説明

タバコパッケージ用付属容器

【課題】組立がワンタッチで行える上に、タバコパッケージの上部にしっかりと固定することができ、付属物品の選択の幅が広く、しかも安価に供給できるタバコパッケージ用付属容器を提供すること。
【解決手段】収納部12の膨出部分12bに付属物品を入れてから、収納部12をキャップ部11に対して折り曲げて膨出部分12bをキャップ部11の上に位置させた状態とした後、膨出部分12bの開口を覆うようにして蓋パネル部13を折り返しつつ、その先端にある差込み部分13aを重なった2つのスリットSa,Sbに差し込むことにより、収納部12をキャップ部11に対してしっかりと固定した状態で、付属物品を収納部に収納する。そして、その収納状態でキャップ部11をタバコパッケージの上部に押し込むことにより、簡単にタバコパッケージの上部に取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコパッケージに景品等の付属物品を添付するために使用されるタバコパッケージ用付属容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、タバコの販売促進を図るため、ライター等の付属物品を景品として添付することが行われている。この場合、タバコパッケージの中に付属物品を入れるのは難しいので、タバコパッケージと一体化しうる付属容器を準備し、その中に付属物品を入れた形態で販売することが望ましい。そこで、このような付属容器として、PET等の透明プラスチックシートにより形成し、タバコパッケージに取り付けられる取付部と、付属物品を収納しうる収納部と、収納した付属物品を固定しうる固定部とを設けたタイプの容器が知られている。
【特許文献1】実用新案登録第3111514号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の技術で挙げた付属容器は、中に付属物品を入れた状態でボックスタイプのタバコパッケージの上部に取り付けられ、また透明であるために中の付属物品が見えるので、店頭等にて効率的に展示できるとともに販売しやすいという利点がある。ところが、透明プラスチックシートを打ち抜いた一枚のブランクを組み立てることにより形成されているため、形状が複雑であって組立がそれほど簡単ではない。特に、人手で組み立てることを考えると、手間が掛かってコストが高くなってしまう。
【0004】
また、取付部はキャップ形状に形成されているため、タバコパッケージの上部への取付が容易ではあるものの、箱状に組み立てた取付部を単に差し込んでいるだけであるので簡単に外れる恐れもある。
【0005】
また、タバコパッケージの上部に取り付けるタイプでは、タバコパッケージの横幅より大きなサイズの景品、例えば通常サイズよりも小さな小型のライターしか付けることができず、付属物品の選択の幅が狭いという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、組立がワンタッチで行える上に、タバコパッケージの上部にしっかりと固定することができ、付属物品の選択の幅が広く、しかも安価に供給できるタバコパッケージ用付属容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明であるタバコパッケージ用付属容器は、熱可塑性プラスチックシートの真空成形品であって、タバコパッケージの上部に嵌まり合う形状で各コーナーに丸みが付けられたキャップ部と、キャップ部の開口縁における長い方の一辺に折曲げ線を介して連設する収納部と、収納部の先端に折曲げ線を介して連設する蓋パネル部とを備え、収納部はキャップ部の高さと同じ幅をした連結部分とそれに隣接してキャップ部と同じ側に膨らんだ形状の膨出部分とを有し、蓋パネル部は先端に差込み部分を有しており、キャップ部における収納部側の上端縁に所定長さのスリットが形成されるとともに、収納部の連結部分と膨出部分との境界にも所定長さのスリットが形成されており、収納部をキャップ部に対して折り曲げて膨出部分をキャップ部の上に位置させた状態では、2つのスリットが重なり合うとともに、膨出部分の開口を覆うように折り返した蓋パネル部の先端にある差込み部分がその重なり合った2つのスリットに差込み可能になっていることを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載の発明であるタバコパッケージ用付属容器は、請求項1に記載のタバコパッケージ用付属容器において、キャップ部が周壁に段部を有していることを特徴としている。
【0009】
請求項3に記載の発明であるタバコパッケージ用付属容器は、請求項1又は2に記載のタバコパッケージ用付属容器において、収納部における膨出部分の形状をキャップ部よりも横に長い形状したことを特徴としている。
