説明

タバコの煙用フィルタ又はフィルタエレメント、そのようなフィルタ又はフィルタエレメントを含むシガレット、及びそのようなフィルタ又はフィルタエレメントを作製する方法

本発明は、実質的に円筒形のフィルタボディを有するフィルタ又はフィルタエレメントに関し、当該フィルタは、特に、少なくとも2つの異なる添加物を含有し、前記添加物は、フィルタボディの長手軸方向において連続して配置される少なくとも2つのゾーン、及び/又は、少なくとも断面では、フィルタボディの半径方向においてその区域を重ね合わされた少なくとも2つのゾーン、特に層群、において存在する。本発明は、また、タバコの煙用フィルタ又はフィルタエレメントに関し、前記フィルタ又はフィルタエレメントは、初期状態では平らな材料、特に、エンドレスにクリンプされたフィラメント、紙、繊維織物、繊維材料、不織布等から製造可能な実質的に円筒形のフィルタボディからなり、前記フィルタボディは、フィルタボディの長手軸方向に連続して配列された少なくとも2つのゾーン、つまり、添加物を含有するタバコ側ゾーン及び添加物がない口側ゾーンからなる。本発明の主題は、焼成生成物のより良好なフィルタリングを可能にする。本発明は、また、タバコの煙用フィルタ又はフィルタエレメントに特に適した方法に関し、当該方法において、フィルタボディは、少なくとも2つの異なるゾーンを備え、前記添加物は、フィルタボディが形成される平らな出発原料に対して、実質的に平行なストライプ状に及び/又は上下に層を成して、適用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実質的に円筒形のフィルタボディを有するタバコの煙用フィルタ又はフィルタエレメントに関する。
【背景技術】
【0002】
タバコ煙フィルタは、フィルタシガレットにおいて使用され、その煙が吸入される前に少なくともある程度はその煙からタバコ燃焼生成物を除去する。タバコ煙フィルタのろ過効率を向上させるため、添加物、特に微粒子型の活性炭を、フィルタに追加することが知られる。これは、使用されるフィルタの特定の型によって、様々な方法でなされることが出来る。
【0003】
例えば、活性炭をこん包したチャンバをフィルタに設け、それを通じて、喫煙中に燃焼生成物が流れ、少なくともある程度はチャンバに存在する粒状活性炭によって吸収される。これらのチャンバフィルタの欠点は、このチャンバが完全にこん包されていないと、これは一般的にチャンバの充填レベルの限界による場合であるが、バイパス効果が生じ、燃焼生成物を保持することなく、活性炭を通過した燃焼生成物の少なくとも一部を流す。
【0004】
この欠点は、活性炭がフィルタ材料において均一に分散して、フィルタの全断面を通じて燃焼生成物の保持を達成するワンピースのフィルタ又はフィルタエレメントによって回避される。
【0005】
これらのワンピースのフィルタは、一方はスペースフィルタ及び他方は表層フィルタに分類されることが出来る。スペースフィルタは、クリンプされた連続フィラメントのスタッファ(詰め物)ボックスから形成されたフィルタトウから作製される。アセトン中に約30%のセルロース‐2,5‐アセテートの溶液が、紡糸口金ダイを通じて押圧され、アセトンがスピンシャフトにおいて蒸発させられ、多数のフィラメントをまとめ、そのまとめたものは次にクリンプされたスタッファボックスになる。次に、その生成物は乾燥され、押圧されて、ベール(俵)を形成する。フィルタトウは、ベールから除去され、フィルタロッド機でフィルタロッドに加工される。このプロセスにおいて、フィルタトウは、引き伸ばし装置によって引き伸ばされ、フィラメント同士を接着するための物質を与えて始紡(スラッビング)を形成し、交差軸方向に圧縮され、紙で包まれ、フィルタロッドの最終的な長さに切断される。
【0006】
そのようなスペースフィルタは、フィラメントのネットワークに引っかかった又は個別のフィラメントにくっついた細かく分割された粒状の活性炭を含有してもよい。これは、例えば、活性炭顆粒を撒き散らすことによって、又は、水相におけるスラリー、揮発性有機ビヒクル、又は可塑剤液から活性炭を与えることによって影響を受ける。このプロセスにおいて、微粒子の活性炭は、全フィルタ容積に大体均一に分散される。
【0007】
表層フィルタは、出発原料として、シート材料、例えば、紙、スパンボンド、織布、又は不織布から開始することで作製される。フィルタ製造のため、平らな出発原料は、ボビンから広げられ、ロッド形の生成物に形成されて交差軸方向に圧縮され、紙で包まれて、フィルタロッドの最終的な長さに切断される。ロッドに成型される前のシート材料は、クレープ装置によって搬送方向に平行にクリンプされ、材料の密度を下げ、フィルタの引き込み抵抗を左右する。
【0008】
活性炭は、平らな出発原料、特に紙に活性炭をドープすることによって、表層フィルタに導入される。このようにドープされた紙フィルタは、製紙運転において紙に結合した小さな活性炭粒子を含有する。このプロセスのここでの本質は、活性炭が全フィルタ容積中に分散されることである。
【0009】
スペースフィルタ及び表層フィルタの構造及び製造に関する詳細については、WO01/28369 A1号を参照する。
【0010】
