説明

タッチパネル

【課題】本発明は、厚みが薄く、製作コストが低く、製造効率及び信頼度が高いタッチパネルを提供する。
【解決手段】本発明のタッチパネルは、第一絶縁基板と、前記第一絶縁基板に対向して設置され且つ外部回路に接続された第二絶縁基板と、前記第一絶縁基板上に設置され且つ前記第一絶縁基板に接触する第一導電膜と、前記第二絶縁基板上に設置され且つ前記第二絶縁基板に接触する第二導電膜と、前記第一導電膜の一部分の周辺を覆って前記第一導電膜の第一暴露領域を画定する第一絶縁層と、前記第一導電膜の周辺に互いに離間して設置され、且つ各々が前記第一暴露領域に接触して前記第一導電膜に電気接続された第一電極端及び前記第一絶縁層に接触して前記第一導電膜と隔離する第一延伸端を備える複数の第一導電回路と、前記第二導電膜の周辺に互いに離間して設置される複数の第二導電回路と、備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子技術及び表示技術の進歩に伴い、もはや、操作インターフェースはマウス又はキーボードのような操作方式に限定されるものではない。現在、最も便利で且つ使用者が好感を持つ操作方式はタッチ操作であり、即ち手指で直接的にスクリーン画面に表示される画像を押圧すると、必要とする機能を実施し及び効果を得ることができる。このような直感的な操作方式は、子供又は老人にとって非常に便利である。
【0003】
タッチインターフェースは、一般的に表示装置及びその上に貼付されるタッチパネルからなる。タッチパネルは、抵抗式、静電容量式、光学式、超音波式等の種類がある。従来の抵抗式タッチパネルは、導電膜及び導電回路を積載する2つの絶縁基板を備え、且つ一方の絶縁基板には装飾板が貼付される。前記装飾板は、使用者が直接に接触して操作する基板であり、その上には文字、パターン又はその組合が形成されており、表示装置の外観を美化することができる。
【0004】
しかし、従来のタッチパネルは互いに重ねる少なくとも三つの基板(2つの絶縁基板及び1つの装飾板)を含むため、タッチパネルの厚みを縮小し難い。又、従来のタッチパネルの導電膜は、互いに接続されない複数の導電領域を形成するために、ウェットエッチング又はドライエッチング(例えば、レーザーエッチングである)を採用するため、タッチパネルの製作コストを増加させ、且つウェットエッチング又はドライエッチングは基板の構造を損傷し易い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、前記課題を解決し、厚みが薄く、製作コストが低く、製造効率及び信頼度が高いタッチパネルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明に係るタッチパネルは、第一絶縁基板と、前記第一絶縁基板に対向して設置され且つ外部回路に接続された第二絶縁基板と、前記第一絶縁基板上に設置され且つ前記第一絶縁基板に接触する第一導電膜と、前記第二絶縁基板上に設置され且つ前記第二絶縁基板に接触する第二導電膜と、前記第一導電膜の一部分の周辺を覆って前記第一導電膜の第一暴露領域を画定する第一絶縁層と、前記第一導電膜の周辺に互いに離間して設置され、且つ各々が前記第一暴露領域に接触して前記第一導電膜に電気接続された第一電極端及び前記第一絶縁層に接触して前記第一導電膜と隔離する第一延伸端を備える複数の第一導電回路と、前記第二導電膜の周辺に互いに離間して設置される複数の第二導電回路と、備える。
【0007】
前記目的を達成するために、本発明に係るタッチパネルは、外部回路に接続された第一絶縁基板と、前記第一絶縁基板に対向して設置される第二絶縁基板と、前記第一絶縁基板上に設置され且つ前記第一絶縁基板に接触する第一導電膜と、前記第二絶縁基板上に設置され且つ前記第二絶縁基板に接触する第二導電膜と、前記第一導電膜の一部分の周辺を覆って前記第一導電膜の第一暴露領域を画定する第一絶縁層と、前記第一導電膜の周辺に互いに離間して設置され、且つ各々が前記第一暴露領域に接触して前記第一導電膜に電気接続された第一電極端及び前記第一絶縁層に接触して前記第一導電膜と隔離する第一延伸端を備える複数の第一導電回路と、前記第二導電膜の周辺に互いに離間して設置される複数の第二導電回路と、備える。
【0008】
