説明

タッチパネル

【課題】
本発明は、応答時間を減少させかつ干渉を低減することのできるタッチパネルを提供する。
【解決手段】
応答時間を減少させ得るタッチパネルは、第1の基板、第2の基板及びスペーサを含む。前記第1の基板は複数の第1の導電性ストリップを含みこれらは第1の方向に沿って前記第1の基板の下部表面上に形成される。前記第2の基板は前記第1の基板の下部に設けられる。前記第2の基板は複数の第2の導電性ストリップが、第2の方向に沿って前記第2おの基板の上部表面上に形成される。前記スペーサは、前記第1の基板及び前記第2の基板の間に設けられ、前記第の基板と前記第2の基板の間にギャップを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタッチパネルに関し、より具体的には応答時間を減少させかつ干渉を低減することのできるタッチパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
図1に示されるように、容量式タッチパネル100は保護基板110、第1の基板120及び第2の基板130を含む。前記保護基板110は前記容量式タッチパネル100を保護するためのものである。前記第1の基板120は、複数の第1の導電性ストリップ122を含み、これらは第1の方向に沿って前記第1の基板の表面に形成される。前記第2の基板130は複数の第2の導電性ストリップ132を含み、これらは2の方向に沿って前記第2の基板の表面に形成される。前記第1の方向は前記第2の方向に垂直である。前記保護基板110はガラス基板又はアクリル基板であり得る。前記第1の基板120及び前記第2の基板130はプラスチックフィルム又はガラスプレートであり得る。前記保護基板110、前記第1の基板120及び前記第2の基板130はお互いに光学的透明接着剤で結合されている。前記容量式タッチパネル100がタッチされると、タッチされた位置での、前記第1の方向に沿う前記第1の導電性ストリップ122と前記第2の方向に沿う前記第2の導電性ストリップ132との間の容量値が前記人の身体の静電容量により変化を受ける。さらに前記容量式タッチパネル100のタッチされた位置は前記変更された容量に従い検出され得る。前記導電性ストリップ122及び132の間の容量は次の式により決められ得る。
C=εxεxA/d (1)
ここで、Cは容量、εは真空誘電率、εは前記導電性ストリップ122及び132の間の絶縁体の誘電率、かつAはタッチされた位置での面積及びdは前記導電性122及び132の間の距離を示す。さらに、タッチされる際の前記容量式タッチパネル100の応答時間は次の式により決められる。
t=RxC (2)
前記式(1)に及び(2)に従って、前記第1の方向に沿う前記第1の導電性ストリップ122と前記第2の方向に沿う前記第2の導電性ストリップ132の間の容量がより大きくなる。というのは前記導電性ストリップ122及び132の間に挿入される光学的透明接着剤とプラスチックフィルムの層の誘電率は気体の誘電率よりも大きいからである。従って従来技術の容量式タッチパネル100はより長い応答時間を持つ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は応答時間を減少させかつ干渉を低減することのできるタッチパネルを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記第1の基板は、第1の方向に沿う前記第1の基板の下部表面上に形成される複数の第1の導電性ストリップを持つ。前記第2の基板は前記第1の基板の下に設けられる。前記第2の基板は第2の方向に沿う前記第2の基板の上部表面上に形成された複数の第2の導電性ストリップを持つ。前記スペーサが前記第1の基板及び前記第2の基板の間に、前記第1の基板及び第2の基板の間にギャップを形成するために設けられる。
【0005】
本発明のこれらの及び他の課題は、以下の種々の図面に示される好ましい実施態様についての詳細な説明により、当業者には明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、従来技術の容量式タッチパネルを示すダイヤグラムである。
【図2】図2は、本発明の容量式タッチパネルを示すダイヤグラムである。
【図3】図3は、本発明の前記スペーサの1つの配置を示すダイヤグラムである。
【図4】図4は、本発明の他の容量式タッチパネルを示すダイヤグラムである。
【図5】図5は、本発明の他の容量式タッチパネルを示すダイヤグラムである。
【図6】図6は、図2に対応する本発明の容量式タッチパネルの他の実施態様を示すダイヤグラムである。
【図7】図7は、図4に対応する本発明の容量式タッチパネルの他の実施態様を示すダイヤグラムである。