本発明の最先の優先日に非公開であったDE 10 2004 048 651号は、ファイバー、フィラメント、又は独立フィルム/シートの特性を向上する添加物を内側に更に含有するファイバー、フィラメント、又は独立フィルム/シートを使用することを開示する。これら更なる添加物は、可塑剤、マーキング剤、顔料、及び/又は安定剤からなる。これら添加物は、煙の成分に対し保持効果を有さない。更に、ファイバー、フィラメント及び独立フィルム/シートの内側に提供された、全ての添加物、即ち、活性炭だけではなく更なる添加物も、全フィルタ容積中に均一に分散される。
【0011】
米国特許第US 3,311,519号は、標準的なフィルタトウから製造されるスペースフィルタを開示する。活性炭は、ストライプ状に引き伸ばされたフィルタトウ材料へ塗布されることによって、スペースフィルタに追加されている。
【0012】
上述のフィルタは、フィルタボディに導入されることが出来る活性炭の量は、フィルタ容積によって、また喫煙者が受ける引き込み抵抗によって切り詰められるという欠点を有し、引き込み抵抗は、活性炭の量が過剰なとき不均衡なほど増加する。結果として、タバコフィルタの保持効果は、主に活性炭によって抑制される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、燃焼生成物の向上されたろ過を可能にするフィルタ又はフィルタエレメント、及びそのようなフィルタ又はフィルタエレメントを備えるシガレットを提供することである。そのようなフィルタ又はフィルタエレメントを提供するためのプロセスも提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
我々は、本目的が、請求項1及び13の特徴によるフィルタ又はフィルタエレメントの様態に対して、及び、請求項14の特徴によるシガレットの様態に対して向けられていることが分かっている。このプロセスに関して、本目的は請求項15の特徴によって達成される。
【0015】
本発明は、実質的に、特に少なくとも2つの異なる添加物からなる実質的に円筒形のフィルタボディを有するタバコの煙用フィルタ又はフィルタエレメントを提供するという概念に基づく。前記添加物は、フィルタボディの長手軸方向に連続して配置された少なくとも2つのゾーン、及び/又は、フィルタボディの半径方向に少なくとも区域別に重ねられた少なくとも2つのゾーン、具体的には層状に、配置される。
【0016】
本発明は、元の状態が平らな材料、特に際限なくクリンプされた(縮れた)フィラメント、紙、フリース、繊維組織、不織布等から得られる実質的に円筒形のフィルタボディを有するタバコの煙用フィルタ又はフィルタエレメントであって、前記フィルタボディが、フィルタボディの長手軸方向に連続して配置された少なくとも2つのゾーンからなり、一つのタバコ側ゾーンは添加物を備え、一つの口側ゾーンは添加物を含まないことを特徴とする、タバコの煙用フィルタ又はフィルタエレメントも提供する。
【0017】
結果として生じる様々な添加物の空間的隔離は、ゾーンの境界領域における添加物のある程度の混合を排除することは出来ないが、異なる添加物が互いに組み合わされてフィルタの全体的なろ過効率を高めることが出来るという前提条件を創出する。これは、例えば、個々の添加物の効能を増幅するように協力し合う添加物の適切な選択を通してなされることが出来る。本発明は、様々な添加物の一部上の選択的保持を通して煙から除去されることが出来る異なる燃焼生成物のスペクトルが、拡張されることも可能にする。
【0018】
本発明は、更に、一つの添加物がその他の添加物又は複数の添加物の保護機能を果たす異なる添加物の使用の前提条件を創出する。この保護機能において、上流側の添加物は、煙が下流側の添加物に接触する前に、煙からの、下流側の添加物の効能にとって有害である成分をろ過する。このため、本発明は、様々な添加物が、空間的に、つまり、フィルタボディの長手軸方向に連続して配置された少なくとも2つのゾーン、及び/又は、フィルタボディの半径方向に少なくとも区域別に重ねられた少なくとも2つのゾーンに分離されることを定める。
【0019】
様々な添加物のゾーン的配置は、もし互いに均質的に混合された場合に望ましくない化学反応を受ける、異なる添加物が使用されることが出来るという更なる利益を提供する。添加物の上述の空間的隔離は、そのような添加物が、互いに悪影響を与え合うことなく、それらの効果を自由に発現することを可能にする。
【0020】
好適な実施形態では、前記フィルタは、平らなフィルタ材料から構成される、特にエンドレスにクリンプされたフィラメント、紙、フリース、繊維組織、不織布等から構成されるフィルタボディからなる。本発明は、表層フィルタの使用に関連して特に有用であり、表層フィルタの保持性能は、著しく高められ、表層フィルタの公知の利益、特に比較的に低い引き込み抵抗及び良好な生分解性が、特に現れるようにする。
【0021】
添加物は、平らなフィルタ材料上及び/又は平らなフィルタ材料内に存在し、フィルタ材料の種類によって、添加物のフィルタ材料の内部への浸透、及び/又は、添加物のフィルタ材料の表面への適用に供給されるようにする。
【0022】
喫煙者の目に見えるフィルタの端面が明るい色、特に白色の外観を示すことを確保するために、口側にすぐ接して配置されたゾーンには実質的に添加物がないことが定められる。
【0023】
本発明は、煙特性に影響を及ぼすことが出来る全ての添加物からなるが、保持効果を有する添加物が好ましく、少なくとも一つの添加物は、煙の成分に対する、保持効果、特に選択的保持効果を有する物質からなるようにする。添加物は、一つの成分、又は複数の成分の混合物からなってもよい。
