説明

テープ貼着方法とその装置

【課題】テープ被貼着体であるテープ被貼着体(リングフレームwなど)にラベル状の粘着テープT1を従来よりも無駄なく貼着させる。
【解決手段】 一定間隔位置に長手方向を分離するための分離補助用切り込みb1の形成された粘着テープT1をリリーステープT2に積層状に貼着してなる積層テープTをテープ案内経路上で移動させ、該移動中にリリーステープT2から部分的に剥離させた粘着テープT1の先端をテープ貼着開始位置p6に合致させ、次にこのように合致された粘着テープT1をテーブル200上に位置決めされたテープ被貼着体wにテープ押圧手段33で押圧した状態となし、次に粘着テープT1をリリーステープT2から剥離させつつ粘着テープT1をテープ被貼着体wに粘着テープTI先端側から貼着させ、該貼着中に積層テープTの移動を規制しテーブル200の移動力により粘着テープT1をこれの最先端側の分離補助用切り込みb1位置で引張分離させるように実施する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同一形態となされた多数のテープ被貼着体のそれぞれに粘着テープを効率的に貼着することのできるテープ貼着方法とその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
粘着テープをリリーステープに積層状に貼着してなる積層テープをテープ案内経路上で送り側へ移動させ該テープ案内経路のテープ剥離部にてリリーステープから粘着テープをその先端側から漸次に剥離させ特定方向へ張り出させるテープ案内移動手段と、リリーステープから剥離された粘着テープの先端が第1位置に到達したことを検出するテープ先端検出手段と、前記特定方向と対応する方向へ移動されるテーブルと、前記第1位置に関連したテープ貼着開始位置に到達した粘着テープを前記テーブル上に位置決めされたテープ被貼着体に押し付けて接着させるテープ押圧手段とを備え、テープ案内移動手段とテープ先端検出手段とテーブルとテープ押圧手段との関連作動によりテープ被貼着体であるリングフレームの必要箇所にラベル状の粘着テープが貼着される構成となされたテープ貼着装置は既に存在している。
【0003】
上記テープ貼着装置による処理は次のように実施されるのであり、即ち、積層テープをテープ案内経路上で移動させ、該移動中にリリーステープから部分的に剥離させた前記ラベル状の粘着テープの先端をテープ貼着開始位置に合致させ、次にこのように合致された前記粘着テープをテーブル上に位置決めされたテープ被貼着体にテープ押圧手段で押圧した状態となし、次に前記粘着テープをリリーステープから剥離させつつ前記テーブルを移動させることにより前記粘着テープをテープ被貼着体に該粘着テープ先端側から貼着させる。これにより、テーブル上のテープ被貼着体にラベル状の粘着テープが貼着されるのであり、この後は、テーブル上の処理済みのテープ被貼着体を取り除いては、次の未処理のテープ被貼着体をテーブル上に位置決めし、該テープ被貼着体について既述と同様な処理が繰り返される。
【0004】
上記のテープ貼着装置に使用される積層テープとしては、特許文献1に開示されているように、テープ被貼着体であるリングフレームに貼着されるラベル状の粘着テープが一定幅のリリーステープの片面上の適当に離れた一定間隔位置ごとに貼着された状態のものが使用される。この積層テープはリリーステープの片面に貼着された連続状の粘着テープに、該テープ貼着装置と分離して用意された専用のカット装置を使用して切り込みを入れることにより製作されるか、或いは、特許文献2に開示されているように該テープ貼着装置上に設けられたプリカット手段が、リリーステープの片面に貼着された連続状の粘着テープに切り込みを加工することにより形成されるものである。
【0005】
積層テープがテープ貼着装置上で使用されることによりテープ被貼着体にラベル状の粘着テープが貼着されると、テープ被貼着体であるリングフレームに貼着されたラベル状の粘着テープはリリーステープから剥離されて存在しない状態になるものの、該ラベル状の粘着テープを除いた範囲の粘着テープ部分はリリーステープに貼着されたまま切れ端となって残存し、リリーステープと共に廃棄される。
