説明

タンパク質組成物並びに再構成肉製品及び食品におけるその使用

本発明は、タンパク質組成物を含んでなる組成物を含有するタンパク質に関し、ここでタンパク質組成物の少なくとも約75重量%は、少なくとも約4センチメートル長のタンパク質繊維、少なくとも約3センチメートル長のタンパク質ストランド、及び少なくとも約2センチメートル長のタンパク質塊を含んでなる少なくとも約15重量%の大型断片を含有し、且つタンパク質組成物の少なくとも約75重量%は少なくとも約1400グラムの剪断強度を有する。本発明はまた、タンパク質組成物の調製方法にも関する。本発明はさらに、植物性タンパク質組成物と、粉砕肉、又は粉砕野菜、又は粉砕果実と、水とを含んでなる、それぞれ再構成肉製品、又は野菜製品、又は果実製品に関し、ここでタンパク質組成物の少なくとも約75重量%は、少なくとも約4センチメートル長のタンパク質繊維、少なくとも約3センチメートル長のタンパク質ストランド、及び少なくとも約2センチメートル長のタンパク質塊を含んでなる少なくとも約15重量%の大型断片を含有し、且つタンパク質組成物の少なくとも約75重量%は少なくとも約1400グラムの剪断強度を有する。別の実施形態において本発明は、再構成肉製品、又は野菜製品、又は果実製品のそれぞれの調製方法を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水和され、且つ細断されたタンパク質組成物、並びに野菜製品、果実製品、及び再構成肉製品における水和され、且つ細断されたタンパク質組成物の使用に関する。本発明はまた、水和され、且つ細断されたタンパク質組成物の調製方法にも関する。さらに本発明は、水和され、且つ細断されたタンパク質組成物を含有する再構成肉製品、及び無傷の筋肉と同様のテクスチャーを有する肉製品が得られるような、水和され、且つ細断されたタンパク質組成物と粉砕肉と水との組み合わせによるその製造方法に関する。また本発明は、水和され、且つ細断されたタンパク質組成物を含有する野菜製品、及び野菜製品が得られるような、水和され、且つ細断されたタンパク質組成物と粉砕野菜と水との組み合わせによるその方法にも関する。さらに本発明は、水和され、且つ細断されたタンパク質組成物を含有する果実製品、及び果実製品が得られるような、水和され、且つ細断されたタンパク質組成物と粉砕果実と水との組み合わせによるその方法に関する。水和され、且つ細断されたタンパク質組成物は、デンプン、穀粉及び繊維をさらに含有し得る。
【背景技術】
【0002】
本発明の重要な態様は、構造を有しないタンパク質製品から構造を有するタンパク質製品を開発することである。特に、一実施形態において本発明は、明らかな粒子又はテクスチャーのない構造を有しないタンパク質製品を取り上げ、それを調理済み筋肉の堅さを有する一定の形をした構造を有するタンパク質製品に変化させる製品及び方法を提供する。
【0003】
用語「構造」は、食品の多様な物理的特性を記述するものである。許容可能な構造の製品は、通常、製品の品質と同義である。構造は、「物理的特性の組み合わせの結果として生じ、運動感覚(kinethesia)及び口当たりを含む触覚、視覚、及び聴覚により知覚される物質の属性」として定義されている。構造は、国際標準化機構(International Organization of Standardization)の定義によれば、「機械的、触覚的、並びに適切な場合には、視覚的及び聴覚的受容体により知覚可能な食品のあらゆるレオロジー的及び構造的(幾何構造及び表面の)属性」である。「構造」の概念に相当する製品の特徴を記述するため、以下の用語が用いられている。
【0004】

【0005】
構造に対しますます注目が集まっているのは、構造が、加工製品及び模造製品、成形肉製品及び魚介製品を含む最新の食品物質に関連しているためであり、そこでは元の、又は他の天然食品物質の特性を複製するためのプロセスによって極めて本格的な取り組みがなされている。従来にない原料、合成香料、充填剤、及び増量剤の使用はどれも、最終製品のテクスチャー上の特定の特徴を改変する傾向がある。テクスチャー特性の模造は、味、臭い、及び色の複製よりはるかに困難であることが多い。天然の構造特性を人造しようと、押出しによる構造化を含む数多くの操作的プロセスが開発されている。このプロセスは一般に、元の物質の特性を技術的及び経済的に妥当な程度に複製して初期の市場参入を促進するうえでは手堅いものであることが分かっている。構造は、外観に関する属性を有するが、また同様に、触覚、及び口当たり、すなわち食品が口と接触するときの食品の相互作用に関する属性も有する。こうした咀嚼に伴う感覚的な知覚は、しばしば印象が望ましいものとなるか、又は望ましくないものとなるかに関わり得る。
【0006】
従って、構造の用語としては、応力又は張力下にある原料の挙動に関する用語が挙げられ、例えば、以下のものである:がっしりした、硬い、柔らかい、歯ごたえがある、しんなりとした、噛みごたえがある、ゴムのような、もっちり、柔軟な、べたべた、ねとつく、ねばつく、パリッとした、ザクザク等。第二に、構造の用語は原料の構造に関し得る:なめらか、細かい、粉状の、粉をふいた、ごつごつ、パサパサ、ざっくりとした、ざらざら等。第三に、構造の用語は構造要素の形状及び構成に関し得、例えば:フレーク状の、繊維状の、すじっぽい、どろりとした、多孔性の、結晶状の、ガラス質の、スポンジ状の、等。最後に、構造の用語は口当たりの特徴に関し得、次が挙げられる:口当たり、こく、乾いた、湿った、濡れた、水っぽい、ろう状の、ぬめりがある、ぐちゃぐちゃ等。
【0007】
本明細書で使用されるとき、「構造を有しない」及び「構造を有する」は、表IIに記載されるような食品の特徴を記述するものである。
【0008】

【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、水和され、且つ細断されたタンパク質組成物に関し、ここで水和され、且つ細断されたタンパク質組成物の少なくとも約75重量%が、少なくとも約4センチメートル長のタンパク質繊維、少なくとも約3センチメートル長のタンパク質ストランド、及び少なくとも約2センチメートル長のタンパク質塊を含んでなる少なくとも約15重量%の大型断片を含有し、且つ
水和され、且つ細断されたタンパク質組成物の少なくとも約75重量%が、少なくとも約1400グラムの剪断強度を有する。
【0010】
本発明はまた、水和され、且つ細断されたタンパク質組成物の調製方法にも関する。
【0011】
本発明はさらに、
水和され、且つ細断されたタンパク質組成物と、
粉砕肉、又は粉砕野菜、又は粉砕果実のそれぞれと、
水と、
を含んでなる肉製品又は食品に関し、
ここで水和され、且つ細断されたタンパク質組成物の少なくとも約75重量%が、少なくとも約4センチメートル長のタンパク質繊維、少なくとも約3センチメートル長のタンパク質ストランド、及び少なくとも約2センチメートル長のタンパク質塊を含んでなる少なくとも約15重量%の大型断片を含有し、且つ
水和され、且つ細断されたタンパク質組成物の少なくとも約75重量%が、少なくとも約1400グラムの剪断強度を有する。
別の実施形態において、本発明は肉製品又は食品の調製方法を開示する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
機械的に骨抜きした肉(MDM)は、牛肉、豚肉及び鶏肉の骨から市販の機器を使用して回収された肉のペーストである。MDMは、無傷の筋肉に見られる自然な繊維状のテクスチャーを欠いた粉砕製品である。繊維質に欠けることからMDMの有用性は制約されており、ほとんどの場合にその利用はフランクフルトソーセージ及びボローニャソーセージなどの挽肉ソーセージに限られる。
【0013】
粉砕野菜は、単一の野菜のピューレ又は2種以上の野菜のピューレの混合物である。
【0014】
粉砕果実は、単一の果実のピューレ又は2種以上の果実のピューレの混合物である。
【0015】
定義
本明細書で使用されるとき、用語「タンパク質」は、植物性タンパク質、乳タンパク質、及びこれらの混合物からなる群から選択されるタンパク質である。植物性タンパク質は、マメ科植物、大豆、トウモロコシ、エンドウ豆、カノーラ種、ヒマワリ種、米、アマランス、ルピナス、菜種油、小麦、小麦グルテン、及びこれらの混合物に由来するタンパク質からなる群から選択され、但し植物性タンパク質は小麦グルテン単独ではないものとする。従って小麦又は小麦グルテンは、タンパク質源として使用する場合、マメ科植物、大豆、トウモロコシ、エンドウ豆、カノーラ種、ヒマワリ種、米、アマランス、ルピナス、菜種油、カゼイン、カゼイネート、乳清タンパク質、及びこれらの混合物に由来するタンパク質からなる群から選択されるタンパク質と混合しなければならない。好ましい植物性タンパク質は大豆タンパク質である。乳タンパク質は、カゼイン、カゼイネート、乳清タンパク質、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0016】
本発明に有用なトウモロコシタンパク質原料としては、コーングルテンミール、及び最も好ましくはゼインが挙げられる。コーングルテンミールは従来のトウモロコシ精製プロセスから得られ、市販されている。コーングルテンミールはトウモロコシタンパク質を約50%〜約60%と、デンプンを約40%〜約50%とで含有する。ゼインは市販の精製トウモロコシタンパク質であり、コーングルテンミールを希アルコール、好ましくは希イソプロピルアルコールで抽出することにより生産される。
【0017】
本明細書で使用されるとき、用語「大豆タンパク質」は全大豆に由来する原料として定義され、非大豆由来添加剤を含有しない。当然ながらかかる添加剤は、大豆原料を含有する押出し肉類似物にさらなる機能性又は栄養分を提供するため、大豆タンパク質に添加されることもある。用語「大豆」は、グリシン・マックス(Glycine max)種、グリシン・ソヤ(Glycine soja)種、又はグリシン・マックスとの有性交雑に適合する任意の種を指す。
【0018】
例えば、本明細書で使用されるとおりの大豆タンパク質含量のような、用語「タンパク質含量」は、A.O.C.S.(米国油化学会(American Oil Chemists Society))「Official Methods」Bc 4−91(1997年)、Aa 5−91(1997年)、又はBa 4d−90(1997年)(各々参照により全体として本明細書に援用される)により確認されるとおりの原料の相対的なタンパク質含量を指し、これは原料サンプルの総窒素含量をアンモニアとして、及びタンパク質含量をサンプルの総窒素含量の6.25倍として規定している。
【0019】
タンパク質含量の決定に使用されるA.O.C.S.公定法Bc 4−91(1997年)、Aa 5−91(1997年)、及びBa 4d−90(1997年)の窒素−アンモニア−タンパク質修正ケルダール法は、大豆原料サンプルを用いて次のとおり実施され得る。0.0250〜1.750グラムの大豆原料を標準的なケルダールフラスコ中に計量する。市販されている16.7グラムの硫酸カリウム、0.6グラムの二酸化チタン、0.01グラムの硫酸銅、及び0.3グラムの軽石の触媒混合物をフラスコに添加し、次に30ミリリットルの濃硫酸をフラスコに添加する。混合物に沸騰石を加え、サンプルを沸騰水浴中で約45分間加熱することによりサンプルを消化させる。消化中、フラスコは少なくとも3回、回転させなければならない。水(300ミリリットル)をサンプルに添加し、サンプルを室温に冷却する。0.5Nの標準塩酸及び蒸留水を蒸留液の受けフラスコ中に、受けフラスコの底部にある蒸留排出管の端部が十分に覆われるまで添加する。消化溶液を強アルカリ性にするのに十分な量の水酸化ナトリウム溶液を消化フラスコに添加する。次に、直ちに消化フラスコを蒸留排出管につなぎ、振盪により消化フラスコの内容物を完全に混合し、少なくとも150ミリリットルの蒸留液が集液されるまで約7.5分の沸騰速度で消化フラスコを加熱する。次にエチルアルコール中3滴又は4滴のメチルレッド指示液−0.1%を使用して、受けフラスコの内容物を0.25Nの水酸化ナトリウム溶液で滴定する。サンプルと同時に、且つあらゆる点で同様に、全試薬のブランク試験を行い、試薬で測定されたブランクについて補正する。以下に記載される手順に従い、挽砕したサンプルの含水量を決定する(A.O.C.S Official Method Ba 2a−38)。サンプルの窒素含量を、式:窒素(%)=1400.67×[[(標準酸の規定度)×(サンプルに使用される標準酸の体積(ml))]−[(1mlの標準酸を滴定するために必要な標準塩基の体積−方法において扱われ、1mlの標準酸まで蒸留されるブランク試薬を滴定するために必要な標準塩基の体積(ml))×(標準塩基の規定度)]−[(サンプルに使用される標準塩基の体積(ml))×(標準塩基の規定度)]]/(サンプルのミリグラム数)に従い決定する。タンパク質含量は、サンプルの窒素含量の6.25倍である。
【0020】