【0010】
請求項4に記載の発明であるタバコパッケージ用付属容器は、請求項1〜3のいずれかに記載のタバコパッケージ用付属容器において、蓋パネル部に補強リブを設けたことを特徴としている。
【0011】
請求項5に記載の発明であるタバコパッケージ用付属容器は、請求項1〜4のいずれかに記載のタバコパッケージ用付属容器において、キャップ部と収納部との境界に位置する折曲げ線がミシン目で形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明であるタバコパッケージ用付属容器は、収納部の膨出部分に付属物品を入れてから、収納部をキャップ部に対して折り曲げて膨出部分をキャップ部の上に位置させた状態とした後、膨出部分の開口を覆うようにして蓋パネル部を折り返しつつ、蓋パネル部の先端にある差込み部分を重なった2つのスリット、すなわち収納部の連結部分と膨出部分との境界にあるスリットとキャップ部における収納部側の上端縁にあるスリットに差し込むことにより、収納部をキャップ部に対してしっかりと固定した状態で、付属物品を収納部に収納することができる。そして、その収納状態でキャップ部をタバコパッケージの上部に押し込むことにより、簡単にタバコパッケージの上部に取り付けることができる。また、キャップ部の各コーナーに丸みがあるので、タバコパッケージの上部に差し込んで押し込むとコーナーのところで緊張状態となり、しっかりと固定することができる。また、収納部における膨出部分の形状を変えるだけで、種々の物品を収納することができるので、付属物品の選択の幅が広いという利点もある。また、真空成形品であって、組立の手間もかからないことから、安価に供給することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明であるタバコパッケージ用付属容器は、ボックスタイプのタバコパッケージに対しては段部のところまで押し込んで固定でき、紙で包装されたソフトタイプのタバコパッケージに対しては奥まで押し込んで固定できるので、上記効果に加え、2種類の異なるタイプのタバコパッケージのいずれにも取り付けることができるという効果を奏する。
【0014】
請求項3に記載の発明であるタバコパッケージ用付属容器は、タバコパッケージの横幅より長い収納空間が得られるので、上記効果に加え、タバコパッケージの横幅よりも大きなサイズの付属物品も添付することができるという効果を奏する。
【0015】
請求項4に記載の発明であるタバコパッケージ用付属容器は、背板の機能を果たす蓋パネル部に補強リブがあることによって収納部がキャップ部に対して撓みにくくなるので、上記効果に加え、より安定した状態でタバコパッケージに取り付けることができるという効果を奏する。
【0016】
請求項5に記載の発明であるタバコパッケージ用付属容器は、収納部をキャップ部に対して折り曲げる作業が簡単に行え、収納部の連結部分がキャップ部の側面に沿いやすくなるので、上記効果に加え、手作業による組立工程の負荷を軽減することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
図1は本発明に係るタバコパッケージ用付属容器の一例を示す斜視図、図2は図1のタバコパッケージの正面図、図3は同じく背面図、図4は同じく平面図、図5は同じく側面図であり、図6は図1のタバコパッケージ用付属容器を組み立てた状態で示す前方からの斜視図、図7は同じく後方からの斜視図、図8は図1のタバコパッケージ用付属容器を使用状態で示す斜視図である。
【0019】
このタバコパッケージ用付属容器10は、素材がPETからなるプラスチックシートを真空成形して作製された全体が透明なものであり、図1〜図5に示すように、タバコパッケージの上部に嵌まり合う形状で各コーナーに丸み(R)が付けられたキャップ部11と、キャップ部11の開口縁における長い方の一辺に折曲げ線αを介して連設する収納部12と、収納部12の先端に折曲げ線βを介して連設する蓋パネル部13とを備え、収納部12はキャップ部11の高さと同じ幅をした連結部分12aとそれに隣接してキャップ部11と同じ側に膨らんだ形状の膨出部分12bとを有し、蓋パネル部13は幅が狭くなった差込み部分13aを先端に有している。そして、図から分かるように、収納部12の膨出部分12aは、キャップ部11よりも横に長い扁平形状をしており、図8に示すようにタバコパッケージTの横幅よりも長い通常サイズのライターLを横向きで収納できるようになっている。
【0020】
