説明

タッチ・ベースのテキスト入力のためのシステム及び方法

電子装置(10)は、電子装置によって送信された又は電子装置によって受信された一つ以上のメッセージのテキストを含むメッセージ・ログを表示し、文章作成が行われる新たなメッセージ用のテキストを示す入力フィールドを表示するタッチ・スクリーン(16)を含む。電子はまた、メッセージ・ログからユーザがタッチ選択したテキストを表すタッチ入力信号をタッチ・スクリーンから受信し、追加のユーザ入力なしで、入力フィールド内へタッチ選択されたテキストを入力するように構成される制御回路を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、一般的に、電子装置用のユーザ・インターフェースに関し、より具体的には、文章作成が行われるメッセージを移入するために、ユーザがメッセージ・ログからテキストを選択することを可能とする、タッチ・ベースのテキスト入力を含む電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機のようなポータブル電子装置の中には、ユーザ入力を得るためのタッチ・スクリーン技術を含むものがある。例えば、タッチ・スクリーンは、メニューをナビゲートしたり、ユーザが対応する表示された文字、数字、又は記号にタッチしたときに文字を入力したり、リンク又は表示されたボタンを選択したりするといった機能を実行するために、ユーザ入力を受けるのに用いることができる。しかし、テキスト入力を容易にしたりはかどらせたりするためにタッチ・スクリーンを用いることができる方法において、改良の余地が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
メッセージ作成時のテキスト入力を向上させるために、本開示は、タッチ・ベースのテキスト入力のためのシステム及び方法を説明する。メッセージ・ログから一つ以上の語(word)を選択するために、様々なタッチ・コマンドを用いてよい。メッセージ・ログが会話形式のメッセージの記録(例えば、テキスト・メッセージ、インスタント・メッセージ、又は電子メッセージの列)である場合、メッセージ・ログを会話ログと称してよい。一実施形態において、ユーザは、メッセージ・ログ内のテキストにタッチしてよく、タッチされたテキストは、文章作成が行われるメッセージ用の入力フィールド内に即座に現われる。よって、テキストにタッチすると、自動的に、対応するテキストが入力フィールドに追加されるという結果となる。この明細書の以下のセクションでより詳細に説明するように、個々の語又は異なる語の組合せを選択するのに様々なタイプのタッチを用いることができる。
【0004】
開示の一態様によれば、電子装置は、電子装置によって送信された又は電子装置によって受信された一つ以上のメッセージのテキストを含むメッセージ・ログを表示し、文章作成が行われる新たなメッセージ用のテキストを示す入力フィールドを表示するタッチ・スクリーンと、制御回路とを含む。制御回路は、メッセージ・ログからユーザがタッチ選択したテキストを表すタッチ入力信号をタッチ・スクリーンから受信し、追加のユーザ入力なしで、入力フィールド内へタッチ選択されたテキストを入力するように構成される。
【0005】
電子装置の一実施形態によれば、タッチ入力信号は、ユーザが個々の語をタッチすることに対応し、個々の語は、入力フィールド内へ入力される。
【0006】
電子装置の一実施形態によれば、タッチ入力信号は、メッセージ・ログからのメッセージに関連する指定場所に対応し、対応するメッセージからの全てのテキストが、入力フィールド内へ入力される。
【0007】
電子装置の一実施形態によれば、タッチ入力信号は、ユーザが2つの語の間のスペースをタッチすることに対応し、2つの語は、入力フィールド内へ入力される。
【0008】
電子装置の一実施形態によれば、タッチ入力信号は、ユーザが第一の語にタッチすること、及び、タッチすることを中断せずに第二の語をタッチするように移動することに対応し、第一及び第二の語は、タッチされた順序で入力フィールド内へ入力される。
【0009】
電子装置の一実施形態によれば、タッチ入力信号は、テキスト選択開始位置及びテキスト選択終了位置を示すために、第一の位置及び第二の位置に同時にタッチすることに対応し、開始位置から終了位置に及ぶテキストが、入力フィールド内へ入力される。
【0010】
電子装置の一実施形態によれば、制御回路は、更に、キー押下、タッチ・スクリーンへの手書き、又は、表示されるキーボードの文字のタッチの少なくとも一の形式でユーザ入力を受信し、タッチ選択されたテキストで、入力フィールド内へユーザ入力に対応するテキストを入力するように構成される。
【0011】
電子装置の一実施形態によれば、制御回路は、更に、ユーザに関連する予測テキスト辞書に、タッチ選択されたテキストを追加するように構成される。
【0012】
電子装置の一実施形態によれば、制御回路は、更に、タッチ・スクリーン上に一つ以上の提示されるフレーズを表示し、提示されるフレーズの一つからユーザがタッチ選択したテキストを表すタッチ入力信号をタッチ・スクリーンから受信し、追加のユーザ入力なしで、入力フィールド内へ提示されるフレーズからタッチ選択されたテキストを入力するように構成される。
【0013】
電子装置の一実施形態によれば、電子装置は携帯電話機である。
【0014】
開示の他の態様によれば、電子装置においてテキストを入力する方法は、タッチ・スクリーン上に、電子装置によって送信された又は電子装置によって受信された一つ以上のメッセージのテキストを含むメッセージ・ログを表示すること、タッチ・スクリーン上に、文章作成が行われる新たなメッセージ用のテキストを示す入力フィールドを表示すること、メッセージ・ログからユーザがタッチ選択したテキストを表すタッチ入力をタッチ・スクリーンを介して受信すること、及び、追加のユーザ入力なしで、入力フィールド内へタッチ選択されたテキストを入力することを含む。
【0015】
方法の一実施形態によれば、テキストのタッチ選択は、ユーザが個々の語をタッチすることに対応し、個々の語は、入力フィールド内へ入力される。
【0016】
方法の一実施形態によれば、テキストのタッチ選択は、メッセージ・ログからのメッセージに関連する指定場所に対応し、対応するメッセージからの全てのテキストが、入力フィールド内へ入力される。
【0017】
