説明

チップ型電子部品

【課題】 下地電極の表面にはメッキ膜が付き易く、素子本体の表面にはガラスコートなどの保護膜が付き易いチップ型電子部品を提供すること。
【解決手段】 内部電極が内部に形成された素子本体と、内部電極が露出する素子本体の端面を覆う端子電極とを有するチップ型電子部品であって、端子電極が、素子本体の端面に位置する端面部分と、端面部分に連続して形成され、素子本体の端面近傍の四側面にまで延びる側面部分とを有し、端子電極で覆われていない素子本体の表面の粗さをα・Raと表し、側面部分の表面の粗さをβ・Raと表した場合に、α・Raに対するβ・Raの比率は、0.33≦β・Ra/α・Ra≦10であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子電極が形成されたチップ型電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
セラミックコンデンサやバリスタなどのチップ型電子部品では、端子電極をセラミック製の素子本体の外面に形成する必要がある。そのため、まず、素子本体の表面に、ペースト膜を焼き付けることで下地電極層を形成し、その後に、その下地電極層の表面にメッキ膜を施すことにより、端子電極が形成される。
【0003】
通常、ペースト膜は、素子本体と下地電極との密着性を向上させるためにガラス成分を含んでいる。特に、素子本体が半導体セラミックで構成される時には、めっき液が下地電極から内部電極、素子本体へと浸透して特性に影響することを抑制するために、下地電極層に含まれるガラス成分を多くすることがある。しかし、下地電極層にガラス成分が多く含まれると、下地電極層の表面で導電性粒子がガラス成分の中に埋没しやすく、そのペースト膜の表面には、メッキ膜がつきにくい。そこで、ペースト膜の表面をバレル研磨することがある。
【0004】
たとえば、ペースト膜で構成された下地電極を有する電子部品を、メディアおよび水とともにバレル装置内に投入し、そのバレル装置を回転させる(バレル研磨)。それにより、下地電極の表面におけるガラス成分を研磨して、導電性粒子を下地電極の表面に露出させ、ペースト膜の表面にメッキをつきやすくすることがある。
【0005】
また、外部電極の平滑性を高めるために、外部電極を有する電子部品を、ジルコニアからなる玉石(メディア)および水とともに回転ポット内に投入し、その回転ポットを回転させる技術(回転ポット研磨)が知られている(特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、バレル研磨(または回転ポット研磨)を行うと、下地電極以外の素子本体の表面にメディアがランダムに当たるために、表面粗さの不均一が生じ、素子本体の表面にメッキ伸びやメッキ剥がれによる再付着のおそれがある。さらに、メディアによる衝撃で素子本体にダメージを与え、素子本体の表面に微小クラックが発生したり、素子本体やメディアの欠けによる破片が素子本体の表面に付着し、めっき膜が不均一に付着し、外観不良の一因となる場合もある。また、メディアによる通電が均一にはなりにくく、素子本体の表面にガラス膜などの保護膜が形成してある場合には、ガラス膜までも研磨されて、素子本体の表面が露出してしまい、表面粗さによっては、素子本体の表面にメッキ伸びやメッキ剥がれによる再付着が発生するおそれがある。
【0007】
特に小型のチップ型電子部品では、端子電極間の距離が短いので、その間に位置する素子本体の表面に保護膜を形成したいという要請が高い。保護膜を形成することで、その後に行うメッキ工程で、素子本体の表面にメッキが施されてしまうことを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平7−22268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、下地電極の表面にはメッキ膜が付き易く、素子本体の表面にはメッキ伸びやメッキ剥がれによる再付着が発生し難いチップ型電子部品を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係るチップ型電子部品は、
内部電極が内部に形成された素子本体と、
前記内部電極が露出する前記素子本体の端面を覆う端子電極とを有するチップ型電子部品であって、
前記端子電極が、前記素子本体の端面に位置する端面部分と、前記端面部分に連続して形成され、前記素子本体の端面近傍の四側面にまで延びる側面部分とを有し、
前記端子電極で覆われていない前記素子本体の表面の粗さをα・Raと表し、前記側面部分の表面の粗さをβ・Raと表した場合に、α・Raに対するβ・Raの比率は、0.33≦β・Ra/α・Ra≦10であることを特徴とする。
【0011】
