ダミー栓
【課題】抜止め機能の信頼性向上を図る。
【解決手段】ダミー栓30は、ハウジング10の端子収容室11内に収容される本体部31と、本体部31から後方へ延出した形態であって、一括ゴム栓18のシール孔19に液密状に嵌入されるシール部33と、シール部33から後方へ延出した形態であって、ホルダ20の貫通孔24を貫通してホルダ20の後方へ突出される操作部34と、本体部31の前端から前方へ片持ち状に延出した形態であって、端子収容室11内において弾性撓み可能であり、端子収容室11に臨む抜止部13に対して抜止め状態に係止される弾性係止片35とを備えている。
【解決手段】ダミー栓30は、ハウジング10の端子収容室11内に収容される本体部31と、本体部31から後方へ延出した形態であって、一括ゴム栓18のシール孔19に液密状に嵌入されるシール部33と、シール部33から後方へ延出した形態であって、ホルダ20の貫通孔24を貫通してホルダ20の後方へ突出される操作部34と、本体部31の前端から前方へ片持ち状に延出した形態であって、端子収容室11内において弾性撓み可能であり、端子収容室11に臨む抜止部13に対して抜止め状態に係止される弾性係止片35とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダミー栓に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の端子収容室が形成されたハウジングと、端子収容室と対応する複数のシール孔を有していてハウジングの後端部に取り付けられる一括ゴム栓と、シール孔と対応する複数の貫通孔を有していて一括ゴム栓の後方に配置されるホルダと、貫通孔とシール孔を通過して端子収容室に挿入される端子金具とを備えたコネクタが開示されている。
【0003】
このコネクタにはダミー栓が取り付けられるようになっている。ダミー栓は、全体として前後方向に細長く、前端部に防水部が形成され、防水部の後端からは引き抜き用の板状をなす操作部が後方へ延出している。操作部の前端部には、後方へ片持ち状に延出した形態の弾性係止片が形成されている。
【0004】
ダミー栓をコネクタに取り付けると、防水部が一括ゴム栓のシール孔を貫通することにより、シール孔が液密状に閉塞される。また、操作部がホルダの貫通孔を貫通し、弾性係止片が、ホルダの前面における貫通孔の孔縁部に係止する。この弾性係止片とホルダとの係止により、ダミー栓がホルダに対して抜止め状態に保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−305660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のダミー栓は、弾性係止片が操作部の外面に沿うように形成されているので、操作部と弾性係止片が貫通孔を通過するときには、弾性係止片が操作部の外面に対して接近する方向に弾性撓みする。貫通孔の開口寸法は決まっているので、弾性係止片の撓み代は、貫通孔の開口寸法から操作部の厚さと弾性係止片の厚さを差し引いた寸法に限定され、十分に大きく確保することが難しい。この弾性係止片の撓み代は、弾性係止片とホルダとの係止代となるので、ダミー栓の抜止め機能の信頼性が低いという問題がある。
【0007】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、抜止め機能の信頼性向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、複数の端子収容室が形成されたハウジングと、前記端子収容室と対応する複数のシール孔を有していて前記ハウジングの後端部に取り付けられる一括ゴム栓と、前記シール孔と対応する複数の貫通孔を有していて前記一括ゴム栓の後方に配置されるホルダとを備えたコネクタに取り付けられるダミー栓であって、前記端子収容室内に収容される本体部と、前記本体部から後方へ延出した形態であって、前記シール孔に液密状に嵌入されるシール部と、前記シール部から後方へ延出した形態であって、前記貫通孔を貫通して前記ホルダの後方へ突出される操作部と、前記本体部の前端から前方へ片持ち状に延出した形態であって、前記端子収容室内において弾性撓み可能であり、前記端子収容室に臨む抜止部に対して抜止め状態に係止される弾性係止片とを備えて構成されているところに特徴を有する。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記抜止部が、前記端子収容室の内壁部のうち前記弾性係止片よりも撓み剛性の高い支持壁部の一部を段差状に切欠した形態となっているコネクタに取り付けられるダミー栓であって、前記弾性係止片には、前記抜止部に係止される突起部が形成されているところに特徴を有する。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記弾性係止片には、局部的に切欠した形態の切欠部が形成されているところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0011】
<請求項1の発明>
ダミー栓をコネクタに取り付けた状態では、弾性係止片が抜止部に係止することにより、ダミー栓が抜止め状態に保持される。弾性係止片は、本体部の前端から片持ち状に延出した形態であるから、端子収容室内における弾性係止片の撓み代は、端子収容室の内寸法から弾性係止片の厚さを差し引いた寸法分だけ確保することができる。したがって、弾性係止片が本体部の外面に沿って延出する形態である場合に比べると、本発明のダミー栓は、弾性係止片の撓み代を大きく確保することが可能であり、ひいては、弾性係止片と抜止部との係止代を十分に確保して、抜止め機能の信頼性向上を図ることができる。
【0012】
<請求項2の発明>
ダミー栓を取り付ける過程では、弾性係止片が突起部と支持壁部との干渉によって弾性撓みする。ダミー栓が正規の取付け位置に到達すると、弾性係止片が弾性復帰し、突起部が抜止部内に進入して支持壁部に係止する。弾性係止片は、弾性係止片よりも撓み剛性の高い支持壁部に係止するので、抜止め機能の信頼性に優れている。
【0013】
<請求項3の発明>
弾性係止片は、局部的に切欠した形態の切欠部を形成することにより断面積が小さくなるので、撓み易くなっている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態1においてコネクタにダミー栓を取り付けた状態をあらわす一部切欠斜視図
【図2】ダミー栓をコネクタに取り付ける過程をあらわす断面図
【図3】図2の状態からダミー栓の挿入が進んだ状態をあらわす断面図
【図4】図3の状態からダミー栓の挿入が進んだ状態をあらわす断面図
【図5】ダミー栓の取付けが完了した状態をあらわす断面図
【図6】端子収容室に端子金具が挿入された状態をあらわす断面図
【図7】ダミー栓の正面図
【図8】ダミー栓の平面図
【図9】ダミー栓の底面図
【図10】上下に隣接する2つの端子収容室にダミー栓を挿入したときのダミー栓の位置関係をあらわす正面図
【図11】実施形態2においてコネクタにダミー栓を取り付けた状態をあらわす断面図
【図12】ダミー栓をコネクタに取り付ける過程をあらわす断面図
【図13】図12の状態からダミー栓の挿入が進んだ状態をあらわす断面図
【図14】ダミー栓の正面図
【図15】ダミー栓の平面図
【図16】ダミー栓の底面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態1>
