チューブ固定を容易にする医療用チューブアセンブリ
本発明は、医療用チューブアセンブリ(100)に関し、一つ以上の長手フィン(21,21’,21”)が配置された細長い管状部材(20)から形成されたフィン付き医療用チューブ(10)と、フィン付きチューブ(10)に摺動可能に装着可能とされ、係止手段および随意に提供される一つ以上の縫合小穴(250,250’)が設けられたカラー(200)とを備え、前記係止手段は一つ以上の長手フィン(21,21’,21”)に対して圧締力を与えるように構成されている。本発明は、元の位置への医療用チューブの固定を可能にし、ずれやチューブ壁への損害を防ぐ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近接照射療法カテーテル、光に基づく治療のための他のタイプのアクセス・カテーテル、または被検者の組織への排液管のような、チューブの確実な固定を容易にする医学的なチューブアセンブリに関し、その固定によりチューブの望ましくない移動を防止するものである。
【背景技術】
【0002】
カテーテルのような医療用チューブは、体の外側から被検者の組織に処置を加えるために、従来技術で用いられている。医療用チューブは、多くの場合、例えば数日から数週間もの長い期間にわたって所定位置に保持されている必要がある。例えば、腫瘍を摘出する手術の後に、切開部位における液体の蓄積を防ぐのに、一般に排液管が用いられている。差し込まれたたチューブは、体を出、そしてチューブの周りに巻きつけ周辺の皮膚を引っ掛ける縫合により出口点で取り付けられる。医療用チューブのもう一つの例は、被検者に挿入されて、近接照射療法の線源ワイヤ(例えば、高線量率によるまたはパルス化された線量率による近接照射療法用の放射性先端部が配備された細長いワイヤ)に通路を提供するカテーテル管である。カテーテルは、放射線科医が、チューブを通して、近接照射療法による治療を数回の間欠期を挟んで同じ処置部位に対して提供できるように、数週間のあいだ適所に正確に保持されている必要がある。もう一つの構成においては、上記の場所に位置決めの後、放射線腫瘍科医師は、カテーテル管に、ともに数日または数週間のあいだ同一位置に留まる放射性のワイヤまたは種(パラジウム103、ヨウ素125)を装填する場合がある。医療用チューブのもう一つの例は、被検者に挿入されて導波管用の通路を提供し、光と光感作性剤(光感作療法)によって、またはレーザ光(赤外光による間質温熱療法)によって器官の間質的治療を可能にするカテーテル管である。外科医は、通常は医療用チューブの基部が体から出た所を、一または複数回チューブに巻きつけ周辺の皮膚を引っ掛けた一縫いの糸を使用して、周囲の皮膚に縫合する。
【0003】
チューブは、体を貫通することを可能にするために、通常は摩擦抵抗性の材料で製作されているかまたは被覆されているので、一縫いの糸はチューブを充分に把持できない。チューブは針で刺すことができず、一縫いの糸を外壁の周辺に巻きつけるだけであるので、その取付けは時間とともに緩む。その結果、被検者が身につけている間に、長手方向へチューブが移動すること、つまり、チューブが体の外へかまたは体の中にか移動することは普通にみられる。精確には、近接照射療法または光に基づく応用にとっては、チューブの位置は時間とともに変化する可能性があり、その結果、近接照射療法または光を供給すべき正確な場所をもはや自信をもって確定できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術は、この理由から、医療用チューブが体の内外方へ動くのを確実に防ぐとともに、できれば縫合により医療用チューブを体組織に取り付ける方法を必要としており、それにより医師はチューブ管腔の完全性に損傷を与えることなく、チューブに沿う一つ以上の位置で一縫いできるようになる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態は、医療用チューブアセンブリ(100)であって、
一つ以上の長手フィン(21,21’,21”)が配置された細長い管状部材(20)から形成されたフィン付き医療用チューブ(10)と、
フィン付きチューブ(10)に摺動可能に装着可能とされ、係止手段および随意に提供される一つ以上の縫合小穴 (250,250’)が設けられたカラー(200)と、を備え、
前記係止手段は、一つ以上の長手フィン(21,21’,21”)に対して圧締力を与えるように構成されている。
【0006】
本発明のもう一つの実施形態は、上記の通りの医療用チューブアセンブリ(100)であって、該係止手段は、フィン(21,21’,21”)の表面と摩擦で係合するかまたはこれに入り込むように構成された一つ以上のピン(221,221’,221”)を備えている。
【0007】
本発明のもう一つの実施形態は、上記の通りの医療用チューブアセンブリ(100)であって、該係止手段は、フィン(21,21’,21”)の表面と摩擦で係合するかまたはこれに入り込むように構成された一つ以上のネジを備えている。
【0008】
本発明のもう一つの実施形態は、上記の通りの医療用チューブアセンブリ(100)であって、該係止手段は、フィン付き医療用チューブ(10)を摺動可能に受容するように適合させられたカラー(200)内の開口部(210)の少なくとも一部でフィン(21,21’,21”)の表面と摩擦で係合するように構成されたクランプ機構を備えている。
【0009】
本発明のもう一つの実施形態は、上記の通りの医療用チューブアセンブリ(100)であって、フィン(21,21’,21”)の個数は1,2,3または4である。
【0010】
本発明のもう一つの実施形態は、上記の通りの医療用チューブアセンブリ(100)であって、ピン(221,221’,221”)またはネジの個数はフィンの個数に等しく、各ピン(221,221’,221”)またはネジは単一のフィン(21,21’,21”)の表面と摩擦で係合するかまたはこれに入り込むように構成されている。
【0011】
本発明のもう一つの実施形態は、上記の通りの医療用チューブアセンブリ(100)であって、少なくとも一つのフィン(21,21’,21”)は細長い管状部材(20)の外面から放射状に突き出ている。
【0012】
本発明のもう一つの実施形態は、上記の通りの医療用チューブアセンブリ(100)であって、少なくとも一つのピン(221,221’,221”)またはネジは、フィン(21,21’,21”)の表面と摩擦で係合するかまたはこれに入り込むように構成された先が尖った端部(226)と、ピンの場合には押力、またはネジの場合には回転力であって、表面と摩擦で係合するかまたはこれに入り込むためにフィン(21,21’,21”)に向かって当該先が尖った先端を前進させる当該力を受けるように構成された頭部(224)と、を備えている。
【0013】
本発明のもう一つの実施形態は、上記の通りの医療用チューブアセンブリ(100)であって、少なくとも一つのフィン(21,21’,21”)は該チューブの最大幅を50%を超えずに増加させて、細長い管状部材の外面から放射状に突き出ている。
【0014】
本発明のもう一つの実施形態は、上記の通りの医療用チューブアセンブリ(100)であって、係止手段は解除可能とされている。
【0015】
本発明のもう一つの実施形態は、上記の通りの医療用チューブアセンブリ(100)であって、少なくとも一つの長手フィン(21,21’,21”)は細長い管状部材(20)の全長に沿って連続的に延びている。
【0016】
本発明のもう一つの実施形態は、上記の通りの医療用チューブアセンブリ(100)であって、少なくとも一つのフィンは、少なくとも部分的に城郭形とされている。
【0017】
本発明のもう一つの実施形態は、上記の通りの医療用チューブアセンブリ(100)であって、該城構えは、タブ(60,60’,60”,60''')とノッチ(65,65’,65”,65''')が交互に連なる配列を備え、該タブは、被検者へのチューブ(10)の挿入を容易にし、かつ/または被検者からのチューブ(10)の抜け出しを妨げるように適合させられている。
【0018】
本発明のもう一つの実施形態は、上記の通りの医療用チューブアセンブリ(100)であって、長手フィン(21,21’,21”)は細長い管状部材(20)に沿って連続な直線経路を有している。
【0019】
本発明のもう一つの実施形態は、上記の通りの医療用チューブアセンブリ(100)であって、長手フィン(21,21’,21”)は細長い管状部材(20)に沿って連続ならせん経路を有している。
【0020】
本発明のもう一つの実施形態は、上記の通りの医療用チューブアセンブリ(100)であって、カラー(20)は連結手段(251)を備えている。
【0021】
本発明のもう一つの実施形態は、上記の通りの医療用チューブアセンブリ(100)であって、前記連結手段(251)はアフターローダに連結するように適合させられている。
【0022】
本発明のもう一つの実施形態は、上記の通りの医療用チューブアセンブリ(100)であって、前記連結手段(251)はレーザ放射装置に連結するように適合させられている。
【0023】
本発明のもう一つの実施形態は、上記の通りの医療用チューブアセンブリ(100)であって、前記連結手段(251)はルアー継手を備えている。
【0024】
本発明のもう一つの実施形態は、上記の通りの医療用チューブアセンブリ(100)であって、前記連結手段(251)は雄ネジ継手または雌ネジ継手を備えている。
【0025】
本発明のもう一つの実施形態は、上記で定義したようなアセンブリ(100)を組み込んだカテーテル(300)である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明のチューブアセンブリの三次元概観図である。
【図2】本発明のフィン付きチューブの寸法表示入り横断面図である。
【図3】本発明におけるカラーの横断面図である。
【図4】本発明におけるピンの横断面図である。
【図5】円柱部材から形成された頭部を有する本発明におけるピンの横断面図である。
【図6】本発明のアセンブリの横断面図であって、非係合位置における一組の係止ピンを示す。
【図7】本発明のアセンブリの横断面図であって、係合位置における一組の係止ピンを示す。
【図8】本発明のアセンブリの横断面図であって、非係合位置における一組の係止ピンを示す。
【図9】発明のアセンブリの横断面図であって、係合位置における一組の係止ピンを示す。
【図10】本発明のアセンブリの縦断面図であって、突出部を有する本発明における係止ピンを非係合位置において示す。
【図11】本発明における分割カラーの平面図である。
【図12】本発明における分割カラーの開(クランプを外した)位置における平面図であって、開口部内にフィン付き医療用チューブが配置されている。
【図13】本発明における分割カラーの閉(締付け)位置における平面図であって、開口部内にフィン付き医療用チューブが配置されている。
【図14】本発明のアセンブリの一部の横断面図であって、係合前位置における固定クリップを示す。
【図15】本発明のアセンブリの一部の横断面図であって、係合位置における固定クリップを示す。
【図16】連結手段が設けられた本発明におけるカラーの三次元概観図である。
【図17】位置決め溝を有する連結手段が設けられた本発明におけるカラーの三次元概観図である。
【図18】ネジ山を有する連結手段が設けられた本発明におけるカラーの三次元概観図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、近接照射療法カテーテル、光に基づく治療のための他のタイプのアクセス・カテーテル、または被検者の組織への排液管のような、チューブの確実な固定を容易にする医学的なチューブアセンブリに関し、その固定によりチューブの望ましくない移動を防止するものである。
【背景技術】
【0002】
カテーテルのような医療用チューブは、体の外側から被検者の組織に処置を加えるために、従来技術で用いられている。医療用チューブは、多くの場合、例えば数日から数週間もの長い期間にわたって所定位置に保持されている必要がある。例えば、腫瘍を摘出する手術の後に、切開部位における液体の蓄積を防ぐのに、一般に排液管が用いられている。差し込まれたたチューブは、体を出、そしてチューブの周りに巻きつけ周辺の皮膚を引っ掛ける縫合により出口点で取り付けられる。医療用チューブのもう一つの例は、被検者に挿入されて、近接照射療法の線源ワイヤ(例えば、高線量率によるまたはパルス化された線量率による近接照射療法用の放射性先端部が配備された細長いワイヤ)に通路を提供するカテーテル管である。カテーテルは、放射線科医が、チューブを通して、近接照射療法による治療を数回の間欠期を挟んで同じ処置部位に対して提供できるように、数週間のあいだ適所に正確に保持されている必要がある。もう一つの構成においては、上記の場所に位置決めの後、放射線腫瘍科医師は、カテーテル管に、ともに数日または数週間のあいだ同一位置に留まる放射性のワイヤまたは種(パラジウム103、ヨウ素125)を装填する場合がある。医療用チューブのもう一つの例は、被検者に挿入されて導波管用の通路を提供し、光と光感作性剤(光感作療法)によって、またはレーザ光(赤外光による間質温熱療法)によって器官の間質的治療を可能にするカテーテル管である。外科医は、通常は医療用チューブの基部が体から出た所を、一または複数回チューブに巻きつけ周辺の皮膚を引っ掛けた一縫いの糸を使用して、周囲の皮膚に縫合する。
【0003】
チューブは、体を貫通することを可能にするために、通常は摩擦抵抗性の材料で製作されているかまたは被覆されているので、一縫いの糸はチューブを充分に把持できない。チューブは針で刺すことができず、一縫いの糸を外壁の周辺に巻きつけるだけであるので、その取付けは時間とともに緩む。その結果、被検者が身につけている間に、長手方向へチューブが移動すること、つまり、チューブが体の外へかまたは体の中にか移動することは普通にみられる。精確には、近接照射療法または光に基づく応用にとっては、チューブの位置は時間とともに変化する可能性があり、その結果、近接照射療法または光を供給すべき正確な場所をもはや自信をもって確定できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術は、この理由から、医療用チューブが体の内外方へ動くのを確実に防ぐとともに、できれば縫合により医療用チューブを体組織に取り付ける方法を必要としており、それにより医師はチューブ管腔の完全性に損傷を与えることなく、チューブに沿う一つ以上の位置で一縫いできるようになる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態は、医療用チューブアセンブリ(100)であって、
