説明

テレビ受像機およびデジタルテレビ放送システム

【課題】地上デジタル放送の視聴に際して、個々のユーザに応じたコンテンツを提供すること。
【解決方法】音声ガイダンス情報195は、ユーザが「NAVI」モードを使用した際に再生される音声ガイダンスに係るデータを記憶する。音声ガイダンスは、音声ガイダンスレベル毎にユーザに対する親しみ具合の異なるものが複数用意される。使用情報197は、ユーザによる「NAVI」モードの使用状況に係るデータを記憶する。そして、制御部20は、「NAVI」モードの使用状況に応じて使用情報197の音声ガイダンスレベル197eを変更する。また、制御部20は、「NAVI」モード中に操作部11から操作信号が入力された場合に、音声ガイダンスレベル197eに応じた音声ガイダンス情報195を参照して、入力された操作信号に応じた音声ガイダンスを読み出して再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地上デジタル放送に対応したテレビ受像機およびデジタルテレビ放送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電波の有効利用やテレビ放送の高画質化・高機能化を推進することを目的とした地上デジタル放送が開始され、この地上デジタル放送に対応したテレビ受像機が普及している(例えば、特許文献1参照)。また、地上デジタル放送の周波数帯の一部を利用した携帯端末向けのいわゆるワンセグ放送も開始され、地上デジタル放送は、携帯電話機やPDA、ノートパソコン、専用の携帯型テレビ受像機等の携帯端末で受信し、視聴することができる。この地上デジタル放送では、テレビ放送に加えて、データ放送と呼ばれるコンテンツの放送が行われている。データ放送の特徴の1つとして双方向機能が挙げられる。この双方向機能を利用すれば、例えば視聴者が放送番組の視聴中に選択した視聴者情報をインターネット等の通信網を介して外部のサーバ装置に送信するといったことが可能となる。
【特許文献1】特開2006−270369号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、テレビ受像機の利用においては、視聴者は、見たい放送番組を選局して視聴する又はデータ放送のコンテンツに応答するという、あくまで受身のスタイルをとることが一般的であり、ユーザの個性に対応したものとはなっていない。一方、データ放送サービスの提供事業者にとっても、ユーザが受身のスタイルである限り個々のユーザのコンテンツに対する要求の十分な把握は難しい。
【0004】
また、携帯型のテレビ受像機には、携帯電話網等の通信網を介して外部と接続する無線通信機能を備えたものや、例えばHDD(Hard Disk Drive)等の大容量の記憶機能を備えたものも存在するが、テレビ視聴時にこれらの無線通信機能や記憶機能が有効に利用されていなかった。
【0005】
本発明は、上記した従来の課題に鑑みてなされたものであり、地上デジタル放送の視聴に際して、個々のユーザに応じたコンテンツを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、
ユーザ操作に従って地上デジタル放送を受信し、所望の放送番組を出力するテレビ受像機であって、
テレビ受像機の使用状況に応じた複数の使用レベル毎に、ユーザに対する親しみ具合の異なる複数の音声コンテンツデータが、それぞれテレビ受像機の操作内容と対応付けられて記憶された音声コンテンツ記憶手段と、
ユーザによる当該テレビ受像機の使用情報を更新記憶する使用情報記憶手段と、
前記使用情報記憶手段によって更新記憶される使用情報に基づいて、当該テレビ受像機のユーザの使用レベルを判定するレベル判定手段と、
ユーザ操作が入力された場合に、前記レベル判定手段によって判定された使用レベルに対応する親しみ具合の音声コンテンツデータであって、前記入力されたユーザ操作の操作内容と対応付けられた音声コンテンツデータを前記音声コンテンツ記憶手段から読み出して再生する制御を行うコンテンツ再生手段と、
を備えることを特徴とするテレビ受像機である。
【0007】
請求項2記載の発明は、
前記使用情報記憶手段は、使用情報として、当該テレビ受像機の使用時間、未使用時間、及び当該テレビ受像機に対するユーザ操作の入力回数のうち、少なくとも何れか一つを更新記憶することを特徴とする請求項1に記載のテレビ受像機である。
【0008】
請求項3記載の発明は、
前記使用レベルは、ユーザを突き放すような印象を与える内容の音声コンテンツが再生される使用レベルと、ユーザにやや親しい印象を与える内容の音声コンテンツが再生される使用レベルと、ユーザに甘える印象を与える内容の音声コンテンツが再生される使用レベルとを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のテレビ受像機である。
【0009】
請求項4記載の発明は、
通常のテレビ視聴モードと、音声コンテンツ出力モードとを切り替えて設定するモード設定手段を備え、
前記使用情報記憶手段は、前記音声コンテンツ出力モードにおける使用情報を更新記憶し、
前記コンテンツ再生手段は、前記モード設定手段によって前記音声コンテンツ出力モードが設定されている場合に、前記入力されたユーザ操作に応じて前記音声コンテンツデータを再生する制御を行うことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のテレビ受像機である。
【0010】
請求項5記載の発明は、
複数の音声に対応する複数の音声コンテンツデータの中からユーザが1つの音声コンテンツデータを選択できるように構成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のテレビ受像機である。
【0011】
請求項6記載の発明は、
請求項1〜5の何れか一つに記載のテレビ受像機と、データ放送を行うデータ放送システムとがネットワークを介して接続されたデジタルテレビ放送システムであって、
前記データ放送システムは、
使用状況に応じた複数の使用レベル毎に複数の付加コンテンツを記憶する付加コンテンツ記憶手段と、
前記受信した使用情報に対応する付加コンテンツを、当該使用情報を送信したテレビ受像機に配信する手段と、
を備え、
前記テレビ受像機は、
前記データ放送システムから配信された付加コンテンツを再生する付加コンテンツ再生手段を備えることを特徴とするデジタルテレビ放送システムである。