方法の一実施形態によれば、テキストのタッチ選択は、ユーザが2つの語の間のスペースをタッチすることに対応し、2つの語は、入力フィールド内へ入力される。
【0018】
方法の一実施形態によれば、テキストのタッチ選択は、ユーザが第一の語にタッチすること、及び、タッチすることを中断せずに第二の語をタッチするように移動することに対応し、第一及び第二の語は、タッチされた順序で入力フィールド内へ入力される。
【0019】
方法の一実施形態によれば、テキストのタッチ選択は、テキスト選択開始位置及びテキスト選択終了位置を示すために、第一の位置及び第二の位置に同時にタッチすることに対応し、開始位置から終了位置に及ぶテキストが、入力フィールド内へ入力される。
【0020】
一実施形態によれば、本方法は、キー押下、タッチ・スクリーンへの手書き、又は、表示されるキーボードの文字のタッチの少なくとも一つの形式でユーザ入力を受信すること、及び、タッチ選択されたテキストで、入力フィールド内へユーザ入力に対応するテキストを入力することを更に含む。
【0021】
一実施形態によれば、本方法は、ユーザに関連する予測テキスト辞書に、タッチ選択されたテキストを追加することを更に含む。
【0022】
一実施形態によれば、本方法は、タッチ・スクリーン上に一つ以上の提示されるフレーズを表示すること、提示されるフレーズのうち一つからユーザがタッチ選択したテキストを表すタッチ入力をタッチ・スクリーンから受信すること、及び、追加のユーザ入力なしで、入力フィールド内へ提示されるフレーズからタッチ選択されたテキストを入力することを更に含む。
【0023】
方法の一実施形態によれば、電子装置は携帯電話機である。
【0024】
これら及び更なる特徴は、以下の説明及び添付図面を参照することによって明らかとなるだろう。説明及び図面において、本発明の特定の実施形態が、本発明の原理が利用されるであろう方法のうち幾つかを示すものとして詳細に開示されているが、本発明が、範囲において、それに対応して限定されるものではないことが理解される。むしろ、本発明は、本明細書に添付される請求の範囲の範囲内に入る全ての変更、変形及び均等物を含む。
【0025】
一実施形態に関して説明され及び/又は図示される特徴は、一つ以上の他の実施形態において同じやり方で又は類似のやり方で、及び/又は、他の実施形態の特徴と組み合わせて又はその代わりに用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】タッチ・スクリーン入力組立品を含む例示的な電子装置としての携帯電話機の概略図である。
【図2】通信システムの一部として動作する、図1の電子装置の概略ブロック図である。
【図3】図1の携帯電話機を用いたタッチ・ベースのテキスト入力の例示的な方法を表すフローチャートである。
【図4】ユーザがタッチ・スクリーンにタッチすることによってテキストを入力するための様々な技術を表す、図1の携帯電話機のタッチ・スクリーンの概略図である。
【図5】ユーザがタッチ・スクリーンにタッチすることによってテキストを入力するための様々な技術を表す、図1の携帯電話機のタッチ・スクリーンの概略図である。
【図6】ユーザがタッチ・スクリーンにタッチすることによってテキストを入力するための様々な技術を表す、図1の携帯電話機のタッチ・スクリーンの概略図である。
【図7】ユーザがタッチ・スクリーンにタッチすることによってテキストを入力するための様々な技術を表す、図1の携帯電話機のタッチ・スクリーンの概略図である。
【図8】ユーザがタッチ・スクリーンにタッチすることによってテキストを入力するための様々な技術を表す、図1の携帯電話機のタッチ・スクリーンの概略図である。
【図9】ユーザがタッチ・スクリーンにタッチすることによってテキストを入力するための様々な技術を表す、図1の携帯電話機のタッチ・スクリーンの概略図である。
【図10】ユーザがタッチ・スクリーンにタッチすることによってテキストを入力するための様々な技術を表す、図1の携帯電話機のタッチ・スクリーンの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
ここで図面を参照しながら実施形態を説明するが、実施形態を通して、同様の構成要素を言及するのに同様の参照番号を用いる。図面は必ずしも一定の縮尺ではないことが理解されるだろう。
【0028】
本明細書においては、主として、図示される携帯電話機のようなポータブル無線通信装置に関連して、実施形態を説明する。しかしながら、携帯電話機という例示的なコンテキストは、開示されるシステム及び方法の態様を用いることができる唯一の動作環境ではないことが理解されるだろう。ゆえに、この明細書に記載される技術は、任意のタイプの適切な電子装置に適用することができ、その例として、携帯電話機、メディア・プレーヤ、ゲーム装置、コンピュータ、ポケットベル、通信機、電子手帳、携帯情報端末(PDA:personal digital assistant)、スマートフォン、ポータブル通信装置などが含まれる。
【0029】
まず図1及び2を参照すると、電子装置10が示される。電子装置10は、タッチ・スクリーン12を含む。タッチ・スクリーン12は、ディスプレイ14と、ディスプレイ14上に位置するタッチ入力組立品16を含んでよい。ディスプレイ14は、動作状態、時刻、電話番号、連絡先情報、様々なメニューなどのような、ユーザが電子装置10の様々な機能を利用することを可能とする情報をユーザに対して表示する。ディスプレイ14はまた、電子装置10によって受信され、及び/又は、電子装置10のメモリ18(図2)から取り出される内容を視覚的に表示するのに用いてよい。ディスプレイ14は、写真、携帯テレビのコンテンツ、インターネットのページ、及びゲームに関連する映像といった画像、映像及び他のグラフィックをユーザに対して提示するのに用いてよいが、これらに限定されるものではない。タッチ入力組立品16は、例えば、抵抗式タッチ入力組立品又は静電容量式タッチ入力組立品としてよく、センサ部品からの生信号を分析して、検知されるユーザ入力に対応する入力信号又は命令を生成するための、任意の適切なインターフェース回路(例えば、汎用入出力又はGIPO)を含んでよい。
【0030】