また、キャップ部11における収納部12側の上端縁に所定長さのスリットSaが形成されるとともに、収納部12の連結部分12aと膨出部分12bとの境界にも所定長さのスリットSbが形成されており、図6及び図7に示す如く収納部12をキャップ部11に対して折り曲げて膨出部分12bをキャップ部11の上に位置させた状態では、2つのスリットSa,Sbが重なり合うとともに、膨出部分12bの開口を覆うように折り返した蓋パネル部13の先端にある差込み部分13aがその重なり合った2つのスリットSa,Sbに差込み可能になっている。これらのスリットSa,Sbにはその両端に傾斜部分を設けてあり、蓋パネル部13の差込み部分13aを差し込みやすくしてある。また、蓋パネル部13の差込み部分13aの根元には両側からV字状の切込を形成してあり、スリットSa,Sbから簡単に抜けないようにしてある。なお、折曲げ線α,βは、折曲げやすさを考慮してミシン目で形成されている。
【0021】
付属容器10におけるキャップ部11の各コーナーには前記したように丸みが付けられている。すなわち、取り付ける対象となるタバコパッケージTの角よりも大きめの丸みが付いており、この丸みは真空成形を行う金型のコーナーに所定半径の丸みを付けておくことで簡単に賦形することができる。また、キャップ部11の開口における収納部12と蓋パネル部13とが連設していない部位には、その縁に僅かに外側に延びたバリ11aの部分が残っており、キャップ部11をタバコパッケージTの上部に差し込む時に、このバリ11aの部分が案内の役目を果たすので好都合である。
【0022】
また、この付属容器10におけるキャップ部11の周壁には奥の方が狭くなるように段部11bが設けられており、2種類の異なるタイプのタバコパッケージに対応できるようになっている。すなわち、ボックスタイプのタバコパッケージが段部11bのところに係止するように、また紙で包装されたソフトタイプのタバコパッケージがキャップ部11の奥まで入るように設計されている。
【0023】
このタバコパッケージ用付属容器10は、付属物品として通常サイズのライターを横向きに入れるようになっている。ライターを収納するには、収納部12の膨出部分12bにライターを入れた状態でキャップ部11を折曲げ線αのところで折り曲げ、キャップ部11のスリットSaと収納部12のスリットSbを重ね合わせてから、膨出部分12bを塞ぐようにして蓋パネル部13を折り返しつつ、その先端の差込み部分13aを重なり合った2つのスリットSa,Sbに差し込むようにする。これによりライターを横向きで落下しない状態で収納することができる。この収納状態では、蓋パネル部13がキャップ部11と収納部12を繋ぐ背板の役目を果たし、収納部12をキャップ部11の上方位置に保持する。ライターを取り出す時は、蓋パネル部13の差込み部分13aを重なり合った2つのスリットSa,Sbから引っ張りだして外せばよい。
【0024】
付属物品であるライターLを収納した状態の付属容器10を図8に示すようにタバコパッケージTに取り付ける。図8に示すボックスタイプのタバコパッケージTの場合には、キャップ部11をタバコパッケージTの上部に差し込み、段部11aのところまで押し込んで取り付ける。また、紙で包装されたソフトタイプのタバコパッケージの場合は、キャップ部11の奥まで押し込んで取り付ける。このように、付属容器10をタバコパッケージTの上部に取り付けると、キャップ部11の各コーナーに丸み(R)があるので緊張状態となり、しっかりと固定されることになる。そして、ライターLはタバコパッケージTの上に横向きに載った状態になっているので、店頭にて並べる時に前後方向には邪魔にならないし、お客さんにとってはライターLが良く見えることになる。
【0025】
図9は本発明に係るタバコパッケージ用付属容器の別の例を示す斜視図、図10は図9のタバコパッケージの正面図、図11は同じく背面図、図12は同じく平面図、図13は同じく側面図であり、図14は図9のタバコパッケージ用付属容器を組み立てた状態で示す前方からの斜視図、図15は同じく後方からの斜視図、図16は図9のタバコパッケージ用付属容器を使用状態で示す斜視図である。なお、この例のタバコパッケージ用付属容器は、基本的には図1〜8で説明したタバコパッケージ用付属容器と同じ構成をしているので、同様な部位には同じ符号を付して説明する。
【0026】
このタバコパッケージ用付属容器10は、素材がPETからなるプラスチックシートを真空成形して作製された全体が透明なものであり、図9〜図13に示すように、タバコパッケージの上部に嵌まり合う形状で各コーナーに丸み(R)が付けられたキャップ部11と、キャップ部11の開口縁における長い方の一辺に折曲げ線αを介して連設する収納部12と、収納部12の先端に折曲げ線βを介して連設する蓋パネル部13とを備え、収納部12はキャップ部11の高さと同じ幅をした連結部分12aとそれに隣接してキャップ部11と同じ側に膨らんだ形状の膨出部分12bとを有し、蓋パネル部13は幅が狭くなった差込み部分13aを先端に有している。そして、図から分かるように、収納部12の膨出部分12aは、キャップ部11の横幅よりも横に長く、高さはキャップ部11の縦幅と略同じだけの高さがあり、しかもキャップ部11から遠い方の側面が傾斜した形状をしており、図16に示すようにタバコパッケージTの横幅よりも長い通常サイズのライターLを斜めに寝かせた状態で収納できるようになっている。
