説明

タンクにおける部品固定用開口部の切欠き形成装置

【課題】フランジに対して切欠き部を簡易に位置決めして形成することができ、切欠き部の形成作業を効率的に行う。切欠き部の形成に伴う切断片や切断屑をタンク外で回収することができ、タンク内が切断片や切断屑で汚れるのを防止する。
【解決手段】部品固定用開口部のフランジ部に形成される切欠き部に対応する本体に刃物受け部材を設ける。本体に、傾斜カム孔及び該傾斜カム孔に連続する垂直カム孔からなるカム孔が形成されたカム板を固定する。本体のカム板側にてフランジ部の開口内に挿嵌される位置出し可動体を移動可能に設け、移動手段により待機位置と切断位置の間で移動させる。位置出し可動体に、後端部に上記カム孔に摺動するカム軸を設けると共に先端部に切断部材を設けた移動体と、移動可能に支持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンクにおける部品固定用開口部のフランジ部に形成される位置決め用の切欠き部を形成する切欠き形成装置、特に車輛用合成樹脂製燃料タンクに形成された部品固定用開口部に各種部品を取付ける際に、開口部に対して部品を位置決めする位置決め用切欠き部を形成する切欠き形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タンク、特に車輛用燃料タンクにあっては、車輛の軽量化を図るため、異なる樹脂材を積層した合成樹脂製のタンクが使用されている。この種のタンクにあっては、例えば特許文献1に示すように外周に雄ねじが形成された筒状の部品固定用開口部を形成し、該部品固定用開口部の筒状部に対して雌ねじが内周に形成され、他坦側にロック部材が取り付けられたソケット部材を螺合して上記筒状部の上端面とソケット部材のロック部材の間でゲージやセンサ、燃料ポンプ等の各種部品を挟持して固定する構造が知られている。
【0003】
合成樹脂製のタンクに取付けられる部品によっては、部品固定用開口部に対して位置決めした状態で固定しなければならない場合があるが、上記した特許文献1に示すタンクにあっては、部品を筒状部とソケット部材の間で挟持して固定する構造であるため、部品固定用開口部に対して部品を位置決め状態で固定できなかった。
【0004】
部品固定用開口部に対して部品を位置決め状態で固定するには、例えば部品固定用開口部における筒状部の上端内面に放射方向が所定幅のフランジ部を一体形成し、該フランジ部に周方向が異なる幅からなる少なくとも2個の位置決め用の切欠き部を形成し、該各切欠き部に対して部品に設けられた対応する幅の突部をそれぞれ係合させることにより位置決めすることができる。
【0005】
上記フランジ部に切欠き部を形成するには、例えばフランジ部に対し、上方からパンチ刃を圧接して切断することにより切欠き部を形成しているが、この切欠き部形成方法にあっては、フランジ部に形成される切欠き部を位置決めするのに手間がかかると共に切欠き部の切断片や切断屑がタンク内に落下して汚れるため、切欠き形成後にタンク内の切断片や切断屑を除去しなければならず、切欠き部形成作業全体としての作業性が悪かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−114046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする問題点は、フランジに形成される切欠き部を位置決めするのに手間がかかり、作業性が悪い点にある。また、切欠き部の形成に伴ってタンク内に切断片や切断屑が落下して汚れるため、これらの切断片等を除去するのに手間がかかり、作業性が悪い点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、タンクに形成された部品固定用開口部の筒状部の上部内周に一体形成されたフランジ部に位置決め用の切欠き部を形成する切欠き形成装置にあって、フランジ部に形成される切欠き部に対応する本体に設けられる刃物受けと、筒状部の軸線と一致する方向へ延出して本体に固定され、上記軸線と直交する水平方向の下部中心部から外側上方に向かって傾斜しながら延出する傾斜カム孔及び該傾斜カム孔に連続して上記軸線と一致して上方へ延出する垂直カム孔からなるカム孔が形成されたカム板と、本体のカム板側にて上記軸線方向へ移動可能に設けられ、フランジ部の開口内に挿嵌されてタンク内に位置される位置出し可動体と、該位置出し可動体をタンク内の待機位置と本体側の切断位置の間で移動させる移動手段と、上記位置出し可動体の下部にて上記軸線と直交する方向へ移動可能に支持され、後端部に上記カム孔に摺動可能に支持されるカム軸が設けられると共に先端部に上記刃物受けと協働してフランジ部に切欠き部を形成する切断部材を設けた移動体とを備えたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、フランジに対して切欠き部を簡易に位置決めして形成することができ、切欠き部の形成作業を効率的に行うことができる。また、切欠き部の形成に伴う切断片や切断屑をタンク外で回収することができ、タンク内が切断片や切断屑で汚れるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】切欠き形成装置により切欠き部が形成されるタンクの部品固定用開口部を示す部分斜視図である。
【図2】本発明に係る切欠き形成装置の概略を示す全体斜視図である。
【図3】切欠き形成装置の中央縦断面図である。
【図4】切欠き形成装置の中央縦断面図である。
【図5】切欠き部形成機構の分解斜視図である。
【図6】移動体が放射方向外側へ移動した状態を示す説明図である。
【図7】切欠き部形成時の状態を示す説明図である。
【図8】カム部材の変更例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、本体に対して移動するように支持された位置出し可動体に、先端部に切断部材が設けられた移動体を放射方向へ移動するように支持し、該移動体の後端部に設けられたカム軸を本体に固定されたカム板のカム孔に摺動するように支持させる。そして位置出し可動体が移動されるとカム孔を摺接するカム軸により移動体を放射方向外側へ移動して切断部材を刃物受け部材に相対させ、両者間に位置するフランジ部の一部を切断して切欠き部を形成することを最良の実施形態とする。
【実施例1】
【0012】
以下、実施例を示す図に従って本発明を説明する。
先ず、本発明に係る位置決め用切欠き形成装置1により切欠き部3a・3bが形成されるタンクとしての車輛用燃料タンク5を説明すると、図1に示すように車輛用燃料タンク5は、異なる複数枚の合成樹脂シートを積層した合成樹脂製で、その上面には、該車輛用燃料タンク5に取付けられる、例えばゲージや各種センサ、燃料ポンプ等の各種部品に応じた個数の部品固定用開口部7が一体形成される。
【0013】
上記部品固定用開口部7は、車輛用燃料タンク5の上面から所定の高さで起立し、外周面に雄ねじ7aが形成され、所定の内径からなる筒状部7bの上端開口内周面に中心方向へ所定の幅で突出するフランジ部7cが一体形成される。また、該フランジ部7cの対向個所には、周方向幅が異なり、筒状部7bの内周面に至る放射方向幅からなる2個の切欠き部3a・3bが形成される。
【0014】
図2乃至図4に示すように、位置決め用切欠き形成装置1の本体9には、図示する上下方向に軸線を有した移動手段の一部を構成する送りねじ11が回転可能に支持され、該送りねじ11の一方軸端部(図示する上部)には、サーボモータ等の移動手段の一部を構成する電動モータ13が歯車15を介して駆動連結される。また、上記送りねじ11の他方(図示する下部)には、移動手段の一部を構成するナット部材17が噛合わされ、該ナット部材17には、移動手段の一部を構成する連結部材としての連結体19が本体9に設けられた貫通孔9aを挿通して図示する下方へ突出するように固定される。
【0015】
該連結体19の端部には、中心部に割溝19aが形成され、二股状の腕部19bを有している。そして各腕部19bの下部には、固定部19cが放射方向へ突出するようにそれぞれ設けられる。
【0016】
また、本体9の下部には、左右一対の軸受部9bがそれぞれ設けられ、各軸受部9bには、図示する上下方向に軸線を有し、軸上端部が本体9の上部に固定されたガイド軸21が、軸下端部が下方へ突出するように支持される。
【0017】
