説明

テレビ会議システム

【課題】テレビ会議を録画した視聴用データを視聴する際のセキュリティが強化され、許可されたユーザのみが視聴用データを視聴可能であるテレビ会議システムを提供する。
【解決手段】テレビ会議システムの配信サーバ(22)は、テレビ会議の映像データ及び音声データからなるコンテンツ並びに識別データを取得し、取得したコンテンツに識別データを付加してコンテンツ及び識別データを含む視聴用データを作成し、視聴用データを配信可能に記憶する。そして、配信サーバ(22)は、識別データの各々について、識別データを含む視聴用データの視聴が許可される視聴許可者を対応付けて記憶しており、視聴用データの配信の要求を受けた場合に、利用者端末(14)の利用者に認証を要求し、利用者が認証に成功し、且つ、利用者が、識別データに対応付けられた視聴許可者に一致するときのみ、視聴用データを利用者端末(14)に配信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はテレビ会議システムに関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ会議システムは、複数のテレビ会議端末を備え、各テレビ会議端末は、通信網を介してMCU(多地点接続装置:Multi point Control Unit)に接続される。MCUは、テレビ会議端末間での映像データ及び音声データの通信を制御する。
【0003】
またテレビ会議システムには、会議内容を記録するための録画装置を備えているものがある。テレビ会議システムの利用者は、例えば自分の端末上で、録画装置に記録された会議を視聴することが可能である。
【0004】
そのために、例えば特許文献1が開示するテレビ会議システムは、グループウェアと連携するテレビ会議予約・実施制御・記録制御装置、及び、コンテンツ蓄積・再生・配信装置を備えている。
具体的には、テレビ会議予約・実施制御・記録制御装置の情報記憶部は、テレビ会議予約・実施制御・記録制御装置の予約ID、グループウェアの予約ID、及び、コンテンツ蓄積・再生・配信装置に蓄積されたコンテンツの情報を対応付けて記憶する。そして、テレビ会議予約・実施制御・記録制御装置のグループウェア連携部は、情報記憶部が記憶する情報に基づいて、グループウェアと連携する。これにより、テレビ会議の予約やテレビ会議記録の再生及び編集をグループウェアから行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−66794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1が開示するテレビ会議システムにおいては、視聴を許可していない利用者がコンテンツ蓄積部のコンテンツへアクセスする虞があり、セキュリティ上の問題がある。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされ、その目的とするところは、テレビ会議を録画した視聴用データを視聴する際のセキュリティが強化され、許可されたユーザのみが視聴用データを視聴可能であるテレビ会議システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一態様によれば、ネットワークにそれぞれ接続された1つ以上の利用者端末及び複数のテレビ会議端末と、前記利用者端末を介してテレビ会議の識別データを含む予約データを取得する予約データ取得手段と、前記ネットワークを通じて前記テレビ会議端末を遠隔操作する遠隔操作手段と、前記遠隔操作手段を利用して、前記予約データに基づき前記テレビ会議端末を作動させる端末制御手段と、前記テレビ会議の映像データ及び音声データからなるコンテンツ並びに前記識別データを取得し、取得した前記コンテンツに前記識別データを付加して前記コンテンツ及び前記識別データを含む視聴用データを作成し、前記視聴用データを配信可能に記憶する配信サーバとを備え、前記配信サーバは、前記識別データの各々について、前記識別データを含む前記視聴用データの視聴が許可される視聴許可者を対応付けて記憶しており、前記利用者端末の利用者が前記視聴用データの視聴を要求する場合に、前記利用者端末の利用者に認証を要求し、前記利用者が前記認証に成功し、且つ、前記利用者が、前記視聴用データに含まれる前記識別データに対応付けられた前記視聴許可者に一致するときのみ、前記視聴用データを前記利用者端末に配信する、テレビ会議システムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、テレビ会議を録画した視聴用データを視聴する際のセキュリティが強化され、許可されたユーザのみが視聴用データを視聴可能であるテレビ会議システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】一実施形態のテレビ会議システムの概略的な構成を示すブロック図である。
