説明

チューブ容器

【課題】 ヒンジキャップを外側チューブに対して誤って回転させた場合でも、内側チューブが外れたり捩れたりするのを回避できる複数室分離型のチューブ容器を提供する。
【解決手段】 口首部12を覆ってヒンジキャップ14が装着された外側チューブ11と、外側チューブ11の内側に取り付けられる内側チューブ13を有するチューブ容器であって、ヒンジキャップ14は、外側チューブ11が嵌め込まれる外側チューブ装着部27と、この外側チューブ装着部27に開口形成された円形断面の注出口17を開閉する蓋部28とからなり、内側チューブ13の口首部19は、円形断面の注出口17の内周面の形状に沿った弧状外周面26aを有する環状断面の先端装着部26を備え、先端装着部26の弧状外周面26aを注出口17の内周面に沿って回転スライド可能に保持した状態で先端装着部26を注出口17に装着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チューブ容器に関し、特に、外側チューブと内側チューブとからなるいわゆる複数室分離型のチューブ容器に関する。
【背景技術】
【0002】
チューブ容器は、内容物として例えば化粧品、日用品、接着剤等を、ペースト状、クリーム状、ゼリー状等の状態で収容するもので、容器の胴部を押圧することにより、注出口から内容物を手軽に注出させることが可能な容器である。また、異なる色調の内容物を同時に注出させて特異な色彩感覚を与える場合や、使用時に混合して用いられる内容物を各々分けて収容しておくことによって保存時に化学反応による劣化を防止する場合などには、内容物を分離した状態で各々収容しておくことが可能な2室分離型のチューブ容器が用いられる。
【0003】
2室分離型のチューブ容器は、一般に、外側チューブとこれの内側に取り付けられる内側チューブとからなり、各々の室に収容された内容物を同時にスムースに注出させるための工夫や、外側チューブの口首部に内側チューブの口首部を簡易且つスムーズに位置決めさせるための工夫等が種々なされている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−118752号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のチューブ容器では、ヒンジキャップを介して内側チューブを取り付けることにより、ヒンジキャップが装着される外側チューブの構造に何ら変更を加えることなく、容易に内側チューブの口首部を位置決め固定することが可能になる。また、スクリューキャップを用いる場合と比較して、キャップの天井板を回転させる必要がないので、注出口における各室からの内容物のはみだしを回避できると共に、はみでた内容物の混合を確実に防止することが可能になる。さらに、外側チューブ及び内側チューブを最後まで容易に押圧することができ、各チューブに内容物の残量が生じるのを効果的に回避することが可能になるといった優れた機能が発揮されることになる。
【0005】
その一方で、使用者によっては、ヒンジキャップをスクリューキャップと間違えて外側チューブに対して回転させたり、ヒンジキャップの向きを好みの向きに合わせようとして、外側チューブに対してヒンジキャップを回転させてしまう場合があり、このような誤操作にも対応できるように、さらなる改善が望まれている。
【0006】
本発明は、ヒンジキャップを外側チューブに対して誤って回転させた場合でも、注出口から内側チューブの口首部が外れたり、内側チューブが捩れて内側チューブと外側チューブから所定の割合で内容物を注出できなくなるのを回避することのできるチューブ容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、口首部を覆ってヒンジキャップが装着された外側チューブと、該外側チューブの内側に取り付けられる内側チューブとを有する、いわゆる複数室分離型のチューブ容器であって、前記ヒンジキャップは、前記外側チューブが嵌め込まれる外側チューブ装着部と、該外側チューブ装着部に開口形成された円形断面の注出口を開閉する蓋部とからなり、前記内側チューブの口首部は、前記円形断面の注出口の内周面の形状に沿った弧状外周面を有する環状断面の先端装着部を備えており、該先端装着部の弧状外周面を前記注出口の内周面に沿って回転スライド可能に保持した状態で、前記先端装着部を前記注出口に装着することにより、前記内側チューブの口首部が前記注出口に回動可能に位置決めされるチューブ容器を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明のチューブ容器によれば、ヒンジキャップを外側チューブに対して誤って回転させた場合でも、注出口から内側チューブの口首部が外れたり、内側チューブが捩れて内側チューブと外側チューブから所定の割合で内容物を注出できなくなるのを回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1(a)及び(b)に示す本発明の好ましい一実施形態に係るチューブ容器10は、内容物として例えば歯磨剤を収容した複数室分離型のチューブ容器であって、口首部12にヒンジキャップ14が装着された外側チューブ11と、外側チューブ11の内側に取り付けられる例えば1体の内側チューブ13とによって構成される。