タッチ面用電気振動
【課題】大きなアクチュエータを必要としない大型面用触覚フィードバック装置を提供する。
【解決手段】導電面と、導電面上に配置された絶縁面と、前記絶縁面に接触する使用者に信号を結合することにより前記絶縁面上をスライドする前記使用者の少なくとも1本の指に触感を知覚させるコントローラとを備え、前記コントローラは前記信号を前記導電面に直接供給、又は前記信号を容量性、抵抗性、及び/又は誘導性要素を介して供給する。
【解決手段】導電面と、導電面上に配置された絶縁面と、前記絶縁面に接触する使用者に信号を結合することにより前記絶縁面上をスライドする前記使用者の少なくとも1本の指に触感を知覚させるコントローラとを備え、前記コントローラは前記信号を前記導電面に直接供給、又は前記信号を容量性、抵抗性、及び/又は誘導性要素を介して供給する。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2010年5月21日に出願された米国特許仮出願第61/347,068号、及び2011年1月5日に出願された米国特許仮出願第61/430,125号の利益を主張し、これら両方は本明細書内の参照によってここに組み込まれる。
【背景】
【0002】
(発明の分野)
本発明の実施形態は、タッチ面に関し、特に、タッチ面用電気振動に関する。
【0003】
(関連技術の説明)
触覚は、我々が世界を感じることを可能にする多種多様な感覚を人間に提供する。我々は、テクスチャだけでなく、物体及び素材の感覚を楽しむことができる。経験を超えて、触感は、毎日の仕事においても我々を導き、我々が通常見ることのできない物体の特性を探るのを助ける。
【0004】
タッチベースの対話式の(インタラクティブな)システム用の触覚型インターフェイスの設計及び研究への関心が近年急速に高まっている。触覚は、触わる感覚を指す。触覚インターフェイスにおけるこの関心は、研究コミュニティ及びエンドユーザコミュニティの両方におけるタッチベースインターフェイスの人気に支えられている。しかしながら、タッチインターフェイスにおける1つの大きな問題は、動的な触覚フィードバックの欠如である。触覚フィードバックの欠如は、使用者が最も基本的な相互作用の処理ですら成し遂げるために馴染みの触覚の手がかりに頼ることができないので、ビジュアル環境のリアリズムを減少させ、直接的な相互作用のメタファーを壊し、インターフェイスの効率を低下させる。
【0005】
一般的には、タッチインターフェイスに触覚フィードバックを追加することは挑戦的であった。1つの従来のアプローチでは、タッチ面自体は、様々な静電アクチュエータ(圧電曲げモータ、ボイスコイル、ソレノイドなど)で作動可能である。アクチュエーションは、垂直又は横方向のいずれかに表面の動きを生成するように設計可能である。そのようなアプローチは、タッチ面全体を機械的に振動させることによって、小さなハンドヘルドデバイスにおけるタッチインターフェイスのための触覚フィードバックの設計で使用されてきた。低周波の振動によって、簡単な「クリック」感覚をシミュレートできる。機械的アクチュエーションをモバイルタッチ面と共に使用する上での大きな課題は、モバイルデバイス内に収まり、タッチ面を変位させるのに十分な力を生成するアクチュエータを作るのが困難なことである。大型タッチスクリーン(対話式キオスクやデスクトップコンピュータなど)のための触覚インターフェイスを作るには、より大きなアクチュエータが見込まれる。しかしながら、大型の作動面は、硬質板の代わりに柔軟な膜として振る舞い始める。複雑な機械的な変形は、大型板が作動されるときに発生し、触覚を予測制御したり、又はアクチュエーションのために十分な電力を供給することさえも困難にする。
【0006】
タッチ面のアクチュエーションのための代替アプローチは、触覚ディスプレイと視覚ディスプレイを切り離すことである。モバイルデバイスの場合には、触覚フィードバックは、デバイスの裏面を振動させ、握っている手を刺激することによって提供可能である。あるいはまた、モバイルデバイス本体内に又はタッチインターフェイスと組み合わせて使用されるツール内に、局在化した触覚アクチュエータを埋設することができる。しかしながら、このアプローチは、直接的な相互作用のメタファーを壊し、外部デバイスを必要とし、依然として大型面用触覚フィードバックの開発の問題を解決していない。
【0007】
従って、上述の欠点や制約に対処する触覚インターフェイス用ユーザインターフェイスに対する技術的必要性が残る。
【概要】
【0008】
本発明の実施形態は、使用者がタッチ面上で広範囲の触感を感じることができるインターフェイスを提供する。一実施形態では、タッチパネルは、薄い絶縁層によって覆われた透明電極を含む。電気信号は、電極又はデバイスの裏側に結合される。指(手指など)が、タッチパネルの絶縁層に沿ってスライドすると、触覚テクスチャの感覚が知覚される。
【0009】
一実施形態は、装置であって、導電面と、導電面上に配置された絶縁面と、装置に接触する使用者に信号を結合させるように構成され、これによって絶縁面上でスライドする使用者の少なくとも1本の指で触感が知覚されるコントローラとを含む装置が提供される。
【0010】
別の一実施形態は、信号を生成するための方法を提供する。方法は、デバイスに接触する使用者のグラウンドに対するインピーダンス値を検出するステップと、インピーダンス値に基づいて信号を生成するステップと、信号を使用者に結合させ、これによってデバイスの絶縁面上をスライドする少なくとも1本の指で触感が知覚されるステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の1以上の態様を実装するように構成されたシステムのブロック図である。
【図2A】〜
【図2B】本発明の実施形態に係る、電気振動を提供するために構成されたタッチ面の概念図である。
【図3A】〜
【図3C】本発明の実施形態に係る、電気振動アクチュエーションに対応する電荷を示す。
【図4A】本発明の一実施形態に係る、指とタッチ面との間に誘導される引力を示す。
【図4B】〜
【図4C】本発明の実施形態に係る、指とタッチ面との間で誘導される引力と、スライドする指とタッチ面との間の摩擦力を示す。
【図5A】〜
【図5B】本発明の実施形態に係る、電気振動アクチュエーションを提供するための方法ステップのフロー図である。
【図6】本発明のいくつかの実施形態に係る、入力信号の異なる周波数に対する絶対検出閾のグラフである。
【図7】本発明の一実施形態に係る、使用者調査に基づく周波数の丁度可知差異(JND)を示す。
【図8】本発明の一実施形態に係る、使用者調査に基づく振幅のJNDを示す。
【図9】本発明の一実施形態に係る、4つの周波数−振幅の組み合わせによって生成された4つのテクスチャの使用者調査の結果を示す。
【図10A】本発明の一実施形態に係る、別々の配線によって夫々制御される複数の電極を示す概念図である。
【図10B】本発明の一実施形態に係る、スイッチによる複数の電極の制御を示す概念図である。
【図11A】本発明の一実施形態に係る、インピーダンスプロファイルの実装を示す概念図である。
【図11B】本発明の一実施形態に係る、インピーダンスプロファイルに基づいて電気振動アクチュエーションを提供するためのフロー図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る、低周波信号と高周波信号の組み合わせを示す概念図である。
【例示的な実施形態の詳細な説明】
【0012】
本発明の実施形態は、使用者がタッチスクリーン上で広範囲な触感を感じることを可能にするインターフェイスを提供する。他の触覚技術とは異なり、本発明の実施形態は、機械的動作を使用しない。一実施形態では、タッチパネルは、薄い絶縁層によって覆われた透明電極を含む。電気信号は、電極に結合される。別の一実施形態では、以下で更に詳細に説明されるように、信号をデバイスの裏側を介して使用者に直接印加することができる。信号は、時間的に変化する信号であってもよい。いくつかの実施形態では、時間的に変化する信号は周期的である。指又は他の導電性物体(ペンなど)が、タッチパネルの絶縁層に沿ってスライドすると、触覚テクスチャの感覚が知覚される。
【0013】
本発明の実施形態は、簡単に異なる表示及び入力技術と組み合わせることができ、多くのアプリケーションで使用可能である。例えば、タッチスクリーンは、様々なテクスチャ感をシミュレートすることができる。別の例示的アプリケーションは、仮想キャンバス上でペイント感のある強化描画アプリケーションを含む。本発明の実施形態はまた、物体間の摩擦をシミュレートすることができる。例えば、バーチャルカーをドラッグすると、ドラッグされている車の仮想舗装の種類によって異なる感触が得られた。別の例では、タッチスクリーンを使って大きなファイルをドラッグすると、小さなファイルをドラッグするのと比べてより多くの摩擦を生成することができた。同様に、本発明の実施形態では、使用者は制約(操作タスク内のグリッドへのスナップなど)を感じることができる。本発明の実施形態には、より多くのアプリケーションがある。他の入力モダリティ(ビデオなど)との組み合わせにより、本発明の実施形態は、多くの新しいアプリケーション及び刺激的なユーザ体験を作リ出す。
【0014】
(システムの概要)
実施形態は、システム、方法、装置又はコンピュータプログラム製品として実施可能である。従って、様々な実施形態は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含む)、又はソフトウェアとハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形式を取ることができる。更に実施形態は、コンピュータで読み取り可能なプログラムコードを内部に収めた1以上のコンピュータ可読媒体内に具現化されるコンピュータプログラム製品の形態を取ることができる。
【0015】
1以上のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせを利用してもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、又は半導体の、システム、装置、又はデバイス、又は上記の任意の適切な組み合わせが可能であるが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、又はデバイスによって、又はそれらと接続して使用するためのプログラムを含む又は格納することが可能な任意の有形媒体であってもよい。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読プログラムコードを内部に具現化した伝搬されたデータ信号を含むことができる。様々な実施形態の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、1以上のプログラミング言語(オブジェクト指向プログラミング言語(例えば、Java(商標名)、Smalltalk、又はC++等)及び従来の手続き型のプログラミング言語(例えば、「C」プログラミング言語又は類似のプログラミング言語)を含む)の任意の組み合わせで記述できる。プログラムコードは、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとして、完全に使用者のコンピュータ(デバイス)上で、部分的に使用者のコンピュータ上で、一部は使用者のコンピュータ上で一部はリモートコンピュータ上で、又は完全にリモートコンピュータ又はサーバー上で実行してもよい。リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを介して使用者のコンピュータに接続されてもよく、又は外部のコンピュータへ接続されてもよい。
【0016】
特定の実施形態は、命令プログラムを実行するコンピュータなどのデバイスによって実装できることが理解されるだろう。これらのコンピュータプログラム命令は、特別な目的のコンピュータのプロセッサ、又はマシンを生成するための他のプログラマブルデータ処理装置に提供されてもよく、これによってコンピュータのプロセッサ又は他のプログラマブルデータ処理装置を介して実行される命令が、特定された機能/作用を実行する。
【0017】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラマブルなデータ処理装置、又は特定の方法で機能する他のデバイスに命令可能なコンピュータ可読媒体に格納されてもよく、これによってコンピュータ可読媒体に格納された命令は、特定された機能/作用を実行する命令を含む製造品を生み出す。
【0018】
コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータで実行されるプロセスを生成するために、コンピュータ又は他のプログラマブルなデータ処理装置等にロードされ、これによってコンピュータ又は他のプログラマブルな装置上で実行する命令は、特定された機能/作用を実行するためのプロセスを提供する。
【0019】
図1は、本発明の1以上の態様を実装するように構成されたシステムのブロック図である。1以上の実施形態と接続して使用できる例示的なデバイスは、コンピュータ110の形態のコンピューティングデバイスを含む。コンピュータ110のコンポーネントは、処理ユニット120、システムメモリ130、及びシステムメモリ130を含む様々なシステムコンポーネントを処理ユニット120に結合するシステムバス122を含んでもよいが、これらに限定されない。コンピュータ110は、様々なコンピュータ可読媒体を含むことができ、又はそれらにアクセスできる。システムメモリ130は、例えば、揮発性及び/又は不揮発性メモリの形態(リードオンリーメモリ(ROM)及び/又はランダムアクセスメモリ(RAM)など)のコンピュータ可読記憶媒体を含んでもよい。一例としてであり、これに限定されないが、システムメモリ130は、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、他のプログラムモジュール、及びプログラムデータを含むこともできる。
【0020】
使用者は、入力デバイス140を介してコンピュータ110に(例えば、コマンドや情報を入力することで)接続することができる。モニタ又は他の種類のディスプレイ面もまた、インターフェイス(出力インターフェイス150など)を介してシステムバス122に接続することができる。モニタに加えて、コンピュータは、他の周辺出力装置を含むことができる。コンピュータ110は、1以上の他のリモートデバイス170(他のコンピュータなど)への論理接続を用いて、ネットワーク又は分散環境で動作可能である。論理接続は、ネットワーク(ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、及び/又はグローバルコンピュータネットワークなど)へのネットワークインターフェイス160を含んでもよいが、他のネットワーク/バスを含むこともできる。
【0021】
いくつかの実施形態は、機械的なアクチュエーションのいかなる形態をも使用しないタッチ面用の触覚インターフェイスを生成するためのシステム及び関連する方法に対して向けられる。その代わりに、いくつかの実施形態では、機器を備えたタッチ面と使用者の指との間の静電摩擦を制御することで、広範囲な触感生成を可能にする「電気振動」の原理を利用する。入力可能な対話式ディスプレイと組み合わせることで、実施形態は、触覚フィードバックで増強された幅広い種類の相互作用を生成できる。様々な例示的実施形態は、以下で更に詳細に説明される。以下に提供される例示的実施形態に関する詳細は、限定を意図するものではなく、単なる例示的実施形態の実例である。
【0022】
(タッチ面用電気振動)
本発明の実施形態は、機械的なアクチュエーションのいかなる形態をも使用しないタッチ面用の触覚インターフェイスを生成するための機構を提供する。その代わりに、提案される技術は、機器を備えたタッチ面と使用者の1以上の指との間の静電摩擦を制御することで、実施形態に広範囲な触感生成を可能にする電気振動の原理を利用する。入力可能な対話式ディスプレイと組み合わせることで、本発明の実施形態は、触覚フィードバックで増強された幅広い種類の相互作用を可能にする。
【0023】
図2Aは、本発明の一実施形態に係る、電気振動を提供するために構成されたタッチ面200の概念図である。タッチ面200は、絶縁層206でコーティングされたガラス板204上に塗布された透明電極シート202を含む。コントローラは、コネクタに結合される周期的な電気信号V(t)によって透明電極202を励起させる。例えば、コネクタは通常、タッチ面200の位置検出ドライバ(図示せず)によって使用可能である。十分な振幅の入力信号が提供される場合、電気誘導された引力feが、スライドする指208と下層の電極202との間で発生し、指208とタッチ面200との間の動摩擦frを増加させる。feの振幅が信号の振幅によって変化するため、摩擦frの変化も周期的であり、タッチ面200上で指208がスライドするとき、周期的な皮膚の変形を引き起こす。これらの変形は、振動又は摩擦として知覚され、印加される信号の振幅及び周波数を変調させることによって制御可能である。また、入力信号V(t)は、透明電極202の全域に亘って均一に伝播されるため、結果として得られる触感は、空間的に均一である。
【0024】
