説明

チオウレア誘導体を含有する掻痒性もしくは刺激性皮膚疾患の予防または治療用組成物

本明細書において、バニロイド受容体の拮抗剤として、チオウレア誘導体、薬学的に許容可能なその塩、その水和物、またはその溶媒和物を、薬学的に許容可能な担体と併用して含有する、掻痒性もしくは刺激性皮膚疾患の予防または治療用組成物を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バニロイド受容体(Vanilloid Receptor 1:VR1)に対する強力な拮抗剤であるチオウレア誘導体、薬学的に許容可能なその塩、その水和物、またはその溶媒和物を、薬学的に許容可能な担体と共に含有する、掻痒性もしくは刺激性皮膚疾患の予防または治療用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
アトピー皮膚炎(Wahlgren, 1991, Acta Derm. Venerenol. Suppl., 165, pp1-53)、接触性皮膚炎(Meding, 1990, Acta Derm. Venerenol. Suppl., 153, pp1-43)、蕁麻疹(Scoter, 1998, Dermatology in general medicine. 5th ed., pp1409-1419)、乾癬(Krueger et al., 2001, Arch. Dermatol., 137, pp280-284)等を含む大部分の皮膚疾患の場合、皮膚刺激や痒みのような臨床的な症状を伴う。特に、皮膚と関係ない慢性腎不全(Schwartz et al., 1999, Nephrol. Dial. Transplant., 14, pp834-839)、胆道閉鎖症(Jones, 1999, Hepotology, 29, pp1003-1006)のような全身疾患もまた、痒みを伴う。皮膚刺激や痒みの場合、必然的に皮膚を掻くという行動を誘発して擦過傷や紅斑のような皮膚炎を誘発し、さらには皮膚感染の危険を増加させ得る。皮膚刺激や痒みは、多くの誘発因子が直接感覚神経でニューロペプチドを分泌させたり肥満細胞とケラチノサイトで痒みを起こす媒介体を促進させて起こる(Yosipovitch et al., 2003, Lancet, 361, pp690-694)。
【0003】
痒みの治療剤としては、コルチコステロイド剤、抗ヒスタミン剤、免疫抑制剤等が使用されるが、この治療剤は広く知られているように副作用を有している。塗るステロイド剤では皮膚が薄くなったり皮膚の色が変わったり発疹ができ、長期間多量に使用すると、全身の副作用により副腎の機能が抑制される場合もある。第1世代の抗ヒスタミン剤は主に全身投与で用いるが、抗副交感作用があるため鎮静作用をあらわす。第1世代の抗ヒスタミン剤であるクロルフェニラミンは、局所投与時、アトピー皮膚炎患者の痒みを抑制させることができなかった(Munday et al., 2002, Dermatology, 205. pp40-45)。また、アトピー皮膚炎に局所抗ヒスタミン剤の使用は勧められていないが、これは皮下過敏反応の危険があるためである。鎮静作用がない第2世代の抗ヒスタミン剤であるエバスチンとテルフェナジンは、シトクロムP450活性を阻害する薬物(ケトコナゾールまたはエリスロマイシン)と共に服用すると、不整脈を起こし得る(Hey et al., 1996, Arzneimittelforschung, 46, pp159-163)。免疫抑制剤であるシクロスポリンは、全身投与時に高血圧、腎毒性、薬物相互作用等の深刻な副作用を招き得、局所投与時は分子量が大きいため皮膚通過が難しく、効能が弱い。近年、局所製剤として開発されたカルシヌリン(calcinurin)抑制剤であるプロトピック(タクロリムス, FK506)とエリデル(ピメクロリムス)は、シクロスポリンよりも副作用が少なく効能は優れているが、使用初期に発赤感、痒み、紅斑等の副作用が報告されている(Gupta et al., 2002, JEADV, 16, pp100-114; Gupta and Chow, 2003, JEADV, 17, pp493-503)。正確なメカニズムは明らかにされていないが、シクロスポリン、タクロリムス、ピメクロリムス等のようなカルシヌリン抑制剤は、感覚神経線維で細胞内カルシウム流入を増加させ、かつ神経伝達物質を放出させて肥満細胞を脱顆粒させる(Stander and Luger, 2003, Hautarzt, 54, pp413-417)。このような反応は、カプサイシン処理時にも観察される。また近年、神経線維でバニロイド受容体(TRPV1)活性がカルシヌリンを通じてカルシウムチャンネルを調節すると報告されている(Wu et al., 2005, J. Biol. Chem., 280, pp18142-51)。これらはカルシヌリン抑制剤で表れる皮膚刺激感と痒みのような副作用が、バニロイド受容体と関連している可能性を示唆している。皮膚刺激の場合は未だ特に治療剤がない状況であり、大部分の場合、刺激源を除去したりそれが出来ない場合はステロイドを使用している。
【0004】