前記目的を達成するために、本発明に係るタッチパネルは、外部回路に接続された第一絶縁基板と、前記第一絶縁基板に対向して設置される第二絶縁基板と、前記第一絶縁基板上に設置されて前記第一絶縁基板に接触し、且つ互いに離れて設置される1つの第一領域及び複数の第二領域を有する第一導電膜と、前記第二絶縁基板上に設置され且つ前記第二絶縁基板に接触する第二導電膜と、前記第一導電膜の周辺に互いに離間して設置され、且つ各々が前記第一領域に接触して前記第一領域に電気接続された第一電極端及び前記複数の第二領域の中の1つの第二領域に接触する第一延伸端を備える複数の第一導電回路と、前記第二導電膜の周辺に互いに離間して設置される複数の第二導電回路と、備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るタッチパネルにおいて、1つの絶縁基板上の一部分の導電回路は絶縁層によって導電膜と隔離されるため、従来の技術における導電膜をエッチングして互いに接続されない複数の領域を形成する作り方に比べて、製造コストを下げることができ、且つエッチング工程による基板構造の損傷を免れ、従ってタッチパネルの製造効率及び信頼度を高める。又、本発明のタッチパネルにおいて、1つの絶縁基板上の接続回路は導電膜の1つの隅から隣り合う他の1つの隅まで伸び、且つ前記絶縁基板上の接続回路によって他の絶縁基板上の導電回路を外部回路に接続されるため、他の絶縁基板上の導電回路を効果的に簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】本発明の第一実施形態に係るタッチパネルの断面図である。
【図1B】図1Aに示すタッチパネルの2つの絶縁基板の分解図である。
【図2】本発明の第二実施形態に係るタッチパネルの2つの絶縁基板の分解図である。
【図3】本発明の第三実施形態に係るタッチパネルの2つの絶縁基板の分解図である。
【図4】本発明の第四実施形態に係るタッチパネルの2つの絶縁基板の分解図である。
【図5】本発明の第五実施形態に係るタッチパネルの2つの絶縁基板の分解図である。
【図6】本発明の第六実施形態に係るタッチパネルの2つの絶縁基板の分解図である。
【図7】本発明の第七実施形態に係るタッチパネルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1Aは、本発明の第一実施形態に係るタッチパネルの断面図であり、図1Bは、図1Aに示すタッチパネルの2つの絶縁基板の分解図であり、図1Aは、図1BのI−I線に沿う断面図である。前記2つの絶縁基板の構造の対応関係を便利に対比させるために、図1Bに示される上方に位置する絶縁基板及びその上の構造の配置順序は、実際の様子に比べて上下反転しており、実際の上下配置順序は、図1Aを参照する。
【0012】
本実施形態において、タッチパネル100は、絶縁基板110と、導電膜120と、絶縁層130と、複数の導電回路140と、絶縁基板150と、導電膜160と、複数の導電回路170と、を備える。前記絶縁基板110は、対向して設置される表面112及び表面116を有する。前記絶縁基板110は、文字、パターン又はその組合が形成された装飾板である。具体的に説明すると、前記絶縁基板110の表面112には、文字、パターン又はその組合を含む印刷層114が配置されている。他の実施形態において、前記印刷層114は、前記表面116に配置されることもできる。前記絶縁基板110は、柔軟性透光基板であり、その材料はポリエチレンテレフタラート(PET)である。他の実施形態において、前記絶縁基板110の材料は、他の高分子ポリマー又は絶縁材料であることができる。
【0013】
前記導電膜120は、前記表面112に配置される。本実施形態において、前記導電膜120は、装飾板に直接に接触し、即ち装飾板の印刷層114に直接に接触する。前記絶縁層130は、前記導電膜120の一部分の周辺を覆い、且つ前記導電膜120の暴露領域A1を暴露する。前記複数の導電回路140は、前記導電膜120の周辺に互いに離間して設置される。各々の導電回路140は、互いに接続された電極部142及び延伸部144を備える。前記電極部142は、前記暴露領域A1に配置されて前記暴露領域A1に接触するため、前記導電膜120に電気接続される。前記延伸部144は、前記絶縁層130に配置されて前記絶縁層130に接触するため、前記導電膜120と隔離する。換言すると、前記絶縁層130は前記延伸部144と前記導電膜120を隔離する。本実施形態において、前記絶縁層130は、三つのサブ絶縁層130a、130b、130cを備え、前記サブ絶縁層130a及び前記サブ絶縁層130bは、それぞれ前記導電膜120の隣接する2つの辺縁に位置し、前記サブ絶縁層130a及び前記サブ絶縁層130cもそれぞれ前記導電膜120の隣接する2つの辺縁に位置する。各々の導電回路140の一部分は、これらのサブ絶縁層130a、130b、130cによって前記導電膜120と隔離され、且つ各々の導電回路140の他の一部分は、前記暴露領域A1に接触する。
【0014】
