説明

ターン制ビデオゲームにおけるアクションチャージ

【課題】ビデオゲーム内のキャラクタにより実行されるアクションのパワーレベルに影響を与える方法およびシステムを提供する。
【解決手段】ターン制ビデオゲームにおいて、プレイヤキャラクタは、デフォルトのパワーレベルで、即座にアクションを実行するか、または、別のキャラクタのターンの後になるまでアクションを遅らせるが、増加した、すなわち、チャージしたパワーレベルでアクションを実行するかを決定することができる。ターンシーケンスは、ビデオゲームのグラフィックユーザインターフェースの一部として、表示することができる。ビデオゲームは、受信されたユーザ入力に基づき、ターンシーケンスに沿って、アクションメータを増加させることができるので、増加した、すなわち、チャージしたパワーレベルをもたらすのに、どれくらいの遅延が生じるかという表示を、プレイヤに提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
コンピュータゲームおよびビデオゲームは、「Pong」のようなものから、鮮やかなストーリー展開の壮大なアドベンチャ、写真のようにリアルな描写のグラフィック、および、複雑な対話型システムにまで発展してきた。それによって、プレイヤは、ビデオゲームによりエミュレートされた代替的なリアリティに没頭するようになった。本明細書において、ビデオゲームには、データ処理装置上でプレイされる任意のゲームを含めることができるが、これに限定されるものではない。ビデオゲームの例には、コンピュータゲーム、ゲーム機のゲーム(例えば、Xbox(登録商標)、PlayStation(登録商標)、および/または、Nintendo(登録商標)を商標とするゲーム機でプレイ可能なゲーム)、硬貨式もしくは代用硬貨式(token-operated)のアーケードゲーム、ポータブルゲーム機のゲーム(例えば、Nokia N−Gage(登録商標)、PlayStation Portable、Nintendo DS、携帯電話などでプレイ可能なゲーム)、または、その他のソフトウェア駆動型ゲームを含めることができる。
【0002】
ビデオゲームは、例えば、ファーストパーソンシュータ(FPS:First-Person Shooter)、ロールプレイングゲーム(RPG:Role-Playing Game)、シミュレーション、スポーツ、戦略、およびドライブなどの多様なジャンルの形式で提供されている。各ビデオゲームは、必ずしも1つのジャンルに限定される必要はなく、実際に複数のジャンルを含むことができる。RPGとは、一般的に、各参加者が、ゲーム内のキャラクタ(例えば、冒険家、モンスター、またはその他のプレイヤキャラクタ)の役割を担うゲームを指す。このキャラクタは、ゲームの仮想世界内で、相互に交流することができる。プレイヤ/ユーザによりコントロールされるキャラクタは、プレイヤキャラクタ(PC:Player-Character)と呼ばれる。コンピュータによりコントロールされるキャラクタは、非プレイヤキャラクタ(NPC:Non-Player-Character)と呼ばれる。
【0003】
全てではないとしても、ほとんどのRPGは、格闘システムを用いており、PCおよびNPCは、その格闘システムを介して、シミュレートされた格闘、および/または、戦闘を行う。本明細書では、これをキャラクタ対戦(character engagement)と呼ぶ。本明細書では、格闘をシミュレートするためにRPGが用いるシステムを、戦闘システムと呼ぶ。戦闘システムは通常、ビデオゲームのソフトウェアモジュールとして、実装される。周知の一戦闘システムは、リアルタイム戦闘システムであり、これによって、入力がプレイヤから受信されるとすぐに、プレイヤキャラクタは、別のキャラクタがアクションを起こすのを待つことなく、アクションを起こす。別の周知の戦闘システムは、大まかに言うと、ターン制戦闘システムと呼ぶことができる。ターン制戦闘システムでは、各キャラクタは、予め定められた順番でアクションを実行する。この予め定められた順番は、キャラクタ対戦が決着するまでの、例えば、一キャラクタまたはチームが勝利するまでの、キャラクタ対戦に関与する全てのプレイヤキャラクタおよび非プレイヤキャラクタの順次連続する順番などである。
【0004】
ターン制戦闘システムの周知の一変形形態は、キャラクタ対戦中の各キャラクタに関連付けられた素早さの属性に基づいて、順次する順番を変更するものである。すなわち、高い素早さの値を有するキャラクタは、低い素早さの値を有するキャラクタより、頻繁に攻撃することができる可能性が高い。次いで、各キャラクタは、変更された順番で、何らかのアクションを実行する。PCのアクションは、プレイヤ(すなわち、ビデオゲームのユーザ)が与えるユーザ入力に基づくのに対し、NPCのアクションは、ビデオゲームロジックによりコントロールされる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のいくつかの側面の基本的理解を提供するために、以下により、本発明の簡単な要旨が提供される。この要旨は、本発明の広範囲に及び全体像ではない。本発明の主要部もしくは重要な要素を特定する、または、本発明の範囲を示すよう意図するものではない。次に続く要旨は、単に、以下で提供するより詳細な説明の前置きとして、簡単な形式で、本発明のいくつかのコンセプトを提供しているに過ぎない。
【0006】
本発明の諸側面は、ターン制ビデオゲームにおいて、キャラクタのアクション(例えば、魔法をかける、攻撃に対して防御する、負傷を回復するなど)のパワーレベルに影響を与えることに関する。ビデオゲームは、そのグラフィックユーザインターフェースの一部として、ターンシーケンスを表示することができる。ターンシーケンスは、ビデオゲーム内のキャラクタ(プレイヤキャラクタおよび非プレイヤキャラクタ)の現在のターンの順番を示す。プレイヤは、自分のターンになったとき、デフォルト(通常)のパワーレベルで、即座に所望のアクションを実行するか、または、アクションをしばらくの間遅らせるが、増加したパワーレベルでアクションを実行するかを決定することができる。
【0007】
ユーザのターン中、ユーザが、自分のパワーレベルをチャージするために、アクションを遅らせるよう決定した場合、ユーザは、プレイヤが被るのをいとわない遅延量に基づいて、どれくらいアクションをチャージするのかを決定することができる。ユーザは、ターンシーケンスと共に表示されるアクションメータをコントロールすることができる。ここで、アクションメータは、ユーザのコントロールの下、ターンシーケンスに沿って、増加する。ユーザが、ユーザ入力を与えることを止める、または、別の方法により、アクションメータを止めることを指示することによって、所望のチャージまたは遅延が十分であると示したとき、ビデオゲームは、アクションメータの最後尾位置に基づいて、ターンシーケンスを再配列する(reorder)。例えば、アクションメータが、ターンシーケンスにおいて、キャラクタXとキャラクタYとの間にある場合、ターンシーケンスは、プレイヤキャラクタのターンは、キャラクタXの後であるが、キャラクタYの前に、生じる。結果として生じるパワーレベルのチャージ量はまた、ユーザが被る遅延にも基づく。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の様々な特徴および利点については、添付の図面を参酌しながら、以下の説明を参照することによって、より完全に理解を得ることができる。図面中、類似した参照番号は、類似した機能を示している。
【0009】
以下の様々な実施形態の説明では、本明細書の一部を形成する添付の図面が参照される。図面には、本発明を実施できる様々な形態を例示している。以下で説明する以外の実施形態も使用が可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構造上および機能上の変更が可能であることを理解されたい。
【0010】
図1は、本発明の1つまたは複数の側面を組み込んだビデオゲームをプレイすることができる適切なゲームシステム環境100の例を示している。ゲームシステム環境100は、適切なコンピュータ環境の一例に過ぎず、本発明の使用や機能の範囲を限定するものではない。また、ゲームシステム環境100が、例示的なゲームシステム環境100に示されたコンポーネントのうちの任意の1つ、または、その組合せに関して、何らかの依存性または要件を有するものと解釈すべきではない。
【0011】
その他の多数の汎用もしくは特殊用途のコンピュータシステム環境またはコンピュータシステム構成により、本発明の様々な側面が実施可能である。本発明の様々な側面と共に使用するのに適した周知のコンピュータシステム、コンピュータ環境、および/または、コンピュータ構成の例として、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)もしくはタブレットPCまたはラップトップPCを含むポータブルなハンドヘルド機器、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースシステム、セットトップボックス、プログラム可能な家庭用電化製品、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、電子ゲーム機、いずれかの上記システムまたは装置を含む分散コンピュータ環境などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0012】
コンピュータが実行するプログラムモジュールなどのコンピュータが実行可能な命令の一般的なコンテキストにおいて、様々な機能を記述することができる。一般的に、プログラムモジュールには、特定のタスクを実行する、または、特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などが含まれる。通信ネットワークを介して接続されたリモート処理装置によってタスクが実行される分散コンピュータ環境においても、様々な機能を実施することができる。分散コンピュータ環境では、メモリストレージ装置を含むローカルコンピュータおよびリモートコンピュータ両方のストレージメディアに、プログラムモジュールを配置することができる。
【0013】
図1は、例示的なゲームシステム100を示している。ゲームシステム100には、ゲーム機102および最大4つのコントローラを含めることができる。コントローラは、104(1)および104(2)により示されている。ゲーム機102には、内蔵ハードディスクドライブと、光ストレージディスク108に代表される、様々な形態のポータブルストレージメディアをサポートするポータブルメディアドライブ106とが備えられている。適切なポータブルストレージメディアの例として、DVD、CD−ROM、ゲームディスクなどが挙げられる。
【0014】
ゲーム機102は、その前面に、最大4つのコントローラをサポートする4つのスロット110を有しているが、スロットの数および配置は変更してもよい。電源ボタン112および取出しボタン114もまた、ゲーム機102の前面に配置されている。電源ボタン112により、ゲーム機の電源のオンオフを切り替え、取出しボタン114により、ポータブルメディアドライブ106のトレイを交互に開閉して、ストレージディスク108の挿入および取出しが可能となる。
【0015】
ゲーム機102は、A/Vインターフェースケーブル120を介して、テレビやその他のディスプレイ(図示せず)に接続することができる。本明細書において、ディスプレイ(図示せず)とは、ビデオゲームディスプレイ装置を指す。電源ケーブル122により、ゲーム機に電力が供給される。さらに、ゲーム機102には、インターネットなどのネットワークへのアクセスを容易にするケーブルやモデムコネクタ124に代表されるブロードバンドネットワーク機能を組み込むことができる。
【0016】
