説明

チェーンベルトを有する伝動素子

【課題】チェーンベルトが転動体との接触を継続的に保持し、捻回と屈曲を伴う運行ルートの壁面との干渉も回避すること。
【解決手段】複数の間隔部材と2つの接続ベルトを含み、接続ベルトが複数の間隔部材の両側に位置し、各間隔部材の間に等距離の収納空間を有し、収納空間の中に転動体を容置し、各間隔部材が同一方向に配列したU字形を呈していて、各間隔部材の縦方向の両側が1つの凹部と1つの凸部を有し、凹部が2つ以上の第2の保持面を有し、凸部が1つの第1の保持面を有し、第1の保持面と第2の保持面が転動体を収納空間内に自由に転動するように保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は伝動素子に関し、特にチェーンベルトを有する伝動素子に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、伝動素子の騒音減少および転動体間の摩擦減少のために、チェーンベルトを有する伝動素子が開発されている。従来の伝動素子は、1つのチェーンベルトの中に複数の転動体を個別に収容して、各転動体が互いに衝突して騒音を生じない構造になっていて、従って騒音の発生を低減できることの他に、更に転動体が互いに接触して摩擦を生じることを防止できるので、伝動素子の使用寿命を延長でき、且つ一定の精度を維持できる等の数多くの利点がある。
【0003】
チェーンベルトを設置した伝動素子は、数多くの利点があるが、チェーンベルトの構造設計が伝動素子の運行ルートに対応して運動できなければ、逆に伝動素子の運行が不順調で、且つ精度が低下し、更に激しい損壊を引き起すおそれがある。
例えば特許文献1(米国特許第5993064号公報)に開示された交差方式のチェーンベルト構造は、直列する多数のリング体を2本結合して端部から見たときに十字形を呈していて、そしてこの構造では転動体とリング体が弧形状の線接触の形態で接触している。
特許文献1に記載された伝動素子にあっては、屈曲または捻回のように複雑な運行ルートに対応することが極めて困難であり、さらにこれらのリング体が押し出しと引っ張りを受けて変形して運行ルートの壁面に干渉するので、チェーンベルトが容易に断裂し易くなって循環が不順調になるといった問題を引き起こす。
【0004】
その他に、例えば転動体の間に介挿する多数の間隔部材と、各間隔部材の間を連結する二つの連結ベルトとにより構成するチェーンベルトが特許文献2(日本国特許第2607993号公報)に開示されている。
間隔部材はその両側に凹部(保持面)を形成していて、凹部と転動体との間が全面的な弧形状の線接触をしている。そしてこのチェーンベルトは、捻回、屈曲または捻回と屈曲が共存する時に、無制限循環ルートの中に、間隔部材の凹部と転動体との接触を確実に保持できず、更に屈曲ルートに位置する時に、チェーンベルトの屈曲により、間隔部材が屈曲流路の内側へ変位して間隔部材が屈曲流路の内側の壁面と接触してその間に摩擦を生じることにより、伝動素子の運行が不順調となる。
従って以上に説明した従来技術は、何れも改善する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5993064号公報
【特許文献2】日本国特許第2607993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
即ち、本発明の主要な目的は、伝動素子の運行ルートの中に、チェーンベルトが捻回と屈曲を行う時に、転動体との接触を継続的に保持でき、且つ如何なる方向の捻回と屈曲を行うことが出来、運行ルートの壁面に干渉しないチェーンベルトを有する伝動素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の目的を達成するために、本発明は、チェーンベルトを有する伝動素子で、1つの長軸、1つの移動体、少なくとも1つの逆流素子、複数の転動体と1つのチェーンベルトを含み、長軸は、転動溝を1つ設け、移動体は、長軸の嵌設に供する容置部を1つ設け、容置部が転動溝に対応する転動槽を1つ設け、転動溝と転動槽が負荷ルートを1つ構成し、逆流素子は、移動体の上に固定され、逆流素子が逆流パスを1つ設け、逆流パスと負荷ルートが無制限循環ルートを1つ構成し、転動体は、無制限循環ルートの中に容置され、該長軸と移動体との伝動媒質と見なし、チェーンベルトは、複数の間隔部材と2つの接続ベルトを含み、接続ベルトが等間隔部材の両側に位置し、各間隔部材を接続するために用いられ、該各間隔部材の間に等距離の収納空間を1つ有し、収納空間がその中に転動体を容置するように供し、接続ベルトに沿って延伸する方向を、縦方向と定義し、各間隔部材が同方向の排列を呈するU字型構造で、且つ各間隔部材の縦方向の両側が1つの凹部と1つの凸部をそれぞれ成形し、凹部が少なくとも2つ以上の第2の保持面を有し、凸部が1つの第1の保持面を有し、第1の保持面と第2の保持面が転動体を収納空間の内に自由に転動するように保持される。