【0027】
また、キャップ部11における収納部12側の上端縁に所定長さのスリットSaが形成されるとともに、収納部12の連結部分12aと膨出部分12bとの境界にも所定長さのスリットSbが形成されており、図14及び図15に示す如く収納部12をキャップ部11に対して折り曲げて膨出部分12bをキャップ部11の上に位置させた状態では、2つのスリットSa,Sbが重なり合うとともに、膨出部分12bの開口を覆うように折り返した蓋パネル部13の先端にある差込み部分13aがその重なり合った2つのスリットSa,Sbに差込み可能になっている。これらのスリットSa,Sbにはその両端に傾斜部分を設けてあり、蓋パネル部13の差込み部分13aを差し込みやすくしてある。また、蓋パネル部13の差込み部分13aの根元には両側からV字状の切込を形成してあり、スリットSa,Sbから簡単に抜けないようにしてある。なお、折曲げ線α,βは、折曲げやすさを考慮してミシン目で形成されている。
【0028】
そして、キャップ部11の各コーナーには丸みが付けられており、この丸みは取り付ける対象となるタバコパッケージTの角よりも大きめの丸みであること、さらにこの丸みは真空成形を行う金型のコーナーに所定半径の丸みを付けておくことで簡単に賦形することができることも前記したのと同様である。また、キャップ部11の開口における収納部12と蓋パネル部13とが連設していない部位には、その縁に僅かに外側に延びたバリ11aの部分が残っており、キャップ部11をタバコパッケージTの上部に差し込む時に、このバリ11aの部分が案内の役目を果たすのも前記したのと同様である。
【0029】
また、この付属容器10におけるキャップ部11の周壁には奥の方が狭くなるように段部11bが設けられており、2種類の異なるタイプのタバコパッケージに対応できるようになっている点も前記の付属容器の場合と同様である。すなわち、ボックスタイプのタバコパッケージが段部11bのところに係止するように、また紙で包装されたソフトタイプのタバコパッケージがキャップ部11の奥まで入るように設計されている。
【0030】
このタバコパッケージ用付属容器10は、付属物品として通常サイズのライターを斜め向きに入れるようになっている。ライターを収納するには、収納部12の膨出部分12bにライターを入れた状態でキャップ部11を折曲げ線αのところで折り曲げ、キャップ部11のスリットSaと収納部12のスリットSbを重ね合わせてから、膨出部分12bを塞ぐようにして蓋パネル部13を折り返しつつ、その先端の差込み部分13aを重なり合った2つのスリットSa,Sbに差し込むようにする。これによりライターを斜め向きで落下しない状態で収納することができる。この収納状態では、蓋パネル部13がキャップ部11と収納部12を繋ぐ背板の役目を果たし、収納部12をキャップ部11の上方位置に保持する。ライターを取り出す時は、蓋パネル部13の差込み部分13aを重なり合った2つのスリットSa,Sbから引っ張りだして外せばよい。
【0031】
付属物品であるライターLを収納した状態の付属容器10を図16に示すようにタバコパッケージTに取り付ける。図16に示すボックスタイプのタバコパッケージTの場合には、キャップ部11をタバコパッケージTの上部に差し込み、段部11aのところまで押し込んで取り付ける。また、紙で包装されたソフトタイプのタバコパッケージの場合は、キャップ部11の奥まで押し込んで取り付ける。このように、付属容器10をタバコパッケージTの上部に取り付けると、キャップ部11の各コーナーに丸み(R)があるので緊張状態となり、しっかりと固定されることになる。そして、ライターLはタバコパッケージTの縦幅を越えない状態で斜めに寝ているので、店頭にて並べる時に前後方向には邪魔にならないし、お客さんにとってはライターLの側面が目の方向を向くことになるので、タバコパッケージTが前後に重なっていても、付属物品のライターLを目立たせることができる。
【0032】
図17は本発明に係るタバコパッケージ用付属容器のさらに別の例を示す斜視図、図18は図17のタバコパッケージの正面図、図19は同じく背面図、図20は同じく平面図、図21は同じく側面図であり、図22は図17のタバコパッケージ用付属容器を組み立てた状態で示す前方からの斜視図、図23は同じく後方からの斜視図、図24は図17のタバコパッケージ用付属容器を使用状態で示す斜視図である。なお、この例のタバコパッケージ用付属容器は、基本的には図1〜8で説明したタバコパッケージ用付属容器と同じ構成をしているので、同様な部位には同じ符号を付して説明する。
