説明

テナント店販売促進管理システム

【課題】売り場での店頭販売と同時平行で無線通信網の仮想店舗で同一商品を同一在庫で販売展開することができるテナント店販売促進管理システムを提供する。
【解決手段】売り場11の商品陳列棚14に陳列されている多種類の商品15は売り場11の在庫置場の補充用商品と共にテナント店販売促進管理システムのシステムサーバ2を介してインターネット上の仮想店舗に出品されている。商品15の仮想店舗への出品は、売り場の販売者16が売り場11で売る商品をPOSレジ12に登録したとき、その商品情報が端末通信装置13により読み出されてシステムサーバ2に送信されることにより自動的に実行される。売り上げ管理はシステムサーバ2が自動的に行い、その結果が端末通信装置13を介して売り場11に通知される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テナント店販売促進管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば百貨店等の大型小売店では、各階に区画された売り場を賃貸して、当該売り場に、売り場賃借人の商品を展示させ、その売り場に賃借人の店員(以下、販売員または販売者という)を出向の形で派遣させ、その販売員により大型小売店に商品を購入に来た客(以下、購入者という)と所望の商品を対面販売させるいわゆるテナント店方式が広く採用されている。
【0003】
テナント店の売り上げは当該売り場に固設された金銭登録機(以下、レジという)にて処理される。往時は専ら販売員が、売り上げた商品コードと売り上げ金額を手作業でレジに入力していたが、現今では、レジに接続されたコード読取機によって商品に添付された又は包装袋に印刷された商品コードを読み取らせるだけで、売り上げた商品名と売り上げ金額がレジに記録される。
【0004】
レジはテナント店に対する大型小売店本体からの貸与品であり、レジに記録された売り上げ金額は、売り場ごとの売り上げ金額として、大型小売店本体のコンピュータに記録される。このように現今では、売り場の売り上げがリアルタイムで大型小売店本体のコンピュータに記録される。ただし、テナント店の商品の棚卸し等は専らテナント店独自に行っている。
【0005】
ところで、近年、大型小売店本体では多角的な拡販が模索されている。なかでインターネットの仮想店舗による販促は有効な方法と見られていた。インターネットの仮想店舗は原則的に誰でも開設できるが、専門の有名なポータルサイトに登録したほうが、多数のアクセスが見込めるので販促には有利であると考えられる。
【0006】
書籍に関するインターネットの仮想店舗による販促では、書籍の販売部数、発売日、関心度等を保存する販売データファイルと、実世界の店舗での書籍の配置ルールに準じて定義した配置ルールを蓄積する配架方法ナレッジと、販売データに応じた配置方法を決定する配架方法決定エンジンと、決定された配架方法に則って、画像データファイルから取得した書籍の表紙、背表紙等の画像、書架の画像等を加工して、クライアント装置で表示が可能な、書籍が書架に配置された画像を生成する配架画像生成エンジンとを設けるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
また、一般的なインターネット商品取引システムでは、それぞれインターネットに接続されたユーザー端末、サイト管理者端末及びプロバイダー側のサーバと、サーバ内に構築された仮想店舗などの表示された商品販売トップ画面と、サーバ側にあって仮想店舗などに展示される属性付き商品の商品データベースと、商品販売トップ画面の一部に表示された、ノベルティ商品などを検索する特定商品キーワード検索欄と、商品データベース中の商品に仮想店舗などの属性を適宜付加、又は削除する制御プログラムの商品属性管理サブルーチンと、ユーザー端末の商品注文処理を行う制御プログラムの商品注文管理サブルーチンとを備えたインターネット商品取引システムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−216014号公報
【特許文献2】特開2005−100059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1または特許文献2の従来技術には、いずれも仮想店舗を開設するサイト側のサーバのデータ構成や管理構成については詳細な記載が見られるが、当該サイトに仮想店舗や商品情報を登録する手続きについては明確な記載がない、あるいは、パーソナルコンピュータを用いた煩雑な手作業による入力による方法しか開示されていない。
【0010】
ところが実際には、例えば百貨店等の大型小売店で、テナント店の店頭(売り場)の商品をインターネットの仮想店舗にも出品して売り出すという場合には、レジスター精算機の販売金額を積算する棚卸決算データベースにある売り場の在庫データから出品分の商品数量を分離し、分離した分の数量の商品を仮販売商品として架空の売上げを計上する。
【0011】
そして、その商品が、企画者の意に反して、インターネットの仮想店舗で売れ残った場合は、返品処理により再び売り場の在庫(店頭在庫)とするか、仕入れ伝票を起こして新たな仕入れ商品として売り場の在庫に繰り入れるかの二者択一の処理方式しか存在しなかった。
【0012】
また、このような処理を行うためには、テナント店の販売員とは別に、専用の部屋に専用のオペレータを配置して、商品出品時にはインターネットの仮想店舗に登録する商品情報を入力し、出品商品を引き上げるときは、上記のような伝票処理を行っていた。
【0013】
このため、インターネットの仮想店舗に登録した商品の売り上げ利益に対して、手作業による入力のための設備費や人件費が膨大となって、思うように多角的拡販の実利が上がらないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するために、本発明のテナント店販売促進管理システムは、商品を販売する売り場に設置され、販売者からの入力により上記商品に関わる少なくとも商品名コード、初期在庫数データ、売価データ、売上数データ等からなる商品情報を記録する商品情報記録装置と、該商品情報記録装置に有線または無線で排他的に接続され、上記商品情報記録装置に登録されている上記商品のうち、外部からの入力により指定される上記商品の上記商品情報と該商品の画像データとを無線通信網を介して通信可能な端末通信装置と、該端末通信装置の所有会社に所属し、上記端末通信装置と無線通信網を介して通信するサーバと、を有し、上記サーバは、上記端末通信装置からの通信により少なくとも上記指定商品の上記画像データ、上記商品コード、上記在庫数データ、上記売価データと上記売り場を特定する情報とからなる仮想店舗情報を取得する処理と、該仮想店舗情報を所定のデータベースに記憶する処理と、該データベース上の上記仮想店舗情報を上記無線通信網に接続されている仮想店舗受付サイトに登録する処理と、上記商品の上記仮想店舗における売り上げ情報を取得する処理と、該取得した売り上げ情報を上記端末通信装置に送信する処理と、上記売り上げ情報に基づいて上記仮想店舗において上記商品を購入した購入者に対する上記商品の売り上げ代金の課金の処理と、を行うことを特徴とする。