【0012】
請求項7記載の発明は、
前記データ放送システムは、複数のジャンルに属する情報を含むBMLコンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段を備え、前記コンテンツ記憶手段に記憶された複数のジャンルに属する情報を含むジャンル別BMLコンテンツをデータ放送によって配信し、
前記テレビ受像機は、
当該テレビ受像機で視聴された番組に基づくユーザの視聴傾向ジャンルを前記使用情報記憶手段にさらに記憶しており、
前記データ放送システムから配信されるデータ放送のジャンル別BMLコンテンツの中から、現在の視聴傾向ジャンルに属する情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された現在の視聴傾向ジャンルに属する情報を再生する嗜好傾向情報再生手段と、
を備えることを特徴とする請求項6に記載のデジタルテレビ放送システムである。
【0013】
請求項8記載の発明は、
前記データ放送システムは、前記ネットワークを介して天気情報配信サーバと接続可能に構成されており、
前記テレビ受像機から現在位置の位置情報を受信する位置情報受信手段と、
前記受信した位置情報を前記天気情報配信サーバに通知して、前記位置情報に応じた天気情報を取得する天気情報取得手段と、
前記天気情報取得手段によって取得された天気情報を、前記位置情報を送信したテレビ受像機に配信する天気情報配信手段と、
を備え、
前記テレビ受像機は、
現在位置の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報取得手段によって取得された位置情報を前記データ放送システムに送信する位置情報送信手段と、
前記データ放送システムから配信される天気情報をデータ放送画面上に表示する天気情報表示手段と、
を備えることを特徴とする請求項6または7に記載のデジタルテレビ放送システムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、テレビ受像機の使用状況に応じた使用レベル毎に、ユーザに対する親しみ具合の異なる複数の音声コンテンツを用意しておくことができる。そして、ユーザの使用レベルに応じた親しみ具合の音声コンテンツを再生することができる。これによれば、テレビを単に視聴して楽しむのみならず、テレビと友達になっていくような感覚をユーザに与えることができる。また、テレビ受像機の使用情報をデータ放送システムに送信することにより、当該テレビ受像機に、その使用情報に応じたコンテンツを提供することができる。このため、受身な姿勢で視聴するだけのテレビではなく、ユーザの行為が反映されるコミュニーケーション型のテレビの視聴が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照し、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。
【0016】
[第1実施形態]
先ず、第1実施形態について説明する。
【0017】
(概観)
図1は、第1実施形態に係るテレビ受像機1の外観例を示す図である。図1に示すテレビ受像機1は、横方向に長い薄型の直方体に形成された装置本体部2を有している。装置本体部2は、例えば、縦61mm、横99mm、厚さ24mmの筐体に形成されており、携帯して利用可能となっている。装置本体部2の前面には、液晶表示パネル3と複数のタッチ式のスイッチSW1〜SW6とが配設されている。液晶表示パネル3は、例えば、画面サイズが3.0インチのTFT(Thin Film Transistor)方式の液晶表示パネルである。また、装置本体部2の側面には、モード切替スイッチ5と、スピーカ6とが配設されている。なお、図示しないが、装置本体部2の側面には、SDカードを挿入するためのスロットや、イヤホン端子の挿入口等が配設されている。このテレビ受像機1は、地上デジタル放送に関するテレビ放送信号を受信し、受信したテレビ放送信号に基づくテレビ放送画面(映像情報)を液晶表示パネル3に表示出力するとともに、音声情報をスピーカ6から音声出力する。また、テレビ受像機1は、BML(Broadcast Markup Language)と呼ばれる放送用マークアップ言語で記述されたコンテンツ(以下、BMLコンテンツ)を再生するためのBMLブラウザを内蔵しており、データ放送のBMLコンテンツを受信して再生する。
【0018】
オンオフスイッチSW1は、液晶表示パネル3及びスピーカ6のオンオフを切り替えてテレビ視聴のオンオフの切替を行う。チャンネルスイッチSW2は、テレビ受像機1にて視聴するチャンネルの切替を行う。音量スイッチSW3は、音量の切替を行う。明度スイッチSW4は、液晶表示パネル3の明暗の切替を行う。アップスイッチSW5及びダウンスイッチSW6は、チャンネルの選択、音量の増減、明暗の調整を行う。アップスイッチSW5及びダウンスイッチSW6は、直前に押下されたスイッチの種類に応じて機能する。すなわち、チャンネルスイッチSW2に続けてアップスイッチSW5又はダウンスイッチSW6が押下された場合には、チャンネルを選択するチャンネルアップスイッチ又はチャンネルダウンスイッチとして機能する。同様にして、音量スイッチSW3に続けてアップスイッチSW5又はダウンスイッチSW6が押下された場合には、音量を増加又は減少させる音量アップスイッチ又は音量ダウンスイッチとして機能し、明度スイッチSW4に続けてアップスイッチSW5又はダウンスイッチSW6が押下された場合には、画面を明るく又は暗くさせて明暗を調整する明度アップスイッチ又は明度ダウンスイッチとして機能する。
【0019】
モード切替スイッチ5は、テレビ受像機1のモードを切り替えるためのスイッチであり、例えば、スライド式の切替スイッチで実現される。ここで、モードとは、例えば、テレビ受像機1の電源を遮断した「オフ」モード、テレビ受像機1の電源を投入して通常のテレビ視聴を行うテレビ視聴モードである「オン」モード、各種スイッチによる操作を受け付けない「ホールド」モード、及びテレビ視聴時に音声コンテンツとして音声ガイダンスを再生する音声コンテンツ出力モードである「NAVI」モードの4種類のモードであり、ユーザは4つのモードのうちの1つを選択・切替可能となっている。
【0020】