これらの処置に加え、局所痒み治療剤として、カプサイシンクリーム、ドキセピンクリーム、アスピリンを使用する。カプサイシンクリームは痛み伝達神経を脱感作させて抗掻痒効能を発揮したり、初期使用時に塗る部位に刺激感を誘発するため、皮膚刺激を伴う大部分の炎症性皮膚疾患には使用できない(Wachtel, 1999, Reg. Anesth. Pain Med., 24, pp361-363)。このような刺激性は、カプサイシンのようなバニロイド受容体作動薬の特徴的な副作用としてよく知られている。三環系抗うつ剤であるドキセピンは、H1とH2ヒスタミン受容体に全て作用し掻痒症を減少させるが、これも初期に灼熱感、ひりひり感、眠気等の副作用が表れると報告されている(Drake et al., 1994, J. Am. Acad. Dermatol., 31, pp613-619)。アスピリンは局所適用時に効果があるが、経口投与時には効果が殆どないという短所を有しており(Daly and Shuster, 1986, Br. Med. J., 293, p907)、作用メカニズム上、シクロオキシゲナーゼ阻害による代表的な胃腸管副作用を有する。
【0005】
一方、バニロイド受容体(VR1)は有害刺激を伝達する神経線維に存在してプロトン(酸)、熱、アラキドン酸誘導体等のような多様な内因性の物理/化学的有害刺激に対する統合的伝達物質として核心的な機能を遂行する(Tominaga et al., 1999, Neuron, 21, pp531-543)。このバニロイド受容体を含んでいる一次求心性感覚神経は、消化器、呼吸器、膀胱等の体内の大部分の臓器だけでなく、皮膚にも分布しているということが近年確実に明らかになったが(Stander et al., 2004, Exp. Dermatol. 13, pp129-139)、内外因性刺激によってこの受容体が活性化する場合、有害刺激が伝導されるだけでなくサブスタンスP(substance P)、CGRP(calcitonin gene-related peptide)等の神経ペプチドが遊離して、神経性炎症を誘発するようになる。また驚くことにバニロイド受容体は一次求心性感覚神経だけでなく、ヒトの皮膚の表皮ケラチノサイトにも分布し(Denda et al., 2001, Biochem. Biophys. Res. Commun., 285, pp1250-1252; Inoue et al., 2001, Biochem. Biophys. Res. Commun., 291, pp124-129)、この受容体が活性化すると炎症因子を分泌するという最近の学術発表があった(Southall et al., 2003, J. Pharm. Exp. Thera., 304, pp217-222)。即ちバニロイド受容体は、皮膚の感覚神経および皮膚表皮の角質細胞であるケラチノサイトに存在して皮膚刺激と痒み等の各種の有害刺激と痛みの伝達に関与しているため、神経性/非神経性の要因による皮膚炎症等の皮膚疾患の病因とも密接な関連がある。
【0006】
皮膚におけるバニロイド受容体拮抗剤と作動薬の作用は、バニロイド受容体の機能遮断、さらにバニロイド受容体を含む一次求心性感覚神経またはケラチノサイトの機能遮断/阻害によって説明され得るため、皮膚疾患への応用の可能性も大部分共有していると見なせる。
【0007】
カプサイシンを含むバニロイド受容体の主要作動薬について、動物試験および臨床試験が既に完成されたか、または多方面において進行中である。これらの試験は、刺激性を含む副作用/毒性と経皮吸収性の限界のため、主に局所投与経路を活用している。バニロイド受容体作動薬は、特に主に抗掻痒効能を目標に乾癬、血液透析中の慢性腎不全患者の掻痒症、水因性掻痒症(aquagenic pruritus)、外陰部前庭炎(vulvar vestibulitis)による掻痒症、神経原性掻痒症(錯感覚性背痛および腕橈骨掻痒症)、慢性単純性苔癬(lichen simplex chronicus)等の皮膚疾患に対して実際に臨床で適用されてきた。これらの臨床評価でカプサイシンを含むバニロイド受容体作動薬は治療効果を表すが、初期適用時の刺激性という短所を表したことが報告されている(Szallasi and Blumberg, 1999, Pharmacol. Rev., 51, pp159-211)。このようなバニロイド受容体作動薬は、その作用メカニズム上、神経細胞への感作、脱感作、神経伝導遮断/神経毒性という典型的な段階を経ながら薬効を発揮する。実際のその薬理効能は、バニロイド受容体自体およびバニロイド受容体を含む神経の脱感作、機能阻害を通じて達成される。このとき作用メカニズム中の最初の感作段階で、刺激のような不必要な副作用を誘発する。
【0008】
しかし、バニロイド受容体拮抗剤は、作用メカニズムに基づくバニロイド受容体の機能を特異的に遮断するため、バニロイド受容体作動薬の副作用である初期の感作反応を経ずに、神経性炎症および皮膚表皮ケラチノサイトでの炎症因子分泌を遮断できるという長所がある。本発明は、具体的な実験によってバニロイド受容体拮抗剤が皮膚で抗掻痒効能または皮膚刺激抑制効能を発揮できることを明らかにしたという点で、重要な意味を有する。
【0009】
ヒトの皮膚ケラチノサイトを活用した実験で、皮膚に存在するバニロイド受容体が活性化する場合、炎症を誘発してこのような炎症因子の発現がバニロイド受容体の拮抗剤としてよく知られているカプサゼピンによって抑制されるという近年の学術発表があり(Southall et al., 2003, J. Pharm. Exp. Thera., 304, pp217-222)、またカプサゼピンが皮膚刺激、掻痒症等の神経性皮膚疾患に対して応用の可能性があると米国特許第6,048,855号のクレームに記述されているが、実際に皮膚への臨床適用の可能性、特に抗掻痒効能や皮膚刺激抑制効能に対して具体的かつ細部的な実験結果に対する報告はなかった。
