆動に基づく信号を、前記右上側水平配線を通して読み出し、前記下右側垂直配線の駆動に基づく信号を、前記右下側水平配線を通して読み出す水平読み出し工程と、前記左上側水平配線の駆動に基づく信号を、前記上左側垂直配線を通して読み出し、前記右上側水平配線の駆動に基づく信号を、前記上右側垂直配線を通して読み出しながら、前記左下側水平配線の駆動に基づく信号を、前記下左側垂直配線を通して読み出し、前記右下側水平配線の駆動に基づく信号を、前記下右側垂直配線を通して読み出す垂直読み出し工程とのいずれかを実行する読み出し工程とを包含することを特徴とする。
【0017】
この特徴により、切断した配線を全く同じ信号で駆動するので、切断して読み出し速度の時定数を低減しながら、切断しない構成と同じ検出結果を得ることができる。
【0018】
本発明に係る静電容量検出方法では、前記垂直駆動工程は、前記上左側垂直配線を並列に駆動し、前記下左側垂直配線を並列に駆動し、前記上右側垂直配線を並列に駆動し、及び前記下右側垂直配線を並列に駆動し、前記水平駆動工程は、前記左上側水平配線を並列に駆動し、前記右上側水平配線を並列に駆動し、前記左下側水平配線を並列に駆動し、前記右下側水平配線を並列に駆動し、前記水平読み出し工程により前記左上側水平配線及び前記左下側水平配線を通して読み出した信号をAD変換した左側信号と、前記右上側水平配線及び前記右下側水平配線を通して読み出した信号をAD変換した右側信号とを加算する工程と、前記垂直読み出し工程により前記上左側垂直配線及び前記上右側垂直配線を通して読み出した信号をAD変換した上側信号と、前記下左側垂直配線及び前記下右側垂直配線を通して読み出した信号をAD変換した下側信号とを加算する工程とのいずれかを実行する加算工程と、前記加算工程により加算された信号を復号する復号工程とをさらに包含することが好ましい。
【0019】
上記構成により、切断した配線の両側から取り出した信号を加算するので、切断しない構成と同じ検出結果を得ることができる。
【0020】
本発明に係る静電容量検出方法では、前記垂直駆動工程は、前記上左側垂直配線を並列に駆動し、前記下左側垂直配線を並列に駆動し、前記上右側垂直配線を並列に駆動し、及び前記下右側垂直配線を並列に駆動し、前記水平駆動工程は、前記左上側水平配線を並列に駆動し、前記右上側水平配線を並列に駆動し、前記左下側水平配線を並列に駆動し、前記右下側水平配線を並列に駆動し、前記水平読み出し工程により前記左上側水平配線及び前記左下側水平配線を通して読み出した信号をAD変換して復号した左側復号信号を生成しながら、前記右上側水平配線及び前記右下側水平配線を通して読み出した信号をAD変換して復号した右側復号信号を生成する水平復号工程と、前記垂直読み出し工程により前記上左側垂直配線及び前記上右側垂直配線を通して読み出した信号をAD変換して復号した上側復号信号を生成しながら、前記下左側垂直配線及び前記下右側垂直配線を通して読み出した信号をAD変換して復号した下側復号信号を生成する垂直復号工程とのいずれかを実行する復号工程と、前記水平復号工程により復号された左側復号信号と右側復号信号とを加算する水平加算工程と、前記垂直復号工程により復号された上側復号信号と下側復号信号とを加算する垂直加算工程とのいずれかを実行する加算工程とをさらに包含することが好ましい。
【0021】
上記構成により、切断した配線の両側から取り出した信号を加算するので、切断しない構成と同じ検出結果を得ることができる。
【0022】
本発明に係る静電容量検出方法では、前記垂直配線は、前記水平配線に沿って上側垂直配線及び下側垂直配線に切断されており、前記水平配線は、前記垂直配線に沿って左側水平配線及び右側水平配線に切断されており、前記垂直駆動工程は、第5符号系列に基づいて、前記上側垂直配線及び前記下側垂直配線を同時に駆動しながら、前記上左側垂直配線及び前記下左側垂直配線、前記上右側垂直配線及び前記下右側垂直配線を駆動し、前記水平読み出し工程は、前記上左側垂直配線及び前記上側垂直配線の駆動に基づく信号を前記左上側水平配線及び前記左側水平配線を通して読み出し、前記下左側垂直配線及び前記下側垂直配線の駆動に基づく信号を前記左下側水平配線及び前記左側水平配線を通して読み出しながら、前記上右側垂直配線及び前記上側垂直配線の駆動に基づく信号を前記右上側水平配線及び右側水平配線を通して読み出し、前記下右側垂直配線及び前記下側垂直配線の駆動に基づく信号を前記右下側水平配線及び前記右側水平配線を通して読み出し、前記水平駆動工程は、第6符号系列に基づいて、前記左側水平配線及び前記右側水平配線を同時に駆動しながら、前記左上側水平配線及び前記右上側水平配線、前記左下側水平配線及び前記右下側水平配線を駆動し、前記垂直読み出し工程は、前記左上側水平配線及び前記左側水平配線の駆動に基づく信号を前記上左側垂直配線及び前記上側垂直配線を通して読み出し、前記右上側水平配線及び前記右側水平配線の駆動に基づく信号を前記上右側垂直配線及び前記上側垂直配線を通して読み出しながら、前記左下側水平配線及び前記左側水平配線の駆動に基づく信号を前記下左側垂直配線及び前記下側垂直配線を通して読み出し、前記右下側水平配線及び前記右側水平配線の駆動に基づく信号を前記下右側垂直配線及び前記下側垂直配線を通して読み出すことが好ましい。
【0023】
上記構成により、切断した配線の境界領域をドライブする符号系列を左右で共有し、左右の信号処理を独立に行うので、切断した配線の境界領域の静電容量変化をより正確に検出することができる。
【0024】
本発明に係る静電容量検出方法では、前記垂直駆動工程は、前記上左側垂直配線を並列に駆動し、前記下左側垂直配線を並列に駆動し、前記上右側垂直配線を並列に駆動し、及び前記下右側垂直配線を並列に駆動し、前記水平駆動工程は、前記左上側水平配線を並列に駆動し、前記右上側水平配線を並列に駆動し、前記左下側水平配線を並列に駆動し、前記右下側水平配線を並列に駆動し、前記静電容量検出方法は、前記水平読み出し工程により前記左上側水平配線、前記左側水平配線及び前記左下側水平配線を通して読み出した信号をAD変換して復号した左側復号信号に基づいて左側境界容量を生成し、前記水平読み出し工程により前記右上側水平配線、前記右側水平配線及び前記右下側水平配線を通して読み出した信号をAD変換して復号した右側復号信号に基づいて右側境界容量を生成し、前記左側境界容量と前記右側境界容量とを加算して左右境界容量を得る水平境界容量検出工程と、前記垂直読み出し工程により前記上左側垂直配線、前記上側垂直配線及び前記上右側垂直配線を通して読み出した信号をAD変換して復号した上側復号信号に基づいて上側境界容量を生成し、前記垂直読み出し工程により前記下左側垂直配線、前記下側垂直配線及び前記下右側垂直配線を通して読み出した信号をAD変換して復号した下側復号信号に基づいて下側境界容量を生成し、前記上側境界容量と前記下側境界容量とを加算して上下境界容量を得る垂直境界容量検出工程とのいずれかを実行する境界容量検出工程をさらに包含することが好ましい。
【0025】