【図2】図1のテレビ会議システムにおける、視聴用データ作成時の処理手順の一部を概略的に示すフローチャート図である。
【図3】図2のフローチャート図に続く、視聴用データ作成時の処理手順の一部を概略的に示すフローチャート図である。
【図4】図3のフローチャート図に続く、視聴用データ作成時の処理手順の一部を概略的に示すフローチャート図である。
【図5】図1のテレビ会議システムにおける、視聴用データ視聴時の処理手順の一部を概略的に示すフローチャート図である。
【図6】図5のフローチャート図に続く、視聴用データ視聴時の処理手順の一部を概略的に示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態のテレビ会議システムについて説明する。
テレビ会議システムは、例えば拠点Aに設置された中央制御装置10を備えている。中央制御装置10は、拠点A内のLAN(ローカルエリアネットワーク)12aに接続され、LAN12aを介して、利用者端末14a、テレビ会議端末16a、MCU(Multipoint Control Unit:多地点接続装置)18、録画装置20、配信サーバ22、及び、LDAP(Lightweight Directory Access Protocol:ライトウェイトディレクトリアクセスプロトコル)認証サーバ24に接続されている。
なお、テレビ会議端末16aは、LAN12aのみならば、AVケーブル(映像・音声用ケーブル)25を介して、録画装置20と接続されている。
【0012】
一方、拠点AのLAN12aは、インターネット26を介し、拠点BのLAN12bに接続されている。拠点BのLAN12bには、例えば、利用者端末14b、及び、テレビ会議端末16bが接続されている。これら利用者端末14b、及び、テレビ会議端末16bも、LAN12a,12b及びインターネット26を介し、中央制御装置10に接続されている。
【0013】
更に、中央制御装置10は、LAN12a及びインターネット26を介し、モバイルPC端末14cや携帯電話14dに接続される。
なお、以下では、利用者端末14a,14b、モバイルPC端末14c及び携帯電話14dをまとめて利用者端末14ともいい、テレビ会議端末16a,16bをまとめてテレビ会議端末16ともいう。また、以下では、LAN12a,12b及びインターネット26をまとめてネットワークともいう。
【0014】
〔利用者端末〕
利用者端末14a,14bは、例えばパーソナルコンピュータによって構成される。利用者端末14a,14bにはWebブラウザソフトがインストールされ、利用者端末14a,14bの利用者は、Webブラウザソフトによって、WWW(ワールドワイドウェブ)技術を利用して構築されたサイトを閲覧し、必要に応じてデータを入力することができる。
【0015】
また、利用者端末14a,14bには、外部から配信された映像データ及び音声データを再生する再生ソフトがインストールされ、利用者端末14a,14bの利用者は、再生ソフトによって、テレビ会議の様子を記録した視聴用データを再生し、視聴することができる。
【0016】
一方、モバイルPC端末14c及び携帯電話14dは、少なくとも再生ソフトがインストールされ、モバイルPC端末14c及び携帯電話14dの利用者は、テレビ会議の様子を記録した視聴用データを再生し、視聴することができる。
【0017】
〔テレビ会議端末〕
テレビ会議端末16a,16bは、例えば拠点A,Bの会議室に設置される。テレビ会議端末16a,16bは、映像データを取得するためのカメラ、音声データを取得するためのマイク、映像データを表示するためのモニター、及び、音声データを出力するためのスピーカを有する。
【0018】
テレビ会議端末16a,16bの各々で取得された映像データ及び音声データは、ネットワークを通じてMCU18に入力される。また、テレビ会議端末16a,16bは、MCU18からネットワークを通じて映像データ及び音声データを受け取って、再生することができる。更に、テレビ会議端末16aは、MCU18から受け取った映像データ及び音声データを、AVケーブル25を介して録画装置20に向けて出力することができる。
【0019】
〔MCU〕