本発明に係るチップ型電子部品では、α・Raとβ・Raの比率(β・Ra/α・Ra)が上述した範囲にあることで、端子電極の側面部分の表面の研磨が十分に行われる。端子電極の側面部分の研磨が十分であれば、端面部分も十分に研磨されていると考えられる。このため、端子電極の表面で、ガラス成分の中に埋没していた導電性粒子が露出し、メッキ膜が端子電極に付き易くなる。また、本発明では、α・Raとβ・Raの比率(β・Ra/α・Ra)が上述した範囲にあることで、素子本体の表面にはメッキ伸びやメッキ剥がれによる再付着を有効に防止することができる。
【0012】
α・Raに対するβ・Raの比率(β・Ra/α・Ra)が0.33より小さい場合とは、β・Raが小さく、α・Raが大きい場合である。β・Raが小さい場合には、側面部分の表面の研磨が過剰であると考えられ、端面部分も過剰に研磨され、素子本体の角部が端子電極から露出するおそれがある。さらに、α・Raが大きい場合には、素子本体の表面にメッキ伸びやメッキ剥がれによる再付着が生じ易い傾向にあることが本発明者等の実験により確認された。
【0013】
また、α・Raに対するβ・Raの比率(β・Ra/α・Ra)が10より大きい場合とは、β・Raが大きく、α・Raが小さい場合である。α・Raが小さい場合には、素子本体の表面が平滑になるが、その場合においても、素子本体の表面にメッキ伸びやメッキ剥がれが生じ易い傾向にあることが本発明者等の実験により確認された。さらに、β・Raが大きい場合には、側面部分の表面が粗すぎて、側面部分の表面にメッキ層が均一に形成されず、半田付け性が良好でなくなる。
【0014】
好ましくは、前記素子本体の表面の粗さα・Raは0.05〜0.3μmの範囲である。
【0015】
素子本体の表面の粗さα・Raを上記範囲にすることで、メッキ伸びやメッキ剥がれによる再付着を有効に防止することができる。
【0016】
好ましくは、前記側面部分の表面の粗さβ・Raは、0.1〜0.5μmの範囲である。
【0017】
側面部分の表面の粗さβ・Raを上記範囲にすることで、端子電極の表面に、よりメッキ膜が付き易くなる。β・Raが大きすぎると、側面部分の表面が粗すぎて、側面部分の表面にメッキ層が均一に形成されず、素子本体へのメッキ伸びやメッキ剥がれが起きやすい。
【0018】
好ましくは、前記側面部分の表面の粗さβ・Raの値は、前記端面部分の表面の粗さγ・Raの値に比較して小さい。
【0019】
端子電極の端面部分の表面の粗さγ・Raがβ・Raに比較して大きいことにより、端面部分では、くさび効果によりメッキ膜が強固に形成される。さらに、β・Raが所定範囲内であるため、側面部分の表面にメッキ層が均一に形成され、素子本体の表面へのメッキ伸びやメッキ剥がれが生じにくい。
【0020】
好ましくは、前記端子電極で覆われていない前記素子本体の表面がガラスコートで覆われている。素子本体の表面に、ガラスコートを形成することで、特に小サイズのチップ型電子部品において、メッキの伸びやメッキ剥がれによる再付着を有効に防止することができる。
【0021】
本発明では、前記端子電極が、電極ペーストの焼付け処理で形成され、前記端子電極の表面が、メッキ膜で覆われている場合に、特に効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係るチップ型電子部品の断面図である。
【図2】図2は、図1に示すチップ型電子部品の研磨装置の断面図である。
【図3】図3(A)〜(C)は、研磨工程を示す概略断面説明図である。
【図4】図4は、ドラムの回転速度の制御パターンを示す説明図である。
【図5】図5は、図3(C)のV部拡大図である。
【図6】図6(A)は、端子電極を研磨する前の導電性粒子の分布を示す断面模式図、図6(B)は、研磨後の導電性粒子の分布を示す断面模式図である。
【図7】図7は、端子電極の表面粗さRaを比較するグラフである。
【図8】図8は、めっき不良を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
まず、本発明の一実施形態に係るチップ型電子部品としての図1に示す積層チップバリスタ2について説明する。積層チップバリスタ2は、内部電極層4,6と抵抗体層8とが積層された構成の素子本体10を有する。この素子本体10の両端部11,13には、素子本体10の内部に配置された内部電極層4,6と各々導通する一対の外部端子電極12,14が形成してある。
【0024】
内部電極層4,6は、各端面が素子本体10の対向する両端部11,13の表面に露出するように積層してある。一対の外部端子電極12,14は、素子本体10の両端部に形成され、内部電極層4,6の露出端面にそれぞれ接続されて、バリスタ回路を構成している。
【0025】
抵抗体層8は、バリスタ特性を有する材料であれば特に限定されないが、たとえば酸化亜鉛系バリスタ材料層で構成される。この酸化亜鉛系バリスタ材料層は、例えばZnOを主成分とし、副成分として希土類元素、Co、IIIb族元素(B、Al、Ga及びIn)、Si、Cr、アルカリ金属元素(K、Rb及びCs)及びアルカリ土類金属元素(Mg、Ca、Sr及びBa)等を含む材料で構成される。または、ZnOを主成分とし、副成分としてBi、Co、Mn、Sb、Al等を含む材料で構成されていても良い。