上記構成により、切断した配線の境界領域をドライブするドライブラインと左右のセンスラインとの間の容量を左右で個別に求めた後、加算し、センスラインの切断がない場合の容量とするので、切断した配線の境界領域の静電容量変化をより正確に検出することができる。
【0026】
本発明に係るタッチセンサシステムは、垂直配線と、前記垂直配線の左右に配置された複数の左側垂直配線及び複数の右側垂直配線と、水平配線と、前記水平配線の上下に配置された複数の上側水平配線及び複数の下側水平配線と、前記垂直配線、前記左側垂直配線及び前記右側垂直配線と、前記水平配線、前記上側水平配線及び下側水平配線とがそれぞれ交差する位置に形成された複数の静電容量とを有するタッチセンサパネルを備え、前記上側水平配線は、前記垂直配線に沿って左上側水平配線及び右上側水平配線に切断されており、前記下側水平配線は、前記垂直配線に沿って左下側水平配線及び右下側水平配線に切断されており、前記左側垂直配線は、前記水平配線に沿って上左側垂直配線及び下左側垂直配線に切断されており、前記右側垂直配線は、前記水平配線に沿って上右側垂直配線及び下右側垂直配線に切断されており、前記上左側垂直配線と前記左上側水平配線とに接続された左上ドライブセンス回路と、前記上右側垂直配線と前記右上側水平配線とに接続された右上ドライブセンス回路と、前記下左側垂直配線と前記左下側水平配線とに接続された左下ドライブセンス回路と、前記下右側垂直配線と前記右下側水平配線とに接続された右下ドライブセンス回路と、前記左上ドライブセンス回路と前記右上ドライブセンス回路と前記左下ドライブセンス回路と前記右下ドライブセンス回路とに接続されて前記静電容量の変化に基づいて前記タッチセンサパネルへのタッチを認識するタッチ認識回路とをさらに備えることを特徴とする。
【0027】
この特徴により、水平方向の配線と垂直方向の配線とを切断して4分割したタッチセンサパネルを簡単な構成で制御することができる。
【0028】
本発明に係るタッチセンサシステムは、垂直配線と、前記垂直配線の左右に配置された複数の左側垂直配線及び複数の右側垂直配線と、水平配線と、前記水平配線の上下に配置された複数の上側水平配線及び複数の下側水平配線と、前記垂直配線、前記左側垂直配線及び前記右側垂直配線と、前記水平配線、前記上側水平配線及び下側水平配線とがそれぞれ交差する位置に形成された複数の静電容量とを有するタッチセンサパネルを備え、前記上側水平配線は、前記垂直配線に沿って左上側水平配線及び右上側水平配線に切断されており、前記下側水平配線は、前記垂直配線に沿って左下側水平配線及び右下側水平配線に切断されており、前記左側垂直配線は、前記水平配線に沿って上左側垂直配線及び下左側垂直配線に切断されており、前記右側垂直配線は、前記水平配線に沿って上右側垂直配線及び下右側垂直配線に切断されており、前記上左側垂直配線に接続された第1左上ドライブセンス回路と、前記左上側水平配線に接続された第2左上ドライブセンス回路と、前記上右側垂直配線に接続された第1右上ドライブセンス回路と、前記右上側水平配線に接続された第2右上ドライブセンス回路と、前記下左側垂直配線に接続された第1左下ドライブセンス回路と、前記左下側水平配線に接続された第2左下ドライブセンス回路と、前記下右側垂直配線に接続された第1右下ドライブセンス回路と、前記右下側水平配線に接続された第2右下ドライブセンス回路と、前記第1左上ドライブセンス回路と前記第1右上ドライブセンス回路と前記第1左下ドライブセンス回路と前記第1右下ドライブセンス回路がドライブ回路として動作するときは、前記第2左上ドライブセンス回路と前記第2右上ドライブセンス回路と前記第2左下ドライブセンス回路と前記第2右下ドライブセンス回路とがセンス回路として動作し、前記第1左上ドライブセンス回路と前記第1右上ドライブセンス回路と前記第1左下ドライブセンス回路と前記第1右下ドライブセンス回路がセンス回路として動作するときは、前記第2左上ドライブセンス回路と前記第2右上ドライブセンス回路と前記第2左下ドライブセンス回路と前記第2右下ドライブセンス回路とがドライブ回路として動作するように制御する制御回路とを備えたことを特徴とする。
【0029】
この特徴により、水平方向の配線と垂直方向の配線とを切断して4分割したタッチセンサパネルのドライブラインとセンスラインとを容易に反転させることができるので、ペン入力を容易に検出することができる。
【0030】
本発明に係るタッチセンサシステムでは、前記垂直配線は、前記水平配線に沿って上側垂直配線及び下側垂直配線に切断されており、前記水平配線は、前記垂直配線に沿って左側水平配線及び右側水平配線に切断されており、前記第1左上ドライブセンス回路は、前記上側垂直配線及び前記上左側垂直配線に接続されており、前記第1右上ドライブセンス回路は、前記上側垂直配線及び前記上右側垂直配線に接続されており、前記第1左下ドライブセンス回路は、前記下側垂直配線及び前記下左側垂直配線に接続されており、前記第1右下ドライブセンス回路は、前記下側垂直配線及び前記下右側垂直配線に接続されており、前記第2左上ドライブセンス回路は、前記左側水平配線及び前記左上側水平配線に接続されており、前記第2右上ドライブセンス回路は、前記右側水平配線及び前記右上側水平配線に接続されており、前記第2左下ドライブセンス回路は、前記左側水平配線及び前記左下側水平配線に接続されており、前記第2右下ドライブセンス回路は、前記右側水平配線及び前記右下側水平配線に接続されていることが好ましい。
【0031】
上記構成により、隣り合うセンスラインの信号を減算して信号を読み出すように構成した場合に、切断した配線の境界領域のセンスラインの減算信号を連続して読み出すことができる。
【0032】
本発明に係る情報端末は、本発明に係るタッチセンサシステムを搭載したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0033】
本発明に係るタッチセンサパネルは、水平配線、上側水平配線及び下側水平配線は、垂直配線に沿って切断されており、垂直配線、左側垂直配線及び右側垂直配線は、水平配線に沿って切断されているので、タッチセンサパネルを4分割して駆動することができる。このため、読み出し速度の時定数を低減することができるので、滑らかなユーザインターフェースを備えた、例えば、80インチサイズの大型のタッチセンサパネルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】実施の形態1に係るタッチセンサパネルの構成を示す模式図である。
【図2】上記タッチパネルの他の構成を示す模式図である。
【図3】上記タッチパネルのさらに他の構成を示す模式図である。
【図4】上記タッチパネルのさらに他の構成を示す模式図である。
【図5】実施の形態2に係る静電容量検出方法におけるタッチパネルの駆動方法を示す模式図である。
【図6】上記静電容量検出方法におけるセンスライン読み出し方法を示す模式図である。
【図7】上記静電容量検出方法における他のセンスライン読み出し方法を示す模式図である。
【図8】実施の形態3に係る静電容量検出方法におけるセンスライン読み出し方法を示す模式図である。
