説明

ダイヤフラムバルブ

ダイヤフラムバルブの動作を向上させる新規の特徴には、バルブ本体内にダイヤフラムをよりしっかりと固定する特殊なダイヤフラム形状と、ダイヤフラムをダイヤフラムのアクチュエータに結合するための迅速な接続という特徴とが含まれる。ここで、アクチュエータの前方端が、傾斜面と、拡径先端部と、肩部とを含む一方、ダイヤフラムは相補的な形状の切頂形ボアを含む。バルブは、相互接続された流体流路からの選択能を提供するように、バルブを別のバルブまたは構成要素に極めて近接させて機器パネルに取り付けることを許容するモジュール構造であってもよい。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2010年3月4日に出願された米国仮特許出願第61/310,613号の優先権の恩典を主張し、その内容は参照によりそのまま本明細書に組み入れられる。
【0002】
1.発明の分野
本発明は、流体の流れを制御するダイヤフラムバルブの分野に属する。
【背景技術】
【0003】
2.先行技術の説明
ダイヤフラムバルブは流体操作システムにおいて広く用いられているが、生物学的物質や医薬物質を含む流体に対してこのバルブが用いられるとき、ダイヤフラムバルブの特定の特徴が特に懸念される。これらの特徴の一つは、バルブが閉じているときには、バルブがダイヤフラム周辺にまたはダイヤフラムを超えて流体を漏洩させずに、加圧された流体を保持することができることである。別の特徴は、洗浄や交換などのためにユーザーがバルブおよびダイヤフラムアクチュエータの両方からダイヤフラムを取り外すことができ、かつその後の使用のために迅速にダイヤフラムを交換したりバルブを組み立てなおしたりすることができることである。第三の特徴は、すべての流体用のダイヤフラムバルブに適用でき、長い期間繰り返し利用されても、バルブが閉じられているときにダイヤフラムを損傷させるのに十分な大きさの剪断応力をダイヤフラムにかけることなくしっかりと封止をすることができることである。
【発明の概要】
【0004】
ある局面では、本発明は、独特な形状のアクチュエータと、ダイヤフラム内の相補的な形状のボアとを有するダイヤフラムバルブに属する。これらの2つの形状によって、ユーザーが単にアクチュエータの先端部をボアの開口部に対して押し付けることによってアクチュエータをダイヤフラムに完全に固定することができる。ボアは、ダイヤフラムの中心部の小さな領域のみを占め、ボアと反対側のダイヤフラムの部分をバルブ本体内の閉鎖ポートに接触させることによってバルブを閉鎖することができる。アクチュエータとダイヤフラムとが互いに対して固定されると、アクチュエータの動きによってダイヤフラムが閉鎖ポートに対して均一に圧迫され、ダイヤフラムをバルブ本体内に固定する以外にはダイヤフラムとバルブ本体との間にはさらなる接触は必要とされない。アクチュエータ先端部およびボアの独特な形状に起因して、アクチュエータは閉鎖ポートに向かう方向と閉鎖ポートから離れる方向の両方の方向に動くことができる。アクチュエータ先端部とボアとが迅速に接続されるにもかかわらず、アクチュエータが動く際にダイヤフラムとの係合が外れるおそれがない。
【0005】
別の局面では、本発明は、ダイヤフラムがバルブ本体に固定されることを可能にする形状を有するダイヤフラムに属する。ダイヤフラムは、その外側のリムに厚み増大部を有するように、かつ、バルブ本体内と、バルブ本体に結合されてバルブハウジングを構成するボンネット内とのいずれかまたは両方に相補的なくぼみを有するように設計される。ボンネットがバルブ本体に取り付けられると、ボンネットとバルブ本体とがそれらの接触面においてダイヤフラムの隆起した部分を受けて把持する空間を形成し、それによってダイヤフラムが所定の位置に固定される。
【0006】
本発明のある態様は、アクチュエータとボアの特徴とダイヤフラム形状の特徴との両方を含む。
【0007】