【図8】図8は、図5に対応する本発明の容量式タッチパネルの他の実施態様を示すダイヤグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図2は、本発明の容量式タッチパネル200の1つのダイヤグラムを示す。図2に示されるように、本発明の容量式タッチパネル200は第1の基板210,第2の基板220及びスペーサ230を含む。前記第1の基板210は第1の方向に沿う前記第1の基板210の下部表面上に形成された複数の第1の導電性ストリップ212を持つ。前記第2の基板220は前記第1の基板210の下に設けられる。前記第2の基板220は、第2の方向に沿う前記第2の基板の上部表面上に形成される複数の第2の導電性ストリップ222を持つ。前記第1の方向は前記第2の方向に垂直であり得る。前記スペーサ230は、前記第1の基板210及び前記第2の基板220の間に設けられて前記第1の基板210及び前記第2の基板220の間にギャップ232を形成し、前記導電性ストリップ212及び222の間の通電を防止する。前記第1の基板210及び前記第2の基板220の間の前記空間は気体で充填されており、前記気体の誘電率は前記光学的透明接着剤及びプラスチックフィルムの層の誘電率よりも低いことから、本発明の容量式タッチパメル200の応答時間は、前記式(1)に及び式(2)による従来技術の前記容量式タッチパネル100の応答時間よりも短い。さらに、本発明の容量式タッチパネルはさらに、光学的透明接着剤の使用を低減させ、コストを節約し、かつ製造プロセスかつ製造速度を改善することができる。
【0008】
図3は本発明の前記シペーサ230の構成を示すダイヤグラムである。前記スペーサ230は前記容量式タッチパネルの端部に、前記第1の基板210及び前記第2の基板220の間の支持構造として設け、前記第1の基板210及び前記第2の基板220の間の前記ギャップ232を形成する。図3に示されるように、前記スペーサ230は前記容量式タッチパネル200の前記端部に沿って前記容量タッチパネル200を封止する。
【0009】
図4は、本発明の他の容量式タッチパネル500のダイヤグラムを示す。図4に示されるように、容量式タッチパネル500は、前記第1の基板210、前記第2の基板、前記スペーサ230及び複数のスペーシングドット240を含む。前記第1の基板210は複数の第1の導電性ストリップ212を前記第1の方向に沿って前記第1の基板の下部表面上に形成する。前記第2の基板220は前記第1の基板210の下部に設けられる。前記第2の基板220は複数の第2の導電性ストリップ222を持ち、これらは前記第2の方向に沿って前記第2の基板220の上部表面上に形成される。前記スペーサ230は前記第1の基板及び前記第2の基板の間に設けられ、前記第1の基板210及び前記第2の基板220の間にギャップ232を形成する。さらに、複数のスペーシングドット240は、前記導電性ストリップ212及び222の間の通電を防止するために前記スペーサ230の内側に設けられ得る。前記スペーシングドット240は、前記第1の基板210の下部表面上、前記第2の基板220の上部表面上、又は前記第1の基板の下部表面及び前記第21の基板220の上部表面の両方に設けられ得る。前記スペーシングドット240は全ての形状があり得る。
【0010】
図5は、本発明の他の容量タッチパネル600のダイヤグラムを示す。図4に示されるように、前記第1の基板210,前記第2の基板220、前記スペーサ230の他、容量式タッチパネル600はさらに、前記第1の基板210の前記下部表面の周辺上に、前記容量式タッチパネル600の前記端部に設けられるカバー要素のための装飾層250を含むことができる。さらに、前記複数の第1の導電性ストリップ212の端部が装飾層250上に設けられ、前記第1の導電性ストリップ121及び他の信号ラインの間の接続部がカバーされ得る。図5に示される構成によれば、前記光学透明接着剤の使用が低減される。というのは、本発明の容量式タッチパネル600は前記容量式タッチパネル600の前記端部に設けられる前記要素をカバーする余分の装飾プレートは必要ないからである。
【0011】
図6は図2に対応する本発明の容量タッチパネル200Aの他の実施態様を示すダイヤグラムである。図7は、図4に対応する本発明の容量式タッチパネル500Aの他の実施態様を示すダイヤグラムである。また図8は、図5に対応する本発明の容量タッチパネル600Aの他の実施態様を示すダイヤグラムである。これらの図に示されるように、第1の導電性ストリップ212Aは前記第2の方向に沿う前記第1の基板210Aの前記下部表面上に形成され、前記第2の導電性ストリップ222A前記は前記第1の方向に沿って前記第2の基板220Aの上部表面上に形成される。
【0012】
前記実施態様では、前記第1の方向は前記第2に方向と垂直である。しかし他の実施態様では、前記第1の方向は前記第2の方向と垂直であることは必要ではなく、前記第1の方向と前記第2の方向はお互いに異なる方向の全ての組み合わせであり得る。
【0013】