一実施形態では、電気信号V(t)は正弦波を含む。他の実施形態では、電気信号V(t)は、矩形波又は三角波を含む他の波形を含む。いくつかの実施形態では、信号は単相又は二相であることが可能である。いくつかの実施形態では、信号は整流される。いくつかの実施形態では、信号はDC(直流)オフセットを含む。いくつかの実施形態では、電極202に電気信号V(t)を結合することは、信号を直接電極202に供給することを含む。他の実施形態では、電極202に電気信号V(t)を結合することは、電気信号V(t)を電極202に容量性、抵抗性、及び/又は誘導性要素を介して誘導結合することを含む。
【0025】
図示されるように、使用者の指は、グラウンド210に接続されることができる。一実施形態では、使用者は、電極とは電位差をもって配置されることができる。我々の身体は、グラウンドに対して自然なリンクを提供するが、直接グラウンド接続を生成することによって、触感の強度を高めることができる。このような接地をしない場合、電圧を増加させることによって、同じ強度の感覚を提供できるだろう。接地は、単純な接地電極を着用することによって達成することができる。例えば、使用者は、静電気防止リストバンドを着用することができる。また、使用者は、接地されたパッド上に座る又は立つこともできる。モバイルデバイスの場合、モバイルデバイスを握ったときに使用者に接触する筐体の裏側が、グラウンドとして使用可能であった。他の実施形態では、接地電極は、中間的な物体及び材料を介することを含んで使用者に結合され、使用者が上で立っている、座っている、握っている、ラップ上にいる、着用している、触わっている、又はその他の接地されたパッドを含む。
【0026】
更に別の一実施形態では、接地平面(図示せず)をタッチ面200内に含めることができる。接地平面は、メッシュを含む又は穴のパターンを含むことが可能である。使用者がタッチ面に指を触れたとき、使用者は接地平面によって効果的に接地される。この実施形態では、信号は使用者に印加される。
【0027】
更に別の一実施形態では、電極層自体は、接地要素及び信号要素の両方を含むことができる。従って、触れる指の一部はグラウンドに、一部は信号に接続され、それゆえ、グラウンド接続が、指で発生している。
【0028】
図2Bは、本発明の一実施形態に係る、電気振動を提供するために構成されたタッチ面200の概念図である。図示されるように、電気信号V(t)は指208に印加されることができ、グラウンド210への経路が電極202に提供される。いくつかの実施形態では、電気信号は、装置の裏側に印加されることができ、使用者の身体を通って指208まで進む。図2Bに示される構成において、指208が絶縁層上をスライドするとき、指では触感も知覚される。
【0029】
様々な実施形態によれば、絶縁層206は異なる材料で作ることが可能であり、異なるテクスチャ(つまり、異なる仕上げ面)を有することが可能である。電極202は、異なる材料(ITO(インジウムスズ酸化物)、銀、導電性ゴム、銅、アルミニウム、導電性インク、導電性接着剤、導電性塗料、又はその他の任意の導電性材料を含む)で作ることも可能である。
【0030】
いくつかの場合において、電気デバイスの安全な運転のための重要な要素は、電圧よりもむしろ電流である。本発明の実施形態によれば、指内部の誘導電荷は指表面に力を生じさせ、使用者の手を通って流れる誘導電流量はごくわずかである。例えば、タッチ面200に供給される電流は、通常、人間に対して安全と考えられる0.5mAまでに制限することができる。いくつかの実施形態では、電流制限は、駆動回路内で使用される演算増幅器の電力定格によって画定される。実際、従来の静電容量式タッチパネルを使用するとき、使用者は同じ電流量を経験する。更に使用者を保護するために、いくつかの実施形態では、電流制限回路を実装することができる。
【0031】
「電気振動」による触覚アクチュエーションは、「電気触覚」及び「静電気」による触覚アクチュエーションとは異なる。電気触覚ディスプレイは、皮膚を通過する電荷によって人間の指の触覚受容器を刺激する。対照的に、電気振動では通過する電荷は無く、指内の電荷が導電面上を移動する電荷によって誘導される。更に、電流が神経末端を直接刺激する電気触覚による触覚フィードバックとは異なり、電気振動による刺激は機械的であり、周期的な静電気力がスライドする指の皮膚を変形させることによって生成される。
【0032】
静電気によるアプローチでは、使用者は、電極パターンの上で中間物体(アルミ箔の断片など)を操作している。このパターンに印加される周期信号は、物体と電極の間に弱い静電引力を生成し、これは、物体が使用者の指によって移動すると、振動として知覚される。従って、触感は間接的に作成され、つまり物体表面で静電気力によって誘導された振動が、接触している人間の指に移動する。電気振動の場合、中間要素は必要とされず、つまり触感は直接指を作動することによって生成される。
【0033】
電気振動に基づく触覚フィードバックには、いくつかの魅力的な利点がある。本発明の実施形態は、高速で、低消費電力で、動的であり、マルチタッチインターフェイスを含む広範囲な相互作用のシナリオ及びアプリケーションで使用することができる機構を提供する。本発明の実施形態は、周波数及び振幅の広い範囲に亘って応答の広い帯域幅及び均一性を示す。更に、技術は非常にスケーラブルであり、大型の対話型テーブル、ハンドヘルドモバイル機器、更に、湾曲した、フレキシブルな、及び/又は不規則なタッチ面を含む任意のサイズ、形状、及び/又は構成のタッチ面において効率的に利用可能である。最後に、本発明の実施形態は可動部品が無いので、既存のデバイス内に、デバイスへの最小限の物理的修正で容易に実装することができる。
【0034】
電気振動タッチ面の一実装形態は、マルチタッチインタラクティブテーブルトップ、壁に取り付けられた面、又は他の任意の技術的に実現可能な構成を実装することを含む。図2A〜2Bに係るタッチパネルは、投影及び入力面として使用可能である。追加の拡散面を、パネルの後ろに設置することができる。プロジェクターは、グラフィックコンテンツをレンダリングするために使用することができる。使用者の入力を捕らえるために、パネルは、赤外線照明によって背後から照明することができる。赤外線カメラは、面に触れる使用者の指の反射を捕らえる。例えば、マルチタッチトラッキングは、毎秒60フレームで実行することができる。指の位置は、インタラクティブ機能、ビジュアルディスプレイ、及び触覚出力を制御する役割を担うハードウェア機構及び/又はソフトウェアアプリケーションに送信される。この実装はスケーラブルであり、とりわけ、FTIR及び表面弾性トラッキングを含む他の入力技術に適合されることができる。それは、任意の面又はデバイスに簡単に拡張、修正、及び適用することができる。確かに、機械的動作が無いので、ほとんどすべてのオブジェクト(物体)が電気振動ベースの触覚フィードバックによって設計可能である。電極は、透明又は不透明で、曲面及び凹凸面に塗布され、及び任意のディスプレイ、ハンドツール、又は器具に追加できる。他の実施形態では、他の検出技術(特に、距離の追跡、圧力の入力、接触面積の追跡等)が、本明細書に記載される電気振動技術と組み合わせて使用できる。
【0035】
図3A〜3Cは、本発明の実施形態に係る、電気振動アクチュエーションに対応する電荷を示す。図3Aに示されるように、タッチ面は、ガラス板304、電極306、及び絶縁層308を含む。入力信号V(t)は、電極306に印加される。入力信号V(t)は振動し、正及び負の電荷を電極内で交替させることができる。図3Aに示されるとき、電極内の電荷は負である。電極306内の負電荷は、絶縁層308の底部に沿って正電荷の蓄積を引き起こし、絶縁層308の上部に沿って負電荷の蓄積を引き起こす。これにより、絶縁層308に接触して配置されたとき、使用者の指302内に正電荷が誘導される。
【0036】
説明したように、入力信号V(t)は振動するので、電極306内の電荷も振動する。これにより、絶縁層308内の電荷は、絶縁層308内で「フリップフロップ」になる。図3Bに示されるように、絶縁層308内の正電荷は上方へ(即ち、使用者の指302に向かって)動き、絶縁層308内の負電荷は下方へ(即ち、電極306に向かって)動く。図3Bはまた、電極306内の電荷の一部が今正であることを示す。絶縁層308内の正電荷は上方へ移動し続け、絶縁層308内の負電荷は下方へ移動し続ける。負電荷はまた、使用者の指の先端に蓄積し始めている。
【0037】
図3Cは、更に別の時点におけるタッチ面内の変化を示す。図示されるように、電極306内の電荷は今正である。電極306内の正電荷は、絶縁層308の底部に沿って負電荷の蓄積を引き起こし、絶縁層308の上部に沿って正電荷の蓄積を引き起こす。これにより、絶縁層308に接触して配置されたとき、使用者の指302内に負電荷を蓄積する。
【0038】
説明したように、電極306に印加される入力信号V(t)は、絶縁層308内で電荷を置き換え、振動電場を作る。指302がタッチパネルの表面に置かれると、電荷の周期的な動きが、指302の先端に誘導される。上述のように、他の実施形態において、電気信号V(t)は指302に印加されることができ、グラウンドへの経路が電極306に提供される。
【0039】
図4Aは、本発明の一実施形態に係る、指402とタッチ面との間に誘導される引力feを示す。タッチ面は、ガラス板404、電極406、及び絶縁層408を含む。入力信号V(t)は、電極406に印加される。十分な振幅の入力信号V(t)が供給されるときは、電気誘導された引力feが、指402と下層電極406との間に生じる。電荷が指402内で振動するとき、誘導引力feは強い力と弱い力の間で振動する。誘導引力feの大きさの振動が、誘導引力feを表す点線矢印で図4Aに示される。
【0040】
図4B〜4Cは、本発明の実施形態に係る、指402とタッチ面との間で誘導される引力feと、指の動作方向に指402がスライドするときのスライドする指402とタッチ面との間の摩擦力frを示す。feの振幅が信号の振幅によって変化するため、摩擦frの変化も周期的であり、タッチ面200上で指208がスライドするとき、周期的な皮膚の変形を引き起こす。これらの変形は、振動又は摩擦として認識され、印加される信号の振幅及び周波数を変調させることによって制御可能である。
【0041】
図4B〜4Cは、タッチ面に沿ってスライドする指402を示す。図示されるように、図4Bに示される(即ち、1本の指の位置での)引力fe及び摩擦力frの大きさは、図4Cに示される(即ち、別の指の位置での)引力fe及び摩擦力frの大きさよりも大きい。いくつかの実施形態では、使用者がタッチ面に沿って指402をスライドするとき、摩擦力frの大きさのこれらの変化は周期的であり、テクスチャとして知覚される周期的な皮膚の変形をもたらす。
【0042】
図5Aは、本発明の一実施形態に係る、電気振動アクチュエーションを提供するための方法ステップのフロー図である。たとえ方法500が、図1〜4Cのシステムと組み合わせて記述されていても、方法ステップを任意の順序で実行するように構成された任意のシステムは、本発明の実施形態の範囲内であることを、当業者は理解するであろう。
【0043】
図示されるように、方法500は、信号が基板と絶縁層の間に配置された電極に供給されるステップ502から始まる。一実施形態では、基板はガラス板である。いくつかの実施形態では、電極及び/又は絶縁面は透明であり、タッチスクリーン面の一部を形成する。電極に供給される信号は、周期的な、変調された、及び/又は複合波形を含む。様々な実施形態によれば、絶縁層は異なる材料で作ることが可能であり、異なるテクスチャ(つまり、異なる仕上げ面)を有することが可能である。電極及び/又は絶縁面は、異なる材料(ITO(インジウムスズ酸化物)、導電性ゴム、銅、銀、アルミニウム、導電性インク、導電性接着剤、又はその他の任意の導電性材料を含む)で作られることも可能である。
【0044】
ステップ504において、絶縁層に沿ってスライドする指に応答して、触感が指によって知覚される。いくつかの実施形態では、指は手指を含む。説明されたように、使用者がタッチ面に沿って指をスライドさせ、テクスチャとして知覚される周期的な皮膚の変形を引き起こすので、指と絶縁層との間の摩擦力frの大きさの変化は、周期的にすることができる。
【0045】
図5Bは、本発明の一実施形態に係る、電気振動アクチュエーションを提供するための方法ステップのフロー図である。たとえ方法550が、図1〜4Cのシステムと組み合わせて記述されていても、方法ステップを任意の順序で実行するように構成された任意のシステムは、本発明の実施形態の範囲内であることを、当業者は理解するであろう。
【0046】
図示されるように、方法550は、信号がタッチ面を含むデバイスの使用者に供給されるステップ552から始まる。信号は、デバイス内に含まれるコントローラによって生成することができる。一例では、信号は金属面を含むデバイスの裏側に結合される。デバイスの裏側に信号を結合することは、直接裏面に信号を供給すること、裏面に信号を誘導結合すること、又は面に信号を結合するための他の任意の技術を含むことができる。例えば、デバイスを保持している使用者は、使用者の手を介して信号を受け取ることができる。
【0047】
ステップ554において、デバイスの絶縁層に沿ってスライドする指に応答して、触感が指によって知覚される。本明細書に記載されるように、デバイスは、基板と絶縁層の間に配置された電極を含むことができる。一実施形態では、基板はガラス板である。いくつかの実施形態では、電極及び/又は絶縁面は透明であり、タッチスクリーン面の一部を形成する。いくつかの実施形態では、指は手指を含む。
【0048】
いくつかの実施形態において、図5Bで説明される方法550は、信号が使用者に印加され、電極がグラウンドへの経路に接続される図2Bに示される装置に対応する。説明されたように、使用者がタッチ面に沿って指をスライドさせ、テクスチャとして知覚される周期的な皮膚の変形を引き起こすので、指と絶縁層との間の摩擦力frの大きさの変化は、周期的にすることができる。
【0049】
(電気振動の知覚ベース特性)
上述のように、電極への入力信号の周波数、振幅、DCオフセット、及び/又は他の任意の特性を変化させることによって、使用者は異なる触覚フィードバックを感じるようになる。特定の個人によって知覚される触覚フィードバックは、別の個人によって知覚される感覚とは異なるかもしれない。
【0050】
いくつかの実施形態において、絶対検出閾と、周波数及び振幅弁別閾を画定する人間の感性のベースラインがある。電気振動の場合、絶対検出閾は、特定の周波数でかろうじて検出可能な感覚を生成する最小の電圧振幅である。検出閾を下回る電圧は、触覚の感覚を生成する際に使用できない。いくつかの実施形態では、入力信号の周波数は、絶対検出閾に影響を与える。
【0051】
図6は、本発明のいくつかの実施形態に係る、入力信号の異なる周波数に対する絶対検出閾のグラフである。図6に示されるデータは、使用者の調査に基づいており、限定することを意図していない。図6に示されるデータは、単に異なる周波数に対する絶対検出閾の一例を示している。
【0052】
5つの基準周波数に対する絶対検出閾が図6に示される。標準エラーバー付きの電気振動の平均検出閾が、左軸に示され、力検出閾曲線が、右軸に沿って単位と共に示される。閾値は、Aがボルト単位の信号振幅であるとき、20log10(A)として計算される「dB re 1V peak」の単位で定義される。この単位を用いることは、対数スケールにおける人間の知覚の線形性のため、心理物理実験では標準的な方法である。比較のために、力検出閾曲線も、図6にプロットされる。この例では、閾値レベルが刺激周波数に依存することを示す、閾値レベル(F(4,36)=12.8; p<0.001)での周波数の統計的に有意な効果があった。
【0053】
振幅及び周波数の弁別閾は通常、2つの刺激間の最小の検出可能な差である丁度可知差異(JND)と呼ばれている。検出及び弁別閾は共に、電気振動の感覚のダイナミックレンジ及び処理能力を記述する基本的な尺度の組を形成する。これらの尺度は、本発明の実施形態を使用してインターフェイス及びアプリケーションを設計するために使用することができる。
【0054】
いくつかの実施形態において、電気振動の検出閾レベルは、正弦波刺激に対する力検出閾レベルとぴったりと一致する。実験は、本発明の実施形態で生成された感覚が、皮膚に対して横方向の力の知覚に密接に関連していることを示している。電気振動の電圧と知覚された力との間の関係は、線形ではないかもしれない。
【0055】
いくつかの実施形態において、検出閾レベルは、電気振動を用いた触覚インターフェイスを設計するためのガイドラインを提供する。例えば、検出閾レベルは、各周波数で印加される電圧が対応する検出閾レベルを超え、これによって使用者が知覚できる触感を提供しなければならないことを設計者へ知らせる。それらはまた、電力要求を最適化することができる。例えば、400Hzで触覚信号は、18 dB re 1V level又は16Vppで容易に識別できる触感を生成できた。一方、180Hzでは、電圧閾レベルはその半分であり、大幅に少ない電力(12dB re 1V peak又は8Vpp)を必要とする。従って、触覚フィードバックは、モバイルデバイスのために特に重要となる可能性のあるより少ない電力を要求するように最適化することができる。
【0056】
周波数及び振幅の弁別閾は、人間の知覚の分解能を説明し、つまり、それらはインターフェイスの設計で使用できる触感の粒度を決定する。例えば、もしも設計者が2つの異なる触感を生成したいならば、使用者がそれらを区別できるように、夫々の感覚に対する電圧の振幅が互いに少なくとも一定の電圧異なり離れていることを設計者は確認するだろう。同様の考察は、刺激の周波数にも適用される。
