タッチパネル装置
【課題】高価な水圧センサを用いることなく、タッチパネルに加わる圧力によって簡易的に水圧等を測定可能とする。
【解決手段】表示部11は、装置の外装を形成する筐体部20の表面に備えられ、押圧された範囲を検出するタッチパネル操作部113、タッチパネル操作部113に重ねて配置され各種情報を表示する表示素子部111、およびタッチパネル操作部113と表示素子部111を覆い外部からの圧力に対して撓むことによりタッチパネル操作部113の所定範囲を押圧する保護パネル115を備える。判定部101はタッチパネル操作部113が保護パネル115により押圧されることにより所定範囲の押圧が検出された場合、検出された押圧範囲に応じて保護パネル115に加わった圧力を判定する。
【解決手段】表示部11は、装置の外装を形成する筐体部20の表面に備えられ、押圧された範囲を検出するタッチパネル操作部113、タッチパネル操作部113に重ねて配置され各種情報を表示する表示素子部111、およびタッチパネル操作部113と表示素子部111を覆い外部からの圧力に対して撓むことによりタッチパネル操作部113の所定範囲を押圧する保護パネル115を備える。判定部101はタッチパネル操作部113が保護パネル115により押圧されることにより所定範囲の押圧が検出された場合、検出された押圧範囲に応じて保護パネル115に加わった圧力を判定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルに加わる圧力によって、簡易的に水圧等を測定可能なタッチパネル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ポータブルメディアプレーヤや携帯電話等の小型装置において、表示部にタッチパネルを用いた装置が普及している。このような装置は、例えばGPS(Global Positioning System)を有していたり、地図情報を用いたナビゲーション機能を有している場合もあり、戸外での利用機会が増えている。また、PND(Portable Navigation Device)も普及しており、自動車の車内に限らず徒歩での利用も考慮されている。さらには、これらの装置において防水構造となっている装置も増えている。
【0003】
従来、水中で利用する装置において水中の深度を測定する場合は、高価な水圧センサを用いる必要があった。また、水圧センサは装置を構成する筐体の外部に露出している必要があるため、水圧センサからの配線を装置内部へ引き込む箇所の防水構造が複雑となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−55077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
水中で利用する装置において水圧センサを用いると、装置が高価になり、さらには水圧センサを装着するために防水構造が複雑化してしまう。
【0006】
特許文献1の技術は、水圧センサを用いて検出した水深情報によりホワイトバランス補正を行う撮像装置が開示されている。
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、高価な水圧センサを用いることなく、タッチパネルに加わる圧力によって簡易的に水圧等を測定可能なタッチパネル装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第1の発明に係るタッチパネル装置(1)は、
装置の外装を形成する筐体部(20)、前記筐体部(20)の表面に備えられ、押圧された範囲を検出するタッチパネル操作部(113)、前記タッチパネル操作部(113)に重ねて配置され各種情報を表示する表示素子部(111)および前記タッチパネル操作部と前記表示素子部(111)を覆うとともに外部からの圧力に対して撓むことにより前記タッチパネル操作部の所定範囲を押圧する保護パネル(115)、を備える表示部(11)、前記タッチパネル操作部(113)が前記保護パネル(115)により押圧されることにより所定範囲の押圧が検出された場合、検出された押圧範囲に応じて、前記保護パネル(115)に加わった圧力を判定する判定部(101)、を備えることを特徴とする。
【0009】
第2の発明に係るタッチパネル装置(1)は、第1の発明において、前記タッチパネル操作部(113)は、複数の押圧位置を検出可能であり、前記複数の押圧位置を検出することによって、所定範囲の押圧を検出する。
【0010】
第3の発明に係るタッチパネル装置(1)は、第1または第2の発明において、 前記保護パネル(115)は、前記圧力に対して撓む素材であるとともに、前記タッチパネル操作部(113)および前記表示素子部(111)に対する防水性を確保する構造である。
【0011】
第4の発明に係るタッチパネル装置(1)は、第1から第3のいずれか1の発明において、前記表示素子部(111)に表示する表示内容を制御する表示制御部(102)をさらに備え、前記表示制御部(102)は、前記判定部(101)により判定した圧力に応じて前記圧力に関する情報を前記表示素子部(111)に表示させる。
【0012】
第5の発明に係るタッチパネル装置(1)は、第1から第3のいずれか1の発明において、前記表示素子部(111)の発光パターンを制御する発光制御部(103)をさらに備え、前記発光制御部(103)は、前記判定部(101)により判定した圧力に応じて前記表示素子部(111)の発光パターンを変化させる。
【0013】
第6の発明に係るタッチパネル装置(1)は、第1から第5のいずれか1の発明において、前記タッチパネル装置(1)で動作するファイルの操作を制御するファイル制御部(104)をさらに備え、前記ファイル制御部(104)は、前記判定部(101)により判定した圧力が所定以上の圧力であると判定した場合は、動作中のファイルの保存を行う。
【0014】
第7の発明に係るタッチパネル装置(1)は、第1から第6のいずれか1の発明において、前記タッチパネル装置(1)の電源を制御する電源制御部(105)をさらに備え、前記電源制御部(105)は、前記判定部(101)により判定した圧力が所定以上の圧力であると判定した場合は、電源オフ処理を行う。
【0015】
第8の発明に係るタッチパネル装置(1)は、第1から第7のいずれか1の発明において、静止画または動画の撮影を行う撮像部(14)と、前記撮像部(14)により撮影した静止画または動画の画質を制御する画質制御部(106)とをさらに備え、前記画質制御部(106)は、前記撮像部(14)により撮影した静止画または動画のデータに対して、前記判定部(101)により判定した圧力に対応する圧力に基づく画質調整を行う。
【0016】
第9の発明に係るタッチパネル装置(1)は、第1から第8のいずれか1の発明において、前記筐体部(20)における前記表示部(11)が備えられている面とは異なる面の撓みを検出する撓み検出部(19)をさらに備え、前記判定部(101)は、前記保護パネル(115)に対する所定範囲の押圧の検出に加えて、前記撓み検出部(19)による前記筐体部(20)の撓みを検出したときは、前記保護パネル(115)に加わった圧力を判定する。
【0017】
第10の発明に係るタッチパネル装置(1)は、第9の発明において、前記撓み検出部(19)は、前記筐体部(20)における前記表示部(11)が備えられている面とは対向する面の中央部近傍に設置されている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、タッチパネルに加わる圧力によって、簡易的に水圧等の測定が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施例に係るタッチパネル装置の構成ブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係るタッチパネル装置の外観斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係るタッチパネル装置の表示形態概念図である。
【図4】本発明の第1の実施例に係るタッチパネル装置における断面の概念図である。
【図5】本発明の第1の実施例に係るタッチパネル装置のマルチタッチ用タッチパネルの概念図である。
【図6】本発明の第1の実施例に係るタッチパネル装置の水圧を検出したマルチタッチ用タッチパネルの概念図である。
【図7】本発明の第1の実施例に係るタッチパネル装置の水圧検出時の処理を表したフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施例に係るタッチパネル装置の水圧を検出したときの表示概念図である。
【図9】本発明の第2の実施例に係るタッチパネル装置の構成ブロック図である。
【図10】本発明の第2の実施例に係るタッチパネル装置の水圧検出時の処理を表したフローチャートである。
【図11】本発明の第3の実施例に係るタッチパネル装置の構成ブロック図である。
【図12】本発明の第3の実施例に係るタッチパネル装置の水圧検出時の処理を表したフローチャートである。
【図13】本発明の第4の実施例に係るタッチパネル装置の構成ブロック図である。
【図14】本発明の第4の実施例に係るタッチパネル装置の水圧検出時の処理を表したフローチャートである。
【図15】本発明の第5の実施例に係るタッチパネル装置の構成ブロック図である。
【図16】本発明の第5の実施例に係るタッチパネル装置における断面の概念図である。
【図17】本発明の第5の実施例に係るタッチパネル装置の水圧検出時の処理を表したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の第1の実施例におけるタッチパネル装置1について、図1から図8を参照して説明する。
【0021】
タッチパネル装置1は、主に携帯型の装置であり、例えば携帯型メディア装置、携帯型ナビゲーション装置(PND)、携帯電話、スマートフォン、カメラ等、タッチパネルを用いてユーザが何らかの操作や入力を行う各種装置を対象とし、防水構造を備えている。
【0022】
図1は第1の実施例におけるタッチパネル装置1のブロック図であり、タッチパネル装置1は、制御部10、表示部11、操作部13、撮像部14、出力部15、入力部16、記憶部17、電源部18を備える。
【0023】
制御部10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、DSP(Digital Signal Processor)等を備えて構成され、タッチパネル装置1を構成する各部の制御や、タッチパネル装置1で扱う各種データやファイルの処理を行う。
【0024】
制御部10におけるCPUは、タッチパネル装置1の各部からの操作信号やデータに基づき、ROMに記憶された各種プログラムをRAM上で実行することにより各部の制御を行う。
【0025】
