説明

ダイヤモンド多結晶体

【課題】切削バイト等に用いるための、高強度で耐熱性に優れ、熱伝導率が低く切削点での温度を高く保ち、難削材の切削において高い切削性能が得られるダイヤモンド多結晶体を提供する。
【解決手段】非ダイヤモンド型炭素原料を超高圧・超高温下で焼結助剤や触媒の添加なしに直接変換して得られる95質量%以上がダイヤモンドからなる多結晶体であり、ダイヤモンドの粒子のD95粒径が100nm以下で、かつ平均粒径が50nm以下であり、ダイヤモンド粒子が3次元的に結合して気孔が形成されており、気孔率が1〜30vol%であることを特徴とするダイヤモンド多結晶体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイヤモンド多結晶材料に関するもので、特に切削バイト等に用いる高硬度高強度で耐熱性に優れるダイヤモンド多結晶体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
材料の切削に際しては被削材料に適した切削工具及び切削方法が選択される。硬質セラミクスや光学ガラスの形状加工にはダイヤモンド砥石を用いた研削加工が行われる。しかしながら、汎用の自生作用の高い樹脂製ボンドやセラミクス製バインダによりダイヤモンド砥粒を固めた砥石では、切れが良く形状精度は出せるが砥粒の脱落などにより加工面の面粗さを損なう場合がある。一方金属製の硬質バインダを用いた砥石では目詰まりしてしまい研削抵抗が上がり、被加工体に微小クラックや面精度の悪化を生じたり、破損したりすることがある
【0003】
また、難削材の中には加工部の温度を高温に保ち被削材の材料強度が低下した状態で、工具刃先を塑性変形させながら切削加工を行う方法がとられているものがある。
焼き入れ鋼はcBN焼結体工具で切削液を用いずに切削点の摩擦による温度上昇により被削剤の軟化を利用して切削される。硬質セラミックスである窒化珪素やアルミナの切削加工は極めて困難であり、レーザ照射やプラズマ輻射を利用して試料を積極的に加熱し、軟化させながら耐熱性の高い工具で切削加工を行う方法が取られている。
【0004】
このように切削点を高温に保つことが不可欠となる切削には、刃具材質の耐熱性と熱伝導率が重要となる。切削刃具には超硬合金の他、耐熱性の高いセラミックスをバインダとするcBN焼結体が用いられているが、超硬合金の場合は600℃程度から材質中のCoが溶融し始めるなど材質そのものの耐熱性が低いという問題があった。
【0005】
多結晶ダイヤモンド焼結体はcBN焼結体工具に比べて、砥粒の硬度が高く低温では切削性能に優れるが、その多くは組織に含まれる焼結助剤の為に高温下での切削性能に劣る。
すなわち、多結晶ダイヤモンド焼結体として工業的に多用されているものとしては結合材としてCoを用いたダイヤモンド焼結体があり、切削バイトや、ドレッサー、ダイスなどの工具や、掘削ビットなどに使われている。しかしながら、このダイヤモンド焼結体はダイヤモンドの粒子間にCoなどの金属が連続層として存在するため、多結晶体の硬度や強度などの機械的特性が低下し、また、用いた焼結助剤が多結晶中に含まれ、これがダイヤモンドの黒鉛化を促す触媒として作用するためC700℃程度からダイヤモンドの黒鉛化が見られるなど耐熱性に劣る。
【0006】
また、焼結助剤として炭酸塩を用いたもの(特許文献1及び特許文献2参照)やSiCを用いたものが知られているが、焼結助剤として炭酸塩を用いたダイヤモンド多結晶体は、結合剤としてCoを用いたものに比べると耐熱性に優れるが、粒界に炭酸塩物質が存在するため、機械的特性は十分とはいえない。また、SiCを焼結助剤とするダイヤモンド多結晶体は、耐熱性は高いが、ダイヤモンド粒子間の結合力が弱いため材料強度が弱い。
【0007】
