説明

テレビ電話装置およびその制御方法

【課題】3Dテレビ電話において通信が切断されやすいという問題を解決することが可能なテレビ電話装置を提供する。
【解決手段】無線回路201は、通信データの送受信を行う。カメラ204および205は、視差がそれぞれ異なる2つ動画像を撮像して2つ動画像データを出力する。音声入出力部202は、音声を取得して音声データを出力する。CPU206は、複数の動画像データおよび音声データを無線回路201を介して送信し、通信データの受信品質が基準値以下になると、カメラ204および205の少なくとも一つを停止させて、複数の動画像データの少なくとも一つの送信を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声データおよび映像データをリアルタイムに伝送させることによって、通話相手の映像を見ながら通話を行うことができるテレビ電話装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なテレビ電話装置では、音声通話のみを行う従来の音声電話装置と比べて、通話時の伝送量が多いため、高速なデータ伝送速度が必要となる。また、電波状態などによって十分なデータ伝送速度が得られない場合には、テレビ電話装置の表示画像が乱れたり、通話が切断するなどの問題が発生する。
【0003】
これに対して、特許文献1および2では、データ伝送速度が所定値より低くなると、映像データの送受信を停止して、音声データによる音声通話のみを行う技術が開示されている。
【0004】
また、近年、3次元立体映像(以下、3D映像と呼ぶ)を撮像する3Dカメラや、3次D映像を表示する3Dディスプレイなどの3D映像技術が注目されている。
【0005】
3Dディスプレイは、視差がそれぞれ異なる複数の映像を順番に表示したり、視差がそれぞれ異なる複数の映像を表示角度を変えて同時に表示したりして、視聴者に3次元立体映像を視認させる。また、3Dカメラは、複数の撮像手段を備え、各撮像手段を用いて視差がそれぞれ異なる複数の映像を3D映像として撮像する。
【0006】
3D映像技術をテレビ電話装置に適用した技術としては、特許文献3に記載のカメラ付携帯情報端末がある。このカメラ付携帯情報端末では、3Dカメラで撮像した3D映像を示す3D映像データを音声データと共にリアルタイムに送信することで、通話相手と3D映像を見ながら通話を行うことを可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−274742号公報
【特許文献2】特開2004−32804号公報
【特許文献3】特開2010−141447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載のカメラ付携帯情報端末のような、3D映像データを送信する3Dテレビ電話装置では、複数の撮像手段を同時に動作させたり、複数の映像信号に対して映像処理を施したり、表示画像のフレーム速度を上げたりする必要がある。
【0009】
このため、3Dテレビ電話装置では、2次元平面映像(以下、2D映像と呼ぶ)を送信する従来の2Dテレビ電話装置と比べて、カメラ、ディスプレイおよびCPU(Central Processing Unit)などの内部機器の動作量が多くなるので、内部機器で発生するノイズが増加する。
【0010】
通話時の伝送速度はノイズの影響を受けるため、内部機器で発生するノイズが大きくなると、特に電波状態が悪い環境において、データ伝送速度が十分に得られず、通話が切断しやすくなるという問題が発生する。
【0011】
特許文献1〜3に記載の技術では、3Dテレビ電話装置によるノイズの増加については考慮されておらず、上記の問題を解決することができない。
【0012】
本発明の目的は、通信が切断されやすいという問題を解決することが可能なテレビ電話装置およびその制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によるテレビ電話装置は、通信データの送受信を行う通信部と、視差がそれぞれ異なる複数の動画像を撮像して複数の動画像データを出力する複数の撮像部と、音声を取得して音声データを出力する音声入力部と、前記複数の動画像データと前記音声データとを前記通信部を介して送信し、前記通信データの受信品質が前記基準値以下になると、前記複数の撮像部の少なくとも一つを停止させて、前記複数の動画像データの少なくとも一つの送信を停止する制御部と、を有する。
【0014】