一つ以上の長手フィン(21,21’,21”)が配置された細長い管状部材(20)から形成されたフィン付き医療用チューブ(10)と、
フィン付きチューブ(10)に摺動可能に装着可能とされ、係止手段および随意に提供される一つ以上の縫合小穴 (250,250’)が設けられたカラー(200)と、を備え、
前記係止手段は、一つ以上の長手フィン(21,21’,21”)に対して圧締力を与えるように構成されている。
【0006】
本発明のもう一つの実施形態は、上記の通りの医療用チューブアセンブリ(100)であって、該係止手段は、フィン(21,21’,21”)の表面と摩擦で係合するかまたはこれに入り込むように構成された一つ以上のピン(221,221’,221”)を備えている。
【0007】
本発明のもう一つの実施形態は、上記の通りの医療用チューブアセンブリ(100)であって、該係止手段は、フィン(21,21’,21”)の表面と摩擦で係合するかまたはこれに入り込むように構成された一つ以上のネジを備えている。
【0008】
本発明のもう一つの実施形態は、上記の通りの医療用チューブアセンブリ(100)であって、該係止手段は、フィン付き医療用チューブ(10)を摺動可能に受容するように適合させられたカラー(200)内の開口部(210)の少なくとも一部でフィン(21,21’,21”)の表面と摩擦で係合するように構成されたクランプ機構を備えている。
【0009】
本発明のもう一つの実施形態は、上記の通りの医療用チューブアセンブリ(100)であって、フィン(21,21’,21”)の個数は1,2,3または4である。
【0010】
本発明のもう一つの実施形態は、上記の通りの医療用チューブアセンブリ(100)であって、ピン(221,221’,221”)またはネジの個数はフィンの個数に等しく、各ピン(221,221’,221”)またはネジは単一のフィン(21,21’,21”)の表面と摩擦で係合するかまたはこれに入り込むように構成されている。
【0011】
本発明のもう一つの実施形態は、上記の通りの医療用チューブアセンブリ(100)であって、少なくとも一つのフィン(21,21’,21”)は細長い管状部材(20)の外面から放射状に突き出ている。
【0012】
本発明のもう一つの実施形態は、上記の通りの医療用チューブアセンブリ(100)であって、少なくとも一つのピン(221,221’,221”)またはネジは、フィン(21,21’,21”)の表面と摩擦で係合するかまたはこれに入り込むように構成された先が尖った端部(226)と、ピンの場合には押力、またはネジの場合には回転力であって、表面と摩擦で係合するかまたはこれに入り込むためにフィン(21,21’,21”)に向かって当該先が尖った先端を前進させる当該力を受けるように構成された頭部(224)と、を備えている。
【0013】
本発明のもう一つの実施形態は、上記の通りの医療用チューブアセンブリ(100)であって、少なくとも一つのフィン(21,21’,21”)は該チューブの最大幅を50%を超えずに増加させて、細長い管状部材の外面から放射状に突き出ている。
【0014】
本発明のもう一つの実施形態は、上記の通りの医療用チューブアセンブリ(100)であって、係止手段は解除可能とされている。
【0015】
本発明のもう一つの実施形態は、上記の通りの医療用チューブアセンブリ(100)であって、少なくとも一つの長手フィン(21,21’,21”)は細長い管状部材(20)の全長に沿って連続的に延びている。
【0016】
本発明のもう一つの実施形態は、上記の通りの医療用チューブアセンブリ(100)であって、少なくとも一つのフィンは、少なくとも部分的に城郭形とされている。
【0017】
本発明のもう一つの実施形態は、上記の通りの医療用チューブアセンブリ(100)であって、該城構えは、タブ(60,60’,60”,60''')とノッチ(65,65’,65”,65''')が交互に連なる配列を備え、該タブは、被検者へのチューブ(10)の挿入を容易にし、かつ/または被検者からのチューブ(10)の抜け出しを妨げるように適合させられている。
【0018】
本発明のもう一つの実施形態は、上記の通りの医療用チューブアセンブリ(100)であって、長手フィン(21,21’,21”)は細長い管状部材(20)に沿って連続な直線経路を有している。
【0019】
本発明のもう一つの実施形態は、上記の通りの医療用チューブアセンブリ(100)であって、長手フィン(21,21’,21”)は細長い管状部材(20)に沿って連続ならせん経路を有している。
【0020】
本発明のもう一つの実施形態は、上記の通りの医療用チューブアセンブリ(100)であって、カラー(20)は連結手段(251)を備えている。
【0021】
本発明のもう一つの実施形態は、上記の通りの医療用チューブアセンブリ(100)であって、前記連結手段(251)はアフターローダに連結するように適合させられている。
【0022】
本発明のもう一つの実施形態は、上記の通りの医療用チューブアセンブリ(100)であって、前記連結手段(251)はレーザ放射装置に連結するように適合させられている。
【0023】
本発明のもう一つの実施形態は、上記の通りの医療用チューブアセンブリ(100)であって、前記連結手段(251)はルアー継手を備えている。
【0024】
本発明のもう一つの実施形態は、上記の通りの医療用チューブアセンブリ(100)であって、前記連結手段(251)は雄ネジ継手または雌ネジ継手を備えている。
【0025】
本発明のもう一つの実施形態は、上記で定義したようなアセンブリ(100)を組み込んだカテーテル(300)である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明のチューブアセンブリの三次元概観図である。
【図2】本発明のフィン付きチューブの寸法表示入り横断面図である。
【図3】本発明におけるカラーの横断面図である。
【図4】本発明におけるピンの横断面図である。
【図5】円柱部材から形成された頭部を有する本発明におけるピンの横断面図である。
【図6】本発明のアセンブリの横断面図であって、非係合位置における一組の係止ピンを示す。
【図7】本発明のアセンブリの横断面図であって、係合位置における一組の係止ピンを示す。
【図8】本発明のアセンブリの横断面図であって、非係合位置における一組の係止ピンを示す。
【図9】発明のアセンブリの横断面図であって、係合位置における一組の係止ピンを示す。
【図10】本発明のアセンブリの縦断面図であって、突出部を有する本発明における係止ピンを非係合位置において示す。
【図11】本発明における分割カラーの平面図である。
【図12】本発明における分割カラーの開(クランプを外した)位置における平面図であって、開口部内にフィン付き医療用チューブが配置されている。
【図13】本発明における分割カラーの閉(締付け)位置における平面図であって、開口部内にフィン付き医療用チューブが配置されている。
【図14】本発明のアセンブリの一部の横断面図であって、係合前位置における固定クリップを示す。
【図15】本発明のアセンブリの一部の横断面図であって、係合位置における固定クリップを示す。
【図16】連結手段が設けられた本発明におけるカラーの三次元概観図である。
【図17】位置決め溝を有する連結手段が設けられた本発明におけるカラーの三次元概観図である。
【図18】ネジ山を有する連結手段が設けられた本発明におけるカラーの三次元概観図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つ以上の長手フィン(21,21’,21”) が配置された細長い管状部材(20)から形成されたフィン付き医療用チューブ(10)と、
フィン付きチューブ(10)に摺動可能に装着可能とされ、係止手段および随意に提供される一つ以上の縫合小穴(250,250’)が設けられたカラー(200)と、を備え、
前記係止手段は、一つ以上の長手フィン(21,21’,21”)に対して圧締力を与えるように構成されていることを特徴とする医療用チューブアセンブリ (100)。
【請求項2】
フィン(21,21’,21”) の個数は1,2,3または4であることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
少なくとも一つのフィン(21,21’,21”)は、細長い管状部材(20)の外面から放射状に突き出ていることを特徴とする請求項1または2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
係止手段は、フィン(21,21’,21”)の表面と摩擦で係合するかまたはこれに入り込むように構成された一つ以上のピン(221,221’,221”)を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項5】
係止手段は、フィン(21,21’,21”)の表面と摩擦で係合するかまたはこれに入り込むように構成された一つ以上のネジを備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項6】
ピン(221,221’,221”)またはネジの個数はフィンの個数に等しく、各ピン(221,221’,221”)またはネジは単一のフィン(21,21’,21”)の表面と摩擦で係合するかまたはこれに入り込むように構成されていることを特徴とする請求項4または5に記載のアセンブリ。
【請求項7】
少なくとも一つのピン(221,221’,221”)またはネジは、
フィン(21,21’,21”)の表面と摩擦で係合するかまたはこれに入り込むように構成された先が尖った端部(226)と、
ピンの場合には押力、またはネジの場合には回転力であって、摩擦で係合するかまたはその表面に入り込むためにフィン(21,21’,21”)に向かって先が尖った端部を前進させる当該力を受けるように構成された頭部(224)と、を備えたことを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項8】
係止手段は、フィン付き医療用チューブ(10)を摺動可能に受容するように適合させられたカラー(200)内の開口部(210)の少なくとも一部でフィン(21,21’,21”)の表面と摩擦で係合するように構成されたクランプ機構を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項9】
少なくとも一つのフィン(21,21’,21”)は、チューブの最大幅を50%を超えずに増加させて、チューブの外面から放射状に突き出ていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項10】
係止手段は解除可能とされていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項11】
少なくとも一つの長手フィン(21,21’,21”)は、細長い管状部材(20)の全長に沿って連続的に延びていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項12】
少なくとも一つのフィンは、少なくとも部分的に城郭形とされていることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項13】
城構えは、タブ(60,60’,60”,60''')とノッチ(65,65’,65”,65''')が交互に連なる配列を備え、該タブは、被検者内へのチューブ(10)の挿入を容易にし、かつ/または被検者からのチューブ(10)の抜け出しを妨げるように適合させられていることを特徴とする請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項14】
カラー(20)は連結手段(251)を備えていることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記連結手段(251)は、アフターローダに連結するように適合させられていることを特徴とする請求項14に記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記連結手段(251)は、レーザ放射装置に連結するように適合させられていることを特徴とする請求項14に記載のアセンブリ。
【請求項17】
前記連結手段(251)は、ルアー継手を備えていることを特徴とする請求項14に記載のアセンブリ。
【請求項18】
前記連結手段(251)は、雄ネジ継手または雌ネジ継手を備えていることを特徴とする請求項14に記載のアセンブリ。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれかで定義したようなアセンブリ(100)を組み込んだカテーテル(300)。
【請求項1】
一つ以上の長手フィン(21,21’,21”) が配置された細長い管状部材(20)から形成されたフィン付き医療用チューブ(10)と、
フィン付きチューブ(10)に摺動可能に装着可能とされ、係止手段および随意に提供される一つ以上の縫合小穴(250,250’)が設けられたカラー(200)と、を備え、
前記係止手段は、一つ以上の長手フィン(21,21’,21”)に対して圧締力を与えるように構成されていることを特徴とする医療用チューブアセンブリ (100)。
【請求項2】
フィン(21,21’,21”) の個数は1,2,3または4であることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
少なくとも一つのフィン(21,21’,21”)は、細長い管状部材(20)の外面から放射状に突き出ていることを特徴とする請求項1または2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
係止手段は、フィン(21,21’,21”)の表面と摩擦で係合するかまたはこれに入り込むように構成された一つ以上のピン(221,221’,221”)を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項5】
係止手段は、フィン(21,21’,21”)の表面と摩擦で係合するかまたはこれに入り込むように構成された一つ以上のネジを備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項6】
ピン(221,221’,221”)またはネジの個数はフィンの個数に等しく、各ピン(221,221’,221”)またはネジは単一のフィン(21,21’,21”)の表面と摩擦で係合するかまたはこれに入り込むように構成されていることを特徴とする請求項4または5に記載のアセンブリ。
【請求項7】
少なくとも一つのピン(221,221’,221”)またはネジは、