【0006】
【特許文献1】 特開平6−216242号公報
【特許文献2】 特開2005−116928号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記した従来のテープ貼着装置によりテープ被貼着体にラベル状の粘着テープを貼着する場合においては、積層テープがテープ被貼着体であるリングフレームのそれぞれに貼着されるラベル状の粘着テープを個々に一定距離だけ離してリリーステープに列状に貼着したものとなされているめ、積層テープの切り込み形態が複雑化して製作に手間がかかると共にラベル状の粘着テープの個数に対して積層テープを構成する粘着テープ及びリリーステープの必要長が大きくなるほか、多数のラベル状の粘着テープの相互間に位置した粘着テープ部分がこれの貼着されたリリーステープ部分と共に無駄に廃棄されるなどの問題がある。
【0008】
本発明はこのような問題点を解消させるために創案したものであり、即ち、テープ被貼着体であるリングフレームなどにラベル状の粘着テープを従来よりも合理的に貼着させることを可能とするテープ貼着方法及びその装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係るテープ貼着方法は、請求項1に記載したように、長手方向の一定間隔位置に長手方向を一定長さに分離するための分離補助用切り込みの形成された粘着テープをリリーステープに積層状に貼着してなる積層テープをテープ案内経路上で移動させ、該移動中に前記リリーステープから部分的に剥離させた前記粘着テープの先端をテープ貼着開始位置に合致させ、次にこのように合致された前記粘着テープをテーブル上に位置決めされたテープ被貼着体にテープ押圧手段で押圧した状態となし、次に前記粘着テープを前記リリーステープから剥離させつつ前記テーブルを移動させることにより前記粘着テープをテープ被貼着体に該粘着テープ先端側から貼着させ、該貼着中に前記積層テープの移動を規制し前記テーブルの移動力により前記粘着テープをこれの最先端側の分離補助用切り込み位置で引張分離させるように実施する。
【0010】
この発明のテープ貼着方法によれば、積層テープの粘着テープの先端から最先端側の分離補助用切り込み位置までの一定長さ範囲の粘着テープ部分が積層テープから分離されて最初の未処理のテープ被貼着体に貼着された状態となる。この後、粘着テープの貼着されたテープ被貼着体をテーブルから取り外し、第二の未処理のテープ被貼着体をテーブルに位置決めし、再び、本発明のテープ貼着方法を実施すると、先に分離された分離補助用切り込み位置が積層テープの先端となり、上記と同様に、積層テープの粘着テープの先端から最先端側の分離補助用切り込み位置までの一定長さ範囲の粘着テープ部分が積層テープから分離されて第二の未処理のテープ被貼着体に貼着された状態となる。このような処理は未処理のテープ被貼着体のそれぞれについて実施される。したがって、積層テープの粘着テープは、分離補助用切り込み位置で分離された一定長さ範囲の全長範囲がラベル状の粘着テープとなってテープ被貼着体に貼着されるものとなり、長さ方向の一部が使用されることなく廃棄されることはなくなる。またテープ被貼着体に貼着されるラベル状の粘着テープ部分の相互は粘着テープの長手方向へ隙間なく配列されるため、各テープ被貼着体に貼付されるラベル状の粘着テープ部分の数に対し、積層テープの長さは比較的短くなる。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係る第1のテープ貼着装置は、請求項2に記載したように、長手方向の一定間隔位置に長手方向を一定長さに分離するための分離補助用切り込みの形成された粘着テープをリリーステープに積層状に貼着してなる積層テープをテープ案内経路上で移動させるテープ案内移動手段と、前記積層テープの移動方向と関連した特定方向へ移動可能となされ支持面上にテープ被貼着体を位置決めするものとなされたテーブルと、前記粘着テープの最先端側の分離補助用切り込み位置よりも先側の前記粘着テープ部分を前記テープ被貼着体に貼着させ且つ該貼着過程で前記積層テープから分離させるテープ貼着手段とを備えたものである。