MCU(遠隔操作手段)18は、ネットワークを通じてテレビ会議端末16a,16bを遠隔操作可能である。具体的には、MCU18は、テレビ会議端末16a,16bを動作させ、ネットワークを通じて、映像データ及び音声データを取得する。
そして、MCU18は、複数のテレビ会議端末16a,16bから取得した映像データを1つの画面に収まるように編集し、編集後の映像データを音声データとともに、ネットワークを通じてテレビ会議端末16a,16bに向けて送信する。
【0020】
〔録画装置〕
録画装置20は、AVケーブル25を通じて、テレビ会議端末16a,16bから映像データ及び音声データを取得する。そして、録画装置20は、ネットワークを通じた外部からの命令によって、映像データ及び音声データをテレビ会議毎に1つのデータ(コンテンツ)として記憶する。そして、録画装置20は、記憶しているコンテンツを、ネットワークを通じて出力可能である。
【0021】
〔配信サーバ〕
配信サーバ22は、例えばサーバコンピュータによって構成され、記憶装置を含む。配信サーバ22は、録画装置20が出力したコンテンツに識別データを付加して視聴用データを作成する。配信サーバ22の記憶装置は、作成された視聴用データを、ネットワークを通じて配信可能に記憶する。
【0022】
なお、配信サーバ22は、視聴用データ毎に、固有のURL(Uniform Resource Locator)を生成し、視聴用データとその固有のURLを関連付けて記憶する。
また、配信サーバ22は、視聴用データ毎に、視聴が許可されるユーザ(視聴許可者)を記憶している。具体的には、配信サーバ22は、識別データ別に視聴許可者が予め設定されているデータベースを記憶しており、識別データを介して、視聴用データと視聴許可者が対応付けられている。
そして、配信サーバ22は、視聴用データの配信を要求する者に対し、認証を要求し、要求者が認証に成功し、且つ、要求者が当該視聴用データの視聴許可者に一致するときのみ、視聴用データをストリーミング配信する。
【0023】
〔中央制御装置〕
中央制御装置10は、例えばサーバコンピュータによって構成される。中央制御装置10は、ネットワークを通じて、利用者端末14、テレビ会議端末16、MCU18、録画装置20、及び、配信サーバ22に接続され、テレビ会議システム全体の制御を行う。
具体的には、中央制御装置10は、機能でみたとき、予約データ取得部100、端末制御部102、録画制御部104、及び、配信制御部106を有する。
【0024】
〔予約データ取得部〕
予約データ取得部(予約データ取得手段)100は、例えば、WWW技術を利用して構築された予約サイトを有する。
テレビ会議の利用者は、利用者端末14a,14bから予約サイトにアクセスし、例えば、テレビ会議の名称、使用するテレビ会議端末16、開始時刻、終了時刻、参加予定者、及び、テレビ会議の識別データ等の予約データを利用者端末14a,14bを通じて予約データ取得部100に入力する。
なお、テレビ会議の識別データは、例えばテレビ会議のカテゴリ−であり、視聴を許可する利用者の範囲を限定するのに有効なデータである。
【0025】
また、テレビ会議システムの利用者は、予約データとして、予約するテレビ会議を録画するか否かも入力することができる。予約データ取得部100は、入力された予約データを記憶する。
ただし、予約データ取得部100は、予約サイトにアクセスしようとする者に対し、認証を要求する。アクセスしようとする者が認証に成功したときのみ、予約データ取得部100は、予約サイトへのアクセスを許可する。
【0026】
〔端末制御部〕
端末制御部(端末制御手段)102は、予約データ取得部100が記憶している予約データに基づいてMCU18を制御し、MCU18にテレビ会議端末16を作動させる。具体的には、端末制御部102は、テレビ会議システムの開始時刻若しくはその前に、テレビ会議端末16を起動させ、映像データ及び音声データの取得及び出力を実行させる。そして、端末制御部102は、終了時刻若しくはその後に、テレビ会議端末16を停止させる。なお、終了時刻は、テレビ会議を途中で終了する場合や延長する場合に備えて、テレビ会議中に変更可能であるのが好ましい。
【0027】
〔録画制御部〕
録画制御部104は、予約データによれば録画すべきテレビ会議の場合、テレビ会議端末16の作動に合わせて、録画装置20を作動させ、テレビ会議端末16がAVケーブル25通じて出力した映像データ及び音声データをコンテンツとして記憶(録画)させる。
【0028】
そして、録画制御部104は、テレビ会議端末16の停止に合わせて、録画装置20を停止させる。録画装置20は、録画を停止すると、録画したコンテンツを、ネットワークを通じて配信サーバ22に向けて出力するように設定されている。また、録画装置20は、予約データ取得部100に記憶されているテレビ会議の識別データを読み込み、コンテンツとともに配信サーバ22に向けて出力する。