フィン(21,21’,21”)の表面と摩擦で係合するかまたはこれに入り込むように構成された先が尖った端部(226)と、
ピンの場合には押力、またはネジの場合には回転力であって、摩擦で係合するかまたはその表面に入り込むためにフィン(21,21’,21”)に向かって先が尖った端部を前進させる当該力を受けるように構成された頭部(224)と、を備えたことを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項8】
係止手段は、フィン付き医療用チューブ(10)を摺動可能に受容するように適合させられたカラー(200)内の開口部(210)の少なくとも一部でフィン(21,21’,21”)の表面と摩擦で係合するように構成されたクランプ機構を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項9】
少なくとも一つのフィン(21,21’,21”)は、チューブの最大幅を50%を超えずに増加させて、チューブの外面から放射状に突き出ていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項10】
係止手段は解除可能とされていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項11】
少なくとも一つの長手フィン(21,21’,21”)は、細長い管状部材(20)の全長に沿って連続的に延びていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項12】
少なくとも一つのフィンは、少なくとも部分的に城郭形とされていることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項13】
城構えは、タブ(60,60’,60”,60''')とノッチ(65,65’,65”,65''')が交互に連なる配列を備え、該タブは、被検者内へのチューブ(10)の挿入を容易にし、かつ/または被検者からのチューブ(10)の抜け出しを妨げるように適合させられていることを特徴とする請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項14】
カラー(20)は連結手段(251)を備えていることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記連結手段(251)は、アフターローダに連結するように適合させられていることを特徴とする請求項14に記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記連結手段(251)は、レーザ放射装置に連結するように適合させられていることを特徴とする請求項14に記載のアセンブリ。
【請求項17】
前記連結手段(251)は、ルアー継手を備えていることを特徴とする請求項14に記載のアセンブリ。
【請求項18】
前記連結手段(251)は、雄ネジ継手または雌ネジ継手を備えていることを特徴とする請求項14に記載のアセンブリ。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれかで定義したようなアセンブリ(100)を組み込んだカテーテル(300)。
【図15】ルアー継手を有する連結手段が設けられた本発明におけるカラーの三次元概観図である。
【図20A】〜
【図22】本発明のフィン付きチューブが配置されたピグテイル・カテーテルの三次元概観図であって、剛化スタイレットの前進とともに、末端は巻き形(図20A,20B)、中間形(図21)またはまっすぐな(図22)形態をとる。
【図23】フィン付きチューブの一つのフィン上に矩形の城構えが設けられた部分の三次元概観図である。
【図24】フィン付きチューブの一つのフィン上に傾斜付きの城構えが設けられた部分の三次元概観図である。
【図25】フィン付きチューブの一つのフィン上に丸み付きの城構えが設けられた部分の三次元概観図である。
【図26】フィンの寸法表示入り概観図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
別段の定義がなされない限り、本明細書中で使用されるすべての技術的および科学的用語は、一般に当業者により理解されているのと同じ意味を有している。本明細書中で参照されるすべての刊行物は、これへの言及により当該明細書に援用される。不定冠詞「a」「an」は、本明細書中では、冠詞の文法的対象物の一または一以上、即ち、少なくとも一つに言及するために使用される。例えば、「小穴」は、1つの小穴または一つ以上の小穴を意味する。端点による数値範囲の説明は、すべての整数および、必要に応じて、その範囲内に包まれる分数を含む(例えば1〜5は、例えば多くの物品に言及するときは、1,2,3,4を含み、例えば測定値に言及するときは、1.5,2,2.75および3.80を含むことができる)。端点の説明も、端点値自身を含む(例えば1.0から5.0までは、1.0および5.0を含む)。
【0028】
図1について、本発明は医療用チューブアセンブリ100に関し、当該チューブアセンブリ100は、
一つ以上の長手フィン21,21’,21”が配置された細長い管状部材20から形成されたフィン付き医療用チューブ10と、
フィン付きチューブ10に摺動可能に装着可能とされ、係止手段および随意に提供され得る一つ以上の縫合小穴250,250’が設けられたカラー200と、を備え、
前記係止手段は、一つ以上の長手フィン21,21’,21”に対して圧締力を与えるように構成されている。
【0029】
摺動可能なカラーは、フィン付きチューブ10に沿うあらゆる位置に搭載可能および配置可能とされており、またその後、外科医により適所に係止される。係止手段は、チューブ壁20に対してではなく、フィン21,21’,21”に対して力を働かせる。その結果、チューブ管腔15は、液体や近接照射療法用チューブの通過または光療法用の導波管に影響を及ぼすかもしれない変形や圧壊を受けることがない。アセンブリ100は、いかなる特殊装置の操作も必要とすることなく、完備されており、通常は押しピンやネジといった係止手段の駆動だけを必要としている。カラー200はまた、医用の糸を通すことができ、外部皮膚または内部組織などの被検者の組織に一縫いして取り付け可能とされている一つ以上の縫合小穴250,250’を提供している。フィン付きチューブ10は、チューブを外部的にまたは内部的に縫合するために一個のカラーが配置されていてもよい。あるいは、フィン付きチューブは、内部的に二つ以上の位置で、または外部的に一つの位置および内部的に一つ以上の位置で、チューブを縫合するために一個以上のカラーが配置されていてもよい。カラー200は、フィン付きチューブ10が挿入穴または切り口の内部へさらに移動することを確実に防ぐ。カラー200および一縫いの糸は、フィン付きチューブ10が挿入穴または切り口の外部へさらに移動することを確実に防ぐ。この点は、例えば近接照射療法においてまたは光に基づく間質的治療のために、医療用チューブが正確に配置され、そして処置間の数日または数週間のあいだ移動せずに元の位置に留まっている必要がある場合に、きわめて重要である。カラーは調節可能とされているので、アセンブリはチューブのいかなる度合の挿入にも適している。
【0030】
フィン付き医療用チューブ10は、一つ以上の長手フィン21,21’,21”が配置された細長い管状部材20から形成される。それは、基部50から末端55まで延びる管腔15が設けられている。フィン付き医療用チューブ10は可撓性で、被検者への挿入に適している。それは、通常は単一の連続的な長さのチューブから形成される。しかしながら、それは、末端55および/または基部50において、同種または異種材料製の他のチューブに、加熱、圧着または摩擦により端同士が接続されて取り付けられていてもよい。一般的に、フィン付きチューブ10は、ポリウレタン、ポリウレタン化合物、ポリイミドまたは他の生体適合性可撓性ポリマー材料から形成される。チューブ10は、少なくともその外面が、銀またはその誘導体、クロルヘキシジン誘導体、ヘパリン誘導体などの抗菌性剤、または皮膚からの出口位置における感染のリスクを低下させる任意の適切な抗菌性剤で覆われていてもよい。
【0031】
「末端」および「基部」の用語は、装置の医師に近い(基部の)、および、から離れた(末端の)、を意味するものとして明細書を通して使用され、また当該分野において一般に理解されている語である。従って、「基部」は医師側に近い方の、を意味するとともに、患者側から離れた方の、を意味する。反対に、「末端」は患者側に近い方の、を意味するとともに、医師側から離れた方の、を意味する。
【0032】
図2について、フィン付きチューブの全幅TWまたは全直径幅TDWは、最小限の切り口または皮膚穴による適切な開口を通して出るために、充分に狭い。フィン付きチューブは柔軟性がある。それは、捩れたときに損傷しないほど充分に柔軟である。フィン付きチューブは挿入、抜取りおよび着身を容易とする一方で、邪魔を最小限とする設計となっている。着身においては、医療用チューブの基部は皮膚から突出し、例えばカラーに設けられた小穴を通過する一縫いの糸を用いて適所に保持される。医療用として、フィン付きチューブの全幅DTWは、通常は、2mm,3mm,4mm,5mm,6mm,7mm,8mm,9mm,10mm,11mm,12mm,13mm,14mm,15mm,16mm,17mm,18mm,19mmまたは20mmである。
【0033】
細長い管状部材20(フィンなし)は好ましくは円筒状である。一般的な指針として、細長い管状部材20の最大外幅、即ちその外径OWは、1mm,1.2mm,1.4mm,1.6mm,1.8mm,2.0mm,2.2mm,2.4mm,2.6mm,2.8mm,3.0mm,3.2mm,3.4mm,3.6mm,3.8mm,3.9mm,4.00mm,4.2mm,4.4mm,4.6mm,4.8mm,4.9mm,5.00mm,5.2mm,5.4mm,5.6mm,5.8mm,5.9mm,6.00mm,7mm,8mm,9mm,10mm,11mm,12mm,13mm,14mm,15mm,16mm,17mm,18mm、または19mmの各値以上か、あるいは上述の任意の二つの値のあいだの範囲の値であってもよく、好ましくは1.6mmと7mmのあいだの値である。
【0034】
チューブ管腔15の直径は用途次第である。液体供給にあっては、基部で過度の圧力を加える必要なく末端まで液体の輸送を可能とするために、充分に広い。ワイヤまたは導波管の通路にあっては、例えば近接照射療法や光に基づく治療法にそれぞれ見られるように、直径は、放射線源、カテーテルまたは導波管が支障なく前進し、かつ線源ワイヤ管腔から取り出し可能とするために、放射線源の直径または導波管のカテーテルより充分に大きい。一般に、管腔15の直径IWは、放射線源ワイヤの直径よりも、1%,2%,3%,4%,5%,6%,7%,8%,9%,10%,11%,12%,13%,14%,15%,16%,17%,18%,19%,20%,25%,30%,35%,40%,45%,または50%大きい。
【0035】
本発明の一態様によれば、細長い管状部材20の壁の厚みWTは、0.05mm,0.1mm,0.2mm,0.3mm,0.4mm,0.5mm,0.6mm,0.7mm,0.8mm,0.9mm,1.0mm、あるいは上述の任意の二つの値のあいだの範囲の値であり、好ましくは0.05mmと0.4mmのあいだの値である。
【0036】
チューブは、好ましくは使用前に熟練した専門家により寸法通りに切り出される長さで供給され、その長さは用途および使用場所次第である。例えば、前立腺癌では、体の内部の長さは、通常は10cmと14cmの間にあり、乳癌では、体の内部の長さは、通常は先端からカラーまで8cmと20cmの間にあるので、チューブはそれに対応して切り取られる。チューブは、長さLCとしては、10cm,11cm,15cm,20cm,25cm,30cm,35cm,40cm,45cm,50cm,55cm,60cm,65cm,70cm,75cm,80cm,85cm,90cm、あるいは上述の任意の二つの値のあいだの範囲の値で供給されるものであってもよい。好ましくは、それは長さ15cmと30cmのあいだにある。チューブは、異なるサイズの二個以上の予めカットされた長さのキットとして供給されるものであってもよい。
【0037】
フィン21,21’,21”は、細長い管状部材20の外面から突き出ており、係止手段が係合するとともに、係止されたカラーの自由な横方向のおよび自由な回転方向の移動を防ぐための構造を提供している。医療用チューブには、一つ以上の長手フィンが配置されている。フィンの数は、1,2,3,4,5,6,7,8,9、または10、あるいは上述の任意の二つの値のあいだの範囲の値であってもよく、好ましくは1と4のあいだの値であり、最も好ましくは3である。フィンは、チューブの外面から放射状に突き出ている、即ち表面に対して90°であってもよい。しかしながら、他の角度も本発明の範囲内で想定され、例えば該表面に対し±30°,±40°,±50°,±60°,±70°,±80°、あるいは上述の任意の二つの角度のあいだの範囲の角度であってもよく、好ましくは30°と150°のあいだの角度であり、最も好ましくは90°である。
【0038】
フィン21,21’,21”は、通常は医療用チューブの全長に沿って、即ち基部50の先端から末端55の先端まで、長手方向に延びている。しかしながら、少なくとも末端半分か基部半分の一部にはフィンがなくてもよく、アセンブリの機能に影響を及ぼす可能性はない。フィン21,21’,21”は、好ましくはチューブの長さに沿って直線状に延びている。しかしながら、経路はそこから逸脱してもよく、例えばカラーが直線的に前進するにつれてカラーまたはチューブを回転させるらせん経路を採用してもよい。あるいは、それはうねっていてもよく、カラーが直線的に前進するにつれてカラーまたはチューブを揺動させてもよい。
【0039】
細長い管状部材20の外面から突き出ているフィン21,21’,21”は、細長い管状部材20の幅OWに比べて、フィン付きチューブ10の全幅TWを、10%,20%,30%,40%,50%,60%、または70%の各値以下だけ、あるいは上述の任意の二つの値のあいだの範囲の値だけ、好ましくは20%と50%のあいだだけ、最も好ましくは40%以下だけ増加させている。フィン付きチューブの全幅TWは、二つのフィン21,21’,21”の外側先端間の最大距離のことをいう。
【0040】
細長い管状部材20の外面から突き出ているフィン21,21’,21”は、細長い管状部材20の幅OWに比べて、フィン付きチューブ10の全直径幅DTWを、10%,20%,30%,40%、または50%の各値以下だけ、あるいは上述の任意の二つの値のあいだの範囲の値だけ、好ましくは10%と30%のあいだだけ、最も好ましくは20%以下だけ増加させている。フィン付きチューブ10の直径幅DTWは、フィン付きチューブ10の横断面の中点を中心としてフィン21,21’,21”の外側先端に接触する架空の円30の直径のことをいう。
