説明

チアゾロピリミジン類及びホスファチジルイノシトール−3キナーゼのインヒビターとしてのそれらの使用

式(I):{式中、Wは、チアゾール環を表し;R及びRは、それらが結合しているN原子と一緒になって、以下の式(IIa)[式中、Aは、環系である]で示される基を形成し;mは、0、1又は2であり;Rは、H又はC−Cアルキルであり;そして、Rは、非置換であるか又は置換されているインドール基である}で示されるチアゾロピリミジン及び薬学的に許容されるその塩は、PI3Kのインヒビターであり、他のクラスIa及びクラスIbキナーゼのいずれよりも、クラスIa PDキナーゼであるp110δアイソフォームに選択的である。本化合物は、PI3キナーゼに関連する異常細胞の増殖、機能又は挙動に起因する疾患及び障害、例えば癌、免疫不全、心血管疾患、ウイルス感染、炎症、代謝/内分泌機能障害及び神経障害の処置に使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インドリルチアゾロピリミジン化合物及びホスファチジルイノシトール3−キナーゼ(PI3K)のインヒビターとしてのそれらの使用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ホスファチジルイノシトール(以後「PI」と略記する)は、細胞膜に見出される幾つかのリン脂質の1つである。近年、PIが細胞内シグナル伝達で重要な役割を果たしていることが明らかとなった。1980年代後半、PI3キナーゼ(PI3K)が、ホスファチジルイノシトールのイノシトール環の3位をリン酸化する酵素であることが見出された(D. Whitman et al. 1988, Nature, 332, 664)。
【0003】
PI3Kは当初、単一の酵素であると考えられていたが、現在では、PI3Kには多くのサブタイプが存在することが明らかとなっている。各サブタイプは自身の調節活性メカニズムを持っている。インビトロ基質特異性に基づき、3つの主要なPI3Kのクラスが特定されている(B. Vanhaesebroeck, 1997, Trend in Biol. Sci, 22, 267)。クラスIのPI3Kの基質は、PI、PI 4−ホスファート(PI4P)及びPI 4,5−ビホスファート(PI(4,5)P2)である。クラスIのPI3Kはさらに活性化メカニズムの観点から、2つの群、クラスIa及びクラスIbに分けられる。クラスIaのPI3Kは、チロシンキナーゼ共役レセプターからのシグナルを伝達するPI3K p110α、P110β及びp110δサブタイプを包含する。クラスIbのPI3Kは、G蛋白共役レセプターにより活性化されるp110γサブタイプを包含する。PI及びPI(4)Pは、クラスIIのPI3Kの基質として知られている。クラスIIのPI3Kには、PI3K C2α、C2β及びC2γサブタイプが含まれ、これらはC末端にC2ドメインを含むことを特徴とする。クラスIIIのPI3Kの基質はPIのみである。
【0004】
PI3Kサブタイプにおいては、クラスIaサブタイプが現在までに最も幅広く研究されている。クラスIaの3つのサブタイプは、110kDaの触媒サブユニット及び85kDa又は55kDaの調節サブユニットのヘテロダイマーである。この調節サブユニットはSH2ドメインを含み、チロシンキナーゼ活性を有する成長因子レセプターによりリン酸化されたチロシン残基又はオンコジーン生成物に結合し、それにより、その脂質基質をリン酸化するp110触媒サブユニットのPI3K活性を誘導する。したがってクラスIaサブタイプは、細胞増殖及び発癌、免疫不全及び炎症を含む状態に関連すると考えられる。
【0005】
WO01/083456は、PI3Kのインヒビターとしての活性を持ち、及び癌細胞の増殖を抑制する、一連の縮合へテロアリール誘導体について記載している。
【発明の概要】
【0006】
ここに、一連の新規なチアゾロピリミジン化合物がPI3Kのインヒビターとしての活性を有することが見出された。この化合物は、他のクラスIa及びIb PI3Kのいずれをも上回る、PI3キナーゼのp110δサブタイプに対する選択性を示す。したがって本発明は、式(I):
【0007】
【化1】


{式中、
Wは、チアゾール環を表し;
及びRは、それらが結合しているN原子と一緒になって、以下の式(IIa):
【0008】
【化2】


[式中、Aは、
(a)N、S及びOから選択される0又は1個のさらなるヘテロ原子を含む四〜七員飽和N含有複素環(この環は、非置換であるか又は置換されている);
(b)N、S及びOから選択される0又は1個のさらなるヘテロ原子を含む四〜七員飽和N含有複素環(この環は、上記と同義の四〜七員飽和N含有複素環、五〜十二員不飽和複素環、五〜七員飽和O含有複素環、三〜十二員飽和炭素環及び五〜十二員不飽和炭素環から選択される第二の環に縮合して多環式複素環系を形成し、該多環式複素環系は非置換であるか又は置換されている);
(c)N、S及びOから選択される0又は1個のさらなるヘテロ原子を含み、そしてさらに、2個の環構成原子を連結する、−(CR’−及び(CR’−O−(CR’−(ここで、、各R’は、独立してH又はC−Cアルキルであり、nは、1、2又は3であり、rは、0又は1であり、そしてsは、0又は1である)から選択される橋頭基を含み、残りの環位置は非置換であるか又は置換されている、四〜七員飽和N含有複素環;及び、
(d)式(IIb):
【0009】
【化3】


[式中、環Bは、N、S及びOから選択される0又は1個のさらなるヘテロ原子を含む四〜七員飽和N含有複素環であり、そして環B’は、三〜十二員飽和炭素環、五〜七員飽和O含有複素環、又は上記と同義の四〜七員飽和N含有複素環である(B及びB’の各々は、非置換であるか又は置換されている)]で示される基;
から選択される]
で示される基を形成するか、あるいは
及びRのうち一方は、C−Cアルキルであり、そしてR及びRのうち他方は、非置換であるか又は置換されている三〜十二員飽和炭素環基、非置換であるか又は置換されている五〜十二員不飽和炭素環基、非置換であるか又は置換されている五〜十二員不飽和複素環基、非置換であるか又は置換されている四〜十二員飽和複素環基、及びC−Cアルキル基(これは、非置換であるか又は置換されている三〜十二員飽和炭素環基、非置換であるか又は置換されている五〜十二員不飽和炭素環基、非置換であるか又は置換されている五〜十二員不飽和複素環基、及び非置換であるか又は置換されている四〜十二員飽和複素環基から選択される基で置換されている)から選択され;
mは、0、1又は2であり;
は、H又はC−Cアルキルであり;そして、
は、非置換であるか又は置換されているインドール基である}
で示されるチアゾロピリミジンである化合物又は薬学的に許容されるその塩を提供する。
【0010】
発明の詳細な説明
本明細書で使用される「縮合した」という用語は、二つの環が2個の隣接する環原子間の共通の結合により互いにつながれていることを指す。「スピロ縮合した」という語は、二つの環が1個の共通の炭素原子を介して連結していることを示す。「橋頭」という語は、2個の非隣接環原子を連結している、1原子以上の長さの連結基を意味する。これら3つの場合のそれぞれにおいて、多環(典型的には二環)構造という結果となる。
【0011】
本明細書に定義される任意の基、環、置換基又は部分が置換されている場合、それは典型的には下記の定義によるZ又はRで置換されている。
【0012】
−Cアルキル基は、直線状又は分岐している。C−Cアルキル基は、典型的にはC−Cアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル又はtert−ブチル基である。C−Cアルキル基は、非置換であるか、又は、典型的には下記の定義による1個以上の基Z又はRで置換されている。典型的にはそれは、C−Cアルキル、例えばメチル、エチル、i−プロピル、n−プロピル、t−ブチル、s−ブチル又はn−ブチルである。
【0013】
Zは、H、非置換C−Cアルキル、ハロ、−OR、−SR、−(C(RR、−CHOR、−CF、−(ハロ)−C−Cアルキル、−(C(RO−(ハロ)−C−Cアルキル、−COR、−(C(RCOR、−(C(RCOR、CFOH、CH(CF)OH、C(CFOH、−(CHOR、−(C(ROR、−(CHNR、−(C(RNR、−C(O)N(R)、−(C(RCONR、−NR、−(C(RNR、−(C(RNRC(O)R、−(C(RNRC(O)OR、−S(O)R、−S(O)N(R)、−(C(RS(O)N(R)、−OC(O)R、−(C(ROC(O)R、−OC(O)N(R)、−(C(ROC(O)N(R)、−NRS(O)R、−(C(RNRS(O)R、−NRC(O)N(R)、−(C(RNRC(O)N(R)、CN、−NO、=O、非置換であるか又は置換されている三〜十二員飽和炭素環、非置換であるか又は置換されている五〜十二員不飽和炭素環、非置換であるか又は置換されている五〜十二員不飽和複素環基、及び非置換であるか又は置換されている四〜十二員飽和複素環基から選択され、ここで、各Rは、H、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル及び五〜十二員アリール又はヘテロアリール基(この基は、非置換であるか又は置換されている)から独立して選択されるか、又は、2個の基RがN原子と結合している時、これらはそのN原子と一緒になって四〜七員飽和N含有複素環を形成し;pは、1又は2であり、そしてqは、0、1又は2である。
【0014】
は、C−Cアルコキシ、OR、SR、S(O)、ニトロ、CN、ハロゲン、−C(O)R、−CO、−C(O)N(R及びN(Rから選択される。これらの各々のRは、所与の置換基中に1個より多く存在する場合、同じであっても異なっていてもよく、H、C−Cアルキル及びC−C10シクロアルキルから選ばれ、そしてpは、1又は2である。
【0015】
ハロゲン又はハロ基は、F、Cl、Br又はIである。好ましくはそれは、F、Cl又はBrである。ハロゲンで置換されているC−Cアルキル基は、「ハロ−C−Cアルキル」という用語で示され、これは、1つ以上の水素がハロに置き換わっているアルキル基を意味する。ハロ−C−Cアルキル基は、好ましくは1、2又は3個のハロ基を含む。このような基の好ましい例はトリフルオロメチルである。
【0016】
−Cアルコキシ基は直線状又は分岐している。それは典型的には、C−Cアルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、i−プロポキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ又はtert−ブトキシ基である。C−Cアルコキシ基は、非置換であるか、又は典型的には上記と同義の1個以上の基Z又はRで置換されている。
【0017】
−C10シクロアルキル基は、例えばC−Cシクロアルキル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はシクロヘプチルであってよい。典型的にはそれは、C−Cシクロアルキルである。C−C10シクロアルキル基は非置換であるか、又は典型的には上記と同義の1個以上の基Z又はRで置換されている。
【0018】
四〜七員飽和N含有複素環は、典型的には1個の窒素原子及びさらなるN原子又はO若しくはS原子のいずれかを含むか、又はさらなるヘテロ原子を含まない。それは、例えばアゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン又はホモピペラジンであってよい。
【0019】
上記と同義の四〜七員飽和N含有複素環は、非置換であるか、又は1個以上の環炭素原子上で、及び/又は環に存在するさらなるN原子上で置換されている。好適な置換基の例には、上記と同義の1個以上の基Z又はR、及び、非置換であるか又は上記と同義の基ZもしくはRで置換されているC−Cアルキル基が挙げられる。
【0020】
上に定義のように置換されている四〜七員飽和N含有複素環の具体例は、以下の構造を包含する:
【0021】
【化4】

【0022】
五〜七員飽和O含有複素環は、少なくとも1個のO原子、ならびにO、N及びSから選択される0、1又は2個、典型的には0又は1個のさらなるヘテロ原子を含む。それは例えばテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、オキセタン又はモルホリンである。
【0023】
三〜十二員飽和炭素環は、飽和結合のみを含む、三、四、五、六、七、八、九、十、十一又は十二員炭素環である。それは、単環式又は縮合二環式環系である。それは例えば、三〜七員飽和炭素環である。例には、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン及びシクロヘプタン、ならびに2個のこのような環が一緒に縮合している二環式環系が挙げられる。三〜十二員飽和炭素環基の具体例は、以下の構造を包含する:
【0024】
【化5】

【0025】
五〜十二員不飽和炭素環基は、少なくとも1個の不飽和結合を含む、五、六、七、八、九、十、十一又は十二員炭素環である。それは、単環式又は縮合二環式環系である。この基は非芳香族又は芳香族、例えばアリールである。したがって一つの実施態様では、五〜十二員不飽和炭素環基は、五〜十二員アリール基である。五〜十二員不飽和炭素環基の例には、ベンゼン、ナフタレン、インダン、インデン及びテトラヒドロナフタレン環、すなわちフェニル、ナフチル、インダニル、インデニル及びテトラヒドロナフチル基が挙げられる。この基は、非置換であるか、又は典型的には上記と同義の1個以上の基Z又はRで置換されている。五〜十二員不飽和炭素環基の具体例は、以下の構造を包含する:
【0026】
【化6】

【0027】
アリール基は、五〜十二員芳香族炭素環基である。それは単環式又は二環式である。例にはフェニル及びナフチル基が挙げられる。この基は、非置換であるか、又は例えば上記と同義の基Z又はRで置換されている。アリール基の具体例は、以下の構造を包含する:
【0028】
【化7】

【0029】
五〜十二員不飽和複素環基は、少なくとも1個の不飽和結合ならびにO、N及びSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む、五、六、七、八、九、十、十一又は十二員複素環である。それは、単環式又は縮合二環式環系である。この基は、非芳香族又は芳香族、例えばヘテロアリールである。したがって一つの実施態様では、五〜十二員不飽和複素環基は、五〜十二員ヘテロアリール基である。五〜十二員不飽和複素環基は、例えば、フラン、チオフェン、ピロール、ピロロピラジン、ピロロピリミジン、ピロロピリジン、ピロロピリダジン、インドール、イソインドール、ピラゾール、ピラゾロピラジン、ピラゾロピリミジン、ピラゾロピリジン、ピラゾロピリダジン、イミダゾール、イミダゾピラジン、イミダゾピリミジン、イミダゾピリジン、イミダゾピリダジン、ベンズイミダゾール、ベンゾジオキソール、ベンゾジオキシン、ベンズオキサゾール、ベンゾチオフェン、ベンゾチアゾール、ベンゾフラン、インドリジニル、イソオキサゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、イソチアゾール、チアジアゾール、ジヒドロイミダゾール、ジヒドロベンゾフラン、ジヒドロジオキシノピリジン、ジヒドロピロロピリジン、ジヒドロフラノピリジン、ジオキソロピリジン、ピリジン、キノリン、イソキノリン、プリン、キノキサリン、テトラヒドロベンゾフラン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン、5,6,7,8−テトラヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン、5,6,7,8−テトラヒドロ−イミダゾ[1,2−a]ピラジン、チエノピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、トリアジン、トリアゾール又はテトラゾールであってよい。この基は、非置換であるか又は典型的には上記と同義の1個以上の基Z又はRで置換されている。五〜十二員不飽和複素環基の具体例は、以下の構造を包含する:
【0030】
【化8】

【0031】
ヘテロアリールは、O、N及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含む五〜十二員芳香族複素環基である。それは、単環式又は二環式である。典型的にはそれは、1個のN原子、ならびにO、S及びNから選択される0、1、2又は3個のさらなるヘテロ原子を含む。それは例えば、五〜七員ヘテロアリール基である。典型的にはそれは、五〜十二員不飽和複素環基のための上記選択肢リストに含まれるヘテロアリール基から選択される。
【0032】
四〜十二員飽和複素環基は、O、N及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含む、四、五、六、七、八、九、十、十一又は十二員複素環である。それは、単環式又は縮合二環式環系である。このような複素環の例には、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、チオキサニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ホモピペリジニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、ジチアニル、ジチオラニル、イミダゾリジニル、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、及びアザビシクロ[2.2.2]ヘキサニルがあるが、これらに限定されない。この定義の範囲にはスピロ部分もまた包含される。一つの実施態様では、この四〜十二員飽和複素環基は、非置換であるか又は置換されている、上記と同義の四〜七員飽和N含有複素環である。この四〜十二員飽和複素環基は、非置換であるか又は、典型的には上記と同義の1個以上の基Z又はRで置換されている。四〜十二員飽和複素環基(ここで、ヘテロ原子は、Oである)のさらなる具体例は、以下の構造を包含する:
【0033】
【化9】

【0034】
上の定義のように第二の環に縮合して多環式複素環系を形成している四〜七員飽和N含有複素環の例は、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン及びホモピペラジンから選択される基が挙げられ、前述の基は上の定義のように第二の環に縮合している。第二の環は典型的には、上記と同義の四〜七員飽和N含有複素環又は五〜十二員不飽和複素環基である。より典型的には、第二の環は、五、六又は七員飽和N含有複素環又は五〜七員不飽和複素環である。第二の環の典型例には、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、ホモピペラジン、ピロール、イミダゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、テトラヒドロフラン及びテトラヒドロピランがある。得られる多環式複素環系の例には、オクタヒドロ−ピロロ[1,2−a]ピラジン及びオクタヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロールがある。この多環式複素環系の具体例は、以下の構造を包含する:
【0035】
【化10】

