説明

テープ貼付装置

【課題】従来装置に対して多品種のテープ貼付態様に柔軟に対応し得るテープ貼付装置を提供する。
【解決手段】導入コンベヤ12と搬送コンベヤ14との渡り部の左右両側に、渡り部に位置する容器10に粘着テープ16を貼付する貼付アーム68が夫々配設される。各貼付アーム68は、横行用駆動モータ80により作動される横行機構70および昇降用駆動モータ86で作動される昇降機構72により夫々独立して動作するよう構成される。そして、容器10に対する粘着テープ16の貼付態様に応じて左右の貼付アーム68,68を夫々独立して動作することで、容器10の左右で粘着テープ16の貼付数が異なる品種の容器10に対応して任意の貼付位置、貼付数となるように粘着テープ16を貼付することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋付き容器における蓋と容器本体とを粘着テープによって止着するテープ貼付装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストアやスーパーマーケット等では、容器本体に食材を収容して蓋が冠着され、その容器本体と蓋とを粘着テープで止着した形態となる容器詰め食品として弁当や惣菜等が販売されている。このような容器詰品の粘着テープの貼付作業について、これまでの作業者による手作業を自動化し得る装置として、例えば特許文献1や特許文献2に開示された技術が提案されている。
【0003】
特許文献1や特許文献2に開示の技術は、何れもコンベヤに載置された蓋付き容器を上方から押さえ、コンベヤの左右に設けた一対のアームを容器の上部位置まで移動して該アームに吸着保持した粘着テープの始端部を容器の左右両側の上面に貼付し、アームを容器の側面に沿って水平移動と下降移動させて粘着テープを所要長さだけ供給源から引き出すと共に切断して、その切断端部をアームによって容器の側面または底面に押し撫でるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4063393号公報
【特許文献2】特開2009−107690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記容器の形状は多種多様であって、容器に対する粘着テープの貼付態様は、容器の断面形状やサイズ、あるいは内容物の性状、容器内の食品の収容状態、収容量等の各種条件によって定められている。
【0006】
前記特許文献1や特許文献2に係るテープ貼付装置では、左右で粘着テープの貼付数や貼付位置が異なる容器の貼付態様や、容器本体と蓋とが一側で連結されて容器の一側のみに粘着テープを貼付する貼付態様となる容器等には対応することができず、このような粘着テープの貼付態様に対しては、テープ貼付を依然として人手作業に頼らざるを得なかった。
【0007】
すなわち本発明は、従来の技術に係るテープ貼付装置に内在する前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、従来装置に対して多品種の容器についてテープ貼付態様に柔軟に対応し得るテープ貼付装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、請求項1の発明に係るテープ貼付装置は、
容器本体に蓋が冠着された容器をコンベヤで搬送する搬送路の側方に臨み、前記コンベヤに載置された容器の外縁に所定長さ毎に切断したテープ片を貼付して蓋と容器本体とを止着するテープ貼付手段を備え、
該テープ貼付手段は、コンベヤの搬送路を挟む左右に夫々配設されてテープロールから引き出した粘着テープの始端部を容器の蓋に貼付すると共に切断されたテープ片の終端部を容器本体に貼付する貼付アームと、各貼付アームに配設され、引き出した粘着テープを所定長さ毎に切断するカッタを作動するカッタ駆動手段と、前記各貼付アームを左右に往復動する第1駆動手段により作動される横行機構と、前記各貼付アームを昇降動する第2駆動手段により作動される昇降機構との夫々を備え、
前記容器の左右各側における粘着テープの貼付条件に応じて、前記左右の貼付アームにおける横行機構と昇降機構とを夫々異なるタイミングで作動すると共に該機構に連動してカッタを作動するよう、第1駆動手段と第2駆動手段とカッタ駆動手段との夫々を駆動制御する構成としたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明では、前記各貼付アームは、コンベヤの搬送経路上の固定位置に設けられ、前記容器の左右各側における粘着テープの貼付数と貼付位置とに対応してコンベヤの走行を停止して容器を搬送休止状態として、前記貼付アームにおける横行機構および昇降機構を夫々作動させて粘着テープを容器に貼付する構成としたことを要旨とする。
