説明

チャージポンプ装置及び出力電源生成方法

【課題】 様々な特長を有するチャージポンプ方法及び装置を提供する。
【解決手段】 チャージポンプから他の回路へのノイズ注入は、クロックの立ち上がり及び立ち下がり変化率を制限すると同時に、クロック生成駆動回路内の駆動電流を制限することにより、また、特定の転送コンデンサ結合スイッチの制御端子ACインピータンスを増加させることによっても減少できる。単相クロックは、チャージポンプ内の全ての能動スイッチを制御するために用いられ、容量性結合は、バイアスと転送コンデンサ結合スイッチを制御するクロック信号のタイミングを簡単化する。前記方法及び装置の特長の如何なる組合せも、多種多様なチャージポンプに関し、チャージポンプの設計を簡素及び/簡単化するために利用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に電源に関連し、より具体的には、チャージポンプのような容量性のエネルギー伝達DC−DCコンバータ(DC/DC変圧器)に関する。
【背景技術】
【0002】
DC/DC変圧器の電源供給回路はDC電圧源に基づくDC出力を提供する。出力は一般的に入力とは異なる電圧である。ここで用いられる語に関し、DC/DC変圧器はリニアパス素子を用いる電圧降下レギュレータ回路を含まないが、コンデンサやコイルのようなエネルギー蓄積装置を通じた入力から出力へのエネルギー変換を含む。
【0003】
ここで重要なDC−DCコンバータは、主として電源から出力への容量性変換を用いて、出力電圧用のエネルギーを得るチャージポンプである。複合素子は容量性エネルギー変換に加えて誘導性エネルギー変換を使用できるが、コイルは一般にチャージポンプの主要なエネルギー変換素子でない。チャージポンプは電源電圧より高い出力電圧、または、電源電圧を反転した出力電圧、または、電源電圧と異なる電圧に参照される電圧を出力でき、さらにこれらを同時に行える。
【0004】
チャージポンプは、多種多様な目的のために用いて良い。必要な素子および要素が大部分の集積回路製造技術と互換性を持つので、チャージポンプは集積回路製造に適している。例えば、図1に示されるように、チャージポンプは、トランシーバの送受信回路間のアンテナを切替える集積回路用の負のゲート・バイアス電圧を生成するために使用される。多くの無線トランシーバ(例えば移動電話)は、単一アンテナを用いて送受信を行う。このようなシステムが受信している間、アンテナ102は、例えば、フィルタ104および低ノイズ増幅器106を含む受信回路に連結され、受信信号を更なる処理に提供しなければならない。しかしながら、このようなシステムが送信している間、アンテナ102は感度が高い受信回路から分離され、その代わりに比較的高出力の送信回路に結合されなければならない。送信回路は、例えば、送信信号を処理するために、電力増幅器108および送信フィルタ110を含む。
【0005】
RFスイッチ112は、このようなアンテナ切り替え機能を実行するために用いられる。理想的には、このようなスイッチは、受信及び/又は送信回路と統合され、そして、いずれにしても携帯トランシーバ(例えば携帯電話および携帯型無線機)の空間的制限により非常に小さいことが望ましい。このようなスイッチを実装するために用いる、切り替え素子(例えばMOSFET)で高性能を達成するために、多くの設計は、送受信回路の電源供給線(例えば−3V電源)の下に負の特別なバイアス電源を必要とする。チャージポンプは非常に小型な回路に直ちに組み込むことができるので、携帯電話のようなトランシーバの空間的およびコスト制約からみて、特にこの種のバイアス電源の生成に適している。
【0006】
RFスイッチ112は、送信時に、アンテナ102に比較的強力な信号を伝達する。しかしながら、受信時、RFスイッチ112によって通過する信号は、数十ナノボルトの単位で測定される。鋭いノイズ遷移は、極めて幅広いフーリエ周波数成分を有し、そして、ミリボルト程度の振幅の均一な信号は、極めて速いエッジを有する場合、受信を妨げる。フィルタ104がノイズを取り除く間、RFスイッチ112がノイズ(特に受信信号の中心周波数の近くの成分素を有するノイズ)を挿入しないことが重要である。従って、図1の送受信スイッチは、チャージポンプがなお極めて低いノイズを要求する回路に必要とされる多くの状況のうちの一例を示す。
【0007】
残念ながら、ノイズ生成は、チャージポンプで最も一般的な欠点の1つである。電流スパイクは、一般的に電圧リップル及びスパイクと共に、入力及び出力電圧の両方に結合される。チャージポンプが他の素子と統合される場合、このような電子ノイズは制御が困難な種々の機構によって、統合回路の全体にわたって結合される。従って過度のノイズ生成を回避し、電源、出力電源、及び関連する回路へのチャージポンプのノイズ注入を減少させるチャージポンプが必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の方法と装置は、上述の低ノイズチャージポンプの必要を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
DC−DC変換のためのチャージポンプ方法及び装置は、転送コンデンサを入力電源と出力に交互に結合することにより出力を生成し、実現される。チャージポンプクロック出力は、チャージポンプ回路の転送コンデンサ結合スイッチを制御するために生成される。チャージポンプ方法(または装置)は方法の一つ以上の特長の組合せを更に有し、以下に説明するように、ノイズを減らし、または設計を改良する。
【0010】
本願明細書に記載されたチャージポンプ方法のある特長は、電源電圧から転送コンデンサ(「TC」)への電荷の転送と、TCから出力電源への電荷の転送を交替に行うことにより、出力電源を生成する段階を有する。TC結合スイッチ(「TCCS」)回路は、チャージポンプクロック(「CPClk」)の制御下で、TCを電源に結合するスイッチである。この方法は、放電期間に、TCCS放電回路を通じ、TCを出力電源に結合し、正および負の両方の転送の間、CPClk出力の電圧変化率を能動的に制限する段階を含む。
【0011】
本願明細書に記載されたチャージポンプ装置のある特長は、回路内の出力電源を生成するために使用されてよい。この特長は転送コンデンサ(「TC」)および複数のTC結合スイッチ(「TCCS」)を含み、各TCCSは、出力されるチャージポンプクロック(「CPClk」)によって制御される。本装置はまた、CPClk出力の立ち上がり変化率を制限する回路およびCPClk出力の立ち下がり変化率を制限する回路を有する、CPClk生成回路を有する。TCCSはTCに結合され、周期的な第1の期間にTCを電圧源に結合するよう制御され、第1の期間と同時でない周期的な第2の期間にTCを出力電圧に結合するよう制御される。
【0012】
本願明細書に記載されたチャージポンプ装置の別の特長はまた、回路内の出力電源を生成するために使用されてよい。この特長は電源端子および出力端子の間で交替に結合される転送コンデンサ(「TC」)を有し、そして、チャージポンプクロック(「CPClk」)出力の制御下で、導通するか否かをそれぞれ切り替え可能な複数の能動スイッチを有する。この特長は、電源電流を出力節点へ、またシンク電流を駆動出力節点から流す能動駆動回路を有するCPClk生成回路と、能動駆動回路の電源電流を制限する回路およびシンク電流を制限する回路とを有する。
【0013】
本願明細書に記載されたチャージポンプの別の特長は、電源電圧から転送コンデンサ(「TC」)への電荷の転送と、TCから出力電源への電荷の転送を交替に行い、出力電源を生成する方法である。この方法は、チャージポンプクロック(「CPClk」)の制御下で、放電スイッチを通じ、TCを出力電源に結合する段階を含む。本方法はまた、CPClk生成回路内で、駆動回路と対応する出力節点間の電源電流およびシンク電流を制限する段階を含む。
【0014】
本願明細書に記載したチャージポンプ方法の更に別の特長は、電源電圧から転送コンデンサ(「TC」)への電荷の転送と、TCから出力電圧への電荷の転送を交替に行う。この方法は、単相チャージポンプクロック(「CPClk」)出力の制御下の放電スイッチ回路を通じ、放電期間の間にTCを出力電圧に結合し、単相CPClk出力の制御下の充電スイッチ回路を通じ、TCを電源電圧に結合する段階を含む。
【0015】