【0041】
図2について、フィンの高さFLは、0.2mm,0.5mm,1mm,2mm,3mm,4mm,5mm,6mm,7mm,8mm,9mm,10mm,11mm,12mm,13mm,14mm,15mm,16mm,17mm,18mm,19mm、または20mm、あるいは上述の任意の二つの値のあいだの範囲の値であってもよく、好ましくは0.2mmと2mmのあいだの値である。任意の二つのフィンが等しい高さのものであってもよい。あるいは、すべてのフィンが等しい高さのものであってもよい。あるいは、大多数のフィンが等しい高さのものであってもよい。
【0042】
図2について、フィンの最大幅FWは、0.05mm,0.1mm,0.3mm,0.5mm,0.7mm,1mm,2mm,3mm,4mm,5mm、あるいは上述の任意の二つの値のあいだの範囲の値であってもよく、好ましくは0.05mmと2mmのあいだの値である。
【0043】
一般に、フィンは、医療用チューブの壁と同一の材料から製造される。それは、通常はチューブの押出の際に製造され、外壁の一部を形成している。本発明の一実施形態は本発明のアセンブリまたはチューブの製造方法に関し、ある長さのフィン付きチューブを所望の直径に押し出す工程を備えている。
【0044】
本発明の一態様によれば、フィン21,21’,21”は、その長手方向の長さに沿って事実上均一の高さFLを有している。もう一つの態様によれば、フィン21,21’,21”の少なくとも一部の高さFLは、その長手方向の長さの関数として変化する。例えば、フィン21,21’,21”は、その長手方向の長さに沿って少なくとも部分的に城郭形であってもよい。即ち、本発明の一実施形態は、本明細書中で記載されているように、一つ以上の長手フィン21,21’,21”が配置された細長い管状部材20から形成されるフィン付き医療用チューブ10であって、少なくともフィンの一部は城郭形である。
【0045】
フィン21,21’,21”の城郭形領域62は、図23に示すように、直列または交互に並んで配列されたタブ60,60’,60”,60'''とノッチ65,65’,65”,65'''とを備えている。どのフィン21,21’,21”も城郭形領域62を含んでよいし、あるいは、一つ以上の(例えば2,3,4の)フィンが城郭形領域62を含んでもよく、また図23では、一つのフィン21”が城郭形領域62を備えている。城郭形領域62は、例えば基部50に近い方に、末端55に近い方に、および/または中央部分にと、フィン上のどこに位置していてもよい。処置領域の損傷を防ぐために、末端55終端には配置されないことが望ましく、またカラー200の移動を容易にするために、基部50終端には配置されないことが望ましい。タブ60,60’,60”,60'''の高さTHは、ノッチ65,65’,65”,65'''の高さNHよりも大きい。
【0046】
タブ60,60’,60”,60'''の形状は、図23に示すように、矩形であってもよいが、他の形状も想定される。例えば、タブは、被検者内へのチューブの挿入を容易にし、かつ/または被検者からのチューブの抜け出しを妨げるように適合させられていてもよい。好ましくは、タブ60,60’,60”,60'''の末端55は被検者内へのチューブの挿入を容易にするように適合させられている一方、タブ60,60’,60”,60'''の基部50はチューブの抜け出しを妨げるように適合させられている。本発明の一態様によれば、タブ60,60’,60”,60'''は、図25に示すように、その末端55に丸みがつけられている。本発明の別の態様によれば、タブ60,60’,60”,60'''の末端55は、図24に示すように、チューブの基部50に向かう勾配がつけられて(傾斜して)いる。両方の態様は、傷をつけないチューブの挿入を容易なものにする。
【0047】
本発明の一態様によれば、タブ60,60’,60”,60'''の基部50は、図24に示すように、チューブの基部50に向かう勾配がつけられて(傾斜して)いる。この態様は、加力を伴わないチューブの抜け出しを防ぐ。長さ10cmの城郭形領域と3〜4mmのタブの場合、アセンブリを取り出すには3Kg程度の力が必要になると推定される。
【0048】
フィン21,21’,21”の城郭形領域62は、ノッチの長さ、タブの長さ、タブの数、および領域の長さ62を含む数個のパラメータにより定義される。城郭形領域のパラメータは、図26に示すように、城郭形領域の長さCL、タブ60”の幅TW、タブ60”の高さTH、ノッチ65'''の幅NW、およびノッチ65'''の高さNHを含む。一般的な指針として、以下の寸法が適用される。城郭形領域の長さCLは、2cm,3cm,5cm,6cm,8cm,10cm,12cmの各値以上、あるいは上述の任意の二つの値のあいだの範囲の値であってもよく、好ましくは3cmと8cmのあいだの値である。その根元に沿って測ったタブ60”の幅TWは、1mm,2mm,3mm,4mm,5mmの各値以上、あるいは上述の任意の二つの値のあいだの範囲の値であってもよく、好ましくは2mmと4mmのあいだの値である。その根元に沿って測ったノッチ65'''の幅NWは、1mm,2mm,3mm,4mm,5mmの各値以上、あるいは上述の任意の二つの値のあいだの範囲の値であってもよく、好ましくは2mmと4mmのあいだの値である。タブの根元から先端まで放射状に測ったタブ60”の高さTHは、0.2mm,0.5mm,1mm,2mm,3mm,4mm,5mm,6mm,7mm,8mm,9mm,10mm,11mm,12mm,13mm,14mm,15mm,16mm,17mm,18mm,19mm、または20mm、あるいは上述の任意の二つの値のあいだの範囲の値であってもよく、好ましくは0.2mmと2mmのあいだの値である。ノッチの根元から先端まで放射状に測ったノッチ65’”の高さNHは、0mm,0.1mm,0.2mm,0.3mm,0.4mm,0.5mm,3mm,4mm,5mm,6mm,7mm,8mm,9mm,10mm、あるいは上述の任意の二つの値のあいだの範囲の値であってもよく、好ましくは0mmと1mmのあいだの値である。
【0049】
少なくとも部分的に城郭形のフィンは医療用チューブアセンブリの位置をより一層元の位置に係止すること、即ちチューブの長手方向の抜け出し移動が制限されることが確認されている。挿入を防ぐカラー200と併用した場合は、是認できない抜け出しも挿入も減少する。
【0050】
本発明のカラー200は、フィン付きチューブ10に摺動可能に装着可能とされ、係止手段が係合していないときは、基部50から末端55までまたはその逆方向に前記チューブにわたって長手方向に移動できるようになっている。カラー200は、通常は平らな形をした本体25と、平らな両面間を通してフィン付きチューブ10を受け入れる開口部210と、を有している。カラー200は、係合位置においてはフィン付きチューブ10に対するカラーの長手方向の移動を防ぐとともに、非係合位置においてはフィン付きチューブ10に対するカラーの長手方向の移動を許容する、係合可能な係止手段を備えている。カラー200の本体25は、カラーが皮膚への縫合に用いられる場合は、好ましくは少なくとも部分的には切り口の開口よりも拡がった通常は平らな形状をしていることにより、切り口を通り越すようなカラー200の移動を防ぐように適合させられている。このように構成されているので、カラーは切り口の中に入り込むことはない。カラーが内部的に縫合に用いられる場合は、切り口を通り越すようなカラー200の移動を防ぐように適合させられているべきという必要は必ずしもない。カラー200は、必須の特性を具備した、即ち低摩擦係数を有するとともに縫合をサポートする充分な強度を有する、任意の生体適合材料から作製してもよい。好適な材料としては、PEEK,ポリプロピレン,ポリ・オキシプロピレン(デルリン500PTM)、その他が挙げられる。
【0051】
開口部210は、フィン付きチューブの側面(横断面)に適合する側面(横断面)を有していてもよく、実質的な障害なくカラー200が移動できるようにフィン付きチューブの側面よりわずかに大きい。カラー開口部210の側面は、フィン付きチューブの側面よりも、1%,5%,10%,15%,20%,25%,30%,35%だけ大きくてもよいし、あるいは上述の任意の二つの値のあいだの範囲の値であってもよいが、これらの値は面積の差異を表すものである。
【0052】
図3について、本図はカラー200の横断面を表すもので、開口部210は、細長いチューブ部材20の円周と適合する円形構成要素210''''と、各フィン21,21’,21”と適合する三個の溝構成要素210’,210”,210'''と、を備えている。円形構成要素210''''は、管状部材20の直径OWよりも、1%,2%,3%,4%,5%,6%,7%,8%,9%,10%,15%、または20%以下だけ大きい直径AWを有していてもよいし、あるいは上述の任意の二つの値のあいだの範囲の値であってもよく、好ましくは1%と10%のあいだの値だけ大きい。溝構成要素210’,210”,210'''は、管状部材20のフィンの幅FWよりも、1%,2%,3%,4%,5%,6%,7%,8%,9%,10%,15%、または20%以下だけ大きい幅FAWを有していてもよいし、あるいは上述の任意の二つの値のあいだの範囲の値であってもよく、好ましくは1%と10%のあいだの値だけ大きい。溝構成要素210’,210”,210'''は、管状部材20のフィンの長さFLよりも、1%,2%,3%,4%,5%,6%,7%,8%,9%,10%,15%、または20%以下だけ大きい長さALを有していてもよいし、あるいは上述の任意の二つの値のあいだの範囲の値であってもよく、好ましくは1%と10%のあいだの値だけ大きい。
【0053】
係止手段(機構)は、フィンに対して圧締力を付加するが、つまりそれはカラー200が長手方向に移動するのを防ぐ摩擦によるか、入り込むかまたはそれ以外による力をフィン21に対して付加することを意味する。係止位置では係止手段は係合しており、カラー200はフィン付きチューブ10に沿って長手方向に移動できないが、非係止位置では係止手段は係合しておらず、カラー200はフィン付きチューブ10に沿って長手方向に摺動可能に移動できる。係止手段はどんなものでもよく、例えば以下に詳述するように、ピン、ネジまたはクランプである。
【0054】
係止手段は、最も好ましくは押しピン221,221’,221”または回転ネジであり、チューブの単一のフィン21,21’,21”と摩擦接触または入り込み接触するために前進するように構成されている。係止手段がピン(図4,5)を備える場合は、ピン221,221’,221”は、通常、好ましくは円柱状であって、一端に頭部224、他端に先端226が配置された細長部材である軸228を備えている。本発明は主としてピン係止機構(例えば図1)を例にとり説明したが、本発明はそれに限定されないことが理解されねばならず、係止機構は以下に記すものも含む、任意のものであってもよい。
【0055】
頭部224は、例えば指、親指、プライヤのセット、ネジ回しまたは他の適したものを使って、ピンの長手方向に力を加えるとピンを開口部の方へ、そして係止位置内へと移動させるための面を提供している。頭部224は、図4に示すように軸228の終端部で形成されていてもよい。あるいは、頭部224は、軸228に取り付けた部材225で形成されていてもよく、該部材によれば力の付加のためのより大きな表面積が提供される。図5に示すように、部材225は、ピン軸228の直径よりも大きい直径を有する実質的に円柱形状のものであってもよい。
【0056】
先端226は、最も好ましくは尖っているが、丸くされた、鋲形のまたは平らなものを含み他の形状も想定される。尖っていない先端は、研磨ダイヤモンド被膜のような摩擦増強コーティングが施されていてもよい。ピンまたはネジは、カラー200の本体25内の通路260’,260”,260'''に合う寸法とされている。
【0057】
カラー200の本体25は、好ましくはカラーの周面230から開口部210の方へ、特に溝構成要素210’,210”,210'''の方へ延びた直線通路260’,260”,260'''(図3)を備えている。通路の数は、フィン21,21’,21”の数に等しくてもよい。通路260’,260”,260'''は、ピンまたはネジを保持し、かつ外力の付加なしではそれらが移動しないように構成されている。通路260’,260”,260'''はまた、ピンまたはネジを一直線に開口部210の方、特に溝構成要素210’,210”,210'''の方、へ案内するように構成されている。通路260’,260”,260'''は、好ましくはその中央軸線がフィン21,21’,21”または溝構成要素210’,210”,210'''に直角となるように通されている。通路は、好ましくは実質的に円柱形状のものである。それは、ピン221またはネジの側面(縦断面)を採用してもよい。係止位置でピン221またはネジがフィン21,21’,21”を突き刺す場合においては、通路260’,260”,260'''は、カラー200の周面230から、溝構成要素210’,210”,210'''を超えてピン221またはネジの先端226を収容可能とされた縦坑269(図10参照)が形成されたカラー200の内側本体内まで、延びていてもよい。
【0058】
ピン221の種々の構成は本発明の範囲内にある。例えば、図8,9について、ピン221の軸は、ピン221”が係止位置(図9)へと前進したときに通路260'''内の相補的な突出部262と係合するように構成された円周方向溝264が設けられていてもよい。溝264内への突出部262の直線的移動は、ピン221”が充分に前進したことを示すフィードバック(例えば音または振動)を提供する。図8,9は、溝が設けられたピン221と通路260'''内に配置された突出部とを示しているが、その逆の構成(図示せず)も本発明の範囲内にある、即ち通路に溝を設けピンに突出部を配置してもよい。
【0059】