【0024】
ろ過効率、より一般的に、煙又は煙特性に対する添加物の効率は、少なくとも一つの添加物が、少なくとも一つの更なる添加物の効能を高めるための薬剤からなる場合に強化される。
【0025】
有利に、少なくとも一つの添加物は、ソーベント、特に吸収剤又は吸収剤、煙の成分の保持を達成する効果的な方法からなる。
【0026】
ソーベントは、活性炭、ポリマー樹脂、特にフェノール樹脂又は金属酸化物、金属水酸化物、及び/又は、水和金属酸化物、特に、アルミニウム、シリコン、チタン、及び/又はマグネシウムの酸化物や水酸化物からなってもよい。
【0027】
本発明の好適な実施形態では、少なくとも一つの添加物は、特に一酸化炭素を酸化させるための触媒からなり、前記触媒は、ソーベントの下流又はソーベントの下のどちらかに配置される。この触媒の配置は、触媒を汚染する煙の成分が、触媒の上流でソーベントによって煙からろ過されることを確実にする。この効果も、添加物が重ね合わされた配置にある場合に期待される。
【0028】
触媒は、貴金属触媒からなり、特に白金、金、又は金と銀の混合合金から構成される。フィルタの全ろ過効率は、少なくとも一つの添加物が、アミンに対する、特に1級アミン又は2級アミンに対する、選択的保持効果を有する求電子試薬からなる場合、更に向上されることが出来る。選択的保持効果を有する求電子試薬は、異なる煙の成分の比較的大きなスペクトルが煙からろ過されることが出来ることを確実にすることにおいて、本発明に従って提供される少なくとも一つのその他の添加物と組み合わされる。
【0029】
求電子試薬の代わりに又は追加的に、少なくとも一つの添加物は、アルデヒド及びケトン、特にアセトアルデヒド、プロトンアルデヒド、ブチルアルデヒド、又はアセトン‐プロピオンアルデヒドに対する選択的保持効果を有する求核試薬からなってもよい。それは、特に、求核試薬の求電子試薬との組合せ、及び、特に多くの煙の成分が煙からろ過されることを確実にする様々な選択的保持効果の付帯的組合せである。求電子試薬の求核試薬との組合せは、添加物間の化学反応を防止しながら、円筒形フィルタボディの長手軸及び/又は半径方向に設置された異なる空間的に分離されたゾーンにおける2つの添加物の本発明の配置によって達成される。
【0030】
独立請求項13は、タバコの煙用フィルタ又はフィルタエレメントが、元の状態が平らな材料、特にエンドレスにクリンプされたフィラメント、紙、フリース、繊維組織、不織布等から得られる実質的に円筒形のフィルタボディを有することを定める。当該フィルタボディは、更に、フィルタボディの長手軸方向に連続して配置された少なくとも2つのゾーンからなり、一つのタバコ側ゾーンは添加物を備え、一つの口側ゾーンは添加物を含まない。
【0031】
米国特許第US 3,311,519号とは対照的に、独立請求項13に記載のフィルタは、平らな出発原料から得られる表層フィルタである。平らな出発原料の使用は、異なるフィルタ構造に関して表層フィルタをスペースフィルタと区別する。特に、表層フィルタは、平らな出発原料のプリーティングから生じ、且つスペースフィルタが有さない特徴的な通路構造を有する。
【0032】
独立請求項13に記載の本発明のフィルタ又はフィルタエレメントは、本発明の表層フィルタがモノフィルタであるので、製造コストが、習慣的に使用される二重フィルタと比較して減少されることが出来るという利点を有する。更に、フィルタの目に見える端面は、消費者によって圧倒的に要求されるような、白色を現す。未処理のゾーン、即ち、添加物がないように製造されたゾーンは、更に、添加物フリーのゾーンがフィルタの口側に配置された場合、タバコ側に提供された添加物が、実質的に、フィルタから離れず、吸い込まれないことを確実にする。
【0033】
本発明のプロセスは、実質的に平行なストライプの及び/又は重ね合わされた層のフィルタボディのための平らな出発原料に添加された添加物の本質的特徴を有する。平らなフィルタ出発原料に対する添加物のストライプ的適用及び/又は添加物の層的適用は、平らな出発原料が交差軸方向にフィルタロッドに成型され圧縮された後に、添加物のゾーン又は層的配置の前提条件を確立する。
【0034】
本発明のプロセスの好適な実施形態において、添加物の一つは、第1のストライプに適用され、添加物の更に一つは、第1のストライプの長手軸両側に配置され且つ互いに第1のストライプよりも幅が狭い第2及び第3のストライプに適用される。
【0035】
様々な添加物のこの配置は、より幅の大きい第1のストライプが両側に他方の添加物から形成された、より幅の狭い第2の及び第3のストライプを有するので、フィルタがより幅が大きい第1のストライプの領域におけるその最終的な長さに切断されることが出来、一回の切断で2つのフィルタ最終生産物を創出するので、フィルタの特に効率的な製造を提供する。第1のストライプから生じる部分ストライプを有する第2のストライプは、一つのフィルタに割り当てられる。第1のストライプから生じる他方の部分ストライプを有する第2のストライプは、更なるフィルタに割り当てられる。結果として、長手軸方向に連続的なゾーンの本発明の配置は、特にフィルタロッドを長さに切断することに関して、比較的少数の操作を通して達成されることが出来る。
【0036】