【図9】上記静電容量検出方法における他のセンスライン読み出し方法を示す模式図である。
【図10】実施の形態4に係るタッチセンサシステムの構成を示すブロック図である。
【図11】実施の形態5に係るタッチセンサシステムの構成を示すブロック図である。
【図12】実施の形態6に係るタッチセンサシステムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明のタッチセンサパネル、静電容量検出方法、タッチセンサシステム、及び情報端末に関する実施の一形態について図1〜図11に基づいて説明すれば以下のとおりである。
【0036】
(本願発明の解決原理)
例えば80インチサイズの大画面のタッチセンサパネルは、時定数が大きくなるので時定数の制約を満たさず、滑らかなユーザインターフェースを実現することができないという前述した本願発明の課題を解決するために、本願発明の実施の形態は、時定数の制約を満たすタッチセンサパネルの配線パターンを4枚分2行2列に並べることにより、時定数の制約を満たしながら2倍の大きさのインチサイズのタッチセンサパネルを実現する。
【0037】
そして、タッチ操作及びペンを用いた手書き入力が、2行2列の継ぎ目部分で不連続にならないように駆動して信号処理する手法を提供する。これにより、例えば、40インチサイズのタッチセンサパネル用の配線パターンを4枚分2行2列に並べることにより、時定数の制約を満たす80インチの大型のタッチセンサパネルを構成することができる。
【0038】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係るタッチセンサパネル2aの構成を示す模式図である。タッチセンサパネル2aは、垂直配線と、垂直配線の左右に配置された複数の左側垂直配線及び複数の右側垂直配線とを備えている。
【0039】
なお、図示の簡潔化のため、垂直配線を切断した上側垂直配線HVL及び下側垂直配線LVL、左側垂直配線を切断した上左側垂直配線HLVL及び下左側垂直配線LLVL、右側垂直配線を切断した上右側垂直配線HRVL及び下右側垂直配線LRVL、水平配線を切断した左水平配線LHL及び右水平配線RHL、上側水平配線を切断した左上側水平配線LHHL及び右上側水平配線RHHL、下側水平配線を切断した左下側水平配線LLHL及び右下側水平配線RLHLを示している。後述する図面も同様である。
【0040】
水平配線LHL・RHLは、垂直配線HVL・LVLに沿って左側水平配線LHLと右側水平配線RHLとに切断されている。上側水平配線LHHL・RHHLは、垂直配線HVL・LVLに沿って左上側水平配線LHHLと右上側水平配線RHHLとに切断されている。下側水平配線LLHL・RLHLは、垂直配線HVL・LVLに沿って左下側水平配線LLHLと右下側水平配線RLHLとに切断されている。
【0041】
垂直配線HVL・LVLは、水平配線LHL・RHLに沿って上側垂直配線HVLと下側垂直配線LVLとに切断されている。左側垂直配線HLVL・LLVLは、水平配線LHL・RHLに沿って上左側垂直配線HLVLと下左側垂直配線LLVLとに切断されている。右側垂直配線HRVL・LRVLは、水平配線LHL・RHLに沿って上右側垂直配線HRVLと下右側垂直配線LRVLとに切断されている。
【0042】
水平配線である水平配線LHL・RHL、上側水平配線LHHL・RHHL及び下側水平配線LLHL・RLHLは、水平方向に所定の間隔を空けて配置された菱形状の複数のセンサパターンP1を有している。垂直配線である垂直配線HVL・LVL、左側垂直配線HLVL・LLVL、及び右側垂直配線HRVL・LRVLは、垂直方向に所定の間隔を空けて配置された菱形状の複数のセンサパターンP2を有している。センサパターンP1・P2は、斜め45度方向に隣接するように交互に配置されている。
【0043】
各水平配線と各垂直配線とが交差する箇所の周りに配置された2個のセンサパターンP1と2個のセンサパターンP2とのうち、隣接するセンサパターンP1・P2間には静電容量Cが形成されている。隣接するセンサパターンP1・P2は4種類構成されるので、4つの静電容量Cが形成される。
【0044】
このように、各水平配線及び各垂直配線を物理的に切断すると、配線の長さが短くなるので、静電容量の2次元分布の読み出し速度の時定数を低減することができる。このため、大画面のタッチセンサパネルを構成しても、読み出し速度の時定数を低減した滑らかなユーザインターフェースを実現することができる。
【0045】
各水平配線は、タッチセンサパネルの表面の垂直方向に延びる中心線付近で切断することが好ましく、各垂直配線は、タッチパネルの表面の水平方向に延びる中心線付近で切断することが好ましい。切断により配線の長さを半分にすることができ、読み出し速度の時定数を効率的に低減することができるからである。但し、本発明はこれに限定されず、滑らかなユーザインターフェースを実現することができるように、読み出し速度の時定数を低減することができる位置で切断すればよい。
【0046】
また、各水平配線及び各垂直配線を物理的に切断した例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、絶縁性を有する部材により各水平配線及び各垂直配線を電気的に絶縁するように構成しても、読み出し速度の時定数を低減することができ、本願発明の作用効果を奏する。
【0047】
図2は、実施の形態1に係るタッチセンサパネルの他の構成を示す模式図である。前述した構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。これらの構成要素の詳細な説明は繰り返さない。
【0048】
図1で前述したタッチセンサパネル2aの左上側水平配線LHHLの内側の一端と、右上側水平配線RHHLの内側の一端とは、センサパターンP1を構成していたが、図2に示すタッチセンサパネル2bの左上側水平配線LHHLの内側の一端と、右上側水平配線RHHLの内側の一端とは、センサパターンP1から内側に突出して上側垂直配線HVLに近づいており、左上側水平配線LHHLの内側の一端と右上側水平配線RHHLの内側の一端との間の距離は、上側垂直配線HVLの幅に対応する長さとなっている。
【0049】
同様に、左下側水平配線LLHLの内側の一端と右下側水平配線RLHLの内側の一端との間の距離は、下側垂直配線LVLの幅に対応する長さとなっている。そして、左側水平配線LHLの内側の一端と、右側水平配線RHLの内側の一端との間の距離は、上側垂直配線HVL及び下側垂直配線LVLの幅に対応する長さとなっている。
【0050】
上左側垂直配線HLVLの内側の一端と下左側垂直配線LLVLの内側の一端との間の距離は、左側水平配線LHLの幅に対応する長さとなっている。上右側垂直配線HRVLの内側の一端と下右側垂直配線LRVLの内側の一端との間の距離は、右側水平配線RHLの幅に対応する長さとなっている。そして、上側垂直配線HVLの内側の一端と、下側垂直配線LVLの内側の一端との間の距離は、左側水平配線LHL及び右側水平配線RHLの幅に対応する長さとなっている。