示されるように、ディスプレイ14及びタッチ入力組立品16は、タッチ・スクリーンの機能性を実施するために、相互に連動して用いてよい。例えば、ディスプレイ14は、メニュー、英数字キーの表示、リンクその他の形式で、内容をユーザに表示してよい。ユーザは、タッチ入力組立品16にタッチして(例えば、タップして)、表示される内容の所望の項目を選択してよい。更に他のタッチ動作(例えば、指をタッチしてドラッグすること)を、書いたり、ナビゲートしたり、スクロールしたり、表示された項目を移動させたりすることなど、他の入力目的のために用いてよい。
【0031】
図1の例示的な図は、電子装置10の筐体にベゼルで嵌め込まれたディスプレイ14及びタッチ入力組立品16を示す。ディスプレイ14及びタッチ入力組立品16は、電子装置10の筐体と実質的に面一となるように、ベゼルなしで保持されてよいことが理解されるだろう。
【0032】
一実施形態では、電子装置10は、テキスト又はナビゲーション入力のためのユーザ入力ボタン又はキーを全く持たない。例えば、電子装置に存在する唯一のボタンがオン/オフ電源ボタンであることもあり得るだろう。他の実施形態では、英数字キー、特殊文字キー、及び/又は、ファンクション・キーを有するキーパッド20(図2)が、タッチ・スクリーン12の近傍に位置してよい。代替的に、キーパッド20は、電子装置10の筐体部をスライドさせたり、枢動させたり、又は回転させたりして、電子装置10の他の部分に保持されるキーパッド20を露出させることによって、アクセスされてよい。しかしながら、このタイプのキーパッド20は、電子装置10がこのような方法で開いていないときには、カバーされていてよい。ゆえに、フォーム・ファクター及び/又は使用配置(例えば、開又は閉構成)は、電子装置10が、常に又は時々、ユーザ入力に用いることができるキー又はボタンを持たないようにしてよい。
【0033】
電子装置10は、タッチ入力組立品16からのユーザ入力を解釈して、電子装置10のユーザ・インターフェース(UI:user interface)の一部として適切な応答動作をとるように構成されるタッチ入力機能22を含んでよい。タッチ入力機能22の更なる詳細及び動作を以下に、より詳細に説明する。タッチ入力機能22は、電子装置10内に常駐し、電子装置10によって実行される実行可能な命令(例えばコード)として具体化することができる。一実施形態において、タッチ入力機能22は、コンピュータで読取り可能な媒体に記憶される一つ以上のプログラムであってよい。タッチ入力機能22は、独立したソフトウェア・アプリケーションであってもよいし、電子装置10に関する追加のタスクを実行するソフトウェア・アプリケーションの一部を構成してもよい。
【0034】
また、以下の説明を通して、タッチ・ベースのテキスト入力の例示的な技術を説明する。例示的な技術の説明を通して、ソフトウェアを実行することによって部分的に実行されるであろうステップの説明がなされることが理解されるだろう。説明されるステップは、それにより、当業者であるプログラマーが説明される機能性を実施するためのコードを書くことができる基礎である。そのため、コンピュータ・プログラム・リストは、簡潔さのため省略する。しかしながら、説明されるステップは、対応する装置が実行するように構成される方法と考えてよい。
【0035】
電子装置10は、電子装置10が他の装置との通信を確立することを可能とする通信回路を含む。通信は、通話、データ送信その他を含んでよい。通話は、音声通話及びビデオ通話のような任意の適切な形式をとることができるが、これらに限定されるものではない。通話は、例えば、携帯電話回路交換ネットワーク上で実行されてもよいし、又は、携帯電話ネットワークのパケット交換能力上又は代替的パケット交換ネットワーク(例えば、通例WiFiと呼ばれるIEEE802.11互換ネットワーク、又は、通例WiMAXと呼ばれるIEEE802.16互換ネットワーク)上で確立されるインターネット・プロトコル上の音声(VoIP:voice over Internet Protocol)通話の形式であってもよい。データ送信は、ストリーミング・コンテンツ(例えば、ストリーミング音楽、ストリーミング映像など)の受信、データ提供(例えば、プッシュされるデータ、ポッドキャスト、リアリー・シンプル・シンディケーション(RSS:really simple syndication)データ提供)の受信、データ(例えば、画像ファイル、映像ファイル、音声ファイル、着信音、インターネット・コンテンツなど)のダウンロード及び/又はアップロード、メッセージ(例えば、テキスト・メッセージ、インスタント・メッセージ、電子メール・メッセージ、マルチメディア・メッセージ)の受信又は送信、その他を含んでよいが、これらに限定されるものではない。このデータは、電子装置10によって処理され、メモリ18にデータを記憶すること、ユーザのデータとの相互作用を可能とするためにアプリケーションを実行すること、データに関連する映像及び/又は画像コンテンツを表示すること、データに関連する音声を出力すること、その他を含む。
【0036】
例示的な実施形態では、通信回路は、無線回路26に接続されるアンテナ24を含んでよい。無線回路26は、アンテナ24を介して信号を送受信するための無線周波数送信機及び受信機を含む。無線回路26は、移動通信システム28において動作するように構成されてよい。移動無線ネットワーク及び/又は放送ネットワークとの相互作用のための可能な無線回路26のタイプとして、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(GSM:global system for mobile communications)、符号分割多元接続(CDMA:code division multiple access)、広帯域CDMA(WCDMA)、汎用パケット無線サービス(GPRS:general packet radio service)、WiFi、WiMAX、総合サービス・デジタル放送(ISDB:integrated services digital broadcasting)、高速パケット接続(HSPA:high speed packet access)などに加えて、これらの基準の改良版、又は任意の他の適切な基準が含まれるが、これらに限定されるものではない。電子装置10は、一より多い基準を用いて通信可能であってよいことが、理解されるだろう。ゆえに、アンテナ24及び無線回路26は、一又は一より多い無線送受信機を代表してよい。
【0037】
システム28は、電子装置10から発される呼又は電子装置10宛の呼を管理したり、電子装置10とデータを送受信したり、任意の他の支援機能を実行したりするためのサーバ32(又は複数のサーバ)を有する通信ネットワーク30を含んでよい。サーバ32は、送信媒体を介して、電子装置10と通信を行う。送信媒体は、例えば、通信基地(例えば、携帯電話整備塔、つまり基地局(”cell” tower)、無線アクセス・ポイント、衛星などを含む、任意の適切な装置又は組立品としてよい。ネットワーク30は、複数の電子装置10及び他のタイプのエンド・ユーザ装置の通信活動をサポートしてよい。理解されるだろうが、サーバ32は、サーバ機能を実行するのに用いられる典型的なコンピュータ・システムとして構成されてもよく、サーバ32の機能を具体化する論理命令を含むソフトウェアを実行するように構成されるプロセッサと、そのようなソフトウェアを記憶するメモリとを含んでよい。代替的な構成においては、電子装置10は、ローカル・ネットワークを介して又はネットワークを介さずに、他の電子装置10(例えば、他の携帯電話機又はコンピュータ)と直接的に無線で通信してよい。
【0038】
電子装置10は、電子装置10の機能及び動作の全体的な制御を実行するように構成される主要な制御回路34を含んでよい。制御回路34は、中央処理装置(CPU:central processing unit)、マイクロコントローラ又はマイクロプロセッサのような処理装置36を含んでよい。処理装置36は、電子装置10の動作を実行するために、制御回路34内のメモリ(図示せず)及び/又はメモリ18のような別個のメモリに記憶されたコードを実行する。例えば、制御回路34内のメモリ18及び/又はメモリ18は、タッチ入力機能22を具体化する実行可能コードを記憶してもよく、処理装置36は、制御回路34がタッチ入力機能22の機能を実施するように構成されるように、そのコードを実行してよい。この点に関して、制御回路34は、タッチ入力組立品16からのユーザ入力コマンドを受け取ってよい。入力コマンドは、タッチ入力機能22によって解釈されてもよく、それに応じて、適切な対応動作が、電子10によって行われてよい。例えば、様々なテキスト入力動作を、この明細書の以下の部分でより詳細に説明する。
【0039】
メモリ18は、例えば、一つ以上のバッファ、フラッシュ・メモリ、ハード・ドライブ、リムーバブル・メディア、揮発性メモリ、非揮発性メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM:random access memory)、又は他の適切な装置であってよい。典型的な構成では、メモリ18は、長期のデータ保存用の非揮発性メモリと、制御回路34用のシステム・メモリとして機能する揮発性メモリとを含んでよい。メモリ18は、データ・バス上で制御回路34とデータを交換してよい。また、メモリ18と制御回路34との間に、付随する制御ライン及びアドレス・バスが存在してよい。
【0040】
電子装置10は、無線回路26によって送信され無線回路26から受信される音声信号を処理するための音声信号処理回路38を更に含む。音声処理回路38には、ユーザが電子装置10を介して聴いたり話したりすることを可能とするスピーカ40及びマイク42が接続される。無線回路26及び音声処理回路38は、全体的な動作を実行するように、それぞれ制御回路34に接続される。音声データは、ユーザに対する再生のため、制御回路34から音声信号処理回路38へ伝えられてよい。音声データは、例えば、メモリ18によって記憶され、制御回路34によって取り出される音声ファイルからの音声データ、又は、音声通信又は携帯ラジオサービスからのストリーミング音声データの形式など受信した音声データを含んでよい。音声処理回路38は、任意の適切なバッファ、復調器、増幅器その他を含んでよい。
【0041】
ディスプレイ14は、映像データを、ディスプレイ18を駆動するのに用いられる映像信号に変換する映像処理回路44によって、制御回路34に接続されてよい。映像処理回路44は、任意の適切なバッファ、復調器、映像データ・プロセッサその他を含んでよい。映像データは、制御回路34によって生成され、メモリ18に記憶される映像ファイルから取り出され、無線回路26によって受信される入力映像データ・ストリームから導出され、又は、任意の他の適切な方法によって得られてよい。
【0042】
電子装置10は、一つ以上の入力/出力(I/O)インターフェース(単数又は複数)46を更に含んでよい。I/Oインターフェース(単数又は複数)46は、典型的な携帯電話機I/Oインターフェースの形式であってもよく、一つ以上の電気コネクタを含んでよい。I/Oインターフェース(単数又は複数)46は、ケーブルを介して電子装置10を他の装置(例えば、コンピュータ)又はアクセサリ(例えば、パーソナル・ハンズフリー(PHF:personal handsfree)装置)に接続するための一つ以上のデータ・ポートを構成してよい。更に、I/Oインターフェース(単数又は複数)46を通して動作電力を受け取ってもよく、I/Oインターフェース(単数又は複数)46を通して、電子装置10内の電力供給ユニット(PSU:power supply unit)48のバッテリを充電するための電力を受け取ってよい。PSU48は、外部電源がない状態で、電子装置10を動作させるための電力を供給してよい。
【0043】
電子装置10はまた、様々な他の構成部品を含んでよい。例えば、デジタル写真及び/又は動画を撮るために、カメラ50が存在してよい。写真及び/又は動画に対応する画像及び/又は映像ファイルは、メモリ18に記憶されてよい。電子装置10の位置を決定するのに、全地球測位システム(GPS:global positioning system)受信機のような位置データ受信機52が関与してよい。赤外線送受信機及び/又は無線送受信機(例えば、ブルートゥース・チップセット)のようなローカル送受信機54を、アクセサリ(例えば、PHF装置)、別の移動無線端末、コンピュータ又は他の装置のような近傍の装置と通信を確立するのに用いてよい。
【0044】