【0036】
上記と同義の橋頭基−(CR’−又は(CR’−O−(CR’−を含む上記と同義の四〜七員飽和N含有複素環基の例には、3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン、2,5−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン、2−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、3,6−ジアザ−ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、6−アザ−ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、3,9−ジアザ−ビシクロ[4.2.1]ノナン及び3−オキサ−7,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナンが挙げられる。
【0037】
この群の具体例は、以下の構造を包含する:
【0038】
【化11】

【0039】
上記と同義の式(IIb)で示される基の例は、利用可能な任意の環炭素原子において三〜十二員飽和炭素環、典型的には三〜六員飽和炭素環又は四〜七員飽和N含有複素環基にスピロ縮合している、上記定義による四〜七員飽和N含有複素環基から誘導される基が挙げられる。例には、環炭素原子においてシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン及びテトラヒドロピランから選択される基にスピロ縮合している、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン及びピペラジンから選択される基が挙げられる。
【0040】
式(IIb)で示される基は、例えば3,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン、2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン、2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン又は2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナンから誘導される基であってよい。式(IIb)で示される基の具体例は、以下の構造を包含する:
【0041】
【化12】

【0042】
は、非置換であるか又は置換されているインドリル基である。このインドリル基は、利用可能な任意の環位置でチアゾロピリミジン核に連結できる。それは例えば、インドール−4−イル、インドール−5−イル、インドール−6−イル又はインドール−7−イル基であってよい。典型的にはそれはインドール−4−イル又はインドール−6−イルであり、より典型的にはインドール−4−イル基である。
【0043】
置換されている場合、インドリルは、1個以上の利用可能な環位置で置換されていてよい。典型的にはそれはインドール基のベンゼン部分に置換基を有する。例えば、インドール−4−イル基は典型的には5、6又は7位で、より典型的には5又は6位で置換されている。インドール−5−イル基は、典型的には4、6又は7位で、より典型的には4又は6位で置換されている。インドール−6−イル基は典型的には4、5又は7位で、より典型的には4又は5位で置換されている。インドール−7−イル基は典型的には4、5又は6位で、より典型的には5又は6位で置換されている。
【0044】
インドリル基が置換されている場合、それは上記と同義の基Z又はRで置換されていてよい。典型的な実施態様では、インドリル基は、R、−OR、−SR、−S(O)R、CHOR、−C(O)R、−COR、CF、CFOH、CH(CF)OH、C(CFOH、−(CHOR、−(CHNR、−C(O)N(R)、−NR、−N(R)C(O)R、−S(O)N(R)、−OC(O)R、OC(O)N(R)、−N(R)S(O)R、−NRC(O)N(R)、CN、ハロ、−NO、ならびにO、N及びSから選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含む五員ヘテロアリール基から選択される基で置換されており、ここで、R、p及びqは、Zの定義における上記と同義である。別の典型的な実施態様では、インドリル基は、C−Cアルキル、CN、ハロ、−C(O)NR、ハロ(C−C)アルキル、例えばCF、NO、OR、SR、NR、C(O)R、SOR、SOR、SONR、NRC(O)R、COR及び上記と同義の五員ヘテロアリール基から選択される基で置換されている。別のより典型的な実施態様では、インドリル基は、CN、ハロ、−C(O)NR、ハロ(C−C)アルキル、例えばCF、−SOR、−SONR、ならびにO、N及びSから選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含む五員ヘテロアリール基から選択される基で置換されている。上の実施態様において、Rは、典型的にはH又はC−Cアルキルである。
【0045】
典型的には、インドリル基の置換基は電子吸引基である。この置換基が五員ヘテロアリール基である場合、それは例えば、フラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、イソチアゾール、又はチアジアゾールであってよい。
【0046】
一つの実施態様では、置換されたインドリル基は、5又は6位、特に6位において、CN、ハロ、−C(O)NH、−CF、−SOMe、−SONMe又は上記と同義の五員ヘテロアリール基で置換されているインドール−4−イル基である。典型的にはこのインドール−4−イル基は、5又は6位において、ハロ、特にFで置換されている。より典型的には、このインドール−4−イル基は、6位において、ハロ、特にFで置換されている。
【0047】
式(I)中のパラメータmは、0、1又は2である。典型的には、mは、1又は2である。より典型的には、mは、1である。
【0048】
式(I)において、R及びRの定義における四〜十二員飽和複素環基は、N、S及びOから選択される0又は1個のさらなるヘテロ原子を含む四〜七員飽和N含有複素環であってよい。R及びRの定義における五〜十二員不飽和複素環基は、五〜十二員ヘテロアリール基であってよい。R及びRの定義における五〜十二員不飽和炭素環基は、五〜十二員アリール基であってよい。
【0049】
一つの態様では、本発明は、式(I):
【0050】
【化13】


{式中、
Wは、チアゾール環を表し;
及びRは、それらが結合しているN原子と一緒になって、以下の式(IIa):
【0051】
【化14】


[式中、Aは、
(a)N、S及びOから選択される0又は1個のさらなるヘテロ原子を含む四〜七員飽和N含有複素環(この環は、非置換であるか又は置換されている);
(b)N、S及びOから選択される0又は1個のさらなるヘテロ原子を含む四〜七員飽和N含有複素環(この環は、上記と同義の四〜七員飽和N含有複素環、五〜十二員不飽和複素環、五〜七員飽和O含有複素環、三〜十二員飽和炭素環及び五〜十二員不飽和炭素環から選択される第二の環に縮合して多環式複素環系を形成し、該多環式複素環系は非置換であるか又は置換されている);
(c)N、S及びOから選択される0又は1個のさらなるヘテロ原子を含み、そしてさらに、2個の環構成原子を連結する、−(CR’−及び(CR’−O−(CR’−(ここで、各R’は、独立してH又はC−Cアルキルであり、nは、1、2又は3であり、rは、0又は1であり、そしてsは、0又は1である)から選択される橋頭基を含み、残りの環位置は非置換であるか又は置換されている、四〜七員飽和N含有複素環;及び、
(d)式(IIb):
【0052】
【化15】


[式中、環Bは、N、S及びOから選択される0又は1個のさらなるヘテロ原子を含む四〜七員飽和N含有複素環であり、そして環B’は、三〜十二員飽和炭素環、五〜七員飽和O含有複素環、又は上記と同義の四〜七員飽和N含有複素環である(B及びB’の各々は、非置換であるか又は置換されている)]で示される基;
から選択される]
で示される基を形成するか、あるいは
及びRのうち一方は、C−Cアルキルであり、そして他方は、上記と同義の四〜七員飽和N含有複素環、又はC−Cアルキル基(これは、上記と同義の四〜七員飽和N含有複素環基で置換されている)から選択され;
mは、0、1又は2であり;
は、H又はC−Cアルキルであり;そして、
は、非置換であるか又は置換されているインドール基である}
で示されるチアゾロピリミジンである化合物又は薬学的に許容されるその塩を提供する。
【0053】
式(I)中のチアゾール環Wは、利用可能な二つの位置化学上の配向のいずれかを採る。したがって一つの実施態様では、このチアゾロピリミジンは、以下の式(Ia):
【0054】
【化16】


[式中、R、R、R、R及びmは、式(I)について上記と同義である]
で示される化合物である。
【0055】
第二の実施態様では、このチアゾロピリミジンは、以下の式(Ib):
【0056】
【化17】


[式中、R、R、R、R及びmは、式(I)について上記と同義である]
で示される化合物である。
【0057】
本発明の化合物の具体例は、以下の表に列挙した化合物及び薬学的に許容されるその塩を包含する:
【0058】
【表1】











【0059】
式(I)で示されるチアゾロピリミジンを製造するための好適な合成方略は、式(III):
【0060】
【化18】


[式中、Wは、上記と同義である]で示される前駆体カルボキシアルデヒドを使用する。この合成は、この前駆体から出発し、還元的アミノ化及びパラジウム媒介(スズキ型)クロスカップリング反応をいずれかの順序で実施することを含む。
【0061】
したがって本発明の化合物は、式(III):
【0062】
【化19】


[式中、Wは、上記と同義である]で示される化合物を、適当な還元剤の存在下に、式:NHR1a2a[式中、R1a及びR2aは、R及びRについての上記と同義であるか、又は、R1a及びR2aは、R及びRについて上記と同義である(ここで、N原子は存在し、そしてアミン保護基により保護されている)]で示されるアミンで処理し;得られた、式(IV):
【0063】
【化20】


[式中、W、R1a及びR2aは、上記と同義である]で示される化合物を、Pd触媒の存在下に、式:RB(OR15[式中、Rは、上記と同義であり、そして各R15は、H又はC−Cアルキルであるか、又は、二つの基OR15は、それらが結合しているホウ素原子と一緒になってピナコラトボロナートエステル基を形成する]で示されるボロン酸又はそのエステルで処理し;そして、R1a及び/又はR2aが、アミン保護基を含む場合には、その保護基を除去すること、を含む方法によって製造できる。任意の適切なアミン保護基、例えばブトキシカルボニル(BOC)基を、R1a及び/又はR2aにおいて使用してもよい。
【0064】
式(I)の化合物はさらに、式(III):
【0065】
【化21】


[式中、Wは、上記と同義である]で示される化合物を、Pd触媒の存在下に、式:RB(OR15[式中、Rは、上記と同義であり、そして各R15は、H又はC−Cアルキルであるか、又は、二つの基OR15は、それらの結合しているホウ素原子と一緒になってピナコラトボロナートエステル基を形成する]で示されるボロン酸又はそのエステルで処理し;得られた式(V):
【0066】
【化22】


[式中、W及びRは、上記と同義である]で示される化合物を、適当な還元剤の存在下に、式:NHR1a2a[式中、R1a及びR2aは、上記と同義である]で示されるアミンで処理し;そして、R1a及び/又はR2aが、アミン保護基を含む場合にはその保護基を除去すること、を含む方法によって製造できる。この方法の実施態様では、例えば下記でさらに論じるように及び後のスキーム5に示すように、必要ならば、式(V)の化合物を式:NHR1a2aのアミンで処理する前に、インドール基RのN原子を保護することができる。その場合、インドール保護基は、それに続く工程で除去される。
【0067】
還元的アミノ化工程及びPd媒介クロスカップリング工程は、共に慣用条件下で起こる。パラジウム触媒は、スズキ型クロスカップリングで典型的に使用される任意のもの、例えばPdCl(PPhであってよい。アミノ化工程の還元剤は、典型的には水素化ホウ素、例えばNaBH(OAc)、NaBH又はNaCNBH、特にNaBH(OAc)である。
【0068】
上記と同義の式(III)の化合物は、式(VI):
【0069】
【化23】


[式中、Wは上記と同義である]で示される化合物を、適切な条件下で酸化することを含む方法によって製造できる。この酸化は、例えばジオキサン中のSeOを用いて実施できる。
【0070】
上記と同義の式(III)の化合物はさらに、式(VII):
【0071】
【化24】


[式中、Wは上記と同義である]で示される化合物を、脱プロトン化剤で、次いでジメチルホルムアミドで−78℃から室温へと上昇する温度において処理することを含む方法によって製造できる。好適な脱プロトン化剤は、リチウム化剤、例えば−78℃のTHF中のトリメチルエチレンジアミン存在下でのn−ブチルリチウムのようなアルキルリチウムである。
【0072】
上記と同義の式(VI)又は(VII)の化合物は、式(VIII):
【0073】
【化25】


[式中、Wは、上記と同義であり、そしてR”は、H又はCHである]
で示される化合物を、室温で、適切な溶媒、例えばメタノール中、塩素化剤及びこれに続くモルホリンで処理することを含む方法によって製造できる。好適な塩素化剤は、PhNMe中のPOClである。この反応は、約100℃で実施するのが適切である。
【0074】
式(VIII)の化合物は、既知の方法又は既知の方法と類似の方法によって製造できる。例えば、式(VIII)の中には、以下の式(VIIIa)及び(VIIIb):
【0075】
【化26】


で示される化合物が包含される。
【0076】
これらは各々、後のスキーム1及び2に示すように製造でき、そこではこれらは、合成中間体として記載されている。
【0077】
式(VIII)で示されるさらなる化合物は、以下の式(VIIIc):
【0078】
【化27】


を有する。
【0079】
この化合物は、文献、例えばM. Sekiya, Y. Osaki Chem. Pharm. Bull., 1965, 13, 1319-1325;S.J. Childress, R.L. McKee, J. Am. Chem. Soc., 1952, 73, 3862-3864;及び米国特許第2933498号に記載されているようにして製造できる。
【0080】
式(I)で示されるチアゾロピリミジンを製造する代替合成方略は、スズキカップリングによりチアゾロピリミジン核に基Rを結合させ、次いで、還元的アミノ化に付される−CHO部分を導入する前に、基RのインドールN原子を保護することが必要である。この方法は、式(IX):
【0081】
【化28】


[式中、Wは、上記と同義であり、そしてR4aは、上記と同義の基Rである(ここで、インドールN原子は、保護されている)]で示される化合物を、適切な条件下で酸化することを含む。インドールN原子は、任意の適切な保護基、例えばトルエンスルホニル基で保護されている。酸化は、例えばジオキサン中のSeOを用いて実施できる。この反応は、以下の式(X):
【0082】
【化29】