【0051】
図2に示す例では、各水平配線の内側の一端間の距離が垂直配線の幅よりも若干長い例を示したが、垂直配線の幅以下になるように構成してもよい。また、各垂直配線の内側の一端間の距離が水平配線の幅よりも若干長い例を示したが、水平配線の幅以下になるように構成してもよい。
【0052】
このように、各水平配線、各垂直配線の切断部の長さを図1に示す構成よりも短くすると、タッチセンサパネルの配線パターンを4枚分2行2列に並べても、境界領域の静電容量を正確に検出することができる。
【0053】
なお、菱形形状のセンサパターンP1・P2の例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、帯状のセンサパターンを構成してもよい。図3は、タッチパネルのさらに他の構成を示す模式図である。タッチセンサパネル2b1は、帯状のセンサパターンによって形成された各水平配線及び垂直配線を備えている。具体的には、タッチセンサパネル2b1は、帯状のセンサパターンによって形成された左側水平配線LHL,右側水平配線RHL、左上側水平配線LHHL、右上側水平配線RHHL、左下側水平配線LLHL、右下側水平配線RLHL、及び、上側垂直配線HVL、下側垂直配線LVL、上左側垂直配線HLVL、下左側垂直配線LLVL、上右側垂直配線HRVL、下右側垂直配線LRVLを備えている。このように、各水平配線及び垂直配線は、帯状のセンサパターンによって形成してもよい。
【0054】
図4は、実施の形態1に係るタッチパネルの他の構成を示す模式図である。前述した構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。これらの構成要素の詳細な説明は繰り返さない。
【0055】
図1及び図2では、各水平配線及び各垂直配線の双方が切断されている例を示したが、各水平配線、各垂直配線のいずれかが切断されていればよい。図4に示すタッチセンサパネル2cは、各水平配線が切断されており、垂直配線VLは切断されていない。各垂直配線が切断されており、水平配線は切断されていないように構成してもよい。
【0056】
この構成によれば、垂直配線VLをドライブラインとして動作させ、各水平配線をセンスラインとして動作させることができる。
【0057】
(実施の形態2)
図5は、実施の形態2に係る静電容量検出方法におけるタッチセンサパネル2aの駆動方法を示す模式図である。前述した構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。これらの構成要素の詳細な説明は繰り返さない。
【0058】
タッチセンサパネル2aの上下のドライブラインは、同一の符号系列により駆動する。具体的には、上左側垂直配線HLVL及び下左側垂直配線LLVLは、同一の符号系列d=(d11、d12、…、d1N)により駆動され、上側垂直配線HVL及び下側垂直配線LVLは、同一の符号系列d=(d21、d22、…、d2N)により駆動される。そして、上右側垂直配線HRVL及び下右側垂直配線LRVLも、同一の符号系列d=(d31、d32、…、d3N)により駆動される。
【0059】
このように、各垂直配線を上下に切断し、切断した上下の配線を全く同一の信号で駆動すると、切断されていない場合と同じ信号をセンスラインから取り出すことができる。
【0060】
駆動する符号系列は、並列駆動のための符号系列でもよいし、逐次駆動のための符号系列でもよい。
【0061】
図6は、実施の形態2に係る静電容量検出方法におけるセンスライン読み出し方法を示す模式図である。前述した構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。これらの構成要素の詳細な説明は繰り返さない。
【0062】
タッチセンサシステム1aは、タッチセンサパネル2aを備えている。タッチセンサパネル2aは、図4を参照して前述したように、切断された上下のドライブラインが、同一の符号系列により駆動される。
【0063】
各右下側水平配線RLHLには、アンプ回路3が接続されている。アンプ回路3は、一方の入力端子に右下側水平配線RLHLが接続され、他方の入力端子に基準電圧Vrefが入力されるオペアンプと、オペアンプの一方の入力と出力との間に設けられた積分容量Cintと、積分容量Cintと並列に設けられたリセットトランジスタとを含む。アンプ回路3の出力は、AD変換器4に接続されている。
【0064】
各右上側水平配線RHHL及び右側水平配線RHLにもアンプ回路3及びAD変換器4が接続されている。図6では表記の簡潔化のため、右下側水平配線RLHLの1本に接続された1個のアンプ回路3及び1個のAD変換器4のみを示している。
【0065】
各左下側水平配線LLHL、左上側水平配線LHHL、及び左側水平配線LHLにもアンプ回路3及びAD変換器4が接続されている。表記の簡潔化のため、左下側水平配線LLHLの1本に接続された1個のアンプ回路3及び1個のAD変換器4のみを示している。
【0066】
右側のアンプ回路3は、右下側水平配線RLHL、右上側水平配線RHHL、または右側水平配線RHLから静電容量の電荷の線形和を読み出して増幅する。右側のAD変換器4は、アンプ回路3が増幅した静電容量の電荷の線形和をAD変換して加算器5に供給する。
【0067】
左側のアンプ回路3は、左下側水平配線LLHL、左上側水平配線LHHL、または左側水平配線LHLから静電容量の電荷の線形和を読み出して増幅する。左側のAD変換器4は、アンプ回路3が増幅した静電容量の電荷の線形和をAD変換して加算器5に供給する。
【0068】
加算器5は、左側のAD変換器4から供給された静電容量の電荷の線形和と、右側のAD変換器4から供給された静電容量の電荷の線形和とを加算して復号器6aに供給する。復号器6aは、加算器5から供給された加算結果と、符号系列d、d、…、dとの内積演算を行い、静電容量分布を検出する。
【0069】
このように、中央で切断された左側の静電容量の電荷と右側の静電容量の電荷とを別々にアンプ回路3で取り出しAD変換した結果を加算すると、切断されていないセンスライン上で加算した線形和と同じ結果を得ることができ、加算結果を復号処理すれば、切断されていないセンスラインで動作させた場合と同じ静電容量分布検出結果を得ることができる。
【0070】
図7は、実施の形態2に係る静電容量検出方法における他のセンスライン読み出し方法を示す模式図である。前述した構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。これらの構成要素の詳細な説明は繰り返さない。
【0071】
図6で前述したタッチセンサシステム1aでは、左右の結果を加算した後に復号処理を行ったが、図6のタッチセンサシステム1bに示すように、加算器5による加算の前に復号処理を行ってもよい。右側の複合器6bは、右側のAD変換器4の変換結果と符号系列d、d、…、dとの内積演算を実行した復号結果を加算器5に供給する。左側の複合器6bは、左側のAD変換器4の変換結果と符号系列d、d、…、dとの内積演算を実行した復号結果を加算器5に供給する。加算器5は、右側の複合器6bの復号結果と、左側の複合器6bの復号結果とを加算する。