各コントローラ104は、有線または無線インターフェースを介して、ゲーム機102に接続することができる。図示した実施例では、コントローラは、USB(Universal Serial Bus)対応になっており、USBケーブル130を介して、ゲーム機102に接続されている。コントローラ104は、多種多様な任意のユーザインタラクションメカニズムを備えることができる。図1に示したように、各コントローラ104には、2つのサムスティック132(1)および132(2)と、方向パッド134と、ボタン136(例えば、「A」、「B」、「X」、「Y」)と、2つのトリガ138とが備えられている。こうしたメカニズムは代表的なものに過ぎず、その他の周知のゲームメカニズムを、代用する、または、図1に示したメカニズムへ追加することもできる。
【0017】
メモリユニット(MU:Memory Unit)140をコントローラ104に挿入して、追加のポータブルストレージを提供することができる。ポータブルメモリユニットを使用すると、ユーザは、ゲームパラメータおよびユーザアカウントを記憶し、その他のゲーム機でプレイするために、それらデータを移すことができる。記載した実施例では、各コントローラは、2つのメモリユニット140が挿入されるよう構成されているが、その他の実施例では、3つ以上または2つ未満のメモリユニットを使用することができる。マイク付きヘッドホン142をコントローラ104またはゲーム機102に接続して、音声通信機能を提供することができる。マイク付きヘッドホン142には、音声入力用マイクと、1つまたは複数の音声出力用スピーカとを含めることができる。
【0018】
ゲームシステム100では、例えば、ゲーム、音楽、およびビデオをプレイすることができる。ストレージ容量の違いはあるが、タイトルは、ハードディスクドライブ、ドライブ106内のポータブルメディア108、オンラインソース、またはメモリユニット140からプレイすることができる。いくつかの実施形態においては、セキュリティの目的上、実行可能なコードは、ポータブルメディア108からのみ実行できる。ゲームシステム100でプレイできるものの例として、CDおよびDVDディスク、ハードディスクドライブ、またはオンラインソースからプレイできるゲームタイトルと、ポータブルメディアドライブ106内のCD、ハードディスクドライブ上のファイル(例えば、WMA(Windows Media Audio)(登録商標)フォーマット)、またはオンラインストリーミングソースから再生できるデジタル音楽と、ポータブルメディアドライブ106内のDVDディスク、ハードディスクドライブ上のファイル(例えば、アクティブストリーミングフォーマット)、またはオンラインストリーミングソースから再生できるデジタルオーディオ/ビデオが挙げられる。
【0019】
図2は、ゲームシステム100の機能コンポーネントをより詳細に示している。ゲーム機102は、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)200およびメモリコントローラ202を備えている。メモリコントローラ202により、プロセッサは、様々な種類のメモリにアクセスするのが容易になる。それらメモリには、フラッシュROM(Read Only Memory)204、RAM(Random Access Memory)206、ハードディスクドライブ208、およびポータブルメディアドライブ106が含まれる。CPU200には、レベル1キャッシュ210およびレベル2キャッシュ212が備えられており、それらにデータを一時的に記憶し、それによりメモリアクセスサイクルの回数を低減することによって、処理速度および処理能力を向上させる。
【0020】
CPU200、メモリコントローラ202、および各種メモリ装置は、1つまたは複数のバスを介して、相互に接続されている。それらのバスには、各種の任意のバスアーキテクチャを使用する、シリアルバス、パラレルバス、ペリフェラルバス、メモリバス、および、プロセッサバスまたはローカルバスが含まれる。そのようなバスアーキテクチャの例として、ISA(Industry Standard Architecture)バス、MCA(Micro Channel Architecture)バス、EISA(Enhanced ISA)バス、VESA(Video Electronics Standards Association)ローカルバス、および、メザニンバスとしても知られているPCI(Peripheral Component Interconnect)バスを挙げることができる。
【0021】
好適な一実施例として、CPU200、メモリコントローラ202、ROM204、およびRAM206は、統一モジュール214に統合されている。この実施例では、ROM204は、メモリコントローラ202およびROMバス(図示せず)に接続されているフラッシュROMとして構成されている。RAM206は、複数のDDR SDRAM(Double Data Rate Synchronous Dynamic RAM)として構成され、それらDDR SDRAMは、別々のバス(図示せず)を介して、メモリコントローラ202により、個別に制御される。ハードディスクドライブ208およびポータブルメディアドライブ106は、PCIバスおよびATA(AT Attachment)バス216を介して、メモリコントローラに接続されている。
【0022】
3Dグラフィック処理装置220およびビデオエンコーダ222により、高速かつ高解像度のグラフィック処理のためのビデオ処理パイプラインが形成される。データは、グラフィック処理装置220から、デジタルビデオバス(図示せず)を介して、ビデオエンコーダ222へ伝送される。オーディオ処理装置224およびオーディオコーデック(コーダ/デコーダ)226により、高品質ステレオ処理のための対応するオーディオ処理パイプラインが形成される。オーディオデータは、通信リンク(図示せず)を介して、オーディオ処理装置224とオーディオコーデック226との間で伝送される。ビデオ処理パイプラインおよびオーディオ処理パイプラインは、テレビやその他のディスプレイに送信するために、データをA/V(オーディオ/ビデオ)ポート228に出力する。図示した実施例では、ビデオ処理コンポーネントおよびオーディオ処理コンポーネント220〜228は、モジュール214に組み込まれている。
【0023】
USBホストコントローラ230およびネットワークインターフェース232もまた、モジュール214に組み込まれている。USBホストコントローラ230は、バス(例えば、PCIバス)を介して、CPU200およびメモリコントローラ202に接続され、ペリフェラルコントローラ104(1)〜104(4)のホストとして機能する。ネットワークインターフェース232は、ネットワーク(例えば、インターネット、ホームネットワークなど)へのアクセスを提供するもので、イーサネット(登録商標)カード、モデム、ブルートゥース(登録商標)モジュール、ケーブルモデムなどを含む多種多様な任意の有線または無線インターフェースコンポーネントとすることができる。
【0024】
ゲーム機102は、2つのデュアルコントローラポートサブアセンブリ240(1)および240(2)を備えており、各サブアセンブリは、2つのゲームコントローラ104(1)〜104(4)をサポートする。フロントパネルI/Oサブアセンブリ242は、電源ボタン112および取出しボタン114に加えて、任意のLED(Light Emitting Diode)やゲーム機の外面に見えるその他のインジケータの機能をサポートする。サブアセンブリ240(1)、240(2)および242は、1つまたは複数のケーブルアセンブリ244を介して、モジュール214に接続されている。
【0025】
8つのメモリユニット140(1)〜140(8)が、4つのコントローラ104(1)〜104(4)に接続可能なものとして図示されている。すなわち、各コントローラには、2つのメモリユニットが接続可能である。各メモリユニット140は、追加のストレージを提供し、各メモリユニット140には、ゲーム、ゲームパラメータ、およびその他のデータを記憶することができる。メモリユニット140をコントローラに挿入すると、メモリコントローラ202は、メモリユニット140にアクセスすることができる。
【0026】
システム電源供給モジュール250は、ゲームシステム100のコンポーネントに電力を供給する。ファン252は、ゲーム機102内部の回路を冷却する。
【0027】
ゲーム機102は、統一されたメディアポータルモデルを組み込んでいる。このメディアポータルモデルは、一貫性のあるユーザインターフェースと、ナビゲーション階層とを提供して、ユーザを様々なエンターテイメントエリアへ移動させる。ポータブルメディアドライブ106に挿入されるメディアの種類にかかわらず、ポータルモデルは、多種多様なメディア(ゲームデータ、オーディオデータ、およびビデオデータ)からコンテンツにアクセスする使い勝手のよい方法を提供する。
【0028】
統一されたメディアポータルモデルを組み込むため、コンソールユーザインターフェース(UI:User Interface)アプリケーション260が、ハードディスクドライブ208に格納されている。ゲーム機の電源を入れると、コンソールアプリケーション260の様々な部分が、RAM206および/またはキャッシュ210、212にロードされ、CPU200上で実行される。コンソールアプリケーション260は、グラフィックユーザインターフェースを提供し、このグラフィックユーザインターフェースは、ゲーム機上で使用可能な各種メディアにナビゲートする際に、一貫性のあるユーザ体験を提供する。
【0029】
ゲームシステム100は、単にテレビやその他のディスプレイ装置に接続するだけで、スタンドアロンシステムとして動作することもできる。このスタンドアロンモードの場合、ゲームシステム100では、1人または複数人のプレイヤが、ゲームをプレイしたり、映画を観たり、または、音楽を聴いたりすることができる。しかし、ネットワークインターフェース232を介してブロードバンド接続との統合が可能になると、ゲームシステム100は、さらに、より大規模なネットワークゲームコミュニティにおける一参加者として、動作することができる。このネットワークゲーム環境については、次に説明する。
【0030】
図3は、ネットワーク302を介して、複数のゲームシステム100(1)〜100(g)を相互接続する例示的なネットワークゲーム環境300を示している。ネットワーク302は、多種多様な任意のデータ通信ネットワークを表す。ネットワーク302には、パブリックな部分(例えば、インターネット)、および、プライベートな部分(例えば、住宅用のローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network))、ならびに、パブリックおよびプライベートな部分の組合せを含めることができる。ネットワーク302は、有線および無線メディアの両方を含む1つまたは複数の多種多様な従来の通信メディアを使用して、実装することができる。パブリックプロトコルおよび専用プロトコルの両方を含む多種多様な任意の通信プロトコルを使用して、ネットワーク302を介してデータを通信することができる。このようなプロトコルの例には、TCP/IP、IPX/SPX、NetBEUIなどが含まれる。
【0031】
ゲームシステム100に加え、ネットワーク302を介して、1つまたは複数のオンラインサービス304(1)〜304(s)にアクセスすることができる。これらオンラインサービスは、オンラインゲームの主催、ダウンロード可能な音楽ファイルやビデオファイルの提供、ゲーム大会の主催、オーディオ/ビデオのストリーミングファイルの提供などの様々なサービスを参加者に提供する。ネットワークゲーム環境300には、さらにキー配信センタ306を含めることができる。このキー配信センタ306は、オンラインサービス304だけでなく、個々のプレイヤおよび/またはゲームシステム100を相互に認証する役割を果たす。配信センタ306は、有効な参加者にキーおよびサービスチケットを配信し、有効な参加者は、このキーおよびサービスチケットを使用して、複数人のプレイヤ間でゲームを形成したり、オンラインサービス304からサービスを購入したりすることができる。
