ダクト
【課題】ダクト本体における屈曲部の近傍部分での旋回流の発生を抑制し、圧力損失が大きくなることを防止する。
【解決手段】ダクト本体10における第1屈曲部18の屈曲内側18Aに繋がる上流側および下流側の壁面部に、該ダクト本体10の内外方向に変形可能な第1変形壁部34および第2変形壁部36を設ける。第1変形壁部34および第2変形壁部36は、空気流通空間26へ膨出変形すると第1屈曲部18の屈曲内側18Aに連続する曲面を形成する。また、ダクト本体10における第2屈曲部20の屈曲内側20Aに繋がる上流側および下流側の壁面部に、該ダクト本体10の内外方向に変形可能な第3変形壁部38および第4変形壁部40が設ける。第3変形壁部38および第4変形壁部40は、空気流通空間26へ膨出変形すると第2屈曲部20の屈曲内側20Aに連続する曲面を形成する。
【解決手段】ダクト本体10における第1屈曲部18の屈曲内側18Aに繋がる上流側および下流側の壁面部に、該ダクト本体10の内外方向に変形可能な第1変形壁部34および第2変形壁部36を設ける。第1変形壁部34および第2変形壁部36は、空気流通空間26へ膨出変形すると第1屈曲部18の屈曲内側18Aに連続する曲面を形成する。また、ダクト本体10における第2屈曲部20の屈曲内側20Aに繋がる上流側および下流側の壁面部に、該ダクト本体10の内外方向に変形可能な第3変形壁部38および第4変形壁部40が設ける。第3変形壁部38および第4変形壁部40は、空気流通空間26へ膨出変形すると第2屈曲部20の屈曲内側20Aに連続する曲面を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、内部に空気流通空間を有するダクト本体に設けられ、前記空気流通空間を所要角度に屈曲させる屈曲部を備えたダクトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
気体や液体等の各種流体を流通案内するため、様々な形状やサイズのダクトが提案されている。図12は、自動車の乗員室に組み付けた車両内装部材IPの裏側に配設されて、車体に設置されたエアコンユニットACと該車両内装部材IPに取り付けたエアアウトレットAOとを連結するダクトD1を例示している。
【0003】
前述した車両内装部材IPの裏側には図示省略した車載機器や装置等が多く配設されており、これら機器や装置等との干渉を回避するため、ダクトD1を構成するダクト本体10は、複雑な外形形状となったり途中で屈曲した形状となる場合が多い。従って図12に示すダクトD1は、内部に空気流通空間を有するダクト本体10の途中に、該空気流通空間を所要角度に屈曲させる2つの屈曲部18,20を備えている。これら第1屈曲部18および第2屈曲部20は屈曲変形が可能な蛇腹であり、該屈曲部18,20を屈曲変形させることで空気流通空間を屈曲させ得る。なお、第1屈曲部18および第2屈曲部20は伸縮変形も可能であり、ダクト本体10の長さ調整が可能となっている。このようなダクトは、例えば特許文献1および2に開示されている。
【特許文献1】実開平6−78746号公報
【特許文献2】特開2000−108637号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、各特許文献に開示のダクトおよび図12に示すダクトD1は、蛇腹である第1屈曲部18および第2屈曲部20を直角または略直角に屈曲させた場合に、変形した各屈曲部18,20における屈曲内側18A,20Aの曲げ半径Rが極端に小さくなり、両屈曲部18,20における空気流通空間26の曲がりが急になる。このため、両屈曲部18,20における空気のスムーズな流通がなされず、該屈曲部18,20の屈曲内側18A,20Aに繋がる下流側において剥離による旋回流(渦)28が発生し、圧力損失が大きくなる問題があった。
【0005】
本発明は、ダクト本体における屈曲部の近傍部分での旋回流の発生を抑制し、圧力損失が大きくなることを防止したダクトを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、
内部に空気流通空間を有するダクト本体に設けられ、前記空気流通空間を所要角度に屈曲させる屈曲部を備えたダクトにおいて、
前記ダクト本体における前記屈曲部の屈曲内側に繋がる上流側および下流側の少なくとも一方の壁面部に、ダクト本体の内外方向に変形可能な変形壁部を設け、
前記変形壁部は、空気流通空間へ膨出変形した状態で保持されて、前記屈曲部の屈曲内側に連続する曲面を形成するよう構成したことを要旨とする。
【0007】
従って、請求項1に係る発明によれば、ダクト本体における屈曲部に繋がる上流側および下流側の少なくとも一方の壁面部に、空気流通空間へ膨出した変形壁部を設けて、変形壁部が屈曲部の屈曲内側に連続する曲面を構成することにより、該屈曲部における屈曲内側での空気流の剥離が少なくなる。従って、ダクト本体における屈曲部の近傍部分において旋回流が発生することが抑制され、圧力損失が大きくなることを防止し得る。変形壁部は、ダクト本体の成形後にダクト外方から押圧することで、空気流通空間へ膨出した形状に変形させると共に、該膨出変形した状態に保持される。
【0008】
請求項2に記載の発明は、
前記屈曲部は、複数の突状部を有する蛇腹であり、
前記変形壁部は、前記ダクト本体の周方向へ複数個設けられたことを要旨とする。
従って、請求項2に係る発明によれば、屈曲部が様々な方向へ屈曲させ得るので屈曲方向が異なる複数の形態のダクトを形成し得ると共に、屈曲部を何れの方向に屈曲させたとしても、屈曲した該屈曲部の屈曲内側に位置する変形壁部を空気流通空間へ膨出変形させることで、該屈曲部における屈曲内側での空気流の剥離が少なくなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るダクトによれば、ダクト本体に設けた変形壁部を空気流通空間へ膨出変形させることで、屈曲部における屈曲内側での空気流の剥離が少なくなるので、ダクト本体における該屈曲部の近傍部分での旋回流の発生が抑制され、圧力損失が大きくなることを防止し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に、本発明に係るダクトにつき、好適な実施例を挙げ、添付図面を参照しながら、以下に説明する。実施例では、図12に示す従来のダクトD1と同様に、自動車の乗員室に設置されたエアコンユニットACと、乗員室内に設置された車両内装部材IPに配設されたエアアウトレットAOとに夫々連結され、エアコンユニットACから送出された調温空気をエアアウトレットAOへ案内するダクトDを例示する。なお、図12に既出の部位および部材と同じ部位および部材については、同一の符号で指示する。
【実施例】
【0011】
実施例のダクトDは、図1および図2に示すように、ダクト本体10の空気流通方向における途中に、所要間隔をおいて2つの屈曲部18,20(以降「第1屈曲部18」および「第2屈曲部20」と指称する)を備えている。これによりダクト本体10は、エアコンユニットACに連結される第1本体部12と、第1屈曲部18と第2屈曲部20との間に位置する第2本体部14と、エアアウトレットAOに連結される第3本体部16とに区分されている。そしてダクト本体10は、上流側の第1屈曲部18の屈曲変形により、第2本体部14を第1本体部12に対して直角に屈曲させると共に、下流側の第2屈曲部20の屈曲変形により、第3本体部16を第2本体部14に対して直角に屈曲させたLクランク型を呈している(図1)。なお、第1本体部12の端部に空気流入口22が形成されると共に第3本体部16の端部に空気流出口24が形成され、ダクト本体10内に空気流通空間26が画成されている。