制御部10におけるDSPは、後述する撮像部14及び入力部16より入力される画像データや音声データを圧縮データに変換するエンコード処理、後述する記憶部17に記憶されている各種圧縮データをデコードするデコード処理に加えて、音質補正や画像調整等の各種処理を行う。
【0026】
制御部10は、後述するタッチパネル操作部113や後述する操作部13により受け付けた操作指示、さらにはタッチパネル操作部113へ加えられた押圧範囲に対応する各種処理を行う。
【0027】
制御部10は、制御部10を構成する各要素の処理によって実現される判定部101、表示制御部102を備える。
【0028】
判定部101は、後述するタッチパネル操作部113が所定の範囲に亘って押圧されたときに、その押圧範囲に応じた圧力を判定する。
表示制御部102は、各種データや信号に基づいた内容を、後述する表示素子部111に表示させる制御を行う。
【0029】
表示部11は、例えば液晶表示素子や有機EL(Electro Luminescence)表示素子等からなる表示素子部111およびタッチパネル操作部113に加えて、後述する図4に示すように、表示素子部111およびタッチパネル操作部113を覆う保護パネル115により形成される。
【0030】
表示素子部111は、表示制御部102の制御により、各種情報を表示する。各種情報とは、文字、記号、画像に加えてタッチパネル操作部113の操作位置に対応した後述するメニューアイコン119を含む各種操作や指示のためのアイコン等を表示する。
【0031】
タッチパネル操作部113は、ユーザが表面に触れることによってタッチされた座標を検出することにより検出した座標情報を制御部10へ送信する。またタッチパネル操作部113は、複数個所に対する押圧を検出可能なマルチタッチ形式である。さらにタッチパネル操作部113は、押圧を検出する抵抗膜方式のタッチパネルである。
【0032】
操作部13は、タッチパネル操作部113以外の操作を行う各種手段であり、例えば、押ボタン式や回転式の操作手段を含む。操作部13は、ユーザの操作を受け付け、制御部10の制御により各々対応付けられた処理の実行を指示する。また操作部13は、制御部10によりタッチパネル操作部113による操作が禁止された場合は、タッチパネル操作部113における操作の一部を操作可能とする。
【0033】
撮像部14は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサに加えて対物レンズ等により構成され、対物レンズに入射する映像をデータとして取得する。取得された映像データは、表示制御部102の制御により表示素子部111に表示されたり、制御部10の制御により記憶部17に記憶される。取得される映像データは、静止画であっても動画であってもよい。
【0034】
出力部15は、記憶部17に記憶された各種コンテンツの音声信号や映像信号を、制御部10の制御により出力する。この場合の制御部10の制御は、出力部に対して出力を行う制御に限らず、各種コンテンツのデコード処理、イコライジング処理等を含む。出力部15は、制御部10から出力されるデジタル音声データをアナログ音声信号に変換するDAC(Digital Analog Converter)、DACによりアナログ信号に変換された音声信号を増幅するオペアンプ等の増幅部、増幅部により増幅された音声信号を出力するスピーカやヘッドホン、音声出力端子等を包含してもよい。さらに出力部15は、音声の出力に限らず、映像を出力する出力端子であってもよい。
【0035】
入力部16は、外部からのアナログ音声信号やデジタル音声データ、映像データの入力が可能な入力端子や、タッチパネル装置1に内蔵されるマイクロホン等である。さらに入力部16は、外部から入力されるアナログ音声信号をデジタル音声データに変換するADC(Analog Digital Converter)を包含してもよい。入力部16より入力された各種データは、制御部10の制御により記憶部17に記憶、表示部11への表示、データのエンコード処理等が行われる。
【0036】
入力部16は、可搬型記録媒体等の接続部であってもよく、例えば図示しないメモリカードを接続するメモリカードスロット、USBメモリ、外部HDD(Hard Disk Drive)を接続するUSB端子などである。これらの入力部に接続される各種可搬型記録媒体は、後述する記憶部17として用いてもよい。
【0037】
記憶部17は、音声データや映像データ、テキストデータなど、コンテンツに関する各種データを記憶する。記憶部17は、例えばHDDやフラッシュメモリより構成される。HDDやフラッシュメモリはタッチパネル装置1に内蔵されるが、入力部16としての所定のインターフェースによりタッチパネル装置1に接続される外部のデバイスであってもよい。具体的には、USB(Universal Serial Bus)により接続される外付けHDDやUSBメモリ、所定のメモリカードスロットにより接続されるメモリカードなどである。
【0038】
電源部18は、タッチパネル装置1の各部に電力を供給する、例えば充電式のバッテリである。電源部18から各部への電力の供給は、操作部13の操作や制御部10における処理によりON/OFFやスタンバイ状態等の電力供給状態が制御される。
【0039】
次に、図2に示すタッチパネル装置1の外観斜視図について説明する。図2はタッチパネル装置1の一例として、ポータブル型の装置に適用したときの外観斜視図である。図2の例で示すタッチパネル装置1は、矩形の筐体20を有し、その筐体20の1面に表示部11を備える。
【0040】
表示部11には、表示素子部111に加えてタッチパネル操作部113および保護パネル115が重ねて配置されており、ユーザは表示部11に表示される各種アイコンをタッチすることによって、タッチパネル装置1の操作や各種情報の入力を行う。
【0041】
図2の例で示すタッチパネル装置1の場合、表示部11と同一の面に操作部13が備えられているが、これに限らず他の面に備えられていてもよい。操作部13は、例えばメニュー呼び出しボタンや決定操作ボタン、音量操作ボタン、電源スイッチ等である。
【0042】
タッチパネル装置1は、矩形に限らずどのような形態であってもよいが、表示部11が備えられている面は平面であることが好ましい。
【0043】
次に、タッチパネル装置1における表示部11の表示例について図3により説明する。図3はタッチパネル装置1の表示形態概念図であり、表示部11を構成している表示素子部111に複数のメニューアイコン119が表示されている。
【0044】
メニューアイコン119の例としては、図3に示すように、記憶部17に記憶された楽曲ファイルの再生を行う「Music」アイコン、図示しない通信部等によるWi−Fi(Wireless Fidelity)通信等を利用した「Web」メニュー、記憶部17に記憶された動画ファイルの再生や、撮像部14を用いて動画の記録を行う「Video」メニュー、図示しない放送受信部によりラジオ放送を受信する「Radio」メニュー、記憶部17に記憶された静止画ファイルの再生や、撮像部14を用いて静止画の記録を行う「Photo」メニュー、上述したWi−Fi通信等によりデータの送受信を行う「Mail」メニューがある。
【0045】
メニューアイコン119は、上述したメニューに限らずタッチパネル装置1により動作可能な各種機能をメニューとして備えてもよい。メニューアイコン119のいずれかがタッチされることにより、タッチされたメニューのアプリケーションが起動し、タッチされたメニューに係る機能が利用可能となる。
【0046】
次に、タッチパネル装置1の断面図により、タッチパネル装置1に外部からの圧力が加わった場合の状態を説明する。図4は、タッチパネル装置1における表示部11の断面図であり、図4(a)が、タッチパネル装置1に圧力が加わっていない状態を示し、図4(b)がタッチパネル装置1に圧力が加わっている状態を示す。
【0047】
図4示す断面図は、図2における破線方向の断面を模した図面である。図4において、筐体20はタッチパネル装置1の本体を構成する部材であり、強化プラスチックやアルミニウム等により形成される。
【0048】
さらに、筐体20によって表示素子部111、タッチパネル操作部113および保護パネル115が保持されており、タッチパネル操作部113と保護パネル115の間には隙間114が形成される。
【0049】
保護パネル115は、例えばPET(Polyethylene Terephthalate)等の透明樹脂素材などが用いられ、表示素子部111に表示した情報の外部からの視認性を確保するとともに、圧力を受けて撓むことによりタッチパネル操作部113を押圧可能な素材からなる。さらに保護パネル115は、筐体20とともに防水性能が確保されるように保持されており、保護パネル115と筐体20は図示しない防水テープ等により接着されていてもよい。
【0050】
図4(b)に示すように、タッチパネル装置1が例えば水中にある場合は、水圧Pはタッチパネル装置1の全面に均等に加わり、この圧力Pにより保護パネル115は中心部からタッチパネル操作部113を押圧する。
【0051】
次に、タッチパネル操作部113が抵抗膜式マルチタッチ形式のタッチパネルである場合の構造について図5により説明する。抵抗膜式マルチタッチ形式のタッチパネルは、縦方向および横方向に複数の導電膜を配し、各々の導電膜が向かい合う部分を仮想的に1つの抵抗膜式タッチパネルとすることにより、複数個所のタッチを検出するタッチパネルとしている。図5においては、各々の導電膜が向かい合って形成する各々の抵抗膜式タッチパネルをエリア116として示している。
【0052】
各エリア116においては、1箇所の押圧点の位置を認識できる。図5におけるタッチパネル操作部113においては、一例として9×15のエリアを有するタッチパネルとして示している。
【0053】
上述したようなタッチパネル操作部113を有するタッチパネル装置1に、図4(b)に示すように水圧Pが加圧された場合、印加する水圧Pの大きさに対応して保護パネル115が撓む。このため、保護パネル115の撓み量に対応し、タッチパネル操作部113の所定の範囲におけるエリア116が押圧される。
【0054】
図6により、水圧に応じてエリア116が押圧される範囲の例を説明する。各エリア116は、各々が1つの抵抗膜式タッチパネルを構成しているため、エリア116内において押圧を検出する位置は任意であるが、各エリア116内では1箇所の押圧が検出される。このため、図6においては各エリア116の押圧を検出した位置にかかわらず押圧が検出されているエリア116に対して○印を示し、検出エリア117と定義する。
【0055】
図6(a)の例においては、保護パネル115の撓み量が、タッチパネル操作部113の略中心部を中心とした5箇所が検出エリア117となる撓み量である。同様に図6(b)の例から図6(d)の例まで、保護パネル115の撓み量が大きくなる。このため図6(a)から図6(d)まで順に大きい水圧を保護パネル115が受けていると判断される。