本願明細書に記載されたチャージポンプ装置に関連した特長は、出力電源を生成するために利用されて良い。この装置は、転送コンデンサ(「TC」)と、TCと出力電源の間に直列に配された一つ以上の電源切替素子と、TCと電源電圧間に直列に配された一つ以上の出力切替素子とを含む。チャージポンプクロック(「CPClk」)生成回路の単相出力は、全ての電源切替素子に結合され、充電期間のみ電源切替素子を導通させる。また、全ての出力切替素子に結合され、放電期間のみ出力切替素子を導通させる。ここで、放電期間と充電期間は交互に生じ、重ならない。
【0016】
本願明細書に記載されたチャージポンプ方法の更なる特長は、電源電圧から転送コンデンサ(「TC」)への電荷の転送と、TCから出力電圧への電荷の転送を交替に行い、出力電圧を生成する。この方法は、第1のチャージポンプクロック(「CPClk」)出力を第1の容量性結合回路を通じ、TC充電スイッチ端子に結合し、第1のCPClk出力の制御下で、充電期間にTCを電源に結合する段階を含む。この方法はまた、第2のCPClk出力を第2の容量性結合回路を経てTC放出スイッチ端子に結合し、充電期間と非並行に交替する放電期間に、第2のCPClk出力の制御下で、TCを出力電圧に結合する段階を含む。
【0017】
本願明細書に記載されたチャージポンプ装置の更なる特長は、出力電圧源を生成するために利用され、転送コンデンサ(「TC」)を含む。この装置は、対応する制御ノードを有し、TCおよび電源供給間の直列に配された、一つ以上の電源切替素子を有する。この装置はまた、対応する制御端子を有し、TCおよび出力電圧間の連続に配された、一つ以上の出力切替素子を更に有する。この装置はまた、チャージポンプクロック出力を電源切替素子の制御端子に、または出力切替素子の制御端子に結合する、容量性結合回路を含む。
【0018】
本願明細書に記載されたチャージポンプ方法の更に別の特長は、転送コンデンサ(「TC」)端子およびチャージポンプ出力間の出力ホットスイッチを処理する段階と、対極のTC端子およびチャージポンプ出力の共通接続の間で出力共通スイッチを処理する段階とを含む。出力共通スイッチの制御端子のACインピーダンスと比較すると、この方法はまた、ホットスイッチのより高い制御端子のACインピーダンスを確立する段階を含む。関連する特長は、一般的にこの方法と同様の装置を提供する。
【0019】
チャージポンプ方法または装置の実施例は、方法または装置の個々の特長のいかなる組合せも使用することができ、広範囲にわたるチャージポンプ・構造および構成において構成されることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の方法と装置の種々の特長は、ノイズスパイクが比較的ないチャージポンプの設計および製造に更なる効果を提供するだろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】RFスイッチの利用を示すブロック図である。
【図2】基本的なチャージポンプの動作を示すブロック図である。
【図3】本願明細書に記載された方法および装置の特長を用いることにより、ノイズを減少させる、複数の電流路を示すチャージポンプのブロック図である。
【図4】電流制限インバータの例を示すブロック図である。
【図5】チャージポンプの電流劣化型発振器のブロック図である。
【図6】能動スイッチが容量性結合により制御信号に結合されたチャージポンプのブロック図である。
【図7】受動的なスイッチを用いたチャージポンプのブロック図である。
【図8】チャージポンプクロック出力に容量結合される制御ノードを有するチャージポンプスイッチのブロック図である。
【図9】選択的チャージポンプの構成を示すブロック図である。
【図10】チャージポンプを用い、任意の出力電圧を発生する技術を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施例は、以下の図を参照することでより容易に理解される。以下の図の類似の参照番号および記号は類似の要素を示す。
【0023】
図2は、ある基本的なチャージポンプの動作を示す。図2では、一般的に各入力および出力電源に存在するフィルタコンデンサは、エネルギー転送コンデンサC202との混同を避けるため、省略される。S1204およびS2206が閉じるときに、C202はDC電源供給端子Vs+208およびVs−210に接続し、従って、C202は電圧Vsに充電され、値[(Vs+)−(Vs−)]を有する。次にS1204およびS2206は開かれ、C202を浮遊させる。次に、S3212およびS4214を閉じ、浮遊した転送コンデンサC202に出力電圧へ電荷を飛ばす(このようなコンデンサはまた、この理由のため、フライコンデンサと呼ばれる)。充電されたCは、従って、出力電圧端子Vo1+216およびVo1218(出力Vo1)に接続される。出力Vo1の電圧がC202に蓄積された電圧より小さい場合、C202は放電し、エネルギーをVo1へ転送する。Vo1は出力電圧であってもよい。
【0024】
多くの異なる出力構成は、ただこれらの4つのスイッチS1204、S2206、S3212およびS4214を転送コンデンサC202と共に用いることにより可能である。第1の例は、電圧を2倍にする構成である。Vo1218はVs+208に接続され、Vo1+216はVs+208の約2倍の電圧に達する(両方ともVs−210を基準にし、損失を無視する)。第2の例は、電圧を反転させる構成である。Vo1+ 216はVs−210に接続され、Vo1−は約−Vs(Vs−210を基準とする)に達する。第3の例は供給を分離する構成である。Vo1+216もVo1−218も、固定的な電圧端子を通じて電源電圧端子へ接続されない。むしろ、スイッチS1204およびS3212の隔離機能と、スイッチS2206およびS4214の隔離機能によって可能な場合、入力ラインは出力から分離される。
【0025】
当業者は、明確な詳細を説明することなく特定の特長を理解するだろう。例えば、転送コンデンサC202は入力に接続される間、出力から分離されなければならないので、一般的に適切な一定電圧を出力に維持するには蓄積装置を必要とする。このような蓄積装置は、一般的にフィルタキャパシタを有するが、図2に示されない。別の例として、出力電流および電圧は、多くの要因によって変化する。当業者は、このような要因を考慮して出力電圧を予想するか、または出力電圧を調整するよう選択してよい。このような調整は図示されないが、例えば、先ずC202がVsに充電され、次に電圧Vo1に放電される間、「ポンプ」サイクルの周波数を制御する。調整はまた、図10を参照して説明されるように、チャージポンプの電圧源の値を制御する。
【0026】
別の出力接続スイッチ、S5220およびS6222は、単一の転送またはフライコンデンサC202の利用を多重化することにより、チャージポンプに他の電圧を印加するようにする。例えば、充電および放電サイクルは、重ならずに交互に生じる。Cは、各充電サイクルの間、Vsに充電される。しかしある放電サイクルで、CはVo2(Vo2+224からVo2−226)まで放電される。その一方で、別の放電サイクルで、Cは、Vo1に放電される。この方法で、ほぼ等しい値の3つの電圧(Vs、Vo1およびVo2)が生成される。これらの電圧の間の接続は、チャージポンプ回路が電圧を3倍にするか、または2倍にする電圧インバータか、または分離された2*Vsを供給するか、2つの分離された出力を供給するか等を決定する。これらの原理は、更に他の出力の組合せに拡張できる。
【0027】
典型的な実施形態において、各スイッチS1204、S2206、S3212およびS4214は(S5220およびS6222のような他のスイッチを使用する場合、他のスイッチと同様に)、適切なトランジスタ(例えばMOSFET)から成る。しかしながら、多くの状況で、具体的なチャージポンプの電圧および電流の特定の構成要件が満たされれば、単なるダイオードでスイッチを代用できる。
【0028】
図2に示される基本的なチャージポンプの構造はまた、「プッシュプル」式の動作のために複製されてよい。このために、第1のCがVo1に接続されると共に、第2のCはVsに接続される。そうすると、前記第2のCはVo1に放電され、第1のCはVsに接続される。このような技術は、出力電圧により恒常的な電流容量を提供し、出力電圧リップルの低減を助ける。従って、チャージポンプDC/DCコンバータは、単一のDC電源から多くの異なる出力を提供するよう、様々な構成で設計されてよい。
【0029】