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1〜図10を参照して説明する。図6に示すように、コネクタAは、ハウジング10と、リテーナ17と、一括ゴム栓18と、ホルダ20と、複数の端子金具25と、ダミー栓30とを備えて構成されている。
【0016】
ハウジング10は、合成樹脂製であり、図1〜6に示すように、ハウジング10の内部には、ハウジング10を前後方向に貫通した形態の複数の端子収容室11が、上下に分かれて左右方向に並列して形成されている。図1に示すように、上下で対をなす端子収容室11同士は、上下対称な形態、又は前後方向の軸線に関して点対称な形態となっている。上側の端子収容室11と下側の端子収容室11とは、剛性の高い支持壁部12によって区画されている。支持壁部12の前端部には、上側の端子収容室11と下側の端子収容室11を連通させるように段差状に切欠した形態の抜止部13が形成されている。この抜止部13は、上側の端子収容室11と下側の端子収容室11の両方に臨んでいる。
【0017】
上側の端子収容室11を構成する上壁部には、その前端部において前方へ片持ち状に延出した形態のランス14が一体に形成されている。このランス14は、上方への弾性撓みが可能となっている。下側の端子収容室11を構成する下壁部には、その前端部において前方へ片持ち状に延出した形態のランス14が一体に形成されている。このランス14は、下方への弾性撓みが可能となっている。また、前後方向において、ランス14の前端(延出端)と抜止部13とはほぼ同じ位置にある。
【0018】
図1〜6に示すように、ハウジング10におけるランス14よりも後方の位置には、ハウジング10の上面から上側の端子収容室11に連通する取付溝15と、ハウジング10の下面から下側の端子収容室11に連通する取付溝15とが形成されている。取付溝15には、リテーナ17が取り付けられるようになっている。取付溝15に取り付けられたリテーナ17は、端子収容室11の内部空間(端子金具25の挿入経路内)に進出するようになっている。上側の端子収容室11の上壁部には、取付溝15からハウジング10の後端に亘って前後方向に延びる逃がし溝16が形成されている。下側の端子収容室11の下壁部にも、取付溝15から端子収容室11の後端(ハウジング10の後端)に亘って前後方向に延びる逃がし溝16が形成されている。
【0019】
図1〜6に示すように、一括ゴム栓18は、板厚方向を前後方向とした肉厚の板状をなしており、ハウジング10の後端部(後端面)に後方から当接させた状態で取り付けられている。一括ゴム栓18には、前後方向に円形に貫通した形態の複数のシール孔19が、端子収容室11と対応するように整列して形成されている。各シール孔19内には、周知形態のリップ部が形成され、シール孔19の前面側の開口縁部と後面側の開口縁部はテーパ状をなしている。
【0020】
ホルダ20は、合成樹脂製であり、図1〜6に示すように、後壁部21と、後壁部21の外周縁から前方へ延出した形態の周壁部22とを一体に形成して構成され、前面を凹ませた形態の収容凹部23を有している。収容凹部23内には上記一括ゴム栓18が収容され、後壁部21が一括ゴム栓18の後面に当接している。ホルダ20は、ハウジング10に対して相対変位を規制された状態で組み付けられており、このホルダ20により、一括ゴム栓18はハウジング10に対して取付け状態に保持されている。ホルダ20には、端子金具25の角筒部26を貫通させるための複数の貫通孔24が、シール孔19と対応するように整列して形成されている。
【0021】
図6に示すように、複数の端子収容室11のうち必要な端子収容室11内には、端子金具25が後方(図6における右方)から挿入されている。端子金具25の前端部には、相手側端子(図示省略)との接続手段として機能する角筒部26が形成され、端子金具25の後端部に形成した電線圧着部27には電線28の前端部が接続されている。角筒部26には、その上面から突出した形態の係止突部29が形成されている。また、角筒部26の上面における後端縁部は、電線圧着部27との高低差により段差状をなしている。
【0022】
端子金具25は、コネクタAの後方から端子収容室11内に取り付けられる。上側の端子収容室11に取り付ける際には、端子金具25は、係止突部29が角筒部26から上方へ突出する姿勢とする。下側の端子収容室11に取り付ける際には、端子金具25は、係止突部29が角筒部26から下向きに突出する姿勢とする。そして、角筒部26と電線圧着部27を、ホルダ20の貫通孔24と一括ゴム栓18のシール孔19とに順に通過させ、端子収容室11内に挿入する。挿入の過程では、係止突部29が、逃がし溝16内を通過し、その後、ランス14を上方へ弾性撓みさせる。
【0023】
そして、端子金具25が正規の挿入位置に到達すると、ランス14が、弾性復帰して係止突部29に対して後方から係止する。このランス14の係止により、端子金具25が抜止め状態に保持される。また、電線28は、シール孔19を液密状に貫通するとともに、貫通孔24を貫通してホルダ20の後方へ導出される。端子金具25を挿入した後、取付溝15にリテーナ17を取り付けると、リテーナ17が、端子金具25の角筒部26の段差状をなす後端縁部に対して後方から係止する。このリテーナ17の二次係止とランス14の一次係止とにより、端子金具25は確実に抜止めされる。
【0024】
ダミー栓30は、合成樹脂製であり、図1〜6に示すように、全体として前後方向に細長い形態である。図7〜9に示すように、ダミー栓30は、本体部31と、誤挿入規制部32と、シール部33と、操作部34と、弾性係止片35とを一体に形成して構成されている。本体部31は、軸線を前後方向に向けた略角柱形をなす。誤挿入規制部32は、前後方向に細長く、前後方向と直角な断面形状が概ね二等辺三角形状(山形)をなし、本体部31の上面(外面)から全長に亘って突出した形態である。シール部33は、軸線を前後方向に向けた円柱形をなし、本体部31の後端から後方へ同軸状に延出している。操作部34は、軸線を前後方向に向けた円柱形をなし、シール部33の後端から後方へ同軸状に延出している。操作部34の外径とシール部33の外径と同寸法なので、シール部33と操作部34は、一見すると単一の円柱状をなす。
【0025】
弾性係止片35は、全体として前後方向に細長く、本体部31の前端から前方へ片持ち状に延出した形態である。つまり、弾性係止片35とシール部33は、本体部31からの突出方向が前後逆向きとなっている。弾性係止片35の下面は、本体部31の下面に対して面一状に連なっており、弾性係止片35の左右両側面は、本体部31の左右両側面に対して面一状に連なっている。つまり、弾性係止片35と本体部31は同じ幅寸法である。弾性係止片35の厚さ寸法(上下寸法)は、その前後方向における全領域に亘り本体部31の厚さ寸法よりも小さい。したがって、弾性係止片35の上面は、その全領域に亘り、その本体部31の上面よりも低い位置となっている。また、弾性係止片35の上面は前方に向かって下り勾配となるように傾斜している。
【0026】
弾性係止片35には、その上面を局部的に切欠した形態の切欠部36が形成されている。切欠部36は、幅方向において弾性係止片35の中央部に形成され、前後方向に延びる溝状をなす。前後方向における切欠部36の形成領域は、弾性係止片35の後端(本体部31の前端)よりも少し前方位置から、弾性係止片35の前端に亘っている。したがって、切欠部36は弾性係止片35の上面と前端面とに開放されている。
【0027】