【0032】
ネットワークゲーム環境300は、個々のゲームシステム100が使用可能な別のメモリソースであるオンラインストレージを組み込んでいる。ポータブルストレージメディア108、ハードディスクドライブ208、およびメモリユニット(群)140に加えて、ゲームシステム100(1)は、ネットワーク302を介して、オンラインサービス304(s)にあるリモートストレージ308により例示されている、リモートストレージロケーションにて使用可能なデータファイルにもアクセスすることができる。
【0033】
図4は、別の例示的なオンラインゲーム環境400、例えば、ワシントン州レドモンドを本拠とするマイクロソフトコーポレーションのXBOX(登録商標) LIVEのブロック図である。複数のゲーム機402(1)〜402(n)が、ネットワーク406を介して、セキュリティゲートウェイ404に接続されている。各ゲーム機402は、例えば、図1または図2におけるゲーム機102とすることができる。ネットワーク406は、1つまたは複数の様々な任意の従来のデータ通信ネットワークを表す。ネットワーク406は通常、パケット交換ネットワークを含むが、回線交換ネットワークを含むこともできる。ネットワーク406には、有線および/または無線部分を含めることができる。例示的な一実施例では、ネットワーク406には、インターネットが含まれ、任意的に1つまたは複数のローカルエリアネットワーク(LAN)および/またはワイドエリアネットワーク(WAN:Wide Area Network)が含まれてもよい。少なくともネットワーク406の一部は、公的にアクセス可能なネットワークを指すパブリックネットワークである。事実上、パブリックネットワークには誰でもアクセスすることができる。
【0034】
状況によって、ネットワーク406には、ゲーム機402とセキュリティゲートウェイ404との間に設置されたルーティング装置を伴うLAN(例えば、ホームネットワーク)が含まれる。このルーティング装置は、ネットワークアドレス変換(NAT:Network Address Translation)を実行して、LAN上の複数の装置がインターネット上で同じIPアドレスを共有できるようにし、インターネットを介した悪意のある、または、不正なユーザによるアクセスから、LAN上の装置(群)を保護するファイヤウォールとして動作することもできる。
【0035】
セキュリティゲートウェイ404は、パブリックネットワーク406と、プライベートネットワーク408との間のゲートウェイとして動作する。プライベートネットワーク408は、ローカルエリアネットワークなどの多種多様な任意の従来のネットワークとすることができる。以下でより詳細に説明する装置と同様に、プライベートネットワーク408は、安全ゾーンとして動作するデータセンタ410の内部に存在する。データセンタ410は、信頼できる通信を介して通信を行う信頼できる装置から構成される。したがって、安全ゾーン410内では、暗号化および認証は必要ない。ネットワーク408のプライベートという性質は、ネットワーク408へのアクセスの可能性が制限されていることを指す。すなわち、ネットワーク408へのアクセスが、特定の人のみに制限されている(例えば、データセンタ410の所有者または運用者により制限されている)。
【0036】
セキュリティゲートウェイ404は、1つまたは複数のセキュリティゲートウェイコンピュータ装置のクラスタである。これらセキュリティゲートウェイコンピュータ装置は、まとまってセキュリティゲートウェイ404を実装する。セキュリティゲートウェイ404には、任意的に1つまたは複数の従来の負荷分散装置を含めることができる。この負荷分散装置は、セキュリティゲートウェイコンピュータ装置により処理されるリクエストを、それらコンピュータ装置のうちの適切なものに割り振るよう動作する。各種セキュリティゲートウェイコンピュータ装置に対する負荷がほぼ均等になるようバランスをとるような方法により(あるいは、その他の何らかの基準に従って)、この割り振りや負荷分散が行われる。
【0037】
さらに、データセンタ410の内部には、次のものが存在する。1つまたは複数の監視サーバ412;1つまたは複数のプレゼンスおよび通知フロントドア414、1つまたは複数のプレゼンスサーバ416、1つまたは複数の通知サーバ418、および、プロファイルストア428(これら4つがまとまって、プレゼンスおよび通知サービス、または、プレゼンスおよび通知システム430を実装する);1つまたは複数のマッチングフロントドア420、および、1つまたは複数のマッチングサーバ422(この2つがまとまって、マッチングサービスを実装する);1つまたは複数の統計フロントドア424、および、1つまたは複数の統計サーバ426(この2つがまとまって、統計サービスを実装する)。サーバ416、418、422および426は、ゲーム機402にサービスを提供するので、サービス装置と呼ぶことができる。サーバ416、418、422および426のうちの1つまたは複数に加えて、および/または、それらサーバのうちの1つまたは複数に代えて、その他のサービス装置を含めることもできる。さらに、図4では、1つのデータセンタのみが示されているが、代替として、ゲーム機402と通信することができる複数のデータセンタが存在してもよい。これらデータセンタは、個別に動作してもよいし、あるいは、(例えば、ゲーム機102、402が1つの大規模なデータセンタを利用できるように、)まとまって動作してもよい。
【0038】
ゲーム機402は、データセンタ410から遠く離れた場所に配置され、ネットワーク406を介して、データセンタ410にアクセスする。データセンタ内の1つまたは複数の装置と通信することを望むゲーム機402は、データセンタにログインして、ゲーム機402とセキュリティゲートウェイ404との間に安全な通信チャネルを確立する。ゲーム機402およびセキュリティゲートウェイ404は、やり取りされるデータパケットを暗号化して認証することによって、暗号化を解読することなくキャプチャまたはコピーできるその他のいずれの装置によっても知られずに、両者間でデータパケットを安全に伝送することができる。ゲーム機402からセキュリティゲートウェイ404へ、または、セキュリティゲートウェイ404からゲーム機402へ送信される各データパケットには、データを埋め込むことができる。この埋め込まれたデータは、パケットのコンテンツ、または、データコンテンツと呼ばれる。パケットの種類(例えば、ハートビートパケット)に合わせて、パケット内に、追加の情報を固有に含めることもできる。
【0039】
ゲーム機402とセキュリティゲートウェイ404との間の安全な通信チャネルは、セキュリティチケットに基づくものである。ゲーム機402は、キー配信センタ428に対して、自機および自機を使用中のユーザ(ら)の認証を行い、キー配信センタ428からセキュリティチケットを取得する。次いで、ゲーム機402は、このセキュリティチケットを使用して、セキュリティゲートウェイ404との安全な通信チャネルを確立する。セキュリティゲートウェイとの安全な通信チャネルを確立する際には、ゲーム機402およびセキュリティゲートウェイ404が、相互に認証を行い、その特定のゲーム機402およびセキュリティゲートウェイ404にしか知られないセッションセキュリティキーを構築する。このセッションセキュリティキーを使用して、ゲーム機402とセキュリティゲートウェイクラスタ404との間で伝送されるデータを暗号化する。このため、その他の装置(その他のゲーム機402を含む)は、データを読み取ることができない。セッションセキュリティキーは、データパケットの送信元であるとされるセキュリティゲートウェイ404またはゲーム機402からのデータパケットを認証するためにも使用される。したがって、このようなセッションセキュリティキーを使用すると、セキュリティゲートウェイ404と、様々なゲーム機402との間に、安全な通信チャネルを確立することができる。
【0040】
ゲーム機402とセキュリティゲートウェイ404との間に安全な通信チャネルが確立されると、この二者間で、暗号化されたデータパケットを安全に伝送することができる。ゲーム機402が、データセンタ410内に存在する特定のサービス装置にデータを送信することを望む場合、ゲーム機402は、データを暗号化し、データパケットの送信先である特定のサービス装置(群)にデータが転送されるようリクエストして、セキュリティゲートウェイ404にそのデータを送信する。セキュリティゲートウェイ404は、データパケットを受信し、データパケットを認証して復号化した後に、パケットのデータコンテンツを別のメッセージに含めて、プライベートネットワーク408を介して、適切なサービスへ送信する。セキュリティゲートウェイ404は、データパケットの送信先であるリクエストされたサービス(群)に基づくメッセージに合わせて、適切なサービスを決定する。
【0041】
同様に、データセンタ410内のサービス装置が、ゲーム機402にデータを送信することを望む場合、データセンタが、プライベートネットワーク408を介して、セキュリティゲートウェイ404へメッセージを送信する。このメッセージには、ゲーム機402に送信すべきデータコンテンツに加えて、データコンテンツの送信先である特定のゲーム機402の指定情報が含まれる。セキュリティゲートウェイ404は、データコンテンツをデータパケットに埋め込み、次いで、データパケットを暗号化する。このため、その特定のゲーム機402しか、そのデータパケットを復号化することができない。その特定のゲーム機402はまた、そのデータパケットを、セキュリティゲートウェイ404から送信されたものとして、認証する。
【0042】
本明細書では、主に、暗号化されたデータパケットを、セキュリティゲートウェイ404とゲーム機402との間で通信するものとして説明してきたが、別の方法では、データパケットが部分的にしか暗号化されない(データパケットの一部は暗号化されるが、その他の部分は暗号化されない)。データパケットのどの部分を暗号化し、どの部分を暗号化しないかについては、データセンタ410および/またはゲーム機402の設計者の意向によって変わり得る。例えば、設計者は、ゲーム機402のユーザらが互いに対話できるように、音声データをゲーム機402間で通信できるよう選択することができる。設計者は、さらに、パケット内の音声データ以外の全てのデータを暗号化しながらも、音声データを暗号化しないようにすることが可能となるよう選択することができる。さらに、また別の方法では、データパケット内に暗号化されている部分がない場合がある(すなわち、データパケットがまったく暗号化されない)。データパケットが暗号化されていない、または部分的にしか暗号化されていないとしても、依然として、全てのデータパケットを認証することができることに留意されたい。
【0043】
セキュリティゲートウェイ404内の各セキュリティゲートウェイ装置は、通常1つまたは複数のゲーム機402との安全な通信チャネルに対する責任を有する。したがって、各セキュリティゲートウェイ装置は、1つまたは複数のゲーム機の管理や処理を担うものとみなすことができる。各種セキュリティゲートウェイ装置は、相互に通信し、相互にメッセージを伝送することができる。例えば、管理する責任のないゲーム機にデータパケットを送信する必要があるセキュリティゲートウェイ装置は、そのゲーム機に送信すべきデータを含むメッセージを、自機以外の全てのセキュリティゲートウェイ装置に送信することができる。このメッセージが、そのゲーム機の管理を担当するセキュリティゲートウェイ装置により受信され、そのセキュリティゲートウェイ装置が、そのゲーム機に適切なデータを送信する。代替として、セキュリティゲートウェイ装置は、どのセキュリティゲートウェイ装置がどのゲーム機を担当しているかを認識しておくようにしてもよい。これは、各セキュリティゲートウェイ装置が、自機以外のセキュリティゲートウェイ装置が担当するゲーム機の表を保持するなどの明示的なものであってもよいし、あるいは、ゲーム機の識別子に基づいて、どのセキュリティゲートウェイ装置が特定のゲーム機を担当しているかを判断するなどの黙示的なものであってもよい。