「NAVI」モードについて説明すると、「NAVI」モードとは、テレビ視聴時にユーザがスイッチSW1〜SW6によりテレビ視聴のオンオフ、チャンネルの選択、音量の増減、及び明暗の調整を行った場合に、為された操作内容に応じた音声ガイダンスを再生するモードである。
この音声ガイダンスは、予め設定される所定の音声で再生される。所定の音声としては、例えば、特定の声優やアイドル、テレビアナウンサー等の声を用いることができる。
かかる音声ガイダンスは、使用レベルに相当する音声ガイダンスレベル毎にユーザに対する親しみ具合の異なるものが複数用意され、音声ガイダンスレベルは、ユーザによる「NAVI」モードの累積使用時間や未使用時間、操作回数、操作頻度といった使用状況に応じて段階的に変化するようになっている。例えば、以下では、音声ガイダンスレベルが三段階で変化することとして説明するが、段階数はこれに限定されるものではない。
【0021】
図2は、三段階の音声ガイダンスレベルについて説明するための説明図であり、例として、オンオフスイッチSW1が押下操作された場合に、その音声ガイダンスレベルに応じて再生される音声ガイダンスの内容を示している。具体的には、図2(a)は第1段階の音声ガイダンスレベル(以下、「レベル1」という。)の場合に再生される音声ガイダンスを、図2(b)は第2段階の音声ガイダンスレベル(以下、「レベル2」という。)の場合に再生される音声ガイダンスを、図2(c)は第3段階の音声ガイダンスレベル(以下、「レベル3」という。)の場合に再生される音声ガイダンスをそれぞれ示している。
【0022】
レベル1は、ユーザによる「NAVI」モードの累積使用時間が例えば7時間に満たない場合の音声ガイダンスレベルであり、図4(a)に示すように、ユーザを突き放すような印象を与える音声ガイダンスが再生される。このレベル1の音声ガイダンスは、ユーザに対して慣れておらず、気が強いため、恥ずかしがっていることや照れを隠そうとして、好意を寄せている相手(ユーザ)を突き放すような態度をとっていることを意図する内容となっている。
【0023】
レベル2は、累積使用時間が7時間以上であって例えば50時間未満の場合の音声ガイダンスレベルであり、図4(b)に示すように、ユーザにやや親しい印象を与えるガイダンスが再生される。このレベル2の音声ガイダンスは、ユーザに対して多少慣れてきており、ユーザに対する態度を多少軟化させてきていることを意図する内容となっている。
【0024】
レベル3は、累積使用時間が50時間以上の場合の音声ガイダンスレベルであり、図4(c)に示すように、ユーザに甘える印象を与える音声ガイダンスが再生される。このレベル3の音声ガイダンスは、ユーザに対して十分に好意を持っており、一貫して甘えた態度をとっていることを意図する内容となっている。
【0025】
このように、音声ガイダンスレベルは、ユーザによる「NAVI」モードの累積使用時間に応じて変化する一方、未使用時間に応じても変化する。すなわち、音声ガイダンスレベルがレベル3の場合に、例えば3日間以上「NAVI」モードの未使用状態が続くとレベル2に変更となる。また、音声ガイダンスレベルがレベル2の場合には、例えば10日間以上「NAVI」モードの未使用状態が続くとレベル1に変更になる。
【0026】
(機能構成)
図3は、テレビ受像機1の主要機能構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、テレビ受像機1は、操作部11、モード切替部12、チューナ13、復調部14、デコーダ15、画像表示部16、音声出力部17、無線通信部18、記憶部19、制御部20、GPS21、現在時刻情報を計時して制御部20に通知する時計部22等を備える。
【0027】
操作部11は、ユーザがテレビ視聴のオンオフ、チャンネルの選択、音量の増減、明暗の調整等の各種操作を入力するためのものであり、操作入力に応じた操作信号を制御部20に出力する。この操作部11は、例えばボタンスイッチ、レバー、ダイヤル、マウス、キーボード、各種センサ等によって実現される。本実施の形態では、この操作部11は、図1のオンオフスイッチSW1、チャンネルスイッチSW2、音量スイッチSW3、明度スイッチSW4、アップスイッチSW5及びダウンスイッチSW6で構成される。
【0028】
モード切替部12は、ユーザが「オフ」「オン」「ホールド」「NAVI」の4つの各モードの切替操作を入力するためのものであり、切替操作入力に応じたモード決定信号を制御部20に出力する。図1のモード切替スイッチ5は、このモード切替部12に該当する。このモード切替部12によって「オフ」モードに切り替えられると、制御部20の制御によってテレビ受像機1本体の電源がオフされる。「オン」モードに切り替えられた場合には、制御部20の制御によってテレビ受像機1本体の電源がオンされる。「ホールド」モードに切り替えられた場合には、制御部20の制御によって操作部11の操作入力が無効になる。例えば、操作部11からの操作信号の出力を遮断させてもよいし、制御部20によって操作部11からの操作信号を無効とする制御を行うこととしてもよい。「NAVI」モードに切り替えられた場合には、制御部20の制御によって、操作部11からの操作信号に応じた音声ガイダンスが再生される。
【0029】
チューナ13は、テレビ放送信号受信用のアンテナ13aにより受信された地上デジタル放送のテレビ放送信号の中から、ユーザが指定した放送番組のチャンネルに対応する周波数帯域のテレビ放送信号を受信し、受信したテレビ放送信号を変調して中間周波信号を復調部14に出力する。
【0030】
復調部14は、チューナ13から入力された中間周波信号に対してデジタル復調や誤り訂正等の処理を施すとともに、スクランブル解除情報を用いてストリーム(例えば、トランスポートストリーム)に付加されたスクランブル信号を解除して、当該スクランブル信号が解除されたトランスポートストリームをデコーダ15に出力する。
【0031】
デコーダ15は、復調部14から入力されたトランスポートストリームを解読し、テレビ放送の映像・音声ストリームとデータ放送のデータストリームとに分離してこれらを個別に再生する。テレビ放送の映像・音声ストリームについては、これを構成する各トランスポートパケットを判別して、ユーザが指定した放送番組に関連するトランスポートパケットにかかるデータをデジタル音声情報やデジタル映像情報等に分離する。そして、デコーダ15は、デジタル映像情報をデコードして画像表示部16に出力するとともに、デジタル音声情報をデコードして音声出力部17に出力する。