【0010】
請求項3に係る発明では、前記コンベヤは、導入コンベヤと該導入コンベヤの下流側に接続した搬送コンベヤとで構成され、
前記導入コンベヤから搬送コンベヤへの渡り部において、対向するコンベヤ端部を水平移動して間隙を画成する支持解除機構を備え、
前記渡り部の所定位置に容器が至った際に、前記支持解除機構を作動して前記間隙を画成し、前記貼付アームの容器底面側の移動空間を確保してテープ片の終端部を容器底面に貼付する構成としたことを要旨とする。
【0011】
請求項4に係る発明では、前記容器の品種毎に、前記横行機構と昇降機構とを左右の貼付アームの夫々で独立して動作するよう第1駆動手段と第2駆動手段とを駆動制御する構成としたことを要旨とする。
【0012】
請求項5に係る発明では、前記左右何れか一方の貼付アームは、前記容器本体と蓋との冠着形態に対応して前記横行機構と昇降機構との夫々を不作動とする構成としたことを要旨とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明によれば、例えば、容器の左右で粘着テープの貼付数が異なる品種の容器に対応した貼付位置や貼付数となるように粘着テープを貼付することができる等、従来装置に対して多品種のテープ貼付態様に対応し得る。これにより、人手作業でしかなし得なかった品種のテープ貼付作業の自動化を達成することができる。
請求項2に係る発明によれば、容器の停止状態でテープ貼付を行なうことで、貼付位置のずれや貼付の歪み等を防止した一定の貼付状態を得ることができる。
請求項3に係る発明によれば、導入コンベヤの搬送終端と搬送コンベヤの搬送始端との何れかまたは両方を水平移動して渡り部において、貼付アームの容器底面側への移動空間を確保するので、テープの貼着位置に対応した容器底面の横幅に依存することなく、容器底面にテープ片の終端部を良好に貼付することができる。
請求項4に係る発明によれば、容器に応じて左右の各貼付アームの左右移動と昇降動とを異なる移動量や移動速度あるいは移動時期で動作することで、左右で外形が異なる容器に適した貼付位置と各貼付位置毎に最適なテープ長となるテープ片により容器本体と蓋を確実に止着することができる。
請求項5に係る発明によれば、容器本体の一側に蓋が連結されて他側のみに粘着テープを貼付すれば足りる品種の容器に対し、粘着テープの貼付が必要のない側の貼付アームを不作動とすることで、装置の不要な動作を抑止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例に係るテープ貼付装置を上流側から視た概略斜視図である。
【図2】実施例に係るテープ貼付装置を下流側から視た概略斜視図である。
【図3】実施例に係るテープ貼付装置を示す概略平面図である。
【図4】実施例に係るテープ貼付装置を示す概略側面図である。
【図5】実施例に係るテープ貼付装置を導入コンベヤと搬送コンベヤとの端部を近接した状態で示す概略縦断側面図である。
【図6】実施例に係るテープ貼付装置を導入コンベヤと搬送コンベヤとの端部を離間して移動空間を確保した状態で示す概略縦断側面図である。
【図7】実施例に係る貼付アームと容器との関係を示す説明図であって、(a)は粘着テープの始端部を容器上面に貼付する前の状態を示し、(b)はテープ片の終端部を容器底面に貼付する状態を示す。
【図8】実施例に係るテープ貼付装置の主要な制御ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明に係るテープ貼付装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。
【実施例】
【0016】
図1〜図4は、実施例に係るテープ貼付装置の概略構成を示すものであって、テープ貼付装置は、蓋付きの容器10を載置して搬送する導入コンベヤ(コンベヤ)12と、該導入コンベヤ12の下流側に接続されて導入コンベヤ12から受け渡された容器10を載置して搬送する搬送コンベヤ(コンベヤ)14と、両コンベヤ12,14間の渡り部に対応して配設され、容器10に粘着テープ16を貼付するテープ貼付手段18とから基本的に構成される。
【0017】
