説明

テープ印字装置、ラベル作成方法及びラベルを作成するプログラムが記憶された記憶媒体

【課題】 オリジナルフォーマットを作成できるテープ印字装置を提供する。
【解決手段】 テープ印字装置は、手書き入力された囲み枠のサイズをテープ幅内に収まるサイズに定め、項目印字領域の位置、サイズ及び文字列の書式を定めて印字用の印字枠を規定する印字用フォーマットデータを生成する一方、表示用の表示枠を規定する表示用フォーマットデータを生成するフォーマットデータ生成手段と、表示画面に表示枠を表示した状態でタッチパネルにより項目印字領域を一つずつ文字入力位置として指定する入力位置指定手段と、印字枠の印字データを生成するとともに文字データの印字データを対応する項目印字領域内に印字用フォーマットデータにより定める書式に従って展開することにより印字枠付の文字列の印字データを生成する印字データ生成手段と、印字データに基づいて印字手段によりテープ部材に印字枠付の文字列を印字する印字制御手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープ印字装置と、該テープ印字装置を用いてラベルを作成するラベル作成方法と、このラベル作成方法をテープ印字装置に実行させるためのプログラムが記憶された記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
キーボードから入力され、あるいは、他の機器から受けた文字データに基づいてテープ部材に文字列を印字することにより、任意のラベルを作成するテープ印字装置がある。
【0003】
このようなテープ印字装置では、入力された任意の文字列を任意の書式でテープ部材に印字して任意のサイズのラベルを作成する機能の他に、ビデオカセット、オーディオカセットなどの映像・音楽記録媒体に貼り付けるタイトルラベルや、名札ラベル、備品管理ラベル等、ラベルのサイズや印字項目や書式等が予め定められた、いわゆる定型ラベルを作成する機能を有している。例えば、特開平7−156497号公報(特許文献1)では、各種の定型ラベルを作成するために、各定型ラベルのラベルサイズ、ラベル中の複数の印字項目の配置位置やその印字項目への印字文字の文字サイズ等の書式を定めた定型フォーマットデータを装置内に予め記憶保持しており、使用者が所望の定型ラベルを選択し、装置の案内表示に従って複数の印字項目に対して印字すべき文字列を入力し、ラベルの印字を指示すると、選択した定型ラベルに対応する定型フォーマットデータに基づいて、入力された文字列が所定文字サイズで所定印字項目位置に配置されて、テープ部材にビデオカセットのタイトルラベル等の定型ラベルが印字される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−156497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載されるテープ印字装置では、使用者がビデオカセットやオーディオカセット等のラベルを貼る対象を選択し、定型ラベルの各項目印字領域に印字する文字列を入力するだけで、ラベルのサイズ、印字項目及びその配置位置、印字項目への印字文字の文字サイズ、文字種類、縦書/横書の別等々の書式を個別に設定することなく簡単に所望の定型ラベルを作成することができる点で便利であるが、作成可能な定型ラベルは装置内に予め記憶保持されている定型フォーマットデータに対応するものに限られ、使用者が装置によって作成可能な定型ラベルに満足できずにオリジナルの定型ラベルを所望しても、その定型ラベルの定型フォーマットデータが装置内に用意されていないため作成することができないという問題があった。
【0006】
本発明は、上述したような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、オリジナルの定型ラベルを簡単に作成できるテープ印字装置を提供することを目的とする。また、オリジナルの定型ラベルを簡単に作成できるラベル作成方法及び、このラベル作成方法をテープ印字装置に実行させるためのプログラムが記憶された記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のテープ印字装置は、文字データを入力する入力手段と、情報を表示する表示手段と、前記表示手段の表示画面上に設けられ手書き操作による線図データを入力するタッチパネル及びテープ部材に印字を行う印字手段を備えたテープ印字装置であって、前記テープ部材の幅を設定するテープ幅設定手段と、前記タッチパネルにより手書き入力された線図データが表わす囲み枠のサイズを前記テープ幅設定手段により設定されたテープ幅内に収まるサイズに定めるとともに、線図データによって囲み枠内が区切られることにより形成される項目印字領域の位置、領域サイズ及びその項目印字領域内に印字する文字列の書式を定めて印字用の印字枠を規定する印字用フォーマットデータを生成する一方、その印字枠に対応する表示用の表示枠を規定する表示用フォーマットデータを生成するフォーマットデータ生成手段と、前記印字用フォーマットデータ及び前記表示用フォーマットデータを記憶するフォーマットデータ記憶手段と、前記フォーマットデータ記憶手段から表示用フォーマットデータを読み出して前記表示手段の表示画面に表示枠を表示した状態で、前記タッチパネルにより前記項目印字領域を一つずつ文字入力位置として指定する入力位置指定手段と、前記入力位置指定手段により指定された項目印字領域に対して前記入力手段から入力された文字データを項目印字領域に対応して記憶する文字データ記憶手段と、前記フォーマットデータ記憶手段に記憶された印字用フォーマットデータに基づいて印字枠の印字データを生成するとともに、前記文字データ記憶手段に記憶された文字データの印字データを対応する項目印字領域内に前記印字用フォーマットデータにより定める書式に従って展開することにより印字枠付の文字列の印字データを生成する印字データ生成手段と、前記印字データ生成手段によって生成された印字データに基づいて前記印字手段により前記テープ部材に印字枠付の文字列を印字する印字制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明のテープ印字装置において、前記フォーマットデータ生成手段は、前記印字用フォーマットデータを生成することによって、前記項目印字領域内に印字する文字列の書式として、文字列の文字サイズ及び文字数を設定する。
【0009】
さらに、本発明のテープ印字装置は、前記入力位置指定手段によって入力位置が指定された項目印字領域に前記入力手段により文字データが入力される際に、その項目印字領域に入力可能な文字数に関する情報を前記フォーマットデータ記憶手段に記憶される印字フォーマットデータに基づいて前記表示手段に表示させる表示制御手段を備える。
【0010】
そして、本発明のテープ印字装置は、テープ印字装置に装填されるテープ部材の幅を検出するテープ幅検出手段を備え、前記テープ幅設定手段は、前記テープ幅検出手段の検出情報に基づいてテープ部材の幅を設定する。
【0011】
また、本発明のテープ印字装置は、前記テープ部材の幅を使用者が入力するテープ幅入力手段を備え、前記テープ幅設定手段は、前記テープ幅入力手段の入力情報に基づいてテープ部材の幅を設定することもある。
【0012】
そして、本発明のラベル作成方法は、文字データを入力する入力処理と、情報を表示する表示処理と、手書き操作による線図データを入力する線図データ入力処理及びテープ部材に印字を行う印字処理と、を実行してラベルを作成するラベル作成方法であって、テープ部材の幅を設定するテープ幅設定処理と、線図データ入力処理で入力された線図データが表わす囲み枠のサイズを前記テープ幅設定処理で設定されたテープ幅内に収まるサイズに定めるとともに、線図データによって囲み枠内が区切られることにより形成される項目印字領域の位置、領域サイズ及びその項目印字領域内に印字する文字列の書式を定めて印字用の印字枠を規定する印字用フォーマットデータを生成する一方、その印字枠に対応する表示用の表示枠を規定する表示用フォーマットデータを生成するフォーマットデータ生成処理と、前記印字用フォーマットデータ及び前記表示用フォーマットデータを記憶するフォーマットデータ記憶処理と、前記フォーマットデータ記憶処理で記憶された前記表示用フォーマットデータを読み出して前記表示処理で表示画面に表示枠を表示した状態で、前記項目印字領域を一つずつ文字入力位置として指定する入力位置指定処理と、前記入力位置指定処理で指定された項目印字領域に対して前記入力処理で入力された文字データを項目印字領域に対応して記憶する文字データ記憶処理と、前記フォーマットデータ記憶処理で記憶された印字用フォーマットデータに基づいて印字枠の印字データを生成するとともに、前記文字データ記憶処理で記憶された文字データの印字データを対応する項目印字領域内に前記印字用フォーマットデータにより定める書式に従って展開することにより印字枠付の文字列の印字データを生成する印字データ生成処理と、前記印字データ生成処理によって生成された印字データに基づいて前記テープ部材に印字枠付の文字列を前記印字処理において印字させる印字制御処理と、を実行することを特徴とする。
