説明

ダイエット用組成物

【課題】手軽に食事量を減らすことができる、新規なダイエット用組成物を提供する。
【解決手段】ジャガイモ抽出物と水溶性食物繊維を含むことを特徴とする、ダイエット用組成物を完成させた。このダイエット用組成物を摂取すると、ジャガイモ抽出物や水溶性食物繊維を単独で摂取する場合と比較して、食事量が顕著に減少し、より優れたダイエット効果が得られる。好ましくは、前記水溶性食物繊維はグルコマンナンである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジャガイモ抽出物と水溶性食物繊維を含むことを特徴とする、新規なダイエット用組成物に関する。好ましくは水溶性食物繊維がグルコマンナンであることを特徴とするダイエット用組成物に関する。さらに、本発明は、前記ダイエット用組成物を食事前に摂取することで、食事量が減少することを特徴とするダイエット方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、健康志向の高まりにより、肥満を懸念する人々が増加している。肥満は各種疾病のリスクを高めるため、肥満の解消は社会的な課題である。肥満の予防方法としては、食生活の改善、適度な運動の継続、摂取カロリーのコントロールなどが挙げられる。しかしながら、食生活の改善は専門的な知識を必要とし、適度な運動は十分な時間が取れないなどの理由により容易ではない。よって、他のダイエット方法と比較すると、摂取カロリーのコントロールは、継続しやすい簡便なダイエット方法であると考えられる。カロリーのコントロールのためには、食事量を減らす方法が挙げられる。
【0003】
このような中、ダイエット用組成物などが開発され、多くの製品が実用化されている。例えば、ギムネマ・イノドラム抽出物を含有することを特徴とするダイエット用組成物(特許文献1)、麦若葉末とスピルリナを含有するダイエット食品(特許文献2)、クエン酸を含むダイエット用組成物(特許文献3)、サラシアレティキュレーター、キトサン、マルベリー、キダチアロエ、オオバコからなる組成物にビタミン群とクレアチン、クエン酸、カルシウム、鉄分の少なくとも1種を含むダイエット補助食品(特許文献4)、対葉豆を主原料とするダイエット健康食材(特許文献5)、こんにゃく粉末のダイエット素材としての利用方法(特許文献6)などが提案され、ダイエット効果が報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−252897号公報
【特許文献2】特開2003−52334号公報
【特許文献3】特開2006−52180号公報
【特許文献4】特開2002−10752号公報
【特許文献5】特開2007−20445号公報
【特許文献6】特開2007−295906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、これまで様々なダイエット用組成物が開発されてきたが、人の嗜好性は様々であるため、従来のダイエット用組成物では満足できない人もいた。よって、優れたダイエット効果のある新規なダイエット用組成物が求められていた。
【0006】
したがって、本発明は、手軽に食事量を減らすことができる、新規なダイエット用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題に鑑みて鋭意検討を重ねた結果、ジャガイモ抽出物と水溶性食物繊維を含むことを特徴とする、新規なダイエット用組成物を完成するに至った。本発明にかかるダイエット用組成物を摂取すると、ジャガイモ抽出物や水溶性食物繊維を単独で摂取する場合と比較して、食事量が顕著に減少し、より優れたダイエット効果が得られる。
【0008】
本発明は、ジャガイモ抽出物と水溶性食物繊維を含むことを特徴とする、ダイエット用組成物に関する。
【0009】
好ましくは、前記水溶性食物繊維はグルコマンナンであるダイエット用組成物に関する。
【0010】
また、本発明は、前記ダイエット用組成物を食事前に摂取することで、食事量が減少することを特徴とするダイエット方法に関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明にかかるダイエット用組成物を摂取すると、ジャガイモ抽出物や水溶性食物繊維を単独で摂取する場合と比較して、食事量が顕著に減少し、より優れたダイエット効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】精製水のみ摂取したラット群(コントロール)、ジャガイモ抽出物のみを摂取したラット群(比較例1)、グルコマンナンのみを摂取したラット群(比較例2)、ジャガイモ抽出物とグルコマンナンの両方を摂取したラット群(試験例)の平均摂餌量を比較した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は、下記の実施形態に限定して解釈すべきではなく、特許請求の範囲における記載の範囲内で種々の変更が可能である。
【0014】
本発明で使用するジャガイモ抽出物のジャガイモの品種は特に限定されず、例えば男爵薯、メークイン、キタアカリ、とうや、トヨシロ、インカのめざめ、デジマ、十勝こがねなどを用いることができる。ジャガイモの産地については特に限定されないが、北海道産のジャガイモが好ましい。
【0015】
本発明のジャガイモ抽出物の製造方法としては特段の制限はなく、通常食品の製造において使用可能な抽出方法、抽出溶媒、製造助剤などの添加を行うことができる。抽出方法としては搾汁により搾汁液を回収する方法であってもよい。また、得られた抽出液を常法により乾燥して使用することができる。乾燥方法としては賦型剤を添加しスプレードライなどにより乾燥する方法であってもよい。
【0016】
本発明に用いるジャガイモ抽出物は、エキス、エキスの乾燥粉末などであれば良く、特段の制限をされるものではない。
【0017】