【0032】
画像表示部16は、デコーダ15から入力された映像情報に基づく映像の表示、或いは図示しないOSD回路によりOSD(オンスクリーンディスプレイ)表示信号が合成された映像情報に基づく映像の表示を行う。この画像表示部16は、例えばLCDやELD等の各種表示装置で実現される。図1の液晶表示パネル3は、この画像表示部16に該当する。
【0033】
音声出力部17は、デコーダ15から入力された音声情報に基づく音声の出力を行う。図1のスピーカ6は、この音声出力部17に該当する。
【0034】
無線通信部18は、所定の無線通信回線を介して外部のサーバ装置との間でデータの送受信を行うための装置であり、例えば、携帯電話の通信サービス事業者が設置した無線基地局との間で無線信号の送受信を行うアンテナ18aや、RF変換器、無線LANに接続するための無線LANカード等によって実現される。この無線通信部18は、外部のサーバ装置との間で無線信号の送受信を、例えばパケット通信により行う。
【0035】
記憶部19は、更新記憶可能なフラッシュメモリ等のROMやRAMといった各種ICメモリやハードディスク又は外部記憶媒体等によって実現されるものであり、テレビ受像機1で実行可能なシステムプログラム、このシステムプログラムで実行可能な各種処理プログラム、これら各種処理プログラムを実行する際に使用されるデータ、演算処理された処理結果のデータ等が格納される。この記憶部19には、ガイダンスレベル更新処理を行うためのガイダンスレベル更新プログラム191と、レベル別音声ガイダンス処理を行うためのレベル別音声ガイダンスプログラム193と、音声ガイダンス情報195と、使用情報197と、視聴番組情報198と、現在位置情報199とが格納される。
【0036】
音声ガイダンス情報195は、ユーザが「NAVI」モードを使用した際に再生される音声ガイダンスに係るデータを記憶する。図4は、音声ガイダンス情報195のデータ構成例を示す図であり、音声ガイダンス情報195は、図4(a)に示すレベル1用音声ガイダンステーブル195aと、図4(b)に示すレベル2用音声ガイダンステーブル195bと、図4(c)に示すレベル3用階音声ガイダンステーブル195cとを含む。各音声ガイダンスレベル用の音声ガイダンステーブル195a〜195cには、それぞれ操作部11の操作内容と対応付けて、この操作指示に応じて再生される音声ガイダンスが設定されている。なお、予め複数の音声に対応する音声コンテンツデータを記憶させておき、ユーザが好みに応じて選択できるようにすることもできる。
【0037】
操作内容は、オンオフスイッチSW1、チャンネルスイッチSW2、音量スイッチSW3、及び明度スイッチSW4の押下操作を1次操作とし、アップスイッチSW5及びダウンスイッチSW6の押下操作を2次操作としたこれらの組合せによって定義される。
音声ガイダンスは、例えばWAVファイル等の音声データである。なお、この音声ガイダンスにガイダンス番号のみを設定しておき、実際の音声データ自体は、別途音声データ群として記憶部19に格納しておくこととしても構わない。
【0038】
レベル別音声ガイダンスプログラム193や音声ガイダンス情報195は、外部のサーバ装置よりSDカードにダウンロードして、該SDカードを装置本体部2に装着して取得することもできる。このようにすることで、より多段階のレベルで、より多彩な音声ガイダンスをユーザの嗜好に応じて再生することが可能となる。
【0039】
使用情報197は、ユーザによる「NAVI」モードの使用状況に係るデータを記憶する。図5は、使用情報197のデータ構成例を示す図である。図5に示すように、使用情報197は、今回使用開始時刻197a、前回使用終了時刻197b、累積使用時間197c、レベル別継続使用時間197d、音声ガイダンスレベル197e、操作情報197f、チャンネル別視聴時間197k、視聴傾向ジャンル197l等を含む。
【0040】
今回使用開始時刻197aは、今回「NAVI」モードの使用を開始した際の時刻情報を記憶する。前回使用終了時刻197bは、前回「NAVI」モードの使用を終了した際の時刻情報を記憶する。
【0041】
累積使用時間197cは、「NAVI」モードが最初に使用されてからの累積使用時間を記憶する。レベル別継続使用時間197dは、音声ガイダンスレベルの変更の判定に用いるデータであって、前回音声ガイダンスレベルが変更されてからの累積使用時間を記憶する。
【0042】
音声ガイダンスレベル197eは、現在の音声ガイダンスレベルを記憶する。この音声ガイダンスレベル197eは、「NAVI」モードの使用状況に応じて音声ガイダンスレベル197eが変更された場合に、初期値“0”にリセットされる。
【0043】
操作情報197fは、オンオフ切替回数197g、チャンネル切替回数197h、音量切替回数197i、および明度切替回数197jの各操作回数を含む。オンオフ切替回数197gは、「NAVI」モード中のテレビ視聴のオンオフ操作の回数であり、「NAVI」モード中にオンオフスイッチSW1が押下された回数を記憶する。チャンネル切替回数197hは、「NAVI」モード中のチャンネルの選択操作回数であり、「NAVI」モード中にチャンネルスイッチSW2、及びチャンネルスイッチSW2に続けてアップスイッチSW5又はダウンスイッチSW6が押下された回数を記憶する。音量切替回数197iは、「NAVI」モード中の音量の増減操作回数であり、「NAVI」モード中に音量スイッチSW3、及び音量スイッチSW3に続けてアップスイッチSW5又はダウンスイッチSW6が押下された回数を記憶する。明度切替回数197jは、「NAVI」モード中の明暗の調整操作回数であり、「NAVI」モード中に明度スイッチSW4、及び明度スイッチSW4に続けてアップスイッチSW5又はダウンスイッチSW6が押下された回数を記憶する。
【0044】
チャンネル別視聴時間197kは、「NAVI」モード中のチャンネル毎の視聴時間を記憶する。
【0045】
視聴傾向ジャンル197lは、「NAVI」モード中においてユーザが視聴傾向にある視聴番組のジャンルを記憶する。制御部20は、後述する視聴番組情報198を例えばデータ放送によって取得した放送番組表と照合し、ジャンルごとの視聴時間を集計する。そして、制御部20は、視聴時間が最も長いジャンルを視聴傾向ジャンルとする。
【0046】