本実施形態のチューブ容器10では、外側チューブ11と内側チューブ13との間の第1室15には、例えばフッ化ナトリウムからなる成分を配合した歯磨剤が、内側チューブ13の内側の第2室16には、例えばカルシウム塩からなる成分を配合した歯磨剤が内容物として各々充填収容されており、これらをヒンジキャップ14の注出口17から、同時に略等量注出させつつ使用することを可能にするものである。
【0010】
また、複数室分離型のチューブ容器は、後述するように、内側チューブ13の下端部は、外側チューブ11の下端部と共に帯状に熱シールされて外側チューブ11に対して回転不能に固定されている。本実施形態のチューブ容器10は、このような複数室分離型のチューブ容器において、例えば使用者が外側チューブ11の上端のヒンジキャップ14を好みの向きに合わせようとして、外側チューブ11に対してヒンジキャップ15を誤って回転さてしまう場合でも、下端部が固定された内側チューブ11の口首部19がヒンジキャップ15の注出口17から外れたり、内側チューブ13が捩れて内側チューブ13と外側チューブ11から所定の割合で歯磨剤を注出できなくなるのを効果的に回避可能とするものである。
【0011】
そして、本実施形態のチューブ容器10は、口首部12を覆ってヒンジキャップ14が装着された外側チューブ11と、外側チューブ11の内側に取り付けられる少なくとも1体(本実施形態では1体)の内側チューブ13とからなる複数室分離型のチューブ容器であって、ヒンジキャップ14は、外側チューブ11が嵌め込まれる外側チューブ装着部27と、外側チューブ装着部27に開口形成された円形断面の注出口17を開閉する蓋部28とからなり、内側チューブ13の口首部19は、円形断面の注出口17の内周面の形状に沿った弧状外周面26aを有する環状断面の先端装着部26を備えており、この先端装着部26の弧状外周面26aを注出口17の内周面に沿って回転スライド可能に保持した状態で、先端装着部26を注出口17に装着することにより、内側チューブ13の口首部19がヒンジキャップ14の注出口17に回動可能に位置決めされるようになっている。
【0012】
また、本実施形態では、図2,図3にも示すように、ヒンジキャップ14の円形断面の注出口17の中心部には、当該注出口17の開口周縁部から例えば支持梁20によって支持された中心軸部材18が設けられており、内側チューブ13の先端装着部26は、要部34aが中心軸部材20に回転可能に係止される扇形断面形状34を備えることにより、先端装着部26の弧状外周面26aを注出口17の内周面に沿って回転スライド可能に保持している。
【0013】
さらに、本実施形態では、注出口17の内周面及び先端装着部26の弧状外周面26aには、周方向に延設する横リブ40,41が設けられる。
【0014】
外側チューブ11は、その胴部21が好ましくはアルミラミネートフィルム、シリカ蒸着フィルム、エチレン・ビニルアルコール共重合体フィルム等のバリヤー性に優れる樹脂フィルム材料によって円筒状に形成されており、この胴部21の一端部(上端部)に、肩部22と口首部12とを一体成形した円形の口頭部23を熱接合することによって容易に得ることができる。なお、外側チューブ11の口頭部23としては、チューブ容器の口頭部として一般に用いられる、ポリオレフィン系樹脂を用いた公知の各種のものを用いることができる。また、外側チューブ11の胴部21の他端部(下端部)は、第1室15及び第2室16の内部に歯磨剤が各々充填収容された後に、内側チューブ13の他端部と共に帯状に熱シールされて、各歯磨剤を第1室15及び第2室16の内部に各々封入する。
【0015】
内側チューブ13は、好ましくはポリオレフィン系樹脂からなり、ブロー成形等によって、胴部24と口頭部25とが一体として形成される。また内側チューブ13は、後述するヒンジキャップ14の材質よりも軟らかい材質を有しており、口頭部25の上部を構成する口首部19の扇形断面形状34を備える先端装着部26を、ヒンジキャップ14の円形断面の注出口17に、例えば圧縮変形させるようにしつつスムースに挿入係止できるようになっている。なお、内側チューブ13の胴部24の他端部(下端部)は、第1室15及び第2室16の内部に歯磨剤が各々充填収容された後に、外側チューブ11の他端部と共に帯状に熱シールされて、歯磨剤を第2室16の内部に封入する。
【0016】