【0056】
図6のように、タッチパネル操作部113の押圧範囲に対応する検出エリア117のパターンは、予め記憶部17や制御部10におけるROMに記憶されていてもよい。判定部101は、予め記憶されている検出エリア117が取りうる押圧範囲のパターンと、タッチパネル操作部113から取得する検出エリア117のパターンとを照合することにより、保護パネル115に加わっている圧力が、保護パネル115に均一に加わっている圧力であるか、つまり水圧による圧力であるかを判定するとともに、パターンに対応付けられた水圧を判定する。
【0057】
次に、本発明のタッチパネル装置1が、上述したような動作によって水圧を検出したときの動作例を図7および図8に基づき説明する。図7はタッチパネル装置1の動作処理の例を表したフローチャートであり、図8はタッチパネル装置1の表示部11における表示例である。
【0058】
図7において先ず、制御部10はタッチパネル操作部113からの出力を取得し、タッチパネル操作部113に対する所定範囲の押圧が検出されたか否かを判定部101に判断させる(ステップS10)。このとき制御部10は判定部101に逐次タッチパネル操作部113からの出力に対して検出エリア117が取りうる所定の押圧範囲のパターンを照合させる。
【0059】
ステップS10において、タッチパネル操作部113に対する所定範囲の押圧が検出されていない場合(ステップS10:No)、制御部10はステップS10を繰り返し実行する。ステップS10において、タッチパネル操作部113に対する所定範囲の押圧が検出されたと判定された場合(ステップS10:Yes)、制御部10はタッチパネル操作部113に対する、タッチパネル装置1の操作を目的とした操作入力の受付を禁止する(ステップS11)。
【0060】
ステップS11は具体的には、制御部10は検出した押圧に対して、予め記憶されている検出エリア117のパターンとの判定部101による判定を目的とした入力受付以外の受付処理を行わないようにする。このときは、例えば表示素子部111に何らかの機能を操作する操作アイコンやメニューアイコン119が表示されていても、ユーザがそれらのアイコンをタッチしてもタッチされたアイコンに係る動作が行われないようにする。
【0061】
次に、制御部10は表示制御部102によりタッチパネル操作部113の押圧パターンに対応する圧力に基づいた数値等を文字表示118として表示部11に表示させる(ステップS12)。例えば、保護パネル115が受ける圧力が水圧である場合を想定し、記憶部17または制御部10のROMに予め検出エリア117の押圧パターンに対応する水深の値が記憶されている。表示制御部102は、照合した検出エリア117のパターンに応じて、対応する水深の値を表示させる。
【0062】
ステップS12における文字表示118は、水深の値に限らず、水圧の値であってもよい。文字表示118として表示する水深や水圧は、厳密な水深や水圧を判断することは困難であるため、概略値の表示や、文字による表示ではなく図形による表示などであってもよい。
【0063】
図8には、一例として図6(a)から図6(d)に示した検出エリア117の押圧パターンに対応した水深を表示した例を示す。例えば、検出された検出エリア117のパターンが図6(a)のパターンであった場合、保護パネル115が約50cmの水深時に加わる圧力による撓み量による押圧であるため、図8(a)に示すように表示素子部111には文字表示118として「現在の水深 約50cm」と表示させる。この表示は水深の情報のみを表示してもよく、例えば撮像部14より取得した画像やアイコン表示画像に重ねて水深の情報を表示してもよい。
【0064】
ステップS12により水深が表示された後または表示されている間、判定部101は逐次タッチパネル操作部113からの出力と検出エリア117のパターンの照合を行っており、押圧範囲が変化したか否かを判断する(ステップS13)。
【0065】
ステップS13において、押圧範囲に変化が無いと判断された場合は(ステップS13:No)、本処理を終了する。また、処理を終了せずにステップS12による表示された値の表示を継続させてもよい。ステップS13において、押圧範囲に変化があったと判断された場合は(ステップS13:Yes)、ステップS12を実行し、変化後の押圧範囲に基づく水深を表示させる。
【0066】
押圧範囲の変化の例として、図6(b)から図6(d)の検出エリア117の押圧パターンが検出された場合、各々の押圧パターンに対応した水深を文字表示118として図8(b)から図8(d)のように表示する。
【0067】
これにより、タッチパネル装置1を、例えば水中で使用したときや誤って水中に没したときなどに、ユーザは現在の水深を概算ではあるが知ることができる。また、ユーザが表示の消去を行うまでの期間、ステップS12によって表示される水深の最大値の表示を継続することにより、タッチパネル装置1が水中において置かれた状況を知ることができる。
【0068】
また、制御部10は予め記憶されている検出エリア117のパターンの各々に対して押圧されている時間を計測または記憶してもよい。これにより、最大水圧を受けた時間や、沈降または浮上速度を知ることも可能となる。
【0069】
本発明の第1の実施例に係るタッチパネル装置1の利用形態としては、例えば撮像部14を用いてユーザが水中で動画または静止画の撮影を行っているときに、逐次水深を表示してもよく、また水深の数値を撮影データと共に保存してもよい。この場合の撮影操作はタッチパネル操作部113による操作ではなく、操作部13を用いる。
【0070】
また、ステップS11においてタッチパネル操作部113の操作入力が禁止されたとき、例えば禁止前にタッチパネル操作部113を用いて操作していたコマンドを、操作部13に割り当てる処理を行ってもよい。具体的には、撮像操作など水中においても利用する可能性のあるコマンドが対象となる。
【0071】
次に、本発明のタッチパネル装置1における第2の実施例について図9および図10に基づき説明する。図9は第2の実施例におけるタッチパネル装置1のブロック図であり、図1に示した第1の実施例と同一の構成要素には同一の符号を付与し説明を省略する。
【0072】
図9において、制御部10は、制御部10を構成する各要素の処理によって実現されるファイル制御部104、電源制御部105を備える。
【0073】
ファイル制御部104は、記憶部17に記憶されている各種ファイルの読み出しや書き込み、入力部15や撮像部14から入力され生成される各種ファイルの記憶等の制御を行う。
電源制御部105は、電源部18のON/OFFやスタンバイ状態とするなどの制御を行う。
【0074】
図10は、第2の実施例におけるタッチパネル装置1の動作処理の例を表したフローチャートであり、図7に示した第1の実施例と同一の処理には同一の符号を付与し説明を省略する。
【0075】
図10において、制御部10は、ステップS13において押圧範囲が変化したと判断した場合(ステップS13:Yes)、押圧範囲が所定の範囲以上であるか否かを判断する(ステップS20)。具体的な例としては、タッチパネル装置1の防水機能が水深10mまで保証されている場合に、検出エリア117のパターンが図7(d)に示すパターンより大きい範囲が押圧された場合などである。
【0076】
ステップS20において、押圧範囲が所定以上であると判断された場合は(ステップS20:Yes)、浸水等によってタッチパネル装置1が破損することを防止するために、制御部10はファイル制御部104に、もし動作中のファイルがある場合はそのファイルを保存する処理を行わせる。ファイル制御部104によってファイルの保存に加えてファイルを動作させているアプリケーションの動作を終了させてもよい。また、制御部10は電源制御部105に、タッチパネル装置1の電源を切る処理を行わせる(ステップS21)。
【0077】
ステップS20において、押圧範囲が所定以上ではないと判断された場合は(ステップS20:No)、ステップS12を実行し、変化後の押圧範囲に基づく水深を表示させる。
【0078】
これにより、タッチパネル装置1が保証されている水深を超えて使用された場合、またはそのような水深に誤って置かれた場合の、データや回路の破損を最小限にとどめることができる。
【0079】
次に、本発明のタッチパネル装置1における第3の実施例について図11および図12に基づき説明する。図11は第3の実施例におけるタッチパネル装置1のブロック図であり、図1に示した第1の実施例と同一の構成要素には同一の符号を付与し説明を省略する。
【0080】
図11において、制御部10は、制御部10を構成する各要素の処理によって実現される画質制御部106を備える。
【0081】
画質制御部106は、記憶部17に記憶されている静止画や動画等を表示素子部111に出力する際に、適切な画質を表示するように制御する。また、撮像部14により取得した静止画または動画等を適切な画質となるよう制御する。画質制御部106による画質の調整等は、制御部10が備えるDSP等の処理により行われる。
【0082】
図12は、第3の実施例におけるタッチパネル装置1の動作処理の例を表したフローチャートであり、図7に示した第1の実施例と同一の処理には同一の符号を付与し説明を省略する。
【0083】
図12において、制御部10は、ステップS11においてタッチパネル操作部113による操作入力を禁止した後、操作部13による撮像操作が行われたか否か、または撮影中であるか否かを判断する(ステップS30)。ここでいう撮像操作とは、静止画撮影の操作や動画撮影開始の操作であり、撮影中とはステップS10の検出以前から撮影が継続して行われているか否かである。
【0084】
ステップS30において、撮像操作が行われたまたは撮影中であると判断された場合は(ステップS30:Yes)、制御部10は画質制御部106により、撮像された静止画または動画に対して、タッチパネル操作部113の押圧パターンによって求められる水深に応じて画質の調整を行う(ステップS31)。画質の調整は、制御部10が備えるDSP等により行う。具体的には、水深が深くなるにつれて赤色光が減少するなど、大気中とは異なる色調となる。このため水深に応じた色温度やホワイトバランスの補正値を予め記憶し、その補正値に基づき補正する。
【0085】
ステップS30において、撮像操作が行われていない、または撮影中ではないと判断された場合は(ステップS30:No)、ステップS13の処理を行う。
【0086】
このように、静止画または動画の撮影が可能なタッチパネル装置1において、容易に水深に合った画質の補正を行うことが可能となる。
【0087】
次に、本発明のタッチパネル装置1における第4の実施例について図13および図14に基づき説明する。図13は第4の実施例におけるタッチパネル装置1のブロック図であり、図1に示した第1の実施例と同一の構成要素には同一の符号を付与し説明を省略する。