【0044】
監視サーバ(群)412は、使用できないゲーム機402、または、セキュリティゲートウェイ404の使用できないセキュリティゲートウェイ装置を、データセンタ410内の装置に通知する。ゲーム機402は、様々な理由により、使用できなくなることがあり得る。それらの理由として、ハードウェアもしくはソフトウェアの不具合、データセンタ410からログアウトせずにゲーム機の電源を落とすこと、ゲーム機402へのネットワーク接続ケーブルがゲーム機402から抜けていること、その他のネットワーク上の問題(例えば、ゲーム機402が接続しているLANの機能障害)などがある。同様に、セキュリティゲートウェイ404のセキュリティゲートウェイ装置も、様々な理由により、使用できなくなることがあり得る。それらの理由として、ハードウェアもしくはソフトウェアの不具合、装置の電源が切れていること、装置へのネットワーク接続ケーブルが装置から抜けていること、その他のネットワーク上の問題などがある。
【0045】
セキュリティゲートウェイ404内の各セキュリティゲートウェイ装置は、1つまたは複数の監視サーバ412により監視されており、監視サーバ412は、セキュリティゲートウェイ装置の1つが使用できなくなったとき、それを検出する。セキュリティゲートウェイ装置が使用できなくなった場合には、監視サーバ412が、データセンタ410内のその他の各装置(サーバ、フロントドアなど)に対して、そのセキュリティゲートウェイ装置がもはや使用できないというメッセージを送信する。その他の各装置は、この情報に基づいて、適切な動作を行うことができる(例えば、その他の各装置は、そのセキュリティゲートウェイ装置により管理されていた特定のゲーム機が、データセンタ410ともはや通信できない状態にあると想定して、それに応じて、様々なクリーンアップ作業を行うことができる)。代替として、所定の装置群(例えば、セキュリティゲートウェイ装置の使用の可否によって影響を受ける装置群)だけが、監視サーバ412から、そのようなメッセージを受信してもよい。
【0046】
セキュリティゲートウェイ404は、個々のゲーム機402を監視し、ゲーム機402の1つが使用できなくなったとき、それを検出する。セキュリティゲートウェイ404は、ゲーム機がもはや使用できないと検出した場合、使用できないゲーム機を識別するメッセージを、監視サーバ412に送信する。それに応じて、監視サーバ412は、データセンタ410内のその他の各装置(あるいは、選択された装置群だけ)に、そのゲーム機がもはや使用できないというメッセージを送信する。次いで、その他の各装置は、この情報に基づいて、適切な動作を行うことができる。
【0047】
プレゼンスサーバ(群)416は、オンラインゲームをするためにデータセンタ410にログインしている所定のユーザのステータスやプレゼンスに関するデータを保持および処理する。通知サーバ(群)418は、データセンタ410にログインしているプレイヤ向けに送信されるメッセージの通知キューを複数保持する。プレゼンスおよび通知フロントドア414は、セキュリティゲートウェイ404と、サーバ416および418との中継役として動作する1つまたは複数のサーバ装置である。プレゼンスおよび通知フロントドア414には、1つまたは複数の負荷分散装置(図示せず)を含めることができ、その負荷分散装置は、フロントドア414として動作する複数のサーバ装置間で負荷のバランスをとる。セキュリティゲートウェイ404は、サーバ416および418向けのメッセージを、フロントドア414に伝送する。フロントドア414は、特定のサーバ416または特定のサーバ418のうち、どちらのサーバにそのメッセージを伝送すべきかを識別する。フロントドア414を使用することにより、どのユーザに関するデータをどのサーバが管理する責任があるかなどの、サーバ416および418の実際の実施内容が、セキュリティゲートウェイ404から抽出される。セキュリティゲートウェイ404は、プレゼンスおよび通知サービス向けのメッセージを、プレゼンスおよび通知フロントドア414に、単に転送するだけでよく、サーバ(群)416およびサーバ(群)418のうちの適切な1つに対するメッセージのルーティングを、フロントドア414に委ねることができる。
【0048】
マッチングサーバ(群)422は、オンラインプレイヤ相互のマッチングに関するデータを保持および処理する。オンラインユーザは、プレイ可能なゲームと共に、そのゲームの様々な特性(例えば、フットボールゲームがプレイされる場所、日中か夜間のどちらにプレイするか、ユーザのスキルレベルなど)を公表することができる。次いで、これらの様々な特性をベースに使用して、様々なオンラインユーザをマッチアップし、共にゲームをプレイさせることができる。マッチングフロントドア420は、1つまたは複数のサーバ装置(および、任意的に負荷分散装置(群))を含み、セキュリティゲートウェイ404から、マッチングサーバ(群)422を抽出するよう動作する。これは、フロントドア414が、サーバ(群)416およびサーバ(群)418を抽出するのと類似した方法により行われる。
【0049】
統計サーバ(群)426は、オンラインゲームの各種統計に関するデータを保持および処理する。使用される具体的な統計は、ゲーム設計者の意向に基づいて変わり得る(例えば、スコアもしくはタイムのトップ10、全オンラインゲームプレイヤの世界ランキング、取得アイテムの最も多いもしくはプレイ時間の最も長いユーザのリストなど)。統計フロントドア424は、1つまたは複数のサーバ装置(および、任意的に負荷分散装置(群))を含み、セキュリティゲートウェイ404から、統計サーバ(群)426を抽出するよう動作する。これは、フロントドア414が、サーバ(群)416およびサーバ(群)418を抽出するのと類似した方法により行われる。
【0050】
このようにして、セキュリティゲートウェイが、信頼できないパブリックネットワーク406から、データセンタ410内の安全ゾーンに存在する装置を保護するよう動作することが確認できる。データセンタ410内に存在する装置は全て信頼できるので、データセンタ410の安全ゾーン内における通信は、暗号化される必要がない。しかし、データセンタ410内に存在する装置からゲーム機402に伝送される情報は全て、セキュリティゲートウェイクラスタ404を経由して渡され、セキュリティゲートウェイクラスタ404では、その情報の送信先になっているゲーム機402しか復号化できないような方法により、その情報が暗号化される。
【0051】
RAMメモリ206、不揮発性メモリ108、208、308、または、ゲーム機102に存在するその他の任意のメモリに記憶されたコンピュータが実行可能な命令(すなわち、ソフトウェア)に、本発明の1つまたは複数の側面を組み込むことができる。一般的に、プログラムモジュールには、コンピュータ内またはその他の装置内のプロセッサによる実行時に、特定のタスクを実行する、または、特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などが含まれる。コンピュータが実行可能な命令は、ハードディスク208、リムーバブルストレージメディア108、ソリッドステートメモリ、RAM206などの、コンピュータが読み取り可能なメディアに記憶することができる。当業者であれば理解されるとおり、ソフトウェアモジュールの機能は、様々な実施形態において、望むように組み合わせることもできるし、または、分散することもできる。加えて、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)やフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array)などの、ファームウェアやハードウェア相当物の全体または一部に、その機能を組み込むことができる。
【0052】
あるいは、図5に一般的に示されるように、本発明の1つまたは複数の側面を、汎用コンピュータまたはその他のデータ処理装置に組み込むこともできる。図5を参照すると、各種機能を実装するための例示的なシステムには、コンピュータ装置500などのコンピュータ装置が含まれる。その最も基本的な構成では、コンピュータ装置500には通常、少なくとも1つの処理装置502と、メモリ504とが含まれる。的確な構成およびコンピュータ装置の種類に応じて、メモリ504は、揮発性メモリ(例えば、RAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM、フラッシュメモリなど)、またはその両方の何らかの組合せとすることができる。この最も基本的な構成は、図5において、点線506により示されている。加えて、装置500は、追加の特徴/機能を有することもできる。例えば、装置500には、追加のストレージ(リムーバブルおよび/または非リムーバブル)を含めることもできる。このストレージには、磁気ディスク、光ディスク、またはテープが含まれるが、これらに限定されるものではない。このような追加のストレージは、図5において、リムーバブルストレージ508および非リムーバブルストレージ510により示されている。コンピュータストレージメディアには、揮発性および不揮発性メディア、リムーバブルおよび非リムーバブルメディアが含まれる。これらのメディアは、本明細書で説明するように動作するよう装置に指示する、コンピュータが読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、またはその他のデータなどの、情報のストレージのための任意の方法または技術により実装される。メモリ504、リムーバブルストレージ508、および非リムーバブルストレージ510は全て、コンピュータストレージメディアの例である。コンピュータストレージメディアには、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリもしくはその他のメモリ技術、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(DVD:Digital Versatile Disk)もしくはその他の光ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージもしくはその他の磁気ストレージ装置、または、コンピュータ装置500がアクセスでき、所望の情報を記憶するのに使用できるその他の任意のメディアが含まれるが、これらに限定されるものではない。このようなコンピュータストレージメディアは全て、コンピュータ装置500の一部とすることができる。
【0053】
装置500にはまた、その他の装置との通信を可能にする通信接続(群)512も含めることができる。通信接続(群)512は、通信メディアの一例である。通信メディアは通常、コンピュータが読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、または、その他のデータを、搬送波やその他の伝送メカニズムなどの変調化されたデータ信号として表現したものであり、任意の情報伝達メディアを含む。「変調化されたデータ信号」という用語は、例えば、信号内の情報をエンコードするような方法により設定または変更された1つまたは複数の特性を有する信号を意味する。例えば、通信メディアには、有線ネットワークや直接配線接続などの有線メディアと、音響、RF、赤外線、およびその他の無線メディアなどの無線メディアとが含まれるが、これらに限定されるものではない。本明細書では、コンピュータが読み取り可能な媒体という用語には、記憶メディアおよび通信メディアの両方が含まれる。
【0054】
装置500にはまた、キーボード、マウス、ペン、音声入力装置、タッチ入力装置などの入力装置(群)514も含めることができる。ディスプレイ、スピーカ、プリンタなどの出力装置(群)516も含めることができる。これらの装置は全て、当技術分野において周知であり、ここでは長く説明する必要はない。