添加物は、スプレー法及び/印刷法によって、特にインクジェットプロセス、輪転印刷プロセス又はスクリーン印刷プロセスによって、適用することが出来る。印刷媒体の生産に関連してそれ自体が公知のそのようなプロセスは、空間的に分離された機能における様々な添加物の高速且つ正確な適用を可能にする。
【0037】
添加物は、液体又は散布によって適用することが出来、どちらの場合でも、溶剤及び分散媒質は、それぞれ、次に蒸発される。これは、平らな出発原料に対する添加物の特に単純なスプレー又は印刷塗布を可能にする。
【0038】
本発明は、これから、具体例を使用し且つ添付の図面に言及する更なる詳細によって、より一層明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
図1A,1B及び1Cは、シガレット製造の様々な段階に存在する出発原料、即ち、平らなフィルタ材料、中間生成物、即ち、フィルタロッド、及び最終生成物、即ち、シガレットを描いている。図1A,1B及び1Cを参照して説明される具体例は、独立請求項13に記載のフィルタ又はフィルタエレメントに関し、請求項13において、表層フィルタは、フィルタボディの長手軸方向に連続して配置された少なくとも2つのゾーン、添加物を含有するタバコ側ゾーン及び添加物のない口側ゾーンを有する。
【0040】
そのようなフィルタ又はフィルタエレメントの製造は、図1Aに示すように、出発原料として平らなフィルタ材料を利用する。この平らなフィルタ材料は、例えば、エンドレスにクリンプされたフィラメント、紙、フリース、繊維組織、不織布又は類似の平らな材料から作られることが出来る。この平らなフィルタ材料2は、図1Aに描かれるように、材料のエンドレスウェブの形で長手方向に連続している。添加物3は、平らなフィルタ材料2に互いに実質的に平行してそれぞれ配列されたストライプ3をもって印刷されている。ストライプ3同士の間には、各例で、印刷されていないストライプ6が存在し、その幅は、ストライプ3の幅に実質的に対応する。その結果は、従って、印刷された及び印刷されていない領域の交互配列であり、従って、添加物のある及び添加物のないストライプ3,6の交互配列である。
【0041】
これに関連して、図1Aに描かれた寸法、特に平らなフィルタ材料2に適用される層の厚さ/幅寸法は、概略として理解されるべきであることは留意すべきである。実際には、ストライプ3の厚みは、図1Aに描かれる厚みよりも薄い。更に図1Aに見られるように、ゾーン3の領域における添加物は、平らなフィルタ材料の最上部に、即ち、その表面上に存在する。しかしながら、添加物は、フィルタ材料2に浸透することが出来、及び/又はゾーン状又はストライプ状にフィルタ材料2を介して浸透することが出来る。図面に描かれるように、2つのゾーンは、等しい幅である必要はない。ゾーンの絶対幅も幅比率も、重大な制限を受けない。印刷されたゾーンは、平らなフィルタ材料の全幅に渡って交差軸方向に伸張する必要はない。
これは、同様にこの出願の全てのその他の具体例に適用出来る。
有用な添加物の一例は、活性炭、酸化シリコン又はポリマー樹脂からなるソーベントである。添加物として共酸化触媒を使用することも出来る。
【0042】
図1Aの印刷された平らなフィルタ材料は、従来の方法でプリーティング(ひだ付け)又はローリング(丸める)によって、図1Bに示されるフィルタロッド1aを形成するフィルタロッドマシンにおいて加工される。フィルタロッド1aの一部のみを図1Bに描く。平らなフィルタ材料2上に印刷された添加物ストライプ3は、フィルタ材料2が図1Bに描かれたフィルタロッド1aに加工された後に、交互に配列されたゾーンを形成する。図1Bに見られるように、様々なゾーン3,6は、フィルタロッド1aの長手軸方向に連続しており、添加物フリーゾーン6と添加物含有ゾーン3が交互に並ぶ。図1Bのこのようにして得られたフィルタロッド1aは、図1Bに指示される位置で切断され、フィルタ又はフィルタエレメントを製造する。結果として生じるフィルタ1は、図1Cに描かれ、添加物フリーゾーン6及び添加物含有ゾーン3を有する。フィルタ1は、図1Cに描かれるように、シガレット5と共に使用され、添加物含有ゾーン3は、シガレットのタバコ側に配置され、添加物フリーゾーン6は口側に配置される。
【0043】
使用中、添加物含有ゾーン3、即ち、例えばゾーン3に存在する活性炭は、煙の構成物質を保持させる。口側に配置された添加物フリーゾーン6は、ゾーン3に存在する添加物が、フィルタ1から離れて喫煙者によって吸い込まれることを防ぐ。加えて、添加物フリーゾーン6は、消費者が望むように、フィルタ1に白色端面を確保する。
【0044】
図2A、2B、2Cに描かれる具体例は、請求項1に記載のフィルタ又はフィルタエレメントに関する。更に、出発原料、中間生成物及び最終生成物に関する様々な処理段階を例示する。
【0045】
図2Aは、平らなフィルタ材料2は、異なる添加物、特に2つの異なる添加物を印刷されていることを示す。これらの添加物は、平らなフィルタ材料2上に配置され、実質的には空間的に分離されるようにする。描かれた寸法、特に厚み寸法は、同様に、この具体例における概略として理解されるべきである。
【0046】
図2Aに示す具体例における添加物の空間的分離は、層方向に、即ち、重ね合わせゾーン3,4において添加物を塗布する。
【0047】