【0029】
〔配信制御部〕
配信制御部(配信制御手段)106は、例えば、WWW技術を利用して構築された視聴サイトを有する。
録画されたテレビ会議の視聴を希望する者は、利用者端末14から視聴サイトにアクセスし、視聴するテレビ会議を選択する。そのために、視聴サイトは、テレビ会議の一覧を、各テレビ会議に関する会議データとともに提供する。会議データは、特定のテレビ会議を検索可能なデータであればよく、予約データと同一であってもよい。
【0030】
配信制御部106は、視聴希望者が選択したテレビ会議の配信命令を配信サーバ22に送信する。具体的に、配信制御部106は、選択されたテレビ会議の視聴用データと関連付けられているURLを含む配信命令を送信する。
このような配信命令を生成するために、配信制御部106は、予め、テレビ会議と関連付けてURLを記憶している。URLは、配信サーバ22によって生成されたものであり、録画装置20が、配信サーバ22からURLを読み出し、読み出したURLを配信制御部106に向けて送信する。配信制御部106は、録画装置20から受信したURLを、テレビ会議と関連付けて記憶する。
【0031】
なお、配信制御部106は、視聴サイトにアクセスしようとする者に対し、認証を要求する。アクセスしようとする者が認証に成功したときのみ、配信制御部106は、視聴サイトへのアクセスを許可する。
【0032】
〔LDAP認証サーバ〕
LDAP認証サーバ24は、中央制御装置10の予約データ取得部100、配信制御部106、及び、配信サーバ22の各々が認証を要求するときに、認証処理を実行する。
そのために、LDAP認証サーバ24には、予約サイト、視聴サイト、及び、視聴用データの各々について、アクセスが許可される者のユーザ情報、例えばユーザ名とパスワードを登録されている。
【0033】
この場合、予約サイト、視聴サイト、及び、視聴用データの何れかにアクセスしようとする者は、認証が要求されたときに、利用者端末14から、ユーザ名とパスワードを入力すればよい。入力されたユーザ名とパスワードが、登録されているユーザ名とパスワードに一致すれば、認証が成功する。
なお、本実施形態では、好ましい態様として、ライトウェイトディレクトリアクセスプロトコルを採用するLDAP認証サーバ24を使用するが、LDAP認証サーバ24に代えて、他のディレクトリアクセスプロトコルを採用する認証サーバを使用してもよい。
【0034】
〔動作〕
以下、上述したテレビ会議システムの動作について説明する。
〔視聴用データ作成フロー〕
図2乃至4は、テレビ会議の予約から、配信サーバが視聴用データを記憶するまでに行われる処理の流れ(視聴用データ作成フロー)を、システムを構成する装置別に概略的に示している。
【0035】
視聴用データ作成フローを実施する場合、前提として、まず、テレビ会議を予約する者が、利用者端末14のWebブラウザを使って中央制御装置10の予約サイトにアクセスし、テレビ会議を予約する。この予約時に入力されたデータを、中央制御装置10は、テレビ会議の予約データとして取得する(S100)。
【0036】
そして、中央制御装置10は、時刻が予約データに含まれるテレビ会議の開始時刻になったか否かを判定し(S102)、ステップS102の判定の結果、会議開始時刻になった場合(Yes)、MCU18に向けてテレビ会議端末16の接続命令を送信する(S104)。
【0037】
MCU18は、テレビ会議端末16の接続命令を受信すると(S106)、指定されたテレビ会議端末16に接続し(S108)、テレビ会議端末16間の通信を確立する。通信の確立に成功すると、指定されたテレビ会議端末16は、映像データ及び音声データを取得して出力する(S110)。この後、MCU18は、テレビ会議端末16の接続結果を中央制御装置10に向けて送信する(S112)。
【0038】
中央制御装置10は、接続結果を受信すると(S114)、予約データにおいて、テレビ会議を録画することが指定されているか否かを判定する(S116)。録画する場合、中央制御装置10は、録画装置20に向けて、コンテンツの作成命令を送信する(S118)。
【0039】
録画装置20には、テレビ会議端末16が出力した映像データ及び音声データが入力されており(S120)、録画装置20は、コンテンツの作成命令を受信すると(S122)、入力されている映像データ及び音声データの記録を開始する。