【0057】
図7は、本発明の一実施形態に係る、使用者調査に基づく周波数の丁度可知差異(JND)を示す。5人の被験者が、5つの異なる周波数レベルで試験にかけられた。各被験者の結果が、各被験者に対応する別の記号で図7に示される。また、標準エラーバー付きの平均値も示される。図7に示される結果は、限定を意図するものではなく、むしろ周波数弁別閾の一例を示していることが理解されるべきである。
【0058】
図8は、本発明の一実施形態に係る、使用者調査に基づく振幅の丁度可知差異(JND)を示す。5人の被験者が、5つの異なる周波数レベルで試験にかけられた。各被験者の結果が、各被験者に対応する別の記号で図8に示される。また、標準エラーバー付きの平均値も示される。図8に示される結果は、限定を意図するものではなく、むしろ振幅弁別閾の一例を示していることが理解されるべきである。
【0059】
説明されたように、個々の使用者によって感じられる感覚は、人によって変わる可能性がある。図9は、本発明の一実施形態に係る、4つの周波数−振幅の組み合わせによって生成された4つのテクスチャの使用者調査の結果を示す。図示されるように、使用者は、周波数及び振幅の4つの組み合わせ(80Hz−80Vpp(ピークツーピーク電圧)、80Hz−115Vpp、400Hz−80Vpp、400Hz−115Vppを含む)にかけられた。
【0060】
低周波の刺激は、高周波に比べてより粗いものとして知覚された。それらはしばしば、高周波刺激の「紙」及び「塗り壁」に対して、「木」及び「凹凸のある革」に例えられた。
【0061】
振幅の効果は、刺激の周波数に依存する。高周波(例えば、400Hz)のテクスチャに対して、振幅の増加は、知覚される触感の滑らかさを増加させた。同様に、80Vppでは、テクスチャは主に「セメントの表面」及び「安価な紙」に例えられ、115Vppでは、それらは「紙」及び「塗り壁」に例えられた。一部の参加者は、知覚される滑らかさにおけるこの増加を明確に指摘した。
【0062】
低い周波数(例えば、80Hz)では、刺激の振幅の増加は、粘着性の知覚を高める。一部の参加者は、「ねばねばした」感覚を明確に言及すると同時に、他の参加者は、その感覚を「オートバイのハンドル」又は「ゴム」に触れる感覚に例えた。他の参加者は、粘性をこの種のテクスチャに関連付けた。1人の参加者は、彼の体験を「指を粘性液体に通す」と例えた。
【0063】
再び、図9に示される結果は、限定を意図するものではなく、むしろ振幅弁別閾の一例を示していることが理解されるべきである。
【0064】
(電気振動アクチュエーションの典型的な使用事例及び実装)
上述のように、本発明の実施形態は、幅広い種類の使用事例及びアプリケーションに実装することができる。これらの使用事例及びアプリケーションのいくつかは、以下の通りである。以下に示す例は単なる例示であり、本発明の実施形態の範囲を限定することを意図しない。
【0065】
本明細書内で説明される電気振動技術の1つの実装形態は、シミュレーションのアプリケーションを含む。アプリケーションのこのクラスは、仮想オブジェクト用テクスチャ、オブジェクト間又はオブジェクトと仮想面間の摩擦シミュレーション、及び/又はツールがキャンバスの上で操作される描画及び製図のような行為といった触覚効果を含む。
【0066】
更に、タッチスクリーン上の触覚フィードバックは、非視覚情報層を見込んでいる。例えば、スターフィールドの視覚イメージは、関心のある領域上を通過する指によって感じられる放射強度の「触覚イメージ」によって補足されることができる。触覚チャネルは、振幅及び周波数の両方において動的であり、潜在的に情報の2つの追加チャネルを提供することができる。
【0067】
別の一例は、従来のGUI(グラフィカルユーザインターフェイス)の要素に触覚フィードバックを組み込むことを含む。例えば、GUIウィンドウ内のスライダは、触覚フィードバック周波数を変更することによって、それらのドラッグの程度を知らせることができる。同様に、使用者は、電子メールのリスト上に彼又は彼女の指を通過させ、これによって新しい又は最も優先順位の高いものを感知することができるだろう。本発明の実施形態を使用して実装することができる他の多くの相互作用設計(インタラクションデザイン)のアイデアがある。
【0068】
種々の実施形態によれば、入力信号の周波数の変更は、別のパルス振幅変調された波形によって入力信号を変調することによって修正することができる。
【0069】
更に別の一例では、直接操作(ダイレクトマニピュレーション)は、特に閉塞が問題となる可能性のあるタッチインターフェイスにおける触覚増強に対して準備が整っている。ファイル、アイコン、及び他の「ドラッグ可能な」項目は、摩擦の変数レベルによって増強され、これによってターゲットが正常にキャプチャされたことを確認するだけでなく、ファイルのサイズ及びドラッグアンドドロップの適用性のようなプロパティを伝えることもできる。例えば、大きなファイルは小さなファイルよりも大きな摩擦に関連付けることができる。オブジェクトの整列、スナップ、グリッドベースのレイアウトにも触覚フィードバックを補うことができる。このような触覚増強は、十分な練習によって目を使用しない相互作用を可能にすることができる。
【0070】
ある領域上での反復したカーソルの動作(即ち、ラビング)は、消去、平滑化、彩度の減少、及び画像のいくつかの属性を段階的に増やす又は減らす他の手続き用の画像編集アプリケーション内で使用されている。ラビングの相互作用は、動的な触覚フィードバックの興味深いアプリケーションを提供する。例えば、使用者が画像の領域内のピクセルを徐々に消滅させるとき、触感を減少させることができるだろう。
【0071】
いくつかの実施形態では、動いている指は刺激され、一方、静止している指はどんな触覚刺激も受け取らないだろう。従って、本発明の実施形態では、たった1本の指が面上を移動している各瞬間に限りマルチタッチ触覚フィードバックが可能となる。独特で有用な方法でこれを使用可能な少なくとも2つの例がある。一実装形態は、一本の指が基準点を画定し、同時に別の一本の指が操作用に使用されるジェスチャー(しぐさ)を含む。パイメニューからの選択は、一本の指が静止し、同時に別の一本の指が項目を選択するために回転移動する一例である。同様に、一本の指が静止基準点を画定し、同時に動作指が変形量(例えば、伸縮、回転、又は拡大縮小)を特定する形状変換を実装できる。そのようなすべての操作では、動作指は本発明の実施形態を用いて触覚フィードバックを容易に補うことができる。
【0072】
更なる例は、両手間での手間の非対称分離を用いるジェスチャーを含む。例えば、非利き手が大まかな操作(例えば、一枚の紙の向きを合わせる)を実行し、同時に利き手がきめ細かな相互作用(例えば、書き物)を実行することができるだろう。別の一実装形態では、一般的なスライダの操作を画定する1以上のモーダルボタンを使用できるだろう。前の例のように、1以上の指が静止しており、同時に1以上の指が動作に従事し、本発明の実施形態を用いた触覚フィードバックを備える。
【0073】
更に別の一実施形態では、本発明の実施形態は、複数の電極に個別にアドレスを付けられたマルチタッチ面内に実装可能である。触覚ディスプレイは、夫々が薄い絶縁層で覆われ、個別にアドレス呼び出し可能で、個別に制御される1以上の透明電極板を含むことができるだろう。指が電極上をスライドするとき、電極は、独立した触覚フィードバックを提供できる。各電極は、他の周囲の電極とは独立してアドレス呼び出し可能である。従って、異なる指に対して異なる感覚を生成できる。
【0074】
一実施形態では、複数の電極の夫々は、独立した配線によって制御される。図10Aは、本発明の一実施形態に係る、別々の配線によって夫々制御される複数の電極1000を示す概念図である。コントローラ1002は、別々の配線によって各電極に結合されている。複数の電極1000の夫々は、別々の入力信号を受け取る。各電極に対して独立した配線を使用する利点は、複数の配線を実装することが比較的容易であることであるが、欠点は、多くの配線の使用は、電極数が増えるにつれてスケーラブルではなくなる可能性があることである。
【0075】
一実施形態では、ドライバは動的な高周波AC信号を生成するためにすべての接続に亘ってスイープ(掃引)できる。言い換えれば、ドライバは非常に短い時間、夫々の電極をオンにして、その後オフにして、次の電極に行って、オン及びオフにする等である。ドライバが非常に高速にスイッチングする場合は、各パターンで生じた信号は、パルス振幅変調(PAM)波、又はPAMの派生とすることができる。別の一実施形態では、実施形態は、電極と等価な数の信号源を生成し、その後、1つの電極に夫々の信号源を接続できる。この実施形態は、比較的少ない数の電極を含む実施形態では特に有利であるかもしれない。
【0076】
更に別の一実施形態では、導電性材料の1以上の導電経路又は層が、独立した電極を制御するために使用可能である。図10Bは、本発明の一実施形態に係る、スイッチによる複数の電極の制御を示す概念図である。図示されるように、下層の電極1004は、入力信号1006を供給される。小型の電子制御スイッチ1010は、使用者によって接触される上部パッチ1008及び下層の電極1004をブリッジ(橋絡)するために使用することができる。制御パス1014は、ドライバ1012によって信号電極1004から上部パッチ1008を接続及び切断するために使用することができる。他の実施形態では、複数の電極は、電極の夫々に結合されたスイッチング回路によって制御することができる。
【0077】
電子制御スイッチ1010は、トランジスタ、ダイオード、リレー、又は他の部品(フレキシブルな電子材料及び/又は有機エレクトロニクスなど)を含むことができる。スイッチ1010は、アドレス呼び出し用配線グリッドによって制御することができる。一実装形態では、1つの配線がパッチ1008の行ごとに、及び1つの配線がパッチ配列の列ごとに設けられていてもよい。
【0078】
更に別の一実施形態(図示せず)では、駆動電極及び接触電極は分離され、容量結合を介して接続される。各電極は、1つのパターン層から別のパターン層への容量結合を介して駆動される。言い換えれば、最上位層はパターンだけがあり、それがすべてである。このアプローチの利点は、我々は、制御パッドを設計するのに簡単な技術を使用でき、電極を透明にする必要がないことである。更に、いくつかの実施形態は、導電性の最上層に配線を必要としない。いくつかの実施形態では、LED(発光ダイオード)画面を、駆動電極と接触電極間に配置することができる。他の実施形態では、ディスプレイ、壁、衣服、又は他の材料を、電極の2つの層の間に配置することができる。
【0079】
電気振動面に対して信号を駆動するために、様々な実装形態を使用できる。導電層(図10Bに示される導電層1004など)は、特定のタイル1008に対する触覚応答のための低周波信号(例えば、100Hz)を変調するために、電子制御スイッチによってオンとオフを切り替えられる高周波AC(例えば、1MHz)信号で駆動できる。そうすることで、各バーストが高周波パルスを含むバーストの列が生成される。これらの刺激は、低周波の触感として知覚される。
【0080】
あるいはまた、本発明の実施形態は、高周波信号の振幅もまた変調し、これによってパルス振幅変調(PAM)信号として表される低周波触覚波を生成できる。人間は、低周波信号のみを知覚し、高周波成分は感じないだろう。更に、いくつかの実施形態では、キャリア周波数は、触覚信号周波数のグラウンドへのインピーダンスパスが最小となるように選択することができる。これはグラウンドに対する明確な帰還電極なしで知覚される効果を見込むことができるだろう。
【0081】
作動信号の特性(特に、信号の振幅、信号の周波数、信号のキャリア周波数、DCオフセットなど)は、システム全体のインピーダンスプロファイルに応じて動的に調整することができる。図11Aは、本発明の一実施形態に係る、インピーダンスプロファイルの実装を示す概念図である。センサ1104は、電極1102に接続し、タッチパネルに触れている指に対する全インピーダンスプロファイルZmを測定することができる。いくつかの実施形態によれば、インピーダンスは、様々な要因(特に、使用者の身体を通る及び電子部品を通る両方の回路の抵抗、面に接触する指の水分、指とデバイス間の接触面の量を含む)に依存する可能性がある。様々な技術が、インピーダンスプロファイルの測定に使用できる。一実施形態では、周波数のスイープが実行され、その後、応答が測定される。
【0082】
いくつかの実施形態では、使用者が感じる触覚は、インピーダンス値に基づく。一実施形態では、使用者とグラウンド間の電位差によって、異なって知覚されるアクチュエーションを引き起こすことができる。例えば、金属製の橋の上に立ってデバイスとの相互作用を行う場合と、木製の床の上に立ってデバイスとの相互作用を行う場合とでは、使用者が感じる感覚は異なる可能性があるだろう。また、いくつかの実施形態では、インピーダンスは、タッチ面との相互作用の間に時間と共に変化する可能性がある。例えば、使用者はデバイスと相互作用を行いながら階段を上る可能性があり、これはグラウンドに対する使用者の電位差を変化させるだろう。
【0083】
センサ1104によって測定された測定インピーダンスプロファイルは、電極1102にアクチュエーション信号1108を供給するコントローラ1106に送信される。いくつかの実施形態によれば、信号1108のパラメータは測定されたインピーダンスZmに基づいており、これによって電気振動の触覚が維持される。いくつかの実施形態では、信号の振幅及び/又はDCオフセットが調整され、これによってグラウンドに対する使用者の電位差が維持され、触覚フィードバックを同様に知覚できる。いくつかの実施形態では、インピーダンス値は、信号のPAM変調又は他の変調のキャリア周波数を制御するために、及び/又は信号のDC成分の値を調整するために使用される。従って、例えば、デバイスと相互作用を行う使用者が、金属製の橋を渡り、木製の階段を上るとき、コントローラから出力される信号は調整され、これによって知覚される触覚フィードバックは、相互作用全体の間、同様なままでいる。動的に信号を制御することなく、本明細書内で記載されるように、使用者に不快感を与える可能性のあるグラウンドに対する使用者の電位差の変化に応じて、フィードバックの強度は変化するだろう。
【0084】
図11Aは、コントローラから電極1102に印加される信号出力を示すが、本発明の別の一実施形態では、接地電極を提供し、信号は使用者に(即ち、デバイスの裏側を介して)印加される。また、コントローラ1106は、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせとして実装することができる。
【0085】
更に、増幅器1110が、コントローラ1106から電極1102又は指までの経路内に含まれる。一実施形態では、増幅器はトランジスタベースの増幅器である。いくつかの実施形態によれば、増幅器1110は、コントローラ1106内に又はコントローラから分離して含めることができる。いくつかの実施形態では、増幅器のゲインは、コントローラから出力される信号を動的に制御するために調整可能である。また、トランジスタベースの増幅器の使用は、出力信号に含まれるDCオフセットを見込んでいる。従来技術では、変成器結合増幅器が用いられた。しかしながら、変成器ベースの増幅器は、AC(交流)信号を駆動することだけができ、DCオフセットを通すことはできない。更に、小型デバイス(ハンドヘルドデバイスなど)には、変成器結合増幅器は、大き過ぎる可能性がある。従って、トランジスタベースの増幅器がより小さく、簡単にハンドヘルドデバイスのハウジング内に収めることができる。
【0086】
いくつかの実施形態では、本明細書内に記載されるPAM変調技術を使用して、触覚信号を変調することができ、そして高周波(即ち、キャリア)信号が使用され、これによって他の目的に使用される情報をエンコードできる。例としては、音を生成する、触感を透かし入れる、面に接触する物体(例えば、面上に置かれたデバイス)に情報を送る、使用者が着用するデバイスに情報を送る、及び/又はテーブル上に置かれたデバイスに電力を送ることが含まれる。
【0087】
いくつかの実施形態において、DC(直流)オフセットが、周期的な信号に追加される。信号にDCオフセットを追加すると、信号の知覚強度を高め、より強い感覚を可能にすることができる。いくつかの実施形態において、DCオフセットを制御する制御電子回路は、触覚信号の可変性を制御する制御電子回路とは独立しており、実施形態は触覚を最適化できる。
【0088】
他の実施形態では、正のみ又は負のみの周期信号が供給される。
【0089】
図11Bは、本発明の一実施形態に係る、インピーダンスプロファイルに基づいて電気振動アクチュエーションを提供するためのフロー図である。たとえ方法1150が、図1〜11Aのシステムと組み合わせて記述されていても、方法ステップを任意の順序で実行するように構成された任意のシステムは、本発明の実施形態の範囲内であることを、当業者は理解するであろう。
【0090】
図示されるように、方法1150は、センサがデバイスに触れる使用者のインピーダンスプロファイルを決定するステップ1152から始まる。いくつかの実施形態によれば、インピーダンスは、様々な要因(特に、使用者の身体を通る及び電子部品を通る両方の回路の抵抗、面に接触する指の水分、指とデバイス間の接触面の量を含む)に依存する可能性がある。様々な技術が、インピーダンスプロファイルの測定に使用できる。一実施形態では、周波数のスイープが実行され、その後、応答が測定される。