本発明による制御方法は、通信データの送受信を行う通信部と、視差がそれぞれ異なる複数の動画像を撮像して複数の動画像データを出力する複数の撮像部と、音声を取得して音声データを出力する音声入力部と、を有するテレビ電話装置の制御方法であって、前記複数の動画像データと前記音声データとを前記通信部を介して送信し、前記通信データの受信品質が前記基準値以下になると、前記複数の撮像部の少なくとも一つを停止させて、前記複数の動画像データの少なくとも一つの送信を停止する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、通信を切断されにくくすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態である携帯電話端末の構成を示すブロック図である。
【図2】携帯電話端末の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【図3】携帯電話端末の通話方式の遷移の一例を説明するためのタイムチャートである。
【図4】携帯電話端末の通話方式の遷移の他の例を説明するための図である。
【図5】携帯電話端末の通話方式の遷移の他の例を説明するためのタイムチャートである。
【図6】本発明の第3の実施形態である携帯電話端末の構成を示すブロック図である。
【図7】携帯電話端末の通話方式の遷移の他の例を説明するためのタイムチャートである。
【図8】携帯電話端末の通話方式の遷移の他の例を説明するためのタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、同じ機能を有するものには同じ符号を付け、その説明を省略する場合がある。
【0018】
図1は、本発明の第1の実施形態である携帯電話端末101の構成を示すブロック図である。携帯電話端末101は、3Dテレビ電話機能付きの携帯端末であり、アンテナ200と、無線回路201と、音声入出力部202と、表示部203と、カメラ204および205と、CPU206とを有する。
【0019】
アンテナ200は、不図示の無線基地局と電波の送受信を行う。
【0020】
無線回路201は、アンテナ200を介して通信データの送受信を無線で行う通信部である。より具体的には、無線回路201は、アンテナ200を介して受信した通信データである受信データを復調してCPU206に出力する機能や、CPU206からの通信データである送信データを変調してアンテナ200を介して送信する機能などを有する。
【0021】
通信データは、少なくとも音声データを含むものとする。また、通信データは、映像データを含んでもよい。映像データとしては、3D映像を示す3D映像データと、2D平面映像を示す2D映像データとがある。3D映像データは、視差がそれぞれ異なる複数の動画像を示す複数の動画像データからなり、2D映像データは、単一の動画像データからなる。
【0022】
音声入出力部202は、音声を取得して音声データとしてCPU206に出力する音声入力部としての機能と、CPU206からの音声データを音声として出力する音声出力部としての機能とを有する。
【0023】
表示部203は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)であり、種々の情報を表示する。
【0024】
カメラ204および205のそれぞれは、視差が互いに異なる動画像を撮像して動画像データをCPU206に出力する撮像部である。なお、カメラの数は、図1では、2つだけだが、実際には、複数あればよい。
【0025】
CPU206は、コンピュータにて読み取り可能な不図示の記録媒体からプログラムを読み取り、その読み取ったプログラムを実行して以下の機能を実現する制御部である。
【0026】
CPU206は、無線回路201から受信データを受け付けると、受信データに含まれる音声データを音声入出力部202に出力して、音声データが示す音声を音声入出力部202から出力する。そして、CPU206は、その受信データに含まれる映像データを表示部203に出力して、映像データが示す映像を表示部203に表示する。
【0027】
ここで、CPU206は、映像データが3D映像データの場合、3D映像を表示し、映像データが2D映像データの場合、2D映像を表示することになる。3D映像を表示する表示方式としては、3D映像データ内の複数の動画像データを順番に表示し、液晶シャッター眼鏡などの3D像用の眼鏡をユーザが装着して3D立体映像を視認する眼鏡式でもよいし、それ以外の表示方式でもよい。
【0028】
