説明

タッチモジュールの製造方法

【課題】本発明は、タッチモジュールの製造方法に関するものである。
【解決手段】本発明のタッチモジュールの製造方法は、タッチ素子と、装飾フィルムと、金型とを提供する第一ステップであって、前記タッチ素子が、柔軟な材料からなり、前記金型が、一つの雌型と、一つの雄型とを含む第一ステップと、前記タッチ素子を前記金型の雌型に固定し、前記装飾フィルムを前記金型の雄型に固定する第二ステップと、前記金型を閉じた後、プラスチック材料を前記金型に注入することにより、ケースを形成し、前記タッチ素子と、前記装飾フィルムとを、前記ケースに強く付着させ前記タッチモジュールを形成する第三ステップと、前記金型を開けて、前記タッチモジュールを前記金型から取り出す第四ステップと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチモジュールの製造方法に関し、特にタッチ機能を持ったタッチモジュールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タッチ機能を備えた電子設備の多様化に伴い、その外観は2.5次元(2.5D)或いは3次元(3D)を備えた曲面へと変化している。しかし、現在のタッチ技術では、上記の曲面の外観を有する製品に対応させることは難しい。
【0003】
一般に、従来の抵抗膜式タッチパネル及び静電容量式タッチパネルの透明導電層は、ITOからなる。しかし、ITOは柔軟性及び導電性が悪く、曲面加工中に、損傷し易い。また、製造過程において、従来の静電容量式タッチパネルを曲面加工する際、ITO透明導電層を曲面ガラス基板に貼接させた後、該曲面ガラス基板を電子設備のカバーレンズに貼付する。しかし、上記の製造過程は成功率が低いので、生産率も低く、且つコストも高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前記課題を解決するために、立体的で、曲面及びタッチ機能を有し、且つ生産コストが低いタッチモジュール及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のタッチモジュールの製造方法は、タッチ素子と、装飾フィルムと、金型とを提供する第一ステップであって、前記タッチ素子が、柔軟な材料からなり、前記金型が、一つの雌型と、一つの雄型とを含む第一ステップと、前記タッチ素子を前記金型の雌型に固定し、前記装飾フィルムを前記金型の雄型に固定する第二ステップと、前記金型を閉じた後、プラスチック材料を前記金型に注入することにより、ケースを形成し、前記タッチ素子と、前記装飾フィルムとを、前記ケースに強く付着させ前記タッチモジュールを形成する第三ステップと、前記金型を開けて、前記タッチモジュールを前記金型から取り出す第四ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0006】
従来の技術に比べて、本発明のタッチモジュールは、そのケースが湾曲状であり、該ケースは、タッチ素子をカバーする。また、前記タッチ素子と、前記ケースと、前記装飾フィルムは一体成型される。これにより、前記タッチ素子と前記装飾フィルムは湾曲状を呈す前記ケースに強固に固定され、且つ前記タッチモジュールに立体的な外観を持たせることができる。また、本発明のタッチモジュールの製造方法は、インモールド装飾成形法及び両面コーディングフィルム技術を利用して、前記タッチ素子と装飾フィルムとから、一度にタッチモジュールを形成する。従って、前記タッチモジュールの製造方法は簡単で、且つコストも低い。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施例に係るタッチモジュールの斜視図である。
【図2】図1中の線II−IIに沿った断面図である。
【図3】図1中のタッチ素子及び装飾フィルムの構造を示す図である。
【図4】タッチモジュールの製作過程を示すフローチャートである。
【図5】タッチモジュールの製造工程を示す図である。
【図6】タッチモジュールの製造工程を示す図である。
【図7】タッチモジュールの製造工程を示す図である。
【図8】タッチモジュールの製造工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
【0009】
(実施例1)
図1及び図2を参照すると、本発明のタッチモジュール20は、タッチ素子210と、ケース220と、装飾フィルム230と、を備え、前記ケース220は、前記タッチ素子210と前記装飾フィルム230との間に設置されて、前記タッチ素子210と前記装飾フィルム230と一体成型される。
【0010】