以上に説明したように、ノイズはチャージポンプに最も一般的な問題である。図3はチャージポンプの構造の例であり、ノイズ電流を一般的に発生する回路を示す。図3のチャージポンプは、転送コンデンサC202と、電源端子Vs+208及びVs−210を有する。これらは図2に示されたものと同様で、従って同じ番号を付されている。図3はまた、出力電源端子Vo+316及びVo−318を有する。C202を電源Vs又は出力電源Voと結合するフライコンデンサ結合スイッチは、制御端子(素子のゲート)に適用される信号により制御されるMOSFET素子として示される。フライコンデンサ結合スイッチは、第1のクロック出力354の制御下のPチャネルスイッチ304と、第2のクロック出力356の制御下のPチャネルスイッチ306と、第3のクロック出力362の制御下のNチャネルスイッチ312と、第4のクロック出力364の制御下のNチャネルスイッチ314とを含む。第4のチャージポンプクロック出力(354、356、362、及び364)は、チャージポンプクロック生成回路350で生成される。出力電圧Voのフィルタコンデンサ330は、Voの電流負荷332と共に示される。4つの電流計は、ノイズ電流が発生する線路を示すために図示されている。例えば、電圧ノイズは共通電源端子を通じて、又は寄生容量結合を介して他の回路に結合されてよい。この時、電流ノイズは、誘導性結合を通じて、又は共有インピータンスを介して他の回路に注入される。電源負荷電流計342は、電源電圧Vs+208とスイッチ304の間に配され、出力充電電流計344は、スイッチ312と出力フィルタコンデンサ330との間に配される。クロック発生電流計は、クロック生成器350とその電源との間に配される。つまり電流計346はVs+208とクロック生成器350の間に、電流計348はクロック生成器350とVs−210の間に配される。これら4つの電流計を参照し以下に記述されるチャージポンプのノイズ電流の説明は、事実上代表的なもので、複雑さを回避している。
【0030】
図3で、充電期間は、スイッチ304及び306の両方が閉じられた時に開始する。つまり、C202は電源に接続され、C202への充電電流は電流計342に現れる。充電電流のスパイクの振幅は、VsとC202にかかる電圧との差と同時に、電源Vsの電源インピータンス及びC202自体の寄生抵抗により受動的に制限される。スパイクの振幅はまた、スイッチ304及び306による導通の能動的制御により制限される。最大振幅の制御に加え、充電電流の上昇率di/dtは、スイッチ304と306の切り替え速度を制限することにより制限される。
【0031】
充電期間の終了時に、スイッチ304及び306は、オフに切り替えられる。この時、C202が完全に充電されていない場合、電流の変動は電流計342に現れ、その傾きはdi/dtであり、スイッチ304及び306の組がオフに切り替えられる速度に部分的に依存する。第1のクロック出力354と第2のクロック出力356は、スイッチ304及び306の対応する制御端子にそれぞれ結合されているので、出力354及び356は、閾値より高い電圧まで引き上げられ、これらスイッチの非導通のオフ状態を誘発する。制御端子の電圧を引き上げるため、これらクロックは電源電流を出力し、スイッチに対応するゲート容量(及び/又は他の寄生容量及びインピーダンス)を駆動する。駆動電流は電流計346に現れる。寄生容量により、高いdv/dtゲート駆動電流は、一般的に対応する電流計346に有意な容量電流スパイクを生じる。
【0032】
スイッチ304及び306がオフに切り替えられた後、放電期間は充電期間と重複しないことが保証される。放電期間を開始するために、第3のクロック362及び第4のクロック364は、それぞれスイッチ314及び312の制御端子の電圧を、閾値電圧Vgsより高く上昇させ、各スイッチを導通状態にする。結果としてスイッチ312及び314の容量性ゲート電流が電流計346に現れる。この電流は最大値で現れ、di/dtはクロック出力のdv/dtに部分的に依存する。スイッチのエネルギー損失を最小限に抑えるため、このような回路のクロック端は、一般的に比較的速く設計される。
【0033】
スイッチ312及び314がオンに切り替わると、C202はCo330へ放電し始め、電流計344に電流が現れる。放電クロック周期の終わりで、第3のクロック出力362及び第4のクロック出力364は、電流を引き込み、オフ電圧へ降下させ、ゲート電流を生じ、対応するスイッチのゲート容量を放電する。これは電流計348に現れる。最後にC202は、Co330から分離される。Co330は、C202の放電が完了しなかった場合に、別の電流を生じ得る。これは電流計344に現れる。
【0034】
クロック出力354及び356が、それぞれスイッチ304及び306のゲートから電流を引き込み、それらスイッチの制御端子電圧をVgsの閾値より有意に低いレベルに降下させ、それによりスイッチがオンに切り替わり充電期間が開始するまで、全てのスイッチはオフである。クロック出力354及び356により提供されるシンク電流は、この変化に影響し、電流計348に現れる。このような電流のdi/dtは、これらクロック出力の立ち下がりで、本質的にdv/dtの大きさに依存する。
【0035】
以上に説明したそれぞれの高いdi/dt電流スパイクは、相互インダクタンス、共通得インピーダンス、又は共通端子を通じて、隣接する回路に結合されやすい。確認された一部の又は全てのノイズ源を削減することは、例えば図1を参照して説明した、チャージポンプDC/DC変換器は必要とし、同時に非常に低いノイズを要求する回路にとって望ましい。以下の図の様々な特長は、組み合わされ、このような望ましいチャージポンプを構成するために利用される。単相クロックによる制御の利便性と簡易性のような他の利点も、明らかになるだろう。
【0036】
図4、5、及び6は、基本的な反転チャージポンプの例を示す。図4は、電流制限駆動回路(インバーターと称する)を構築する回路の例を示す。この回路は、チャージポンプクロック生成回路内で用いられる。図5は、電流劣化型リング発振器を形成するよう構成された電流制限、反転駆動回路を利用する、チャージポンプクロック生成回路の例を示す。図6では、単一のチャージポンプクロック出力を用い、例示されたチャージポンプ内の全ての能動フライコンデンサ結合スイッチを駆動する。以下の説明を通じて、一部の例示されたFET素子の参考の大きさは、チャネル長(W)及び長さ(L)のようにマイクロ単位で括弧を用い示される。これらの参考の大きさは、低電位シリコン・オン・インシュレータ(「SOI」)集積回路に適合し、関連する大きさの検討に役立つ。示された実施例では、PチャネルMOSFETの閾値電圧は−0.25Vであり、NチャネルMOSFETでは+0.5Vである。素子の大きさ、閾値電圧、及び他の検討要因は、勿論、設計及び工程を変化させるために適切に調整されてよい。そして実際にBJTのようなMOSFET又は他の増幅/切替素子の代替えは、適切に用いられてよい。
【0037】
図4は、電流制限、反転駆動回路のブロック図である。入力電源は、Vin+402と共通接続端子404を介して接続される。基準電流は、抵抗406により制限され、2極を接続されたMOSFET408(W7.5、L2)及び410(W7.5、L4)を通じて構成され、Pゲート基準電圧412とNゲート基準電圧414を生成する。駆動回路416は、入力端子418と出力端子420を有し、図のようにPチャネルFET422(W5、L0.8)とNチャネルFET424(W2、L0.8)とを直列に接続することにより形成される。駆動回路416は、出力端子420に電流を流し、電源電流又はシンク電流を流し、出力端子の電位を上昇又は降下させる。これらの素子が存在しない場合と比較して、駆動回路416の電流駆動能力を制限する回路が提供される。一連の素子が「存在しない」とは、直接接続による置き換えを意味すると理解されるべきである。一方、並列素子が「存在しない」とは、単にその素子の省略を意味すると理解されるべきである。
【0038】
駆動回路416の電流源容量は、電源電流制限回路426を通じて制限される。電源電流制限回路426は、例えば、PチャネルFET428(W1.5、L2)を有してよい。FET428のゲートは、例えば1μA以下に電流を制限する電流ミラーとして、Pゲート参照412と結合される。駆動回路416の電流シンク容量は、シンク電流制限回路430により同様に制限される。シンク電流制限回路430は、例えば、電流ミラー(例えば1μAに制限する)として、Nゲート参照414に結合されたNチャネルFET432(W1.5、L4)を有する。FET428及び432に1μAの制限を設けるには、例示された対応する素子の寸法比1:5により、FET408及び410の参照電流を通じて約5μAを必要とする。電源電流及びシンク電流の制限が同じ大きさの場合、不要な高周波の発生を減少させる。電流制限駆動回路を作る他の如何なる適切な技術、例えば、低伝導FET又は抵抗等も、このような駆動回路の電源又はシンク駆動容量の何れか又は両方を制限するために、代用として用いられてよい。