さらに、たとえば、特許文献3にはカーボンナノチューブを10GPa以上、1600℃以上に加熱して、微細なダイヤモンドを合成する方法が記載されている(特許文献3)。しかし、開示されている方法はカーボンナノチューブをダイアモンドアンビルで加圧し、炭酸ガスレーザーで集光加熱しているため、切削工具等に適用できるサイズの均質なダイヤモンド多結晶体の製造は不可能である。
【0008】
前記ダイヤモンド多結晶体の耐熱性を上げるために、ダイヤモンド焼結体を酸処理して粒界中の金属焼結助剤を溶解除去してダイヤモンド粒子のみからなる構造体を得る方法があるが、ダイヤモンド粒子間結合の形成過程は焼結条件や金属触媒の局所的な濃度に極めて敏感であり、制御することが難しい。このため、ダイヤモンド粒子によって焼結助剤が封じられる部位も多数発生してしまう。かかる部位では酸処理によって焼結体内部の金属焼結助剤を完全に除去することは困難であり、直接変換により得られた焼結助剤を含まない多結晶ダイヤモンドに比べると耐熱性が不十分である。
また、前記焼結体を構成するダイヤモンド粒の平均粒径は概ね1μm以上であり、酸処理により焼結助剤を溶出させて形成される空隙のサイズは0.03〜3μm程度であるため、工具とした場合に十分な刃先の形状精度が出せない、空隙サイズが大きく材料強度が著しく低下する、などの問題がある。
【0009】
焼結体中に焼結助剤を残存させない、非ダイヤモンド型炭素を原料として直接変換により得られる緻密で硬度が高い、ダイヤモンド多結晶体が開発されている(特許文献4〜7参照)。これらの多結晶体は、焼結助剤が組織に残留する多結晶ダイヤモンド焼結体に比べると、耐熱性に優れ、硬度や耐磨耗性などの機械に極めて優れた特性を示す。
しかしながら、これらのグラファイト状炭素を出発原料として直接変換させて得られるダイヤモンド多結晶体は、緻密体であり機械強度・耐熱特性ともに優れるが、研削工具として使用する場合には、この高硬度性の為にチップポケットとなる微小凹凸の加工が困難であり、研削抵抗が高くなる。一方、熱伝導率が高く、切削点を高温に保つことが重要となる被削材に対する切削性能は劣る。このように研削及び、切削工具としての用途のための特性の点では未だ十分なものとはいえなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平4−74766号公報
【特許文献2】特開平4−114966号公報
【特許文献3】特開2002−66302号公報
【特許文献4】特開2003−292397号公報
【特許文献5】特開2004−131336号公報
【特許文献6】特開2007−22888号公報
【特許文献7】特開2007−99559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、切削バイト等に用いるための、高強度で耐熱性に優れ、熱伝導率が低く切削点での温度を高く保ち、難削材の切削において高い切削性能が得られるダイヤモンド多結晶体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは鋭意研究の結果、非ダイヤモンド型炭素材料を出発原料として焼結条件を最適化することで、95質量%以上がダイヤモンドからなる焼結体であって、ダイヤモンド粒子同士が3次元的に強固に結合しており、微小空隙を有する高硬度な焼結体が得られることを見出した。
すなわち本発明は以下に記載するとおりのダイヤモンド多結晶体に係るものである。
【0013】
(1)非ダイヤモンド型炭素原料を超高圧・超高温下で焼結助剤や触媒の添加なしに直接変換して得られる95質量%以上がダイヤモンドからなる多結晶体であり、ダイヤモンド粒子のD95粒径が100nm以下で、かつ平均粒径が50nm以下であり、ダイヤモンド粒子が3次元的に結合して気孔が形成されており、気孔率が0.01〜30vol%であることを特徴とするダイヤモンド多結晶体。
(2)前記気孔の円相当径のD95粒径が500nm以下であり、円相当径の平均値が100nm以下である(1)に記載のダイヤモンド多結晶体。
(3)粒子のD95粒径が50nm以下、かつ平均粒径が30nm以下である(1)又は(2)に記載のダイヤモンド多結晶体。