本発明のさらなる特徴、目的、有利な点が、以下の記述から明らかになると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の両方の局面が実現されたダイヤフラムバルブの一部を示す拡大断面図である。
【図2】図2AおよびBは、それぞれ閉位置および開位置にあるダイヤフラムバルブの図1に示された部分の組立て断面図である。
【図3】機器パネルに取り付けられた、図1〜図2に示されたダイヤフラムバルブの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
発明および好ましい態様の詳細な説明
特殊なアクチュエータおよびダイヤフラムボアを特徴とする本発明の態様では、ボアは切頂形のボアであり、すなわちボアは、ダイヤフラムの一方の側部に向けて開口しているがダイヤフラムの全厚みにわたって伸びているわけではない。本明細書においては、ダイヤフラムが処理側部と機器側部とを有するものとして説明されている。処理側部とは、バルブを通って流れるかまたはバルブによって流れが止められる処理流体に接する側部である。ダイヤフラムの機器側部とは処理側部とは反対の側であって、ダイヤフラムの位置と動きを制御するバルブの特徴に面している。これらの特徴には、例えば、空気圧その他のアクチュエータ駆動手段が含まれる。ボアの開口部内にはアクチュエータ先端部が挿入されるため、ボアの開口部はダイヤフラムの機器側部にある。
【0010】
バルブ本体はバルブハウジングの一部であり、バルブが開いているときはバルブ本体を通して流体が流れる。そのため、部品が組み立てられたときにバルブ本体の少なくとも一部がダイヤフラムの処理側部にある。バルブ本体は、アクチュエータが閉位置にあり、したがってバルブ全体が閉位置にあるときダイヤフラムによって閉じられ、ダイヤフラムが閉鎖ポートから離れたときに開いて、処理流体がバルブに流れ込みバルブを通って流れることを許容する閉鎖ポートを含む。ボンネットはバルブ本体に結合されるバルブハウジングの一部であり、これらの部品が結合されるとダイヤフラムを囲み込む。このように、ボンネットは、部品が組み立てられたときに主にダイヤフラムの機器側部に存在し、アクチュエータ駆動機構の構成要素を含む。ボンネットとバルブ本体とは、ダイヤフラムを把持するくぼみが形成されている接触面に沿って結合される。ボンネットとバルブ本体とが結合されたときに接触面が閉鎖ポートを囲む(encircle)。ボンネットとバルブ本体とは、略円形であるか、あるいは楕円形または長方形または他の多角形等の、円以外の他の閉じた形状も想定されるので、「囲む」とは「取り囲む(surround)」を意味する。好ましい態様では、ダイヤフラム自体がボンネットとバルブ本体との間の封止部として機能し、ボンネットとバルブ本体との間でバルブから処理流体が漏洩するのを防止することを補助する。さらに好ましい態様では、ダイヤフラムの厚み増大部はダイヤフラムのリム全体にわたって伸び、それによってダイヤフラムを完全に囲む。円形のダイヤフラムの場合、この厚み増大部はダイヤフラムの周囲を取り巻くリングを形成することになる。したがって、ボンネットとバルブ本体との接触面の一方または両方における対応するくぼみは、接触面の長さだけ伸びる溝となる。
【0011】
本発明の他の態様では、例えば永久接着剤を用いて、またはダイヤフラムをアクチュエータに覆いかぶせるように外側被覆することによって、アクチュエータをダイヤフラムに永久的に装着することができる。
【0012】
ダイヤフラムのリムに厚み増大部のあるダイヤフラムを特徴とする態様では、厚み増大部はダイヤフラムの一方の側部または両方の側部で隆起していてもよい。厚み増大部が一方の側部で隆起している場合には、隆起した部分を受ける相補的なくぼみは、隆起した部分に面しているボンネット上またはバルブ本体上の接触面に存在することになる。厚み増大部が両方の側部で隆起している場合には、ボンネット上とバルブ本体上との両方の接触面が相補的なくぼみを有することになる。
【0013】