【0012】
このテープ貼着装置によれば、テープ案内移動手段、テーブル、テープ貼着手段の関連作動により、テープの粘着テープは、分離補助用切り込み位置で分離された一定長さ範囲の全長範囲がテープ被貼着体に貼着されるラベル状の粘着テープ部分となり、粘着テープの長さ方向の一部が使用されることなく廃棄されることはなくなる。ここで使用される積層テープは、その長さが同一であれば、各テープ被貼着体に貼付されるラベル状の粘着テープ部分の数の多いものとなる。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明に係る第2のテープ貼着装置は、請求項3に記載したように、長手方向の一定間隔位置に長手方向を一定長さに分離するための分離補助用切り込みの形成された粘着テープをリリーステープに積層状に貼着してなる積層テープをテープ案内経路上で移動させ該テープ案内経路上のテープ剥離部にて前記リリーステープから前記粘着テープをその先端側から剥離させて特定方向へ張り出させるテープ案内移動手段と、前記テープ案内経路に対応する方向へ移動されるテーブルと、前記リリーステープから剥離させた前記粘着テープを前記テーブル上に位置決めされたテープ被貼着体に押し付けて貼着させるテープ押圧手段とを備え、前記テープ案内移動手段と前記テーブルと前記テープ押圧手段は、前記粘着テープを前記テープ被貼着体に貼着させる過程で最先端側の分離補助用切り込み位置で分離させ最先端側の分離補助用切り込み位置よりも先側の前記粘着テープ部分を前記テープ被貼着体に貼着させるように関連作動する構成となされているものである。
【0014】
この第2のテープ貼着装置によれば、テープ押圧手段が粘着テープをテープ被貼着体に押圧し粘着させるように作用するものであり、第1のテープ貼着装置の場合と同様な作用が得られるほか、テープ被貼着体への粘着テープの貼付が簡易に行われる。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明に係る第3のテープ貼着装置は、請求項4に記載したように、粘着テープをリリーステープに積層状に貼着してなる積層テープをテープ案内経路上で送り側へ移動させ該テープ案内経路上のテープ剥離部にて前記リリーステープから前記粘着テープをその先端側から剥離させて特定方向へ張り出させるテープ案内移動手段と、前記リリーステープから剥離された前記粘着テープの先端が第1位置に到達したことを検出するテープ先端検出手段と、前記特定方向と対応する方向へ移動されるテーブルと、前記第1位置に関連したテープ貼着開始位置に到達した前記粘着テープを前記テーブル上に位置決めされたテープ被貼着体に押し付けて接着させるテープ押圧手段とを備え、前記テープ案内移動手段と前記テーブルと前記テープ押圧手段との関連作動により前記テープ被貼着体に前記粘着テープ部分が貼着されるテープ貼着装置であって、前記粘着テープにはその長手方向の一定間隔位置に長手方向を一定長さに分離するための分離補助用切り込みが形成されており、前記テープ案内移動手段は前記粘着テープが前記テープ押圧手段に押圧され前記テープ被貼着体に貼付される過程で且つ後続の前記粘着テープの分離補助用切り込みが前記テープ押圧手段の押圧作用領域に到達する前に、前記積層テープの移動を規制するように作動するものである。
【0016】
この第3のテープ貼着装置においては、リリーステープから剥離された粘着テープの先端が第1位置に到達したことがテープ先端検出手段により検出され、該検出に基づいて、第1位置に到達した粘着テープの先端がテープ貼着開始位置に到達した時点が特定され、該時点に、テープ押圧手段が前記テーブル上に位置決めされたテープ被貼着体に粘着テープを押し付けて接着させるように作用し、またテープ案内移動手段が積層テープの移動を規制したとき、テーブルの移動力で粘着テープは最先端側位置の分離補助用切り込み位置で分離されるのである。これにより、第1のテープ貼着装置の場合と同様な作用が得られるほか、テープ貼着開始位置は第1位置に基づいて任意な最適位置に正確に設定されるものとなる。