また、切欠部36は、その略後半領域を弾性係止片35の下面に連通させる開口部37を有している。つまり、切欠部36は、弾性係止片35を上下方向(弾性係止片35の弾性撓み方向と概ね平行な方向)に貫通する形態となっている。弾性係止片35の下面部のうち開口部37よりも前方の領域は、切欠部36に臨む底壁部38となっている。また、弾性係止片35のうち切欠部36を左右両側から挟む領域は、左右一対の側壁部39となっている。
【0028】
弾性係止片35の前端部(延出端部)には、その下面から下方へ突出した形態の突起部40が形成されている。前後方向における突起部40の形成領域は、開口部37の前端より少し前方の位置から、弾性係止片35の前端に亘る範囲となっている。また、左右方向における突起部40の形成範囲は、弾性係止片35の左側半分の領域となっている。
【0029】
次に、本実施形態1の作用を説明する。ダミー栓30を上側の端子収容室11に取り付ける際には、誤挿入規制部32が本体部31の上方へ突出する向きにして操作部34を摘み、図2,3に示すように、ダミー栓30をコネクタAの後方から貫通孔24とシール孔19に順に挿入する。そして、図4に示すように、本体部31と誤挿入規制部32がシール孔19に挿入されると、一括ゴム栓18はシール孔19を拡開させるように弾性変形し、この一括ゴム栓18の弾性復元力によりダミー栓30の上下及び左右方向への姿勢の傾きが抑えられる。このとき、弾性係止片35の前端の突起部40が支持壁部12に摺接するので、弾性係止片35は、その後端部を支点として上方へ弾性撓みさせられる。この後、ダミー栓30の挿入が進むと、本体部31が端子収容室11内に収容されるとともに、誤挿入規制部32が逃がし溝16内に収容されるので、ダミー栓30の上下方向及び左右方向への姿勢の傾きが規制される。この間、弾性係止片35は弾性撓みしたままである。
【0030】
そして、ダミー栓30が正規の挿入位置(取付け位置)に到達すると、図5に示すように、弾性係止片35の前端が端子収容室11の前面壁に突き当たり、ダミー栓30は前止まりされる。また、弾性係止片35が下方へ弾性復帰して突起部40が抜止部13内に進入し、突起部40の後端が抜止部13の後端(支持壁部12)に対して前方から係止する。この係止により、ダミー栓30が抜止め状態に保持される。
【0031】
ダミー栓30を下側の端子収容室11に取り付ける際には、誤挿入規制部32が本体部31の下方へ突出する向きにして操作部34を摘み、ダミー栓30をコネクタAの後方から貫通孔24とシール孔19に順に挿入する。この後は、上側の端子収容室11とは上下逆向きという点を除き、上側の端子収容室11に挿入するときと同様にダミー栓30の挿入が行われる。
【0032】
ダミー栓30をコネクタAに正しく取り付けた状態では、本体部31が、端子収容室11における取付溝15よりも後方の領域内に上下及び左右方向へ大きくがたつくことなく収容される。誤挿入規制部32は、逃がし溝16内に収容される。シール部33が、シール孔19を液密状に貫通するので、シール孔19において防水が図られる。操作部34は貫通孔24を貫通し、操作部34の後端部がホルダ20の後方へ突出する。弾性係止片35は、端子収容室11のうち取付溝15の後端よりも前方の領域内に収容される。弾性係止片35は本体部31よりも厚さが薄いので、リテーナ17と干渉することはない。
【0033】
また、図10に示すように、上側の端子収容室11に挿入したダミー栓30の突起部40と、下側の端子収容室11に挿入したダミー栓30の突起部40とは、支持壁部12と同じ高さに位置するのであるが、互いに干渉することなく左右に並ぶように配置される。したがって、上側の突起部と下側の突起部が上下に並ぶ形態に比べると、本実施形態1では、上側のダミー栓30(端子収容室11)と下側のダミー栓30(端子収容室11)の高低差が小さくなり、コネクタA全体の低背化が実現されている。
【0034】
尚、ダミー栓30を上下逆向きの姿勢又は、正規の姿勢に対して90°傾けた姿勢で挿入した場合には、挿入の途中で誤挿入規制部32の前端が端子収容室11の後端の開口縁に突き当たるので、それ以上の挿入動作が阻止される。これにより、ダミー栓30の挿入姿勢が不正であることが判る。
【0035】
ダミー栓が、本実施形態1とは異なり、弾性係止片が本体部の外面に沿って延出する形態である場合には、端子収容室11内における弾性係止片の撓み代は、端子収容室の内寸法から本体部の厚さと弾性係止片の厚さとを差し引いた寸法分に限定される。これに対し、本実施形態1のダミー栓30は、弾性係止片35が、本体部31の前端から片持ち状に延出した形態であるから、端子収容室11内における弾性係止片35の撓み代は、端子収容室11の内寸法から弾性係止片35の厚さを差し引いた寸法分だけ確保することができる。したがって、弾性係止片が本体部の外面に沿って延出する形態である場合に比べると、本実施形態1のダミー栓30は、弾性係止片35の撓み代を大きく確保することが可能である。これにより、弾性係止片35と抜止部13との係止代を十分に確保して、抜止め機能の信頼性向上を図ることができる。
【0036】
また、ハウジング10の抜止部13は、端子収容室11の内壁部のうち弾性係止片35よりも撓み剛性の高い支持壁部12の一部を段差状に切欠した形態となっている。そして、弾性係止片35には、抜止部13に係止される突起部40が形成されている。この構成により、ダミー栓30を取り付ける過程では、弾性係止片35が突起部40と支持壁部12との干渉によって弾性撓みし、ダミー栓30が正規の取付け位置に到達すると、弾性係止片35が弾性復帰し、突起部40が抜止部13内に進入して支持壁部12に係止する。本実施形態1では、弾性係止片35は、弾性係止片35よりも撓み剛性の高い支持壁部12に係止するので、抜止め機能の信頼性に優れている。
【0037】
また、弾性係止片35は、局部的に切欠した形態の切欠部36が形成されているので、前後方向と交差する方向の断面積が小さくなっており、弾性係止片35が撓み易くなっている。これにより、ダミー栓30を取り付ける際に、突起部40と支持壁部12との摺動の起因する摩擦抵抗が低減されるので、作業性が良い。
【0038】
<実施形態2>
次に、本発明を具体化した実施形態2を図11〜図16を参照して説明する。本実施形態2は、コネクタBの一部とダミー栓50を上記実施形態1とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記実施形態1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
【0039】
本実施形態2のコネクタBは、上記実施形態1に形成されていた抜止部13がハウジング10に形成されていないという点を除いて、実施形態1のコネクタAと同じ形態である。また、リテーナ17と、一括ゴム栓18と、ホルダ20と、端子金具25は、いずれも、実施形態1と同じものである。
【0040】
次に、本実施形態2のダミー栓50を説明する。ダミー栓50は、合成樹脂製であり、図11〜13,15,16に示すように、全体として前後方向に細長い形態である。図14〜16に示すように、ダミー栓50は、本体部51と、誤挿入規制部52と、シール部53と、操作部54と、弾性係止片55とを一体に形成して構成されている。
【0041】
本体部51は、軸線を前後方向に向けた略角柱形をなす。誤挿入規制部52は、前後方向に細長く、前後方向と直角な断面形状が概ね二等辺三角形状(山形)をなし、本体部51の上面(外面)から全長に亘って突出した形態である。シール部53は、軸線を前後方向に向けた円柱形をなし、本体部51の後端から後方へ同軸状に延出している。操作部54は、軸線を前後方向に向けた円柱形をなし、シール部53の後端から後方へ同軸状に延出している。操作部54の外径とシール部53の外径と同寸法なので、シール部53と操作部54は、一見すると単一の円柱状をなす。