【0008】
以下に前述のチェーンベルトの細部構造を説明するが、その中でも、間隔部材の凹部が2つ以上の曲面で構成された凹部構造で、且つ凹部の各第2の保持面と転動体との接触領域が1つの弧面または1つの球面を共同で形成し、間隔部材の凸部の第1の保持面と転動体が同心の同心円を互いに交差し或いは積み重ね、且つ第1の保持面が平面構造、円弧面構造または多辺面構造である。
【0009】
収納空間は、転動体を容置した後に、1つ以上の油脂貯蔵空間を有し、潤滑油の貯蔵用に供することにより、充分な潤滑油を転動体へ提供し、転動体を各収納空間に容置し、そして各転動体とその両側の2つの間隔部材との間に、それぞれ油脂貯蔵空間を1つ有し、且つ間隔部材の凹部が転動体と接触する範囲は、凸部の転動体と接触する範囲よりも大きくなることにより、転動体と間隔部材の第1の保持面との間における油脂貯蔵空間が、転動体と間隔部材の第2の保持面との間における油脂貯蔵空間よりも大きくなる。
【0010】
そしてチェーンベルトは、側方向の外形が略矩形を呈する構造で、且つ間隔部材の高さが転動体の直径の0.35〜0.45倍で、最も好ましくは0.4倍で、更に接続ベルトの高さと間隔部材の高さも、等しいであってもよく、そして最も好ましくは、この構造であるので、捻回、屈曲または捻回と屈曲が共存する時に、無制限循環ルートの中における運行が周知のチェーンベルトよりも順調し、周知のチェーンベルトの間隔部材の高さが比較的高い且つ転動体が弧形状の線接触であるので、捻回、屈曲または捻回と屈曲が共存する時に、無制限循環ルートの中に、間隔部材と転動体が単辺接触を呈してもよく、間隔部材の受力が不均一となり、このようにしたら、間隔部材が磨損しやすくなり、従ってそうしたら、チェーンベルトの使用寿命が短くなる。
【0011】
最後に本発明のチェーンベルトを無制限循環ルートに設置する際に、チェーンベルトの設けた第1の端部と第2の端部が互いに接続でき(その接続方式が凹凸構造の係合、干渉の対応または粘着などの方式を使用して接続でき)、該チェーンベルトが無端状を形成し、このようにしたら、チェーンベルトの両端部が運行する時に、無制限循環ルートに干渉を生成できず、従って循環の順調度を向上できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、捻回と屈曲を伴う運行ルートを、チェーンベルトが運行するときに、チェーンベルトが転動体との接触を継続的に保持でき、且つ如何なる方向の捻回と屈曲を行うことも出来て、さらに運行ルートの壁面との干渉も回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明のチェーンベルトを有する伝動素子の部分断面模式図である。
【図2】本発明のチェーンベルトの斜視模式図である(間隔部材にスルーホールを有しない)。
【図3】本発明のチェーンベルトが転動体に対応する平面模式図である。
【図4】本発明のチェーンベルトの側面模式図である。
【図5】本発明の図3のチェーンベルトの部分拡大模式図である。
【図6】本発明の図5のチェーンベルトの間隔部材の凸部の他の実施様態である。
【図7】本発明のチェーンベルトの斜視模式図である(間隔部材にスルーホールを有しない実施例)。
【図8】本発明の図7のチェーンベルトの断面模式図である。
【図9】本発明の図7のチェーンベルトの平面模式図である。
【図10】本発明の図7のチェーンベルトが転動体に対応する平面模式図である。
【図11】本発明のチェーンベルトの斜視模式図である(間隔部材にスルーホールを有する実施例)。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下図面を参照しながら本発明の実施例について説明する。
先ず、図1乃至図4を参照して説明する。本発明に係るチェーンベルトを有する伝動素子は、1つの長軸1と、1つの移動体2と、少なくとも1つの逆流素子3と、複数の転動体5と1つのチェーンベルト4を含む。