前記絶縁基板150は、前記絶縁基板110の表面112に対面する表面152を有する。前記絶縁基板150は、透光積載板であり、柔軟性基板又は硬質基板であることができる。本実施形態において、前記絶縁基板150はガラス基板であるが、他の実施形態において、前記絶縁基板150の材料は、ポリカーボネート(PC)、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、他の高分子ポリマー又は他の絶縁材料であることができる。前記絶縁基板110は、前記絶縁基板150よりも前記タッチパネル100の接触面である前記表面116にさらに近く、前記接触面は、手指、タッチペン又は他のタッチ物体に接触されるか又は押圧される表面である。本実施形態において、前記タッチパネル100はただ2つの絶縁基板を含み、即ち前記絶縁基板110及び前記絶縁基板150を含む。
【0015】
前記導電膜160は、前記絶縁基板150の表面152に配置され、且つ前記絶縁基板150に接触する。前記複数の導電回路170は、前記導電膜160の周辺に互いに離間して設置される。前記絶縁基板150は、外部回路320に接続される。前記外部回路320は、前記複数の導電回路140の延伸部144及び前記複数の導電回路170に電気接続される。本実施形態において、前記外部回路320はフレキシブルプリント基板(Flexible Printed Circuit,FPC)であるが、他の実施形態において、前記外部回路320は他の類型の回路積載板又は導電回路であることができる。本実施形態において、前記導電膜120及び前記導電膜160の材料は、複数の異方性導電分子を備え、且つ各々の異方性導電分子の寸法は300nmを超過しない。前記導電膜120及び前記導電膜160の中の少なくとも一方は、カーボンナノチューブフィルム(Carbon Nanotube Film,CNT film)であり、即ち異方性導電分子は、カーボンナノチューブである。本実施形態において、前記導電膜120及び前記導電膜160は、全てカーボンナノチューブフィルムであるが、他の実施形態において、前記導電膜120及び前記導電膜160は、酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide,ITO)膜又は他の透明導電膜であることができる。又は、前記導電膜120及び前記導電膜160の一方はカーボンナノチューブフィルムであり、他の一方は他の透明導電膜であることもできる。
【0016】
前記タッチパネル100は、絶縁層210をさらに備える。前記絶縁層210は、前記導電膜160の一部分の周辺を覆い、且つ前記導電膜160の暴露領域A2を暴露する。各々の導電回路170は、1つの電極部172及び少なくとも1つの延伸部174(図2に示される延伸部174a及び174bである)を備える。前記電極部172は、前記暴露領域A2に配置されて前記暴露領域A2に接触するため、前記導電膜160に電気接続される。本実施形態において、前記電極部172は前記導電膜160に直接に接触する。前記延伸部174は、前記絶縁層210に配置されて前記絶縁層210に接触するため、前記導電膜160と隔離する。換言すると、前記絶縁層210は、前記延伸部174と前記導電膜160を隔離する。本実施形態において、前記絶縁層210は、別々に前記導電膜160の対向する2つの辺縁に位置する2つのサブ絶縁層210a、210bを備え、且つ各々の導電回路170の一部分(延伸部174a及び174b)は、前記2つのサブ絶縁層210a、210bに配置され、各々の導電回路170の他の一部分(電極部172)は、前記暴露領域A2に配置される。
【0017】
前記タッチパネル100は、前記絶縁層210に互いに離間して配置される複数の導電パッド180をさらに備える。前記複数の導電パッド180及び前記複数の導電回路170は、互いに離れて電気接続されない。前記複数の導電回路140の延伸部144は、それぞれ対応する導電パッド180によって前記外部回路320に電気接続される。各々の延伸部174aの一端には、パッド176が設置され、前記複数の導電回路170の延伸部174は、そのパッド176によって前記外部回路320に電気接続される。
【0018】