[式中、W及びR4aは、上記と同義である]で示される化合物を生成する。次いでこの式(X)の化合物を、上記と同義の化合物NHR1a2aで処理することによる還元的アミノ化に付す。保護基があれば、その後、除去する。この方略を後のスキーム5に示す。
【0083】
式(I)のチアゾロピリミジンは、常法により薬学的に許容される塩に変換でき、そして塩は遊離化合物に変換することができる。薬学的に許容される塩には、塩酸、臭化水素酸及び硫酸などの無機酸の塩、ならびに酢酸、シュウ酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、クエン酸及び酒石酸などの有機酸の塩がある。本発明の化合物が遊離カルボキシ置換基を有する場合、その塩は、上記の酸付加塩と、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びアンモニウムの塩の両者を包含する。後者は、式(I)の遊離チアゾロピリミジン又はその酸付加塩を、対応する金属塩基又はアンモニアで処理することにより製造する。
【0084】
本発明の化合物は、生物学的試験でPI3キナーゼのインヒビターであることが判明した。この化合物は、他のクラスIa PI3キナーゼよりも、クラスIa PI3キナーゼであるp110δアイソフォームに選択的である。したがってこれらは、p110αアイソフォーム及びp110βアイソフォームのいずれよりもp110δアイソフォームに選択的である。特にこれらは、p110βよりもp110δに選択的である。この化合物はまた、クラスIbキナーゼであるp110γよりもp110δアイソフォームに選択的である。
【0085】
本発明の化合物が、p110δに対して示す選択性は、他のPI3キナーゼアイソフォームの少なくとも2倍である。典型的にはこの選択性は5倍、又は10倍、又は20倍、又は50倍、100倍に至り、又は多くの場合さらに高くなる。したがって本化合物は、p110βよりもp110δに、2倍、5倍、10倍、20倍、50倍、又は100倍選択的となり得る。これらはさらに、p110α又はp110γよりもp110δに、2倍、5倍、10倍、20倍、50倍、又は100倍選択的となり得る。
【0086】
本発明の化合物は、PI3キナーゼ、特にクラスIa PI3キナーゼのインヒビターとして使用できる。したがって本発明の化合物は、PI3キナーゼ、特にPI3キナーゼのp110δアイソフォームに関連する異常細胞の増殖、機能又は挙動に起因する疾患又は障害の処置に使用できる。このような疾患及び障害の例は、Drees et alのExpert Opin. Ther. Patents(2004) 14(5):703-732で考察されている。それらには、癌などの増殖性障害、免疫不全、心血管疾患、ウイルス感染、炎症、代謝/内分泌障害及び神経障害が挙げられる。代謝/内分泌障害の例には、糖尿病及び肥満が挙げられる。処置に本化合物を使用できる癌の例には、白血病、脳腫瘍、腎臓癌、胃癌ならびに皮膚、膀胱、乳房、子宮、肺、結腸、前立腺、卵巣及び膵臓の癌がある。
【0087】
本発明の化合物はPI3キナーゼのインヒビターとして使用できる。したがって、PI3キナーゼ、特にPI3キナーゼのp110δアイソフォームに関連する異常細胞の増殖、機能又は挙動に起因する疾患又は障害、例えば免疫不全、心血管疾患、ウイルス感染、炎症、代謝/内分泌障害又は神経障害に罹患しているヒト又は動物患者は、上記と同義の本発明の化合物をそれらに投与することを含む方法によって処置できる。癌に罹患しているヒト又は動物患者もまた、上記と同義の本発明の化合物を、それらに投与することを含む方法によって処置できる。患者の病状はそれにより改善又は向上し得る。
【0088】
本発明の化合物は、様々な剤形、例えば錠剤、カプセル剤、糖衣錠又はフィルムコーティング錠、液剤もしくは懸濁剤の形態で、経口的に、又は、例えば筋肉内、静脈内もしくは皮下に、非経口的に投与できる。したがって、本化合物は、注射又は点滴により投与できる。
【0089】
用量は、患者の年齢、体重及び状態ならびに投与経路を包含する様々な因子に依存する。日用量は広範囲に変わり得、各々個別的な症例における個体の要件に合わせて調節される。しかしながら典型的には、化合物を単独で成人に投与する際、各投与経路のために用いられる用量は、0.0001〜50mg/kg、最も一般的には0.001〜10mg/kg(体重)の範囲、例えば0.01〜1mg/kgである。このような用量を例えば一日に1〜5回投与できる。静脈内投与のためには、好適な日用量は0.0001〜1mg/kg(体重)、好ましくは0.0001〜0.1mg/kg(体重)である。日用量は、単一用量として、又は分割投与スケジュールに従って投与できる。
【0090】
本発明の化合物は、薬学的又は獣医学的に許容される担体又は希釈剤をも含む医薬用又は獣医学用組成物としての使用のために調合される。この組成物は典型的には常法に従って製造され、薬学的又は獣医学的に好適な形態で投与される。本化合物は任意の常套的形態で、例えば以下のように投与できる:
【0091】
A)経口的、例えば錠剤、コーティング錠剤、糖衣錠、トローチ、ドロップ、水性もしくは油性懸濁剤、液剤、分散性散剤もしくは顆粒剤、乳剤、硬もしくは軟カプセル剤、又はシロップ剤もしくはエリキシル剤。経口使用を意図した組成物は、医薬組成物の製造のための分野で公知の任意の方法に従って製造でき、そのような組成物は、薬学的に洗練され且つ味の良い調製物を提供するため、甘味料、香料、着色料及び保存剤からなる群より選択される1つ以上の物質を含有させることができる。
【0092】
錠剤は、錠剤の製造に適した、非毒性の薬学的に許容される賦形剤と混合した活性成分を含有する。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、乳糖、デキストロース、ショ糖、セルロース、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウム;造粒及び崩壊剤、例えば、トウモロコシデンプン、アルギン酸、アルギナート又はデンプングリコール酸ナトリウム;結合剤、例えばデンプン、ゼラチン又はアラビアゴム;潤滑剤、例えばシリカ、ステアリン酸マグネシウムもしくはステアリン酸カルシウム、ステアリン酸又はタルク;発泡性混合物、染料、甘味料、湿潤剤、例えばレシチン、ポリソルベート又はラウリル硫酸塩であってよい。錠剤をコーティングしなくてよく、又は、消化管での崩壊及び吸着を遅延させ、それにより長時間の持続作用を提供するため、既知の技術によりコーティングしてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリン又はジステアリン酸グリセリンのような時間遅延材料を利用してもよい。このような調製物は、既知の方法で、例えば混合、造粒、打錠、糖コーティング又はフィルムコーティング方法によって製造できる。
【0093】
経口使用のための製剤はさらに、活性成分を不活性固体希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム若しくはカオリンと混合する硬ゼラチンカプセル剤として、又は活性成分がそのまま存在する、又は水性もしくは油性媒質、例えば落花生油、流動パラフィン、若しくはオリーブ油と混合されている、軟ゼラチンカプセル剤として供することができる。
【0094】
水性懸濁剤は、水性懸濁剤の製造に適した賦形剤と混合した活性物質を含有する。このような賦形剤は、懸濁化剤、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム及びアラビアゴムである;分散又は湿潤剤は、天然に存在するリン脂質、例えばレシチン、又はアルキレンオキシドと脂肪酸の縮合生成物、例えばステアリン酸ポリオキシエチレン、又はエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトールから誘導される部分エステルの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビトールモノオレアート、又は、エチレンオキシドと脂肪酸及び無水ヘキシトールから誘導される部分エステルの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートであってよい。
【0095】
前記水性懸濁剤はさらに、1つ以上の保存剤、例えばp−ヒドロキシ安息香酸エチル又はn−プロピル、1つ以上の着色料、例えばショ糖又はサッカリンを含有することもできる。
【0096】
油性懸濁剤は、植物油、例えば落花生油、オリーブ油、ゴマ油又はココナツ油中に、又は鉱油、例えば流動パラフィン中に活性成分を懸濁することによって調合できる。この油性懸濁剤は、増粘剤、例えば蜜ロウ、固形パラフィン又はセチルアルコールを含有できる。
【0097】
上に示したような甘味料、及び香料を添加して味の良い経口調製物を得ることができる。これらの組成物は、アスコルビン酸のような抗酸化剤の添加により保存できる。水の添加によって水性懸濁液を調製するのに適した分散性粉末及び顆粒は、活性成分を分散剤又は湿潤剤、懸濁化剤及び1つ以上の保存剤と混合して提供する。好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤は、既に述べたものによって例示される。さらなる賦形剤、例えば甘味料、香料及び着色料もまた存在させることができる。
【0098】
本発明の医薬組成物は、水中油エマルジョンの形態とすることもできる。油相は植物油、例えばオリーブ油若しくは落花生油、又は鉱油、例えば流動パラフィン又はこれらの混合物であってよい。好適な乳化剤は天然に存在するゴム、例えばアラビアゴム又はトラガカントゴム、天然に存在するリン脂質、例えば大豆レシチン、及び脂肪酸及び無水ヘキシトールから誘導されるエステル又は部分エステル、例えばソルビタンモノオレアート、ならびに前記部分エステルとエチレンオキシドの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートであってよい。このエマルジョンはさらに、甘味料及び香料を含有できる。シロップ剤及びエリキシル剤は、甘味料、例えばグリセロール、ソルビトール又はショ糖と共に調合できる。特に、糖尿病患者用シロップ剤は、グルコースへと代謝されない、又は極めて少量しかグルコースへと代謝されない製品、例えばソルビトールのみを担体として含有できる。
【0099】
このような調合物はさらに、粘滑剤、保存剤ならびに香料及び着色料を含有できる。
【0100】
B)非経口的に、皮下若しくは静脈内若しくは筋肉内若しくは胸骨内(intrasternally)に、又は輸液技術によって、無菌注射用水性もしくは油性懸濁剤の形態で。この懸濁剤は、上に述べた適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤を使用し、公知技術に従って調合できる。無菌注射用調製物は、非毒性の非経口に許容される希釈剤若しくは溶媒中の無菌注射溶液又は懸濁液、例えば1,3−ブタンジオール溶液であってもよい。
【0101】
使用できる許容可能な媒質及び溶媒には、水、リンゲル液及び塩化ナトリウム等張溶液がある。さらに、無菌の固定油が、溶媒又は懸濁媒質として常套的に使用される。この目的のために、合成モノ又はジグリセリドを包含する任意の無菌固定油が使用できる。さらに、オレイン酸のような脂肪酸が、注射剤の製造に用途を見いだせる。
【0102】
C)エアロゾル又はネブライザー用溶液の形態で、吸入により。
【0103】
D)薬物を、通常温度では固体であるが直腸温度では液体であり、しがって直腸内で融解して薬物を放出する、適切な非刺激性賦形剤と混合することにより製造した坐剤の形態で、直腸内に。このような材料は、カカオ脂及びポリエチレングリコールである。
【0104】
E)クリーム、軟膏、ゼリー、洗眼液、溶液又は懸濁液の形態で、局所的に。
【0105】
本発明を以下の実施例においてさらに説明する。
【0106】
実施例
一般合成法
以下の一般スキーム1〜6は、式(I)の化合物に至る経路を説明するものである。スキーム7及び8は、式(I)の化合物の合成に使用される中間体に至る経路を説明するものである。
【0107】
【化30】

【0108】
条件:(i)チオアセトアミド、トルエン、111℃。(ii)TsCl、EtN。(iii)BnNH、ジオキサン、80℃。(iv)ClSONCO、CHCl、−78℃。(v)6N HCl、100℃、2時間。(vi)NaOMe、MeOH、67℃。(vii)BBr、キシレン、150℃。(viii)POCl、DMA、150℃。(ix)モルホリン、MeOH、室温。(x)SeO、ジオキサン、80℃。(xi)R1R2NH、DCE、Na(AcO)BH、AcOH。(xii)ジオキサン−水、CsCO.Pd(PPh、120℃、マイクロ波。
【0109】
【化31】

【0110】
条件:(i)CHCl、EtN、TfO、−78℃ → 室温。(ii)ジオキサン、CsCO、キサントホス、Pd(dba)、60℃、18時間。(iii)キシレン、BBr、120℃ → 170℃、1時間。
【0111】
【化32】

【0112】
条件:(i)ローソン試薬、トルエン、111℃。(ii)ClSONCO、CHCl、−78℃。(iii)6N HCl、100℃、2時間。(iv)2N NaOH、iPrOH、80℃、2時間。(v)POCl、PhNMe、100℃、4時間。(vi)モルホリン、MeOH、室温。(vii)酸化。(viii)R1R2NH、DCE、Na(AcO)BH、AcOH。(ix)ジオキサン − 水、CsCO、Pd(PPh、120℃、マイクロ波。
【0113】
【化33】

【0114】
条件:(i)ClSONCO、CHCl、−78℃。(ii)6N HCl、100℃2時間。(iii)2N NaOH、MeOH、100℃、2時間。(iv)POCl、100℃。(v)モルホリン、MeOH、室温。(vi)nBuLi、TMEDA、THF、−78℃。(vii)DMF、−78℃ → 室温。(viii)R1R2NH、DCE、Na(AcO)BH、AcOH。(ix)CHCN−HO、NaCO、PdCl(PPh、マイクロ波、120℃。
【0115】
【化34】

【0116】
条件:(i)POCl、80℃。(ii)モルホリン、MeOH、室温。(iii)nBuLi、TMEDA、THF、−78℃。(iv)DMF、−78℃ → 室温。(v)R1R2NH、DCE、Na(AcO)BH、AcOH。(vi)CHCN−HO、NaCO、PdCl(PPh、マイクロ波、120℃。
【0117】
【化35】

【0118】
条件:(i)ジオキサン − HO、CsCO、Pd(PPh、マイクロ波、120℃。(ii)THF、NaH、TsCl。(iii)SeO、ジオキサン、100℃。(iv)R1R2NH、DCE、Na(AcO)BH、AcOH。(v)ジオキサン − IMS、NaOH、HO、室温。
【0119】
【化36】

【0120】
条件:(i)HSO、21時間。(ii)ジオキサン、DMF−DMA、80℃ 24時間、90℃ 16時間。(iii)MeOH−THF Raney(登録商標)ニッケル、NHNH・HO、室温、40分間。(iv)DMSO、KOAc、Pd(dppf)Cl、80℃。
【0121】
【化37】

【0122】
条件:(i)THF、NaH 0℃、次いでTBSCl、室温、25時間、74%。(ii)sBuLi、TMEDA、THF、−78℃、2時間。(iii)B(OiPr)、THF、−78℃ → −10℃、15分間。(iv)2.4M HCl(71%、3工程)。
【0123】
【化38】

【0124】
条件:(i)THF、TMEDA、nBuLi、−78℃、15分間。(ii)PhCHO、−78℃ → 室温(66%;2工程)。(iii)トルエン、pTsOH、120℃、24時間。(iv)THF、CHCN、HO、RuCl、HIO、室温2時間(42%;2工程)。
【0125】
【化39】

【0126】
条件:(i)DMF、TFAA、0℃。(ii)40%水性NaOH、100℃、1時間。(iii)MeOH、HSO、65℃、18時間。(iv)Tl(OCOCF、TFA、室温、2時間。(v)HO、KI、室温。(vi)MeOH、40%水性NaOH、65℃、2時間。(vii)ピナコールボラン、EtN、ジオキサン、Pd(OAc)、ビス(シクロヘキシル)ホスフィノ−2−ビフェニル、80℃、30分間。
【0127】
【化40】

【0128】
条件:(i)NaCN、アセトン−HO、48時間、室温。(ii)DMSO、KCO、HO、40℃。(iii)HCl EtO。
【0129】
【化41】

【0130】
条件:(i)DCE、アゼチジン、Na(OAc)BH、18時間、室温。(ii)TFA−CHCl
【0131】
一般的実験の詳細
NMR分光法
NMRスペクトルは、400MHzで稼働する5mm逆検出三重共鳴プローブを有するVarian Unity Inova 400分光計で、又は400MHzで稼働する5mm逆検出三重共鳴TXIプローブを有するBruker Avance DRX 400分光計で、又は300MHzで稼働する標準5mm二重周波数プローブを有するBruker Avance DPX 300分光計で取得した。シフトはテトラメチルシランに対するppmで記載する。
【0132】
カラムクロマトグラフィーによる精製
カラムクロマトグラフィーで精製される化合物は、100−0〜0−100% シクロヘキサン/EtOAc、又は100−0〜0−100% ペンタン/EtOAc又は100−0〜70−30% DCM/MeOH(NH 0.1%の添加あり又は無し)の勾配で溶出するシリカゲル又はIsolute(登録商標)カートリッジ又はRedisep(登録商標)カートリッジを用いて精製した。「シリカゲル」とは、0.035〜0.070mm(220〜440メッシュ)(例えばFlukaシリカゲル60)のクロマトグラフィー用シリカゲルを指し、最大10p.s.iの窒素圧を適用してカラム溶出を加速した。薄層クロマトグラフィー(TLC)を使用する場合、それは、典型的には、蛍光指示薬(254nm)の入った、アルミホイルプレート上の3×6cmシリカゲルを用いるシリカゲルTLCを指す(例えばFluka 60778)。
【0133】
分取HPLCによる精製:
分取HPLCにより精製される化合物は、C18逆相カラム(100×22.5mm i.d. Genesisカラム、7μm粒子サイズ、230又は254nmでのUV検出、流速5〜15mL/分)、又はフェニル−ヘキシルカラム(250×21.2mm i.d. Geminiカラム、5μm粒子サイズ、230又は254nmでのUV検出、流速5〜20mL/分)を使用し、100−0%〜0−100% 水/アセトニトリル、又は0.1% TFAを含有する水/MeOH、又は0.1% ギ酸を含有する水/アセトニトリルで溶出して精製した。EtOAc及び重炭酸ナトリウム飽和溶液間に分配することにより遊離塩基を遊離させた。有機層を乾燥(MgSO)させ、減圧濃縮した。或いは、メタノール中NHで溶離するIsolute(登録商標)SCX-2 カートリッジを通過させることにより、遊離塩基を遊離させた。
【0134】
マイクロ波反応:
マイクロ波実験は、Personal Chemistry Smith Synthesiser又はBiotage Initiator(登録商標)のいずれかを用いて実施し、これらは、単一モード共振器及びダイナミックフィールドチューニングを使用しており、いずれも再現性及び制御性を与える。40〜250℃の温度を達成でき、最大20barの圧力に到達できる。
【0135】
溶媒及び市販試薬は全て入手したままを使用した。市販されていない試薬/反応体は、文献記載の方法に従って調製した。
【0136】
実験の項で使用した略語:
aq.=水性
BOC=t−ブトキシカルボニル
bs=幅広い一重線(NMR)
CsCO=炭酸セシウム
d=二重線(NMR)
DCM=ジクロロメタン
DIPEA=ジイソプロピルエチルアミン
DMA=ジメチルアセトアミド
DMAP=ジメチルアミノピリジン
DMF=ジメチルホルムアミド
DMSO=ジメチルスルホキシド
eq.=当量
EtOAc=酢酸エチル
EtOH=エタノール
h=時間
HATU=O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムへキサフルオロホスファート
HCl=塩酸
O=水
HPLC=高速液体クロマトグラフィー
IMS=工業用メタノール変性アルコール
iPrOH=イソプロパノール
LCMS=液体クロマトグラフィー質量分析
M=モル
m=多重線(NMR)
MeOH=メタノール
mg=ミリグラム
MgSO=硫酸マグネシウム
min=分
mL=ミリリットル
NaCO=炭酸ナトリウム
NaHCO=炭酸水素ナトリウム
NaOH=水酸化ナトリウム
NaSO=硫酸ナトリウム
NMR=核磁気共鳴
q=四重線(NMR)
Rt=保持時間
RT=室温
sat=飽和
t=三重線(NMR)
TBAF=フッ化テトラブチルアンモニウム
TBS=t−ブチルジメチルシリル
TFA=トリフルオロ酢酸
THF=テトラヒドロフラン
TLC=薄層クロマトグラフィー
Xant phos=4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン
【0137】
参考例1: ボロナートエステルの形成
上記スキーム1〜4の最終工程のボロナートエステル生成物を下記のように調製した。DMSO中のハロゲン化物(1当量)及びビス(ピナコラト)ジボロン(1.3当量)の溶液に、KOAc(3当量)及び[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィン)フェロセン]−ジクロロパラジウム(0.05当量)を加えた。混合物を、反応が完了するまで90℃で加熱した。反応混合物をEtOAcとHOに分配した。有機層をHO及びブラインで連続して洗浄し、NaSOで乾燥させて、蒸発乾固した。次に、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製した。
【0138】
参考例2: スズキカップリング
【0139】
【化42】