【0072】
復号演算及び加算演算は線形演算であるので、復号演算の後に加算演算を実行しても、加算演算の後に復号演算を実行した結果と同一の結果が得られる。
【0073】
(実施の形態3)
図8は、実施の形態3に係る静電容量検出方法におけるセンスライン読み出し方法を示す模式図である。前述した構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。これらの構成要素の詳細な説明は繰り返さない。
【0074】
タッチセンサシステム1cは、タッチセンサパネル2aを備えている。タッチセンサパネル2aの下側垂直配線LVLには、符号系列d=(d11、d12、…、d1N)が印加される。複数の左下側垂直配線LLVLのうちの右端の1本には、符号系列d=(d21、d22、…、d2N)が印加される。複数の左下側垂直配線LLVLのうちの左端の1本には、符号系列d=(dL1、dL2、…、dLN)が印加される。
【0075】
そして、複数の右下側垂直配線LRVLのうちの左端の1本には、符号系列d’=(d’21、d’22、…、d’2N)が印加される。複数の右下側垂直配線LRVLのうちの左端から2本目には、符号系列d’=(d’31、d’32、…、d’3N)が印加される。複数の右下側垂直配線LRVLのうちの右端の1本には、符号系列d’=(d’L1、d’L2、…、d’LN)が印加される。
【0076】
右下側水平配線RLHLに接続されたアンプ回路3は、下側垂直配線LVLの右側の右下側水平配線RLHLに対応する静電容量の電荷の線形和を読み出して増幅する。AD変換器4は、アンプ回路3により増幅された静電容量の電荷の線形和をAD変換して右側復号器9bに供給する。右側復号器9bは、AD変換器4によりAD変換された静電容量の電荷の線形和と、符号系列d、d’、d’、…、d’との内積演算を行い、右側の静電容量を復号する。
【0077】
左下側水平配線LLHLに接続されたアンプ回路3は、下側垂直配線LVLの左側の左下側水平配線LLHLに対応する静電容量の電荷の線形和を読み出して増幅する。AD変換器4は、アンプ回路3により増幅された静電容量の電荷の線形和をAD変換して左側復号器9aに供給する。左側復号器9aは、AD変換器4によりAD変換された静電容量の電荷の線形和と、符号系列d、d、d、…、dとの内積演算を行い静電容量を復号する。
【0078】
このように、左右境界配線である下側垂直配線LVLをドライブする符号系列dを左右で共有し、左右の信号処理を独立に行うことができる。
【0079】
図9は、実施の形態3に係る静電容量検出方法における他のセンスライン読み出し方法を示す模式図である。前述した構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。これらの構成要素の詳細な説明は繰り返さない。
【0080】
タッチセンサシステム1dは、右側復号器10b及び左側復号器10aを備えている。右側復号器10bは、AD変換器4によりAD変換された静電容量の電荷の線形和と、符号系列d、d’、d’、…、d’との内積演算を行い静電容量を復号し、境界ドライブラインである下側垂直配線LVLと右下側水平配線RLHLとの間の静電容量Crを境界容量加算器5dに供給する。左側復号器10aは、AD変換器4によりAD変換された静電容量の電荷の線形和と、符号系列d、d、d、…、dとの内積演算を行い静電容量を復号し、境界ドライブラインである下側垂直配線LVLと左下側水平配線LLHLとの間の静電容量Clを境界容量加算器5dに供給する。境界容量加算器5dは、左側復号器10aから供給された下側垂直配線LVLと左下側水平配線LLHLとの間の静電容量Clと、下側垂直配線LVLと右下側水平配線RLHLとの間の静電容量Crとを加算する。
【0081】
このように、境界ドライブラインと左右のセンスラインとの間の静電容量Cr、静電容量Clを、右側復号器10b、左側復号器10aにより個別に求めた後、境界容量加算器5dにより加算し、センスラインが切断されていない構成により読み出した容量値と同じ容量値を得ることができる。
【0082】
(実施の形態4)
図10は、実施の形態4に係るタッチセンサシステム1eの構成を示すブロック図である。前述した構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。これらの構成要素の詳細な説明は繰り返さない。
【0083】
タッチセンサシステム1eは、タッチセンサパネル2aと、ドライブセンス回路7a〜7dと、タッチ認識回路11とを備えている。
【0084】
タッチセンサパネル2aは、40インチサイズの配線パターンを2行2列に並べて構成しており、電子黒板のボードを構成することができる。そして、タッチセンサシステム1eは、電子黒板システムを構成することができる。
【0085】
ドライブセンス回路7aは、タッチセンサパネル2aの上左側垂直配線HLVL(図6〜図9参照)と左上側水平配線LHHL(図6〜図9参照)とに接続されている。ドライブセンス回路7bは、タッチセンサパネル2aの上右側垂直配線HRVL(図6〜図9参照)と右上側水平配線RHHL(図6〜図9参照)とに接続されている。
【0086】
ドライブセンス回路7cは、タッチセンサパネル2aの下左側垂直配線LLVLと左下側水平配線LLHLとに接続されている。ドライブセンス回路7dは、タッチセンサパネル2aの下右側垂直配線LRVLと右下側水平配線RLHLとに接続されている。
【0087】
タッチ認識回路11は、ドライブセンス回路7a〜7dに接続されて、静電容量の変化に基づいてタッチセンサパネル2aへのタッチを認識する。
【0088】
このように構成することにより、2行2列に分割した大画面のタッチパネル2aを分割駆動して静電容量の電荷を分割して読み出し、静電容量分布を検出することができる。
【0089】
(実施の形態5)
図11は、実施の形態5に係るタッチセンサシステムの構成を示すブロック図である。前述した構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。これらの構成要素の詳細な説明は繰り返さない。
【0090】
タッチセンサシステム1fは、タッチセンサパネル2aを備えている。タッチセンサパネル2aは、40インチサイズの配線パターンを2行2列に並べて構成しており、電子黒板のボードを構成することができる。そして、タッチセンサシステム1fは、電子黒板システムを構成することができる。
【0091】
タッチセンサシステム1fには、ドライブセンス回路12a・12b、13a・13b、14a・14b、15a・15bが設けられている。ドライブセンス回路12aは、上左側垂直配線HLVL(図6〜図9参照)に接続されており、ドライブセンス回路12bは、左上側水平配線LHHL(図6〜図9参照)に接続されている。ドライブセンス回路13aは、上右側垂直配線HRVL(図6〜図9参照)に接続されており、ドライブセンス回路13bは、右上側水平配線RHHL(図6〜図9参照)に接続されている。