前記タッチパネル100は、複数の接続回路190をさらに備える。各々の接続回路190は、外部接続端192及び内部接続端194を備える。前記複数の導電パッド180は、前記複数の外部接続端192に設置され、前記複数の導電回路140の一端は、前記複数の内部接続端194に電気接続される。前記複数の導電回路140の延伸部144の一端は、複数の導電ゴム220によって前記複数の内部接続端194に電気接続され、前記導電回路140を前記外部回路320に電気接続させる。本実施形態において、前記複数の接続回路190は、前記絶縁層210に配置されて前記導電膜160と隔離し、換言すると、前記絶縁層210は、前記複数の接続回路190と前記導電膜160を隔離する。図面を簡略化するために、図1Bに示される導電ゴム220は、点線で表示する。本実施形態において、前記導電回路140、170及び前記接続回路190の材料は、銀又は他の金属であるが、他の実施形態において、前記導電回路140、170及び前記接続回路190の材料は、他の導電材料を採用することができる。又、他の実施形態において、前記導電回路140の一端は、前記外部回路320に直接的に電気接続されることができ、従って前記接続回路190によって前記外部回路320に接続させることを必要としない。
【0019】
前記タッチパネル100が押圧されない場合、前記導電膜120と前記導電膜160は互いに離間して電気絶縁される。しかし、使用者が手指で前記絶縁基板110の表面116に接触すると、前記導電膜120の接触箇所は前記導電膜160に接触して電気接続される。本実施形態において、前記電極部142及び前記電極部172の数量は、それぞれ2つである。前記2つの電極部142は、前記タッチパネル100の2つの対向する辺縁に配置され、前記2つの電極部172は、前記タッチパネル100の他の2つの対向する辺縁に配置される。前記外部回路320は、計算機、プロセッサー又は電子装置の制御回路のような制御部に接続され、前記電極部142及び前記電極部172が測定した抵抗を分析することにより、前記接触箇所の位置を判断することができる。
【0020】
本実施形態において、前記絶縁基板110と前記絶縁基板150は、両面テープ360によって接合されるが、他の接着材料又は粘着物によって接合されてもよい。前記絶縁層130には、さらに少なくとも1つのダミーワイヤー230が配置される。前記ダミーワイヤー230は、前記導電膜120と電気絶縁されるため、電子信号に対して実際効用がない。前記ダミーワイヤー230は、前記導電回路170に対応するように配置されるため、前記絶縁基板110と前記絶縁基板150とを組み合わせてなるタッチパネル100の表面を平らにならす。
【0021】
本実施形態において、前記絶縁基板110(又は絶縁基板150)は、前記絶縁層130(又は絶縁層210)によって前記導電回路140(又は導電回路170)の延伸部144(又は延伸部174)と前記導電膜120(又は導電膜160)を隔離されるため、従来の技術における導電膜をエッチングして互いに接続されない複数の領域を形成する作り方に比べて、前記タッチパネル100の製造コストを下げるばかりでなく、エッチング工程による基板構造に対する損傷を免れることができ、従って前記タッチパネル100の製造効率及び信頼度を高める。なお、前記導電膜120及び前記導電回路140は、装飾板である絶縁基板110に直接的に作るため、前記装飾板上の印刷層114はウェットエッチング又はレーザーエッチングの破壊を受けない。又、前記絶縁層130を採用すると、装飾板の効率を高めることができる。
【0022】
前記タッチパネル100において、前記絶縁基板150は、外部回路320に接続され、前記外部回路320は、前記絶縁基板150上の導電パッド180及びパッド176に接続されるが、前記絶縁基板110上の導電回路140に直接に接続されないため、前記外部回路320は、熱圧によって前記絶縁基板110に結合される必要がなく、従って熱圧による装飾板に対する損傷を免れることが出来る。
【0023】
前記タッチパネル100は、ただ2つの絶縁基板110、150を採用するため、前記タッチパネル100の厚みが薄く、その製作コストも低い。
【0024】
前記導電膜120及び前記導電膜160がカーボンナノチューブフィルムである場合、低温状態又は紫外線固化状態で前記導電膜120及び前記導電膜160をそれぞれ前記絶縁基板110及び前記絶縁基板150に形成するため、絶縁基板にITO膜をスパッタする時の高温環境に比べて、カーボンナノチューブフィルムを採用すると、装飾板の品質及び信頼度を確保することができる。
【0025】
図2は、本発明の第二実施形態に係るタッチパネルの2つの絶縁基板の分解図である。本実施形態に係るタッチパネル100aの構造は、前記タッチパネル100の構造と類似するが、以下の差異を有する。前記タッチパネル100aは、図1Bに示される絶縁層210を備えず、導電膜160aは互いに離れて設置される1つの第一領域162及び複数の第二領域164を備える。各々の導電回路170の電極部172は、前記第一領域162に配置されて前記第一領域162に接触するため、前記第一領域162に電気接続される。各々の導電回路170の延伸部174(延伸部174a又は延伸部174b)は、前記複数の第二領域164の中の少なくとも1つの第二領域164に配置されて該第二領域164に接触する。