【0140】
下記の方法を、上記スキームA及びBに記載されているスズキカップリング反応のために使用した:
【0141】
方法A
アセトニトリル/水(2:1)中の適切な5−クロロチアゾロピリミジン(1当量)、NaCO(2当量)、適切なインドールボロナートエステル(1.5当量)及びビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(0.1当量)の混合物を、マイクロ波反応器中で140℃にて20〜50分間加熱した。得られた混合物を水で希釈し、次に酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(NaSO)させ、濾過し、減圧下で濃縮し、次に、分取HPLC又はカラムクロマトグラフィーのいずれかにより精製して、所望の生成物を得た。あるいは、反応混合物をIsolute(登録商標)SCX-2カートリッジに充填し、MeOHで洗浄して、次に、MeOH中の2M NHで溶離した。次に、得られた残留物を分取HPLC又はカラムクロマトグラフィーのいずれかにより精製して、所望の生成物を得た。
【0142】
方法B
ジオキサン/水(3:1)中の適切な5−クロロチアゾロピリミジン(1当量)、CsCO(1.5当量)、適切なインドールボロナートエステル又はボロン酸(1.2当量)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.05当量)の混合物を、マイクロ波反応器中で125℃にて10〜30分間加熱した。得られた混合物を水で希釈し、次に酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(MgSO)させ、濾過し、減圧下で濃縮し、次に、分取HPLC又はカラムクロマトグラフィーのいずれかにより精製して、所望の生成物を得た。あるいは、反応混合物をIsolute(登録商標)SCX-2カートリッジに充填し、MeOHで洗浄し、次にMeOH中の2M NHで溶離した。次に、得られた残留物を分取HPLC又はカラムクロマトグラフィーのいずれかにより精製して、所望の生成物を得た。
【0143】
方法C
ジオキサン/水(3:1)中の適切な5−クロロチアゾロピリミジン(1当量)、CsCO(1.5当量)、適切なインドールボロン酸(1.2当量)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.05当量)の混合物を、マイクロ波反応器中で125℃にて10〜30分間加熱した。得られた混合物を水で希釈し、次に酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(MgSO)させ、濾過し、減圧下で濃縮し、次に、分取HPLC又はカラムクロマトグラフィーのいずれかにより精製して、所望の生成物を得た。あるいは、反応混合物をIsolute(登録商標)SCX-2カートリッジに充填し、MeOHで洗浄し、次にMeOH中の2M NHで溶離した。次に、得られた残留物を分取HPLC又はカラムクロマトグラフィーのいずれかにより精製して、所望の生成物を得た。
【0144】
方法D
アセトニトリル/水(3:1)中の適切な5−クロロチアゾロピリミジン(1当量)、CsCO(1.5当量)、適切なインドールボロン酸(1.2当量)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.05当量)の混合物を、マイクロ波反応器中で125℃〜140℃にて10〜30分間加熱した。得られた混合物を水で希釈し、次に酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(MgSO)させ、濾過し、減圧下で濃縮し、次に、分取HPLC又はカラムクロマトグラフィーのいずれかにより精製して、所望の生成物を得た。あるいは、反応混合物を、Isolute(登録商標)SCX-2カートリッジに充填し、MeOHで洗浄し、次にMeOH中の2M NHで溶離した。次に、得られた残留物を、分取HPLC又はカラムクロマトグラフィーのいずれかにより精製して、所望の生成物を得た。
【0145】
方法E
アセトニトリル/水(3:1)中の適切な5−クロロ−チアゾロピリミジン(1当量)、CsCO(1.5当量)、適切なインドールボロナートエステル(1.2当量)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.05当量)の混合物を、マイクロ波反応器中で140℃にて10〜30分間加熱した。得られた混合物を水で希釈し、次に酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(MgSO)させ、濾過し、減圧下で濃縮し、次に、分取HPLC又はカラムクロマトグラフィーのいずれかにより精製して、所望の生成物を得た。あるいは、反応混合物をIsolute(登録商標)SCX-2カートリッジに充填し、MeOHで洗浄し、次にMeOH中の2M NHで溶離した。次に、得られた残留物を分取HPLC又はカラムクロマトグラフィーのいずれかにより精製して、所望の生成物を得た。
【0146】
方法F
アセトニトリル/水(2:1)中の適切な5−クロロ−チアゾロピリミジン(1当量)、NaCO(1.5当量)、適切なインドールボロナートエステル(1.2当量)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.1当量)の混合物を、マイクロ波反応器中で140℃にて10〜30分間加熱した。得られた混合物を水で希釈し、次に酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(MgSO)させ、濾過し、減圧下で濃縮し、次に、分取HPLC又はカラムクロマトグラフィーのいずれかにより精製して、所望の生成物を得た。あるいは、反応混合物をIsolute(登録商標)SCX-2カートリッジに充填し、MeOHで洗浄し、次に、MeOH中の2M NHで溶離した。次に、得られた残留物を分取HPLC又はカラムクロマトグラフィーのいずれかにより精製して、所望の生成物を得た。
【0147】
方法G
アセトニトリル/水(2:1)中の適切な5−クロロ−チアゾロピリミジン(1当量)、NaCO(1.5当量)、適切なインドールボロン酸(1.2当量)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.1当量)の混合物を、マイクロ波反応器中で140℃にて10〜30分間加熱した。得られた混合物を水で希釈し、次に酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(MgSO)させ、濾過し、減圧下で濃縮し、次に、分取HPLC又はカラムクロマトグラフィーのいずれかにより精製して、所望の生成物を得た。あるいは、反応混合物をIsolute(登録商標)SCX-2カートリッジに充填し、MeOHで洗浄し、次に、MeOH中の2M NHで溶離した。次に、得られた残留物を分取HPLC又はカラムクロマトグラフィーのいずれかにより精製して、所望の生成物を得た。
【0148】
参考例3 t−ブトキシカルボニル脱保護
DCM中の適切なBOC−保護チアゾロピリミジンの溶液に、TFAを加え、得られた溶液を室温で30〜180分間撹拌した。得られた混合物を水で希釈し、飽和NaHCO水溶液で中和し、次にDCMで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(MgSO又はNaSO)させ、濾過し、減圧下で濃縮し、次に、分取HPLC又はカラムクロマトグラフィーのいずれかにより精製して、所望の生成物を得た。あるいは、反応混合物をIsolute(登録商標)SCX-2カートリッジに充填し、MeOHで洗浄し、次にMeOH中の2M NHで溶離した。次に、得られた残留物を分取HPLC又はカラムクロマトグラフィーのいずれかにより精製して、所望の生成物を得た。
【0149】
参考例4 TBS脱保護:
THF中の適切なTBS−保護1H−インドール−4−イル−チアゾロピリミジンの溶液に、TBAFを加え、得られた溶液を室温で30分間撹拌し、次に減圧下で濃縮した。あるいは、得られた溶液をブラインで希釈し、次に、DCMで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(MgSO又はNaSO)させ、濾過して、減圧下で濃縮した。いずれの場合にも、得られた残留物を分取HPLC又はカラムクロマトグラフィーのいずれかにより精製して、所望の生成物を得た。
【0150】
参考例5 5−アミノ−2−メチル−チアゾール−4−カルボン酸エチルエステル
【0151】
【化43】

【0152】
無水トルエン(300mL)中のアセチルアミノ−シアノ−酢酸エチルエステル(27.2g、0.160mol)の溶液に、ローソン試薬(32.0g、0.079mol)を加え、得られた混合物を18時間加熱還流した。得られた黄色の懸濁液を、HClの水溶液(1M)とtert−ブチルメチルエーテルに分配した。層を分離し、有機層をHClの水溶液(1M)で抽出した。合わせた水層をNaOH(2M)の水溶液でpH10に塩基性化し、次にEtOAcで抽出した。有機層を単離し、乾燥(NaSO)させ、減圧下で濃縮して、標記化合物を淡黄色の固体(17.0g、57%)として得た。
[M+H] 187.0
【0153】
参考例6 2−メチル−5−ウレイド−チアゾール−4−カルボン酸エチルエステル
【0154】
【化44】

【0155】
DCM(550mL)中の5−アミノ−2−メチル−チアゾール−4−カルボン酸エチルエステル(15.0g、0.081mol)の溶液に、クロロスルホニルイソシアナート(8.92mL、0.102mol)を−78℃で滴下した。粘ちょうな懸濁液を室温に温まるにまかせ、45分間撹拌した。得られた沈殿物を濾過により回収し、減圧下で乾燥させた。得られた白色の固体をHClの水溶液(6M、400mL)に懸濁し、90℃で1時間加熱した。得られた溶液を0℃に冷却し、NaOHの水溶液(6M)でpHを5に調整した。得られた沈殿物を濾過により回収し、減圧下で60℃にて36時間乾燥させて、標記化合物(16.4g、89%)を得た。
[M+H] 230.0
【0156】
参考例7 2−メチル−4H−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−5,7−ジオン
【0157】
【化45】

【0158】
iPrOH(300mL)中の2−メチル−5−ウレイド−チアゾール−4−カルボン酸エチルエステル(21.0g、0.079mol)の懸濁液に、NaOH水溶液(3M、26mL、0.078mol)を80℃で加えた。粘ちょうな白色の懸濁液を80℃で45分間加熱し、次にHOで希釈して、0℃に冷却した。反応混合物をpH3に酸性化し、沈殿物を濾過により回収した。白色の固体をHOで洗浄し、減圧下、60℃で17時間乾燥させて、標記化合物を白色の固体(12.3g、83%)として得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 2.56 (s, 3 H)。
【0159】
参考例8 5,7−ジクロロ−2−メチル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン
【0160】
【化46】

【0161】
N,N−ジメチルアニリン(3.7mL、0.029mol)中の2−メチル−4H−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−5,7−ジオン(7.5g、0.041mol)の混合物に、オキシ塩化リン(38.0mL、0.410mol)を加え、混合物を130℃で4時間加熱した。得られた黒色の溶液を室温に冷却し、次に砕氷及びHOで注意深くクエンチした後、EtOAcで抽出した。有機層を単離し、乾燥(MgSO)させ、減圧下で濃縮して、黄色の固体として得た。固体をDCMに溶解し、次にNaHCOの水溶液で、続いてブラインにより洗浄し、乾燥(NaSO)させ、減圧下で濃縮して、標記化合物を淡黄色の固体(4.90g、54%)として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 2.95 (s, 3 H)。
【0162】
参考例9 5−クロロ−2−メチル−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン
【0163】
【化47】

【0164】
MeOH(100mL)中の5,7−ジクロロ−2−メチル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン(4.1g、18.72mmol)の溶液に、モルホリン(3.26mL、37.44mmol)を0℃で加え、混合物を0℃で30分間撹拌した。得られた沈殿物を濾過により回収し、減圧下、40℃で乾燥させて、標記化合物をクリーム色の固体(4.42g、89%)として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 2.74 (s, 3 H), 3.80-3.86 (m, 4 H) 及び 4.35 (m, 4 H)。
【0165】
参考例10 5−(1H−インドール−4−イル)−2−メチル−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン
【0166】
【化48】

【0167】
参考例2のスズキカップリング法を用い、5−クロロ−2−メチル−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジンを使用して調製した。標記化合物を白色の固体(130mg、50%)として得た。
[M+H] 352.9
【0168】
参考例11 4−ヒドロキシ−2−メチル−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル
【0169】
【化49】

【0170】
トルエン(130mL)中のチオアセトアミド(17.2g、0.229mol)の溶液に、ジエチルブロモマロナート(55.0g、0.230mol)を加え、混合物を3時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷まし、セライトを通して濾過し、次に、減圧下で濃縮した。得られた固体をヘキサンでトリチュートして、標記化合物を黄色の固体(11.0g、26%)として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.36 (t, J = 7.1 Hz, 3 H), 2.67 (s, 3 H) 及び 4.35 (q, J = 7.1 Hz, 2 H)。
【0171】
参考例12 2−メチル−4−(トルエン−4−スルホニルオキシ)−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル
【0172】
【化50】

【0173】
クロロホルム(80mL)中の4−ヒドロキシ−2−メチル−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(5.0g、26.74mmol)の溶液に、p−トルエンスルホニルクロリド(5.61g、29.41mmol)及びトリエチルアミン(4.84mL、34.76mmol)を0℃で加えた。反応混合物を4時間かけて室温に温まるにまかせ、次にDCM及びHOで希釈した。有機層を単離し、HO及びブラインで洗浄し、次に乾燥(MgSO)させて、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を淡褐色の固体(8.1g、89%)として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.34 (t, J = 7.1 Hz, 3 H), 2.47 (s, 3 H), 2.64 (s, 3 H), 4.30 (q, J = 7.1 Hz, 2 H), 7.37 (d, J = 8.1 Hz, 2 H) 及び 7.94 (d, J = 8.1 Hz, 2 H)。
【0174】
参考例13 4−ベンジルアミノ−2−メチル−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル
【0175】
【化51】

【0176】
1,4−ジオキサン(50mL)中の2−メチル−4−(トルエン−4−スルホニルオキシ)−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(2.0g、5.865mmol)の溶液に、ベンジルアミン(1.92mL、17.6mmol)を加え、混合物を120℃で6時間加熱した。反応混合物を室温に冷まし、EtOAcとHCl水溶液(1M)に分配した。有機層を単離し、ブラインで洗浄し、次に、乾燥(MgSO)させ、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を黄色の固体(0.80g、49%)として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 1.31 (t, J = 7.1 Hz, 3 H), 2.60 (s, 3 H), 4.24 (q, J = 7.1 Hz, 2 H), 4.76 (d, J = 6.1 Hz, 2 H), 7.07 (bs, 1 H) 及び 7.21-7.38 (m, 5 H)。
【0177】
参考例14 4−ベンジル−2−メチル−4H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5,7−ジオン
【0178】
【化52】

【0179】
DCM(10mL)中の4−ベンジルアミノ−2−メチル−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(0.40g、1.45mmol)の溶液に、クロロスルホニルイソシアナート(140μL、1.59mmol)を−78℃で滴下した。混合物を室温に温まるにまかせ、30分間撹拌した。得られた溶液を減圧下で濃縮し、次に、アセトン(5mL)溶解した後、HO(2mL)を滴下した。混合物を室温で30分間撹拌し、次に減圧下で濃縮した。得られた油状物をEtOAcとHOに分配した。有機層を単離し、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)させ、減圧下で濃縮して、4−(1−ベンジル−ウレイド)−2−メチル−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステルを淡褐色の油状物として得た。MeOH(10mL)中の4−(1−ベンジル−ウレイド)−2−メチル−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステルの溶液に、MeOH中のナトリウムメトキシドの溶液(25%w/w、1.33mL、5.80mmol)を加え、混合物を室温で18時間撹拌した。粗反応混合物を減圧下で濃縮し、EtOAcとHCl水溶液(1M)に分配した。有機層を単離し、ブラインで洗浄し、次に乾燥(MgSO)させて、減圧下で濃縮した。得られた残留物をEtOAcでトリチュートして、標記化合物を淡黄色の固体(0.25g、63%)として得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 2.76 (s, 3 H), 5.25 (s, 2 H), 7.19-7.40 (m, 5 H) 及び 11.71 (s, 1 H)。
【0180】
参考例15 2−メチル−4H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5,7−ジオン
【0181】
【化53】

【0182】
方法A
キシレン(40mL)中の4−ベンジル−2−メチル−4H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5,7−ジオン(3.80g、13.87mmol)の溶液に、三臭化ホウ素(5.34mL、55.47mmol)を120℃で滴下した。反応混合物を170℃で1時間加熱し、次に0℃に冷却した後、MeOH(30mL)を注意深く加えた。得られた沈殿物を濾過により回収し、MeOHで、続いてHOで洗浄し、次に、減圧下、80℃で乾燥させて、標記化合物を白色の固体(2.3g、91%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 2.73 (s, 3 H)。
【0183】
方法B
キシレン(120mL)中の6−ベンジル−2−メチル−4H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5,7−ジオン(6g、22mmol)の溶液に、三臭化ホウ素(8.3mL、88mmol)を120℃で滴下した。反応混合物を170℃で1時間加熱し、次に0℃に冷却した後、MeOH(30mL)を注意深く加えた。得られた沈殿物を濾過により回収し、MeOHで、続いてHOで洗浄し、次に減圧下、50℃で乾燥させて、標記化合物を白色の固体(4.0g、100%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO): δ 2.73 (s, 3 H)。
【0184】
参考例16 5,7−ジクロロ−2−メチル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【0185】
【化54】

【0186】
5,7−ジクロロ−2−メチル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジンの調製で使用された方法を使用し、2−メチル−4H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5,7−ジオンを2−メチル−4H−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−5,7−ジオンの代わりに使用して調製した。標記化合物を固体(140mg、28%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 2.97 (s, 3 H)。
【0187】
参考例17 5−クロロ−2−メチル−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【0188】
【化55】