【0039】
追加回路は、Pゲート及びNゲート参照412及び414に接続されるよう破線で示され、オプションの追加の電流制限反転回路を示す。電流制限反転回路は、同一の電流参照電圧412及び414に結合される。
【0040】
図5は、「電流劣化型」リング発振器と呼ばれ、例えば1μSの周期で動作する、リング発振器500のブロック図である。インバータ502、504、及び506は、図4に示される様にインバータ416と等価である。それぞれは、図4の電源電流制限426と等価な電源電流制限508、510、及び512をそれぞれ用いて、電源接続端子Vin+402からの電流を制限する。各インバータはまた、図4のシンク電流制限430とそれぞれ等価なシンク電流制限514、516、及び518をそれぞれ用いて、シンク電源端子(共通参照符号404)からの電流を制限する。反転駆動回路502の出力転送率(dv/dt)は、それぞれ電源及びシンク電流制限508及び514の「電流劣化」効果と共に、出力端子に結合されたコンデンサ520(例えば90ff)により能動的に制限される。同様に、反転回路504の出力端子のdv/dtは、駆動反転回路504の電流駆動制限素子510及び516と共に、出力端子に結合されたコンデンサ522(例えば90ff)により能動的に制限される。
【0041】
駆動回路506のクロック出力524の出力転送dv/dtは、各駆動素子の結合され分散された容量(破線で示されるコンデンサ526)と共に、電源およびシンク電流制限512及び518により、能動的に制限される。適切ならば勿論、ディスクリートコンデンサを追加してよい。駆動回路506の入力端子のdv/dtを制限する素子はまた、CLK出力524のdv/dtを制限する。3つの反転駆動回路502、504、及び506の直列接続は、リング発振器を形成する。電流劣化型リング発振器500は、クロック生成器内の全ての駆動回路の切替率を低下させる回路を有する、チャージポンプクロック生成回路の一例である。電流劣化型リング発振器500はまた、チャージポンプクロック出力524を生成する回路の一例であり、dv/dtは立ち上がり及び立ち下がり時に能動的に制限される。CLK出力524の電圧は、実際は(例えば0とVin+の間で)低いdv/dt遷移で、極めて正弦波に近い形で発振する。
【0042】
図6は、図5に示されたクロック生成器500の出力CLK524のような、制限された単相のdv/dtクロックを利用した、チャージポンプのブロック図である。例示した実施例では、Vin+は接地(共通基準)に対して+3Vであり、Vo−は−3Vである。PチャネルMOSFET602及び604(W20、L0.8)は、充電段階で導通し、フライコンデンサ606(例えば10pf)をVin+402及び共通基準404を介して電源に接続する。しばらく経って、放電段階で、FET602及び604はオフ(非導通)になり、NチャネルFET608(W20、L0.8)及び610(W5、L0.8)は導通し、共通基準の正側と蓄積コンデンサ614に蓄積された中間出力の間のフライコンデンサ606を接続する。
【0043】
この放電期間に、NチャネルFET608は、フライコンデンサ606の一端を出力電圧の共通基準(404)端子と結合する。同時に、NチャネルFET610は、フライコンデンサ606のもう一端を、出力電圧の共通基準の対極の出力電圧端子(FET610及びコンデンサ614)に接続する。素子610の面積は素子608の面積より小さい(例えば半分、実施例では4分の1)。小さい形状は、例えば、FET610のゲート容量を通じて制御信号の結合を最小化することにより、出力へのノイズの注入を減らす。一般的なFETでは、素子の面積は単純に長さと幅の積である。他の処理パラメータが一定ならば、制御端子のACインピーダンス(制御信号をスイッチに伝達する)は、前記面積のほぼ逆数により変化する。しかしながら、制御信号のAC結合インピーダンスは、他の方法で、例えば、誘電体の厚さの増加又は誘電率の減少を通じて、寄生ゲート自体の容量を減少させることにより、増加し得る。従って、素子610は、種々の方法で構成され、素子608の少なくとも2倍の制御端子のACインピーダンスを有する。
【0044】
蓄積コンデンサ614の電圧は、抵抗616及びフィルタコンデンサ618によりフィルタされ、共通基準404に対して、フィルタされた出力電圧Vo−を提供する。例示した実施例は、静的だが比較的低電流容量の出力を提供する。当業者は、例えば、非常に小さい(0に近い)抵抗616を用いることにより、又は抵抗616を一次誘導性インピーダンスに置き換えることにより、図6のような回路の電流容量を直ちに調整するだろう。また、FET602、604、608、及び610の何れか又は全てに、大容量素子を用いてもよい。同様に大容量のフライコンデンサ606を用いてもよい。
【0045】
FET602、604、608、及び610のそれぞれは、能動的制御可能な転送コンデンサ結合スイッチ(「TCCS」)の一例である。先ず、各FETは転送コンデンサと直列に結合され、そして電源(充電スイッチの場合)又は出力電源(放電スイッチの場合)に結合される。次に、各FETの導通は能動的に制御可能で、スイッチの制御端子(ここではFETのゲート)に提供される信号により制御される。このような制御端子は、主な導通接続(ここではソースとドレインの接続)に対し大きなインピーダンスを有する。
【0046】
図6に示すように、各TCCS602、604、608、及び610のゲート(制御端子)は、バイアス抵抗と共に対応する結合コンデンサを用い、適切なクロック信号にコンデンサを介して接続される。直接結合は、適切なレベルシフト及び分離の検討により用いられる。FET602、604、608、及び610では、容量性結合は、抵抗(例えば10MΩ)626、628、及び630と共に、それぞれコンデンサ(例えば1pf)618、620、及び622により実施される。
【0047】
FET610の場合、結合は2つの結合回路により実施され、電圧ストレスを低減する。従って、コンデンサ636(例えば2pf)は、抵抗638(例えば10MΩ)により中間平均電位(この場合、共通基準電位)にバイアスされた中間素子に、CLK254を結合する。この中間素子から、チャージポンプクロック出力信号は、コンデンサ624(例えば2pf)を介してFET610のゲートに結合され、FETの電源電圧に対し抵抗632(例えば10MΩ)によりバイアスされる。FET610の変更された容量性結合回路は、ある面では異なるが、機能は本質的に等価である、変更された回路の一例を他に提供する。ここに図示又は説明された如何なる回路も、本質的に同一の機能が実行されるならば、(必要ならば)そのような変更された回路により置き換えてよい。直列又はカスケード結合のトランジスタ又は上記のような直列のコンデンサのような、拡張された電圧容量回路は、特定の設計目標を満足するために、図示された如何なる回路の代わりに利用されてよい等価回路の例である。
【0048】
例示した回路では、FET608及び610のようなNチャネルスイッチは、FET602及び604のようなPチャネルスイッチがオフの間、共にオンに切り替えられ、また逆も同様である。Nチャネルスイッチのゲート閾値電圧は正であり(例えばVgsの導電率>0.5V)、Pチャネルスイッチのゲート閾値電圧は負である(例えばVgsの導電率<−0.25V)。CLK524の遷移のdv/dtの能動的制限は、従って、全てのスイッチがオフである期間(つまり、CLK524の平均−0.25からCLK524の平均+0.5への遷移期間)を生じる。チャージポンプの単相クロック駆動は、同様に異なる制御電圧閾値を有する、異なる種類のスイッチを用いて実施される。しかしながら、バイアス電圧は、電源に直列に配されたFET602及び608のような素子に、同時に導通されるのを避けるように、調整される必要がある。図6の回路及び素子は、単一のクロック位相(例えばCLK524)から、チャージポンプの全ての能動的に制御可能なTCCSを駆動するために都合の良い手法を提供する。また直列のフライコンデンサ結合スイッチが偶然に重ならないことを保証する。
【0049】