加えて図3を参照すると、タッチ・ベースのテキスト入力の例示的方法を実施するための論理動作が示されている。例示的方法は、例えば、タッチ入力機能22の実施形態を実行することによって実現されてよい。よって、図3のフローチャートは、電子装置10によって実行される方法のステップを図示するものと考えてよい。図3は、機能論理ブロックを実行する特定の順序を示すが、ブロックを実行する順序は、図示される順序に対して変更してよい。また、連続して示される二つ以上のブロックは、同時に実行されてもよいし、又は、部分的に同時に実行されてもよい。また、或るブロックを省略してもよい。
【0045】
図3の論理フローは、テキスト・メッセージ、インスタント・メッセージ、マルチメディア・メッセージ、又は電子メール・メッセージを用いたメッセージの会話スタイルのフローに関連し、かつ、テキストを構成する例示的なコンテキストを説明する。メッセージの会話フローは、ユーザが別の人にメッセージを送信した後、その人が応答する場合に、典型的に生じる。関与する人たちが双方向のやり取り、又はメッセージによる会話を実行するように、更なるメッセージが、行ったり来たり送信されてよい。各メッセージは、ディスプレイ14に表示されるであろうメッセージ・ログに維持されてよい。
【0046】
この例示的な動作のコンテキストに加えて、表示されたテキストから選択されたテキストを入力フィールドに自動的に入力するための説明されるタッチ・ベースのテキスト入力の態様は、任意のタイプのメッセージを作ったり、ワード・プロセッサで作ったり、インターネット・ブラウザに検索文字列を入力したりするなど、他のコンテキストに適用してよいことが理解されるだろう。ゆえに、図示及び説明される会話形式の通信という代表的なコンテキストは、例示的なものであり、説明される技術の用途を限定する意図ではない。
【0047】
論理フローはブロック56から始めることができ、ユーザが通信機能を開始するか否かに関して判断がなされる。例えば、もし、ユーザが電子装置10を用いてメッセージ・アプリケーションを開始すると、ブロック56で肯定的判断がなされるであろう。仮に通信機能が既に開始されていたとしても、ユーザが新たな受信者に対して新たなメッセージを開始すると、やはりブロック56で肯定的判断に達するであろう。
【0048】
もしブロック56で肯定的判断がなされると、論理フローはブロック58へ進んでよい。ブロック58では、メッセージの混合を開始するのに用いられる一般的なフレーズのリストが表示されればよい。一般的なフレーズのリストは、ユーザには依存せず、この種のメッセージに一般的に現われる語句の辞書から得られるものであってよい。代替的に、フレーズのリストは、ユーザに特定のものであって、かつ、この種のメッセージにおいてユーザが一般的に使う語句の辞書から得られるものであってもよい。
【0049】
加えて図4を参照すると、タッチ・スクリーン12が、可能性のある開始フレーズ62の表示リスト60とともに示されている。図示される例では、4つのフレーズ62aから62dが示されているが、4つより少ない又は4つより多いフレーズ62が示されてもよいことが理解されるだろう。各フレーズは、一つ以上の語を含んでよい。本明細書で用いられる、語(word)という用語は、テキスト・メッセージで書く一般的な方法と同じく、適切なスペリングを有する完全な語、頭字語、及び、スペースを介することなく発音通りに示される語又は複数の語を含む。リスト60には追加のフレーズ62が存在してもよく、それは、スクロールバー64又は他のナビゲーションツールを用いて利用可能である。
【0050】
また、入力フィールド66とも称されるテキスト入力フィールドも示されている。ユーザは、キーパッド20(もしあれば)のボタンを押下したり、ディスプレイ14上に表示される文字上でタッチ入力16を押したり、入力されたテキストとして解釈されるタッチ・スクリーン12上で文字を描いたり、テキスト・ソースからテキストをコピー・ペーストしたりすることによって、入力フィールドにテキスト(例えば、文字、数字、記号及び他の文字)を入力することができる。テキストをコピー・ペーストすることは、テキスト・ソース内のテキストを強調させること、コピー・コマンドを選択すること、入力フィールド66に戻ること、及び、ペースト・コマンドを選択することを含んでよい。入力フィールド66は、テキスト入力技術を用いたときに新しいテキストがどこに現われるかを示すカーソル68を含んでよい。
【0051】
ブロック58に続いて、論理フローはブロック70に進めばよく、選択されるテキストを入力フィールド66に自動的に入力するために、ユーザが表示されたフレーズ62のうちの一つからテキストを選択するか否かに関して決定がなされる。もしブロック70で肯定的判断がなされれば、論理フローはブロック72に進んでよく、選択されたテキストが、入力フィールド66に自動的に追加される。この明細書の目的のため、入力フィールド66へのテキストの自動的な追加は、テキストを選択すること以外に何らの追加のユーザ動作(例えば、コマンドの入力)なしで、選択されたテキストを追加することを含む。ゆえに、いったん選択されれば、テキストを手動でコピー・ペーストするといったユーザ動作を何ら介在させることなく、テキストは、入力フィールド66において、カーソル68の現在位置に現われる。
【0052】
この目的のための様々なテキスト選択技術を、以下の段落で説明する。これらの例では、ユーザが入力フィールド66に現われることを望むテキスト(つまり所望のテキスト74)は、クロス・ハッチングを用いて強調される。ディスプレイ14上でのテキストの強調は、タッチ・ベースのテキスト入力の一部として、実際にはなされないかも知れない。また、これらの例において、一つ以上の指先によるユーザのタッチの概略的位置を、楕円76で示す。タッチ・ベースの入力は、指関節によるタッチ、タッチペンによるタッチなど他の方法で実施されてよいことが理解されるだろう。また、タッチ入力組立体16によっては、ユーザの指又はタッチペンの近接した存在にも反応することができるため、実際にタッチ・スクリーン12にタッチすることは要求されない。
【0053】
一つの例示的なテキスト選択技術を、図4に示す。この技術では、ユーザが、所望の語の間のスペースでタッチ・スクリーン12をタッチすることによって、2つの語が選択される。図示される例では、所望の語は、フレーズ62cの「good morning」であり、所望のテキスト74を示すためにクロス・ハッチングを用いて強調されている。所望の語の間のスペースでタッチする結果として、図示されるように、対応する語が入力フィールド66内へ自動的に入力される。
【0054】