【0088】
図13において、制御部10は、制御部10を構成する各要素の処理によって実現される発光制御部103を備える。また、表示素子部111が液晶表示装置である場合、バックライト112を備える。
【0089】
発光制御部103は、表示素子部111が備えるバックライト112の発光レベルや発光パターンの制御を行う。
【0090】
図14は、第4の実施例におけるタッチパネル装置1の動作処理の例を表したフローチャートであり、図7に示した第1の実施例と同一の処理には同一の符号を付与し説明を省略する。
【0091】
図14において、制御部10は、ステップS11においてタッチパネル操作部113による操作入力を禁止した後、タッチパネル操作部113の押圧パターンによって求められる水深に応じて、表示素子部111が備えるバックライト112の点灯や輝度を発光制御部103により制御させる。また、表示素子部111の表示色や表示形状等を表示制御部102により制御させる(ステップS40)。
【0092】
具体的には、所定の水深に対応させて、バックライト112の点滅を行い、また所定の水深に対応させて表示素子部111の表示色や表示パターンを変更する。これにより、ユーザがタッチパネル装置1を誤って水没させてしまったとき、水深によってはタッチパネル装置1を見失ってしまう可能性を減少させる。バックライト112の輝度は、水深の値が大きくなるにつれて輝度を上げることが効果的である。また、表示素子部111の表示色としては水による光の吸収を考慮し、水深の値が大きくなるにつれて波長の長い色調とすることが好ましい。また、視認性を向上させるために、バックライト112の点滅や、表示色の毎秒2回から3回程度の変化、表示パターンの移動や回転等表示パターンの変更であってもよい。
【0093】
ステップS40の処理は、表示素子部111がバックライト112を有さない例えば有機EL表示素子によるものである場合には発光強度の制御であり、発光制御部103はバックライト112の制御ではなく、表示素子部111の制御となる。
【0094】
次に、本発明のタッチパネル装置1における第5の実施例について図15から図17に基づき説明する。図15は第5の実施例におけるタッチパネル装置1のブロック図であり、図1に示した第1の実施例と同一の構成要素には同一の符号を付与し説明を省略する。
【0095】
図15において、タッチパネル装置1、筐体20の撓みを検出する撓み検出部19を備える。撓み検出部19は、例えば水圧等によって筐体20の所定箇所が撓んでいることを、筐体20の撓みによる導通や静電容量の変化等によって検出する。
【0096】
図16は、第5の実施例におけるタッチパネル装置1の断面を模した図であり、図16(a)が、タッチパネル装置1に圧力が加わっていない状態を示し、図16(b)はタッチパネル装置1に圧力が加わっている状態を示す。
【0097】
図16に示す断面図は、図2における破線方向の断面を模した図であり、筐体20における表示部11と対向する面の内側に、撓み検出部19を構成する基板191、基板側電極192、筐体側電極193が備えられる。
【0098】
基板191は、タッチパネル装置1の各種回路を形成するプリント基板や、撓み検出部19を構成するための専用の基板であってもよく、筐体20における表示部11と対向する面に所定の間隔を空けて配置される。
【0099】
図16(a)に示すように、タッチパネル装置1に圧力が加わっていない場合は、基板側電極192と筐体側電極193は接触していないため、制御部10はタッチパネル装置1に圧力が加わっていない、若しくは所定以上の圧力が加わっていないと判断することができる。
【0100】
図16(b)に示すように、タッチパネル装置1に圧力が加わっている場合は、加わった圧力によって筐体20が撓むことによって、基板側電極192と筐体側電極193が接触する。このため制御部10はタッチパネル装置1に圧力が加わった、若しくは所定以上の圧力が加わったと判断することができる。
【0101】
図16(b)においては、加わっている圧力は水圧Pであるため、筐体20の全方向に均等に圧力が加わるが、本実施例においてタッチパネル装置1は図2に示すように矩形の筐体20を備えているため、表示部11を備えている面および表示部11と対向する面が水圧Pにより撓みやすく、他の面の撓みは小さいか無視できる程度であるため、図16(b)においては記載していない。
【0102】
また、撓み検出部19は、上述した形態に限らず、基板側電極192と筐体側電極193との間の静電容量を制御部10により検出するものや、筐体20の撓みによる変位を検出するセンサ等によるものであってもよい。
【0103】
図17は、第5の実施例におけるタッチパネル装置1の動作処理の例を表したフローチャートであり、図7に示した第1の実施例と同一の処理には同一の符号を付与し説明を省略する。
【0104】
図17において、制御部10は、ステップS10においてタッチパネル操作部113に対して所定範囲の押圧が検出されたと判定された場合(ステップS10:Yes)、撓み検出部19によって筐体20の他の面の撓みが検出されたか否かを判断する(ステップS50)。
【0105】
ステップS50において、撓み検出部19により筐体20の撓みが検出されていないと判断された場合は(ステップS50:No)、本処理を終了する。タッチパネル操作部113において所定の範囲が押圧されているにもかかわらず、撓み検出部19により筐体20の撓みが検出されていない状態とは、水圧Pによる均等な圧力ではないためである。
【0106】
ステップS50において、撓み検出部19により筐体20の撓みが検出されたと判断された場合は(ステップS50:Yes)、制御部10はタッチパネル操作部113に対する、タッチパネル装置1の操作を目的とした操作入力の受付を禁止させる(ステップS11)。ステップS11の処理後は、図17においてはステップS12としてタッチパネル操作部113の押圧パターンに対応する圧力に基づいた数値等を表示部11に表示させる例としたが、ステップS12の処理に限らず、上述した第2から第4の実施例として説明した処理であってもよい。
【0107】
このような処理によって、タッチパネル装置1は水圧Pによって筐体20に均等に圧力が加わったときのみ、水深等の表示や水深に応じた各種処理を行うことができる。
【0108】
上述した本発明のタッチパネル装置1においては、従来半導体センサ等によって実現されていた水圧の検出を、専用のセンサを用いずにタッチパネル操作部113を用いることによって、コストの削減および装置の小型化を可能とする。さらには装置の筐体外部で水圧を検出する水圧センサからの信号を筐体内部の制御部10に導入するための、筐体を貫通する構造を無くすことができるため、装置の防水性の向上が可能となる。
【0109】
本発明の実施の形態は、その要旨を逸脱しない限り、様々に変更可能である。例えばタッチパネル操作部113は、マルチタッチ可能な抵抗膜式として説明したが、これに限らず押圧範囲を検出することが可能なタッチパネルであればどのような形式でも良い。
【0110】
また、タッチパネル装置1の水中での利用目的によっては、図9に示した水深より浅い水深における精度が必要となることがある。このためには、保護パネル115の材質を、PET等より柔軟性のある素材としてもよく、さらには保護パネル115の厚さを調整してもよい。また、保護パネル115の押圧により確実にタッチパネル操作部113が押圧されるように、保護パネル115におけるタッチパネル操作部113側の面に、エリア116に対応した凸形状を設けてもよい。
【符号の説明】
【0111】
1:タッチパネル装置、10:制御部、101:判定部、102:表示制御部、103:発光制御部、104:ファイル制御部、105:電源制御部、106:画質制御部、11:表示部、111:表示素子部、112:バックライト、113:タッチパネル操作部、13:操作部、14:撮像部、15:出力部、16:入力部、17:記憶部、18:電源部、19:撓み検出部、20:筐体部
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルに加わる圧力によって、簡易的に水圧等を測定可能なタッチパネル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ポータブルメディアプレーヤや携帯電話等の小型装置において、表示部にタッチパネルを用いた装置が普及している。このような装置は、例えばGPS(Global Positioning System)を有していたり、地図情報を用いたナビゲーション機能を有している場合もあり、戸外での利用機会が増えている。また、PND(Portable Navigation Device)も普及しており、自動車の車内に限らず徒歩での利用も考慮されている。さらには、これらの装置において防水構造となっている装置も増えている。
【0003】
従来、水中で利用する装置において水中の深度を測定する場合は、高価な水圧センサを用いる必要があった。また、水圧センサは装置を構成する筐体の外部に露出している必要があるため、水圧センサからの配線を装置内部へ引き込む箇所の防水構造が複雑となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−55077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
水中で利用する装置において水圧センサを用いると、装置が高価になり、さらには水圧センサを装着するために防水構造が複雑化してしまう。
【0006】
特許文献1の技術は、水圧センサを用いて検出した水深情報によりホワイトバランス補正を行う撮像装置が開示されている。
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、高価な水圧センサを用いることなく、タッチパネルに加わる圧力によって簡易的に水圧等を測定可能なタッチパネル装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第1の発明に係るタッチパネル装置(1)は、
装置の外装を形成する筐体部(20)、前記筐体部(20)の表面に備えられ、押圧された範囲を検出するタッチパネル操作部(113)、前記タッチパネル操作部(113)に重ねて配置され各種情報を表示する表示素子部(111)および前記タッチパネル操作部と前記表示素子部(111)を覆うとともに外部からの圧力に対して撓むことにより前記タッチパネル操作部の所定範囲を押圧する保護パネル(115)、を備える表示部(11)、前記タッチパネル操作部(113)が前記保護パネル(115)により押圧されることにより所定範囲の押圧が検出された場合、検出された押圧範囲に応じて、前記保護パネル(115)に加わった圧力を判定する判定部(101)、を備えることを特徴とする。
【0009】