前記導入コンベヤ12は、図1および図2に示す如く、搬送方向と交差する左右方向に所定間隔離間する一対の側板からなる固定フレーム20に、左右方向に離間する一対の側板および上板から下方に開放するコ字状に形成された移動フレーム22が、固定フレーム20に対して搬送方向に沿って水平移動可能に配設される。固定フレーム20に複数の従動プーリ24aと駆動プーリ24bとからなる固定プーリ24が回転可能に枢支されると共に、移動フレーム22に複数の移動プーリ26a,26bが回転可能に枢支され、これら固定プーリ24と移動プーリ26a,26b間に無端ベルト28が走行可能に巻掛けられている(図5参照)。前記駆動プーリ24bには、固定フレーム20に配設したクラッチブレーキ付きの第1駆動モータ30が接続され、該モータ30により回転する駆動プーリ24bの駆動力を受けて無端ベルト28が走行する。
【0018】
前記固定フレーム20には、前記移動フレーム22に連繋する作動機構32が配設される。作動機構32は、図1および図4に示す如く、固定フレーム20に回動可能に配設した作動軸34と、該作動軸34の各軸端と移動フレーム22の各側板とを接続するリンク機構36,36および作動軸34を所定角度範囲で回動する作動手段としての作動シリンダ38を備え、該作動シリンダ38を正逆方向に付勢することで、固定フレーム20に対して移動フレーム22が水平に往復移動するよう構成される。実施例では、作動シリンダ38を一方に付勢することで、移動フレーム22の下流端に配設した導入コンベヤ12の搬送終端となる終端移動プーリ26aが搬送コンベヤ14の搬送始端に近接し(図5参照)、作動シリンダ38を他方に付勢することで、移動フレーム22は終端移動プーリ26aが搬送コンベヤ14の搬送始端から離間して(図6参照)、テープ貼付手段18における後述する貼付アーム68の容器底面側への移動を許容する移動空間Sとなる間隙部を渡り部に画成するよう構成されている。実施例では、移動フレーム22と作動機構32とから支持解除機構が構成される。
【0019】
前記導入コンベヤ12にはガイド間隔調節機構40が設けられ、図1および図3に示す如く、無端ベルト28上の左右両側に位置する一対のガイド40a,40aを操作ハンドル40b,40bの回動によって両ガイド40a,40aの間隔を変更し得るよう構成される。無端ベルト28上に載置して搬送する容器10は、本例では各種食材を収容した容器本体10aに蓋10bを冠着した平面視で四角形のプラスチック成形品からなる弁当容器であって、該容器10の横幅(左右方向の幅)に合わせて両ガイド40a,40aの間隔が調節される。
【0020】
前記導入コンベヤ12の下流側において、容器10を検知可能な光電センサ等からなる物品センサ42が、図3に示す如く、両ガイド40a,40aに配設されている。また導入コンベヤ12には、無端ベルト28の走行量を検出するエンコーダからなる検出手段44(図7参照)が配設され、物品センサ42により検知された後に容器10が搬送される位置は、検出手段44のパルス数によって知ることができる。
【0021】
前記搬送コンベヤ14は、図5に示す如く、左右方向に所定間隔離間する一対の側板からなる固定フレーム46間に複数の従動プーリ48a,48bと駆動プーリ48cが回転可能に枢支され、これら従動プーリ48a,48bおよび駆動プーリ48c間に無端ベルト50が走行可能に巻掛けられる。駆動プーリ48cには、固定フレーム46に配設したクラッチブレーキ付きの第2駆動モータ52が接続され、該モータ52により回転する駆動プーリ48cの駆動力を受けて無端ベルト50が走行する。なお、無端ベルト50が巻掛けられて搬送コンベヤ14の搬送始端において固定フレーム46に支持された始端従動プーリ48aが、前記導入コンベヤ12の搬送終端において支持された前記無端ベルト28が巻掛けられた前記終端移動プーリ26aと対向し、各プーリ26a,48aに巻掛けられた夫々の無端ベルト28,50の転向部間で容器10が受け渡される。
【0022】
図1および図2に示す如く、前記導入コンベヤ12から搬送コンベヤ14への渡り部に対応して、該渡り部に位置する容器10を保持する押圧体54および受け具56を備える保持手段58が配設される。押圧体54は、渡り部の上方に配設した支持部材60に昇降動可能に配設され、該押圧体54は、支持部材60に配設した作動手段としての第1保持シリンダ62により両コンベヤ12,14で搬送される容器10と干渉しない上方の退避位置に保持されるよう構成される。そして、第1保持シリンダ62のピストンロッドを下降作動して保持を解除した際に、押圧体54の自重によって渡り部に位置する容器10の上面が押圧されるよう構成される。また受け具56は、渡り部の下方に配設した作動手段としての第2保持シリンダ64の作動によって昇降動するよう構成され、図5および図6に示す如く、該受け具56は、導入コンベヤ12および搬送コンベヤ14の物品載置面より下方に離間した退避位置と、渡り部でコンベヤ12,14間に跨って載置された容器10の底面を支持する支持位置との間を移動するよう構成される(図6参照)。なお、押圧体54および受け具56は、テープ貼付手段18の貼付アーム68が粘着テープ16を容器10に貼付するよう動作する際に、該貼付アーム68と干渉しない形状に形成される。すなわち、押圧体54は、貼付アーム68を挟む搬送方向の前後に位置する2本の角材を中間で連結したH形状に形成され、また受け具56は、容器底面より小さい寸法で底面中央部を部分的に支持可能な平板状に形成されている。
