説明

テレビジョン座標検出装置

【課題】テレビジョン画面上の座標を正確に検出する手段がこれまでに無かった。
【解決手段】エリアごとに発光を制御し、その明滅によってエリアごとに異なる情報を発信する画像表示装置と、画像表示装置の画面上にあるエリアを指し示すとともに指し示したエリアが発信する情報を受信するポインティングデバイスとを備え、ポインティングデバイスが受信した情報によってポインティングデバイスが指し示しているエリアを特定し、画面上の座標を正確に検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置上の点の座標を検出する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
これまでに、さまざまなテレビジョン用のポインティングデバイスが提案されている。
【0003】
例えば、特開平11−95911が一例として挙げられる。
【0004】
その他に、テレビジョン用のポインティングデバイスとして広く普及している方式には、ブラウン管を用いた画像表示装置において、走査に要する時間をもとに画像表示装置上の点の座標を算出する方法などがある。
【0005】
この方式について、図3を用いて説明する。
【0006】
図3はブラウン管を用いた画像表示装置500において、ポインティングデバイス600が指す画面上の座標を検出する装置の概要図である。
【0007】
500はブラウン管を用いた画像表示装置である。
【0008】
600はポインティングデバイスであって、本デバイスの使用者によって押下されるボタン601と、図示しない光センサと、図示しない時間計測手段とを有する。
【0009】
ポインティングデバイス600は、画像表示装置500の画面上の一点を指し示すとともに、ボタン601が押下されると画像表示装置500に画面を光らせるように指示を出す。
【0010】
ブラウン管の画面は図示したように走査され、画面上の点Cに到達すると、点Cを指し示しているポインティングデバイス600に内蔵した光センサで検知される。
【0011】
走査は一定の速度で行われるため、画面を光らせるように指示を出してから、その光が検知されるまでの時間を計測すれば、点Cの画面上の座標を算出することができる。
【特許文献1】特開平11−95911号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
近年、テレビジョンは視聴するだけの従来の使い方だけではなく、インタラクティブに操作する使い方が増えているため、パーソナルコンピュータにおけるマウスのような、テレビジョン用のポインティングデバイスが求められている。これを実現するためには、ポインティングデバイスが指し示す画像表示装置上の座標を正確に検出する必要がある。
【0013】
また、近年はブラウン管を用いた画像表示装置に代わって、液晶ディスプレイ、PDPなどの画像表示装置が普及している。これらの画像表示装置では走査による画像表示を行わないため、上述したような走査時間をもとにした座標検出ができない。また、画像表示装置に画質調整回路が組み込まれている場合などは、その回路における処理時間の遅延が発生し、走査時間をもとにした座標検出はその精度が低くなる課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0014】
そこで本発明では、液晶ディスプレイやPDPなどの画像表示装置が表示エリアや画素単位で発光を制御できることを利用して、人間の目では判別できない短い周期で明滅させることによって、画像を表示しながら、表示エリアや画素ごとに異なる情報を発信する。ポインティングデバイスは画面上の一点を指し示すとともに、指し示した表示エリアや画素が発信する情報を受信し、この受信した情報をもとにして、指し示した表示画面上の座標を算出する。
【発明の効果】
【0015】
上記よって、ポインティングデバイスが指し示す画像表示装置上の座標を正確に算出することができるので、精度が高く、操作性に優れたポインティングデバイスを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(実施の形態1)
本発明にかかる実施の形態1について、図1を用いて説明する。
【0017】
図1は本発明における画像表示装置100上の座標を検出する装置の概要図である。
【0018】
100は画像表示装置であって、テレビジョンとしての画像表示機能を備えるとともに、画素ごとに発光を制御して、その明滅によって異なる情報を発信する。
【0019】
なお、発光を制御するのは画素単位であってもよいし、複数の画素から構成されるエリアであってもよい。また、液晶ディスプレイのように発光源がバックライトであって、画素単位で発光しない場合には、そのバックライトの明滅であってもよい。また、発光は可視光以外の紫外線、赤外線、陰極線等であってもよい。
【0020】
200はポインティングデバイスであって、画像表示装置100の画面上の一点を指し示すとともに、指し示した点が発信する情報を受信する。受信した情報は画素ごとに異なるため、指し示した点の座標を特定することができる。
【0021】