【0015】
長軸1はその外周面に螺旋状を呈するひとつの転動溝11を有する。
移動体2は長軸1に嵌設(螺合)するひとつの容置部21を有し、この容置部21の内周面には前記転動溝11と対応するひとつの螺旋状を呈する溝状の転動槽211を有する。
前記転動溝11と転動槽211との間にひとつの負荷ルート60を形成している。
【0016】
逆流素子3は移動体2の上に固定して設けられる。逆流素子3にはひとつの逆流パス(未図示)を設け、逆流パスと負荷ルート60とによりひとつの無制限循環ルート(未図示)を構成する。
【0017】
転動体5は無制限循環ルートの中に収容されて、長軸1と移動体2との伝動媒質(伝動媒体)として機能する。
【0018】
チェーンベルト4は、距離を隔てて配置した複数の間隔部材42と、2つの接続ベルト41を含む。
2つの接続ベルト41は複数の間隔部材42の両側に位置し、各間隔部材42を接続するために用いられる。
各間隔部材42の間には等距離の収納空間43を形成している。
収納空間43に面した各接続ベルト41の一側面(内面)にはひとつの凹面413を凹設し、収納空間43の中に転動体5を収容できるようになっている。
図2に示すように、接続ベルト41に沿った延伸方向を縦方向Gと定義すると、各間隔部材42は平面形状が略U字形を呈していて、同一方向に向け所定の間隔を隔てて配列されている。各間隔部材42の縦方向Gの両側には1つの凹部421と1つの凸部422をそれぞれ形成している。
凹部421は少なくとも2つの第2の保持面423を有する。
凸部422は1つの第1の保持面424を有する。
転動体5を収納空間43内に収容したとき、第1の保持面424と第2の保持面423が転動体5を収納空間43内で自由に転動するように保持でき、且つ2つの凹面413が転動体5の両側に寄り付くように形成されている。
【0019】
更に図11に示すように、第1の保持面424と第2の保持面423の上にも、スルーホール(更に凹槽の形態であってもよい)425を形成してもよい。
本例のように形成すると、第1の保持面424と第2の保持面423との間で転動体5が転動するときに転動体5の転動がより穏やかとなる。
【0020】
以上の説明は、本発明の実施例に係る主要な部材およびその組立体の説明であるが、以下により詳しく説明する。
【0021】
先ず図3を参照して説明する。本発明のチェーンベルトを有する伝動素子は、チェーンベルト4の間隔部材42の外形が略U字形を呈した構造であるので、収納空間43の縦方向Gの両側が非対称の構造型式となる。
そして収納空間43は球状の転動体5を収容するとその間に1つ以上の油脂貯蔵空間Xを形成する。油脂貯蔵空間Xは潤滑油の貯蔵用に供することにより、充分な潤滑油を転動体5へ提供することができる。
【0022】
間隔部材42の凹部421が転動体5と接触する範囲は、間隔部材42の凸部422が転動体5と接触する範囲よりも大きい。転動体5と間隔部材42の第1の保持面424との間における油脂貯蔵空間Xは、転動体5と間隔部材42の第2の保持面422との間における油脂貯蔵空間Xよりも大きい。
【0023】
再び図3、図5、図6を参照して説明する。
チェーンベルト4が運行する時には、チェーンベルト4が引き止めと転動体5の押し出しを受けて変形しようとする。
本発明では間隔部材42の縦方向Gの両側にそれぞれ凹部421と凸部422とを有する外形形状が平面略U字形に形成されている。これにより、転動体5の外周面と、転動体5を収容する間隔部材42の凹部421との間に、少なくとも2つの第2の保持面423を形成することになる。したがって、チェーンベルト4の運行に伴い、転動体5を通じた外力が間隔部材42に作用するが、この外力を少なくとも2つの第2の保持面423で均一に受け止めるため、間隔部材42の変形量を減少させることができる。
その結果、チェーンベルト4の使用寿命を延長できる。
【0024】
図5、図6を参照しながら間隔部材42の平面形状(平面に投影した形状)について詳しく説明する。
図5,6において、各間隔部材42の凸部422の第1の保持面424は、これを図5,6の紙面表側から見た場合の輪郭線と、転動体5を同様に見た場合の輪郭線(円)と同心の仮想の同心円Cとが、互いに交差する関係となるか、或いは、略重なり合う若しくは重なり合う関係となるように形成されている。
【0025】