【0023】
前記テープ貼付手段18は、渡り部に対応して搬送路を挟む左右両側に貼付機構66a,66bを備える。両貼付機構66a,66bの構成は左右対称であるので、図1において右側の右貼付機構66aの構成について説明し、左側の左貼付機構66bについては、同一部材に同じ符号を付して詳細説明は省略する。
【0024】
右貼付機構66aは、容器10に粘着テープ16を貼付する貼付アーム68を、左右方向に往復動する横行機構70および昇降動する昇降機構72とを備える。横行機構70は、図1に示す如く、前記搬送コンベヤ14の下方に横架された固定台74に対し搬送路の右側位置に配設した横行枠76が第1ボールねじ78によって水平移動可能に配設され、該第1ボールねじ78をサーボモータからなる横行用駆動モータ(第1駆動手段)80で回転して横行枠76を左右方向へ水平移動することで搬送コンベヤ14における搬送路に対して接近または離間する。昇降機構72は、図2に示す如く、横行枠76に取着部材82が第2ボールねじ84によって昇降動可能に配設され、該第2ボールねじ84をサーボモータからなる昇降用駆動モータ(第2駆動手段)86で回転して取着部材82を昇降動する。
【0025】
図1に示すように、前記取着部材82には、粘着テープ16が巻回されたテープロール88が支持されると共に、テープロール88に隣接して貼付アーム68が前記渡り部の上方へ向けて水平に突出するように取着されている。この貼付アーム68の先端部の下面および垂直面との夫々には負圧発生手段90に接続された吸引孔からなる第1吸着部91と第2吸着部92とが形成されている(図7参照)。テープロール88から引き出された粘着テープ16は複数のローラ93a並びにテンションローラ93bを介して貼付アーム68の下面に案内され、図7(a)に示すようにこの粘着テープ16の始端部16aがその粘着面の反対面側から第1吸着部91により吸着されて保持される。
【0026】
前記取着部材82に配設される切断装置94は、前記貼付アーム68の第1吸着部91より外側に近接した位置において、粘着テープ16の引出し方向と交差するよう刃部を配置したカッタ95が貼付アーム68の下面に対し出没可能に支持され、取着部材82に配設したエアシリンダ96からなる切断駆動手段を作動することで、貼付アーム68の下面において第1吸着部91で吸着された粘着テープ16をカッタ95で切断するよう構成される(図7(b)参照)。また第2吸着部92は、カッタ95で切断された後のテープ片(所定長さで切断された粘着テープ16)における貼付アーム68の先端垂直面の外側に位置する終端部16bを吸着保持するよう構成される。
【0027】
図8に示すように、前記導入コンベヤ12の第1駆動モ−タ30、物品センサ42および検出手段44と、前記搬送コンベヤ14の第2駆動モータ52と、作動機構32の作動シリンダ38と、前記保持手段58の第1保持シリンダ62および第2保持シリンダ64と、前記両貼付機構66a,66bの横行用駆動モータ80,80および昇降用駆動モータ86,86と、前記切断装置94のカッタ駆動エアシリンダ96と、前記負圧発生手段90とが、夫々コントローラ97に接続されている。
【0028】
前記コントローラ97に接続された表示・入力手段としてのタッチパネル98により、品種名あるいは品種番号等の品種毎に対応して各作動機構の動作設定値等が予めデータ設定されるようになっており、それら品種について特定すると、コントローラ97は、品種毎に記憶された前記貼付アーム68の動作軌跡を特定する前記両貼付機構66a,66bにおける横行機構70,70の左右の横行用駆動モータ80,80と昇降機構72,72の左右の昇降用駆動モータ86,86とを、その品種に対応する容器10の断面形状やサイズ等に応じた回転量および回転速度で駆動制御する。なお、貼付アーム68の動作軌跡は、容器10の断面形状やサイズ等に応じて、例えば特開2009−107690号公報に開示されているように貼付アーム68を容器10の外形に沿って動作させるティーチングを行なうことによって、品種毎にコントローラ97に設定登録される。また、容器10に対する粘着テープ16の貼付態様、例えば容器10の左右側面毎での粘着テープ16の貼付数や貼付位置、あるいはテープ片の終端部16bの貼付位置等は、容器10の断面形状やサイズ、あるいは内容物の性状、容器内の食品の収容状態、収容量等の条件によって定められており、これら貼付態様に応じて各コンベヤ12,14の走行停止、走行再開の時期や、停止回数、並びに左右の各貼付アーム68の動作および動作の要否についても夫々品種毎にコントローラ97に設定登録される。