【0042】
弾性係止片55は、全体として前後方向に細長く、本体部51の前端から前方へ片持ち状に延出した形態である。つまり、弾性係止片55とシール部53は、本体部51からの突出方向が前後逆向きとなっている。弾性係止片55の上面は前方に向かって上り勾配となるように傾斜している。弾性係止片55の下面は、前方に向かって上り勾配となるように傾斜し、その後端部が本体部51の下面に対して面一状(滑らか)に連なっている。弾性係止片55の左右両側面は、本体部51の左右両側面に対して面一状に連なっており、弾性係止片55と本体部51は同じ幅寸法である。弾性係止片55の厚さ寸法(上下寸法)は、その前後方向における全領域に亘り本体部51の厚さ寸法よりも小さい。したがって、弾性係止片55の上面は、その全領域に亘り、その本体部51の上面よりも低い位置となっている。
【0043】
弾性係止片55には、その下面を局部的に切欠した形態の切欠部56が形成されている。切欠部56は、幅方向において弾性係止片55の中央部に形成され、前後方向に延びる溝状をなす。前後方向における切欠部56の形成領域は、弾性係止片55の後端(本体部51の前端)よりも少し前方位置から、弾性係止片55の前端に亘っている。したがって、切欠部56は弾性係止片55の下面と前端面とに開放されている。
【0044】
また、切欠部56は、その略後半領域を弾性係止片55の上面に連通させる開口部57を有している。つまり、切欠部56は、弾性係止片55を上下方向(弾性係止片55の弾性撓み方向と概ね平行な方向)に貫通する形態となっている。弾性係止片55のうち切欠部56を左右両側から挟む領域は、左右一対の側壁部58となっている。弾性係止片55の前端部(延出端部)には、その上面から上方へ突出した形態の突起部59が形成されている。前後方向における突起部59の形成領域は、開口部57の前端から弾性係止片55の前端に亘る範囲となっている。また、左右方向における突起部59の形成範囲は、弾性係止片55の全幅領域となっている。
【0045】
次に、本実施形態2の作用を説明する。ダミー栓50を上側の端子収容室に取り付ける際には、誤挿入規制部52が本体部51の上方へ突出する向きにして操作部54を摘み、ダミー栓50をコネクタBの後方から貫通孔24とシール孔19に順に挿入する。そして、本体部51と誤挿入規制部52がシール孔19に挿入されると、一括ゴム栓18はシール孔19を拡開させるように弾性変形し、この一括ゴム栓18の弾性復元力によりダミー栓50の上下及び左右方向への姿勢の傾きが抑えられる。このとき、弾性係止片55の前端の突起部59は逃がし溝16内に収容されるので、弾性係止片55は殆ど弾性撓みしない。
【0046】
そして、突起部59が取付溝15と対応する位置になると、図12に示すように、上壁部のうちのランス14よりも後方の領域に突起部59が干渉するので、弾性係止片55が、その後端部を支点として下方へ弾性撓みさせられる。この後、ダミー栓50の挿入が進むと、本体部51が端子収容室11内に収容されるとともに、誤挿入規制部52が逃がし溝16内に収容されるので、ダミー栓50の上下方向及び左右方向への姿勢の傾きが規制される。この間、図13に示すように、突起部59は上壁部に摺接するので、弾性係止片55は下方へ弾性撓みしたままである。この後、突起部59がランス14の前端部(延出端部)に当接する状態になると、ランス14が上方へ逃げるように弾性撓みするとともに、弾性係止片55が上方へ僅かに弾性復帰する。
【0047】
そして、ダミー栓50が正規の挿入位置(取付け位置)に到達すると、図11に示すように、弾性係止片55の前端が端子収容室11の前面壁に突き当たり、ダミー栓50は前止まりされる。また、弾性係止片55が上方へ弾性復帰して突起部59がランス14の前端部に対し前方から係止する。この係止により、ダミー栓50が抜止め状態に保持される。
【0048】
ダミー栓50を下側の端子収容室11に取り付ける際には、誤挿入規制部52が本体部51の下方へ突出する向きにして操作部54を摘み、ダミー栓50をコネクタBの後方から貫通孔24とシール孔19に順に挿入する。この後は、上側の端子収容室11とは上下逆向きという点を除き、上側の端子収容室11に挿入するときと同様にダミー栓50の挿入が行われる。
【0049】
ダミー栓50をコネクタに正しく取り付けた状態では、本体部51が、端子収容室11における取付溝15よりも後方の領域内に上下及び左右方向へ大きくがたつくことなく収容される。誤挿入規制部52は、逃がし溝16内に収容される。シール部53が、シール孔19を液密状に貫通するので、シール孔19において防水が図られる。操作部54は貫通孔24を貫通し、操作部54の後端部がホルダ20の後方へ突出する。弾性係止片55は、端子収容室11のうち取付溝15の後端よりも前方の領域内に収容される。弾性係止片55は本体部51よりも厚さが薄いので、リテーナ17と干渉することはない。
【0050】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態1,2では、切欠部を前後方向に長い溝状としたが、切欠部は、溝状に限らない。
(2)上記実施形態1,2では、切欠部が弾性係止片を撓み方向に貫通する形態となっているが、切欠部は、撓み方向と交差する方向に貫通する形態であってもよい。
(3)上記実施形態1,2では、切欠部が弾性係止片を貫通する形態としたが、切欠部は、弾性係止片を貫通する形態とせずに、袋小路状に凹ませた形態としてもよい。
(4)上記実施形態1,2では、弾性係止片に形成する切欠部の数を1つだけとしたが、複数の切欠部を形成してもよい。
(5)上記実施形態1,2では、弾性係止片に局部的に切欠した形態の切欠部を形成したが、弾性係止片は切欠部を形成しない形態としてもよい。
【符号の説明】
【0051】
A…コネクタ
10…ハウジング
11…端子収容室
12…支持壁部
13…抜止部
18…一括ゴム栓
19…シール孔
20…ホルダ
24…貫通孔
30…ダミー栓
31…本体部
33…シール部
34…操作部
35…弾性係止片
36…切欠部
40…突起部
B…コネクタ
50…ダミー栓
51…本体部
53…シール部
54…操作部
55…弾性係止片
56…切欠部
59…突起部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダミー栓に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の端子収容室が形成されたハウジングと、端子収容室と対応する複数のシール孔を有していてハウジングの後端部に取り付けられる一括ゴム栓と、シール孔と対応する複数の貫通孔を有していて一括ゴム栓の後方に配置されるホルダと、貫通孔とシール孔を通過して端子収容室に挿入される端子金具とを備えたコネクタが開示されている。
【0003】
このコネクタにはダミー栓が取り付けられるようになっている。ダミー栓は、全体として前後方向に細長く、前端部に防水部が形成され、防水部の後端からは引き抜き用の板状をなす操作部が後方へ延出している。操作部の前端部には、後方へ片持ち状に延出した形態の弾性係止片が形成されている。
【0004】