【0015】
このテナント店販売促進管理システムにおいて、上記売り場は、例えば、大型小売店のテナント店、商品卸売会社、個人商店、商品製造工場、又は無店舗個人販売業者を含み、上記商品情報記録装置は、例えば、金銭登録機、又はパーソナルコンピュータを含んで構成される。
【0016】
また、このテナント店販売促進管理システムにおいて、上記販売者らの入力により指定される上記商品は、例えば、上記売り場で販売すべく在庫され、見切り販売対象として指定され、上記商品情報記録装置に登録されている上記売り場の商品とは異なる商品コード、売価データ、在庫データを付与される、ことを特徴とする。
【0017】
また、このテナント店販売促進管理システムにおいて、上記端末通信装置は、商品コード発券機、商品コード読取機、商品画像撮影機、言語翻訳機を接続可能な複数の接続ポートを備えている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、売り場での店頭販売と同時平行で無線通信網の仮想店舗で同一商品を同一在庫で販売展開することができるので、僅かの手数で商品の販売数が拡大するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例1に係るテナント店販売促進管理システムの全体構成を示す図である。
【図2】実施例1に係るテナント店販売促進管理システムの会員構成の例として代表的に大型小売店の1つの階の床面の構成例を示す図である。
【図3】図2に示す床面の売り場の構成を模式的に示す図である。
【図4】売り場にPOSレジと共に設置される端末通信装置の構成を詳細に示す図である。
【図5】売り場の精算所において販売員がインターネットの仮想店舗で販売する商品情報をテナント店販売促進管理システムのシステムサーバに送信するための入力装置の数例を示す図である。
【図6】売り場の商品に添付される商品コード券の発券機と読取機を示す図である。
【図7】発券された商品コードを貼着した値札カードが取り付けられる商品の例を示す図である。
【図8】発券機で発券された仮想店舗用商品コードの例およびその用法を示す図である。
【図9】図7に示した販売用商品の例として示した各種の商品に、売り場用商品コード37と並んで仮想店舗用商品コード48が貼着された値札カード38が添付されている状態を示す図である。
【図10】売り場から仮想店舗への出品の申し出を受け付けるシステムサーバの有する処理機能を説明する図である。
【図11】図10の機能を備えたシステムサーバのシステム構成を示すブロック図である。
【図12】売り場及び仮想店舗の商品を販売する販売員による意志決定に基づく端末通信装置の処理動作とシステムサーバの処理動作を説明するフローチャートである。
【図13】仮想店舗から商品を購入する購入者側の処理とシステムサーバ側の処理との関係を示す図である。
【図14】購入者が使用可能な各種の入力端末装置を例として示す図である。
【図15】購入者の入力端末装置の表示画面に表示される仮想店舗の展示商品の例を示す図である。
【図16】テナント店販売促進管理システムの会員となった無店舗個人販売業者が仮想店舗に商品を出品するための小型端末通信装置と周辺機器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【実施例1】
【0021】
図1は、本発明の実施例1に係るテナント店販売促進管理システムの全体構成を示す図である。同図に示すように、本例のテナント店販売促進管理システムは、例えばインターネット等の無線通信ネットワーク1に、後述する複数の商品情報記録装置を所有して、この商品情報記録装置を会員に貸与するシステム運営会社のシステムサーバ2、システム運営会社と提携して商品販売代金の支払いを代行する代金支払代行会社(クレジットカード会社)のCAFIS(Credit And Finance System)を構築しているクレジットサーバ(不図示)が接続されている。
【0022】
更に、無線通信ネットワーク1には、国内会員システム3と外国会員システム4が接続されている。国内会員システム3は複数の大型小売店5(5−1、5−2、・・・、5−m)(m=1、2、3、・・・)や、個々に独立の一般会社6(6−1、6−2、・・・、6−n)(n=1、2、3、・・・)で構成されている。
【0023】
尚、ここでは、分かり易く図示するため同一の外観で示しているが、大型小売店5としては、例えば、百貨店、貸店舗業、大形流通業が含まれている。また、一般会社6としては、これも分かり易く図示するため同一の外観で示しているが、商品卸売会社、一般小売店、個人商店、商品製造工場、又は無店舗個人販売業者等も含んでいる。
【0024】
外国会員システム4も国内会員システム3と同様に、複数の大型小売店7(7−1、7−2、・・・、7−p)(p=1、2、3、・・・)や、個々に独立の一般会社8(8−1、8−2、・・・、8−q)(q=1、2、3、・・・)で構成されている。
【0025】
この場合も大型小売店7には、例えば百貨店、貸店舗業、大形流通業が含まれ、一般会社8には、商品卸売会社、一般小売店、個人商店、商品製造工場、又は無店舗個人販売業者等も含んでいる。
【0026】
図2は、例として代表的に大型小売店5又は7(以下、単に大型小売店5という)の1つの階の床面9の構成例を示している。床面9の存在する階は、地下複数階、地上複数階の中のいずれの階でもよい。いずれの階であっても、大型小売店5の1つの階の床面9には、複数の売り場11が区画されている。
【0027】
この売り場11は、大型小売店5とテナント契約を結んだテナントが出店しているもので、各売り場11の精算所には、大型小売店5側から貸与された商品情報記録装置としての金銭登録機(以下、POSレジという)12が設置されている。なお、POSレジのPOSは「Point of Sale:販売時点管理 」の略である。
【0028】
また、POSレジ12の近傍には、詳しくは後述するが、無線通信ネットワーク1を介してシステムサーバ2に接続された端末通信装置13が設置されている。
図3は、上記の売り場11の構成を模式的に示す図である。売り場11には同図に示すように、商品陳列棚14に多種類の商品15が、整理されて陳列されている。また、各商品15の補充用の商品は売り場11の在庫置場に保管されている。
【0029】
なお、商品15としては、床に直接陳列された家具類、鍵の掛ったガラスケース内に陳列された宝石や貴金属類、冷房の効いた棚に陳列された生鮮食品類等、商品であれば何でもよい。
【0030】
この売り場11には、一般に店員と称される売り場専任の販売員16が、商品15を購入するために来店した顧客(以下、購入者ともいう)に対して商品説明や購入商品の精算のために待機している。