図10に示すもう一つの構成では、ピン221’の頭部224は突出部267が配置された円柱部材225で形成され、そして通路260には、ピン221が通路260に納まったときに前記突出部267を収容する第一の溝266が設けられている。突出部267は、好ましくは輪形のまたは部分的に輪形のリングである。溝266は、輪形か部分的に輪形であってもよく、好ましくは通路260壁の切込みである。第一の溝266および突出部267は、突出部267が第一の溝266内に係合したときピン221の先端226がフィン21,21’,21”と接触せず、非係止位置でピン221を解除可能に支持するように構成されている。ピン221の頭部224に力を加えると、突出部267が第一の溝266から外れて、ピン221の先端226が溝構成要素210に向かって前進可能となり係止位置でフィン21,21’,21”に接触可能となる。通路260は、ピン221の前進が許容される直線距離を制限する境界止め265が設けられていてもよい。図10に示すように、境界止め265は、ピン221が係止位置にあるとき、ピン221の頭部を形成する円柱部材225に接触している。通路260の第二の溝268は、ピンが係止位置にあるときピン221の突出部267と係合するように構成されたものだが、境界止め265と接していてもよい。第二の溝268は、ピン221が通路260から外向きに後退するのを防ぐ。
【0060】
図6は、本発明のフィン付きチューブ10に取り付けられたカラー200の横断面図を示す。係止手段は、それぞれカラー200の本体内の通路260’,260”,260'''内に摺動可能に取り付けられた一組のピン221,221’,221”として示されている。非係止位置においては、カラー200を貫通するチューブ10の直線的前進を防ぐための、ピン221,221’,221”とフィン21,21’,21”とのあいだの摩擦接触または入り込み接触は、ないかまたは不充分である。図7も、本発明のフィン付きチューブ10に取り付けられたカラー200の横断面図であって、ピン221,221’,221”が係止位置にある、即ちピン221,221’,221”がチューブ10のフィン21,21’,21”の方に前進させられた後の状態を示す。各ピン221,221’,221”はチューブ10の各フィン21,21’,21”に入り込み刺し通しており、それにより、フィン付きチューブ10に対するカラー200の位置を固定している。フィン付きチューブ10の管腔15は、無傷のままである。
【0061】
ピン221,221’,221”は、必須の圧縮強さ、即ち長手方向の加力に変形しない強度、を有する単一の材料または材料の組合せ、例えばステンレス鋼、チタン、ニチノール(nitenol)、ポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK)、ベークライトまたはポリカーボネートから作製してもよい。ピンの頭部224を形成する部材225が有る場合、当該部材225は、必須の圧縮強さ、即ち長手方向の加力に変形しない強度を有する材料、例えばステンレス鋼、チタン、ニチノール(nitenol)、ポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK)、ベークライトまたはポリカーボネートから作製してもよい。
【0062】
他の実施形態では、係止手段は、回転力の付加により単一のチューブ・フィン21,21’,21”に向かって直線的に前進するように構成されたネジ(図示されず)である。ネジは一端に頭部、他端に先端が配置されたネジ軸を備えている。軸はテーパ付きでもテーパなしでもよい。頭部の直径は先端の直径よりも大きくてもよい。頭部は、ネジを長手方向に開口部、好ましくは溝構成要素、の方へ駆動する回転力を付加するための工具との連結のために、例えば溝付き(−)、フィリップス(+)、Pozidriv(+)、HEX(Allen)(六角)、ダブルHEX(30°ずらした六角2つ)用に構成されている。ネジ先端は、最も好ましくは尖っているが、丸み付き、鋲形または平らなものを含み他の形状も想定される。尖っていない先端は、研磨ダイヤモンド被膜のような摩擦増強コーティングが施されていてもよい。ネジは、カラー200の本体25内の通路260’,260”,260'''に合う寸法とされており、その通路はネジ山と係合するように部分的に且つ適合的にネジ切りされている。ネジは、必須の圧縮強さ、即ち回転方向の加力に変形しない強度、を有する任意の材料、例えばステンレス鋼、チタン、ニチノール(nitenol)またはポリカーボネートから作製してもよい。
【0063】
他の実施形態では、係止手段は、カラー200内の開口部210の少なくとも一部をフィン21,21’,21”の表面、好ましくは側壁、と摩擦で係合させるように構成されたクランプ機構を備えている。クランプ機構は、開口部210の溝構成要素210’,210”,210'''をフィン21,21’,21”の表面と摩擦で係合させるように構成されている。そうすることにより、フィン21,21’,21”の側壁は、カラー200に対してクランプ(締付け)される。フィンは、溝構成要素210’,210”,210'''の壁を通してフィンのいずれかの側面に適用される圧力の付加によりクランプされる。溝構成要素210’,210”,210'''の壁がフィンの方へ押圧されると、カラーは締め付けられ、摺動が係止される。壁が解放されると、カラーも解放されて、チューブ10に対して再び摺動可能となる。
【0064】
図11は、クランプ機構が配置されるカラー200の特別な例を示す。本実施形態においては、溝構成要素210’,210”,210'''のうちの一つからカラー200の周辺に向かって外に延びた閉鎖可能な隙間212によって、カラー200が分割されている。図12に示すように、隙間212が開いているとき、そしてチューブ10が開口部内に存在するときは、溝構成要素210”を介して対応するフィン21”に圧力はかからず、チューブはカラー200に対して摺動できる。図13に示すように、隙間212が閉じたときは、溝構成要素210”の壁を介して対応するフィン21”の側壁に圧力がかかって、チューブはクランプされ、その位置でカラー200に対する摺動が係止される。隙間212の開放および閉鎖を制御するために、隙間212の側面に位置し摺動可能なクリップ240を用いてもよい。クリップ240が上側(係合前)位置(図14)にあるときは隙間212は開いており、チューブはカラー200に対して摺動できる。クリップ240が下側(係合)位置(図15)にあるときは隙間212は閉じており、溝構成要素210”はフィン21”に対して押し付けられ、チューブ10はカラー200に対してクランプされる。
【0065】
クリップ240は、好ましくはU字形側面を有する、即ち、横材により連結された2本の脚を有している。2本の脚の各々には、脚の開放端に近い方に配置された内向きの丸い突出部241,241’が設けられており、各突出部はカラー200内の適合する上側凹部246,246’と着脱自在に係合するように構成されており、各凹部は隙間212の側面に位置する一対の溝242,242’内に存在している。クリップ240の突出部241,241’が上側凹部246,246’内に位置するときは、クリップは係合前位置(図14)にあり、隙間212は開いている。各スロット242,242’には、さらに適合する下側凹部246,246’が設けられており、該下側凹部は、クリップ240が溝242,242’内へとさらに前進したときに突出部241,241’を受容するように適合させられている。適合する下側凹部244,244’は、上側凹部246,246’に比べて、隙間212からの距離がより大きい位置にある。その結果、下側凹部244,244’(図15)へのクリップの移動は隙間212を狭小化せしめ、溝構成要素210”へのフィン21”の付随的なクランプ作用が働く。クリップ240の移動を容易にするために、上側凹部246,246’と下側凹部244,244’間の経路248,248’は、緩やかであってもよい。
【0066】
クリップ240は、必須の引っ張り強さ、即ち下方への適用や下側凹部に位置したときに変形しない強度、を有する単一の材料または材料の組合せ、例えばステンレス鋼、チタン、ニチノール(nitenol)、またはポリカーボネートから作製してもよい。
【0067】
カラー200は、随意に一つ以上の縫合小穴250,250’が設けられている。縫合小穴250,250’は、針と糸の通過に適した開口を有する。それは、組織に縫合されているあいだ、カラーを支持するために必須の強度を有する。それは、通常、カラーの周辺近くに設けられている。
【0068】
フィン付きチューブ10に取り付けられるカラー200の個数は、1,2,3,4,5,6,7,8,9,10またはそれ以上、あるいは上述の任意の二つの数のあいだの範囲の数であってもよい。フィン付きチューブ10に一つのカラー200が配置されている場合には、そのカラーは外部的に、即ち皮膚に、あるいは内部的に、即ち脂質、筋肉、結合組織のような内部組織に、チューブを縫合するために使用してもよい。フィン付きチューブ10に一つより多いカラー200が配置されている場合には、カラー200は内部的に二つ以上の位置で、または外部的に二つ以上の位置で、または外部的に一つの位置と内部的に一つ以上の位置で、チューブを縫合するために使用してもよい。有利なのは、内部的および外部的に縫合されたカラーは改善された固定性を提供する点であり、例えば突然の引っ張り運動による外部カラーの体内への移動を防ぐ。
【0069】
医療用チューブを皮膚に固定し、および/または縫合するための構造を随意に与えることに加え、カラー200は、適切に適応させれば、もう一つのチューブまたは装置のようなもう一つの要素を取り付けるための連結手段251ともすることができる。挿入された医療用チューブ10がカラーより上で短くされた後は、開放端で終わるチューブの基部50となる。カラーから延びる連結手段251により、開放端は、例えば内腔の排液または吸引を補助する延長チューブに直接取り付けることができる。この連結手段251は、あるいは、近接照射療法を供給するためのアフターローダに連結された近接照射療法カテーテルまたはレーザ放射装置に連結された導波管を導入するために使用してもよい。本発明の一実施形態は、本明細書中に記載されているようなアセンブリ100であって、カラー200はさらに連結手段251が設けられている。連結手段251は、好ましくはカラー200の基部50から延びている。連結手段は、好ましくは適合する連結手段に水不浸透性の接続を提供する。本発明の一実施形態によれば、連結手段251は、例えば図16に示すように円形フランジを備える。本発明の一実施形態によれば、連結手段251は、例えば図17に示すように、径方向位置に一対の切欠き部252’,252”が配置された円形フランジを備えている。本発明の一実施形態によれば、連結手段251は、例えば図18に示すように、ネジ山を備えている。図18はフランジの外側円周辺縁上の雄型のネジ山を示すが、あるいは開口部の円形構成要素210''''内に延びた雌ネジであってもよい。本発明のもう一つの実施形態によれば、連結手段251は、基部50側に配置されたルアー継手を備えている。ルアー継手は、例えば雄ネジまたは雌ネジ付き、またはネジなしなど、いかなるものであってもよい。図19に示したのは、その内側円錐形通路253により雄のネジなしシリンジ型継手と係合する様に構成された、またはその外側がネジ切りされた縁部254により雌ネジ付きルアー接続部に係合するように構成された、ルアー継手である。ルアー継手は、例えば医療用チューブ、弁または排液キャップなどの標準装置への接続を容易にする。
【0070】
本発明の一実施形態は、一端にフィン付きチューブ10の管腔15に回転挿入するように適合させたネジ付きセルフタップ型雄コネクタを有するとともに、他端に外部チューブのためのコネクタを有するインライン継手である。適切な位置にねじ込まれると、当該継手はフィン付きチューブ10の管腔15の基部と外部チューブの管腔とを密封可能に接続する。継手はまっすぐなものでもよいし、角度のついたもの(例えば90°)でもよい。継手は、カラー200の基部側と同一平面に端を切断された場合のフィン付きチューブ10の基部50への接続に特に適している。
【0071】
フィン付き医療用チューブ10は、最新技術のカテーテルに組み込んでもよい。つまり、管腔を有する最新技術のカテーテルの外側軸は、その長手方向の長さに沿って少なくとも部分的にフィンが配置されていてもよい。一般に、例えば数日間続く処置の経過中、カテーテルの位置を元の位置に維持する必要があるが、本チューブはそのような維持を提供する。本発明のフィン付き医療用チューブ10を組み込んだカテーテルの例としては、排液カテーテルおよび近接照射療法カテーテルが挙げられる。フィン付き医療用チューブ10は、用途次第で、カテーテルの基部50に近い方に、中間領域に、または末端55に近い方に設けてもよいし、あるいは、基本的にカテーテルの長手方向の全長に沿って配置してもよい。フィン付き医療用チューブ10は、押出し、加熱、圧接、接着または摩擦を含む任意の技術を用いて一体化してもよい。カテーテルは、好ましくは、本発明におけるカラー200を取り付けて提供されてもよい。
【0072】
本発明の一実施形態は、本発明のフィン付き医療用チューブ10を組み込んだピグテイル排液カテーテルである。ピグテイル排液カテーテルは公知の技術であり、孔と基部端の入口とをつなぐ排液管腔を通して剛化探り針ないしスタイレットを前進させることによりまっすぐにする、即ち直線的にするように適応させた、有孔の巻き形末端によって特徴づけられる。ピグテイル・カテーテル300の例は、図20A,20B,21,22に挙げている。図20A,Bは、液体の通路用の孔304が配置された巻き形末端55の端領域302を備えた、その自然状態のピグテイル排液カテーテル300を示す。それは、また末端の終端口305も有している。カテーテル300の基部50は、開いた近位口(図示せず)を囲む雄ネジコネクタ308を終端とするハンドル領域306を含んでいる。排液管腔(図示せず)は、近位口を末端の終端口305および孔304につなぐ。近位口は、排液管腔内へと前進するための末端55用先端と基部50のハンドル領域312とを有する剛化スタイレット310を受け入れるように適合させられている。スタイレット310のハンドル領域312は、基部50ではルアー継手が設けられるとともに、末端55ではカテーテル・ハンドル領域306の雄ネジと係合するように適合させた雌ネジが切られた開口(図示せず)を備えている。図20Aでは、ピグテイル・カテーテルは、カテーテル長手軸の中間部の近くに位置する領域318に、本発明のフィン付き医療用チューブを組み込んでいる。図20Bでは、ピグテイル・カテーテルは、カテーテルの末端55に近い方の領域318に、本発明のフィン付き医療用チューブを組み込んでいる。図20Aから図22までにおいては、三つのフィン21のうちの一つに記号をつけている。図21,22は、図20Bに示すカテーテルが順次伸びていく様子を示している。剛化スタイレット310が排液管腔内に一部前進させられると、巻き形末端55の端領域302は一部まっすぐになる(図21)。完全に前進させられると、巻き形末端55の端領域302は完全にまっすぐになる(図22)。カテーテル・ハンドル領域306の雄ネジコネクタ308は、スタイレットのハンドル領域312の末端の適合する雌ネジ付き開口と係合してもよい。フィン付き領域318は、末端55に近い方に(図20Bから図22)または中間部の近く(図20A)に示されてはいるが、同様に、ピグテイル・カテーテル(図示せず)の基部50に近い方に配置してもよい。示してはいないが、ピグテイル・カテーテルは、好ましくは、さらに本発明におけるカラー200がフィン付き領域318の上に取り付けられて提供されてもよい。