ダミー栓をコネクタに取り付けると、防水部が一括ゴム栓のシール孔を貫通することにより、シール孔が液密状に閉塞される。また、操作部がホルダの貫通孔を貫通し、弾性係止片が、ホルダの前面における貫通孔の孔縁部に係止する。この弾性係止片とホルダとの係止により、ダミー栓がホルダに対して抜止め状態に保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−305660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のダミー栓は、弾性係止片が操作部の外面に沿うように形成されているので、操作部と弾性係止片が貫通孔を通過するときには、弾性係止片が操作部の外面に対して接近する方向に弾性撓みする。貫通孔の開口寸法は決まっているので、弾性係止片の撓み代は、貫通孔の開口寸法から操作部の厚さと弾性係止片の厚さを差し引いた寸法に限定され、十分に大きく確保することが難しい。この弾性係止片の撓み代は、弾性係止片とホルダとの係止代となるので、ダミー栓の抜止め機能の信頼性が低いという問題がある。
【0007】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、抜止め機能の信頼性向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、複数の端子収容室が形成されたハウジングと、前記端子収容室と対応する複数のシール孔を有していて前記ハウジングの後端部に取り付けられる一括ゴム栓と、前記シール孔と対応する複数の貫通孔を有していて前記一括ゴム栓の後方に配置されるホルダとを備えたコネクタに取り付けられるダミー栓であって、前記端子収容室内に収容される本体部と、前記本体部から後方へ延出した形態であって、前記シール孔に液密状に嵌入されるシール部と、前記シール部から後方へ延出した形態であって、前記貫通孔を貫通して前記ホルダの後方へ突出される操作部と、前記本体部の前端から前方へ片持ち状に延出した形態であって、前記端子収容室内において弾性撓み可能であり、前記端子収容室に臨む抜止部に対して抜止め状態に係止される弾性係止片とを備えて構成されているところに特徴を有する。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記抜止部が、前記端子収容室の内壁部のうち前記弾性係止片よりも撓み剛性の高い支持壁部の一部を段差状に切欠した形態となっているコネクタに取り付けられるダミー栓であって、前記弾性係止片には、前記抜止部に係止される突起部が形成されているところに特徴を有する。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記弾性係止片には、局部的に切欠した形態の切欠部が形成されているところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0011】
<請求項1の発明>
ダミー栓をコネクタに取り付けた状態では、弾性係止片が抜止部に係止することにより、ダミー栓が抜止め状態に保持される。弾性係止片は、本体部の前端から片持ち状に延出した形態であるから、端子収容室内における弾性係止片の撓み代は、端子収容室の内寸法から弾性係止片の厚さを差し引いた寸法分だけ確保することができる。したがって、弾性係止片が本体部の外面に沿って延出する形態である場合に比べると、本発明のダミー栓は、弾性係止片の撓み代を大きく確保することが可能であり、ひいては、弾性係止片と抜止部との係止代を十分に確保して、抜止め機能の信頼性向上を図ることができる。
【0012】
<請求項2の発明>
ダミー栓を取り付ける過程では、弾性係止片が突起部と支持壁部との干渉によって弾性撓みする。ダミー栓が正規の取付け位置に到達すると、弾性係止片が弾性復帰し、突起部が抜止部内に進入して支持壁部に係止する。弾性係止片は、弾性係止片よりも撓み剛性の高い支持壁部に係止するので、抜止め機能の信頼性に優れている。
【0013】
<請求項3の発明>
弾性係止片は、局部的に切欠した形態の切欠部を形成することにより断面積が小さくなるので、撓み易くなっている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態1においてコネクタにダミー栓を取り付けた状態をあらわす一部切欠斜視図
【図2】ダミー栓をコネクタに取り付ける過程をあらわす断面図
【図3】図2の状態からダミー栓の挿入が進んだ状態をあらわす断面図
【図4】図3の状態からダミー栓の挿入が進んだ状態をあらわす断面図
【図5】ダミー栓の取付けが完了した状態をあらわす断面図
【図6】端子収容室に端子金具が挿入された状態をあらわす断面図
【図7】ダミー栓の正面図
【図8】ダミー栓の平面図
【図9】ダミー栓の底面図
【図10】上下に隣接する2つの端子収容室にダミー栓を挿入したときのダミー栓の位置関係をあらわす正面図
【図11】実施形態2においてコネクタにダミー栓を取り付けた状態をあらわす断面図
【図12】ダミー栓をコネクタに取り付ける過程をあらわす断面図
【図13】図12の状態からダミー栓の挿入が進んだ状態をあらわす断面図
【図14】ダミー栓の正面図
【図15】ダミー栓の平面図
【図16】ダミー栓の底面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態1>
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1〜図10を参照して説明する。図6に示すように、コネクタAは、ハウジング10と、リテーナ17と、一括ゴム栓18と、ホルダ20と、複数の端子金具25と、ダミー栓30とを備えて構成されている。
【0016】
ハウジング10は、合成樹脂製であり、図1〜6に示すように、ハウジング10の内部には、ハウジング10を前後方向に貫通した形態の複数の端子収容室11が、上下に分かれて左右方向に並列して形成されている。図1に示すように、上下で対をなす端子収容室11同士は、上下対称な形態、又は前後方向の軸線に関して点対称な形態となっている。上側の端子収容室11と下側の端子収容室11とは、剛性の高い支持壁部12によって区画されている。支持壁部12の前端部には、上側の端子収容室11と下側の端子収容室11を連通させるように段差状に切欠した形態の抜止部13が形成されている。この抜止部13は、上側の端子収容室11と下側の端子収容室11の両方に臨んでいる。
【0017】
上側の端子収容室11を構成する上壁部には、その前端部において前方へ片持ち状に延出した形態のランス14が一体に形成されている。このランス14は、上方への弾性撓みが可能となっている。下側の端子収容室11を構成する下壁部には、その前端部において前方へ片持ち状に延出した形態のランス14が一体に形成されている。このランス14は、下方への弾性撓みが可能となっている。また、前後方向において、ランス14の前端(延出端)と抜止部13とはほぼ同じ位置にある。
【0018】
図1〜6に示すように、ハウジング10におけるランス14よりも後方の位置には、ハウジング10の上面から上側の端子収容室11に連通する取付溝15と、ハウジング10の下面から下側の端子収容室11に連通する取付溝15とが形成されている。取付溝15には、リテーナ17が取り付けられるようになっている。取付溝15に取り付けられたリテーナ17は、端子収容室11の内部空間(端子金具25の挿入経路内)に進出するようになっている。上側の端子収容室11の上壁部には、取付溝15からハウジング10の後端に亘って前後方向に延びる逃がし溝16が形成されている。下側の端子収容室11の下壁部にも、取付溝15から端子収容室11の後端(ハウジング10の後端)に亘って前後方向に延びる逃がし溝16が形成されている。
【0019】