図1Aの具体例のようなゾーン3,4は、特に印刷によって、フィルタ材料2の長手方向の伸展に対して横方向のストライプ状に塗布される。個々の平行なストライプは、間隙を介しており、結果として生じる空間は印刷されていない。その結果が、フィルタ材料の長手方向に交互配列された添加物を含有し且つ長手方向に対して実質的に横方向に伸展するゾーン3,4及び添加物フリーゾーン6を有する平らなフィルタ材料2である。フィルタ材料2の表面上に直接的に設置される添加物は、フィルタ材料2に浸透する、又は、フィルタ材料2を介して浸透することが出来、外層又はゾーン4がフィルタ材料2の表面に直接接触するようにする。2つのゾーン3,4の空間的分離は、フィルタ材料2に配置されたゾーン3及びフィルタ材料2の表面上に配置されたゾーン4に起因する。
【0048】
このように用意されたフィルタ材料2は、加工されて、図2Bに描かれるフィルタロッドを形成し、フィルタロッドは、適当な長さに切断されて、図2Cに描かれるように、フィルタ1を形成する。
【0049】
このように製造されたフィルタ1は、従って、フィルタボディの半径方向に重ねられた、ゾーン3,4又は層において2つの空間的に分離した添加物からなる。半径方向に内側のゾーン3は、半径方向に外側のゾーン4によって重ね合わされる。添加物含有ゾーン3、4は、図2Cに描かれるように、シガレットのタバコ側に配置され、一方で、添加物フリーゾーン6は、シガレットの口側に配置される。
【0050】
図3Aに描かれる具体例は、図3Cに示すフィルタ1の出発原料として働く平らなフィルタ材料からなる。図3Aの平らなフィルタ材料2は、複数の異なる添加物、特に2つの異なる添加物が設置されており、それら添加物は、特に印刷によって、ストライプ状に、フィルタ材料2に対して、その縦方向の伸展に対して横方向に、塗布される。結果として生じるストライプ状のゾーンは、平行配列であり、直接的に互いに隣接する。図2A、2B、2Cの具体例とは対照的に、本具体例は、添加物の空間的分離は、ゾーン3、4を互いに重ねるのではなく、並べて配置することによって設置されることを定める。
【0051】
次に、このように印刷されたフィルタ材料2は、図3Bに描かれるように、フィルタロッド1aに加工される。フィルタロッド1aは、図3Bに指示するように、個々のフィルタ1に切断される。これに関連して、平らな出発原料2上のストライプ又はゾーン3、4の幅は、フィルタ1のゾーン3、4の幅の2倍であり、これは、図3Bに描かれるように、フィルタロッド1からの適当な切断によって得られる。
【0052】
図3Cに描かれるフィルタ1は、このように、複数の添加物、特に2つの異なる添加物からなる実質的に円筒形のフィルタボディを有する。これらの添加物は、フィルタボディの縦方向に連続した2つのゾーン3、4に存在する。従って、このように配置された添加物は、実質的に空間的に分離される。
【0053】
本来平らなフィルタ材料2は、フィルタロッド1a又はフィルタ1の内側上にあり、フィルタ1又はフィルタロッド1aの長手方向の伸展において連続的配列に配置されたゾーン3、4によって周辺を包囲されていることが、図3B、3Cにおいて見られる。
【0054】
フィルタ関連の請求項1の更なる具体例が、図4A、4B及び4Cにおいて提示される。このフィルタは、2つの異なる添加物の空間的分を添加物なしのゾーンと組み合わせる。
【0055】
この目的を達成するために、図4Aに描かれたフィルタ材料2は、特に印刷によって、ストライプ状の並列配列に、異なる添加物ゾーン3、4を塗布されている。このゾーン3、4は、具体例1a、2a、3aのように、シート材料2の縦方向の伸展に対して実質的に横方向に塗布される。添加物は、添加物フリーゾーン6によって互いに分離される交互に並ぶゾーン3,4を生成するために塗布される。交互に並ぶゾーン3、4は、2つの添加物の内の一つのゾーン4の各長手方向側に、ゾーン4に平行して、他方の添加物より狭いゾーン3を有する。一方の添加物を有するゾーン4は、他方の添加物の各ゾーン3の2倍の幅である。
【0056】
交互に並ぶゾーン3、4を有するセクションは、図4Aに描かれているように、添加物なしのゾーン6と交互に並ぶ。
【0057】
次に、このように加工されたシート材料2は、更に加工されて、図4Bに描かれるように、フィルタロッドを形成する。図4Bのフィルタロッド1aを使用して、各添加物なしのゾーン6、及び各広範の添加物含有ゾーン4で切断することによってフィルタ1を製造し、添加物なしのゾーン6も、同様に、他方の添加物の添加物含有ゾーン3の2倍の幅である。これによって、特に効率的な方法によって、3つの異なる空間的に分離されたゾーンからなり且つ図4Cに示されるフィルタ1を創出する。このフィルタ1は、煙の上流方向において、一方の添加物の添加物含有ゾーン3が前方に置かれ、同様に、煙の上流方向において、異なる添加物の更なるゾーン4が前方に置かれている口側添加物なしのゾーン6からなる。
【0058】
図2C、3C、4Cに示すフィルタ及びこれらのフィルタのゾーンの配置は、互いに組み合わされることが出来る。例えば、3つの異なる添加物を配置して、2つの添加物が、出発原料上に互いに重ね合わせてストライプ形の層に配置され、第3の添加物は、2つの層からなるストライプに平行な更なるストライプに配置されるようにすることが出来る。このように用意された出発原料から製造されるフィルタは、半径方向に内側のサブゾーン及び半径方向に外側のサブゾーンからなる。2つの空間的に分離された添加物のこのゾーンは、フィルタの長手軸方向において、第3の添加物からなる更なるゾーンが前方に置かれる又は後方に置かれる。このフィルタは、添加物のない口側ゾーンと組み合わされることも出来る。
