説明

ダウンザホール穿孔のための方法および装置

本発明は、ダウンザホール穿孔のための方法および装置に関し、該穿孔は、ケーシング部2と、本質的にその内部に存在するドリルユニット3とを含むドリルデバイス1を有する装置によって実施され、そのドリルヘッドには、少なくとも、中心孔を穿孔するための第1のドリル手段4と、ケーシング部2ために中心孔をリーミングするための第2のドリル手段5と、噴射媒体をドリル表面P上に導くための第1の噴射手段6aおよび噴射媒体と穿孔屑とを少なくとも部分的にケーシング部2の内部に戻すための第2の噴射手段6bを含む噴射流構造部6とがある。第1のドリル手段4が、該孔からの除去を可能にするために取外し可能に第2のドリル手段5と結合される。ケーシング部2は、ドリルユニット3によって穿孔されるべき孔内に引き入れられるように構成される。噴射媒体は、断面図において、第1のドリル手段4の外周および/または第2のドリル手段5の内周に設けられる、軸線方向sに向けられた流れ構造部6a;6a’,6b;6b’によって、ドリル表面P上にもたらされ、そこから戻される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項の前提項に従うダウンザホール穿孔のための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、フィンランド国特許出願公開第75650号明細書には、ボーリングおよび/またはハンマ穿孔用の、外套管内に配置されるドリルロッドユニットに関連して使用されるように意図されるボーリング工具が示される。ドリルロッドユニットの前端に取付けられるべきボーリング工具は、切削ユニットを備えるセンタドリルと、センタドリルに対して後置され、切削ユニットをも有する偏心リーミングドリルとを有する。リーミングドリルは、センタドリルに対して、外套管の前で側方に位置付けられる穿孔位置と、外套管の半径方向内方に退避する戻り位置との間で移動する。初期の解決手段では、センタドリルに、大抵の場合、半径方向に向けられた硬質金属からなる4つの切削部品が設けられ、その部品用のリーマが1つまたは2つの半径方向に向けられた硬質金属からなる切削部品を含んでいるが、この初期の解決手段から逸脱して、当該公報に従う解決手段では、切削部品が所定の様式で配置されるビット部品に置換される。この公報に示される解決手段によれば、センタドリルおよびリーミングドリルのこのような構造は、ボーリング工具の動作時間をできるだけ長くすることを目的としている。
【0003】
先行技術と比べてより発展した様式で表土穿孔を行う方法が、たとえば、フィンランド国特許第95618号明細書から以前から知られている。ケーシング部、すなわち当該特許に従ういわゆるケーシングパイプ内に存在するドリル装置のドリルユニットのドリルヘッドが、第1フレーム部と環状の第2フレーム部とから形成され、そのドリル表面には、第1および第2のドリル手段、すなわちパイロットおよびリーマの、ドリルビットなどのドリル機構が配置される。この解決手段では、パイロットを形成する第1フレーム部である第1のドリル手段が、リーマを形成する第2フレーム部から解放され、穿孔状態の後、穿孔された孔から引き抜かれる。当該解決手段では、発生した穿孔屑を除去するための噴射手段の第2機構が、カウンターパート表面構造部に属するアセンブリによって、穿孔屑を導くように設けられ、該カウンターパート表面構造部は、前記ドリル手段を、穿孔状態の間、相互に回転しないようにかつ長手方向両方向に接続し、換言すれば、第1フレーム部の外周に長手方向に配置される、バヨネットカップリングに属する、流動溝によって有利な実施形態として実施される。
【0004】
特に、いわゆるパイル穿孔が、いわゆるマイクロパイルと大径基礎パイルとの両方を形成する際に、急速に一般的になってきている。パイル穿孔の利点は、とりわけ、穿孔されたパイルを所望の位置、方向および深さに素早くかつ正確に装着できるという事実である。パイルの真直度、底部の検証および正確な位置決めが要因であり、そのおかげで、パイル穿孔は、特に厳しい建設現場において、しばしば杭打ちに取って代わってきている。穿孔されたパイルは、対応する量の土を、穿孔された土を完全に上に上げることによって、その容積に置き換える。これは、パイルを打込むときに生じ得る、周囲構造物を壊すかもしれない水平方向の歪を生じさせない理由である。パイル穿孔は、パイルが打ち込まれる場合と比べて、比較的静かで、非常に振動が少ない(ハンマの動作振動数は、土および構造物の固有振動数よりも高い)。一方、傾斜する岩石構造内でさえ、信頼性があり努力の必要なく、装着されたケーシングパイプを得るために穿孔されたパイルによって提供される可能性は、掘削によってパイリングする方法と比べて、優位な要因である。