【0013】
また、本発明のラベル作成方法は、前記フォーマットデータ生成処理において、前記印字用フォーマットデータを生成することによって、前記項目印字領域内に印字する文字列の書式として、文字列の文字サイズ及び文字数を設定する処理を実行する。
【0014】
さらに、本発明のラベル作成方法は、前記入力位置指定処理で入力位置が指定された項目印字領域に前記入力処理において文字データが入力される際に、その項目印字領域に入力可能な文字数に関する情報を前記フォーマットデータ記憶処理で記憶される印字フォーマットデータに基づいて前記表示処理において表示させる表示制御処理を実行する。
【0015】
そして、本発明のラベル作成方法は、テープ印字装置に装填されるテープ部材の幅を検出するテープ幅検出処理を実行し、前記テープ幅設定処理において、前記テープ幅検出処理で検出された情報に基づいてテープ部材の幅を設定する。
【0016】
また、本発明のラベル作成方法では、前記テープ部材の幅を使用者が入力するテープ幅入力処理を実行し、前記テープ幅設定処理において、前記テープ幅入力処理で入力された情報に基づいてテープ部材の幅を設定することもある。
【0017】
そして、本発明のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、文字データを入力する入力処理と、情報を表示する表示処理と、手書き操作による線図データを入力する線図データ入力処理及びテープ部材に印字を行う印字処理と、を実行するためのプログラムが記憶された記憶媒体であって、テープ部材の幅を設定するテープ幅設定処理と、線図データ入力処理で入力された線図データが表わす囲み枠のサイズを前記テープ幅設定処理で設定されたテープ幅内に収まるサイズに定めるとともに、線図データによって囲み枠内が区切られることにより形成される項目印字領域の位置、領域サイズ及びその項目印字領域内に印字する文字列の書式を定めて印字用の印字枠を規定する印字用フォーマットデータを生成する一方、その印字枠に対応する表示用の表示枠を規定する表示用フォーマットデータを生成するフォーマットデータ生成処理と、前記印字用フォーマットデータ及び前記表示用フォーマットデータを記憶するフォーマットデータ記憶処理と、前記フォーマットデータ記憶処理で記憶された前記表示用フォーマットデータを読み出して前記表示処理で表示画面に表示枠を表示した状態で、前記項目印字領域を一つずつ文字入力位置として指定する入力位置指定処理と、前記入力位置指定処理で指定された項目印字領域に対して前記入力処理で入力された文字データを項目印字領域に対応して記憶する文字データ記憶処理と、前記フォーマットデータ記憶処理で記憶された印字用フォーマットデータに基づいて印字枠の印字データを生成するとともに、前記文字データ記憶処理で記憶された文字データの印字データを対応する項目印字領域内に前記印字用フォーマットデータにより定める書式に従って展開することにより印字枠付の文字列の印字データを生成する印字データ生成処理と、前記印字データ生成処理によって生成された印字データに基づいて前記テープ部材に印字枠付の文字列を前記印字処理において印字させる印字制御処理と、を実行するためのプログラムが記憶されたことを特徴とする。
【0018】
また、本発明のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、前記フォーマットデータ生成処理において、前記印字用フォーマットデータを生成することによって、前記項目印字領域内に印字する文字列の書式として、文字列の文字サイズ及び文字数を設定する処理を実行するためのプログラムが記憶されたことを特徴とする。
【0019】
さらに、本発明のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、前記入力位置指定処理で入力位置が指定された項目印字領域に前記入力処理において文字データが入力される際に、その項目印字領域に入力可能な文字数に関する情報を前記フォーマットデータ記憶処理で記憶される印字フォーマットデータに基づいて前記表示処理において表示させる表示制御処理を実行するためのプログラムが記憶されたことを特徴とする。
【0020】
そして、本発明のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、テープ印字装置に装填されるテープ部材の幅を検出するテープ幅検出処理を実行し、前記テープ幅設定処理において、前記テープ幅検出処理で検出された情報に基づいてテープ部材の幅を設定するためのプログラムが記憶されたことを特徴とする。
【0021】
また、本発明のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、前記テープ部材の幅を使用者が入力するテープ幅入力処理を実行し、前記テープ幅設定処理において、前記テープ幅入力処理で入力された情報に基づいてテープ部材の幅を設定するためのプログラムが記憶されることもある。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、使用者がタッチパネルから線図により枠を手書き入力することにより項目印字領域の位置や数やサイズを任意に設定した印字枠を規定する印字用の定型フォーマットデータ及びそれに対応する表示枠を規定する表示用の定型フォーマットデータが生成され、表示枠が表示される表示上で使用者が項目印字領域の位置を指定して文字列を入力することでオリジナルの定型ラベルを簡単に作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施例に係るテープ印字装置の平面図である。
【図2】本発明の実施例に係るテープ印字装置の内部拡大図及びテープカセットの斜視図である。
【図3】本発明の実施例に係るテープ印字装置の機能ブロック図である。
【図4】オリジナルのフォーマットデータを生成し、該フォーマットデータに基づいてラベルを印刷する制御フローを示すフローチャートである。
【図5】印字用フォーマットデータと表示用フォーマットデータとを生成するフォーマットデータ生成制御フローを示すフローチャートである。
【図6】入力位置を指定して文字データを入力する文字入力制御フローを示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施例に係るテープ印字装置のタッチパネルにより枠の線図データが手書き入力されたときのタッチパネルを示す図である。
【図8】本発明の実施例に係るテープ印字装置のタッチパネルに表示用の枠の線図データが出力されたときのタッチパネル及び表示部を示す図である。
【図9】本発明の実施例に係るテープ印字装置のタッチパネルにおいて入力位置を指定したときのタッチパネル及び表示部を示す図である。
【図10】本発明の実施例に係るテープ印字装置のタッチパネルにより文字データが手書き入力されたときのタッチパネル及び表示部を示す図である。
【図11】本発明の実施例に係るテープ印字装置によって文字入力が完了したときの表示部及びテープ印字装置によって作成されたラベルを示す図である。
【図12】本発明の実施例に係るテープ印字装置の表示部に文字情報が表示された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための形態について述べる。本発明のテープ印字装置1は、文字データを入力する入力手段とされるキーボード入力部3及びタッチパネル入力部60、入力された文字データ等の情報を表示する表示手段である表示部4及びタッチパネル表示部62並びに文字や枠等をテープ部材31に印字する印字手段としてのヘッド駆動回路51及びサーマルヘッド11を備えたテープ印字装置1である。
【0025】
このテープ印字装置1は、液晶表示装置であるタッチパネル表示部62と、この液晶表示装置の表示画面上に設けられたタッチパネル入力部60と、を備えている。なお、タッチパネル入力部60を単にタッチパネルともいう。そして、このタッチパネルは、使用者の手書き操作による線図データを入力する。
【0026】
また、このテープ印字装置1は、記憶手段としてのRAM42と、テープ幅検出手段としてのテープ幅検出スイッチ16と、テープ幅設定手段、フォーマットデータ生成手段、入力位置指定手段、印字データ生成手段、及び、印字制御手段として機能するCPU等の制御部40と、を備えている。
【0027】
テープ幅検出スイッチ16は、テープ幅検出手段としてテープ印字装置1に装填されるテープ部材31の幅を検出する。そして、制御部40は、テープ幅設定手段としてテープ幅検出スイッチ16により検出された情報に基づいてテープ部材31の幅を設定する。
【0028】