視聴番組情報198は、テレビ受像機1で視聴された番組に係るデータを記憶する。図6は、視聴番組情報198のデータ構成例を示す図である。図6に示すように、視聴番組情報198は、視聴されたチャンネルと対応付けて、その視聴時刻と、視聴時間とが設定され、チャンネルスイッチSW2によってチャンネルが切り替えられる度に、新たなレコードが生成されて追加される。なお、この視聴番組情報198において、さらに、視聴時にGPS21から入力されたテレビ受像機1の位置情報を対応付けて記憶することとしてもよい。
【0047】
現在位置情報199は、GPS21から随時入力されるテレビ受像機1の位置情報を更新記憶する。
【0048】
制御部20は、CPU等のハードウェアによって実現される。この制御部20は、操作部11から入力される操作信号、記憶部19に格納されるプログラムやデータ等に基づいてテレビ受像機1を構成する各部への指示やデータの転送等を行い、テレビ受像機1全体の動作を統括的に制御する。例えば、制御部20は、操作部11から操作信号が入力された場合には、記憶部19から所定のプログラムを読み出し、読み出したプログラムに従って操作信号に応じたテレビ受像機1の制御を行う。例えば、制御部20は、チューナ13を制御して放送チャンネルを切り替えたり、音声出力部17を制御して所望の音声に切り替えたり、音量をアップダウンさせる処理を実行する。また、制御部20は、ガイダンスレベル更新プログラム191に従ってガイダンスレベル更新処理を実行し、「NAVI」モードの使用状況に応じて音声ガイダンスレベル197eを変更する。また、制御部20は、レベル別音声ガイダンスプログラム193に従ってレベル別音声ガイダンス処理を実行し、「NAVI」モード中に操作部11から操作信号が入力された場合に、音声ガイダンスレベル197eに応じた音声ガイダンス情報195を参照して、入力された操作信号に応じた音声ガイダンスを読み出して、予め設定された、例えば特定の声優等の音声で再生する。
また、外部から、ユーザの所望の音声により発声させるための音声コンテンツデータが記憶されたSDカード等の記憶媒体が挿入されたり、或いは、外部のサーバ装置にアクセスすることで所定の音声に対応する音声コンテンツデータがダウンロードされた場合に、制御部20は音声ガイダンスをユーザの所望の音声で再生する。この場合、記憶媒体を挿入すると自動的に音声が変換されるようにしても良いし、スイッチの中の1つを音声選択用のスイッチとして機能させてスイッチ操作によりユーザが選択できるようにしても良い。
【0049】
GPS(Global Positioning Systems)21は、GPS衛星からの電波を受信するGPSアンテナ21aを備える。このGPS21は、制御部20の制御のもと、所定の時間間隔でテレビ受像機1の位置検出処理を実行し、GPSアンテナ21aで受信した電波からテレビ受像機1の位置情報を抽出して制御部20に出力する。
【0050】
(処理の流れ)
先ず、ガイダンスレベル更新処理の流れについて説明する。図7は、ガイダンスレベル更新処理に係る制御部20の処理手順を示すフローチャートである。なお、ここで説明する処理は、制御部20がガイダンスレベル更新プログラム191を読み出して実行することにより実現される。
【0051】
このガイダンスレベル更新処理では、制御部20は、モード切替部12から「NAVI」モードに切り替えるモード決定信号が入力された場合に(ステップS101:Yes)、時計部22によって計時される現在時刻を使用情報197の今回使用開始時刻197aに設定して更新する(ステップS103)。続いて、制御部20は、現在時刻と前回使用終了時刻197bとから「NAVI」モードの未使用時間を算出し(ステップS105)、算出した未使用時間と音声ガイダンスレベル197eとに基づいてレベル下降判定を行う(ステップS107)。すなわち、制御部20は、未使用時間が3日間以上であって、音声ガイダンスレベル197eが「レベル3」の場合には、「レベル2」に変更する(ステップS109)。またこのとき、レベル別継続使用時間197dを「0」にリセットする。また、制御部20は、未使用時間が10日間以上であって、音声ガイダンスレベル197eが「レベル2」の場合には、「レベル1」に変更する(ステップS111)。またこのとき、レベル別継続使用時間197dを「0」にリセットする。
【0052】
そして、制御部20は、累積使用時間197c及びレベル別継続使用時間197dのカウントアップを開始し(ステップS113)、「NAVI」モードの間、レベル別継続使用時間197dを監視してレベル上昇判定を行う(ステップS115)。すなわち、制御部20は、音声ガイダンスレベル197eが「レベル1」の場合に、レベル別継続使用時間197dが7時間以上となったならば、「レベル2」に変更する(ステップS117)。また、制御部20は、音声ガイダンスレベル197eが「レベル2」の場合に、レベル別継続使用時間197dが50時間以上となったならば、音声ガイダンスレベル197eを「レベル3」に変更する(ステップS119)。
【0053】
そして、制御部20は、モード切替部12から「NAVI」モード以外のモードに切り替えるモード決定信号が入力された場合には「NAVI」モードを終了すると判定し(ステップS121:Yes)、前回使用終了時刻197bに現在時刻を設定して更新する(ステップS123)。そして、制御部20は、累積使用時間197c及びレベル別継続使用時間197dのカウントアップを停止し(ステップS125)、本処理を終了する。
【0054】
次に、レベル別音声ガイダンス処理の流れについて説明する。図8は、レベル別音声ガイダンス処理に係る制御部20の処理手順を示すフローチャートである。なお、ここで説明する処理は、モード切替部12から「NAVI」モードに切り替えるモード決定信号が入力された場合に開始される処理であり、制御部20がレベル別音声ガイダンスプログラム193を読み出して実行することにより実現される。
【0055】