【0005】
したがって、有意の数の優位な要因がパイル穿孔に関連しており、実際には、最も推奨可能な代替物として、パイル穿孔が頻繁に行われている。その製造能力によっても最も効率のよいパイリング方法であるパイル穿孔のおかげで、かつ比較的小さく、容易に輸送可能で場所を取らない機械によってパイリングが可能であるという事実によって、ほとんど例外なく、基礎建設業者はパイル穿孔に対して前向きな態度を取っている。
【0006】
パイル穿孔は、ダウンザホールハンマを動作させるために、かつ流動材料を上に上げるための手段として、加圧空気を用いる。しかしながら、噴出の際の空気の不注意な使用はいくつかの課題をもたらし、その解決は、パイル穿孔に関する発展の観点から必要である。
【0007】
噴出空気によって引き起こされる課題は、2つの主なカテゴリに分けられる。
・噴出空気の使用は、地表の過剰な量の材料を過剰に穿孔するかもしれず、その場合、建設されるべき基礎および周囲構造物が危険な状態になる。これは、特に摩擦土(砂、シルトなど)で典型的な状態である。
・第2の課題は、特に粘性土(粘土など)の場合における、空気の土中への「押し込み」に起因し、これによって、空気が、近傍に存在する荷重支持パイル(たとえば、打ち込まれた木製パイル)の周囲に漂流する可能性があり、この場合、パイル(または複数のパイル)の重量支持能力を非常に急速に低下させ得る。
【0008】
噴射空気の不注意な使用は、とりわけ、粘性土に打ち込まれた古い木製パイルの支持を基礎とされたいくつかの現場において、ダウンザホールハンマによるパイル穿孔ができず、この場合、土中に「逃げた」空気は、建物の突然の沈降および亀裂を生じる。一方、いくつかの現場では、噴射空気によって、パイルが、有意に多くの量の土が実際に置き換えられたものよりも過剰に穿孔され、これによって、周囲の建物を傾けさせる。
【0009】
しかしながら、ダウンザホールハンマ穿孔は、操作するのに非常に効率のよい方法であり、すべての土環境に適用可能であり、それによって立てられたパイルは真っ直ぐでありかつ信頼性があるので、その使用に関する欠点は、将来においてもダウンザホールハンマ穿孔を可能にするために取り除かれる必要がある。
【0010】
上述のように、ダウンザホールハンマ穿孔における噴射空気の使用によって生じる課題は、通常、操作要員の乏しい専門的技能または不注意によるものであるが、実際には、ドリルビット構造および穿孔技術がこの課題を本質的に生じさせている可能性がある。これに関して、たとえば、ドリルビットは、元々、通常、削岩用に設計されており、これによって、噴射空気は、第一に、多重破砕を回避するために、粒子の素早い除去のために、穿孔点にできるだけ効率的に向けられなければならず、一方で、このような容量(および速度)で、材料をケーシングを通して上に上げている。これが、ドリルビットの噴射開口部が岩石表面に直接向けられている理由である。穿孔中、噴射空気は、岩石孔内では上方に戻らず、壊されていない壁を有する孔に沿って戻っていく可能性がある。しかしながら、このような状態は、表土穿孔におけるものとは異なり、これによって地山がさらに非常に容易に空気を通し得る。この場合において、噴射空気をケーシングパイプにまたはそれと関連させて逆戻りさせることは、従来のドリルビットで行った場合、非常に問題があるか、さらに不可能である。一方、大量の空気が土の持ち上げに必要とされ、このことは、ケージングパイプ内部に高速度を生じさせるとともに、噴射空気の直接土への非常に効果的な吹出しを生じさせる。
【0011】
したがって、噴射媒体の非常に制御された循環が特にパイル穿孔において要求されるが、それに応じて、他のタイプのダウンザホール穿孔においては、水などの液体が噴射媒体として使用されるので、土は比較的流動しているけれども、噴射媒体は、主として、ケーシングパイプを通して地表に戻される。一方で、穿孔作用は、地山の圧力が噴射媒体の入力開口部を塞がないように、換言すれば、供給されるべき噴射媒体が地山の圧力を超える一方で、穿孔点からの媒体を噴射するための最も容易な方法がケーシングパイプに戻る所望の様式で行われるように、できるだけ良好に保護された空間内で行わなければならない。
【発明の概要】
【0012】