【0026】
抵抗体層8としては、酸化亜鉛系バリスタ材料層以外に、コンデンサ材料層、NTCサーミスタ材料層などで構成されてもよい。
【0027】
内部電極層4,6は、導電材を含んで構成される。内部電極層4,6に含まれる導電材としては、特に限定されないが、PdまたはAg−Pd合金からなることが好ましい。内部電極層4,6の厚さは、用途に応じて適宜決定すればよいが、通常0.5〜5μm程度である。
【0028】
外部端子電極12,14も導電材を含んで構成される。外部端子電極12,14に含まれる導電材としては、特に限定されないが、通常、AgやAg−Pd合金などを用いる。さらに、必要に応じ、AgやAg−Pd合金などのペースト電極膜から成る下地電極層12p,14pの表面に、電気メッキ等により、Ni及びSn膜などで構成されるメッキ膜12c,14cが形成してある。下地電極層12p,14pの厚みは、用途に応じて適宜決定すればよいが、好ましくは5〜50μm程度である。また、メッキ膜12c,14cの厚みは、用途に応じて適宜決定すればよいが、好ましくは3〜10μm程度である。
【0029】
素子本体10の形状は、特に制限はないが、通常、直方体状とされる。また、その寸法にも特に制限はなく、用途に応じて決定され、特に、1005形状(縦1.0mm×横0.5mm×厚み0.5mm)サイズ以下、たとえば、小さく軽い上に電極間距離が短い0603形状(縦0.6mm×横0.3mm×厚み0.3mm)サイズ以下である場合に本実施形態の構造の効果が大きい。
【0030】
素子本体10において、内部電極層4,6および抵抗体層8の積層方向の両外側端部には、外側抵抗体層18が配置してあり、素子本体10の内部を保護している。外側抵抗体層18の材質は、抵抗体層8の材質と同じであっても異なっていても良いが、通常、抵抗体層8の材質とほぼ同じであり、半導体材料で構成されている。
【0031】
そのため、一対の下地電極層12p,14pの外側にメッキ膜12c,14cを形成する際には、そのメッキ処理時に、半導体である外側抵抗体層18の外表面(素子本体10の表面10α)には、メッキ膜が形成されてショート不良となりやすい。そのため、その表面10αには、ガラスコートなどの保護膜16が形成してあることが好ましいが、本発明では、必ずしも保護膜16は形成されていなくとも良い。保護膜16を形成する場合には、保護膜16の厚さは、好ましくは0.05〜0.2μm程度に薄い。保護膜16が厚すぎると、保護膜16を形成した後に、下地電極層12p,14pを形成する際に、内部電極層4および6と下地電極層12p,14pとのコンタクトが困難になる傾向にある。
【0032】
下地電極層12p,14pは、電極ペーストの焼付け処理により形成されている。下地電極層12p,14pは、素子本体10の端面に位置する端面部分12γ,14γと、端面部分12γ,14γに連続して形成され、素子本体10の端面近傍の四側面にまで延びる側面部分12β,14βとを有している。
【0033】
本実施形態では、外部端子電極12,14で覆われていない素子本体10の表面10αの粗さをα・Raと表し、外部端子電極12,14における側面部分12β,14βの表面の粗さをβ・Raと表した場合に、α・Raは、好ましくは0.02〜0.4μm、さらに好ましくは0.05〜0.3μmであり、β・Raは、好ましくは0.05〜0.7μm、さらに好ましくは0.1〜0.5μmである。また、α・Raに対するβ・Raの比率は、0.33≦β・Ra/α・Ra≦10、好ましくは5≦β・Ra/α・Ra≦10である。なお、粗さは、算術平均粗さである。
【0034】
本実施形態では、外部端子電極12,14における側面部分12β,14βの表面粗さβ・Raの値は、端面部分12γ,14γの表面粗さγ・Raの値に比較して小さい。端面部分12γ,14γの表面の粗さγ・Raは、好ましくは、0.05〜0.8μm、さらに好ましくは0.1〜0.5μmである。γ・Raとβ・Raの差(γ・Ra−β・Ra)は、好ましくは、0.1〜0.2μmである。
【0035】
表面粗さα・Raは、後述する研磨処理後の素子本体10の表面10αにおける表面粗さであるが、ガラスコートから成る保護膜をスパッタリングなどの薄膜法で形成する場合には、保護膜16の表面粗さと同じになる。また、表面粗さβ・RaおよびγRaに関しては、研磨処理後の下地電極層12p,14pの表面粗さであるが、メッキ処理の特性上、メッキ膜12c,14cの表面も同様な表面粗さとなる。
【0036】
次に、図1に示す積層チップバリスタ2の製造方法について説明する。
まず素子本体10を製造する。素子本体10を製造するために、印刷工法またはシート工法等により、内部電極層4,6が互い違いに両端部に露出するように、抵抗体層8(バリスタ層)と内部電極層4,6を交互に積層し、その積層方向の両端に外側抵抗体層18を積層し、積層体を形成する。
【0037】