また、制御部40は、フォーマットデータ生成手段としてタッチパネル入力部60により手書き入力された線図データが表す囲み枠80の外形サイズ、特にテープ幅方向に対応する縦サイズをテープ幅設定手段(当該制御部40)により設定されたテープ幅内に収まるサイズに定めるとともに、線図データによって囲み枠80内が区切られることにより形成される項目印字領域81a〜81dの位置、領域サイズ及びその項目印字領域81a〜81d内に印字する文字列の文字サイズ及び文字数等の書式を定めて印字用の印字枠を規定する印字用フォーマットデータを生成する。また、制御部40は、フォーマットデータ生成手段として印字枠に対応する表示用の表示枠を規定する表示用フォーマットデータも生成する。
【0029】
RAM42には、手書きデータメモリ領域42aが確保され、この手書きデータメモリ領域42aは、タッチパネル入力部60(タッチパネル)から手書き入力される線図データを記憶する。即ち、RAM42は、手書きデータ記憶手段として機能する。また、RAM42には、フォーマットデータメモリ領域42bが確保され、このフォーマットデータメモリ領域42bには、印字用の印字枠を規定する印字用フォーマットデータ及び、表示用の表示枠を規定する表示用フォーマットデータが記憶される。即ち、RAM42は、フォーマットデータ記憶手段として機能する。
【0030】
そして、入力位置指定手段としての制御部40は、フォーマットデータ記憶手段(RAM42)から表示用フォーマットデータを読み出して表示手段であるタッチパネル表示部62の表示画面に表示枠を表示した状態で、その表示枠内の複数の項目印字領域81a〜81dのうちの何れか一つを入力位置として指定する。また、入力位置指定手段としての制御部40は、タッチパネル入力部60により項目印字領域81a〜81dを一つずつ文字入力位置として指定する。即ち、使用者は、複数の項目印字領域81a〜81dにおいて、文字入力位置を任意に選択して文字を入力し、文字入力後別の項目印字領域81a〜81dを入力位置として指定するといったように、次々に文字入力位置を指定して、複数の項目印字領域81a〜81dの全てに文字を容易に入力することができる。
【0031】
そして、RAM42には、文字データメモリ領域42cが確保され、この文字データメモリ領域42cは、入力位置指定手段(制御部40)により指定された項目印字領域81a〜81dに印字するべく入力手段であるキーボード入力部3又はタッチパネル入力部60から入力された文字データを指定された項目印字領域81a〜81dの位置及び領域サイズに対応して記憶する。即ち、RAM42は、文字データ記憶手段として機能する。
【0032】
また、印字データ生成手段としての制御部40は、フォーマットデータ記憶手段としてのRAM42に記憶された印字用フォーマットデータに基づいて印字枠の印字データを生成する。さらに、印字データ生成手段としての制御部40は、文字データ記憶手段としてのRAM42に記憶された文字データの印字データを印字枠の印字データの指定された項目印字領域81a〜81dの位置に合成して印字枠付の文字列の印字データを生成する。このとき、印字データ生成手段としての制御部40は、文字データの印字データを対応する項目印字領域81a〜81d内に印字用フォーマットデータにより定める書式に従って展開する。そして、印字制御手段としての制御部40は、印字データ生成手段(当該制御部40)によって生成された印字データに基づいて印字手段であるヘッド駆動回路51及びサーマルヘッド11によりテープ部材31に印字枠付きの文字列を印字する。
【実施例】
【0033】
以下、本発明の実施例を図に基づいて詳説する。図1は、本発明の実施例に係るテープ印字装置1の平面図であり、図2は、このテープ印字装置1に使用するテープカセット21の外観及びテープ印字装置1の内部構造の一部を示す斜視図である。テープ印字装置1は、表面を印字面とし裏面を粘着面とした印字テープと、印字テープの粘着面に貼着される剥離テープと、が積層されて形成されたテープ部材31に文字や記号、枠や罫線などを印刷する装置である。
【0034】
このテープ印字装置1は、図1に示すように、筐体2の上面にキーボード入力部3、表示部4及びカセット装填部8を覆う開閉蓋5が形成されている。また、図示しないが、筐体2には、パーソナルコンピュータ等の外部機器と接続するための入力端子、電源コードが接続される電源端子、メモリーカード等の着脱自在とされる記憶媒体が挿入される挿入口等も形成されている。
【0035】
キーボード入力部3は、文字データを入力する文字入力キー、印字開始を指示する印字キー、表示部4の表示画面に表示されるカーソルを移動操作するカーソルキー、内容を確定させる確定ボタン、テープ部材31への印字を実行する実行ボタン、印字モードの設定や各種設定処理を行う種々の制御キーによって構成されている。表示部4は、テープ印字装置1における液晶パネルであり、この表示部4には、入力されたデータに関する画像、各種の設定のための選択メニュー、各種の処理に関するメッセージ等が表示される。即ち、キーボード入力部3は、文字データ等を入力する入力手段とされ、表示部4は、入力された文字データ等の情報を表示する表示手段とされる。なお、表示部4は、小型の液晶パネルであることから、長文のラベル作成時にはパネル上に全文を表示させることができないこともある。よって、長文を入力する際には、入力された文字が次々とパネル外に移行するように画面スクロールを自動で行う。
【0036】
また、テープ印字装置1は、タッチパネル表示部62及びタッチパネル入力部60を備える。このタッチパネル入力部60(タッチパネル)は、液晶表示装置であるタッチパネル表示部62の表示画面上に積層した透明のセンサー面である。このタッチパネル入力部60は、反応検出用の入力手段として用いられるものであり、表示用メモリとしてのRAM42の座標系に対応する座標系を有し、タッチペン64によって手書きされた線図に対応する座標位置を検出するものである。即ち、タッチパネル入力部60(タッチパネル)は、使用者の手書き操作による文字データや線図データを入力する入力手段である。また、タッチパネル表示部62は、入力された線図データ等の情報を表示する表示手段である。なお、このタッチパネル入力部60は、抵抗膜式、光学式、静電容量式、超音波式などの各種方式を採用することができる。
【0037】
次に、本実施例のテープ印字装置1の内部構成について述べる。テープ印字装置1の筐体2の内部には、図2に示すように、テープ部材31及びインクリボン35を収容したテープカセット21を装填するためのカセット装填部8が形成されている。また、カセット装填部8内には、テープ部材31に印字を行う印字機構45と、テープ部材31をそのテープ長手方向に搬送するプラテンローラ12と、テープ部材31を幅方向に切断する切断機構と、を備えている。
【0038】
また、テープ印字装置1のカセット装填部8内には、テープカセット21を所定の位置に支持するためのカセット受部15が形成され、カセット装填部8の一端部には、筐体2の外に通じるテープ排出口7が形成され、このテープ排出口7に切断機構が組み込まれている。この切断機構は、テープ部材31の印字テープ及び剥離テープを共にテープ幅方向に切断するフルカット手段としてのフルカット機構17と、テープ部材31の剥離テープを残して印字テープのみを切断するハーフカット手段としてのハーフカット機構18と、から成る。
【0039】
印字機構45は、縦方向に発熱素子が配列されたサーマルヘッド11と、テープ部材31及びインクリボン35をサーマルヘッド11とで挟んで圧接するプラテンローラ12と、から構成される。このプラテンローラ12は、搬送用モータによって駆動される。
【0040】
さらに、テープカセット21は、カセットケース22を備え、このカセットケース22の内部には、テープ部材31が巻装されたテープコア23、未使用のインクリボン35が巻装されたリボン供給コア24、使用済みのインクリボン35を巻取るリボン巻取コア25が夫々収納されている。また、テープカセット21のカセットケース22には、カセット装填部8内にテープカセット21を装填した場合にサーマルヘッド11が位置するヘッド配置部27が形成されている。
【0041】
また、カセットケース22の隅部には、カセット装填部8のカセット受部15と係合し、このカセット受部15によって支持される被係合部29が形成されている。このカセットケース22の被係合部29には、図示しないがテープカセット21の種類に応じて所定の形状に形成されたカセット識別部が設けられている。さらに、カセット装填部8のカセット受部15には、カセットケース22の被係合部29に形成されたカセット識別部に対応する複数個のテープ幅検出スイッチ16が形成されている。
【0042】