また、CPU206は、無線回路201から受け付けた受信データの受信品質を測定し、その受信品質が予め定められた基準値以下か否かを判断する。以下、受信品質としては、受信レベルを用いるものとする。なお、受信レベルとは、RSCP(Received Signal Code Power:希望波受信電力)またはRSSI(Received Signal Strength Indicator:受信信号強度)のことである。また、受信品質は、受信レベルに限らず、CN比(Carrier to Noise ratio:搬送波対雑音比)やMER(Modulation Error Ratio:変調誤差比)などでもよい。
【0029】
受信レベルが基準値超の場合、CPU206は、音声入出力部202、カメラ204および205を動作させて、音声入出力部202から音声データを受け付け、カメラ204および205から2つ動画像データからなる3D映像データを受け付ける。そして、CPU206は、音声データおよび3D映像データを有する通信データを、無線回路201およびアンテナ200を介して通話相手の電話装置に送信する。この場合、3D映像を見ながら通話を行う3Dテレビ電話方式の通話が行われることになる。
【0030】
一方、受信レベルが基準値以下の場合、CPU206は、カメラ204および205の少なくとも一つを停止させて、2つの動画像データの少なくとも一方の送信を停止する。
【0031】
本実施形態では、受信レベルが基準値以下の場合、CPU206は、カメラ204および205の一方の動作を停止して、2つの動画像データの一方の送信を停止するものとする。この場合、音声データと、単一の動画像データである2D映像データとが通話相手の電話装置に送信されることになるので、2D映像を見ながら通話を行う2Dテレビ電話方式の通話が行われることとなる。
【0032】
なお、CPU206は、音声データおよび動画像データを送信する前に、解像度変換などの画像処理を動画像データに施してもよい。
【0033】
次に携帯電話端末101の動作を説明する。
【0034】
図2は、携帯電話端末101の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【0035】
先ず、ユーザが通話相手からの着呼に応答するか、または、ユーザの発呼に通話相手が応答すると、3Dテレビ電話方式の通話が開始される(ステップS01)なお、3Dテレビ電話方式では、CPU206は、音声入出力部202、カメラ204および205を動作させ、音声入出力部202から音声データを受け付け、カメラ204および205のそれぞれから動画像データを受け付ける。CPU206は、その2つの動画像データからなる3D映像データと、その音声データとを有する通信データを作成して、無線回路201およびアンテナ200を介して通話相手の電話端末に送信する。
【0036】
続いて、CPU206は、無線回路201から受け付けた受信データの受信レベルを測定し、その受信レベルが基準値以下か否かを判断する(ステップS02)。
【0037】
受信レベルが基準値超の場合、CPU206は、3Dテレビ電話方式の通話を維持し(ステップS03)、所定期間後にステップS02の処理に戻る。
【0038】
一方、受信レベルが基準値以下の場合、CPU206は、通話方式を3Dテレビ電話方式から2Dテレビ電話方式に切り換える(ステップS04)。より具体的には、CPU206は、カメラ204および205の一方の動作を停止して、カメラ204または205から動画像データを一つのみ受け付ける。CPU206は、その受け付けた動画像データである2D映像データと、その音声データとを有する通信データを作成して、無線回路201およびアンテナ200を介して通話相手の電話端末に送信する。
【0039】
なお、2Dテレビ電話方式に切り換えた後に、無線回路201が受信した受信データに複数の動画像データが含まれている場合、CPU206は、複数の動画像データのうち一つのみを表示部203に出力して、2D平面画像の表示を行い、それ以外の動画像データを破棄してもよい。
【0040】
通話方式を2Dテレビ電話方式に切り換えた後で所定期間が経過すると、CPU206は、無線回路201から受け付けた受信データの受信レベルを測定し、その受信レベルが基準値以下か否かを判断する(ステップS05)。
【0041】
受信レベルが基準値以下の場合、CPU206は、2Dテレビ電話方式の通話を維持し(ステップS06)、所定期間後にステップS05の処理に戻る。
【0042】
一方、受信レベルが基準値超の場合、CPU206は、ステップS04で動作が停止されたカメラ204または205を起動して、通話方式を2Dテレビ電話方式から3Dテレビ電話方式に切り換え(ステップS07)、所定期間後にステップS02に戻る。
【0043】