【0010】
したがって、本発明者らは痒み症と皮膚刺激に対する動物モデルを利用して、本発明の化合物等の効能を具体的に検証した。動物を利用した痒み症と皮膚刺激モデルの場合、現実的に実験者と動物間の意思疎通が不可能という理由から、通常、実験動物の行動を観察する方法を利用することになる。この場合、通常、痒みや皮膚刺激を誘発する物質を実験動物の皮内に注入する方法を主に利用するが、これは注射した物質が比較的長期間、注射部位の周辺に留まり、注射部位を掻く行動を観察することが容易なためである(Kuraish et al., 1995, Eur. J. Pharmacol., 275, pp229-233)。この場合の実験動物は、観察と実験の容易性から、通常げっ歯類を利用する。痒み誘発物質と、皮膚刺激誘発物質が誘導する実験動物の行動は、多様でありながらも互いに非常に類似している。痒みの場合、口で注射部位を舐めたり噛んだりする行動、前足や後ろ足を利用して注射部位を掻く行動が代表的なケースである。同様に、皮膚刺激の場合も、同じような行動が観察される(Green., 2000, Am. J. Contact Dermat., 11, pp170-180)。しかし、げっ歯類を含み、毛のある大部分の動物の場合、口で舐めたり噛む行動、前足で掻く行動は、痒みや皮膚刺激を誘発する物質を注射しなくてもしばしば観察される。しかし、後ろ足で掻くケースは一般的な状況で非常に発生し難く、痒みや皮膚刺激を誘発する物質を前足が届かない首の後ろ等の上部に注射した場合、殆ど後ろ足で注射部位を掻く行動だけが有意的に増加するようになる。よって、痒みや皮膚刺激を誘発する物質をげっ歯類の背中上部に注射して後ろ足で注射部位を掻く行動を観察することは、痒みや皮膚刺激の間接的な指標として利用することができる(Kuraish et al., 1995, Eur. J. Pharmacol., 275, pp229-233)。しかしこの場合、注射した物質が皮膚刺激を誘発する物質か、あるいは痒みを誘発する物質かの区分が曖昧な場合が発生することになる。この場合は、通常、ヒトにおける臨床結果を利用して類推する方法を利用するが、C48/80(Fjellner et al., 1982, Acta Dermatoenerol., 62, pp137-140)、ヒスタミン(Maekawa et al., 2000, Jpn. J. Pharmacol., 84, pp462-466)、サブスタンスP(Hagemark et al., 1978, J. Invest. Dermatol., 71, pp233-235)、セロトニン(Berendsen et al., 1991, Eur. J. Pharmacol., 194, pp201-208)、PAF(Fjellner et al., 1985, Acta Dermavenerol., 65, pp409-412)等のように、ヒトに明白に痒みを誘発する物質の場合に、げっ歯類にも痒みを誘発することが知られている。同様に、腐食性有機溶媒(JP2001-321016)、体液より浸透圧が低い貯蔵液(Hwang et al., 1986, Life Sci., 30, pp2389-2396)、ピレスロイド(Gargen et al., 1984, Toxicol. Appl. Pharmacol., 76, pp270-279)、タクロリムス(Fuchs et al., 2002, Contact Dermatitis, 45, pp290-294)、レチノイン酸(Varani et al., 2003, Arch. Dermatol. Res., 295, pp255-262)等のような皮膚刺激性物質によって誘導される掻くという行動は、皮膚刺激によることが知られている。このような類推以外にも、実験的な方法でも痒み誘発物質と皮膚刺激誘発物質は区分されるが、痒み誘発物質の場合、濃度依存的に掻く行動を増加させるが、皮膚刺激性物質の場合、濃度依存性が見られない場合が多く、誘発される痒みの相対的な回数も一般的に皮膚刺激性物質が低いことが知られている(Jinks et al., 2002, J. Neurophysiol., 87, pp1280-1289)。したがって、本発明者は、掻く行動を薬効評価指標とする動物モデルで、C48/80とヒスタミンによる掻く行動は痒み症の指標であり、タクロリムスによる掻く行動は皮膚刺激の指標として活用した。レチノイン酸の場合、皮膚紅斑をこの物質による直接的な皮膚刺激の指標として利用した。
【発明の開示】
【0011】
技術的課題
本発明は、上記の理論的背景に基づいてバニロイド受容体拮抗剤であるチオウレア誘導体、薬学的に許容可能なその塩、その水和物、またはその溶媒和物を、薬学的に許容可能な担体と併用して含有する、掻痒性もしくは刺激性皮膚疾患の予防または治療用組成物を提供することを目的とする。
【0012】
技術的な解決方法
本発明の局面に従って、バニロイド受容体拮抗剤として下記化学式(1)で表されるチオウレア誘導体、薬学的に許容可能なその塩、その水和物、またはその溶媒和物を、薬学的に許容可能な担体と併用して含有する、掻痒性もしくは刺激性皮膚疾患の予防または治療用組成物が提供される。