すなわち、換言すると図5,6において、各間隔部材42の凸部422に形成される第1の保持面424の中央部の輪郭線は、転動体5の中心を中心とする仮想の同心円Cの一部の輪郭線と互いに交差する関係、或いは、略重なり合う関係、若しくは完全に重なり合う関係となるように形成されている。
【0026】
図5では、第1の保持面424は、これを図5の紙面表側から見た場合の輪郭線が複数の直線で以って多辺形をなすように、且つ、当該多角形が球状の転動体5を図5の紙面表側から見た場合の輪郭線(円)と接触するように(略重なり合う関係)、形成されている。
【0027】
すなわち、これを換言すると、図5に示すように、第1の保持面424の輪郭線が複数の直線で以って多辺形をなす場合は、第1の保持面424の輪郭線と、仮想の同心円Cの一部の輪郭線とが略重なり合う関係に形成されている。
【0028】
図6では、第1の保持面424は、これを図6の紙面表側から見た場合の輪郭線が、転動体5を図6の紙面表側から見た場合の輪郭線(円)と同心の仮想の同心円Cの一部の円弧面をなすように(重なり合う関係)、且つ、球状の転動体5の外周面と接触するように、形成されている。
【0029】
すなわち、これを換言すると、図6に示すように、第1の保持面424の輪郭線が円弧形をなす場合は、第1の保持面424の輪郭線と、仮想の同心円Cの一部の輪郭線とが、重なり合う関係に形成されている。
【0030】
図5および図6の何れの形態にあっても、各間隔部材42の凸部422はその第1の保持面424の一箇所が球状の転動体5の外周面と点接触する関係にあり、各間隔部材42の凹部421はその各第2の保持面423との接触箇所で球状の転動体5の外周面と点接触する関係にあればよい。
【0031】
つぎに本発明のチェーンベルトの側面模式図を示した図4を参照して説明する。
チェーンベルト4は接続ベルト41の延伸方向(縦方向G)に沿って各間隔部材42が設けてある。
チェーンベルト4は、側方向Yの外形が略矩形を呈していて、且つ間隔部材42の高さhが転動体5の直径の0.35〜0.45倍であり、より好ましくは0.4倍である。
更に図4では間隔部材43の高さhが接続ベルト41の高さHより少し大きい形態を示しているが、より好ましくは、間隔部材43の高さhと接続ベルト41の高さHが共に等しい構造である。
チェーンベルト4を上記した好ましい寸法関係に形成することで、チェーンベルト4が捻回、屈曲または捻回と屈曲が共存する無制限循環ルートを運行する際に、従来のチェーンベルトと比べてより順調に運行することができる。
【0032】
従来のチェーンベルトでは、間隔部材の高さが比較的高く、且つ転動体が弧形状の線接触の形態となるので、捻回、屈曲または捻回と屈曲が共存する無制限循環ルートを運行するときに、間隔部材と転動体が単辺接触となって、間隔部材が受ける外力が不均一となり、そのため間隔部材が摩耗したり破損し易くなって、チェーンベルトの使用寿命が短くなることは既述したとおりである。
【0033】
再び図2、図3と図11を参照して説明する。
本発明のチェーンベルト4を無制限循環ルートに設置する際、チェーンベルト4の第1の端部411と第2の端部412とを互いに接続する(その接続方式は凹凸の係合構造、干渉の対応、超音波による熔接、または粘着等の公知の接続方式を適用可能)。
このようにしてチェーンベルトを無端状を形成する。
このように形成したら、チェーンベルトの両端部の接続部が運行する時に、無制限循環ルートに干渉せずに済むので、循環の順調度を向上できる。
【0034】
図7乃至図10を参照しながら、間隔部材にスルーホールを有しない実施例について説明する。
図7に示す実施例に係るチェーンベルト4は、複数の間隔部材42と2つの接続ベルト41を含む。
接続ベルト41は複数の間隔部材42の両側に位置して、各間隔部材42を接続するために機能する。
各間隔部材42の間には等距離の収納空間43を有する。収納空間43はその中に転動体5を容置する。
接続ベルト41に沿って延伸する方向を縦方向Gと定義すると、各間隔部材42は同一方向に向けて配列されていて、平面形状がU字形を呈している。
各間隔部材42の縦方向Gの両側が1つの凹部421と1つの凸部422とをそれぞれ形成していて、凹部421は少なくとも2つの第2の保持面423を有し、凸部422は1つの第1の保持面424を有する。第1の保持面424と第2の保持面423が転動体5を収納空間43内に自由に転動する状態で保持する。