第2の発明に係るタッチパネル装置(1)は、第1の発明において、前記タッチパネル操作部(113)は、複数の押圧位置を検出可能であり、前記複数の押圧位置を検出することによって、所定範囲の押圧を検出する。
【0010】
第3の発明に係るタッチパネル装置(1)は、第1または第2の発明において、 前記保護パネル(115)は、前記圧力に対して撓む素材であるとともに、前記タッチパネル操作部(113)および前記表示素子部(111)に対する防水性を確保する構造である。
【0011】
第4の発明に係るタッチパネル装置(1)は、第1から第3のいずれか1の発明において、前記表示素子部(111)に表示する表示内容を制御する表示制御部(102)をさらに備え、前記表示制御部(102)は、前記判定部(101)により判定した圧力に応じて前記圧力に関する情報を前記表示素子部(111)に表示させる。
【0012】
第5の発明に係るタッチパネル装置(1)は、第1から第3のいずれか1の発明において、前記表示素子部(111)の発光パターンを制御する発光制御部(103)をさらに備え、前記発光制御部(103)は、前記判定部(101)により判定した圧力に応じて前記表示素子部(111)の発光パターンを変化させる。
【0013】
第6の発明に係るタッチパネル装置(1)は、第1から第5のいずれか1の発明において、前記タッチパネル装置(1)で動作するファイルの操作を制御するファイル制御部(104)をさらに備え、前記ファイル制御部(104)は、前記判定部(101)により判定した圧力が所定以上の圧力であると判定した場合は、動作中のファイルの保存を行う。
【0014】
第7の発明に係るタッチパネル装置(1)は、第1から第6のいずれか1の発明において、前記タッチパネル装置(1)の電源を制御する電源制御部(105)をさらに備え、前記電源制御部(105)は、前記判定部(101)により判定した圧力が所定以上の圧力であると判定した場合は、電源オフ処理を行う。
【0015】
第8の発明に係るタッチパネル装置(1)は、第1から第7のいずれか1の発明において、静止画または動画の撮影を行う撮像部(14)と、前記撮像部(14)により撮影した静止画または動画の画質を制御する画質制御部(106)とをさらに備え、前記画質制御部(106)は、前記撮像部(14)により撮影した静止画または動画のデータに対して、前記判定部(101)により判定した圧力に対応する圧力に基づく画質調整を行う。
【0016】
第9の発明に係るタッチパネル装置(1)は、第1から第8のいずれか1の発明において、前記筐体部(20)における前記表示部(11)が備えられている面とは異なる面の撓みを検出する撓み検出部(19)をさらに備え、前記判定部(101)は、前記保護パネル(115)に対する所定範囲の押圧の検出に加えて、前記撓み検出部(19)による前記筐体部(20)の撓みを検出したときは、前記保護パネル(115)に加わった圧力を判定する。
【0017】
第10の発明に係るタッチパネル装置(1)は、第9の発明において、前記撓み検出部(19)は、前記筐体部(20)における前記表示部(11)が備えられている面とは対向する面の中央部近傍に設置されている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、タッチパネルに加わる圧力によって、簡易的に水圧等の測定が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施例に係るタッチパネル装置の構成ブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係るタッチパネル装置の外観斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係るタッチパネル装置の表示形態概念図である。
【図4】本発明の第1の実施例に係るタッチパネル装置における断面の概念図である。
【図5】本発明の第1の実施例に係るタッチパネル装置のマルチタッチ用タッチパネルの概念図である。
【図6】本発明の第1の実施例に係るタッチパネル装置の水圧を検出したマルチタッチ用タッチパネルの概念図である。
【図7】本発明の第1の実施例に係るタッチパネル装置の水圧検出時の処理を表したフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施例に係るタッチパネル装置の水圧を検出したときの表示概念図である。
【図9】本発明の第2の実施例に係るタッチパネル装置の構成ブロック図である。
【図10】本発明の第2の実施例に係るタッチパネル装置の水圧検出時の処理を表したフローチャートである。
【図11】本発明の第3の実施例に係るタッチパネル装置の構成ブロック図である。
【図12】本発明の第3の実施例に係るタッチパネル装置の水圧検出時の処理を表したフローチャートである。
【図13】本発明の第4の実施例に係るタッチパネル装置の構成ブロック図である。
【図14】本発明の第4の実施例に係るタッチパネル装置の水圧検出時の処理を表したフローチャートである。
【図15】本発明の第5の実施例に係るタッチパネル装置の構成ブロック図である。
【図16】本発明の第5の実施例に係るタッチパネル装置における断面の概念図である。
【図17】本発明の第5の実施例に係るタッチパネル装置の水圧検出時の処理を表したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の第1の実施例におけるタッチパネル装置1について、図1から図8を参照して説明する。
【0021】
タッチパネル装置1は、主に携帯型の装置であり、例えば携帯型メディア装置、携帯型ナビゲーション装置(PND)、携帯電話、スマートフォン、カメラ等、タッチパネルを用いてユーザが何らかの操作や入力を行う各種装置を対象とし、防水構造を備えている。
【0022】
図1は第1の実施例におけるタッチパネル装置1のブロック図であり、タッチパネル装置1は、制御部10、表示部11、操作部13、撮像部14、出力部15、入力部16、記憶部17、電源部18を備える。
【0023】
制御部10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、DSP(Digital Signal Processor)等を備えて構成され、タッチパネル装置1を構成する各部の制御や、タッチパネル装置1で扱う各種データやファイルの処理を行う。
【0024】
制御部10におけるCPUは、タッチパネル装置1の各部からの操作信号やデータに基づき、ROMに記憶された各種プログラムをRAM上で実行することにより各部の制御を行う。
【0025】
制御部10におけるDSPは、後述する撮像部14及び入力部16より入力される画像データや音声データを圧縮データに変換するエンコード処理、後述する記憶部17に記憶されている各種圧縮データをデコードするデコード処理に加えて、音質補正や画像調整等の各種処理を行う。
【0026】
制御部10は、後述するタッチパネル操作部113や後述する操作部13により受け付けた操作指示、さらにはタッチパネル操作部113へ加えられた押圧範囲に対応する各種処理を行う。
【0027】
制御部10は、制御部10を構成する各要素の処理によって実現される判定部101、表示制御部102を備える。
【0028】
判定部101は、後述するタッチパネル操作部113が所定の範囲に亘って押圧されたときに、その押圧範囲に応じた圧力を判定する。
表示制御部102は、各種データや信号に基づいた内容を、後述する表示素子部111に表示させる制御を行う。
【0029】
表示部11は、例えば液晶表示素子や有機EL(Electro Luminescence)表示素子等からなる表示素子部111およびタッチパネル操作部113に加えて、後述する図4に示すように、表示素子部111およびタッチパネル操作部113を覆う保護パネル115により形成される。
【0030】
表示素子部111は、表示制御部102の制御により、各種情報を表示する。各種情報とは、文字、記号、画像に加えてタッチパネル操作部113の操作位置に対応した後述するメニューアイコン119を含む各種操作や指示のためのアイコン等を表示する。
【0031】
タッチパネル操作部113は、ユーザが表面に触れることによってタッチされた座標を検出することにより検出した座標情報を制御部10へ送信する。またタッチパネル操作部113は、複数個所に対する押圧を検出可能なマルチタッチ形式である。さらにタッチパネル操作部113は、押圧を検出する抵抗膜方式のタッチパネルである。
【0032】
操作部13は、タッチパネル操作部113以外の操作を行う各種手段であり、例えば、押ボタン式や回転式の操作手段を含む。操作部13は、ユーザの操作を受け付け、制御部10の制御により各々対応付けられた処理の実行を指示する。また操作部13は、制御部10によりタッチパネル操作部113による操作が禁止された場合は、タッチパネル操作部113における操作の一部を操作可能とする。
【0033】
撮像部14は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサに加えて対物レンズ等により構成され、対物レンズに入射する映像をデータとして取得する。取得された映像データは、表示制御部102の制御により表示素子部111に表示されたり、制御部10の制御により記憶部17に記憶される。取得される映像データは、静止画であっても動画であってもよい。
【0034】
出力部15は、記憶部17に記憶された各種コンテンツの音声信号や映像信号を、制御部10の制御により出力する。この場合の制御部10の制御は、出力部に対して出力を行う制御に限らず、各種コンテンツのデコード処理、イコライジング処理等を含む。出力部15は、制御部10から出力されるデジタル音声データをアナログ音声信号に変換するDAC(Digital Analog Converter)、DACによりアナログ信号に変換された音声信号を増幅するオペアンプ等の増幅部、増幅部により増幅された音声信号を出力するスピーカやヘッドホン、音声出力端子等を包含してもよい。さらに出力部15は、音声の出力に限らず、映像を出力する出力端子であってもよい。
【0035】
入力部16は、外部からのアナログ音声信号やデジタル音声データ、映像データの入力が可能な入力端子や、タッチパネル装置1に内蔵されるマイクロホン等である。さらに入力部16は、外部から入力されるアナログ音声信号をデジタル音声データに変換するADC(Analog Digital Converter)を包含してもよい。入力部16より入力された各種データは、制御部10の制御により記憶部17に記憶、表示部11への表示、データのエンコード処理等が行われる。
【0036】
入力部16は、可搬型記録媒体等の接続部であってもよく、例えば図示しないメモリカードを接続するメモリカードスロット、USBメモリ、外部HDD(Hard Disk Drive)を接続するUSB端子などである。これらの入力部に接続される各種可搬型記録媒体は、後述する記憶部17として用いてもよい。