(4)硬度が50GPa以上である(1)〜(3)のいずれかに記載のダイヤモンド多結晶体。
【発明の効果】
【0014】
本発明のダイヤモンド多結晶体は、ダイヤモンド粒子が3次元的に結合し機械的強度が高く、また、多孔質体であるため、熱伝導率も直接変換により得られる緻密体のダイヤモンド多結晶体に比べて低いため加工点を高温に保持しながら研削及び、切削加工を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】ダイヤモンドが熱力学的に安定な領域を圧力と温度との関係で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明のダイヤモンド多結晶体は原料である非ダイヤモンド型炭素材料をダイヤモンドに直接変換させることで得られる焼結体であり、焼結助剤を用いてダイヤモンド粒子を焼結させた従来のダイヤモンド焼結体と異なり、ダイヤモンド粒子間の結合も粒子と同時に形成されるため、ダイヤモンド粒子同士が極めて強固に結合して一体化しており、ダイヤモンド粒子が3次元的に連続した構造となっている。
【0017】
本発明のダイヤモンド多結晶体は、非ダイヤモンド型炭素原料が超高圧・高温下で焼結助剤や触媒の添加なしに直接的にダイヤモンドに変換された95質量%以上がダイヤモンドからなる多結晶体であり、粒子のD95粒径が50nm以下100nm以下かつ平均粒径が50nm以下のダイヤモンド焼結粒子(一次粒子)によって構成されている。また、一次粒子の最大粒径は50nm以下、平均粒径が30nm以下であることが好ましい。
【0018】
本発明のダイヤモンド多結晶体においては、ダイヤモンド粒子が3次元的に結合して粒子間に微細な気孔(空隙)が形成される。本発明のダイヤモンド多結晶体においてはその気孔率は0.01vol%以上30vol%以下である。
気孔率を上記の数値範囲とすることによってダイヤモンド多結晶体の機械的強度を損なわずに熱伝導率を低くすることができる。
また、気孔の円相当径のD95粒径が500nm以下であることが好ましく、この粒子間の空隙の円相当径は平均100nm以下であることが好ましい。円相当径をこの数値範囲とすることにより、切削用刃具として用いた場合にダイヤモンド粒子の粒径を小さくすることと相まって十分な刃先稜線の加工精度を得ることが出来る。
【0019】
上記のように、本発明のダイヤモンド多結晶体においてはダイヤモンド粒子の最大粒径は100nm以下であり、粒子間空隙の円相当径も平均100nm以下と十分小さいため、切削用刃具として用いた場合に十分な刃先稜線の加工精度を得ることが出来る。またダイヤモンド粒子間の空隙は最大30vol%であるため、機械的強度の低下も問題とならず、ダイヤモンドに次いで硬いcBN単結晶よりも高い硬度を有し、工具として実用可能である。
【0020】
本発明のダイヤモンド多結晶体はダイヤモンド粒子が3次元的に強固に結合しているため機械強度が高い。また、空隙を高密度に有しているため熱伝導率が低く、加工点を高温に保つ加工に適し、高精度の工具形状が形成可能な高硬度材質である。この空隙は研削加工時には研削により除去された研削屑や切削液を溜めるチップポケットとして大きな効果を発揮する。
以下では、本発明のダイヤモンド多結晶体の製造方法について述べる。
【0021】
(非ダイヤモンド型炭素原料)
本発明は、非ダイヤモンド型炭素材料を直接変換焼結させたダイヤモンド多結晶体であり、前記非ダイヤモンド型炭素材料としては、フラーレン、カーボンナノチューブ、アモルファスカーボン、グラッシーカーボン、グラファイトなどが適用可能であるが、これらに限定されるものではない。
本発明のダイヤモンド多結晶体を得るには原料炭素をできるだけ緻密な形態に整えて焼結させる必要があり、カーボンナノチューブやアモルファスカーボン等は粉末状ではなく冷間等方加圧法などにより、ペレット状に成形して用いることが望ましい。