【0189】
MeOH(3mL)中の5,7−ジクロロ−2−メチル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン(92mg、0.42mmol)の溶液に、モルホリン(81μL、0.93mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物をEtOAc及びHOで希釈した。有機層を単離し、ブラインで洗浄し、次に、乾燥(MgSO)させ、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物をクリーム色の固体(102mg、90%)として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 2.85 (s, 3 H), 3.80-3.86 (m, 4 H) 及び 3.88-3.94 (m, 4 H)。
【0190】
参考例18 5−クロロ−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−カルバルデヒド
【0191】
【化56】

【0192】
1,4−ジオキサン(5mL)中の5−クロロ−2−メチル−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン(102mg、0.38mmol)の溶液に、二酸化セレン(51mg、0.46mmol)を加え、溶液を105℃で6時間加熱した。反応混合物を室温に冷まし、DCMとブラインに分配した。有機層を単離し、次に、乾燥(MgSO)させ、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を橙色の固体(53mg、49%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 3.73-3.78 (m, 4 H), 3.85-3.96 (m, 4 H) 及び 10.12 (s, 1 H)。
【0193】
参考例19 5−(5−クロロ−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イルメチル)−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
【0194】
【化57】

【0195】
1,2−ジクロロエタン(1mL)中の5−クロロ−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−カルバルデヒド(25mg、0.088mmol)の溶液に、ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(21mg、0.10mmol)を加えた。混合物を室温で5分間撹拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(28mg、0.130mmol)を加えた。得られた溶液を室温で1時間撹拌した。粗反応混合物をDCMとブライン分配した。有機層を単離し、次に、乾燥(MgSO)させて、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を白色の固体(26mg、61%)として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.55 (s, 9 H), 2.70-2.83 (m, 4 H), 2.88 (s, 2 H), 3.30 (s, 2 H), 3.63 (s, 2 H), 3.82-3.87 (m, 4 H), 3.93-4.01 (m, 4 H) 及び 4.05-4.17 (m, 2 H)。
【0196】
参考例20 1−(tert−ブチル−ジメチル−シラニル)−5−フルオロ−1H−インドール
【0197】
【化58】

【0198】
無水THF(250mL)中の5−フルオロ−1H−インドール(30.0g、0.222mol)の溶液に、水素化ナトリウム(鉱油中60%懸濁、10.22g、0.255mol)を少しずつ加え、溶液を0℃で保持した。反応混合物を0℃で20分間撹拌し、次に、無水THF(20mL)中のtert−ブチル−クロロ−ジメチル−シラン(40.15g、0.266mol)の溶液を加え、溶液を室温で25時間撹拌した。反応混合物をHOに注ぎ、層を分離した。水層をEtOAcで抽出し、合わせた有機層を乾燥(MgSO)させ、次に、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、シクロヘキサン:DCM 100%〜50:50)により精製して、標記化合物を無色の油状物(41.2g、74%)として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 0.60 (s, 6 H), 0.94 (s, 9 H), 6.58 (dd, J = 3.2, 1.0 Hz, 1 H), 6.87-6.93 (m, 1 H), 7.23 (d, J = 3.2 Hz, 1 H), 7.24-7.29 (m, 1 H) 及び 7.41 (m, 1 H)。
【0199】
参考例21 [1−(tert−ブチル−ジメチル−シラニル)−5−フルオロ−1H−インドール−4−イル]ボロン酸
【0200】
【化59】

【0201】
無水THF(1000mL)中の1−(tert−ブチル−ジメチル−シラニル)−5−フルオロ−1H−インドール(30.0g、0.12mol)の溶液に、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(36.6mL、0.241mol)及びs−ブチルリチウム(シクロヘキサン中1.4M、172mL、0.241mmol)の溶液を−78℃で加えた。得られた混合物を−78℃で2時間撹拌し、次に、ホウ酸トリイソプロピル(37.5mL、162.7mmol)を滴下した。得られた溶液を−78℃で40分間撹拌し、次に−20℃に温まるにまかせた。HCl水溶液(2.4M、250mL)を加え、得られた混合物をHOに注いだ。層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を乾燥(MgSO)させ、減圧下で濃縮した。次に、得られた黄色の固体をDCM及びシクロヘキサンから結晶化して、標記化合物を白色の固体(25.0g、71%)として得た。
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ 0.62 (s, 6 H), 0.92 (s, 9 H), 6.51 (d, J = 3.2 Hz, 1 H), 6.79-6.90 (m, 1 H), 7.30-7.36 (m, 1 H) 及び 7.54 (dd, J = 9.0, 4.6 Hz, 1 H)。
【0202】
参考例22 5−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール
【0203】
【化60】

【0204】
工程1
DMF(40mL)中の5−フルオロインドール(5g、37.0mmol)の溶液を、トリフルオロ酢酸無水物(6.1mL、42.6mmol)で0℃にて処理した。30分後、反応物を水に注ぎ、得られた沈殿物を濾過により回収し、水で洗浄して、次に減圧下で乾燥させた。次に、固体を10% NaOH水溶液(200mL)に溶解し、1時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷まし、DCMで洗浄し、HCl水溶液で酸性化した。得られた白色の沈殿物を濾過により回収し、水で洗浄し、DCMに取り、水で洗浄し、乾燥(MgSO)させ、減圧下で蒸発させた。得られた物質(5g、75%)をメタノール(80mL)に溶解し、濃硫酸(2mL)で処理し、次に、一晩加熱還流した。反応物を冷却し、得られた沈殿物を回収し、水で洗浄し、減圧下で濃縮して、5−フルオロ−1H−インドール−3−カルボン酸メチルエステルを桃色の固体(4.5g、83%)として得た。
【0205】
工程2
TFA(35mL)中のタリウムトリス(トリフルオロアセタート)(8.45g、15.6mmol)の溶液を、TFA(10mL)中の5−フルオロ−1H−インドール−3−カルボン酸メチルエステル(2g、10.4mmol)の溶液に室温で加え、2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で蒸発させ、得られた残留物を水(25mL)に懸濁した後、水(50mL)中のヨウ化カリウム(5.2g、31.3mmol)の溶液で処理した。反応混合物をジクロロメタン(100mL)及びメタノール(5mL)で処理し、得られた沈殿物を、セライトを通して濾過により除去した。有機層を分離し、チオ硫酸ナトリウム溶液及びブラインで連続して洗浄し、次に乾燥(MgSO)させて、減圧下で蒸発させた。得られた物質をメタノール(60mL)に溶解し、40% NaOH水溶液(60mL)で処理し、次に2時間還流した。反応混合物を室温に冷まし、DCM/MeOH(比 95:5)で抽出した。有機層を乾燥(MgSO)させ、濾過して、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ペンタン:EtOAc 75:25)により精製して、5−フルオロ−4−ヨード−1H−インドールを淡褐色の固体(1.05g、39%)として得た。
NMRδH (300 MHz, CDCl3) 6.49-6.52 (m, 1H), 6.95 (明瞭なdt, J = 0.4, 8.6, 1H), 7.26-7.33 (m, 2H) 及び 8.35 (s, 1H)。
【0206】
工程3
ジオキサン(5mL)中の5−フルオロ−4−ヨード−1H−インドール(1.28, 4.90mmol)の溶液を、トリエチルアミン(1.0mL、7.18mmol)、パラジウムアセタート(22.0mg、0.098mmol)及びビス(シクロヘキシル)ホスフィノ−2−ビフェニル(137mg、0.40mmol)で処理し、次に80℃に加熱した。ピナコールボランの溶液(THF中1M、13.0mL、13.0mmol)を、シリンジを介して加えた。30分後、反応混合物を室温に冷まし、次に水(50mL)及びDCM(50mL)で希釈した。得られた混合物を相分離カートリッジに通し、有機層を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ペンタン:EtOAc 75:25)により精製して、標記化合物を褐色の固体(1.06g、83%)として得た。
[M+H] 262.1
【0207】
参考例23 1−ブロモ−5−フルオロ−2−メチル−3−ニトロ−ベンゼン
【0208】
【化61】

【0209】
トリフルオロ酢酸(40mL)中の4−フルオロ−2−ニトロトルエン(10.0g、64.4mmol)の溶液に、濃硫酸(12.5mL)を、続いてN−ブロモスクシンイミド(17.2g、96.6mmol)を加え、反応混合物を室温で16時間撹拌した。次に反応混合物を氷及び水に注ぎ、15分間撹拌した。次に、生成物をEtOAcで抽出し、有機層をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)させ、減圧下で濃縮して、標記化合物を淡色の油状物として得て、それを放置して結晶化させた(11.76g、77%)。
NMR δH (300 MHz, CDCl3) 2.59 (s, 3H), 7.50 (dd, J = 2.8, 7.6, 1H) 及び 7.58 (dd, J = 2.9, 7.4, 1H)。
【0210】
参考例24 4−ブロモ−6−フルオロ−1H−インドール
【0211】
【化62】

【0212】
ジオキサン(40mL)中の1−ブロモ−5−フルオロ−2−メチル−3−ニトロ−ベンゼン(7.49g、31.8mmol)の溶液に、DMF−DMA(21.0mL、158mmol)及びピロリジン(2.6mL、31.1mmol)を加えた。反応混合物を100℃で3時間加熱した。混合物を室温に冷まし、減圧下で濃縮して、1−[2−(2−ブロモ−4−フルオロ−6−ニトロ−フェニル)−1−メチルビニル]−ピロリジンを暗赤色の残留物として得た。MeOH:THF(1:1、150mL)中のピロリジン(10.0g、31.7mmol)及びRaney(登録商標)ニッケル(HO中懸濁、15mL)の懸濁液に、ヒドラジン一水和物(2.3mL、47.4mmol)を0℃で加え、混合物を室温で5時間撹拌した。次に、反応混合物をセライトを通して濾過し、フィルターケーキをEtOAcで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ペンタン:EtOAc 75:25)により精製して、標記化合物を淡色の油状物(2.57g、37%)として得た。
NMR δH (300 MHz, CDCl3) 6.57 (明瞭なt, J = 2.7, 1H), 7.04 (dd, J = 2.1, 9.1, 1H), 7.12 (dd, J = 2.1, 9.1, 1H), 7.20-7.25 (m, 1H) 及び 8.25 (s, 1H)。
【0213】
参考例25 6−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール
【0214】
【化63】

【0215】
無水DMSO(120mL)中の4−ブロモ−6−フルオロ−1H−インドール(6.0g、25.53mmol)及びビス(ピナコラト)ジボロン(9.7g、38.19mmol)の溶液に、KOAc(7.5g、76.41mmol)及び[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィン)フェロセン]−ジクロロパラジウム(1.0g、1.22mmol)を加えた。混合物を80℃で18時間加熱した。反応混合物を室温に冷まし、EtOAcとHOに分配した。有機層をHO及びブラインで連続して洗浄し、乾燥(NaSO)させ、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ペンタン:EtOAc 75:25)により精製して、標記化合物を白色の固体(4.6g、61%)として得た。
NMR δH (300 MHz, CDCl3) 1.39 (s, 12H), 7.02 (m, 1H), 7.14-7.19 (m, 1H), 7.20-7.26 (m, 1H), 7.38 (dd, J = 2.4, 9.9, 1H) 及び 8.16 (s, 1H)。
【0216】
参考例26 2−(5−クロロ−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イル)−1−フェニル−エタノール
【0217】
【化64】

【0218】
無水THF(50mL)中の5−クロロ−2−メチル−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン(1.33g、4.91mmol)及びN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(0.74mL、5.40mmol)の溶液に、n−BuLiの溶液(ヘキサン中2.5M、2.4mL、6.0mmol)の溶液を−78℃で滴下した。反応混合物を15分間撹拌し、次に無水THF(5mL)中のベンズアルデヒド(0.65mL、6.29mmol)の溶液を急激に加えた。混合物を−78℃で15分間撹拌し、次に室温に温まるにまかせて、EtOAcとHOに分配した。有機層を単離し、ブラインで洗浄し、次に乾燥(NaSO)させて、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を黄色の固体(1.20g、66%)として得た。
[M+H] 377.0
【0219】
参考例27 5−クロロ−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−カルバルデヒド
【0220】
【化65】

【0221】
トルエン(25mL)中の2−(5−クロロ−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イル)−1−フェニル−エタノール(1.1g、2.9mmol)の懸濁液に、p−トルエンスルホン酸(0.11g、0.58mmol)を加え、得られた溶液を120℃で24時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、5−クロロ−7−モルホリン−4−イル−2−スチリル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジンを黄色の粗固体として得、それを精製しないで使用した。THF(9mL)、アセトニトリル(9mL)及びHO(3mL)中の5−クロロ−7−モルホリン−4−イル−2−スチリル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン(2.9mmol)の懸濁液に、ルテニウム(III)クロリド(18mg、0.081mmol)及び過ヨウ素酸(1.3g、5.80mmol)を加えた。得られた溶液を室温で2時間撹拌し、次に、EtOAcとチオ硫酸ナトリウム水溶液に分配した。水層を単離し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)させて、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を黄色の固体(0.34g、42%)として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 3.83-3.88 (m, 4 H), 4.06-4.15 (m, 2 H), 4.72 (m, 2 H) 及び 9.95 (s, 1 H)。
【0222】
参考例28 5−(5−クロロ−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イルメチル)−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
【0223】
【化66】

【0224】
1,2−ジクロロエタン(2mL)中の5−クロロ−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−カルバルデヒド(57mg、0.20mmol)の溶液に、ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(46mg、0.22mmol)を加えた。混合物を室温で5分間撹拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(64mg、0.30mmol)を加えた。得られた溶液を室温で1時間撹拌した。粗反応混合物をDCMとブラインに分配した。有機層を単離し、次に、乾燥(MgSO)させて、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を白色の固体(83mg、86%)として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.45 (s, 9 H), 1.55 (m, 2 H), 2.61 (m, 2 H), 2.75-2.87 (m, 4 H), 3.23 (m, 2 H), 3.57 (s, 2 H), 3.80 (t, J = 4.8 Hz, 4 H), 3.91 (m, 2 H) 及び 4.31 (m, 2 H)。
【0225】
参考例29 2−(5−クロロ−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イルメチル)−2,7−ジアザ−スピロ[3.5]ノナン−7−カルボン酸tert−ブチルエステル
【0226】
【化67】

【0227】
5−(5−クロロ−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イルメチル)−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製で使用された方法に従って、2,7−ジアザ−スピロ[3.5]ノナン−7−カルボン酸tert−ブチルエステル塩酸塩をヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに使用して調製した。標記化合物を白色の固体(70mg、71%)として得た。
[M+H] 495.3
【0228】
参考例30 3−(5−クロロ−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イルメチル)−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル
【0229】
【化68】

【0230】
5−(5−クロロ−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イルメチル)−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製で使用された方法に従って、3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸tert−ブチルエステルをヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに使用して調製した。標記化合物を白色の固体(91mg、95%)として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.47 (s, 9 H), 1.90 (m, 2 H), 1.93-2.00 (m, 2 H), 2.54 (bs, 2 H), 2.74 (dd, J = 10.6, 2.6 Hz, 2 H), 3.79 (s, 2 H), 3.82 (m, 4 H) 及び 4.12-4.43 (m, 6 H)。
【0231】
参考例31 2−(4−アゼチジン−1−イル−ピペリジン−1−イルメチル)−5−クロロ−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン
【0232】
【化69】

【0233】
5−(5−クロロ−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イルメチル)−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製で使用された方法に従って、4−アゼチジン−1−イル−ピペリジンをヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに使用して調製した。標記化合物をクリーム色の固体(54mg、66%)として得た。
[M+H] 409.3
【0234】
参考例32 5−クロロ−2−[(S)−1−(ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル]−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン
【0235】
【化70】

【0236】
5−(5−クロロ−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イルメチル)−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製で使用された方法に従って、(S)−オクタヒドロ−ピロロ[1,2−a]ピラジンをヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに使用して調製した。標記化合物を白色の固体として(34mg、43%)として得た。
[M+H] 395.3
【0237】
参考例33 8−(5−クロロ−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イルメチル)−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
【0238】
【化71】

【0239】
5−(5−クロロ−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イルメチル)−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製で使用された方法に従って、2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−2−カルボン酸tert−ブチルエステルをヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに使用して調製した。標記化合物を白色の固体(81mg、80%)として得た。
[M+H] 509.3
【0240】
参考例34 5−クロロ−2−(cis−3,5−ジメチル−ピペラジン−1−イルメチル)−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン
【0241】
【化72】

【0242】
5−(5−クロロ−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イルメチル)−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製で使用された方法に従って、cis−2,6−ジメチル−ピペラジンをヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに使用して調製した。標記化合物を淡黄色の固体(32mg、42%)として得た。
[M+H] 383.3
【0243】
参考例35 2−(5−クロロ−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イルメチル)−2,7−ジアザ−スピロ[3.5]ノナン−7−カルボン酸tert−ブチルエステル
【0244】
【化73】