次に、この積層体を切断し、グリーンチップを得る。次に、必要に応じて脱バインダー処理を行い、グリーンチップを焼成し、素子本体10を得る。次に、必要に応じて、素子本体10の研磨(たとえば一般的なバレル研磨)を行い、内部電極の端部を素子本体の両端面に露出させる。その後に、素子本体10の両端部に外部端子電極12,14を形成するための電極ペーストを塗布、焼き付けして下地電極層12p,14pを形成する。
【0038】
次に、後述する研磨処理を行った後に、メッキ膜12c,14cを各下地電極層12p,14pの表面に電気メッキ法により形成する。このようにして図1に示す積層チップバリスタ2が製造される。
【0039】
なお、ガラスコートなどの保護膜16の形成は、メッキ処理の前に行うことが好ましく、下地電極層12p,14pの形成前に行っても良い。保護膜16は、十分に薄いので、素子本体10の端面に下地電極層12p,14pを形成する際に、内部電極層4,6との接続を確保することが可能である。
【0040】
次に、メッキ処理前に行う研磨処理について説明する。その前に、まず、研磨処理に用いる研磨装置について説明する。
【0041】
図2に示すように、研磨装置20は、回転盤21と、底板22と、側面リング23と、スリット形成部材24と、カバー25と、取出し用蓋26と、供給パイプ27と、排出受け28と、排出パイプ29とを有している。
【0042】
回転盤21には、軸部21aが下面に形成してあり、その軸部21aが不図示のベルトおよびベルト駆動モータからの駆動力を受けることによって、回転軸20Tを中心に時計回りおよび反時計回りの双方に回転可能になっている。回転盤21には、底板22が固定され、底板22の上には、側面リング23が固定してある。
【0043】
側面リング23の上面には、スリット形成部材24が配置してある。スリット形成部材24の上面には、カバー25の固定部25aが固定され、カバー25の上面には、取出し用蓋26が開閉可能に固定されている。これにより、後述する研磨液の飛散を防止している。
【0044】
本実施形態では、スリット形成部材24と、側面リング23と、底板22と、回転盤21とを、カバー25に対して着脱自在に固定してあり、回転盤21と共に回転可能になっている。取出し用蓋26は、カバー25に着脱自在に装着され、カバー25と共に回転可能に構成してある。供給パイプ27は、取り出し用蓋26には固定されず、回転盤21とは共に回転しないようになっていることが好ましい。なお、本実施形態では、回転盤21と共に、回転する部分は、少なくとも側面リング23であればよく、スリット形成部材24、カバー25、取り出し用蓋26および供給パイプ27は、必ずしも回転しなくとも良い。
【0045】
側面リング23は、底板22と共に、凹状容器20aを構成する部材であり、内周に沿って内側壁面23aが形成してある。内側壁面23aは、底板22の上面、すなわち凹状容器20aの底面22aに対して、所定角度θで傾斜してある。所定角度θは、90度よりも大きく180度よりも小さな傾斜角度、さらに好ましくは100〜120度である。なお、内側壁面23aは、必ずしも直線状の傾斜面である必要はなく、凸状あるいは凹状の曲面状の傾斜面でも良い。ただし、好ましくは、内側壁面23aは、直線状の傾斜面である。
【0046】
側面リング23の軸方向の高さは、特に限定されないが、好ましくは5〜35mmである。側面リング23とスリット形成部材24との間、あるいはスリット形成部材24とカバー25の固定部25aとの間には、凹状容器20aの内部と外部とを連通させるスリット24aが形成してある。凹状容器20aの内部には、供給パイプ27から研磨液30が供給され、余分な研磨液30は、スリット24aから容器の外部に排出され、排出受け28および排出パイプ29を通して外部に排出される。
【0047】
本実施形態では、研磨液として、メディアを含まない水が用いられるが、溶剤などを用いても良い。
【0048】
本実施形態では、図2に示す研磨装置20の回転盤21を、図4に示すように回転制御する。まず、図1に示す下地電極層12p,14pが形成された素子本体10を、図3(A)に示すように、凹状容器20aの内部に多数投入する。投入される素子本体10の個数は、特に限定されず、たとえば1000〜2000000個投入される。これらの素子本体10は、研磨液30が供給している凹状容器20aの内部で、底面22aの中央部に集まり、素子本体群10aを形成している。
【0049】
凹状容器20aを一定方向にゆっくりと回転させながら、徐々に回転速度を上げていく(図4に示す第1工程T01/第1可変速度領域)と、素子本体群10aが、凹状容器20aの底面22aに沿って外周方向にゆっくり移動する。その後に、図4に示す第2工程T02では、凹状容器20aが一定の回転速度(第1定速度領域)で回転し、素子本体群10aは、図3(B)に示すように、凹状容器20aの底面22aにおいて、内側壁面23近くに移動する(底面移動工程)。
【0050】