上記化学式中、Rは水素、C1〜5のアルキル、C2〜5のアルケニル、C1〜5のアルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、メトキシカルボニルまたはカルボキシル基である。
【0013】
上記化学式(1)中、置換Rは、水素、メチル、エチル、プロピル、ビニル、プロペニル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ニトロ、シアノ、メトキシカルボニルまたはカルボキシル基であることが好ましい。
【0014】
以下に、上記化学式(1)の化合物中、特に好ましい化合物を具体的に例示する:
1-(4-t-ブチルベンジル)-3-(3-フルオロ-4-メタンスルホニルアミノベンジル)チオウレア(化合物1);
1-(4-t-ブチルベンジル)-3-(3-クロロ-4-メタンスルホニルアミノベンジル)チオウレア(化合物2);
1-(4-t-ブチルベンジル)-3-(3-メチル-4-メタンスルホニルアミノベンジル)チオウレア(化合物3);
1-(4-t-ブチルベンジル)-3-(4-メタンスルホニルアミノベンジル)チオウレア(化合物4);および
1-(4-t-ブチルベンジル)-3-(3-ビニル-4-メタンスルホニルアミノベンジル)チオウレア(化合物5)。
【0015】
上記化学式(1)のチオウレア誘導体は、本発明者らによりバニロイド受容体に対する選択的拮抗剤として開発され、その大部分は既に公開された国際特許公開WO 02/16318号に開示されている。
【0016】
上記化学式(1)のチオウレア誘導体の塩には、例えば塩酸、臭素化水素酸、ヨウ素化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、過塩素酸のような無機酸を有する塩;例えばメタルスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、マンデリック酸、ケイ皮酸、乳酸、グリコール酸、グルクロン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸およびサリチル酸のような有機酸を有する塩;またはアスパラギン酸およびグルタミン酸のような酸性アミノ酸を有する塩が含まれる。さらに、アンモニア塩;例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N,N-ビス(ヒドロキシエチル)ピペラジン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、エタノールアミン、N-メチルグルカミン、L-グルカミンのようなアミンを有する塩;ならびに例えばリジン、δ-ヒドロキシリジンおよびアルギニンのような塩基性アミノ酸を有する塩が含まれる。
【0017】
上記化学式(1)の化合物、またはその塩は水和物または溶媒和物形態で存在でし得る。
【0018】
本発明の薬学的組成物は、経口投与、非経口投与、皮下投与、皮内投与等の多様な方法で投与することができるが、皮内投与または局所適用がより好ましい。本発明の化合物の好ましい投与量は、患者の状態および体重、疾病の程度、薬物形態、投与経路および期間によって異なるが、当業者により適切に選択できる。好ましくは、本発明の化合物を1日0.001〜100mg/体重kgで、より好ましくは0.01〜30mg/体重kgで投与する。投与は一日一回行うことができ、数回に分けて行うこともできる。本発明の化合物は、本発明の組成物の総量に基づき、0.0001〜10重量%の量で用いられる。
【0019】
本発明の組成物は、一般的に薬学的製剤の形態で投与され、これはその構成成分を、薬学的に許容される担体または希釈剤と混合することによって調製される。薬学的製剤は、例えば散剤、錠剤、カプセル、液剤等のような経口投与製剤、経皮吸収剤、乳剤および懸濁剤、貼付剤、クリーム剤、パップ剤等のような外用剤、静脈注射剤、筋肉注射剤等のような注射剤等がある。これらの薬学的組成物は、一般的な技術によって製剤化され得る。それらのうち特に好ましくは、外用剤、その具体的な例としてはクリーム状、軟膏状、ゲル状、乳液状、スティック状、パック状、有機溶媒による溶液状等の剤形が含まれるが、これらに限定されない。
【0020】
適した薬学的に許容される担体または希釈剤は、薬剤学分野で一般的に使用さものを含み、それらは本発明で用いられる化合物と反応しない。散剤、錠剤、カプセル等のための適した薬学的に許容される担体または希釈剤は、コーンスターチ、乳糖、マンニトール、微結晶セルロース等の賦形剤、クロスカルメロースナトリウム、ポテトスターチ、精製白糖等の崩壊剤、精製ゼラチン、アラビアゴム、メチルセルロース、エチルセルロース、ポビドン等の結合剤、ステアリン酸マグネシウム、硬質無水ケイ酸、タルク等の滑沢剤を含む。
【0021】
錠剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、酸化チタン、ポリソルベート、精製白糖等のコーティング剤で通常の方法によってコーティングできる。
【0022】
皮膚外用剤に使用される成分としては、例えば、液体油脂、固体油脂、蜜蝋、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル類、界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子化合物、増粘剤、被膜剤、低級アルコール、多価アルコール、糖類、アミノ酸類、有機アミン類、pH調整剤、酸化防止剤、香料、水等を必要に応じて適切に配合することができる。これらの成分は、それぞれ1種以上を使用してもよい。
【0023】
パッチ剤の粘着基剤の適切な例には、アクリル系共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリイソブチレン等のようなポリマー基剤、トリエチルシトレート、トリエチルアセチルシトレート、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレンルグリコール等の可塑剤を挙げることができる。
【0024】
注射剤は、注射のために蒸留水に化学式(1)の化合物の塩を溶解させることにより調製できるが、必要に応じて、等張化剤、鎮痛剤、pH調製剤、溶解補助剤、緩衝剤、保存剤等を添加できる。注射剤はまた、懸濁液の形態になり得るが、これは注射用蒸留水又は植物油に本発明の化合物自体を懸濁させることによって調製でき、必要に応じて基剤、懸濁化剤等を添加することができる。また、注射剤は散剤の形態や凍結乾燥されたものであり得、これは使用時に溶解し、賦形剤等をさらに添加することができる。
【0025】
一般的に、薬学的添加剤は、活性物質の重量に基づいて1重量%から90重量%までの範囲内で混合できる。
【0026】
本発明の組成物は、治療的有効量でそれを必要とする哺乳動物に投与する段階を含む、掻痒性もしくは刺激性皮膚疾患の予防または治療方法を提供する。
【0027】
本発明の組成物は、掻痒性もしくは刺激性皮膚疾患の予防または治療のために使用される。
【0028】
本発明の組成物は、掻痒性もしくは刺激性皮膚疾患の予防または治療のための医用薬剤の製造のために使用される。
【0029】
発明の実施のための形態
以下にて、本発明を実験例および製剤例によってさらに詳しく説明する。但し、下記の実験例および製剤例は、本発明を例示するためだけのものであり、これらによって本発明の範囲が限定されることはない。
【0030】
実験例:生物学的効能の評価
バニロイド受容体拮抗剤として本発明のチオウレア誘導体が抗掻痒効能または皮膚刺激抑制効能を発揮することを様々な動物モデルで確認した。チオウレア誘導体としては、上記で好ましい化合物で例示した化合物1〜3を使用した。
【0031】
[実験例 1]
ICRマウスにおける化合物48/80(C48/80)誘導性の痒み実験(皮内投与)
ICRマウスは、ヒスタミンに対して敏感に痒み反応を見せ、C48/80(フォルムアルデヒドを有するN-メチル-p-メトキシフェネチルアミンの縮合物、 Sigma, 米国)は、結合組織と皮膚肥満細胞を刺激してヒスタミン等のような媒介物質を放出させ痒みを誘発させる物質であり、ヒトに対しても皮内投与時に痒みを誘発させる(Rukwied et al., 2000, Br. J. Pharmacol., 142, pp1114-1120)。そこで本実験は、ICRマウスでC48/80により痒みを誘発させて実験した。実験の一日前に雄性ICRマウス(体重28〜32g, 4〜11匹/群)の背中側の毛を除去して実験に使用した。薬物(化合物1, 50 μl/マウス)は、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HP-β-CD; 三菱株式会社, 日本)に溶解させ、C48/80(50μg/50μl/マウス)は生理食塩水に溶解させて同時に背中側に皮内投与した。投与して直ぐに透明なケージに入れ、60分間マウスが後ろ足で投与部位を掻く回数を数えた。C48/80だけを投与した対照群の掻き回数と比較して、薬物投与群での掻き回数の減少を痒み抑制効能の指標とした。掻き回数の減少を%阻害度で計算して各化合物の痒み抑制効能を表した。表1に示した通り、本発明の化合物1は容量依存的に強力な抗掻痒効能を発揮した。しかし第1世代の抗ヒスタミン剤であるクロルフェニラミンは抑制効能がなかった。
【0032】
【表1】