図1〜6に示すように、一括ゴム栓18は、板厚方向を前後方向とした肉厚の板状をなしており、ハウジング10の後端部(後端面)に後方から当接させた状態で取り付けられている。一括ゴム栓18には、前後方向に円形に貫通した形態の複数のシール孔19が、端子収容室11と対応するように整列して形成されている。各シール孔19内には、周知形態のリップ部が形成され、シール孔19の前面側の開口縁部と後面側の開口縁部はテーパ状をなしている。
【0020】
ホルダ20は、合成樹脂製であり、図1〜6に示すように、後壁部21と、後壁部21の外周縁から前方へ延出した形態の周壁部22とを一体に形成して構成され、前面を凹ませた形態の収容凹部23を有している。収容凹部23内には上記一括ゴム栓18が収容され、後壁部21が一括ゴム栓18の後面に当接している。ホルダ20は、ハウジング10に対して相対変位を規制された状態で組み付けられており、このホルダ20により、一括ゴム栓18はハウジング10に対して取付け状態に保持されている。ホルダ20には、端子金具25の角筒部26を貫通させるための複数の貫通孔24が、シール孔19と対応するように整列して形成されている。
【0021】
図6に示すように、複数の端子収容室11のうち必要な端子収容室11内には、端子金具25が後方(図6における右方)から挿入されている。端子金具25の前端部には、相手側端子(図示省略)との接続手段として機能する角筒部26が形成され、端子金具25の後端部に形成した電線圧着部27には電線28の前端部が接続されている。角筒部26には、その上面から突出した形態の係止突部29が形成されている。また、角筒部26の上面における後端縁部は、電線圧着部27との高低差により段差状をなしている。
【0022】
端子金具25は、コネクタAの後方から端子収容室11内に取り付けられる。上側の端子収容室11に取り付ける際には、端子金具25は、係止突部29が角筒部26から上方へ突出する姿勢とする。下側の端子収容室11に取り付ける際には、端子金具25は、係止突部29が角筒部26から下向きに突出する姿勢とする。そして、角筒部26と電線圧着部27を、ホルダ20の貫通孔24と一括ゴム栓18のシール孔19とに順に通過させ、端子収容室11内に挿入する。挿入の過程では、係止突部29が、逃がし溝16内を通過し、その後、ランス14を上方へ弾性撓みさせる。
【0023】
そして、端子金具25が正規の挿入位置に到達すると、ランス14が、弾性復帰して係止突部29に対して後方から係止する。このランス14の係止により、端子金具25が抜止め状態に保持される。また、電線28は、シール孔19を液密状に貫通するとともに、貫通孔24を貫通してホルダ20の後方へ導出される。端子金具25を挿入した後、取付溝15にリテーナ17を取り付けると、リテーナ17が、端子金具25の角筒部26の段差状をなす後端縁部に対して後方から係止する。このリテーナ17の二次係止とランス14の一次係止とにより、端子金具25は確実に抜止めされる。
【0024】
ダミー栓30は、合成樹脂製であり、図1〜6に示すように、全体として前後方向に細長い形態である。図7〜9に示すように、ダミー栓30は、本体部31と、誤挿入規制部32と、シール部33と、操作部34と、弾性係止片35とを一体に形成して構成されている。本体部31は、軸線を前後方向に向けた略角柱形をなす。誤挿入規制部32は、前後方向に細長く、前後方向と直角な断面形状が概ね二等辺三角形状(山形)をなし、本体部31の上面(外面)から全長に亘って突出した形態である。シール部33は、軸線を前後方向に向けた円柱形をなし、本体部31の後端から後方へ同軸状に延出している。操作部34は、軸線を前後方向に向けた円柱形をなし、シール部33の後端から後方へ同軸状に延出している。操作部34の外径とシール部33の外径と同寸法なので、シール部33と操作部34は、一見すると単一の円柱状をなす。
【0025】
弾性係止片35は、全体として前後方向に細長く、本体部31の前端から前方へ片持ち状に延出した形態である。つまり、弾性係止片35とシール部33は、本体部31からの突出方向が前後逆向きとなっている。弾性係止片35の下面は、本体部31の下面に対して面一状に連なっており、弾性係止片35の左右両側面は、本体部31の左右両側面に対して面一状に連なっている。つまり、弾性係止片35と本体部31は同じ幅寸法である。弾性係止片35の厚さ寸法(上下寸法)は、その前後方向における全領域に亘り本体部31の厚さ寸法よりも小さい。したがって、弾性係止片35の上面は、その全領域に亘り、その本体部31の上面よりも低い位置となっている。また、弾性係止片35の上面は前方に向かって下り勾配となるように傾斜している。
【0026】
弾性係止片35には、その上面を局部的に切欠した形態の切欠部36が形成されている。切欠部36は、幅方向において弾性係止片35の中央部に形成され、前後方向に延びる溝状をなす。前後方向における切欠部36の形成領域は、弾性係止片35の後端(本体部31の前端)よりも少し前方位置から、弾性係止片35の前端に亘っている。したがって、切欠部36は弾性係止片35の上面と前端面とに開放されている。
【0027】
また、切欠部36は、その略後半領域を弾性係止片35の下面に連通させる開口部37を有している。つまり、切欠部36は、弾性係止片35を上下方向(弾性係止片35の弾性撓み方向と概ね平行な方向)に貫通する形態となっている。弾性係止片35の下面部のうち開口部37よりも前方の領域は、切欠部36に臨む底壁部38となっている。また、弾性係止片35のうち切欠部36を左右両側から挟む領域は、左右一対の側壁部39となっている。
【0028】
弾性係止片35の前端部(延出端部)には、その下面から下方へ突出した形態の突起部40が形成されている。前後方向における突起部40の形成領域は、開口部37の前端より少し前方の位置から、弾性係止片35の前端に亘る範囲となっている。また、左右方向における突起部40の形成範囲は、弾性係止片35の左側半分の領域となっている。
【0029】
次に、本実施形態1の作用を説明する。ダミー栓30を上側の端子収容室11に取り付ける際には、誤挿入規制部32が本体部31の上方へ突出する向きにして操作部34を摘み、図2,3に示すように、ダミー栓30をコネクタAの後方から貫通孔24とシール孔19に順に挿入する。そして、図4に示すように、本体部31と誤挿入規制部32がシール孔19に挿入されると、一括ゴム栓18はシール孔19を拡開させるように弾性変形し、この一括ゴム栓18の弾性復元力によりダミー栓30の上下及び左右方向への姿勢の傾きが抑えられる。このとき、弾性係止片35の前端の突起部40が支持壁部12に摺接するので、弾性係止片35は、その後端部を支点として上方へ弾性撓みさせられる。この後、ダミー栓30の挿入が進むと、本体部31が端子収容室11内に収容されるとともに、誤挿入規制部32が逃がし溝16内に収容されるので、ダミー栓30の上下方向及び左右方向への姿勢の傾きが規制される。この間、弾性係止片35は弾性撓みしたままである。
【0030】
そして、ダミー栓30が正規の挿入位置(取付け位置)に到達すると、図5に示すように、弾性係止片35の前端が端子収容室11の前面壁に突き当たり、ダミー栓30は前止まりされる。また、弾性係止片35が下方へ弾性復帰して突起部40が抜止部13内に進入し、突起部40の後端が抜止部13の後端(支持壁部12)に対して前方から係止する。この係止により、ダミー栓30が抜止め状態に保持される。
【0031】
ダミー栓30を下側の端子収容室11に取り付ける際には、誤挿入規制部32が本体部31の下方へ突出する向きにして操作部34を摘み、ダミー栓30をコネクタAの後方から貫通孔24とシール孔19に順に挿入する。この後は、上側の端子収容室11とは上下逆向きという点を除き、上側の端子収容室11に挿入するときと同様にダミー栓30の挿入が行われる。