【0012】
第1屈曲部18および第2屈曲部20は、ダクト本体10の外方へ突出しかつ該ダクト本体10の周方向へ延在する突状部32を、空気流通方向へ複数(実施例では15個)連設した蛇腹として構成されている。突状部32は、図6〜図8に示すように、最大径部の頂部48で連設される第1壁部44および第2壁部46からなる。空気流通方向に隣接する各突状部32は、第1壁部44と第2壁部46とが、最小径部の谷部50で連設されている。これら第1壁部44および第2壁部46は、図8に示すように、谷部50から頂部48に向かって徐々に肉厚が薄くなるよう形成されている。
【0013】
第1壁部44は、図8に示すように、頂部48から谷部50に向けて平坦状に形成されている。そして、第1壁部44における頂部48から谷部50までの直線距離S1は、第2壁部46における頂部48から谷部50までの直線距離S2より長く設定されている。
【0014】
第2壁部46は、図8に示すように、頂部48側に設けた湾曲変形基点51と谷部50との間が該頂部48で接続する第1壁部44側へ突出するよう湾曲して、隣り合う谷部50同士が近接して保持される第1状態(図6)と、湾曲変形基点51と谷部50との間が該谷部50で接続する第1壁部44側へ突出するよう湾曲して(頂部48で接続する第1壁部44側と反対側へ突出するよう湾曲して)、隣り合う谷部50同士が離間して保持される第2状態(図7)とに変形するようになっている。実施例では、第2壁部46の湾曲変形基点51が、頂部48の近傍部分において第2壁部46の肉厚と同程度の間隔で該頂部48から離間した位置に、頂部48と前述した間隔を保持しながら第2壁部46の全周に亘って延設されている。従って第2壁部46は、湾曲変形基点51と谷部50との間の部分が湾曲して、第1状態および第2状態に変形する。そして、第2状態に変形した第2壁部46は、図7に示すように、同一中心で湾曲変形基点51および谷部50を通る半径Mの球面の一部をなす曲面形状になる。
【0015】
湾曲変形基点51は、隣り合う谷部50同士が離間している状態(図8の実線表示)において、頂部48より内側(ダクト本体10の径方向中心側)に位置する。そして前述したように、第2壁部46における頂部48と湾曲変形基点51との間隔は、該湾曲変形基点51の近傍部分における第2壁部46の肉厚と同程度となっている。これにより第2壁部46は、頂部48で接続する第1壁部44の影響を受けることなく第1状態および第2状態に変形可能であり、図8に2点鎖線で示すように、第1状態に変形した第2壁部46は、頂部48で接続する第1壁部44に強く接触することが防止される。従って、第1屈曲部18または第2屈曲部20を曲げた場合には、第2壁部46の第1状態となった部位および第2状態となった部位の何れもその状態に保持され、該第1屈曲部18または第2屈曲部20は曲げた状態に安定して保持される。
【0016】
第2壁部46の第1状態から第2状態への変形および第2状態から第1状態への変形は、谷部50を介して連設された隣接する突状部32の第1壁部44により発現する。すなわち図6に示すように、各突状部32が空気流通方向において両側から押されると、頂部48と谷部50とがダクト本体10の内外方向においてオーバーラップして各谷部50が近接する。このとき、第2壁部46の湾曲形状は、該第2壁部46の谷部50で連設された第1壁部44側から、該第2壁部46の頂部48で連設された第1壁部44側へ反転(変形)する。このように各第2壁部46が第1状態に保持されると、各谷部50が近接した状態に保持される。
【0017】
一方、縮められた各突状部32を、図7に示すように、空気流通方向において両側へ引張ると各谷部50が空気流通方向へ離間するようになる。このとき、第2壁部46の湾曲形状は、該第2壁部46の頂部48で連設された第1壁部44側から、該第2壁部46の谷部50で連設された第1壁部44側へ反転(変形)する。このように各第2壁部46が第2状態に保持されると、各谷部50が離間した状態に保持される。
【0018】
従って各突状部32は、ダクト本体10の周方向において第2壁部46が第1状態に変形した部位では、第2壁部46と第1壁部44とが近接して隣り合う谷部50同士が近接した状態に保持され、各突状部32の当該部位は縮閉した状態となる。また、ダクト本体10の周方向において第2壁部46が第2状態に変形した部位では、第2壁部46と第1壁部44とが離間して隣り合う谷部50同士が離間した状態に保持され、各突状部32の当該部位は拡開した状態となる。しかも、頂部48が薄肉となっており、かつ隣り合う谷部50同士が離間して保持されている状態において、湾曲変形基点51が頂部48より内側に設定してあるので、各突状部32は、縮閉した状態と拡開した状態とに容易に変形すると共に、何れの状態に変形しても反対状態への復元力が発現し難くなり、変形した状態に適切に保持される。
【0019】
従って、第1屈曲部18および第2屈曲部20は、各突状部32の周方向における同一位置を中心として、ダクト本体10の径方向において該縮閉位置と対向する部位を空気流通方向へ拡開させると(伸ばすと)、該第1屈曲部18および第2屈曲部20は空気流通方向において90度に屈曲変形した状態で保持される。このような第1屈曲部18および第2屈曲部20をダクト本体10に設けた実施例のダクトDは、各屈曲部18,20が90度に曲がった状態で形状保持されるから、ダクト本体10は折れ曲がった状態で保持され得る。
【0020】
また第1屈曲部18および第2屈曲部20は、各突状部32が周方向における何れの位置でも空気流通方向へ拡開し得るので、各屈曲部18,20は、図1に示した状態だけでなく、何れの方向へも曲がり得る。従って、第1本体部12と第2本体部14、第2本体部14と第3本体部16は、相互に対して何れの方向にも90度に折り曲げることが可能である。更に、第1屈曲部18および第2屈曲部20は、全周に亘って空気流通方向へ拡開した状態に変形することも可能であるから、ダクト本体10は直線状に伸縮させることも可能である。すなわち実施例のダクトDは、図1に示した形状のみならず、様々な形状に伸縮させたり曲げることができ、複数の形状、サイズのダクトとして使用が可能である。
【0021】
そして実施例のダクトDでは、図1に示すように、ダクト本体10における各屈曲部18,20の屈曲内側18A,20Aに繋がる上流側および下流側の壁面部に、空気流通空間26へ膨出変形した状態で保持される変形壁部34,36,38,40を備えている。すなわち、第1本体部12における第1屈曲部18の屈曲内側18Aに繋がる壁面部に第1変形壁部34が設けられると共に、第2本体部14における第1屈曲部18の屈曲内側18Aに繋がる壁面部に第2変形壁部36が設けられている。同様に、第2本体部14における第2屈曲部20の屈曲内側20Aに繋がる壁面部に第3変形壁部38が設けられると共に、第3本体部16における第2屈曲部20の屈曲内側20Aに繋がる壁面部に第4変形壁部40が設けられている。これら第1〜第4の各変形壁部34,36,38,40は、後述するように、ダクト本体10の成形後に、空気流通空間26へ膨出した状態に変形させるようになっている。