【0037】
記憶部17は、音声データや映像データ、テキストデータなど、コンテンツに関する各種データを記憶する。記憶部17は、例えばHDDやフラッシュメモリより構成される。HDDやフラッシュメモリはタッチパネル装置1に内蔵されるが、入力部16としての所定のインターフェースによりタッチパネル装置1に接続される外部のデバイスであってもよい。具体的には、USB(Universal Serial Bus)により接続される外付けHDDやUSBメモリ、所定のメモリカードスロットにより接続されるメモリカードなどである。
【0038】
電源部18は、タッチパネル装置1の各部に電力を供給する、例えば充電式のバッテリである。電源部18から各部への電力の供給は、操作部13の操作や制御部10における処理によりON/OFFやスタンバイ状態等の電力供給状態が制御される。
【0039】
次に、図2に示すタッチパネル装置1の外観斜視図について説明する。図2はタッチパネル装置1の一例として、ポータブル型の装置に適用したときの外観斜視図である。図2の例で示すタッチパネル装置1は、矩形の筐体20を有し、その筐体20の1面に表示部11を備える。
【0040】
表示部11には、表示素子部111に加えてタッチパネル操作部113および保護パネル115が重ねて配置されており、ユーザは表示部11に表示される各種アイコンをタッチすることによって、タッチパネル装置1の操作や各種情報の入力を行う。
【0041】
図2の例で示すタッチパネル装置1の場合、表示部11と同一の面に操作部13が備えられているが、これに限らず他の面に備えられていてもよい。操作部13は、例えばメニュー呼び出しボタンや決定操作ボタン、音量操作ボタン、電源スイッチ等である。
【0042】
タッチパネル装置1は、矩形に限らずどのような形態であってもよいが、表示部11が備えられている面は平面であることが好ましい。
【0043】
次に、タッチパネル装置1における表示部11の表示例について図3により説明する。図3はタッチパネル装置1の表示形態概念図であり、表示部11を構成している表示素子部111に複数のメニューアイコン119が表示されている。
【0044】
メニューアイコン119の例としては、図3に示すように、記憶部17に記憶された楽曲ファイルの再生を行う「Music」アイコン、図示しない通信部等によるWi−Fi(Wireless Fidelity)通信等を利用した「Web」メニュー、記憶部17に記憶された動画ファイルの再生や、撮像部14を用いて動画の記録を行う「Video」メニュー、図示しない放送受信部によりラジオ放送を受信する「Radio」メニュー、記憶部17に記憶された静止画ファイルの再生や、撮像部14を用いて静止画の記録を行う「Photo」メニュー、上述したWi−Fi通信等によりデータの送受信を行う「Mail」メニューがある。
【0045】
メニューアイコン119は、上述したメニューに限らずタッチパネル装置1により動作可能な各種機能をメニューとして備えてもよい。メニューアイコン119のいずれかがタッチされることにより、タッチされたメニューのアプリケーションが起動し、タッチされたメニューに係る機能が利用可能となる。
【0046】
次に、タッチパネル装置1の断面図により、タッチパネル装置1に外部からの圧力が加わった場合の状態を説明する。図4は、タッチパネル装置1における表示部11の断面図であり、図4(a)が、タッチパネル装置1に圧力が加わっていない状態を示し、図4(b)がタッチパネル装置1に圧力が加わっている状態を示す。
【0047】
図4示す断面図は、図2における破線方向の断面を模した図面である。図4において、筐体20はタッチパネル装置1の本体を構成する部材であり、強化プラスチックやアルミニウム等により形成される。
【0048】
さらに、筐体20によって表示素子部111、タッチパネル操作部113および保護パネル115が保持されており、タッチパネル操作部113と保護パネル115の間には隙間114が形成される。
【0049】
保護パネル115は、例えばPET(Polyethylene Terephthalate)等の透明樹脂素材などが用いられ、表示素子部111に表示した情報の外部からの視認性を確保するとともに、圧力を受けて撓むことによりタッチパネル操作部113を押圧可能な素材からなる。さらに保護パネル115は、筐体20とともに防水性能が確保されるように保持されており、保護パネル115と筐体20は図示しない防水テープ等により接着されていてもよい。
【0050】
図4(b)に示すように、タッチパネル装置1が例えば水中にある場合は、水圧Pはタッチパネル装置1の全面に均等に加わり、この圧力Pにより保護パネル115は中心部からタッチパネル操作部113を押圧する。
【0051】
次に、タッチパネル操作部113が抵抗膜式マルチタッチ形式のタッチパネルである場合の構造について図5により説明する。抵抗膜式マルチタッチ形式のタッチパネルは、縦方向および横方向に複数の導電膜を配し、各々の導電膜が向かい合う部分を仮想的に1つの抵抗膜式タッチパネルとすることにより、複数個所のタッチを検出するタッチパネルとしている。図5においては、各々の導電膜が向かい合って形成する各々の抵抗膜式タッチパネルをエリア116として示している。
【0052】
各エリア116においては、1箇所の押圧点の位置を認識できる。図5におけるタッチパネル操作部113においては、一例として9×15のエリアを有するタッチパネルとして示している。
【0053】
上述したようなタッチパネル操作部113を有するタッチパネル装置1に、図4(b)に示すように水圧Pが加圧された場合、印加する水圧Pの大きさに対応して保護パネル115が撓む。このため、保護パネル115の撓み量に対応し、タッチパネル操作部113の所定の範囲におけるエリア116が押圧される。
【0054】
図6により、水圧に応じてエリア116が押圧される範囲の例を説明する。各エリア116は、各々が1つの抵抗膜式タッチパネルを構成しているため、エリア116内において押圧を検出する位置は任意であるが、各エリア116内では1箇所の押圧が検出される。このため、図6においては各エリア116の押圧を検出した位置にかかわらず押圧が検出されているエリア116に対して○印を示し、検出エリア117と定義する。
【0055】
図6(a)の例においては、保護パネル115の撓み量が、タッチパネル操作部113の略中心部を中心とした5箇所が検出エリア117となる撓み量である。同様に図6(b)の例から図6(d)の例まで、保護パネル115の撓み量が大きくなる。このため図6(a)から図6(d)まで順に大きい水圧を保護パネル115が受けていると判断される。
【0056】
図6のように、タッチパネル操作部113の押圧範囲に対応する検出エリア117のパターンは、予め記憶部17や制御部10におけるROMに記憶されていてもよい。判定部101は、予め記憶されている検出エリア117が取りうる押圧範囲のパターンと、タッチパネル操作部113から取得する検出エリア117のパターンとを照合することにより、保護パネル115に加わっている圧力が、保護パネル115に均一に加わっている圧力であるか、つまり水圧による圧力であるかを判定するとともに、パターンに対応付けられた水圧を判定する。
【0057】
次に、本発明のタッチパネル装置1が、上述したような動作によって水圧を検出したときの動作例を図7および図8に基づき説明する。図7はタッチパネル装置1の動作処理の例を表したフローチャートであり、図8はタッチパネル装置1の表示部11における表示例である。
【0058】
図7において先ず、制御部10はタッチパネル操作部113からの出力を取得し、タッチパネル操作部113に対する所定範囲の押圧が検出されたか否かを判定部101に判断させる(ステップS10)。このとき制御部10は判定部101に逐次タッチパネル操作部113からの出力に対して検出エリア117が取りうる所定の押圧範囲のパターンを照合させる。
【0059】
ステップS10において、タッチパネル操作部113に対する所定範囲の押圧が検出されていない場合(ステップS10:No)、制御部10はステップS10を繰り返し実行する。ステップS10において、タッチパネル操作部113に対する所定範囲の押圧が検出されたと判定された場合(ステップS10:Yes)、制御部10はタッチパネル操作部113に対する、タッチパネル装置1の操作を目的とした操作入力の受付を禁止する(ステップS11)。
【0060】
ステップS11は具体的には、制御部10は検出した押圧に対して、予め記憶されている検出エリア117のパターンとの判定部101による判定を目的とした入力受付以外の受付処理を行わないようにする。このときは、例えば表示素子部111に何らかの機能を操作する操作アイコンやメニューアイコン119が表示されていても、ユーザがそれらのアイコンをタッチしてもタッチされたアイコンに係る動作が行われないようにする。
【0061】
次に、制御部10は表示制御部102によりタッチパネル操作部113の押圧パターンに対応する圧力に基づいた数値等を文字表示118として表示部11に表示させる(ステップS12)。例えば、保護パネル115が受ける圧力が水圧である場合を想定し、記憶部17または制御部10のROMに予め検出エリア117の押圧パターンに対応する水深の値が記憶されている。表示制御部102は、照合した検出エリア117のパターンに応じて、対応する水深の値を表示させる。
【0062】
ステップS12における文字表示118は、水深の値に限らず、水圧の値であってもよい。文字表示118として表示する水深や水圧は、厳密な水深や水圧を判断することは困難であるため、概略値の表示や、文字による表示ではなく図形による表示などであってもよい。
【0063】
図8には、一例として図6(a)から図6(d)に示した検出エリア117の押圧パターンに対応した水深を表示した例を示す。例えば、検出された検出エリア117のパターンが図6(a)のパターンであった場合、保護パネル115が約50cmの水深時に加わる圧力による撓み量による押圧であるため、図8(a)に示すように表示素子部111には文字表示118として「現在の水深 約50cm」と表示させる。この表示は水深の情報のみを表示してもよく、例えば撮像部14より取得した画像やアイコン表示画像に重ねて水深の情報を表示してもよい。
【0064】
ステップS12により水深が表示された後または表示されている間、判定部101は逐次タッチパネル操作部113からの出力と検出エリア117のパターンの照合を行っており、押圧範囲が変化したか否かを判断する(ステップS13)。
【0065】
ステップS13において、押圧範囲に変化が無いと判断された場合は(ステップS13:No)、本処理を終了する。また、処理を終了せずにステップS12による表示された値の表示を継続させてもよい。ステップS13において、押圧範囲に変化があったと判断された場合は(ステップS13:Yes)、ステップS12を実行し、変化後の押圧範囲に基づく水深を表示させる。