ここで、内側チューブ13の先端装着部26の扇形断面形状34は、一つの円弧とその両端に引いた半径とで囲まれる図形であり、中心角が180度である半円形の断面形状や、中心角が180度を超える扇形の断面形状も含まれる。本実施形態によれば、好ましくは注出口17を2等分割できるように、中心角が180度となった、半円の扇形断面形状34となっている(図3参照)。また扇形断面形状34の要部34aには、円柱形状の中心軸部材18の外周形状に沿った半円形状の係止切欠き34bが設けられている。さらに、本実施形態では、扇形断面形状34の半径部34cは、支持梁20に沿ってこれと重なる位置に配置される。
【0017】
ヒンジキャップ14は、図4にも示すように、好ましくはポリオレフィン系樹脂からなり、射出成形等によって、外側チューブ装着部27とこの外側チューブ装着部27に対してヒンジ接合された蓋部28とを一体として形成することにより容易に得ることができる。外側チューブ装着部27は、口首部12を外側から覆って上方から外側チューブ11の上端部に嵌め込むようにして装着され、例えば基盤プレート33の下面側に設けた筒状係止スリーブ29の先端係止突起30を(図2参照)、口首部12の外周面に沿って形成した係止リブ31に係止することによって、外側チューブ11の上端部に固定される。これによって、外側チューブ装着部27の中央に開口形成された円形断面の注出口17は、外側チューブ11の口首部12の上端開口の内方において当該上端開口と同心状に開口して配置される。
【0018】
また、外側チューブ装着部27には、注出口17を囲む円筒形状の周壁32が、その内周面を外側チューブ装着部27の基盤プレート33と垂直に立設させて、基盤プレート33の上方及び下方に亘って連続突出して設けられている。また注出口17の上端部分には、周壁32に端部を支持させて、例えば注出口17の円形の上端開口を2等分割する直径方向に、支持梁20が一体として架設されている。この支持梁20の中央部には、当該支持梁20に一体接合されて下方に延設する、円柱ロッド形状の中心軸部材18が設けられている。本実施形態では、支持梁20は、外側チューブ装着部27に対する蓋28の開閉方向X(図5(b)参照)に沿って設けられており、中心軸部材20は、基盤プレート33の下方に至る長さで設けられている。なお、本実施形態では、ヒンジキャップ14を介して内側チューブ13の口首部19を外側チューブ11の口首部12に位置決め固定するので、外側チューブ11に内側チューブ13を係止するための特別な改良を何ら加えることなく、従来の一般的な外側チューブと同様のものを使用することが可能である。
【0019】
ヒンジキャップ14の蓋部28は、図5(a),(b)に示すように、ヒンジ接合部35を介して外側チューブ装着部27に回動可能に接合され、外側チューブ装着部27に開口形成された円形断面の注出口17を開閉する。また、蓋部28の天井板36の内側面には、図2に示すように、外側チューブ装着部27の周壁32と対応する位置に一対の円環状のリブによるリブ溝37が設けられている。さらに、外側チューブ装着部27の注出口17の上端開口を2等分割する支持梁20と対応する位置に直線状の当接リブ38が設けられている。蓋部28によって口部17を閉塞した際に、周壁32の上端がリブ溝37に挿入係止され、注出口17のシール状態を保持する。また支持梁20の直線状の上端部が当接リブ38に当接することにより、ヒンジキャップ14を外側チューブ11に対して誤って回転させる前の製造時の状態においては、第1室15と第2室16はその先端部分においても確実に仕切られることになる。
【0020】
本実施形態では、円形断面の注出口17の内周面には、図4に示すように、これの周方向に延設する横リブ40が上下のガイド溝42に挟まれるようにして設けられており、内側チューブ13の先端装着部26の弧状外周面26aには、これの周方向に延設する横リブ41が2段に形成されている。内側チューブ13の先端装着部26をヒンジキャップ14の注出口17に挿入係止する際に、先端装着部26の横リブ41が注出口17の横リブ40を乗り越えるようにしつつスナップ形式でガイド溝42に落ち込んで横リブ40に係止されることにより、回動可能な状態を維持したまま、内側チューブ13の口首部19がヒンジキャップ14の注出口17に、さらに強固且つ確実に位置決めされることになる。
【0021】
本実施形態では、歯磨剤を充填収容したチューブ容器10を製造する際に、当該チューブ容器10の製造ラインにおいて、第1室15と第2室16に歯磨剤を各々充填する工程に先立って、内側チューブ13の口首部19の先端装着部26を、これの弧状外周面26aを注出口17の内周面に沿わせつつ、ヒンジキャップ14の注出口17に挿入係止するだけの簡易な作業によって、内側チューブ13の口首部19をキャップ14の注出口17に回動可能な状態で容易に位置決めすることができる。これによって他端部が熱シールされるまでの間、外側チューブ11の内部における内側チューブ13の位置ずれを効果的に防止することが可能になる。しかる後に第1室15と第2室16に歯磨剤を充填し、外側チューブ11の胴部21の他端部と内側チューブ13の胴部24の他端部とを重ね合わせつつ帯状に熱シールすることによって、歯磨剤を収容したチューブ容器10が製品化される。