【0029】
次に、前述したように構成されたテープ貼付装置の動作につき、容器10の左右両側において、テープ片の終端部16bを容器10の底面まで貼付する態様の場合で説明する。
【0030】
前記導入コンベヤ12の無端ベルト28で載置搬送される容器10が物品センサ42で検知されると、前記コントローラ97は、物品センサ42による検知信号と導入コンベヤ12の検出手段44のパルス数とに基づき、容器10が渡り部において導入コンベヤ12の搬送終端と搬送コンベヤ14の搬送始端との各ベルト28,50の転向部に跨る位置に到来するタイミングで、両コンベヤ12,14の第1、第2駆動モータ30,35に付設されたクラッチブレーキが動作して各コンベヤ12,14の夫々の無端ベルト28,50の走行が停止する。また両コンベヤ12,14の停止に合わせて、前記第1保持シリンダ62を作動して退避位置の押圧体54の保持を解除することで、該押圧体54が下降して渡り部に位置する容器10の上面に自重で当接してコンベヤ12,14の載置面に押し付ける(図5参照)。また、前記作動機構32の作動シリンダ38を作動し、導入コンベヤ12の移動フレーム22を上流側に水平移動し、図6に示す如く、導入コンベヤ12の搬送終端と搬送コンベヤ14の搬送始端との間に間隙部が画成されて、容器底面のコンベヤ12,14による支持が部分的に解除されて、貼付アーム68における容器底面側の移動空間Sが確保される。また、容器10の形状等の条件によっては、前記第2保持シリンダ64を作動して退避位置の受け具56を支持位置まで上昇することで、間隙部に臨み両コンベヤ12,14間に跨って載置された容器10の底面を、該受け具56で下方から支持して前記押圧体54とにより容器10が上下から挟持される。なお、移動フレーム22の水平移動時には、導入コンベヤ12の下流端に配設した終端移動プーリ26aを含む移動プーリ26bが上流側へ移動して無端ベルト28を弛ませることなく導入コンベヤ12における容器10の載置面が伸縮するものであって、容器底面に対して無端ベルト28が摺動するものではないから、移動フレーム22の移動によって容器10が上流側や下流側へ引張られることはない。
【0031】
前記左右の貼付機構66a,66bにおいては、各取着部材82の貼付アーム68が、予め設定されている品種に対する容器10の断面形状やサイズ等に応じて設定された所定の動作パターンに基づき動作制御される。すなわち、左右の貼付アーム68,68が下降して容器10の蓋10bの上面左右両側に押し付けられ、前記第1吸着部91で吸着保持されている粘着テープ16の始端部16aが蓋10bの上面左右両側に押し撫でられて止着される。次に、各貼付アーム68が横行機構70と昇降機構72とにより外側へ横行して下降した後に容器10の側面に沿うように近接しつつ下降する。なお、第1吸着部91で吸着保持された粘着テープ16の始端部16aは、蓋10bに対して貼付される粘着テープ16の貼着力が前記第1吸着部91による吸着力より勝っているので、貼付アーム68で押し付けた粘着テープ16の始端部16aが蓋10bに対し貼付されたまま、貼付アーム68の横行と下降とによる移動に伴う引張力を受けて貼着テープ16はテープロール88から引き出される。貼付アーム68が容器本体10aの側面から底面に沿って移動し、粘着テープ16が容器10の底面位置に至る長さだけ引き出されたときに、カッタ駆動エアシリンダ96が作動して粘着テープ16が貼付アーム68の引張力により張った状態で切断装置94のカッタ95で切断されて容器10に貼付された粘着テープ16がテープ片として分離される。なお、貼付アーム68が容器本体10aの側面から底面に向けて移動するに際して、前記間隙部の画成によって貼付アーム68の容器底面側の移動空間Sは確保されている。また分離されたテープ片の終端部16bは、第2吸着部92による吸引力で弛みが生ずることなく保持される。テープ片が分離されて貼付アーム68に支持された粘着テープ16の始端部16aは第1吸着部91により保持され、その始端部16aが次工程におけるテープ片の始端部16aとなる。その後、各貼付アーム68が容器10の底面に沿うようにして若干横行することで(図7(b)の二点鎖線参照)、テープ片の終端部16bは第2吸着部92による保持力を受けつつアーム先端から解き放たれるので、テープ片の終端部16bが容器本体10aの底面にだぶつくことなく良好に押し撫でられて止着される。