【0022】
前記第1〜第4の各変形壁部34,36,38,40は、図1に示すように、空気流通方向における略中間部分が、空気流通空間26へ最大に膨出した最大膨出部分34A,36A,38A,40Aとなっている。そして各変形壁部34,36,38,40は、上流側から最大膨出部分34A,36A,38A,40Aに近づくに従って膨出量が徐々に増加し、該最大膨出部分34A,36A,38A,40Aから下流側に離れるに従って膨出量が徐々に減少する面形状となっており、所謂流線形状をなしている。また各変形壁部34,36,38,40は、図1から明らかなように、最大膨出部分34A,36A,38A,40Aから隣接する第1または第2屈曲部18,20側との間が、空気流通方向に沿って円弧形状または近似円弧形状となっている。
【0023】
従って実施例のダクトDは、ダクト本体10における第1屈曲部18に繋がる上流側および下流側の各壁面部が、空気流通空間26へ膨出変形した第1変形壁部34および第2変形壁部36により、第1屈曲部18の屈曲方向(空気流通方向)において該第1屈曲部18の屈曲内側18Aに連続する緩やかな曲面に形成されている。また、ダクト本体10における第2屈曲部20に繋がる上流側および下流側の各壁面部も、空気流通空間26へ膨出変形した第3変形壁部38および第4変形壁部40により、第2屈曲部20の屈曲方向(空気流通方向)において該第2屈曲部20の屈曲内側20Aに連続する緩やか曲面に形成されている。すなわち、第1屈曲部18の屈曲内側18Aは、第1変形壁部34および第2変形壁部36で構成される緩やかな曲面の中間に位置していると共に、第2屈曲部20の屈曲内側20Aも、第3変形壁部38および第4変形壁部40で構成される緩やかな曲面の中間に位置している。
【0024】
前述した実施例のダクトDは、ポリエチレン(PE)またはポリプロピレン(PP)等の合成樹脂から、図示しない成形型により第1屈曲部18および第2屈曲部20の各突状部32が拡開した状態でブロー成形され、ブロー成形後に各屈曲部18,20を縮ませることで図3に示した形状となる。そして、ダクト本体10のブロー成形に際しては、図2(a)および図3に示すように、前述した第1〜第4の各変形壁部34,36,38,40が、ダクト本体10から外方へ膨出した形状に成形される。そして成形後に、図2(b)および図3に示すように、ダクト本体10の外方へ膨出している各変形壁部34,36,38,40を、指先または工具等によりダクト外方から押圧することで、各変形壁部34,36,38,40は空気流通空間26へ膨出した前述の形状に塑性変形するようになっている。
【0025】
また図2(a)および(b)に示すように、ダクト本体10における各変形壁部34,36,38,40の周囲に、折曲ライン42が延設されている。この折曲ライン42は、変形壁部34,36,38,40および該変形壁部34,36,38,40の周辺部分よりも薄肉に形成されている。従って、ダクト本体10の外方へ膨出している各変形壁部34,36,38,40は、折曲ライン42に沿って折曲することで空気流通空間26側へ膨出した状態への変形が容易に発現すると共に(図2(b)および図4)、空気流通空間26側へ膨出した状態に変形した後には該膨出形状に保持される。
【0026】
そして、図5に示すように、第1〜第4の各変形壁部34,36,38,40を空気流通空間26側へ膨出した状態に変形させたダクトDは、第1変形壁部34および第2変形壁部36が設けられた側を内側として第1屈曲部18を屈曲変形することで、第2本体部14が第1本体部12に対して直角に屈曲する。また、第3変形壁部38および第4変形壁部40が設けられた側を内側として第2屈曲部20を屈曲変形することで、第3本体部16が第2本体部14に対して直角に屈曲する。
【0027】
前述のように構成された実施例のダクトDでは、第1屈曲部18の屈曲内側18Aに繋がる上流側および下流側が、ダクト本体10の空気流通空間26へ膨出して緩やかな曲面に形成されているので、該ダクト本体10の第1本体部12内に流入した空気は、第1変形壁部34から第2変形壁部36に沿って徐々に変向し、第1本体部12から第2本体部14に向けてスムーズに流通する。従って、ダクト本体10における第1屈曲部18の屈曲内側18Aの近傍部位、すなわち第2変形壁部36が設けられた部位での旋回流の発生が好適に抑制される。同様に、第2本体部14内に流入した空気は、第3変形壁部38から第4変形壁部40に沿って徐々に変向して、第2本体部14から第3本体部16に向けてスムーズに流通する。従って、ダクト本体10における第2屈曲部20の屈曲内側20Aの近傍部位、すなわち第4変形壁部40が設けられた部位での旋回流の発生が好適に抑制される。よって実施例のダクトDは、両屈曲部18,20の近傍部位における旋回流の発生が抑制されるので、圧力損失が大きくなることを防止し得る。
【0028】
そして、第1〜第4の各変形壁部34,36,38,40は、ダクト本体10の成形後に外方から押圧するだけで、空気流通空間26へ膨出した形状に簡易に変形させ得る。また、ダクト本体10における各変形壁部34,36,38,40の周囲に折曲ライン42を延設したので、ダクト本体10の成形後に、各変形壁部34,36,38,40を空気流通空間26へ膨出変形させ易いと共に、空気流通空間26へ膨出変形した各変形壁部34,36,38,40が該膨出形状に保持される。
【0029】
(変更例)
図9は、変更例1に係るダクトDを、エアコンユニットACおよびエアアウトレットAOに連結した状態で示している。この変更例1に係るダクトDは、ダクト本体10における各屈曲部18,20の屈曲内側18A,20Aに繋がる下流側の壁面部に、空気流通空間26へ膨出変形した第2変形壁部36および第4変形壁部40を設けたものである。これら第2変形壁部36および第4変形壁部40は、図1に示した実施例のダクトDの第2変形壁部36および第4変形壁部40と同一位置および同一形状に構成されている。従って、第1屈曲部18の屈曲内側18Aは、第2変形壁部36で構成される緩やかな曲面の上流端に位置していると共に、第2屈曲部20の屈曲内側20Aも、第4変形壁部40で構成される緩やかな曲面の上流端に位置している。これにより、第1屈曲部18を通過した空気は、ダクト本体10の空気流通空間26へ膨出して緩やかな曲面に形成されている第2変形壁部36に沿ってスムーズに流通すると共に、第2屈曲部20を通過した空気は、ダクト本体10の空気流通空間26へ膨出して緩やかな曲面に形成されている第4変形壁部40に沿ってスムーズに流通するようになるので、両屈曲部18,20の近傍部位における旋回流の発生が抑制され、圧力損失が大きくなることを防止し得る。
【0030】