そして、録画装置20は、記録開始に成功したか否かを、コンテンツ作成開始結果として、中央制御装置10に向けて送信し(S124)、中央制御装置10は送信されてきたコンテンツ作成開始結果を受信する(S126)。
【0040】
かくしてテレビ会議の開始と同時に映像データ及び音声データの記録が開始されると、中央制御装置10は、テレビ会議の終了に備える。具体的には、中央制御装置10は、予約データ中の終了時刻の前においては、テレビ会議が強制終了されたか否かを随時判定する(S128)。なお、開催中のテレビ会議の強制終了は、テレビ会議端末16若しくは利用者端末14のWebブラウザで行うことができる。
【0041】
ステップS128の判定の結果、強制終了されていなければ、中央制御装置10は、テレビ会議の開催時間が延長されたか否かを随時判定する(S130)。ステップS130の判定の結果、開催時間が延長されていれば、中央制御装置10は、テレビ会議の終了時刻を変更する(S132)。
【0042】
ステップS132の後、中央制御装置10は、時刻が、延長により変更されたテレビ会議の終了時刻になったか否かを判定する(S140)。時刻が、終了時刻になっていなければ、処理の流れは、ステップS128に戻る。
一方、ステップS130の判定結果において、開催時間が延長されていなければ、ステップS140が続けて行われ、時刻が、予約データ中のテレビ会議の終了時刻になったか否かが判定される。
なお、テレビ会議を延長するか否かの設定も、テレビ会議端末16若しくは利用者端末14のWebブラウザで行うことができる。
【0043】
時刻が、予約された終了時刻若しくは延長された終了時刻に到達するか、又は、ステップS128でテレビ会議が強制終了されると、中央制御装置10は、MCU18に向けて会議終了命令を送信する(S142)。MCU18は、会議終了命令を受信すると(S144)、接続しているテレビ会議端末16に向けて切断命令を送信する(S146)。
【0044】
テレビ会議端末16は、切断命令を受信すると、テレビ会議端末16間での通信を切断するとともに、映像データ及び音声データの出力を停止する(S148)。そして、テレビ会議端末16は、MCU18に向けて、切断結果を送信する(S150)。MCU18は、テレビ会議端末16の切断結果を受信すると(S152)、テレビ会議の終了結果を中央制御装置10に送信し(S154)、テレビ会議端末16同士が切断されたことを伝える。
【0045】
中央制御装置10は、テレビ会議の終了結果を受信すると(S156)、テレビ会議が録画されていたか否かを判定する(S158)。判定の結果、録画されていた場合、コンテンツの作成終了命令を、予約データ中の識別データとともに録画装置20に向けて送信する(S160)。録画装置20は、作成終了命令を受信すると(S162)、記録していた映像データ及び音声データを、1つの録画ファイル(コンテンツ)にまとめ、得られたコンテンツを、識別データとともに、配信サーバ22の記憶装置に向けて送信する(S164)。
【0046】
録画装置20からコンテンツ及び識別データを受け取った配信サーバ22は、コンテンツに識別データを付加して視聴用データを作成し、得られた視聴用データを自身の記憶装置内に記憶する(S166)。
また、配信サーバ22は、視聴用データに対応する固有のURLを生成し、視聴用データとURLを関連付けて記憶する(S168)。
【0047】
この後、録画装置20は、配信サーバ22から、視聴用データと関連付けて登録されたURLを読み出し、読み出したURLを中央制御装置10に向けて送信する(S170)。中央制御装置10の配信制御部106は、録画装置20から受信したURLを、対応するテレビ会議の予約データと関連付けて記憶する(S172)。
かくして、視聴用データの作成フローが終了する。
【0048】
〔視聴フロー〕
次に、図5及び図6を参照して、視聴用データを視聴する際に、テレビ会議システムの構成装置が実施する処理手順(視聴フロー)を説明する。
視聴用データを視聴しようとする者は、利用者端末14から中央制御装置10の視聴用サイトにアクセスし、例えばユーザ名とパスワードからなるログインデータを入力する(S200)。
【0049】
中央制御装置10は、受信したログインデータをLDAP認証サーバ24に送信する(S202)。LDAP認証サーバ24は、ログインデータを受信すると(S204)、登録されているユーザ名及びパスワードと照合して認証処理を実行し(S206)、認証の成否をログイン結果として中央制御装置10に向けて送信する(S208)。
【0050】
