説明

テレビジョン受像システム及びプログラム

【課題】記録ディスク再生装置を内蔵した構成において、記録ディスクに関連する情報を無駄な電力を消費することなく確認可能なテレビジョン受像システムを提供することを、その目的とする。
【解決手段】記録ディスク再生装置5で映像コンテンツが含まれない記録ディスク又は音声コンテンツが含まれる記録ディスクを再生するときに表示手段10に対し消費電力を減らすように制御するテレビジョン受像機1の駆動制御手段11は、情報表示装置2の情報表示手段18で記録ディスク再生装置5の記録ディスク再生状態や格納するコンテンツに関連する情報の表示をすることにより映像表示手段10を省電力駆動したままとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビジョン受像システム及びプログラムに関し、より詳細には、記録ディスク再生装置を内蔵したテレビジョン受像機を有するテレビジョン受像システム、及びそのテレビジョン受像システムに組み込むためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ放送を受信して映像・音声を出力するテレビジョン受像機が普及している。一方で、様々なコンテンツを格納したDVD(Digital Versatile Disc)やCD(Compact Disc)等の記録ディスクを装着し、コンテンツを再生する記録ディスク再生装置も普及している。この記録ディスク再生装置は、表示モニタに接続し、その表示モニタに映像を再生表示している。そして、このような記録ディスク再生装置は、テレビジョン受像機に内蔵されているものもある。
【0003】
特許文献1には、そのような記録ディスク再生装置を内蔵したテレビジョン受像機において、映像コンテンツが含まれない記録ディスク又は音声コンテンツが含まれる記録ディスクを再生するときに、表示手段を省電力駆動することを可能にする技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−166301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、記録ディスク再生装置を内蔵したテレビジョン受像機において、映像コンテンツが含まれない記録ディスク又は音声コンテンツが含まれる記録ディスクを再生し表示手段を省電力駆動している場合、格納されているコンテンツに関連する情報や再生状態などの情報を確認したくても表示がオフされているので確認出来ない、もしくはその確認をしようとすると省電力にはならなくなってしまうという問題がある。
【0006】
また、上記テレビジョン受像機を電源オフしている時に、内蔵している記録ディスク再生装置の中に入っている記録ディスクの内容を確認したいケースがあると思うが、その場合はテレビジョン受像機の電源をオンして、モニタ上にその記録ディスクの中身を表示させるか、その記録ディスクを取り出すかして確認するしかなく、そのために無駄な電力を消費してしまうという問題及びユーザがそういう動作をしなければならないという煩わしさが発生する。
【0007】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであり、記録ディスク再生装置を内蔵した構成において、記録ディスクに関連する情報を無駄な電力を消費することなく確認可能なテレビジョン受像システム、及びそのテレビジョン受像システムに実行可能に組み込むためのプログラムを提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明のテレビジョン受像システムは、内蔵される記録ディスク再生装置と、映像を表示する映像表示手段と、音声を出力する音声出力手段と、少なくとも前記映像表示手段及び前記音声出力手段を制御する本体側制御手段と、前記記録ディスク再生装置で映像コンテンツが含まれない記録ディスク又は音声コンテンツが含まれる記録ディスクを再生するときに前記映像表示手段に対し消費電力を減らすように制御する駆動制御手段と、前記記録ディスク再生装置の記録ディスク再生状態や格納するコンテンツに関連する情報を転送する第1の通信手段とを有するテレビジョン受像機と、前記テレビジョン受像機から前記情報を受信する第2の通信手段と、前記情報を表示する情報表示手段と、前記情報表示手段を制御する情報制御手段とを有する情報表示装置とを備え、前記駆動制御手段は、前記情報表示手段で前記情報の表示をすることにより前記映像表示手段を省電力駆動したままとすることを特徴とする。
【0009】
さらに本発明のテレビジョン受像システムは、前記情報表示装置に記憶手段を有し、前記情報制御手段は、前記記録ディスク再生装置に格納されているコンテンツに関連する情報を前記テレビジョン受像機の電源オン時に受信して前記記憶手段に記憶させ、前記テレビジョン受像機を電源オフしている時でも前記コンテンツに関連する情報を前記情報表示手段で確認出来るように制御することを特徴とする。