本発明に従う方法および装置の目的は、上述の課題における決定的な改善を達成し、したがって先行技術のレベルを本質的に上昇させることである。この目的を実行するために、本発明に従う方法および装置は、主として、関連する独立請求項の特徴部分に示されたものによって特徴付けられる。
【0013】
本発明に従う方法および装置の最も重要な利点としては、第一に、技術的に非常によく機能できることが既に分かっているドリルビット構造を利用することができるという事実のおかげで、本発明に従う方法および装置によって可能にされる構造および動作原理の簡略化および効率化に言及され得る。本発明は、その構造に関して極めて簡単な第1のドリル手段またはパイロットを、特に、噴射媒体がドリル表面にもたらされて、そこからパイロットとリーマとの間の空間を通して、穿孔屑とともに除去されるという事実のおかげで、可能にし、この場合、パイロットの先端を越えて非常に効率的に循環する噴射流が達成される。一方、噴射媒体の通路を制御する案内表面構造部を有するドリルヘッドを設けることによって、噴射媒体のドリル表面への漂流前に、噴射媒体が戻り流路に入るのを同時に防ぐことによって、噴射媒体のドリル表面への漂流を確保することができる。
【0014】
一方、本発明は、ドリルユニットのドリルヘッドに、必要に応じて、土に向けられ得ないように加圧空気流の通路を向けるカウンターパート表面構造部を設けることによって、噴射媒体として加圧空気のさらなる使用を可能にする。そのおかげで、とりわけ、現在の技術、たとえば、当然不釣り合いに高価になる穿孔現場を限定する保護パイリングによって穿孔する場合に防ごうと現在試みられている、過剰穿孔および周囲構造物の基礎が損傷を受けることを回避することができる。本発明に従う方法および装置によれば、安全性の改善をもたらし、したがって、穿孔それ自体の実施の際の明らかな節約も達成することができる。
【0015】
本発明に従う方法および装置の有利な実施形態は、関連する従属請求項に示されている。
以下の説明において、添付の図面を参照して詳細に本発明が示される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】先行技術を示すドリルデバイス構造の部分縦断面図を示す。
【図2a】本発明に従う方法を適用する有利なドリルデバイスのドリルヘッドおよびそれに関連して生じる噴射媒体流の部分縦断面図を示す。
【図2b】ドリルデバイスのドリル表面から見た正面図を示す。
【図3】本発明に従う方法を適用する装置に属する有利なドリルデバイスの縦断面図を示す。
【図4】図3に示されるものに関する代替のまたは補完する実施を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、ダウンザホール穿孔のための方法に関し、該穿孔は、ケーシング部2と、少なくとも穿孔状態の間、本質的にその内部に存在するドリルユニット3とを含むドリルデバイス1を有する装置によって実施され、そのドリルヘッドには、少なくとも、中心孔を穿孔するための第1のドリル手段4と、ケーシング部2のために中心孔をリーミングするための第2のドリル手段5と、噴射流構造部6とがあり、該噴射流構造部は、噴射媒体をドリル表面P上に導くための第1の噴射手段6aと、噴射媒体および穿孔屑を少なくとも部分的にケーシング部2の内部に戻すための第2の噴射手段6bとを含む。第1のドリル手段4は、少なくとも穿孔状態の間、回転運動w4、軸線方向s供給運動z4および/またはハンマリング運動t4のために、第2のドリル手段5と協働するために、動力伝達可能に第2のドリル手段5と結合され、他方で、該孔からの除去を可能にするために取外し可能に第2のドリル手段5と結合される。ケーシング部2は、たとえばケーシングシュー8を取付けることによってドリルユニット3によって穿孔されるべき孔内に引き入れられるように構成される。噴射媒体は、断面で見たときに、第1のドリル手段4の外周および/またはドリル表面P上にもたらされ、第2のドリル手段5の内周に存在する軸線方向に向けられた流れ構造部6a;6a’,6b;6b’によって、ドリル表面P上にもたらされ、穿孔屑とともにドリル表面Pから戻される。
【0018】