【0022】
そして、本実施形態のチューブ容器10によれば、製品化された後に、使用者がヒンジキャップ14を外側チューブに対して誤って回転させた場合でも、注出口17から内側チューブ13の口首部19が外れたり、内側チューブ13が捩れて内側チューブ13と外側チューブ11から所定の割合で歯磨剤を注出できなくなるのを効果的に回避することが可能になる。すなわち、本実施形態によれば、内側チューブ13の口首部19は、ヒンジキャップ14の円形断面の注出口17の内周面の形状に沿った弧状外周面26aを有する環状断面の先端装着部26を備えており、先端装着部26の弧状外周面26aを注出口17の内周面に沿って回転スライド可能に保持した状態で、先端装着部26を注出口17に装着することにより、内側チューブ13の口首部19が、外側チューブ11の上端部に取り付けたヒンジキャップ14の注出口17に回動可能に位置決めされている。これによって、ヒンジキャップ14が外側チューブ11に対して回転した場合でも、内側チューブ13の口首部19は、注出口17の内周面に沿って回転スライドすることにより、ヒンジキャップ14に追随して共回りすることがなく、外側チューブ11の口首部12に対する相対的な内側チューブ13の口首部19の取付け位置を保持して、内側チューブ13が外れたり捩れたりするのを効果的に回避することが可能になる。
【0023】
図6(a)〜(c)は、本発明の他の実施形態に係るチューブ容器において、ヒンジキャップ14の円形断面の注出口17に、他の形状の環状断面を有する先端装着部50a,50b,50cを装着して、内側チューブ13の口首部19を注出口17に回動可能に位置決めしたものである。すなわち、図6(a)は、中心角が120度の扇形断面形状による弧状外周面を備える先端装着部50aを注出口17に装着すると共に、中心軸部材18を支持する支持梁20aを、放射方向に等角度間隔で3本設たものである。図6(b)は、中心角が90度の扇形断面形状による弧状外周面を備える先端装着部50bを注出口17に装着すると共に、中心軸部材18を支持する支持梁20bを、放射方向に等角度間隔で4本設けたものである。図6(c)は、外側チューブの内側に内側チューブを2体取り付けたチューブ容器において、中心角が120度の扇形断面形状による弧状外周面を備える2つの先端装着部50cを注出口17に装着すると共に、中心軸部材18を支持する支持梁20cを、放射方向に等角度間隔で3本設けたものである。
【0024】
図6(a)〜(c)に示す先端装着部50a,50b,50cを有する内側チューブ13を取り付けたチューブ容器によっても、ヒンジキャップ14が外側チューブ11に対して回転した場合に、内側チューブ13の口首部19が注出口17の内周面に沿って回転スライドすることにより、ヒンジキャップ14に追随してとも回りすることがなく、外側チューブ11の口首部12に対する内側チューブ13の口首部19の位置を保持して、上記実施形態のチューブ容器と同様の作用効果を奏することになる。また、放射方向に設けた3本以上の支持梁20a,20b,20cによって、中心軸部材18をさらに安定した状態で支持することが可能になる。
【0025】
図7(a)〜(c)は、本発明のさらに他の実施形態に係るチューブ容器において、ヒンジキャップ14の円形断面の注出口17に、他の形状の環状断面を有する先端装着部51a,51b,51cを装着して、内側チューブ13の口首部19を注出口17に回動可能に位置決めしたものである。すなわち、図7(a)は、180度を僅かに超える中心角で設けられた弧状外周面の両端部を平坦な面によって直線状に連結した形状を備える先端装着部51aを、注出口17に装着したものである。図7(b)は、略270度の中心角で設けられた弧状外周面の両端部を平坦な面によって直線状に連結した形状を備える先端装着部51bを、注出口17に装着したものである。図7(c)は、略270度の中心角で設けられた弧状外周面の両端部を湾曲面によって弧状に連結した形状を備える先端装着部51cを、注出口17に装着したものである。
【0026】