次に、図4に示す第3工程T03において、第1工程T01および第2工程T02よりも速い回転速度で凹状容器20aを回転させる。第3工程T03の間に、回転速度が急激に上昇する(第2可変速度領域)。この時、図3(C)に示すように、遠心力により、素子本体群10aは、内側壁面23aに沿って上方に移動する(壁面移動工程)。その後に、図4に示すように、第4工程T04において、最も研磨効率の良い回転速度(第2定速度領域)が維持される。
【0051】
図4に示す第3工程T03および第4工程T04では、図3(C)に示す素子本体群10aが内側壁面23aを登り上がる際の摩擦熱や、遠心力による素子本体群10aに作用する内側壁面23aへの押し付け力により、メディアを用いることなく、研磨液30のみで図5に示す下地電極層12p,14pの表面が研磨される。
【0052】
下地電極層12p,14pの表面が研磨されることで、図6(A)および図6(B)に示すように、下地電極層12p,14pの表面に存在するガラス成分12rが研磨され、下地電極層12p,14pの表面に導電性粒子12qが多数露出する。その結果、その下地電極層12p,14pの表面にメッキ膜12c,14c(図1参照)を均一に形成しやすくなる。なお、図6(A)および図6(B)では、分かりやすくするために、ガラス成分12rに対して導電性粒子12qが少ないが、実際には、導電性粒子12qはもっと多く存在する。
【0053】
本実施形態では、素子本体群10aが内側壁面23aを登り上がる際に、遠心力により、図3(C)および図5に示すように、内側壁面23aに沿って素子本体10が層状にばらけて押し付けられる。そのため、研磨に際して、素子本体10相互が衝突する確率も比較的に少なくなる。したがって、下地電極層12p,14pよりも窪んだ位置に存在する素子本体10の表面10α(図1参照)には、メディアや他の素子本体10あるいは内側壁面23aが衝突するおそれが少なく、素子本体10の表面10αに対するダメージも少ない。
【0054】
その後に、図4に示す第5工程T05では、凹状容器20aの回転速度を急激に低下させ、第6工程T06において、凹状容器20aの回転速度をゼロにする。凹状容器20aの回転を停止させても、凹状容器20aの内部に存在する液体は、慣性力により回転し続ける。そのため、内側壁面23aに沿って押し付けられていた素子本体10は、その液体の回転流により、内側壁面23aから離れ、渦を巻きながら、ゆっくりと、内側容器23aの底面22aの略中央に攪拌されながら落下する(底面戻し工程)。その状態を図3(A)に示す。
【0055】
その後に、図4に示すように、第1工程T01〜第6工程T06とは回転方向が異なる以外は同様な第1工程T11〜第6工程T16を行い、その後に、第1工程T01〜第6工程T06と、第1工程T11〜第6工程T16とを交互に繰り返し行う。このようなサイクルを繰り返し行うことで、多数の素子本体10にそれぞれ形成してある下地電極層12p,14pが均一に研磨され、メッキ工程において、メッキ不良になる不良品の発生率を抑制することができる。
【0056】
本実施形態に係る積層チップバリスタ2では、α・Raとβ・Raの比率(β・Ra/α・Ra)が上述した範囲にあることで、端子電極の側面部分12β,14βの表面の研磨が十分に行われる。端子電極の側面部分12β,14βの研磨が十分であれば、端面部分12γ,14γも十分に研磨されていると考えられる。このため、図6(B)に示すように、端子電極12,14の表面で、ガラス成分の中に埋没していた導電性粒子が露出し、メッキ膜12p,14pが端子電極に付き易くなる。また、本実施形態では、α・Raとβ・Raの比率(β・Ra/α・Ra)が上述した範囲にあることで、素子本体10の表面10αにはメッキ伸びやメッキ剥がれによる再付着を有効に防止することができる。
【0057】
α・Raに対するβ・Raの比率(β・Ra/α・Ra)が0.33より小さい場合とは、β・Raが小さく、α・Raが大きい場合である。β・Raが小さい場合には、側面部分12β,14βの表面の研磨が過剰であると考えられ、端面部分12γ,14γも過剰に研磨され、素子本体10の角部が端子電極12,14から露出するおそれがある。さらに、α・Raが大きい場合には、素子本体10の表面にメッキ伸びやメッキ剥がれによる再付着が生じ易い傾向にある。
【0058】
また、α・Raに対するβ・Raの比率(β・Ra/α・Ra)が10より大きい場合とは、β・Raが大きく、α・Raが小さい場合である。α・Raが小さい場合には、素子本体10の表面が平滑になるが、その場合においても、素子本体10の表面にメッキ伸びやメッキ剥がれが生じ易い傾向にある。さらに、β・Raが大きい場合には、側面部分12β,14βの表面が粗すぎて、側面部分12β,14βの表面にメッキ層12c,14cが均一に形成されず、半田付け性が良好でなくなる。
【0059】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。たとえば、上述した実施形態では、積層チップバリスタを例に説明を行ったが、これに限定されず、本発明の方法が適用されるチップ型電子部品としては、積層コンデンサ、チップバリスタ、チップインダクタ、チップNTCサーミスタなどであってもよい。