本方法は、ドリル装置によって動作するときに有利に利用され、該ドリル装置において、ドリルデバイス1のドリルヘッドは、たとえば図2a、図3および図4に示されるように、第1のフレーム部4aと第2のフレーム部5aとから形成され、そのドリル表面P;P1,P2には、一体化されたドリル部品、別個のドリル片またはビットなどの第1および第2のドリル手段4,5のドリル機構が設けられ、これによって、回転対称なリーマが、ドリルユニット3の長手方向sに垂直な断面で見たとき、本質的に連なるドリル表面を半径方向に有する第2のドリル手段5として使用される。この点について、たとえば図1、図2a、図3および図4に示される縦断面図ならびに図2bに示される正面図に従えば、噴射媒体および穿孔屑を少なくとも部分的にケーシング部2の内部に戻すための噴射流構造部の少なくとも第2の噴射手段6;6bが、第1および第2のフレーム部4a,5aなどの第1および第2のドリル手段4,5間に配置される、1または複数の軸線方向sに向けられた戻り流路6b’によって構成される。噴射媒体は、供給路6a1から、有利には第1のフレーム部4aなどの第1のドリル手段4に中央に導かれ、そこから外方に向けられた1または複数の分配路6a2によって、第1のドリル手段のドリル表面P1から距離eをあけて第1のフレーム部4aなどの第1のドリル手段4の外周にある供給流路6a’に導かれる。したがって、図2bに明示されるように、ドリル手段4,5間の噴射流構造部の一部は、噴射媒体のための供給流構造部6a’として使用される。
【0019】
さらに、本方法の有利な実施形態として、噴射媒体のドリル表面P上への通路は、たとえば図2a、図3および図4に示されるように、第1のドリル手段4またはパイロットを形成する第1のフレーム部4aに有利に存在する案内表面構造部Xによって、ドリルユニット3のドリルヘッドに案内される。
【0020】
当該案内表面構造部Xによって、供給流路6a’から戻り流空間6b1に噴射媒体の供給流が戻ることが、ドリル表面P上への漂流前に防がれ、この場合、噴射媒体の循環が、図2aに示されるように、パイロットの端部を「越えて」確保される。さらに、図2a、図3および図4に示されるように、この場合、供給流路6a’の断面積が、流路6a’の傾斜した底面bsによって、ドリル表面に近づくにつれて増加するように、流路を最適化することができ、この場合、同時に噴射媒体の速度が低下する。さらに、図2bに開示される原理に基づいて、噴射媒体をたとえば1つの供給流路6a’によってドリル表面Pにもたらすとき、パイロット4およびリーマ5間の2つの軸線方向に向けられた戻り流路6b’を利用することによって、ドリル表面Pからの噴射媒体および穿孔屑の効率的な除去を確実にすることができる。
【0021】
さらに、特に図4に示される有利な実施形態を参照して、噴射媒体供給流の方向は、特に運動エネルギを減少させることによって土中への漂流を減少させるために、ドリル表面Pに本質的に関連してカウンターパート表面構造部yによって変更される。このように実施される場合、最初に、噴射媒体が軸線方向に向けられた供給流路6a’に入りながらリーマ5の内面に衝突し、次にパイロット4の端部からドリル表面上に案内されながらリーマの内方に傾斜した端部yに衝突するとき、噴射媒体の土中への漂流を効率よく防止することができる。
【0022】
さらに、有利な実施形態として、図2a、図3および図4に示されるように、1または複数の循環流路6abによって、戻り流が部分的により効果的に形成されるように、噴射媒体を利用することができる。
【0023】
本発明は、またダウンザホール穿孔のための装置に関し、該装置は上述のようなドリルデバイス1を含む。特に、図2a、図2b、図3および図4に示される有利な実施形態を参照して、噴射流構造部6は、噴射媒体をドリル表面P上にもたらすとともに、それを穿孔屑とともにドリル表面Pから戻す軸線方向sに向けられた流れ構造部6a;6a’,6b;6b’を含み、該構造部は断面で見たとき、第1のドリル手段4の外周および/または第2のドリル手段5の内周に存在する。
【0024】
さらに有利な実施形態として、図2a、図3および図4に示される縦断面図を参照して、噴射流構造部6の第1の手段6aは、第1のフレーム部4aなどの第1のドリル手段4に中央に導かれる供給路6aと、そこから外方に導く1または複数の分配路6a2とを含み、噴射媒体を、第1のドリル手段のドリル表面P1から距離eをあけて第1のフレーム部4aなどの第1のドリル手段4の外周にある供給流路6a’に導く。
【0025】
さらに、有利な実施形態として、噴射流構造部6は、ドリルユニット3のドリルヘッドに、噴射媒体の通路をドリル表面P上に案内する案内表面構造部Xを含む。当該案内表面構造部Xは、ドリル表面P上への噴射媒体の漂流前に、噴射媒体供給流が供給流路6a’から戻り流空間6b1に戻ることを防ぐように構成される。
【0026】