図10は、変更例2に係るダクトDを、エアコンユニットACおよびエアアウトレットAOに連結した状態で示している。この変更例2に係るダクトDは、ダクト本体10における各屈曲部18,20の屈曲内側18A,20Aに繋がる上流側の壁面部に、空気流通空間26へ膨出変形した第1変形壁部34および第3変形壁部38を備えている。これら第1変形壁部34および第3変形壁部38は、図1に示した実施例のダクトDの第1変形壁部34および第3変形壁部38と同一位置および同一形状に構成されている。従って、第1屈曲部18の屈曲内側18Aは、第1変形壁部34で構成される緩やかな曲面の下流端に位置していると共に、第2屈曲部20の屈曲内側20Aも、第3変形壁部38で構成される緩やかな曲面の下流端に位置している。これにより、ダクト本体10の空気流通空間26へ膨出して緩やかな曲面に形成されている第1変形壁部34に沿って流通した空気は、変向しながら第1屈曲部18を通過して第2本体部14へ流通すると共に、ダクト本体10の空気流通空間26へ膨出して緩やかな曲面に形成されている第3変形壁部38に沿って流通した空気は、変向しながら第2変形壁部36を通過して第3本体部16へ流通するようになるので、両屈曲部18,20の近傍部位におれる旋回流の発生が抑制され、圧力損失が大きくなることを防止し得る。
【0031】
図11(a)は、第2屈曲部20の上流側および下流側において、複数(ここでは2個ずつ)の第3変形壁部38および第4変形壁部40を、ダクト本体10の周方向における対向する位置に設けた形態を示した部分斜視図である。実施例のダクトDは、蛇腹をなす第1屈曲部18および第2屈曲部20をダクト本体10の周方向における様々な方向へ屈曲させ得るので、第1本体部12に対する第2本体部14の屈曲方向および第2本体部14に対する第3本体部16の屈曲方向を、図1に示した状態以外に変更して、ダクト本体10の屈曲方向が異なる複数の形態のダクトを構成し得る。そこで、図11(b)に示すように、第3本体部16を同図上方である第1方向へ屈曲変形させる際には、屈曲変形した第2屈曲部20の屈曲内側20Aに位置する(同図上方に位置する)第3変形壁部38および第4変形壁部40を夫々空気流通空間26へ膨出変形させればよい。また、図11(c)に示すように、第3本体部16を同図下方である第2方向へ屈曲変形させる際には、屈曲変形した第2屈曲部20の屈曲内側20Aに位置する(同図下方に位置する)第3変形壁部38および第4変形壁部40を夫々空気流通空間26へ膨出変形させればよい。すなわち、第3本体部16を第1方向に屈曲変形させても、第2屈曲部20の屈曲内側20Aに緩やかに連続する曲面をダクト本体10に形成することが可能であり、第3本体部16を第2方向へ屈曲変形させても、第2屈曲部20の屈曲内側20Aに緩やかに連続する曲面をダクト本体10に形成することが可能である。なお図示省略したが、第1屈曲部18においても、第1変形壁部34および第2変形壁部36をダクト本体10の周方向へ複数個設けることで、同様の作用効果が得られる。
【0032】
なお、本願が対象とするダクトDは、前述した実施例の形態に限定されず、様々な変更可能である。
(1)各屈曲部18,20は、実施例および各変更例に示した蛇腹のものに限定されない。すなわち、予め所要角度に屈曲した形状で成形された所謂ソリッドタイプの屈曲部であってもよい。
(2)各変形壁部34,36,38,40をダクト本体10の周方向へ複数個設ける場合は、図11(a)に示した2個に限定されず、3個以上設けるようにしてもよい。例えば、各変形壁部34,36,38,40を、ダクト本体10の周方向全周に亘って横並び状に複数個設ければ、第1屈曲部18および第2屈曲部20を該ダクト本体10の周方向の何れの方向へ屈曲変形させたとしても、屈曲変形した該屈曲部18,20の屈曲内側18A,20Aに繋がる位置に変形壁部34,36,38,40が位置するようになり、ダクト本体10における屈曲内側18A,20Aに繋がる壁面部を曲面に形成し得る。
(3)各屈曲部18,20は、90度に屈曲変形するものに限定されず、90度以上または90度以下に屈曲するものであってもよい。
(4)ダクト本体10は、円筒形状に限らず、角筒形状であってもよい。
(5)本願が対象とするダクトは、自動車に配設されるものに限らず、これ以外の車両や建物等に配設されるものも対象とされる。
(6)実施例では、第1屈曲部18を挟んで上流側および下流側に設けた第1変形壁部34および第2変形壁部36を該第1屈曲部18を挟んで対称形状とすると共に、第2屈曲部20を挟んで上流側および下流側に設けた第3変形壁部38および第4変形壁部40を該第2屈曲部20を挟んで対称形状としたが、これら第1変形壁部34と第2変形壁部36および第3変形壁部38と第4変形壁部40とは対称形状でなくてもよい。また、第1変形壁部34、第2変形壁部36、第3変形壁部38および第4変形壁部40は、各々が異なる形状、大きさで空気流通空間26へ膨出変形するよう構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】各屈曲部で屈曲させた実施例のダクトを、エアコンユニットおよびエアアウトレットに夫々連結した状態で示す説明図である。
【図2】(a)ダクト本体の各屈曲部に隣接した位置に設けた変形壁部を、ダクト本体を成形した状態で示した部分斜視図であり、(b)は、ダクト本体の成形後に変形壁部をダクト外方から押圧して、該変形壁部を空気流通空間へ膨出した形状に変形させた状態を示す部分斜視図である。
【図3】ダクト本体を成形した状態で示した説明図であって、各変形壁部がダクト本体からダクト外方へ膨出した状態に成形されることを示している。
【図4】ダクト本体の成形後に、各変形壁部をダクト外方から押圧して、該変形壁部をダクト本体内(空気流通空間)へ膨出した状態に成形することを示している。
【図5】各屈曲部を屈曲変形してダクト本体を屈曲させる状態を示す説明図である。
【図6】屈曲部を構成する各突状部の第2壁部が第1状態に変形し、隣り合う谷部同士が近接した状態に保持されることを示す部分断面図である。
【図7】屈曲部を構成する各突状部の第2壁部が第2状態に変形し、隣り合う谷部同士が離間した状態に保持されることを示す部分断面図である。
【図8】突状部の第1壁部および第2壁部の形態を拡大して示す断面図である。
【図9】各屈曲部でダクト本体を屈曲させた変更例1のダクトを、エアコンユニットおよびエアアウトレットに夫々連結した状態で示す説明図である。
【図10】各屈曲部でダクト本体を屈曲させた変更例2のダクトを、エアコンユニットおよびエアアウトレットに夫々連結した状態で示す説明図である。
【図11】(a)は、ダクト本体の周方向における対向する部位に2つの変形壁部を設けた変更例を示す説明図であり、(b)は、屈曲部を第1方向へ屈曲させた状態を示し、(c)は、屈曲部を第2方向へ屈曲させた状態を示している。
【図12】各屈曲部で屈曲させた従来のダクトを、エアコンユニットおよびエアアウトレットに夫々連結した状態で示した説明図であって、ダクト本体が屈曲部で急激に屈曲するため、該屈曲部の下流側において旋回流(渦)が発生し、圧力損失が大きくなることを示している。
【符号の説明】
【0034】
10 ダクト本体,18 第1屈曲部,18A 屈曲内側,20 第2屈曲部
20A 屈曲内側,26 空気流通空間,34 第1変形壁部(変形壁部)
36 第2変形壁部(変形壁部),38 第3変形壁部(変形壁部)
40 第4変形壁部(変形壁部)
【技術分野】
【0001】
この発明は、内部に空気流通空間を有するダクト本体に設けられ、前記空気流通空間を所要角度に屈曲させる屈曲部を備えたダクトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