そして、カセットケース22がカセット装填部8に装填されると、カセットケース22の被係合部29に形成されたカセット識別部と、カセット装填部8のカセット受部15に設けられた複数個のテープ幅検出スイッチ16と、が係合する。カセット識別部とテープ幅検出スイッチ16とが係合すると、選択的にこのテープ幅検出スイッチ16がオンオフ動作することにより、テープカセット21に内蔵されるテープ部材31の幅が検出される。これにより、制御部40がテープ幅に適合した印字データを作成することができる。印字データの生成の詳細については後述する。
【0043】
このテープ印字装置1では、印字の指示がなされると、プラテンローラ12が駆動され、テープ部材31及びインクリボン35がテープカセット21から重ねられた状態で繰り出されてサーマルヘッド11の印字位置に搬送される。そして、印字位置では印字データに基づいてサーマルヘッド11が発熱駆動され、インクリボン35のインクがテープ部材31に熱転写されてテープ部材31に印字が行われる。
【0044】
そして、テープ部材31に印字が完了すると、プラテンローラ12の駆動によってテープ部材31が更に搬送されて印字済みの部分がテープ排出口7から外部に排出され、フルカット機構17によって印字テープと剥離テープとが共にテープ幅方向に切断されて、1枚のテープ状のラベルが作成される。
【0045】
次に、テープ印字装置1の回路構成について述べる。このテープ印字装置1は、図3に示すように、制御部40を備える。そして、この制御部40には、記憶手段としてのROM41及びRAM42が接続されている。また、制御部40には、文字等を入力する入力手段としてのキーボード入力部3及びタッチパネル入力部60と、入力された文字等を表示する表示手段である表示部4を駆動する表示部駆動回路63と、表示手段であるタッチパネル表示部62を駆動するタッチパネル表示部駆動回路61と、が接続されている。
【0046】
さらに、制御部40には、サーマルヘッド11を駆動するヘッド駆動回路51と、搬送用モータ46を駆動する搬送用モータ駆動回路52と、カッターモータ48を駆動するカッターモータ駆動回路53と、テープ幅検出スイッチ16と、が接続されている。
【0047】
制御部40はCPUであって、キーボード入力部3からのキー操作信号、又は、タッチパネル入力部60からの手書き入力信号に応じて、又は、自動でROM41に予め記憶されているシステムプログラム、メモリーカードに記憶された制御プログラム、外部機器から読み込まれた制御プログラムなどを起動させ、RAM42をワークメモリとして回路各部の動作を制御する。
【0048】
ROM41には、キーボード入力部3及びタッチパネル入力部60から入力された文字等を表示し印字するためのプログラムや文字フォントなどが記憶され、制御部40で読み取り可能なプログラムが記憶された記憶媒体としても機能する。また、ROM41には、従来のテープ印字装置と同様に、ビデオカセットやオーディオカセットのタイトルラベル、名札ラベル及び備品管理ラベル等の定型ラベルを作成するための定型フォーマットデータが記憶されている。
【0049】
RAM42には、キー入力された文字データを記憶する入力データメモリ領域、入力された文字データや定型ラベルに係る印字枠付の文字列データが展開された印字データが記憶される印字データメモリ領域、表示部4やタッチパネル表示部62に表示されるパターンデータが記憶される表示データメモリ領域などの各領域が確保されており、印字処理などに必要なデータを一時的に記憶するレジスタやカウンタなども設けられている。
【0050】
また、RAM42には、使用者が所望の定型ラベルを追加作成するべく、タッチパネル入力部60(タッチパネル)から手書き入力される線図データを記憶する手書きデータメモリ領域42a、手書き入力された囲み枠の外形サイズとその囲み枠が線図によって区切られることにより形成される項目印字領域の位置及び領域サイズ、更に項目領域内に印字可能な文字列の文字サイズ、文字数、文字種などの書式を定めて印字用の印字枠を規定する印字用フォーマットデータが記憶される一方、その印字枠に対応する表示用の表示枠を規定する表示用フォーマットデータが記憶されるフォーマットデータメモリ領域42b、印字枠の複数の各項目印字領域に対してキーボード入力部3又はタッチパネル入力部60から入力された文字データを各項目印字領域に対応させて記憶する文字データメモリ領域42cの各メモリ領域が確保される。即ち、RAM42は、手書きデータ記憶手段、フォーマットデータ記憶手段、及び、文字データ記憶手段として機能する。
【0051】
テープ幅検出スイッチ16は、テープ幅検出手段としてカセット装填部8に装填されたテープカセット21に内蔵されるテープ部材31の幅を検出するスイッチである。このテープ幅検出スイッチ16は、装填されたテープカセット21に内蔵されるテープ幅の検出情報を制御部40に伝達する。そして、テープ幅設定手段としての制御部40は、テープ幅検出スイッチ16により検出された当該検出情報に基づいてテープ部材31の幅を設定する。
【0052】
そして、本実施例のテープ印字装置1は、手書きデータメモリ領域42a、フォーマットデータメモリ領域42b及び文字データメモリ領域42cを備えるRAM42と、テープ幅検出手段としてのテープ幅検出スイッチ16と、テープ幅設定手段、フォーマットデータ生成手段、入力位置指定手段、印字データ生成手段、及び、印字制御手段として機能するCPU等の制御部40と、を備えることで、オリジナルの定型ラベル用の印字用定型フォーマットを作成して該フォーマットに基づいて、テープ部材31に印字枠の複数の項目印字領域内に文字列を配置したラベルを印字し、その印字部分を切断することで、容易にオリジナルの定型ラベルを作成することができる。
【0053】
さらに、制御部40は、タッチパネル入力部60からタッチペン64により囲み枠及びその囲み枠内を複数の項目印字領域に区切る区切り線が描画されると、パネル上に描画された囲み枠及び区切り線の線図の座標位置を検出し、その連続した座標位置情報である線図データをRAM42の手書きデータメモリ領域42aに記憶させるとともに、その線図データに基づいてタッチパネル表示部駆動回路61を駆動してタッチパネル表示部62に複数の項目印字領域を有する手書きされた囲み枠を表示させる。
【0054】
そして、フォーマットデータ生成手段としての制御部40は、タッチパネル入力部60により入力された複数の項目印字領域を有する囲み枠の線図データに基づいて、印字用の印字枠の囲み枠部分の外形サイズを装置に装填されたテープ部材31に収まるサイズに定めるものであり、特に、囲み枠の縦サイズをテープ幅設定手段(当該制御部40)により設定されたテープ幅内に収まるサイズに定めるとともに、線図データによって囲み枠内が区切られることにより形成される囲み枠内の複数の項目印字領域の位置及び領域サイズ及びその項目印字領域内に印字する文字に関する書式(文字列の文字サイズ及び文字数等)を定めて、印字用の印字枠を規定する印字用フォーマットデータを生成する。また、フォーマットデータ生成手段としての制御部40は、印字枠に対応する表示用の表示枠を規定する表示用フォーマットデータも生成する。
【0055】
そして、フォーマットデータ記憶手段としてのRAM42は、この印字用の印字枠を規定する印字用フォーマットデータ及び、表示用の表示枠を規定する表示用フォーマットデータをフォーマットデータメモリ領域42bに記憶する。
【0056】
さらに、入力位置指定手段としての制御部40は、フォーマットデータ記憶手段(RAM42)から表示用フォーマットデータを読み出して表示手段であるタッチパネル表示部62の表示画面に表示枠を表示した状態で、その表示された表示枠内の複数の項目印字領域のうちの何れか一つを入力位置として指定する。また、入力位置指定手段としての制御部40は、タッチパネル入力部60により項目印字領域を一つずつ文字入力位置として指定する。即ち、使用者は、複数の項目印字領域において、文字入力位置を任意に選択して文字を入力し、文字入力後別の項目印字領域を入力位置として指定するといったように、次々に文字入力位置を指定して、複数の項目印字領域の全てに文字を容易に入力することができる。
【0057】
そして、文字データ記憶手段としてのRAM42は、入力位置指定手段(制御部40)により指定された項目印字領域(内枠)に印字するべく入力手段であるキーボード入力部3又はタッチパネル入力部60から入力された文字データを指定された項目印字領域の位置及び領域サイズに対応して記憶する。
【0058】
また、印字データ生成手段としての制御部40は、フォーマットデータ記憶手段としてのRAM42に記憶された印字用フォーマットデータに基づいて印字枠部分の印字データを生成する。さらに、印字データ生成手段としての制御部40は、文字データ記憶手段としてのRAM42に記憶された文字データの印字データを印字枠の印字データの指定された項目印字領域の位置に合成して印字枠付の文字列の印字データを生成する。このとき、印字データ生成手段としての制御部40は、文字データの印字データを対応する項目印字領域内に印字用フォーマットデータにより定める書式に従って展開する。
【0059】