【0031】
購入商品の精算所には、図2にも示した売り場11には必須のPOSレジ12が設置されている。そして、このPOSレジ12の近傍には、例えば顧客からは目立たないような場所に、本システムの端末側の主役となる端末通信装置13が設置されている。
【0032】
POSレジ12は、制御装置や記憶装置を内蔵するPOSレジ本体装置17と、入力キーを備えたPOSレジ金銭出納部18と、購入商品名や入力数値や合計額を表示する液晶パネル等からなるPOSレジ表示装置19を備えている。
【0033】
端末通信装置13は、制御装置や記憶装置を内蔵する端末本体装置21と液晶パネル等からなる端末表示装置22を備えている。端末通信装置13は、有線(無線でもよい)でPOSレジ12と接続されている。また、端末本体装置21は、詳しくは後述する多種類の情報入力端末を接続可能に構成されている。
【0034】
図4は端末通信装置13の構成を詳細に示す図である。図4に示すように、端末通信装置13の端末表示装置22には、システムサーバ2と無線通信するためのアンテナ23が取付けられている。また、端末表示装置22の表示枠の上部には表示枠内蔵デジタルカメラ20が配設されている。
【0035】
この表示枠内蔵デジタルカメラ20は、商品の撮影にも使用されるが、主たる用途は仮想店舗に出品した商品に対して購入を希望する購入者との対面販売用である。仮想店舗では出品商品の素材や、衣料や履物の場合はサイズが判明しない。このような画像だけでは不明な部分を、販売者16は表示枠内蔵デジタルカメラ20を介して購入者と対面して説明を行う。
【0036】
そして、端末本体装置21は、例えば携帯電話や電子手帳を接続可能な複数の入出力端子24(24a、24b)、商品コードの発券機や読取機を接続する接続配線25、SD、DVD、CD−R等のデータカードやデータディスクと接続するための複数のUSBポート26を備えている。
【0037】
更に、端末本体装置21は、パーソナルコンピュータ、デジタルサイネージ・有機EL、電話機、FAX等を接続するための複数の有線ポート27を備えている。また、端末本体装置21は、特には図示しないが、ブルートゥース、ブルーレイ、無線LAN等の通信に対応する通信機能を有する各通信装置、他国の仮想店舗に商品を展開する際に用いる言語翻訳機等を内蔵している。
【0038】
図5は、図3に示す販売者16が、売り場11の精算所において、システムサーバ2に送信して、インターネットの仮想店舗で販売するための商品情報を入力するための販売者側入力端末としての入力装置の数例を示す図である。
【0039】
全ての商品情報は、端末通信装置13を介してシステムサーバ2に送信されるが、端末通信装置13には、図5に示した各種の接続部を介して商品情報が入力される。例えば、POSレジ12からは、予め登録されている商品の中から所望の商品がPOSレジ金銭出納部18の入力キーから入力指定され、入力指定された商品の商品情報が端末通信装置13のレジスタ情報読取部によって読み取られ、店頭販売用商品との共用品としてシステムサーバ2に送信される。
【0040】
また、販売者16は、予めパーソナルコンピュータ28を用いて商品情報を入力しておき、適宜の時間帯に、パーソナルコンピュータ28を端末通信装置13を接続して、予め入力しておいた商品情報を端末通信装置13に読み取らせることもできる。この商品情報は店頭販売用の新商品であれば端末通信装置13からPOSレジ12に送信され、仮想店舗出品用であれば、店頭販売用商品との共用品として端末通信装置13からシステムサーバ2に送信される。
【0041】
また、同様に、販売者16は、予めデジタルサイネージ・有機EL29を用いて商品情報を入力しておき、適宜の時間帯に、デジタルサイネージ・有機EL29を端末通信装置13を接続して、予め入力しておいた商品情報を端末通信装置13に読み取らせて、パーソナルコンピュータ28の場合と同様に処理することもできる。
【0042】
また、例えばパーソナルコンピュータ28を用いて入力した商品情報を、予めUSB型フラッシュメモリ31に取込んでおき、適宜の時間帯に、USB型フラッシュメモリ31を端末通信装置13を接続して、予め入力しておいた商品情報を端末通信装置13に読み取らせ、パーソナルコンピュータ28から直接入力した場合と同様に処理することもできる。
【0043】
また、例えば携帯電話32が有するメールサービス機能を用いて、予めメールに予約した商品画像ファイルを添付した商品情報を、例えばUSB端子を用い、又はブルートゥース通信で、仮想店舗出品用の商品情報として商品端末通信装置13に送信するようにしてもよい。
【0044】
また、画像を電子データとして取扱うことのできる機能を有する電子機器であれば、例えば、ファクシミリ93の表示画面94に表示させた商品画像と、キー入力した画像以外の情報とからなる商品情報をシステムサーバ2に電送通信する。あるいは電話機95の表示画面96に表示させた商品画像と、キー入力した画像以外の情報とからなる商品情報をメール送信する。
【0045】
上記の商品画像は、販売者16が携帯電話32により商品15を撮影してファクシミリ93又は電話機95に転送したものである。いずれにしても販売者16として迅速に処理できる方式を選択して、商品情報をシステムサーバ2に送信する。
【0046】
上述した商品情報には、少なくとも、出品元の売り場を特定する情報、商品名を特定する情報、商品の画像、商品の現有在庫数、商品の売価等が含まれている。これらの情報はコード化して発券機によって発券し、この商品コード券を該当商品に添付し、その商品が売れたとき、商品に添付された商品コード券のコードを読取機によって読み取って、直接または端末通信装置13を介してPOSレジ12に入力される。
【0047】
図6は商品コード券の発券機と読取機を示す図である。図6の上に示す発券機33は、図3に示す販売者16が例えば左手34aに持って、右手34bで発券機33の入力キー35から商品情報を入力することによって、例えば裏糊剥離紙付きの巻紙36に商品情報を示す例えばバーコード等の二次元コードからなる商品コード37が印刷出力される。この印刷出力された商品コード37の剥離紙を剥がし、裏糊付きの商品コード37を値札カード38に貼り付けて、この値札カード38を該当商品に添付する。
【0048】
尚、ICタグ39も値札カード38に貼り付けて用いられるが、ICタグ39は通常商品納入者側で予め用意するものであり、通常は商品の目立たぬ箇所に予め組み込まれる場合が多い。したがって、ICタグ39は発券機33では発行できないが、図6では、ICタグ39が値札カード38に貼り付けて用いられる場合がある例として示している。
【0049】
図6の下に示す商品コード券の読取機41は、販売者16が例えば右手34bに持って値札カード38に貼付されている商品コード37(バーコード37a、二次元コード37b)を読取部でなぞると、商品コード37が読み取られ、その読み取られた商品コード37が図4に示した接続配線25を介して端末通信装置13に入力される。