さらに有利な実施形態として、特に図4を参照して、噴射流構造部6は、特に運動エネルギを減少させることによって噴射媒体の土中への漂流を減少させるために、ドリル表面Pに本質的に関連して噴射媒体供給流の方向を変更するカウンターパート表面構造部yを含む。
【0027】
本発明は上述の実施形態に限定されず、代わりに、いつでも必要に応じて本発明の基本的着想の範囲内で修正することができることは明らかである。したがって、添付の図面に示されているドリルヘッドの構造は、実際には、異なる直径で実施される場合、ただ単に変更されてもよいことは明らかである。添付の図面に示された実施形態のタイプに代えて、当然ながら、ドリルデバイスとして、同様の目的に適用可能な他のドリルデバイスを使用することができ、この場合、ケーシング部は、地山に引き入れられるときに、最も有利には回転しないように、穿孔に関連して利用される。本発明に従う方法および装置に対して、いずれも、第1および第2のドリル手段がどのように作用して結合するのかは重要ではなく、大抵の異なる解決手段が、ねじ継手固定を始めとして、各手段間の動力伝達アセンブリとして利用可能である。また、ケーシングシューが、ケーシング部などの端部に一体的に配置されてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダウンザホール穿孔のための方法であって、該穿孔は、ケーシング部(2)と、少なくとも穿孔状態の間、本質的にその内部に存在するドリルユニット(3)とを含むドリルデバイス(1)を有する装置によって実施され、ドリルデバイス(1)のドリルヘッドには、少なくとも、中心孔を穿孔するための第1のドリル手段(4)と、ケーシング部(2)のために中心孔をリーミングするための第2のドリル手段(5)と、噴射媒体をドリル表面上に導き、穿孔屑を少なくとも部分的にケーシング部(2)の内部に戻すための噴射流構造部(6)とがあり、第1のドリル手段(4)が、少なくとも穿孔状態の間、回転運動(w4)、供給運動(z4)および/またはハンマリング運動(t4)のために、第2のドリル手段(5)と協働するために、動力伝達可能に第2のドリル手段(5)と結合され、他方で、該孔からの除去を可能にするために取外し可能に第2のドリル手段(5)と結合され、ケーシング部(2)は、ドリルユニット(3)によって穿孔されるべき孔内に引き入れられるように構成される、方法において、
噴射媒体は、断面で見たとき、第1のドリル手段(4)の外周および/または第2のドリル手段(5)の内周に存在する、軸線方向(s)に向けられ相互に分離した供給流路(6a’)および戻り流路(6b’)を通して、噴射流構造部(6)の第1の噴射手段(6a)によってドリル表面(P)上にもたらされ、噴射流構造部(6)の第2の噴射手段(6b)によって穿孔屑とともにドリル表面(P)から戻されることを特徴とする方法。
【請求項2】
ドリル装置によって動作するとき、ドリルデバイス(1)のドリルヘッドは、第1のフレーム部(4a)と第2のフレーム部(5a)とから形成され、そのドリル表面(P;P1,P2)には、一体化されたドリル部品、別個のドリル片またはビットなどの第1および第2のドリル手段(4,5)のドリル機構が設けられ、回転対称なリーマが、ドリルユニット(3)の長手方向(s)に垂直な断面で見たとき、本質的に連なるドリル表面を半径方向に有する第2のドリル手段(5)として使用され、噴射媒体および穿孔屑を戻すための噴射流構造部の少なくとも第2の噴射手段(6;6b)が、第1および第2のフレーム部(4a,5a)などの第1および第2のドリル手段(4,5)間に存在する、1または複数の軸線方向(s)に向けられた戻り流路(6b’)によって構成され、噴射媒体は、供給路(6a1)から導かれて、第1のフレーム部(4a)などの第1のドリル手段(4)に中央に導かれ、そこから外方に向けられた1または複数の分配路(6a2)によって、第1のドリル手段のドリル表面(P1)から距離(e)をあけて第1のフレーム部(4a)などの第1のドリル手段(4)の外周にある供給流路(6a’)に導かれ、
噴射媒体のドリル表面(P)上への通路は、たとえば第1および/または第2のドリル手段(4,5)に関連して、ドリルユニット(3)のドリルヘッドに存在する案内表面構造部(X)によって案内され、これによって、供給流路(6a’)から戻り流空間(6b1)に噴射媒体供給流が戻ることが、ドリル表面(P)上への漂流前に防がれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