【0032】
ダミー栓30をコネクタAに正しく取り付けた状態では、本体部31が、端子収容室11における取付溝15よりも後方の領域内に上下及び左右方向へ大きくがたつくことなく収容される。誤挿入規制部32は、逃がし溝16内に収容される。シール部33が、シール孔19を液密状に貫通するので、シール孔19において防水が図られる。操作部34は貫通孔24を貫通し、操作部34の後端部がホルダ20の後方へ突出する。弾性係止片35は、端子収容室11のうち取付溝15の後端よりも前方の領域内に収容される。弾性係止片35は本体部31よりも厚さが薄いので、リテーナ17と干渉することはない。
【0033】
また、図10に示すように、上側の端子収容室11に挿入したダミー栓30の突起部40と、下側の端子収容室11に挿入したダミー栓30の突起部40とは、支持壁部12と同じ高さに位置するのであるが、互いに干渉することなく左右に並ぶように配置される。したがって、上側の突起部と下側の突起部が上下に並ぶ形態に比べると、本実施形態1では、上側のダミー栓30(端子収容室11)と下側のダミー栓30(端子収容室11)の高低差が小さくなり、コネクタA全体の低背化が実現されている。
【0034】
尚、ダミー栓30を上下逆向きの姿勢又は、正規の姿勢に対して90°傾けた姿勢で挿入した場合には、挿入の途中で誤挿入規制部32の前端が端子収容室11の後端の開口縁に突き当たるので、それ以上の挿入動作が阻止される。これにより、ダミー栓30の挿入姿勢が不正であることが判る。
【0035】
ダミー栓が、本実施形態1とは異なり、弾性係止片が本体部の外面に沿って延出する形態である場合には、端子収容室11内における弾性係止片の撓み代は、端子収容室の内寸法から本体部の厚さと弾性係止片の厚さとを差し引いた寸法分に限定される。これに対し、本実施形態1のダミー栓30は、弾性係止片35が、本体部31の前端から片持ち状に延出した形態であるから、端子収容室11内における弾性係止片35の撓み代は、端子収容室11の内寸法から弾性係止片35の厚さを差し引いた寸法分だけ確保することができる。したがって、弾性係止片が本体部の外面に沿って延出する形態である場合に比べると、本実施形態1のダミー栓30は、弾性係止片35の撓み代を大きく確保することが可能である。これにより、弾性係止片35と抜止部13との係止代を十分に確保して、抜止め機能の信頼性向上を図ることができる。
【0036】
また、ハウジング10の抜止部13は、端子収容室11の内壁部のうち弾性係止片35よりも撓み剛性の高い支持壁部12の一部を段差状に切欠した形態となっている。そして、弾性係止片35には、抜止部13に係止される突起部40が形成されている。この構成により、ダミー栓30を取り付ける過程では、弾性係止片35が突起部40と支持壁部12との干渉によって弾性撓みし、ダミー栓30が正規の取付け位置に到達すると、弾性係止片35が弾性復帰し、突起部40が抜止部13内に進入して支持壁部12に係止する。本実施形態1では、弾性係止片35は、弾性係止片35よりも撓み剛性の高い支持壁部12に係止するので、抜止め機能の信頼性に優れている。
【0037】
また、弾性係止片35は、局部的に切欠した形態の切欠部36が形成されているので、前後方向と交差する方向の断面積が小さくなっており、弾性係止片35が撓み易くなっている。これにより、ダミー栓30を取り付ける際に、突起部40と支持壁部12との摺動の起因する摩擦抵抗が低減されるので、作業性が良い。
【0038】
<実施形態2>
次に、本発明を具体化した実施形態2を図11〜図16を参照して説明する。本実施形態2は、コネクタBの一部とダミー栓50を上記実施形態1とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記実施形態1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
【0039】
本実施形態2のコネクタBは、上記実施形態1に形成されていた抜止部13がハウジング10に形成されていないという点を除いて、実施形態1のコネクタAと同じ形態である。また、リテーナ17と、一括ゴム栓18と、ホルダ20と、端子金具25は、いずれも、実施形態1と同じものである。
【0040】
次に、本実施形態2のダミー栓50を説明する。ダミー栓50は、合成樹脂製であり、図11〜13,15,16に示すように、全体として前後方向に細長い形態である。図14〜16に示すように、ダミー栓50は、本体部51と、誤挿入規制部52と、シール部53と、操作部54と、弾性係止片55とを一体に形成して構成されている。
【0041】
本体部51は、軸線を前後方向に向けた略角柱形をなす。誤挿入規制部52は、前後方向に細長く、前後方向と直角な断面形状が概ね二等辺三角形状(山形)をなし、本体部51の上面(外面)から全長に亘って突出した形態である。シール部53は、軸線を前後方向に向けた円柱形をなし、本体部51の後端から後方へ同軸状に延出している。操作部54は、軸線を前後方向に向けた円柱形をなし、シール部53の後端から後方へ同軸状に延出している。操作部54の外径とシール部53の外径と同寸法なので、シール部53と操作部54は、一見すると単一の円柱状をなす。
【0042】
弾性係止片55は、全体として前後方向に細長く、本体部51の前端から前方へ片持ち状に延出した形態である。つまり、弾性係止片55とシール部53は、本体部51からの突出方向が前後逆向きとなっている。弾性係止片55の上面は前方に向かって上り勾配となるように傾斜している。弾性係止片55の下面は、前方に向かって上り勾配となるように傾斜し、その後端部が本体部51の下面に対して面一状(滑らか)に連なっている。弾性係止片55の左右両側面は、本体部51の左右両側面に対して面一状に連なっており、弾性係止片55と本体部51は同じ幅寸法である。弾性係止片55の厚さ寸法(上下寸法)は、その前後方向における全領域に亘り本体部51の厚さ寸法よりも小さい。したがって、弾性係止片55の上面は、その全領域に亘り、その本体部51の上面よりも低い位置となっている。
【0043】
弾性係止片55には、その下面を局部的に切欠した形態の切欠部56が形成されている。切欠部56は、幅方向において弾性係止片55の中央部に形成され、前後方向に延びる溝状をなす。前後方向における切欠部56の形成領域は、弾性係止片55の後端(本体部51の前端)よりも少し前方位置から、弾性係止片55の前端に亘っている。したがって、切欠部56は弾性係止片55の下面と前端面とに開放されている。
【0044】
また、切欠部56は、その略後半領域を弾性係止片55の上面に連通させる開口部57を有している。つまり、切欠部56は、弾性係止片55を上下方向(弾性係止片55の弾性撓み方向と概ね平行な方向)に貫通する形態となっている。弾性係止片55のうち切欠部56を左右両側から挟む領域は、左右一対の側壁部58となっている。弾性係止片55の前端部(延出端部)には、その上面から上方へ突出した形態の突起部59が形成されている。前後方向における突起部59の形成領域は、開口部57の前端から弾性係止片55の前端に亘る範囲となっている。また、左右方向における突起部59の形成範囲は、弾性係止片55の全幅領域となっている。
【0045】
