説明

チューブ容器絞り器

【課題】 チューブ容器絞り器に関するもので、複数のチューブ容器から等しい量の収納物を容易に注出できるようにした。
【解決手段】 下板1後部へ上板11後部を枢着すると共に下板1から把手4を垂下し、かつ上板11前部から上記把手前方へ位置させて操作杆18を垂設しておき、上記上下両板間へ、同一形状、同一大きさに設けた複数のチューブ容器31を該チューブ容器の口筒部35を前方突出させて介在させ、上記把手に対して操作杆18を引寄せ操作することで、チューブ容器内収納物が口筒部35前端から等量注出するよう設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はチューブ容器絞り器に関する。
【背景技術】
【0002】
別々のチューブ容器内に収納されているA剤とB剤とを、等しい量だけ取出して混合し使用することが毛染剤等で行われており、それ等A剤入りチューブ容器とB剤入りチューブ容器との各下端部を、枠体上下に枢着させた一対のローラ間に挟み、一方ローラに付設したつまみを介しての両ローラの回動により両チューブ容器が絞られて口筒部から充填物が注出されるよう設けたチューブ絞り器が知られている(特許文献1)。
【特許文献1】公開実用新案公報 昭63−21245号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記公知例はつまみを介して上下一対のローラを回転させ、それ等両ローラ間にチューブ容器を巻込みしてチューブを絞るから、つまみを介してのローラ回転に多くの力を要した。
本発明はそのチューブの絞りを容易に行えるよう設けたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の手段として下板1後部へ上板11後部を、該上板の起伏が自在に連結すると共に、下板1から把手4を垂下し、かつ上板11前部から下前方へ操作杆18を、上記把手4前方へ位置させて突出させておき、
上記下板1上へ、同一大きさ、同一形状に設けた複数のチューブ容器31を、該チューブ容器の口筒部35を、前方突出させて載置させ、
上記把手4を持ち操作杆18を引寄せ操作することでの上記連結を中心とする上板11の下向き回動で複数チューブ容器が圧搾されて、各口筒部35から等量の収納物が注出可能に形成した。
【0005】
第2の手段として、上記第1の手段を有し、かつ上記複数チューブ容器の各肩部34上方の上板部分に、各肩部の上部露出用第1長孔21を穿設すると共に、上板11前端から前板16を垂設して該前板に縦設した複数割溝17から各チューブ容器の口筒部35を前方突出させ、又前板16から上記操作板18を垂下させた。
【0006】
第3の手段として、上記第1又は第2の手段を有し、かつ上記上板11前部から垂設した係止板19の一側面に複数の鋸状歯20を縦設して、下板1の一部に付設した爪5と係合させ、 上記操作板18引寄せ操作による上板前部の下降で、下位鋸状歯を乗越えて順次上位の鋸状歯と上記爪5とが係合可能に形成した。
【0007】
第4の手段として、上記第1、第2又は第3の手段を有し、かつ上記上板11の側面から下板1の側面外方を通って側板15を垂下させ、該側板前部に圧搾度計測用第2長孔22を穿設した。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載のようにすることで、把手4を持ち、操作杆18を引寄せすることで下板1と上板11との間に介在させた複数のチューブ容器31を等しく圧搾して等量の収納物を注出でき、上記のように操作杆引寄せでチューブ容器を圧搾できるから、又その操作杆を長くしておくことでレバー機能で容易に圧搾できる。
【0009】
請求項2のようにすることで、変形し難いチューブ容器の肩部分は圧搾時に第1長孔21から変形することなく露出することとなり、圧搾は胴部だけを行うこととなるから容易である。又割溝17にチューブ容器の口筒部35を通して前方へ突出させるから、圧搾時にチューブ容器が位置ずれ等することがない。
【0010】
請求項3のようにすることで、爪5に対する鋸状歯20係合により下降した上板11が下板1に対して上昇することがなく、よってチューブ容器が弾性を有する場合も、圧搾後その胴部が弾性復元して外気をその胴部内へ吸込むことがなく、チューブ容器内収納物の酸化を防止できる。
【0011】
請求項4のようにすることで、多数回行うチューブ容器胴部の圧搾量を、毎回等しく圧搾できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下図面について説明すると、1は平面視四角形状の下板で、該下板後端部の左右方向中間部からは第1軸受け2を上後方へ突出させており、該第1軸受け前面には後述チューブ容器の後端部差込み用の前面開口溝3を付形している。又下板前部の左右方向中間部からは把手4を垂下させており、下板前端縁の左右方向中間部には、爪5を設けている。該爪はその左右両側に下板前端縁から後方への割溝6を穿設してそれ等両溝間の下板部分で弾性変形可能に形成するとよい。
【0013】