【実施例】
【0060】
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
実施例1
抵抗体層8および外側抵抗体層18を構成する抵抗体磁器組成物の材料を作製するために、主成分原料としてZnO、副成分原料としてPr、Co、Ca、Alを用意した。また、内部電極層4,6を形成するためのペーストとして、Pdを含む導電性ペーストを用意した。次に、内部電極層、抵抗体層8および外側抵抗体層18を積層して積層体を形成した。その後、積層体を切断し、グリーンチップを得た。その後、脱バインダー処理を行い、グリーンチップを焼成し、素子本体10を多数準備した。
【0061】
次に、素子本体10の両端面11,13にAgを含む電極ペーストを塗布し、焼き付けして、下地電極層12p,14pを形成した。
【0062】
次に、上述した素子本体10を多数、図2に示す研磨装置20に投入し、図4に示すパターンで研磨処理を行った。具体的な研磨条件は、図4に示すパターンで300サイクルの研磨処理を行った。研磨後の多数の素子本体10のうち、20個をサンプリングし、レーザー顕微鏡(KEYENCE製 VK−8550)により、下地電極層12p,14pの側面部分12β,14βの表面の粗さβ・Ra、および素子本体10の表面10αの粗さα・Raの測定を行った。表面粗さの平均値は、α・Ra=0.4μm、β・Ra=0.05μmであった。β・Ra/α・Ra=0.125であった。結果を表1に示す。
【0063】
【表1】

【0064】
次に、上述した素子本体10を多数、電気メッキにより下地電極層12p,14pの表面にNiメッキ層およびSnメッキ層を形成し、図1に示す積層チップバリスタ2を製造した。積層チップバリスタ2の素子本体10のサイズは、縦0.4mm、横0.2mm、厚み0.2mmであった。
【0065】
この多数の積層チップバリスタ2の中から、1000個サンプリングし、実体顕微鏡を用いて外観検査を行った。図8に示すように、積層チップバリスタ2は、通常は外部端子電極12,14の長さL1が所定距離で決められており、外部端子電極12,14間の距離L2も所定範囲の基準を有している。外観検査において、図8に示すように、素子本体10における距離L2の範囲内に、外部端子電極12,14のメッキ伸びやメッキ剥離による再付着がある場合には、NGと判定した。また、メッキ伸びやメッキ剥離による再付着がない場合にはOKと判定した。そして、外観検査試験でOKとした積層チップバリスタ2の個数を求めた。その結果を表1に示す。
【0066】
次に、上述した外観検査にてサンプリングした1000個の積層チップバリスタ2から、50個をサンプリングし、半田付け性の合格試験を行った。外部端子電極12,14を、基板に対し、半田付けを行った。そして、半田付け性の合否を判定した。なお、外部端子電極が95%以上半田で覆われている場合に半田付け性を合格とし、外部端子電極が95%未満の半田で覆われている場合に半田付け性を不合格と判定した。そして、半田付け性試験に合格した積層チップバリスタ2の個数を求めた。その結果を表1に示す。
【0067】
実施例2
素子本体10を図2に示す研磨装置20に投入し、図4に示すパターンで300サイクルの研磨処理を行い、素子本体の初期の表面粗さを調整すると共に、下地電極層12p,14pが形成された素子本体10を研磨する際に、図4に示すパターンで250サイクルの研磨処理を行い、α・Raおよびβ・Raとの関係を調整した以外は、実施例1と同様にして積層チップバリスタ2を製造し、同様の実験および測定を行った。α・Ra=0.3μmであった。また、β・Ra=0.1μmであった。β・Ra/α・Ra=0.33であった。結果を表1に示す。
【0068】
実施例3
素子本体10を図2に示す研磨装置20に投入し、図4に示すパターンで400サイクルの研磨処理を行い、素子本体の初期の表面粗さを調整すると共に、下地電極層12p,14pが形成された素子本体10を研磨する際に、図4に示すパターンで250サイクルの研磨処理を行い、α・Raおよびβ・Raとの関係を調整した以外は、実施例1と同様にして積層チップバリスタ2を製造し、同様の実験および測定を行った。α・Ra=0.2μmであった。また、β・Ra=0.1μmであった。β・Ra/α・Ra=0.5であった。結果を表1に示す。
【0069】
実施例4