【0091】
ステップ1154において、コントローラは、インピーダンスプロファイルに基づいて信号を生成する。説明されたように、信号のパラメータが変更され、これによって知覚される触覚フィードバックが、デバイスとの使用者の相互作用を通して同様のままにできる。いくつかの実施形態では、信号の振幅及び/又はDCオフセットが調整され、これによってグラウンドに対する使用者の電位差が維持され、これによって触覚フィードバックを同様に知覚できる。
【0092】
ステップ1156において、コントローラは、電極に、又はデバイスと接触する指に、信号を送信する。一実施形態では、図2Aに示されるように、信号を電極に送信することができる。別の一実施形態では、図2Bに示されるように、デバイスの裏側に信号を結合し、信号を使用者の身体を通してデバイスに接触する指まで通すことを経由して、信号を指に送信することができる。更に、いくつかの実施形態では、信号は、電極又はデバイスと接触する指に到達する前に、トランジスタベースの増幅器を通過する。
【0093】
他の実施形態では、低周波信号がより高周波の信号と結合され、単一の感覚として知覚される合成信号を生成する。図12は、本発明の一実施形態に係る、低周波信号と高周波信号の組み合わせを示す概念図である。図示されるように、低周波信号1202が高周波信号1204と組み合わされ、合成信号1206を生成する。特定の実施形態において、人間は、合成信号1206の低周波成分及び高周波成分の両方を独立して知覚することができる。制御技術は、両方の信号周波数を独立して制御可能であり、同じ合成信号1206内に組み込まれた異なる周波数を用いて異なる情報を表すことができる。
【0094】
複数の個別に制御される電極を含む実施形態では、電極をあるパターンに配置することができる。電極パターンは、様々な形状、大きさ及び配置を有することができる。例えば、電極パターンは、正方形、三角形、六角形、円形、又は他の任意の形状のような形をした電極を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、電極パターンによって、使用者は押しボタンの縁を感じることができるかもしれない。
【0095】
いくつかの実施形態では、電極は透明である。他の実施形態では、電極は不透明又は半透明である。
【0096】
更に、本発明の実施形態は、他のアクチュエーション技術と組み合わせることができる。一実施形態では、電気振動アクチュエーションは、機械的な振動触覚アクチュエーションと組み合わせ、これによって広範囲の感覚を提供できる。別の一実施形態では、電気振動アクチュエーションは、超音波水平アクチュエータと組み合わせることができる。超音波動作は、知覚レベルより下で提供されることができる。(即ち、超音波動作は、指の代わりに板を動かす。)従って、使用者が電気振動を感知している間、面は指に対して指をスライドさせているだろう。そのような実装形態では、使用者は、指が動いていないときに触覚フィードバックを感じることができる、即ち、ボタンの押下を感じることができる。更に別の一実施形態では、電気振動アクチュエーションは、温度変化における可能性と組み合わせることができる。一例では、大理石の表面は冷たく感じる可能性があり、木材の表面は暖かく感じる可能性があるだろう。
【0097】
従来の表面静電容量入力検出には、使用者が表面に触れているときにタッチパネルの隅での電圧及び/又は電流の降下を読み取ることが含まれる。この従来の電圧及び/又は電流の降下は、容量結合タッチパネルの電極内に注入される一定振幅及び周波数の低電圧AC信号である基準信号と比較して読み取られる。本発明のいくつかの実施形態では、高電圧で任意形状の信号が、容量結合タッチパネルの電極に注入され、これによって触感を提供する。その後、信号は静電容量検出用基準電圧として使用することができる。パネルの隅での電圧及び/又は電流の降下は、接触座標を計算するために電極内に注入された任意の高電圧信号に対して読み取られる。
【0098】
いくつかの実施形態では、本発明の実施形態に係る基準信号及び信号は、高周波スイッチング機構を用いて交互に注入することができる。スイッチング周波数は、感度の閾値を超すことが可能である。このように、急速交替入力検出及び触覚フィードバック信号は、使用者の視点からパラレルメカニズムとして知覚することができる。
【0099】
更に別の一実施形態では、電気振動面上又は近くに置かれた他の物体は、電気振動触覚フィードバックを提供することができる。一実施形態では、物体は電気振動面に容量結合されており、従って、触覚フィードバックを提供することができる。例えば、電気振動面上に置かれたおもちゃは、絶縁膜で覆われることができる。電気振動触覚効果は、物体に触れた使用者によって検出可能である。
【0100】
いくつかの実施形態において、導電面は、上を指が上下にスライドする配線であることが可能である。例えば、配線は、抵抗性及び導電性の糸(スレッド)の組み合わせとして生成可能である。他の実施形態では、アクチュエーションは、紙の上でグラファイト又は鉛筆を介して行うことができる。例えば、電極は紙の下に配置されることができ、電圧を供給し、ペンは使用者の手の中で異なって感じ、例えば、これは、ペンと使用者との間の触感である。更に別の実施形態において、導電層は導電性塗料とすることができ、絶縁層は非導電性塗料にすることができる。
【0101】
いくつかの実施形態において、電気振動触覚フィードバックは、実世界の物体の表示を補うために使用可能である。本発明の実施形態は、オブジェクト又は実際の3D物体のイメージの上部に重ねることができる。使用者が画面に触れると、使用者はオブジェクト又は実際の3D物体のイメージを「感じる」ことができる。この感覚を達成するために、本発明の実施形態は、2D又は3Dのいずれかである可能性のあるイメージのデジタル表現を受け取り、デジタル表現を触覚表現に変換し、その後デジタル表現上に触覚表現を重ねる。オブジェクトのどの部分を使用者が触れることを意図しているかを正しく決定するために、少なくとも1つのカメラ又はその他のセンサが、使用者の視点の方向を追跡し、タッチセンシティブな面の上で指の位置とそれの相関関係を算定するために使用することができる。一実施形態では、使用者は画像がコンピューティングデバイスに保管されるオブジェクトのイメージを感じることができ、そして他の実施形態では、使用者は画像をネットワーク(インターネットなど)を介して受け取るオブジェクトイメージを感じることができる。いくつかの実施形態では、オブジェクトは、キーパッド上のキー又はテキスト入力インターフェイスを含む。
【0102】
いくつかの実施形態において、第1の指が静止し、第2の指が絶縁面に沿ってスライドしているとき、電極に結合された信号は、第1の指が絶縁面に接触して配置されること、及び第2の指が絶縁面に接触して配置されることを検出するコントローラに基づく。いくつかの実施形態において、異なる接触点が非同期的に動くとき、システムは複数の接触点を認識し、異なる触覚フィードバックが提供される。例えば、右手と左手をタッチパネル上に配置することができるだろう。左手が動いている(一方、右手は静止し続けている)とき、信号Aが供給される。右手が動いている(一方、左手は静止し続けている)とき、信号Bが供給される。両手が動いているとき、無信号又は信号Cが供給される。
【0103】
別の一実施形態では、本明細書内に記載される電気振動技術と組み合わせてカメラを使用することができる。使用者はカメラ(例えば、モバイルデバイスに付属のカメラ)を保持し、カメラを物体に向ける。カメラに関連するソフトウェアは、キャプチャしている物体を検出し、使用者が画面に触れたときに、それに対応する触覚フィードバックを感知させることができる。
【0104】
更に別の一実施形態では、物体は、物体を覆う保護ケース内部に配置することができる。例えば、博物館のセッティングにおいて、博物館の物品(例えば、人工物、絵画、動物)は、ガラスケースの背後に配置することができる。保護ケースは、本発明の実施形態を実装可能である。従って、使用者は保護ケースに触れると、使用者は保護ケース内の物体の感触に対応することができる電気振動アクチュエーションを感じることができる。いくつかの実施形態では、触覚マップのどの部分を使用者に提示すべきであるかを理解するために、追加のトラッキング技術を使用することができる。トラッキング技術は、視線又は顔追跡技術だけでなく、他の技術も利用することができるだろう。
【0105】
本発明のいくつかの実施形態は、異なる感覚が別の使用者に提供されるコラボレーションアプリケーションを考慮に入れることができるだろう。他の実施形態は、変動摩擦をもつ指を用いて消去及び/又はスケッチを行うことができるアプリケーションを提供することができる。同様に、実施形態は、ラビングベースの相互作用のための触覚フィードバックを可能にする。他の実施形態は、触覚スクロールホイールを含み、GUIの項目には、マウスのスクロールホイールによって提供される触覚フィードバックが追加される。
【0106】
本発明の実施形態のアプリケーションの更なる別の例では、触感を伴うテキスト入力技術を追加している。例えば、入力キーをディスプレイ画面に表示することができ、これによって、使用者がキーに触れるとき(例えば、タッチタイピングの間、又は「swype」方式のテキスト又はパスワード入力時)、使用者は触覚フィードバックを感じる。
【0107】
更に別の一実施形態では、遊園地の乗り物に、本発明の実施形態に係る電気振動技術を追加することができる。例えば、人が滑り下りる滑り台は、電気振動フィードバックを提供することができる。
【0108】
本発明の実施形態は、タッチスクリーン上で、従来の機械的な振動触覚アクチュエーションに比べていくつかの重要な利点を提供する。電気振動アクチュエーション技術に機械的な動作がないことは、本発明の実施形態と従来の機械的アクチュエーションとの間の最も直接的な違いである。この構成は、いくつかの顕著で密接な関係を有する。
【0109】
材料の種類に関係なく、材料のどんな平面も作動時に曲がるだろう。この問題は、板が大きく、アクチュエーション力がその周辺部に印加されるときに悪化し、これはタッチ面用触覚フィードバックを設計する際に共通している。従って、振動触覚ソリューションは、大型の対話型の面に適していないのみならず、小さな画面サイズに対しても、画面の異なる部分が、物理的な変位の異なる大きさ、それゆえ、異なる触感を有するだろう。一方、電気振動は、電位が板全体に亘って均一に及び瞬時に分散されるので、この効果に悩まされることはない。本発明の実施形態の触覚フィードバックは、任意の大きさの面全体に亘って均一である。
【0110】
振動触覚ディスプレイの場合のように、周期的な力が材料板を振動させるとき、板ばね特性は、エンクロージャ又はシャーシに板を取り付けることによる固有の緩衝と組み合わされ、それらは共に、板の高度に減衰された周波数応答をもたらす。その結果、同じ振幅の信号に対しては、板の機械的な変位は、異なる周波数で異なるものとなり、その機械的共振周波数の近くにピークをもち、その後劇的に減少する。これらの複雑な信号の減衰によって、平坦な応答を設計することが本質的に不可能となり、ソフトウェア振幅補正でさえ、物理学のこれらの法則に対抗することを期待することはできない。電気振動は可動部品を必要としないので、これらの効果のどちらにも悩まされることはない。
【0111】
エンドユーザの対話型システムを設計するとき、副産物のノイズは重大な考慮事項である。例えば、ほとんどの人は台所用ミキサーがうるさいことを受け入れるが、人々は稀にしかそれらを使用せず、しかも短時間のみなので、ノイズレベルは許容される。このノイズレベルは、我々が長時間の使用を望むコンピューティングデバイスには許容されないであろう。残念なことに、物理的な振動はしばしばうるさく、例えば、テーブルの上で振動する携帯電話を考えてみれば分かるだろう。この問題を複雑にするのは、インタラクティブな面は、かなりの量の空気を変位させる大面積を有し、本質的にそれらの画面がスピーカーに変わる傾向があるという事実である。本発明の実施形態には物理的な動きがないため、電気振動面は静かである。
【0112】
可動部品は、時間の経過とともに自然に摩耗し、それらのパフォーマンス特性を変化させ、最終的に失敗につながる可能性がある。更に、振動画面は、デバイス内部に埃、液体、及びその他の残骸を許容する動作を提供する小さな継ぎ目で筐体から分離しなければならない。しかしながら、この継ぎ目を塞ぐことは、振動を減衰させ、これによって触覚フィードバックの強度は低下する。これらの問題はいずれも、本発明の実施形態には関連していない。更に、本発明の実施形態は、高電圧信号を必要とすることなしに実施することができる。いくつかの例では、触覚は、わずか8ボルトのピークツーピークで感知することができる。
【0113】
説明したように、振動触覚アクチュエーションは、面全体を変位させることによって触覚フィードバックを実現する。その結果、面上にあるすべての指を刺激し、面上に置かれた任意の物理的オブジェクトは、チャタリングを起こし動き回りやすく、これは望ましくない。一般的に、振動触覚フィードバックがインタラクティブな面と共に使用されるとき、特定の指に触覚フィードバックを局在化させる方法はない。
【0114】
本開示は、例示及び説明のために示されており、包括又は限定することを意図していない。多くの修正形態及び変形形態が当業者にとっては明らかであろう。実施形態が、原理及び実践的応用を説明するために、及び想到される特定の用途に適した様々な修正を有する様々な実施形態の開示を他の当業者が理解することを可能にするために選択され、説明された。
【0115】
例示的な実施形態が本明細書内に記載されているが、実施形態はそれらの緻密な実施形態に限定されるものではなく、様々な他の変更形態及び修正形態が、開示の範囲及び趣旨を逸脱することなく当業者によってその中で影響を受ける可能性があることを理解すべきである。
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2010年5月21日に出願された米国特許仮出願第61/347,068号、及び2011年1月5日に出願された米国特許仮出願第61/430,125号の利益を主張し、これら両方は本明細書内の参照によってここに組み込まれる。
【背景】
【0002】
(発明の分野)
本発明の実施形態は、タッチ面に関し、特に、タッチ面用電気振動に関する。
【0003】
(関連技術の説明)
触覚は、我々が世界を感じることを可能にする多種多様な感覚を人間に提供する。我々は、テクスチャだけでなく、物体及び素材の感覚を楽しむことができる。経験を超えて、触感は、毎日の仕事においても我々を導き、我々が通常見ることのできない物体の特性を探るのを助ける。
【0004】
タッチベースの対話式の(インタラクティブな)システム用の触覚型インターフェイスの設計及び研究への関心が近年急速に高まっている。触覚は、触わる感覚を指す。触覚インターフェイスにおけるこの関心は、研究コミュニティ及びエンドユーザコミュニティの両方におけるタッチベースインターフェイスの人気に支えられている。しかしながら、タッチインターフェイスにおける1つの大きな問題は、動的な触覚フィードバックの欠如である。触覚フィードバックの欠如は、使用者が最も基本的な相互作用の処理ですら成し遂げるために馴染みの触覚の手がかりに頼ることができないので、ビジュアル環境のリアリズムを減少させ、直接的な相互作用のメタファーを壊し、インターフェイスの効率を低下させる。
【0005】
一般的には、タッチインターフェイスに触覚フィードバックを追加することは挑戦的であった。1つの従来のアプローチでは、タッチ面自体は、様々な静電アクチュエータ(圧電曲げモータ、ボイスコイル、ソレノイドなど)で作動可能である。アクチュエーションは、垂直又は横方向のいずれかに表面の動きを生成するように設計可能である。そのようなアプローチは、タッチ面全体を機械的に振動させることによって、小さなハンドヘルドデバイスにおけるタッチインターフェイスのための触覚フィードバックの設計で使用されてきた。低周波の振動によって、簡単な「クリック」感覚をシミュレートできる。機械的アクチュエーションをモバイルタッチ面と共に使用する上での大きな課題は、モバイルデバイス内に収まり、タッチ面を変位させるのに十分な力を生成するアクチュエータを作るのが困難なことである。大型タッチスクリーン(対話式キオスクやデスクトップコンピュータなど)のための触覚インターフェイスを作るには、より大きなアクチュエータが見込まれる。しかしながら、大型の作動面は、硬質板の代わりに柔軟な膜として振る舞い始める。複雑な機械的な変形は、大型板が作動されるときに発生し、触覚を予測制御したり、又はアクチュエーションのために十分な電力を供給することさえも困難にする。
【0006】
タッチ面のアクチュエーションのための代替アプローチは、触覚ディスプレイと視覚ディスプレイを切り離すことである。モバイルデバイスの場合には、触覚フィードバックは、デバイスの裏面を振動させ、握っている手を刺激することによって提供可能である。あるいはまた、モバイルデバイス本体内に又はタッチインターフェイスと組み合わせて使用されるツール内に、局在化した触覚アクチュエータを埋設することができる。しかしながら、このアプローチは、直接的な相互作用のメタファーを壊し、外部デバイスを必要とし、依然として大型面用触覚フィードバックの開発の問題を解決していない。
【0007】