図3は、携帯電話端末101の通話方式の遷移の一例を説明するためのタイムチャートである。図3では、3Dテレビ電話方式の通話が行われ、時間経過とともに受信レベルが下がり、その後、受信レベルが上がっていくとする。
【0044】
3Dテレビ電話方式の通話が行われ、受信レベルが基準値以下になった時刻t1でCPU206は、通話方式を3Dテレビ電話方式から2Dテレビ電話方式に切り換える。その後、時間経過とともに受信レベルが上がっていき、受信レベルが基準値超になった時刻t2で、CPU206は、通話方式を2Dテレビ電話方式から3Dテレビ電話方式に切り換える。
【0045】
以上説明したように本実施形態によれば、無線回路201は、通信データの送受信を行う。カメラ204および205は、視差がそれぞれ異なる2つ動画像を撮像して2つ動画像データを出力する。音声入出力部202は、音声を取得して音声データを出力する。CPU206は、複数の動画像データおよび音声データを無線回路201を介して送信し、通信データの受信レベルが基準値以下になると、カメラ204および205の少なくとも一つを停止させて、複数の動画像データの少なくとも一つの送信を停止する。
【0046】
この場合、受信レベルが基準値以下になると、カメラ204および205の少なくとも一つが停止されて、複数の動画像データの少なくとも一つの送信が停止される。このため、受信レベルが基準値以下の場合、動作しているカメラの数や、画像処理が施される動画像データの数が少なくなるので、カメラやCPU206などの内部装置の動作量を低減することが可能になる。したがって、内部装置で発生するノイズも低減されるので、通信を切断されにくくすることが可能になる。また、内部装置の動作量を低減することが可能になるので、消費電力を低減することが可能になる。
【0047】
また、本実施形態では、CPU206は、受信レベルが基準値以下の場合、カメラ204および205の一方の動作を停止して、カメラ204および205から出力された2つの動画像データの一方の送信を停止する。換言すれば、CPU206は、カメラ204および205のうち一つを除いて停止させて、2つの動画像データのうちの一つを除いて、動画像データの送信を停止する。このため、受信レベルが基準値以下の場合、通話方式を3Dテレビ電話方式から2Dテレビ電話方式に切り替えることが可能になり、通信を切断されにくくすることが可能になる。
【0048】
次に本発明の第2の実施形態について説明する。
【0049】
第1の実施形態では、通話方式として、3Dテレビ電話方式と2Dテレビ電話方式とが用いられていたが、本実施形態では、通話方式として、3Dテレビ電話方式および2Dテレビ電話方式に加えて、音声通話方式をさらに用いる。
【0050】
より具体的には、受信レベルが基準値(本実施形態では、第1基準値P1と呼ぶ)超の場合、CPU206は、音声データと2つ動画像データとを有する通信データを、無線回路201およびアンテナ200を介して送信する。この場合、3Dテレビ電話方式の通話が行われることとなる。
【0051】
また、受信レベルが第1基準値P1以下かつ第2基準値P2超の場合、CPU206は、カメラ204および205の一方の動作を停止して、2つの動画像データの一方の送信を停止する。この場合、2Dテレビ電話方式の通話が行われることとなる。なお、第2基準値P2は、第1基準値P1より小さい値である。
【0052】
また、受信レベルが第2基準値P2未満の場合、CPU206は、カメラ204および205の両方の動作を停止して、2つの動画像データの両方の送信を停止する。この場合、CPU206は、音声データのみを通信データとして無線回路201およびアンテナ200を介して送信することとなり、映像を見ずに通話を行う音声電話方式の通話が行われることになる。
【0053】
図4は、3Dテレビ電話方式、2Dテレビ電話方式および音声通話方式を受信レベルに応じて切り換える場合における通話方式の遷移図である。本実施形態では、CPU206は、所定期間ごとに、無線回路201が受信した受信データの受信レベルを、第1基準値および第2基準値のそれぞれと比較することで、通話方式の切り換えを行う。具体的には、受信レベルが第1基準値P1超の場合、通話方式は3Dテレビ方式となり、受信レベルが第1基準値P1以下第2基準値P2超の場合、通話方式は2Dテレビ方式となり、受信レベルが第2基準値P2以下の場合、通話方式は音声通話方式となる。
【0054】
図5は、本実施形態における携帯電話端末101の通話方式の遷移の一例を説明するためのタイムチャートである。図5では、図3の場合と同様に、3Dテレビ電話方式の通話が行われ、時間経過とともに受信レベルが下がり、その後、受信レベルが上がっていくとする。
【0055】