【0073】
本発明は、カテーテルとして使用するためにここで定義したアセンブリを含む。特に、それは排液カテーテルとして、近接照射療法カテーテルとして、または導波管カテーテルとして使用するためのカテーテルを含む。本発明はまた、カテーテルとして本明細書中で定義したようなアセンブリの使用、特に排液カテーテルとして、近接照射療法カテーテルとして、または導波管カテーテルとしての使用、を含む。本発明はまた、医療のために、特に近接照射療法による腫瘍の処置ために、本明細書で定義したようなアセンブリを含む。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図20A】〜
【図22】本発明のフィン付きチューブが配置されたピグテイル・カテーテルの三次元概観図であって、剛化スタイレットの前進とともに、末端は巻き形(図20A,20B)、中間形(図21)またはまっすぐな(図22)形態をとる。
【図23】フィン付きチューブの一つのフィン上に矩形の城構えが設けられた部分の三次元概観図である。
【図24】フィン付きチューブの一つのフィン上に傾斜付きの城構えが設けられた部分の三次元概観図である。
【図25】フィン付きチューブの一つのフィン上に丸み付きの城構えが設けられた部分の三次元概観図である。
【図26】フィンの寸法表示入り概観図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
別段の定義がなされない限り、本明細書中で使用されるすべての技術的および科学的用語は、一般に当業者により理解されているのと同じ意味を有している。本明細書中で参照されるすべての刊行物は、これへの言及により当該明細書に援用される。不定冠詞「a」「an」は、本明細書中では、冠詞の文法的対象物の一または一以上、即ち、少なくとも一つに言及するために使用される。例えば、「小穴」は、1つの小穴または一つ以上の小穴を意味する。端点による数値範囲の説明は、すべての整数および、必要に応じて、その範囲内に包まれる分数を含む(例えば1〜5は、例えば多くの物品に言及するときは、1,2,3,4を含み、例えば測定値に言及するときは、1.5,2,2.75および3.80を含むことができる)。端点の説明も、端点値自身を含む(例えば1.0から5.0までは、1.0および5.0を含む)。
【0028】
図1について、本発明は医療用チューブアセンブリ100に関し、当該チューブアセンブリ100は、
一つ以上の長手フィン21,21’,21”が配置された細長い管状部材20から形成されたフィン付き医療用チューブ10と、
フィン付きチューブ10に摺動可能に装着可能とされ、係止手段および随意に提供され得る一つ以上の縫合小穴250,250’が設けられたカラー200と、を備え、
前記係止手段は、一つ以上の長手フィン21,21’,21”に対して圧締力を与えるように構成されている。
【0029】
摺動可能なカラーは、フィン付きチューブ10に沿うあらゆる位置に搭載可能および配置可能とされており、またその後、外科医により適所に係止される。係止手段は、チューブ壁20に対してではなく、フィン21,21’,21”に対して力を働かせる。その結果、チューブ管腔15は、液体や近接照射療法用チューブの通過または光療法用の導波管に影響を及ぼすかもしれない変形や圧壊を受けることがない。アセンブリ100は、いかなる特殊装置の操作も必要とすることなく、完備されており、通常は押しピンやネジといった係止手段の駆動だけを必要としている。カラー200はまた、医用の糸を通すことができ、外部皮膚または内部組織などの被検者の組織に一縫いして取り付け可能とされている一つ以上の縫合小穴250,250’を提供している。フィン付きチューブ10は、チューブを外部的にまたは内部的に縫合するために一個のカラーが配置されていてもよい。あるいは、フィン付きチューブは、内部的に二つ以上の位置で、または外部的に一つの位置および内部的に一つ以上の位置で、チューブを縫合するために一個以上のカラーが配置されていてもよい。カラー200は、フィン付きチューブ10が挿入穴または切り口の内部へさらに移動することを確実に防ぐ。カラー200および一縫いの糸は、フィン付きチューブ10が挿入穴または切り口の外部へさらに移動することを確実に防ぐ。この点は、例えば近接照射療法においてまたは光に基づく間質的治療のために、医療用チューブが正確に配置され、そして処置間の数日または数週間のあいだ移動せずに元の位置に留まっている必要がある場合に、きわめて重要である。カラーは調節可能とされているので、アセンブリはチューブのいかなる度合の挿入にも適している。
【0030】
フィン付き医療用チューブ10は、一つ以上の長手フィン21,21’,21”が配置された細長い管状部材20から形成される。それは、基部50から末端55まで延びる管腔15が設けられている。フィン付き医療用チューブ10は可撓性で、被検者への挿入に適している。それは、通常は単一の連続的な長さのチューブから形成される。しかしながら、それは、末端55および/または基部50において、同種または異種材料製の他のチューブに、加熱、圧着または摩擦により端同士が接続されて取り付けられていてもよい。一般的に、フィン付きチューブ10は、ポリウレタン、ポリウレタン化合物、ポリイミドまたは他の生体適合性可撓性ポリマー材料から形成される。チューブ10は、少なくともその外面が、銀またはその誘導体、クロルヘキシジン誘導体、ヘパリン誘導体などの抗菌性剤、または皮膚からの出口位置における感染のリスクを低下させる任意の適切な抗菌性剤で覆われていてもよい。
【0031】
「末端」および「基部」の用語は、装置の医師に近い(基部の)、および、から離れた(末端の)、を意味するものとして明細書を通して使用され、また当該分野において一般に理解されている語である。従って、「基部」は医師側に近い方の、を意味するとともに、患者側から離れた方の、を意味する。反対に、「末端」は患者側に近い方の、を意味するとともに、医師側から離れた方の、を意味する。
【0032】
図2について、フィン付きチューブの全幅TWまたは全直径幅TDWは、最小限の切り口または皮膚穴による適切な開口を通して出るために、充分に狭い。フィン付きチューブは柔軟性がある。それは、捩れたときに損傷しないほど充分に柔軟である。フィン付きチューブは挿入、抜取りおよび着身を容易とする一方で、邪魔を最小限とする設計となっている。着身においては、医療用チューブの基部は皮膚から突出し、例えばカラーに設けられた小穴を通過する一縫いの糸を用いて適所に保持される。医療用として、フィン付きチューブの全幅DTWは、通常は、2mm,3mm,4mm,5mm,6mm,7mm,8mm,9mm,10mm,11mm,12mm,13mm,14mm,15mm,16mm,17mm,18mm,19mmまたは20mmである。
【0033】
細長い管状部材20(フィンなし)は好ましくは円筒状である。一般的な指針として、細長い管状部材20の最大外幅、即ちその外径OWは、1mm,1.2mm,1.4mm,1.6mm,1.8mm,2.0mm,2.2mm,2.4mm,2.6mm,2.8mm,3.0mm,3.2mm,3.4mm,3.6mm,3.8mm,3.9mm,4.00mm,4.2mm,4.4mm,4.6mm,4.8mm,4.9mm,5.00mm,5.2mm,5.4mm,5.6mm,5.8mm,5.9mm,6.00mm,7mm,8mm,9mm,10mm,11mm,12mm,13mm,14mm,15mm,16mm,17mm,18mm、または19mmの各値以上か、あるいは上述の任意の二つの値のあいだの範囲の値であってもよく、好ましくは1.6mmと7mmのあいだの値である。
【0034】
チューブ管腔15の直径は用途次第である。液体供給にあっては、基部で過度の圧力を加える必要なく末端まで液体の輸送を可能とするために、充分に広い。ワイヤまたは導波管の通路にあっては、例えば近接照射療法や光に基づく治療法にそれぞれ見られるように、直径は、放射線源、カテーテルまたは導波管が支障なく前進し、かつ線源ワイヤ管腔から取り出し可能とするために、放射線源の直径または導波管のカテーテルより充分に大きい。一般に、管腔15の直径IWは、放射線源ワイヤの直径よりも、1%,2%,3%,4%,5%,6%,7%,8%,9%,10%,11%,12%,13%,14%,15%,16%,17%,18%,19%,20%,25%,30%,35%,40%,45%,または50%大きい。
【0035】
本発明の一態様によれば、細長い管状部材20の壁の厚みWTは、0.05mm,0.1mm,0.2mm,0.3mm,0.4mm,0.5mm,0.6mm,0.7mm,0.8mm,0.9mm,1.0mm、あるいは上述の任意の二つの値のあいだの範囲の値であり、好ましくは0.05mmと0.4mmのあいだの値である。
【0036】
チューブは、好ましくは使用前に熟練した専門家により寸法通りに切り出される長さで供給され、その長さは用途および使用場所次第である。例えば、前立腺癌では、体の内部の長さは、通常は10cmと14cmの間にあり、乳癌では、体の内部の長さは、通常は先端からカラーまで8cmと20cmの間にあるので、チューブはそれに対応して切り取られる。チューブは、長さLCとしては、10cm,11cm,15cm,20cm,25cm,30cm,35cm,40cm,45cm,50cm,55cm,60cm,65cm,70cm,75cm,80cm,85cm,90cm、あるいは上述の任意の二つの値のあいだの範囲の値で供給されるものであってもよい。好ましくは、それは長さ15cmと30cmのあいだにある。チューブは、異なるサイズの二個以上の予めカットされた長さのキットとして供給されるものであってもよい。
【0037】
フィン21,21’,21”は、細長い管状部材20の外面から突き出ており、係止手段が係合するとともに、係止されたカラーの自由な横方向のおよび自由な回転方向の移動を防ぐための構造を提供している。医療用チューブには、一つ以上の長手フィンが配置されている。フィンの数は、1,2,3,4,5,6,7,8,9、または10、あるいは上述の任意の二つの値のあいだの範囲の値であってもよく、好ましくは1と4のあいだの値であり、最も好ましくは3である。フィンは、チューブの外面から放射状に突き出ている、即ち表面に対して90°であってもよい。しかしながら、他の角度も本発明の範囲内で想定され、例えば該表面に対し±30°,±40°,±50°,±60°,±70°,±80°、あるいは上述の任意の二つの角度のあいだの範囲の角度であってもよく、好ましくは30°と150°のあいだの角度であり、最も好ましくは90°である。
【0038】
フィン21,21’,21”は、通常は医療用チューブの全長に沿って、即ち基部50の先端から末端55の先端まで、長手方向に延びている。しかしながら、少なくとも末端半分か基部半分の一部にはフィンがなくてもよく、アセンブリの機能に影響を及ぼす可能性はない。フィン21,21’,21”は、好ましくはチューブの長さに沿って直線状に延びている。しかしながら、経路はそこから逸脱してもよく、例えばカラーが直線的に前進するにつれてカラーまたはチューブを回転させるらせん経路を採用してもよい。あるいは、それはうねっていてもよく、カラーが直線的に前進するにつれてカラーまたはチューブを揺動させてもよい。
【0039】
細長い管状部材20の外面から突き出ているフィン21,21’,21”は、細長い管状部材20の幅OWに比べて、フィン付きチューブ10の全幅TWを、10%,20%,30%,40%,50%,60%、または70%の各値以下だけ、あるいは上述の任意の二つの値のあいだの範囲の値だけ、好ましくは20%と50%のあいだだけ、最も好ましくは40%以下だけ増加させている。フィン付きチューブの全幅TWは、二つのフィン21,21’,21”の外側先端間の最大距離のことをいう。
【0040】
細長い管状部材20の外面から突き出ているフィン21,21’,21”は、細長い管状部材20の幅OWに比べて、フィン付きチューブ10の全直径幅DTWを、10%,20%,30%,40%、または50%の各値以下だけ、あるいは上述の任意の二つの値のあいだの範囲の値だけ、好ましくは10%と30%のあいだだけ、最も好ましくは20%以下だけ増加させている。フィン付きチューブ10の直径幅DTWは、フィン付きチューブ10の横断面の中点を中心としてフィン21,21’,21”の外側先端に接触する架空の円30の直径のことをいう。
【0041】
図2について、フィンの高さFLは、0.2mm,0.5mm,1mm,2mm,3mm,4mm,5mm,6mm,7mm,8mm,9mm,10mm,11mm,12mm,13mm,14mm,15mm,16mm,17mm,18mm,19mm、または20mm、あるいは上述の任意の二つの値のあいだの範囲の値であってもよく、好ましくは0.2mmと2mmのあいだの値である。任意の二つのフィンが等しい高さのものであってもよい。あるいは、すべてのフィンが等しい高さのものであってもよい。あるいは、大多数のフィンが等しい高さのものであってもよい。
【0042】
図2について、フィンの最大幅FWは、0.05mm,0.1mm,0.3mm,0.5mm,0.7mm,1mm,2mm,3mm,4mm,5mm、あるいは上述の任意の二つの値のあいだの範囲の値であってもよく、好ましくは0.05mmと2mmのあいだの値である。
【0043】
一般に、フィンは、医療用チューブの壁と同一の材料から製造される。それは、通常はチューブの押出の際に製造され、外壁の一部を形成している。本発明の一実施形態は本発明のアセンブリまたはチューブの製造方法に関し、ある長さのフィン付きチューブを所望の直径に押し出す工程を備えている。
【0044】
本発明の一態様によれば、フィン21,21’,21”は、その長手方向の長さに沿って事実上均一の高さFLを有している。もう一つの態様によれば、フィン21,21’,21”の少なくとも一部の高さFLは、その長手方向の長さの関数として変化する。例えば、フィン21,21’,21”は、その長手方向の長さに沿って少なくとも部分的に城郭形であってもよい。即ち、本発明の一実施形態は、本明細書中で記載されているように、一つ以上の長手フィン21,21’,21”が配置された細長い管状部材20から形成されるフィン付き医療用チューブ10であって、少なくともフィンの一部は城郭形である。
【0045】