さらに、前記実施態様では、前記第1の基板210、210Aはガラス基板又はプラスチック基板であり得る。前記第1の基板210、210Aは、アクリル、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリカーボネートから製造され得る。前記第2の基板220、220Aはガラス基板又はプラスチックフィルムであり得る。前記第2の基板220、220Aは、アクリル、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリカーボネートから製造され得る。前記導電性ストリップ212、212A、222、222Aは透明導電性ストリップであり、インジウムスズ酸化物、透明導電性ポリマーフィルム又は透明半金属フィルムから製造され得る。前記ギャップ232に充填される前記気体は、空気及び/又はヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン及び/又はキセノンなどの不活性ガスを含む。さらに、前記ギャップ232に充填された気体は、空気及び/又は不活性ガス以外の気体を含むことができる。前記ギャップの充填気体は容量式タッチパネルの応答時間を減少させるだけでなくまた、干渉を低減することができる。
【0014】
従来技術とは対照的に、本発明の容量式タッチパネルは気体を用いており、この気体は、前記第1の方向に沿って前記第1の導電性ストリップと前記第2の方向に沿って前記第2の導電性ストリップの間の絶縁体として、容量タッチパネルの前記対応時間は干渉低減と同様に減少するために、より低い誘電率を持つ。
【0015】
本発明の教示を保持しつつ前記装置及び方法の種々の変更等が可能である、ということは当業者には容易に理解できるであろう。従って前記開示は特許請求の範囲にのみ限定されるものとして解釈されるべきである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
応答時間を減少し干渉を低減する容量式タッチパネルであり、前記容量式タッチパネルは:
第1の方向に沿って前記第1の基板の下部表面上に形成される複数の第1の導電性ストリップを持つ第1の基板;
第2の方向に沿って前記第2の基板の上部表面上に形成される複数の第2の導電性ストリップを持つ第2の基板;及び
前記第1の基板及び前記第2の基板の間のギャップを形成するための前記第1の基板及び前記第2の基板の間に設けられるスペーサ、を含む容量式タッチパネル。
【請求項2】
請求項1に記載の容量式タッチパネルであり、前記第1及び前記第2の導電性ストリップが透明導電性ストリップであり、インジウムスズ酸化物、透明導電性ポリマーフィルム又は透明半金属フィルムである、容量式タッチパネル。
【請求項3】
請求項1に記載の容量式タッチパネルであり、前記スペーサが前記容量式タッチパネルの端部に設けられる、容量式タッチパネル。
【請求項4】
請求項3に記載の容量式タッチパネルであり、さらに、前記スペーサの内側に設けられる複数のスペーシングドットを含む、容量式タッチパネル。
【請求項5】
請求項3に記載の容量式タッチパネルであり、前記スペーサは、前記容量式タッチパネルの端部に沿って前記容量式タッチパネルを封止する、容量式タッチパネル。
【請求項6】
請求項1に記載の容量式タッチパネルであり、前記第1の基板がガラス基板である、容量式タッチパネル。
【請求項7】
請求項1に記載の容量式タッチパネルであり、前記第1の基板が、アクリル、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリカーボネートで製造される、容量式タッチパネル。
【請求項8】
請求項1に記載の容量式タッチパネルであり、前記第2の基板が、ガラス、アクリル、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリカーボネートで製造される、容量式タッチパネル。
【請求項9】
請求項1に記載の容量式タッチパネルであり、前記ギャップが気体で充填される、容量式タッチパネル。
【請求項10】
請求項9に記載の容量式タッチパネルであり、前記ギャップに充填される気体が空気を含む、容量式タッチパネル。
【請求項11】
請求項9に記載の容量式タッチパネルであり、戦記ギャプに充填される気体は不活性気体である、容量式タッチパネル。
【請求項12】
請求項11に記載の容量式タッチパネルであり、戦記不活性気体が、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン及び/又はキセノンである、容量式タッチパネル。
【請求項13】
請求項1に記載の容量式タッチパネルであり、さらに、前記容量式タッチパネルの端部に設けられる要素をカバーするために前記第1の基板の前記下部表面の周辺上に形成される装飾層を含む、容量式タッチパネル。
【請求項14】
請求項13に記載の容量式タッチパネルであり、前記複数の第1の導電性ストリップが前記装飾層上に設けられる、容量式タッチパネル。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−221495(P2012−221495A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−83815(P2012−83815)
【出願日】平成24年4月2日(2012.4.2)
【出願人】(510121709)宇辰光電股▲ふん▼有限公司 (5)
【Fターム(参考)】