このレベル別音声ガイダンス処理では、制御部20は、操作部11からの操作信号が入力された場合に(ステップS201:YES)、押下されたスイッチの種類に応じて処理を分岐する(ステップS203)。すなわち、オンオフスイッチSW1、チャンネルスイッチSW2、音量スイッチSW3、又は明度スイッチSW4が押下された場合には、そのスイッチの種類から1次操作の内容を判定する(ステップS205)。判定された1次操作の内容は、記憶部19に一時的に保持される。続いて、制御部20は、使用情報197の音声ガイダンスレベル197eを判定する(ステップS207)。そして、制御部20は、音声ガイダンス情報195を参照し、ステップS207で判定した音声ガイダンスレベル用の音声ガイダンステーブルから、ステップS205で判定した1次操作に対応する音声ガイダンスを読み出して再生する(ステップS209)。なお、制御部20は、ステップS209の音声ガイダンスの再生処理とは別に、入力された操作信号に応じたテレビ受像機1の制御を行う。また、制御部20は、ステップS205で判定された1次操作の内容に従って、操作情報197fの対応する操作回数をカウントアップし、使用情報197を更新する(ステップS211)。
【0056】
また、制御部20は、アップスイッチSW5又はダウンスイッチSW6が押下されたと判定した場合には、そのスイッチの種類から2次操作の内容を判定するとともに(ステップS213)、記憶部19に保持されている前回の1次操作の内容を読み出して特定する(ステップS215)。続いて、制御部20は、使用情報197の音声ガイダンスレベル197eを判定する(ステップS217)。そして、制御部20は、音声ガイダンス情報195を参照し、ステップS217で判定した音声ガイダンスレベル用の音声ガイダンステーブルから、ステップS213で為されたと判定した2次操作の内容およびステップS215で特定した1次操作の内容の組合せに対応する音声ガイダンスを読み出して再生する(ステップS219)。また、制御部20は、ステップS213で特定した1次操作の内容に従って、操作情報197fの対応する操作回数をカウントアップし、使用情報197を更新する(ステップS221)。
【0057】
そして、制御部20は、モード切替部12から「NAVI」モード以外のモードに切り替えるモード決定信号が入力された場合には「NAVI」モードを終了すると判定し(ステップS223:Yes)、本処理を終了する。
【0058】
なお、本実施形態は、音声ガイダンスレベルを累積使用時間と未使用時間とに基づいて設定することとしたが、音声ガイダンスレベルを操作信号毎の操作頻度に基づいて設定することとしてもよい。例えば、使用情報197の操作情報197fをもとに、オンオフスイッチSW1、チャンネルスイッチSW2、音量スイッチSW3、及び明度スイッチSW4の操作回数を算出し、算出した操作頻度に基づいて、スイッチSW1〜SW6毎に音声ガイダンスレベルを変更する。この場合には、操作頻度の高いスイッチを操作した際には、図4(a)に例示しようなユーザを突き放す音声ガイダンスが再生され、操作頻度の低いスイッチを操作した際には、図4(c)に例示したようなユーザに甘えた音声ガイダンスが再生される。
【0059】
以上の説明したように、第1実施形態によれば、ユーザによるテレビ受像機1の使用状況を使用情報197として更新記憶し、個々のユーザに応じた音声コンテンツとして、使用情報197に応じた音声ガイダンスを再生することができる。これにより、テレビ受像機1の使用状況によって変化する音声ガイダンスレベルに応じて、出力される音声ガイダンスの内容が、ユーザを突き放すようであったりユーザに甘えるようであったりと変化する。したがって、ただ単にテレビを視聴するだけでなく、テレビと除々に友達になっていくような感覚をユーザに与えることが可能である。このため、受身な姿勢で視聴するだけのテレビではなく、ユーザの行為が反映されるコミュニーケーション型のテレビの視聴が可能となる。
【0060】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。第1実施形態と同様の構成については、同一の符合を付する。なお、第2実施形態では、テレビ受像機が一の放送局との間でデータを送受する場合について説明するが、実際には、複数の放送局との間でデータの送受が可能であり、テレビ受像機は、視聴中のチャンネルに応じてデータを送受する放送局を選択する。
【0061】
図9は、第2実施形態に係るデジタルテレビ放送システム30のシステム構成例を示す概略図である。図9に示すように、デジタルテレビ放送システム30は、テレビ受像機1bと、テレビ放送システム33及びデータ放送システム35を備えた放送局31と、天気情報配信サーバ39とを備え、テレビ受像機1bが、放送局31のデータ放送システム35及び天気情報配信サーバ39とネットワークNを介して接続されて構成されている。ここで、ネットワークNは、インターネット及びインターネットに接続するための回線やISPサーバ等のことである。
【0062】
テレビ受像機1bは、第1実施形態で説明したテレビ受像機1と略同様の構成を有するものであり、放送局31のテレビ放送システム33から送出される地上デジタル放送を受信して放送番組を出力する。また、テレビ受像機1bは、ユーザによる当該テレビ受像機1bの使用時間や操作情報、チャンネル別視聴情報、視聴傾向ジャンル等を含む使用情報を更新記憶するとともに、GPS機能によって随時GPS衛星からの電波を受信して位置情報を取得し、現在位置情報として更新記憶している。第2実施形態では、テレビ受像機1bは、無線通信機能によって携帯電話回線やPHS回線への接続およびこの接続を利用したインターネットへの接続等の処理を行い、ネットワークNを介して使用情報及び現在位置情報を放送局31のデータ放送システム35に送信する。送信タイミングは、所定の時間間隔としてもよいし、例えばテレビ受像機1bの電源投入時や電源遮断時等の所定のタイミングとしてもよく、適宜設定できる。
【0063】
放送局31側に設けられるテレビ放送システム33は、地上デジタル放送の放送波を、電波塔37を介して送出する。この放送波は、放送番組の画像及び音声の信号である。
【0064】
一方、データ放送システム35は、データ放送コンテンツDB35aを備える。このデータ放送コンテンツDB35aは、テレビ番組表やニュース等、静止画データやテキストデータ、音声データ等を組み合わせた各種のBMLコンテンツを記憶する。データ放送システム35は、これらのBMLコンテンツを放送波によってリアルタイムに送出してテレビ受像機1bに配信し、データ放送サービスを提供する。
【0065】