中央制御装置10は、ログイン結果を受信すると(S210)、認証の成否に応じて、ユーザ名とパスワードを入力した者が、視聴サイトへのアクセスが許可された者であるか否かを判定する(S212)。そして、判定の結果、許可された者である場合、視聴用データを視聴しようとする者は、引き続き視聴サイトを使用して、開催されたテレビ会議の履歴を出力させる命令を入力することができる。
【0051】
この会議履歴出力命令が利用者端末14から中央制御装置10に向けて送信されると(S216)、中央制御装置10はこれを受信し、開催されたテレビ会議の履歴のデータを利用者端末14に向けて送信する(S218)。
利用者端末14は、受信したテレビ会議の履歴データを表示し(S220)、視聴希望者は、表示された履歴データの中から、視聴を希望するテレビ会議を選択する(S222)。
【0052】
視聴希望者がコンテンツを選択すると、中央制御装置10は、配信サーバ22に対して、視聴用データのURLを含む配信命令を送信する(S224)。配信サーバ22は、配信命令を受信すると(S226)、利用者端末14にログインデータを要求する(S228)。
ログインデータを要求された利用者端末14はログイン画面を表示する(S232)。
【0053】
視聴希望者がログインデータを入力し(S234)、配信サーバ22は、ログインデータを受信し(S238)、受信したログインデータをLDAP認証サーバ24に向けて送信する(S240)。LDAP認証サーバ24は、ログインデータを受信すると(S242)、登録されているユーザ名及びパスワードと照合して認証処理を実行し(S244)、認証の成否をログイン結果として配信サーバ22に向けて送信する(S246)。
【0054】
配信サーバ22は、ログイン結果を受信すると(S248)、認証の成否に応じて、ユーザ名とパスワードを入力した者が、配信サーバ22の記憶装置に記憶された各視聴用データへのアクセスが許可された者であるか否かを判定する(S250)。そして、判定の結果、視聴を要求する者が、アクセスを許可された者である場合、配信サーバ22は、識別データを介して、視聴用データとユーザ名とが対応付けて記憶されているか否かを判定する(S254)。
【0055】
そして、S254の判定の結果、視聴用データとユーザ名とが対応付けて記憶されている場合(Yesの場合)、視聴用データを利用者端末14にストリーミング配信する。利用者端末14は、配信された視聴用データを再生し(S260)、これにより、視聴希望者はテレビ会議を視聴することができる。
以上で視聴フローは終了する。
【0056】
なお、ステップS212及びステップS250の判定の結果、視聴を希望する者が許可された者でない場合、利用者端末14は、エラーメッセージを表示して(S214,S252)、視聴フローが終了する。また、ステップS254の判定の結果、ユーザ名と選択された視聴用データとが対応付けて記憶されていない場合にも、利用者端末14は、エラーメッセージを表示して(S258)、視聴フローが終了する。
【0057】
上述した一実施形態のテレビ会議システムによれば、テレビ会議システムの利用者は、利用者端末14からテレビ会議を予約することによって、テレビ会議端末16を円滑に使用してテレビ会議を行うことができる。
そして、視聴用データの視聴希望者は、利用者端末14から会議データを参照してテレビ会議を選択するのみで視聴用データの配信を受けることができ、簡単に視聴することができる。
【0058】
一方、上述した一実施形態のテレビ会議システムによれば、配信サーバ22の記憶装置に記憶された視聴用データにアクセスしようとする者は、LDAP認証サーバ24による認証に成功することが要求される。このため、配信サーバ22の記憶装置がネットワークに接続されていても、視聴を許可されていない者は、配信サーバ22の記憶装置に保持された視聴用データにアクセスすることはできない。
【0059】
特に、上述した一実施形態のテレビ会議システムによれば、認証のためにLDAP認証サーバ24を使用しているので、視聴用データ毎に、視聴を許可する者を設定することが容易に可能であり、不正なユーザからのアクセスの制限の外に、視聴すべき者が視聴済みか否かの確認も行うことができる。
【0060】
本発明は、上述した一実施形態に限定されることはなく、上述した一実施形態に変更を加えた形態も含む。
例えば、上述した一実施形態では、録画が終了したテレビ会議のコンテンツに識別データを付して視聴用データを作成し、希望に応じて視聴用データを配信しているが(VOD:Video On Demand)、録画中に視聴用データを同時進行で作成し、ライブで配信してもよい。
【0061】