さらに本発明のテレビジョン受像システムは、前記駆動制御手段が消費電力を減らすように制御する場合、前記情報制御手段は、前記情報表示手段にテレビジョン受像機本体が消灯モードであることを表示させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明のプログラムは、テレビジョン受像システムに組み込むプログラムであって、前記本体側制御手段として、コンピュータを機能させるためのプログラムである。
また、本発明のプログラムは、テレビジョン受像システムに組み込むプログラムであって、前記情報制御手段として、コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、記録ディスク再生装置を内蔵したテレビジョン受像システムにおいて、映像コンテンツが含まれない記録ディスク又は音声コンテンツが含まれる記録ディスクを再生するときに、映像表示手段を省電力駆動したまま、格納されているコンテンツに関連する情報や記録ディスク再生状態などの情報を確認することを可能とする。
【0012】
また、内蔵している記録ディスク再生装置の中に入っている記録ディスクの内容を、テレビモニタに代わる情報の表示手段で常に確認することが出来るので、テレビジョン受像機を電源オフしている時でも電源オンして無駄な電力を消費することなく情報を確認出来るという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係るテレビジョン受像システムの回路構成例を示すブロック図である。
【図2】図1のテレビジョン受像システムにおける記録ディスク再生処理の一例を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を実施するための形態を説明する。
【0015】
本発明に係るテレビジョン受像機(以下、テレビという)は、DVD再生機器、CD再生機器、DVD/CD再生機器、BD(Blu−ray Disc)再生機器、ハードディスク(HDD)レコーダ等の、各種デジタル記録ディスク再生装置(或いはデジタル記録ディスク記録再生装置)が一体に組み込まれたものである。ここで、DVD再生機器やDVD/CD再生機器が組み込まれたテレビとしては、設置型に限らず、ポータブルDVDプレーヤ等の可搬型であっても本発明に適用可能である。本発明に係るテレビは、一般的なものと同様に、映像を表示する表示手段と、音声を出力する音声出力手段と、少なくとも表示手段及び音声出力手段を制御する本体側制御手段を備える。
【0016】
テレビに記録ディスク再生装置が搭載される際、コスト面及びシステム設計の困難さから記録ディスク再生装置の完成品が移植される形態で組み込まれる。この場合、テレビの各部位はテレビ自身のマイクロコンピュータ(マイコン)等の制御手段(本体側制御手段)によって制御され、記録ディスク再生装置はテレビ側のマイコンとの信号のやり取りを行う自身のマイコン等の再生装置側制御手段によって内包される各部位が制御される。これにより、テレビ側のマイコンで記録ディスク再生装置側での再生処理も制御するといったシステム設計上の困難さは解消される。ここで、テレビ側のマイコンと再生装置側のマイコンとの主従は問わず、あらかじめ決めておけば、マイコン同士で通信してお互いを把握しながら、ユーザ操作を受け付けて処理を実行すればよいだけである。
【0017】
以下、記録ディスク再生装置として、DVD/CDドライブ及びハードディスクドライブ(HDD)の混載型の録画再生装置を挙げ、テレビとして液晶テレビを挙げて例示するが、例えばPDPや有機EL(electro luminescence)ディスプレイ等を適用した場合や他の組み合わせも特に但し書きしない場合、同様に適用できる。この例では、録画再生装置は、液晶テレビ本体の表示手段及び音声出力手段に、記録ディスクに記録されたコンテンツを再生出力する再生手段を有し、その再生手段として、記録ディスクとしてDVD、CD、HDDに記録されたコンテンツを再生出力するそれぞれの手段を有する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係るテレビジョン受像システムの回路構成例を示すブロック図で、図中、1はテレビの一例としての記録ディスク再生装置内蔵テレビ、15は記録ディスク再生装置内蔵テレビ1のシステムマイコン、5は記録ディスク再生装置、6は記録ディスク再生装置5用のマイコンである。
【0019】
記録ディスク再生装置内蔵テレビ1は、テレビ放送受信アンテナ3、放送受信回路4、入力ソース切換回路7、映像信号処理回路8、表示タイミングコントローラ9、液晶表示パネル10、バックライト制御回路11、バックライト12、音声信号処理回路13、内蔵スピーカ14、テレビ内無線送受信回路16、本体操作部17を備える。また、基本的にはユーザがテレビの操作を行うリモコン2を付属し、それにはリモコン内表示手段18、リモコン内無線送受信回路20、リモコン内記憶手段21、及びそれらを制御するリモコン用マイコン19を備える。