【0055】
例示的な諸実施形態−アクションチャージシステム
ターン制RPGには、本明細書で説明する、本発明の1つまたは複数の例示的な側面にしたがう、アクションチャージシステム(ACS:Action Charge System)と呼ばれる改良型戦闘システムを組み込むことができる。ACS RPGでは、各キャラクタのターンの順番を定めるターンシーケンスを保持することができる。各ターンは、ゲーム内の特定の時間期間を表すことができる。例えば、各ターンは、ゲームにより表現された仮想世界における10秒間とすることができる。
【0056】
ACSを使用すると、プレイヤは、プレイヤキャラクタの次回のターン時に、デフォルトのパワーレベルで即座にアクションを実行するか、または、プレイヤキャラクタのアクションを、しばらくの時間遅らせるが、増加したパワーレベルで実行するかを、動的に決定することができる。すなわち、プレイヤは、プレイヤに元々割り当てられていたターンのタイミングから、所定のアクション(例えば、攻撃、防御、回復など)をしばらくの時間「チャージ」することにより、そのアクションの結果として発生するパワー(効果)を、任意にコントロールすることができる。プレイヤが、アクションをチャージするよう決定した場合、アクションの実行は遅れるが、最終的に実行されるときには、アクションのパワーは増す。したがって、プレイヤが、アクションを長く「チャージ」すればするほど、すなわち、アクションを遅らせれば遅らせるほど(これにより、プレイヤのターンも遅れることになるが)、そのチャージにより、結果として生じるターン時のアクションのパワーは、より増すことになる。これにより、プレイヤが、より弱いパワーレベルで即座にアクションを実行するか、または、アクションをしばらくの時間遅らせて、より強いパワーレベルでアクションを実行するかを決断しなければならないので、プレイヤには、戦略的な選択が与えられる。プレイヤが、アクションを遅らせて、アクションをチャージする場合、プレイヤは、アクションをチャージする時間の長さ(パワーの大きさ)も決定する必要がある。その時に注意すべき点は、プレイヤが、結果として戦闘に関与できなくなってしまうほど遅らせすぎないようにすることである。
【0057】
図6Aを参照すると、例示的なターン制RPG戦闘システムでは、時間増加量(time increment)610を含むタイムライン601に基づいて、キャラクタA603、キャラクタB604、キャラクタC605、キャラクタD606、キャラクタE607、およびキャラクタF608に関するターンシーケンス600を定めることができる。キャラクタのターンの順番が、ゲームの現時点602と一致したときに、そのキャラクタは、アクションを実行する。図6Aに示すように、現時点602では、キャラクタAが示されているので、キャラクタA603は、即座にアクションを実行するか、または、アクションのパワーレベルをチャージするかのいずれかを選択することができる。パワーレベルのチャージについては、以下で詳しく説明する。キャラクタB604は、キャラクタA603の10マスの時間増加量後に、ターンの順番が予定されている。キャラクタC605は、キャラクタB604の11マスの時間増加量後、キャラクタD606は、キャラクタC605の14マスの時間増加量後、キャラクタE607は、キャラクタD606の9マスの時間増加量後、キャラクタF608は、キャラクタE607の11マスの時間増加量後である。1回のターンにつき1マスの時間増加量(したがって、等間隔のターンとなる)、または、複数のターンにつき複数マスの時間増加量を用いるなど、望むように、任意の時間増加量を用いることができる。ターンシーケンス600は、ビデオゲームのグラフィックユーザインターフェースの一部として、A/Vポート228を介してゲーム機102に接続されているテレビやその他のディスプレイに表示することができる。したがって、現在のターンの順番をプレイヤに視覚的に知らせることができる。
【0058】
キャラクタが自分のターンを行うとき、ACSは、リクエストされたアクションを実行し、アクションを行ったキャラクタに関連付けられたターン遅延量に応じて、ターンの順番を変更する。例えば、図6Bは、キャラクタA603がデフォルトのパワーレベルで即座にアクションを実行した後のターンシーケンス600を示している。図6Bにおいて、キャラクタA603に関連付けられたターン遅延量は、66マスの時間増加量である。プレイヤキャラクタは、対応するコマンドを入力することによって、例えば、ゲームコントローラ104上の予め定められたボタン136を押し、すぐに離すことによって、即座にアクションを実行することができる。コマンドは、ボタンを押す時間の長さに依存する必要はなく、その他の任意のコマンドを使用して、望むように即座のアクションを指示することができる。キャラクタに関連付けられたターン遅延量は、様々な要因に基づくようにすることができる。それらの要因として、ゼロ以上の変更因子(modifier)により変更されるデフォルトの遅延量などが挙げられる。変更因子の例としては、スピード(通常、キャラクタの素早さに基づく一定の変更因子)、疲労度(キャラクタが休息を取っていない度合いによって変動し得る)、強化変更因子(例えば、キャラクタにスピードアップの魔法をかけた、または、キャラクタが自分の足をサイボーグにグレードアップしたなど、魔法、ポーション、またはその他の一時的な強化行為に基づく、通常は一時的な変更因子)などがある。
【0059】
図7Aは、図6Aと同じターンシーケンス600を示しているが、図7Aは、キャラクタA603をコントロールするプレイヤ(すなわち、プレイヤキャラクタA603)が、即座にアクションを実行せず、アクション実行時のパワーレベルを増加させるために、アクションをチャージするよう決定したときのものである。プレイヤキャラクタは、対応するコマンドを入力することによって、例えば、ゲームコントローラ104上の予め定められたボタン136を長押しすることによって、アクションをチャージすることができる。この予め定められたボタンとして、即座のアクション用に使用されるボタンと同じボタンを使用してもよいし、または、別のボタンを使用してもよい。プレイヤが、予め定められたボタン136を押したままにすると、アクションメータまたはアクションゲージ701が、ターンシーケンス600上で増加し始める。このターンシーケンス600は、ビデオゲームのグラフィックユーザインターフェースの一部として、A/Vポート228に接続されたディスプレイやテレビ上に表示される。予め定められたボタンを押したままの時間が、長くなれば長くなるほど、結果として生じるアクションは、より多くチャージされる。すなわち、チャージが多いほど、より威力の大きい攻撃、より良い防御、より効果の高い回復など、アクションの威力も大きくなる。ここでもまた、即座のアクションコマンドと同様に、コマンドは、ボタンを押す時間の長さに依存する必要はなく、その他の任意のコマンドを使用して、望むように即座のアクションを指示することができる。
【0060】
アクションのチャージ中、蓄積されたチャージ量に関するフィードバックを、プレイヤに提供することができる。例えば、図7Aは、アクションがチャージされている間は右に伸びていくアクションメータ701を示している。図7Aにおける例示的なアクションメータ701は、プレイヤが予め定められたボタンを押したままにし始めた少し後の状態であり、これは、チャージがまだそれほど多くないことに加えて、プレイヤキャラクタA603が、自分のターンを遅らせることなく、その時点までにチャージされたアクションを実行できることも示している。メータは、少なくとも、キャラクタAが次のキャラクタ(図7Aでは、キャラクタB)の予定されたターンを越えるまで強制的に自分のターンを遅らせるレベルから、開始することができる。代替として、メータが、予め定められた最小チャージ量に到達しない限り、チャージの効果が発生しないようにしてもよい。例えば、図7Aにおいてチャージされている選択されたアクションについて、メータが次のキャラクタの予定されたターンを越えた場合しか、チャージの効果が発生しないように設定することができる。いくつかの側面では、チャージされるアクションに必要なチャージ量を、プレイヤに予め通知することができるので、プレイヤは、アクションのチャージバージョンを使用するか否かを決定することができる。したがって、プレイヤが予め定められたボタンを押した瞬間に、必要なチャージ量が表示されるようにしておけば、プレイヤは、ボタンを離して、デフォルトのパワーレベルで即座にアクションを実行するか、または、図7Bに示されるように、次のキャラクタの予定されたターンを越えるまでメータを進ませることによって、アクションをチャージするかを判断する時間を有する。
【0061】
図7Bは、プレイヤが、メータが次のキャラクタの予定されたターンを越えるのに十分な長さの時間、予め定められたボタンを押したままでいた結果として生じた状態のアクションメータ701を示している。プレイヤが予め定められたボタンを押したままでい続けると、メータは、図7Cに示されるように、チャージし続ける。図7Cは、プレイヤが、メータが次の2つのキャラクタの予定されたターンを越えるのに十分な長さの時間、予め定められたボタンを押したままでいた結果として生じた状態のアクションメータ701を示している。プレイヤが、メータが図7Cに示される状態のときに、予め定められたボタンを離した場合、プレイヤキャラクタA603のアクションは、キャラクタC605の後に、例えば、28マスの時間増加量分などのアクションメータに基づくチャージ変更因子を有した状態で、実行される。したがって、遅延に基づくパワー変更関数(power modifier function)、例えば、cpl=f(AM)を使用して、アクションを変更することができる。ここで、cplは、チャージされたパワーレベルを表し、AMは、アクションメータの値(この例では、28)を表している。任意のパワー変更関数を使用して、チャージされたパワーレベルに到達させることができる。このパワー変更関数の例として、cpl=AM/10(この例では、2.8)、cpl=AM、または、cpl=AMx(ただし、xは、任意の変更因子、または、その組合せである)が挙げられる。パワー変更関数は、使用された時間増加量、ターン間の平均時間、キャラクタ変更因子などに応じて、変わり得る。代替として、チャージされたバージョンの関数が、単に、即座の(すなわち、チャージされていない)バージョンより優先されるように選択されてもよい。
【0062】
図7A、図7B、および図7Cでは、所定の時点におけるアクションメータ701が示されているが、アクションメータ701は、時間の経過と共に増加するよう、アニメーション化することができる。すなわち、アクションメータ701は、プレイヤがアクションパワーレベルのチャージをどの時点で止めるかを判断するのに十分な時間を有することが可能となるのに十分なステップ分増加させる。図6〜図8に示されるターンシーケンスは、タイムライン602と、キャラクタアイコン603〜608とを含むターンシーケンス600の図表示例に過ぎず、代替のデザインや配置を使用してもよい。
【0063】
図8は、プレイヤキャラクタA603が予め定められたボタンを離した後、それによって自分のターンのためのアクションをチャージした後のターンシーケンス600を示している。図8のターンシーケンス600は、プレイヤキャラクタA603が、自分のパワーレベルを十分にチャージして、現時点でのキャラクタA603のターンが、キャラクタC605とキャラクタD606との間になった状態を示している。
【0064】