用語「含水量」は、本明細書で使用されるとき、原料中の水分量を指す。原料の含水量は、全体として参照により本明細書に援用されるA.O.C.S.(米国油化学会)の公定法Ba 2a−38(1997年)により決定できる。この方法に従えば、原料の含水量は、1000グラムの挽砕した原料サンプルを、Seedboro Equipment Co.、イリノイ州シカゴ(Chicago,Illinois)から入手可能な6×6二分器に通してサンプルサイズを100グラムまで縮減することにより計測され得る。次に100グラムのサンプルを直ちに気密容器に入れて計量する。5グラムのサンプル(「サンプル重量」)を、風袋計量済みの水分秤量皿(moisture dish)(最小30ゲージ、約50×20ミリメートル、密着して閉まる摺動式カバー付き−Sargent−Welch Co.から入手可能)上で計量する。サンプルの入った水分秤量皿を強制排気オーブン内に置き、130±3℃で2時間乾燥させる。次に水分秤量皿をオーブンから取り出して直ちにカバーをかけ、ディセクター内で室温まで冷却する。次に水分秤量皿を計量して乾燥重量を得る。含水量は、式:含水量(%)=100×[(サンプル重量−乾燥重量)/サンプル重量]に従い計算される。
【0021】
用語「無水基準の重量」は、本明細書で使用されるとき、乾燥させて全ての水分を完全に取り除いた後、例えば含水量が0%の原料の重量を指す。具体的には、原料の無水基準の重量は、45℃のオーブンに置かれて一定重量に達した後の原料を計量することにより得ることができる。
【0022】
用語「大豆タンパク質分離物」は、本明細書で使用されるとき、大豆タンパク質工業における従来どおりの意味で用いられる。具体的には、大豆タンパク質分離物は、タンパク質含量が無水基準で少なくとも約90%の大豆タンパク質である大豆原料である。「分離された大豆タンパク質」は、当該技術分野で使用されるとき、本明細書で使用され、且つ当該技術分野で使用される「大豆タンパク質分離物」と同じ意味を有する。大豆タンパク質分離物は大豆から形成され、これは、大豆の外皮及び胚芽を子葉から取り除き、子葉を剥皮又は研磨して、剥皮又は研磨された子葉から油を取り除き、大豆タンパク質及び子葉の炭水化物を子葉繊維と分離し、続いて大豆タンパク質を炭水化物と分離することによる。
【0023】
用語「大豆タンパク質濃縮物」は、本明細書で使用されるとき、大豆タンパク質工業における従来どおりの意味で用いられる。具体的には、大豆タンパク質濃縮物は、タンパク質含量が無水基準で約65%〜約90%未満の大豆タンパク質である大豆原料である。大豆タンパク質濃縮物はまた、大豆子葉繊維、典型的には無水基準で約3.5重量%〜最高約20重量%の大豆子葉繊維も含有する。大豆タンパク質濃縮物は大豆から形成され、これは、大豆の外皮及び胚芽を子葉から取り除き、子葉を剥皮又は研磨して、剥皮又は研磨された子葉から油を取り除き、大豆タンパク質及び大豆子葉繊維を子葉の炭水化物と分離することによる。
【0024】
用語「大豆タンパク質粉」は、本明細書で使用されるとき、粉砕された形態の脱脂大豆原料を指し、好ましくは含油量が約1%未満であり、粒子が100番メッシュ(米国規格)のスクリーンを通過できるような粒度の粒子で形成される。大豆のケーキ、チップ、フレーク、ミール、又は原料の混合物が、従来式の大豆製粉プロセスを用いて粉砕され、大豆粉となる。大豆粉は大豆タンパク質含量が無水基準で約49%〜約60%である。好ましくはこの粉は非常に微細に挽砕され、最も好ましくは300メッシュ(米国規格)のスクリーンに残る粉が約1%未満であるようにされる。
【0025】
米はデンプン質の多い食品であり、含有するタンパク質は約6%〜約10%である。用語「米粉」は、本明細書で使用されるとき、砕け米を挽砕することにより得られる精米の安価な副産物に関する。従来式の精米作業からは、大部分が約80%の炭水化物からなる米粉が生産される。米はタンパク質の濃度が低く、及び産出されるバルクからは十分なタンパク質摂取量を得ることが求められるため、幼児及び小児はそのタンパク質所要量を満たすのに十分な量を食べることができない。
【0026】
用語「デンプン」は、本明細書で使用されるとき、任意の天然供給源に由来するあらゆるデンプンを含むことが意図され、そのいずれも本明細書での使用に好適であり得る。天然デンプンは本明細書で使用されるとき、自然中に存在するままのデンプンである。交雑育種、転座、逆位、形質転換又は植物の変異を組み込むための遺伝子工学若しくは染色体工学の任意の他の方法を含め、標準的な育種技術により得られる植物に由来するデンプンもまた、好適である。加えて、人為突然変異体、及び突然変異育種の公知の標準方法により産生され得る上記の属組成の変異体から成長させた植物に由来するデンプンもまた、本明細書において好適である。
【0027】
デンプンの典型的な供給源は、穀類、塊茎、根、マメ科植物及び果実類である。天然供給源は、ワキシー種のトウモロコシ(メイズ)、エンドウ豆、ジャガイモ、サツマイモ、バナナ、大麦、小麦、米、オート麦、サゴ、アマランス、タピオカ(キャッサバ)、クズウコン、カンナ、及びモロコシ、特にメイズ、ジャガイモ、キャッサバ、及び米であり得る。本明細書で使用されるとき、用語「ワキシー」又は「低アミロース」は、含有するアミロースが約10重量%以下のデンプンを包含するよう意図される。本発明においては、含有するアミロースが約5重量%以下のデンプンが特に好適である。
【0028】
用語「無グルテンデンプン」は、多くのベーカリーミックス製品の主成分である改質タピオカデンプンに関する。無グルテン又は実質的に無グルテンのデンプンは、小麦、トウモロコシ、及びタピオカベースのデンプンから製造され、「無グルテン」というのは、小麦、オート麦、ライ麦又は大麦由来のグルテンを含有しないためである−これは、セリアック病及び/又は小麦アレルギーと診断を受けている人々にとっては特に重要な要素である。
【0029】
用語「小麦粉」は、小麦の製粉から得られた粉に関する。小麦粉の粒度は典型的には、約14〜120μmである。小麦粉は典型的には、約11.7〜約14%のタンパク質及び約3.7〜約10.9%の繊維を含有する。
【0030】
用語「グルテン」は、高タンパク質含量並びに特有の構造特性及び粘着特性を有する小麦粉中のタンパク質画分に関する。グルテンは、抽出したての湿潤した状態ではガムグルテンとして知られ、その後乾燥させると、高タンパク質含量で無味の自由流動性の粉末となる。一般にグルテンは、この形態で食品加工に用いられる。
【0031】
用語「繊維」は、本明細書で使用されるとき、当該技術分野において周知の任意の野菜繊維又は果実繊維、例えば、大豆子葉繊維、大豆外皮繊維、オート麦繊維、及び他のセルロース繊維を指す。好ましい繊維は大豆子葉繊維である。大豆子葉の繊維部分は、少なくとも約70%の不溶性繊維(多糖)を含有する。大豆子葉繊維は典型的にはいくらかの微量の大豆タンパク質を含有するが、100%繊維であることもある。混用を避けるため、用語「繊維」は本明細書で使用されるとき(本段落を除き)、大豆子葉繊維ではなく、タンパク質原料を押し出す過程で一般にはタンパク質間相互作用により形成される繊維を指す。さらに混用を避けるため、大豆子葉繊維は本明細書では「大豆子葉繊維」とのみ称することとし、「繊維」とは称さないものとする。大豆子葉繊維は大豆から形成され、これは、大豆の外皮及び胚芽を子葉から取り除き、子葉を剥皮又は研磨して、剥皮又は研磨された子葉から油を取り除き、大豆子葉繊維を大豆原料及び子葉の炭水化物と分離することによる。
【0032】
用語「繊維」は、本明細書で使用されるとき、タンパク質原料を押し出す過程で、一般にはタンパク質間相互作用により形成されるタンパク質繊維、特に大豆タンパク質繊維を指す。このタンパク質間相互作用は、タンパク質の大部分が主として頭−尾結合、又は頭−頭結合、又は尾−尾結合の様式で相互作用するか、又はそれ自身と結合するものである。このタンパク質間相互作用は、最小限のタンパク質しか、側部同士を結合する様式では相互作用しないか、又はそれ自身と結合しないものである。タンパク質繊維の物理的サイズは、一般に約4センチメートル長より長い。大豆タンパク質繊維の幅は、一般に約0.5センチメートル〜最大約1センチメートル幅である。タンパク質繊維の厚さは、一般に約1センチメートル未満である。
【0033】
用語「ストランド」は、本明細書で使用されるとき、同様に大豆タンパク質原料を押し出す過程で、この場合も一般にはタンパク質間相互作用により形成されるタンパク質ストランド、特に大豆タンパク質ストランドを指す。このタンパク質間相互作用は、タンパク質が頭−尾結合、又は頭−頭結合、又は尾−尾結合の様式で相互作用するか、又はそれ自身と結合するものであるが、その程度はタンパク質繊維より小さい。このタンパク質間相互作用は、タンパク質が側部同士を結合する様式で相互作用するか、又はそれ自身と結合するものであるが、その程度はタンパク質繊維より大きい。タンパク質ストランドの物理的サイズは、一般に約3センチメートル長より長い。タンパク質ストランドの幅は、一般に約0.5センチメートル〜最大約1センチメートル幅である。タンパク質ストランドの厚さは一般に、約1センチメートル未満である。
【0034】
用語「塊」は、本明細書で使用されるとき、同様にタンパク質原料を押し出す過程で、この場合も一般にはタンパク質間相互作用により形成されるタンパク質塊、特に大豆タンパク質塊を指す。このタンパク質間相互作用は、タンパク質が頭−尾結合、又は頭−頭結合、又は尾−尾結合の様式で相互作用するか、又はそれ自身と結合するものであるが、その程度はタンパク質ストランドより小さい。このタンパク質間相互作用は、タンパク質が側部同士を結合する様式で相互作用するか、又はそれ自身と結合するものであるが、その程度はタンパク質ストランドより大きい。タンパク質塊の物理的サイズは、一般に約2センチメートル長より長い。タンパク質塊(chuck)の幅は、一般に約2センチメートルより大きい。タンパク質塊の厚さは、一般に約2センチメートル未満である。
【0035】
用語「大型断片」は、本明細書で使用されるとき、タンパク質組成物、特に大豆タンパク質組成物の物理的サイズを指す。大型断片は、タンパク質繊維、タンパク質ストランド、及びタンパク質塊を含んでなる。タンパク質組成物のうち、重量基準でタンパク質組成物の75%は、少なくとも約15重量%の大型断片を含有する。大型断片は細断試験により判定される。細断試験の手順は次のとおりである。丸ごとの断片だけを使用して約150gの各タンパク質組成物試料をヒートシール可能なプラスチック袋に計量し、25℃の水約450gを添加する。袋を約150mmHgで真空包装し、内容物を60分間水和させる。水和したサンプルを、一軸ブレードパドルが装備されたKitchen AidミキサーモデルKM14G0のボウルに入れ、内容物を130rpmで2分間混合する。パドル及びボウルの側面を擦過し、剥がれ落ちた物をボウルの底に戻す。混合及び擦過を2回繰り返す。混合物をボウルから取り出して計量する。混合物を1〜4群に分ける。グループ1は繊維群で、繊維は少なくとも4cm長、且つ少なくとも0.5cm幅である。グループ2はストランド群で、ストランドは少なくとも3cm長、且つ少なくとも1cm幅である。グループ3は塊群で、塊は2cm長より長く、且つ2cm幅より大きい。残りの混合物がグループ4である。グループ1+グループ2+グループ3を足した合計重量に100を乗じ、さらにグループ1+グループ2+グループ3+グループ4の合計重量で除することにより、大型断片パーセントを決定する。
【0036】
用語「剪断強度」は、本明細書で使用されるとき、テクスチャーを有するタンパク質が、成形された製品に対し肉様のテクスチャー及び外観を与えるのに十分な大きさの強度を有する繊維状の網目を形成する能力を計測するものである。剪断強度はグラムで計測される。剪断強度は次の手順により決定される。タンパク質組成物のサンプルを計量してヒートシール可能なポーチに入れ、サンプル重量の3倍の室温の水道水で水和させる。ポーチを排水して密封し、サンプルを約12〜約24時間水和させる。水和したサンプルを取り出して、テクスチャー分析機のベースプレート上に、テクスチャー分析機のナイフがサンプルの直径を通って切断するような向きで置く。さらにサンプルは、テクスチャー分析機のナイフの下に、ナイフがテクスチャーを有する断片の長軸と垂直に切断するような向きとしなければならない。この試験を実施するために使用されるテクスチャー分析機は、Stable Micro Systems Ltd.(英国)製の、25、50、又は100Kgのロードセルを装備したTA.TXT2モデルである。剪断強度は、サンプルを穿通するために必要な最大の力をグラムで測ったものである。各タンパク質組成物試料は10回実行し、平均時間を記録する。
【0037】
用語「水和試験」は、本明細書で使用されるとき、既知量のタンパク質組成物を水和させるために必要な時間を分単位で計測するものである。水和試験は次の手順により決定される。各タンパク質組成物試料から、80個の各断片を選択し、選択された全断片を計量する。断片を5000mlのビーカーに添加し、その5000mlビーカーの中にそれより小さい計量済みビーカーを挿入して、サンプルの80個の断片全てが30分間水に浸るようにする。サンプルの断片10個を水から取り出し、各断片にその中心近傍を通る横径方向の切込みを入れる。切断された断片の横径方向の切口が乾燥している場合、10分間待ってからさらに10個の断片を取り出す。追加の断片に横径方向の切込みを入れ、水和について調べる。十分に、又は完全に水和している場合、水和時間は40分間である。乾燥している場合、断片を取り出し、横径方向の切込みを入れ、水和を調べることを、10分毎に水和が完了するまで続け、水和時間を記録する。
【0038】