【0020】
テレビ放送受信アンテナ3はテレビ放送信号を受信し、放送受信回路4は受信したテレビ放送信号に基づき映像信号及び音声信号を出力する。放送受信回路4は、受信するチャンネルに同調を行うチューナ、復調を行うために受信信号をIF(Intermediate Frequency)信号の周波数まで引き下げるIF回路、映像信号を復調する映像信号復調回路、及び音声信号を復調する音声信号復調回路などで構成される。
【0021】
入力ソース切換回路7は、放送受信回路4、または記録ディスク再生装置5、または図示しない外部映像信号入力端子及び外部音声信号入力端子のいずれかから入力される映像・音声信号を、映像信号処理回路8及び音声信号処理回路13へ出力する切り換えを行う。この切り換えは、ユーザ操作のリモコン2より受けたテレビ内無線送受信回路16からの制御信号やテレビ本体操作部17からの制御信号に基づき、システムマイコン15からの制御により実行される。
【0022】
映像信号処理回路8は、システムマイコン15からの制御により、入力ソース切換回路7から入力された映像信号に対し、各種映像処理を施し、処理後の信号を表示タイミングコントローラ9に渡す。表示タイミングコントローラ9は、システムマイコン15からの制御により、液晶表示パネル10に対する表示制御を行う。液晶表示パネル10は、その表示制御に基づき映像を表示する。
【0023】
一方で、バックライト制御回路11はバックライト12の点灯を制御する。バックライト12により発光された光は、液晶表示パネル10を背面から照射し、これによりユーザが映像を視認できるようになる。ここで、上述した表示手段としては、液晶表示パネル10、表示タイミングコントローラ9、映像信号処理回路8、バックライト12、及びバックライト制御回路11が該当する。
【0024】
音声信号処理回路13は、システムマイコン15からのボリュームコントロール信号等による制御で、入力ソース切換回路7から入力された音声信号に対し、各種音声処理を施し、処理後の信号を内蔵スピーカ14に渡す。ここで、上述した音声出力手段としては、音声信号処理回路13、内蔵スピーカ14が該当する。
【0025】
本体操作部17は、チャンネル切換、入力切換、モード切換、音量調整、バックライト12の輝度調整等の各種設定など、様々なユーザ操作を受け付けるキーやボタンでなる部分で、タッチパネルで構成してもよい。本体操作部17で入力された操作の信号はシステムマイコン15に伝送される。テレビ内無線送受信回路16は、リモコン2による上記同様のユーザ操作の信号を受信し、システムマイコン15に伝送する。ここで、ユーザ操作入力手段としては、本体操作部17やリモコン2が該当する。
【0026】
記録ディスク再生装置5には、再生対象の記録ディスクに格納されているコンテンツが映像を含むものであるか否かを判別するディスク判別手段を備えるものとする。従って、上述の再生装置側制御手段は、このディスク判別手段の制御も行う。なお、ここでは再生装置側制御手段を記録ディスク再生装置用マイコン6で例示し、ディスク判別手段の最終的な判別を実行するプログラムが記録ディスク再生装置用マイコン6のROMなどに実行可能に格納されているものとして例示する。
【0027】
ディスク判別手段は、再生対象の記録ディスクの種類を判別することにより、格納されているコンテンツに対する映像の有無を判別するようにすることが好ましい。例えば、オーディオCDやDVDなどの記録ディスクから読み出したTOC(Table Of Contents)情報に基づき、記録ディスク再生装置5に装着されたメディアの種別を判別する。
【0028】
そして、本体側制御手段は、ディスク判別手段での判別の結果、映像を含まないコンテンツのみが格納された記録ディスクが再生対象となっている場合、表示手段に対し消費電力を減らすように制御する駆動制御手段を有するものとする。ディスク判別手段での判別の結果は、再生装置側制御手段が信号として本体側制御手段に伝えるとよい。すなわち、記録ディスク再生装置用マイコン6が判別結果信号をシステムマイコン15に伝えるとよい。
【0029】
ここで、消費電力を減らすような駆動とは、消費電力を低くするように或いは無くすように減ずるような駆動を指し、この例での液晶表示装置の場合には、システムマイコン15がバックライト制御回路11に対してバックライト12の輝度を減らす或いは無くすといった制御を実行させる。なお、液晶表示装置を採用しない構成においても、何らかの省電力を導く制御であればよい。以下、バックライト制御回路11の制御により消費電力を低く或いは無くす例で説明する。
【0030】