【0050】
この読取機41は、RFID(radio frequency identification)システムを内蔵しており、ICタグ39の受信アンテナを励起してICタグ39内の商品情報を読み取ることもできる。
【0051】
図7は、参考のため、上記のようにして発券された商品コード37を貼着した値札カード38が取り付けられる商品の例を示す図である。同図は、上から下へ、衣料品の一例としての紳士服上衣42、皮革製品の一例としてのカバン43、家具の一例としてのソファー44、宝石・貴金属の一例としての指輪45、携帯型電子機器の一例としての一眼レフ電子カメラ46、生鮮食品の一例としての魚47を示している。
【0052】
尚、図7に示す値札カード38には、商品コードの例として商品コード37のみを示しているが、特に小型で高額な商品、例えば指輪45等には、商品コード37に代えて図6に示したICタグ39を取り付けるようにしてもよい。
【0053】
図7に示した一連の商品の例は、売り場11における店頭販売専用として値札カード38を取り付けた商品であるが、システムサーバ2を介して無線通信ネットワーク1の仮想店舗で販売するときは、売り場・仮想店舗共用在庫商品又は仮想店舗専用在庫商品としての商品コードが発券される。
【0054】
図8は、上に発券機33で発券された仮想店舗用(売り場と共用又は仮想店舗専用)商品コードの例を示し、下にその用法を示している。同図上に示す仮想店舗用商品コード48は、剥離紙49を剥がしたのち、図8の下に示すように、既に値札カード38に貼着されていた店頭用の商品コード37の横に並べて値札カード38に貼着される。
【0055】
尚、仮想店舗用商品には、在庫を売り場と共用する商品と、在庫を仮想店舗専用とする商品とを含んでいる。ここでいう仮想店舗専用の在庫商品とは、売り場において在庫見切り品の対象となった商品等のことであり、売り場における商品コード及び売価とは異なる商品コード及び売価(見切り値段)が設定される。このように設定された見切り商品は、売り場の在庫から切り離されて在庫管理される。
【0056】
図9は、図7に示した販売用商品の例として示した各種の商品に、売り場用商品コード37と並んで仮想店舗用商品コード48が貼着された値札カード38が添付されている状態を示す図である。この仮想店舗用商品コード48は、売り場用商品コード37と共に読取機41に読み取られて端末通信装置13を介してシステムサーバ2に送信される。
【0057】
尚、図9の場合も、値札カード38には、商品コードの例として商品コード37のみを示しているが、特に小型で高額な商品、例えば指輪45等には、商品コード37に代わって図6に示したICタグ39を取り付けるようにしてもよい。
【0058】
このように売り場用商品を仮想店舗用商品として売り出すときは、発券機33で仮想店舗用商品コード48を発券し、この発券した仮想店舗用商品コード48を値札カード38に貼着する手間だけで売り場11側(つまり販売者16側)の処理が完了する。
【0059】
図10は、売り場11から仮想店舗への出品の申し出を受け付けるシステムサーバ2の有する処理機能を説明する図である。図10に示すようにシステムサーバ2は、その下に示すように、テナント契約機能50、保守管理機能51、課金機能52、クレジットカード機能53、ポイント管理機能54、通貨換金機能55、電子マネー機能56、クレジットローン機能57、配送業務機能58、マーケティング機能59等の処理機能を有する。
【0060】
テナント契約機能50は、会員登録されている大型小売店5又は7、一般会社6又は8の販売者16による端末通信装置13を介しての仮想店舗への商品出品の申し出と、その商品情報を受け付ける機能である。
【0061】
保守管理機能51は、テナント契約機能50が受け付けた商品を、その商品情報に基づいて、出品元の売り場を所定の領域に設定して仮想店舗を展開し、その仮想店舗に、少なくとも商品名、コードデータ、商品画像、現有在庫数、売価、商品説明等を掲載し、Web購入者によって購入が決定されたとき、売り上げ数、売り上げ単価を、データベースに記録し、且つ当該商品の出品元に売上代金の支払い手続きを通知する機能である。
【0062】
課金機能52は、Web購入者によって購入が決定されたとき、購入された商品の売り上げ数、売り上げ単価に基づいて、Web購入者に対する課金金額と決裁方法をデータベースに記録すると共に、その決裁方法に従って売り上げ代金を回収する機能である。
【0063】
クレジットカード機能53は、課金機能52により記録されたWeb購入者の決裁方法がクレジットカード決裁であるとき、Web購入者が課金機能52を介してシステムサーバ2に通知したクレジットカード番号とその他の情報を、当該クレジットカード会社に通知し、代金支払代行を依頼すると共に出品元に売上金の支払いを手配する機能である。
【0064】
ポイント管理機能54は、仮想店舗に出品された商品がWeb購入者によって購入されたとき、Web購入者及び商品出品者(販売者)に所定のポイントを付与して、もし累計ポイントがあれば、新ポイントと共に累計ポイントを、累計ポイントが無ければ新ポイントのみをWeb購入者及び商品出品者(販売者)に通知する機能である。
【0065】
通貨換金機能55は、出品者とWeb購入者の現住国が異なるとき、保守管理機能51に対し、現在時点の為替レートに基づいて、仮想店舗に展示する商品の売価を出品国通貨から仮想店舗展示国通貨に換算して表示するよう通知し、且つ、展示品が購入されたとき、購入決裁された仮想店舗展示国通貨を、現在時点の為替レートに基づいて出品国通貨に換算して出品元に支払い手続きをするように通知する機能である。
【0066】
電子マネー機能56は、課金機能52により記録されたWeb購入者の決裁方法が電子マネーによる決裁であるとき、Web購入者が課金機能52を介してシステムサーバ2に通知した電子マネー口座からWeb購入者の購入代金を引き落とすと共に、所定の方法で出品元に売上金の支払い手続きをするように保守管理機能51に通知する機能である。
【0067】
クレジットローン機能57は、課金機能52により記録されたWeb購入者の決裁方法がクレジットローンによる支払方法であるとき、Web購入者が課金機能52を介してシステムサーバ2に通知したクレジットローン会社(通常はクレジットカード会社と同じになる)に、新たなクレジットローンが発生したことを通知し、ローン契約に基づく代金支払代行を依頼すると共に、保守管理機能51に対し出品元に売上金の支払いを手配するよう通知する機能である。
【0068】
配送業務機能58は、仮想店舗に展示された商品がWeb購入者によって購入が決定されたとき、当該商品を仮想店舗に出品している売り場11の端末通信装置13を介して販売者16に対し、当該商品を、Web購入者の所在地まで搬送するに適する梱包態様で梱包し、Web購入者宛てに直ちに発送するよう、メール又はFAX等で通知する機能である。
【0069】