用語「密度」は、本明細書で使用されるとき、塩の移動により決定される密度と解釈されるよう意図される。塩密度は次の手順により決定される。全ての長さの計測はミリメートル(mm)単位であり、全ての体積の計測はミリリットル(ml)単位であり、且つ全ての重量の計測はグラム(g)単位である。塩は、以下の粒度分布を有する顆粒状の食卓塩である。
【0039】

【0040】
既知の体積及び既知の重量(風袋)を有する容器を使用して、食卓塩(約1.29g/cm3〜最高約1.40g/cm3の密度)を約5mmの深さまで添加する。既知の重量分のタンパク質組成物を、塩の上に、但し容器の壁面には触れないように添加する。食卓塩を容器に溢れ出るところまで添加し、充填された容器を卓上に軽く叩きつけてタンパク質組成物の周囲に塩を詰め、さらにヘラを用いて塩を容器の縁部と同じレベルで平らにする。充填された容器の重量を記録し、そこから植物性タンパク質組成物の重量及び風袋重量を減じて充填された容器中の塩の重量を求める。塩の重量をその密度で除すると、充填された容器中の塩の体積が求まる。容器の既知の体積から塩の体積を減じて容器中のタンパク質組成物の体積を求める。タンパク質組成物の重量をタンパク質組成物の体積で除すると、その密度がg/cm3として得られる。
【0041】
粒度分布は、オハイオ州メンター(Mentor Ohio)のTyler RoTap製のRoTap型篩振盪機を使用して決定される。RoTapは振盪機機構と、振盪機機構に配置された篩の積層とを備え、上記のサイズの篩を装備している。
【0042】
用語「粉砕肉」は、本明細書で使用されるとき、動物の屠体から回収される肉のペーストを指す。骨付き又は骨無しの食肉は除骨機に送り込まれて骨から肉が分離され、サイズが低減される。肉は、小さい直径の孔を有するシリンダに送り込まれて肉/骨混合物と分離される。肉は液体のようになり、残りの骨原料は後ろに残したまま孔に送り込まれる。粉砕肉の脂肪含量は、動物性脂肪を添加することにより上昇するよう調整され得る。
【0043】
用語「粉砕野菜」は、本明細書で使用されるとき、野菜ピューレを指す。
【0044】
用語「粉砕果実」は、本明細書で使用されるとき、果実ピューレを指す。
【0045】
タンパク質組成物
水和され、且つ細断されたタンパク質組成物用のタンパク質は、植物性タンパク質、乳タンパク質、及びこれらの混合物からなる群から選択される。植物性タンパク質は、大豆、トウモロコシ、エンドウ豆、カノーラ種、ヒマワリ種、米、アマランス、ルピナス、菜種油、小麦、小麦グルテン、及びこれらの混合物に由来するタンパク質からなる群から選択され、但し植物性タンパク質は小麦グルテン単独ではないものとする。従って小麦又は小麦グルテンは、タンパク質源として使用する場合、マメ科植物、大豆、トウモロコシ、エンドウ豆、カノーラ種、ヒマワリ種、米、アマランス、ルピナス、菜種油、カゼイン、カゼイネート、乳清タンパク質、及びこれらの混合物に由来するタンパク質からなる群から選択されるタンパク質と混合しなければならない。
【0046】
好ましい植物性タンパク質は、大豆に由来する大豆タンパク質である。乳タンパク質は、カゼイン、カゼイネート、乳清タンパク質、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0047】
水和され、且つ細断されたタンパク質組成物は、小麦グルテンを含まないタンパク質組成物であってもよい。水和され、且つ細断されたタンパク質組成物は、デンプン、無グルテンデンプン、米粉、小麦粉、小麦グルテン、大豆子葉繊維、及びこれらの混合物からなる群から選択される構成成分をさらに含んでなってもよい。タンパク質は好ましくは大豆に由来し、ここで大豆タンパク質は、大豆タンパク質分離物、大豆タンパク質濃縮物、大豆タンパク質粉、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0048】
さらに、本発明の方法で使用される全大豆は、標準的な商品化された大豆、何らかの方法で遺伝子組み換えされた(GM)大豆、又は非GMの分別生産流通管理が行われた大豆であってもよいことが企図される。
【0049】
大豆タンパク質分離物、大豆タンパク質濃縮物、大豆タンパク質粉、及びこれらの混合物からなる群から選択される大豆タンパク質が使用されるとき、大豆タンパク質はまた、大豆タンパク質中に無水基準で約1重量%〜約20重量%で存在する大豆子葉繊維を含むこともあり、残りが、大豆タンパク質分離物、大豆タンパク質濃縮物、大豆タンパク質粉、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものである。
【0050】
無水基準で約1重量%〜約20重量%の大豆子葉繊維が使用されるとき、大豆タンパク質はまた、無水基準で約10重量%〜約40重量%の小麦グルテンを含むこともあり、残りが、大豆タンパク質分離物、大豆タンパク質濃縮物、大豆タンパク質粉、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものである。
【0051】
無水基準で約1重量%〜約20重量%の大豆子葉繊維及び無水基準で約10重量%〜約40重量%の小麦グルテンが使用されるとき、大豆タンパク質はまた、無水基準で約5重量%〜約15重量%のデンプンを含むこともあり、残りが、大豆タンパク質分離物、大豆タンパク質濃縮物、大豆タンパク質粉、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものである。
【0052】
意外にも、大豆タンパク質分離物、大豆タンパク質濃縮物、及び大豆タンパク質粉のうち1つ又は複数の押出しは、上記に指定された追加的な構成成分を含んでも、又は含まなくとも、ある量の大豆繊維、大豆ストランド、及び大豆塊の大型断片を有する製品の形成をもたらすことが分かっている。また、意外にも、生成された大豆タンパク質組成物は、生成前の出発物質中にはなかった剪断強度を有することも分かっている。さらに、押出しにより得られる大豆タンパク質組成物の水和時間及び密度は、いずれの出発物質と比べても違いがある。
【0053】
水和された大豆分離物又は水和された大豆濃縮物をMDM、粉砕野菜、又は粉砕果実に添加すると、製品の全体的なタンパク質含量が増加する。しかしながら、この成形製品の構造的完全性は最小限のものである。さらに、成形製品は、例えば、肉製品に似た形状に作ることができない。本発明の水和され、且つ細断された大豆タンパク質組成物が、例えばMDMと組み合わされると、肉の外観、テクスチャー、及び繊維質を有するタンパク質製品が形成される。さらに、このタンパク質製品は、出発MDMと比較して、タンパク質が2倍、カロリーが半分未満、及び脂肪分が3分の1未満である。
【0054】
上記のとおり、水和及び細断後には、重量基準で大豆タンパク質組成物の少なくとも約75%が、少なくとも約15重量%の大型断片を含有する。好ましくは、重量基準で、水和され、且つ細断された大豆タンパク質組成物の少なくとも約75%が、少なくとも約20重量%の大型断片を含有する。最も好ましくは、重量基準で、水和され、且つ細断された大豆タンパク質組成物の少なくとも約75%が、少なくとも約22重量%の大型断片を含有する。大型断片は3つに分類され、すなわち、繊維、ストランド、及び塊である。水和され、且つ細断された大豆タンパク質原料中に繊維が存在するためには、繊維は約4センチメートル長より長くなければならない。大豆タンパク質繊維の幅は、一般に約0.5センチメートル〜最大約1センチメートル幅である。大豆タンパク質繊維の厚さは一般に、約2ミリメートル〜最大約5ミリメートルである。水和され、且つ細断された大豆タンパク質原料中にストランドが存在するためには、ストランドは約3センチメートル長より長くなければならない。大豆タンパク質ストランドの幅は、一般に約0.5センチメートル〜最大約1センチメートル幅である。大豆タンパク質ストランドの厚さは一般に、約2ミリメートル〜最大約5ミリメートルである。水和され、且つ細断された大豆タンパク質原料中に塊が存在するためには、塊は約2センチメートル長より長くなければならない。大豆タンパク質塊(chuck)の幅は、一般に約2センチメートルより大きい。大豆タンパク質塊の厚さは一般に、約2ミリメートル〜最大約5ミリメートルである。
【0055】
上記のとおり、重量基準で、水和され、且つ細断された大豆タンパク質組成物の少なくとも約75%が、少なくとも約1400グラムの剪断強度を有する。好ましくは、重量基準で、水和され、且つ細断された大豆タンパク質組成物の少なくとも約75%が、少なくとも約1800グラムの剪断強度を有する。最も好ましくは、重量基準で、水和され、且つ細断された大豆タンパク質組成物の少なくとも約75%が、少なくとも約2000グラムの剪断強度を有する。
【0056】
大豆タンパク質組成物としての水和され、且つ細断されたタンパク質組成物は、大豆タンパク質分離物、大豆タンパク質濃縮物及び大豆タンパク質粉のうち1つ又は複数を、単独で、又は上記に指定される構成成分の、デンプン、無グルテンデンプン、米粉、小麦粉、及び小麦グルテン、並びに大豆子葉繊維のうちの1つ又は複数と共に押し出すことにより生成される。大豆タンパク質組成物としての水和され、且つ細断されたタンパク質組成物は、含水量が約5%〜約80%である。大豆タンパク質組成物の生成において用いられる水分条件は、低水分大豆タンパク質組成物(約5%〜約35%)及び高水分大豆タンパク質組成物(約50%〜約80%)である。水和され、且つ細断された大豆タンパク質組成物の生成においては、上記の成分が水と共に押出し調理機内で温度、圧力及び剪断条件を上昇させながら加熱され、成分の混合物がダイを通じて押し出される。押し出されると、押出物は一般に、減圧媒体(通常は大気)中に入るため膨張して、繊維質で多孔性の構造を形成する。繊維質で多孔性の構造を形成するための押し出し方法は周知であり、例えば、米国特許第4,099,455号明細書に開示される。
【0057】
水和され、且つ細断されたタンパク質組成物のタンパク質含量は、低水分タンパク質組成物であるか、又は高水分タンパク質組成物であるかに関わらず、無水基準で約30重量%〜約90重量%である。低水分の水和され、且つ細断されたタンパク質組成物について、タンパク質含量は、水分も含めて少なくとも約50重量%〜約90重量%である。高水分の水和され、且つ細断されたタンパク質組成物について、タンパク質含量は、水分も含めて約30重量%〜50重量%未満である。
【0058】
さらに、大豆タンパク質分離物が使用されるとき、大豆タンパク質分離物は、低分子量分布を有する高度に加水分解された大豆タンパク質分離物であってはならず、これは、高度に加水分解された大豆タンパク質分離物が、プロセス中にタンパク質繊維を適切に形成するためのタンパク質鎖長を欠いているためである。しかしながら、高度に加水分解された大豆タンパク質分離物は、組み合わされた大豆タンパク質分離物の高度に加水分解された大豆タンパク質分離物含量が、組み合わされた大豆タンパク質分離物の約40重量%未満であるならば、他の大豆タンパク質分離物と組み合わせて使用され得る。
【0059】
利用される大豆タンパク質分離物は、分離物中のタンパク質が押し出されると繊維を形成できるよう十分な保水能力を有しなければならない。本発明において有用な大豆タンパク質分離物の例は、例えば、Solae,LLC(ミズーリ州セントルイス(St.Louis,Missouri)から市販されており、SUPRO(登録商標)500E、SUPRO(登録商標)EX33、SUPRO(登録商標)620、SUPRO(登録商標)630及びSUPRO(登録商標)545が挙げられる。
【0060】
大豆タンパク質組成物において有用な大豆タンパク質分離物は、大豆タンパク質製造業における従来式の方法に従い大豆から生成され得る。かかる方法の例示としては、従来式の方法に従い全粒の商品大豆がまず初めに精選され、粗砕され、剥皮され、脱胚芽処理され、さらに脱脂されることにより、大豆フレーク、大豆粉、大豆グリッツ、又は大豆ミールが形成される。大豆の精選は、大豆を磁気選別機に通して、鉄、スチール、及び他の磁気に敏感な物体を除去し、続いて徐々にメッシュが小さくなるスクリーン上で大豆を振動させて、土壌の残留物、鞘、茎、雑草種子、小粒の豆、及び他の夾雑物を除去することにより行われ得る。精選された大豆は、粗砕ロールに大豆を通すことにより粗砕され得る。粗砕ロールはらせん状の切断部がついた波形シリンダであり、大豆がロール間を通ると外皮を剥がし、大豆原料をいくつかの断片に粗砕する。次に、粗砕された大豆はアスピレーションにより剥皮され得る。剥皮された大豆は脱胚芽処理され、これは十分に小さいメッシュサイズのスクリーン上で剥皮された大豆を振動させて小さいサイズの胚芽を除去し、より大きい豆の子葉を残すことにより行われる。次に子葉を圧扁ロールに通すことにより子葉が圧扁される。圧扁された子葉は脱脂され、これはフレークをヘキサン又は他の好適な親油性/疎水性溶媒と接触させてフレークから油を抽出することによる。次に食用の脱脂フレークが、通常は開ループ製粉システムにおいて、ハンマーミル、分級ミル、ローラーミル又は衝撃ピンミルにより粉砕され、まず初めにグリッツにされたうえ、さらなる挽砕により所望の粒度で大豆ミール、又は大豆粉が形成される。篩分けは典型的には製品を均一な粒度範囲のサイズにするために用いられ、振動スクリーン又は円筒形の遠心選別機により達成できる。
【0061】