アクチュエータの形状には、シャフトと、前方端および後方端を有する拡径先端部とが含まれる。前方端とは、最初にダイヤフラムボアに入る端部である。拡径先端部の直径(または先端部の断面形に応じて、概して横方向の寸法)はボアの口部よりも大きく、口部を伸ばして先端部が入れるようにする傾斜面を有する。傾斜面は、頂点に向けて細くなる円錐形、切頂円錐形(すなわち円錐台形)、球状ノブのような球形であってもよい。先端部の後方端には、シャフトから外側に伸びる肩部が形成されている。好ましい態様では、肩部は完全にシャフトを囲み、シャフトの長手方向軸に垂直な平面を画定する。ダイヤフラム内のボアは逆肩部を有する。「逆肩部」は、本明細書においては、アクチュエータシャフト上の肩部が向いている方向とは反対の方向を向く肩部を示すものとして用いられる。逆肩部はアクチュエータ先端部の肩部と位置および構造が相補的であり、それにより好ましくはボアの軸線に垂直な平面を画定する。したがって、ボアは、ダイヤフラムの機器端部に最も近い端部に接する拡径空間で、逆向き肩部によって終端する。拡径空間は、アクチュエータの拡径先端部を受けるのに十分大きく、好ましい態様では、先端部と空間とが密着して、先端部が空間内で動くことを防止する。このように、アクチュエータ先端部の肩部とボアの逆肩部とにより、アクチュエータとダイヤフラムとをスナップ嵌めによって結合することができる。
【0014】
ダイヤフラムは、開位置と閉位置との間で動けるような可撓性を持ち、アクチュエータ先端部が完全にボア内に挿入されると、ボアの口部がその非拡大位置に戻れるように、または少なくともアクチュエータシャフトを把持するのに十分な、非拡大位置までの途中の位置に戻れる程度に十分に弾性的である。材料としては、特に、ダイヤフラムバルブのダイヤフラムに一般的に用いられるエラストマーを本発明のダイヤフラムに用いることができる。EPDM(エチレン-プロピレン-ジエンモノマーから製造されるエラストマー)、FKM(フルオロエラストマー)、およびFFKM(パーフルオロエラストマー)が例として挙げられる。
【0015】
本発明によるダイヤフラム、アクチュエータ、バルブハウジングの部品および構成要素のすべてはさまざまな構造が可能であるが、添付の図面は、本発明全体のさらなる理解を促すための一例を図示するものである。
【0016】
図1は、バルブの長手方向の軸12に沿ったダイヤフラムバルブ11の一部の分解断面図である。この軸は、アクチュエータおよびダイヤフラムが動く方向でもある。図示されている構成要素のそれぞれは、軸12を中心とする回転体、または略回転体である。図示されている構成要素は、ダイヤフラム13、アクチュエータ14、バルブ本体15、およびボンネット16である。バルブ本体15内の閉鎖ポート17はバルブを通る流体の入口ポートとして機能し、バルブ本体内の第二ポート18は出口ポートとして機能する。ボンネット16はアクチュエータ14の通過および動きを許容するために中心開口部21を有する。前述したダイヤフラムの厚み増大部は、ダイヤフラムに隣接する領域の上方および下方の両方に隆起した外周リング22である。この特定のダイヤフラムでは、外周リングの頂面も底面も丸い形状を有する。ボンネットおよびバルブ本体における相補的なくぼみはリングを受けて把持し、それによってダイヤフラムを所定の位置にしっかりと保持する。したがって、ボンネット内のくぼみは、(図面に示された図によれば)開口部21と下方への開口部とを囲む丸い形状の円形溝23である。バルブ本体のくぼみもまた丸い形状の円形溝24であるが、これは上方に開口する。
【0017】
アクチュエータ14は、シャフト25と拡径先端部26とを含む。先端部の前方端は傾斜面27を有する。本態様においては、それによって先端部が円錐台形形となり、後方端は、先端部がシャフトと接する位置に肩部28を形成する。ダイヤフラム内のボア31は、ダイヤフラムの機器側部に設けられ、アクチュエータ145の拡径先端部27を受けて密着する拡径空間33内に開口する口部32を有する。逆肩部34は、アクチュエータシャフトの肩部28に対してサイズと位置が相補的である。