本体9の図示する下部には、上記貫通孔9aに一致する中空部23aを有した固定板23が、中空部23aと貫通孔9aを一致させた状態で固定される。該固定板23の中央部には、カム部材としてのカム板25が上記中空部23aを水平方向へ横切るように固定される。該カム板25には、水平方向の中心から離間した位置にて所定の長さで垂下する垂直カム部としての垂直カム孔25a及び該垂直カム孔25aに連続し、下部が水平方向の中心に向かって傾斜しながら垂下する傾斜カム部としての傾斜カム孔25bが左右対称に形成される。
【0018】
なお、上記垂直カム孔25aの中心部と及び傾斜カム孔25bの下部中心部における水平方向の間隔は、後述する移動体33の放射方向に対する移動距離に一致している。また、本体9の下部及び固定板23には、後述するダイス27a・27bの孔と一致する孔がそれぞれ形成され、後述する切断片41を排出可能に形成される。
【0019】
上記固定板23の水平方向両端部下面には、刃物受け部材としてのダイス27a・27bが固定され、各ダイス27a・27bは、それぞれの切欠き部3a・3bの平面に一致して貫通する孔に形成される。また、上記ダイス27a・27bの内側には、図示する上下方向に軸線を有した位置決め孔29a・29bが形成される。
【0020】
上記連結体19の各腕部19bは、割溝19a内に位置するカム板25の正面側及び背面側にて垂下し、各固定部19cには、位置出し可動体31が固定される。該位置出し可動体31は、上記フランジ部7cの内径に応じた外径で、中央部が軸線方向へ切り欠かれた左右一対の半円柱状部31aの下端部を連結板31bで連結した形状からなる。上記各半円柱状部31a下部の相対する内面には、左右一対の被固定部31bが間隙を設けて形成され、これら被固定部31bには、上記各固定部19cが固定される。
【0021】
上記各半円柱状部31aには、上下方向に軸線を有した軸支孔31cがそれぞれ設けられ、各軸支孔31cには、上記各軸受部9bから下方へ突出したガイド軸21の軸下端部が摺接可能に支持される。また、上記各被固定部31bには、連結体19の移動方向と直交する水平方向に軸線を有したガイド孔31dがそれぞれ形成される。
【0022】
上記被固定部31b相互間の間隙内には、後部に上記カム板25が挿入される割溝33aを有した左右一対の移動体33が、位置出し可動体31の放射方向へ移動可能に支持される。各移動体33には、上記ガイド孔31dに摺動可能に支持され、その移動方向に軸線を有したガイド軸33bが取り付けられる。
【0023】
また、各移動体33の前部には、上記ダイス27a・27bにそれぞれ嵌合可能な平面コ字型からなる切断部材としてのパンチ刃35a・35bが取り付けられる。更に、上記各移動体33には、図示する上下方向に軸線を有した位置決め軸37が、各パンチ刃35a・35bより内側で、各移動体33が放射方向外側へ移動した際に、上記各位置決め孔29a・29bに相対する個所に設けられる。
【0024】
上記各移動体33の後部には、上記割溝33a内に挿入されたカム板25の垂直カム孔25a及び傾斜カム孔25bを摺接するカムフォロアとしてのカム軸39がそれぞれ設けられる。これらカム軸39は、位置出し可動体31の上下動に伴ってカム板25の垂直カム孔25a及び傾斜カム孔25b内を摺接して対応する移動体33を放射方向内側又は外側へ移動し、各パンチ刃35a・35bを各位置出し可動体31の外周に想定される仮想線の内側に位置する待機位置と上記仮想線より外側でダイス27a・27bに相対する切断位置にそれぞれ位置させる。
【0025】
次に、上記のように構成された位置決め用切欠き形成装置1による切欠き部7dの形成作用を説明する。
先ず、電動モータ13を、例えば正転駆動して送りねじ11を、該送りねじ11に噛合わされたナット部材17が下方へ移動するように回転し、連結体19を下方へ移動して位置出し可動体31を下方位置へ移動させる。このとき、各移動体33は、カム板25における傾斜カム孔25bの下部に位置するカム軸39により互いに近づく方向へ移動して待機位置に位置されている。(図4参照)
【0026】