次に、脱脂大豆フレーク、大豆粉、大豆グリッツ、又は大豆ミールが、pHが7.5〜11.0のアルカリ性水溶液、典型的には希水酸化ナトリウム水溶液により抽出され、不溶性物質からアルカリ性水溶液に可溶なタンパク質が抽出される。不溶性物質は、主として不溶性炭水化物からなる大豆子葉繊維である。続いて可溶性タンパク質を含有するアルカリ性水抽出物が不溶性物質と分離され、次に抽出物が酸で処理されると、抽出物のpHが、大豆タンパク質の等電点前後、好ましくは4.0〜5.0のpH、及び最も好ましくは4.4〜4.6のpHまで低下する。大豆タンパク質は、タンパク質の等電点又はその近傍の水溶液中での溶解度が不足しているため、酸性化された抽出物から沈殿する。次に沈殿したタンパク質カードが残りの抽出物(乳清)と分離される。分離されたタンパク質は水で洗浄され、タンパク質原料から残留する可溶性炭水化物及び灰分が除去され得る。沈殿したタンパク質カードに水が添加され、カードのpHが約6.5〜約7.5に調整される。次に噴霧乾燥又はトンネル乾燥などの従来式の乾燥手段を用いて分離されたタンパク質を乾燥させると、大豆タンパク質分離物が形成される。
【0062】
大豆タンパク質濃縮物は大豆タンパク質分離物と混和することにより、大豆タンパク質源として大豆タンパク質分離物の一部の代用としてもよい。好ましくは、大豆タンパク質濃縮物が大豆タンパク質分離物の一部の代用とされる場合、代用される大豆タンパク質濃縮物は大豆タンパク質分離物の約40重量%までであり、最高でも、且つより好ましくは、代用されるのは大豆タンパク質分離物の約30重量%までである。
【0063】
大豆タンパク質組成物において有用な大豆タンパク質濃縮物は市販されている。例えば、大豆タンパク質濃縮物のPromine(登録商標)DSPC、Response(登録商標)、Procon(登録商標)、Alpha(商標)12及びAlpha(商標)5800が、Solae,LLC(ミズーリ州セントルイス(St.Louis,Missouri))から入手可能である。本発明において有用な大豆タンパク質濃縮物は、大豆タンパク質製造業における従来式の方法に従い商品大豆から生成されてもよい。例えば、上記のとおり生成される脱脂大豆フレーク、大豆粉、大豆グリッツ、又は大豆ミールを水性エタノール(好ましくは約60%〜約80%の水性エタノール)で洗浄することにより、大豆タンパク質及び大豆繊維から可溶性炭水化物が除去され得る。続いて原料を含有する大豆タンパク質及び大豆繊維を乾燥させると、大豆タンパク質濃縮物が生成される。あるいは、脱脂した大豆フレーク、大豆粉、大豆グリッツ、又は大豆ミールを、pHが約4.3〜約4.8の酸性洗浄水で洗浄することにより、大豆タンパク質及び大豆繊維から可溶性炭水化物が除去される。可溶性炭水化物を除去した後、水が添加され、pHが約6.5〜約7.5に調整される。続いて原料を含有する大豆タンパク質及び大豆繊維を乾燥させると、大豆タンパク質濃縮物が生成される。
【0064】
水和され、且つ細断されたタンパク質組成物に利用される大豆子葉繊維は、大豆タンパク質と大豆子葉繊維との混合物が同時に押し出されるとき、水を効果的に結合しなければならない。水を結合することにより、押出物が冷却ダイを通って押し出されると、大豆子葉繊維によって押出物全体にわたり粘度勾配が生じ、そのためタンパク質繊維の形成が促進される。本発明の方法のため効果的に水を結合するよう、大豆子葉繊維は、大豆子葉繊維1グラム当たり少なくとも5.50グラムの水の保水能力を有しなければならず、及び好ましくは大豆子葉繊維は、大豆子葉繊維1グラム当たり少なくとも約6.0グラムの水の保水能力を有する。また同様に好ましくは、大豆子葉繊維が有する水の保水能力は、大豆子葉繊維1グラム当たり最高でも約8.0グラムである。
【0065】
大豆子葉繊維は複合炭水化物であり、市販されている。例えば、FIBRIM(登録商標)1260及びFIBRIM(登録商標)2000は、Solae,LLC(ミズーリ州セントルイス(St.Louis,Missouri))から市販されており、本発明の方法で有効に機能する大豆子葉繊維原料である。本発明の方法において有用な大豆子葉繊維はまた、大豆加工業における従来式の方法に従い生成されてもよい。例えば、上記のとおり生成される脱脂された大豆フレーク、大豆粉、大豆グリッツ、又は大豆ミールは、上記で大豆タンパク質分離物の生成に関して説明されるとおりアルカリ性水溶液で抽出されると、不溶性大豆子葉繊維がアルカリ性含水可溶性大豆タンパク質及び炭水化物と分離され得る。次に分離された大豆子葉繊維を、好ましくは噴霧乾燥により乾燥させると、大豆子葉繊維製品が生成される。大豆子葉繊維は一般に、大豆タンパク質組成物中に無水基準で約1重量%〜約20重量%、好ましくは約1.5重量%〜約20重量%、及び最も好ましくは約2重量%〜約5重量%で存在する。
【0066】
適度な濃度の大豆繊維はタンパク質分子の架橋結合を妨げるのに有効であると考えられており、従ってダイから出る調理済み押出物の集塊に過剰なゲル強度が生じることがない。同様に水分を吸収するタンパク質とは異なり、大豆繊維はダイの出口温度における圧力から解放されると、容易に水分を放出する。
【0067】
小麦グルテンは、水和され、且つ細断されたタンパク質中の混合及び押出し成分として使用され得る。小麦グルテンはタンパク質の経済的な供給源を提供し、水和され、且つ細断されたタンパク質組成物中のタンパク質の一部と組み合わされ得る。小麦グルテンのタンパク質は保水能力が非常に低く、押し出しても、単独で有意なタンパク質繊維を形成する効果はない。小麦グルテンは市販されている成分である。本発明において有用な市販の小麦グルテンは、Manildra Millingから入手可能なStar GlutenのGemである。
【0068】
デンプン原料もまた、水和され、且つ細断されたタンパク質組成物中の混合及び押出し成分として使用され得る。デンプンを使用すると、押出しにより生成される水和され、且つ細断されたタンパク質組成物にテクスチャーが提供され得る。使用されるデンプン原料は、好ましくは天然に存在するデンプンである。デンプン原料は、様々な植物、例えば、トウモロコシ、小麦、ジャガイモ、米、クズウコン、及びキャッサバから、周知の従来式の方法により分離され得る。本発明の方法において有用なデンプン原料としては、次の市販のデンプン、すなわち、トウモロコシ、小麦、ジャガイモ、米、高アミロースコーン、ワキシートウモロコシ、クズウコン、及びタピオカが挙げられる。好ましくは使用されるデンプン原料は、コーンスターチ又は小麦デンプン、及び最も好ましくは、市販のデントコーンスターチ又は天然小麦デンプンである。デントコーンスターチは、A.E.Staley Mfg.,Co.から市販されており、Dent Corn Starch、Type IV、Pearlとして販売されている。
【0069】
加えて、香味成分が、水和され、且つ細断されたタンパク質組成物中で混合及び押出しされ得る。好ましい香味成分は、押出しにより生成される水和され、且つ細断されたタンパク質原料に対し肉様の香味を提供するものである。好ましい香味成分としては、ビーフフレーバー、チキンフレーバー、グリルフレーバー、及び麦芽エキスが挙げられ、全て香料製造業者から市販されている。これらの成分の混合物もまた使用され得る。
【0070】
水和され、且つ細断されたタンパク質組成物はまた、抗酸化剤、又は抗菌剤などの、1つ又は複数の任意の構成物質も含み得る。抗酸化添加剤としては、BHA、BHT、TBHQ、ビタミンA、C及びE並びに誘導体、及び様々な植物抽出物、例えば、抗酸化特性を有するカロテノイド、トコフェロール又はフラボノイドを含有するものなどが挙げられ、食品及び肉製品の品質保持期限を延ばすために取り入れられ得る。水和され、且つ細断されたタンパク質組成物はまた、二酸化チタン、カラメル色素、及びこれらの混合物からなる群から選択される着色料をさらに含んでなってもよい。
【0071】
抗菌剤は、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、二酢酸ナトリウム、二酢酸カリウム、ソルビン酸及びそのカリウム塩、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0072】
抗酸化剤及び抗菌剤は、合わせて、約0.01%〜約10%、好ましくは約0.05%〜約5%、及びより好ましくは約0.1%〜約2%、(対再構成肉製品の重量)のレベルで存在し得る。
【0073】
低水分の水和され、且つ細断された大豆タンパク質組成物などの低水分の水和され、且つ細断されたタンパク質組成物の調製に好適な押出し方法は、水和され、且つ細断された大豆タンパク質組成物を含んでなる特定の材料を混合タンク(すなわち、材料ブレンダー)に投入し、材料を混ぜ合わせて乾燥したブレンド大豆タンパク質原料プレミックスを形成するステップを含んでなる。次に乾燥したブレンド大豆タンパク質原料プレミックスはホッパーに移され、そこから乾燥したブレンド材料が水分と共にプレコンディショナーに投入されると、調質された大豆タンパク質原料混合物が形成される。次に調質された大豆タンパク質原料が押出し装置(すなわち、押出機)に供給され、そこで大豆タンパク質原料混合物は、押出機のスクリューにより生成される機械的圧力下で加工され、溶融した押出物の集塊が形成される。溶融した押出物の集塊は押出ダイを通って押出機から出る。
【0074】
プレコンディショナーにおいては、粒子状固体材料の混合物を水と混和し、個々の粒子に水分を浸透させて、それらを柔らかくする。予備調質ステップでは、特定の繊維原料混合物のバルク密度が増加する。プレコンディショナーは1本又は複数のパドルを含み、タンパク質の均一な混合及びタンパク質混合物のプレコンディショナーの通過を促進する。
【0075】
典型的には、大豆タンパク質原料混合物は、押出し装置に投入される前に、プレミックスを少なくとも約45℃(110°F)の温度の水分(すなわち、蒸気及び/又は水)と接触させることにより予備調質される。しかしながら、プレコンディショナー内がより高温(すなわち、約85℃(185°F)を上回る温度)だと、デンプンの糊化が促されることがあり、ひいてはそれが塊の形成を引き起こし得るため、それによりプレコンディショナーから押出機バレルへのタンパク質混合物の流れが妨げられ得ることが観察されている。
【0076】
典型的には、大豆タンパク質原料プレミックスは、コンディショナーの速度及びサイズに応じて約30〜約60秒間にわたり調質される。大豆タンパク質組成物プレミックスは、蒸気及び/又は水と接触させ、プレコンディショナーにおいてほぼ一定の蒸気流量で加熱して所望の温度を実現する。水及び/又は蒸気により大豆タンパク質原料混合物が調質され(すなわち、水和され)、その密度が増加し、乾燥した混合物の流動性が妨げなく促進されてから押出機バレルに投入され、そこでタンパク質が構造化される。
【0077】
調質されたプレミックスは約5%〜約30%(重量)の水を含有し得る。調質されたプレミックスのバルク密度は、典型的には約0.25g/cm3〜約0.6g/cm3である。一般に、予備調質されるタンパク質混合物のバルク密度がこの範囲内で増加するほど、タンパク質混合物は加工がより容易である。
【0078】
調質されたプレミックスは、一般に押出し装置に約30キログラム(kg)/分以下(約65lbs/分以下)の速度で投入される。一般に、プレミックスのタンパク質の押出機に対する速度が増加するほど、押出物の密度は低下することが観察されている。
【0079】
押出し装置は多様な食用製品の製造において使用されている。好適な押出し装置の1つは、例えば、米国特許第4,600,311号明細書に記載されるようなダブルバレル・二軸スクリュー押出機である。市販のダブルバレル・二軸スクリュー押出し装置の例としては、Clextral,Inc.(フロリダ州タンパ(Tampa))製のCLEXTRAL(登録商標)モデルBC−72押出機、Wenger(カンザス州サベタ(Sabetha))製のWENGERモデルTX−57押出機、及びWenger(カンザス州サベタ(Sabetha))製のWENGERモデルTX−52押出機が挙げられる。本発明における使用に好適な他の従来式押出機は、例えば、米国特許第4,763,569号明細書、同第4,118,164号明細書、及び同第3,117,006号明細書に記載され、これらの文献は参照により援用される。
【0080】
二軸スクリュー押出機のスクリューは、バレル内で同方向又は反対方向に回転できる。スクリューの同方向への回転は単流と称され、一方、スクリューの反対方向への回転は複流と称される。押出機の1本又は複数のスクリューの速度は、特定の装置によって異なり得る。しかしながら、スクリュー速度は、典型的には約250〜約350毎分回転数(rpm)である。一般に、スクリュー速度が増加すると、押出物の密度は低下する。
【0081】
押出し装置は一般に複数の温度制御領域を含んでなり、タンパク質混合物はそこを通って機械的圧力下に搬送され、その後押出ダイを通って押出し装置から出る。連続的な温度制御領域の各々の温度は、一般に前の温度制御領域の温度を約10℃〜約70℃(約15°F〜約125°F)上回る。一実施形態において、調質されたプレミックスは押出し装置内で4つの温度制御領域を通って移送され、それに伴いタンパク質混合物が約100℃〜約150℃(約212°F〜約302°F)の温度まで加熱されるため、溶融した押出物の集塊が押出ダイに入るときの温度は約100℃〜約150℃(約212°F〜約302°F)となる。
【0082】