【0017】
この発明は次のように具体化するのがよいのであって、即ち、請求項5に記載したように、前記テープ案内移動手段が前記積層テープの送り移動を規制することにより前記粘着テープが最先端側の分離補助用切り込み位置で切断された後に、前記積層テープをその反送り側へ戻して前記リリーステープと同体状の前記粘着テープの先端を少なくとも前記第1位置よりも特定方向上流側へ変位させ、その後、再び送り側へ移動させる構成とする。
【0018】
このようにすれば、粘着テープがこれの先端側の分離補助用切り込み位置で分離された時点がその最適時点に対し任意時間の時間ずれが生じたり、或いは分離されたときの張力で伸び変形することがあるが、この後、積層テープは反送り側へ戻されて粘着テープの先端が少なくとも第1位置よりも特定方向上流側へ変位され、その後、再び送り側へ移動されるため、該粘着テープの先端はテープ先端検出手段により正確にその位置を再び把握されるのであり、これにより粘着テープはテープ押圧手段により次のテープ被貼着体の正確なテープ貼着開始位置に押圧され適正位置に貼付されるものとなる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、粘着テープとして、その移動方向の一定間隔位置に分離補助用切り込みの形成されたものが使用されるのであり、したがって、テープ被貼着体であるリングフレームのそれぞれに貼着されるラベル状の粘着テープ部分の多数を粘着テープの長手方向上で相互に一定距離だけ離した状態でリリーステープに列状に貼着してなる従来の積層テープを使用する従来の場合に較べると、積層テープの粘着テープに形成される分離補助用切り込みの形態が簡易化されて積層テープが製作容易なものになると共に、ラベル状の粘着テープ部分の数に対して積層テープを構成する粘着テープ及びリリーステープの必要長が小さくなって、消費される積層テープの材料コストが低減されるのであり、また消費される積層テープにおける多数のラベル状の粘着テープ部分の相互間には無駄に廃棄される粘着テープやリリーステープは存在しなくなって資源の無駄が回避されるものとなり、テープ被貼着体への粘着テープの貼着が合理的に行えるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
先ず、本発明に係るテープ貼着装置で使用される積層テープについて説明する。
図1は積層テープを示す上方視斜視図、図2は積層テープの一部拡大説明図である。
【0021】
積層テープTは基本的にはリリーステープT2の片面の略全面に粘着テープT1を積層状に貼着したものとなされている。そして、粘着テープT1は合成樹脂材からなるテープの下面に粘着剤層が同体状に形成され、該粘着剤層の粘着力でリリーステープT2に比較的容易に分離され得るように貼着された状態となっている。
【0022】
粘着テープには製作工程の任意な段階で長手方向f1の一定間隔a1位置に長手方向f1を一定長さに分離するための分離補助用切り込みb1が形成される。ここに、一定間隔a1の大きさは粘着テープT1の貼着されるテープ被貼着体の長さ寸法に対応したものとなされる。分離補助用切り込みb1は粘着テープT1のテープの肉厚の全長に及ばない程度の深さの単線状の切り込みを上方から形成したものとなされる。
【0023】