【0026】
本実施形態において、前記複数の導電パッド180は、各々一部分の第二領域164に互いに離間して設置され、且つ前記導電回路170に電気接続されず、即ち前記導電回路170から離れている。前記複数の導電回路140の延伸部144は、前記複数の導電パッド180によって外部回路(図1Aに示される外部回路320)に電気接続される。又、前記接続回路190も前記第二領域164に配置される。
【0027】
図3は、本発明の第三実施形態に係るタッチパネルの2つの絶縁基板の分解図である。図3に示される下方に位置する絶縁基板150は、中間に位置する絶縁基板150から絶縁層250及び一部分の接続回路260を除去した様子であり、前記一部分の接続回路260は前記絶縁層250に配置される。本実施形態に係るタッチパネル100bの構造は、図1Bに示される前記タッチパネル100の構造と類似するが、以下の差異を有する。本実施形態に係るタッチパネル100bの導電膜120には、図1Bに示される絶縁層130が配置されず、導電回路350全体を電極とする。
【0028】
本実施形態において、前記複数の導電パッド180は、サブ絶縁層210aに互いに離間して配置される。前記タッチパネル100bは、導電膜160の辺縁に配置されてサブ絶縁層210a及びサブ絶縁層210bを連接する絶縁層250をさらに備える。前記絶縁層250は、少なくとも1つの導電回路170の一部分を覆い、且つ前記サブ絶縁層210aの一部分及び前記サブ絶縁層210bの一部分を覆う。少なくとも1つの接続回路(接続回路260)の一部分は、前記絶縁層250及び該絶縁層250に覆われる導電回路170の上方に配置される。前記接続回路260の内部接続端194は、前記絶縁層250の上に位置するとともに前記サブ絶縁層210bの上方に位置する。前記絶縁層250は、前記導電回路170と前記接続回路260を隔離し、且つ前記絶縁層210は、接続回路190、260と前記導電膜160を隔離する。なお、前記タッチパネル100bは、前記導電膜120に配置される複数のダミーパッド240をさらに備える。前記複数のダミーパッド240は、パッド176及び導電パッド180に対応するため、前記タッチパネル100bを平らにならす。
【0029】
図4は、本発明の第四実施形態に係るタッチパネルの2つの絶縁基板の分解図である。図4に示される下方に位置する絶縁基板150は、中間に位置する絶縁基板150から絶縁層270及び接続回路280を除去した様子であり、前記接続回路280は、前記絶縁層270に配置される。本実施形態に係るタッチパネル100cの構造は、図3に示される前記タッチパネル100bの構造と類似し、具体的に説明すると、前記タッチパネル100cの絶縁基板110の構造は、図3に示される絶縁基板110の構造と同じであるが、前記タッチパネル100cの絶縁基板150の構造は、図2に示される絶縁基板150の構造と類似する。図2に示される絶縁基板150に比べて、前記タッチパネル100cの絶縁基板150は、以下の差異を有する。前記タッチパネル100cは、導電膜160aの少なくとも一部分の周辺及び導電回路170の一部分を覆う絶縁層270をさらに備える。少なくとも1つの接続回路(接続回路280)は、前記絶縁層270に配置され、且つ前記導電膜160aの1つの隅から隣り合う他の隅まで伸びる。前記接続回路280及び前記絶縁層270に覆われる導電回路170の電極部172(図4に示される下方に近い電極部172である)は、別々に前記絶縁層270の対向する両側に配置される。本実施形態において、前記電極部172の延伸方向は、前記接続回路280の前記第一領域162に位置する部分の延伸方向に平行する。各々の接続回路280は、外部接続端192及び内部接続端194を有し、且つこれらの内部接続端194は前記複数の導電回路350に電気接続する。前記外部接続端192には、導電パッド180が設置される。外部回路(図1Aに示される外部回路320である)は、前記複数の延伸部174a及び前記複数の外部接続端192に電気接続される。少なくとも1つの接続回路(接続回路190)は、前記複数の第二領域164の中の少なくとも1つに配置される。
【0030】