押出機バレル内の圧力は、それほど厳密に重要なものではない。典型的には押出物の集塊は、少なくとも約400psig(約28バール)の圧力を受け、一般に最後の2つの加熱領域内の圧力は約1000psig〜約3000psig(約70バール〜約210バール)である。バレル圧力は多くの要因に依存し、例えば、押出機スクリュー速度、混合物のバレルへの供給速度、水のバレルへの供給速度、及びバレル内の溶融した集塊の粘度が挙げられる。
【0083】
水が押出機バレルに注入されることで大豆タンパク質原料混合物が水和され、タンパク質のテクスチャー化が促進される。溶融した押出物の集塊の形成を補助するものとして、水は可塑剤のように働く。水は1つ又は複数の注入ジェット又はポートを介して押出機バレルに投入され得る。典型的には、バレルの混合物は約15重量%〜約35重量%の水を含有する。一般に水のバレルへの投入速度を制御することにより、所望の特性を有する押出物の生成が促進される。
【0084】
押出し装置内の溶融した押出物の集塊がダイを通じて押し出されることにより押出物が生成され、これはその後ドライヤー内で乾燥され得る。
【0085】
押出し条件は一般に、押出機バレルから出てくる生成物の含水量が、典型的には湿量基準で約20%〜約45%(重量)であるようにされる。含水量は、押出機に投入される混合物中に存在する水、予備調質中に添加される水分及び/又は加工中に押出機バレルに注入される任意の水に由来する。
【0086】
圧力が解放されると、溶融した押出物の集塊はダイを通じて押出機バレルから出て、集塊中に存在する過熱水が蒸気として消散することにより、同時に原料が膨張(すなわち、パフ化)する。混合物が押出機から出たときの押出物の膨張レベルは、押出物の断面積のダイ開口の断面積との比でみると、一般に約15:1未満である。典型的には、押出物の断面積のダイ開口の断面積との比は約3:1〜約11:1である。
【0087】
押出物はダイから出た後、切断される。押出物の切断に好適な装置としては、Wenger(カンザス州サベタ(Sabetha))製及びClextral(登録商標)(フロリダ州タンパ(Tampa))製の可撓性のナイフが挙げられる。
【0088】
押出物を乾燥させるドライヤーは、低水分の大豆タンパク質組成物に使用されるものの場合、一般に空気温度が異なり得る複数の乾燥領域を含んでなる。一般に、1つ又は複数の領域内の空気温度は、約135℃〜約185℃(約280°F〜約370°F)であり得る。典型的には押出物は、所望の含水量を有する押出物を提供するのに十分な時間ドライヤー内にある。この所望の含水量は、意図される押出物の用途に応じて幅広く異なり得るとともに、典型的には約5重量%〜約35重量%、より好ましくは約6重量%〜約13重量%である。一般に押出物は、少なくとも約5分間、及びより一般的には、少なくとも約10分間乾燥させる。好適なドライヤーとしては、Wolverine Proctor & Schwartz(マサチューセッツ州メリマック(Merrimac))製、National Drying Machinery Co.(ペンシルバニア州フィラデルフィア(Philadelphia))製、Wenger(カンザス州サベタ(Sabetha))製、Clextral(登録商標)(フロリダ州タンパ(Tampa))製、及びBuehler(イリノイ州レイクブラフ(Lake Bluff))製のものが挙げられる。
【0089】
乾燥した押出物をさらに粉砕することにより、押出物の平均粒度が低減され得る。好適な挽砕装置としては、Hosokawa Micron(登録商標)Ltd.(英国)製のMikroハンマーミルなどのハンマーミルが挙げられる。
【0090】
低水分の乾燥した押出物を粉砕肉、又は粉砕野菜、又は粉砕果実と加え合わせる前に、押出物の含水量が約6重量%〜約13重量%で乾燥している場合には、それを水中で水が吸収されるまで水和させたうえ、繊維が分離するまで細断する必要がある。押出物が乾燥していないか、又は完全には乾燥していない場合、その含水量はより高く、一般に無水基準で約16重量%〜約30重量%である。乾燥していない、又は完全には乾燥していない押出物は、粉砕肉、又は粉砕野菜、又は粉砕果実と加え合わせる前に水和し、その後細断する必要がある。しかしながら、乾燥していない、又は完全には乾燥していない押出物が使用されるとき、押出物を水和させるために必要な水は少なく、且つ押出物の水和ははるかに速く起こる。
【0091】
水分が約5重量%〜約35重量%の低水分の水和され、且つ細断されたタンパク質組成物を製造するために用いられる材料は、水分が約50重量%〜約80重量%の高水分の水和され、且つ細断されたタンパク質組成物を製造するためにも使用される。大豆タンパク質、大豆子葉繊維及び他の材料が乾式ブレンドされ、混合タンク中で混合されることにより、材料が加え合わされて乾燥したブレンド大豆タンパク質原料プレミックスが形成される。あるいは、大豆タンパク質、大豆子葉繊維及び他の材料は、好ましくはプレコンディショナー中で、初めに乾式ブレンドされることなく水と直接混合され、生地を形成し得る。
【0092】
好ましくは乾燥材料及び水を含む生地混合物は、プレコンディショナー中で生地混合物を加熱することによって押出し用に調質される。好ましくは生地混合物は、約50℃(122°F)〜約80℃(176°F)、より好ましくは約60℃(140°F)〜約75℃(167°F)の温度までプレコンディショナー内で加熱される。
【0093】
次に生地混合物は押出し調理機に供給され、加熱、剪断されて、最終的には生地混合物は可塑化される。押出し調理機は、市販の押出し調理機から選択され得る。好ましくは押出し調理機は一軸スクリュー押出機であるか、又はより好ましくは二軸スクリュー押出機であり、これらは生地をスクリュー要素で機械的に剪断するものである。本発明の実施において有用な市販の押出し調理機としては、Clextral,Inc.、フロリダ州タンパ(Tampa)から市販されているClextral(登録商標)押出機、Wenger,Inc、カンザス州サベタ(Sabetha)から市販されているWenger押出機、及びClextral,Incから市販されているEvolum(登録商標)押出機が挙げられる。本発明の実施に特に好ましい押出し調理機は、Clextal,Incから入手可能なClextral(登録商標)BC72押出し調理機である。本発明の実施に好ましい別の押出し調理機は、Evolum(登録商標)からのEV32二軸スクリュー押出機である。
【0094】
生地混合物が押出し調理機により剪断及び圧力を受けると生地混合物は可塑化される。押出し調理機のスクリュー要素は、生地混合物を剪断すると同時に、押出機を通じて、及びダイを通じて生地混合物を前方に押し込むことにより押出機に圧力を生じさせる。スクリューによって生地混合物に印加される剪断及び圧力の大きさは、スクリューのモーター速度により決定される。好ましくは、スクリューのモーター速度は約200rpm〜約500rpm、及びより好ましくは約300rpm〜約400rpmの速度に設定され、それにより生地混合物は押出機内を、少なくとも毎時約20キログラム、及びより好ましくは少なくとも毎時約40キログラムの速度で進む。好ましくは押出し調理機は約500〜約1500psigの押出機バレル出口圧力を生成し、及びより好ましくは約600〜約1000psigの押出機バレル出口圧力が生成される。
【0095】
生地混合物が押出機を通過するとき、生地混合物は押出し調理機により加熱される。加熱により生地混合物中のタンパク質が変性し、生地混合物は可塑化できる。押出し調理機は、生地混合物を約100℃(212°F)〜約180℃(356°F)の温度まで加熱するための手段を含む。好ましくは、押出し調理機における生地混合物を加熱するための手段は押出機バレルジャケットを備え、そのジャケット内に蒸気又は水などの熱媒体又は冷却媒体が導入されることにより、押出機を通過する生地混合物の温度が制御され得る。押出し調理機はまた、押出機内部で生地混合物に蒸気を直接注入するための蒸気注入ポートも含み得る。押出し調理機は好ましくは、独立した温度に制御できる複数の加熱領域を含み、ここで加熱領域の温度は好ましくは、生地混合物が押出機内を通って進むとき、生地混合物の温度を上昇させるように設定される。例えば、押出し調理機は4つの温度領域構成に設定されてもよく、ここでは第1の領域(押出機入口ポートに隣接する)が約80℃(176°F)〜約100℃(212°F)の温度に設定され、第2の領域が約100℃(212°F)〜135℃(275°F)の温度に設定され、第3の領域が135℃(275°F)〜約150℃(302°F)の温度に設定され、及び第4の領域(押出機出口ポートに隣接する)が150℃(302°F)〜180℃(356°F)の温度に設定される。押出し調理機は、必要に応じて他の温度領域構成に設定されてもよい。例えば、押出し調理機は5つの温度領域構成に設定されてもよく、ここでは第1の領域が約25℃(77°F)の温度に設定され、第2の領域が約50℃(122°F)の温度に設定され、第3の領域が約95℃(203°F)の温度に設定され、第4の領域が約130℃(266°F)の温度に設定され、及び第5の領域が約150℃(302°F)の温度に設定される。
【0096】
押出し調理機には長型の冷却ダイが取り付けられ、従って可塑化された生地混合物は押出機出口ポートから出ると、押出機からこの冷却ダイを通じて流動する。生地混合物は押出し調理機内で融解して可塑化された集塊を形成し、この集塊は押出し調理機からダイへと流れ込む。冷却ダイは押出し調理機から出てくる熱い生地混合物を冷却及び成形する。冷却ダイの冷却効果によって可塑化された生地混合物に繊維形成が起こり、繊維状の肉類似製品が形成される。繊維原料は、ダイに固定されたダイプレートであり得るダイフェース面の少なくとも1つの開口部を通って冷却ダイを出る。繊維原料押出物は、ダイ開口部に隣接して配置されてダイ開口部から出てくる押出物を切断するカッティングナイフにより、所望の長さに切断される。
【0097】
冷却ダイは、ダイに隣接する押出機の最後の温度領域における押出し調理機の温度より大幅に低い温度に維持される。冷却ダイは、その温度を押出し調理機の出口温度より大幅に低い温度に維持するための手段を含む。好ましくは冷却ダイは、ダイ温度を維持するために媒体を循環させる入口ポートと出口ポートとを含む。最も好ましくは、所望のダイ温度を維持するための循環媒体として、定温の水が冷却ダイ内を循環する。好ましくは、冷却ダイは約80℃(176°F)〜約110℃(230°F)の温度に維持され、より好ましくは冷却ダイは約85℃(185°F)〜約105℃(221°F)の温度に維持され、及び最も好ましくは冷却ダイは約90℃(194°F)〜約100℃(212°F)の温度に維持される。
【0098】
冷却ダイは好ましくは、可塑化された生地原料がダイを通過する間に十分に冷却されて、適切な繊維形成が確実に起こるよう、長型の冷却ダイである。好ましい実施形態において、ダイは少なくとも約200ミリメートル長であり、及びより好ましくは少なくとも約500ミリメートル長である。本発明の方法の実施において有用な長型の冷却ダイは、例えばClextral(登録商標),Inc.、E.I.duPont de Nemours and Company、及びKobe Steel,Ltdから市販されている。
【0099】
冷却ダイ開口部の幅寸法及び高さ寸法は、生地混合物の押出しに先立ち、所望の寸法の繊維原料押出物が提供されるよう選択及び設定される。ダイ開口部の幅は、押出物を角切り肉の塊からフィレステーキに至るまで似せるように設定されてもよく、ここでダイ開口部の幅を広げると、押出物の角切り肉様の性質が弱まり、押出物のフィレ様の性質が強くなる。好ましくは、冷却ダイ開口部の幅は、約10ミリメートル〜約40ミリメートル、及び最も好ましくは約25ミリメートル〜約30ミリメートルの幅に設定される。
【0100】
冷却ダイ開口部の高さ寸法は、押出物の所望の厚さを提供するよう設定され得る。開口部の高さは、非常に薄い押出物又は厚い押出物を提供するよう設定され得る。本発明の新規の特徴は、開口部の高さが少なくとも約12ミリメートルに設定され得るため、得られる押出物が押出物の任意の断面全体にわたり繊維質となることである。本発明以前は、厚さが少なくとも約12ミリメートル(冷却ダイ開口部の高さにより決定されるものとして)の高水分の押出物は、押出物の中心部がゲル状となり、押出物の横断面全体にわたって繊維質となることはなかった。好ましくは、冷却ダイ開口部の高さは約1ミリメートル〜約30ミリメートル、及びより好ましくは約12ミリメートル〜約25ミリメートル、及び最も好ましくは約15ミリメートル〜約20ミリメートルに設定され得る。
【0101】
生地混合物の含水量が高いため、エネルギーの散逸がほとんどなく、ダイ開口部を出ると大豆タンパク質組成物押出物には膨張が起こる。結果として、大豆タンパク質組成物は、押出物がダイから押し出されて膨張しても大豆タンパク質組成物の押出物中に空気胞がほとんど入り込まないため、低水分の押出物と比較して相対的に密となる。
【0102】