次に、上記状態にて部品固定用開口部7に対して位置決め用切欠き形成装置1を、位置出し可動体31がフランジ部7cの開口内へ進入して車輛用燃料タンク5内に位置するように移動し、各ダイス27a・27bの下面にフランジ部7cの上面を当接させる。
【0027】
次に、上記状態にて電動モータ13が逆転駆動されると、送りねじ11は、ナット部材17が上方へ移動するように回転して連結体19を上方へ移動し、カム板25に対して位置出し可動体31を上方へ移動させる。
【0028】
このとき、位置出し可動体31の上動に伴って各移動体33は、先ずカム板25の傾斜カム孔25bに摺接するカム軸39により互いに離間する方向へ移動して位置決め軸37を位置決め孔9cに、またパンチ刃35a・35bをダイス27a・27bに相対するフランジ部7cの下面に位置させた後、該傾斜カム孔25bに連続する垂直カム孔35aに摺接するカム軸39により上記相対状態にて上方へ移動させる。(図6参照)
【0029】
これにより位置決め孔29a・29b内に挿嵌される位置決め軸37により位置決めされた状態で上面がダイス27a・27bに支持されたフランジ部7cに対してパンチ刃35a・35bを該フランジ部7cの下面側から作用させて切断することにより切欠き部3a・3bを形成する。切断された切欠き部3a・3bの切断片41は、ダイス27a・27bの孔内に保持される。(図7参照)
【0030】
次に、上記状態で位置決め用切欠き形成装置1を上方へ移動して位置出し可動体31を部品固定用開口部7におけるフランジ部7cの開口から抜き出させる。このとき、各移動体33は、放射方向外側へそれぞれ移動してパンチ刃35a・35bが設けられた先端部が位置出し可動体31に想定される外周仮想線から外側へ突出しているが、上記切断によりフランジ部7cに形成された切欠き部3a・3bを介してフランジ部7cの開口からこれら先端部を抜け出させる。
【0031】
そして部品固定用開口部7から離脱した位置決め用切欠き形成装置1を切断片排出位置へ移動した後、電動モータ13を正転駆動して送りねじ11をナット部材17が下方へ移動するように回転して連結体19を下方へ移動させる。これにより位置出し可動体31が下方へ移動されると、ダイス27a・27bの孔内における切断片41の保持状態を解除して切断片排出位置に排出させる。
【0032】
また、位置出し可動体31が更に下方へ移動されると、各移動体33は、傾斜カム孔25bを摺接してカム板25の中心側へ移動するカム軸39によりお互いに近づく方向へ移動して先端部に設けられたパンチ刃35a・35bを位置出し可動体31に想定される外周仮想線の内側へ移動させる。
【0033】
なお、切断片排出位置にて切断片41の保持を解除して排出する際には、位置決め用切欠き形成装置1を横向きにしたり、傾くように移動制御することにより切断片の排出を確実に行わせることができる。
【0034】
本実施例は、フランジ部7cの開口内に位置出し可動体31を挿嵌した車輛用燃料タンク5の内部に位置させることにより該フランジ部7cに形成される切欠き部3a・3bの形成位置を簡易に位置決めすることができる。
【0035】
また、フランジ部7cの開口内に位置出し可動体31が挿嵌して車輛用燃料タンク5内に位置させた状態で該位置出し可動体31を上方へ移動させることによりフランジ部7cの下面側からパンチ刃35a・35bを作用させて切欠き部3a・3bを形成することができ、切欠き部3a・3bの形成作業を簡易化及び効率化することができる。
【0036】
更に、フランジ部7cに対してパンチ刃35a・35bを下面側から作用させて切欠き部3a・3bを形成するため、切欠き部3a・3bの切断片41が車輛用燃料タンク5内に落下するのを防止し、該車輛用燃料タンク5内が切断片で汚れるのを防止することができる。
【0037】
上記説明は、フランジ部7cの対向位置に周方向が異なる幅の2個の切欠き部3a・3bを形成する構成としたが、例えばフランジ部7cに適宜の角度を設けて3個の切欠き部を形成する構成としてもよい。この場合にあっては、それぞれに垂直カム孔及び傾斜カム孔が形成された3個のカム片を、中心部において各切欠き部に対応する所定の角度をおいて一体化してカム板を形成する。
【0038】