一般的に、DVDには映像信号が含まれ、CDには映像信号が含まれないので、CDを再生する場合には駆動制御手段で消費電力を減じ、DVDを再生する場合には消費電力をそのままにするような制御を行えばよい。例えば、シンプルに、ディスク判別手段でオーディオCDを検出したらバックライト制御回路11の省電力制御を行えばよい。
【0031】
上述の駆動制御手段は、ディスク判別手段での判別の結果、映像を含まないコンテンツのみが格納された記録ディスクが再生対象となっている場合、表示手段に対し消費電力を減らすように制御するものとして説明したが、例えば、CDでも映像が入っているものは、例えば映像が再生されていないときだけ駆動制御手段で消費電力を減じればよい。このように、駆動制御手段は、ディスク判別手段での判別の結果、映像を含まないコンテンツを少なくとも1つ格納された記録ディスクが再生対象となり且つ映像を含まないコンテンツが再生されている場合、表示手段に対し消費電力を減らすように制御するようにすればよい。
【0032】
また、上述の駆動制御手段は、表示手段に対し消費電力を減らすように制御することを実行するか否か、予めユーザに設定させる駆動制御設定手段を有することが好ましい。このユーザ設定も本体操作部17やリモコン2から、操作信号がシステムマイコン15に入力されることにより実行するとよい。
【0033】
例えば、駆動制御設定手段がメニューモードを表示するよう表示手段を制御し、それに基づきユーザが予め設定できるようにすればよい。さらに、駆動制御設定手段では、例えば、DVDオーディオやCD等のオーディオメインのソースの場合には、駆動制御手段における上述のごとき省電力のための制御を実行するといったユーザ設定も可能としておくとよい。なお、DVDオーディオとしては、高品位オーディオと一緒に楽しめる静止画やビデオクリップ、ライブシーン、インタビュー映像などを収録することもできる。また、DVDオーディオの音声は通常、専用の再生装置でないと再生できないが、通常のプレーヤでも再生できるように「ビデオ互換楽曲」なるものが収録されていることもある。このようにDVDオーディオには映像が存在するので、上述のごときユーザ設定を可能とすることでこのような場合にも省電力制御が実行されるようにする。
【0034】
記録ディスク再生機能とテレビ受信機能を複合化させた記録ディスク内蔵テレビ1では、複合化により、再生対象の記録ディスクが映像信号を伴うDVD再生なのか、それとも映像信号を持たないオーディオ信号のみのメディア再生なのかといった記録ディスク再生装置5の情報が記録ディスク再生装置用マイコン6経由でシステムマイコン15が把握し易く、液晶表示パネル10の表示画面に映像を表示するのが良いのか不要なのかの判定がし易くなる。同様に、記録ディスクの格納されているコンテンツに関連する情報も、容易にシステムマイコンが取得出来る。
【0035】
ユーザ操作入力手段によりユーザ操作が入力された場合、駆動制御手段は、表示手段に対し消費電力を減らすような駆動を中止して復帰する手段が設けられており、このような復帰により、バックライト12の輝度制御を復帰させ、液晶表示パネル10への映像表示またはOSD表示をさせる。しかし、従来例では、省電力駆動中に、記録ディスク再生装置5で再生されている記録ディスクの再生状態や格納されているコンテンツに関連する情報を表示させたい場合も上記復帰手段により通常駆動に戻ってしまい、省電力駆動にならなくなってしまう。
【0036】
そこで、本発明の実施形態では、テレビ内無線送受信回路16が、記録ディスク再生装置用マイコン6から、再生されている記録ディスクの再生状態や格納されているコンテンツに関連する情報を、システムマイコン15を介して受け取り、その情報をリモコン内無線送受信回路20に転送し、リモコン用マイコン19を介して、リモコン内表示手段18にそれらの情報を表示させる。そうすることでユーザが再生されている記録ディスクの再生状態や格納されているコンテンツに関連する情報を確認したい場合も省電力駆動を保つことが可能となる。
【0037】
また、リモコン用マイコン19を介して、格納されているコンテンツに関連する情報をリモコン内記憶手段21に記憶させておき、記録ディスク再生装置内蔵テレビ1が電源オフされてもユーザが記録ディスク再生装置内に入れていた記録ディスクの内容を容易に確認出来るようにし、テレビの電源をオンしてモニタ上にその記録ディスクの中身を表示させたり、その記録ディスクを取り出したりして無駄な電力を消費することを防ぐことが可能となり、ユーザがそういった煩わしい記録ディスクの中身の確認の仕方をなくすことも出来る。
【0038】
このように従来技術よりもさらなる消費電力の低減を実現し、結果的にはバックライト12のランプの寿命向上にも結びつき、省エネ、長寿命化、及び使い勝手の向上が可能となる。
【0039】
もちろん、入力ソースの切り換わりや、本体操作部17やリモコン2からユーザ操作信号の入力で映像メニュー操作イベントがあった場合には、記録ディスク再生装置内蔵テレビ1の表示の必要性が生じた段階で、自動的にバックライト12の輝度を通常に戻すように制御する手段も備える。