【0066】
押圧範囲の変化の例として、図6(b)から図6(d)の検出エリア117の押圧パターンが検出された場合、各々の押圧パターンに対応した水深を文字表示118として図8(b)から図8(d)のように表示する。
【0067】
これにより、タッチパネル装置1を、例えば水中で使用したときや誤って水中に没したときなどに、ユーザは現在の水深を概算ではあるが知ることができる。また、ユーザが表示の消去を行うまでの期間、ステップS12によって表示される水深の最大値の表示を継続することにより、タッチパネル装置1が水中において置かれた状況を知ることができる。
【0068】
また、制御部10は予め記憶されている検出エリア117のパターンの各々に対して押圧されている時間を計測または記憶してもよい。これにより、最大水圧を受けた時間や、沈降または浮上速度を知ることも可能となる。
【0069】
本発明の第1の実施例に係るタッチパネル装置1の利用形態としては、例えば撮像部14を用いてユーザが水中で動画または静止画の撮影を行っているときに、逐次水深を表示してもよく、また水深の数値を撮影データと共に保存してもよい。この場合の撮影操作はタッチパネル操作部113による操作ではなく、操作部13を用いる。
【0070】
また、ステップS11においてタッチパネル操作部113の操作入力が禁止されたとき、例えば禁止前にタッチパネル操作部113を用いて操作していたコマンドを、操作部13に割り当てる処理を行ってもよい。具体的には、撮像操作など水中においても利用する可能性のあるコマンドが対象となる。
【0071】
次に、本発明のタッチパネル装置1における第2の実施例について図9および図10に基づき説明する。図9は第2の実施例におけるタッチパネル装置1のブロック図であり、図1に示した第1の実施例と同一の構成要素には同一の符号を付与し説明を省略する。
【0072】
図9において、制御部10は、制御部10を構成する各要素の処理によって実現されるファイル制御部104、電源制御部105を備える。
【0073】
ファイル制御部104は、記憶部17に記憶されている各種ファイルの読み出しや書き込み、入力部15や撮像部14から入力され生成される各種ファイルの記憶等の制御を行う。
電源制御部105は、電源部18のON/OFFやスタンバイ状態とするなどの制御を行う。
【0074】
図10は、第2の実施例におけるタッチパネル装置1の動作処理の例を表したフローチャートであり、図7に示した第1の実施例と同一の処理には同一の符号を付与し説明を省略する。
【0075】
図10において、制御部10は、ステップS13において押圧範囲が変化したと判断した場合(ステップS13:Yes)、押圧範囲が所定の範囲以上であるか否かを判断する(ステップS20)。具体的な例としては、タッチパネル装置1の防水機能が水深10mまで保証されている場合に、検出エリア117のパターンが図7(d)に示すパターンより大きい範囲が押圧された場合などである。
【0076】
ステップS20において、押圧範囲が所定以上であると判断された場合は(ステップS20:Yes)、浸水等によってタッチパネル装置1が破損することを防止するために、制御部10はファイル制御部104に、もし動作中のファイルがある場合はそのファイルを保存する処理を行わせる。ファイル制御部104によってファイルの保存に加えてファイルを動作させているアプリケーションの動作を終了させてもよい。また、制御部10は電源制御部105に、タッチパネル装置1の電源を切る処理を行わせる(ステップS21)。
【0077】
ステップS20において、押圧範囲が所定以上ではないと判断された場合は(ステップS20:No)、ステップS12を実行し、変化後の押圧範囲に基づく水深を表示させる。
【0078】
これにより、タッチパネル装置1が保証されている水深を超えて使用された場合、またはそのような水深に誤って置かれた場合の、データや回路の破損を最小限にとどめることができる。
【0079】
次に、本発明のタッチパネル装置1における第3の実施例について図11および図12に基づき説明する。図11は第3の実施例におけるタッチパネル装置1のブロック図であり、図1に示した第1の実施例と同一の構成要素には同一の符号を付与し説明を省略する。
【0080】
図11において、制御部10は、制御部10を構成する各要素の処理によって実現される画質制御部106を備える。
【0081】
画質制御部106は、記憶部17に記憶されている静止画や動画等を表示素子部111に出力する際に、適切な画質を表示するように制御する。また、撮像部14により取得した静止画または動画等を適切な画質となるよう制御する。画質制御部106による画質の調整等は、制御部10が備えるDSP等の処理により行われる。
【0082】
図12は、第3の実施例におけるタッチパネル装置1の動作処理の例を表したフローチャートであり、図7に示した第1の実施例と同一の処理には同一の符号を付与し説明を省略する。
【0083】
図12において、制御部10は、ステップS11においてタッチパネル操作部113による操作入力を禁止した後、操作部13による撮像操作が行われたか否か、または撮影中であるか否かを判断する(ステップS30)。ここでいう撮像操作とは、静止画撮影の操作や動画撮影開始の操作であり、撮影中とはステップS10の検出以前から撮影が継続して行われているか否かである。
【0084】
ステップS30において、撮像操作が行われたまたは撮影中であると判断された場合は(ステップS30:Yes)、制御部10は画質制御部106により、撮像された静止画または動画に対して、タッチパネル操作部113の押圧パターンによって求められる水深に応じて画質の調整を行う(ステップS31)。画質の調整は、制御部10が備えるDSP等により行う。具体的には、水深が深くなるにつれて赤色光が減少するなど、大気中とは異なる色調となる。このため水深に応じた色温度やホワイトバランスの補正値を予め記憶し、その補正値に基づき補正する。
【0085】
ステップS30において、撮像操作が行われていない、または撮影中ではないと判断された場合は(ステップS30:No)、ステップS13の処理を行う。
【0086】
このように、静止画または動画の撮影が可能なタッチパネル装置1において、容易に水深に合った画質の補正を行うことが可能となる。
【0087】
次に、本発明のタッチパネル装置1における第4の実施例について図13および図14に基づき説明する。図13は第4の実施例におけるタッチパネル装置1のブロック図であり、図1に示した第1の実施例と同一の構成要素には同一の符号を付与し説明を省略する。
【0088】
図13において、制御部10は、制御部10を構成する各要素の処理によって実現される発光制御部103を備える。また、表示素子部111が液晶表示装置である場合、バックライト112を備える。
【0089】
発光制御部103は、表示素子部111が備えるバックライト112の発光レベルや発光パターンの制御を行う。
【0090】
図14は、第4の実施例におけるタッチパネル装置1の動作処理の例を表したフローチャートであり、図7に示した第1の実施例と同一の処理には同一の符号を付与し説明を省略する。
【0091】
図14において、制御部10は、ステップS11においてタッチパネル操作部113による操作入力を禁止した後、タッチパネル操作部113の押圧パターンによって求められる水深に応じて、表示素子部111が備えるバックライト112の点灯や輝度を発光制御部103により制御させる。また、表示素子部111の表示色や表示形状等を表示制御部102により制御させる(ステップS40)。
【0092】
具体的には、所定の水深に対応させて、バックライト112の点滅を行い、また所定の水深に対応させて表示素子部111の表示色や表示パターンを変更する。これにより、ユーザがタッチパネル装置1を誤って水没させてしまったとき、水深によってはタッチパネル装置1を見失ってしまう可能性を減少させる。バックライト112の輝度は、水深の値が大きくなるにつれて輝度を上げることが効果的である。また、表示素子部111の表示色としては水による光の吸収を考慮し、水深の値が大きくなるにつれて波長の長い色調とすることが好ましい。また、視認性を向上させるために、バックライト112の点滅や、表示色の毎秒2回から3回程度の変化、表示パターンの移動や回転等表示パターンの変更であってもよい。
【0093】
ステップS40の処理は、表示素子部111がバックライト112を有さない例えば有機EL表示素子によるものである場合には発光強度の制御であり、発光制御部103はバックライト112の制御ではなく、表示素子部111の制御となる。
【0094】
次に、本発明のタッチパネル装置1における第5の実施例について図15から図17に基づき説明する。図15は第5の実施例におけるタッチパネル装置1のブロック図であり、図1に示した第1の実施例と同一の構成要素には同一の符号を付与し説明を省略する。
【0095】
図15において、タッチパネル装置1、筐体20の撓みを検出する撓み検出部19を備える。撓み検出部19は、例えば水圧等によって筐体20の所定箇所が撓んでいることを、筐体20の撓みによる導通や静電容量の変化等によって検出する。
【0096】
図16は、第5の実施例におけるタッチパネル装置1の断面を模した図であり、図16(a)が、タッチパネル装置1に圧力が加わっていない状態を示し、図16(b)はタッチパネル装置1に圧力が加わっている状態を示す。
【0097】
図16に示す断面図は、図2における破線方向の断面を模した図であり、筐体20における表示部11と対向する面の内側に、撓み検出部19を構成する基板191、基板側電極192、筐体側電極193が備えられる。
【0098】
基板191は、タッチパネル装置1の各種回路を形成するプリント基板や、撓み検出部19を構成するための専用の基板であってもよく、筐体20における表示部11と対向する面に所定の間隔を空けて配置される。
【0099】
図16(a)に示すように、タッチパネル装置1に圧力が加わっていない場合は、基板側電極192と筐体側電極193は接触していないため、制御部10はタッチパネル装置1に圧力が加わっていない、若しくは所定以上の圧力が加わっていないと判断することができる。
【0100】
図16(b)に示すように、タッチパネル装置1に圧力が加わっている場合は、加わった圧力によって筐体20が撓むことによって、基板側電極192と筐体側電極193が接触する。このため制御部10はタッチパネル装置1に圧力が加わった、若しくは所定以上の圧力が加わったと判断することができる。
【0101】
図16(b)においては、加わっている圧力は水圧Pであるため、筐体20の全方向に均等に圧力が加わるが、本実施例においてタッチパネル装置1は図2に示すように矩形の筐体20を備えているため、表示部11を備えている面および表示部11と対向する面が水圧Pにより撓みやすく、他の面の撓みは小さいか無視できる程度であるため、図16(b)においては記載していない。