一実施形態において、もしユーザが入力フィールド66に挿入するためにフレーズ62の一部を選択すると、選択されたテキストで始まるか又は選択されたテキストを含む追加のフレーズが表示されてよい。図4に示される例では、ユーザは、語「good morning」を選択している。図5に示すように、語「good morning」で始まるか又は語「good morning」を含む追加のフレーズ62が表示される。上記方法において、メッセージの作成は、メッセージを作成するための予測テキスト機能が提供されることによって容易にしてよい。
【0055】
別の例示的なテキスト選択技術を図5に示す。この技術では、フレーズ62に関連する指定領域をタッチすることによって、フレーズ62全体が選択される。一実施形態において、指定領域は、所望のフレーズ62の直前の空白スペースである。例えば、図5に示すように、各フレーズ62は、輪郭又は吹き出し78に囲まれていてよい。ユーザは、吹き出し78の縁と所望のフレーズ62の最初の文字との間でタッチ・スクリーン12をタッチすることによって、フレーズ62全体を選択してよい。フレーズ62全体を選択するために指定領域をタッチする結果として、図示されるように、対応する語が入力フィールド66内に自動的に入力される。
【0056】
会話ログとも称されるメッセージ・ログからテキストを選択することに関連して、以下で追加のテキスト選択技術を説明する。それらの技術の何れも、提示されるフレーズ62の表示からテキストを選択することに適用してよい。また、提示されるフレーズ62からテキストを選択する技術の何れも、メッセージ・ログからテキストを選択するために用いてよい。
【0057】
ブロック72に続いて又はブロック70での否定的判断に続いて、ブロック80で、ユーザは、メッセージの混合を開始すればよい。メッセージの混合は、メッセージを作成して他の人に送ることによって開始されてよい。メッセージの作成は、一つ以上の提示されるフレーズからテキストを選択することを含んでよい。メッセージの作成の他の方法としては、キーパッド20(もしあれば)を用いてメッセージをタイプすること、表示される文字を順次タッチすること、タッチ・スクリーン12上で文字を描く又は手書きすることなどが含まれる。また、メッセージの作成は、入力フィールド66内へ自動的に挿入するためにテキストを選択することと、他の技術との組合せを含んでよい。
【0058】
他の状況では、電子装置10が他の電子装置からメッセージを受信したときに、メッセージの混合の開始がなされてよい。代替的に、メッセージの混合が既に進行中であってもよいし、又は、ユーザが記憶されたメッセージ・ログを開いてもよい。
【0059】
更に図6から10を参照すると、メッセージ・ログ82が表示されてよい。メッセージ・ログ82は、電子装置10から事前に送信され、及び/又は、電子装置10によって受信されたメッセージ84のテキストを含んでよい。図示される例では、4つのメッセージ84aから84dが示されているが、4つよりも少ない又は多いメッセージ84が示されてもよいことが理解されるだろう。各メッセージ84は、対応する吹き出し86に表示されてよい。更なるメッセージ84が、ログ82に存在し、スクロールバー64又は他のナビゲーションツールを用いてアクセス可能であってよい。また、入力フィールド66及びカーソル68も示されている。
【0060】
ブロック80に続いて又はメッセージの混合を開始する何らかの他の動作に続いて、論理フローは、ブロック88に進めばよい。例えば、ブロック56での否定的判断、又は、電子装置10がメッセージを受信したときの論理フローへの開始点として、ブロック88に到達すればよい。
【0061】
ブロック88では、ユーザが、入力フィールド66への自動的な追加のため、表示されるメッセージ・ログ82からテキストを選択するか否かについて判断がなされればよい。テキスト選択は、提示されるフレーズ62からテキストを選択するための上述した方法の何れかによってなされてよい。更なるテキスト選択技術を以下の段落で説明するが、これらもまた、提示されるフレーズ62からテキストを選択するのに用いてよい。もしブロック88で肯定的判断がなされれば、論理フローはブロック86に進んでよく、選択されたテキストは、入力フィールド66へ自動的に追加される。示されるように、入力フィールド66内へのテキストの自動的な追加は、テキストを選択する以外に、何らの追加のユーザ動作(例えば、コマンドの入力)なしで選択されたテキストを追加することを含む。ゆえに、いったん選択されれば、テキストを手動でコピー・ペーストするといったユーザ動作を何ら介在させることなく、テキストは、入力フィールド66において、カーソル68の現在位置に現われる。
【0062】
一つの例示的なテキスト選択技術を、図6及び7に示す。この技術では、ユーザが所望の語の上でタッチ・スクリーン12をタッチすることによって単一の語が選択される。図6に示す例では、所望の語は、メッセージ84dの単一の文字「I」であり、所望のテキスト74を示すためにクロス・ハッチングを用いて強調されている。所望の語は一より多い文字を有していてもよく、ユーザは、語を選択するためにその語の何れの部分をタッチしてもよいことが理解されるだろう。例えば、図7に示される例では、所望の語は、メッセージ84dの「Wayne’s」である。その語をタッチする結果として、図示されるように、対応する語が入力フィールド66内に自動的に入力される。
【0063】
別の例示的なテキスト選択技術を図8に示す。この技術では、ユーザは、タッチ・スクリーン12上の開始点(楕円76aで示される)をタッチしてよく、これは、入力フィールド66への任意の対応するテキストの選択という結果となるだろう。図示される例では、開始点は、メッセージ84dの語「I」に対応する。タッチを中断することなく(例えば、タッチ・スクリーン12からユーザの指を持ち上げることなく)、ユーザは、開始点から終了点に及ぶ所望のテキスト74を選択するために、終了点(楕円76bで示される)に移動してよい。図示される例では、終了点は語「Wayne’s」に対応する。このタイプのテキスト選択は、開始点でタッチ・スクリーン12を指先でタッチし、指先を終了点までドラッグし、タッチ・スクリーン12から指先を持ち上げることによってなされてよい。指先がドラッグされるとき、ユーザが自分の指を動かすところにある連続する各語が選択され、入力フィールド66に追加されるだろう。