【0018】
図2Aおよび2Bは、図1の部分が組み立てられたダイヤフラムバルブを、閉位置と開位置それぞれにおいて、再び断面図で示している。アクチュエータ14をボア31の口部32に単に押し付けることによって、口部がアクチュエータ先端部の最も広い部分(肩部28)を収容するために伸ばされることで、ダイヤフラム13がアクチュエータ14に固定されている。先端部のすべてが空間33に入ってしまうと、口部はアクチュエータシャフト上の位置に弾き戻る。図2Aの閉位置においては、アクチュエータ14によってダイヤフラム13が下方に動かされており閉鎖ポート17を完全に塞いでいるのに対し、図2Bの開位置では、ダイヤフラム13はアクチュエータ14によって上方に動かされており閉鎖ポート17を開放している。それによって流体は矢印35で示される方向にバルブ本体を通って流れることができる。このように、力がいずれの方向にかけられる間も、アクチュエータとボアとの相補的形状によって、アクチュエータとボアとが互いに固定された状態で保持される。閉位置と開位置との間のアクチュエータの移動距離は数ミリメートルと小さくてもよい。例えば、移動距離は約2mm〜約20mmの範囲にあってもよく、好ましくは約3mm〜約10mmの範囲にある。また、ダイヤフラムの中心部における比較的小さい部分だけが、閉鎖ポート17を閉じるために必要とされ、ダイヤフラムのわずかな変形によって閉鎖ポート17を閉じることができる。ダイヤフラムを手作業で変形させ、口部を十分に伸ばしてアクチュエータ先端部を引き出せるようにすることによって、アクチュエータからダイヤフラムを取り外すことができる。
【0019】
図3は、図1〜2に示された部分を含む、マニホールドに取り付けられたダイヤフラムバルブ全体の断面図である。図は、図1〜2と同じ長手方向軸に沿った断面図であるが、長手方向軸は水平方向を向いている。ダイヤフラム13は図1〜2と同様にバルブ本体15とボンネット16との間に保持され、ボンネット16は支持フレームまたはパネル41に取り付けられている。アクチュエータ14の位置は、アクチュエータシャフトの後方端が取り付けられている空気圧で動くピストン42によって制御される。ピストン42が内部で動くシリンダ43は、取付けねじ44、45によってボンネット16に取り付けられている。ピストン42の後方端は、ピストン42を付勢し、それによってアクチュエータ14を前方(図面における図では左方向)に付勢して、ダイヤフラムをバルブ本体内の閉鎖ポートに寄せる、コイルばね46で囲まれている。ピストン封止部47の左側においてシリンダ43の内部に空気圧をかけると、ピストンが右に付勢され、コイルばね46を圧迫し、ダイヤフラムを閉鎖ポートから離し、バルブを開く。このように、この例では、空気圧が抜かれてコイルばねが弛緩位にあるとき、ダイヤフラムバルブが閉じる。コイルばねが弛緩位にあるときにバルブが開く別の構造も考案可能であり、当業者には容易に理解されよう。また、空気圧ピストンおよびシリンダの使用の代替手段も当技術分野において周知であり、図面に示されるピストンおよびシリンダをこの代替手段で置き換えることができる。このような代替手段の例として、ソレノイドバルブのような電磁駆動機構、水駆動ピストンまたは油駆動ピストンのような液体圧機構、手動レバーやねじのような機械的機構が挙げられる。これらの機構それぞれの構造および操作は当技術分野において公知である。
【0020】
図3に示されるようにバルブが機器パネルに取り付けられているとき、バルブ本体内の流体ポートはパネルの外面側51、すなわち図面に示される図では左側にある。このようにして、2つ以上のこのようなバルブをモジュール構造で並べて、パネルに取り付けることができる。特に、各バルブが閉鎖ポート以外に2つ以上のポートを含む場合には隣接するバルブの間の流体流路を選択することが可能になる。バルブ本体を小型で幅の狭い形状に構築することができ、それによって隣接するバルブを互いに近接して配置することができる。さらに、図3に示されるパネル取付け構造によって、バルブのぬれた部分、すなわちバルブ本体15とダイヤフラム13とを洗浄または交換するために、パネルおよびパネルの内面側(すなわち右側)のバルブ構成要素のいずれをも乱すことなく、他の部分およびパネルから取り外すことができる。