【0092】
そして、ドライブセンス回路14aは、下左側垂直配線LLVLに接続されており、ドライブセンス回路14bは、左下側水平配線LLHLに接続されている。ドライブセンス回路15aは、下右側垂直配線LRVLに接続されており、ドライブセンス回路15bは、右下側水平配線RLHLに接続されている。
【0093】
タッチセンサシステム1fは、制御回路16を有している。制御回路16は、ドライブセンス回路12aとドライブセンス回路13aとドライブセンス回路14aとドライブセンス回路15aとがドライブ回路として動作するときは、ドライブセンス回路12bとドライブセンス回路13bとドライブセンス回路14bとドライブセンス回路15bとがセンス回路として動作するように各ドライブセンス回路を制御する。
【0094】
そして、制御回路16は、ドライブセンス回路12aとドライブセンス回路13aとドライブセンス回路14aとドライブセンス回路15aとがセンス回路として動作するときは、ドライブセンス回路12bとドライブセンス回路13bとドライブセンス回路14bとドライブセンス回路15bとがドライブ回路として動作するように各ドライブセンス回路を制御する。
【0095】
このように構成すると、ペン入力による静電容量変化の検出において、ドライブラインとセンスラインとを容易に反転させることができ、タッチセンサパネルへの手の接触によるノイズを除去することができる。
【0096】
(実施の形態6)
図12は、実施の形態6に係るタッチセンサシステム1gの構成を示すブロック図である。前述した構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。これらの構成要素の詳細な説明は繰り返さない。
【0097】
タッチセンサシステム1gは、タッチセンサパネル2aを備えている。タッチセンサパネル2aは、40インチサイズの配線パターンを2行2列に並べて構成しており、電子黒板のボードを構成することができる。そして、タッチセンサシステム1gは、電子黒板システムを構成することができる。
【0098】
タッチセンサシステム1gには、コントローラ8a〜8dが設けられている。コントローラ8aは、ドライブセンス回路12aa・13aaを有している。コントローラ8bは、ドライブセンス回路14aa・15aaを有している。コントローラ8cは、ドライブセンス回路12bb・14bbを有している。コントローラ8dは、ドライブセンス回路13bb・15bbを有している。
【0099】
ドライブセンス回路12aaは、上左側垂直配線HLVL(図6〜図9参照)及び上側垂直配線HVL(図6〜図9参照)に接続されている。ドライブセンス回路13aaは、上右側垂直配線HRVL(図6〜図9参照)及び上側垂直配線HVL(図6〜図9参照)に接続されている。従って、ドライブセンス回路12aa・13aaは、上側垂直配線HVLを共有している。
【0100】
ドライブセンス回路14aaは、下左側垂直配線LLVL及び下側垂直配線LVLに接続されている。ドライブセンス回路15aaは、下右側垂直配線LRVL及び下側垂直配線LVLに接続されている。従って、ドライブセンス回路14aa・15aaは、下側垂直配線LVLを共有している。
【0101】
ドライブセンス回路12bbは、左上側水平配線LHHL及び左側水平配線LHLに接続されている。ドライブセンス回路14bbは、左下側水平配線LLHL及び左側水平配線LHLに接続されている。従って、ドライブセンス回路12bb・14bbは、左側水平配線LHLを共有している。
【0102】
ドライブセンス回路13bbは、右上側水平配線RHHL及び右側水平配線RHLに接続されている。ドライブセンス回路15bbは、右下側水平配線RLHL及び右側水平配線RHLに接続されている。従って、ドライブセンス回路13bb・15bbは、右側水平配線RHLを共有している。
【0103】
このように、センターの境界の配線だけを両側のドライブセンス回路に接続すると、隣接する配線(センスライン)の信号を減算して液晶パネル等からのノイズをキャンセルし、SNRを高めて読み出すように構成した場合に、二つのドライブセンス回路の分担の境界線にあるセンスラインの差動読み出しが、境界線を超えて連続的に行うことができる。
【0104】
ドライブセンス回路12aa・13aaは、タッチセンサパネル2aの上辺の中央付近に配置することが好ましい。共有する上側垂直配線HVLまでの配線の長さが短くなるためである。同様に、ドライブセンス回路14aa・15aaは、タッチセンサパネル2aの下辺の中央付近に配置することが好ましい。ドライブセンス回路12bb・14bbは、タッチセンサパネル2aの左辺の中央付近に配置することが好ましく、ドライブセンス回路13bb・15bbは、タッチセンサパネル2aの右辺の中央付近に配置することが好ましい。
【0105】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明は、垂直配線と、垂直配線の左右に配置された複数の左側垂直配線及び複数の右側垂直配線と、水平配線と、水平配線の上下に配置された複数の上側水平配線及び複数の下側水平配線と、これらの配線がそれぞれ交差する位置に形成された複数の静電容量とを備えたタッチセンサパネル、静電容量検出方法、タッチセンサシステム、及び情報端末に利用することができる。
【0107】
また、本発明は、例えば、80インチサイズの大型の電子黒板システムに利用することができる。
【符号の説明】
【0108】
1 タッチセンサシステム
2a タッチセンサパネル
3 アンプ回路
4 AD変換器
5 加算器
6 復号器
7a、7b、7c、7d ドライブセンス回路
8a、8b、8c、8d コントローラ
11 タッチ認識回路
HVL 上側垂直配線
LVL 下側垂直配線
HLVL 上左側垂直配線
LLVL 下左側垂直配線
HRVL 上右側垂直配線
LRVL 下右側垂直配線
LHL 左側水平配線
RHL 右側水平配線
LHHL 左上側水平配線
RHHL 右上側水平配線
LLHL 左下側水平配線
RLHL 右下側水平配線
P1、P2 センサパターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直配線と、前記垂直配線の左右に配置された複数の左側垂直配線及び複数の右側垂直配線と、水平配線と、前記水平配線の上下に配置された複数の上側水平配線及び複数の下側水平配線と、前記垂直配線、前記左側垂直配線及び前記右側垂直配線と、前記水平配線、前記上側水平配線及び下側水平配線とがそれぞれ交差する位置に形成された複数の静電容量とを備えたタッチセンサパネルであって、
前記水平配線、前記上側水平配線及び下側水平配線は、前記垂直配線に沿って切断されており、前記垂直配線、前記左側垂直配線及び前記右側垂直配線は、前記水平配線に沿って切断されていることを特徴とするタッチセンサパネル。
【請求項2】
前記水平配線、前記上側水平配線及び下側水平配線は、前記垂直配線に沿って電気的に切断されており、前記垂直配線、前記左側垂直配線及び前記右側垂直配線は、前記水平配線に沿って電気的に切断されており、