図8はまた、オプションの指標801、802も示している。オプションの指標801(この例では、キャラクタアイコンの陰影)は、キャラクタAが次回のアクションのために、パワーレベルをチャージしたことを示しているが、どれだけの量をチャージしたかは示していない。オプションの指標801から分かることは、結果として生じるキャラクタAのターンの位置が、キャラクタCの後で、キャラクタDの前である、ということだけである。オプションの指標は、陰影、キャラクタアイコンまたはキャラクタ名のそばに付けられたアスタリスクなど、目に見える印であればどのようなものでもよい。オプションの指標802は、オプションの指標801と同じ情報を示しているが、さらに、キャラクタAが次回のターンのためにアクションをどれだけチャージしたかを示す量も提供している。オプションの指標802として、表示された数値、陰影の勾配もしくは色(ただし、1つまたは複数の陰影の勾配もしくは色が使用される)、または、チャージされたパワーレベル量を提供するその他の任意のグラフィックインジケータが挙げられる。
【0065】
オプションの指標は、例えば、第1のキャラクタが、デフォルトのパワーレベルでアクションを実行したにもかかわらず、第1のキャラクタのターンが、第1のキャラクタをターンシーケンスの列の最後尾に回らせない場合に、役に立つ。すなわち、例えば、様々なスピード変更因子が原因で、第1のキャラクタのターン遅延が、第2のキャラクタのターン遅延よりもはるかに多い場合がある。第1のキャラクタがデフォルトのパワーレベルでアクションを終了したときに、ACSは、第1のキャラクタのターン遅延量である50マスの時間増加量に基づいて、ターンシーケンスを調整することができる。5マスの時間増加量後、第2のキャラクタがデフォルトのパワーレベルでアクションを終了したときに、ACSは、第2のキャラクタのターン遅延量である40マスの時間増加量に基づいて、ターンシーケンスを調整することができる。最終的な結果として、第1および第2のキャラクタの双方とも、デフォルトのパワーレベルでアクションを実行したにもかかわらず、第2のキャラクタは、ターンシーケンスにおいて、第1のキャラクタより5マスの時間増加量分だけ前に配置されることになる。したがって、キャラクタが、ターンシーケンスの最後尾に回らなかったことは、そのキャラクタが、自分のターンアクションレベルをチャージしたことを保証するものではない。すなわち、キャラクタが、ターン後に、ターンシーケンスの最後尾に回らなかったことは、必ずしも、そのキャラクタが、アクションのチャージを実行したということを意味するものではない。したがって、オプションの指標801、802は、キャラクタがアクションのチャージを実行したことをはっきりと示すのに有用となり、それに合わせて、プレイヤは対応することができる。
【0066】
図9は、パワーレベルをチャージする方法の例示的なフローチャートを示している。開始後、ステップ901において、ACSは、タイムライン601を次のキャラクタのターンに進める。ステップ903において、プレイヤキャラクタ(または、人工知能を使用するNPC)は、デフォルトのパワーレベルで即座にアクションを実行するか、または、しばらくの間、すなわち、所望のパワーレベルまで、アクションをチャージするかを決定する。キャラクタが、即座にアクションを実行するよう決定した場合、次いで、ステップ905において、ACSは、デフォルトのパワーレベルでアクションを実行する。デフォルトのパワーレベルは、例えば、キャラクタ固有の属性(例えば、強さ、素早さ、体格(constitution)、特殊能力、魔法など)に基づいて、様々なキャラクタごとに異なるようにすることができる。キャラクタのデフォルトのパワーレベルでアクションを実行した後、ステップ907において、ACSは、キャラクタのターンを進め、それに応じて、ターンシーケンスを調整する。次いで、この方法は、ステップ901に戻る。
【0067】
ステップ903において、キャラクタが、アクションのパワーレベルをチャージするよう決定した場合、ステップ909において、この方法により、アクションメータが、1ステップ(例えば、1マスの時間増加量、または、その他の予め定められた量)増加する。ステップ911において、キャラクタが、例えば、予め定められたボタン136を押したままにし続けていることにより、依然としてパワーレベルをチャージしていた場合、この方法は、ステップ909に戻る。キャラクタが、例えば、予め定められたボタンを離すことにより、チャージするのを止めた場合、ステップ913において、ACSは、パワー変更関数を使用して、チャージされたパワーレベルを計算する。ステップ915において、ACSは、アクションメータ、チャージされたパワーレベルに基づいて、または、チャージされたパワーレベルに対応する、その他の予め定められた値に基づいて、キャラクタのターンを遅らせる。次いで、ACSは、ステップ901に戻って、次のキャラクタのターンに、ターンの順番を進める。図9に示したステップは、この例とは異なる順番で実行してもよいし、図9に示した1つまたは複数のステップを、オプションのステップとしてもよい。
【0068】
本発明の1つまたは複数の側面を使用すると、ビデオゲームは、プレイヤキャラクタの思うとおりに、一段上のレベルの戦略性を提供する。適切な人工知能を有する非プレイヤキャラクタもまた、本明細書で説明した機能によって提供される一段上の戦略性を利用することができる。例えば、図8を参照すると、キャラクタB604およびキャラクタC605は、オプションの指標801および/または802の表示により、キャラクタA603がアクションパワーレベルをチャージしたことを知る。このため、キャラクタB604は、キャラクタA603のアクションがPC Bに向けられているかどうかを判断して、デフォルトのパワーレベルで即座にアクション(例えば、予想されるキャラクタAの攻撃に対する防御)を実行するか、または、自分の攻撃のパワーレベルをチャージするかを戦略的に決めなければならない。あるいは、キャラクタAの次回のターンの前に、キャラクタAを倒すことを期待して、(例えば、キャラクタBおよびキャラクタCが同じチームであるため、)キャラクタBおよびキャラクタCは双方とも、キャラクタAを攻撃するよう決定する場合がある。さらに別に、例えば、キャラクタBおよびキャラクタAが同じチームであるため、キャラクタAもキャラクタCを攻撃する可能性が高いと分かっているキャラクタBは、キャラクタCを攻撃する場合がある。
【0069】
アクションチャージシステムの1つまたは複数の側面を導入することにより、キャラクタのターン時にどのようなアクションをとるかを決定する場合を考慮するプレイヤに、数段上のレベルの戦略性が提供される。PCおよびNPCは、デフォルトのパワーレベルで即座にアクションを実行するか、または、自分のターンを遅らせるが、アクションパワーレベルをチャージする(増加させる)かを決定することができる。キャラクタが、アクションパワーレベルをチャージするよう決定した場合、キャラクタは、どれくらいアクションパワーレベルをチャージするか(任意のレベルまで、または、プレイヤの戦略に基づく特定のレベルまでか)も決定しなければならない。
【0070】
上記にて説明したように、ターンシーケンス(例えば、ターンシーケンス600と同様のもの)は、ビデオゲームが表示されるテレビやその他のディスプレイ上に、ビデオゲームのグラフィックユーザインターフェースの一部として表示することができる。それによって、現在のターンシーケンスだけでなく、アクションチャージに基づく、結果として生じるターンシーケンスをプレイヤキャラクタに知らせることができる。プレイヤは、例えば、ターンシーケンス600の現時点602における自分のキャラクタの表示を見ることによって、自分のターン時に、アクションを行うべきか、または、チャージを行うべきかを知る。プレイヤはまた、(ターンシーケンスが表示される表示スペースの大きさに基づいて、)全部または一部のキャラクタのターンの現在の順番も知る。
【0071】
本発明の1つまたは複数の側面を使用することによって、プレイヤは、近接(melee)攻撃、レンジ(range)攻撃、魔法攻撃、防御姿勢、回復イベントなどのアクションを、動的なチャージレベルで実行することが可能となるが、結果として、プレイヤのターンが遅れることになるため、プレイヤは、決定する前に、その決定による効果を意識的に考慮することになるであろう。すなわち、プレイヤは、デフォルトのレベルのアクションを即座に行うか、または、しばらくの時間待って、チャージした(増加させた)パワーレベルでアクションを実行するかを選択する必要がある。
【0072】
上記の説明から様々な変更や多様化が可能である。例えば、ACSは、許容されるチャージ量またはチャージ時間の上限を設定することができる。上限は、例えば、ゲーム内のキャラクタの成長に基づいて、ゲームプレイ中に任意に変更することができるので、キャラクタを成長させるプレイヤのモチベーションを高めることができる。上限はまた、レベルが上がるにつれて、および/または、機能アルゴリズムによって、変更することもできる。
【0073】
別の変形形態において、ビデオゲームは、最大チャージ量に影響を与える永続的もしくは一時的な特殊能力、パワー、またはエンハンスメント(enhancement)を提供することができる。このようなエンハンスメントは、報酬(reward)およびペナルティと呼ばれ、魔法、ポーション、代用貨幣(token)、またはその他のゲームプレイ要素を含むことができる。報酬は、永続的または一時的なチャージ効率やチャージ能力の増加をもたらし得るものであるため、例えば、「チャージパワー×2」という属性をキャラクタに与えた場合、キャラクタは、2倍の量または2倍のスピードでチャージすることが可能となる(したがって、チャージに基づくターン遅延が少なくてすむという結果となる)。例えば、「チャージパワー×3」などのその他の報酬もまた、代わりに使用することができる。ペナルティは、例えば、「チャージパワー×1/2」、「チャージパワー×1/3」などのように、チャージ効率やチャージ能力を減少させる。報酬およびペナルティは双方とも、プレイヤが自分のキャラクタに対して用いてもよいし、別のキャラクタに対して魔法としてかけてもよいし、あるいは、別の方法により、報酬/ペナルティの使用が決定されてもよい。
【0074】
さらに別の代替実施形態において、アクションメータ701は、ターンの順番の表示のみを提供し、チャージ量を提供しない場合がある(しかしながら、チャージは、時間に基づく可能性が高い)。さらに別の代替実施形態において、時間増加量は、1回のターンにつき1マスの時間増加量(すなわち、1マスの時間増加量につき1回のターン)とすることができ、全てのキャラクタは、キャラクタ固有のターン遅延値に関係なく、(チャージの有無にかかわらず、)アクションの終了後、列の最後尾に回される。このような実施形態では、時間増加量は、無意味なもの(irrelevant)となり、アクションチャージは、キャラクタのターン遅延量に基づく。
【0075】
例示的な諸実施形態−可変的アクションゲージシステム(VAGS)
本発明の別の例示的な側面にしたがうと、プレイヤは、所望のチャージ量を選択することができ、戦闘システムは、アクションパワーレベルをその所望の量までチャージするために必要な時間を、自動的に決定することができる。本明細書では、この種の戦闘システムを、可変的アクションゲージシステム(VAGS:Variable Action Gauge System)と呼ぶ。すなわち、ACS戦闘システムを使用すると、プレイヤは、パワーレベルをチャージする時間量を選択し、結果として生じるチャージ量は、その時間量に基づくものとなる。VAGS戦闘システムを使用すると、プレイヤは、所望のチャージ量を選択することができ、VAGS戦闘システムが、その所望のチャージ量をチャージするのに要する時間量を決定する。
【0076】
図10および図11を参照しながら、次に、VAGS戦闘システムを使用してパワーレベルに影響を与える例示的な方法を説明する。図10は、ビデオゲームからのビデオゲームディスプレイ装置に対する出力を表示するグラフィック表示1001を示している。グラフィック表示1001には、1つのプレイヤキャラクタ1003および2つの非プレイヤキャラクタ1005、1007が示されている。図11は、本発明の1つまたは複数の側面にしたがってVAGSにより実行される、ターンサイクルの方法のフローチャートを示している。