本発明に用いる水溶性食物繊維としては特段の制限はなく、、例えばグルコマンナン、難消化性デキストリン、ポリデキストロース、ペクチン、グアガム、サイリウム、ガラクトマンナン、キシログルカン、ローカストビーンガム、アルギン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸、プルランなどが挙げられる。また、これらの精製品に限らず、水溶性食物繊維を含む他の食品素材も本発明の水溶性食物繊維として用いられる。中でもグルコマンナンが好ましい。
【0018】
本発明に用いるグルコマンナンとしては特段の制限はなく、コンニャク芋を乾燥、粉末化して得られる通常のコンニャク粉、コンニャク粉を精製したコンニャク精粉などを用いることができる。
【0019】
本発明のダイエット用組成物はジャガイモ抽出物と水溶性食物繊維を含有し、これにより、それぞれを単独で摂取する場合と比較して、食事量が顕著に減少し、より優れたダイエット効果が得られる。本発明のダイエット用組成物におけるジャガイモ抽出物と水溶性食物繊維の配合割合は特段の制限はなく、好ましくは、ジャガイモ抽出物100重量%に対して、水溶性食物繊維を1〜10000重量%の割合で配合する。
【0020】
本発明のダイエット用組成物の形態に関しては特に限定されるものではなく、組成物をそのまま、又は種々の成分など(例えば賦形剤、増量剤、結合剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、食品添加物、調味料)と混合して使用できる。例えば、栄養補助剤として、ローヤルゼリー、ビタミン類、プロテイン、キトサン、レシチンなどが配合され、さらに糖液や調味料を加え、味を整えることができる。そしてこれらは、必要に応じて、ハードカプセル、ソフトカプセルのようなカプセル剤、錠剤、もしくは丸剤、または粉末状、顆粒状、飴状などの形状に成形され得る。そしてこれらは、その形状または好みに応じて、そのまま食されても良いし、水、湯、牛乳、豆乳、茶、ジュースなどに溶いて飲んでも良い。
【実施例】
【0021】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明がこの実施例により制限されないことはいうまでもない。
【0022】
(ジャガイモ抽出物の製造)
生のジャガイモを粉砕、搾汁し、ジャガイモ搾汁液を得た。ジャガイモ搾汁液がpH4を示すように塩酸を用いてpH調整し、80℃に加熱後、中和しフィルターろ過を行った。得られたエキスを膜処理し、抽出物にデキスリンを添加して乾燥しジャガイモ抽出物を得た。
【0023】
水溶性食物繊維として、清水化学株式会社製のグルコマンナン粉末(レオレックスRS)を用いた。
【0024】
(試験方法)
雄性SDラット(7〜8週齢)を4日間の馴化試験中の摂餌量をもとに、ラット群間で通常時の平均摂餌量がほぼ均一になるように、5匹ずつ4群に群分けを行った。被験物質として、ジャガイモ抽出物20 mg/ml、グルコマンナン1 mg/ml、ジャガイモ抽出物20 mg/mlとグルコマンナン1 mg/mlを混合した組成物を精製水に溶かし調整した。
【0025】
約18時間絶食した各ラット群に、精製水のみ(コントロール)、ジャガイモ抽出物20 mg/mlのみ(比較例1)、グルコマンナン1 mg/mlのみ(比較例2)、そしてジャガイモ抽出物20 mg/mlとグルコマンナン1 mg/mlを混合した組成物(試験例)のいずれかを10 ml強制経口投与した。被験物質の強制経口投与30分後から各ラットに給餌を開始し、給餌1時間後に摂餌量を測定した。各ラット群の平均摂餌量の結果を比較したグラフが図1である。
【0026】
(試験結果)
結果を図1に示す。図1は、精製水のみ摂取したラット群(コントロール)、ジャガイモ抽出物のみを摂取したラット群(比較例1)、グルコマンナンのみを摂取したラット群(比較例2)、ジャガイモ抽出物とグルコマンナンの両方を摂取したラット群(試験例)の平均摂餌量を比較した図である。図から明らかなように、ジャガイモ抽出物や水溶性食物繊維を単独で摂取する場合と比較して、ジャガイモ抽出物とグルコマンナンを混合した組成物を摂取した場合には食事量が顕著に減少している。その効果は、単に両素材それぞれの効果を足し合わせた効果ではなく、足し合わせた以上の効果、すなわち相乗効果を示している。この結果は、当業者の予測を超えた顕著な効果である。
【0027】
具体的には、コントロールでの平均摂餌量は7.44g、比較例1では7.19g、比較例2では6.67gであり、単独摂取でも平均摂餌量は減少傾向がみられた。一方、試験例では5.76gであり、コントロールと比較して、摂餌量の有意な減少(P<0.01)がみられた。以上の結果から、本発明にかかるダイエット用組成物を摂取すると、ジャガイモ抽出物や水溶性食物繊維を単独で摂取する場合と比較して、食事量が顕著に減少し、より優れたダイエット効果が得られることが示された。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明にかかるダイエット用組成物を用いると、ジャガイモ抽出物や水溶性食物繊維を単独で摂取する場合と比較して、食事量が顕著に減少し、より優れたダイエット効果が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジャガイモ抽出物と水溶性食物繊維を含むことを特徴とする、ダイエット用組成物。
【請求項2】
前記水溶性食物繊維がグルコマンナンであることを特徴とする、請求項1に記載のダイエット用組成物。
【請求項3】
請求項1または2に記載のダイエット用組成物を食事前に摂取することで、食事量が減少することを特徴とするダイエット方法。

【図1】
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【公開番号】特開2010−273552(P2010−273552A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−126620(P2009−126620)
【出願日】平成21年5月26日(2009.5.26)
【出願人】(398028503)株式会社東洋新薬 (182)
【Fターム(参考)】