噴射媒体供給流の方向は、特に、運動エネルギを減少させることによって土中への漂流を減少させるために、ドリル表面(P)に本質的に関連してカウンターパート表面構造部(y)によって変更されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ダウンザホール穿孔のための装置であって、ケーシング部(2)と、少なくとも穿孔状態の間、本質的にその内部に存在するドリルユニット(3)とを含むドリルデバイス(1)を有し、ドリルデバイス(1)のドリルヘッドには、少なくとも、中心孔を穿孔するための第1のドリル手段(4)と、ケーシング部(2)のために中心孔をリーミングするための第2のドリル手段(5)と、噴射媒体をドリル表面(P)上に導き、穿孔屑を少なくとも部分的にケーシング部(2)の内部に戻すための噴射流構造部(6)とがあり、第1のドリル手段(4)が、少なくとも穿孔状態の間、回転運動(w4)、供給運動(z4)および/またはハンマリング運動(t4)のために、第2のドリル手段(5)と協働するために、動力伝達可能に第2のドリル手段(5)と結合され、他方で、該孔からの除去を可能にするために取外し可能に第2のドリル手段(5)と結合され、ケーシング部(2)は、ドリルユニット(3)によって穿孔されるべき孔内に引き入れられるように構成される、装置において、
噴射流構造部(6)は、噴射媒体を噴射流構造部の第1の噴射手段(6a)によってドリル表面(P)上にもたらし、噴射媒体を噴射流構造部の第2の噴射手段(6b)によって穿孔屑とともにドリル表面(P)から戻すための、軸線方向(s)に向けられ相互に分離した供給流路(6a’)および戻り流路(6b’)を含み、該流路が、断面で見たとき、第1のドリル手段(4)の外周および/または第2のドリル手段(5)の内周に存在することを特徴とする装置。
【請求項5】
ドリルデバイス(1)のドリルヘッドは、第1のフレーム部(4a)と第2のフレーム部(5a)とから形成され、そのドリル表面(P;P1,P2)には、一体化されたドリル部品、別個のドリル片またはビットなどの第1および第2のドリル手段(4,5)のドリル機構が設けられ、回転対称なリーマが、ドリルユニット(3)の長手方向(s)に垂直な断面で見たとき、本質的に連なるドリル表面を半径方向に有する第2のドリル手段(5)として使用され、噴射媒体および穿孔屑を戻すための噴射流構造部の少なくとも第2の噴射手段(6;6b)が、第1および第2のフレーム部(4a,5a)などの第1および第2のドリル手段(4,5)間に存在する、1または複数の軸線方向(s)に向けられた戻り流路(6b’)によって構成され、噴射流構造部(6)の第1の噴射手段(6a)は、第1のフレーム部(4a)などの第1のドリル手段(4)に中央に導かれる供給路(6a1)と、そこから外方に向けられた1または複数の分配路(6a2)とを含み、噴射媒体を、第1のドリル手段のドリル表面(P1)から距離(e)をあけて第1のフレーム部(4a)などの第1のドリル手段(4)の外周にある供給流路(6a’)に導き、
噴射流構造部(6)は、ドリルユニット(3)のドリルヘッドに、噴射媒体のドリル表面(P)上への通路を案内するための案内表面構造部(X)を含み、該案内表面構造部(X)は、噴射媒体供給流が、ドリル表面(P)上への漂流前に、供給流路(6a’)から戻り流空間(6b1)に戻ることを防ぐことを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
噴射流構造部(6)は、噴射媒体供給流の方向を、特に、運動エネルギを減少させることによって土中への漂流を減少させるために、ドリル表面(P)に本質的に関連して変更するためのカウンターパート表面構造部(y)を含むことを特徴とする請求項4または5に記載の装置。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−515866(P2012−515866A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546886(P2011−546886)
【出願日】平成21年10月27日(2009.10.27)
【国際出願番号】PCT/FI2009/050860
【国際公開番号】WO2010/084238
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(505018360)オイ アトラス コプコ ロテックス アーベー (1)
【氏名又は名称原語表記】Oy Atlas Copco Rotex Ab
【住所又は居所原語表記】Pihtisulunkatu 1 A,Tampere,Finland
【Fターム(参考)】