【0033】
[実験例 2]
BALB/Cマウスにおける化合物48/80(C48/80)誘導性の痒み実験(経口投与)
アトピー皮膚炎患者において、C48/80による痒みがヒスタミン(H1)受容体拮抗剤によって抑制されないが、これはアトピー患者でヒスタミン以外の他の痒み誘発物質が関与していることを表す(Wahlgren et al., 1991, Acta Derm.-Venereol., Suppl. 165, pp1-53)。動物種によって痒み誘発物質に対する掻き程度が異なるが、BALB/CマウスがICRマウスよりヒスタミンやセロトニンに対する反応がより少ないと報告されている(Inagaki et al., 2001, Skin Pharmacol. Appl. Skin Physiol., 14, pp87-96)。これによりBALB/CマウスでC48/80による痒みが、アトピー皮膚炎患者にとっての痒みと類似することが分かる。よって本実験は、BALB/CマウスでC48/80によって痒みを誘発させて実験した。実験の一日前、BALB/cマウス(体重19〜21g, 6〜12匹/群)の背中側の毛を除去して実験に使用した。化合物1はHP-β-CDに溶解させ、化合物2および化合物3は、10%エタノール、10%Tween80が含まれた生理食塩水溶液に溶解させて経口投与し(10ml/kg)、1時間後C48/80(50μg/50μl/マウス)は生理食塩水に溶解させ背中側に皮内投与した。投与して直ぐに透明なケージに入れ、30分間マウスが後ろ足で投与部位を掻く回数を数えた。C48/80のみ投与した対照群の掻き回数と比較して、薬物投与群での掻き回数の減少を痒み抑制効能の指標とした。掻き回数の減少を%阻害度で計算し、各化合物の痒み抑制効能を表した。表2, 3, 4に示した通り、本発明の化合物1〜3は、容量依存的に抗掻痒効能を発揮した。しかし、第1世代抗ヒスタミン剤であるクロルフェニラミンと鎮静作用がない第2世代抗ヒスタミン剤であるケトチフェンは有意な抑制効能を表していない。
【0034】
【表2】