素子本体10を図2に示す研磨装置20に投入し、図4に示すパターンで400サイクルの研磨処理を行い、素子本体の初期の表面粗さを調整すると共に、下地電極層12p,14pが形成された素子本体10を研磨する際に、図4に示すパターンで180サイクルの研磨処理を行い、α・Raおよびβ・Raとの関係を調整した以外は、実施例1と同様にして積層チップバリスタ2を製造し、同様の実験および測定を行った。なお、焼き付けして下地電極層12p,14pを形成した後で、多数の素子本体10のうち、20個をサンプリングし、研磨前の下地電極層12p,14pの表面粗さ(γ・Ra’、β・Ra’)の測定を行った。測定値を図7に示す。研磨前の下地電極層12p,14pの端面部分である焼付け端面の表面粗さγ・Ra’=0.61μmであった、研磨前の下地電極層12p,14pの側面部分である焼付け側面の表面粗さβ・Ra’=0.52μmであった。また、研磨後にも同様の方法で表面粗さを測定した。研磨後の端面12γ,14γの表面の粗さγ・Ra=0.39μmであった。研磨後の側面12β,14βの表面の粗さβ・Ra=0.3μmであった。なお、研磨後の素子本体10の表面10αの粗さα・Ra=0.2μmであった。β・Ra/α・Ra=1.5であった。結果を表1に示す。
【0070】
実施例5
素子本体10を図2に示す研磨装置20に投入し、図4に示すパターンで400サイクルの研磨処理を行い、素子本体の初期の表面粗さを調整すると共に、下地電極層12p,14pが形成された素子本体10を研磨する際に、図4に示すパターンで110サイクルの研磨処理を行い、α・Raおよびβ・Raとの関係を調整した以外は、実施例1と同様にして積層チップバリスタ2を製造し、同様の実験および測定を行った。α・Ra=0.2μmであった。また、β・Ra=0.5μmであった。β・Ra/α・Ra=2.5であった。結果を表1に示す。
【0071】
実施例6
素子本体10を図2に示す研磨装置20に投入し、図4に示すパターンで500サイクルの研磨処理を行い、素子本体の初期の表面粗さを調整すると共に、下地電極層12p,14pが形成された素子本体10を研磨する際に、図4に示すパターンで110サイクルの研磨処理を行い、α・Raおよびβ・Raとの関係を調整した以外は、実施例1と同様にして積層チップバリスタ2を製造し、同様の実験および測定を行った。α・Ra=0.1μmであった。また、β・Ra=0.5μmであった。β・Ra/α・Ra=5であった。結果を表1に示す。
【0072】
実施例7
素子本体10を図2に示す研磨装置20に投入し、図4に示すパターンで600サイクルの研磨処理を行い、素子本体の初期の表面粗さを調整すると共に、下地電極層12p,14pが形成された素子本体10を研磨する際に、図4に示すパターンで110サイクルの研磨処理を行い、α・Raおよびβ・Raとの関係を調整した以外は、実施例1と同様にして積層チップバリスタ2を製造し、同様の実験および測定を行った。α・Ra=0.05μmであった。また、β・Ra=0.5μmであった。β・Ra/α・Ra=10であった。結果を表1に示す。
【0073】
実施例8
素子本体10を図2に示す研磨装置20に投入し、図4に示すパターンで1000サイクルの研磨処理を行い、素子本体の初期の表面粗さを調整すると共に、下地電極層12p,14pが形成された素子本体10を研磨する際に、図4に示すパターンで110サイクルの研磨処理を行い、α・Raおよびβ・Raとの関係を調整した以外は、実施例1と同様にして積層チップバリスタ2を製造し、同様の実験および測定を行った。α・Ra=0.02μmであった。また、β・Ra=0.5μmであった。β・Ra/α・Ra=25であった。結果を表1に示す。
【0074】
実施例9
素子本体10を図2に示す研磨装置20に投入し、図4に示すパターンで1000サイクルの研磨処理を行い、素子本体の初期の表面粗さを調整すると共に、下地電極層12p,14pが形成された素子本体10を研磨する際に、図4に示すパターンで40サイクルの研磨処理を行い、α・Raおよびβ・Raとの関係を調整した以外は、実施例1と同様にして積層チップバリスタ2を製造し、同様の実験および測定を行った。α・Ra=0.02μmであった。また、β・Ra=0.7μmであった。β・Ra/α・Ra=35であった。結果を表1に示す。
【0075】
次に、表1に示すデータのうち、α・Raの値に着目して並べ替えを行った。その結果を表2に示す。また、表1に示すデータのうち、β・Raの値に着目して並べ替えを行った。その結果を表3に示す。
【0076】
【表2】

【0077】
【表3】

【0078】
比較例1
素子本体10を図2に示す研磨装置20に投入し、図4に示すパターンで100サイクルの研磨処理を行い、素子本体の初期の表面粗さを調整すると共に、下地電極層12p,14pが形成された素子本体10を研磨する際に、図4に示すパターンで110サイクルの研磨処理を行い、α・Raおよびβ・Raとの関係を調整した以外は、実施例1と同様にして積層チップバリスタ2を製造し、α・Raの値の測定および外観検査合格率の検査を行った。結果を表2に示す。
【0079】
比較例2
素子本体10を図2に示す研磨装置20に投入し、図4に示すパターンで500サイクルの研磨処理を行い、素子本体の初期の表面粗さを調整すると共に、下地電極層12p,14pが形成された素子本体10を研磨する際に、図4に示すパターンで5サイクルの研磨処理を行い、α・Raおよびβ・Raとの関係を調整した以外は、実施例1と同様にして積層チップバリスタ2を製造し、β・Raの値の測定および半田付け性合格率の検査を行った。結果を表3に示す。