従って、上述の欠点や制約に対処する触覚インターフェイス用ユーザインターフェイスに対する技術的必要性が残る。
【概要】
【0008】
本発明の実施形態は、使用者がタッチ面上で広範囲の触感を感じることができるインターフェイスを提供する。一実施形態では、タッチパネルは、薄い絶縁層によって覆われた透明電極を含む。電気信号は、電極又はデバイスの裏側に結合される。指(手指など)が、タッチパネルの絶縁層に沿ってスライドすると、触覚テクスチャの感覚が知覚される。
【0009】
一実施形態は、装置であって、導電面と、導電面上に配置された絶縁面と、装置に接触する使用者に信号を結合させるように構成され、これによって絶縁面上でスライドする使用者の少なくとも1本の指で触感が知覚されるコントローラとを含む装置が提供される。
【0010】
別の一実施形態は、信号を生成するための方法を提供する。方法は、デバイスに接触する使用者のグラウンドに対するインピーダンス値を検出するステップと、インピーダンス値に基づいて信号を生成するステップと、信号を使用者に結合させ、これによってデバイスの絶縁面上をスライドする少なくとも1本の指で触感が知覚されるステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の1以上の態様を実装するように構成されたシステムのブロック図である。
【図2A】〜
【図2B】本発明の実施形態に係る、電気振動を提供するために構成されたタッチ面の概念図である。
【図3A】〜
【図3C】本発明の実施形態に係る、電気振動アクチュエーションに対応する電荷を示す。
【図4A】本発明の一実施形態に係る、指とタッチ面との間に誘導される引力を示す。
【図4B】〜
【図4C】本発明の実施形態に係る、指とタッチ面との間で誘導される引力と、スライドする指とタッチ面との間の摩擦力を示す。
【図5A】〜
【図5B】本発明の実施形態に係る、電気振動アクチュエーションを提供するための方法ステップのフロー図である。
【図6】本発明のいくつかの実施形態に係る、入力信号の異なる周波数に対する絶対検出閾のグラフである。
【図7】本発明の一実施形態に係る、使用者調査に基づく周波数の丁度可知差異(JND)を示す。
【図8】本発明の一実施形態に係る、使用者調査に基づく振幅のJNDを示す。
【図9】本発明の一実施形態に係る、4つの周波数−振幅の組み合わせによって生成された4つのテクスチャの使用者調査の結果を示す。
【図10A】本発明の一実施形態に係る、別々の配線によって夫々制御される複数の電極を示す概念図である。
【図10B】本発明の一実施形態に係る、スイッチによる複数の電極の制御を示す概念図である。
【図11A】本発明の一実施形態に係る、インピーダンスプロファイルの実装を示す概念図である。
【図11B】本発明の一実施形態に係る、インピーダンスプロファイルに基づいて電気振動アクチュエーションを提供するためのフロー図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る、低周波信号と高周波信号の組み合わせを示す概念図である。
【例示的な実施形態の詳細な説明】
【0012】
本発明の実施形態は、使用者がタッチスクリーン上で広範囲な触感を感じることを可能にするインターフェイスを提供する。他の触覚技術とは異なり、本発明の実施形態は、機械的動作を使用しない。一実施形態では、タッチパネルは、薄い絶縁層によって覆われた透明電極を含む。電気信号は、電極に結合される。別の一実施形態では、以下で更に詳細に説明されるように、信号をデバイスの裏側を介して使用者に直接印加することができる。信号は、時間的に変化する信号であってもよい。いくつかの実施形態では、時間的に変化する信号は周期的である。指又は他の導電性物体(ペンなど)が、タッチパネルの絶縁層に沿ってスライドすると、触覚テクスチャの感覚が知覚される。
【0013】
本発明の実施形態は、簡単に異なる表示及び入力技術と組み合わせることができ、多くのアプリケーションで使用可能である。例えば、タッチスクリーンは、様々なテクスチャ感をシミュレートすることができる。別の例示的アプリケーションは、仮想キャンバス上でペイント感のある強化描画アプリケーションを含む。本発明の実施形態はまた、物体間の摩擦をシミュレートすることができる。例えば、バーチャルカーをドラッグすると、ドラッグされている車の仮想舗装の種類によって異なる感触が得られた。別の例では、タッチスクリーンを使って大きなファイルをドラッグすると、小さなファイルをドラッグするのと比べてより多くの摩擦を生成することができた。同様に、本発明の実施形態では、使用者は制約(操作タスク内のグリッドへのスナップなど)を感じることができる。本発明の実施形態には、より多くのアプリケーションがある。他の入力モダリティ(ビデオなど)との組み合わせにより、本発明の実施形態は、多くの新しいアプリケーション及び刺激的なユーザ体験を作リ出す。
【0014】
(システムの概要)
実施形態は、システム、方法、装置又はコンピュータプログラム製品として実施可能である。従って、様々な実施形態は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含む)、又はソフトウェアとハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形式を取ることができる。更に実施形態は、コンピュータで読み取り可能なプログラムコードを内部に収めた1以上のコンピュータ可読媒体内に具現化されるコンピュータプログラム製品の形態を取ることができる。
【0015】
1以上のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせを利用してもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、又は半導体の、システム、装置、又はデバイス、又は上記の任意の適切な組み合わせが可能であるが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、又はデバイスによって、又はそれらと接続して使用するためのプログラムを含む又は格納することが可能な任意の有形媒体であってもよい。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読プログラムコードを内部に具現化した伝搬されたデータ信号を含むことができる。様々な実施形態の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、1以上のプログラミング言語(オブジェクト指向プログラミング言語(例えば、Java(商標名)、Smalltalk、又はC++等)及び従来の手続き型のプログラミング言語(例えば、「C」プログラミング言語又は類似のプログラミング言語)を含む)の任意の組み合わせで記述できる。プログラムコードは、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとして、完全に使用者のコンピュータ(デバイス)上で、部分的に使用者のコンピュータ上で、一部は使用者のコンピュータ上で一部はリモートコンピュータ上で、又は完全にリモートコンピュータ又はサーバー上で実行してもよい。リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを介して使用者のコンピュータに接続されてもよく、又は外部のコンピュータへ接続されてもよい。
【0016】
特定の実施形態は、命令プログラムを実行するコンピュータなどのデバイスによって実装できることが理解されるだろう。これらのコンピュータプログラム命令は、特別な目的のコンピュータのプロセッサ、又はマシンを生成するための他のプログラマブルデータ処理装置に提供されてもよく、これによってコンピュータのプロセッサ又は他のプログラマブルデータ処理装置を介して実行される命令が、特定された機能/作用を実行する。
【0017】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラマブルなデータ処理装置、又は特定の方法で機能する他のデバイスに命令可能なコンピュータ可読媒体に格納されてもよく、これによってコンピュータ可読媒体に格納された命令は、特定された機能/作用を実行する命令を含む製造品を生み出す。
【0018】
コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータで実行されるプロセスを生成するために、コンピュータ又は他のプログラマブルなデータ処理装置等にロードされ、これによってコンピュータ又は他のプログラマブルな装置上で実行する命令は、特定された機能/作用を実行するためのプロセスを提供する。
【0019】
図1は、本発明の1以上の態様を実装するように構成されたシステムのブロック図である。1以上の実施形態と接続して使用できる例示的なデバイスは、コンピュータ110の形態のコンピューティングデバイスを含む。コンピュータ110のコンポーネントは、処理ユニット120、システムメモリ130、及びシステムメモリ130を含む様々なシステムコンポーネントを処理ユニット120に結合するシステムバス122を含んでもよいが、これらに限定されない。コンピュータ110は、様々なコンピュータ可読媒体を含むことができ、又はそれらにアクセスできる。システムメモリ130は、例えば、揮発性及び/又は不揮発性メモリの形態(リードオンリーメモリ(ROM)及び/又はランダムアクセスメモリ(RAM)など)のコンピュータ可読記憶媒体を含んでもよい。一例としてであり、これに限定されないが、システムメモリ130は、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、他のプログラムモジュール、及びプログラムデータを含むこともできる。
【0020】
使用者は、入力デバイス140を介してコンピュータ110に(例えば、コマンドや情報を入力することで)接続することができる。モニタ又は他の種類のディスプレイ面もまた、インターフェイス(出力インターフェイス150など)を介してシステムバス122に接続することができる。モニタに加えて、コンピュータは、他の周辺出力装置を含むことができる。コンピュータ110は、1以上の他のリモートデバイス170(他のコンピュータなど)への論理接続を用いて、ネットワーク又は分散環境で動作可能である。論理接続は、ネットワーク(ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、及び/又はグローバルコンピュータネットワークなど)へのネットワークインターフェイス160を含んでもよいが、他のネットワーク/バスを含むこともできる。
【0021】
いくつかの実施形態は、機械的なアクチュエーションのいかなる形態をも使用しないタッチ面用の触覚インターフェイスを生成するためのシステム及び関連する方法に対して向けられる。その代わりに、いくつかの実施形態では、機器を備えたタッチ面と使用者の指との間の静電摩擦を制御することで、広範囲な触感生成を可能にする「電気振動」の原理を利用する。入力可能な対話式ディスプレイと組み合わせることで、実施形態は、触覚フィードバックで増強された幅広い種類の相互作用を生成できる。様々な例示的実施形態は、以下で更に詳細に説明される。以下に提供される例示的実施形態に関する詳細は、限定を意図するものではなく、単なる例示的実施形態の実例である。
【0022】
(タッチ面用電気振動)
本発明の実施形態は、機械的なアクチュエーションのいかなる形態をも使用しないタッチ面用の触覚インターフェイスを生成するための機構を提供する。その代わりに、提案される技術は、機器を備えたタッチ面と使用者の1以上の指との間の静電摩擦を制御することで、実施形態に広範囲な触感生成を可能にする電気振動の原理を利用する。入力可能な対話式ディスプレイと組み合わせることで、本発明の実施形態は、触覚フィードバックで増強された幅広い種類の相互作用を可能にする。
【0023】
図2Aは、本発明の一実施形態に係る、電気振動を提供するために構成されたタッチ面200の概念図である。タッチ面200は、絶縁層206でコーティングされたガラス板204上に塗布された透明電極シート202を含む。コントローラは、コネクタに結合される周期的な電気信号V(t)によって透明電極202を励起させる。例えば、コネクタは通常、タッチ面200の位置検出ドライバ(図示せず)によって使用可能である。十分な振幅の入力信号が提供される場合、電気誘導された引力feが、スライドする指208と下層の電極202との間で発生し、指208とタッチ面200との間の動摩擦frを増加させる。feの振幅が信号の振幅によって変化するため、摩擦frの変化も周期的であり、タッチ面200上で指208がスライドするとき、周期的な皮膚の変形を引き起こす。これらの変形は、振動又は摩擦として知覚され、印加される信号の振幅及び周波数を変調させることによって制御可能である。また、入力信号V(t)は、透明電極202の全域に亘って均一に伝播されるため、結果として得られる触感は、空間的に均一である。
【0024】
一実施形態では、電気信号V(t)は正弦波を含む。他の実施形態では、電気信号V(t)は、矩形波又は三角波を含む他の波形を含む。いくつかの実施形態では、信号は単相又は二相であることが可能である。いくつかの実施形態では、信号は整流される。いくつかの実施形態では、信号はDC(直流)オフセットを含む。いくつかの実施形態では、電極202に電気信号V(t)を結合することは、信号を直接電極202に供給することを含む。他の実施形態では、電極202に電気信号V(t)を結合することは、電気信号V(t)を電極202に容量性、抵抗性、及び/又は誘導性要素を介して誘導結合することを含む。
【0025】
図示されるように、使用者の指は、グラウンド210に接続されることができる。一実施形態では、使用者は、電極とは電位差をもって配置されることができる。我々の身体は、グラウンドに対して自然なリンクを提供するが、直接グラウンド接続を生成することによって、触感の強度を高めることができる。このような接地をしない場合、電圧を増加させることによって、同じ強度の感覚を提供できるだろう。接地は、単純な接地電極を着用することによって達成することができる。例えば、使用者は、静電気防止リストバンドを着用することができる。また、使用者は、接地されたパッド上に座る又は立つこともできる。モバイルデバイスの場合、モバイルデバイスを握ったときに使用者に接触する筐体の裏側が、グラウンドとして使用可能であった。他の実施形態では、接地電極は、中間的な物体及び材料を介することを含んで使用者に結合され、使用者が上で立っている、座っている、握っている、ラップ上にいる、着用している、触わっている、又はその他の接地されたパッドを含む。
【0026】
更に別の一実施形態では、接地平面(図示せず)をタッチ面200内に含めることができる。接地平面は、メッシュを含む又は穴のパターンを含むことが可能である。使用者がタッチ面に指を触れたとき、使用者は接地平面によって効果的に接地される。この実施形態では、信号は使用者に印加される。
【0027】
更に別の一実施形態では、電極層自体は、接地要素及び信号要素の両方を含むことができる。従って、触れる指の一部はグラウンドに、一部は信号に接続され、それゆえ、グラウンド接続が、指で発生している。
【0028】
図2Bは、本発明の一実施形態に係る、電気振動を提供するために構成されたタッチ面200の概念図である。図示されるように、電気信号V(t)は指208に印加されることができ、グラウンド210への経路が電極202に提供される。いくつかの実施形態では、電気信号は、装置の裏側に印加されることができ、使用者の身体を通って指208まで進む。図2Bに示される構成において、指208が絶縁層上をスライドするとき、指では触感も知覚される。
【0029】
様々な実施形態によれば、絶縁層206は異なる材料で作ることが可能であり、異なるテクスチャ(つまり、異なる仕上げ面)を有することが可能である。電極202は、異なる材料(ITO(インジウムスズ酸化物)、銀、導電性ゴム、銅、アルミニウム、導電性インク、導電性接着剤、導電性塗料、又はその他の任意の導電性材料を含む)で作ることも可能である。
【0030】
いくつかの場合において、電気デバイスの安全な運転のための重要な要素は、電圧よりもむしろ電流である。本発明の実施形態によれば、指内部の誘導電荷は指表面に力を生じさせ、使用者の手を通って流れる誘導電流量はごくわずかである。例えば、タッチ面200に供給される電流は、通常、人間に対して安全と考えられる0.5mAまでに制限することができる。いくつかの実施形態では、電流制限は、駆動回路内で使用される演算増幅器の電力定格によって画定される。実際、従来の静電容量式タッチパネルを使用するとき、使用者は同じ電流量を経験する。更に使用者を保護するために、いくつかの実施形態では、電流制限回路を実装することができる。
【0031】
「電気振動」による触覚アクチュエーションは、「電気触覚」及び「静電気」による触覚アクチュエーションとは異なる。電気触覚ディスプレイは、皮膚を通過する電荷によって人間の指の触覚受容器を刺激する。対照的に、電気振動では通過する電荷は無く、指内の電荷が導電面上を移動する電荷によって誘導される。更に、電流が神経末端を直接刺激する電気触覚による触覚フィードバックとは異なり、電気振動による刺激は機械的であり、周期的な静電気力がスライドする指の皮膚を変形させることによって生成される。
【0032】