【0040】
また、従来例で、例えば上述の駆動制御設定手段でユーザがオーディオソースのときはバックライトを消灯するようにユーザ設定していたとしても、長い間には設定した本人がその事実を忘れることは間々あることで、記録ディスク再生装置内蔵テレビ1の故障と間違われなくするために、記録ディスク再生装置内蔵テレビ1は上述の駆動制御手段で表示手段に対し消費電力を減らすように制御する際に、併せて、故障時とは異なる点滅周期で発光させるLED等の発光手段を備え、バックライト12が消灯モードであることをLED表示することで、ユーザに視認させるようにしているが、本発明では、記録ディスク再生装置内蔵テレビ1の状態は、無線によりリモコン2に知らせることが出来るため、従来例のような消灯モードであることをユーザに視認させる手段をリモコン2に設けても良い。
【0041】
図2は、図1のテレビジョン受像システムにおける記録ディスク再生処理の一例を説明するためのフロー図である。記録ディスク再生装置内蔵テレビ1は、上述のごとき構成により記録ディスク再生処理を、例えば以下の手順で実行する。
【0042】
まず、システムマイコン15が放送受信回路4で受信したテレビ番組を表示するか否かを、ユーザ操作又はデフォルト設定値に基づき発せられる入力ソース切換回路7への切換指示信号などに基づいて判定し(ステップS1)、テレビ番組を表示している場合には、受信した映像を液晶表示パネル10へ表示させる制御を行う(ステップS2)。このとき当然バックライト12は通常点灯となる。
【0043】
ステップS1でNOの場合、記録ディスク再生装置5によるメディア再生を実行するのか否かを、ユーザ操作(記録ディスク挿入操作も含む)などに基づいて発せられる入力ソース切換回路7への切換指示信号などに基づいて判定する(ステップS3)。記録ディスクのメディアを再生する場合には、まず、記録ディスク再生装置用マイコン6が記録ディスク判定手段によってメディア判別を実行して(ステップS4)、映像の有無を判定する(ステップS5)。ステップS5の結果は、システムマイコン15に通知される。そして、映像が有りの場合、再生映像を液晶表示パネル10に出力する(ステップS6)。
【0044】
一方、映像が無かった場合、並びにステップS3でメディア再生でない場合(すなわち何も実行しない場合)には、システムマイコン15はバックライト12がオフとなるようバックライト制御回路11を制御する(ステップS7)。続いて、システムマイコン15は、記録ディスク再生装置用マイコン6から格納されているコンテンツに関連する情報や再生状態などの情報を受け取り、テレビ内無線送受信回路16にその情報を送信する(ステップS8)。リモコン内無線送受信回路20がその情報を受信し、リモコン用マイコン19を介して、リモコン内表示手段18での情報表示及びリモコン内記憶手段21への情報の書き込みを行う(ステップS9)。
【0045】
続いて、システムマイコン15は、記録ディスク再生装置用マイコン6からの再生情報や、本体操作部17またはテレビ内無線送受信回路16からの信号によるユーザ操作情報に基づいて、選曲されたかどうかを判定する(ステップS10)。ステップS10で選曲がなされたと判定した場合、ステップS5に戻る。また、システムマイコン15は、本体操作部17またはテレビ内無線送受信回路16からの信号によるユーザ操作情報に基づいて、入力切換されたかどうかを判定する(ステップS11)。ステップS11で入力切換がなされたと判定した場合、ステップS1に戻る。
【0046】
また、システムマイコン15は、本体操作部17またはテレビ内無線送受信回路16からの信号によるユーザ操作情報に基づいて、映像メニュー操作イベントが発生したかどうかを判定する(ステップS12)。映像メニュー操作イベントが発生した場合は、バックライト12がオン(復帰)となるようバックライト制御回路11を制御すると共に、ユーザ操作に関連するOSD表示を行う制御を実行する(ステップS13)。ステップS10及びステップS11及びステップS12はそのイベントが発生するまで繰り返すことになる。
【0047】
以上、図1及び図2を参照しながら、本発明のテレビジョン受像システムについて各実施形態を挙げて説明してきたが、本発明は、上述した各実施形態におけるテレビジョン受像機(記録ディスク再生装置内蔵テレビ1等)に組み込み、テレビジョン受像機のコンピュータ(システムマイコン15等)を、本体側制御手段として機能させるためのプログラムとしての形態も採用できる。また、本発明は、上述した各実施形態におけるテレビモニタに代わる情報の表示手段を備える装置(リモコン2等)に組み込み、リモコン2のコンピュータ(リモコン用マイコン19等)を、テレビモニタに代わる情報の表示手段を備える装置の制御手段として機能させるためのプログラムとしての形態も採用できる。これらのプログラムは、システムマイコン15(或いはリモコン用マイコン19)内のROMに格納され、同じく内部のCPUによって内部のRAMに読み出されて実行される。