【0080】
比較例3
下地電極層12p,14pを形成した後に素子本体10の研磨を行う際に、バレル研磨を行った以外は、実施例4と同様にして積層チップバリスタ2を製造し、同様の実験および測定を行った。バレル研磨においては、メディアをZrO製とし、直径0.3mm径の球状のものを、素子本体10と共にバレル研磨装置内に投入し、1時間、バレル研磨を行った。結果を図7に示す。
【0081】
評価1
表2に示す実験結果から、素子本体10の表面10αの粗さα・Raが0.1〜0.3μmの範囲にあることで、メッキ伸びやメッキ剥がれによる再付着を有効に防止することができることが判明した。また、表3に示す実験結果から、側面部分12,14βの表面の粗さβ・Raが0.1〜0.5μmの範囲にあることで、半田付け性の合格率が高まり、下地電極層12p,14pの表面に、よりメッキ膜が付き易くなることが判明した。さらに、表1に示す実験結果から、α・Raとβ・Raの比率が0.5≦β・Ra/α・Ra≦10、とくに5≦β・Ra/α・Ra≦10の場合に、半田付け性が良好で、外観検査合格率も高いことが判明した。
【0082】
評価2
図7に示す実験データから、実施例4において、側面部分12β,14βの表面が十分に研磨され、端面部分12γ,14γの表面も十分に研磨されていることが確認された。図7に示す実験データから、研磨を分析すると、研磨後の端面部分12γ,14γの表面の粗さγ・Raは、研磨前に比較して約36%研磨されていた。研磨後の側面12β,14βの表面の粗さβ・Raの値は、研磨前に比較して約42%研磨されており、側面部分の研磨効率が、より高かった。一方で、比較例3において、研磨後の粗さγ・Raと、研磨後の粗さβ・Raの値は、研磨前に比較して、共に約25%であった。もし、比較例3において、実施例4で得られたβ・Ra(0.30μm)の値を得ようと、研磨時間を長くすると、γ・Raの値は実施例4で得られたγ・Ra(0.39μm)を下回ってしまうことになり、研磨が過剰になり、端子電極から素子本体10の角部が露出するおそれがあり、実施例4(他の実施例も同様と考えられる)の有効性が確認された。
【符号の説明】
【0083】
2…積層チップバリスタ
6,8…内部電極
10…素子本体
12,14…外部端子電極
12p,14p…下地電極層
12c,14c…メッキ膜
12β,14β…側面部分
12γ,14γ…端面部分
16…保護膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部電極が内部に形成された素子本体と、
前記内部電極が露出する前記素子本体の端面を覆う端子電極とを有するチップ型電子部品であって、
前記端子電極が、前記素子本体の端面に位置する端面部分と、前記端面部分に連続して形成され、前記素子本体の端面近傍の四側面にまで延びる側面部分とを有し、
前記端子電極で覆われていない前記素子本体の表面の粗さをα・Raと表し、前記側面部分の表面の粗さをβ・Raと表した場合に、α・Raに対するβ・Raの比率は、0.33≦β・Ra/α・Ra≦10であることを特徴とするチップ型電子部品。
【請求項2】
前記素子本体の表面の粗さα・Raは0.05〜0.3μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載のチップ型電子部品。
【請求項3】
前記側面部分の表面の粗さβ・Raは、0.1〜0.5μmの範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載のチップ型電子部品。
【請求項4】
前記側面部分の表面の粗さβ・Raの値は、前記端面部分の表面の粗さγ・Raの値に比較して小さいことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のチップ型電子部品。
【請求項5】
前記端子電極で覆われていない前記素子本体の表面がガラスコートで覆われていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のチップ型電子部品。
【請求項6】
前記端子電極が、電極ペーストの焼付け処理で形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のチップ型電子部品。
【請求項7】
前記端子電極の表面は、メッキで覆われていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のチップ型電子部品。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−176238(P2011−176238A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−40786(P2010−40786)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】