このデータ放送コンテンツDB35aには、例えば映画やドラマ、音楽、アニメ、スポーツといったジャンル別に分類されたジャンル別BMLコンテンツが含まれる。具体的には、映画であれば映画の公開情報等のBMLコンテンツ、ドラマであれば予告情報や再放送案内等のBMLコンテンツ、音楽であれば新譜情報等のBMLコンテンツが、ジャンル別BMLコンテンツとして格納される。このジャンル別BMLコンテンツは、テレビ受像機1b側で再生される際に、このテレビ受像機1bのユーザの視聴傾向ジャンルに属する情報を選択的に表示可能とするBMLコンテンツである。このジャンル別BMLコンテンツを受信するテレビ受像機1bでは、BMLブラウザが、受信したデータ放送のBMLコンテンツの中からこのテレビ受像機1bのユーザの視聴傾向ジャンルに属する情報を抽出し、データ放送画面上に表示する。これにより、ユーザに対して、視聴傾向にあるジャンルの情報を提供することができる。
【0066】
また、データ放送システム35は、付加コンテンツDB35bを備え、テレビ受像機1bからネットワークNを介して受信した使用情報に基づいて、このテレビ受像機1bのユーザに個別に配信する付加コンテンツを管理している。この付加コンテンツDB35bは、例えば、チャンネル切替の操作頻度レベルと対応付けて、テレビ放送画面やデータ放送画面上に表示させるキャラクタのデータを付加コンテンツとして記憶する。データ放送システム35は、テレビ受像機1bから受信した使用情報に含まれる操作情報からチャンネル切替回数を取得し、その操作頻度レベルを判定する。そして、操作頻度レベルに応じた付加コンテンツを付加コンテンツDB35bから読み出し、ネットワークNを介して当該テレビ受像機1bに配信する。例えば、チャンネル切替の操作頻度が高い、いわゆるザッピング行為の多いユーザは、現在の放送番組或いはデータ放送のコンテンツに不満足な視聴者と考えられる。このように構成すれば、ザッピング行為の多いユーザに、テレビ放送やデータ放送を、画面上にキャラクタが表示されるコンテンツとして再生することができる。なお、ナレーション音声の付加コンテンツを配信してもよいし、放送画像そのものを白黒調やセピア調の色彩で表示されるようなエフェクトをかけることができる付加コンテンツを配信してもよい。また、例えば、チャンネル切替時等の待ち時間に再生する広告の付加コンテンツを配信することも可能である。
【0067】
さらに、データ放送システム35は、使用情報DB35cを備え、テレビ受像機1bから受信した使用情報を、このテレビ受像機1bを携帯してデータ放送サービスを利用するユーザのユーザIDやユーザ名等と対応付けて管理している。データ放送システム35は、この使用情報DB35cを参照し、各ユーザの使用情報を集計して例えばテレビ受像機1bの使用傾向を分析する。具体的には、チャンネル別視聴時間を集計することにより、ユーザ毎の視聴傾向やこれら視聴傾向をまとめた視聴者全体の視聴傾向等を分析することができる。なお、テレビ受像機1bが、視聴された番組に係るデータを視聴時にGPS機能を用いて取得した位置情報とともにデータ放送システム35に送信するように構成すれば、より詳細な視聴傾向を分析することができる。
【0068】
これによれば、データ放送サービスの提供事業者は、ユーザの視聴傾向を知ることができるため、視聴傾向に応じたコンテンツの提供が可能となる。例えば、ユーザ全体として音楽番組の視聴が多いときはCD情報や音楽データを特集したBMLコンテンツをデータ放送で提供し、ユーザ全体としてスポーツ番組の視聴が多いときはスポーツニュースやスポーツ選手のインタビュー等を特集したBMLコンテンツをデータ放送で提供するといったことが可能である。このように、使用情報をマーケティング情報として使用でき、分析結果をもとに需要の高いBMLコンテンツをユーザに提供することが可能となる。
【0069】
また、データ放送システム35は、テレビ受像機1bから受信した現在位置情報をネットワークNを介して天気情報配信サーバ39に通知し、周辺地域の天気情報を取得する。そして、取得した天気情報を当該テレビ受像機1bに配信する。
【0070】
以上説明したように、第2実施形態によれば、テレビ受像機1bに、当該テレビ受像機1bの使用情報に応じたコンテンツを提供することができる。このため、受身な姿勢で視聴するだけのテレビではなく、ユーザの行為が反映されるコミュニーケーション型のテレビの視聴が可能となる。
【0071】
なお、第1実施形態で説明した音声ガイダンスの音声をデータ放送システム35からダウンロードすることも可能であり、これによれば、ユーザの好みの音声のガイダンスを再生するように変更することができる。
【0072】
また、第2実施形態では、チャンネルの切替回数に応じた付加コンテンツを配信する場合について説明したが、次のようにしてもよい。すなわち、オンオフ切替や音量切替、明度切替の操作頻度レベルと対応付けた付加コンテンツを用意しておく。そして、使用情報に含まれるオンオフ切替回数や音量切替回数、明度切替回数に基づいてユーザの操作頻度レベルを判定し、この操作頻度レベルに応じた付加コンテンツを配信することとしてもよい。
【0073】
また、「NAVI」モードの使用情報を更新記憶する場合について説明したが、通常の「ON」モードの使用時間を更新記憶することとしてもよい。或いは、モードに関係なくテレビ受像機の使用情報を更新記憶することとしてもよい。
【0074】
また、地上デジタル放送を受信する携帯型の専用のテレビ受像機について説明したが、本発明は、地上デジタル放送の受信機能を備えた例えば携帯電話機やPDA、携帯型ゲーム機等の携帯端末装置にも同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】第1実施形態に係る音声ガイダンス付きテレビ受像機の外観例を示す図である。
【図2】三段階の音声ガイダンスレベルについて説明するための説明図である。
【図3】テレビ受像機の主要機能構成の一例を示すブロック図である。
【図4】音声ガイダンス情報のデータ構成例を示す図である。
【図5】使用情報のデータ構成例を示す図である。
【図6】視聴番組情報のデータ構成例を示す図である。
【図7】ガイダンスレベル更新処理に係る制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】レベル別音声ガイダンス処理に係る制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】第2実施形態に係るデジタルテレビ放送システムのシステム構成例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0076】
1,1b テレビ受像機