気体や液体等の各種流体を流通案内するため、様々な形状やサイズのダクトが提案されている。図12は、自動車の乗員室に組み付けた車両内装部材IPの裏側に配設されて、車体に設置されたエアコンユニットACと該車両内装部材IPに取り付けたエアアウトレットAOとを連結するダクトD1を例示している。
【0003】
前述した車両内装部材IPの裏側には図示省略した車載機器や装置等が多く配設されており、これら機器や装置等との干渉を回避するため、ダクトD1を構成するダクト本体10は、複雑な外形形状となったり途中で屈曲した形状となる場合が多い。従って図12に示すダクトD1は、内部に空気流通空間を有するダクト本体10の途中に、該空気流通空間を所要角度に屈曲させる2つの屈曲部18,20を備えている。これら第1屈曲部18および第2屈曲部20は屈曲変形が可能な蛇腹であり、該屈曲部18,20を屈曲変形させることで空気流通空間を屈曲させ得る。なお、第1屈曲部18および第2屈曲部20は伸縮変形も可能であり、ダクト本体10の長さ調整が可能となっている。このようなダクトは、例えば特許文献1および2に開示されている。
【特許文献1】実開平6−78746号公報
【特許文献2】特開2000−108637号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、各特許文献に開示のダクトおよび図12に示すダクトD1は、蛇腹である第1屈曲部18および第2屈曲部20を直角または略直角に屈曲させた場合に、変形した各屈曲部18,20における屈曲内側18A,20Aの曲げ半径Rが極端に小さくなり、両屈曲部18,20における空気流通空間26の曲がりが急になる。このため、両屈曲部18,20における空気のスムーズな流通がなされず、該屈曲部18,20の屈曲内側18A,20Aに繋がる下流側において剥離による旋回流(渦)28が発生し、圧力損失が大きくなる問題があった。
【0005】
本発明は、ダクト本体における屈曲部の近傍部分での旋回流の発生を抑制し、圧力損失が大きくなることを防止したダクトを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、
内部に空気流通空間を有するダクト本体に設けられ、前記空気流通空間を所要角度に屈曲させる屈曲部を備えたダクトにおいて、
前記ダクト本体における前記屈曲部の屈曲内側に繋がる上流側および下流側の少なくとも一方の壁面部に、ダクト本体の内外方向に変形可能な変形壁部を設け、
前記変形壁部は、空気流通空間へ膨出変形した状態で保持されて、前記屈曲部の屈曲内側に連続する曲面を形成するよう構成したことを要旨とする。
【0007】
従って、請求項1に係る発明によれば、ダクト本体における屈曲部に繋がる上流側および下流側の少なくとも一方の壁面部に、空気流通空間へ膨出した変形壁部を設けて、変形壁部が屈曲部の屈曲内側に連続する曲面を構成することにより、該屈曲部における屈曲内側での空気流の剥離が少なくなる。従って、ダクト本体における屈曲部の近傍部分において旋回流が発生することが抑制され、圧力損失が大きくなることを防止し得る。変形壁部は、ダクト本体の成形後にダクト外方から押圧することで、空気流通空間へ膨出した形状に変形させると共に、該膨出変形した状態に保持される。
【0008】
請求項2に記載の発明は、
前記屈曲部は、複数の突状部を有する蛇腹であり、
前記変形壁部は、前記ダクト本体の周方向へ複数個設けられたことを要旨とする。
従って、請求項2に係る発明によれば、屈曲部が様々な方向へ屈曲させ得るので屈曲方向が異なる複数の形態のダクトを形成し得ると共に、屈曲部を何れの方向に屈曲させたとしても、屈曲した該屈曲部の屈曲内側に位置する変形壁部を空気流通空間へ膨出変形させることで、該屈曲部における屈曲内側での空気流の剥離が少なくなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るダクトによれば、ダクト本体に設けた変形壁部を空気流通空間へ膨出変形させることで、屈曲部における屈曲内側での空気流の剥離が少なくなるので、ダクト本体における該屈曲部の近傍部分での旋回流の発生が抑制され、圧力損失が大きくなることを防止し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に、本発明に係るダクトにつき、好適な実施例を挙げ、添付図面を参照しながら、以下に説明する。実施例では、図12に示す従来のダクトD1と同様に、自動車の乗員室に設置されたエアコンユニットACと、乗員室内に設置された車両内装部材IPに配設されたエアアウトレットAOとに夫々連結され、エアコンユニットACから送出された調温空気をエアアウトレットAOへ案内するダクトDを例示する。なお、図12に既出の部位および部材と同じ部位および部材については、同一の符号で指示する。
【実施例】
【0011】
実施例のダクトDは、図1および図2に示すように、ダクト本体10の空気流通方向における途中に、所要間隔をおいて2つの屈曲部18,20(以降「第1屈曲部18」および「第2屈曲部20」と指称する)を備えている。これによりダクト本体10は、エアコンユニットACに連結される第1本体部12と、第1屈曲部18と第2屈曲部20との間に位置する第2本体部14と、エアアウトレットAOに連結される第3本体部16とに区分されている。そしてダクト本体10は、上流側の第1屈曲部18の屈曲変形により、第2本体部14を第1本体部12に対して直角に屈曲させると共に、下流側の第2屈曲部20の屈曲変形により、第3本体部16を第2本体部14に対して直角に屈曲させたLクランク型を呈している(図1)。なお、第1本体部12の端部に空気流入口22が形成されると共に第3本体部16の端部に空気流出口24が形成され、ダクト本体10内に空気流通空間26が画成されている。
【0012】
第1屈曲部18および第2屈曲部20は、ダクト本体10の外方へ突出しかつ該ダクト本体10の周方向へ延在する突状部32を、空気流通方向へ複数(実施例では15個)連設した蛇腹として構成されている。突状部32は、図6〜図8に示すように、最大径部の頂部48で連設される第1壁部44および第2壁部46からなる。空気流通方向に隣接する各突状部32は、第1壁部44と第2壁部46とが、最小径部の谷部50で連設されている。これら第1壁部44および第2壁部46は、図8に示すように、谷部50から頂部48に向かって徐々に肉厚が薄くなるよう形成されている。
【0013】
第1壁部44は、図8に示すように、頂部48から谷部50に向けて平坦状に形成されている。そして、第1壁部44における頂部48から谷部50までの直線距離S1は、第2壁部46における頂部48から谷部50までの直線距離S2より長く設定されている。
【0014】