静電気によるアプローチでは、使用者は、電極パターンの上で中間物体(アルミ箔の断片など)を操作している。このパターンに印加される周期信号は、物体と電極の間に弱い静電引力を生成し、これは、物体が使用者の指によって移動すると、振動として知覚される。従って、触感は間接的に作成され、つまり物体表面で静電気力によって誘導された振動が、接触している人間の指に移動する。電気振動の場合、中間要素は必要とされず、つまり触感は直接指を作動することによって生成される。
【0033】
電気振動に基づく触覚フィードバックには、いくつかの魅力的な利点がある。本発明の実施形態は、高速で、低消費電力で、動的であり、マルチタッチインターフェイスを含む広範囲な相互作用のシナリオ及びアプリケーションで使用することができる機構を提供する。本発明の実施形態は、周波数及び振幅の広い範囲に亘って応答の広い帯域幅及び均一性を示す。更に、技術は非常にスケーラブルであり、大型の対話型テーブル、ハンドヘルドモバイル機器、更に、湾曲した、フレキシブルな、及び/又は不規則なタッチ面を含む任意のサイズ、形状、及び/又は構成のタッチ面において効率的に利用可能である。最後に、本発明の実施形態は可動部品が無いので、既存のデバイス内に、デバイスへの最小限の物理的修正で容易に実装することができる。
【0034】
電気振動タッチ面の一実装形態は、マルチタッチインタラクティブテーブルトップ、壁に取り付けられた面、又は他の任意の技術的に実現可能な構成を実装することを含む。図2A〜2Bに係るタッチパネルは、投影及び入力面として使用可能である。追加の拡散面を、パネルの後ろに設置することができる。プロジェクターは、グラフィックコンテンツをレンダリングするために使用することができる。使用者の入力を捕らえるために、パネルは、赤外線照明によって背後から照明することができる。赤外線カメラは、面に触れる使用者の指の反射を捕らえる。例えば、マルチタッチトラッキングは、毎秒60フレームで実行することができる。指の位置は、インタラクティブ機能、ビジュアルディスプレイ、及び触覚出力を制御する役割を担うハードウェア機構及び/又はソフトウェアアプリケーションに送信される。この実装はスケーラブルであり、とりわけ、FTIR及び表面弾性トラッキングを含む他の入力技術に適合されることができる。それは、任意の面又はデバイスに簡単に拡張、修正、及び適用することができる。確かに、機械的動作が無いので、ほとんどすべてのオブジェクト(物体)が電気振動ベースの触覚フィードバックによって設計可能である。電極は、透明又は不透明で、曲面及び凹凸面に塗布され、及び任意のディスプレイ、ハンドツール、又は器具に追加できる。他の実施形態では、他の検出技術(特に、距離の追跡、圧力の入力、接触面積の追跡等)が、本明細書に記載される電気振動技術と組み合わせて使用できる。
【0035】
図3A〜3Cは、本発明の実施形態に係る、電気振動アクチュエーションに対応する電荷を示す。図3Aに示されるように、タッチ面は、ガラス板304、電極306、及び絶縁層308を含む。入力信号V(t)は、電極306に印加される。入力信号V(t)は振動し、正及び負の電荷を電極内で交替させることができる。図3Aに示されるとき、電極内の電荷は負である。電極306内の負電荷は、絶縁層308の底部に沿って正電荷の蓄積を引き起こし、絶縁層308の上部に沿って負電荷の蓄積を引き起こす。これにより、絶縁層308に接触して配置されたとき、使用者の指302内に正電荷が誘導される。
【0036】
説明したように、入力信号V(t)は振動するので、電極306内の電荷も振動する。これにより、絶縁層308内の電荷は、絶縁層308内で「フリップフロップ」になる。図3Bに示されるように、絶縁層308内の正電荷は上方へ(即ち、使用者の指302に向かって)動き、絶縁層308内の負電荷は下方へ(即ち、電極306に向かって)動く。図3Bはまた、電極306内の電荷の一部が今正であることを示す。絶縁層308内の正電荷は上方へ移動し続け、絶縁層308内の負電荷は下方へ移動し続ける。負電荷はまた、使用者の指の先端に蓄積し始めている。
【0037】
図3Cは、更に別の時点におけるタッチ面内の変化を示す。図示されるように、電極306内の電荷は今正である。電極306内の正電荷は、絶縁層308の底部に沿って負電荷の蓄積を引き起こし、絶縁層308の上部に沿って正電荷の蓄積を引き起こす。これにより、絶縁層308に接触して配置されたとき、使用者の指302内に負電荷を蓄積する。
【0038】
説明したように、電極306に印加される入力信号V(t)は、絶縁層308内で電荷を置き換え、振動電場を作る。指302がタッチパネルの表面に置かれると、電荷の周期的な動きが、指302の先端に誘導される。上述のように、他の実施形態において、電気信号V(t)は指302に印加されることができ、グラウンドへの経路が電極306に提供される。
【0039】
図4Aは、本発明の一実施形態に係る、指402とタッチ面との間に誘導される引力feを示す。タッチ面は、ガラス板404、電極406、及び絶縁層408を含む。入力信号V(t)は、電極406に印加される。十分な振幅の入力信号V(t)が供給されるときは、電気誘導された引力feが、指402と下層電極406との間に生じる。電荷が指402内で振動するとき、誘導引力feは強い力と弱い力の間で振動する。誘導引力feの大きさの振動が、誘導引力feを表す点線矢印で図4Aに示される。
【0040】
図4B〜4Cは、本発明の実施形態に係る、指402とタッチ面との間で誘導される引力feと、指の動作方向に指402がスライドするときのスライドする指402とタッチ面との間の摩擦力frを示す。feの振幅が信号の振幅によって変化するため、摩擦frの変化も周期的であり、タッチ面200上で指208がスライドするとき、周期的な皮膚の変形を引き起こす。これらの変形は、振動又は摩擦として認識され、印加される信号の振幅及び周波数を変調させることによって制御可能である。
【0041】
図4B〜4Cは、タッチ面に沿ってスライドする指402を示す。図示されるように、図4Bに示される(即ち、1本の指の位置での)引力fe及び摩擦力frの大きさは、図4Cに示される(即ち、別の指の位置での)引力fe及び摩擦力frの大きさよりも大きい。いくつかの実施形態では、使用者がタッチ面に沿って指402をスライドするとき、摩擦力frの大きさのこれらの変化は周期的であり、テクスチャとして知覚される周期的な皮膚の変形をもたらす。
【0042】
図5Aは、本発明の一実施形態に係る、電気振動アクチュエーションを提供するための方法ステップのフロー図である。たとえ方法500が、図1〜4Cのシステムと組み合わせて記述されていても、方法ステップを任意の順序で実行するように構成された任意のシステムは、本発明の実施形態の範囲内であることを、当業者は理解するであろう。
【0043】
図示されるように、方法500は、信号が基板と絶縁層の間に配置された電極に供給されるステップ502から始まる。一実施形態では、基板はガラス板である。いくつかの実施形態では、電極及び/又は絶縁面は透明であり、タッチスクリーン面の一部を形成する。電極に供給される信号は、周期的な、変調された、及び/又は複合波形を含む。様々な実施形態によれば、絶縁層は異なる材料で作ることが可能であり、異なるテクスチャ(つまり、異なる仕上げ面)を有することが可能である。電極及び/又は絶縁面は、異なる材料(ITO(インジウムスズ酸化物)、導電性ゴム、銅、銀、アルミニウム、導電性インク、導電性接着剤、又はその他の任意の導電性材料を含む)で作られることも可能である。
【0044】
ステップ504において、絶縁層に沿ってスライドする指に応答して、触感が指によって知覚される。いくつかの実施形態では、指は手指を含む。説明されたように、使用者がタッチ面に沿って指をスライドさせ、テクスチャとして知覚される周期的な皮膚の変形を引き起こすので、指と絶縁層との間の摩擦力frの大きさの変化は、周期的にすることができる。
【0045】
図5Bは、本発明の一実施形態に係る、電気振動アクチュエーションを提供するための方法ステップのフロー図である。たとえ方法550が、図1〜4Cのシステムと組み合わせて記述されていても、方法ステップを任意の順序で実行するように構成された任意のシステムは、本発明の実施形態の範囲内であることを、当業者は理解するであろう。
【0046】
図示されるように、方法550は、信号がタッチ面を含むデバイスの使用者に供給されるステップ552から始まる。信号は、デバイス内に含まれるコントローラによって生成することができる。一例では、信号は金属面を含むデバイスの裏側に結合される。デバイスの裏側に信号を結合することは、直接裏面に信号を供給すること、裏面に信号を誘導結合すること、又は面に信号を結合するための他の任意の技術を含むことができる。例えば、デバイスを保持している使用者は、使用者の手を介して信号を受け取ることができる。
【0047】
ステップ554において、デバイスの絶縁層に沿ってスライドする指に応答して、触感が指によって知覚される。本明細書に記載されるように、デバイスは、基板と絶縁層の間に配置された電極を含むことができる。一実施形態では、基板はガラス板である。いくつかの実施形態では、電極及び/又は絶縁面は透明であり、タッチスクリーン面の一部を形成する。いくつかの実施形態では、指は手指を含む。
【0048】
いくつかの実施形態において、図5Bで説明される方法550は、信号が使用者に印加され、電極がグラウンドへの経路に接続される図2Bに示される装置に対応する。説明されたように、使用者がタッチ面に沿って指をスライドさせ、テクスチャとして知覚される周期的な皮膚の変形を引き起こすので、指と絶縁層との間の摩擦力frの大きさの変化は、周期的にすることができる。
【0049】
(電気振動の知覚ベース特性)
上述のように、電極への入力信号の周波数、振幅、DCオフセット、及び/又は他の任意の特性を変化させることによって、使用者は異なる触覚フィードバックを感じるようになる。特定の個人によって知覚される触覚フィードバックは、別の個人によって知覚される感覚とは異なるかもしれない。
【0050】
いくつかの実施形態において、絶対検出閾と、周波数及び振幅弁別閾を画定する人間の感性のベースラインがある。電気振動の場合、絶対検出閾は、特定の周波数でかろうじて検出可能な感覚を生成する最小の電圧振幅である。検出閾を下回る電圧は、触覚の感覚を生成する際に使用できない。いくつかの実施形態では、入力信号の周波数は、絶対検出閾に影響を与える。
【0051】
図6は、本発明のいくつかの実施形態に係る、入力信号の異なる周波数に対する絶対検出閾のグラフである。図6に示されるデータは、使用者の調査に基づいており、限定することを意図していない。図6に示されるデータは、単に異なる周波数に対する絶対検出閾の一例を示している。
【0052】
5つの基準周波数に対する絶対検出閾が図6に示される。標準エラーバー付きの電気振動の平均検出閾が、左軸に示され、力検出閾曲線が、右軸に沿って単位と共に示される。閾値は、Aがボルト単位の信号振幅であるとき、20log10(A)として計算される「dB re 1V peak」の単位で定義される。この単位を用いることは、対数スケールにおける人間の知覚の線形性のため、心理物理実験では標準的な方法である。比較のために、力検出閾曲線も、図6にプロットされる。この例では、閾値レベルが刺激周波数に依存することを示す、閾値レベル(F(4,36)=12.8; p<0.001)での周波数の統計的に有意な効果があった。
【0053】
振幅及び周波数の弁別閾は通常、2つの刺激間の最小の検出可能な差である丁度可知差異(JND)と呼ばれている。検出及び弁別閾は共に、電気振動の感覚のダイナミックレンジ及び処理能力を記述する基本的な尺度の組を形成する。これらの尺度は、本発明の実施形態を使用してインターフェイス及びアプリケーションを設計するために使用することができる。
【0054】
いくつかの実施形態において、電気振動の検出閾レベルは、正弦波刺激に対する力検出閾レベルとぴったりと一致する。実験は、本発明の実施形態で生成された感覚が、皮膚に対して横方向の力の知覚に密接に関連していることを示している。電気振動の電圧と知覚された力との間の関係は、線形ではないかもしれない。
【0055】
いくつかの実施形態において、検出閾レベルは、電気振動を用いた触覚インターフェイスを設計するためのガイドラインを提供する。例えば、検出閾レベルは、各周波数で印加される電圧が対応する検出閾レベルを超え、これによって使用者が知覚できる触感を提供しなければならないことを設計者へ知らせる。それらはまた、電力要求を最適化することができる。例えば、400Hzで触覚信号は、18 dB re 1V level又は16Vppで容易に識別できる触感を生成できた。一方、180Hzでは、電圧閾レベルはその半分であり、大幅に少ない電力(12dB re 1V peak又は8Vpp)を必要とする。従って、触覚フィードバックは、モバイルデバイスのために特に重要となる可能性のあるより少ない電力を要求するように最適化することができる。
【0056】
周波数及び振幅の弁別閾は、人間の知覚の分解能を説明し、つまり、それらはインターフェイスの設計で使用できる触感の粒度を決定する。例えば、もしも設計者が2つの異なる触感を生成したいならば、使用者がそれらを区別できるように、夫々の感覚に対する電圧の振幅が互いに少なくとも一定の電圧異なり離れていることを設計者は確認するだろう。同様の考察は、刺激の周波数にも適用される。
【0057】
図7は、本発明の一実施形態に係る、使用者調査に基づく周波数の丁度可知差異(JND)を示す。5人の被験者が、5つの異なる周波数レベルで試験にかけられた。各被験者の結果が、各被験者に対応する別の記号で図7に示される。また、標準エラーバー付きの平均値も示される。図7に示される結果は、限定を意図するものではなく、むしろ周波数弁別閾の一例を示していることが理解されるべきである。
【0058】
図8は、本発明の一実施形態に係る、使用者調査に基づく振幅の丁度可知差異(JND)を示す。5人の被験者が、5つの異なる周波数レベルで試験にかけられた。各被験者の結果が、各被験者に対応する別の記号で図8に示される。また、標準エラーバー付きの平均値も示される。図8に示される結果は、限定を意図するものではなく、むしろ振幅弁別閾の一例を示していることが理解されるべきである。
【0059】
説明されたように、個々の使用者によって感じられる感覚は、人によって変わる可能性がある。図9は、本発明の一実施形態に係る、4つの周波数−振幅の組み合わせによって生成された4つのテクスチャの使用者調査の結果を示す。図示されるように、使用者は、周波数及び振幅の4つの組み合わせ(80Hz−80Vpp(ピークツーピーク電圧)、80Hz−115Vpp、400Hz−80Vpp、400Hz−115Vppを含む)にかけられた。
【0060】
低周波の刺激は、高周波に比べてより粗いものとして知覚された。それらはしばしば、高周波刺激の「紙」及び「塗り壁」に対して、「木」及び「凹凸のある革」に例えられた。
【0061】
振幅の効果は、刺激の周波数に依存する。高周波(例えば、400Hz)のテクスチャに対して、振幅の増加は、知覚される触感の滑らかさを増加させた。同様に、80Vppでは、テクスチャは主に「セメントの表面」及び「安価な紙」に例えられ、115Vppでは、それらは「紙」及び「塗り壁」に例えられた。一部の参加者は、知覚される滑らかさにおけるこの増加を明確に指摘した。
【0062】
低い周波数(例えば、80Hz)では、刺激の振幅の増加は、粘着性の知覚を高める。一部の参加者は、「ねばねばした」感覚を明確に言及すると同時に、他の参加者は、その感覚を「オートバイのハンドル」又は「ゴム」に触れる感覚に例えた。他の参加者は、粘性をこの種のテクスチャに関連付けた。1人の参加者は、彼の体験を「指を粘性液体に通す」と例えた。
【0063】
再び、図9に示される結果は、限定を意図するものではなく、むしろ振幅弁別閾の一例を示していることが理解されるべきである。
【0064】
(電気振動アクチュエーションの典型的な使用事例及び実装)
上述のように、本発明の実施形態は、幅広い種類の使用事例及びアプリケーションに実装することができる。これらの使用事例及びアプリケーションのいくつかは、以下の通りである。以下に示す例は単なる例示であり、本発明の実施形態の範囲を限定することを意図しない。
【0065】
本明細書内で説明される電気振動技術の1つの実装形態は、シミュレーションのアプリケーションを含む。アプリケーションのこのクラスは、仮想オブジェクト用テクスチャ、オブジェクト間又はオブジェクトと仮想面間の摩擦シミュレーション、及び/又はツールがキャンバスの上で操作される描画及び製図のような行為といった触覚効果を含む。
【0066】
更に、タッチスクリーン上の触覚フィードバックは、非視覚情報層を見込んでいる。例えば、スターフィールドの視覚イメージは、関心のある領域上を通過する指によって感じられる放射強度の「触覚イメージ」によって補足されることができる。触覚チャネルは、振幅及び周波数の両方において動的であり、潜在的に情報の2つの追加チャネルを提供することができる。
【0067】
別の一例は、従来のGUI(グラフィカルユーザインターフェイス)の要素に触覚フィードバックを組み込むことを含む。例えば、GUIウィンドウ内のスライダは、触覚フィードバック周波数を変更することによって、それらのドラッグの程度を知らせることができる。同様に、使用者は、電子メールのリスト上に彼又は彼女の指を通過させ、これによって新しい又は最も優先順位の高いものを感知することができるだろう。本発明の実施形態を使用して実装することができる他の多くの相互作用設計(インタラクションデザイン)のアイデアがある。
【0068】