【0102】
また、撓み検出部19は、上述した形態に限らず、基板側電極192と筐体側電極193との間の静電容量を制御部10により検出するものや、筐体20の撓みによる変位を検出するセンサ等によるものであってもよい。
【0103】
図17は、第5の実施例におけるタッチパネル装置1の動作処理の例を表したフローチャートであり、図7に示した第1の実施例と同一の処理には同一の符号を付与し説明を省略する。
【0104】
図17において、制御部10は、ステップS10においてタッチパネル操作部113に対して所定範囲の押圧が検出されたと判定された場合(ステップS10:Yes)、撓み検出部19によって筐体20の他の面の撓みが検出されたか否かを判断する(ステップS50)。
【0105】
ステップS50において、撓み検出部19により筐体20の撓みが検出されていないと判断された場合は(ステップS50:No)、本処理を終了する。タッチパネル操作部113において所定の範囲が押圧されているにもかかわらず、撓み検出部19により筐体20の撓みが検出されていない状態とは、水圧Pによる均等な圧力ではないためである。
【0106】
ステップS50において、撓み検出部19により筐体20の撓みが検出されたと判断された場合は(ステップS50:Yes)、制御部10はタッチパネル操作部113に対する、タッチパネル装置1の操作を目的とした操作入力の受付を禁止させる(ステップS11)。ステップS11の処理後は、図17においてはステップS12としてタッチパネル操作部113の押圧パターンに対応する圧力に基づいた数値等を表示部11に表示させる例としたが、ステップS12の処理に限らず、上述した第2から第4の実施例として説明した処理であってもよい。
【0107】
このような処理によって、タッチパネル装置1は水圧Pによって筐体20に均等に圧力が加わったときのみ、水深等の表示や水深に応じた各種処理を行うことができる。
【0108】
上述した本発明のタッチパネル装置1においては、従来半導体センサ等によって実現されていた水圧の検出を、専用のセンサを用いずにタッチパネル操作部113を用いることによって、コストの削減および装置の小型化を可能とする。さらには装置の筐体外部で水圧を検出する水圧センサからの信号を筐体内部の制御部10に導入するための、筐体を貫通する構造を無くすことができるため、装置の防水性の向上が可能となる。
【0109】
本発明の実施の形態は、その要旨を逸脱しない限り、様々に変更可能である。例えばタッチパネル操作部113は、マルチタッチ可能な抵抗膜式として説明したが、これに限らず押圧範囲を検出することが可能なタッチパネルであればどのような形式でも良い。
【0110】
また、タッチパネル装置1の水中での利用目的によっては、図9に示した水深より浅い水深における精度が必要となることがある。このためには、保護パネル115の材質を、PET等より柔軟性のある素材としてもよく、さらには保護パネル115の厚さを調整してもよい。また、保護パネル115の押圧により確実にタッチパネル操作部113が押圧されるように、保護パネル115におけるタッチパネル操作部113側の面に、エリア116に対応した凸形状を設けてもよい。
【符号の説明】
【0111】
1:タッチパネル装置、10:制御部、101:判定部、102:表示制御部、103:発光制御部、104:ファイル制御部、105:電源制御部、106:画質制御部、11:表示部、111:表示素子部、112:バックライト、113:タッチパネル操作部、13:操作部、14:撮像部、15:出力部、16:入力部、17:記憶部、18:電源部、19:撓み検出部、20:筐体部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置の外装を形成する筐体部、
前記筐体部の表面に備えられ、押圧された範囲を検出するタッチパネル操作部、前記タッチパネル操作部に重ねて配置され各種情報を表示する表示素子部、および前記タッチパネル操作部と前記表示素子部を覆うとともに外部からの圧力に対して撓むことにより前記タッチパネル操作部の所定範囲を押圧する保護パネル、を備える表示部、
前記タッチパネル操作部が前記保護パネルにより押圧されることにより所定範囲の押圧が検出された場合、検出された押圧範囲に応じて、前記保護パネルに加わった圧力を判定する判定部、
を備えることを特徴とする、タッチパネル装置。
【請求項2】
前記タッチパネル操作部は、複数の押圧位置を検出可能であり、前記複数の押圧位置を検出することによって、所定範囲の押圧を検出する、
請求項1に記載のタッチパネル装置。
【請求項3】
前記保護パネルは、前記圧力に対して撓む素材であるとともに、前記タッチパネル操作部および前記表示素子部に対する防水性を確保する構造である、
請求項1または2に記載のタッチパネル装置。
【請求項4】
前記表示素子部に表示する表示内容を制御する表示制御部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記判定部により判定した圧力に応じて前記圧力に関する情報を前記表示素子部に表示させる、
請求項1から3のいずれか1項に記載のタッチパネル装置。
【請求項5】
前記表示素子部の発光パターンを制御する発光制御部をさらに備え、
前記発光制御部は、前記判定部により判定した圧力に応じて前記表示素子部の発光パターンを変化させる、
請求項1から3のいずれか1項に記載のタッチパネル装置。
【請求項6】
前記タッチパネル装置で動作するファイルの操作を制御するファイル制御部をさらに備え、
前記ファイル制御部は、前記判定部により判定した圧力が所定以上の圧力であると判定した場合は、動作中のファイルの保存を行う、
請求項1から5のいずれか1項に記載のタッチパネル装置。
【請求項7】
前記タッチパネル装置の電源を制御する電源制御部をさらに備え、
前記電源制御部は、前記判定部により判定した圧力が所定以上の圧力であると判定した場合は、電源オフ処理を行う、
請求項1から6のいずれか1項に記載のタッチパネル装置。
【請求項8】
静止画または動画の撮影を行う撮像部と、前記撮像部により撮影した静止画または動画の画質を制御する画質制御部とをさらに備え、
前記画質制御部は、前記撮像部により撮影した静止画または動画のデータに対して、前記判定部により判定した圧力に対応する圧力に基づく画質調整を行う、
請求項1から7のいずれか1項に記載のタッチパネル装置。
【請求項9】
前記筐体部における前記表示部が備えられている面とは異なる面の撓みを検出する撓み検出部をさらに備え、
前記判定部は、前記保護パネルに対する所定範囲の押圧の検出に加えて、前記撓み検出部による前記筐体部の撓みを検出したときは、前記保護パネルに加わった圧力を判定する、
請求項1から8のいずれか1項に記載のタッチパネル装置。
【請求項10】
前記撓み検出部は、前記筐体部における前記表示部が備えられている面とは対向する面の中央部近傍に設置されている、
請求項9に記載のタッチパネル装置。
【請求項1】
装置の外装を形成する筐体部、
前記筐体部の表面に備えられ、押圧された範囲を検出するタッチパネル操作部、前記タッチパネル操作部に重ねて配置され各種情報を表示する表示素子部、および前記タッチパネル操作部と前記表示素子部を覆うとともに外部からの圧力に対して撓むことにより前記タッチパネル操作部の所定範囲を押圧する保護パネル、を備える表示部、
前記タッチパネル操作部が前記保護パネルにより押圧されることにより所定範囲の押圧が検出された場合、検出された押圧範囲に応じて、前記保護パネルに加わった圧力を判定する判定部、
を備えることを特徴とする、タッチパネル装置。
【請求項2】
前記タッチパネル操作部は、複数の押圧位置を検出可能であり、前記複数の押圧位置を検出することによって、所定範囲の押圧を検出する、
請求項1に記載のタッチパネル装置。
【請求項3】
前記保護パネルは、前記圧力に対して撓む素材であるとともに、前記タッチパネル操作部および前記表示素子部に対する防水性を確保する構造である、
請求項1または2に記載のタッチパネル装置。
【請求項4】
前記表示素子部に表示する表示内容を制御する表示制御部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記判定部により判定した圧力に応じて前記圧力に関する情報を前記表示素子部に表示させる、
請求項1から3のいずれか1項に記載のタッチパネル装置。
【請求項5】
前記表示素子部の発光パターンを制御する発光制御部をさらに備え、
前記発光制御部は、前記判定部により判定した圧力に応じて前記表示素子部の発光パターンを変化させる、
請求項1から3のいずれか1項に記載のタッチパネル装置。
【請求項6】
前記タッチパネル装置で動作するファイルの操作を制御するファイル制御部をさらに備え、
前記ファイル制御部は、前記判定部により判定した圧力が所定以上の圧力であると判定した場合は、動作中のファイルの保存を行う、
請求項1から5のいずれか1項に記載のタッチパネル装置。
【請求項7】
前記タッチパネル装置の電源を制御する電源制御部をさらに備え、
前記電源制御部は、前記判定部により判定した圧力が所定以上の圧力であると判定した場合は、電源オフ処理を行う、
請求項1から6のいずれか1項に記載のタッチパネル装置。
【請求項8】
静止画または動画の撮影を行う撮像部と、前記撮像部により撮影した静止画または動画の画質を制御する画質制御部とをさらに備え、
前記画質制御部は、前記撮像部により撮影した静止画または動画のデータに対して、前記判定部により判定した圧力に対応する圧力に基づく画質調整を行う、
請求項1から7のいずれか1項に記載のタッチパネル装置。
【請求項9】
前記筐体部における前記表示部が備えられている面とは異なる面の撓みを検出する撓み検出部をさらに備え、
前記判定部は、前記保護パネルに対する所定範囲の押圧の検出に加えて、前記撓み検出部による前記筐体部の撓みを検出したときは、前記保護パネルに加わった圧力を判定する、
請求項1から8のいずれか1項に記載のタッチパネル装置。
【請求項10】
前記撓み検出部は、前記筐体部における前記表示部が備えられている面とは対向する面の中央部近傍に設置されている、
請求項9に記載のタッチパネル装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−108859(P2012−108859A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−1771(P2011−1771)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】
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