マーケティング機能59は、仮想店舗に出品登録された商品のWeb購入者により購入が決定された商品名、売上数、売上単価、出品元、売上仮想店舗のポータルサイト、Web購入者の所在地等の売上データをデータベースに蓄積し、売れ筋商品の売上データから、今後仮想店舗に出品する商品に対応して優先的に推進すべき商品名、売上数(在庫準備数)、売上単価、出品元、売上仮想店舗のポータルサイト、又はWeb購入者の所在地等を設定し、この設定したデータをテナント契約機能50に通知する機能である。
【0070】
図11は、上記のような機能を備えたシステムサーバ2のシステム構成を示すブロック図である。同図に示すように、システムサーバ2は、CPU(central processing unit)60を備えている。
【0071】
CPU60には、ROM(read only memory)61、RAM(Random Access Memory)62、HD(hard disk)63が直接接続されている。また、CPU60には、更に、バス64を介して複数領域に分割管理される記憶部65が接続されている。
【0072】
ROM61にはOS(operating system)が格納されている。HD63にはCPU60がテナント店販売促進管理システムを制御するシステムプログラムが格納されている。RAM62はプログラム領域とデータ領域に分割されている。
【0073】
プログラム領域にはシステムプログラムの内そのときどきの処理に必要なプログラムがHD63から読み出されて格納される。データ領域にはCPU60が演算する途中結果のデータや最終結果のデータが一時的に格納される。
【0074】
記憶部65には、DB(data-base)部65−1、在庫管理サーバ65−2、CMS(Content Management system:コンテンツマネジメント)サーバ65−3、課金管理サーバ65−4、メールサーバ65−5が、それぞれの領域に格納されている。
【0075】
上記のDB部65−1には、特に販売者側から携帯電話又は表示枠内蔵デジタルカメラ20等で送信されて来る記録容量の大きな撮影画像データ(動画を含む)を記憶するための写真データベース領域66が設けられている。
【0076】
尚、販売者側の携帯電話又は表示枠内蔵デジタルカメラ20は、商品の画像撮影に利用するだけでなく、撮影動画を用いたインターネットTV通信による対面販売用にも利用される。
【0077】
在庫管理サーバ65−2は、DB部65−1に格納されている商品情報のうち在庫数を、当該商品の売買に応じて更新する。
CMSサーバ65−3には、仮想店舗に出品される商品の取り扱い方法や、その運営管理等を行う本来の機能に応じた処理を行うが、その他にCMSサーバ65−3にはブログ機能67が付加されている。
【0078】
課金管理サーバ65−4は、無線通信ネットワーク1を介してCAFISと連携し、仮想店舗に出品された商品の購入者に対して、売上げ代金と手数料の回収処理を行う。
メールサーバは、販売者16又は購入者から、携帯電話、パーソナルコンピュータ、FAX、宅内電話等を介して送信されてくるメールを受信して、そのメール内容を分析して得られる商品情報を、各サーバに通知する。
【0079】
また、CPU60には、更に、バス64を介してI/F(インターフェース)ユニット68が接続されている。I/Fユニット68にはネットワークアダプタ69が接続されている。CPU60は、ネットワークアダプタ69及びI/Fユニット68を介して無線通信ネットワーク1と通信する。
【0080】
無線通信ネットワーク1には前述したように、国内会員システム3、外国会員システム4、及びこのシステムサーバ2のシステム運営会社と特定契約したCAFISが接続している。
【0081】
上記の各サーバ(65−2〜65−5)は、CPU60の制御の元に、DB部65−1のデータを用いながら、国内会員システム3又は外国会員システム4のクライアントとしての端末通信装置13との間で、サーバとして分担している処理を行う。また、特に課金管理サーバ65−4はCAFISとも連携して処理を行う。
【0082】
また、I/Fユニット68には、端末71、キーボード/マウス72、モニタ73、外部記憶装置74が接続されている。端末71はシステム管理者が各種の端末装置を接続してデータの入出力を行うためのものである。キーボード/マウス72は、システム管理者が指示入力の操作をするためのものである。
【0083】
また、モニタ73はシステム管理者とCPU60とのマン/マシン・インターフェースである。外部記憶装置74は、システム管理者が各種の大容量記憶装置を着脱自在に装着して、重要なデータをバックアップするためのものである。
【0084】
CPU60は、上記の各構成を用いて、図10に示した各機能を構築し、それらの機能による処理を実行する。
図12は、売り場11及び仮想店舗の商品とその売上げを管理する販売者16による意志決定と、その意志決定に基づく端末通信装置13の処理動作とシステムサーバ2の処理動作を説明するフローチャートである。
【0085】
先ず、販売者16は、商品情報入力・登録端末機としてのPOSレジ12(図3参照)を用い、売り場11における販売用取り扱い商品の商品情報を入力して、商品の現状を登録又は更新する(ステップS16−1)。
【0086】
これにより、売り場11のPOSレジ12に、売り場11及び仮想店舗で共通に販売する全商品の商品名、その売価、その現在庫数からなる商品情報が記録される。
端末通信装置13は、このPOSレジ12の商品情報を読み出すと、その商品情報に売り場11を特定する情報を付加して、仮想店舗宛の商品情報を生成し、その生成した商品情報をシステムサーバ2に送信する(ステップS13−1)。システムサーバ2は、受け取った商品情報をDB部65−1に格納する(ステップS2−1)。
【0087】
次に販売者16は、いまPOSレジ12に登録した商品のうち、仮想店舗で販売せずに売り場11のみで販売するか否かを考える(ステップS16−2)。そして、売り場11のみで販売したいと思うときは(S16−2がY)、ステップS16−1に戻って、特には図示しないが、POSレジ12の入力キーにより当該商品コードを入力すると共に「否」ボタンを押す。
【0088】
この「否」ボタンの押下は、仮想店舗に当該商品を出品しないという販売者16の意志表示であり、端末通信装置13は、この商品コードと「否」情報をPOSレジ12から読み出して、その読み出した情報を、「否」の販売方法が確定したとしてシステムサーバ2に送信する(ステップS13−2)。この場合は、システムサーバ2は、当該商品コードの商品情報をDB部65−1から削除する(ステップS2−2)。
【0089】
販売者16は、上記の「否」ボタンの押下処理に続いて、発券機33(図6参照)を用いて当該商品の商品コード37を発券する(ステップS16−3)。そして、この発券した商品コード37を値札カード38に貼り付け、その値札カード38を当該商品に添付して(図7参照)、商品陳列棚14に店頭販売用の商品15として陳列して店頭販売する(ステップS16−4)。
【0090】