粘着テープT1の幅方向各側部には必要に応じて、リングフレームwの形状に対応した分離用切り込みb2が形成される。分離用切り込みb2は粘着テープT1の肉厚の全長に及ぶ深さの連続単線状の切り込みとなされる。したがって、粘着テープT1に分離用切り込みb2が形成されている場合は、粘着テープT1の幅中央箇所を持ち、リリーステープT2から剥離させるようにすると、粘着テープT1は分離用切り込みb2の位置で分離されて、分離用切り込みb2の外側部分T1aはリリーステープT2に接着したままの状態で残存し、分離用切り込みb2の内側部分T1bは分離補助用切り込みb1箇所が分離されないまま帯状となってリリーステープT1から剥離されるようになる。このさい、内側部分T1bに長手方向f1の比較的強い引き力を付与すると、内側部分T1bは分離補助用切り込みb1の位置で切断されて分離される。
【0024】
次に本発明に係るテープ貼着装置について説明する。
図3は本発明に係るテープ貼着装置の側面視概要図、図4は前記テープ貼着装置の平面視概要図である。
テープ貼着装置は、積層テープTをテープ案内経路上で移動させるテープ案内移動手段100と、積層テープTの移動方向と関連した特定方向(前後方向f3)へ移動可能となされ且つ支持面上にテープ被貼着体であるリングフレームwなどを位置決めするものとなされたテーブル200と、粘着テープT1の最先端側の分離補助用切り込みb1位置よりも先側の粘着テープT1である一定間隔a1長さの内側部分T1bをリングフレームwなどに貼着させ且つ該貼着過程で積層テープTから分離させるテープ貼着手段300とを備えてなる。
【0025】
先ず上記テープ案内移動手段100について説明すると、供給ローラ2、案内ローラ3、プリカット装置4、案内ローラ5、ダンサーローラ6、案内ローラ7、テンション制動戻しローラ8、ピンチローラ9、案内ローラ10、案内ローラ11、案内ローラ12、テープ剥離部13、送り駆動ローラ14、ピンチローラ15、案内ローラ16及び巻取ローラ17などからなるテープ案内経路を具備している。
【0026】
このさい、供給ローラ2は、台フレーム400の上面に固定された起立フレーム500に左右向き軸回りの回転可能に支持されると共に第1サーボモータ2aの出力軸と連動連結されている。該第1サーボモータ2aは通常時は送り出す積層テープTにテンションを付与するための回転力をテープ送出ローラ2に付与するようになされている。なお、起立フレーム500は前後方向f3に沿わせた支持面部500aと、該支持面部500aを台フレーム400に起立状に保持する起立保持部500bとからなっている。
各案内ローラ3、5、7、10、11、12、16は起立フレーム500に左右向き軸回りの回転自在に支持されている。
【0027】
プリカット装置4は、左右向き軸回りへ回転自在となされたダイローラ4aとダイ受けローラ4bとを上下配置に設けられており、ダイローラ4aが起立フレーム500に固定された案内部4cを介して上下変位自在に支持されると共に弾性部材の弾力で下方へ弾圧され外周面に突状のカッター刃を形成されたものとなされ、またダイ受けローラ4bが一定位置での回転自在に支持されており、ダイローラ4aとダイ受けローラ4bとが積層テープTを弾圧状に挟み付けて積層テープTの送り移動力で連動回転されることにより、前記カッター刃が粘着テープT1に分離補助用切り込みb1及び分離用切り込みb2を加工する構成となされている。
【0028】
ダンサーローラ6は、起立フレーム500に案内部6aを介して前後方向f3の変位自在に支持された左右向きの支軸に回転自在に装着されると共に弾性部材6bの弾力で後側(図3中の左方)へ引張された状態となされ、テープ案内経路上の案内ローラ5と案内ローラ7とに掛け渡された積層テープTにテンションを付与するものである。ダンサーローラ6の前後方向f3上の位置が前側位置p1と後側位置p2に到達したことを検出するための図示しないセンサが設けられており、該センサは、ダンサーローラ6が前側位置p1に到達したことを検出したとき、第1サーボモータ2aを正転させて供給ローラ2を送り回転させ、一方、ダンサーローラ6が後側位置p2に到達したことを検出したとき、第1サーボモータ2aの回転を規制して供給ローラ2の送り回転を停止させるものとなされている。
【0029】