前記タッチモジュール20には、更に、湾曲したタッチ領域222が定義されている。該タッチ領域222は、前記ケース220の中間部に位置し、且つ前記タッチ素子210によって、カバーされている。ユーザーが、前記タッチ領域222をタッチすることによって、電子信号を発生させ、前記タッチ素子210は、該電子信号を感知する。その後、前記タッチ領域222には、前記タッチ素子210によって、表示画面が表示される。
【0011】
また、前記ケース220は、弧状或いは階段状を呈し、2.5次元或いは3次元の構造を備えるので、前記ケース220に曲面を備えた外観を持たせることができる。前記タッチ領域222は、前記ケース220の湾曲する部分に設置されるので、前記タッチ領域222も弧状或いは階段状を有する。従って、前記タッチモジュール20も、立体的で、2.5次元或いは3次元の構造を有することができる。該タッチモジュール20は、他の電子デバイスにも用いることもできる。前記の他の電子デバイスは、例えば、携帯電話のカバー、カーナビゲーションのカバー、立体的なタッチパネルのカバーなどである。本発明において、前記タッチモジュール20は、携帯電話の前カバーとして利用される。
【0012】
前記ケース220は、更に、外表面(図示せず)及び内表面(図示せず)を有し、前記外表面はユーザーに対向し、前記内表面は、該外表面に対向する。前記タッチ領域222は外表面(図示せず)及び内表面(図示せず)を有し、且つ前記タッチ領域222の外表面は前記ケース220の外表面の一部である、前記タッチ領域222の内表面は前記ケース220の内表面の一部である。前記タッチ素子210及び前記装飾フィルム230は、それぞれ前記ケース220の両側に対して、互いに対向して設置される。この場合、前記タッチ素子210は、前記ケース220の内表面、且つ前記タッチ領域222の内表面に設置され、前記装飾フィルム230は、前記ケース220の外表面、且つ前記タッチ領域220の外表面に設置される。即ち、前記ケース220は、前記タッチ素子210と前記装飾フィルム230との間に固定される。しかし、前記タッチ素子210は、前記ケース220の外表面に位置しても良い。この場合、前記タッチ素子210は、前記ケース220と前記装飾フィルム230との間に固定される。
【0013】
前記ケース220は、透明或いは不透明のプラスチック材料からなる。前記透明プラスチック材料は、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのいずれ一種の材料である。前記不透明プラスチック材料は、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合合成樹脂(ABS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート/アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合成樹脂(PC/ABS)、ポリカーボネート/ポリブチレンテレフタレート(PC/PBT)、ポリカーボネート/ポリエチレンテレフタレート(PC/PET)、ポリカーボネート/ポリメチルメタクリレート(PC/PMMA)、ポリアミド(PA)などのいずれ一種の材料である。前記ケース220の材料が透明材料である場合、前記タッチモジュール20は表示デバイスを備えた電子デバイスに用いることができ、前記ケース220の材料が不透明材料である場合、前記タッチモジュール20は、表示デバイスが不要の電子デバイスに用いることができる。本実例において、前記ケース220はポリメチルメタクリレートからなる。
【0014】
前記タッチ素子210と前記ケース220は一体成型であるので、該タッチ素子210の辺縁は、前記ケース220によって覆われ、前記タッチ素子210は前記タッチ領域222の周囲に固定され、且つ前記ケース220に強く固定されている。更に、前記タッチ素子210は柔軟な素子であるので、前記タッチ領域222の形状の変化に伴って、前記タッチ素子210も変化することができる。即ち、前記タッチ素子210は、前記タッチ領域222が弧状へ変化すると、自身も弧状へと変化することができる。また、前記タッチ領域222が階段状へと変化する場合も同様である。
【0015】
前記ケース220は弧状の前記タッチ領域222を有し、また、弧状の該タッチ領域222は、前記タッチ素子210の中央部に設置される。図2を参照すると、図1の前記タッチモジュール20を平面視した場合、前記弧状のタッチ領域222は、横方向に対して互いに平行する2つの弧線及び縦方向に対して互いに平行する2つの直線を有する。
【0016】