しばらく経過したのち、販売者16は、商品15の売れ行きを調べ、在庫処分を検討すべきか否か考える(ステップS16−5)。そして、まだ、在庫処分の必要はないと思ったときは(S16−5がN)、店頭販売を続行する(ステップS16−4)。
【0091】
他方、販売者16は、在庫処分を検討すべきであると考えたときは(S16−5がY)、POSレジ12に、当該商品の商品コードと値下げ単価を入力する(ステップS16−1)。尚、この在庫処分は仮想店舗のみで行われる特値販売(廉価販売)である。POSレジ12に登録されている当該商品の売り場11と仮想店舗とに共通の在庫数に変化はない。
【0092】
端末通信装置13は、このPOSレジ12の特値販売の商品情報を読みとって、「特売」の販売方法が確定したとしてシステムサーバ2に送信する(ステップS13−2)。
この場合は、システムサーバ2は、当該商品情報を新たに仮想店舗に出品された商品の商品情報としてDB部65−1に格納する(ステップS2−1)。
【0093】
一方、販売者16によるステップS16−1における商品情報の初期入力の後、売り場11のみでは販売しない、仮想店舗でも平行して販売すると考えたときは、続くデータ入力を何も行わない。
【0094】
端末通信装置13は、「否」ボタンの押下が無いときは仮想店舗での販売(以下、Web販売という)が確認されたと判断し(ステップS16−6)、「可」の販売方法が確定したとして当該商品の商品情報をシステムサーバ2に送信する(ステップS13−2)。
【0095】
この商品情報には、少なくとも売り場11を特定する情報と、商品名の情報と、商品の画像データと、販売単価のデータと、売り場11の商品陳列棚14の商品15と売り場11の補充用在庫置場の商品15とを合わせた総在庫数の情報とが含まれている。
【0096】
この場合は、システムサーバ2は、当該商品情報を新たに仮想店舗に出品された商品の商品情報としてDB部65−1に格納する(ステップS2−2)。DB部65−1は、商品情報の中の画像データを取り分けて、その画像データを商品情報にリンクさせて写真データベース66に格納する。
【0097】
また、この商品情報に基づいて、システムサーバ2の在庫管理サーバ65−2は、当該商品の在庫管理を開始し(ステップS−3)、当該商品の仮想店舗上の商品コードを生成して、この商品コードを端末通信装置13に発行する(ステップS2−4)。
【0098】
端末通信装置13は、予め接続されている発券機33により、システムサーバ2から発行された商品コードを発券する(ステップS16−3)。発券機33が端末通信装置13に予め接続されていないときは、端末表示装置22に商品コードを表示し、販売者16に商品コードを発券するように報知する。ここで発券される商品コードは、図9に示した仮想店舗用商品コード48である。
【0099】
仮想店舗用商品コード48の発券に続いて販売者16は、当該商品を撮影して、その画像データを端末通信装置13に入力する(ステップS16−7)。この商品画像データは携帯電話32で撮影してもよく、又は、予めデジタルカメラで撮影してパーソナルコンピュータ28又はUSB型フラッシュメモリ31等に記憶させておいたものでもよい。
【0100】
端末通信装置13は、先に発行された仮想店舗用商品コード48に対応する商品情報に追加される情報である当該商品の画像データをシステムサーバ2に転送する(ステップS13−3)。システムサーバ2は端末通信装置13から転送されてきた画像データをDB部65−1の写真データベース領域66に格納する(ステップ2−5)。
【0101】
続いてシステムサーバ2は、CMSサーバ65−3を制御して(ステップS2−6)、当該商品情報と商品素材データとをWebサイト用の仮想店舗展示用の形態に変換するとともに、この変換データを端末通信装置13に送信する(ステップS2−7)。上記の変換は、例えばHTML文又はXML文を用いた商品展開内容への変換である。
【0102】
端末通信装置13は変換データを受け取って、そのWebサイトの仮想店舗に展示される当該商品の展示態様を端末表示装置22に表示し、販売者16がこの表示を見て確認したことをキー入力する(ステップS16−8)。この確認の入力は端末通信装置13からシステムサーバ2に通知される。
【0103】
システムサーバ2は、再びCMSサーバ65−3を制御して(ステップS2−6)、当該商品の商品展開内容を用いて、提携している他社の仮想店舗へ当該商品を出品する(ステップS2−9)。
【0104】
やがて、仮想店舗に出品された商品15が購入者80によって購入が決定されると、システムサーバ2はメールサーバ65−5を制御して(ステップS2−10)、販売経過報告メールを端末通信装置13に送信する(ステップS2−11)。
【0105】
端末通信装置13は、システムサーバ2のメールサーバ65−5から受け取ったメール内容の販売経過報告を端末表示装置22に表示すると共に、販売経過報告の内容に基づいてPOSレジ12に記憶されている商品情報を更新する(ステップS16−9)。
【0106】
また、システムサーバ2は、仮想店舗に出品された商品15に対する購入者80による購入が良好に進展して、売り場11の売上げと仮想店舗での売上げと合わせて商品15が完売したときは、メールサーバ65−5を制御して(ステップS2−12)、商品が完売したことを報告するメールを端末通信装置13に送信する(ステップS2−13)。尚、この商品完売メールには、仮想店舗における取り扱い手数料等のデータも含まれている。
【0107】
端末通信装置13は、システムサーバ2のメールサーバ65−5から受け取った商品完売メールの内容を端末表示装置22に表示し、商品完売メールの内容に基づいてPOSレジ12に記憶されている商品情報を更新し、販売者16は端末表示装置22に表示された商品完売メールの内容を、その手数料等と合わせて確認する(ステップS16−10)。
【0108】
また、端末通信装置13は、商品15が完売したことにより、マーケティングのデータを更新するようシステムサーバ2に通知する(ステップS13−4)。この通知に基づいて、システムサーバ2は、DB部65−1の当該商品の商品情報を削除するとともに、完売により商品情報を削除したことをCMSサーバ65−3に通知する(ステップS2−14)。
【0109】
他方、販売者16は、上記の販売経過報告メールに基づく販売経過通知を確認したとき又は上記の商品完売メールに基づく完売内容と手数料等を確認したとき、その確認内容に基づいて、購入者80による購入が決定した商品の発送手配を行う(ステップS16−11)。
【0110】
続いて販売者16は、パーソナルコンピュータ28、FAX93、又は携帯電話32等を用いて、仮想店舗に出品した商品が売れたことへの感謝の印として「サンキューメール」を端末通信装置13に入力する(ステップS16−12)。
【0111】
端末通信装置13は、入力された「サンキューメール」を、システムサーバ2に送信する(ステップS13−5)。システムサーバ2はメールサーバ65−5を制御して、仮想店舗の当該商品の展示領域に、「サンキューメール」の内容を所定の期間表示する(ステップS2−15)。