本明細書に記載される再構成肉製品に使用される大豆タンパク質及び大豆子葉繊維を含有する押出物の一例は、Solae LLC(ミズーリ州セントルイス(St.Louis))から入手可能なFXP MO339である。FXP MO339は、好適な繊維質及びテクスチャーと好適な量の大豆タンパク質とを含むテクスチャーを有する押し出された乾燥大豆タンパク質製品である。具体的には、FXP MO339は、約59重量%の大豆タンパク質、約2重量%の繊維、約25重量%の小麦グルテン、約10重量%のデンプン、約0.1%のL−システイン、約0.5%の第二リン酸カルシウム及び約5.2重量%の水分を含んでなる。本明細書に記載される再構成肉製品に使用される大豆タンパク質及び大豆子葉繊維を含有する押出物の別の例は、Stentorian Industries Company Limited(台湾国)から入手可能なVETEX(登録商標)1000である。
【0103】
以下の実施例は、水和され、且つ細断されると、低水分の水和され、且つ細断された大豆タンパク質組成物を生成する低水分の押出物の調製を対象としている。
【実施例】
【0104】
実施例1
乾式ブレンド混合タンクに、1000kgのSupro 620、440kgの小麦グルテン、171kgの小麦デンプン、34kgの大豆子葉繊維、9kgの第二リン酸カルシウム、及び1kgのL−システインを添加する。内容物を混合して、乾式ブレンドされた大豆タンパク質混合物を形成する。次に乾式ブレンドをホッパーに移し、そこから乾式ブレンド物を480kgの水と共にプレコンディショナーに投入すると、調質された大豆タンパク質予備混合物が形成される。次に調質された大豆タンパク質予備混合物を25kg/分以下の速度で二軸スクリュー押出し装置に供給する。押出し装置は6つの温度制御領域を備え、タンパク質混合物は第1の領域における約100℃(212°F)から第6の領域における約150℃(302°F)までの温度に制御される。押出物の集塊は、第1の領域における少なくとも約28バールから第4の領域における約210バールまでの圧力を受ける。水60kgが、加熱領域と連通している1つ又は複数の注入ジェットを介して押出機バレルに注入される。溶融した押出し集塊はダイを通って押出機バレルから出て、集塊中に存在する水分が蒸気として消散し、それにより原料が膨張する。集塊はダイから出ると回転式ナイフで切断され、次に切断された集塊は約10重量%の含水量まで乾燥される。
【0105】
実施例2〜92は実施例1の繰り返しである。
【0106】
以下の表IIIは、上記の実施例の分析結果を示す。
【0107】
表III

【0108】
表III(続き)

【0109】
表III(続き)


【0110】
粉砕肉
動物組織から骨を分離する高圧機械を使用して除骨又は分離された生肉を機械的に生産することは、当該技術分野において周知であり、これはまず初めに、骨及び付着している動物組織を破砕し、次に篩又は同様の篩別装置のなかに、骨は送り込まずに、動物組織を送り込むことによる。本発明における動物組織とは、筋組織、臓器組織、結合組織及び皮膚を含む。処理されると、バター様の堅さを有する柔らかい動物組織の構造のないペースト様混和物が形成され、一般にこれは機械的に骨抜きした肉、すなわちMDMと称される。このペースト様混和物は、粒度が約0.25〜約15ミリメートル、好ましくは最大約5ミリメートル、及び最も好ましくは最大約3ミリメートルである。
【0111】
動物組織は生肉としても知られ、好ましくは少なくとも実質的に凍結された形態で提供され、それによって加工に先立つ微生物腐敗が回避されるが、挽かれた後には、肉は必ずしも凍結しなくとも、個々のストリップ又は断片に切断するときの容易さがもたらされる。肉粉とは異なり、生肉は天然で約50%を上回る高含水量を有し、タンパク質は変性されていない。
【0112】
本発明において使用される生肉は、人が食べるのに好適な任意の食用肉であり得る。肉は、レンダリングされていない非乾燥生肉、生肉製品、生肉副産物、及びこれらの混合物であり得る。肉又は肉製品は粉砕され、一般には微生物腐敗を回避するため完全に凍結された状態か、又は少なくとも実質的に凍結された状態で日々供給される。一般に粉砕肉の温度は約40℃(104°F)未満、好ましくは約10℃(50°F)未満であり、より好ましくは約−4℃(25°F)〜約6℃(43°F)、及び最も好ましくは約−2℃(28°F)〜約2℃(36°F)である。冷蔵肉又はチルド肉が使用されてもよいが、これは一般に、大量の未凍結肉を工場の敷地内に長期間保存するには実用的でない。冷凍製品は、冷蔵製品又はチルド製品より長い保管時間を提供する。牛肉、豚肉、鶏肉、及び七面鳥肉が、人の食用として好ましい肉製品である。本発明の方法において使用され得る動物性食品の具体例としては、豚肩肉、牛肩肉、牛バラ肉、七面鳥モモ肉、牛レバー肉、雄牛心臓肉、豚心臓肉、豚頭肉、豚ハラミ肉、機械的に骨抜きした牛肉、機械的に骨抜きした豚肉及び機械的に骨抜きした鶏肉が挙げられる。機械的に骨抜きした牛肉、機械的に骨抜きした豚肉及び機械的に骨抜きした鶏肉が好ましい。
【0113】
凍結粉砕肉の代わりに、粉砕肉は、新しく調製される粉砕肉が約40℃(104°F)以下という温度条件を満たす限り、再構成肉製品を調製するために新しく調製されてもよい。
【0114】
凍結又は未凍結生肉の含水量は、生肉の重量を基準として、一般に少なくとも約50重量%、及びほとんどの場合約60重量%〜約75重量%である。本発明の実施形態において、凍結又は未凍結生肉の脂肪含量は、少なくとも2重量%、一般に約15重量%〜約30重量%であり得る。本発明の他の実施形態においては、脂肪含量が約10重量%未満の肉製品及び脱脂した肉製品が使用されてもよい。
【0115】
冷蔵肉又はチルド肉は、約−18℃(0.4°F)〜約0℃(32°F)の温度で保存され得る。これは一般に、20キログラムのブロックで供給される。使用時、このブロックは約10℃(50°F)まで融解、すなわち解凍してもよいが、但し調節された環境中においてである。ひいては、ブロックの外層、例えば約1/4インチの深さまでが解凍又は融解され得るが、温度はなお約0℃(32°F)とし、一方で凍結したままのブロックの残りの内側部分は融解し続け、こうして外側部分を約10℃(50°F)に保ち続ける。
【0116】
用語「肉」は、ウシ、ブタ、ヒツジ及びヤギの肉身のみならず、ウマ、クジラ及び他の哺乳動物、家禽及び魚にも適用されるものと理解される。用語「肉副産物」は、限定はされないが、哺乳動物、家禽などを含み、且つアメリカ飼料検査官協会(Association of American Feed Control Officials,Incorporated)発刊の「Definitions of Feed Ingredients」にある用語「肉副産物」に包含されるような構成要素を含む屠殺動物の屠体のうちレンダリングされていない部分を指すことが意図される。用語「肉」、及び「肉副産物」は、前記協会により定義されるあらゆる動物、家禽及び海産物に適用されるものと理解される。
【0117】
使用され得る肉の例は、牛肉、子牛肉、豚肉、及び馬肉などの哺乳動物肉、並びにバイソン、雌ウシ、シカ、ヘラジカなどに由来する肉質組織などである。使用され得る家禽肉としては、鶏肉、七面鳥肉、鴨肉、又はガチョウ肉などが挙げられる。本発明の実施形態はまた、魚介類の肉質部分も利用し得る。肉としては、上層に付随する脂肪を伴うことも、又は伴わないこともある骨格の横紋筋、又は例えば、舌、横隔膜、心臓、若しくは食道に見られる横紋筋、及び通常肉身を伴う皮膚、腱、神経及び血管の一部が挙げられる。肉副産物の例は、肺、脾臓、腎臓、脳、肝臓、血液、骨、部分的に脱脂した低温脂肪組織、内容物を含まない胃、腸などの臓器及び組織である。家禽副産物としては、糞便内容物及び異物を含まない頭、脚、及び内臓などの、屠殺された家禽の屠体のレンダリングされていない清浄な部分が挙げられる。
【0118】

水としては、水道水、蒸留水又は脱イオン水が用いられる。水の目的は、大豆タンパク質組成物中に含有される大豆タンパク質、大豆子葉繊維、小麦グルテン及びデンプンの成分を水和することにより、そうした成分に水を吸収させて、大豆タンパク質組成物中に含有される大豆子葉繊維を分離させることである。典型的には、無水基準の大豆タンパク質組成物の水和水に対する比は、約1:1.75〜約1:10、好ましくは約1:2〜約1:7及び最も好ましくは約1:2.5〜約1:5である。再構成肉製品において低水分の大豆タンパク質組成物が利用される場合には、より多くの水和水が用いられる。再構成肉製品において高水分の大豆タンパク質組成物が利用される場合には、より少ない水和水が用いられる。水の温度は、0℃(32°F)〜最高約30℃(86°F)の範囲であり得る。水和時間は、大豆タンパク質組成物の含水量、利用される水の量及び水の温度に応じて、約30分間〜最長数時間であり得る。
【0119】
再構成肉製品は、
水和され、且つ細断されたタンパク質組成物、好ましくは水和され、且つ細断された大豆タンパク質組成物(タンパク質組成物の約75重量%が、少なくとも約4センチメートル長のタンパク質繊維、少なくとも約3センチメートル長のタンパク質ストランド、及び少なくとも約2センチメートル長のタンパク質塊を含んでなる少なくとも約15重量%の断片を含んでなり、且つ
タンパク質組成物の少なくとも約75重量%が少なくとも約1400グラムの剪断強度を有する)を、
粉砕肉(粉砕肉の温度は約40℃(104°F)未満である)と
加え合わせるステップ、及び
水和され、且つ細断された好ましい大豆タンパク質組成物と粉砕肉とを混合することにより、含水量が少なくとも約50%の均質で繊維質、且つ構造を有する肉製品を生成するステップ、
を含んでなる方法により調製される。
【0120】
好ましい大豆タンパク質組成物の水和前の、無水基準による大豆タンパク質組成物の無水基準による粉砕肉との重量比は、一般に約1:0.25〜約1:50、好ましくは約1:1〜約1:40及び最も好ましくは約1:2〜約1:20である。繊維原料に細断後の水和された大豆タンパク質組成物と粉砕肉とが混合装置で加え合わされ混合されると、均質な再構成肉製品が得られる。
【0121】
本発明の製品及び方法は、水和され、且つ細断された好ましい大豆タンパク質組成物と粉砕肉と水とを、開示されたタンパク質組成物の粉砕肉に対する比、及びタンパク質組成物の水に対する比のとおり組み合わせることにより達成される。大豆タンパク質組成物は、まず初めに水により水和され、次に細断されて繊維を露出させる。水和が完了すると、粉砕肉が添加され、均質な集塊状の再構成肉製品が得られるまで内容物が混合される。この時点において、均質な再構成肉製品は、手作業又は機械のいずれかによって、ストリップ、ステーキ、カットレット、パテ、カバブ用の挽肉状又はほぼ角切り形状に成形され得る。均質な再構成肉製品はまた、透過性又は不透過性のケーシングに詰められてもよい。
【0122】
再構成肉製品はまた、ゲル化タンパク質、動物性脂肪、塩化ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、着色料、硬化剤、抗酸化剤、抗菌剤、香料、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つもさらに含んでなり得る。
【0123】
ゲル化タンパク質は、大豆タンパク質粉、大豆タンパク質分離物及び大豆タンパク質濃縮物からなる群から選択される。これらは、大豆タンパク質組成物の調製において利用される大豆タンパク質と同じである。ゲル化タンパク質として有用な大豆タンパク質分離物は、高い粘度の、及び/又は中程度に/高度にゲル化した分離大豆タンパク質である。ゲル化タンパク質は再構成肉製品内にゲル化マトリクスを提供する。ゲル化タンパク質として使用される高い粘度の、及び/又は中程度に/高度にゲル化した分離大豆タンパク質(すなわち、加水分解されていない)の好適な供給源としては、Solae LLC(ミズーリ州セントルイス(St.Louis))から入手可能なSUPRO(登録商標)620、SUPRO(登録商標)500E、SUPRO(登録商標)630、及びSUPRO(登録商標)EX33、Archer Daniels Midland(イリノイ州ディケーター(Decatur))から入手可能なPROFAM 981、及びCargill Soy Protein Solutions,Inc.(ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis))から入手可能なPROLISSE(登録商標)大豆タンパク質分離物が挙げられる。ゲル化タンパク質は無水基準で、約2重量%〜約10重量%で存在する。
【0124】
動物性脂肪は、高度に飽和した特性を有するトリグリセリドである。典型的には動物性脂肪は、室温では固形又はろう状の性質を有する。動物性脂肪の目的は、調理されていない状態の再構成肉製品においてはゲル化剤として、及び調理された状態では香味補助剤として機能することである。動物性脂肪は一般に、無水基準で約1重量%〜約30重量%、及び好ましくは無水基準で約2重量%〜約10重量%で存在する。
【0125】
塩化ナトリウム及びリン酸ナトリウムは、再構成肉製品に混合されると粉砕肉中の筋原線維タンパク質を抽出/可溶化する塩である。これらの塩は、単独で、又は組み合わせて使用され、香味増進剤であることに加え、再構成肉製品中の粉砕肉をまとめる働きもまた有する。これらの塩は一般に、それぞれ、無水基準で約0.1重量%〜約4.0重量%、及び無水基準で約0.1重量%〜約1.0重量%で存在する。好ましくはこれらの塩は、それぞれ、無水基準で約0.5重量%〜約2.0重量%、及び無水基準で約0.2重量%〜約0.5重量%で存在する。
【0126】