【0245】
5−(5−クロロ−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イルメチル)−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製で使用された方法に従って、2,7−ジアザ−スピロ[3.5]ノナン−7−カルボン酸tert−ブチルエステルをヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに使用して調製した。標記化合物を白色の固体(46.4mg、72%)として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.43 (s, 9 H), 1.73 (t, J = 5.3 Hz, 4 H), 3.08-3.35 (m, 4 H), 3.27-3.37 (m, 4 H), 3.78-3.84 (m, 4 H), 3.90-3.95 (m, 5 H) 及び 4.07 (d, J = 9.0 Hz, 2 H)。
【0246】
参考例36 5−クロロ−7−モルホリン−4−イル−2−(4−モルホリン−4−イル−ピペリジン−1−イルメチル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【0247】
【化74】

【0248】
5−(5−クロロ−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イルメチル)−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製で使用された方法に従って、4−ピペリジン−4−イル−モルホリンをヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに使用して調製した。標記化合物をクリーム色の固体(28mg、80%)として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.63 (q, J = 12.3 Hz, 2 H), 1.92 (d, J = 12.3 Hz, 2 H), 2.24 (m, 1 H), 2.34 (t, J = 11.5 Hz, 2 H), 2.60 (m, 4 H), 3.04 (d, J = 11.5 Hz, 2 H), 3.76 (t, J = 4.4 Hz, 4 H), 3.81-3.86 (m, 4 H) 及び 3.92-3.98 (m, 6 H)。
【0249】
参考例37 2−メチル−4−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル
【0250】
【化75】

【0251】
DCM(50mL)中の4−ヒドロキシ−2−メチルチアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(1.87g、10mmol)の溶液に、Nの雰囲気下、−78℃でトリエチルアミン(2.08mL、15mmol)を加え、続いてトリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.85mL、11mmol)を滴下した。得られた混合物を−78℃で1時間撹拌し、次に、室温に温めた。溶媒を減圧下で除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を黄色の油状物(2.86g、90%)として得た。
[M+H] 320.0
【0252】
参考例38 6−ベンジル−2−メチル−4H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5,7−ジオン
【0253】
【化76】

【0254】
ジオキサン(80mL)中の2−メチル−4−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(6.38g、20mmol)の溶液に、Nの雰囲気下、炭酸セシウム(13.0g、40mmol)、ベンジルウレア(3.3g、22mmol)、キサントホス(0.58g、1mmol)及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.46g、0.5mmol)を加えた。得られた混合物を60℃で18時間撹拌し、室温に冷まし、次に水(500mL)に注ぎ、15分間撹拌した。得られた混合物を濾過し、濾液を回収し、減圧下で約3分の1の容量に減少させた。得られた沈殿物を濾過により回収し、エーテルで洗浄し、減圧下で乾燥させて、標記化合物を白色の固体(3.9g、72%)として得た。
[M+H] 274.1
【0255】
参考例39 4−(5−クロロ−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イルメチル)−2,2−ジメチルピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
【0256】
【化77】

【0257】
5−(5−クロロ−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イルメチル)−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製で使用された方法に従って、2,2−ジメチルピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルをヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに使用して調製した。標記化合物を黄色の固体(100mg、38%)として得た。
[M+H] 483.2
【0258】
参考例40 5−クロロ−7−モルホリン−4−イル−2−(4−モルホリン−4−イルピペリジン−1−イルメチル)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【0259】
【化78】

【0260】
5−(5−クロロ−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イルメチル)−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製で使用された方法に従って、4−ピペリジン−4−イルモルホリンをヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに使用して調製した。標記化合物を黄色の固体(220mg、39%)として得た。
[M+H] 439.2
【0261】
参考例41−クロロ−2−[(S)−1−(ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル]−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【0262】
【化79】

【0263】
5−(5−クロロ−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イルメチル)−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製で使用された方法に従って、(S)−オクタヒドロ−ピロロ[1,2−a]ピラジンをヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに使用して調製した。標記化合物を橙色の固体(131mg、46%)として得た。
[M+H] 395.4
【0264】
参考例42 4−アゼチジン−1−イル−ピペリジン
【0265】
【化80】

【0266】
ジクロロエタン(80mL)中の4−オキソ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.75g、8.88mmol)の溶液に、アゼチジン(0.6g、10.53mmol)を加え、混合物を室温で30分間撹拌した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(3.9g、18.44mmol)を加え、得られた溶液を室温で18時間撹拌した。反応混合物を水とDCMに分配し、層を分離した。有機層をDCMでさらに抽出し、合わせた水層を減圧下で濃縮した。得られた白色の半固体をDCMに懸濁し、NaHCOの飽和水溶液を加えた。層を十分に混合し、有機層を単離し、水層をDCMでさらに抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)させ、減圧下で濃縮して、4−アゼチジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを白色の固体(2.0g、95%)として得た。4−アゼチジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(400mg、1.67mmol)を、TFA:DCM(1:4)を使用してBOC−脱保護して、標記化合物を黄色の油状物(185mg、79%)として得た。
NMR δH (400 MHz, CDCl3) 1.04-1.16 (m, 2 H), 1.68 (d, J = 12.8 Hz, 2 H), 1.98-2.08 (m, 3 H), 2.55 (td, J = 12.1, 2.6 Hz, 2 H), 3.06 (dt, J = 12.8, 3.6 Hz, 2 H) 及び 3.15 (t, J = 6.9 Hz, 4 H)。
【0267】
参考例43 2−(4−アゼチジン−1−イルピペリジン−イルメチル)−5−クロロ−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【0268】
【化81】

【0269】
5−(5−クロロ−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イルメチル)−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製で使用された方法に従って、4−アゼチジン−1−イルピペリジンをヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに使用して調製した。標記化合物を黄色の固体(97mg、33%)として得た。
[M+H]+ 409.3 (35Cl) 及び 411.3 (37Cl)
【0270】
参考例44 5−クロロ−2−(4−シクロプロピルメチルピペラジン−1−イルメチル)−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【0271】
【化82】

【0272】
5−(5−クロロ−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イルメチル)−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製で使用された方法に従って、1−シクロプロピルメチルピペラジンをヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに使用して調製した。標記化合物を黄色の固体(170mg、58%)として得た。
[M+H] 409.5
【0273】
参考例45 [1−(5−クロロ−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イルメチル)−ピペリジン−4−イル]ジメチルアミン
【0274】
【化83】

【0275】
5−(5−クロロ−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イルメチル)−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製で使用された方法に従って、ジメチルピペリジン−4−イルアミンをヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに使用して調製した。標記化合物を橙色の固体(244mg、40%)として得た。
[M+H] 397.2(35Cl)及び399.2(37Cl)
【0276】
参考例46 2−[4−(5−クロロ−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イルメチル)−ピペラジン−1−イル]−イソブチルアミド
【0277】
【化84】

【0278】
ジクロロメタン(150mL)及びメタノール(150mL)中のtert−ブチル−1−ピペラジンカルボキシラート(15.0g)の溶液に、塩化水素(40mL;ジエチルエーテル中2M溶液)を0℃で加えた。混合物を室温で1.5時間撹拌し、減圧下で還元して、tert−ブチル−1−ピペラジンカルボキシラート塩酸塩(17.9g)を得た。
【0279】
水(200mL)中のtert−ブチル−1−ピペラジンカルボキシラート塩酸塩(17.9g)の溶液に、シアン化ナトリウム(3.94g)を室温で加えた。次に、水(20mL)中のアセトン(5.9mL)の溶液を滴下し、室温で48時間撹拌した。混合物を酢酸エチルと水に分配した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、分離し、乾燥(MgSO)させ、減圧下で濃縮して、4−(シアノ−ジメチル−メチル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(17.5g)を得た。
【0280】
メチルスルホキシド(20mL)中の4−(シアノ−ジメチル−メチル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(960mg)の溶液に、炭酸カリウム(104mg)を0℃で加えた。次に、過酸化水素(2.0mL;27.5重量%水溶液)を滴下した。得られた混合物を40℃に一晩加熱した。冷却した混合物に水を加え、沈殿した固体を濾過し、乾燥させて、4−(1−カルバモイル−2−メチル−エチル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(677mg)を得た。BOC−基を、標準条件下でエーテル中のHClを使用して除去して、2−ピペラジン−1−イル−イソブチルアミド二塩酸塩(600mg)を得た。
【0281】
5−(5−クロロ−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イルメチル)−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製で使用された方法に従って、2−ピペラジン−1−イル−イソブチルアミドを、ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに使用して標記化合物を調製した。標記化合物をオフホワイト(71mg、36%)の固体として得た。
[M+H] 440.2
【0282】
参考例47 2−(4−アゼチジン−1−イルピペリジン−1−イルメチル)−5−クロロ−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[5,4−d]ピリミジン
【0283】
【化85】

【0284】
DCE(8mL)中の5−クロロ−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−カルバルデヒド(308mg、1.08mmol)の溶液に、4−アゼチジン−1−イルピペリジン(166mg、1.19mmol)を加えた。得られた混合物を室温で10分間撹拌し、次にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(297mg、1.40mmol)を加えて、撹拌を18時間続けた。反応混合物をIsolute(登録商標)SCX-2カートリッジに充填し、MeOHで洗浄し、次にMeOH中の2M NHで溶離し、減圧下で濃縮して、標記化合物をオフホワイトの固体(263mg、60%)として得た。
[M+H] 409.2
【0285】
参考例48 4−(5−クロロ−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イルメチル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
【0286】
【化86】

【0287】
2−(4−アゼチジン−1−イルピペリジン−1−イルメチル)−5−クロロ−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[5,4−d]ピリミジンの調製で使用された方法に従って、ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを4−アゼチジン−1−イルピペリジンの代わりに使用して調製した。標記化合物を白色の固体(129mg、81%)として得た。
[M+H] 455.2
【0288】
参考例49 5−クロロ−2−(4−シクロプロピルピペラジン−1−イルメチル)−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[5,4−d]ピリミジン
【0289】
【化87】

【0290】
2−(4−アゼチジン−1−イルピペリジン−1−イルメチル)−5−クロロ−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[5,4−d]ピリミジンの調製で使用された方法に従って1−シクロプロピルピペラジンを4−アゼチジン−1−イルピペリジンの代わりに使用して調製した。標記化合物を白色の固体(117mg、56%)として得た。
[M+H] 395.5
【0291】
参考例50 2−[4−(5−クロロ−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イルメチル)ピペラジン−1−イル]イソブチルアミド
【0292】
【化88】

【0293】
2−(4−アゼチジン−1−イルピペリジン−1−イルメチル)−5−クロロ−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[5,4−d]ピリミジンの調製で使用された方法に従って、2−ピペラジン−1−イルイソブチルアミドを4−アゼチジン−1−イルピペリジンの代わりに使用して調製した。標記化合物を白色の固体(70mg、46%)として得た。
[M+H] 440.3
【0294】
参考例51 [1−(5−クロロ−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イルメチル)ピペリジン−4−イル]ジメチルアミン
【0295】
【化89】

【0296】
2−(4−アゼチジン−1−イルピペリジン−1−イルメチル)−5−クロロ−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[5,4−d]ピリミジンの調製で使用された方法に従って、ジメチルピペリジン−4−イルアミンを4−アゼチジン−1−イルピペリジンの代わりに使用して調製した。標記化合物を淡黄色の固体(101mg、72%)として得た。
[M+H] 397.4
【0297】
参考例52 5−クロロ−7−モルホリン−4−イル−2−(4−モルホリン−4−イルピペリジン−1−イルメチル)−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン
【0298】
【化90】

【0299】
2−(4−アゼチジン−1−イルピペリジン−1−イルメチル)−5−クロロ−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[5,4−d]ピリミジンの調製で使用された方法に従って、4−ピペリジン−4−イルモルホリンを4−アゼチジン−1−イルピペリジンの代わりに使用して調製した。標記化合物を白色の固体(104mg、67%)として得た。
[M+H] 397.4
【0300】
実施例1 5−(6−フルオロ−1H−インドール−4−イル)−2−(ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−イルメチル)−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【0301】
【化91】

【0302】
この化合物を、上記参考例2に記載のスズキカップリングの方法Bを使用して生成し、続いてTFA:DCM(1:1)を使用してBOC−脱保護した。標記化合物を淡黄色のフィルム(2.0mg、16%)として得た。
[M+H] 480.2
1H NMR (400 MHz, CH3OH-d4): δ 2.63 (dd, J = 9.6, 5.6 Hz, 2 H), 3.01 (d, J = 9.6 Hz, 2 H), 3.06 (m, 2 H), 3.20 (dd, J = 11.8, 4.3 Hz, 2 H), 3.45-3.54 (m, 2 H), 3.89 (t, J = 4.8 Hz, 4 H), 4.07 (t, J = 4.8 Hz, 4 H), 4.18 (s, 2 H), 7.24 (dd, J = 11.3, 2.4, 1 H), 7.35 (d, J = 3.2 Hz, 1 H), 7.44 (dd, J = 3.2, 1 Hz, 1 H) 及び 7.88 (dd, J = 11.3, 2.4 Hz, 1 H)。
【0303】
実施例2 5−(6−フルオロ−1H−インドール−4−イル)−2−(ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−イルメチル)−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン
【0304】
【化92】

【0305】
参考例2(スキームB)のスズキカップリングの方法Bを使用することにより調製し、続いて参考例3に従い、TFA:DCM(1:2)を使用してBOC−脱保護した。標記化合物をオフホワイト(2.0mg、16%)の固体として得た。
[M+H] 480.13
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ 2.57 (dd, J = 9.6, 5.3 Hz, 2 H), 2.98 (d, J = 9.6 Hz, 2 H), 2.99-3.06 (m, 2 H), 3.13 (dd, J = 11.7, 5.3 Hz, 2 H), 3.57 (dd, J = 11.7, 7.2 Hz, 2 H), 3.87 (t, J = 4.7 Hz, 4 H), 4.06 (s, 2 H), 4.45 (t, J = 4.7 Hz, 4 H), 7.22 (dd, J = 10.6, 2.4 Hz, 1 H), 7.30 (dd, J = 3.2, 0.9 Hz, 1 H), 7.34 (d, J = 3.2 Hz, 1 H) 及び 7.77 (dd, J = 10.6, 2.4 Hz, 1 H)。
【0306】
実施例3 2−(2,7−ジアザ−スピロ[3.5]ノナ−2−イルメチル)−5−(1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン
【0307】
【化93】

【0308】
参考例2(スキームB)のスズキカップリングの方法Bを使用することにより調製し、続いて参考例3に従って、TFA:DCM(1:2)を使用してBOC−脱保護した。標記化合物をオフホワイトの固体(15mg、29%)として得た。
[M+H] 476.3
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.74-1.79 (m, 4 H), 2.79 (t, J = 5.3 Hz, 4 H), 3.21 (s, 4 H), 3.88-3.94 (m, 4 H), 3.99 (s, 2 H), 4.45 (m, 4 H), 7.30 (t, J = 7.7 Hz, 1 H), 7.33 (t, J = 2.7 Hz, 1 H), 7.49-7.53 (m, 2 H), 8.18 (dd, J = 7.7, 1.0 Hz, 1 H) 及び 8.30 (bs, 1 H)。
【0309】
実施例4 2−(2,7−ジアザ−スピロ[3.5]ノナ−2−イルメチル)−5−(6−フルオロ−1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン
【0310】
【化94】

【0311】
参考例2(スキームB)のスズキカップリングの方法Bを使用することにより調製し、続いて参考例3に従って、TFA:DCM(1:2)を使用してBOC−脱保護した。標記化合物を淡灰色の固体(20mg、58%)として得た。
[M+H] 494.3
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.77 (t, J = 5.4 Hz, 4 H), 2.79 (t, J = 5.4 Hz, 4 H), 3.21 (s, 4 H), 3.90 (t, J = 4.6 Hz, 4 H), 3.99 (s, 2 H), 4.45 (t, J = 4.6 Hz, 4 H), 7.18 (dd, J = 8.8, 2.5 Hz, 1 H), 7.31 (t, J = 2.5 Hz, 1 H), 7.51 (m, 1 H), 7.95 (m, 1 H) 及び 8.27 (bs, 1 H)。
【0312】
実施例5 2−(2,7−ジアザ−スピロ[3.5]ノナ−2−イルメチル)−5−(5−フルオロ−1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン
【0313】
【化95】

【0314】
参考例2(スキームB)のスズキカップリングの方法Bを使用することにより調製し、続いて参考例3に従ってTFA:DCM(1:2)を使用してBOC−脱保護し、そして参考例4に従ってTBAF:THF(1:10)を使用してTBDMS−脱保護した。標記化合物を灰色の固体(49mg、55%)として得た。
[M+H] 494.3
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.75 (t, J = 5.3 Hz, 4 H), 2.78 (t, J = 5.3 Hz, 4 H), 3.20 (s, 4 H), 3.86 (m, 4 H), 4.00 (s, 2 H), 4.42 (m, 4 H), 6.93 (bs, 1 H), 7.04 (dd, J = 11.0, 8.8 Hz, 1 H), 7.28 (m, 1 H), 7.37 (dd, J = 8.8, 3.8 Hz, 1 H) 及び 8.32 (bs, 1 H)。
【0315】
実施例6 2−(3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル)−5−(1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン
【0316】
【化96】