【0033】
このタバコパッケージ用付属容器10は、素材がPETからなるプラスチックシートを真空成形して作製された全体が透明なものであり、図17〜図21に示すように、タバコパッケージの上部に嵌まり合う形状で各コーナーに丸み(R)が付けられたキャップ部11と、キャップ部11の開口縁における長い方の一辺に折曲げ線αを介して連設する収納部12と、収納部12の先端に折曲げ線βを介して連設する蓋パネル部13とを備え、収納部12はキャップ部11の高さと同じ幅をした連結部分12aとそれに隣接してキャップ部11と同じ側に膨らんだ形状の膨出部分12bとを有し、蓋パネル部13は幅が狭くなった差込み部分13aを先端に有しており、さらに蓋パネル部13にはその両サイドに補強リブ13bが設けられている。そして、図から分かるように、収納部12の膨出部分12aは、キャップ部11よりも少しだけ横に長く、高さはキャップ部11の縦幅と略同じだけの高さがあり、しかもキャップ部から遠い方の側面が傾斜した形状をしており、図24に示すようにタバコパッケージTの横幅よりも少し長めの小型サイズのライターLを斜めに寝かせた状態で収納できるようになっている。
【0034】
また、キャップ部11における収納部12側の上端縁に所定長さのスリットSaが形成されるとともに、収納部12の連結部分12aと膨出部分12bとの境界にも所定長さのスリットSbが形成されており、図22及び図23に示す如く収納部12をキャップ部11に対して折り曲げて膨出部分12bをキャップ部11の上に位置させた状態では、2つのスリットSa,Sbが重なり合うとともに、膨出部分12bの開口を覆うように折り返した蓋パネル部13の先端にある差込み部分13aがその重なり合った2つのスリットSa,Sbに差込み可能になっている。これらのスリットSa,Sbにはその両端に傾斜部分を設けてあり、蓋パネル部13の差込み部分13aを差し込みやすくしてある。また、蓋パネル部13の差込み部分13aの根元には両側からV字状の切込を形成してあり、スリットSa,Sbから簡単に抜けないようにしてある。そして、この付属容器10では、蓋パネル部13の差込み部分13aをスリットSa,Sbに差し込んだ時に、補強リブ13bの一部分が収納部12の連結部分12aの裏側に位置するように、蓋パネル部13はその両サイドが差込み部分13aの方に向けて突設されている。なお、折曲げ線α,βは、折曲げやすさを考慮してミシン目で形成されている。
【0035】
そして、キャップ部11の各コーナーには丸みが付けられており、この丸みは取り付ける対象となるタバコパッケージTの角よりも大きめの丸みであること、さらにこの丸みは真空成形を行う金型のコーナーに所定半径の丸みを付けておくことで簡単に賦形することができることも前記したのと同様である。また、キャップ部11の開口における収納部12と蓋パネル部13とが連設していない部位には、その縁に僅かに外側に延びたバリ11aの部分が残っており、キャップ部11をタバコパッケージTの上部に差し込む時に、このバリ11aの部分が案内の役目を果たすのも前記したのと同様である。
【0036】
また、この付属容器10におけるキャップ部11の周壁には奥の方が狭くなるように段部11bが設けられており、2種類の異なるタイプのタバコパッケージに対応できるようになっている点も前記の付属容器の場合と同様である。すなわち、ボックスタイプのタバコパッケージが段部11bのところに係止するように、また紙で包装されたソフトタイプのタバコパッケージがキャップ部11の奥まで入るように設計されている。
【0037】
このタバコパッケージ用付属容器10は、付属物品として小型サイズのライターを斜め向きに入れるようになっている。ライターを収納するには、収納部12の膨出部分12bにライターを入れた状態でキャップ部11を折曲げ線αのところで折り曲げ、キャップ部11のスリットSaと収納部12のスリットSbを重ね合わせてから、膨出部分12bを塞ぐようにして蓋パネル部13を折り返しつつ、その先端の差込み部分13aを重なり合った2つのスリットSa,Sbに差し込むようにする。これによりライターを斜め向きで落下しない状態で収納することができる。この収納状態では、蓋パネル部13がキャップ部11と収納部12を繋ぐ背板の役目を果たし、収納部12をキャップ部11の上方位置に保持する。この時、蓋パネル部13には補強リブ13bがあり、しかもその補強リブ13bの一部分が収納部12の連結部分12aを介してキャップ部11の裏側に位置するので、収納部12はキャップ部11に対してぐらつきが防止された状態となる。ライターを取り出す時は、蓋パネル部13の差込み部分13aを重なり合った2つのスリットSa,Sbから引っ張りだして外せばよいことは前記したのと同じである。