前記タッチ素子210は、カーボンナノチューブを利用した、静電容量式のタッチセンサーである。図3を参照すると、前記タッチ素子210は、カーボンナノチューブ層214と、前記カーボンナノチューブ層214と電気的に接続される少なくとも二つの電極(第一電極216及び第二電極218)と、を含む。前記カーボンナノチューブ層214は、前記装飾フィルム230に近接して設置され、且つ前記タッチ素子210の透明導電層とされる。これにより、前記カーボンナノチューブ層214は、前記ケース220の前記タッチ領域222をカバーすることができる。
【0017】
前記カーボンナノチューブ層214は透明であり、複数のカーボンナノチューブからなる。本実例において、前記複数のカーボンナノチューブは同じ方向に沿って配列され、且つ隣接する複数のカーボンナノチューブは分子間力で端と端が接続されている。前記カーボンナノチューブ層214は、少なくとも一枚のカーボンナノチューブフィルムを含む。前記カーボンナノチューブ層214が、複数のカーボンナノチューブフィルムを含む場合、前記複数のカーボンナノチューブフィルムは隙間なく並列され、且つ同じ面に設置される、或いは積層されて多層に設置される。本実例において、前記複数のカーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブは、基本的に同じ方向に沿って配列される。即ち、隣接する前記複数のカーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブの配列方向は同じである。
【0018】
前記カーボンナノチューブ層214の厚さは0.5nm〜100μmであるが、好ましくは、100nm〜200nmである。前記カーボンナノチューブフィルムは柔軟性に優れ、且つ任意の形状に曲げることができる。また、破裂しにくく、優れた透明性及び導電性を有する。従って、前記カーボンナノチューブ層214も優れた柔軟性、導電性、透明性を有する。また、前記カーボンナノチューブ層214中の前記カーボンナノチューブフィルムの層数は限定されず、理想的な光透過率を実現できれば良い。本実施例の単層の前記カーボンナノチューブフィルムの光透過率は85%以上である。
【0019】
前記少なくとも二つの電極は、前記カーボンナノチューブ層214に設置され、且つ電気接続される。前記電極の材料は、金属、カーボンナノチューブ、導電性銀ペースト或いは他導電性材料からなることができるが、柔軟性を持つカーボンナノチューブ、或いは導電性銀ペーストからなることが好ましい。前記電極にカーボンナノチューブ及び導電性銀ペーストを使用した場合、前記電極が湾曲されても、これらの導電性は影響を受けない。本実施例において、前記少なくとも二つの電極は、導電性銀ペーストからなる。
【0020】
前記タッチ素子210は、柔軟な基板212を含む。本実施例において、前記基板212はPET基板であり、前記カーボンナノチューブ層214は、前記基板212の表面に設置されている。且つ、前記カーボンナノチューブ層214の前記基板212の表面に隣接した表面とは反対の表面は、前記装飾フィルム230に近接している。前記基板212は、前記カーボンナノチューブ層214及び前記少なくとも二つの電極を支持し、且つその材料は電気絶縁材料である。前記電気絶縁材料は、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル材料、或いはポリエーテルサルホン(PES)、繊維樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)、ベンゾシプロブテン(BCB)、アクリルなどのいずれ一種の材料である。本実例において、前記基板212は、ポリエチレンテレフタレートである。
【0021】
前記タッチ素子210は、更に、柔軟なプリント回路基板219を含む。前記プリント回路基板219は、前記カーボンナノチューブ層214の一側に設置され、前記少なくとも二つの電極と電気的に接続される。また、前記プリント回路基板219は、他のユニットと電気的に接続されることによって、前記タッチ素子210を作働させる。また、前記タッチ素子210は適当な位置に他の機能層を追加することもできる。前記の機能層は、例えば、シールド層、保護層などである。
【0022】
前記カーボンナノチューブ層214は、前記基板212に付着して設置され、前記タッチ領域222をカバーする。本実施例において、二つの前記第一電極216及び二つの前記第二電極218は、前記基板212上に設置された前記カーボンナノチューブ層214の辺縁にそれぞれ設置され、前記プリント回路基板219は、前記二つの第一電極216及び前記二つの第二電極218によって、前記カーボンナノチューブ層214と電気的に接続される。また、前記第一電極216及び前記第二電極218は導電性銀ペーストからなり、柔軟性に優れているので、前記ケース220の湾曲の変化によって、自身も湾曲することができる。
【0023】