また、位置出し可動体の下部に中心部から放射方向へ延出する3本の間隙を上記所定の角度をおいて形成すると共に各間隙に、後部に設けられたカム軸を対応する各カム片のカム孔に摺接するように支持されると共に各先端部にパンチ刃が設けられた3個の移動体を放射方向へ移動するように支持する。
【0039】
更に、連結体の下部に、三又状の割溝により3本の腕部を形成し、それぞれの割溝内に上記カム板のカム片を挿入して各腕部を位置出し可動体に固定させる。
【0040】
上記構成により上方に対する連結体の移動により位置出し可動体を上方へ移動させることにより各移動体を放射方向外側へ移動してそれぞれのパンチ刃を相対するダイス(図示せず)に移動させた後にフランジ部の3箇所を同時に切断して3個の切欠き部を形成する。
【0041】
上記説明は、移動手段として電動モータ13に連結された送りねじ11、該送りねじ11に噛合うナット部材17に連結された連結体19により構成したが、該移動手段としては、エアー作動、または油圧作動のシリンダであってもよい。
【0042】
上記説明は、刃物受け部材としてパンチ刃35a・35bと協働してフランジ部7cを切断して切欠き部3a・3bを形成するダイス27a・27bとしたが、切断部材の刃先を受ける弾性合成樹脂板であってもよい。
【0043】
上記説明は、カム部材を垂直カム孔25a及び傾斜カム孔25bが形成されたカム板25としたが、図8に示すように図示する上部から下部に向かって傾斜カム面101a及び垂直カム面101bが形成されたカム体101としてもよい。この場合は、位置出し可動体31に放射方向へ移動するように支持され、その後端面のカムフォロア部がカム体101の傾斜カム面101a及び垂直カム面101bに摺接可能な各移動体33に引張りばね103を設け、各移動体33を引張りばね103の弾性力により常には放射方向内側へ付勢させる。
【0044】
そして位置出し可動体31が上方へ移動された際には、カム体101の傾斜カム面101a及び垂直カム面101bに対する摺接に伴って各移動体33を引張りばね103の弾性力に抗して放射方向外側へ移動させる構成とすればよい。
【符号の説明】
【0045】
1 位置決め用切欠き形成装置
3a・3b 切欠き部
5 タンクとしての車輛用燃料タンク
7 部品固定用開口部
7a 雄ねじ
7b 筒状部
7c フランジ部
9 本体
9a 貫通孔
9b 軸受部
11 移動手段の一部を構成する送りねじ
13 移動手段の一部を構成する電動モータ
15 歯車
17 移動手段の一部を構成するナット部材
19 移動手段の一部を構成する連結部材としての連結体
19a 割溝
19b 腕部
19c 固定部
21 ガイド軸
23 固定板
23a 中空部
25 カム部材としてのカム板
25a 垂直カム部としての垂直カム孔
25b 傾斜カム部としての傾斜カム孔
27a・27b 刃物受け部材としてのダイス
29a・29b 位置決め孔
31 位置出し可動体
31a 半円柱状部
31b 被固定部
31c 軸支孔
31d ガイド孔
33 移動体
33a 割溝
33b ガイド軸
35a・35b 切断部材としてのパンチ刃
37 位置決め軸
39 カムフォロアとしてのカム軸
41 切断片
101 カム体
101a 傾斜カム面
101b 垂直カム面
103 引張りばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンクに形成された部品固定用開口部の筒状部の上部内周に一体形成されたフランジ部に位置決め用の切欠き部を形成する切欠き形成装置にあって、
フランジ部に形成される切欠き部に対応する本体に設けられる刃物受け部材と、
筒状部の軸線と一致する方向へ延出して本体に固定され、上記軸線と直交する水平方向の下部中心部から外側上方に向かって傾斜しながら延出する傾斜カム部及び該傾斜カム部に連続して上記軸線と一致して上方へ延出する垂直カム部が形成されたカム部材と、
本体のカム板側にて上記軸線方向へ移動可能に設けられ、フランジ部の開口内に挿嵌されてタンク内に位置される位置出し可動体と、
該位置出し可動体をタンク内の待機位置と本体側の切断位置の間で移動させる移動手段と、
上記位置出し可動体の下部にて上記軸線と直交する方向へ移動可能に支持され、後端部に上記カム部に摺接するカムフォロアが設けられると共に先端部に上記刃物受け部材と協働してフランジ部に切欠き部を形成する切断部材を設けた移動体と、