【0038】
付属物品であるライターLを収納した状態の付属容器10は、図24に示すようにタバコパッケージTに取り付ける。図24に示すボックスタイプのタバコパッケージTの場合には、キャップ部11をタバコパッケージTの上部に差し込み、段部11aのところまで押し込んで取り付ける。また、紙で包装されたソフトタイプのタバコパッケージの場合は、キャップ部11の奥まで押し込んで取り付ける。このように、付属容器10をタバコパッケージTの上部に取り付けると、キャップ部11の各コーナーに丸み(R)があるので緊張状態となり、しっかりと固定されることになる。そして、ライターLはタバコパッケージTの縦幅を越えない状態で斜めに寝ているので、店頭にて並べる時に前後方向には邪魔にならないし、お客さんにとってはライターLの側面が目の方向を向くことになるので、タバコパッケージTが前後に重なっていても、付属物品のライターLを目立たせることができる。
【0039】
図25は本発明に係るタバコパッケージ用付属容器のさらに別の例を示す斜視図、図26は図25のタバコパッケージの正面図、図27は同じく背面図、図28は同じく平面図、図29は同じく側面図であり、図30は図25のタバコパッケージ用付属容器を組み立てた状態で示す前方からの斜視図、図31は同じく後方からの斜視図、図32は図25のタバコパッケージ用付属容器を使用状態で示す斜視図である。なお、この例のタバコパッケージ用付属容器は、基本的には図1〜8で説明したタバコパッケージ用付属容器と同じ構成をしているので、同様な部位には同じ符号を付して説明する。
【0040】
このタバコパッケージ用付属容器10は、素材がPETからなるプラスチックシートを真空成形して作製された全体が透明なものであり、図25〜図29に示すように、タバコパッケージの上部に嵌まり合う形状で各コーナーに丸み(R)が付けられたキャップ部11と、キャップ部11の開口縁における長い方の一辺に折曲げ線αを介して連設する縦に長い収納部12と、収納部12の先端に折曲げ線βを介して連設するこれもまた縦に長い蓋パネル部13とを備えており、収納部12はキャップ部11の高さと同じ幅をした連結部分12aとそれに隣接して一部がキャップ部11と同じ側に膨らんだ形状の膨出部分12bとを有し、蓋パネル部13は幅が狭くなった差込み部分13aを先端に有しており、さらに蓋パネル部13には両サイドに1本ずつと中程に2本の計4本の補強リブ13bが設けられ、中程の2本の補強リブ13bは差し込み部分13aにも渡るように全体を縦断して設けられている。そして、図から分かるように、収納部12の膨出部分12aは、全体がキャップ部11と略同じ横幅ではあるが縦方向には長く、その中程が収納部分となるようにキャップ部11と略同じ高さに突き出た形状をしており、図24に示すように普通サイズのライターLを斜め方向で収納できるようになっている。
【0041】
また、キャップ部11における収納部12側の上端縁に所定長さのスリットSaが形成されるとともに、収納部12の連結部分12aと膨出部分12bとの境界にも所定長さのスリットSbが形成されており、図22及び図23に示す如く収納部12をキャップ部11に対して折り曲げて膨出部分12bをキャップ部11の上に位置させた状態では、2つのスリットSa,Sbが重なり合うとともに、膨出部分12bの開口を覆うように折り返した蓋パネル部13の先端にある差込み部分13aがその重なり合った2つのスリットSa,Sbに差込み可能になっている。これらのスリットSa,Sbにはその両端に傾斜部分を設けてあり、蓋パネル部13の差込み部分13aを差し込みやすくしてある。また、蓋パネル部13の差込み部分13aの根元には両側からV字状の切込を形成してあり、スリットSa,Sbから簡単に抜けないようにしてある。そして、この付属容器10では、蓋パネル部13における中程の2本の補強リブ13bが差込み部分13にも通っているので、差込み部分13aをスリットSa,Sbに差し込んだ時に、収納部12がキャップ部11に対してしっかりと固定されることになる。なお、折曲げ線α,βは、折曲げやすさを考慮してミシン目で形成されている。
【0042】
そして、キャップ部11の各コーナーには丸みが付けられており、この丸みは取り付ける対象となるタバコパッケージTの角よりも大きめの丸みであること、さらにこの丸みは真空成形を行う金型のコーナーに所定半径の丸みを付けておくことで簡単に賦形することができることも前記したのと同様である。また、キャップ部11の開口における収納部12と蓋パネル部13とが連設していない部位には、その縁に僅かに外側に延びたバリ11aの部分が残っており、キャップ部11をタバコパッケージTの上部に差し込む時に、このバリ11aの部分が案内の役目を果たすのも前記したのと同様である。