【0035】
【表3】

【0036】
【表4】

【0037】
[実験例 3]
ICRマウスにおけるヒスタミン誘導性の痒み実験(経口投与)
げっ歯類の場合、一般的にヒスタミンによる痒み反応がヒトに比べて弱いことが知られている(Kuraishi et al., 1995, Eur. J. Pharmacol. 275, pp229-233)。しかしICRマウスの場合、特にヒスタミンに敏感に反応して痒み反応を見せることが知られている(Maekawa et al., 2000, Jpn. J. Pharmacol. 84, pp462-466)。ヒスタミンはよく知られている通り代表的な痒み媒介物質であり、ヒトを対象とする実験でも明らかに痒みを誘発することで広く知られている(Simone et al., 1987, Somatosens. Res. 5, pp81-92)。よって本実験は、ICRマウスでヒスタミンにより痒みを誘発させて実験した。実験の一日前、雄性ICRマウス(体重28〜32g, 5〜8匹/群)の背中側の毛を除去し、18時間絶食させて実験に使用した。薬物(化合物1, 0.5ml/マウス)は、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HP-β-CD;三菱株式会社、日本)に溶かした後、経口投与した。経口投与1時間後にヒスタミン(100 nmol/50 μl/マウス)を生理食塩水に溶かしてマウスの背中側に皮内投与した。投与して直ぐに透明な観察用ケージに入れ、30分間マウスが後ろ足で投与部位を掻く回数を測定した。ヒスタミンだけを投与した対照群の掻き回数と比較して、薬物投与群での掻き回数の減少を痒み抑制効能の指標とした。掻き回数の減少を%阻害度で計算して各化合物の痒み抑制効能を表した。表5に示した通り、本発明の化合物1は容量依存的に強力な抗掻痒効能を発揮した。同様に、抗ヒスタミン作用、好酸球抑制作用、肥満細胞安定化作用の三重作用により掻痒性疾患に卓越した効能を有することで知られているアゼラスチンも、用量依存的に強力な抗掻痒子能を発揮した。
【0038】
【表5】