そして、印字制御手段としての制御部40は、印字データ生成手段(当該制御部40)によって生成された印字データとされる文字や枠等の合成データに基づいて印字手段であるヘッド駆動回路51及びサーマルヘッド11によりテープ部材31に印字枠付きの文字列を印字する。
【0060】
以下、テープ印字装置1において、オリジナルのフォーマットを作成し、該フォーマットに基づいてラベルを作成するフォーマット作成印刷モードの制御フローについて述べる。図4は、オリジナルのフォーマットデータを生成し、該フォーマットデータに基づいてラベルを印刷する制御フローを示すフローチャートである。図5は、手書き入力された枠の線図データに基づいて印字用の印字枠を規定する印字用フォーマットデータを生成し、印字枠に対応する表示用の表示枠を規定する表示用フォーマットデータを生成するフォーマットデータ生成制御フローを示すフローチャートである。図6は、入力位置を指定して文字データを入力する文字入力制御フローを示すフローチャートである。
【0061】
まず、テープ印字装置1におけるフォーマット作成印刷モードの流れについて述べる。フォーマット作成印刷モードが開始すると、制御部40は、タッチパネル入力部60を手書き入力待機状態とする。また、テープ幅検出スイッチ16が、テープ印字装置1に装填されたテープカセット21に内蔵されるテープ部材31の幅を検出するテープ幅検出処理(ステップS100)を実行して、当該検出情報を制御部40に伝達する。そして、制御部40は、当該検出情報に基づいてテープ部材31の幅を設定するテープ幅設定処理(ステップS120)を実行する。
【0062】
なお、このテープ印字装置1は、テープ幅検出スイッチ16を有しない場合、キーボード入力部3をテープ幅入力手段として機能させ、使用者のキー操作に応じてテープ部材31の幅情報を制御部40に入力するテープ幅入力処理を実行する構成とする。この場合、制御部40は、テープ幅入力処理で入力された当該入力情報に基づいてテープ部材31の幅を設定するテープ幅設定処理を実行する。
【0063】
そして、図7に図示するように、使用者が、タッチパネル入力部60にタッチペン64で矩形の囲み枠80の線図を描画(手書き操作)するとともに、複数の項目印字領域81a〜81dを形成するべく囲み枠80内に複数の区切り線82a〜82cの線図を描画(手書き操作)すると、タッチパネル入力部60が使用者の操作に応じて座標情報を制御部40に入力する線図データ入力処理(ステップS130)を実行する。即ち、この線図データ入力処理(ステップS130)では、手書き操作により連続した座標位置情報である線図(手書き枠)データが入力される。
【0064】
そして、制御部40は、入力された当該手書き枠の線図の座標情報、即ち連続した座標位置情報である線図データをRAM42の手書きデータメモリ領域42aに記憶させる線図データ記憶処理(ステップS140)を実行する。また、線図データ記憶処理(ステップS140)では、RAM42に記憶された座標情報に基づいてタッチパネル表示部駆動回路61を駆動してタッチパネル表示部62に複数の項目印字領域81a〜81dを有する手書きされた囲み枠を表示する線図データの表示処理も実行される。
【0065】
つまり、使用者がタッチパネル入力部60(タッチパネル)にタッチペン64で複数の項目印字領域81a〜81dを有する囲み枠80の線図を描画すると、制御部40に該手書き線図の座標位置情報が入力され、図7に示したように、当該座標情報の入力を受けた制御部40が該手書き線図データをタッチパネル表示部62に表示させる。
【0066】
そして、図4に示したように、このテープ印字装置1は、RAM42に記憶された線図データに応じて、制御部40がフォーマットデータ生成処理(ステップS200)を実行し、印字用フォーマットデータを生成するとともに表示用フォーマットデータを生成して、この表示用フォーマットデータに基づく表示用の表示枠をタッチパネル表示部62に表示させる。また、制御部40は、表示画面に表示された表示枠に応じて使用者が入力位置を指定して文字を入力するための文字入力処理(ステップS300)を実行して、フォーマットとしての枠、及び、該枠に対応した文字を合成した印字データを生成する(ステップS400)。そして、使用者により印字の実行ボタンが操作されることで、制御部40は、印字処理(ステップS500)を実行して、ラベルに枠や文字等の合成された印字データを印字する。以上が、テープ印字装置1におけるフォーマット作成印刷モードの流れである。
【0067】
次に、フォーマットデータ生成処理(ステップS200)の詳細について図5を参照して説明する。図7に示したように、使用者が枠の線図をタッチペン64等で描画した後に、タッチパネル表示部62に表示された当該線図データを認識させるためにタッチパネル入力部60の認識ボタンをタッチすると、制御部40は、RAM42に記憶された座標情報(線図データ)に基づいて、印字用の印字枠を規定する印字用フォーマットデータ及び表示用の表示枠を規定する表示用フォーマットデータを生成するとともに、この印字用フォーマットデータ及び表示用フォーマットデータをRAM42のフォーマットデータメモリ領域42bに記憶させるフォーマットデータ記憶処理を実行する。
【0068】
具体的には、図5に示したように、直線変換・サイズ算出処理(ステップS210)において制御部40は、RAM42に記憶された手書き入力枠の座標情報に基づき表示される曲線を直線に変換する処理を行う。つまり、囲み枠80及び囲み枠80内に配置される複数の項目印字領域(内枠)81a〜81dが矩形状となるように、座標を変換する。例えば、図7における左右方向であるx方向に描画された曲線(囲み枠80を構成する上辺及び下辺、並びに、囲み枠80内を区切るx方向の区切り線82a,82c)を構成する各座標においては、上下方向であるy方向の座標が、各点のy方向の平均座標に変換されて左右方向(x方向)の直線が生成される。同様に、y方向の曲線(囲み枠80を構成する左右辺及び囲み枠80内を区切るy方向の区切り線82b)も直線に変換される。
【0069】
そして、この直線変換・サイズ算出処理(ステップS210)では、変換された各直線を連結(トリミングや延長)する処理を実行して、矩形状の外枠である囲み枠80及びこの囲み枠80内が区切り線82a〜82cにより区切られることで形成される複数の内枠である矩形状の項目印字領域81a〜81dを生成する。また、囲み枠80及び複数の項目印字領域81a〜81dを構成する直線の座標データが設定されると、制御部40は、当該座標データに基づいて囲み枠80及び複数の項目印字領域81a〜81dの夫々のサイズ(x方向の長さ及びy方向の長さ)を算出する。
【0070】
囲み枠80及び各項目印字領域81a〜81dのサイズが算出されると、制御部40は、枠情報設定処理(ステップS220)を実行する。この枠情報設定処理(ステップS220)において、制御部40は、囲み枠80及び各項目印字領域81a〜81dのサイズ比を変更させることなく拡大又は縮小する。このとき、囲み枠80の縦(上下方向)の長さは、設定されたラベル幅の長さに対応して生成される。そして、囲み枠80の横(左右方向)の長さは、この囲み枠80の縦の長さを設定した倍率と同一の倍率で拡大又は縮小して自動で設定される。また、同様に各項目印字領域81a〜81dのサイズも囲み枠80の設定倍率と同一の倍率で拡大又は縮小されて自動で位置及びサイズが設定される。
【0071】
したがって、枠情報設定処理(ステップS220)では、ラベルサイズに適した囲み枠80及び複数の項目印字領域81a〜81dが生成され、これらの枠情報が設定される。
【0072】
そして、枠情報が設定されると、制御部40は、各項目印字領域81a〜81d内に印字可能な文字列の文字サイズ及び文字数を設定する文字情報設定処理(ステップS230)を実行する。この文字情報設定処理(ステップS230)では、先ず各項目印字領域81a〜81dの縦(上下方向)の長さ内に表示することのできる文字のサイズを設定し、次に、各項目印字領域81a〜81d内において文字を所定間隔で左右方向に並べたときに、項目印字領域81a〜81dの左右方向の長さに対応して表示可能とされる、即ち各項目印字領域81a〜81d内に収まる文字数を設定する。
【0073】
即ち、制御部40は、線図データ入力処理(S130)で入力された線図データが表わす囲み枠80のサイズをテープ幅設定処理(ステップS120)で設定されたテープ幅内に収まるサイズに定めるとともに、線図データによって囲み枠80内が区切られることにより形成される項目印字領域81a〜81dの位置、領域サイズ及びその項目印字領域81a〜81d内に印字する文字列の書式(文字サイズ及び文字数等)を定めて印字用の印字枠を規定する印字用フォーマットデータを生成することになる。そして、制御部40は、各処理(ステップS220、230)において、この印字用の印字枠を規定する印字用フォーマットデータをRAM42のフォーマットデータメモリ領域42bに記憶させるフォーマットデータ記憶処理を実行する。