【0021】
本発明に従う好ましいバルブのさらなる特徴は、バルブが含む死容積が最小限であるかまたは無いことである。ここで、バルブの死容量とは、流体、特に生物学的または医薬的な流体が流れない封入量、または隙間を意味する。このような停流を防止することによって、バルブ内での細菌の増殖防止を補助することができ、それによってバルブを衛生的に保って、ユーザーとその後に流れる流体との両方を汚染から守ることを補助することができる。本発明の好ましいバルブでは、バルブを通る流体路の長さもまた最小限にされ、それにより、バルブ内に保持される液体量を最小限にすることができ、バルブが取り付けられるマニホールドのサイズを最小限にすることができる。
【0022】
本発明に係るダイヤフラムバルブおよび方法は一般的な流体システムに有用であるが、分析機器を含むシステム内で生物医薬活性化合物を含む流体を制御する際に、特に有用である。図示された構造、形、配置に対する、さらなる代替手段もまた本発明の趣旨の範囲内にあり、バルブ本体内のポートの数および配置、バルブ本体およびボンネットの形、部品を一緒に固定する手段に関する変形が本発明に含まれる。当業者には、さらなる変形が容易に明らかであろう。
【0023】
添付の特許請求の範囲において、「a」または「an」は「1つまたは複数」を意味することが意図されている。工程や要素の記載に先立って用いられる「を含む(comprise)」およびその変形(例えば「comprises」および「comprising」)は、他の工程や要素が加えられても特許請求の範囲から逸脱しないことを意味することが意図されている。本明細書において引用される特許、特許出願、その他の公表されている任意の参考資料のすべては、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書において引用されている任意の参考資料または一般的な先行技術と、本明細書における明示的な教示との間のいずれの相違も、本明細書の教示によって解決されることを意図している。これには、当該技術分野において理解されている単語や語句の定義と、本明細書において明示的に示される同じ単語や語句の定義との間のすべての相違も含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)外周リムと該リム上の厚み増大部とを有する、可撓性のダイヤフラムと、
(b)(i)内部に閉鎖ポートを有するバルブ本体と、
(ii)前記閉鎖ポートを囲む(encircle)位置において前記バルブ本体に固定されるように構成されたボンネットであって、そのように固定されたときに、該バルブ本体と該ボンネットとが接触面で接する、ボンネットと、
(iii)前記ダイヤフラムの前記外周リムの前記厚み増大部を受け、それによって該ダイヤフラムをハウジング内において前記閉鎖ポートを覆う位置に固定するための少なくとも一方の前記接触面におけるくぼみと
を含む、ハウジングと
を含むダイヤフラムバルブ。
【請求項2】
前記厚み増大部は、前記外周リム全体にわたって伸びている、請求項1記載のダイヤフラムバルブ。
【請求項3】
前記接触面の両方が共同して前記厚み増大部を把持するくぼみを有する、請求項1記載のダイヤフラムバルブ。
【請求項4】
(a)第一の側部と第二の側部と外周リムとを有し、該第一の側部内に切頂形ボアを有する、可撓性のダイヤフラムであって、該切頂形ボアはその中に逆向き肩部が形成されている側壁部を有する、可撓性のダイヤフラムと、
(b)(i)内部に閉鎖ポートを有するバルブ本体と、