【0077】
ステップ1101において、VAGSは、ゲームのタイムラインをプレイヤキャラクタのターンに進める。ステップ1103において、VAGSは、例えば、プレイヤキャラクタが前回のターン時にチャージされるアクション(例えば、攻撃×2)を実行するようリクエストした結果、(本明細書で説明するように、)プレイヤキャラクタが、現在チャージを進行中であるか否かを判定する。チャージが進行中でない場合、次いで、ステップ1105において、プレイヤキャラクタ1003をコントロールするプレイヤは、プレイヤキャラクタのターン時に、デフォルトのパワーレベルで即座にアクション(例えば、攻撃、魔法、回復)を実行するか、または、パワーレベルをいくらかチャージした状態でアクション(例えば、攻撃×2、魔法×4、回復×3など)を実行するかを決定することができる。その他の選択肢も可能ではあるが、本明細書では説明を割愛する。プレイヤキャラクタをコントロールするプレイヤは、例えば、当技術分野では周知のコントローラ104および入力コントロールボタン132、134、136などを使用して入力を行い、どちらのアクションをとるかを決定することができる(入力メカニズムは、当技術分野では周知であり、本明細書で詳細に説明する必要はない)。プレイヤが、即座にアクションを実行するよう決定した場合、次いで、ステップ1107において、VAGSは、デフォルトのパワーレベルでアクションを実行する。ステップ1109において、VAGSは、その他のキャラクタのターン、例えば、1つまたは複数のその他のプレイヤキャラクタもしくは非プレイヤキャラクタのターンに進める。この例では、ステップ1109において、VAGSは、非プレイヤキャラクタ1005、1007に対応するターンに進める。
【0078】
ステップ1105において、プレイヤキャラクタが、チャージされるアクションを実行するよう選択した場合、次いで、VAGSは、そのチャージされるアクションに関連付けられた情報、例えば、アクションの種類、ユーザが望むアクションレベルに関連付けられたチャージ量、アクションの対象物または対象者などを記憶する。ステップ1115において、VAGSは、プレイヤキャラクタ1003に対応するチャージメータ1009を増加させる。VAGSは、ターン1回につき予め定められた量だけ、チャージメータを増加させることができる。ターン1回の予め定められた量は、常に全キャラクタについて統一としてもよいし、または、1つまたは複数の基準に基づいて変えてもよい。さらに、その予め定められた量は、例えば、各キャラクタの属性に基づいて、各キャラクタごとに変えてもよい。VAGSがターン1回につきチャージメータを増加させるその予め定められた量に影響を与え得る属性の例には、強さ(例えば、チャージされるアクションが、剣攻撃の場合)、魔法能力(例えば、チャージされるアクションが、魔法の場合)、体格(例えば、チャージされるアクションが、回復行為の場合)、キャラクタのレベルなどが含まれ得る。これらの属性は例示的なものに過ぎず、当業者であれば、同じまたは異なる値を使用して、様々な方法により、各プレイヤごとに、その予め定められた量を計算できることが理解されよう。VAGSは、ステップ1115からステップ1109に進め、その他のキャラクタのターンを実行する。
【0079】
ステップ1103において、チャージされるアクションが進行中である、すなわち、プレイヤが、前回のターンサイクルのステップ1105において、チャージされるアクションを実行するよう選択していたとVAGSが判定した場合、ステップ1111において、VAGSは、チャージが終了しているか否かを判定する。VAGSは、グラフィカルに表示されたチャージメータ1009として視覚的に表現されたチャージメータがフルになっているか(すなわち、各ターンサイクルのステップ1115において追加されたチャージ累積量が、以下で説明するように任意に変更された上で、ユーザが望むアクションレベルに関連付けられたチャージ量以上になっているか)否かを確認することによって、チャージが終了しているか否かを判定する。チャージが終了していた場合、次いで、ステップ1113において、VAGSは、チャージ量、アクションの対象などに応じて、チャージされたアクションを実行し、ステップ1109に進める。ステップ1111において、チャージが終了していなかった場合、次いで、VAGSは、ステップ1113を実行せずに、ステップ1109に進める。当業者であれば、図11に示したステップは、説明した順番と異なる順番で実行でき、図11に示した1つまたは複数のステップは、オプションとすることができることが理解されよう。
【0080】
上記にて説明した方法を使用すると、プレイヤは、ステップ1105において、「攻撃×3」などのチャージされるアクションを実行するよう選択することができる。図12A〜図12Cはそれぞれ、本発明の例示的な実施形態にしたがって、2回目、3回目、および4回目のターンを終えた後のアクションメータ1009を示している。図13に示されるように、5回目のターン時に、アクションメータ1009はフルになり、それによって、キャラクタは、例えば、「攻撃×3」といったチャージされたアクション1301を実行する。さらに威力の大きいチャージされたアクションを実行したい場合は、チャージの少ないアクションに比べて、チャージ時間またはチャージ量がさらに多くなる。例えば、所定のプレイヤキャラクタは、アクションが2倍になるようチャージするのに3回のターンを要するが、同じアクションが3倍になるようチャージするのに5回のターンを要する場合がある。
【0081】
本発明の一変形形態にしたがうと、プレイヤが、デフォルトのパワーレベルでアクションを実行するようリクエストした場合にも、アクションをチャージするのに必要なチャージ時間ほどではないにしろ、アクションに伴うチャージ時間を要することがある。例えば、デフォルトのアクションは、ターン1回分のチャージを要することがある。加えて、様々な種類のアクションに対して、チャージ乗数(charge multiplier)は同じでも、チャージに要する時間量を異なるようにすることもできる。したがって、「攻撃×2」のアクションは、「防御×2」のアクションよりも長いチャージ時間を要するようにすることができる。また、所望の効果に応じて、許容されるチャージ乗数に制限をかけてもよいし、または、制限をかけなくてもよい。
【0082】
本発明の別の変形形態にしたがうと、ACS戦闘システムと同様に、ビデオゲームは、チャージ量またはチャージ時間に影響を与える報酬および/またはペナルティを提供することができる。報酬は、永続的または一時的なチャージ効率やチャージ能力の増加をもたらし得るものであるため、例えば、「チャージパワー×2」という属性をキャラクタに与えた場合、キャラクタは、2倍の量または2倍のスピードでチャージすることが可能となる(したがって、アクションを完全にチャージするのに、より少ないターンですむという結果となる)。例えば、「チャージパワー×3」などのその他の報酬もまた、代わりに使用することができる。ペナルティは、例えば、「チャージパワー×1/2」、「チャージパワー×1/3」などのように、チャージ効率やチャージ能力を減少させる。報酬およびペナルティは双方とも、プレイヤが自分のキャラクタに対して用いてもよいし、別のキャラクタに対して魔法としてかけてもよいし、あるいは、別の方法により、報酬/ペナルティの使用が決定されてもよい。
【0083】
本発明のさらに別の変形形態にしたがうと、プレイヤキャラクタ以外のキャラクタ(PCおよび/またはNPC)によるアクションが、プレイヤキャラクタのチャージ時間に影響を与え得る。例えば、プレイヤキャラクタがアクションをチャージしている間に、プレイヤキャラクタが、敵の攻撃の結果、ダメージを受けた場合、その敵のアクションに基づいて、チャージメータ1009をいくらかの量だけ減少させることができる。いくつかのアクションは、それら以外のアクションと比べて、チャージメータに対する効果の大きさを異なるようにすることができる。別の例として、プレイヤキャラクタがチャージしている間に、敵キャラクタが、そのプレイヤキャラクタに「チャージ×1/2」の魔法をかけた場合、実際にチャージメータを減少させるわけではないが、その魔法の持続期間中は、ターン1回のチャージ増加量を半減させることができる。さらに別の例として、プレイヤキャラクタがアクションをチャージしている間、味方のキャラクタは、そのプレイヤキャラクタを防御することができる。味方のキャラクタは、そのプレイヤキャラクタに対して防御の魔法をかけることができるし、そのプレイヤキャラクタのアクションチャージを邪魔しようとしている任意の敵キャラクタを、そのプレイヤキャラクタから阻止することもできる。
【0084】
図14は、ターン制ビデオゲームにおけるVAGS戦闘システムの一使用例にしたがうタイムラインを示している。ここで、各ターンは、ビデオゲーム内で表現された仮想世界における10秒であると想定し、各キャラクタは、1回のターンにつき1つのアクションを実行することができる。アクションをまだペンディング(チャージ)していない各ターンの開始時に、キャラクタには、1つのアクションを指定する機会が与えられる。
【0085】
ターン1の開始時に、キャラクタAは、例えば、剣による近接攻撃といったアクションが、デフォルトのパワーレベルで実行されるようにする。この例では、このような攻撃をチャージするのに6秒要する。結果として、VAGSは、キャラクタAのアクションを、ターン1の期間中に実行する。また、ターン1の開始時に、キャラクタBは、例えば、ファイヤボール魔法をかけるといったアクションが、チャージされるパワーレベル、例えば、「ファイヤボール×2」で実行されるようにする。この例では、このような攻撃をチャージするのに16秒要する。結果として、キャラクタBをコントロールしているプレイヤは、「ファイヤボール×2」の魔法がターン2の期間中にかけられると期待し得る。しかし、キャラクタAの攻撃がキャラクタBに対して成功した場合、キャラクタAの攻撃の結果として、(キャラクタBがダメージを受けるのに加えて、または、それに代えて、)キャラクタBのチャージメータが減少し得る。これによって、キャラクタBが「ファイヤボール×2」の魔法をかけるのに必要なチャージ時間に、いくらかの時間(例えば、5秒)が加算される。この結果、キャラクタBは、ターン2の期間中に、その魔法をかけられず、ターン3になるまで、その魔法をかけられない。一方、キャラクタAは、ターン1の期間中に、自分の前回のアクションを終了したので、ターン2の期間中に、別のアクションを実行することができる。この例では、キャラクタAは、キャラクタBの攻撃がターン3の期間中に実行されることを予想して、ターン2の期間中に、例えば、シールド(防御)魔法といった別のアクションを、デフォルトのパワーレベルで実行することができる。キャラクタAは、ターン3の開始時に、例えば、「ライトニングボルト(lightning bolt)×3」といったチャージされるアクション(多数のターンにおける3番目のアクション)が実行されるようにするが、これに対して、キャラクタBの元々のアクションが、まさに実行されている。キャラクタBのファイヤボール魔法が成功すれば、キャラクタAの剣攻撃がキャラクタBに与えた影響と全く同じように、キャラクタAのチャージ時間にマイナスの影響を与えることができる。VAGSは、引き続き同様の方法により、ターン4に進行させる。したがって、この例からはっきりと分かるように、別のキャラクタが、プレイヤキャラクタのチャージ時間にマイナスの影響を与えることができ、その結果、プレイヤキャラクタのアクションが、その後のターンに持ち越される場合がある。
【0086】