前記カーボンナノチューブ層214は、単層のカーボンナノチューブフィルムからなり、該単層カーボンナノチューブフィルムは自立構造である。ここで、自立構造とは、支持体材を利用せず、前記カーボンナノチューブフィルムを独立して利用することができるという形態のことである。すなわち、前記カーボンナノチューブフィルムを対向する両側から支持して、前記カーボンナノチューブフィルムの構造を変化させずに、前記カーボンナノチューブフィルムを懸架させることができることを意味する。従って、前記カーボンナノチューブ層214も自立構造である。また、前記カーボンナノチューブ層214は、互いに平行して、同じ方向に沿って配列された複数のカーボンナノチューブからなる。前記カーボンナノチューブ層214における大部分のカーボンナノチューブは、端と端とが接続されて、同じ方向に沿って延伸する。更に、前記カーボンナノチューブ層214は、同じ方向に配列する複数のカーボンナノチューブ束を含む。前記複数のカーボンナノチューブ束は、長さが同じであり、端と端が接続されることによって、連続したカーボンナノチューブ層を形成することができる。
【0024】
前記カーボンナノチューブは、軸方向に平行する方向に沿う導電性に優れ、且つ前記カーボンナノチューブ層214におけるカーボンナノチューブの軸方向は、基本的に同じ方向に延伸する。従って、前記カーボンナノチューブ層214における前記カーボンナノチューブの軸方向に対する抵抗は、他の方向よりも小さい。ここで、該方向を低抵抗方向と定義する。本実例において、前記二つの第一電極216は低抵抗方向と垂直する方向に設置される。また、前記カーボンナノチューブ層214における前記カーボンナノチューブの、軸方向に対して垂直する方向の抵抗は他の方向よりも大きい。ここで、該方向を高抵抗方向と定義する。前記カーボンナノチューブ層214においては、少数のカーボンナノチューブがランダムに配列され、該少数のランダムに配列されたカーボンナノチューブは、隣接するカーボンナノチューブと接触する。従って、前記カーボンナノチューブ層214は前記高抵抗方向に沿って導電性を有する。しかし、前記高抵抗方向の抵抗は、他の方向よりも大きく、その導電率が低い。従って、前記二つの第二電極218は、前記高抵抗方向と垂直する方向に設置される。即ち、二つの前記第一電極216及び二つの前記第二電極218は、前記カーボンナノチューブ214の四つの辺に、それぞれ設置される。
【0025】
前記装飾フィルム230は、前記タッチモジュール20を装飾するために用いられ、該タッチモジュール20に図案或いは色彩を持たせる。これにより、前記タッチモジュール20は、美しい外観を有することができる。また、前記装飾フィルム230により、前記タッチモジュール20のタッチ機能を実現する押しボタンの表示記号及び企業名なども表示することができる。前記装飾フィルム230は、前記ケース220の外表面(即ち、前記タッチモジュールの外表面)に設置されるので、前記ケース220を保護して、破損することを防ぐ機能を持ち、且つ前記装飾フィルム230の形状も、前記ケース220の形状と同じである。即ち、前記ケース220の外表面の変化によって前記装飾フィルム230自身も変化することができる。
【0026】
前記装飾フィルム230は、更に金属膜層(図示せず)を含むことができる。これにより、前記装飾フィルム230は、金属性の光沢を得ることができる。前記金属膜層は真空蒸着法、真空スパッタ法などの方法によって形成される。また、前記装飾フィルム230の前記タッチ領域222と対応する部分は、透明である。従って、前記タッチモジュール20をディスプレイに用いる場合、ユーザーは、該ディスプレイを見ることができる。また、前記装飾フィルム230の他の部分においては、要望に応じた色彩を使用することができる。
【0027】
本実例における、前記装飾フィルム230は、前記ケース220の外表面に設置され、且つ前記タッチ領域222に対応する部分は透明であり、他の部分が不透明(黒色)である。該不透明部分には、携帯電話の表示記号、企業名などが表示されている。
【0028】
前記タッチ素子210及び前記装飾フィルム230は、前記ケース220に強く固定される。また、前記タッチ素子210はタッチ機能を有するので、前記タッチモジュール20もタッチ機能を有する。また、前記タッチ素子210は、柔軟性を有するため、湾曲が可能である。従って、前記タッチモジュール20も立体的で、2.5次元或いは3次元の構造を持つことができる。
【0029】
図4は、前記タッチモジュール20の製造過程を示している。また、図5を併せて参照すると、本発明の前記タッチモジュール20の製造方法には、インモールド装飾成形法及び両面コーディングフィルム技術を利用して、前記タッチモジュール20を形成する。前記タッチモジュール20の製造方法は次のステップを含む。
【0030】
S100:前記タッチ素子210と、前記装飾フィルム230と、金型100と、を提供する。該金型100は、一つの雌型110と一つの雄型120と、を含む。