次に、本実施形態2の作用を説明する。ダミー栓50を上側の端子収容室に取り付ける際には、誤挿入規制部52が本体部51の上方へ突出する向きにして操作部54を摘み、ダミー栓50をコネクタBの後方から貫通孔24とシール孔19に順に挿入する。そして、本体部51と誤挿入規制部52がシール孔19に挿入されると、一括ゴム栓18はシール孔19を拡開させるように弾性変形し、この一括ゴム栓18の弾性復元力によりダミー栓50の上下及び左右方向への姿勢の傾きが抑えられる。このとき、弾性係止片55の前端の突起部59は逃がし溝16内に収容されるので、弾性係止片55は殆ど弾性撓みしない。
【0046】
そして、突起部59が取付溝15と対応する位置になると、図12に示すように、上壁部のうちのランス14よりも後方の領域に突起部59が干渉するので、弾性係止片55が、その後端部を支点として下方へ弾性撓みさせられる。この後、ダミー栓50の挿入が進むと、本体部51が端子収容室11内に収容されるとともに、誤挿入規制部52が逃がし溝16内に収容されるので、ダミー栓50の上下方向及び左右方向への姿勢の傾きが規制される。この間、図13に示すように、突起部59は上壁部に摺接するので、弾性係止片55は下方へ弾性撓みしたままである。この後、突起部59がランス14の前端部(延出端部)に当接する状態になると、ランス14が上方へ逃げるように弾性撓みするとともに、弾性係止片55が上方へ僅かに弾性復帰する。
【0047】
そして、ダミー栓50が正規の挿入位置(取付け位置)に到達すると、図11に示すように、弾性係止片55の前端が端子収容室11の前面壁に突き当たり、ダミー栓50は前止まりされる。また、弾性係止片55が上方へ弾性復帰して突起部59がランス14の前端部に対し前方から係止する。この係止により、ダミー栓50が抜止め状態に保持される。
【0048】
ダミー栓50を下側の端子収容室11に取り付ける際には、誤挿入規制部52が本体部51の下方へ突出する向きにして操作部54を摘み、ダミー栓50をコネクタBの後方から貫通孔24とシール孔19に順に挿入する。この後は、上側の端子収容室11とは上下逆向きという点を除き、上側の端子収容室11に挿入するときと同様にダミー栓50の挿入が行われる。
【0049】
ダミー栓50をコネクタに正しく取り付けた状態では、本体部51が、端子収容室11における取付溝15よりも後方の領域内に上下及び左右方向へ大きくがたつくことなく収容される。誤挿入規制部52は、逃がし溝16内に収容される。シール部53が、シール孔19を液密状に貫通するので、シール孔19において防水が図られる。操作部54は貫通孔24を貫通し、操作部54の後端部がホルダ20の後方へ突出する。弾性係止片55は、端子収容室11のうち取付溝15の後端よりも前方の領域内に収容される。弾性係止片55は本体部51よりも厚さが薄いので、リテーナ17と干渉することはない。
【0050】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態1,2では、切欠部を前後方向に長い溝状としたが、切欠部は、溝状に限らない。
(2)上記実施形態1,2では、切欠部が弾性係止片を撓み方向に貫通する形態となっているが、切欠部は、撓み方向と交差する方向に貫通する形態であってもよい。
(3)上記実施形態1,2では、切欠部が弾性係止片を貫通する形態としたが、切欠部は、弾性係止片を貫通する形態とせずに、袋小路状に凹ませた形態としてもよい。
(4)上記実施形態1,2では、弾性係止片に形成する切欠部の数を1つだけとしたが、複数の切欠部を形成してもよい。
(5)上記実施形態1,2では、弾性係止片に局部的に切欠した形態の切欠部を形成したが、弾性係止片は切欠部を形成しない形態としてもよい。
【符号の説明】
【0051】
A…コネクタ
10…ハウジング
11…端子収容室
12…支持壁部
13…抜止部
18…一括ゴム栓
19…シール孔
20…ホルダ
24…貫通孔
30…ダミー栓
31…本体部
33…シール部
34…操作部
35…弾性係止片
36…切欠部
40…突起部
B…コネクタ
50…ダミー栓
51…本体部
53…シール部
54…操作部
55…弾性係止片
56…切欠部
59…突起部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端子収容室が形成されたハウジングと、
前記端子収容室と対応する複数のシール孔を有していて前記ハウジングの後端部に取り付けられる一括ゴム栓と、
前記シール孔と対応する複数の貫通孔を有していて前記一括ゴム栓の後方に配置されるホルダとを備えたコネクタに取り付けられるダミー栓であって、
前記端子収容室内に収容される本体部と、
前記本体部から後方へ延出した形態であって、前記シール孔に液密状に嵌入されるシール部と、
前記シール部から後方へ延出した形態であって、前記貫通孔を貫通して前記ホルダの後方へ突出される操作部と、
前記本体部の前端から前方へ片持ち状に延出した形態であって、前記端子収容室内において弾性撓み可能であり、前記端子収容室に臨む抜止部に対して抜止め状態に係止される弾性係止片とを備えて構成されていることを特徴とするダミー栓。
【請求項2】
前記抜止部が、前記端子収容室の内壁部のうち前記弾性係止片よりも撓み剛性の高い支持壁部の一部を段差状に切欠した形態となっているコネクタに取り付けられるダミー栓であって、
前記弾性係止片には、前記抜止部に係止される突起部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のダミー栓。
【請求項3】
前記弾性係止片には、局部的に切欠した形態の切欠部が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のダミー栓。
【請求項1】
複数の端子収容室が形成されたハウジングと、
前記端子収容室と対応する複数のシール孔を有していて前記ハウジングの後端部に取り付けられる一括ゴム栓と、
前記シール孔と対応する複数の貫通孔を有していて前記一括ゴム栓の後方に配置されるホルダとを備えたコネクタに取り付けられるダミー栓であって、
前記端子収容室内に収容される本体部と、
前記本体部から後方へ延出した形態であって、前記シール孔に液密状に嵌入されるシール部と、
前記シール部から後方へ延出した形態であって、前記貫通孔を貫通して前記ホルダの後方へ突出される操作部と、
前記本体部の前端から前方へ片持ち状に延出した形態であって、前記端子収容室内において弾性撓み可能であり、前記端子収容室に臨む抜止部に対して抜止め状態に係止される弾性係止片とを備えて構成されていることを特徴とするダミー栓。
【請求項2】
前記抜止部が、前記端子収容室の内壁部のうち前記弾性係止片よりも撓み剛性の高い支持壁部の一部を段差状に切欠した形態となっているコネクタに取り付けられるダミー栓であって、
前記弾性係止片には、前記抜止部に係止される突起部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のダミー栓。
【請求項3】
前記弾性係止片には、局部的に切欠した形態の切欠部が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のダミー栓。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−199105(P2012−199105A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−63145(P2011−63145)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】
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