図示される例では、ユーザは、フレーズ「I will be at Wayne’s」が入力フィールドに入力されるように、「I」、「will」、「be」、「at」及び「Wayne’s」を段階的にタッチする。このように語をタッチすることは、タッチ・スクリーン12上に現われるのと同じ順序である必要はなく、同じメッセージ84からである必要はなく、及び/又は、一又は複数のメッセージ84のうちの連続する語である必要もない。例えば、ユーザは、メッセージ84dの「I」をタッチし、同じメッセージの「want」まで下方へドラッグし、メッセージ84cの「a」へ、それからメッセージ84cの「coffee」へメッセージ84d中を移動することによって、「I want a coffee」を入力してよい。代替的に、タッチ・スクリーン12上に現われる複数の語で構成されるフレーズは、各語を個々に連続的にタッチすること(例えば、タップすること)によって作成してよい。このように一つ以上の語の各々をタッチする結果として、図示されるように、対応する語が入力フィールド66内へ自動的に入力される。
【0064】
一連の語を選択するための更に別の例示的なテキスト選択技術を図10に示す。この技術では、ユーザは、開始点(楕円76aで示される)と終了点(楕円76bで示される)とを特定するために2つの位置で同時にタッチ・スクリーン12をタッチする。このようにタッチすることは、例えば、人差し指と親指とを用いて、又は、人差し指と中指とを用いて行ってよい。このタッチ入力に反応して、開始点に関連する語、終了点に関連する語、及び、開始点と終了点との間に語(単数又は複数)があればその語が、タッチ・スクリーン12上に当該語が現われる順序で入力フィールドへ追加される。図示される例では、開始点は、メッセージ84dの語「I」に対応し、終了点は、同じメッセージの語「Wayne’s」に対応する。語「will be at」が、開始点と終了点との間に介在する。ゆえに、この例では、タッチ・スクリーン12の複数点をタッチした結果として、フレーズ「I will be at Wayne’s」が、入力フィールド66内へ入力されるだろう。2つの位置でタッチ・スクリーン12をタッチする結果として、図示されるように、一つ以上の対応する語が入力フィールド66内へ自動的に入力される。
【0065】
図4に関連して説明されたテキスト選択技術に類似する、別の例示的なテキスト選択技術を図10に示す。図10の技術では、ユーザが所望の語の間のスペースでタッチ・スクリーン12をタッチすることによって、2つの語が選択される。図示される例では、所望の語は、メッセージ84bの「thank you」であり、所望のテキスト74を示すためにクロス・ハッチングを用いて強調されている。所望の語の間のスペースでタッチする結果として、図示されるように、対応する語が入力フィールド66内へ自動的に入力される。
【0066】
更に別の例示的なテキスト選択技術は、図5のテキスト選択に類似している。この技術では、メッセージ84に関連する指定領域をタッチすることによって、メッセージ84全体のテキストが選択されてよい。一実施形態において、吹き出し86の縁と所望のメッセージ84の最初の文字との間でタッチ・スクリーン12をタッチすることなどによって、指定領域は、所望のメッセージ84の直前の空白スペースである。他の指定領域は、吹き出し86の縁であってもよい。メッセージ84全体の選択のために指定領域をタッチする結果として、対応する語が入力フィールド66内へ自動的に入力される。
【0067】
テキスト選択はまた、タッチ・スクリーンの2回タップ及び3回タップといった追加の動作を含んでよい。例えば、2回タップは、メッセージ84の一つから対応する文を選択してよく、3回タップは、対応するメッセージ84のテキスト全体を選択してよい。
【0068】
表示されたテキストをタッチで選択するか又は他の入力手段(例えば、タイプ、タッチ・スクリーン12上での手書きなど)によって、いったん入力フィールド66内に何らかのテキストが入力されると、タッチ・スクリーン12上に表示されたテキストをタッチで選択するか又は他の手段(例えば、タイプ又は手書き)によって、入力フィールド66に追加のテキストを追加してよい。例えば、図8又は図9に示される例の結果として、入力フィールド66内へフレーズ「I will be at Wayne’s」が入力される。一実施形態において、そのようなテキスト入力の後、カーソル68は、追加のテキストの入力のために、入力されたフレーズの後に位置すればよい。例を続けると、図10は、フレーズ「I will be at Wayne’s」が入力フィールド66に入力された後に語「thank you」が選択されていることを示し、そのため、新しく入力されたテキストは「I will be at Wayne’s thank you.」と読める。
【0069】
また、他のテキスト編集機能を実行してもよい。例えば、入力フィールド66内のテキストの全てのうち幾つかを削除したり、テキストを並び替えたり、存在するテキストに対して任意の位置でテキストを入力するためにカーソル68を移動させたりなどしてよい。また、入力されたテキストに基づき、予測テキスト機能が、入力されたテキストに論理的に続くであろう追加の語又はフレーズを表示してもよい。この明細書の前記部分でより詳細に説明したように、ユーザは、入力フィールド66への入力のために、表示される予測テキストをタッチ選択してもよい。
【0070】
図3のフロー図に戻ると、論理フローは、ブロック90の後、ブロック92に進めばよい。ブロック92では、タッチすることによって入力フィールド66内への入力用に選択されたテキストを、ユーザに関連する予測テキスト辞書に追加してよい。
【0071】
また、一旦ユーザが入力フィールド66に現われるテキストに満足すれば、ユーザは、入力されたテキストを含むメッセージの送信を命令すればよい。
【0072】
特定の実施形態を図示して説明してきたが、当業者は、この明細書を読んで理解することにより、添付される請求の範囲の範囲に入る均等物及び変形例を想起するであろうと理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置によって送信された又は前記電子装置によって受信された一つ以上のメッセージのテキストを含むメッセージ・ログを表示し、文章作成が行われる新たなメッセージ用のテキストを示す入力フィールドを表示するタッチ・スクリーン(16)と、