種々の実施形態によれば、入力信号の周波数の変更は、別のパルス振幅変調された波形によって入力信号を変調することによって修正することができる。
【0069】
更に別の一例では、直接操作(ダイレクトマニピュレーション)は、特に閉塞が問題となる可能性のあるタッチインターフェイスにおける触覚増強に対して準備が整っている。ファイル、アイコン、及び他の「ドラッグ可能な」項目は、摩擦の変数レベルによって増強され、これによってターゲットが正常にキャプチャされたことを確認するだけでなく、ファイルのサイズ及びドラッグアンドドロップの適用性のようなプロパティを伝えることもできる。例えば、大きなファイルは小さなファイルよりも大きな摩擦に関連付けることができる。オブジェクトの整列、スナップ、グリッドベースのレイアウトにも触覚フィードバックを補うことができる。このような触覚増強は、十分な練習によって目を使用しない相互作用を可能にすることができる。
【0070】
ある領域上での反復したカーソルの動作(即ち、ラビング)は、消去、平滑化、彩度の減少、及び画像のいくつかの属性を段階的に増やす又は減らす他の手続き用の画像編集アプリケーション内で使用されている。ラビングの相互作用は、動的な触覚フィードバックの興味深いアプリケーションを提供する。例えば、使用者が画像の領域内のピクセルを徐々に消滅させるとき、触感を減少させることができるだろう。
【0071】
いくつかの実施形態では、動いている指は刺激され、一方、静止している指はどんな触覚刺激も受け取らないだろう。従って、本発明の実施形態では、たった1本の指が面上を移動している各瞬間に限りマルチタッチ触覚フィードバックが可能となる。独特で有用な方法でこれを使用可能な少なくとも2つの例がある。一実装形態は、一本の指が基準点を画定し、同時に別の一本の指が操作用に使用されるジェスチャー(しぐさ)を含む。パイメニューからの選択は、一本の指が静止し、同時に別の一本の指が項目を選択するために回転移動する一例である。同様に、一本の指が静止基準点を画定し、同時に動作指が変形量(例えば、伸縮、回転、又は拡大縮小)を特定する形状変換を実装できる。そのようなすべての操作では、動作指は本発明の実施形態を用いて触覚フィードバックを容易に補うことができる。
【0072】
更なる例は、両手間での手間の非対称分離を用いるジェスチャーを含む。例えば、非利き手が大まかな操作(例えば、一枚の紙の向きを合わせる)を実行し、同時に利き手がきめ細かな相互作用(例えば、書き物)を実行することができるだろう。別の一実装形態では、一般的なスライダの操作を画定する1以上のモーダルボタンを使用できるだろう。前の例のように、1以上の指が静止しており、同時に1以上の指が動作に従事し、本発明の実施形態を用いた触覚フィードバックを備える。
【0073】
更に別の一実施形態では、本発明の実施形態は、複数の電極に個別にアドレスを付けられたマルチタッチ面内に実装可能である。触覚ディスプレイは、夫々が薄い絶縁層で覆われ、個別にアドレス呼び出し可能で、個別に制御される1以上の透明電極板を含むことができるだろう。指が電極上をスライドするとき、電極は、独立した触覚フィードバックを提供できる。各電極は、他の周囲の電極とは独立してアドレス呼び出し可能である。従って、異なる指に対して異なる感覚を生成できる。
【0074】
一実施形態では、複数の電極の夫々は、独立した配線によって制御される。図10Aは、本発明の一実施形態に係る、別々の配線によって夫々制御される複数の電極1000を示す概念図である。コントローラ1002は、別々の配線によって各電極に結合されている。複数の電極1000の夫々は、別々の入力信号を受け取る。各電極に対して独立した配線を使用する利点は、複数の配線を実装することが比較的容易であることであるが、欠点は、多くの配線の使用は、電極数が増えるにつれてスケーラブルではなくなる可能性があることである。
【0075】
一実施形態では、ドライバは動的な高周波AC信号を生成するためにすべての接続に亘ってスイープ(掃引)できる。言い換えれば、ドライバは非常に短い時間、夫々の電極をオンにして、その後オフにして、次の電極に行って、オン及びオフにする等である。ドライバが非常に高速にスイッチングする場合は、各パターンで生じた信号は、パルス振幅変調(PAM)波、又はPAMの派生とすることができる。別の一実施形態では、実施形態は、電極と等価な数の信号源を生成し、その後、1つの電極に夫々の信号源を接続できる。この実施形態は、比較的少ない数の電極を含む実施形態では特に有利であるかもしれない。
【0076】
更に別の一実施形態では、導電性材料の1以上の導電経路又は層が、独立した電極を制御するために使用可能である。図10Bは、本発明の一実施形態に係る、スイッチによる複数の電極の制御を示す概念図である。図示されるように、下層の電極1004は、入力信号1006を供給される。小型の電子制御スイッチ1010は、使用者によって接触される上部パッチ1008及び下層の電極1004をブリッジ(橋絡)するために使用することができる。制御パス1014は、ドライバ1012によって信号電極1004から上部パッチ1008を接続及び切断するために使用することができる。他の実施形態では、複数の電極は、電極の夫々に結合されたスイッチング回路によって制御することができる。
【0077】
電子制御スイッチ1010は、トランジスタ、ダイオード、リレー、又は他の部品(フレキシブルな電子材料及び/又は有機エレクトロニクスなど)を含むことができる。スイッチ1010は、アドレス呼び出し用配線グリッドによって制御することができる。一実装形態では、1つの配線がパッチ1008の行ごとに、及び1つの配線がパッチ配列の列ごとに設けられていてもよい。
【0078】
更に別の一実施形態(図示せず)では、駆動電極及び接触電極は分離され、容量結合を介して接続される。各電極は、1つのパターン層から別のパターン層への容量結合を介して駆動される。言い換えれば、最上位層はパターンだけがあり、それがすべてである。このアプローチの利点は、我々は、制御パッドを設計するのに簡単な技術を使用でき、電極を透明にする必要がないことである。更に、いくつかの実施形態は、導電性の最上層に配線を必要としない。いくつかの実施形態では、LED(発光ダイオード)画面を、駆動電極と接触電極間に配置することができる。他の実施形態では、ディスプレイ、壁、衣服、又は他の材料を、電極の2つの層の間に配置することができる。
【0079】
電気振動面に対して信号を駆動するために、様々な実装形態を使用できる。導電層(図10Bに示される導電層1004など)は、特定のタイル1008に対する触覚応答のための低周波信号(例えば、100Hz)を変調するために、電子制御スイッチによってオンとオフを切り替えられる高周波AC(例えば、1MHz)信号で駆動できる。そうすることで、各バーストが高周波パルスを含むバーストの列が生成される。これらの刺激は、低周波の触感として知覚される。
【0080】
あるいはまた、本発明の実施形態は、高周波信号の振幅もまた変調し、これによってパルス振幅変調(PAM)信号として表される低周波触覚波を生成できる。人間は、低周波信号のみを知覚し、高周波成分は感じないだろう。更に、いくつかの実施形態では、キャリア周波数は、触覚信号周波数のグラウンドへのインピーダンスパスが最小となるように選択することができる。これはグラウンドに対する明確な帰還電極なしで知覚される効果を見込むことができるだろう。
【0081】
作動信号の特性(特に、信号の振幅、信号の周波数、信号のキャリア周波数、DCオフセットなど)は、システム全体のインピーダンスプロファイルに応じて動的に調整することができる。図11Aは、本発明の一実施形態に係る、インピーダンスプロファイルの実装を示す概念図である。センサ1104は、電極1102に接続し、タッチパネルに触れている指に対する全インピーダンスプロファイルZmを測定することができる。いくつかの実施形態によれば、インピーダンスは、様々な要因(特に、使用者の身体を通る及び電子部品を通る両方の回路の抵抗、面に接触する指の水分、指とデバイス間の接触面の量を含む)に依存する可能性がある。様々な技術が、インピーダンスプロファイルの測定に使用できる。一実施形態では、周波数のスイープが実行され、その後、応答が測定される。
【0082】
いくつかの実施形態では、使用者が感じる触覚は、インピーダンス値に基づく。一実施形態では、使用者とグラウンド間の電位差によって、異なって知覚されるアクチュエーションを引き起こすことができる。例えば、金属製の橋の上に立ってデバイスとの相互作用を行う場合と、木製の床の上に立ってデバイスとの相互作用を行う場合とでは、使用者が感じる感覚は異なる可能性があるだろう。また、いくつかの実施形態では、インピーダンスは、タッチ面との相互作用の間に時間と共に変化する可能性がある。例えば、使用者はデバイスと相互作用を行いながら階段を上る可能性があり、これはグラウンドに対する使用者の電位差を変化させるだろう。
【0083】
センサ1104によって測定された測定インピーダンスプロファイルは、電極1102にアクチュエーション信号1108を供給するコントローラ1106に送信される。いくつかの実施形態によれば、信号1108のパラメータは測定されたインピーダンスZmに基づいており、これによって電気振動の触覚が維持される。いくつかの実施形態では、信号の振幅及び/又はDCオフセットが調整され、これによってグラウンドに対する使用者の電位差が維持され、触覚フィードバックを同様に知覚できる。いくつかの実施形態では、インピーダンス値は、信号のPAM変調又は他の変調のキャリア周波数を制御するために、及び/又は信号のDC成分の値を調整するために使用される。従って、例えば、デバイスと相互作用を行う使用者が、金属製の橋を渡り、木製の階段を上るとき、コントローラから出力される信号は調整され、これによって知覚される触覚フィードバックは、相互作用全体の間、同様なままでいる。動的に信号を制御することなく、本明細書内で記載されるように、使用者に不快感を与える可能性のあるグラウンドに対する使用者の電位差の変化に応じて、フィードバックの強度は変化するだろう。
【0084】
図11Aは、コントローラから電極1102に印加される信号出力を示すが、本発明の別の一実施形態では、接地電極を提供し、信号は使用者に(即ち、デバイスの裏側を介して)印加される。また、コントローラ1106は、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせとして実装することができる。
【0085】
更に、増幅器1110が、コントローラ1106から電極1102又は指までの経路内に含まれる。一実施形態では、増幅器はトランジスタベースの増幅器である。いくつかの実施形態によれば、増幅器1110は、コントローラ1106内に又はコントローラから分離して含めることができる。いくつかの実施形態では、増幅器のゲインは、コントローラから出力される信号を動的に制御するために調整可能である。また、トランジスタベースの増幅器の使用は、出力信号に含まれるDCオフセットを見込んでいる。従来技術では、変成器結合増幅器が用いられた。しかしながら、変成器ベースの増幅器は、AC(交流)信号を駆動することだけができ、DCオフセットを通すことはできない。更に、小型デバイス(ハンドヘルドデバイスなど)には、変成器結合増幅器は、大き過ぎる可能性がある。従って、トランジスタベースの増幅器がより小さく、簡単にハンドヘルドデバイスのハウジング内に収めることができる。
【0086】
いくつかの実施形態では、本明細書内に記載されるPAM変調技術を使用して、触覚信号を変調することができ、そして高周波(即ち、キャリア)信号が使用され、これによって他の目的に使用される情報をエンコードできる。例としては、音を生成する、触感を透かし入れる、面に接触する物体(例えば、面上に置かれたデバイス)に情報を送る、使用者が着用するデバイスに情報を送る、及び/又はテーブル上に置かれたデバイスに電力を送ることが含まれる。
【0087】
いくつかの実施形態において、DC(直流)オフセットが、周期的な信号に追加される。信号にDCオフセットを追加すると、信号の知覚強度を高め、より強い感覚を可能にすることができる。いくつかの実施形態において、DCオフセットを制御する制御電子回路は、触覚信号の可変性を制御する制御電子回路とは独立しており、実施形態は触覚を最適化できる。
【0088】
他の実施形態では、正のみ又は負のみの周期信号が供給される。
【0089】
図11Bは、本発明の一実施形態に係る、インピーダンスプロファイルに基づいて電気振動アクチュエーションを提供するためのフロー図である。たとえ方法1150が、図1〜11Aのシステムと組み合わせて記述されていても、方法ステップを任意の順序で実行するように構成された任意のシステムは、本発明の実施形態の範囲内であることを、当業者は理解するであろう。
【0090】
図示されるように、方法1150は、センサがデバイスに触れる使用者のインピーダンスプロファイルを決定するステップ1152から始まる。いくつかの実施形態によれば、インピーダンスは、様々な要因(特に、使用者の身体を通る及び電子部品を通る両方の回路の抵抗、面に接触する指の水分、指とデバイス間の接触面の量を含む)に依存する可能性がある。様々な技術が、インピーダンスプロファイルの測定に使用できる。一実施形態では、周波数のスイープが実行され、その後、応答が測定される。
【0091】
ステップ1154において、コントローラは、インピーダンスプロファイルに基づいて信号を生成する。説明されたように、信号のパラメータが変更され、これによって知覚される触覚フィードバックが、デバイスとの使用者の相互作用を通して同様のままにできる。いくつかの実施形態では、信号の振幅及び/又はDCオフセットが調整され、これによってグラウンドに対する使用者の電位差が維持され、これによって触覚フィードバックを同様に知覚できる。
【0092】
ステップ1156において、コントローラは、電極に、又はデバイスと接触する指に、信号を送信する。一実施形態では、図2Aに示されるように、信号を電極に送信することができる。別の一実施形態では、図2Bに示されるように、デバイスの裏側に信号を結合し、信号を使用者の身体を通してデバイスに接触する指まで通すことを経由して、信号を指に送信することができる。更に、いくつかの実施形態では、信号は、電極又はデバイスと接触する指に到達する前に、トランジスタベースの増幅器を通過する。
【0093】
他の実施形態では、低周波信号がより高周波の信号と結合され、単一の感覚として知覚される合成信号を生成する。図12は、本発明の一実施形態に係る、低周波信号と高周波信号の組み合わせを示す概念図である。図示されるように、低周波信号1202が高周波信号1204と組み合わされ、合成信号1206を生成する。特定の実施形態において、人間は、合成信号1206の低周波成分及び高周波成分の両方を独立して知覚することができる。制御技術は、両方の信号周波数を独立して制御可能であり、同じ合成信号1206内に組み込まれた異なる周波数を用いて異なる情報を表すことができる。
【0094】
複数の個別に制御される電極を含む実施形態では、電極をあるパターンに配置することができる。電極パターンは、様々な形状、大きさ及び配置を有することができる。例えば、電極パターンは、正方形、三角形、六角形、円形、又は他の任意の形状のような形をした電極を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、電極パターンによって、使用者は押しボタンの縁を感じることができるかもしれない。
【0095】
いくつかの実施形態では、電極は透明である。他の実施形態では、電極は不透明又は半透明である。
【0096】
更に、本発明の実施形態は、他のアクチュエーション技術と組み合わせることができる。一実施形態では、電気振動アクチュエーションは、機械的な振動触覚アクチュエーションと組み合わせ、これによって広範囲の感覚を提供できる。別の一実施形態では、電気振動アクチュエーションは、超音波水平アクチュエータと組み合わせることができる。超音波動作は、知覚レベルより下で提供されることができる。(即ち、超音波動作は、指の代わりに板を動かす。)従って、使用者が電気振動を感知している間、面は指に対して指をスライドさせているだろう。そのような実装形態では、使用者は、指が動いていないときに触覚フィードバックを感じることができる、即ち、ボタンの押下を感じることができる。更に別の一実施形態では、電気振動アクチュエーションは、温度変化における可能性と組み合わせることができる。一例では、大理石の表面は冷たく感じる可能性があり、木材の表面は暖かく感じる可能性があるだろう。
【0097】
従来の表面静電容量入力検出には、使用者が表面に触れているときにタッチパネルの隅での電圧及び/又は電流の降下を読み取ることが含まれる。この従来の電圧及び/又は電流の降下は、容量結合タッチパネルの電極内に注入される一定振幅及び周波数の低電圧AC信号である基準信号と比較して読み取られる。本発明のいくつかの実施形態では、高電圧で任意形状の信号が、容量結合タッチパネルの電極に注入され、これによって触感を提供する。その後、信号は静電容量検出用基準電圧として使用することができる。パネルの隅での電圧及び/又は電流の降下は、接触座標を計算するために電極内に注入された任意の高電圧信号に対して読み取られる。
【0098】
いくつかの実施形態では、本発明の実施形態に係る基準信号及び信号は、高周波スイッチング機構を用いて交互に注入することができる。スイッチング周波数は、感度の閾値を超すことが可能である。このように、急速交替入力検出及び触覚フィードバック信号は、使用者の視点からパラレルメカニズムとして知覚することができる。