【0074】
また、制御部40は、この印字用の印字枠に対応する表示用の表示枠を規定する表示用フォーマットデータを生成する表示用フォーマットデータ生成処理(ステップS240)を実行する。表示用フォーマットデータ生成処理(ステップS240)では、タッチパネル表示部62の表示画面サイズに合わせるように印字用フォーマットデータを拡大あるいは縮小して、図8(a)に示すように、手書き入力された線図データに代えて表示用の表示枠(囲み枠80及び複数の項目印字領域81a〜81d)をタッチパネル表示部62に表示させる。なお、表示用フォーマットデータ生成処理(ステップS240)において、タッチパネル表示部62表示用の表示枠を規定する表示用フォーマットデータをRAM42のフォーマットデータメモリ領域42bに記憶するフォーマットデータ記憶処理も実行される。
【0075】
さらに、表示用フォーマットデータ生成処理(ステップS240)において制御部40は、表示部4に表示させる表示用の表示枠を生成する処理も実行する。この処理において制御部40は、印字用フォーマットデータ生成処理としての枠情報設定処理(ステップS220)及び文字情報設定処理(ステップS230)において生成された印字用フォーマットデータに基づいて表示部4表示用の表示枠を生成する。この表示部4表示用の表示枠は、使用者が確認しやすいように、表示部4に表示される文字のサイズに合わせて生成される。ここで、表示部4に表示される文字のサイズは、使用者が見やすいように印字される文字のサイズに影響されることなく、等しい文字のサイズで表示される。なお、表示用フォーマットデータ生成処理(ステップS240)において、表示部4表示用の表示枠を規定する表示用フォーマットデータをRAM42のフォーマットデータメモリ領域42bに記憶するフォーマットデータ記憶処理も実行される。
【0076】
つまり、図8(a)に示したように、左側を二段、右側を三段としたタッチパネル表示部62表示用の表示枠について、右側の三段各々の項目印字領域81a,81c,81dの縦(上下方向)の長さを、表示部4の文字表示サイズに合わせて等しい長さとし、左側の下段の項目印字領域81bについては、右側の下二段の項目印字領域81c,81dに相当する範囲の長さとして、各領域を表示部4表示用の項目表示領域91a〜91dとして設定し、図8(b)に示すように表示される。
【0077】
次に、フォーマットデータが生成された後に実行される文字入力処理(ステップS300)の詳細について図6を参照して説明する。制御部40は、フォーマットデータ生成処理(ステップS200)で生成され、フォーマットデータメモリ領域42bに記憶された表示用フォーマットデータを読み出して、タッチパネル表示部62に表示用の表示枠が表示された状態であるときに、使用者がタッチパネル表示部62に表示された複数の項目印字領域81a〜81dのうちの何れか一つを、例えば、図9(a)に示すように、入力位置を右側の中段(二段目)として指定するために、当該項目印字領域81c内をタッチペン64でタッチすると、タッチパネル入力部60からタッチされた座標位置の信号が制御部40に入力される入力位置指定処理(ステップS310)が実行される。
【0078】
そして、制御部40は、入力された座標が複数の項目印字領域81a〜81dのうちの、何れの項目印字領域81a〜81d内の座標であるかを判別し、選択領域を確定する指定領域確定処理(ステップS320)を実行する。続いて、制御部40は、図9(b)に示すように、当該選択領域に対応した表示部4表示用の表示枠における項目表示領域91cの左端である一文字目に下線であるカーソルを表示するカーソル表示処理(ステップS330)を実行して、文字入力待機状態となる。
【0079】
なお、入力位置指定処理(ステップS310)では、タッチパネル表示部62に表示されるタッチパネル表示部62表示用の項目印字領域81a〜81d内にタッチペン64でタッチする場合のほか、キーボード入力部3のカーソルキーを操作することにより、表示部4に表示される表示部4表示用の項目表示領域91a〜91dを順次選択することで入力位置を指定し、使用者によるキーボード入力部3の確定ボタンの操作によって項目表示領域91a〜91dを設定する指定領域確定処理(ステップS320)を実行することとしてもよい。
【0080】
そして、指定領域確定処理(ステップS320)が実行されると、図10(a)に示すように、タッチパネル表示部62に表示されていた表示用の表示枠に代えて、文字入力用の矩形状の入力枠85a〜85cが表示される。そして、使用者がタッチパネル入力部60にタッチペン64で文字を描画すると、タッチパネル入力部60から座標情報が制御部40に入力される入力処理(ステップS340)が実行される。ここで、入力された手書き文字データは、タッチパネル表示部62に表示される。
【0081】
さらに、使用者がタッチパネル入力部60に表示されている認識ボタンをタッチすると、制御部40は、当該入力情報に基づいてROM41に格納されている文字候補を呼び出して、図10(b)に示すように、表示部4の表示用の表示枠における指定した項目表示領域91a〜91d内に当該文字候補を表示する文字表示処理を実行する。また、文字表示処理において制御部40は、使用者がカーソルキーを押すたびに異なる候補を表示部4に順次表示させる。つまり、この入力処理(ステップS340)では、入力位置指定処理(ステップS310)で指定された項目印字領域81a〜81dに印字するべく文字を入力する処理とともに入力された文字データを表示する表示処理が実行される。
【0082】
そして、使用者がキーボード入力部3の確定ボタンを押すと印字するための文字が確定し、制御部40は、確定した当該文字データを指定された項目印字領域81a〜81dに対応して記憶する文字データ記憶処理(ステップS350)を実行する。即ち、この文字データ記憶処理(ステップS350)では、入力処理(ステップS340)で入力された文字データを入力位置指定処理(ステップS310)で指定された項目印字領域81a〜81dの位置及びサイズに対応してRAM42の文字データメモリ領域42cに記憶する処理が行われる。文字データとしての文字位置については、夫々の文字列が項目印字領域81a〜81d内に収まるように配置されるために、左揃え(又は右揃え)として設定している場合、文字列の先頭を項目印字領域81a〜81dの左端に(又は文字列の末尾を項目印字領域81a〜81dの右端に)位置させるための座標位置が設定される。なお、中央揃えが指定されている場合には、項目印字領域81a〜81dの中央に文字列の中心を位置させるための座標位置が設定される。
【0083】
なお、タッチパネル入力部60における領域選択ボタンがタッチされると、タッチパネル表示部62に表示されていた文字入力用の矩形枠に代えて、図9(a)に示した表示用の表示枠が表示され、再び使用者が文字を入力する位置を指定することができるようになる。つまり、入力位置指定処理(ステップS310)では、フォーマットデータメモリ領域42bに記憶された表示用フォーマットデータを読み出して表示画面に表示枠を表示した状態で、項目印字領域81a〜81dを一つずつ文字入力位置として指定する。そして、使用者が、各項目印字領域81a〜81dに文字や記号の入力をすると、図11(a)に示すように、随時表示部4の項目表示領域91a〜91dに表示される表示内容が更新される。なお、表示用の項目表示領域91a〜91d内に入りきらない文字列は横方向にスクロールさせることで入力可能とされる。
【0084】
また、使用者がキーボード入力部3における印字実行ボタンを押すと、制御部40は、図4に示したように、フォーマットデータ生成処理(ステップS200)で生成され、フォーマットデータメモリ領域42bに記憶された印字用フォーマットデータに基づいて印字用の印字枠の印字データを生成する印字データ生成処理(ステップS400)を実行する。また、この印字データ生成処理(ステップS400)において制御部40は、文字データ記憶処理(ステップS350)で記憶された文字データの印字データ、即ち各項目印字領域81a〜81d内に配置される文字列や記号などの印字データを、対応する項目印字領域81a〜81d内に印字用フォーマットデータにより定める書式に従って展開して、印字枠付の合成した文字列の印字データを生成する。
【0085】
そして、制御部40は、印字データ生成処理(ステップS400)によって生成された印字データに基づいてヘッド駆動回路51を制御する印字制御処理を実行して、テープ部材31に印字枠付の文字列を印字する印字処理(ステップS500)を実行する。そして、フルカット機構17によってテープ部材31を切断することで、図11(b)に示すように当該印字データが印字された一枚のラベル31Lが作成される。
【0086】