【0032】
次に、貼付アーム68は、容器10から離間するよう横行すると共に上昇することで貼付開始位置に復帰する。また、保持手段58の第1、第2保持シリンダ62,64が作動し、前記押圧体54および受け具56の夫々が退避位置に移動する。更に、前記作動機構32の作動シリンダ38が作動して導入コンベヤ12の移動フレーム22を搬送方向前方に移動して前記間隙(移動空間S)が閉成されると共に、導入コンベヤ12および搬送コンベヤ14の第1、第2駆動モータ30,52のクラッチブレーキが作動制御されて各無端ベルト28,50が走行を再開され、粘着テープ16が貼付されて容器本体10aと蓋10bとが封止された容器10は搬送コンベヤ14によって搬出側に向けて搬送される。
【0033】
前記タッチパネル98により異なる包装品種が選択設定されると、新たに特定された品種の容器10との関係で設定された貼付動作に関する設定値に基づき、コンベヤ12,14の停止タイミングと、コンベヤ停止後の貼付動作に係るタイミング、および支持解除機構を動作する要否、あるいは保持手段58の受け具56の作動の要否等が変更される。例えば、容器本体10aと蓋10bとが一側で連結している冠着形態の品種では、左右何れか一方の貼付アーム68のみを動作させるように設定される。また、容器10の左右での粘着テープ16の貼付数および貼付位置が異なる品種においては、左右で異なる貼付位置と貼付数とに応じて、前記物品センサ42による検知信号と検出手段44のパルス数とに基づき、コンベヤ12,14の走行停止、走行再開とを切換えると共に、容器10の左右の各貼付位置に応じて、左右何れかの貼付アーム68を選択的に動作させるよう横行機構70および昇降機構72が個別に動作制御されるように設定される。例えば、容器10の右側には2枚の粘着テープ16を前後方向の中央を挟んで離間して貼付するのに対し、左側には1枚の粘着テープ16を前後方向の中央に貼付するような態様の品種においては、物品センサ42による検知信号と検出手段44のパルス数とに基づき、コンベヤ12,14で搬送される容器10における粘着テープ16の各貼付予定位置が渡り部の所定位置に到来する毎にコンベヤ12,14を停止し、対応する側の貼付アーム68を動作することで各貼付予定位置に粘着テープ16を貼付することができる。
【0034】
更に、テープ片の終端部16bを容器側面に留めるように貼付する態様の品種においては、前記支持解除機構および保持手段58における前記受け具56の昇降動作を不作動となるよう設定される。すなわち、支持解除機構および保持手段58の受け具56は、テープ片の終端部16bを容器10の底面まで貼付する態様の品種のみに対して動作するよう切換設定される。
【0035】
このように、本実施例では、導入コンベヤ12と搬送コンベヤ14との間に、容器10の底面側への貼付アーム68の移動を許容する移動空間Sを確保する間隙を画成するので、貼付位置に対する容器底面の横幅に依存することなく容器10の底面まで粘着テープ16を貼付する態様の容器10に対応することができ、従来装置では人手でしかなし得なかった品種も含めより多品種の容器10に対して求められる種々のテープ貼付態様に対応し得る。また、貼付アーム68の移動空間Sを確保する間隙は、導入コンベヤ12の搬送終端を上流側に水平移動して画成するので、容器10をコンベヤ12,14に載置して下流へ搬送する経路上においてテープ片の終端部16bが容器底面の所定位置まで至った状態で貼付することができる。しかも、渡り部に至った容器10をコンベヤ12,14の搬送路上に載置した支持高さが変化する等による容器10の姿勢を乱す要因を生ずることなく、容器底面にテープ片の終端部16bを良好に貼付することができ、貼付アーム68の容器底面側へ移動する高さを品種毎に変更する必要はない。更に、渡り部に位置する容器10における底面の前後は、導入コンベヤ12および搬送コンベヤ14で支持され、かつ押圧体54および受け具56によっても上下方向から支持されるから、軽量な容器10であっても位置ズレを防止して安定したテープ貼付をなし得る。なお、押圧体54は、移動空間Sを確保するべく導入コンベヤ12の搬送終端を移動する前に容器10の上方から押し付けるから、搬送終端の移動に際して容器10が位置ズレするのを確実に防止することができる。
【0036】