図6の各容量性ゲート駆動回路は、時間定数τを有する。τは駆動周期を用いてR*C/(クロック駆動周期)として表される。図6に例示した回路では、スイッチ駆動信号CLK524は約1μSの周期を有するので、τは約10周期である。しかしながら、多くの状況で、τは回路の動作に必要以上に影響することなく、大きく変化する。τは要求されるだけ増大されるが、これは逆に素子の面積に影響し得る。ある状況では、τは減少され、必要以上に性能を損なうことなく、例えば5周期、2周期、1周期、0.1周期、又はそれ以下へ値を下げてよい。このようなτの減少は、特に結合コンデンサ(例えば、618、620、622、又は624)の大きさの減少により達成される場合、対応するMOSFETに定期要するゲート駆動の振幅を減少させ得る。これは部分的には、結合コンデンサとMOSFETゲート容量の間の容量性分圧による。このような分圧は、制御端子電圧(Vgs)の大きさを減少させ、従って名目上イネーブルにされたスイッチの伝導率を減少させる。τの低減はまた、対応するスイッチがオンの間、各周期内で時間の比率を減少させる。また入れ替わりでリップル電圧及び/又は負荷電流容量を増加させる。τが選択される広い範囲は、このような工学的考察により制限される。
【0050】
チャージポンプは非常に用途が広く、本願明細書に記載のチャージポンプ方法及び装置の特長は、実際に如何なるチャージポンプの構成においても利用されて良い。いくつかの代替え技術は以下に説明され、そのそれぞれは本願明細書に記載のチャージポンプ方法及び装置の特長を用いて実施されて良い。
【0051】
図7は、負の電圧Vo710を生成するチャージポンプのブロック図であり、受動的な転送コンデンサ結合スイッチを用いた例を示す。クロック源CLK524は、例えば図5の回路により生成され、提供される。転送コンデンサ702は、CLK524が最大値の時に、クロック源経由及び受動スイッチ704経由で充電する。CLK524が最大値の時、転送コンデンサ702は、クロックシンク及び受動スイッチ706経由で放電する。
【0052】
受動スイッチ704は、NチャネルエンハンスメントMOSFETで、ドレインがゲートに接続され、約0.5Vの低い閾値電圧を有する。又は、受動スイッチ704は、ダイオード(アノードはコンデンサ702に、カソードはグランドに接続)であり、例えば低電圧ショットキーダイオードであってよい。受動スイッチ706は、同様にダイオードに接続されたNチャネルエンハンスメントFET、又はアノードを出力コンデンサ708に、カソードを転送コンデンサ702に接続したディスクリートダイオードであってよい。駆動CLK524のdv/dt制御は、静的動作に提供する。しかしながら、素子704及び706の導通電圧が0でないため、効率と電圧出力に損失がある。従ってCLK524は、3Vp−p(例えば+3Vと共通電位の間で発振する)であり、軽負荷状態で、Vo−710は約−2.5Vだけであってよい。
【0053】
素子704又は706に類似した受動スイッチは、本願明細書に記載された多くの構成において1つ以上の能動スイッチの代わりに利用されてよく、それにより構成を簡単にし、一般的に出力電圧を減少させる。例えば図6では、能動スイッチ604及び610の何れか又は両方は、それらに付随する駆動結合回路と共に、素子704又は706に類似した受動素子により置き換えてよい。受動スイッチは、チャージポンプ出力により制御されるが、制御は制御端子を経由しない。むしろ、チャージポンプクロック出力により制御される回路動作を通じて、そのような素子の主要な導通端子の接続は、素子が受動的にオン又はオフになる電位に導かれる。
【0054】
図8は、能動p型スイッチ800及び能動n型スイッチ830のブロック図である。それぞれはクロックCLK802により駆動される。p型スイッチ800は、「オン」の時、外部電源(例えばV+804)をCp806により表されるチャージポンプのフライコンデンサに接続する。n型スイッチ830は、「オン」の時、Cp814により表されるチャージポンプのフライコンデンサ(又は転送コンデンサ)をV−816のような電源端子に接続する。p型スイッチ800はCLK802を、結合コンデンサ812及びバイアス抵抗810を通じて、PチャネルMOSFET808に結合する。FET808のソースと接続されたバイアス抵抗810を用い、FET808は小さな負の閾値電圧(例えば−0.25V)を有することが望ましい。n型スイッチ830の場合、NチャネルMOSFET818は、結合コンデンサ822を経由し、平均Vgsを0ボルトに設定するバイアス抵抗820と共に、CLK802と結合される。この状況では、FET818の閾値電圧は小さい正の値(例えば0.5V)を有することが望ましい。電位に依存し、これらのスイッチ800及び830は、直列の容量性結合回路及び/又は等価なカスコード又は他の拡張機能を有する回路を利用して良い。各容量性結合回路の効果的なτは、その回路が利用されるチャージポンプの動作周波数に従い、図6を参照して説明されたように、10クロック周期以上から0.1クロック周期以下の範囲で、設定されて良い。同一クロック(例えばCLK524)の制御下で単一のチャージポンプ内で動作するn型スイッチ及びp型スイッチそれぞれの容量性結合回路のτは、本質的に同一の値を有して良い。p型スイッチ800及びn型スイッチ830は異なる閾値を有して良いが、共通クロック信号に基づき動作し、バイアス電圧は正しく設定され、電源と直列に接続されたp型スイッチ及びn型スイッチが、同時に導通する事を防ぐ。
【0055】
図9は、より高い又は低い出力電圧を得る「スタック」チャージポンプ回路を示すブロック図である。スイッチ800及び830のそれぞれは、図8に図示され、以上に説明された。図9の回路は、電圧を3倍又は4倍にするよう構成される。つまり、Va904は正の電源電圧Vs+に接続され、Vb906は共通基準電圧(グランド)に接続される。Vc908もVs+に接続される。転送コンデンサ902に接続されたn型スイッチ及びp型スイッチの動作は、Vd910に2*Vs+を生じさせる。Ve914は、Vd910に接続され、Vf916はグランドに接続される。これらの接続で、Vg918がVs+に接続されている場合、フライコンデンサ912により、出力電圧Vh920は約3*Vs+となる。しかしながら、出力電圧Vh920は、Vg918が接続されている場合、Vd910ではなく、約4*Vs+となる。蓄積コンデンサは、図示されていないが、一般的には各電圧Va904、Vc908、Vd910、Ve914、Vg918、及びVh920を蓄積及び平滑化する場所に設けられる。
【0056】
図9の回路はまた、負の電圧を生成するよう構成されている。Vh920は正の電源電圧Vs+と接続され、Vg918とVe914は基準電圧(グランド)に接続され、Vf916で−(Vs−)を生じる。Vc908及びVa904はVf916に接続される。Vd910がグランドに接続されている場合、出力Vb906は約−2*Vs+になる。またVd910がVs+に接続されている場合、Vd910は約−3*Vs+になる。容量蓄積器は図示されないが、電源及び中間電位のそれぞれと見なされる。
【0057】
図9では、全てのp型スイッチ800及び全てのn型スイッチ830は、図5のCLK524のような単相クロックにより制御される。また、第1のクロックの単一位相は、フライコンデンサ912に接続されたスイッチ(例えばチャージポンプ部分922のスイッチ)を制御し、別の第2のクロックの単一位相は、フライコンデンサ902に接続されたスイッチ(例えばチャージポンプ部分924のスイッチ)を制御する。チャージポンプ部分922及び924のクロックが互いに反転している場合、チャージポンプ部分は、並列に配され、プッシュプルチャージポンプを形成する。つまり、Va904はVe914、Vb906はVf916に、Vc908はVg918に、そしてVd910はVh920に接続される。このようなプッシュプルチャージポンプは、例えば、より低いリップル電圧及びより高い出力電流能力を提供する。
【0058】
更に、図9に適合する回路では、スイッチの制御端子に結合されたチャージポンプクロック出力信号により制御されるよう(図8に)図示されたスイッチを、(図7のスイッチ704又は706のような)1つ以上のスイッチにより、図9で置き換えてよい。例えば、Vg918に接続されたp型スイッチ及び/又はVf916に接続されたn型スイッチは、受動スイッチ又はダイオードにより置き換えてよい。同様の置き換えは、Vc908及び/又はVb906に接続されるスイッチに対しても行ってよい。
【0059】