【0099】
更に別の一実施形態では、電気振動面上又は近くに置かれた他の物体は、電気振動触覚フィードバックを提供することができる。一実施形態では、物体は電気振動面に容量結合されており、従って、触覚フィードバックを提供することができる。例えば、電気振動面上に置かれたおもちゃは、絶縁膜で覆われることができる。電気振動触覚効果は、物体に触れた使用者によって検出可能である。
【0100】
いくつかの実施形態において、導電面は、上を指が上下にスライドする配線であることが可能である。例えば、配線は、抵抗性及び導電性の糸(スレッド)の組み合わせとして生成可能である。他の実施形態では、アクチュエーションは、紙の上でグラファイト又は鉛筆を介して行うことができる。例えば、電極は紙の下に配置されることができ、電圧を供給し、ペンは使用者の手の中で異なって感じ、例えば、これは、ペンと使用者との間の触感である。更に別の実施形態において、導電層は導電性塗料とすることができ、絶縁層は非導電性塗料にすることができる。
【0101】
いくつかの実施形態において、電気振動触覚フィードバックは、実世界の物体の表示を補うために使用可能である。本発明の実施形態は、オブジェクト又は実際の3D物体のイメージの上部に重ねることができる。使用者が画面に触れると、使用者はオブジェクト又は実際の3D物体のイメージを「感じる」ことができる。この感覚を達成するために、本発明の実施形態は、2D又は3Dのいずれかである可能性のあるイメージのデジタル表現を受け取り、デジタル表現を触覚表現に変換し、その後デジタル表現上に触覚表現を重ねる。オブジェクトのどの部分を使用者が触れることを意図しているかを正しく決定するために、少なくとも1つのカメラ又はその他のセンサが、使用者の視点の方向を追跡し、タッチセンシティブな面の上で指の位置とそれの相関関係を算定するために使用することができる。一実施形態では、使用者は画像がコンピューティングデバイスに保管されるオブジェクトのイメージを感じることができ、そして他の実施形態では、使用者は画像をネットワーク(インターネットなど)を介して受け取るオブジェクトイメージを感じることができる。いくつかの実施形態では、オブジェクトは、キーパッド上のキー又はテキスト入力インターフェイスを含む。
【0102】
いくつかの実施形態において、第1の指が静止し、第2の指が絶縁面に沿ってスライドしているとき、電極に結合された信号は、第1の指が絶縁面に接触して配置されること、及び第2の指が絶縁面に接触して配置されることを検出するコントローラに基づく。いくつかの実施形態において、異なる接触点が非同期的に動くとき、システムは複数の接触点を認識し、異なる触覚フィードバックが提供される。例えば、右手と左手をタッチパネル上に配置することができるだろう。左手が動いている(一方、右手は静止し続けている)とき、信号Aが供給される。右手が動いている(一方、左手は静止し続けている)とき、信号Bが供給される。両手が動いているとき、無信号又は信号Cが供給される。
【0103】
別の一実施形態では、本明細書内に記載される電気振動技術と組み合わせてカメラを使用することができる。使用者はカメラ(例えば、モバイルデバイスに付属のカメラ)を保持し、カメラを物体に向ける。カメラに関連するソフトウェアは、キャプチャしている物体を検出し、使用者が画面に触れたときに、それに対応する触覚フィードバックを感知させることができる。
【0104】
更に別の一実施形態では、物体は、物体を覆う保護ケース内部に配置することができる。例えば、博物館のセッティングにおいて、博物館の物品(例えば、人工物、絵画、動物)は、ガラスケースの背後に配置することができる。保護ケースは、本発明の実施形態を実装可能である。従って、使用者は保護ケースに触れると、使用者は保護ケース内の物体の感触に対応することができる電気振動アクチュエーションを感じることができる。いくつかの実施形態では、触覚マップのどの部分を使用者に提示すべきであるかを理解するために、追加のトラッキング技術を使用することができる。トラッキング技術は、視線又は顔追跡技術だけでなく、他の技術も利用することができるだろう。
【0105】
本発明のいくつかの実施形態は、異なる感覚が別の使用者に提供されるコラボレーションアプリケーションを考慮に入れることができるだろう。他の実施形態は、変動摩擦をもつ指を用いて消去及び/又はスケッチを行うことができるアプリケーションを提供することができる。同様に、実施形態は、ラビングベースの相互作用のための触覚フィードバックを可能にする。他の実施形態は、触覚スクロールホイールを含み、GUIの項目には、マウスのスクロールホイールによって提供される触覚フィードバックが追加される。
【0106】
本発明の実施形態のアプリケーションの更なる別の例では、触感を伴うテキスト入力技術を追加している。例えば、入力キーをディスプレイ画面に表示することができ、これによって、使用者がキーに触れるとき(例えば、タッチタイピングの間、又は「swype」方式のテキスト又はパスワード入力時)、使用者は触覚フィードバックを感じる。
【0107】
更に別の一実施形態では、遊園地の乗り物に、本発明の実施形態に係る電気振動技術を追加することができる。例えば、人が滑り下りる滑り台は、電気振動フィードバックを提供することができる。
【0108】
本発明の実施形態は、タッチスクリーン上で、従来の機械的な振動触覚アクチュエーションに比べていくつかの重要な利点を提供する。電気振動アクチュエーション技術に機械的な動作がないことは、本発明の実施形態と従来の機械的アクチュエーションとの間の最も直接的な違いである。この構成は、いくつかの顕著で密接な関係を有する。
【0109】
材料の種類に関係なく、材料のどんな平面も作動時に曲がるだろう。この問題は、板が大きく、アクチュエーション力がその周辺部に印加されるときに悪化し、これはタッチ面用触覚フィードバックを設計する際に共通している。従って、振動触覚ソリューションは、大型の対話型の面に適していないのみならず、小さな画面サイズに対しても、画面の異なる部分が、物理的な変位の異なる大きさ、それゆえ、異なる触感を有するだろう。一方、電気振動は、電位が板全体に亘って均一に及び瞬時に分散されるので、この効果に悩まされることはない。本発明の実施形態の触覚フィードバックは、任意の大きさの面全体に亘って均一である。
【0110】
振動触覚ディスプレイの場合のように、周期的な力が材料板を振動させるとき、板ばね特性は、エンクロージャ又はシャーシに板を取り付けることによる固有の緩衝と組み合わされ、それらは共に、板の高度に減衰された周波数応答をもたらす。その結果、同じ振幅の信号に対しては、板の機械的な変位は、異なる周波数で異なるものとなり、その機械的共振周波数の近くにピークをもち、その後劇的に減少する。これらの複雑な信号の減衰によって、平坦な応答を設計することが本質的に不可能となり、ソフトウェア振幅補正でさえ、物理学のこれらの法則に対抗することを期待することはできない。電気振動は可動部品を必要としないので、これらの効果のどちらにも悩まされることはない。
【0111】
エンドユーザの対話型システムを設計するとき、副産物のノイズは重大な考慮事項である。例えば、ほとんどの人は台所用ミキサーがうるさいことを受け入れるが、人々は稀にしかそれらを使用せず、しかも短時間のみなので、ノイズレベルは許容される。このノイズレベルは、我々が長時間の使用を望むコンピューティングデバイスには許容されないであろう。残念なことに、物理的な振動はしばしばうるさく、例えば、テーブルの上で振動する携帯電話を考えてみれば分かるだろう。この問題を複雑にするのは、インタラクティブな面は、かなりの量の空気を変位させる大面積を有し、本質的にそれらの画面がスピーカーに変わる傾向があるという事実である。本発明の実施形態には物理的な動きがないため、電気振動面は静かである。
【0112】
可動部品は、時間の経過とともに自然に摩耗し、それらのパフォーマンス特性を変化させ、最終的に失敗につながる可能性がある。更に、振動画面は、デバイス内部に埃、液体、及びその他の残骸を許容する動作を提供する小さな継ぎ目で筐体から分離しなければならない。しかしながら、この継ぎ目を塞ぐことは、振動を減衰させ、これによって触覚フィードバックの強度は低下する。これらの問題はいずれも、本発明の実施形態には関連していない。更に、本発明の実施形態は、高電圧信号を必要とすることなしに実施することができる。いくつかの例では、触覚は、わずか8ボルトのピークツーピークで感知することができる。
【0113】
説明したように、振動触覚アクチュエーションは、面全体を変位させることによって触覚フィードバックを実現する。その結果、面上にあるすべての指を刺激し、面上に置かれた任意の物理的オブジェクトは、チャタリングを起こし動き回りやすく、これは望ましくない。一般的に、振動触覚フィードバックがインタラクティブな面と共に使用されるとき、特定の指に触覚フィードバックを局在化させる方法はない。
【0114】
本開示は、例示及び説明のために示されており、包括又は限定することを意図していない。多くの修正形態及び変形形態が当業者にとっては明らかであろう。実施形態が、原理及び実践的応用を説明するために、及び想到される特定の用途に適した様々な修正を有する様々な実施形態の開示を他の当業者が理解することを可能にするために選択され、説明された。
【0115】
例示的な実施形態が本明細書内に記載されているが、実施形態はそれらの緻密な実施形態に限定されるものではなく、様々な他の変更形態及び修正形態が、開示の範囲及び趣旨を逸脱することなく当業者によってその中で影響を受ける可能性があることを理解すべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
導電面と、
前記導電面上に配置された絶縁面と、
信号が前記装置と接触する使用者に結合するように構成され、これによって前記絶縁面上をスライドする前記使用者の少なくとも1本の指に触感が知覚されるコントローラとを含む装置。
【請求項2】
前記信号が前記使用者に結合することは、前記信号を前記装置の裏面に直接供給すること、又は前記信号を容量性、抵抗性、及び/又は誘導性要素を介して前記裏面に結合することを含む請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記コントローラは、前記絶縁面上の少なくとも1本の指の位置に基づいて、前記信号の振幅及び/又は周波数及び/又はDC(直流)オフセットを修正するように構成される請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記信号は、直流(DC)オフセットを含む請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記信号は、低周波信号と高周波信号を組み合わせることによって生成される請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記絶縁面に結合され、前記絶縁面上をスライドする前記少なくとも1本の指に関連するインピーダンス値を測定するように構成されるセンサを更に含み、前記コントローラは、前記センサから前記インピーダンス値を受信し、前記インピーダンス値に基づいて前記導電面にアクチュエーション信号を送信するように構成される請求項1記載の装置。
【請求項7】
前記導電面は、グラウンドへの経路に結合される請求項1記載の装置。
【請求項8】
グラフィカルユーザインターフェイスを表示するディスプレイ画面を更に含み、前記少なくとも1本の指で知覚される触感は、前記グラフィカルユーザインターフェイス内に表示されるオブジェクトに関連する請求項1記載の装置。
【請求項9】
触覚フィードバックを提供する方法であって、
絶縁面を含む装置に接触する使用者に信号を結合させるステップと、
前記絶縁面に沿ってスライドする前記使用者の少なくとも1本の指に応答して、前記信号に基づく前記少なくとも1本の指で触感を知覚させるステップとを含む方法。
【請求項10】
信号を生成する装置であって、
絶縁面と、
前記装置と接触する使用者のグラウンドに対するインピーダンス値を検出するように構成されるセンサと、
コントローラとを含み、前記コントローラは、
前記インピーダンス値に基づいて信号を生成し、
前記信号を前記使用者に結合させ、これによって前記絶縁面上をスライドする少なくとも1本の指に触感が知覚されるように構成される装置。
【請求項11】
前記センサは、前記インピーダンス値における変化を検出するように構成される請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記変化に応答して、前記コントローラは前記使用者に結合される前記信号を修正し、前記信号の修正後、知覚される前記触感は一定を維持する請求項11記載の装置。
【請求項13】
前記信号が前記使用者に結合される前に前記信号を増幅するように構成されたトランジスタベースの増幅器を更に含み、前記信号を修正することは前記増幅器のゲインを修正することを含む請求項12記載の装置。
【請求項1】
装置であって、
導電面と、
前記導電面上に配置された絶縁面と、
信号が前記装置と接触する使用者に結合するように構成され、これによって前記絶縁面上をスライドする前記使用者の少なくとも1本の指に触感が知覚されるコントローラとを含む装置。
【請求項2】
前記信号が前記使用者に結合することは、前記信号を前記装置の裏面に直接供給すること、又は前記信号を容量性、抵抗性、及び/又は誘導性要素を介して前記裏面に結合することを含む請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記コントローラは、前記絶縁面上の少なくとも1本の指の位置に基づいて、前記信号の振幅及び/又は周波数及び/又はDC(直流)オフセットを修正するように構成される請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記信号は、直流(DC)オフセットを含む請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記信号は、低周波信号と高周波信号を組み合わせることによって生成される請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記絶縁面に結合され、前記絶縁面上をスライドする前記少なくとも1本の指に関連するインピーダンス値を測定するように構成されるセンサを更に含み、前記コントローラは、前記センサから前記インピーダンス値を受信し、前記インピーダンス値に基づいて前記導電面にアクチュエーション信号を送信するように構成される請求項1記載の装置。
【請求項7】
前記導電面は、グラウンドへの経路に結合される請求項1記載の装置。
【請求項8】
グラフィカルユーザインターフェイスを表示するディスプレイ画面を更に含み、前記少なくとも1本の指で知覚される触感は、前記グラフィカルユーザインターフェイス内に表示されるオブジェクトに関連する請求項1記載の装置。
【請求項9】
触覚フィードバックを提供する方法であって、
絶縁面を含む装置に接触する使用者に信号を結合させるステップと、
前記絶縁面に沿ってスライドする前記使用者の少なくとも1本の指に応答して、前記信号に基づく前記少なくとも1本の指で触感を知覚させるステップとを含む方法。
【請求項10】
信号を生成する装置であって、
絶縁面と、
前記装置と接触する使用者のグラウンドに対するインピーダンス値を検出するように構成されるセンサと、
コントローラとを含み、前記コントローラは、
前記インピーダンス値に基づいて信号を生成し、
前記信号を前記使用者に結合させ、これによって前記絶縁面上をスライドする少なくとも1本の指に触感が知覚されるように構成される装置。
【請求項11】
前記センサは、前記インピーダンス値における変化を検出するように構成される請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記変化に応答して、前記コントローラは前記使用者に結合される前記信号を修正し、前記信号の修正後、知覚される前記触感は一定を維持する請求項11記載の装置。
【請求項13】
前記信号が前記使用者に結合される前に前記信号を増幅するように構成されたトランジスタベースの増幅器を更に含み、前記信号を修正することは前記増幅器のゲインを修正することを含む請求項12記載の装置。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【公開番号】特開2011−248884(P2011−248884A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−113888(P2011−113888)
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【出願人】(504399716)ディズニー エンタープライゼス インコーポレイテッド (73)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−113888(P2011−113888)
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【出願人】(504399716)ディズニー エンタープライゼス インコーポレイテッド (73)
【Fターム(参考)】
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