【0039】
[実験例 4]
ICRマウスにおけるタクロリムス誘導性の皮膚刺激抑制実験(皮下投与)
タクロリムスは、肝臓や腎臓の移植時に広く使用される免疫抑制剤である(Lawrence, 1998, Dermatol. Ther., 5, pp74-84)。近年にはアトピー皮膚炎(Wollenberg et al., 2001, J. Allergy. Clin. Immunol., 107, pp519-525)、乾癬(Nasr, 2000, Clin. Exp. Dermatol., 25, pp250-254)、アレルギー性接触性皮膚炎(Lauerma et al., 1992, Lancet, 340, p556)等のような皮膚疾患を治療するための軟膏剤として使用されている。しかし、ヒトの刺激性接触性皮膚炎モデルでは刺激感を増加させると報告した(Fuchs et al., 2002, Contact dermatitis, 46, pp290-294)。そして皮膚疾患患者で使用初期に、発赤感、痒み、紅斑等の副作用が報告されている(Gupta et al., 2002, JEADV, 16, pp100-114; Gupta and Chow, 2003, JEADV, 17, pp493-503)。動物実験ではタクロリムスによる皮膚刺激感実験モデルが知られていないため、皮膚刺激物質であるタクロリムスを直接ICRマウスに皮内投与して掻く行動を観察した。実験の一日前、雄性ICRマウス(体重30〜33g, 10匹/群)背中側を除毛して実験に使用した。薬物(化合物 1, 50μl/マウス)は、28%ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HP-β-CD;三菱株式会社、日本)に溶解させ、タクロリムス(50μg/50μl/マウス、シプラ株式会社、インド)は、5%エタノール、5%Tween80を含んだ生理食塩水溶液に溶解させると同時に、背中側に皮下投与した。投与して直ぐに透明なケージに入れ、30分間マウスが後ろ足で投与部位を掻く回数を数えた。タクロリムス投与群の掻き回数と比較して薬物投与群で掻き回数の減少を皮膚刺激抑制効能の指標とした。掻き回数の減少を%阻害度で計算して各化合物の皮膚刺激抑制効能を表した。タクロリムス投与群は、対照物質投与群より有意に皮膚刺激を増加させた。表6に示した通り、本発明の化合物1は用量依存的に皮膚刺激抑制効能を発揮した。
【0040】
【表6】

【0041】
[実験例 5]
ニュージーランドホワイトラビットにおけるレチノイン酸誘導性皮膚刺激抑制実験(局所投与)
レチノイン酸の場合、皮膚角質層の分化促進、ニキビ治療、シワ改善効果等の様々な卓越した皮膚効能によって、化粧品と医用薬剤に広く利用されている(Fisher et al., 1998, J. Investig. Dermatol., 3, pp61-68)。しかし、レチノイン酸を皮膚に局所的に適用する場合、初期に刺激感を誘発し、さらに皮膚紅斑とむくみを誘発する副作用があることが知られている(Varani et al., 2003, Arch. Dermatol. Res., 295, pp255-262)。よってレチノイン酸のこのような皮膚刺激を減らすための試みが多方面で進められている(Kim et al., 2003, Toxicol. Letters., 146, pp65-73)。ニュージーランドホワイトラビットの場合、様々な皮膚刺激物質に対する反応性が優れており、個体差が少なく皮膚刺激実験に広く使われている。よって本実験はニュージーランドホワイトラビットにおいて、レチノイン酸により皮膚刺激を誘発させて実験した。実験の一日前、雄性ニュージーランドホワイトラビット(体重2.0〜2.5kg, 4匹)の背中側の毛を除去し実験に使用した。除毛したウサギの背中に1匹当り2つずつ対称的な4つの適用部位(右側上部-左側上部、右側下部-左側下部)を表示した。この4つの適用部位全てに0.025%レチノイン酸(シグマ、米国)100μlを局所的に適用した。適用30分後に、対称的な適用部位の片方は薬物(化合物 1, 1%/100μl/適用部位)で、もう片方は溶媒(100μl/適用部位)だけで処理した。レチノイン酸と薬物は、共にPEG400とエタノール混合溶液(7:3)に溶かした後、それぞれ1日2回、4日間局所適用し、5日目の適用部位を肉眼で観察して皮膚刺激の程度を観察した。皮膚刺激は累積刺激指数で表し、レチノイン酸(0.025%/100μl/適用部位)と溶液だけで処理した対照群の累積刺激指数を基準に、レチノイン酸と薬物を全て処理した実験群の累積刺激指数の減少を%阻害度で計算して皮膚刺激抑制効能の指標にした。累積刺激指数は、紅斑を基準にし、紅斑がない場合(0)、肉眼で識別可能な微弱な紅斑(1)、明瞭な紅斑(2)、紅く濃い紅斑(3)、深紅色の強い紅斑と痂皮形成(4)の5段階に分けて点数をつけた。表7に示した通り、本発明の化合物1は皮膚刺激抑制効能を発揮した。
【0042】
【表7】