【0317】
参考例2(スキームB)のスズキカップリングの方法Bを使用することにより調製し、続いて参考例3に従ってTFA:DCM(1:2)を使用してBOC−脱保護した。標記化合物を白色の固体(3.0mg、7%)として得た。
[M+H] 462.2
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ 2.03-2.08 (m, 2 H), 2.27-2.33 (m, 2 H), 2.73 (d, J = 12.5 Hz, 2 H), 3.03 (dd, J = 12.5, 2.7 Hz, 2 H), 3.83-3.88 (m, 4 H), 4.02 (m, 4 H), 4.45 (m, 4 H), 7.20 (t, J = 7.8 Hz, 1 H), 7.27 (dd, J = 3.2, 0.9 Hz, 1 H), 7.35 (d, J = 3.2 Hz, 1 H), 7.52 (明瞭なdt, J = 7.8, 0.9 Hz, 1 H) 及び 7.98 (dd, J = 7.8, 0.9 Hz, 1 H)。
【0318】
実施例7 2−(4−アゼチジン−1−イル−ピペリジン−1−イルメチル)−5−(1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン
【0319】
【化97】

【0320】
参考例2(スキームB)のスズキカップリングの方法Bを使用することにより調製し、続いて参考例3に従って、TFA:DCM(1:2)を使用してBOC−脱保護した。標記化合物をオフホワイトの固体(15mg、24%)として得た。
[M+H] 490.3
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ 1.15-1.29 (m, 2 H), 1.67 (d, J = 12.1 Hz, 2 H), 1.92-2.00 (m, 2 H), 2.23 (t, J = 11.30 Hz, 2 H), 2.86 (d, J = 11.0 Hz, 2 H), 3.21 (m, 3 H), 3.80 (m, 4 H), 3.88 (s, 2 H), 4.34 (m, 4 H), 7.19 (明瞭なt, J = 7.8 Hz, 1 H), 7.33 (s, 1 H), 7.45 (t, J = 2.7 Hz, 1 H), 7.53 (d, J = 7.8 Hz, 1 H), 8.09 (d, J = 7.8 Hz, 1 H) 及び 11.25 (bs, 1 H)。
【0321】
実施例8 2−[(S)−1−(ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル]−5−(1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン
【0322】
【化98】

【0323】
参考例2(スキームB)のスズキカップリングの方法Bを使用することにより調製した。標記化合物を淡黄色の固体(34mg、83%)として得た。
[M+H] 476.2
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.46 (m, 1 H), 1.60 (m, 1 H), 1.67-1.93 (m, 3 H), 2.13-2.29 (m, 2 H), 2.41 (m, 1 H), 2.55 (m, 1 H), 2.96 (d, J = 10.9 Hz, 1 H), 3.01-3.14 (m, 3 H), 3.86-3.94 (m, 6 H), 4.44 (t, J = 4.6 Hz, 4 H), 7.28-7.33 (m, 2 H), 7.47-7.52 (m, 2 H), 8.17 (dd, J = 7.5, 1.0 Hz, 1 H) 及び 8.29 (bs, 1 H)。
【0324】
実施例9 2−(3,5−ジメチル−ピペラジン−1−イルメチル)−5−(1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン
【0325】
【化99】

【0326】
参考例2(スキームB)のスズキカップリング法を使用することにより調製した。標記化合物をベージュ色の固体(24mg、62%)として得た。
[M+H] 464.3
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.05 (d, J = 6.4 Hz, 6 H), 1.86 (t, J = 10.5 Hz, 2 H), 2.86-2.92 (m, 2 H), 2.96-3.06 (m, 2 H), 3.84 (s, 2 H), 3.89 (t, J = 4.6 Hz, 4 H), 4.44 (t, J = 4.6 Hz, 4 H), 7.26-7.33 (m, 2 H), 7.47-7.52 (m, 2 H), 8.17 (dd, J = 7.7, 0.9 Hz, 1 H) 及び 8.29 (bs, 1 H)。
【0327】
実施例10 2−(2,7−ジアザ−スピロ[3.5]ノナ−2−イルメチル)−5−(6−フルオロ−1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジンギ酸塩
【0328】
【化100】

【0329】
参考例2(スキームA)のスズキカップリングの方法Bを使用することにより調製し、続いて参考例3に従って、TFA:DCM(2:3)を使用してBOC−脱保護した。標記化合物のギ酸塩をクリーム色の固体(2.6mg、12%)として得た。
[M+H] 494.2
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ 2.02 (t, J = 5.6 Hz, 4 H), 3.08-3.14 (m, 4 H), 3.37 (s, 4 H), 3.89 (t, J = 4.7 Hz, 4 H), 4.07 (t, J = 4.7 Hz, 4 H), 4.19 (s, 2 H), 7.23 (ddd, J = 10.0, 2.4, 0.9 Hz, 1 H), 7.34 (d, J = 3.2 Hz, 1 H), 7.42 (dd, J = 3.2, 0.9 Hz, 1 H), 7.86 (dd, J = 10.0, 2.4 Hz, 1 H) 及び 8.54 (bs, 1 H)。
【0330】
実施例11 5−(1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イル−2−(4−モルホリン−4−イル−ピペリジン−1−イルメチル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【0331】
【化101】

【0332】
参考例2(スキームA)のスズキカップリングの方法Bを使用することにより調製した。標記化合物を褐色のガラス状物(10mg、20%)として得た。
[M+H] 520.2
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 1.41-1.54 (m, 2 H), 1.81 (d, J = 12.3 Hz, 2 H), 2.11-2.22 (m, 1 H), 2.23-2.36 (m, 2 H), 2.44-2.49 (m, 4 H), 3.02 (d, J = 11.2 Hz, 2 H), 3.57 (t, J = 4.3 Hz, 4 H), 3.82 (t, J = 4.6 Hz, 4 H), 3.98 (t, J = 4.6 Hz, 4 H), 4.01 (s, 2 H), 7.21 (t, J = 7.8 Hz, 1 H), 7.42-7.48 (m, 2 H), 7.54 (d, J = 8.0 Hz, 1 H), 8.14 (dd, J = 7.8, 1.0 Hz, 1 H) 及び 11.25 (bs, 1 H)。
【0333】
実施例12 2−(3,3−ジメチルピペラジン−1−イルメチル)−5−(5−フルオロ−1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【0334】
【化102】

【0335】
スズキカップリングの方法Cを使用して調製し、続いてTBS及びBOC−脱保護した。標記化合物を黄色の固体(13mg、22%)として得た。
[M+H] 482.1
1H NMR (400 MHz, DMSO): δ 1.16 (s, 6 H), 2.31-2.38 (m, 2 H), 2.57 (m, 2 H), 2.87-2.94 (m, 2 H), 3.74-3.80 (m, 4 H), 3.92 (m, 4 H), 3.98 (s, 2 H), 6.73 (m, 1 H), 7.07 (dd, J = 11.4, 8.8 Hz, 1 H), 7.45 (m, 1 H), 7.48 (dd, J = 8.9, 4.0 Hz, 1 H) 及び 11.28 (s, 1H)。
【0336】
実施例13 5−(5−フルオロ−1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イル−2−(4−モルホリン−4−イルピペリジン−1−イルメチル)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【0337】
【化103】

【0338】
スズキカップリングの方法Gを使用することにより調製した。標記化合物を淡黄色の固体(101mg、76%)として得た。
[M+H] 538.1
1H NMR (400 MHz, DMSO): δ 1.42-1.55 (m, 2 H), 1.80 (d, J = 11.8 Hz, 2 H), 2.17 (tt, J = 11.1, 3.6 Hz, 1 H), 2.22-2.31 (m, 2 H), 2.44-2.49 (m, 4 H), 3.02 (d, J = 11.6 Hz, 2 H), 3.58 (m, 4 H), 3.77 (m, 4 H), 3.92 (m, 4 H), 4.01 (s, 2 H), 6.73 (m, 1 H), 7.02 (dd, J = 11.0, 8.9 Hz, 1 H), 7.43-7.50 (m, 2 H) 及び 11.27 (bs, 1 H)。
【0339】
実施例14 5−(1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イル−2−(4−モルホリン−4−イルピペリジン−1−イルメチル)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【0340】
【化104】

【0341】
スズキカップリングの方法Fを使用することにより調製した。標記化合物をオフホワイトの固体(55mg、43%)として得た。
[M+H] 520.2
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.63 (m, 2 H), 1.91 (d, J = 11.8 Hz, 2 H), 2.17-2.28 (m, 1 H), 2.29-2.39 (m, 2 H), 2.53-2.65 (m, 4 H), 3.09 (d, J = 11.1 Hz, 2 H), 3.72-3.78 (m, 4 H), 3.89-3.95 (m, 4 H), 4.00 (s, 2 H), 4.03-4.08 (m, 4 H), 7.27-7.35 (m, 2 H), 7.51 (d, J = 8.2 Hz, 1 H), 7.68 (m, 1 H), 8.32 (bs, 1 H) 及び 8.36 (m, 1 H)。
【0342】
実施例15 5−(5−フルオロ−1H−インドール−4−イル)−2−[(S)−1−(ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル]−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【0343】
【化105】

【0344】
スズキカップリングの方法Gを使用することにより調製した。標記化合物を橙色の固体(41mg、25%)として得た。
[M+H] 494.1
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.38-1.51 (m, 1 H), 1.71-1.93 (m, 3 H), 2.15-2.28 (m, 3 H), 2.37-2.46 (m, 1 H), 2.60 (td, J = 10.9, 3.0 Hz, 1 H), 2.95-3.16 (m, 4 H), 3.84-3.90 (m, 4 H), 4.00-4.05 (m, 4 H), 4.08 (d, J = 5.5 Hz, 2 H), 7.04 (dd, J = 10.9, 8.7 Hz, 1 H), 7.09-7.11 (m, 1 H), 7.28 (t, J = 2.9 Hz, 1 H), 7.35-7.40 (m, 1 H) 及び 8.30 (bs, 1 H)。
【0345】
実施例16 2−(4−アゼチジン−1−イルピペリジン−1−イルメチル)−5−(5−フルオロ−1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【0346】
【化106】

【0347】
スズキカップリングの方法Gを使用することにより調製した。標記化合物を黄色の固体(8mg、7%)として得た。
[M+H] 508.16
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ1.37-1.49 (m, 2 H), 1.71-1.79 (m, 2 H), 2.00-2.11 (m, 3 H), 2.37 (td, J = 11.5, 2.3 Hz, 2 H), 2.94-3.01 (m, 2 H), 3.20 (t, J = 6.9 Hz, 4 H), 3.87 (m, 4 H), 4.01 (m, 6 H), 7.04 (dd, J = 11.2, 8.9 Hz, 1 H), 7.09 (m, 1 H), 7.27 (m, 1 H), 7.34-7.39 (m, 1 H) 及び 8.31 (bs, 1 H)。
【0348】
実施例17 2−(4−アゼチジン−1−イルピペリジン−1−イルメチル)−5−(1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【0349】
【化107】

【0350】
スズキカップリングの方法Eを使用することにより調製した。標記化合物を黄色の固体(48mg、52%)として得た。
[M+H] 490.1
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.37-1.49 (m, 2 H), 1.71-1.79 (m, 2 H), 2.01-2.12 (m, 3 H), 2.37 (td, J = 11.3, 2.3 Hz, 2 H), 2.94-3.01 (m, 2 H), 3.16-3.24 (m, 4 H), 3.89-3.94 (m, 4 H), 4.00 (s, 2 H), 4.03-4.07 (m, 4 H), 7.28-7.34 (m, 2 H), 7.51 (bd, J = 8.0 Hz, 1 H), 7.69 (m, 1 H), 8.31 (bs, 1 H) 及び 8.36 (m, 1 H)。
【0351】
実施例18 2−(4−シクロプロピルメチルピペラジン−1−イルメチル)−5−(5−フルオロ−1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【0352】
【化108】

【0353】
スズキカップリングの方法Gを使用することにより調製し、続いてTBS−脱保護した。標記化合物を黄色の固体(74mg、35%)として得た。
[M+H] 508.1
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 0.14 (q, J = 5.0 Hz, 2 H), 0.51-0.58 (m, 2 H), 0.84-0.95 (m, 1 H), 2.33 (d, J = 5.7 Hz, 2 H), 2.58-2.84 (m, 8 H), 3.84-3.90 (m, 4 H), 4.00-4.05 (m, 6 H), 7.04 (dd, J = 11.2, 8.7 Hz, 1 H), 7.10 (m, 1 H), 7.28 (m, 1 H), 7.38 (m, 1 H) 及び 8.31 (bs, 1 H)。
【0354】
実施例19 {1−[5−(5−フルオロ−1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イルメチル]ピペリジン−4−イル}ジメチルアミン
【0355】
【化109】

【0356】
スズキカップリングの方法Dを使用することにより調製した。標記化合物を橙色の固体(67mg、45%)として得た。
[M+H] 496.1
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ1.56-1.71 (m, 4 H), 1.85-1.93 (m, 2 H), 2.13-2.22 (m, 1 H), 2.32 (s, 6 H), 3.04-3.12 (m, 2 H), 3.87 (m, 4 H), 4.02 (m, 6 H), 7.04 (dd, J = 11.1, 8.9 Hz, 1 H), 7.10 (m, 1 H), 7.28 (m, 1 H), 7.38 (ddd, J = 8.7, 3.9, 0.9 Hz, 1 H) 及び 8.31 (bs, 1 H)。
【0357】
実施例20 {1−[5−(1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イルメチル]ピペリジン−4−イル}ジメチルアミン
【0358】
【化110】

【0359】
スズキカップリングの方法Eを使用することにより調製した。標記化合物を橙色の固体(123mg、70%)として得た。
[M+H] 478.1
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.58-1.72 (m, 4 H), 1.86-1.93 (m, 2 H), 2.15-2.24 (m, 1 H), 2.33 (s, 6 H), 3.04-3.12 (m, 2 H), 3.89-3.95 (m, 4 H), 4.01 (s, 2 H), 4.03-4.09 (m, 4 H), 7.28-7.34 (m, 2 H), 7.52 (m, 1 H), 7.68 (m, 1 H), 8.32 (bs, 1 H) 及び 8.36 (dd, J = 7.4, 0.9 Hz, 1 H)。
【0360】
実施例21 2−{4−[5−(5−フルオロ−1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イルメチル]−ピペラジン−1−イル}−イソブチルアミド
【0361】
【化111】

【0362】
スズキカップリングの方法Gを使用することにより調製した。標記化合物を橙色の固体(7mg、12%)として得た。
[M+H] 539.3
1H NMR (400 MHz, DMSO): δ 1.10 (s, 6 H), 2.49-2.54 (m, 4 H, 隠れ), 2.66-2.71 (m, 4 H), 3.76-3.79 (m, 4 H), 3.90-3.93 (m, 4 H), 4.03 (s, 2 H), 6.72 (m, 1 H), 6.96 (d, J = 2.5 Hz, 1 H), 7.02 (dd, J = 11.5, 9.0 Hz, 1 H), 7.10 (d, J = 2.5 Hz, 1 H), 7.45 (t, J = 2.7 Hz, 1 H), 7.48 (ddd, J = 8.5, 4.1, 1.0 Hz, 1 H) 及び 11.27 (s, 1 H)。
【0363】
実施例22 2−(4−アゼチジン−1−イルピペリジン−1−イルメチル)−5−(5−フルオロ−1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[5,4−d]ピリミジン
【0364】
【化112】

【0365】
スズキカップリングの方法Gを使用することにより調製した。標記化合物をオフホワイトの固体(69mg、43%)として得た。
[M+H] 508.2
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ1.35-1.45 (m, 2 H), 1.67-1.74 (m, 2 H), 2.00-2.10 (m, 3 H), 2.28 (td, J = 11.1, 2.5 Hz, 2 H), 2.95 (dt, J = 12.1, 3.8 Hz, 2 H), 3.19 (t, J = 7.0 Hz, 4 H), 3.84-3.87 (m, 6 H), 4.39-4.44 (m, 4 H), 6.92-6.94 (m, 1 H), 7.04 (dd, J = 11.1, 8.9 Hz, 1 H), 7.29 (t, J = 2.9 Hz, 1 H), 7.37 (dd, J = 8.9, 3.8 Hz, 1 H) 及び 8.34 (bs, 1 H)。
【0366】
実施例23 5−(5−フルオロ−1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イル−2−ピペラジン−1−イルメチルチアゾロ[5,4−d]ピリミジン
【0367】
【化113】

【0368】
スズキカップリングの方法Gを使用することにより調製し、続いてBOC−脱保護した。標記化合物を白色の固体(46mg、37%)として得た。
[M+H] 454.1
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 2.59-2.68 (m, 4 H), 2.96 (t, J = 4.9 Hz, 4 H), 3.84-3.88 (m, 6 H), 4.39-4.43 (m, 4 H), 6.91-6.94 (m, 1 H), 7.04 (dd, J = 11.1, 8.6 Hz, 1 H), 7.29 (t, J = 3.2 Hz, 1 H), 7.37 (ddd, J = 8.9, 3.5, 0.9 Hz, 1 H) 及び 8.34 (bs, 1 H)。
【0369】
実施例24 2−(4−シクロプロピルピペラジン−1−イルメチル)−5−(5−フルオロ−1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[5,4−d]ピリミジン
【0370】
【化114】