11は上板で、該上板後端部を上後方への突出部12を介して後方突出し、かつ該後方突出部の左右方向中間部を切欠き、該切欠き内へ下板の第1軸受け2を嵌合し、又上記切欠きの左右両部を第2軸受け13とし、それ等第1、第2軸受けに穿設された軸孔内へピン14を挿通させて下板1と上板11とを枢着させている。該上板はその左右両側から下板の左右両側面に沿って側板15を垂下しており、又上板前端からは前板16を垂下させている。上板11はその前後方向長さを下板1よりもやや長く形成しており、又図示例では前板16の左右方向中間部16aの左右両側に上端から下端までの割溝17を縦設し、かつ上記中間部16a下端から操作杆18を垂下させている。又上記中間部16aの左右方向中間部後面へ上板上端から垂設した係止板19の前面を一体に連結させ、該係止板19の後面へは既述爪5と係合させる鋸状歯20を上端から下端まで連続させて付設している。該鋸状歯は、前後方向への水平面と、該水平面前端から上後方へ起立する傾斜面とを交互に操返して形成している。
【0014】
更に上板11の前部左右には図3が示すように下板と上板との間に介装させる後述チューブ容器の肩部露出用の第1長孔21を左右方向へ横設させて穿設しており、更に又側板15の前部には、チューブ容器圧搾度計測用の第2長孔22を穿設し該第2長孔側部外面へ目印23としての目盛を付設している。
【0015】
31は上記絞り器へ装着させるチューブ容器で、胴部32後端を、圧搾して平板状シール部33とし、胴部前端からは肩部34を介して口筒部35を前方突出させている。図示例においては一対のチューブ容器のうちの一方にはA剤を、他方にはB剤を充填しており、それ等両チューブ容器は同一の大きさ、同一形状としており、既述上下両板の間の左右へそれぞれ後端を前面開口溝3内へ差込みして装着させている。既述下板1の前端は図2が示すように胴部32前端よりもやや後方に位置し、又上板11は、肩部34上方に第1長孔21から位置するよう設けており、口筒部35は割溝17内に挿通させて前方へ突出させる。尚口筒部35は、絞り器内へのチューブ容器装着状態にあってもキャップを嵌合することが可能に、割溝17の横巾をキャップ外径よりも大きく、かつ割溝17前方への口筒部35突出長さも該状態でのキャップの着脱が可能に設けておく。
【0016】
上記絞り器は、次のように使用することが出来る。図1、図2が示すようにチューブ容器装着状態から、把手4を持ち操作杆18を引寄せすると、上板11はピン14を中心として下方へ回動することとなり、該回動で両胴部32は等しく圧搾され、よって各胴部内収納物は各口筒部35前端から等量注出することとなる。又上記上板11の下方回動と同時に鋸状歯20付きの係止板19が爪5の前端面へ、鋸状歯傾斜面を摺動させ乍ら下降し、該下降停止位置において爪前端下面が鋸状歯の水平面と係合し、上板11は停止状態を保持する。収納物注出の場合は再度操作杆18を引寄せ操作すればよい。尚チューブ容器内収納物残量は、第2長孔22内方の下板1の位置によって知ることが出来る。
【0017】
上記実施例にあっては、絞り器内へ装着させるチューブ容器を左右一対としたが、必要に応じて多くすることも出来、この場合は割溝17、および第1長孔21の数も多くすることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明絞り器の斜視図である。
【図2】図1絞り器の縦断面図である。
【図3】絞り器に装着されたチューブ容器をほぼ絞り終った状態で示す縦断面図である。
【図4】絞り器の一部を切欠いて示す斜視図である。
【符号の説明】
【0019】
1 下板 4 把手
5 爪 11 上板
14 ピン 15 側板
16 前板 17 割溝
18 操作板 19 係止板
20 鋸状歯 21 第1長孔
22 第2長孔 31 チューブ容器
34 肩部 35 口筒部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下板1後部へ上板11後部を、該上板の起伏が自在に連結すると共に、下板1から把手4を垂下し、かつ上板11前部から下前方へ操作杆18を、上記把手4前方へ位置させて突出させておき、
上記下板1上へ、同一大きさ、同一形状に設けた複数のチューブ容器31を、該チューブ容器の口筒部35を、前方突出させて載置させ、
上記把手4を持ち操作杆18を引寄せ操作することでの上記連結を中心とする上板11の下向き回動で複数チューブ容器が圧搾されて、各口筒部35から等量の収納物が注出可能に形成した
ことを特徴とするチューブ容器絞り器。
【請求項2】
上記複数チューブ容器の各肩部34上方の上板部分に、各肩部の上部露出用第1長孔21を穿設すると共に、上板11前端から前板16を垂設して該前板に縦設した複数割溝17から各チューブ容器の口筒部35を前方突出させ、又前板16から上記操作板18を垂下させた
ことを特徴とする請求項1記載のチューブ容器絞り器。
【請求項3】
上記上板11前部から垂設した係止板19の一側面に複数の鋸状歯20を縦設して、下板1の一部に付設した爪5と係合させ、
上記操作板18引寄せ操作による上板前部の下降で、下位鋸状歯を乗越えて順次上位の鋸状歯と上記爪5とが係合可能に形成した
ことを特徴とする請求項1又は2記載のチューブ容器絞り器。
【請求項4】
上記上板11の側面から下板1の側面外方を通って側板15を垂下させ、該側板前部に圧搾度計測用第2 長孔22を穿設した
ことを特徴とする請求項1,2又は3記載のチューブ容器絞り器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−206173(P2006−206173A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−24622(P2005−24622)
【出願日】平成17年1月31日(2005.1.31)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】