上述した一実施形態では、視聴用データへのアクセスの態様として、視聴についてのみ説明したが、LDAP認証サーバ24によれば、編集の権限も管理することができる。具体的には、特定の者に、コメントや文字の挿入(例、テロップ)、あるいは不要部分のカット等の視聴用コンテンツの編集を許可してもよい。
【0062】
上述した一実施形態において、LAN12a,12b以外の公衆網に接続されたモバイルPC端末14cや携帯電話14dから、テレビ会議を予約できるようにしてもよい。
上述した一実施形態において、MCU18、録画装置20、及び、配信サーバ22は1つの拠点Aに設置されていたが、これらの設置場所は特に限定されることはない。例えば、MCU18、録画装置20、及び、配信サーバ22を利用者端末14やテレビ会議端末16等の近場に設置せず、回線契約(ASP)サービスとして、MCU18、録画装置20、及び、配信サーバ22の機能の提供を受けてもよい。
【0063】
また、上述した実施形態では、拠点Aにのみ録画装置20が設けられていたが、拠点Bにも設けられていてもよい。
その他、図示とともに示したテレビ会議システムの構成及び処理手順は、いずれも好ましい例であり、本発明の実施に際してこれらを適宜変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0064】
10 中央制御装置
12a,12b LAN
14a,14b 利用者端末
14c モバイルPC端末(利用者端末)
14d 携帯電話(利用者端末)
16a,16b テレビ会議端末
18 MCU
20 録画装置
22 配信サーバ
24 LDAP認証サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークにそれぞれ接続された1つ以上の利用者端末及び複数のテレビ会議端末と、
前記利用者端末を介してテレビ会議の識別データを含む予約データを取得する予約データ取得手段と、
前記ネットワークを通じて前記テレビ会議端末を遠隔操作する遠隔操作手段と、
前記遠隔操作手段を利用して、前記予約データに基づき前記テレビ会議端末を作動させる端末制御手段と、
前記テレビ会議の映像データ及び音声データからなるコンテンツ並びに前記識別データを取得し、取得した前記コンテンツに前記識別データを付加して前記コンテンツ及び前記識別データを含む視聴用データを作成し、前記視聴用データを配信可能に記憶する配信サーバとを備え、
前記配信サーバは、
前記識別データの各々について、前記識別データを含む前記視聴用データの視聴が許可される視聴許可者を対応付けて記憶しており、
前記利用者端末の利用者が前記視聴用データの視聴を要求する場合に、前記利用者端末の利用者に認証を要求し、前記利用者が前記認証に成功し、且つ、前記利用者が、前記視聴用データに含まれる前記識別データに対応付けられた前記視聴許可者に一致するときのみ、前記視聴用データを前記利用者端末に配信する、
テレビ会議システム。
【請求項2】
テレビ会議の一覧を会議データとともに提供する視聴サイトを有し、前記視聴サイトを前記利用者端末に対して提供し、前記利用者端末を介して選択されたテレビ会議の配信命令を前記配信サーバへ送信する配信制御手段を更に備え、
前記配信制御手段は、前記利用者端末の利用者が前記視聴サイトの視聴を要求する場合に、前記利用者端末の利用者に認証を要求し、前記利用者が認証に成功した場合に、前記視聴サイトを前記利用者端末に提供する
請求項1記載のテレビ会議システム。
【請求項3】
前記予約データ取得手段と、前記端末制御手段と、前記配信制御手段とを有する中央制御装置を備える、
請求項2記載のテレビ会議システム。
【請求項4】
前記配信サーバは、視聴を要求するテレビ会議を選択した前記利用者端末の利用者に、前記認証としてLDAP認証を要求する
請求項1乃至3の何れか一項に記載のテレビ会議システム。
【請求項5】
前記配信制御手段は、前記視聴サイトの視聴を要求する前記利用者端末の利用者に、LDAP認証を要求する、
請求項2記載のテレビ会議システム。
【請求項6】
前記LDAP認証を行うためのLDAP認証サーバを更に備える、
請求項4又は5記載のテレビ会議システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−156759(P2012−156759A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−13744(P2011−13744)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(300059979)日立電線ネットワークス株式会社 (13)
【Fターム(参考)】