を備えたタンクにおける部品固定用開口部の切欠き形成装置。
【請求項2】
請求項1において、上記移動手段は、電動モータに連結された送りねじと、該送りねじに噛合わされるナット部材と、該ナット部材に固定されると共に上記位置出し可動体に連結される連結部材とからなるタンクにおける部品固定用開口部の切欠き形成装置。
【請求項3】
請求項2において、上記位置出し可動体には、上記軸線と一致する方向に軸線を有し、一端部が本体に固定されたガイド軸の端部側を摺動可能に軸支してなるタンクにおける部品固定用開口部の切欠き形成装置。
【請求項4】
請求項2において、上記連結体は、上記位置出し可動体への固定側が上記カム板が挿入される割溝を有した少なくとも二股状に形成され、該カム板に対して非干渉状態で移動可能にしたタンクにおける部品固定用開口部の切欠き形成装置。
【請求項5】
請求項1において、刃物受け部材は、ダイスとすると共に切断部材は、パンチとしたタンクにおける部品固定用開口部の切欠き形成装置。
【請求項6】
請求項1において、上記カム部材には、上記カム部が左右対称に形成され、上記位置出し可動体には、左右一対の上記移動体が互いに近づく方向及び遠ざかる方向へ移動するように支持されると共に後端部に対応するカム部に摺接するカムフォロアが設けられた2個の移動体が放射方向へ移動可能に支持され、位置出し可動体の移動に伴って各移動体を互いに遠ざかる方向へ移動してフランジ部に2個の切欠き部を同時に形成可能としたタンクにおける部品固定用開口部の切欠き形成装置。
【請求項7】
請求項6において、上記した2個の移動体は、上記軸線と直交する方向へ直線状に配置し、フランジ部の対向個所に2個の切欠き部を同時に形成可能にしたタンクにおける部品固定用開口部の切欠き形成装置。
【請求項8】
請求項6において、上記した2個の移動体は、上記軸線と直交する方向へ適宜の角度を設けて配置し、フランジ部の上記角度個所に2個の切欠き部を同時に形成可能にしたタンクにおける部品固定用開口部の切欠き形成装置。
【請求項9】
請求項1において、上記カム部材は、上記カム部がそれぞれ形成された少なくとも3枚のカム片を所要の角度を設けて同心状に配置すると共に上記位置出し可動体には、上記所要の角度を設けて配置された少なくとも3個の上記移動体が互いに近づく方向及び遠ざかる方向へ移動するように支持されると共に後端部に設けられたカムフォロアが対応するカム部に摺接するように支持され、フランジ部に少なくとも3個の切欠き部を上記所要の角度を設けて同時に形成可能としたタンクにおける部品固定用開口部の切欠き形成装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかにおいて、カム部材は、上記軸線と直交する水平方向の下部中心部から外側上方に向かって傾斜しながら延出する傾斜カム孔及び該傾斜カム孔に連続して上記軸線と一致して上方へ延出する垂直カム孔が形成されると共にカムフォロアは、移動体の後端部に設けられ、上記傾斜カム孔及び垂直カム孔内を摺接するカム軸としたタンクにおける部品固定用開口部の切欠き形成装置。
【請求項11】
請求項1乃至9のいずれかにおいて、カム部材は、上記軸線と直交する水平方向の下部中心部から外側上方に向かって傾斜しながら延出する傾斜カム面及び該傾斜カム面に連続して上記軸線と一致して上方へ延出する垂直カム面が形成されると共にカムフォロアは、上記傾斜カム面及び垂直カム面に摺接する移動体の後端部としたタンクにおける部品固定用開口部の切欠き形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−71364(P2012−71364A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−216291(P2010−216291)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(506329292)スターテクノ株式会社 (45)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】