更に、Vb906及びVa904が図5のVin+402及び共通基準404と等しい場合、転送コンデンサ902の左側は、524のようなチャージポンプクロック出力に直接結合されて良く、図9のポンプ部分924の左側のスイッチが省略される。図9の部分922の左側のスイッチは、アナログ環境下では省略して良く、代わりにチャージポンプクロック出力に直接結合された転送コンデンサ912の左側を伴う。このような構成では、電流を充電し放電する転送コンデンサは、限られたdv/dtを有する(例えば図5のコンデンサ522上の)駆動信号だけでなく、512又は518のような電流制限素子により更に又は代わりに制限される。
【0060】
図10は、チャージポンプ技術を用いた任意電圧の生成を説明するブロック図である。電源電圧Vs+1002は、例えば抵抗1004及び1006を利用して、中間電圧を引き出すために用いられる。このような中間電圧は、大電流出力が要求される場合は、緩衝増幅器1008を用いて状況に応じてバッファされるが、又は少なくともデカップリングコンデンサ(図示されていない)経由でグランドに接続され、電位1010(基準又はグランドに対して)を生成する。電位1010は、例えば増幅器1008に適用されるフィードバック(図示されていない)により再調整される。p型スイッチ800及びn型スイッチ830は、図示されるようにフライコンデンサ1012と共に用いられて良い。Vbは利用可能な電源(例えばVs+)であって良い。回路の動作により、Va1014は、Vb1017の電位とほぼ等しい電位に投影電位1010を加えた電位になる。当業者は、回路の再構成により同様の簡単さで任意の負の電圧を生成できることを直ちに理解するだろう。より大きい電圧は、チャージポンプ回路を、図9を参照して説明した方法で積み重ねることにより得られる。従って任意の正又は負の電圧は、チャージポンプ回路を用いて生成される。全てのこのようなチャージポンプ回路は、クロックの単一位相により制御される。勿論、異なるフライコンデンサに接続されたスイッチは、異なるクロックを交互に用い制御する。能動スイッチは、例えば図7から図9を参照して説明した方法で、受動スイッチに置き換えて良い。
【0061】
以上に説明したチャージポンプの無数の代わりとなる実施例が可能である。如何なるクロック生成器が利用されても良い。多くのアナログ設計(例えば、図5に示される)及びデジタル設計で達成されるように、クロック生成器は高いdi/dtノイズの注入を避けることが望ましい。クロック駆動信号のdv/dtは、制御端子への信号入力を制限することを助け、また結果として生じる充電及び放電電流のdi/dtを(関連するスイッチの相互コンダクタンスと共に)制限することも助ける。望ましくは、チャージポンプクロックを転送コンデンサスイッチの制御端子にコンデンサを用いて結合し、例えば制御端子の電位の制御を簡単にする。望ましくは、単相クロック出力を用い、チャージポンプ内の多くの又は全ての転送コンデンサ能動スイッチを制御し、回路の複雑さを最小限に抑える。これらの望ましい特長は、独立に、又は本願明細書に記載された如何なる他の特長と組み合わせて実施されて良い。従って当業者は、本願明細書に記載された方法及び装置の特長を種々のチャージポンプ構成に適用して良い。
【0062】
以上の記述は、回路内で新たな電圧を生成するチャージポンプ方法及び装置の側面の実施例、及び新規の特長を説明した。当業者は、説明された方法及び装置の形状及び詳細に種々の省略、代替え、及び変更が本発明の範囲から逸脱しない範囲で行われて良いことを理解するだろう。多数の代替え例が記述されたが、全ての実施例を明示的に列挙することはできない。従って、以上に説明された又は図示された代替え装置及び方法の実際の組合せのそれぞれ、及び前記代替え装置及び方法の等価物の実際の組合せのそれぞれは、本発明の装置又は方法の明確な代替えとなる実施例を構成する。例えば、特長の全ての他の実際の組合せと同様に、図9に示されるように複数の転送コンデンサ(又はスタックされた)構成を有し、図10に示されるように設定可能な電圧源を有するチャージポンプは、本発明の装置の実施例を構成する。従って本発明の範囲は、請求の範囲によってのみ制限され、請求項において引用されている制限をのぞいて、以上の記述で説明された特長により制限されるものではない。
【0063】
種々の請求の要素と等価な意味及び範囲内で生じる全ての変形は、対応する請求項の範囲に包含される。以下に記述される各請求項は、システム及び方法が実際に従来技術の実施例でない限り、前記請求項の文言から本質的に異ならない、如何なるシステム及び方法も包含する。
【符号の説明】
【0064】
202 転送コンデンサC
208 電源端子Vs+
210 電源端子Vs−
316 出力電源端子Vo+
318 出力電源端子Vo−
304、306、312、314 スイッチ
330 フィルタコンデンサ
342、346、348 電流計
350 クロック生成器
354、356、362、364 クロック出力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路内で出力電圧源を生成するチャージポンプ装置であって、
a)転送コンデンサと、
b)それぞれがチャージポンプクロック出力の制御の下で、導通状態と非導通状態とを切替可能な、複数の転送コンデンサ結合スイッチと、
c)i)チャージポンプクロック出力の立ち上がり変化率を制限するよう構成された回路と、
ii)チャージポンプクロック出力の立ち下がり変化率を制限するよう構成された回路
とを有するチャージポンプクロック生成回路とを有し、
d)転送コンデンサ結合スイッチは、転送コンデンサと結合され、周期的な第1の期間に前記転送コンデンサを電源と結合し、前記第1の期間と同時に生じない周期的な第2の期間に前記転送コンデンサを出力電圧源と結合するよう制御される、チャージポンプ装置。
【請求項2】
前記複数の転送コンデンサ結合スイッチはチャージポンプクロック出力により制御される、請求項1記載のチャージポンプ装置。
【請求項3】
前記チャージポンプクロック出力の立ち上がり変化率を制限するよう構成された電流源制限素子を更に有する、請求項1記載のチャージポンプ装置。
【請求項4】
前記チャージポンプクロック出力の立ち下がり変化率を制限するよう構成された電流源制限素子を更に有する、請求項1記載のチャージポンプ装置。
【請求項5】
前記チャージポンプクロック出力を転送コンデンサ結合スイッチの制御節点に結合するよう構成された容量性結合回路を更に有する、請求項1記載のチャージポンプ装置。
【請求項6】
前記複数の転送コンデンサ結合スイッチのそれぞれの制御節点を、共通のチャージポンプクロック出力に結合する、対応する容量性結合回路を更に有する、請求項5記載のチャージポンプ装置。
【請求項7】
前記チャージポンプクロック生成回路内で、各増幅駆動回路により伝導される電流を制限するよう構成された回路を更に有する、請求項6記載のチャージポンプ装置。
【請求項8】
前記チャージポンプクロック生成回路内で、各増幅駆動回路により伝導される電流を制限するよう構成された回路を更に有する、請求項1記載のチャージポンプ装置。
【請求項9】
前記チャージポンプクロック生成回路内で、増幅駆動回路により伝導される電源電流及びシンク電流を、実質的に同一の大きさに制限するよう構成された回路を更に有する、請求項1記載のチャージポンプ装置。
【請求項10】
前記チャージポンプクロック出力を通じて、転送コンデンサを電源に結合する特長を更に有する、請求項1記載のチャージポンプ装置。
【請求項11】
前記転送コンデンサ結合スイッチb)は、
i)前記転送コンデンサの端子と前記出力電源の共通基準端子との間に配され、第1の制御節点ACインピーダンスを有する、共通放電スイッチと、
ii)前記転送コンデンサの対極の端子と、前記出力電源の前記共通基準端子の対極の端子との間に配され、前記第1の制御節点のACインピーダンスの少なくとも2倍である第2の制御節点ACインピーダンスを有する、請求項1記載のチャージポンプ装置。
【請求項12】
回路内で出力電源を生成するチャージポンプ装置であって、
a)電源端子と出力端子に交互に結合される転送コンデンサと、
b)それぞれがチャージポンプクロック出力の制御下で、導通状態と非導通状態とを切替可能な、複数の能動スイッチと、
c)駆動出力節点への電源電流及び前記駆動出力節点からのシンク電流の両方を生成する能動駆動回路を有する、チャージポンプクロック生成回路とを有し、
前記チャージポンプクロック生成回路は、
i)前記能動駆動回路により前記駆動出力節点に提供される電源電流を制限するよう構成された回路と、