着色料は再構成肉製品の見栄えをよくする。着色料は、調理されていない状態では再構成肉製品に赤色を、並びに調理された状態では茶色を与える。着色料の例は、カラメル色素、パプリカ、シナモン及びFD&C(Food,Drug and Cosmetic)赤色3号(A.K.A.食用赤色14号及びエリスロシンBS)、FD&C黄色5号(A.K.A.食用黄色4号及びタートラジン)、FD&C黄色6号(A.K.A.食用黄色3号及びサンセットイエローFCF)、FD&C緑色3号(A.K.A.食用緑色3号及びファストグリーンFCF)、FD&C青色2号(A.K.A.食用青色1号及びインジゴカルミン)、FD&C青色1号(A.K.A.食用青色2号及びブリリアントブルーFCF)、及びFD&C紫色1号(A.K.A.食用紫色2号及びバイオレットB6)、並びに亜硝酸ナトリウムなどの食用着色料であり、このうち亜硝酸ナトリウムは硬化剤としても機能する。カラメルが好ましく、これは色の範囲が多様であり得る。
【0127】
カラメルとは、非晶質で暗褐色の潮解性粉末、又は苦味があり、焦げた砂糖の香りがし、且つ比重が約1.35の濃厚な液体を意味する。カラメルは水及び希アルコールに対し可溶性である。カラメルは、炭水化物又は糖原料、例えば、デキストロース、転化糖、ラクトース、麦芽シロップ、糖蜜、スクロース、加水分解デンプン及びこれらの画分を慎重に制御しながら熱処理することにより調製される。熱処理中に用いてカラメル化を補助し得る他の原料としては、酸(例えば酢酸、クエン酸、リン酸、硫酸及び亜硫酸)、及び塩(例えば炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム、重炭酸塩、二塩基性リン酸塩又は一塩基性リン酸塩)が挙げられる。
【0128】
米国特許第3,733,405号明細書に記載されるカラメルの一製造方法においては、サトウキビ又はトウモロコシのいずれかの液糖が、米国食品医薬品局(Food and Drug Administration)により認可された1種の、又は組み合わせによる試薬と共に反応容器に圧送され、混合物が加熱される。温度は約121℃(250°F)〜約260℃(500°F)に維持され、生成物が毎平方インチ当たり約15〜約250ポンドの圧力(psi)に保たれながら、重合が起こる。処理が完了すると、生成物はフラッシュクーラーに排出され、ここで温度が約65℃(150°F)まで降下する。次に製品はろ過、冷却されたうえ、貯蔵庫に圧送される。
【0129】
着色料は、液体が使用される場合、再構成肉製品の重量の約0.1%〜約2%の範囲、好ましくは約0.2%〜約1%の範囲、及び最も好ましくは約0.25%〜約0.75%の範囲で再構成肉製品中に存在することが好ましい。
【0130】
再構成肉製品の由来源が肉であったとしても、再構成肉製品に香料を添加して香り及び味を増進することが有利である。香料は天然のものか、又は人工的なものである。香料は、ビーフフレーバー、ポークフレーバー、及びチキンフレーバーからなる群から選択される。ビーフフレーバーが好ましい。香料は、一般に無水基準で約0.1重量%〜約5.0重量%、及び好ましくは無水基準で約0.5重量%〜約3.0重量%で存在する。
【0131】
再構成肉製品が、ゲル化タンパク質、動物性脂肪、塩化ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、着色料、硬化剤、抗酸化剤、抗菌剤、香料、又はこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つをさらに含んでなる場合、製品及び方法は、植物性タンパク質組成物、粉砕肉、及び水のみを利用する製品及び方法と同様の手順で達成される。まず初めに植物性タンパク質組成物を水で水和し、さらに細断して、繊維を露出及び分離させる。水和及び細断が完了すると、着色料が添加される。粉砕肉及び水を添加して、均質な集塊が得られるまで内容物を混合する。続いて、動物性脂肪、香料、塩化ナトリウム、及びトリポリリン酸ナトリウム、並びにゲル化タンパク質を添加する。
【0132】
均質な再構成肉製品は、手作業又は機械のいずれかによって、ストリップ、ステーキ、カットレット、パテ、又はカバブ用のほぼ角切り形状に成形され得る。均質な再構成肉製品はミートスティックに成形されてもよい。均質な再構成肉製品はまた、透過性又は不透過性のケーシングに詰めてソーセージを形成してもよい。
【0133】
再構成肉製品は、ゲル化タンパク質を含むものも、又は含まないものも、例えばジャーキーとして乾燥させてもよく、又は例えばサラミとして部分的に乾燥させてもよい。好ましくは再構成肉製品は乾燥前の含水量が少なくとも約50%である。乾燥させた、又は部分的に乾燥させた再構成肉製品は、含水量が約15〜約45%である。乾燥肉製品の例はジャーキー製品である。
【0134】
一度成形された再構成肉製品は、調理されるか、後で仕上げるために部分的に調理されるか、又は、未調理状態、部分的に調理された状態、若しくは調理された状態で凍結される。調理としては、ソテー又はディープフライのいずれかとしてフライする、焼く、燻製にする、及び衝突加熱することが挙げられる。完全に調理された再構成肉製品は、さらに薄切りにされるか、細断されるか、又は挽かれてもよい。
【0135】
さらに、再構成肉製品は発酵に供され得る。肉製品は、肉製品のpHを約4.0〜約5.2に調整することにより発酵する。発酵は、乳酸培養物、クエン酸、グルコノデルタラクトン、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つを添加することにより達成される。
【0136】
本発明のジャーキー製品は、骨の形状、チョップ形状、円形、三角形、鶏の骨の形状、四角形、矩形、ストリップの形状など、様々な形状で生産され得る。単一のダイロール上で様々な形状のモールド又はキャビティを使用することにより、異なる形状が同時に生産され得る。さらに断片には、ダイロールのキャビティ又はモールド内に含まれるロゴ又はデザインが型押し又は打出しされ得る。
【0137】
本発明のジャーキー製品は、ホイルで内張りした袋などの適切な防湿包装状態では、冷蔵保存されていない条件下で少なくとも約6ヶ月、及び好ましくは少なくとも約12ヶ月の自己安定性を呈する。さらに再構成肉製品は、自己安定性の細断されたミートクランブルとして製造することもできる。ミートクランブルは典型的には香辛料及び香味料と共に作られ、水分活性が約0.65〜最高約0.8である。ミートクランブルは、高タンパク質米のトッピング、ミートスナック、及びメキシコ料理「マチャカ」の代用物として食することができる。
【0138】
再構成肉製品(乾燥前の、部分的に乾燥した、乾燥した、調理済みの、又は未調理のもの)は、そのまま包装され得る。再構成肉製品(乾燥前の、部分的に乾燥した、乾燥した、調理済みの、又は未調理のもの)のさらなる加工は、例えば凍結トンネルでショック凍結し、続いて、例えばプラスチックポーチなどの、好適な種類の入れ物に自動分割包装することであり得る。製品について、通常食べる前に製品がディープフライされるか、又は焼かれるファストフード店又は外食産業での利用が意図される場合に、前記種類のさらなる加工及び包装が好適である。
【0139】
あるいは、再構成肉製品(乾燥前の、部分的に乾燥した、乾燥した、調理済みの、又は未調理のもの)の成形後、炭水化物溶液又は関連する物質を製品の表面に噴霧することも可能であり、これによってディープフライ中又は焼上げ中に均一な焦げ色が得られる。続いて、ここで製品はショック凍結でき、販売量に分割包装(すなわち、ポーチ中に)される。再構成肉製品はまた、ディープフライする代わりに、消費者が対流式オーブンで焼くか、又は料理することもできる。さらに、再構成肉製品はまた、調理前又は調理後にパン粉をまぶすか、又は別の種類のコーティングで衣をつけることもできる。加えて再構成肉製品は、存在する可能性のある一切の微生物を死滅させるため、レトルト調理できる。
【0140】
再構成肉製品はまた、調理されていても、又は調理されていなくても、従来の方式で、且つ従来式の密封手順を用いて、缶のなかに包装及び密封されてもよい。通常、この段階で缶は65℃〜77℃の温度に維持され、レトルト又は調理段階中の缶詰作業と滅菌との間の時間におけるいかなる微生物学的腐敗のリスクも回避するよう、可能な限り速やかにレトルト又は調理段階までが行なわれる。
【0141】
再構成肉製品が成形されて確実に無傷の筋肉のテクスチャーを有するようにするためには、タンパク質組成物の少なくとも約75重量%が、少なくとも約4センチメートル長の植物性タンパク質繊維、少なくとも約3センチメートル長の植物性タンパク質ストランド、及び少なくとも約2センチメートル長の植物性タンパク質塊を含んでなる少なくとも約15重量%の大型断片を含有し、且つタンパク質組成物の少なくとも約75重量%が、少なくとも約1400グラムの剪断強度を有する必要がある。
【0142】
野菜製品は、
水和され、且つ細断されたタンパク質組成物、好ましくは水和され、且つ細断された大豆タンパク質組成物(タンパク質組成物の約75重量%が、少なくとも約4センチメートル長のタンパク質繊維、少なくとも約3センチメートル長のタンパク質ストランド、及び少なくとも約2センチメートル長のタンパク質塊を含んでなる少なくとも約15重量%の断片を含んでなり、且つ
タンパク質組成物の少なくとも約75重量%が、少なくとも約1400グラムの剪断強度を有する)を
粉砕野菜と
加え合わせるステップと、
水和され、且つ細断された好ましい大豆タンパク質組成物と粉砕野菜とを混合して、均質で繊維質、且つ構造を有する野菜製品を生成するステップと、
を含んでなる方法により調製される。
【0143】
上記の方法により調製される野菜製品の例は、ベジタリアン用パテ、ベジタリアン用ホットドッグ、ベジタリアン用ソーセージ、及びベジタリアン用クランブルを含むベジタリアン用食品である。
【0144】
ベジタリアン用食品の別の例は、水和され、且つ細断されたタンパク質組成物を供したチーズである。
【0145】
果実製品は、
水和され、且つ細断されたタンパク質組成物、好ましくは水和され、且つ細断された大豆タンパク質組成物(タンパク質組成物の約75重量%が、少なくとも約4センチメートル長のタンパク質繊維、少なくとも約3センチメートル長のタンパク質ストランド、及び少なくとも約2センチメートル長のタンパク質塊を含んでなる少なくとも約15重量%の断片を含んでなり、且つ
タンパク質組成物の少なくとも約75重量%が、少なくとも約1400グラムの剪断強度を有する)を
粉砕果実と
加え合わせるステップと、
水和され、且つ細断された好ましい大豆タンパク質組成物と粉砕果実とを混合して、均質で繊維質、且つ構造を有する果実製品を生成するステップと、
を含んでなる方法により調製される。
【0146】
上記の方法により調製される果実製品の例は、フルーツロールアップ、シリアル、及びフルーツクランブルを含むスナック食品である。
【0147】
概して上記に説明されている本発明は、以下に記載される実施例を参照することにより、より良く理解され得る。以下の実施例は、具体的だが非限定的な本発明の実施形態を表す。
【0148】
実施例93
混合容器に約10℃(50°F)の水道水3625グラムを添加し、大豆タンパク質分離物、大豆子葉繊維、小麦グルテン及びデンプンを含んでなる、Solae,LLC、ミズーリ州セントルイス(St.Louis)から入手可能なFXP MO339として指定される乾燥した低水分(約7%〜約12%)の大豆タンパク質組成物1160グラムを、大豆タンパク質組成物が水和して繊維が分離するまで攪拌しながら添加する。ミキサーに、含水量が少なくとも約50%の機械的に骨抜きした鶏肉の粉砕肉5216グラムを添加する。機械的に骨抜きした鶏肉の温度は、約2℃(36°F)〜約4℃(39°F)である。均質な再構成肉製品が得られるまで内容物を混合する。再構成肉製品をHollymatic成形機に移し、ここで再構成肉製品はステーキ又はカットレットに成形され、その後凍結される。
【0149】
実施例94
実施例1の手順が繰り返されるが、但し、大豆タンパク質分離物、大豆子葉繊維、小麦グルテン及びデンプンを含んでなる乾燥していない低水分(約28〜約35%)の大豆タンパク質組成物1500グラムが3175グラムの水で水和される点を除く。再構成肉製品を肉詰機に移し、ここで再構成肉製品は不透過性のケーシングに詰められ、その後凍結される。肉詰機は、限定はされないが、イリノイ州エルクグローブビレッジ(Elk Grove Village)にあるHITEC Food Equipment,Inc.、アイオワ州デモイン(Des Moines)にあるTownsend Engineering Co.、マサチューセッツ州カントン(Canton)にあるRobert Reiser & Co.,Inc.、及びイリノイ州バッファローグローブ(Buffalo Grove)にあるHandtmann,Inc.を含む様々な商業的製造業者から入手可能である。
【0150】
実施例95