ダイヤモンド多結晶体を構成するダイヤモンド粒子のD95粒径を100nm以下とし、平均粒径を50nm以下とするためには非ダイヤモンド型炭素原料の粒子径を微細なものとすることが必要であり、好ましくは1μm以下とする。1μm以下とすることはダイヤモンド粒子の平均粒径を50nm以下とするのに有効な手段の一つである。
【0022】
(ダイヤモンドへの変換)
前記非グラファイト炭素原料を高融点金属カプセルに充填し、超高圧発生装置を用いてダイヤモンドを熱的に安定な圧力環境下で所定時間保持することにより、非グラファイト炭素原料がダイヤモンドに直接変換されて高硬度ダイヤモンド多結晶体となる。本発明の微細な空隙を持った組織とするためには2000℃以上の高温下で処理することが好ましい。
【0023】
非ダイヤモンド型原料炭素をダイヤモンドに変換させる加熱方法は、間接加熱が好ましい。原料炭素への直接通電加熱や、局所的に熱力を与えるレーザ加熱では、原料全体を一定温度に保つことが困難であり、ダイヤモンドへの未変換部分や微細空隙を内包しない部分が生じやすくなるためである。
【0024】
上記の原料炭素をダイヤモンドに変換する過程におけるダイヤモンドが熱力学的に安定な圧力領域は、温度により異なるが、1500℃以上の焼結温度に対して8.5GPa以上の加圧が必要であり、微細な空隙を持つ組織とするためには2000℃以上に加熱する場合には更に高圧の12GPa以上が好ましい。
またダイヤモンドに変換する過程における所定温度及び、所定圧力の保持時間としては、特に限定されないが10〜10000秒程度が好ましい。
【0025】
図1はダイヤモンドが熱力学的に安定な領域を圧力と温度との関係で示したものである。
本発明では、このダイヤモンドへの変換過程を上記のように1500℃以上で行うため、この温度を考慮して、図1のハッチングで示す範囲から適宜選定することが好ましい。さらに、ダイヤモンド安定領域にあっても、圧力が低いと未変換部が残留しやすくなるため、平衡線(図1中の一点鎖線)よりやや高い圧力が好ましく、具体的には8.5GPa以上が好ましい。なお、図1において、一点鎖線の上方がダイヤモンド安定領域であり、一点鎖線の下方がグラファイト安定領域である。
【0026】
このようにして95質量%以上がダイヤモンドからなるダイヤモンド多結晶体でありながら、300W/m・K以下と熱伝導率が極めて低く、脆性硬質材料の切削に適する材質が得られる。
多結晶体ダイヤモンドの粒子が3次元的に強固に結合していない場合は、ダイヤモンド砥粒を散布した鋳鉄盤によるスカイフ研磨を行っても、研磨中に粒子の脱落が生じる為、Ra0.1μm以下の鏡面は得られない。一方、粒子間に強固な結合が形成されている場合は、良好な研磨面が得られる。
実際の切削は断熱性を向上させるために断熱系で、かつ非酸化雰囲気で行われることが望ましい。
【実施例】
【0027】
本発明を実施例及び比較例を挙げることによってより詳細に説明するが、これらの実施例は例示的なものであり、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
測定方法は以下の通りである。
【0028】
<原料の粒径評価>
炭素原料の平均粒子径は、バルク原料については破断面を、粉末原料については粉末を走査型電子顕微鏡により観察し、粒度分布を測定した。
<ダイヤモンド粒子の平均粒径>
ダイヤモンド多結晶体中のダイヤモンド粒子の平均粒径は走査型電子顕微鏡により倍率10〜50万倍で写真撮影像を元にして画像解析を実施することで得た。ダイヤモンドは絶縁体であるため高倍率でのSEM観察には導電性薄膜のコーティングが必要であり、このような微小粒径は観察できない。高感度のシンチレーターフォトマルチプライヤー組み合わせ型検出器搭載のSEMにより、加速電圧を極めて低く(0.7〜1.5KV)し、プローブ電流量を15〜16.5pAと大きくすることで、倍率2〜10万倍での組織観察が可能となった。この写真撮影像を元にして画像解析を実施することで、平均粒径及びD95粒径を得た。