【0035】
図8は図7に示したチェーンベルトの断面を模式した図であり、間隔部材42の高さhが転動体5の直径の0.35〜0.45倍であり、より好ましくは0.4倍であり、且つ接続ベルト41の高さHと間隔部材43の高さhも等しいであってもよい。
そして最も好まししい構造は上記した寸法関係にあることである。
【0036】
図7、図9、図10を参照して説明する。
本実施例においては、チェーンベルト4の間隔部材42の凹部421を2つ以上の曲面で構成している。
凹部421の各第2の保持面423と転動体5との接触領域が1つの弧面、または1つの球面を共同で形成している。
間隔部材42の凸部422の第1の保持面424と転動体5が同心である。
凸部422の第1の保持面424は平面構造、円弧面構造または多辺面構造のいずれであってもよい。
要は各転動体5を各収納空間43内に収容したときに収納空間43内に各転動体5と各凸部423との接触領域の両側に潤滑油脂を保持するための空間が形成してあればよい。
【0037】
以上説明したように、本発明に係るチェーンベルトを有する伝動素子は、転動体との間の接触面積を低減することでチェーンベルトと転動体との間の摩擦力を低減するものである。
さらに間隔部材の高度設計により、捻回または屈曲する時に、何れもチェーンベルトが順調に運行でき、且つ無制限循環ルートとの干渉を回避できることにより、チェーンベルトの使用寿命が大幅に向上する。
【0038】
以上に述べた実施例の記載は本発明の実施例を説明するためのものであり、本発明を限定するために用いられるものではなく、従って例えば数字の変化および等価な素子置換も本発明の範疇に含まれるべきものである。
【符号の説明】
【0039】
C 同心円
G 縦方向
H 接続ベルトの高さ
h 間隔部材の高さ
X 油脂貯蔵空間
Y 側方向
1 長軸
2 移動体
3 逆流素子
4 チェーンベルト
5 転動体
11 転動溝
21 容置部
41 接続ベルト
42 間隔部材
43 収納空間
60 負荷ルート
211 転動槽
411 第1の端部
412 第2の端部
413 凹面
421 凹部
422 凸部
423 第2の保持面
424 第1の保持面
425 スルーホール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チェーンベルトを有する伝動素子であって、
1つの長軸、1つの移動体、少なくとも1つの逆流素子、複数の転動体および1つのチェーンベルトを含み、
長軸は転動溝を1つ設け、
移動体は長軸の嵌設に供する容置部を1つ有し、
容置部に転動溝に対応する転動槽を1つ設け、
転動溝と転動槽との間に負荷ルートを形成し、
逆流素子は、移動体の上に固定され、逆流素子が逆流パスを形成し、
逆流パスと負荷ルートとにより無制限循環ルートを構成し、
転動体は無制限循環ルートの中に容置され、長軸と移動体との伝動媒体として機能し、
チェーンベルトは、複数の間隔部材と2つの接続ベルトを含み、
2つの接続ベルトは複数の間隔部材の両側に位置して各間隔部材を接続するために用いられ、
各間隔部材の間には等距離の収納空間を形成して、収納空間に転動体を収容するように供し、
各間隔部材は平面形状が略U字形を呈していて、接続ベルトに沿って同一方向に配設され、
各間隔部材の両側に1つの凹部と、1つの凸部とをそれぞれ形成し、
前記凹部が少なくとも2つ以上の第2の保持面を有し、
前記凸部が1つの第1の保持面を有し、
前記第1の保持面と第2の保持面との間に形成される収納空間の内に転動体が自由に転動するように保持されることを特徴とする、
チェーンベルトを有する伝動素子。
【請求項2】
収納空間に収容された転動体の外周面と、その両側の2つの間隔部材との間にそれぞれ油脂貯蔵空間を1つ有し、且つ転動体と間隔部材の第1の保持面との間に形成される油脂貯蔵空間が、転動体と間隔部材の第2の保持面との間に形成される油脂貯蔵空間よりも大きくなることを特徴とする、請求項1に記載のチェーンベルトを有する伝動素子。
【請求項3】
各接続ベルトは収納空間の一側面へ向けて凹面を凹設して、収納空間の内に収容した転動体の両側を前記2つの凹面に寄り付くことを特徴とする、請求項1に記載のチェーンベルトを有する伝動素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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