図7(a)〜(c)に示す先端装着部51a,51b,51cを有する内側チューブ13を取り付けたチューブ容器によっても、ヒンジキャップ14が外側チューブ11に対して回転した場合に、内側チューブ13の口首部19が注出口17の内周面に沿って回転スライドすることにより、ヒンジキャップ14に追随してとも回りすることがなく、外側チューブ11の口首部12に対する内側チューブ13の口首部19の位置を保持して、上記実施形態のチューブ容器と同様の作用効果を奏することになる。また、弧状外周面が180度以上の中心角で設けられていることにより、注出口17の中央に中心軸部材を設けることなく、先端装着部51a,51b,51cの弧状外周面を注出口17の内周面に沿って回転スライド可能に保持することが可能になると共に、特に180を超える中心角で弧状外周面を設けることにより、安定した状態で先端装着部51a,51b,51cの弧状外周面を注出口17の内周面に沿って回転スライド可能に保持することができる。
【0027】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、注出口の内周面及び先端装着部の弧状外周面の双方に、周方向に延設する横リブを設ける必要は必ずしもなく、注出口の内周面又は先端装着部の弧状外周面のいずれか一方のみに横リブを設けることもでき、いずれにも横リブを設けなくても良い。さらに、本発明のチューブ容器は、歯磨剤に限定されることなく、化粧品、日用品、接着剤等のその他の種々の内容物を収容する容器として使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】(a)は本発明の好ましい一実施形態に係るチューブ容器の内容物の収容前の状態の正面図、(b)は同断面図である。
【図2】本発明の好ましい一実施形態に係るチューブ容器の要部を示す断面図である。
【図3】図2のA−Aに沿った断面図である。
【図4】注出口に先端装着部が装着される部分の拡大図である。
【図5】(a)は本発明の好ましい一実施形態に係るチューブ容器の図1(a)を上方から見た上面図、(b)はヒンジキャップの蓋部を開いた状態の同上面図である。
【図6】(a)〜(c)は、ヒンジキャップの注出口の内周面に沿って内側チューブの先端装着部を回転スライド可能に装着する他の形態を例示する断面図である。
【図7】(a)〜(c)は、ヒンジキャップの注出口の内周面に沿って内側チューブの先端装着部を回転スライド可能に装着する他の形態を例示する断面図である。
【符号の説明】
【0029】
10 チューブ容器
11 外側チューブ
12 外側チューブの口首部
13 内側チューブ
14 ヒンジキャップ
17 注出口
18 中心軸部材
19 内側チューブの口首部
20,20a,20b,20c 支持梁
26,50a,50b,50c,51a,51b,51c 内側チューブの先端装着部
26a 先端装着部の弧状外周面
27 ヒンジキャップの外側チューブ装着部
28 ヒンジキャップの蓋部
32 注出口を囲む周壁
33 基盤プレート
34 扇形断面形状
34a 扇形断面形状の要部
34b 係止切欠き
35 ヒンジ接合部
38 当接リブ
40,41 横リブ
42 ガイド溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
口首部を覆ってヒンジキャップが装着された外側チューブと、該外側チューブの内側に取り付けられる内側チューブとを有するチューブ容器であって、
前記ヒンジキャップは、前記外側チューブが嵌め込まれる外側チューブ装着部と、該外側チューブ装着部に開口形成された円形断面の注出口を開閉する蓋部とからなり、
前記内側チューブの口首部は、前記円形断面の注出口の内周面の形状に沿った弧状外周面を有する環状断面の先端装着部を備え、
該先端装着部の弧状外周面を前記注出口の内周面に沿って回転スライド可能に保持した状態で前記先端装着部を前記注出口に装着したチューブ容器。
【請求項2】
前記円形断面の注出口の中心部には、当該注出口の開口周縁部から支持された中心軸部材が設けられており、前記先端装着部は、要部が前記中心軸部材に回転可能に係止される扇形断面形状を備えることにより、前記先端装着部の弧状外周面を前記注出口の内周面に沿って回転スライド可能に保持する請求項1記載のチューブ容器。
【請求項3】
前記先端装着部の弧状外周面が180度以上の中心角で設けられることにより、前記先端装着部の弧状外周面を前記注出口の内周面に沿って回転スライド可能に保持する請求項1記載のチューブ容器。
【請求項4】
前記注出口の内周面及び/又は前記先端装着部の弧状外周面には、周方向に延設する横リブが設けられる請求項1〜3のいずれかに記載のチューブ容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−193174(P2006−193174A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−5622(P2005−5622)
【出願日】平成17年1月12日(2005.1.12)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】