(ii)前記閉鎖ポートを囲む位置において前記バルブ本体に固定されるように構成されたボンネットであって、そのように固定されたときに、該バルブ本体と該ボンネットとが接触面で接して、前記ダイヤフラムを該バルブ本体と該ボンネットとの間に固定する、ボンネットと
を含む、ハウジングと、
(c)前記ハウジングに移動可能に取り付けられかつ前記切頂形ボアに挿入されるサイズの拡径先端部で終端するアクチュエータシャフトであって、該拡径先端部が前方端と後方端とを有し、該前方端が傾斜面を有し、それによって該先端部が該ボアに対して押し付けられたときに該ボアを弾性的に拡大し、かつ該先端部が完全に挿入されたときに該後方端の肩部が該ボアの前記逆向き肩部と係合し、それによって該アクチュエータシャフトを前記ダイヤフラムに固定する、アクチュエータシャフトと
を含むダイヤフラムバルブ。
【請求項5】
前記アクチュエータシャフトが長手方向軸を有し、該アクチュエータシャフトの前記拡径先端部の前記後方端上の前記肩部が完全に該アクチュエータシャフトを囲み、前記ボアの前記側壁部の前記逆向き肩部が完全に該ボアを囲み、該肩部と該逆向き肩部とがそれぞれ該長手方向軸に垂直な平面を画定する、請求項4記載のダイヤフラムバルブ。
【請求項6】
前記バルブ本体が、前記ダイヤフラムの前記閉鎖ポートと同じ側に第二ポートをさらに含む、請求項4記載のダイヤフラムバルブ。
【請求項7】
前記閉鎖ポートが前記ダイヤフラムによって塞がれる閉位置と該ダイヤフラムが該閉鎖ポートから離れて流体が該閉鎖ポートを通って流れることができる開位置との間で、前記アクチュエータシャフトを動かす手段をさらに含む、請求項4記載のダイヤフラムバルブ。
【請求項8】
前記動かす手段が、空気圧手段、電磁的手段、液体圧手段、および機械的手段からなる群より選択されるメンバーである、請求項7記載のダイヤフラムバルブ。
【請求項9】
前記動かす手段が空気圧シリンダである、請求項7記載のダイヤフラムバルブ。
【請求項10】
前記アクチュエータシャフトが前記閉位置と前記開位置との間で移動する距離は、約2mm〜約20mmである、請求項7記載のダイヤフラムバルブ。
【請求項11】
前記アクチュエータシャフトが前記閉位置と前記開位置との間で移動する距離は、約3mm〜約10mmである、請求項7記載のダイヤフラムバルブ。
【請求項12】
前記ダイヤフラムが前記リム上に厚み増大部を有し、かつ前記ハウジングが、該ダイヤフラムの該厚み増大部を受けそれによって該ダイヤフラムを該ハウジング内において前記閉鎖ポートを覆う位置に固定するためのくぼみを少なくとも一方の前記接触面にさらに含む、請求項4記載のダイヤフラムバルブ。
【請求項13】
(a)液体をシステム内のダイヤフラムバルブに通す工程であって、前記ダイヤフラムバルブが、
(a)外周リムと該リム上の厚み増大部とを有する、可撓性のダイヤフラムと、
(b)(i)内部に閉鎖ポートを有するバルブ本体と、
(ii)前記閉鎖ポートを囲む位置において前記バルブ本体に固定されるように構成されたボンネットであって、そのように固定されたときに、該バルブ本体と該ボンネットとが接触面で接する、ボンネットと、
(iii)前記ダイヤフラムの前記外周リムの前記厚み増大部を受け、それによって該ダイヤフラムをハウジング内において前記閉鎖ポートを覆う位置に固定するための少なくとも一方の前記接触面におけるくぼみと
を含む、ハウジングと
を含む、工程;および
(b)前記ダイヤフラムを前記閉鎖ポートから離す方向と該閉鎖ポートに近づける方向とに動かし、それによって前記バルブを開閉する工程
を含む、液体の流れを制御する方法。
【請求項14】
前記バルブ本体が、前記ダイヤフラムの前記閉鎖ポートと同じ側に第二ポートをさらに含み、それによって前記バルブが開いているときに前記液体が該閉鎖ポートから該バルブ本体を通って該第二ポートに流れる、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記厚み増大部が前記リム全体に沿って伸びている、請求項13記載の方法。