図1では画素Aと画素Bの発する情報が異なることを示しており、画素の明滅を簡易的に波形で表記している。ポインティングデバイス200が画素Aを指している場合、ポインティングデバイス200は画素Aが発する情報を受信する。この情報によって、ポインティングデバイス200が画素Aを指していることがわかる。
【0022】
(実施の形態2)
一般的に画像表示装置100で表示する画像の輝度が常に高いとは限らない。
【0023】
実施の形態1において可視光で座標情報を伝達する場合、画像の輝度が低いとポインティングデバイス200側で正しく情報を受信できない怖れがある。実施の形態2は、このように表示する画像の輝度が低く、かつ画像表示装置100が可視光によって情報を送信する場合にポインティングデバイス200が正しく情報を受信できないことを防ぐものである。
【0024】
本発明にかかる実施の形態2について、図2を用いて説明する。
【0025】
図2は本発明における画像表示装置300上の座標を検出する装置の第二の概要図である。
【0026】
300は画像表示装置であって、テレビジョンとしての画像表示機能を備えるとともに、画素ごとに発光を制御して、その明滅によって異なる情報を発信する。
【0027】
なお、発光を制御するのは画素単位であってもよいし、複数の画素から構成されるエリアであってもよい。また、液晶ディスプレイのように発光源がバックライトであって、画素単位で発光しない場合には、そのバックライトの明滅であってもよい。また、発光は可視光以外の紫外線、赤外線、陰極線等であってもよい。
【0028】
400はポインティングデバイスであって、画像表示装置300の画面上の一点を指し示すとともに、指し示した点が発信する情報を受信する。
【0029】
410はポインティングデバイスを構成する一つの部品であり、ポインティングデバイス400の使用者によって押下されるボタンである。ボタンの押下は画像表示装置300に伝達される。
【0030】
なお、この伝達は一般的なリモートコントローラで使われる赤外線による通信であってもよいし、Bluetooth(登録商標)などの無線通信であってもよいし、電導線などの有線通信であってもよい。
【0031】
画像表示装置300は、ボタン410が押下されたことを検知すると画面の輝度を一時的に上げることによって、ボタンの押下があったことをポインティングデバイス400の使用者に知らせるとともに、ポインティングデバイス400が正しく座標情報を受信できるようにする。
【0032】
受信した情報は画素ごとに異なるため、ボタン401が押下されたときにポインティングデバイス400が指し示していた点の座標を特定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明にかかるテレビジョン座標検出装置は、パーソナルコンピュータにおけるマウスと同様に、テレビジョンにおけるポインティングデバイス等として有用である。また、本発明にかかるテレビジョン座標検出装置は、画面のタッチセンサの代用としても適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態1におけるテレビジョン座標検出装置の概観を示した図
【図2】本発明の実施の形態2におけるテレビジョン座標検出装置の概観を示した図
【図3】従来例におけるテレビジョン座標検出装置の概観を示した図
【符号の説明】
【0035】
100、300、500 画像表示装置
200、400、600 ポインティングデバイス
410、610 ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エリアごとに発光を制御し、その明滅によってエリアごとに異なる情報を発信する画像表示装置と、画像表示装置の画面上にあるエリアを指し示すとともに指し示したエリアが発信する情報を受信するポインティングデバイスとを備え、ポインティングデバイスが受信した情報によってポインティングデバイスが指し示しているエリアを特定し、画面上の座標を正確に検出すること特徴とするテレビジョン座標検出装置。
【請求項2】
明滅を人間の目で判別できない短い周期で行うことによって、表示している画像に影響を与えずに画面上の座標を正確に検出することを特徴とする請求項1に記載のテレビジョン座標検出装置。
【請求項3】
ポインティングデバイスがさらにユーザによって押下されるボタンを備え、ボタンの押下によって一時的に画面を光らせ、表示画像の輝度が低い場合でもボタンが押下された時点でポインティングデバイスが指し示しているエリアを特定し、画面上の座標を正確に検出すること特徴とする請求項1に記載のテレビジョン座標検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−156943(P2007−156943A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−352970(P2005−352970)
【出願日】平成17年12月7日(2005.12.7)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】