図5は、本発明の第五実施形態に係るタッチパネルの2つの絶縁基板の分解図である。本実施形態に係るタッチパネル100dの構造は図3に示される前記タッチパネル100bの構造と類似するが、以下の差異を有する。前記タッチパネル100dは、図3に示される絶縁層250を備えず、本実施形態に係る絶縁層210’は、サブ絶縁層210c、サブ絶縁層210d及びサブ絶縁層210eを備える。前記サブ絶縁層210c及び前記サブ絶縁層210dは、前記導電膜160の相対する2つの辺縁に配置される。前記サブ絶縁層210eは、前記導電膜160の辺縁に配置され、且つ前記サブ絶縁層210c及び前記サブ絶縁層210dを連接する。本実施形態において、前記サブ絶縁層210eは、前記複数の電極部172の中の1つの電極部172と一緒に前記絶縁基板150の同じ側に配置される。前記サブ絶縁層210eの延伸方向は、あらゆる電極部172の延伸方向に平行する。複数の導電パッド180は、前記サブ絶縁層210cに互いに離間して配置され且つ前記複数の導電回路170から離れており、複数の導電回路350は、前記複数の導電パッド180によって外部回路(図1Aに示される外部回路320である)に電気接続される。
【0031】
少なくとも1つの接続回路(接続回路290)の一部分は、前記サブ絶縁層210eの上方に配置され且つ前記導電回路172と隣接する。前記接続回路290の内部接続端194は、前記サブ絶縁層210dに位置し、且つ前記絶縁層210’は、前記接続回路290と前記導電膜160を隔離する。
【0032】
前記タッチパネル100dにおいて、前記絶縁基板150の上の接続回路290は、前記導電膜160の1つの隅から隣り合う他の1つの隅まで伸び、且つ前記絶縁基板110上の導電回路350を外部回路に接続されるため、前記絶縁基板110上の導電回路350の数量を減少させることができる。前記絶縁基板110が装飾板である場合、前記接続回路290は、前記絶縁基板110上の導電回路350の配置を簡略化することができ、前記導電回路350全体を電極とするため、装飾板に対してウェットエッチング又はドライエッチングを行う必要がなく、前記タッチパネル100dの品質及び信頼度を高める。
【0033】
図6は、本発明の第六実施形態に係るタッチパネルの2つの絶縁基板の分解図である。本実施形態に係るタッチパネル100eの構造は図5に示される前記タッチパネル100dの構造と類似するが、以下の差異を有する。前記タッチパネル100eは、図5に示される絶縁層210’を備えず、互いに離間する1つの第一領域162及び複数の第二領域164を有する導電膜160aを用いる。複数の接続回路190、310は、前記複数の第二領域164に配置される。少なくとも1つの接続回路(接続回路310)は、前記導電膜160aの1つの隅から隣り合う他の1つの隅まで伸びる。本実施形態において、前記接続回路310及び1つの導電回路170は、前記絶縁基板150の同じ側に配置される。本実施形態において、一部分の接続回路310の延伸方向は、あらゆる電極部172の延伸方向に平行する。各々の接続回路(接続回路190、310)は、外部接続端192及び内部接続端194を備え、前記複数の内部接続端194は、前記複数の導電回路350に電気接続される。
【0034】
図7は、本発明の第七実施形態に係るタッチパネルの断面図である。本実施形態に係るタッチパネル100fの構造は、図1Aに示される前記タッチパネル100の構造と類似するが、以下の差異を有する。本実施形態に係るタッチパネル100fにおいて、外部回路320は、絶縁基板150の表面154に配置され、前記表面154は表面152に対向する。具体的に説明すると、前記表面154に複数の導電パッド330を配置することができ、前記複数の導電パッド330は、別々に複数の導電貫通孔340によって導電回路170(図1Bを参照)及び導電回路140に電気接続される。前記外部回路320は、前記絶縁基板110と前記絶縁基板150との間に配置されていないため、前記タッチパネル100fの表面をさらに平らにならす。
【0035】
上述したように、本発明のタッチパネルにおいて、1つの絶縁基板上の導電回路の延伸部は絶縁層によって導電膜と隔離されるため、従来の技術における導電膜をエッチングして互いに接続されない複数の領域を形成する作り方に比べて、製造コストを下げることができ、且つエッチング工程による基板構造に対する損傷を免れ、従ってタッチパネルの製造効率及び信頼度を高める。又、本発明のタッチパネルにおいて、1つの絶縁基板上の接続回路は導電膜の1つの隅から隣り合う他の1つの隅まで伸び、且つ前記絶縁基板の接続回路によって、他の絶縁基板上の導電回路を外部回路に接続されるため、他の絶縁基板上の導電回路を効果的に簡略化することができる。
【0036】
以上本発明を実施例に基づいて具体的に説明したが、本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々変更可能であることは勿論であって、本発明の保護範囲は、以下の特許請求の範囲によって定められる。
【符号の説明】
【0037】
100,100a,100b,100c,100d,100f タッチパネル
110,150 絶縁基板
112,116,152,154 表面
114 印刷層
120,160,160a 導電膜