【0031】
S200:前記タッチ素子210を前記金型100の雌型110に固定させ、前記装飾フィルム230を前記金型100の雄型120に固定させる(図6を参照)。
【0032】
S300:前記金型100を閉じた後、前記プラスチック材料を前記金型100に注入することにより、前記ケース220を形成し、前記タッチ素子210及び前記装飾フィルム230が前記ケース220に強く付着して前記タッチモジュール20が形成される(図7を参照)。
【0033】
S400:前記金型100を開き、前記タッチモジュール20を前記金型100から取り出す(図8を参照)。
【0034】
更に、以下において、S200〜S400を具体的に説明する。
【0035】
S200において、前記雌型(第一湾曲形状)110と前記雄型120(第二湾曲形状)とを嵌め合わせて、型穴112(第三湾曲形状)を形成する。ここで、該型穴112は、前記タッチ素子210と前記装飾フィルム230とを固定するために用いられ、前記型穴112の形状は、前記タッチモジュール20の形状に対応する。即ち、前記タッチモジュール20の形状及び構造(特に、前記ケース220)に応じて、前記型穴112の形状を選び、前記金型100を製造する。
【0036】
また、前記雌型110は、前記雄型120に対向する第一パーティング面(図示せず)を有する。該第一パーティング面は、前記タッチ素子210を固定する選定領域を有する。この選定領域の形状及び構造は、前記タッチ素子210の形状と対応する。従って、前記タッチ素子210を、前記第一パーティング面に固定することができる。
【0037】
前記雄型120は成型口122を有する。熔融された前記ケース220の材料は、該成型口122から、前記型穴112に注入されるが、前記成型口122は、前記型穴112に近接する辺縁に設置されることが好ましい。他の実施例において、前記タッチモジュール20は多数の前記成型口122を有することができる。
【0038】
前記雄型120は、前記雌型110に対向する第二パーティング面(図示せず)を有する。前記第二パーティング面は、前記装飾フィルム230を固定する選定領域を有する。この選定領域の形状及び構造は、前記装飾フィルム230の形状に対応する。従って、前記装飾フィルム230を、前記第二パーティング面に固定することができる。以上により、前記第一パーディング面と前記第二パーティング面とは相対的に設置されて、前記型穴112が形成される。
【0039】
さらに、前記金型100には、第一送膜装置(図示せず)が接続されている。前記第一送膜装置は一組の薄膜輸送輪(図示せず)及び一組のガイドホイール(図示せず)を含む。前記一組の薄膜輸送輪は、前記金型100の対向する両側にそれぞれ設置され、前記装飾フィルム230を牽引して、前記型穴112に送出するために使用される。また、前記ガイドホイールは、前記装飾フィルム230の送出方向を制御する。
【0040】
更に、前記金型100には、第二送膜装置(図示せず)が接続されている。該第二送膜装置の構造は、前記第一送膜装置の構造と同じである。前記第二送膜装置は、前記タッチ素子210を前記金型100の前記型穴112に送るために使用される。
【0041】
前記タッチ素子210は、前記雌型110の前記第一パーティング面の選定領域に固定される。これによって、前記タッチ素子210は、前記第一湾曲形状に形成される。前記装飾フィルム230は、前記雄型120の前記第二パーティング面の選定領域に固定される。これによって、前記装飾フィルム230は、前記第二湾曲形状に形成される。
【0042】
本実例において、S200は以下のサブステップを含む。前記装飾フィルム230は、前記第一送膜装置によって輸送された後、前記雄型120の前記第二パーティング面に沿って、前記雌型110と前記雄型120との間に輸送される。次に、前記装飾フィルム230は、前記第二パーティング面の選定領域に固定され、且つ前記雄型120の前記第二パーディング面に付着する。前記タッチ素子210は、前記第二送膜装置によって輸送され、前記雌型110の前記第一パーティング面に沿って、前記雌型110と前記雄型120の間に輸送される。次いで、前記タッチ素子210は、前記第一パーティング面の選定領域に固定され、且つ雌型110の前記第一パーティング面に付着する。最後に、前記タッチ素子210のPET基板212を前記雌型110のパーティング面に合わせる。
【0043】
S300において、前記ケース220の材料である前記ポリメチルメタクリレートを、前記成型口122から、前記型穴112に充満するまで注入する。この際、前記雄型120の前記第二パーディング面に固定された前記装飾フィルム230及び前記雌型110の前記第一パーディング面に固定された前記タッチ素子210は、前記ケース220の材料の表面に付着する。その後、該材料を冷却させることによって、前記ケース220を形成する。即ち、前記タッチ素子210、前記ケース220、前記装飾フィルム230が一体成型された前記タッチモジュール20が形成される。