なお、印字データをラベル31Lに印字する前に、タッチパネル表示部62に表示用の表示枠と文字列等を合成したプレビュー画面を表示することとしてもよい。また、文字入力処理における入力処理(ステップS340)において、タッチペン64による手書き入力について説明したが、キーボード入力部3の操作により文字列や記号を入力することとしてもよい。
【0087】
したがって、本発明によれば、使用者がタッチパネル入力部60(タッチパネル)から線図により枠を手書き入力することにより項目印字領域81a〜81dの位置や数やサイズを任意に設定した印字枠を規定する印字用の定型フォーマットデータ及びそれに対応する表示枠を規定する表示用の定型フォーマットデータが生成され、表示枠が表示される表示画面上で使用者が項目印字領域81a〜81dの位置を指定して文字列を入力することでオリジナルの定型ラベルを簡単に作成することができるテープ印字装置1と、ラベル作成方法と、を提供することができる。
【0088】
さらに、本発明によれば、項目印字領域81a〜81d内に表示される文字列の書式として文字サイズ及び文字数が自動で設定されるため、文字サイズ及び文字数を決める、といった設定処理をする必要がなく、取扱い易いテープ印字装置1と、該テープ印字装置1を用いたラベル作成方法と、を提供することができる。
【0089】
また、フォーマットデータ生成処理における文字情報設定処理(ステップS230)において設定された文字情報を表示部4に表示させる表示処理を実行することとしてもよい。例えば、制御部40は、図12(a)に示すように、表示部4における囲み枠90の左方及び右方における余白領域70に、各項目表示領域91a〜91dに入力可能な文字数及び文字サイズを表示させる。
【0090】
これにより、例えば表示部4における一段目余白領域71に、項目表示領域91aに入力可能な文字数「11」と、当該項目表示領域91aに入力した文字データがラベル31Lに印字される際の文字サイズ「5mm」と、が表示され、以下同様に、右側二段目余白領域72に、項目表示領域91cに対応した文字数「5」、文字サイズ「6mm」が表示され、右側三段目余白領域73に項目表示領域91dに対応した文字数「18」、文字サイズ「2mm」が表示され、左側二段目余白領域74に項目表示領域91bに対応した文字数「1」、文字サイズ「9mm」が表示される。よって、使用者は、予め入力可能な文字数や文字サイズを知ることができる。
【0091】
さらに、制御部40は、入力位置指定処理(ステップS310)で入力位置が指定された項目印字領域81a〜81dに入力処理(ステップS340)において文字データが入力される際に、その項目印字領域81a〜81dに入力可能な文字数に関する情報をこの余白領域70において随時変更する表示制御処理を実行してもよい。即ち、制御部40は、表示制御手段として、項目印字領域81a〜81dに入力可能な文字数に関する情報を、フォーマットデータメモリ領域42bに記憶される印字フォーマットデータに基づいて表示部4を制御して、表示画面に当該文字数情報を表示させる表示処理を実行する構成とすることができる。例えば、図12(b)に示すように、右側二段目の項目表示領域91c内に「管理」と2文字が表示されると、右側二段目余白領域72には入力可能な残り文字数が「3」と表示される。
【0092】
このように、指定した項目印字領域81a〜81dに印字するべく入力処理(ステップS340)で入力されて文字データ記憶処理(ステップS350)で記憶される文字のデータに応じて入力可能文字数が表示部4に表示される表示処理を実行することで、使用者があと何文字入力できるかを容易に把握することができる。
【0093】
さらに、入力可能文字数を超えてしまうような入力を受けた場合、制御部40は、エラー表示を表示部4に表示させて、当該指定した項目印字領域81a〜81d内に文字データを追加できない旨を報知することとしてもよい。
【0094】
そして、このテープ印字装置1は、テープ幅検出手段であるテープ幅検出スイッチ16により検出された情報をテープ幅として自動で設定して、当該テープ部材31に適合した定型フォーマットを作製することができる。なお、テープ幅検出手段を有しない場合には、キーボード入力部3をテープ幅入力手段としての機能させることで、テープ幅を設定することができる。
【0095】
さらに、本実施例におけるフローチャートに示した処理は、コンピュータに実現させることのできるプログラムとして、例えば磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等の記憶媒体に書き込んだ状態で各種装置に適用する、あるいは、通信媒体により伝送して各種装置に適用することも可能である。このように所望の記憶媒体に本実施例で述べた各処理を記憶させ、他のコンピュータ等でプログラムを実行させることにより、本実施例の装置を用いた場合と同様の作用効果が得られる。なお、コンピュータは、本実施例で述べた装置に内蔵されたコンピュータに限定されるわけではなく、記憶媒体に記憶されたプログラムを読み取り可能であって、読み取ったプログラムに従って制御動作を行うCPU等の演算装置を備えているあらゆるコンピュータを含む。
【0096】
なお、本発明は、以上の実施例に限定されるものでなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で自由に変更、改良が可能である。例えば、囲み枠80内に文字を入力したときに入力可能文字数を超えてしまった場合、印字用の印字枠及び表示用の表示枠を横方向(テープ長さ方向)に伸長するように変更することができるように、テープ印字装置1を構成することとしてもよい。
【符号の説明】
【0097】
1 テープ印字装置 2 筐体
3 キーボード入力部 4 表示部
5 開閉蓋 7 テープ排出口
8 カセット装填部 11 サーマルヘッド
12 プラテンローラ
15 カセット受部 16 テープ幅検出スイッチ
17 フルカット機構 18 ハーフカット機構
21 テープカセット 22 カセットケース
23 テープコア 24 リボン供給コア
25 リボン巻取コア 27 ヘッド配置部
29 被係合部 31 テープ部材
31L ラベル
35 インクリボン 40 制御部
41 ROM 42 RAM
42a 手書きデータメモリ領域 42b フォーマットデータメモリ領域
42c 文字データメモリ領域 45 印字機構
46 搬送用モータ 48 カッターモータ
51 ヘッド駆動回路 52 搬送用モータ駆動回路
53 カッターモータ駆動回路 60 タッチパネル入力部
61 タッチパネル表示部駆動回路 62 タッチパネル表示部
63 表示部駆動回路 64 タッチペン
70 余白領域 71 一段目余白領域
72 右側二段目余白領域 73 右側三段目余白領域
74 左側二段目余白領域
80 囲み枠 81a〜81d 項目印字領域
82a〜82c 区切り線 85a〜85c 入力枠
90 囲み枠 91a〜91d 項目表示領域


【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字データを入力する入力手段と、情報を表示する表示手段と、前記表示手段の表示画面上に設けられ手書き操作による線図データを入力するタッチパネル及びテープ部材に印字を行う印字手段を備えたテープ印字装置であって、
前記テープ部材の幅を設定するテープ幅設定手段と、
前記タッチパネルにより手書き入力された線図データが表わす囲み枠のサイズを前記テープ幅設定手段により設定されたテープ幅内に収まるサイズに定めるとともに、線図データによって囲み枠内が区切られることにより形成される項目印字領域の位置、領域サイズ及びその項目印字領域内に印字する文字列の書式を定めて印字用の印字枠を規定する印字用フォーマットデータを生成する一方、その印字枠に対応する表示用の表示枠を規定する表示用フォーマットデータを生成するフォーマットデータ生成手段と、
前記印字用フォーマットデータ及び前記表示用フォーマットデータを記憶するフォーマットデータ記憶手段と、
前記フォーマットデータ記憶手段から表示用フォーマットデータを読み出して前記表示手段の表示画面に表示枠を表示した状態で、前記タッチパネルにより前記項目印字領域を一つずつ文字入力位置として指定する入力位置指定手段と、
前記入力位置指定手段により指定された項目印字領域に対して前記入力手段から入力された文字データを項目印字領域に対応して記憶する文字データ記憶手段と、
前記フォーマットデータ記憶手段に記憶された印字用フォーマットデータに基づいて印字枠の印字データを生成するとともに、前記文字データ記憶手段に記憶された文字データの印字データを対応する項目印字領域内に前記印字用フォーマットデータにより定める書式に従って展開することにより印字枠付の文字列の印字データを生成する印字データ生成手段と、
前記印字データ生成手段によって生成された印字データに基づいて前記印字手段により前記テープ部材に印字枠付の文字列を印字する印字制御手段と、
を備えることを特徴とするテープ印字装置。
【請求項2】