また、実施例の如く導入コンベヤ12と搬送コンベヤ14との渡り部に容器10を停止した状態で粘着テープ16の貼付を行なうようにすることで、テープ貼付手段18を搬送路中の固定位置に設置することで対応でき、該テープ貼付手段18をコンベヤ12,14の搬送方向に向けて往復移動させる機構を省略できる等、構造を簡略化したもとで、貼付位置のずれや貼付の歪み等を防止した一定の貼付状態を得ることができる。更に、容器10の底面まで粘着テープ16を貼付する品種についてのみ、支持解除機構を作動させるので、容器底面まで粘着テープ16を貼付する必要がない品種の容器10を処理する際には動作サイクルを短縮することができ、作業能率を向上し得る。
【0037】
実施例のテープ貼付手段18は、左右の貼付アーム68,68における横行動、昇降動並びにこれら動作の不作動と作動との夫々を独立して作動制御することができるので、容器本体10aと蓋10bとが一側で連結された容器等で容器10の左右一側にのみ粘着テープ16を貼付する態様や、左右両側での粘着テープ16の貼付数および貼付位置が異なる態様にも対応することができ、更に多品種の容器10に対応し得る。すなわち、従来は人手作業でしかなし得なかった品種の容器10についても、テープ貼付作業を自動化し得る。また、容器本体10aに対する蓋10bの冠着形態に対応して容器10の左右一側にのみ粘着テープ16を貼付する態様では、貼着側とは他側の貼付アーム68の動作を不作動とすることで、テープ貼付手段18の不要な動作を抑制することができる。更に、容器10の品種に応じて左右の貼付アーム68,68の夫々を、横行動と昇降動とを異なる移動量や移動速度あるいは移動時期で動作するよう独立して作動し得るから、左右で形状が異なる容器10においても、その外形に適した貼付位置と各貼付位置毎に最適なテープ長となるテープ片により容器本体10aと蓋10bとを確実に止着するようにテープ貼付を行なうことができる。
【0038】
(変更例)
本発明は実施例の構成に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で、例えば以下のようにも変更可能である。
(1) 実施例では、導入コンベヤ12から搬送コンベヤ14への渡り部で容器10を一時停止し、該停止位置において容器10の下流側へ向けた移動を休止してテープ貼付手段18で容器本体10aと蓋10bとを粘着テープ16で止着する構成としたが、この実施形態に係る間欠動作方式に代えて、容器を下流側へ向けた移動中に貼付動作を行なうようにした形態を採用するようにしてもよい。
すなわち、容器10が、導入コンベヤ12から搬送コンベヤ14への渡り部の所定位置まで至る時期に合わせて、前記のように渡り部に間隙を画成すると共に、容器10が渡り部の両コンベヤ12,14間に跨って載置された状態で夫々の無端ベルト28,50の走行を停止し、各コンベヤ12,14の接続端部に臨む夫々のプーリ26a,48aを搬送方向下流側へ移動するよう構成することで、渡り部の両コンベヤ12,14間に跨って載置された容器10の下流側への移動を継続させる。また、渡り部の位置が下流へ移動するのに伴って、貼付アーム68を、渡り部の間隙の位置に対応して下流側へ同速で移動しつつ横行動と昇降動させることによって、前記のように粘着テープ16の貼付動作を行なうよう構成する。そして、貼付アーム68による貼付動作の終了時期に合わせて各無端ベルト28,50の走行を開始し、また各コンベヤ12,14の接続端部に臨む夫々のプーリ26a,48aを上流側の初期位置まで移動復帰すると共に、渡り部の間隙を閉じるように両プーリ26a,48aの相互間隔を縮めるように構成すればよい。
(2) 実施例では、導入コンベヤ12の搬送終端を伸縮するよう構成し、該搬送終端を縮めることで間隙を画成する構成としたが、搬送コンベヤ14の搬送始端を伸縮したり、あるいは両コンベヤ12,14の端部を相互に伸縮する構成や、渡り部における各コンベヤ12,14の接続端部となる一方あるいは両方のプーリ26a,48aを下方へ回動する構成や、導入コンベヤ12または搬送コンベヤ14を渡り部側に位置する短尺コンベヤとその下流または上流に接続したコンベヤとから構成し、該短尺コンベヤ自体を昇降動する構成等、その他の各種構成を採用することができる。
(3) 実施例では、横行機構70や昇降機構72として、モータ80,86により作動されるボールねじ78,84を採用したが、リニアアクチュエータ等を駆動手段とするその他公知の各種機構を採用し得る。
(4) 実施例では、支持解除機構の作動機構32を、リンク機構36と作動シリンダ38とで構成したが、ボールねじ機構等、その他移動フレーム22を進退移動し得る各種の機構を採用し得る。