【0059】
デュアル又はマルチフィルタ設計において更なるその他のフィルタエレメントとともに使用されるフィルタエレメントとして開示されるフィルタを構成することも可能である。
【0060】
図4a、4b、及び4cにおける描写は、本発明の多くの実施形態の内の一つに過ぎないこと、及び、個々のフィルタゾーンは等しい幅である必要はないことは、明確に留意される。
【0061】
これから、2つの空間的に分離された保持材料を有する又は2つの空間的に分離された異なる添加物を一般的に有するフィルタの利益、又は作用機構に対する観察に続く。
【0062】
異なる添加物を選択し、一つの添加物は、第2の添加物の保護機能を実行するようにすることも出来る。例えば、タバコ側ゾーンは、活性炭が備えられることが出来、下流側ゾーンは共酸化触媒として構成されることが出来る。更に下流側ゾーンは、添加物なしのゾーンとして口側に構成されることが出来る。この場合、活性炭は、この上流側前置フィルタゾーンがなければ共酸化触媒を汚染する煙の構成物質を保持する。従って、触媒性能はより良好である。添加物が、半径方向に重ねられた層に配置され、フィルタ1の長手軸方向に連続して配置されない時に、同一の論理が当てはまる。
【0063】
図2c、3c及び4cにおいて描かれたフィルタ又はフィルタエレメントは、例えば求核及び求電子添加物の場合と同様に、均一混合物の場合には望ましくない化学反応を受ける2つの添加物を組み合わせることも可能にする。本発明の可能になる保持材料の空間的分離は、求核及び求電子添加物の各々の選択的保持効果を保つので、求核添加物は、例えば、選択的にアルデヒドを保持し、求電子添加物は、例えば、選択的にアミンを保持する。任意の口側添加物フリーゾーンは、魅力的な外観、即ち、白色端面を提供するだけでなく、添加物がフィルタから離れて喫煙者によって吸い込まれることを防止する。
【0064】
図1、2、3及び4において描写されたフィルタを製造するためのプロセスを、これから、実施例及び図5において概略的に描写された生産設備を参照して特に説明する。
【0065】
実施例1:
仕様2,1Y48のフィルタトウ(フィラメント線密度2.33dtex;総線密度53 333dtex)を、ハンブルクのHauni社から通例のKDF2の2段階引き伸ばしシステム7上に展開し、8%のトリアセチンを吹き付けた。偏向ロールを出た後、150mmの最小幅を有するフィルタトウウェブ2は、一対の加熱されたカレンダーロール8を通され、40kg/cmの効果的なライン圧力にカレンダー仕上げされる。プロファイルされたカレンダーロール8は、230cmの直径及び350mmの溝付き幅を有し、1cm毎に10個のプロファイル溝を有し、一方で、他方のカレンダーロールはプロファイルされない。カレンダーロールは、シリコン油で150度まで加熱される。溝付きプロファイルは、0.4mmの上幅及び0.5mmの深さを有する台形である。
【0066】
カレンダーロール8を出た後、このように製造されたフリース2は、スプレーシステム9を通るように導かれ、スプレーシステム9では、活性炭懸濁液が、ロータによって、微細液滴として、閉鎖可能なスリットダイヤフラムを介して、材料の連続ウェブ上に塗布される。材料のウェブがスプレーシステムを通過するように連続的に移動する時に、ダイヤフラムは急速に開閉するので、懸濁液が付着されるゾーン3、4及び添加物フリーゾーン6は、材料のウェブ上に創出され、長手方向に交互に並ぶ。スリットダイヤフラムの閉鎖頻度及び材料のウェブの速度の選択によって、添加物含有ゾーン3、4及び添加物フリーゾーン6の幅を選択することが可能になる。ここで、材料のウェブは10m/分でスプレーシステムを通過し、スロットダイヤフラムは、約4秒-1(1秒に4回)の頻度で開閉し、ダイヤフラムの開放期間及びダイヤフラムの閉鎖期間は、同一の長さである。従って、活性炭を混合したストライプの幅及び添加物フリーストライプ6の幅は、いずれの場合にも21mmである。
【0067】
スプレーシステム9を出た後、材料のウェブは150℃で循環空気乾燥機10を通るように導かれる。乾燥機10は、4mの乾燥セクションを有し、このようにして、懸濁液の蒸発乾燥及びフリース2上の活性炭の固定を確実にする。
【0068】
乾燥機10を出た後、活性炭を混合されたフリース2は、ハンブルクのKorberから市販のKDF2フィルタロッドマシン11に移送され、入口ダイでローププリーツされ、紙で包まれ、126mmのフィルタロッド長さに切断される。フィルタロッドの切断は、いずれの場合にも、活性炭ゾーン3又は添加物のないゾーン6の中心でなされることを確実にするように注意する。活性炭ゾーン3における活性炭の塗布量は、5mg/mmである。
【0069】
フィルタロッドは、21mmの長さのフィルタプラグに切断され、そのフィルタプラグは、その長さの半分に渡って活性炭を含有し、残りの半分には添加物を含有しない。フィルタプラグ1は、活性炭ゾーン3が、市販の通例のフルフレーバーシガレット5のタバコロッドに装着される。
【0070】
実施例2:
実施例1を繰り返して、活性炭を有する代わりに、共酸化触媒の懸濁液を混合したゾーン状のフィルタロッド1を製造する。共酸化触媒ゾーンにおけるフィルタロッドの荷重は、5mg/mmである。フィルタロッドは、21mmの長さのフィルタプラグに切断され、フィルタプラグが、その長さの半分に渡って共酸化触媒を含有し、残りの半分には添加物を含有しないようにする。これらのフィルタプラグは、その酸化触媒側が、市販の通例のフルフレーバーシガレット5のタバコロッドに装着される。実施例1及び2は、従って、図1A、1B及び1Cの概略描写に対応する。
【0071】
実施例3:
実施例1を繰り返して、連続して接続された2つのスプレーシステム9を介してフリースのエンドレスウェブを導く。第1のスプレーシステム9は、実施例1に従って作動し、活性炭懸濁液を、交互に21mm幅のストライプ及び同様に21mm幅のコーティングされていないゾーンに、フリース2の幅に渡って塗布する。下流側の第2のスプレーシステム9は、共酸化触媒の水性懸濁液を、材料のウェブの前もってコーティングされていないゾーンに塗布する。
【0072】
材料のエンドレスウェブを乾燥した後、126mmの長さのフィルタロッドは、そこから、実施例1に従って切断され、その切断は、いずれの場合にも、活性炭又は触媒ゾーンの中心でなされるようにする。
【0073】
フィルタロッドは21mmの長さのフィルタプラグに切断され、そのフィルタプラグは、その長さの2分の1に活性炭を、残りの半分に共酸化触媒を含有する。フィルタプラグ1は、活性炭側を、市販の通例のフルフレーバーシガレット5の実施例1のタバコロッドに装着される。
【0074】
実施例4:
実施例1を繰り返して、連続して接続された2つのスプレーシステム9を介してフリースのエンドレスウェブ2を導く。第1のスプレーシステム9は、実施例2に従って作動し、共酸化触媒の懸濁液を、交互に、21mm幅のストライプ及び同様に21mm幅のコーティングされていないゾーンに、フリース2の幅に渡って塗布する。下流側の第2のスプレーシステム9は、活性炭の水性懸濁液を、材料のウェブの前もって共酸化触媒がコーティングされたゾーンに塗布する。
【0075】
材料のエンドレスウェブを乾燥した後、126mmの長さのフィルタロッドは、そこから、実施例1に従って切断され、その切断は、いずれの場合にも、添加物含有ゾーン3、4の中央を通過して又は添加物フリーゾーン6の中心でなされるようにする。
【0076】
フィルタロッドは21mmの長さのフィルタプラグ1に切断され、そのフィルタプラグ1は、その長さの2分の1に共酸化触媒及び活性炭を、残りの半分に添加物フリーゾーンを含有する。フィルタプラグ1は、活性炭側3、4を、市販の通例のフルフレーバーシガレット5の実施例1のタバコロッドに装着される。この実施例は、概略図2A、2B及び2Cに対応する。
【0077】
実施例5:
実施例3を繰り返して、長さが21mmのシガレットフィルタを製造し、そのシガレットフィルタは、その長さの半分に渡って活性炭を、残りの半分にメントールを含有する。シガレットフィルタは、活性炭側3を、市販の通例のフルフレーバーシガレット5の実施例1のタバコロッドに装着される。実施例3及び5は、図3A、3B及び3Cにおける簡略描写に対応する。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1A】一つの添加物が交互に印刷された表層フィルタロッドの製造のための出発原料としての平らなフィルタ材料を示す。
【図1B】図1Aの平らなフィルタ材料から製造されたフィルタを示す。
【図1C】図1Bのフィルタロッドから製造されたフィルタを組み込んでいるシガレットを示す。
【図2A】2つの異なる添加物が交互に印刷されたフィルタロッドの製造のための出発材料としての平らなフィルタ材料を示す。
【図2B】図2Aの印刷された平らなフィルタ材料から製造されたフィルタロッドを示し、フィルタロッドが長さに対して切断される位置を指示する。
【図2C】図2Bのフィルタから製造されたフィルタが組み込まれたシガレットを示す。
【図3A】並列配置にあるストライプに存在する2つの異なる添加物が交互に印刷されたフィルタロッドのための出発原料としての平らなフィルタ材料を示す。
【図3B】図3Aの印刷された平らなフィルタ材料から製造されたフィルタロッドを示す。
【図3C】図3Bのフィルタロッドから製造されたフィルタを組み込んでいるシガレットを示す。
【図4A】幅が異なるストライプに存在する2つの異なる添加物が交互に印刷されたフィルタロッドのための出発原料としての平らなフィルタ材料を示す。
【図4B】図4Aの印刷された平らなフィルタ材料から製造されたフィルタロッドを示す。
【図4C】図4Bのフィルタロッドから製造されたフィルタを組み込んでいるシガレットを示す。
【図5】フィルタロッドを製造するための設備の概略構成を示す。
【符号の説明】
【0079】
1 フィルタ
1a フィルタロッド
2 平らなフィルタ材料
3 添加物A
4 添加物B
5 シガレット
6 添加物なしのゾーン
7 引き伸ばしシステム
8 カレンダーロール
9 スプレーシステム
10 循環空気乾燥機
11 フィルタロッドマシン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に少なくとも2つの異なる添加物を含む実質的に円筒形のフィルタボディを有するフィルタ又はフィルタエレメントであって、前記添加物は、前記フィルタボディの長手軸方向に連続して配置された少なくとも2つのゾーンにおいて、及び/又は、前記フィルタボディの半径方向に少なくともその区域を重ね合わされた少なくとも2つのゾーン、特に層群、において存在するフィルタ又はフィルタエレメント。