ii)前記能動駆動回路により前記駆動出力節点から引き込まれる電流を制限するよう構成された回路とを有する、チャージポンプ装置。
【請求項13】
前記チャージポンプクロック生成回路c)は、前記駆動出力節点に接続され、前記駆動出力節点における電圧の変化率を減ずるよう構成された、ディスクリート容量素子を更に有する、請求項12記載のチャージポンプ装置。
【請求項14】
前記チャージポンプクロック生成回路は、対応する駆動出力節点に対し電流を流入及び流出するよう構成された、複数の能動駆動回路を有し、前記チャージポンプクロック生成回路は、対応する駆動出力節点に対して、各能動駆動回路の生成電流容量を制限する回路と、各能動駆動回路のシンク電流容量を制限する回路とを有する、請求項12記載のチャージポンプ装置。
【請求項15】
チャージポンプクロック出力信号を能動スイッチの制御節点に結合するよう構成される、1つ以上の容量性結合回路を更に有する、請求項12記載のチャージポンプ装置。
【請求項16】
前記チャージポンプクロック生成回路は、電流劣化リング発振器として構成される、請求項12記載のチャージポンプ装置。
【請求項17】
前記電源電流回路c)i)及び前記シンク電流回路c)ii)は、生成電流及びシンク電流を実質的に同一の大きさに制限するよう構成される、請求項12記載のチャージポンプ装置。
【請求項18】
回路内で出力電源を生成するチャージポンプ装置であって、
a)転送コンデンサと、
b)前記転送コンデンサと電源の間に直列に配された、1つ以上の電源切替素子と、
c)前記転送コンデンサと出力電源の間に直列に配された、1つ以上の出力切替素子と、
d)前記電源切替素子の全てに結合された単一位相のチャージポンプクロック出力を、全ての前記電源切替素子に対し、充電期間に導通を放電期間に非導通を生じるよう提供し、前記チャージポンプクロック出力は、全ての前記電源切替素子に対し、放電期間に導通を充電期間に非導通を生じるよう、全ての前記出力切替素子に更に結合され、前記充電期間は、前記放電期間と交互に生じ重複しない、チャージポンプクロック生成回路
とを有する、チャージポンプ装置。
【請求項19】
e)第2の転送コンデンサと、
f)前記第2の転送コンデンサと第2の電源との間に直列に配された、1つ以上の第2電源切替素子と、
g)前記第2の転送コンデンサと第2の出力電源との間に直列に配された、1つ以上の第2出力切替素子
とを有する第2のチャージポンプの段を更に有し、、
h)前記チャージポンプクロック出力は、充電期間に導通を放電期間に非導通を生じるよう、全ての前記第2電源切替素子と結合され、充電期間に非導通を放電期間に導通を生じるよう、全ての前記第2の出力電源切替素子と結合される、請求項18記載のチャージポンプ装置。
【請求項20】
立ち上がり及び立ち下がりの両方で、回路が存在しない場合と比較して、前記チャージポンプクロック出力の電圧変化率を減ずるよう構成された回路を更に有する、請求項18記載のチャージポンプ装置。
【請求項21】
第1の素子面積を有する第1の出力切替素子は、前記転送コンデンサの第1の端子と出力電源との間に配され、出力電源の共通基準端子と前記転送コンデンサの前記第1の端子と対極の前記転送コンデンサの第2の端子との間に配された、前記第1の素子面積より大きい第2の素子面積を有する第2の出力切替素子を更に有する、請求項18記載のチャージポンプ装置。
【請求項22】
チャージポンプクロック生成回路内で、各増幅駆動回路により伝導される電流を制限するよう構成された回路を更に有する、チャージポンプクロック生成回路を更に有する、請求項18記載のチャージポンプ装置。
【請求項23】
駆動回路の電圧出力の変化率を制限するよう、増幅駆動回路の出力に結合された、ディスクリート容量素子を更に有する、請求項22記載のチャージポンプ装置。
【請求項24】
a)転送コンデンサと、
b)前記転送コンデンサと電源の間に直列に配され、対応する制御節点を有する、1つ以上の電源切替素子と、
c)前記転送コンデンサと出力電源の間に直列に配され、対応する制御節点を有する、1つ以上の出力切替素子と、
d)チャージポンプ出力を、電源切替素子又は出力切替素子に対応する制御節点に結合する、容量性結合回路
とを有する、回路内で出力電源を生成するチャージポンプ装置。
【請求項25】
チャージポンプクロック出力を電源切替素子の制御節点に結合する、第1の容量性結合回路と、前記チャージポンプクロック出力を出力切替素子の制御節点に結合する、第2の容量性結合回路とを有する、請求項24記載のチャージポンプ装置。
【請求項26】
各容量性結合回路は、平均制御電圧は結合される切替素子に実質的に非導通を生じるよう構成されるバイアス回路を有する、請求項25記載のチャージポンプ装置。
【請求項27】
前記転送コンデンサと電源の間に直列に配される全ての電源切替素子、及び前記転送コンデンサと出力電源の間に直列に配される全ての出力切替素子は、共通クロック出力に容量性結合される、請求項25記載のチャージポンプ装置。
【請求項28】
電源電圧から転送コンデンサ(「TC」)への電荷の転送と、前記TCから出力電源への電荷の転送を交互に行うことにより、チャージポンプから出力電源を生成する方法であって、TC結合スイッチ(「TCCS」)回路は、チャージポンプの制御下で、前記TCを電源に結合するよう構成される、チャージポンプ切替回路を有し、
a)放電期間に、第1のチャージポンプクロック出力の制御下で、TCCS放電回路を経由して、前記TCを前記出力電源と結合する段階と、
b)立ち上がり及び立ち下がりの両方で、前記第1のチャージポンプクロック出力の電圧変化率を、能動的に制限する段階
とを有する、出力電源生成方法。
【請求項29】
c)前記放電期間と重複せずに交互に生じる充電期間に、第2のチャージポンプクロック出力の制御下で、TCCS充電回路を経由して、前記TCを前記電源に結合する段階と、
d)前記第2のチャージポンプクロック出力の立ち上がり及び立ち下がりの両方で、電圧変化率を能動的に制限する段階
とを更に有する、請求項28記載の出力電源生成方法。
【請求項30】
前記第1のチャージポンプクロック出力は、前記第2のチャージポンプクロック出力である、請求項29記載の出力電源生成方法。
【請求項31】
全てのTCCS回路を、前記第1のチャージポンプクロック出力を用いて制御する段階を更に有する、請求項30記載の出力電源生成方法。
【請求項32】
充電期間に、前記TCを、前記チャージポンプクロック出力を通じて電源端子に結合する段階を更に有する、請求項31記載の出力電源生成方法。
【請求項33】
電流制限回路を用いて、前記チャージポンプクロック出力の電流駆動能力を制限する段階を更に有する、請求項28記載の出力電源生成方法。
【請求項34】
前記チャージポンプクロック出力を、容量性結合回路を通じて、TCCS回路の制御端子に結合する段階を更に有する、請求項28記載の出力電源生成方法。
【請求項35】
能動的に制御されるTCCS回路は制御端子を有し、それぞれの能動的に制御されるTCCS回路の制御端子を、対応する容量性結合回路を通じて、前記第1のチャージポンプクロック出力に結合する段階を有する、請求項28記載の出力電源生成方法。
【請求項36】
第1のクロック生成駆動回路は、前記第1のチャージポンプクロック出力を生成するよう構成された回路に機能的に組み込まれる駆動回路であって、
c)第1の電流制限回路を用いて、クロック生成駆動回路からの生成電流を制限する段階と、
d)第2の電流制限回路を用いて、クロック生成駆動回路へのシンク電流を制限する段階
とを更に有する、請求項28記載の出力電源生成方法。
【請求項37】
前記クロック生成駆動回路の前記生成電流及び前記シンク電流を、実質的に同じ大きさに制限する段階を更に有する、請求項36記載の出力電源生成方法。
【請求項38】
前記第1の電流制限回路は電流ミラー素子を有し、前記第2の電流制限回路は別の電流ミラー素子を有する、請求項36記載の出力電源生成方法。
【請求項39】
生成電流及び全ての第1のクロック生成駆動回路からの前記前記シンク電流を制限する段階を更に有する、請求項37記載の出力電源生成方法。
【請求項40】
電流劣化型リング発振器を用いて、前記第1のチャージポンプクロック出力を生成する段階を更に有する、請求項28記載の出力電源生成方法。
【請求項41】
前記TCを、部分的に受動TCCS回路を通じて、前記電源又は前記出力電源に結合する段階を更に有する、請求項28記載の出力電源生成方法。
【請求項42】