【0112】
販売者16は、或る商品が完売されたことにより、当該商品の補充仕入れを行うか又は新商品を仕入れて、ステップS16−1の手順に戻る。次のステップS16−2における判断では、いま仕入れた商品のみに限らず、既に仮想店舗に出品済みの商品の中で、店頭販売のみとしたいときは当該商品を非出品商品に指定してもよい。その後の処理は、前述した通りである。
【0113】
図13は、仮想店舗から商品を購入する購入者側の処理とシステムサーバ側の処理との関係を示す図である。同図に示すように、システムサーバ2は、国内会員システム3の大型小売店5や一般会社6、あるいは外国会員システム4の大型小売店7や一般会社8から提供される上述した共通商品や見切り商品を、仮想店舗通信網75aや75bを介して、仮想店舗76、携帯電話版仮想店舗(以下、単に携帯用仮想店舗という)77、他の仮想店舗78、他の携帯用仮想店舗79等に展示する。
【0114】
購入者80は、仮想店舗にアクセス可能な入力端末装置81を用い、プロバイダ82(82a、82b、82c、82d)を介して、仮想店舗76、携帯用仮想店舗77、他の仮想店舗78、又は他の携帯用仮想店舗79等にアクセスし、展示されている所望の商品をポインティングデバイスで又は画面を直接タッチして(所望の商品情報・ポイントタッチ)当該商品の購入を決定する。
【0115】
図14は、購入者80が使用可能な各種の入力端末装置81を例として示す図である。同図に示すように、購入者80が使用可能な入力端末装置81としては、インターネットにアクセスでき、所望の画像を表示させることのできる表示装置を備え、画面をポイントタッチすることができる電子端末機器であればなんでもよい。
【0116】
図14には、例としてパーソナルコンピュータ81−1、携帯電話81−2、ポータブルオーデオ81−3、デジタルサイネージ・有機EL81−4、PDA(personal digital assistant)端末81−5、TV81−6、デジタルカメラ81−7、デジタルムービー81−8等が示されている。
【0117】
図15は、購入者80の入力端末装置81の表示画面に表示される仮想店舗の展示商品の例を示す図である。例として代表的に図15の上にはパーソナルコンピュータ81−1の表示画面に表示される例を示し、下には携帯電話81−2の表示画面に表示される例を示している。
【0118】
いずれも、売り場11から出品された図9に示した各分野の商品が表示されている。購入者80は、例えば先ず所望の商品分野を指定して、当該分野の商品を出品している売り場11を検索する。
【0119】
そして、指定した商品分野の出品されている商品の画像を見て、気に入らなければ次の売り場11を検索し、展示商品が気に入ったときは、その商品画像の画面をポイントタッチして購入を決定する。
【0120】
ところで、上述した実施例1では、無線通信ネットワーク1を介して仮想店舗に商品を出品する売り場11は、国内外の会員システム3又は4の大型小売店5又は7、又は一般会社6又は8の売り場を例として説明してきたが、一般会社6又は8には、商品卸売会社、一般小売店、個人商店、商品製造工場等の他に無店舗個人販売業者を含んでもよいことは前述した。
【0121】
通常、商品卸売会社、一般小売店、個人商店、商品製造工場等は、商品管理のためにPOSレジを備えているが、無店舗個人販売業者はPOSレジを備える必要がない。通常はパーソナルコンピュータで商品売買を管理する。
【0122】
図16は、本例のテナント店販売促進管理システムの会員となっている無店舗個人販売業者が仮想店舗に商品を出品するための小型端末通信装置と周辺機器を示す図である。同図に示すように、小型端末通信装置83は本体装置84と表示装置85とで構成されている。
【0123】
表示装置85には、システムサーバ2と無線通信するためのアンテナ86が取付けられている。また、表示装置85の表示枠の上部には表示枠内蔵デジタルカメラ90が配設されている。
【0124】
この表示枠内蔵デジタルカメラ90は、商品の撮影にも使用されるが、主たる用途は大型小売店の売り場11に備えられた端末通信装置13の表示枠内蔵デジタルカメラ20の場合と同様に仮想店舗に出品した商品に対して購入を希望する購入者との対面販売用である。
【0125】
そして、本体装置84は、上面に複数のデータ入力キー87を備え、頭部には商用電源との接続線89を備え、更に、一方の側面には、例えば携帯電話や電子手帳等を接続可能な複数の入出力端子88(88a、88b)を備えている。
【0126】
また、本体装置84は、他方の側面には、例えばSD、DVD、CD−R、フラッシュメモリ等のデータカードやデータディスクと接続するためのUSBポート91を備え、手前側面には、例えば、パーソナルコンピュータ、PDA端末、FAX、宅内電話機等を接続するための複数の有線ポート92を備えている。
【0127】
無店舗個人販売業者は、小型端末通信装置83と上述した周辺機器を適宜に用いて、仮想店舗に商品を出品するための少なくとも商品名コード、初期在庫数データ、売価データ、売上数データ、自己ID等からなる商品情報を入力する。
【0128】
尚、画像を電子データとして取扱うことのできる機能を有する電子機器であれば、例えば、ファクシミリ93の表示画面94に表示させた商品画像と共に画像以外の商品情報をキー入力してシステムサーバ2に電送通信する。あるいは電話機95の表示画面96に表示させた商品画像と共に画像以外の商品情報をキー入力してメール送信する。
【0129】
上記の商品画像は、無店舗個人販売業者が携帯電話32により商品15を撮影してファクシミリ93又は電話機95に転送したものである。いずれにしても無店舗個人販売業者として迅速に処理できる方式を選択して、商品情報をシステムサーバ2に送信する。
【産業上の利用可能性】
【0130】
本発明は、テナント店販売促進管理システムに利用することができる。
【符号の説明】
【0131】
1 無線通信ネットワーク
2 システムサーバ
3 国内会員システム
4 外国会員システム
5(5−1、5−2、・・・、5−m) 大型小売店
6(6−1、6−2、・・・、6−n) 一般会社
7(7−1、7−2、・・・、7−p) 大型小売店
8(8−1、8−2、・・・、8−q) 一般会社
9 床面
11 売り場
12 金銭登録機(POSレジ)
13 端末通信装置
14 商品陳列棚
15 商品
16 販売者
17 POSレジ本体装置
18 POSレジ金銭出納部
19 POSレジ表示装置
20 表示枠内蔵デジタルカメラ
21 端末本体装置
22 端末表示装置
23 アンテナ
24(24a、24b) 入出力端子
25 接続配線
26 USBポート
27 有線ポート
28 パーソナルコンピュータ
29 デジタルサイネージ・有機EL
31 USB型フラッシュメモリ
32 携帯電話
33 発券機
34a 左手
34b 右手