第2壁部46は、図8に示すように、頂部48側に設けた湾曲変形基点51と谷部50との間が該頂部48で接続する第1壁部44側へ突出するよう湾曲して、隣り合う谷部50同士が近接して保持される第1状態(図6)と、湾曲変形基点51と谷部50との間が該谷部50で接続する第1壁部44側へ突出するよう湾曲して(頂部48で接続する第1壁部44側と反対側へ突出するよう湾曲して)、隣り合う谷部50同士が離間して保持される第2状態(図7)とに変形するようになっている。実施例では、第2壁部46の湾曲変形基点51が、頂部48の近傍部分において第2壁部46の肉厚と同程度の間隔で該頂部48から離間した位置に、頂部48と前述した間隔を保持しながら第2壁部46の全周に亘って延設されている。従って第2壁部46は、湾曲変形基点51と谷部50との間の部分が湾曲して、第1状態および第2状態に変形する。そして、第2状態に変形した第2壁部46は、図7に示すように、同一中心で湾曲変形基点51および谷部50を通る半径Mの球面の一部をなす曲面形状になる。
【0015】
湾曲変形基点51は、隣り合う谷部50同士が離間している状態(図8の実線表示)において、頂部48より内側(ダクト本体10の径方向中心側)に位置する。そして前述したように、第2壁部46における頂部48と湾曲変形基点51との間隔は、該湾曲変形基点51の近傍部分における第2壁部46の肉厚と同程度となっている。これにより第2壁部46は、頂部48で接続する第1壁部44の影響を受けることなく第1状態および第2状態に変形可能であり、図8に2点鎖線で示すように、第1状態に変形した第2壁部46は、頂部48で接続する第1壁部44に強く接触することが防止される。従って、第1屈曲部18または第2屈曲部20を曲げた場合には、第2壁部46の第1状態となった部位および第2状態となった部位の何れもその状態に保持され、該第1屈曲部18または第2屈曲部20は曲げた状態に安定して保持される。
【0016】
第2壁部46の第1状態から第2状態への変形および第2状態から第1状態への変形は、谷部50を介して連設された隣接する突状部32の第1壁部44により発現する。すなわち図6に示すように、各突状部32が空気流通方向において両側から押されると、頂部48と谷部50とがダクト本体10の内外方向においてオーバーラップして各谷部50が近接する。このとき、第2壁部46の湾曲形状は、該第2壁部46の谷部50で連設された第1壁部44側から、該第2壁部46の頂部48で連設された第1壁部44側へ反転(変形)する。このように各第2壁部46が第1状態に保持されると、各谷部50が近接した状態に保持される。
【0017】
一方、縮められた各突状部32を、図7に示すように、空気流通方向において両側へ引張ると各谷部50が空気流通方向へ離間するようになる。このとき、第2壁部46の湾曲形状は、該第2壁部46の頂部48で連設された第1壁部44側から、該第2壁部46の谷部50で連設された第1壁部44側へ反転(変形)する。このように各第2壁部46が第2状態に保持されると、各谷部50が離間した状態に保持される。
【0018】
従って各突状部32は、ダクト本体10の周方向において第2壁部46が第1状態に変形した部位では、第2壁部46と第1壁部44とが近接して隣り合う谷部50同士が近接した状態に保持され、各突状部32の当該部位は縮閉した状態となる。また、ダクト本体10の周方向において第2壁部46が第2状態に変形した部位では、第2壁部46と第1壁部44とが離間して隣り合う谷部50同士が離間した状態に保持され、各突状部32の当該部位は拡開した状態となる。しかも、頂部48が薄肉となっており、かつ隣り合う谷部50同士が離間して保持されている状態において、湾曲変形基点51が頂部48より内側に設定してあるので、各突状部32は、縮閉した状態と拡開した状態とに容易に変形すると共に、何れの状態に変形しても反対状態への復元力が発現し難くなり、変形した状態に適切に保持される。
【0019】
従って、第1屈曲部18および第2屈曲部20は、各突状部32の周方向における同一位置を中心として、ダクト本体10の径方向において該縮閉位置と対向する部位を空気流通方向へ拡開させると(伸ばすと)、該第1屈曲部18および第2屈曲部20は空気流通方向において90度に屈曲変形した状態で保持される。このような第1屈曲部18および第2屈曲部20をダクト本体10に設けた実施例のダクトDは、各屈曲部18,20が90度に曲がった状態で形状保持されるから、ダクト本体10は折れ曲がった状態で保持され得る。
【0020】
また第1屈曲部18および第2屈曲部20は、各突状部32が周方向における何れの位置でも空気流通方向へ拡開し得るので、各屈曲部18,20は、図1に示した状態だけでなく、何れの方向へも曲がり得る。従って、第1本体部12と第2本体部14、第2本体部14と第3本体部16は、相互に対して何れの方向にも90度に折り曲げることが可能である。更に、第1屈曲部18および第2屈曲部20は、全周に亘って空気流通方向へ拡開した状態に変形することも可能であるから、ダクト本体10は直線状に伸縮させることも可能である。すなわち実施例のダクトDは、図1に示した形状のみならず、様々な形状に伸縮させたり曲げることができ、複数の形状、サイズのダクトとして使用が可能である。
【0021】
そして実施例のダクトDでは、図1に示すように、ダクト本体10における各屈曲部18,20の屈曲内側18A,20Aに繋がる上流側および下流側の壁面部に、空気流通空間26へ膨出変形した状態で保持される変形壁部34,36,38,40を備えている。すなわち、第1本体部12における第1屈曲部18の屈曲内側18Aに繋がる壁面部に第1変形壁部34が設けられると共に、第2本体部14における第1屈曲部18の屈曲内側18Aに繋がる壁面部に第2変形壁部36が設けられている。同様に、第2本体部14における第2屈曲部20の屈曲内側20Aに繋がる壁面部に第3変形壁部38が設けられると共に、第3本体部16における第2屈曲部20の屈曲内側20Aに繋がる壁面部に第4変形壁部40が設けられている。これら第1〜第4の各変形壁部34,36,38,40は、後述するように、ダクト本体10の成形後に、空気流通空間26へ膨出した状態に変形させるようになっている。
【0022】
前記第1〜第4の各変形壁部34,36,38,40は、図1に示すように、空気流通方向における略中間部分が、空気流通空間26へ最大に膨出した最大膨出部分34A,36A,38A,40Aとなっている。そして各変形壁部34,36,38,40は、上流側から最大膨出部分34A,36A,38A,40Aに近づくに従って膨出量が徐々に増加し、該最大膨出部分34A,36A,38A,40Aから下流側に離れるに従って膨出量が徐々に減少する面形状となっており、所謂流線形状をなしている。また各変形壁部34,36,38,40は、図1から明らかなように、最大膨出部分34A,36A,38A,40Aから隣接する第1または第2屈曲部18,20側との間が、空気流通方向に沿って円弧形状または近似円弧形状となっている。
【0023】
従って実施例のダクトDは、ダクト本体10における第1屈曲部18に繋がる上流側および下流側の各壁面部が、空気流通空間26へ膨出変形した第1変形壁部34および第2変形壁部36により、第1屈曲部18の屈曲方向(空気流通方向)において該第1屈曲部18の屈曲内側18Aに連続する緩やかな曲面に形成されている。また、ダクト本体10における第2屈曲部20に繋がる上流側および下流側の各壁面部も、空気流通空間26へ膨出変形した第3変形壁部38および第4変形壁部40により、第2屈曲部20の屈曲方向(空気流通方向)において該第2屈曲部20の屈曲内側20Aに連続する緩やか曲面に形成されている。すなわち、第1屈曲部18の屈曲内側18Aは、第1変形壁部34および第2変形壁部36で構成される緩やかな曲面の中間に位置していると共に、第2屈曲部20の屈曲内側20Aも、第3変形壁部38および第4変形壁部40で構成される緩やかな曲面の中間に位置している。