プレイヤは、攻撃をチャージするかどうかだけでなく、どれくらいその攻撃をチャージするかも考えなければならないので、VAGSは、プレイヤによる使用のために、一段上のレベルの戦略性を提供する。例えば、上述した例におけるターン1の後に、キャラクタAは、(キャラクタBに対応する表示されたチャージメータから、)キャラクタBがターン3までチャージされたアクションを実行できないだろうと判断することができる。これにより、キャラクタAは、次のターンに、シールド魔法を実行するようになる。上記にて説明した様々な実施形態では、プレイヤは、その他のキャラクタのアクションが、プレイヤキャラクタのアクションに要するチャージ時間にマイナスの影響を与え得ることを考慮しなければならない。当業者であれば、VAGSが提供する一段上のレベルの戦略性を高く評価されよう。
【0087】
本発明の様々な例示的な側面にしたがうと、ACSおよび/またはVAGSを、シングルプレイヤ用またはマルチプレイヤ用のいずれのターン制ロールプレイングゲームにも含めることができる。当業者であれば、様々な入力およびメカニズムを使用して、即座のアクション、ACSアクションチャージ、またはVAGSアクションチャージを実行できることが理解されよう。本発明には、本明細書で明示的に開示された、もしくは、そこから一般化される新規な特徴またはその組み合わせの全てが含まれる。本発明を実行できる、現時点における本発明の好適な実施例を含む具体例を参照しながら、本発明を説明してきたが、当業者であれば、上記にて説明したシステムおよび技術は、変形および置換が多数可能である。したがって、本発明の要旨および範囲は、添付の特許請求の範囲に記載されているように、広く解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の例示的な一実施形態にしたがう、使用可能なゲームシステムを示す図である。
【図2】図1に示したゲームシステムを示すブロック図である。
【図3】本発明の例示的な一実施形態にしたがう、ネットワークゲームシステムを示すブロック図である。
【図4】本発明の例示的な一実施形態にしたがう、オンラインゲーム環境を示す別のブロック図である。
【図5】本発明の1つまたは複数の例示的な側面にしたがう、使用可能な汎用データ処理装置を示すブロック図である。
【図6A】本発明の1つまたは複数の例示的な側面にしたがう、チャージされていないアクション中のターンシーケンスを示す図である。
【図6B】本発明の1つまたは複数の例示的な側面にしたがう、チャージされていないアクション中のターンシーケンスを示す図である。
【図7A】本発明の1つまたは複数の例示的な側面にしたがう、チャージされているアクション中のターンシーケンスを示す図である。
【図7B】本発明の1つまたは複数の例示的な側面にしたがう、チャージされているアクション中のターンシーケンスを示す図である。
【図7C】本発明の1つまたは複数の例示的な側面にしたがう、チャージされているアクション中のターンシーケンスを示す図である。
【図8】本発明の1つまたは複数の例示的な側面にしたがう、図7A〜図7Cのアクションチャージ終了後の結果として生じたターンシーケンスを示す図である。
【図9】本発明の1つまたは複数の例示的な側面にしたがう、アクションチャージ方法を実行するためのフローチャートである。
【図10】本発明の1つまたは複数の例示的な側面にしたがう、ターン制ビデオゲームのスクリーンディスプレイを示す図である。
【図11】本発明の1つまたは複数の例示的な側面にしたがう、可変的アクションゲージ方法を実行するためのフローチャートである。
【図12A】本発明の1つまたは複数の例示的な側面にしたがう、ビデオゲームにおいて、連続するターン中のスクリーンディスプレイを示す図である。
【図12B】本発明の1つまたは複数の例示的な側面にしたがう、ビデオゲームにおいて、連続するターン中のスクリーンディスプレイを示す図である。
【図12C】本発明の1つまたは複数の例示的な側面にしたがう、ビデオゲームにおいて、連続するターン中のスクリーンディスプレイを示す図である。
【図13】本発明の1つまたは複数の例示的な側面にしたがう、チャージメータがフルになったときのスクリーンディスプレイを示す図である。
【図14】本発明の1つまたは複数の例示的な側面にしたがう、ビデオゲームのターンのタイムラインを示す図である。
【符号の説明】
【0089】
100 ゲームシステム環境
102、402 ゲーム機
106 ポータブルメディアドライブ
108 ポータブルメディア
140 メモリユニット
208 ハードディスクドライブ
302、406 ネットワーク
306、428 キー配信センタ
308 リモートストレージ
600 ターンシーケンス
601 タイムライン
602 現時点
603、604、605、606、607、608 キャラクタ
610 時間増加量
701 アクションメータ
801、802 オプションの指標
1003 プレイヤキャラクタ
1005、1007 非プレイヤキャラクタ
1009 チャージメータ
1301 チャージされたアクション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターン制ビデオゲームにおいて、キャラクタアクションのパワーレベルに影響を与える方法を実行するコンピュータが実行可能な命令を記憶した、1つまたは複数のコンピュータが読み取り可能なメディアであって、
前記コンピュータが実行可能な命令は、
前記ターン制ビデオゲーム内の複数のキャラクタの初回のターンシーケンスを決定するステップと、
ビデオゲームディスプレイ装置上に、前記ターンシーケンスのグラフィック描写を表示するステップと、
第1のキャラクタのターン中に、前記第1のキャラクタに対応するユーザ入力を受信するステップと、
前記ユーザ入力を受信している間に、前記ビデオゲームディスプレイ装置上に、前記ターンシーケンスと共に、アクションメータを表示して、前記アクションメータを増加させ、前記ユーザ入力が終了したときに、前記第1のキャラクタのターンに関連付けられた遅延の表示を提供するステップと、
前記受信したユーザ入力に基づいて、チャージされるアクションパワーレベルを決定するステップと、
前記受信したユーザ入力に基づいて、前記ターンシーケンスを再配列するステップと
を備えることを特徴とするコンピュータが読み取り可能なメディア。
【請求項2】
前記アクションメータを前記増加させることは、前記ユーザ入力を受信している間に、予め定められた時間の間、前記アクションメータを予め定められた量だけ増加させることを含むことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータが読み取り可能なメディア。
【請求項3】
2回目のターンに関する前記第1のキャラクタに対応する、予め定められた2回目の入力を受信するステップと、
前記予め定められた2回目の入力に基づいて、デフォルトのアクションパワーレベルを決定するステップと
を実行する命令をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータが読み取り可能なメディア。
【請求項4】
前記決定したアクションパワーレベルが、最大アクションパワーレベルを越えた場合、前記決定したアクションパワーレベルを前記最大アクションパワーレベルまで減少させる命令をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータが読み取り可能なメディア。
【請求項5】
前記最大アクションパワーレベルは、前記第1のキャラクタの1つまたは複数の属性に基づくことを特徴とする請求項4に記載のコンピュータが読み取り可能なメディア。
【請求項6】
前記1つまたは複数の属性は、前記第1のキャラクタのレベルを含むことを特徴とする請求項5に記載のコンピュータが読み取り可能なメディア。
【請求項7】
前記ターンシーケンスは、予め定められた時間増加量に基づくことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータが読み取り可能なメディア。
【請求項8】
前記ビデオゲームディスプレイ装置上に、前記再配列したターンシーケンスを表示することをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータが読み取り可能なメディア。
【請求項9】
前記再配列したターンシーケンスは、前記第1のキャラクタがアクションチャージを実行したことを示すグラフィックインジケータを含むことを特徴とする請求項8に記載のコンピュータが読み取り可能なメディア。
【請求項10】
前記グラフィックインジケータは、前記アクションチャージの量をさらに示すことを特徴とする請求項9に記載のコンピュータが読み取り可能なメディア。
【請求項11】
一時的なアクションチャージ変更因子を、前記第1のキャラクタに関連付けるステップに関する命令をさらに含み、前記決定したチャージされるアクションパワーレベルは、前記一時的なアクションチャージ変更因子にさらに基づくことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータが読み取り可能なメディア。
【請求項12】
前記一時的なアクションチャージ変更因子は、アクションチャージ能力の増加をもたらす報酬を含むことを特徴とする請求項11に記載のコンピュータが読み取り可能なメディア。
【請求項13】
前記一時的なアクションチャージ変更因子は、アクションチャージ能力の減少をもたらすペナルティを含むことを特徴とする請求項11に記載のコンピュータが読み取り可能なメディア。
【請求項14】
前記一時的なアクションチャージ変更因子は、前記ビデオゲームにおいてかけられた魔法と、前記第1のキャラクタとの相互作用から生じることを特徴とする請求項11に記載のコンピュータが読み取り可能なメディア。
【請求項15】
前記アクションは、前記ビデオゲームにおいて、前記第1のキャラクタがかける魔法を含むことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータが読み取り可能なメディア。
【請求項16】
ターン制ビデオゲームにおいて、プレイヤキャラクタにより実行されるアクションのパワーレベルに影響を与える方法であって、
前記ターン制ビデオゲーム内の前記プレイヤキャラクタを含む複数のプレイヤのターンシーケンスのグラフィック表示を提供するステップと、
前記プレイヤキャラクタのターンと一致するゲームの現時点にて、前記プレイヤキャラクタをコントロールするプレイヤからのユーザ入力を受信するステップであって、前記ユーザ入力は、前記ゲームの現時点にて、デフォルトのパワーレベルで前記アクションを実行することと、前記ターンシーケンスにおける次のキャラクタのターン後に、チャージしたパワーレベルで前記アクションを実行することとのうちの一方を選択することを含む、受信するステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項17】
前記ユーザ入力を前記受信している間に、前記ターンシーケンスに沿って、動的にアクションメータを増加させるステップをさらに備え、前記アクションメータのサイズは、前記ユーザ入力が受信された時間量に基づくことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記複数のプレイヤキャラクタは、第2のプレイヤキャラクタをさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記複数のプレイヤキャラクタは、前記プレイヤキャラクタの他には、非プレイヤキャラクタのみを含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記ユーザ入力の終了時に、前記アクションメータの位置に基づいて、前記ターンシーケンスを再配列するステップをさらに備えることを特徴とする請求項17に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13】
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【図14】
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