35 入力キー
36 裏糊剥離紙付き巻紙
37 商品コード
37a バーコード
37b 二次元コード
38 値札カード
39 ICタグ
41 読取機
42 衣料品の一例としての紳士服上衣
43 皮革製品の一例としてのカバン
44 家具の一例としてのソファー
45 宝石・貴金属の一例としての指輪
46 携帯型電子機器の一例としての一眼レフ電子カメラ
47 生鮮食品の一例としての魚
48 仮想店舗用商品コード
49 剥離紙
50 テナント契約機能
51 保守管理機能
52 課金機能
53 クレジットカード機能
54 ポイント管理機能
55 通貨換金機能
56 電子マネー機能
57 クレジットローン機能
58 配送業務機能
59 マーケティング機能
60 CPU(central processing unit)
61 ROM(read only memory)
62 RAM(Random Access Memory)
63 HD(hard disk)
64 バス
65 記憶部
65−1 DB(data-base)部
65−2 在庫管理サーバ
65−3 CMS(Content Management system)サーバ
65−4 課金管理サーバ
65−5 メールサーバ
66 写真データベース領域
67 ブログ機能
68 I/F(インターフェース)ユニット
69 ネットワークアダプタ
71 端末
72 キーボード/マウス
73 モニタ
74 外部記憶装置
75a、75b 仮想店舗通信網
76 仮想店舗
77 携帯電話版仮想店舗(携帯用仮想店舗)
78 他の仮想店舗
79 他の携帯電話版仮想店舗(他の携帯用仮想店舗)
80 購入者
81 入力端末装置
81−1 パーソナルコンピュータ
81−2 携帯電話
81−3 ポータブルオーデオ
81−4 デジタルサイネージ・有機EL
81−5 PDA(personal digital assistant)端末
81−6 TV
81−7 デジタルカメラ
81−8 デジタルムービー
82(82a、82b、82c、82d) プロバイダ
83 小型端末通信装置
84 本体装置
85 表示装置
86 アンテナ
87 データ入力キー
88(88a、88b) 入出力端子
89 商用電源接続線
90 表示枠内蔵デジタルカメラ
91 USBポート
92 有線ポート
93 ファクシミリ
94 表示画面
95 電話機
96 表示画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テナント店の売り場に設置され、前記テナント店の商品を販売する販売者からの入力により前記商品に関わる少なくとも商品名コード、初期在庫数データ、売価データ、売上数データ等からなる商品情報を記録する商品情報記録装置と、
該商品情報記録装置に有線または無線で排他的に接続され、前記商品情報記録装置に登録された前記商品情報を読み出して該読み出した商品情報に関して仮想店舗に接続する無線通信網を介して通信可能な端末通信装置と、
該端末通信装置の所有会社に所属し、前記端末通信装置と無線通信網を介して通信するサーバと、
を有し、
前記端末通信装置は、前記商品情報を前記サーバに送信した後に、少なくとも、前記仮想店舗に非出品と決定された商品があるときのみ該非出品と決定された前記商品の前記商品情報を前記サーバに送信し、前記非出品と決定された前記商品を除く出品商品の前記商品情報に付加すべく前記出品商品の画像データを前記サーバに送信する処理を行い、
前記サーバは、少なくとも、前記端末通信装置からの通信により前記出品商品の少なくとも前記商品コード、前記初期在庫数データ、前記売価データ、及び前記画像データと、前記テナント店の前記売り場を特定する情報とからなる前記商品情報をデータベースとして記憶部に登録する処理と、
該記憶部に登録された前記商品情報に係わる前記商品を出品商品として展示する前記仮想店舗を前記無線通信網に接続されている仮想店舗受付サイトに登録する処理と、
前記商品の前記仮想店舗における売り上げ情報を取得する処理と、
該取得した売り上げ情報を前記端末通信装置に送信する処理と、
前記売り上げ情報に基づいて前記仮想店舗において前記商品を購入した購入者に対する前記商品の売り上げ代金を課金する処理と、
を行う、
ことを特徴とするテナント店販売促進管理システム。
【請求項2】
前記テナント店は、大型小売店のテナント店、貸店舗業のテナント店、大形流通業の売り場精算所、商品卸売会社の会計部、個人商店の会計部、商品製造工場の会計部、又は無店舗個人販売業者を含むことを特徴とする請求項1記載のテナント店販売促進管理システム。
【請求項3】
前記商品情報記録装置は、金銭登録機、又はパーソナルコンピュータを含む、ことを特徴とする請求項1記載のテナント店販売促進管理システム。
【請求項4】
前記端末通信装置は、少なくとも、内蔵のデジタルカメラ、商品コード発券機、商品コード読取機、商品画像撮影機、言語翻訳機を接続可能な複数の接続ポートを備えている、ことを特徴とする請求項1、2又は3記載のテナント店販売促進管理システム。
【請求項5】
前記端末通信装置は、前記商品情報記録装置に登録されている前記商品のうちから、前記販売者からの入力により見切り販売対象として指定された見切り商品の前記商品コードを読み出し、該商品コードに、見切り品であることを示すデータと、前記販売者から入力された見切り売価データとを付加した見切り情報を生成し、該見切り情報を前記サーバに送信し、
該サーバは、受信した前記見切り情報に基づき、前記見切り商品に、前記記憶部に登録されている前記見切り商品と同一の商品とは異なる商品コードを付与して前記仮想店舗に新たに出品された商品として取扱うよう処理するとともに、前記同一の商品の前記商品情報を前記記憶部の登録から削除するよう処理する、
ことを特徴とする請求項1記載のテナント店販売促進管理システム。
【請求項6】
前記サーバは、前記記憶部に登録された前記商品が前記仮想店舗に展示中に、前記端末通信装置から新たに非出品と決定された商品の商品コードを通知されたとき、商品コードに係わる商品の前記商品情報を前記記憶部の登録から削除するよう処理する、
ことを特徴とする請求項1記載のテナント店販売促進管理システム。
【請求項7】
前記サーバは、前記記憶部に登録された前記商品の前記仮想店舗の在庫数の表示が零表示になったとき、前記商品に関する前記仮想店舗の展示ページを自動的に削除するように処理する、
ことを特徴とする請求項1記載のテナント店販売促進管理システム。

【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−8453(P2011−8453A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−150435(P2009−150435)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(000175250)三浦印刷株式会社 (7)
【出願人】(508240764)
【Fターム(参考)】