フィン21,21’,21”の城郭形領域62は、図23に示すように、直列または交互に並んで配列されたタブ60,60’,60”,60'''とノッチ65,65’,65”,65'''とを備えている。どのフィン21,21’,21”も城郭形領域62を含んでよいし、あるいは、一つ以上の(例えば2,3,4の)フィンが城郭形領域62を含んでもよく、また図23では、一つのフィン21”が城郭形領域62を備えている。城郭形領域62は、例えば基部50に近い方に、末端55に近い方に、および/または中央部分にと、フィン上のどこに位置していてもよい。処置領域の損傷を防ぐために、末端55終端には配置されないことが望ましく、またカラー200の移動を容易にするために、基部50終端には配置されないことが望ましい。タブ60,60’,60”,60'''の高さTHは、ノッチ65,65’,65”,65'''の高さNHよりも大きい。
【0046】
タブ60,60’,60”,60'''の形状は、図23に示すように、矩形であってもよいが、他の形状も想定される。例えば、タブは、被検者内へのチューブの挿入を容易にし、かつ/または被検者からのチューブの抜け出しを妨げるように適合させられていてもよい。好ましくは、タブ60,60’,60”,60'''の末端55は被検者内へのチューブの挿入を容易にするように適合させられている一方、タブ60,60’,60”,60'''の基部50はチューブの抜け出しを妨げるように適合させられている。本発明の一態様によれば、タブ60,60’,60”,60'''は、図25に示すように、その末端55に丸みがつけられている。本発明の別の態様によれば、タブ60,60’,60”,60'''の末端55は、図24に示すように、チューブの基部50に向かう勾配がつけられて(傾斜して)いる。両方の態様は、傷をつけないチューブの挿入を容易なものにする。
【0047】
本発明の一態様によれば、タブ60,60’,60”,60'''の基部50は、図24に示すように、チューブの基部50に向かう勾配がつけられて(傾斜して)いる。この態様は、加力を伴わないチューブの抜け出しを防ぐ。長さ10cmの城郭形領域と3〜4mmのタブの場合、アセンブリを取り出すには3Kg程度の力が必要になると推定される。
【0048】
フィン21,21’,21”の城郭形領域62は、ノッチの長さ、タブの長さ、タブの数、および領域の長さ62を含む数個のパラメータにより定義される。城郭形領域のパラメータは、図26に示すように、城郭形領域の長さCL、タブ60”の幅TW、タブ60”の高さTH、ノッチ65'''の幅NW、およびノッチ65'''の高さNHを含む。一般的な指針として、以下の寸法が適用される。城郭形領域の長さCLは、2cm,3cm,5cm,6cm,8cm,10cm,12cmの各値以上、あるいは上述の任意の二つの値のあいだの範囲の値であってもよく、好ましくは3cmと8cmのあいだの値である。その根元に沿って測ったタブ60”の幅TWは、1mm,2mm,3mm,4mm,5mmの各値以上、あるいは上述の任意の二つの値のあいだの範囲の値であってもよく、好ましくは2mmと4mmのあいだの値である。その根元に沿って測ったノッチ65'''の幅NWは、1mm,2mm,3mm,4mm,5mmの各値以上、あるいは上述の任意の二つの値のあいだの範囲の値であってもよく、好ましくは2mmと4mmのあいだの値である。タブの根元から先端まで放射状に測ったタブ60”の高さTHは、0.2mm,0.5mm,1mm,2mm,3mm,4mm,5mm,6mm,7mm,8mm,9mm,10mm,11mm,12mm,13mm,14mm,15mm,16mm,17mm,18mm,19mm、または20mm、あるいは上述の任意の二つの値のあいだの範囲の値であってもよく、好ましくは0.2mmと2mmのあいだの値である。ノッチの根元から先端まで放射状に測ったノッチ65’”の高さNHは、0mm,0.1mm,0.2mm,0.3mm,0.4mm,0.5mm,3mm,4mm,5mm,6mm,7mm,8mm,9mm,10mm、あるいは上述の任意の二つの値のあいだの範囲の値であってもよく、好ましくは0mmと1mmのあいだの値である。
【0049】
少なくとも部分的に城郭形のフィンは医療用チューブアセンブリの位置をより一層元の位置に係止すること、即ちチューブの長手方向の抜け出し移動が制限されることが確認されている。挿入を防ぐカラー200と併用した場合は、是認できない抜け出しも挿入も減少する。
【0050】
本発明のカラー200は、フィン付きチューブ10に摺動可能に装着可能とされ、係止手段が係合していないときは、基部50から末端55までまたはその逆方向に前記チューブにわたって長手方向に移動できるようになっている。カラー200は、通常は平らな形をした本体25と、平らな両面間を通してフィン付きチューブ10を受け入れる開口部210と、を有している。カラー200は、係合位置においてはフィン付きチューブ10に対するカラーの長手方向の移動を防ぐとともに、非係合位置においてはフィン付きチューブ10に対するカラーの長手方向の移動を許容する、係合可能な係止手段を備えている。カラー200の本体25は、カラーが皮膚への縫合に用いられる場合は、好ましくは少なくとも部分的には切り口の開口よりも拡がった通常は平らな形状をしていることにより、切り口を通り越すようなカラー200の移動を防ぐように適合させられている。このように構成されているので、カラーは切り口の中に入り込むことはない。カラーが内部的に縫合に用いられる場合は、切り口を通り越すようなカラー200の移動を防ぐように適合させられているべきという必要は必ずしもない。カラー200は、必須の特性を具備した、即ち低摩擦係数を有するとともに縫合をサポートする充分な強度を有する、任意の生体適合材料から作製してもよい。好適な材料としては、PEEK,ポリプロピレン,ポリ・オキシプロピレン(デルリン500PTM)、その他が挙げられる。
【0051】
開口部210は、フィン付きチューブの側面(横断面)に適合する側面(横断面)を有していてもよく、実質的な障害なくカラー200が移動できるようにフィン付きチューブの側面よりわずかに大きい。カラー開口部210の側面は、フィン付きチューブの側面よりも、1%,5%,10%,15%,20%,25%,30%,35%だけ大きくてもよいし、あるいは上述の任意の二つの値のあいだの範囲の値であってもよいが、これらの値は面積の差異を表すものである。
【0052】
図3について、本図はカラー200の横断面を表すもので、開口部210は、細長いチューブ部材20の円周と適合する円形構成要素210''''と、各フィン21,21’,21”と適合する三個の溝構成要素210’,210”,210'''と、を備えている。円形構成要素210''''は、管状部材20の直径OWよりも、1%,2%,3%,4%,5%,6%,7%,8%,9%,10%,15%、または20%以下だけ大きい直径AWを有していてもよいし、あるいは上述の任意の二つの値のあいだの範囲の値であってもよく、好ましくは1%と10%のあいだの値だけ大きい。溝構成要素210’,210”,210'''は、管状部材20のフィンの幅FWよりも、1%,2%,3%,4%,5%,6%,7%,8%,9%,10%,15%、または20%以下だけ大きい幅FAWを有していてもよいし、あるいは上述の任意の二つの値のあいだの範囲の値であってもよく、好ましくは1%と10%のあいだの値だけ大きい。溝構成要素210’,210”,210'''は、管状部材20のフィンの長さFLよりも、1%,2%,3%,4%,5%,6%,7%,8%,9%,10%,15%、または20%以下だけ大きい長さALを有していてもよいし、あるいは上述の任意の二つの値のあいだの範囲の値であってもよく、好ましくは1%と10%のあいだの値だけ大きい。
【0053】
係止手段(機構)は、フィンに対して圧締力を付加するが、つまりそれはカラー200が長手方向に移動するのを防ぐ摩擦によるか、入り込むかまたはそれ以外による力をフィン21に対して付加することを意味する。係止位置では係止手段は係合しており、カラー200はフィン付きチューブ10に沿って長手方向に移動できないが、非係止位置では係止手段は係合しておらず、カラー200はフィン付きチューブ10に沿って長手方向に摺動可能に移動できる。係止手段はどんなものでもよく、例えば以下に詳述するように、ピン、ネジまたはクランプである。
【0054】
係止手段は、最も好ましくは押しピン221,221’,221”または回転ネジであり、チューブの単一のフィン21,21’,21”と摩擦接触または入り込み接触するために前進するように構成されている。係止手段がピン(図4,5)を備える場合は、ピン221,221’,221”は、通常、好ましくは円柱状であって、一端に頭部224、他端に先端226が配置された細長部材である軸228を備えている。本発明は主としてピン係止機構(例えば図1)を例にとり説明したが、本発明はそれに限定されないことが理解されねばならず、係止機構は以下に記すものも含む、任意のものであってもよい。
【0055】
頭部224は、例えば指、親指、プライヤのセット、ネジ回しまたは他の適したものを使って、ピンの長手方向に力を加えるとピンを開口部の方へ、そして係止位置内へと移動させるための面を提供している。頭部224は、図4に示すように軸228の終端部で形成されていてもよい。あるいは、頭部224は、軸228に取り付けた部材225で形成されていてもよく、該部材によれば力の付加のためのより大きな表面積が提供される。図5に示すように、部材225は、ピン軸228の直径よりも大きい直径を有する実質的に円柱形状のものであってもよい。
【0056】
先端226は、最も好ましくは尖っているが、丸くされた、鋲形のまたは平らなものを含み他の形状も想定される。尖っていない先端は、研磨ダイヤモンド被膜のような摩擦増強コーティングが施されていてもよい。ピンまたはネジは、カラー200の本体25内の通路260’,260”,260'''に合う寸法とされている。
【0057】
カラー200の本体25は、好ましくはカラーの周面230から開口部210の方へ、特に溝構成要素210’,210”,210'''の方へ延びた直線通路260’,260”,260'''(図3)を備えている。通路の数は、フィン21,21’,21”の数に等しくてもよい。通路260’,260”,260'''は、ピンまたはネジを保持し、かつ外力の付加なしではそれらが移動しないように構成されている。通路260’,260”,260'''はまた、ピンまたはネジを一直線に開口部210の方、特に溝構成要素210’,210”,210'''の方、へ案内するように構成されている。通路260’,260”,260'''は、好ましくはその中央軸線がフィン21,21’,21”または溝構成要素210’,210”,210'''に直角となるように通されている。通路は、好ましくは実質的に円柱形状のものである。それは、ピン221またはネジの側面(縦断面)を採用してもよい。係止位置でピン221またはネジがフィン21,21’,21”を突き刺す場合においては、通路260’,260”,260'''は、カラー200の周面230から、溝構成要素210’,210”,210'''を超えてピン221またはネジの先端226を収容可能とされた縦坑269(図10参照)が形成されたカラー200の内側本体内まで、延びていてもよい。
【0058】
ピン221の種々の構成は本発明の範囲内にある。例えば、図8,9について、ピン221の軸は、ピン221”が係止位置(図9)へと前進したときに通路260'''内の相補的な突出部262と係合するように構成された円周方向溝264が設けられていてもよい。溝264内への突出部262の直線的移動は、ピン221”が充分に前進したことを示すフィードバック(例えば音または振動)を提供する。図8,9は、溝が設けられたピン221と通路260'''内に配置された突出部とを示しているが、その逆の構成(図示せず)も本発明の範囲内にある、即ち通路に溝を設けピンに突出部を配置してもよい。
【0059】
図10に示すもう一つの構成では、ピン221’の頭部224は突出部267が配置された円柱部材225で形成され、そして通路260には、ピン221が通路260に納まったときに前記突出部267を収容する第一の溝266が設けられている。突出部267は、好ましくは輪形のまたは部分的に輪形のリングである。溝266は、輪形か部分的に輪形であってもよく、好ましくは通路260壁の切込みである。第一の溝266および突出部267は、突出部267が第一の溝266内に係合したときピン221の先端226がフィン21,21’,21”と接触せず、非係止位置でピン221を解除可能に支持するように構成されている。ピン221の頭部224に力を加えると、突出部267が第一の溝266から外れて、ピン221の先端226が溝構成要素210に向かって前進可能となり係止位置でフィン21,21’,21”に接触可能となる。通路260は、ピン221の前進が許容される直線距離を制限する境界止め265が設けられていてもよい。図10に示すように、境界止め265は、ピン221が係止位置にあるとき、ピン221の頭部を形成する円柱部材225に接触している。通路260の第二の溝268は、ピンが係止位置にあるときピン221の突出部267と係合するように構成されたものだが、境界止め265と接していてもよい。第二の溝268は、ピン221が通路260から外向きに後退するのを防ぐ。
【0060】
図6は、本発明のフィン付きチューブ10に取り付けられたカラー200の横断面図を示す。係止手段は、それぞれカラー200の本体内の通路260’,260”,260'''内に摺動可能に取り付けられた一組のピン221,221’,221”として示されている。非係止位置においては、カラー200を貫通するチューブ10の直線的前進を防ぐための、ピン221,221’,221”とフィン21,21’,21”とのあいだの摩擦接触または入り込み接触は、ないかまたは不充分である。図7も、本発明のフィン付きチューブ10に取り付けられたカラー200の横断面図であって、ピン221,221’,221”が係止位置にある、即ちピン221,221’,221”がチューブ10のフィン21,21’,21”の方に前進させられた後の状態を示す。各ピン221,221’,221”はチューブ10の各フィン21,21’,21”に入り込み刺し通しており、それにより、フィン付きチューブ10に対するカラー200の位置を固定している。フィン付きチューブ10の管腔15は、無傷のままである。
【0061】
ピン221,221’,221”は、必須の圧縮強さ、即ち長手方向の加力に変形しない強度、を有する単一の材料または材料の組合せ、例えばステンレス鋼、チタン、ニチノール(nitenol)、ポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK)、ベークライトまたはポリカーボネートから作製してもよい。ピンの頭部224を形成する部材225が有る場合、当該部材225は、必須の圧縮強さ、即ち長手方向の加力に変形しない強度を有する材料、例えばステンレス鋼、チタン、ニチノール(nitenol)、ポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK)、ベークライトまたはポリカーボネートから作製してもよい。