11 操作部
12 モード切替部
13 チューナ
13a アンテナ
14 復調部
15 デコーダ
16 画像表示部
17 音声出力部
18 無線通信部
18a アンテナ
19 記憶部
191 ガイダンスレベル更新プログラム
193 レベル別音声ガイダンスプログラム
195 音声ガイダンス情報
197 使用情報
198 視聴番組情報
199 現在位置情報
20 制御部
21 GPS
21a GPSアンテナ
22 時計部
30 デジタルテレビ放送システム
31 放送局
33 テレビ放送システム
35 データ放送システム
35a データ放送コンテンツDB
35b 付加コンテンツDB
35c 使用情報DB
37 電波塔
29 天気情報配信サーバ
N ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ操作に従って地上デジタル放送を受信し、所望の放送番組を出力するテレビ受像機であって、
テレビ受像機の使用状況に応じた複数の使用レベル毎に、ユーザに対する親しみ具合の異なる複数の音声コンテンツデータが、それぞれテレビ受像機の操作内容と対応付けられて記憶された音声コンテンツ記憶手段と、
ユーザによる当該テレビ受像機の使用情報を更新記憶する使用情報記憶手段と、
前記使用情報記憶手段によって更新記憶される使用情報に基づいて、当該テレビ受像機のユーザの使用レベルを判定するレベル判定手段と、
ユーザ操作が入力された場合に、前記レベル判定手段によって判定された使用レベルに対応する親しみ具合の音声コンテンツデータであって、前記入力されたユーザ操作の操作内容と対応付けられた音声コンテンツデータを前記音声コンテンツ記憶手段から読み出して再生する制御を行うコンテンツ再生手段と、
を備えることを特徴とするテレビ受像機。
【請求項2】
前記使用情報記憶手段は、使用情報として、当該テレビ受像機の使用時間、未使用時間、及び当該テレビ受像機に対するユーザ操作の入力回数のうち、少なくとも何れか一つを更新記憶することを特徴とする請求項1に記載のテレビ受像機。
【請求項3】
前記使用レベルは、ユーザを突き放すような印象を与える内容の音声コンテンツが再生される使用レベルと、ユーザにやや親しい印象を与える内容の音声コンテンツが再生される使用レベルと、ユーザに甘える印象を与える内容の音声コンテンツが再生される使用レベルとを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のテレビ受像機。
【請求項4】
通常のテレビ視聴モードと、音声コンテンツ出力モードとを切り替えて設定するモード設定手段を備え、
前記使用情報記憶手段は、前記音声コンテンツ出力モードにおける使用情報を更新記憶し、
前記コンテンツ再生手段は、前記モード設定手段によって前記音声コンテンツ出力モードが設定されている場合に、前記入力されたユーザ操作に応じて前記音声コンテンツデータを再生する制御を行うことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のテレビ受像機。
【請求項5】
複数の音声に対応する複数の音声コンテンツデータの中からユーザが1つの音声コンテンツデータを選択できるように構成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のテレビ受像機。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一つに記載のテレビ受像機と、データ放送を行うデータ放送システムとがネットワークを介して接続されたデジタルテレビ放送システムであって、
前記データ放送システムは、
使用状況に応じた複数の使用レベル毎に複数の付加コンテンツを記憶する付加コンテンツ記憶手段と、
前記受信した使用情報に対応する付加コンテンツを、当該使用情報を送信したテレビ受像機に配信する手段と、
を備え、
前記テレビ受像機は、
前記データ放送システムから配信された付加コンテンツを再生する付加コンテンツ再生手段を備えることを特徴とするデジタルテレビ放送システム。
【請求項7】
前記データ放送システムは、複数のジャンルに属する情報を含むBMLコンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段を備え、前記コンテンツ記憶手段に記憶された複数のジャンルに属する情報を含むジャンル別BMLコンテンツをデータ放送によって配信し、
前記テレビ受像機は、
当該テレビ受像機で視聴された番組に基づくユーザの視聴傾向ジャンルを前記使用情報記憶手段にさらに記憶しており、
前記データ放送システムから配信されるデータ放送のジャンル別BMLコンテンツの中から、現在の視聴傾向ジャンルに属する情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された現在の視聴傾向ジャンルに属する情報を再生する嗜好傾向情報再生手段と、
を備えることを特徴とする請求項6に記載のデジタルテレビ放送システム。
【請求項8】
前記データ放送システムは、前記ネットワークを介して天気情報配信サーバと接続可能に構成されており、
前記テレビ受像機から現在位置の位置情報を受信する位置情報受信手段と、
前記受信した位置情報を前記天気情報配信サーバに通知して、前記位置情報に応じた天気情報を取得する天気情報取得手段と、
前記天気情報取得手段によって取得された天気情報を、前記位置情報を送信したテレビ受像機に配信する天気情報配信手段と、
を備え、
前記テレビ受像機は、
現在位置の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報取得手段によって取得された位置情報を前記データ放送システムに送信する位置情報送信手段と、
前記データ放送システムから配信される天気情報をデータ放送画面上に表示する天気情報表示手段と、
を備えることを特徴とする請求項6または7に記載のデジタルテレビ放送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−27494(P2009−27494A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−189202(P2007−189202)
【出願日】平成19年7月20日(2007.7.20)
【出願人】(000003584)株式会社タカラトミー (248)
【Fターム(参考)】