3Dテレビ電話方式の通話が行われ、受信レベルが基準値以下になった時刻t1でCPU206は、通話方式を3Dテレビ電話方式から2Dテレビ電話方式に切り換える。その後、時間経過とともに受信レベルがさらに下がっていき、受信レベルが第2基準値P2以下になった時刻t1’でCPU206は、通話方式を2Dテレビ電話方式から音声通話方式に切り換える。
【0056】
その後、時間経過とともに受信レベルが上がっていき、受信レベルが第2基準値P2超になった時刻t2’でCPU206は、通話方式を音声通話方式から2Dテレビ電話方式に切り換える。そして、時間経過とともに受信レベルがさらに上がっていき、受信レベルが第1基準値P1超になった時刻t2でCPU206は、通話方式を2Dテレビ電話方式から3Dテレビ電話方式に切り換える。
【0057】
以上説明したように本実施形態によれば、受信レベルに応じて細やかに通話方式を切り替えることが可能になるので、ユーザの利便性を考慮に入れつつ、通信をより切断されにくくすることが可能になる。
【0058】
なお、図4および図5では、受信レベルが比較的ゆっくり変動した場合を示しているが、受信レベルが急激に変化し、所定期間内に、第1基準値P1超から第2基準値P2以下になったり、第2基準値P2以下から第1基準値P1超になった場合、CPU206は、2Dテレビ電話方式への切り換えを行わずに、通話方式を3D電話方式と音声通話方式との間で切り換えても良い。この場合、受信レベルが急激に変化した場合でも、通信を切断されにくくすることが可能になる。
【0059】
次に本発明の第3の実施形態について説明する。
【0060】
本実施形態では、CPU206は、受信レベルが基準値以下の場合、動画像データの送信を静止画像データの送信に切り替える。なお、本実施形態では、3Dテレビ電話方式を3D動画方式と呼ぶ。
【0061】
図6は、本実施形態の携帯電話端末101の構成を示すブロック図である。図6において、携帯電話端末101は、図1で示した構成に加えて、メモリ207を有する。
【0062】
メモリ207は、種々の情報を記録する記録部である。なお、メモリ207は、CPU206の動作を規定するプログラムを記録する記録媒体として用いられてもよい。
【0063】
無線回路201が受信した受信データの受信レベルが基準値以下の場合、CPU206は、カメラ204および205の動作を2つとも停止し、停止前にカメラ204および205から出力された動画像データのそれぞれから静止画像データを抽出する。例えば、CPU206は、動画像データ内の所定のフレームを静止画像データとして抽出する。所定のフレームとしては、動画像データ内の最後のフレームが望ましい。
【0064】
CPU206は、各動画像データから抽出した各静止画像データをメモリ207に記録する。
【0065】
CPU206は、音声データとともに、メモリ207に記録した静止画像データを、動画像データのフレームレートで繰り返し通信データとして無線回路201およびアンテナ200を介して送信する。
【0066】
図7は、携帯電話端末101の通話方式およびカメラ204および205の動作状態の遷移の一例を説明するためのタイムチャートである。図7では、図3と同様に、3D動画方式の通話が行われ、時間経過とともに受信レベルが下がり、その後、受信レベルが上がっていくとする。
【0067】
3D動画方式の通話が行われ、受信レベルが基準値以下になった時刻t1でCPU206は、カメラ204および205の動作を停止し、各動画像データから静止画像データを抽出してメモリ207に記録し、通話方式を、3D動画方式から、メモリ207内の静止画像データを送信する3D静止画方式に切り替える。その後、受信レベルが基準値以上になった時刻t2でCPU206は、カメラ204および205を起動して、通話方式を3D静止画方式から3D動画方式に切り替える。
【0068】
また、カメラ204および205は、視差が互いに異なる静止画像を撮像して静止画像データを出力する静止画像モードを有している場合、CPU206は、図8で示すように受信レベルが基準値以下のときに、一定期間ごとにカメラ204および205を静止画像モードで起動して静止画像を撮像させてもよい。この場合、CPU206は、その起動時にカメラ204および205から出力された静止画像データに応じて、メモリ207内の静止画像データを更新することで、通話相手に送信される静止画像データを更新する。このとき、CPU206は、カメラ204および205から出力された静止画像データの画素数を動画像データの画素数に変換してもよい。
【0069】