【請求項2】
前記フィルタは、平らなフィルタ材料から構成され、特にエンドレスにクリンプされたフィラメント、紙、フリース、繊維織物、不織布等から構成される、フィルタボディよりなることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ。
【請求項3】
前記添加物は、前記平らなフィルタ材料上及び/又は内に存在することを特徴とする請求項2に記載のフィルタ。
【請求項4】
特に、口側にすぐ接して配置されたゾーンには、実質的に添加物がないことを特徴とする請求項1乃至4の少なくとも一項に記載のフィルタ。
【請求項5】
少なくとも一つの添加物は、煙の成分に対する保持効果、特に選択的保持効果を有する薬剤からなることを特徴とする請求項1乃至4の少なくとも一項に記載のフィルタ。
【請求項6】
少なくとも一つの添加物は、少なくとも一つの更なる添加物の効能を高めるための薬剤からなることを特徴とする請求項1乃至5の少なくとも一項に記載のフィルタ。
【請求項7】
少なくとも一つの添加物は、ソーベント、特に吸着剤又は吸収剤からなることを特徴とする請求項1乃至6の少なくとも一項に記載のフィルタ。
【請求項8】
少なくとも一つの添加物は、特に一酸化炭素を酸化するための触媒からなり、前記触媒は、前記ソーベントの上流又は前記ソーベント上のいずれかに配置されることを特徴とする請求項7に記載のフィルタ。
【請求項9】
前記ソーベントは、活性炭、ポリマー樹脂、特にフェノール樹脂、又は、特に、アルミニウム、シリコン、チタン及び/又はマグネシウムに基づく、金属酸化物及び金属水酸化物及び/又は水和金属酸化物よりなることを特徴とする請求項9又は請求項8に記載のフィルタ。
【請求項10】
前記触媒は、特に白金、金又は金と銀との混合合金から構成される、貴金属触媒からなることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載のフィルタ。
【請求項11】
少なくとも一つの添加物は、アミン、特に、1級又は2級アミン及び/又はタバコ固有のニトロソアミンに対する選択的保持効果を有する求電子試薬からなることを特徴とする請求項1乃至10の少なくとも一項に記載のフィルタ。
【請求項12】
少なくとも一つの添加物は、アルデヒド及びケトン、特にアセトアルデヒド、プロトンアルデヒド、ブチルアルデヒド又はアセトン‐プロピオンアルデヒドに対する選択的保持効果を有する求核試薬からなることを特徴とする請求項1乃至11の少なくとも一項に記載のフィルタ。
【請求項13】
初期状態が平らな材料、特にエンドレスにクリンプされたフィラメント、紙、フリース、繊維織物、不織布等から製造可能な実質的に円筒形のフィルタボディを有するタバコの煙用フィルタ又はフィルタエレメントであって、前記フィルタボディは、前記フィルタボディの長手軸方向に連続して配置された少なくとも2つのゾーン、即ち、添加物を含有する一つのタバコ側ゾーン及び添加物のない一つの口側ゾーンからなることを特徴とするタバコの煙用フィルタ又はフィルタエレメント。
【請求項14】
請求項1乃至13の少なくとも一項に記載のフィルタ又はフィルタエレメントを組み込んでいるシガレット。
【請求項15】
フィルタボディに少なくとも2つの異なる添加物を供給する過程からなるタバコの煙用フィルタ又はフィルタエレメントを製造するためのプロセスであって、前記添加物は、前記フィルタボディ用の平らな出発原料に、実質的に平行なストライプ状に及び/又は重ね合わせ層に塗布されるプロセス。
【請求項16】
前記添加物の内の一つは、第1のストライプに添加され、前記添加物の更に一つは、前記第1のストライプの長手方向の両側に配置され且つそれぞれが前記第1のストライプよりも幅の狭い第2の及び第3のストライプに添加されることを特徴とする請求項15に記載のプロセス。
【請求項17】
前記添加物は、吹き付け及び/又は印刷によって、特に、インクジェットプロセス、輪転印刷プロセス又はスクリーン印刷プロセスによって、添加されることを特徴とする請求項15又は請求項16に記載のプロセス。
【請求項18】
前記添加物は、溶解して又は分散して添加され、前記溶液媒体及び前記分散媒体は、それぞれ、次に蒸発されることを特徴とする請求項15乃至17の少なくとも一項に記載のプロセス。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図1C】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図3C】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2009−506761(P2009−506761A)
【公表日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−528377(P2008−528377)
【出願日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際出願番号】PCT/EP2006/007922
【国際公開番号】WO2007/028476
【国際公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(500017874)ローディア アセトウ ゲーエムベーハー (9)
【Fターム(参考)】