130,210,210’,250,270 絶縁層
130a,130b,130c,210a,210b,210c,210d,210e サブ絶縁層
140,170 電極
142,172 電極部
144,174,174a,174b 延伸部
162 第一領域
164 第二領域
176 パッド
180,330 導電パッド
190,260,280,290,310 接続回路
192 外部接続端
194 内部接続端
220 導電ゴム
240 ダミーパッド
230 ダミーワイヤー
320 外部回路
340 導電貫通孔
350 導電回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一絶縁基板と、
前記第一絶縁基板に対向して設置され且つ外部回路に接続された第二絶縁基板と、
前記第一絶縁基板上に設置され且つ前記第一絶縁基板に接触する第一導電膜と、
前記第二絶縁基板上に設置され且つ前記第二絶縁基板に接触する第二導電膜と、
前記第一導電膜の一部分の周辺を覆って前記第一導電膜の第一暴露領域を画定する第一絶縁層と、
前記第一導電膜の周辺に互いに離間して設置され、且つ各々が前記第一暴露領域に接触して前記第一導電膜に電気接続された第一電極端及び前記第一絶縁層に接触して前記第一導電膜と隔離する第一延伸端を備える複数の第一導電回路と、
前記第二導電膜の周辺に互いに離間して設置された複数の第二導電回路と、
備えることを特徴とするタッチパネル。
【請求項2】
前記第一絶縁層は、前記第一導電膜の隣接する2つの辺縁に位置する2つのサブ絶縁層を備え、各々の第一導電回路の一部分は前記サブ絶縁層によって前記第一導電膜と隔離され、各々の第一導電回路の他の一部分は前記第一暴露領域に接触することを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項3】
前記タッチパネルは、前記第二導電膜の一部分の周辺を覆って前記第二導電膜の第二暴露領域を画定する第二絶縁層をさらに備え、各々の第二導電回路は前記第二暴露領域に接触して前記第二導電膜に電気接続された第二電極端及び前記第二絶縁層に接触して前記第二導電膜と隔離する第二延伸端を備えることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項4】
前記タッチパネルは、前記第二絶縁層に互いに離間して配置された複数の導電パッドをさらに備え、各々の導電パッドと前記複数の第二導電回路との間は絶縁され、前記複数の第一延伸端はそれぞれ対応する導電パッドによって前記外部回路に電気接続され、各々の第二延伸端の一端にはパッドが設置され、前記複数の第二導電回路はその第二延伸端のパッドによって前記外部回路に電気接続されたことを特徴とする請求項3に記載のタッチパネル。
【請求項5】
前記タッチパネルは、複数の接続回路をさらに備え、各々の接続回路は、外部接続端及び内部接続端を備え、前記複数の導電パッドは、前記複数の外部接続端に設置され、前記複数の第一導電回路の一端は、前記複数の内部接続端に電気接続されたことを特徴とする請求項4に記載のタッチパネル。
【請求項6】
前記複数の接続回路は、前記第二絶縁層に配置されて前記導電膜と隔離することを特徴とする請求項5に記載のタッチパネル。
【請求項7】
各々の第一導電回路の一端は、導電ゴムによって前記内部接続端に電気接続されたことを特徴とする請求項6に記載のタッチパネル。
【請求項8】
前記第二導電膜は、互いに離れて設置された1つの第一領域及び複数の第二領域を備え、各々の第二導電回路は、前記第一領域に接触して前記第一領域に電気接続された第二電極端及び前記複数の第二領域の中の少なくとも1つの第二領域に接触する第二延伸端を備えることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項9】
前記タッチパネルは、一部分の第二領域に互いに離間して設置された複数の導電パッドをさらに備え、且つ各々の導電パッドと前記複数の第二導電回路との間は絶縁され、前記複数の第一延伸端はそれぞれ対応する導電パッドによって前記外部回路に電気接続され、各々の第二延伸端の一端にはパッドが設置され、前記複数の第二導電回路はその第二延伸端のパッドによって前記外部回路に電気接続されたことを特徴とする請求項8に記載のタッチパネル。
【請求項10】
前記タッチパネルは、複数の接続回路をさらに備え、各々の接続回路は、外部接続端及び内部接続端を備え、前記複数の導電パッドは、前記複数の外部接続端に設置され、前記複数の第一導電回路の一端は、前記複数の内部接続端に電気接続されたことを特徴とする請求項9に記載のタッチパネル。
【請求項11】
外部回路に接続された第一絶縁基板と、
前記第一絶縁基板に対向して設置された第二絶縁基板と、