第1の混合容器に約12℃(54°F)の水道水2127グラムを添加し、乾燥した低水分(約7%〜約12%)の大豆タンパク質組成物1000グラムを、大豆タンパク質組成物が水和して繊維が分離するまで攪拌しながら添加する。次にカラメル色素43グラムを、水和した大豆タンパク質組成物に添加する。約2℃(36°F)で、含水量が約50%の機械的に骨抜きした鶏肉の粉砕肉4500グラムを添加する。次に100グラムの塩化ナトリウム及び30グラムのトリポリリン酸ナトリウムを添加して粉砕肉中の筋原線維タンパク質を抽出/可溶化することによりまとめる。混合を続けたまま、500グラムの牛脂及び100グラムのビーフフレーバーを添加し、混合を続ける。第2の混合容器の中で600グラムのSupro(登録商標)620のゲル化タンパク質を1000グラムの水中で水和させたうえ、第1の混合容器に添加する。均質な再構成肉製品が得られるまで内容物を混合する。再構成肉製品をHollymatic(Hollymatic Corp.、イリノイ州パークフォレスト(Park Forest))成形機に移し、ここで再構成肉製品はパテに成形され、その後凍結される。
【0151】
実施例96
混合容器に約10℃(50°F)の水道水3000グラムを添加し、Supro(登録商標)620から調製された大豆タンパク質押出物1500グラムを、大豆タンパク質組成物が水和して繊維が細断により分離するまで攪拌しながら添加する。ミキサーに含水量が約50%の機械的に骨抜きした鶏肉の粉砕肉5000グラムを添加する。機械的に骨抜きした鶏肉の温度は約2℃(36°F)〜約4℃(39°F)である。均質な再構成肉製品が得られるまで内容物を混合する。再構成肉製品をHollymatic成形機に移し、ここで再構成肉製品はステーキ又はカットレットに成形され、次に凍結される。
【0152】
実施例97
実施例96の手順が繰り返されるが、但し、水和され、且つ細断された大豆タンパク質組成物が、大豆タンパク質分離物、米粉、及び無グルテンデンプンを含んでなる点を除く。
【0153】
実施例98
実施例96の手順が繰り返されるが、但し、水和され、且つ細断された大豆タンパク質組成物が、大豆タンパク質分離物及び米粉を含んでなる点を除く。
【0154】
実施例99
実施例96の手順が繰り返されるが、但し、水和され、且つ細断された大豆タンパク質組成物が、大豆タンパク質分離物及び無グルテンデンプンを含んでなる点を除く。
【0155】
実施例100
実施例96の手順が繰り返されるが、但し、水和され、且つ細断された大豆タンパク質組成物が、大豆タンパク質分離物、小麦粉及びデンプンを含んでなる点を除く。
【0156】
実施例101
実施例96の手順が繰り返されるが、但し、水和され、且つ細断された大豆タンパク質組成物が、大豆タンパク質分離物及び大豆子葉繊維を含んでなる点を除く。
【0157】
実施例102
実施例96の手順が繰り返されるが、但し、水和され、且つ細断された大豆タンパク質組成物が、大豆タンパク質分離物、大豆子葉繊維、及び小麦グルテンを含んでなる点を除く。
【0158】
実施例103
混合容器に約10℃(50°F)の水道水3383グラムを添加し、FXP MO339として指定される乾燥した低水分(約7%〜約12%)の大豆タンパク質押出物1208グラムを、大豆タンパク質押出物が水和して繊維が細断により分離するまで攪拌しながら添加する。ミキサーに、含水量が少なくとも約50%の機械的に骨抜きした鶏肉の粉砕肉3340グラムと、脂肪含量が約10%の1/2インチ挽きの牛肉3383グラムとを添加する。機械的に骨抜きした鶏肉及び牛挽肉の温度は約2℃(36°F)〜約4℃(39°F)である。また、塩、エリソルビン酸塩、亜硝酸ナトリウム、デキストロース、粗挽き黒コショウ、ナツメグ、メース、ニンニク顆粒、コリアンダー、赤唐辛子、及び水で戻したLHPスターター培養物といった様々な着色料及び香料も添加する。均質な再構成肉製品が得られるまで内容物を混合する。次に再構成肉製品をミートスティックに成形する。
【0159】
実施例104
本発明は、その好ましい実施形態との関連で説明されてきたが、この記載を読めば、当業者にはその様々な修正例が明らかとなるであろうことは理解されるべきである。従って、本明細書に開示される本発明は、かかる修正例を、添付の特許請求の範囲の範囲内に該当するものとして包含するよう意図されることは理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水和され、且つ細断されたタンパク質組成物であって、前記タンパク質組成物の約75重量%が、少なくとも約4センチメートル長のタンパク質繊維、少なくとも約3センチメートル長のタンパク質ストランド、及び少なくとも約2センチメートル長のタンパク質塊を含んでなる少なくとも約15重量%の断片を含んでなり、且つ
前記タンパク質組成物の少なくとも約75重量%が、少なくとも約1400グラムの剪断強度を有する、水和され、且つ細断されたタンパク質組成物。
【請求項2】
前記タンパク質が、植物性タンパク質、乳タンパク質、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の水和され、且つ細断されたタンパク質組成物。
【請求項3】
前記タンパク質が小麦グルテンをさらに含んでなる、請求項2に記載の水和され、且つ細断されたタンパク質組成物。
【請求項4】
前記植物性タンパク質が、マメ科植物、大豆、トウモロコシ、エンドウ豆、カノーラ種、ヒマワリ種、米、アマランス、ルピナス、菜種油、及びこれらの混合物に由来するタンパク質からなる群から選択される、請求項2に記載の水和され、且つ細断されたタンパク質組成物。
【請求項5】
前記タンパク質が、小麦タンパク質、小麦グルテン、及びこれらの混合物をさらに含んでなる、請求項2に記載の水和され、且つ細断されたタンパク質組成物。
【請求項6】
前記植物性タンパク質が大豆タンパク質である、請求項2に記載の水和され、且つ細断されたタンパク質組成物。
【請求項7】
前記大豆タンパク質が、大豆タンパク質分離物、大豆タンパク質濃縮物、大豆タンパク質粉、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項6に記載の水和され、且つ細断されたタンパク質組成物。
【請求項8】
前記大豆タンパク質が大豆タンパク質分離物である、請求項7に記載の水和され、且つ細断されたタンパク質組成物。
【請求項9】
デンプン、無グルテンデンプン、米粉、小麦粉、小麦グルテン、大豆子葉繊維、及びこれらの混合物からなる群から選択される構成成分をさらに含んでなる、請求項7に記載の水和され、且つ細断されたタンパク質組成物。
【請求項10】
無水基準で約1重量%〜約20重量%の大豆子葉繊維をさらに含んでなる、請求項7に記載の水和され、且つ細断されたタンパク質組成物。
【請求項11】
無水基準で約10重量%〜約40重量%の小麦グルテンをさらに含んでなる、請求項10に記載の水和され、且つ細断されたタンパク質組成物。
【請求項12】
無水基準で約5重量%〜約15重量%のデンプンをさらに含んでなる、請求項11に記載の水和され、且つ細断されたタンパク質組成物。
【請求項13】
無水基準で約30重量%〜約90重量%の大豆タンパク質を含んでなる、請求項12に記載の水和され、且つ細断されたタンパク質組成物。
【請求項14】
含水量が約5%〜約80%である、請求項1に記載の水和され、且つ細断されたタンパク質組成物。
【請求項15】
再構成肉製品であって、
水和され、且つ細断されたタンパク質組成物と、
粉砕肉と、
水と、
を含んでなり、
前記水和され、且つ細断されたタンパク質組成物の少なくとも約75重量%が、少なくとも約4センチメートル長のタンパク質繊維、少なくとも約3センチメートル長のタンパク質ストランド、及び少なくとも約2センチメートル長のタンパク質塊を含んでなる少なくとも約15重量%の断片を含んでなり、且つ
前記タンパク質組成物の少なくとも約75重量%が、少なくとも約1400グラムの剪断強度を有する、再構成肉製品。
【請求項16】
前記水和され、且つ細断されたタンパク質が、植物性タンパク質、乳タンパク質、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項15に記載の再構成肉製品。
【請求項17】
前記水和され、且つ細断されたタンパク質が小麦グルテンをさらに含んでなる、請求項16に記載の再構成肉製品。
【請求項18】
前記水和され、且つ細断されたタンパク質が、マメ科植物、大豆、トウモロコシ、エンドウ豆、カノーラ種、ヒマワリ種、米、アマランス、ルピナス、菜種油、及びこれらの混合物に由来するタンパク質からなる群から選択される、請求項16に記載の再構成肉製品。
【請求項19】
前記水和され、且つ細断されたタンパク質が、小麦タンパク質、小麦グルテン、及びこれらの混合物をさらに含んでなる、請求項16に記載の再構成肉製品。
【請求項20】
前記水和され、且つ細断されたタンパク質が大豆タンパク質である、請求項18に記載の再構成肉製品。
【請求項21】
前記大豆タンパク質が、大豆タンパク質分離物、大豆タンパク質濃縮物、大豆タンパク質粉、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項20に記載の再構成肉製品。
【請求項22】
前記大豆タンパク質が大豆タンパク質分離物である、請求項21に記載の再構成肉製品。
【請求項23】
デンプン、無グルテンデンプン、米粉、小麦粉、小麦グルテン、大豆子葉繊維、及びこれらの混合物からなる群から選択される構成成分をさらに含んでなる、請求項21に記載の再構成肉製品。
【請求項24】
前記大豆タンパク質組成物中に無水基準で約1重量%〜約20重量%の大豆子葉繊維をさらに含んでなる、請求項21に記載の再構成肉製品。
【請求項25】
前記大豆タンパク質組成物中に無水基準で約10重量%〜約40重量%の小麦グルテンをさらに含んでなる、請求項24に記載の再構成肉製品。
【請求項26】
前記大豆タンパク質組成物中に無水基準で約5重量%〜約15重量%のデンプンをさらに含んでなる、請求項25に記載の再構成肉製品。
【請求項27】
前記水和され、且つ細断されたタンパク質組成物中に無水基準で約30重量%〜約90重量%の大豆タンパク質を含んでなる、請求項26に記載の再構成肉製品。
【請求項28】
前記水和され、且つ細断されたタンパク質組成物の含水量が約5%〜約80%である、請求項15に記載の再構成肉製品。
【請求項29】
前記粉砕肉の含水量が少なくとも約50重量%である、請求項15に記載の再構成肉製品。
【請求項30】
ゲル化タンパク質、動物性脂肪、塩化ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、着色料、硬化剤、抗酸化剤、抗菌剤、香料、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つをさらに含んでなる、請求項15に記載の再構成肉製品。
【請求項31】
前記ゲル化タンパク質が、大豆タンパク質分離物、大豆タンパク質濃縮物、大豆タンパク質粉、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項30に記載の再構成肉製品。
【請求項32】
前記再構成肉製品の含水量が乾燥前に少なくとも約50%であり、乾燥後の含水量が約15〜約45%である、請求項15に記載の再構成肉製品。
【請求項33】
無水基準による前記タンパク質組成物の無水基準による粉砕肉との重量比が約1:0.25〜約1:50である、請求項15に記載の再構成肉製品。
【請求項34】
ストリップ、ステーキ、カットレット、パテ、カバブ用の挽肉状又はほぼ角切り形状に成形された、請求項15に記載の再構成肉製品。
【請求項35】
透過性又は不透過性のケーシングに詰められた、請求項15に記載の再構成肉製品。
【請求項36】
乳酸培養物、グルコノデルタラクトン、クエン酸、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つを添加することにより発酵させた、請求項15に記載の再構成肉製品。
【請求項37】
野菜製品であって、
水和され、且つ細断されたタンパク質組成物と、
粉砕野菜と、
水と、
を含んでなり、
前記水和され、且つ細断されたタンパク質組成物の少なくとも約75重量%が、少なくとも約4センチメートル長のタンパク質繊維、少なくとも約3センチメートル長のタンパク質ストランド、及び少なくとも約2センチメートル長のタンパク質塊を含んでなる少なくとも約15重量%の断片を含んでなり、且つ
前記タンパク質組成物の少なくとも約75重量%が、少なくとも約1400グラムの剪断強度を有する、
野菜製品。
【請求項38】
果実製品であって、
水和され、且つ細断されたタンパク質組成物と、
粉砕果実と、
水と、
を含んでなり、
前記水和され、且つ細断されたタンパク質組成物の少なくとも約75重量%が、少なくとも約4センチメートル長のタンパク質繊維、少なくとも約3センチメートル長のタンパク質ストランド、及び少なくとも約2センチメートル長のタンパク質塊を含んでなる少なくとも約15重量%の断片を含んでなり、且つ
前記タンパク質組成物の少なくとも約75重量%が、少なくとも約1400グラムの剪断強度を有する、
果実製品。

【公表番号】特表2009−537177(P2009−537177A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−512226(P2009−512226)
【出願日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際出願番号】PCT/US2007/069153
【国際公開番号】WO2007/137122
【国際公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(504140299)ソレイ リミテッド ライアビリティ カンパニー (42)
【Fターム(参考)】