【0024】
前述した実施例のダクトDは、ポリエチレン(PE)またはポリプロピレン(PP)等の合成樹脂から、図示しない成形型により第1屈曲部18および第2屈曲部20の各突状部32が拡開した状態でブロー成形され、ブロー成形後に各屈曲部18,20を縮ませることで図3に示した形状となる。そして、ダクト本体10のブロー成形に際しては、図2(a)および図3に示すように、前述した第1〜第4の各変形壁部34,36,38,40が、ダクト本体10から外方へ膨出した形状に成形される。そして成形後に、図2(b)および図3に示すように、ダクト本体10の外方へ膨出している各変形壁部34,36,38,40を、指先または工具等によりダクト外方から押圧することで、各変形壁部34,36,38,40は空気流通空間26へ膨出した前述の形状に塑性変形するようになっている。
【0025】
また図2(a)および(b)に示すように、ダクト本体10における各変形壁部34,36,38,40の周囲に、折曲ライン42が延設されている。この折曲ライン42は、変形壁部34,36,38,40および該変形壁部34,36,38,40の周辺部分よりも薄肉に形成されている。従って、ダクト本体10の外方へ膨出している各変形壁部34,36,38,40は、折曲ライン42に沿って折曲することで空気流通空間26側へ膨出した状態への変形が容易に発現すると共に(図2(b)および図4)、空気流通空間26側へ膨出した状態に変形した後には該膨出形状に保持される。
【0026】
そして、図5に示すように、第1〜第4の各変形壁部34,36,38,40を空気流通空間26側へ膨出した状態に変形させたダクトDは、第1変形壁部34および第2変形壁部36が設けられた側を内側として第1屈曲部18を屈曲変形することで、第2本体部14が第1本体部12に対して直角に屈曲する。また、第3変形壁部38および第4変形壁部40が設けられた側を内側として第2屈曲部20を屈曲変形することで、第3本体部16が第2本体部14に対して直角に屈曲する。
【0027】
前述のように構成された実施例のダクトDでは、第1屈曲部18の屈曲内側18Aに繋がる上流側および下流側が、ダクト本体10の空気流通空間26へ膨出して緩やかな曲面に形成されているので、該ダクト本体10の第1本体部12内に流入した空気は、第1変形壁部34から第2変形壁部36に沿って徐々に変向し、第1本体部12から第2本体部14に向けてスムーズに流通する。従って、ダクト本体10における第1屈曲部18の屈曲内側18Aの近傍部位、すなわち第2変形壁部36が設けられた部位での旋回流の発生が好適に抑制される。同様に、第2本体部14内に流入した空気は、第3変形壁部38から第4変形壁部40に沿って徐々に変向して、第2本体部14から第3本体部16に向けてスムーズに流通する。従って、ダクト本体10における第2屈曲部20の屈曲内側20Aの近傍部位、すなわち第4変形壁部40が設けられた部位での旋回流の発生が好適に抑制される。よって実施例のダクトDは、両屈曲部18,20の近傍部位における旋回流の発生が抑制されるので、圧力損失が大きくなることを防止し得る。
【0028】
そして、第1〜第4の各変形壁部34,36,38,40は、ダクト本体10の成形後に外方から押圧するだけで、空気流通空間26へ膨出した形状に簡易に変形させ得る。また、ダクト本体10における各変形壁部34,36,38,40の周囲に折曲ライン42を延設したので、ダクト本体10の成形後に、各変形壁部34,36,38,40を空気流通空間26へ膨出変形させ易いと共に、空気流通空間26へ膨出変形した各変形壁部34,36,38,40が該膨出形状に保持される。
【0029】
(変更例)
図9は、変更例1に係るダクトDを、エアコンユニットACおよびエアアウトレットAOに連結した状態で示している。この変更例1に係るダクトDは、ダクト本体10における各屈曲部18,20の屈曲内側18A,20Aに繋がる下流側の壁面部に、空気流通空間26へ膨出変形した第2変形壁部36および第4変形壁部40を設けたものである。これら第2変形壁部36および第4変形壁部40は、図1に示した実施例のダクトDの第2変形壁部36および第4変形壁部40と同一位置および同一形状に構成されている。従って、第1屈曲部18の屈曲内側18Aは、第2変形壁部36で構成される緩やかな曲面の上流端に位置していると共に、第2屈曲部20の屈曲内側20Aも、第4変形壁部40で構成される緩やかな曲面の上流端に位置している。これにより、第1屈曲部18を通過した空気は、ダクト本体10の空気流通空間26へ膨出して緩やかな曲面に形成されている第2変形壁部36に沿ってスムーズに流通すると共に、第2屈曲部20を通過した空気は、ダクト本体10の空気流通空間26へ膨出して緩やかな曲面に形成されている第4変形壁部40に沿ってスムーズに流通するようになるので、両屈曲部18,20の近傍部位における旋回流の発生が抑制され、圧力損失が大きくなることを防止し得る。
【0030】
図10は、変更例2に係るダクトDを、エアコンユニットACおよびエアアウトレットAOに連結した状態で示している。この変更例2に係るダクトDは、ダクト本体10における各屈曲部18,20の屈曲内側18A,20Aに繋がる上流側の壁面部に、空気流通空間26へ膨出変形した第1変形壁部34および第3変形壁部38を備えている。これら第1変形壁部34および第3変形壁部38は、図1に示した実施例のダクトDの第1変形壁部34および第3変形壁部38と同一位置および同一形状に構成されている。従って、第1屈曲部18の屈曲内側18Aは、第1変形壁部34で構成される緩やかな曲面の下流端に位置していると共に、第2屈曲部20の屈曲内側20Aも、第3変形壁部38で構成される緩やかな曲面の下流端に位置している。これにより、ダクト本体10の空気流通空間26へ膨出して緩やかな曲面に形成されている第1変形壁部34に沿って流通した空気は、変向しながら第1屈曲部18を通過して第2本体部14へ流通すると共に、ダクト本体10の空気流通空間26へ膨出して緩やかな曲面に形成されている第3変形壁部38に沿って流通した空気は、変向しながら第2変形壁部36を通過して第3本体部16へ流通するようになるので、両屈曲部18,20の近傍部位におれる旋回流の発生が抑制され、圧力損失が大きくなることを防止し得る。
【0031】