【0371】
スズキカップリングの方法Gを使用することにより調製した。標記化合物を白色の固体(63mg、46%)として得た。
[M+H] 494.1
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 0.38-0.49 (m, 4 H), 1.64-1.70 (m, 1 H), 2.61-2.75 (m, 8 H), 3.86 (t, J = 5.1 Hz, 4 H), 3.88 (s, 2 H), 4.39-4.44 (m, 4 H), 6.92-6.94 (m, 1 H), 7.04 (dd, J = 11.1, 8.6 Hz, 1 H), 7.29 (t, J =3.2 Hz, 1 H), 7.37 (ddd, J= 8.9, 3.5, 0.9 Hz, 1 H) 及び 8.31 (bs, 1 H)。
【0372】
実施例25 2−{4−[5−(1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イルメチル]ピペラジン−1−イル}イソブチルアミド
【0373】
【化115】

【0374】
スズキカップリングの方法Fを使用することにより調製した。標記化合物をオフホワイト(83mg、47%)の固体として得た。
[M+H] 521.2
1H NMR (400 MHz, DMSO): δ 1.10 (s, 6 H), 2.47-2.52 (m, 4 H), 2.62-2.67 (m, 4 H), 3.81 (t, J = 4.5 Hz, 4 H), 3.92 (s, 2 H), 4.33-4.38 (m, 4 H), 6.97 (d, J = 2.8 Hz, 1 H), 7.08 (d, J = 2.8 Hz, 1 H), 7.20 (t, J = 7.4 Hz, 1 H), 7.34-7.36 (m, 1 H), 7.46 (t, J = 2.8 Hz, 1 H), 7.54 (d, J = 8.1 Hz, 1 H), 8.10 (d, J = 7.4 Hz, 1 H) 及び 11.31 (bs, 1 H)。
【0375】
実施例26 2−{4−[5−(5−フルオロ−1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イルメチル]ピペラジン−1−イル}イソブチルアミド
【0376】
【化116】

【0377】
スズキカップリングの方法Gを使用することにより調製した。標記化合物をオフホワイトの固体(15mg、17%)として得た。
[M+H] 539.3
1H NMR (400 MHz, DMSO): δ 1.09 (s, 6 H), 2.46-2.51 (m, 4 H), 2.60-2.67 (m, 4 H), 3.76 (t, J = 5.1 Hz, 4 H), 3.93 (s, 2 H), 4.27-4.32 (m, 4 H), 6.69-6.71 (m, 1 H), 6.97 (d, J = 3.5 Hz, 1 H), 7.00 (dd, J = 11.1, 8.9 Hz, 1 H), 7.08 (d, J = 3.5 Hz, 1 H), 7.44-7.49 (m, 2 H), 及び 11.31 (bs, 1 H)。
【0378】
実施例27 {1−[5−(1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イルメチル]ピペリジン−4−イル}ジメチルアミン
【0379】
【化117】

【0380】
スズキカップリングの方法Bを使用することにより調製した。標記化合物を褐色の固体(75mg、62%)として得た。
[M+H] 478.2
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.59-1.71 (m, 2 H), 1.87 (d, J = 12.6 Hz, 2 H), 2.25 (dt, J = 12.2, 1.8 Hz, 3 H), 2.35 (s, 6 H), 3.07 (d, J = 12.0 Hz, 2 H), 3.87 (s, 2 H), 3.90 (t, J = 4.3 Hz, 4 H), 4.43-4.46 (m, 4 H), 7.30 (t, J = 7.5 Hz, 1 H), 7.34 (t, J = 2.5 Hz, 1 H), 7.50 (d, J = 8.7 Hz, 1 H), 7.51-7.53 (m, 1 H), 8.18 (d, J = 7.1 Hz, 1 H) 及び 8.30 (bs, 1 H)。
【0381】
実施例28 5−(1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イル−2−(4−モルホリン−4−イルピペリジン−1−イルメチル)チアゾロ[5,4−d]ピリミジン
【0382】
【化118】

【0383】
スズキカップリングの方法Bを使用することにより調製した。標記化合物を褐色の固体(38mg、64%)として得た。
[M+H] 520.2
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.63 (qd, J = 11.3, 3.7 Hz, 2 H), 1.87 (d, J = 11.3 Hz, 2 H), 2.18-2.29 (m, 3 H), 2.55-2.59 (m, 4 H), 3.07 (d, J = 11.9 Hz, 2 H), 3.72-3.76 (m, 4 H), 3.86 (s, 2 H), 3.90 (t, J = 5.1 Hz, 4 H), 4.43-4.47 (m, 4 H), 7.30 (t, J = 8.1 Hz, 1 H), 7.34 (t, J = 2.9 Hz, 1 H), 7.49-7.53 (m, 2 H), 8.18 (d, J = 7.6 Hz, 1 H) 及び 8.29 (bs, 1 H)。
【0384】
実施例29 5−(5−フルオロ−1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イル−2−(4−モルホリン−4−イルピペリジン−1−イルメチル)チアゾロ[5,4−d]ピリミジン
【0385】
【化119】

【0386】
スズキカップリングの方法Cを使用することにより調製した。標記化合物を褐色の固体(27mg、45%)として得た。
[M+H] 538.2
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.63 (qd, J = 11.3, 3.7 Hz, 2 H), 1.87 (d, J = 11.3 Hz, 2 H), 2.18-2.29 (m, 3 H), 2.55-2.59 (m, 4 H), 3.07 (d, J = 11.9 Hz, 2 H), 3.72-3.76 (m, 4 H), 3.84-3.87 (m, 6 H), 4.40 (m, 4 H), 6.92-6.94 (m, 1 H), 7.05 (dd, J = 11.0, 8.5 Hz, 1 H), 7.29 (t, J = 2.0 Hz, 1 H), 7.38 (dd, J = 8.4, 4.2 Hz, 1 H) 及び 8.24 (bs, 1 H)。
【0387】
実施例30 生物学的試験
前記実施例に記載したようにして調製した本発明の化合物を、以下の生物学的アッセイに付した。
【0388】
PI3K生化学的スクリーニング
PI3Kの化合物阻害を、精製された組換え酵素及び濃度1uMのATPを用いる放射分析アッセイで測定した。全ての化合物を100% DMSOで連続希釈した。キナーゼ反応を室温で1時間インキュベートし、PBSの添加により反応を停止させた。続いてS字用量反応曲線(可変勾配)への当て嵌めを用いてIC50値を決定した。試験を行った全化合物が、PI3Kに対して50μM以下のIC50を有していた。典型的には、PI3Kのp110δアイソフォームに対するIC50は500nMを下回った。
【0389】
実施例31 錠剤組成物
本発明の化合物25mgを含有する、各々重量0.15gの錠剤を以下のように製造した:
10000個の錠剤のための組成物
本発明の化合物(250g)
乳糖(800g)
トウモロコシデンプン(415g)
タルク粉末(30g)
ステアリン酸マグネシウム(5g)
【0390】
本発明の化合物、乳糖及び半量のトウモロコシデンプンを混合した。次に混合物を0.5mmメッシュサイズの篩で強制篩過した。トウモロコシデンプン(10g)を温水(90ml)に懸濁する。得られたペーストを用いて粉末を造粒した。この顆粒を乾燥させ、1.4mmメッシュサイズの篩上で小フラグメントに破砕した。残量のデンプン、タルク及びマグネシウムを加え、注意深く混合し、錠剤に加工した。
【0391】
実施例32 注射用製剤
本発明の化合物 200mg
0.1M塩酸溶液、又は
0.1M水酸化ナトリウム溶液 pH4.0〜7.0とするのに適量
滅菌水 10mlとするのに適量
【0392】
本発明の化合物を大部分の水(35°〜40℃)に溶解し、塩酸又は水酸化ナトリウムを適宜加えてpHを4.0〜7.0の間に調整した。次いでこのバッチを水で規定容量とし、無菌マイクロポアフィルターで濾過して、滅菌10mlアンバーガラスバイアル(1型)に入れ、滅菌閉鎖手段及びオーバーシールで密封した。
【0393】
実施例33 筋肉内注射剤
本発明の化合物 200mg
ベンジルアルコール 0.10g
グリコフロール75 1.45g
注射用水 全量を3.00mlとするのに適量
【0394】
本発明の化合物をグリコフロールに溶解した。次にベンジルアルコールを加えて溶解し、水を加えて3mlとした。次いで混合物を滅菌マイクロポアフィルターで濾過し、滅菌した3mlガラスバイアル(1型)に封入した。
【0395】
実施例34 シロップ製剤
本発明の化合物 250mg
ソルビトール溶液 1.50g
グリセロール 2.00g
安息香酸ナトリウム 0.005g
香料 0.0125ml
精製水 全量を5.00mlとする適量
【0396】
本発明の化合物をグリセロール及び大部分の精製水の混合物に溶解した。次にこの溶液に安息香酸ナトリウム水溶液を加え、次いでソルビトール溶液、最後に香料を加えた。精製水で規定の容量とし、良く混合した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化120】


{式中、
Wは、チアゾール環を表し;
及びRは、それらが結合しているN原子と一緒になって、以下の式(IIa):
【化121】


[式中、Aは、
(a)N、S及びOから選択される0又は1個のさらなるヘテロ原子を含む四〜七員飽和N含有複素環(この環は、非置換であるか又は置換されている);
(b)N、S及びOから選択される0又は1個のさらなるヘテロ原子を含む四〜七員飽和N含有複素環(この環は、上記と同義の四〜七員飽和N含有複素環、五〜十二員不飽和複素環、五〜七員飽和O含有複素環、三〜十二員飽和炭素環及び五〜十二員不飽和炭素環から選択される第二の環に縮合して多環式複素環系を形成し、該多環式複素環系は非置換であるか又は置換されている);
(c)N、S及びOから選択される0又は1個のさらなるヘテロ原子を含み、そしてさらに、2個の環構成原子を連結する、−(CR’−及び(CR’−O−(CR’−(ここで、各R’は、独立してH又はC−Cアルキルであり、nは、1、2又は3であり、rは、0又は1であり、そしてsは、0又は1である)から選択される橋頭基を含み、残りの環位置は非置換であるか又は置換されている、四〜七員飽和N含有複素環;及び、
(d)式(IIb):
【化122】


[式中、環Bは、N、S及びOから選択される0又は1個のさらなるヘテロ原子を含む四〜七員飽和N含有複素環であり、そして環B’は、三〜十二員飽和炭素環、五〜七員飽和O含有複素環、又は上記と同義の四〜七員飽和N含有複素環である(B及びB’の各々は、非置換であるか又は置換されている)]で示される基;
から選択される]
で示される基を形成するか、あるいは
及びRのうち一方は、C−Cアルキルであり、そしてR及びRのうち他方は、非置換であるか又は置換されている三〜十二員飽和炭素環基、非置換であるか又は置換されている五〜十二員不飽和炭素環基、非置換であるか又は置換されている五〜十二員不飽和複素環基、非置換であるか又は置換されている四〜十二員飽和複素環基、及びC−Cアルキル基(これは、非置換であるか又は置換されている三〜十二員飽和炭素環基、非置換であるか又は置換されている五〜十二員不飽和炭素環基、非置換であるか又は置換されている五〜十二員不飽和複素環基、及び非置換であるか又は置換されている四〜十二員飽和複素環基から選択される基で置換されている)から選択され;
mは、0、1又は2であり;
は、H又はC−Cアルキルであり;そして、
は、非置換であるか又は置換されているインドール基である}
で示されるチアゾロピリミジンである化合物又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項2】
チアゾロピリミジンが、式(Ia):
【化123】


[式中、R、R、R、R及びmは、請求項1と同義である]
で示される化合物である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
チアゾロピリミジンが、式(Ib):
【化124】


[式中、R、R、R、R及びmは、請求項1と同義である]
で示される化合物である、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
が、非置換であるか、又はCN、ハロ、−C(O)NR、ハロ(C−C)アルキル、−SOR、−SONR、ならびにO、N及びSから選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含む五員ヘテロアリール基から選択される基で置換されているインドール基である(ここで、Rは、H又はC−Cアルキルである)、請求項1〜3のいずれか一項記載の化合物。
【請求項5】
下記:
5−(6−フルオロ−1H−インドール−4−イル)−2−(ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−イルメチル)−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−(6−フルオロ−1H−インドール−4−イル)−2−(ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−イルメチル)−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン;
2−(2,7−ジアザ−スピロ[3.5]ノナ−2−イルメチル)−5−(1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン;
2−(2,7−ジアザ−スピロ[3.5]ノナ−2−イルメチル)−5−(6−フルオロ−1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン;
2−(2,7−ジアザ−スピロ[3.5]ノナ−2−イルメチル)−5−(5−フルオロ−1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン;
2−(3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル)−5−(1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン;
2−(4−アゼチジン−1−イル−ピペリジン−1−イルメチル)−5−(1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン;
2−[(S)−1−(ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル]−5−(1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン;
2−(3,5−ジメチル−ピペラジン−1−イルメチル)−5−(1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン;
2−(2,7−ジアザ−スピロ[3.5]ノナ−2−イルメチル)−5−(6−フルオロ−1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジンギ酸塩;
5−(1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イル−2−(4−モルホリン−4−イル−ピペリジン−1−イルメチル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
2−(3,3−ジメチルピペラジン−1−イルメチル)−5−(5−フルオロ−1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−(5−フルオロ−1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イル−2−(4−モルホリン−4−イルピペリジン−1−イルメチル)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−(1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イル−2−(4−モルホリン−4−イルピペリジン−1−イルメチル)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−(5−フルオロ−1H−インドール−4−イル)−2−[(S)−1−(ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル]−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
2−(4−アゼチジン−1−イルピペリジン−1−イルメチル)−5−(5−フルオロ−1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
2−(4−アゼチジン−1−イルピペリジン−1−イルメチル)−5−(1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
2−(4−シクロプロピルメチルピペラジン−1−イルメチル)−5−(5−フルオロ−1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
{1−[5−(5−フルオロ−1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イルメチル]ピペリジン−4−イル}ジメチルアミン;
{1−[5−(1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イルメチル]ピペリジン−4−イル}ジメチルアミン;
2−{4−[5−(5−フルオロ−1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イルメチル]−ピペラジン−1−イル}−イソブチルアミド;
2−(4−アゼチジン−1−イルピペリジン−1−イルメチル)−5−(5−フルオロ−1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[5,4−d]ピリミジン;
5−(5−フルオロ−1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イル−2−ピペラジン−1−イルメチルチアゾロ[5,4−d]ピリミジン;
2−(4−シクロプロピルピペラジン−1−イルメチル)−5−(5−フルオロ−1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[5,4−d]ピリミジン;
2−{4−[5−(1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イルメチル]ピペラジン−1−イル}イソブチルアミド;
2−{4−[5−(5−フルオロ−1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イルメチル]ピペラジン−1−イル}イソブチルアミド;
{1−[5−(1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イルチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イルメチル]ピペリジン−4−イル}ジメチルアミン;
5−(1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イル−2−(4−モルホリン−4−イルピペリジン−1−イルメチル)チアゾロ[5,4−d]ピリミジン;及び
5−(5−フルオロ−1H−インドール−4−イル)−7−モルホリン−4−イル−2−(4−モルホリン−4−イルピペリジン−1−イルメチル)チアゾロ[5,4−d]ピリミジン
から選択される化合物、及び薬学的に許容されるその塩。
【請求項6】
薬学的に許容される担体又は希釈剤、及び活性成分として請求項1〜5のいずれか一項に定義の化合物を含む、医薬組成物。
【請求項7】
治療によるヒト又は動物の身体の医学的処置方法において使用するための、請求項1〜5のいずれか一項に定義の化合物。
【請求項8】
PI3キナーゼに関連する異常細胞の増殖、機能又は挙動に起因する疾患又は障害を処置するための、請求項1〜5のいずれか一項に定義の化合物。
【請求項9】
PI3キナーゼに関連する異常細胞の増殖、機能又は挙動に起因する疾患又は障害を処置するための医薬の製造における、請求項1〜5のいずれか一項に定義の化合物の使用。
【請求項10】
医薬が、癌、免疫不全、心血管疾患、ウイルス感染、炎症、代謝/内分泌機能障害及び神経障害を処置するためのものである、請求項9記載の使用。
【請求項11】
PI3キナーゼに関連する異常細胞の増殖、機能又は挙動に起因する疾患又は障害を処置する方法であって、請求項1〜5のいずれか一項に定義の化合物を、それを必要とする患者に投与することを含む、方法。
【請求項12】
疾患又は障害が、癌、免疫不全、心血管疾患、ウイルス感染、炎症、代謝/内分泌機能障害及び神経障害から選択される、請求項11記載の方法。

【公表番号】特表2010−529182(P2010−529182A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−511720(P2010−511720)
【出願日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際出願番号】PCT/GB2008/002014
【国際公開番号】WO2008/152390
【国際公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】