【0062】
他の実施形態では、係止手段は、回転力の付加により単一のチューブ・フィン21,21’,21”に向かって直線的に前進するように構成されたネジ(図示されず)である。ネジは一端に頭部、他端に先端が配置されたネジ軸を備えている。軸はテーパ付きでもテーパなしでもよい。頭部の直径は先端の直径よりも大きくてもよい。頭部は、ネジを長手方向に開口部、好ましくは溝構成要素、の方へ駆動する回転力を付加するための工具との連結のために、例えば溝付き(−)、フィリップス(+)、Pozidriv(+)、HEX(Allen)(六角)、ダブルHEX(30°ずらした六角2つ)用に構成されている。ネジ先端は、最も好ましくは尖っているが、丸み付き、鋲形または平らなものを含み他の形状も想定される。尖っていない先端は、研磨ダイヤモンド被膜のような摩擦増強コーティングが施されていてもよい。ネジは、カラー200の本体25内の通路260’,260”,260'''に合う寸法とされており、その通路はネジ山と係合するように部分的に且つ適合的にネジ切りされている。ネジは、必須の圧縮強さ、即ち回転方向の加力に変形しない強度、を有する任意の材料、例えばステンレス鋼、チタン、ニチノール(nitenol)またはポリカーボネートから作製してもよい。
【0063】
他の実施形態では、係止手段は、カラー200内の開口部210の少なくとも一部をフィン21,21’,21”の表面、好ましくは側壁、と摩擦で係合させるように構成されたクランプ機構を備えている。クランプ機構は、開口部210の溝構成要素210’,210”,210'''をフィン21,21’,21”の表面と摩擦で係合させるように構成されている。そうすることにより、フィン21,21’,21”の側壁は、カラー200に対してクランプ(締付け)される。フィンは、溝構成要素210’,210”,210'''の壁を通してフィンのいずれかの側面に適用される圧力の付加によりクランプされる。溝構成要素210’,210”,210'''の壁がフィンの方へ押圧されると、カラーは締め付けられ、摺動が係止される。壁が解放されると、カラーも解放されて、チューブ10に対して再び摺動可能となる。
【0064】
図11は、クランプ機構が配置されるカラー200の特別な例を示す。本実施形態においては、溝構成要素210’,210”,210'''のうちの一つからカラー200の周辺に向かって外に延びた閉鎖可能な隙間212によって、カラー200が分割されている。図12に示すように、隙間212が開いているとき、そしてチューブ10が開口部内に存在するときは、溝構成要素210”を介して対応するフィン21”に圧力はかからず、チューブはカラー200に対して摺動できる。図13に示すように、隙間212が閉じたときは、溝構成要素210”の壁を介して対応するフィン21”の側壁に圧力がかかって、チューブはクランプされ、その位置でカラー200に対する摺動が係止される。隙間212の開放および閉鎖を制御するために、隙間212の側面に位置し摺動可能なクリップ240を用いてもよい。クリップ240が上側(係合前)位置(図14)にあるときは隙間212は開いており、チューブはカラー200に対して摺動できる。クリップ240が下側(係合)位置(図15)にあるときは隙間212は閉じており、溝構成要素210”はフィン21”に対して押し付けられ、チューブ10はカラー200に対してクランプされる。
【0065】
クリップ240は、好ましくはU字形側面を有する、即ち、横材により連結された2本の脚を有している。2本の脚の各々には、脚の開放端に近い方に配置された内向きの丸い突出部241,241’が設けられており、各突出部はカラー200内の適合する上側凹部246,246’と着脱自在に係合するように構成されており、各凹部は隙間212の側面に位置する一対の溝242,242’内に存在している。クリップ240の突出部241,241’が上側凹部246,246’内に位置するときは、クリップは係合前位置(図14)にあり、隙間212は開いている。各スロット242,242’には、さらに適合する下側凹部246,246’が設けられており、該下側凹部は、クリップ240が溝242,242’内へとさらに前進したときに突出部241,241’を受容するように適合させられている。適合する下側凹部244,244’は、上側凹部246,246’に比べて、隙間212からの距離がより大きい位置にある。その結果、下側凹部244,244’(図15)へのクリップの移動は隙間212を狭小化せしめ、溝構成要素210”へのフィン21”の付随的なクランプ作用が働く。クリップ240の移動を容易にするために、上側凹部246,246’と下側凹部244,244’間の経路248,248’は、緩やかであってもよい。
【0066】
クリップ240は、必須の引っ張り強さ、即ち下方への適用や下側凹部に位置したときに変形しない強度、を有する単一の材料または材料の組合せ、例えばステンレス鋼、チタン、ニチノール(nitenol)、またはポリカーボネートから作製してもよい。
【0067】
カラー200は、随意に一つ以上の縫合小穴250,250’が設けられている。縫合小穴250,250’は、針と糸の通過に適した開口を有する。それは、組織に縫合されているあいだ、カラーを支持するために必須の強度を有する。それは、通常、カラーの周辺近くに設けられている。
【0068】
フィン付きチューブ10に取り付けられるカラー200の個数は、1,2,3,4,5,6,7,8,9,10またはそれ以上、あるいは上述の任意の二つの数のあいだの範囲の数であってもよい。フィン付きチューブ10に一つのカラー200が配置されている場合には、そのカラーは外部的に、即ち皮膚に、あるいは内部的に、即ち脂質、筋肉、結合組織のような内部組織に、チューブを縫合するために使用してもよい。フィン付きチューブ10に一つより多いカラー200が配置されている場合には、カラー200は内部的に二つ以上の位置で、または外部的に二つ以上の位置で、または外部的に一つの位置と内部的に一つ以上の位置で、チューブを縫合するために使用してもよい。有利なのは、内部的および外部的に縫合されたカラーは改善された固定性を提供する点であり、例えば突然の引っ張り運動による外部カラーの体内への移動を防ぐ。
【0069】
医療用チューブを皮膚に固定し、および/または縫合するための構造を随意に与えることに加え、カラー200は、適切に適応させれば、もう一つのチューブまたは装置のようなもう一つの要素を取り付けるための連結手段251ともすることができる。挿入された医療用チューブ10がカラーより上で短くされた後は、開放端で終わるチューブの基部50となる。カラーから延びる連結手段251により、開放端は、例えば内腔の排液または吸引を補助する延長チューブに直接取り付けることができる。この連結手段251は、あるいは、近接照射療法を供給するためのアフターローダに連結された近接照射療法カテーテルまたはレーザ放射装置に連結された導波管を導入するために使用してもよい。本発明の一実施形態は、本明細書中に記載されているようなアセンブリ100であって、カラー200はさらに連結手段251が設けられている。連結手段251は、好ましくはカラー200の基部50から延びている。連結手段は、好ましくは適合する連結手段に水不浸透性の接続を提供する。本発明の一実施形態によれば、連結手段251は、例えば図16に示すように円形フランジを備える。本発明の一実施形態によれば、連結手段251は、例えば図17に示すように、径方向位置に一対の切欠き部252’,252”が配置された円形フランジを備えている。本発明の一実施形態によれば、連結手段251は、例えば図18に示すように、ネジ山を備えている。図18はフランジの外側円周辺縁上の雄型のネジ山を示すが、あるいは開口部の円形構成要素210''''内に延びた雌ネジであってもよい。本発明のもう一つの実施形態によれば、連結手段251は、基部50側に配置されたルアー継手を備えている。ルアー継手は、例えば雄ネジまたは雌ネジ付き、またはネジなしなど、いかなるものであってもよい。図19に示したのは、その内側円錐形通路253により雄のネジなしシリンジ型継手と係合する様に構成された、またはその外側がネジ切りされた縁部254により雌ネジ付きルアー接続部に係合するように構成された、ルアー継手である。ルアー継手は、例えば医療用チューブ、弁または排液キャップなどの標準装置への接続を容易にする。
【0070】
本発明の一実施形態は、一端にフィン付きチューブ10の管腔15に回転挿入するように適合させたネジ付きセルフタップ型雄コネクタを有するとともに、他端に外部チューブのためのコネクタを有するインライン継手である。適切な位置にねじ込まれると、当該継手はフィン付きチューブ10の管腔15の基部と外部チューブの管腔とを密封可能に接続する。継手はまっすぐなものでもよいし、角度のついたもの(例えば90°)でもよい。継手は、カラー200の基部側と同一平面に端を切断された場合のフィン付きチューブ10の基部50への接続に特に適している。
【0071】
フィン付き医療用チューブ10は、最新技術のカテーテルに組み込んでもよい。つまり、管腔を有する最新技術のカテーテルの外側軸は、その長手方向の長さに沿って少なくとも部分的にフィンが配置されていてもよい。一般に、例えば数日間続く処置の経過中、カテーテルの位置を元の位置に維持する必要があるが、本チューブはそのような維持を提供する。本発明のフィン付き医療用チューブ10を組み込んだカテーテルの例としては、排液カテーテルおよび近接照射療法カテーテルが挙げられる。フィン付き医療用チューブ10は、用途次第で、カテーテルの基部50に近い方に、中間領域に、または末端55に近い方に設けてもよいし、あるいは、基本的にカテーテルの長手方向の全長に沿って配置してもよい。フィン付き医療用チューブ10は、押出し、加熱、圧接、接着または摩擦を含む任意の技術を用いて一体化してもよい。カテーテルは、好ましくは、本発明におけるカラー200を取り付けて提供されてもよい。
【0072】
本発明の一実施形態は、本発明のフィン付き医療用チューブ10を組み込んだピグテイル排液カテーテルである。ピグテイル排液カテーテルは公知の技術であり、孔と基部端の入口とをつなぐ排液管腔を通して剛化探り針ないしスタイレットを前進させることによりまっすぐにする、即ち直線的にするように適応させた、有孔の巻き形末端によって特徴づけられる。ピグテイル・カテーテル300の例は、図20A,20B,21,22に挙げている。図20A,Bは、液体の通路用の孔304が配置された巻き形末端55の端領域302を備えた、その自然状態のピグテイル排液カテーテル300を示す。それは、また末端の終端口305も有している。カテーテル300の基部50は、開いた近位口(図示せず)を囲む雄ネジコネクタ308を終端とするハンドル領域306を含んでいる。排液管腔(図示せず)は、近位口を末端の終端口305および孔304につなぐ。近位口は、排液管腔内へと前進するための末端55用先端と基部50のハンドル領域312とを有する剛化スタイレット310を受け入れるように適合させられている。スタイレット310のハンドル領域312は、基部50ではルアー継手が設けられるとともに、末端55ではカテーテル・ハンドル領域306の雄ネジと係合するように適合させた雌ネジが切られた開口(図示せず)を備えている。図20Aでは、ピグテイル・カテーテルは、カテーテル長手軸の中間部の近くに位置する領域318に、本発明のフィン付き医療用チューブを組み込んでいる。図20Bでは、ピグテイル・カテーテルは、カテーテルの末端55に近い方の領域318に、本発明のフィン付き医療用チューブを組み込んでいる。図20Aから図22までにおいては、三つのフィン21のうちの一つに記号をつけている。図21,22は、図20Bに示すカテーテルが順次伸びていく様子を示している。剛化スタイレット310が排液管腔内に一部前進させられると、巻き形末端55の端領域302は一部まっすぐになる(図21)。完全に前進させられると、巻き形末端55の端領域302は完全にまっすぐになる(図22)。カテーテル・ハンドル領域306の雄ネジコネクタ308は、スタイレットのハンドル領域312の末端の適合する雌ネジ付き開口と係合してもよい。フィン付き領域318は、末端55に近い方に(図20Bから図22)または中間部の近く(図20A)に示されてはいるが、同様に、ピグテイル・カテーテル(図示せず)の基部50に近い方に配置してもよい。示してはいないが、ピグテイル・カテーテルは、好ましくは、さらに本発明におけるカラー200がフィン付き領域318の上に取り付けられて提供されてもよい。
【0073】
本発明は、カテーテルとして使用するためにここで定義したアセンブリを含む。特に、それは排液カテーテルとして、近接照射療法カテーテルとして、または導波管カテーテルとして使用するためのカテーテルを含む。本発明はまた、カテーテルとして本明細書中で定義したようなアセンブリの使用、特に排液カテーテルとして、近接照射療法カテーテルとして、または導波管カテーテルとしての使用、を含む。本発明はまた、医療のために、特に近接照射療法による腫瘍の処置ために、本明細書で定義したようなアセンブリを含む。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公表番号】特表2012−504993(P2012−504993A)
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−530490(P2011−530490)
【出願日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際出願番号】PCT/EP2009/063111
【国際公開番号】WO2010/040811
【国際公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(504378087)アクロシュターク コーポレイション (5)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際出願番号】PCT/EP2009/063111
【国際公開番号】WO2010/040811
【国際公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(504378087)アクロシュターク コーポレイション (5)
【Fターム(参考)】
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