前記第一絶縁基板上に設置され且つ前記第一絶縁基板に接触する第一導電膜と、
前記第二絶縁基板上に設置され且つ前記第二絶縁基板に接触する第二導電膜と、
前記第一導電膜の一部分の周辺を覆って前記第一導電膜の第一暴露領域を画定する第一絶縁層と、
前記第一導電膜の周辺に互いに離間して設置され、且つ各々が前記第一暴露領域に接触して前記第一導電膜に電気接続された第一電極端及び前記第一絶縁層に接触して前記第一導電膜と隔離する第一延伸端を備える複数の第一導電回路と、
前記第二導電膜の周辺に互いに離間して設置された複数の第二導電回路と、
備えることを特徴とするタッチパネル。
【請求項12】
前記第一絶縁層は、第一サブ絶縁層、第二サブ絶縁層及び第三サブ絶縁層を備え、前記第一サブ絶縁層及び前記第二サブ絶縁層は、別々に前記第一導電膜の対向する2つの辺縁に配置され、前記第三サブ絶縁層は、前記第一導電膜の辺縁に配置され且つ前記第一サブ絶縁層及び前記第二サブ絶縁層を連接することを特徴とする請求項11に記載のタッチパネル。
【請求項13】
前記タッチパネルは、前記第一サブ絶縁層に互いに離間して配置された複数の導電パッドをさらに備え、各々の導電パッドと前記複数の第一導電回路との間は絶縁され、前記複数の第二導電回路はそれぞれ対応する導電パッドによって前記外部回路に電気接続されたことを特徴とする請求項12に記載のタッチパネル。
【請求項14】
前記タッチパネルは、複数の接続回路をさらに備え、各々の接続回路は、外部接続端及び内部接続端を備え、前記複数の導電パッドは、前記複数の外部接続端に設置され、前記複数の第二導電回路の一端は、前記複数の内部接続端に電気接続されたことを特徴とする請求項13に記載のタッチパネル。
【請求項15】
前記複数の接続回路の一部分は、前記第三サブ絶縁層及び前記複数の第一導電回路の上方に配置されたことを特徴とする請求項14に記載のタッチパネル。
【請求項16】
前記複数の接続回路の一部分は、前記第三サブ絶縁層の上方に配置され且つ前記第一導電回路に隣り合うことを特徴とする請求項14に記載のタッチパネル。
【請求項17】
外部回路に接続された第一絶縁基板と、
前記第一絶縁基板に対向して設置された第二絶縁基板と、
前記第一絶縁基板上に設置されて前記第一絶縁基板に接触し、且つ互いに離れて設置された1つの第一領域及び複数の第二領域を有する第一導電膜と、
前記第二絶縁基板上に設置され且つ前記第二絶縁基板に接触する第二導電膜と、
前記第一導電膜の周辺に互いに離間して設置され、且つ各々が前記第一領域に接触して前記第一領域に電気接続された第一電極端及び前記複数の第二領域の中の1つの第二領域に接触する第一延伸端を備えた複数の第一導電回路と、
前記第二導電膜の周辺に互いに離間して設置された複数の第二導電回路と、
備えることを特徴とするタッチパネル。
【請求項18】
前記タッチパネルは、前記第一導電膜の一部分の周辺及び前記第一導電回路の一部分を覆う絶縁層と、前記絶縁層に配置され且つ前記第一導電膜の1つの隅から隣り合う他の隅まで伸びる少なくとも1つの接続回路と、をさらに備え、前記接続回路及び前記絶縁層に覆われる前記第一導電回路の第一電極部は、別々に前記絶縁層の対向する両側に配置され、各々の接続回路は、外部接続端及び内部接続端を有し、前記内部接続端は前記第二導電回路に電気接続されたことを特徴とする請求項17に記載のタッチパネル。
【請求項19】
前記複数の第二領域の中の1つの第二領域には、少なくとも1つの接続回路が配置されたことを特徴とする請求項18に記載のタッチパネル。
【請求項20】
前記タッチパネルは、前記複数の第二領域の中の幾つの第二領域に配置された複数の接続回路をさらに備え、少なくとも1つの接続回路は、前記第一導電膜の1つの隅から隣り合う他の1つの隅まで伸び且つ1つの第一導電回路とともに前記第一絶縁基板の同じ側に配置され、各々の接続回路は、外部接続端及び内部接続端を備え、前記複数の内部接続端は、前記複数の第二導電回路に電気接続されたことを特徴とする請求項17に記載のタッチパネル。
【請求項21】
前記第一導電膜及び前記第二導電膜の中の少なくとも一方は、カーボンナノチューブフィルムであることを特徴とする請求項1、請求項11又は請求項17に記載のタッチパネル。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−44137(P2011−44137A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−163122(P2010−163122)
【出願日】平成22年7月20日(2010.7.20)
【出願人】(510138796)奇美電子股▲ふん▼有限公司 (24)
【Fターム(参考)】