前記水平配線、前記上側水平配線及び下側水平配線の切断部の長さは、前記垂直配線の幅に対応する長さとなっており、
前記垂直配線、前記左側垂直配線及び右側垂直配線の切断部の長さは、前記水平配線の幅に対応する長さとなっている請求項1記載のタッチセンサパネル。
【請求項3】
垂直配線と、前記垂直配線の左右に配置された複数の左側垂直配線及び複数の右側垂直配線と、水平配線と、前記水平配線の上下に配置された複数の上側水平配線及び複数の下側水平配線と、前記垂直配線、前記左側垂直配線及び前記右側垂直配線と、前記水平配線、前記上側水平配線及び下側水平配線とがそれぞれ交差する位置に形成された複数の静電容量とを備えたタッチセンサパネルであって、
前記水平配線、前記上側水平配線及び下側水平配線が、前記垂直配線に沿って切断されている構成と、前記垂直配線、前記左側垂直配線及び前記右側垂直配線が、前記水平配線に沿って切断されている構成との何れかの構成を有していることを特徴とするタッチセンサパネル。
【請求項4】
垂直配線と、前記垂直配線の左右に配置された複数の左側垂直配線及び複数の右側垂直配線と、水平配線と、前記水平配線の上下に配置された複数の上側水平配線及び複数の下側水平配線と、前記垂直配線、前記左側垂直配線及び前記右側垂直配線と、前記水平配線、前記上側水平配線及び前記下側水平配線とがそれぞれ交差する位置に形成された複数の静電容量とを備えたタッチセンサパネルをドライブして前記静電容量を検出する静電容量検出方法であって、
前記上側水平配線は、前記垂直配線に沿って左上側水平配線及び右上側水平配線に切断されており、前記下側水平配線は、前記垂直配線に沿って左下側水平配線及び右下側水平配線に切断されており、前記左側垂直配線は、前記水平配線に沿って上左側垂直配線及び下左側垂直配線に切断されており、前記右側垂直配線は、前記水平配線に沿って上右側垂直配線及び下右側垂直配線に切断されており、
第1符号系列に基づいて前記上左側垂直配線及び前記下左側垂直配線を同時に駆動しながら、第2符号系列に基づいて前記上右側垂直配線及び前記下右側垂直配線を同時に駆動する垂直駆動工程と、第3符号系列に基づいて前記左上側水平配線及び前記右上側水平配線を同時に駆動しながら、第4符号系列に基づいて前記左下側水平配線及び前記右下側水平配線を同時に駆動する水平駆動工程とのいずれかを実行する駆動工程と、
前記上左側垂直配線の駆動に基づく信号を、前記左上側水平配線を通して読み出し、前記下左側垂直配線の駆動に基づく信号を、前記左下側水平配線を通して読み出しながら、前記上右側垂直配線の駆動に基づく信号を、前記右上側水平配線を通して読み出し、前記下右側垂直配線の駆動に基づく信号を、前記右下側水平配線を通して読み出す水平読み出し工程と、前記左上側水平配線の駆動に基づく信号を、前記上左側垂直配線を通して読み出し、前記右上側水平配線の駆動に基づく信号を、前記上右側垂直配線を通して読み出しながら、前記左下側水平配線の駆動に基づく信号を、前記下左側垂直配線を通して読み出し、前記右下側水平配線の駆動に基づく信号を、前記下右側垂直配線を通して読み出す垂直読み出し工程とのいずれかを実行する読み出し工程とを包含することを特徴とする静電容量検出方法。
【請求項5】
前記垂直駆動工程は、前記上左側垂直配線を並列に駆動し、前記下左側垂直配線を並列に駆動し、前記上右側垂直配線を並列に駆動し、及び前記下右側垂直配線を並列に駆動し、
前記水平駆動工程は、前記左上側水平配線を並列に駆動し、前記右上側水平配線を並列に駆動し、前記左下側水平配線を並列に駆動し、前記右下側水平配線を並列に駆動し、
前記水平読み出し工程により前記左上側水平配線及び前記左下側水平配線を通して読み出した信号をAD変換した左側信号と、前記右上側水平配線及び前記右下側水平配線を通して読み出した信号をAD変換した右側信号とを加算する工程と、前記垂直読み出し工程により前記上左側垂直配線及び前記上右側垂直配線を通して読み出した信号をAD変換した上側信号と、前記下左側垂直配線及び前記下右側垂直配線を通して読み出した信号をAD変換した下側信号とを加算する工程とのいずれかを実行する加算工程と、
前記加算工程により加算された信号を復号する復号工程とをさらに包含する請求項4記載の静電容量検出方法。
【請求項6】
前記垂直駆動工程は、前記上左側垂直配線を並列に駆動し、前記下左側垂直配線を並列に駆動し、前記上右側垂直配線を並列に駆動し、及び前記下右側垂直配線を並列に駆動し、
前記水平駆動工程は、前記左上側水平配線を並列に駆動し、前記右上側水平配線を並列に駆動し、前記左下側水平配線を並列に駆動し、前記右下側水平配線を並列に駆動し、
前記水平読み出し工程により前記左上側水平配線及び前記左下側水平配線を通して読み出した信号をAD変換して復号した左側復号信号を生成しながら、前記右上側水平配線及び前記右下側水平配線を通して読み出した信号をAD変換して復号した右側復号信号を生成する水平復号工程と、前記垂直読み出し工程により前記上左側垂直配線及び前記上右側垂直配線を通して読み出した信号をAD変換して復号した上側復号信号を生成しながら、前記下左側垂直配線及び前記下右側垂直配線を通して読み出した信号をAD変換して復号した下側復号信号を生成する垂直復号工程とのいずれかを実行する復号工程と、
前記水平復号工程により復号された左側復号信号と右側復号信号とを加算する水平加算工程と、前記垂直復号工程により復号された上側復号信号と下側復号信号とを加算する垂直加算工程とのいずれかを実行する加算工程とをさらに包含する請求項4記載の静電容量検出方法。
【請求項7】
前記垂直配線は、前記水平配線に沿って上側垂直配線及び下側垂直配線に切断されており、前記水平配線は、前記垂直配線に沿って左側水平配線及び右側水平配線に切断されており、
前記垂直駆動工程は、第5符号系列に基づいて、前記上側垂直配線及び前記下側垂直配線を同時に駆動しながら、前記上左側垂直配線及び前記下左側垂直配線、前記上右側垂直配線及び前記下右側垂直配線を駆動し、
前記水平読み出し工程は、前記上左側垂直配線及び前記上側垂直配線の駆動に基づく信号を前記左上側水平配線及び前記左側水平配線を通して読み出し、前記下左側垂直配線及び前記下側垂直配線の駆動に基づく信号を前記左下側水平配線及び前記左側水平配線を通して読み出しながら、前記上右側垂直配線及び前記上側垂直配線の駆動に基づく信号を前記右上側水平配線及び右側水平配線を通して読み出し、前記下右側垂直配線及び前記下側垂直配線の駆動に基づく信号を前記右下側水平配線及び前記右側水平配線を通して読み出し、
前記水平駆動工程は、第6符号系列に基づいて、前記左側水平配線及び前記右側水平配線を同時に駆動しながら、前記左上側水平配線及び前記右上側水平配線、前記左下側水平配線及び前記右下側水平配線を駆動し、
前記垂直読み出し工程は、前記左上側水平配線及び前記左側水平配線の駆動に基づく信号を前記上左側垂直配線及び前記上側垂直配線を通して読み出し、前記右上側水平配線及び前記右側水平配線の駆動に基づく信号を前記上右側垂直配線及び前記上側垂直配線を通して読み出しながら、前記左下側水平配線及び前記左側水平配線の駆動に基づく信号を前記下左側垂直配線及び前記下側垂直配線を通して読み出し、前記右下側水平配線及び前記右側水平配線の駆動に基づく信号を前記下右側垂直配線及び前記下側垂直配線を通して読み出す請求項4記載の静電容量検出方法。