【0043】
また、この付属容器10におけるキャップ部11の周壁には奥の方が狭くなるように段部11bが設けられており、2種類の異なるタイプのタバコパッケージに対応できるようになっている点も前記の付属容器の場合と同様である。すなわち、ボックスタイプのタバコパッケージが段部11bのところに係止するように、また紙で包装されたソフトタイプのタバコパッケージがキャップ部11の奥まで入るように設計されている。
【0044】
このタバコパッケージ用付属容器10は、付属物品として普通サイズのライターを斜め方向に入れるようになっている。ライターを収納するには、収納部12における膨出部分12bのくぼみにライターを入れた状態でキャップ部11を折曲げ線αのところで折り曲げ、キャップ部11のスリットSaと収納部12のスリットSbを重ね合わせてから、膨出部分12bを塞ぐようにして蓋パネル部13を折り返しつつ、その先端の差込み部分13aを重なり合った2つのスリットSa,Sbに差し込むようにする。これによりライターを斜め方向で落下しない状態で収納することができる。この収納状態では、蓋パネル部13がキャップ部11と収納部12を繋ぐ背板の役目を果たし、収納部12をキャップ部11の上方位置に保持する。この時、蓋パネル部13には4本の補強リブ13bがあり、しかもその中程の2本の補強リブ13bは差込み部分にも通っているので、収納部12は縦に長いサイズでありながらもキャップ部11に対してしっかりと固定され、ぐらつきが防止された状態となる。ライターを取り出す時は、蓋パネル部13の差込み部分13aを重なり合った2つのスリットSa,Sbから引っ張りだして外せばよいことは前記したのと同じである。
【0045】
付属物品であるライターLを収納した状態の付属容器10は、図24に示すようにタバコパッケージTに取り付ける。図24に示すボックスタイプのタバコパッケージTの場合には、キャップ部11をタバコパッケージTの上部に差し込み、段部11aのところまで押し込んで取り付ける。また、紙で包装されたソフトタイプのタバコパッケージの場合は、キャップ部11の奥まで押し込んで取り付ける。このように、付属容器10をタバコパッケージTの上部に取り付けると、キャップ部11の各コーナーに丸み(R)があるので緊張状態となり、しっかりと固定されることになる。そして、ライターLはタバコパッケージTの横幅を越えない状態でタバコパッケージTの上方にて斜め方向になっているので、店頭にて並べる時に前後方向にも左右方向にも邪魔にならないし、お客さんにとってはライターLが高い位置に見えるので、タバコパッケージTが沢山並んでいても、付属物品のライターLを目立たせることができる。
【0046】
以上、4つの具体例を挙げて本発明の実施の形態について詳細に説明してきたが、本発明によるタバコパッケージ用付属容器は、上記した実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは当然のことである。
【0047】
例えば、上記の例では、素材がPETからなるプラスチックシートの場合を例に挙げたが、塩化ビニル、ポリエチレン等、他の素材のプラスチックシートを使用することもできる。ただ、リサイクル等の環境問題の観点からPETを用いることが好ましい。
【0048】
また、付属物品としては、ライターの他に、キーホルダーやアクセサリーなどの小物を始めとして種々のものが挙げられ、アイデアに応じて適宜決められるものであって特に限定はない。そして、その付属物品の形状に対応して収納部における膨出部分の形状も適宜決めればよい。
【0049】
また、上記の例では、キャップ部11と収納部12の間の折曲げ線αと、収納部12と蓋パネル部13の間の折曲げ線βをそれぞれミシン目としたが、単なる押し罫でも構わない。ただ、ミシン目の方が折り曲げやすくなるため、組立時の手作業が楽になる。
【0050】
また、上記の例では、キャップ部に段部を設けて2つの異なるタイプのタバコパッケージに使用できるようにしたが、このような段部を設けずに、いずれか一方のタバコパッケージのみに使用できるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係るタバコパッケージ用付属容器の一例を示す斜視図である。
【図2】図1のタバコパッケージの正面図である。
【図3】図1のタバコパッケージの背面図である。
【図4】図1のタバコパッケージの平面図である。
【図5】図1のタバコパッケージの側面図である。
【図6】図1のタバコパッケージ用付属容器を組み立てた状態で示す前方からの斜視図である。
【図7】図1のタバコパッケージ用付属容器を組み立てた状態で示す後方からの斜視図である。