【0044】
前記雌型110と前記雄型120を合わせる過程において、前記雌型110と前記雄型120によって、前記ケース220の両側に付着した前記タッチ素子210と前記装飾フィルム230とはカットされる。また、前記タッチ素子210は、前記第二送膜装置における前記タッチ素子210から脱離し、前記装飾フィルム230は、前記第一送膜装置における前記装飾フィルム230から脱離する。
【0045】
S400において、前記雌型110と前記雄型120を分離した後、前記タッチ素子210と前記装飾フィルム230が付着した前記タッチモジュール20を押し出す。これにより、前記タッチ素子210及び前記装飾フィルム230が一体成型された前記タッチモジュール20を得ることができる。
【0046】
前記タッチ素子210は、前記カーボンナノチューブ層214を含む。前記カーボンナノチューブ層214は、柔軟性、耐高温性、耐高圧性に優れ、また、耐磨耗性も強い。従って、前記製造方法によって、前記タッチモジュール20を製造する過程において、前記カーボンナノチューブ層214は、損傷が少なく、且つ導電性も良い。例えば、温度285℃と気圧700atmの条件下においても、前記カーボンナノチューブ層214は、その表面の損傷が少なく、導電性の変化も小さい。
【0047】
前記カーボンナノチューブ層214と電気的に接続する前記二つの第一電極216及び前記二つの第二電極218は、導電性銀ペーストによって形成されるので、前記タッチモジュール20が形成された後も、損傷が少なく、且つ導電性の変化も小さい。また、前記プリント回路基板219も柔軟であるため損傷が少ない。これにより、前記タッチ素子210のタッチ機能は、製造過程における影響を受けないので、前記タッチモジュール20はタッチ機能を有することができる。また、前記タッチモジュール20を応用する電子デバイスもタッチ機能を有することができる。
【0048】
また、前記タッチ素子210は前記カーボンナノチューブ層214を含み、該カーボンナノチューブは柔軟性を有するので、ロールツーロール法で前記タッチ素子210を提供することができる。従って、前記タッチモジュール20を量産でき、且つコストが低い。
【0049】
本発明のタッチモジュール20は、インモールド装飾成形法及び両面コーディングフィルム技術によって湾曲した前記ケース220を形成する。また、この際、前記タッチ素子210及び前記装飾フィルム230は、前記ケース220上に一体成型される。従って、前記タッチモジュール20の製造方法は簡単であり、且つ曲面上にフィルムを貼ることができる。また、前記タッチ素子210及び前記装飾フィルム230は柔軟性を有するので、前記ケース220も湾曲でき、前記タッチモジュール20も湾曲することができる。従って、前記タッチモジュール20は、2.5次元或いは3次元の構造を呈することができる。
【符号の説明】
【0050】
100 金型
110 雌型
112 型穴
120 雄型
122 成型口
20 タッチモジュール
210 タッチ素子
212 基板
214 カーボンナノチューブ層
216 第一電極
218 第二電極
219 プリント回路基板
220 ケース
222 タッチ領域
230 装飾フィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチ素子と、装飾フィルムと、金型とを提供する第一ステップであって、前記タッチ素子が、柔軟な材料からなり、前記金型が、一つの雌型と、一つの雄型とを含む第一ステップと、
前記タッチ素子を前記金型の雌型に固定し、前記装飾フィルムを前記金型の雄型に固定する第二ステップと、
前記金型を閉じた後、プラスチック材料を前記金型に注入することにより、ケースを形成し、前記タッチ素子と、前記装飾フィルムとを、前記ケースに強く付着させ前記タッチモジュールを形成する第三ステップと、
前記金型を開けて、前記タッチモジュールを前記金型から取り出す第四ステップと、
を含むことを特徴とするタッチモジュールの製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−114673(P2013−114673A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−183928(P2012−183928)
【出願日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【出願人】(512054595)識▲ふぁ▼科技股▲ふん▼有限公司 (3)
【Fターム(参考)】