以上説明したように本実施形態によれば、受信レベルが基準値以下になると、電話装置の表示画像が3D動画像から3D静止画像に変わるだけなので、表示映像が3D映像から2D映像に変わったり、表示映像が消えるなどの違和感を解消することが可能になる。
【0070】
また、本実施形態では、受信レベルが基準値以下の場合、定期的に、通話相手に送信される静止画像が更新されるので、3D動画方式の通話が、動画像のフレームレートが低下した状態で継続されているかのように通話相手に見せかけることができる。
【0071】
なお、静止画像の更新する際にはカメラ204および205が起動されるので、内部装置から発生するノイズ量が一瞬増加するが、ノイズ量が増加する時間は短いので、通信状態への影響が少なく、通信を切断されにくい状態を維持することができる。
【0072】
以上説明した各実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
【0073】
例えば、各実施形態において、本発明の3Dテレビ電話端末は携帯電話端末で実現されていたが、本発明の3Dテレビ電話端末は、固定電話端末やIP電話端末などで実現されてもよい。
【符号の説明】
【0074】
101 携帯電話端末
200 アンテナ
201 無線回路
202 音声入出力部
203 表示部
204、205 カメラ
206 CPU
207 メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信データの送受信を行う通信部と、
視差がそれぞれ異なる複数の動画像を撮像して複数の動画像データを出力する複数の撮像部と、
音声を取得して音声データを出力する音声入力部と、
前記複数の動画像データと前記音声データとを前記通信部を介して送信し、前記通信データの受信品質が前記基準値以下になると、前記複数の撮像部の少なくとも一つを停止させて、前記複数の動画像データの少なくとも一つの送信を停止する制御部と、を有するテレビ電話装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記受信品質が前記基準値以下の場合、前記複数の撮像部のうち1つ以外を停止させて、前記複数の動画像データのうち1つ以外の動画像データの送信を停止する、請求項1記載のテレビ電話装置
【請求項3】
前記制御部は、前記受信品質が前記基準値以下、かつ、前記基準値より小さい第2基準値超の場合、前記複数の撮像部のうち1つ以外を停止させて、前記複数の動画像データのうち1つ以外の動画像データの送信を停止し、前記受信品質が前記第2基準値以下の場合、前記複数の撮像部の全てを停止させて、前記複数の動画像データの全ての送信を停止する、請求項2に記載のテレビ電話装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記受信品質が前記基準値以下の場合、前記複数の撮像部の全てを停止させて、前記複数の動画像データの全ての送信を停止する、請求項1に記載のテレビ電話装置。
【請求項5】
記録部をさらに有し、
前記制御部は、前記受信品質が前記基準値以下の場合、停止前の各撮像部から出力された各動画像データのそれぞれから静止画像データを抽出して前記記録部に記録し、当該記録された各静止画像データを繰り返し前記通信部を介して送信する、請求項4に記載のテレビ電話装置。
【請求項6】
前記撮像部は、視差がそれぞれ異なる複数の静止画像を撮像して複数の第2静止画像データとして出力する静止画像モードを有し、
前記制御部は、前記受信品質が前記基準値以下の場合、前記撮像部を定期的に前記静止画像モードで起動し、当該起動時に出力された各第2静止画像データに応じて、前記記録部内の各静止画像データを更新する、請求項5に記載のテレビ電話装置。
【請求項7】
通信データの送受信を行う通信部と、視差がそれぞれ異なる複数の動画像を撮像して複数の動画像データを出力する複数の撮像部と、音声を取得して音声データを出力する音声入力部と、を有するテレビ電話装置の制御方法であって、
前記複数の動画像データと前記音声データとを前記通信部を介して送信し、
前記通信データの受信品質が前記基準値以下になると、前記複数の撮像部の少なくとも一つを停止させて、前記複数の動画像データの少なくとも一つの送信を停止する、制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−105142(P2012−105142A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252911(P2010−252911)
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】