【図8】図1のタバコパッケージ用付属容器を使用状態で示す斜視図である。
【図9】本発明に係るタバコパッケージ用付属容器の別の例を示す斜視図である。
【図10】図9のタバコパッケージの正面図である。
【図11】図9のタバコパッケージの背面図である。
【図12】図9のタバコパッケージの平面図である。
【図13】図9のタバコパッケージの側面図である。
【図14】図9のタバコパッケージ用付属容器を組み立てた状態で示す前方からの斜視図である。
【図15】図9のタバコパッケージ用付属容器を組み立てた状態で示す後方からの斜視図である。
【図16】図9のタバコパッケージ用付属容器を使用状態で示す斜視図である。
【図17】本発明に係るタバコパッケージ用付属容器のさらに別の例を示す斜視図である。
【図18】図17のタバコパッケージの正面図である。
【図19】図17のタバコパッケージの背面図である。
【図20】図17のタバコパッケージの平面図である。
【図21】図17のタバコパッケージの側面図である。
【図22】図17のタバコパッケージ用付属容器を組み立てた状態で示す前方からの斜視図である。
【図23】図17のタバコパッケージ用付属容器を組み立てた状態で示す後方からの斜視図である。
【図24】図17のタバコパッケージ用付属容器を使用状態で示す斜視図である。
【図25】本発明に係るタバコパッケージ用付属容器のさらに別の例を示す斜視図である。
【図26】図25のタバコパッケージの正面図である。
【図27】図25のタバコパッケージの背面図である。
【図28】図25のタバコパッケージの平面図である。
【図29】図25のタバコパッケージの側面図である。
【図30】図25のタバコパッケージ用付属容器を組み立てた状態で示す前方からの斜視図である。
【図31】図25のタバコパッケージ用付属容器を組み立てた状態で示す後方からの斜視図である。
【図32】図25のタバコパッケージ用付属容器を使用状態で示す斜視図である。
【符号の説明】
【0052】
T タバコパッケージ
L ライター
10 タバコパッケージ用付属容器
11 キャップ部
11a バリ
11b 段部
12 収納部
12a 連結部分
12b 膨出部分
13 蓋パネル部
13a 差込み部分
13b 補強リブ
α,β 折曲げ線
Sa,Sb スリット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性プラスチックシートの真空成形品であって、タバコパッケージの上部に嵌まり合う形状で各コーナーに丸みが付けられたキャップ部と、キャップ部の開口縁における長い方の一辺に折曲げ線を介して連設する収納部と、収納部の先端に折曲げ線を介して連設する蓋パネル部とを備え、収納部はキャップ部の高さと同じ幅をした連結部分とそれに隣接してキャップ部と同じ側に膨らんだ形状の膨出部分とを有し、蓋パネル部は先端に差込み部分を有しており、キャップ部における収納部側の上端縁に所定長さのスリットが形成されるとともに、収納部の連結部分と膨出部分との境界にも所定長さのスリットが形成されており、収納部をキャップ部に対して折り曲げて膨出部分をキャップ部の上に位置させた状態では、2つのスリットが重なり合うとともに、膨出部分の開口を覆うように折り返した蓋パネル部の先端にある差込み部分がその重なり合った2つのスリットに差込み可能になっていることを特徴とするタバコパッケージ用付属容器。
【請求項2】
キャップ部が周壁に段部を有していることを特徴とする請求項1に記載のタバコパッケージ用付属容器。
【請求項3】
収納部における膨出部分の形状をキャップ部よりも横に長い形状したことを特徴とする請求項1又は2に記載のタバコパッケージ用付属容器。
【請求項4】
蓋パネル部に補強リブを設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のタバコパッケージ用付属容器。
【請求項5】
キャップ部と収納部との境界に位置する折曲げ線がミシン目で形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のタバコパッケージ用付属容器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate


【公開番号】特開2007−320575(P2007−320575A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−150004(P2006−150004)
【出願日】平成18年5月30日(2006.5.30)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【出願人】(506086247)株式会社東台容器 (2)
【Fターム(参考)】