(5) 実施例では、導入コンベヤ12と搬送コンベヤ14とに個々に無端ベルト28,50を巻掛けたが、両コンベヤ12,14に1つの無端ベルトを巻掛ける構成を採用することができる。例えば、両コンベヤ12,14の渡り部で対向するプーリ間に間隙を画成する際に、両プーリ間の無端ベルトが凹状となって移動空間Sを確保し得るように無端ベルトの巻掛け形態を採用すればよい。
(6) 実施例では、支持解除機構により導入コンベヤ12と搬送コンベヤ14との間に間隙を画成することで、容器底面まで粘着テープ16の貼付が要求される品種に対応し得る構成としたが、支持解除機構は必要に応じて採用すればよい。
【符号の説明】
【0039】
10 蓋付きの容器,10a 容器本体,10b 蓋,12 導入コンベヤ(コンベヤ)
14 搬送コンベヤ(コンベヤ),16 粘着テープ,16a 始端部,16b 終端部
18 テープ貼付手段,22 移動フレーム(支持解除機構)
32 作動機構(支持解除機構),68 貼付アーム,70 横行機構,72 昇降機構
80 横行用駆動モータ(第1駆動手段),86 昇降用駆動モータ(第2駆動手段)
88 テープロール,95 カッタ,96 カッタ駆動エアシリンダ(カッタ駆動手段)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体(10a)に蓋(10b)が冠着された容器(10)をコンベヤ(12,14)で搬送する搬送路の側方に臨み、前記コンベヤ(12,14)に載置された容器(10)の外縁に所定長さ毎に切断したテープ片を貼付して蓋(10b)と容器本体(10a)とを止着するテープ貼付手段(18)を備え、
該テープ貼付手段(18)は、コンベヤ(12,14)の搬送路を挟む左右に夫々配設されてテープロール(88)から引き出した粘着テープ(16)の始端部(16a)を容器(10)の蓋(10b)に貼付すると共に切断されたテープ片の終端部(16b)を容器本体(10a)に貼付する貼付アーム(68)と、各貼付アーム(68)に配設され、引き出した粘着テープ(16)を所定長さ毎に切断するカッタ(95)を作動するカッタ駆動手段(96)と、前記各貼付アーム(68)を左右に往復動する第1駆動手段(80)により作動される横行機構(70)と、前記各貼付アーム(68)を昇降動する第2駆動手段(86)により作動される昇降機構(72)との夫々を備え、
前記容器(10)の左右各側における粘着テープ(16)の貼付条件に応じて、前記左右の貼付アーム(68)における横行機構(70)と昇降機構(72)とを夫々異なるタイミングで作動すると共に該機構(70,72)に連動してカッタ(95)を作動するよう、第1駆動手段(80)と第2駆動手段(86)とカッタ駆動手段(96)との夫々を駆動制御する構成とした
ことを特徴とするテープ貼付装置。
【請求項2】
前記各貼付アーム(68)は、コンベヤ(12,14)の搬送経路上の固定位置に設けられ、前記容器(10)の左右各側における粘着テープ(16)の貼付数と貼付位置とに対応してコンベヤ(12,14)の走行を停止して容器(10)を搬送休止状態として、前記貼付アーム(68)における横行機構(70)および昇降機構(72)を夫々作動させて粘着テープ(16)を容器(10)に貼付する構成とした請求項1記載のテープ貼付装置。
【請求項3】
前記コンベヤは、導入コンベヤ(12)と該導入コンベヤ(12)の下流側に接続した搬送コンベヤ(14)とで構成され、
前記導入コンベヤ(12)から搬送コンベヤ(14)への渡り部において、対向するコンベヤ端部を水平移動して間隙を画成する支持解除機構(22,32)を備え、
前記渡り部の所定位置に容器(10)が至った際に、前記支持解除機構(22,32)を作動して前記間隙を画成し、前記貼付アーム(68)の容器底面側の移動空間(S)を確保してテープ片の終端部(16b)を容器底面に貼付する構成とした請求項1または2記載のテープ貼付装置。
【請求項4】
前記容器(10)の品種毎に、前記横行機構(70)と昇降機構(72)とを左右の貼付アーム(68)の夫々で独立して動作するよう第1駆動手段(80)と第2駆動手段(86)とを駆動制御する構成とした請求項1〜3の何れか一項に記載のテープ貼付装置。
【請求項5】
前記左右何れか一方の貼付アーム(68)は、前記容器本体(10a)と蓋(10b)との冠着形態に対応して前記横行機構(70)と昇降機構(72)との夫々を不作動とする構成とした請求項1〜4の何れか一項に記載のテープ貼付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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