前記メッセージ・ログからユーザがタッチ選択したテキストを表すタッチ入力信号を前記タッチ・スクリーンから受信し、
追加のユーザ入力なしで、前記入力フィールド内へ前記タッチ選択されたテキストを入力するように構成される制御回路(34)と、を含む、電子装置(10)。
【請求項2】
前記タッチ入力信号は、ユーザが個々の語をタッチすることに対応し、前記個々の語は、前記入力フィールド内へ入力される、請求項1の電子装置。
【請求項3】
前記タッチ入力信号は、前記メッセージ・ログからのメッセージに関連する指定場所に対応し、前記対応するメッセージからの全てのテキストが、前記入力フィールド内へ入力される、請求項1の電子装置。
【請求項4】
前記タッチ入力信号は、ユーザが2つの語の間のスペースをタッチすることに対応し、前記2つの語は、前記入力フィールド内へ入力される、請求項1の電子装置。
【請求項5】
前記タッチ入力信号は、ユーザが第一の語にタッチすること、及び、前記タッチすることを中断せずに第二の語をタッチするように移動することに対応し、前記第一及び第二の語は、タッチされた順序で前記入力フィールド内へ入力される、請求項1の電子装置。
【請求項6】
前記タッチ入力信号は、テキスト選択開始位置及びテキスト選択終了位置を示すために、第一の位置及び第二の位置に同時にタッチすることに対応し、前記開始位置から前記終了位置に及ぶテキストが、前記入力フィールド内へ入力される、請求項1の電子装置。
【請求項7】
前記制御回路は、更に、
キー押下、前記タッチ・スクリーンへの手書き、又は、表示されるキーボードの文字のタッチの少なくとも一の形式でユーザ入力を受信し、
前記タッチ選択されたテキストで、前記入力フィールド内へ前記ユーザ入力に対応するテキストを入力するように構成される、請求項1ないし6の何れか一項の電子装置。
【請求項8】
前記制御回路は、更に、前記ユーザに関連する予測テキスト辞書に、タッチ選択されたテキストを追加するように構成される、請求項1ないし7の何れか一項の電子装置。
【請求項9】
前記制御回路は、更に、
前記タッチ・スクリーン上に一つ以上の提示されるフレーズを表示し、
前記提示されるフレーズの一つからユーザがタッチ選択したテキストを表すタッチ入力信号を前記タッチ・スクリーンから受信し、
追加のユーザ入力なしで、前記入力フィールド内へ前記提示されるフレーズから前記タッチ選択されたテキストを入力するように構成される、請求項1ないし8の何れか一項の電子装置。
【請求項10】
前記電子装置は携帯電話機である、請求項1ないし9の何れか一項の電子装置。
【請求項11】
電子装置(10)においてテキストを入力する方法であって、
タッチ・スクリーン(16)上に、前記電子装置によって送信された又は前記電子装置によって受信された一つ以上のメッセージのテキストを含むメッセージ・ログを表示すること、
前記タッチ・スクリーン上に、文章作成が行われる新たなメッセージ用のテキストを示す入力フィールドを表示すること、
前記メッセージ・ログからユーザがタッチ選択したテキストを表すタッチ入力を前記タッチ・スクリーンを介して受信すること、及び
追加のユーザ入力なしで、前記入力フィールド内へ前記タッチ選択されたテキストを入力すること、を含む方法。
【請求項12】
テキストの前記タッチ選択は、ユーザが個々の語をタッチすることに対応し、前記個々の語は、前記入力フィールド内へ入力される、請求項11の方法。
【請求項13】
テキストの前記タッチ選択は、前記メッセージ・ログからのメッセージに関連する指定場所に対応し、前記対応するメッセージからの全てのテキストが、前記入力フィールド内へ入力される、請求項11の方法。
【請求項14】
テキストの前記タッチ選択は、ユーザが2つの語の間のスペースをタッチすることに対応し、前記2つの語は、前記入力フィールド内へ入力される、請求項11の方法。
【請求項15】
テキストの前記タッチ選択は、ユーザが第一の語にタッチすること、及び、前記タッチすることを中断せずに第二の語をタッチするように移動することに対応し、前記第一及び第二の語は、タッチされた順序で前記入力フィールド内へ入力される、請求項11の方法。
【請求項16】
テキストの前記タッチ選択は、テキスト選択開始位置及びテキスト選択終了位置を示すために、第一の位置及び第二の位置に同時にタッチすることに対応し、前記開始位置から前記終了位置に及ぶテキストが、前記入力フィールド内へ入力される、請求項11の方法。
【請求項17】
キー押下、前記タッチ・スクリーンへの手書き、又は、表示されるキーボードの文字のタッチの少なくとも一の形式でユーザ入力を受信すること、及び
前記タッチ選択されたテキストで、前記入力フィールド内へ前記ユーザ入力に対応するテキストを入力すること、を更に含む、請求項11ないし16の何れか一項の方法。
【請求項18】
前記ユーザに関連する予測テキスト辞書に、タッチ選択されたテキストを追加することを更に含む、請求項11ないし17の何れか一項の方法。
【請求項19】
前記タッチ・スクリーン上に一つ以上の提示されるフレーズを表示すること、
前記提示されるフレーズのうち一つからユーザがタッチ選択したテキストを表すタッチ入力信号を前記タッチ・スクリーンを介して受信すること、及び
追加のユーザ入力なしで、前記入力フィールド内へ前記提示されるフレーズから前記タッチ選択されたテキストを入力すること、を更に含む、請求項11ないし18の何れか一項の方法。
【請求項20】
前記電子装置は携帯電話機である、請求項11ないし19の何れか一項の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2012−522284(P2012−522284A)
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−501395(P2012−501395)
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【国際出願番号】PCT/IB2009/006850
【国際公開番号】WO2010/109263
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(502087507)ソニーモバイルコミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】