以下にその詳細方法を示す。
まず、走査型電子顕微鏡で撮影した撮影像を元に焼結体を構成する結晶粒の粒径分布を測定する。具体的には、画像解析ソフト(例えば、Scion Corporation社製、ScionImage)を用いて、個々の粒子を抽出し、抽出した粒子を2値化処理して各粒子の面積(S)を算出する。そして、各粒子の粒径(D)を、同じ面積を有する円の直径(D=2√(S/π))として算出する。
次に、上記で得られた粒径分布をデータ解析ソフト(例えば、OriginLab社製Origin、Parametric Technology社製Mathchad等)によって処理し、平均粒径並びにD95粒径を算出した。
以下に記載する実施例、比較例では走査型電子顕微鏡としてCarl Zeiss社製 ULTRA55を用いた。
【0029】
<硬度>
硬度測定はヌープ圧子を用いて測定荷重を4.9Nとして実施した。
<気孔径及び、気孔率>
高精度に面出しした試料の高分解能走査型電子顕微鏡観察像より、空隙箇所を抽出し、画像解析ソフト(例えば、Scion Corporation社製、ScionImage)を用いて、空隙箇所を抽出し、ダイヤモンド粒子の粒径計測と同様に円相当径を求め、解析し平均径とD95粒径を求めた。また気孔部の面積を求め、画像面と比較することによって求めた。
<熱伝導率>
キセノンフラッシュランプによるパルス加熱法により測定した。
【0030】
[実施例]
原料として、平均粒径が0.5〜1μmで純度が99.95%以上である、フラーレン粉末、カーボンナノチューブ粉末、グラッシーカーボン粉末、グラファイト粉末と、このグラファイト粉末を冷間静水圧加圧法により、ペレット状に整形したバルク試料を用いて、種々の圧力、温度条件で10分間処理して。ダイヤモンド多結晶体を得た。
得られた試料について、その生成相をX線回折により同定し、TEM観察により構成粒子の粒径を調べた。また、得られた試料の表面を鏡面に研磨し、その研磨面での硬さをマイクロヌープ硬度計で測定すると共に、熱伝導率を測定した。
結果を表1に示す。
【0031】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明のダイヤモンド多結晶体は、従来の金属結合材や焼結助剤を含むダイヤモンド焼結体に比べて熱伝導率が低く、機械的強度及び耐熱性にも優れるので、特に切削工具等の用途に好適に使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非ダイヤモンド型炭素原料を超高圧・超高温下で焼結助剤や触媒の添加なしに直接変換して得られる95質量%以上がダイヤモンドからなる多結晶体であり、ダイヤモンド粒子のD95粒径が100nm以下で、かつ平均粒径が50nm以下であり、ダイヤモンド粒子が3次元的に結合して気孔が形成されており、気孔率が0.01〜30vol%であることを特徴とするダイヤモンド多結晶体。
【請求項2】
前記気孔の円相当径のD95粒径が500nm以下であり、円相当径の平均値が100nm以下である請求項1に記載のダイヤモンド多結晶体。
【請求項3】
粒子のD95粒径が50nm以下、かつ平均粒径が30nm以下である請求項1又は2に記載のダイヤモンド多結晶体。
【請求項4】
硬度が50GPa以上である請求項1〜3のいずれかに記載のダイヤモンド多結晶体。

【図1】
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【公開番号】特開2011−11920(P2011−11920A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−154637(P2009−154637)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【出願人】(503212652)住友電工ハードメタル株式会社 (390)
【Fターム(参考)】