前記TCの第1の端子を、放電共通TCCSを通じて前記出力電源の共通基準端子に結合する段階と、前記TCの第2の対極端子を、放電出力TCCSを通じて共通基準端子の対極の出力電源端子に結合する段階と、前記放電出力TCCSに、前記放電共通TCCSの制御端子ACインピーダンスの少なくとも2倍の制御端子ACインピーダンスを有するよう構成する段階とを更に有する、請求項28記載の出力電源生成方法。
【請求項43】
電源から転送コンデンサ(「TC」)への電荷の転送と、前記TCから出力電源への電荷の転送を交互に行うことにより、出力電源を生成する方法であって、
a)第1のチャージポンプクロック出力の制御下で、放電切替回路を通じて、放電期間に前記TCを前記出力電源に結合する段階と、
b)電源制限回路を用いて、第1のチャージポンプクロック生成回路内で、駆動回路により、駆動出力節点に提供される電源電流を制限する段階と、
c)シンク電流制限回路を用いて、前記駆動回路により前記駆動出力節点から引き込まれるシンク電流を制限する段階
とを有する、出力電源生成方法。
【請求項44】
d)第2のチャージポンプクロック出力の制御下で、充電切替回路を通じて、前記放電期間と交互に生じ同時に生じない充電期間に、前記TCを前記電源に結合する段階
を更に有する、請求項43記載の出力電源生成方法。
【請求項45】
コンデンサを前記第1のチャージポンプクロック生成回路の前記駆動端子に結合し、前記駆動端子の電圧遷移率を制限する段階を更に有する、請求項43記載の出力電源生成方法。
【請求項46】
前記第1のチャージポンプクロック生成回路内で、各駆動回路により生成される電流を制限する段階を更に有する、請求項43記載の出力電源生成方法。
【請求項47】
前記第1のチャージポンプクロック生成回路内で、各駆動回路により引き込まれる電流を制限する段階を更に有する、請求項45記載の出力電源生成方法。
【請求項48】
第1のチャージポンプクロック生成回路を、電流劣化型発振器として構成する段階を更に有する、請求項43記載の出力電源生成方法。
【請求項49】
電源から転送コンデンサ(「TC」)への電荷の転送と、前記TCから出力電源への電荷の転送を交互に行うことにより、出力電源を生成する方法であって、
a)放電期間に、単相チャージポンプクロック出力の制御下で、前記TCを、TC放電スイッチを通じて、前記出力電源と結合する段階と、
b)前記放電期間と交互に生じ同時に生じない充電期間に、前記単相チャージポンプクロック出力の制御下で、前記TCを、TC充電スイッチを通じて、前記出力電源と結合する段階
とを有する、出力電源生成方法。
【請求項50】
a)放電期間に、前記単相チャージポンプクロック出力の制御下で、前記TCを、複数のTC放電スイッチを通じて、前記出力電源と結合する段階を更に有する、請求項49記載の出力電源生成方法。
【請求項51】
b)前記単相チャージポンプクロック出力の制御下で、前記TCを、複数のTC充電スイッチを通じて、電源と結合する段階を更に有する、請求項50記載の出力電源生成方法。
【請求項52】
c)第1のTC放電スイッチ素子を、前記TCの第1の端子と前記出力電源の共通基準端子との間に直列に結合する段階と、
d)第2のTC放電スイッチを、前記第1の端子と対極の前記TCの第2の端子と、前記共通基準端子と対極の前記出力電源の共通基準端子との間に直列に結合する段階と、
e)前記第2のTC放電スイッチに、前記第1の放電切替素子の制御端子ACインピーダンスの少なくとも2倍の制御端子ACインピーダンスを有するよう構成する段階
とを更に有する、請求項50記載の出力電源生成方法。
【請求項53】
b)前記TCを、前記単相チャージポンプクロック出力の制御下で、複数のTC充電スイッチを通じて、電源と結合する段階を更に有する、請求項49記載の出力電源生成方法。
【請求項54】
c)第2のTCを、前記チャージポンプクロック出力の制御下で、第2のTC充電スイッチを通じて、第2の電源と結合する段階と、
d)前記第2のTCを、前記チャージポンプクロック出力の制御下で、第2のTC放電スイッチを通じて、第2の出力電源と結合する段階
とを更に有する、請求項49記載の出力電源生成方法。
【請求項55】
前記チャージポンプクロック出力を、対応する容量性結合回路を通じて、能動的に制御可能な各TC充電スイッチの制御端子と、能動的に制御可能な各TC放電スイッチとに結合する段階を更に有する、請求項54記載の出力電源生成方法。
【請求項56】
前記チャージポンプクロック出力を、対応する容量性結合回路を通じて、能動的に制御可能な各TC充電スイッチの制御端子と、能動的に制御可能な各TC放電スイッチとに結合する段階を更に有する、請求項49記載の出力電源生成方法。
【請求項57】
前記チャージポンプクロック出力の立ち上がり及び立ち下がりの両方で、電圧変化率を減ずる、回路を組み込む段階を更に有する、請求項49記載の出力電源生成方法。
【請求項58】
c)1つ以上の駆動回路を有するチャージポンプクロック生成回路内で、前記チャージポンプクロック出力を生成する段階と、
d)前記チャージポンプクロック生成回路の各駆動回路から出力される電流を制限する段階
とを更に有する、請求項49記載の出力電源生成方法。
【請求項59】
e)コンデンサを駆動回路の出力端子と結合することにより、前記チャージポンプクロック生成回路の駆動回路の出力端子における、正及び負の電圧変化率を制限する段階を更に有する、請求項58記載の出力電源生成方法。
【請求項60】
電源から転送コンデンサ(「TC」)への電荷の転送と、前記TCから出力電源への電荷の転送を交互に行うことにより、出力電源を生成する方法であって、
a)第1の容量性結合回路を通じて、第1のチャージポンプクロック出力を、TC充電スイッチの制御端子に結合する段階と、
b)前記第1のチャージポンプクロック出力の制御下で、充電期間に、前記TCを、前記TC充電スイッチを通じて、前記電源に結合する段階と、
c)第2のチャージポンプクロック出力を、第2の容量性結合回路を通じて、TC放電スイッチの制御端子に結合する段階と、
d)前記第2のチャージポンプクロック出力の制御下で、前記充電期間と交互に生じ同時に生じない放電期間に、前記TCを、前記TC放電スイッチを通じて、前記出力電源に結合する段階
とを有する、出力電源生成方法。
【請求項61】
前記第2のチャージポンプクロック出力は、前記第1のチャージポンプクロック出力である、請求項60記載の出力電源生成方法。
【請求項62】
前記チャージポンプクロック出力が平均電圧である場合、容量性結合回路に結合される切替素子は非導通であるように、各容量性結合回路をバイアスする段階を更に有する、請求項61記載の出力電源生成方法。
【請求項63】
前記充電期間に、前記TCを、対応するチャージポンプ出力に容量性結合された制御端子を有する、別の第2のTC充電スイッチを通じて、前記電源に結合する段階を更に有する、請求項62記載の出力電源生成方法。
【請求項64】
前記TC放電スイッチは第1のTC放電スイッチであり、前記TCの第1の端子と、共通基準の対極の前記出力電源の端子との間に結合され、前記放電期間に、前記TCの対極の第2の端子を、前記第1のTC放電スイッチの制御端子ACインピーダンスの半分未満の制御端子のACインピーダンスを有する第2のTC放電スイッチを通じて、前記出力電源の共通基準と結合する段階を更に有する、請求項63記載の出力電源生成方法。
【請求項65】
前記放電期間に、前記TCを、対応するチャージポンプ出力に容量性結合される制御端子を有する別の第2のTC放電スイッチを通じて、前記出力電源に結合する段階を更に有する、請求項62記載の出力電源生成方法。
【請求項66】
対応するチャージポンプクロック出力を、チャージポンプ内に組み込まれた各能動的に制御可能なTC結合スイッチの制御端子と容量性結合する段階を更に有する、請求項60記載の出力電源生成方法。
【請求項67】
全てのチャージポンプクロック出力は、共通単相出力である、請求項66記載の出力電源生成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−31366(P2013−31366A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−243547(P2012−243547)
【出願日】平成24年11月5日(2012.11.5)
【分割の表示】特願2010−40443(P2010−40443)の分割
【原出願日】平成16年9月7日(2004.9.7)
【出願人】(503421900)ペレグリン セミコンダクター コーポレーション (3)
【Fターム(参考)】