図11(a)は、第2屈曲部20の上流側および下流側において、複数(ここでは2個ずつ)の第3変形壁部38および第4変形壁部40を、ダクト本体10の周方向における対向する位置に設けた形態を示した部分斜視図である。実施例のダクトDは、蛇腹をなす第1屈曲部18および第2屈曲部20をダクト本体10の周方向における様々な方向へ屈曲させ得るので、第1本体部12に対する第2本体部14の屈曲方向および第2本体部14に対する第3本体部16の屈曲方向を、図1に示した状態以外に変更して、ダクト本体10の屈曲方向が異なる複数の形態のダクトを構成し得る。そこで、図11(b)に示すように、第3本体部16を同図上方である第1方向へ屈曲変形させる際には、屈曲変形した第2屈曲部20の屈曲内側20Aに位置する(同図上方に位置する)第3変形壁部38および第4変形壁部40を夫々空気流通空間26へ膨出変形させればよい。また、図11(c)に示すように、第3本体部16を同図下方である第2方向へ屈曲変形させる際には、屈曲変形した第2屈曲部20の屈曲内側20Aに位置する(同図下方に位置する)第3変形壁部38および第4変形壁部40を夫々空気流通空間26へ膨出変形させればよい。すなわち、第3本体部16を第1方向に屈曲変形させても、第2屈曲部20の屈曲内側20Aに緩やかに連続する曲面をダクト本体10に形成することが可能であり、第3本体部16を第2方向へ屈曲変形させても、第2屈曲部20の屈曲内側20Aに緩やかに連続する曲面をダクト本体10に形成することが可能である。なお図示省略したが、第1屈曲部18においても、第1変形壁部34および第2変形壁部36をダクト本体10の周方向へ複数個設けることで、同様の作用効果が得られる。
【0032】
なお、本願が対象とするダクトDは、前述した実施例の形態に限定されず、様々な変更可能である。
(1)各屈曲部18,20は、実施例および各変更例に示した蛇腹のものに限定されない。すなわち、予め所要角度に屈曲した形状で成形された所謂ソリッドタイプの屈曲部であってもよい。
(2)各変形壁部34,36,38,40をダクト本体10の周方向へ複数個設ける場合は、図11(a)に示した2個に限定されず、3個以上設けるようにしてもよい。例えば、各変形壁部34,36,38,40を、ダクト本体10の周方向全周に亘って横並び状に複数個設ければ、第1屈曲部18および第2屈曲部20を該ダクト本体10の周方向の何れの方向へ屈曲変形させたとしても、屈曲変形した該屈曲部18,20の屈曲内側18A,20Aに繋がる位置に変形壁部34,36,38,40が位置するようになり、ダクト本体10における屈曲内側18A,20Aに繋がる壁面部を曲面に形成し得る。
(3)各屈曲部18,20は、90度に屈曲変形するものに限定されず、90度以上または90度以下に屈曲するものであってもよい。
(4)ダクト本体10は、円筒形状に限らず、角筒形状であってもよい。
(5)本願が対象とするダクトは、自動車に配設されるものに限らず、これ以外の車両や建物等に配設されるものも対象とされる。
(6)実施例では、第1屈曲部18を挟んで上流側および下流側に設けた第1変形壁部34および第2変形壁部36を該第1屈曲部18を挟んで対称形状とすると共に、第2屈曲部20を挟んで上流側および下流側に設けた第3変形壁部38および第4変形壁部40を該第2屈曲部20を挟んで対称形状としたが、これら第1変形壁部34と第2変形壁部36および第3変形壁部38と第4変形壁部40とは対称形状でなくてもよい。また、第1変形壁部34、第2変形壁部36、第3変形壁部38および第4変形壁部40は、各々が異なる形状、大きさで空気流通空間26へ膨出変形するよう構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】各屈曲部で屈曲させた実施例のダクトを、エアコンユニットおよびエアアウトレットに夫々連結した状態で示す説明図である。
【図2】(a)ダクト本体の各屈曲部に隣接した位置に設けた変形壁部を、ダクト本体を成形した状態で示した部分斜視図であり、(b)は、ダクト本体の成形後に変形壁部をダクト外方から押圧して、該変形壁部を空気流通空間へ膨出した形状に変形させた状態を示す部分斜視図である。
【図3】ダクト本体を成形した状態で示した説明図であって、各変形壁部がダクト本体からダクト外方へ膨出した状態に成形されることを示している。
【図4】ダクト本体の成形後に、各変形壁部をダクト外方から押圧して、該変形壁部をダクト本体内(空気流通空間)へ膨出した状態に成形することを示している。
【図5】各屈曲部を屈曲変形してダクト本体を屈曲させる状態を示す説明図である。
【図6】屈曲部を構成する各突状部の第2壁部が第1状態に変形し、隣り合う谷部同士が近接した状態に保持されることを示す部分断面図である。
【図7】屈曲部を構成する各突状部の第2壁部が第2状態に変形し、隣り合う谷部同士が離間した状態に保持されることを示す部分断面図である。
【図8】突状部の第1壁部および第2壁部の形態を拡大して示す断面図である。
【図9】各屈曲部でダクト本体を屈曲させた変更例1のダクトを、エアコンユニットおよびエアアウトレットに夫々連結した状態で示す説明図である。
【図10】各屈曲部でダクト本体を屈曲させた変更例2のダクトを、エアコンユニットおよびエアアウトレットに夫々連結した状態で示す説明図である。
【図11】(a)は、ダクト本体の周方向における対向する部位に2つの変形壁部を設けた変更例を示す説明図であり、(b)は、屈曲部を第1方向へ屈曲させた状態を示し、(c)は、屈曲部を第2方向へ屈曲させた状態を示している。
【図12】各屈曲部で屈曲させた従来のダクトを、エアコンユニットおよびエアアウトレットに夫々連結した状態で示した説明図であって、ダクト本体が屈曲部で急激に屈曲するため、該屈曲部の下流側において旋回流(渦)が発生し、圧力損失が大きくなることを示している。
【符号の説明】
【0034】
10 ダクト本体,18 第1屈曲部,18A 屈曲内側,20 第2屈曲部
20A 屈曲内側,26 空気流通空間,34 第1変形壁部(変形壁部)
36 第2変形壁部(変形壁部),38 第3変形壁部(変形壁部)
40 第4変形壁部(変形壁部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に空気流通空間を有するダクト本体に設けられ、前記空気流通空間を所要角度に屈曲させる屈曲部を備えたダクトにおいて、
前記ダクト本体における前記屈曲部の屈曲内側に繋がる上流側および下流側の少なくとも一方の壁面部に、ダクト本体の内外方向に変形可能な変形壁部を設け、
前記変形壁部は、空気流通空間へ膨出変形した状態で保持されて、前記屈曲部の屈曲内側に連続する曲面を形成するよう構成した
ことを特徴とするダクト。
【請求項2】
前記屈曲部は、複数の突状部を有する蛇腹であり、
前記変形壁部は、前記ダクト本体の周方向へ複数個設けられた請求項1記載のダクト。
【請求項1】
内部に空気流通空間を有するダクト本体に設けられ、前記空気流通空間を所要角度に屈曲させる屈曲部を備えたダクトにおいて、
前記ダクト本体における前記屈曲部の屈曲内側に繋がる上流側および下流側の少なくとも一方の壁面部に、ダクト本体の内外方向に変形可能な変形壁部を設け、
前記変形壁部は、空気流通空間へ膨出変形した状態で保持されて、前記屈曲部の屈曲内側に連続する曲面を形成するよう構成した
ことを特徴とするダクト。
【請求項2】
前記屈曲部は、複数の突状部を有する蛇腹であり、
前記変形壁部は、前記ダクト本体の周方向へ複数個設けられた請求項1記載のダクト。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−292442(P2009−292442A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−150906(P2008−150906)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)
【Fターム(参考)】
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