【0048】
また、本発明は、いずれか又は双方のプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体としての形態も採用してもよい。ここでの記録媒体としては、具体的には、各種のCD,MO(光磁気ディスク),DVD,FD,フラッシュメモリや、その他各種ROMやRAM等が想定でき、上述したプログラムを、これら記録媒体に記録して流通させることにより、当機能の実現を容易にする。そして、テレビジョン受像機又はテレビジョン受像機に接続されたPCなどに、上述のごとくの記録媒体を装着してそのプログラムを読み出すか、若しくはテレビジョン受像システムが備えている記録媒体(システムマイコン15内のROMやリモコン用マイコン19内のROM等)にそのプログラムを記憶させておき、必要に応じてこれを読み出すことにより、本発明に係わる機能を実行することができる。
【0049】
また、上記各実施形態では、テレビモニタに代わる情報の表示手段を備える装置として、リモコン2を例示してきたが、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)やパーソナルコンピュータまたはテレビの小窓(テレビ本体に小さな画面がもうひとつ付いているもの)などのようなものであっても良い。
【符号の説明】
【0050】
1 記録ディスク再生装置内蔵テレビ
2 リモコン
3 テレビ放送受信用アンテナ
4 放送受信回路
5 記録ディスク再生装置
6 記録ディスク再生装置用マイコン
7 入力ソース切換回路
8 映像信号処理回路
9 表示タイミングコントローラ
10 液晶表示パネル
11 バックライト制御回路
12 バックライト
13 音声信号処理回路
14 内蔵スピーカ
15 システムマイコン
16 テレビ内無線送受信回路
17 本体操作部
18 リモコン内表示手段
19 リモコン用マイコン
20 リモコン内無線送受信回路
21 リモコン内記憶手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内蔵される記録ディスク再生装置と、映像を表示する映像表示手段と、音声を出力する音声出力手段と、少なくとも前記映像表示手段及び前記音声出力手段を制御する本体側制御手段と、前記記録ディスク再生装置で映像コンテンツが含まれない記録ディスク又は音声コンテンツが含まれる記録ディスクを再生するときに前記映像表示手段に対し消費電力を減らすように制御する駆動制御手段と、前記記録ディスク再生装置の記録ディスク再生状態や格納するコンテンツに関連する情報を転送する第1の通信手段とを有するテレビジョン受像機と、
前記テレビジョン受像機から前記情報を受信する第2の通信手段と、前記情報を表示する情報表示手段と、前記情報表示手段を制御する情報制御手段とを有する情報表示装置とを備え、
前記駆動制御手段は、前記情報表示手段で前記情報の表示をすることにより前記映像表示手段を省電力駆動したままとすることを特徴とするテレビジョン受像システム。
【請求項2】
請求項1に記載のテレビジョン受像システムにおいて、
前記情報表示装置に記憶手段を有し、前記情報制御手段は、前記記録ディスク再生装置に格納されているコンテンツに関連する情報を前記テレビジョン受像機の電源オン時に受信して前記記憶手段に記憶させ、前記テレビジョン受像機を電源オフしている時でも前記コンテンツに関連する情報を前記情報表示手段で確認出来るように制御することを特徴とするテレビジョン受像システム。
【請求項3】
請求項1に記載のテレビジョン受像システムにおいて、
前記駆動制御手段が消費電力を減らすように制御する場合、前記情報制御手段は、前記情報表示手段にテレビジョン受像機本体が消灯モードであることを表示させることを特徴とするテレビジョン受像システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のテレビジョン受像システムに組み込むプログラムであって、前記本体側制御手段として、コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のテレビジョン受像システムに組み込むプログラムであって、前記情報制御手段として、コンピュータを機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−283493(P2010−283493A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−133846(P2009−133846)
【出願日】平成21年6月3日(2009.6.3)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】