前記フォーマットデータ生成手段は、前記印字用フォーマットデータを生成することによって、前記項目印字領域内に印字する文字列の書式として、文字列の文字サイズ及び文字数を設定することを特徴とする請求項1に記載のテープ印字装置。
【請求項3】
さらに、前記入力位置指定手段によって入力位置が指定された項目印字領域に前記入力手段により文字データが入力される際に、その項目印字領域に入力可能な文字数に関する情報を前記フォーマットデータ記憶手段に記憶される印字フォーマットデータに基づいて前記表示手段に表示させる表示制御手段を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のテープ印字装置。
【請求項4】
テープ印字装置に装填されるテープ部材の幅を検出するテープ幅検出手段を備え、前記テープ幅設定手段は、前記テープ幅検出手段の検出情報に基づいてテープ部材の幅を設定することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のテープ印字装置。
【請求項5】
前記テープ部材の幅を使用者が入力するテープ幅入力手段を備え、前記テープ幅設定手段は、前記テープ幅入力手段の入力情報に基づいてテープ部材の幅を設定することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のテープ印字装置。
【請求項6】
文字データを入力する入力処理と、情報を表示する表示処理と、手書き操作による線図データを入力する線図データ入力処理及びテープ部材に印字を行う印字処理と、を実行してラベルを作成するラベル作成方法であって、
テープ部材の幅を設定するテープ幅設定処理と、
線図データ入力処理で入力された線図データが表わす囲み枠のサイズを前記テープ幅設定処理で設定されたテープ幅内に収まるサイズに定めるとともに、線図データによって囲み枠内が区切られることにより形成される項目印字領域の位置、領域サイズ及びその項目印字領域内に印字する文字列の書式を定めて印字用の印字枠を規定する印字用フォーマットデータを生成する一方、その印字枠に対応する表示用の表示枠を規定する表示用フォーマットデータを生成するフォーマットデータ生成処理と、
前記印字用フォーマットデータ及び前記表示用フォーマットデータを記憶するフォーマットデータ記憶処理と、
前記フォーマットデータ記憶処理で記憶された前記表示用フォーマットデータを読み出して前記表示処理で表示画面に表示枠を表示した状態で、前記項目印字領域を一つずつ文字入力位置として指定する入力位置指定処理と、
前記入力位置指定処理で指定された項目印字領域に対して前記入力処理で入力された文字データを項目印字領域に対応して記憶する文字データ記憶処理と、
前記フォーマットデータ記憶処理で記憶された印字用フォーマットデータに基づいて印字枠の印字データを生成するとともに、前記文字データ記憶処理で記憶された文字データの印字データを対応する項目印字領域内に前記印字用フォーマットデータにより定める書式に従って展開することにより印字枠付の文字列の印字データを生成する印字データ生成処理と、
前記印字データ生成処理によって生成された印字データに基づいて前記テープ部材に印字枠付の文字列を前記印字処理において印字させる印字制御処理と、
を実行することを特徴とするテープ印字装置を用いたラベル作成方法。
【請求項7】
前記フォーマットデータ生成処理において、前記印字用フォーマットデータを生成することによって、前記項目印字領域内に印字する文字列の書式として、文字列の文字サイズ及び文字数を設定する処理を実行することを特徴とする請求項6に記載のテープ印字装置を用いたラベル作成方法。
【請求項8】
さらに、前記入力位置指定処理で入力位置が指定された項目印字領域に前記入力処理において文字データが入力される際に、その項目印字領域に入力可能な文字数に関する情報を前記フォーマットデータ記憶処理で記憶される印字フォーマットデータに基づいて前記表示処理において表示させる表示制御処理を実行することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のテープ印字装置を用いたラベル作成方法。
【請求項9】
テープ印字装置に装填されるテープ部材の幅を検出するテープ幅検出処理を実行し、前記テープ幅設定処理において、前記テープ幅検出処理で検出された情報に基づいてテープ部材の幅を設定することを特徴とする請求項6乃至請求項8の何れかに記載のテープ印字装置を用いたラベル作成方法。
【請求項10】
前記テープ部材の幅を使用者が入力するテープ幅入力処理を実行し、前記テープ幅設定処理において、前記テープ幅入力処理で入力された情報に基づいてテープ部材の幅を設定することを特徴とする請求項6乃至請求項8の何れかに記載のテープ印字装置を用いたラベル作成方法。
【請求項11】
文字データを入力する入力処理と、情報を表示する表示処理と、手書き操作による線図データを入力する線図データ入力処理及びテープ部材に印字を行う印字処理と、を実行するためのプログラムが記憶された記憶媒体であって、
テープ部材の幅を設定するテープ幅設定処理と、
線図データ入力処理で入力された線図データが表わす囲み枠のサイズを前記テープ幅設定処理で設定されたテープ幅内に収まるサイズに定めるとともに、線図データによって囲み枠内が区切られることにより形成される項目印字領域の位置、領域サイズ及びその項目印字領域内に印字する文字列の書式を定めて印字用の印字枠を規定する印字用フォーマットデータを生成する一方、その印字枠に対応する表示用の表示枠を規定する表示用フォーマットデータを生成するフォーマットデータ生成処理と、
前記印字用フォーマットデータ及び前記表示用フォーマットデータを記憶するフォーマットデータ記憶処理と、
前記フォーマットデータ記憶処理で記憶された前記表示用フォーマットデータを読み出して前記表示処理で表示画面に表示枠を表示した状態で、前記項目印字領域を一つずつ文字入力位置として指定する入力位置指定処理と、
前記入力位置指定処理で指定された項目印字領域に対して前記入力処理で入力された文字データを項目印字領域に対応して記憶する文字データ記憶処理と、
前記フォーマットデータ記憶処理で記憶された印字用フォーマットデータに基づいて印字枠の印字データを生成するとともに、前記文字データ記憶処理で記憶された文字データの印字データを対応する項目印字領域内に前記印字用フォーマットデータにより定める書式に従って展開することにより印字枠付の文字列の印字データを生成する印字データ生成処理と、
前記印字データ生成処理によって生成された印字データに基づいて前記テープ部材に印字枠付の文字列を前記印字処理において印字させる印字制御処理と、
を実行するためのプログラムが記憶されたことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項12】
前記フォーマットデータ生成処理において、前記印字用フォーマットデータを生成することによって、前記項目印字領域内に印字する文字列の書式として、文字列の文字サイズ及び文字数を設定する処理を実行するためのプログラムが記憶されたことを特徴とする請求項11に記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項13】
さらに、前記入力位置指定処理で入力位置が指定された項目印字領域に前記入力処理において文字データが入力される際に、その項目印字領域に入力可能な文字数に関する情報を前記フォーマットデータ記憶処理で記憶される印字フォーマットデータに基づいて前記表示処理において表示させる表示制御処理を実行するためのプログラムが記憶されたことを特徴とする請求項11又は請求項12に記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項14】
テープ印字装置に装填されるテープ部材の幅を検出するテープ幅検出処理を実行し、前記テープ幅設定処理において、前記テープ幅検出処理で検出された情報に基づいてテープ部材の幅を設定するためのプログラムが記憶されたことを特徴とする請求項11乃至請求項13の何れかに記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項15】
前記テープ部材の幅を使用者が入力するテープ幅入力処理を実行し、前記テープ幅設定処理において、前記テープ幅入力処理で入力された情報に基づいてテープ部材の幅を設定するためのプログラムが記憶されたことを特徴とする請求項11乃至請求項13の何れかに記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−143648(P2011−143648A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−7100(P2010−7100)
【出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】