【請求項8】
前記垂直駆動工程は、前記上左側垂直配線を並列に駆動し、前記下左側垂直配線を並列に駆動し、前記上右側垂直配線を並列に駆動し、及び前記下右側垂直配線を並列に駆動し、
前記水平駆動工程は、前記左上側水平配線を並列に駆動し、前記右上側水平配線を並列に駆動し、前記左下側水平配線を並列に駆動し、前記右下側水平配線を並列に駆動し、
前記静電容量検出方法は、前記水平読み出し工程により前記左上側水平配線、前記左側水平配線及び前記左下側水平配線を通して読み出した信号をAD変換して復号した左側復号信号に基づいて左側境界容量を生成し、前記水平読み出し工程により前記右上側水平配線、前記右側水平配線及び前記右下側水平配線を通して読み出した信号をAD変換して復号した右側復号信号に基づいて右側境界容量を生成し、前記左側境界容量と前記右側境界容量とを加算して左右境界容量を得る水平境界容量検出工程と、前記垂直読み出し工程により前記上左側垂直配線、前記上側垂直配線及び前記上右側垂直配線を通して読み出した信号をAD変換して復号した上側復号信号に基づいて上側境界容量を生成し、前記垂直読み出し工程により前記下左側垂直配線、前記下側垂直配線及び前記下右側垂直配線を通して読み出した信号をAD変換して復号した下側復号信号に基づいて下側境界容量を生成し、前記上側境界容量と前記下側境界容量とを加算して上下境界容量を得る垂直境界容量検出工程とのいずれかを実行する境界容量検出工程をさらに包含する請求項7記載の静電容量検出方法。
【請求項9】
垂直配線と、前記垂直配線の左右に配置された複数の左側垂直配線及び複数の右側垂直配線と、水平配線と、前記水平配線の上下に配置された複数の上側水平配線及び複数の下側水平配線と、前記垂直配線、前記左側垂直配線及び前記右側垂直配線と、前記水平配線、前記上側水平配線及び下側水平配線とがそれぞれ交差する位置に形成された複数の静電容量とを有するタッチセンサパネルを備え、
前記上側水平配線は、前記垂直配線に沿って左上側水平配線及び右上側水平配線に切断されており、前記下側水平配線は、前記垂直配線に沿って左下側水平配線及び右下側水平配線に切断されており、前記左側垂直配線は、前記水平配線に沿って上左側垂直配線及び下左側垂直配線に切断されており、前記右側垂直配線は、前記水平配線に沿って上右側垂直配線及び下右側垂直配線に切断されており、
前記上左側垂直配線と前記左上側水平配線とに接続された左上ドライブセンス回路と、
前記上右側垂直配線と前記右上側水平配線とに接続された右上ドライブセンス回路と、
前記下左側垂直配線と前記左下側水平配線とに接続された左下ドライブセンス回路と、
前記下右側垂直配線と前記右下側水平配線とに接続された右下ドライブセンス回路と、
前記左上ドライブセンス回路と前記右上ドライブセンス回路と前記左下ドライブセンス回路と前記右下ドライブセンス回路とに接続されて前記静電容量の変化に基づいて前記タッチセンサパネルへのタッチを認識するタッチ認識回路とをさらに備えることを特徴とするタッチセンサシステム。
【請求項10】
垂直配線と、前記垂直配線の左右に配置された複数の左側垂直配線及び複数の右側垂直配線と、水平配線と、前記水平配線の上下に配置された複数の上側水平配線及び複数の下側水平配線と、前記垂直配線、前記左側垂直配線及び前記右側垂直配線と、前記水平配線、前記上側水平配線及び下側水平配線とがそれぞれ交差する位置に形成された複数の静電容量とを有するタッチセンサパネルを備え、
前記上側水平配線は、前記垂直配線に沿って左上側水平配線及び右上側水平配線に切断されており、前記下側水平配線は、前記垂直配線に沿って左下側水平配線及び右下側水平配線に切断されており、前記左側垂直配線は、前記水平配線に沿って上左側垂直配線及び下左側垂直配線に切断されており、前記右側垂直配線は、前記水平配線に沿って上右側垂直配線及び下右側垂直配線に切断されており、
前記上左側垂直配線に接続された第1左上ドライブセンス回路と、
前記左上側水平配線に接続された第2左上ドライブセンス回路と、
前記上右側垂直配線に接続された第1右上ドライブセンス回路と、
前記右上側水平配線に接続された第2右上ドライブセンス回路と、
前記下左側垂直配線に接続された第1左下ドライブセンス回路と、
前記左下側水平配線に接続された第2左下ドライブセンス回路と、
前記下右側垂直配線に接続された第1右下ドライブセンス回路と、
前記右下側水平配線に接続された第2右下ドライブセンス回路と、
前記第1左上ドライブセンス回路と前記第1右上ドライブセンス回路と前記第1左下ドライブセンス回路と前記第1右下ドライブセンス回路がドライブ回路として動作するときは、前記第2左上ドライブセンス回路と前記第2右上ドライブセンス回路と前記第2左下ドライブセンス回路と前記第2右下ドライブセンス回路とがセンス回路として動作し、前記第1左上ドライブセンス回路と前記第1右上ドライブセンス回路と前記第1左下ドライブセンス回路と前記第1右下ドライブセンス回路がセンス回路として動作するときは、前記第2左上ドライブセンス回路と前記第2右上ドライブセンス回路と前記第2左下ドライブセンス回路と前記第2右下ドライブセンス回路とがドライブ回路として動作するように制御する制御回路とを備えたことを特徴とするタッチセンサシステム。
【請求項11】
前記垂直配線は、前記水平配線に沿って上側垂直配線及び下側垂直配線に切断されており、前記水平配線は、前記垂直配線に沿って左側水平配線及び右側水平配線に切断されており、
前記第1左上ドライブセンス回路は、前記上側垂直配線及び前記上左側垂直配線に接続されており、
前記第1右上ドライブセンス回路は、前記上側垂直配線及び前記上右側垂直配線に接続されており、
前記第1左下ドライブセンス回路は、前記下側垂直配線及び前記下左側垂直配線に接続されており、
前記第1右下ドライブセンス回路は、前記下側垂直配線及び前記下右側垂直配線に接続されており、
前記第2左上ドライブセンス回路は、前記左側水平配線及び前記左上側水平配線に接続されており、
前記第2右上ドライブセンス回路は、前記右側水平配線及び前記右上側水平配線に接続されており、
前記第2左下ドライブセンス回路は、前記左側水平配線及び前記左下側水平配線に接続されており、
前記第2右下ドライブセンス回路は、前記右側水平配線及び前記右下側水平配線に接続されている請求項10記載のタッチセンサシステム。
【請求項12】
請求項9または10に記載のタッチセンサシステムを搭載したことを特徴とする情報端末。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−4040(P2013−4040A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−137851(P2011−137851)
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】