【0043】
上記の試験結果から、本発明の化学式(1)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、その水和物、またはその溶媒和物は、抗掻痒効能または皮膚刺激抑制効能を表すことを明確に確認できた。
【0044】
製剤例1
下記表8に示した成分および含量に基づいて化合物1、2または3を溶剤に溶解させた後、ここに残りの成分を加えて均質に混合し外用薬剤を製造した。
【0045】
【表8】

【0046】
製剤例2
下記表9に示した成分をそれに該当する含量で使用し、上記製剤例1と同様の方法で製剤化した。
【0047】
【表9】

【0048】
製剤例3
下記表10に示した成分をそれに該当する含量で使用し、上記製剤例1と同様の方法で製剤化した。
【0049】
【表10】

【0050】
製剤例4
下記表11に示した成分をそれに該当する含量で使用し、上記製剤例1と同様の方法で製剤化した。
【0051】
【表11】

【0052】
製剤例5
下記表12に示した成分をそれに該当する含量で使用し、上記製剤例1と同様の方法で製剤化した。
【0053】
【表12】

【0054】
製剤例6
下記表13に示した成分をそれに該当する含量で使用し、上記製剤例1と同様の方法で製剤化した。
【0055】
【表13】

【0056】
製剤例7
下記表14に示した成分をそれに該当する含量で使用し、上記製剤例1と同様の方法で製剤化した。
【0057】
【表14】

【0058】
製剤例8
下記表15に示した成分をそれに該当する含量で使用して、上記製剤例1と同様の方法で製剤化した。
【0059】
【表15】

【0060】
製剤例9
【表16】

【0061】
上記表16の成分で次の通り製造した。即ち、化合物1, 2または3と乳糖を混合した後、エタノール40mLにヒドロキシプロピルセルロース6gを、予め溶解させておいた結合液を添加した。これを14号篩を通過させて乾燥させた後、18号篩を通過させて粒子を均等にした。ここにステアリン酸マグネシウムとタルク、ポテトスターチを均一に混合して最終錠剤の形態に圧縮した。
【0062】
製剤例10
【表17】

【0063】
一定に攪拌しながら表17に示した成分を精製水に全て溶解させた。生成された溶解を滅菌0.2μmフィルターでろ過し、バイアルに入れ凍結乾燥した後、蓋をして注射剤を製造した。
【0064】
産業上の利用可能性
本発明の組成物は、掻痒性または刺激性皮膚疾患に対する予防または治療用に使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式(1)で表されるチオウレア誘導体、薬学的に許容可能なその塩、その水和物、またはその溶媒和物を、薬学的に許容可能な担体と併用して含有する、掻痒性もしくは刺激性皮膚疾患の予防または治療用組成物:

上記化学式中、Rは水素、C1〜5のアルキル、C2〜5のアルケニル、C1〜5のアルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、メトキシカルボニルまたはカルボキシルである。
【請求項2】
化学式(1)中、Rが水素、メチル、エチル、プロピル、ビニル、プロペニル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ニトロ、シアノ、メトキシカルボニルまたはカルボキシルである、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
化学式(1)のチオウレア誘導体が、
1-(4-t-ブチルベンジル)-3-(3-フルオロ-4-メタンスルホニルアミノベンジル)チオウレア;
1-(4-t-ブチルベンジル)-3-(3-クロロ-4-メタンスルホニルアミノベンジル)チオウレア;
1-(4-t-ブチルベンジル)-3-(3-メチル-4-メタンスルホニルアミノベンジル)チオウレア;
1-(4-t-ブチルベンジル)-3-(4-メタンスルホニルアミノベンジル)チオウレア;または
1-(4-t-ブチルベンジル)-3-(3-ビニル-4-メタンスルホニルアミノベンジル)チオウレアである、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
経口投与剤、経皮投与剤、局所適用剤または注射剤の形態に製剤化される、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
請求項1記載の組成物の治療的有効量を、それを必要とする哺乳動物に投与する段階を含む、掻痒性もしくは刺激性皮膚疾患の予防または治療方法。
【請求項6】
掻痒性もしくは刺激性皮膚疾患の予防または治療のための、請求項1記載の組成物の使用。
【請求項7】
掻痒性もしくは刺激性皮膚疾患の予防または治療のための医用薬剤の調製における、請求項1記載の組成物の使用。

【公表番号】特表2008−509992(P2008−509992A)
【公表日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527056(P2007−527056)
【出願日】平成17年8月19日(2005.8.19)
【国際出願番号】PCT/KR2005/002735
【国際公開番号】WO2006/019280
【国際公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(503327691)株式會社アモーレパシフィック (73)
【住所又は居所原語表記】181, Hankang−ro 2−ka, Yongsan−ku, Seoul 140−777 Republic of Korea
【Fターム(参考)】