【請求項16】
前記接触面の両方が共同して前記厚み増大部を把持するくぼみを有する、請求項13記載の方法。
【請求項17】
工程(b)が、空気圧力、電磁力、液体圧力、および機械力からなる群より選択されるメンバーを適用して実施される、請求項13記載の方法。
【請求項18】
工程(b)が空気圧アクションによって実施される、請求項13記載の方法。
【請求項19】
(a)液体をシステム内のダイヤフラムバルブに通す工程であって、該ダイヤフラムバルブが、
(i)第一の側部と第二の側部と外周リムとを有し、該第一の側部に切頂形ボアを有する、可撓性のダイヤフラムであって、該切頂形ボアはその中に逆向き肩部が形成されている側壁部を有する、可撓性のダイヤフラムと、
(ii)内部に閉鎖ポートを有するバルブ本体と、
前記閉鎖ポートを囲む位置において前記バルブ本体に固定されるボンネットであって、該バルブ本体と該ボンネットとが接触面で結合し、かつ該バルブ本体と該ボンネットとの間に前記ダイヤフラムを固定している、ボンネットと、
を含む、ハウジングと、
(iii)前記ハウジングに移動可能に取り付けられかつ前記ボアに挿入されるサイズの拡径先端部で終端するアクチュエータシャフトであって、該拡径先端部が前方端と後方端とを有し、該前方端が傾斜面を有し、それによって該先端部が該ボアに対して押し付けられたときに該ボアを弾性的に拡大し、かつ該先端部が完全に挿入されたときに該後方端の肩部が該ボアの前記逆向き肩部と係合し、それによって該アクチュエータシャフトを前記ダイヤフラムに固定する、アクチュエータシャフトと
を含む、工程;および
(b)前記ダイヤフラムを前記閉鎖ポートから離す方向と該閉鎖ポートに近づける方向とに動かし、それによって前記バルブを開閉するように、前記アクチュエータシャフトを前記ハウジングに対して動かす、工程
を含む、液体の流れを制御する方法。
【請求項20】
工程(b)が、前記閉鎖ポートが前記ダイヤフラムによって塞がれる閉位置と該ダイヤフラムが該閉鎖ポートから離れる開位置との間で前記アクチュエータシャフトを動かす段階を含み、前記閉位置と前記開位置との間の距離が約2mm〜約20mmの長さである、請求項19記載の方法。
【請求項21】
工程(b)が、前記閉鎖ポートが前記ダイヤフラムによって塞がれる閉位置と該ダイヤフラムが該閉鎖ポートから離れる開位置との間で前記アクチュエータシャフトを動かす段階を含み、前記閉位置と前記開位置との間の距離が約3mm〜約10mmの長さである、請求項19記載の方法。
【請求項22】
工程(b)が、前記アクチュエータを長手方向軸に沿って動かす段階を含み、かつ該アクチュエータシャフトの前記拡径先端部の前記後方端上の前記肩部が完全に該アクチュエータシャフトを囲み、かつ前記ボアの前記側壁部の前記逆向き肩部が完全に該ボアを囲み、該肩部と該逆向き肩部とが両方とも該長手方向軸に垂直な平面を画定する、請求項19記載の方法。
【請求項23】
工程(b)が、空気圧力、電磁力、液体圧力、および機械力からなる群より選択されるメンバーを適用して実施される、請求項19記載の方法。
【請求項24】
工程(b)が空気圧アクションによって実施される、請求項19記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2013−521454(P2013−521454A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−556207(P2012−556207)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【国際出願番号】PCT/US2011/026851
【国際公開番号】WO2011/109502
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(507190880)バイオ−ラッド ラボラトリーズ インコーポレーティッド (25)
【Fターム(参考)】