テンション制動戻しローラ8は起立フレーム500に左右向き軸回りの回転可能に支持されると共に第2サーボモータ8aの出力軸と連動連結され、通常時は積層テープTを反送り側へ付勢する適当大きさの回転力を第2サーボモータ8aから付与され、積層テープTに対する制動の必要時には第2サーボモータ8aが回転規制状態となされて回転を強制的に停止され、積層テープTの戻し変位必要時には第2サーボモータ8aから付与される反送り側への適当大きさの回転力により反送り側へ必要量だけ積層テープTに連動して回転されるものとなされている。一方、ピンチローラ9は起立フレーム500に固定された支軸9a回りの揺動自在となされたアーム部材9bに固定された左右向き軸に回転自在に装着されると共に弾性部材9cの弾力によりテンション制動戻しローラ8に圧接された状態となされている。
【0030】
図5はテープ剥離部13の周辺を示す側面図である。テープ剥離部13は、起立フレーム500から張り出された横向き部材13aに固定された上下駆動装置13bと、上下駆動装置13bの出力軸の下端に固定されて支持された剥離要部13cと、剥離要部13cに関連して設けられたテープ先端検出手段13dとからなっている。このさい、剥離要部13cは上下駆動装置13bの出力軸に固定され前方視門形となされた支持部材13dの左右脚部間の下部に結合片13eを介して剥離用板部材13fを橋渡し状に固定すると共に、支持部材13dの左右脚部間の中央範囲で剥離用板部材13fよりも僅かに(例えば1mm程度)上側にテープ押さえ部材13gを位置させ、該テープ押さえ部材13gを支持部材13dの脚部に結合片を介して支持させた構造となされている。またテープ先端検出手段13dは起立フレーム500に支持された光学式のセンサc1と、テーブル200の前端から前方へ張り出させた反射板c2とを備え、センサc1から発射された光d1が反射板c2に反射されて再びセンサc1に戻るようになされており、センサc1から発射された光が積層テープTから剥離された粘着テープT1の先端で遮断されることで粘着テープT1の内側部分T1bの先端が基準位置p3に到達したことを検出するものとなされている。
【0031】
このテープ剥離部13では、案内ローラ12を経た積層テープTがその幅中央範囲部分をテープ押さえ部材13gの下端縁で押さえられた後に、その全幅範囲を剥離用板部材13fの上面側を経てその前端縁まで導かれ、ここで略180度屈曲された後、剥離用板部材13fの下面側を経てその後端縁から斜め後上方の送り駆動ローラ14へ導かれる。このような積層テープTの送り移動過程において、分離用切り込みb2を加工された状態の粘着テープT1の先端が剥離用板部材13fの前端縁に到達してここを通過するさい、粘着テープT1は、幅方向各側縁の外側部分T1aがリリーステープT2に貼着状態で残されたまま、内側部分T1bがその先端から前側へ向けリリーステープT2上から漸次に剥離されていくのであり、このさい、内側部分T1bは積層テープTの送り移動の進行に伴って剥離用板部材13fの前端から前方へ向けその張り出し量を漸次に増大され、該張り出し量が数mm程度となったとき、センサc1の発射した光d1が粘着テープT1の内側部分T1aの先端で遮断される。該遮断により、、テープ先端検出手段13dは粘着テープT1の内側部分TIaの先端が基準位置p3に到達したことを検出し、該検出に関連して送り駆動ローラ14による積層テープTの送り移動を停止させる。
【0032】
送り駆動ローラ14は起立フレーム500に左右向き軸回りの回転可能に支持されると共に第1ステッピングモータ14aの出力軸と連動連結されている。一方、ピンチローラ15は起立フレーム500に固定された支点軸15a回りの揺動自在となされたアーム部材15bに固定された左右向きの支軸に回転自在に装着されると共に弾性部材15cの弾力により送り駆動ローラ14側へ押圧された状態となされている。テープ剥離部13を経た後の積層テープT(リリーステープT2及びこれに貼着された粘着テープT1の外側部分T1a)は送り駆動ローラ14とピンチローラ15との間を通過するように配置され、ピンチローラ15で送り駆動ローラ14の周面に押圧された状態となり、該状態で送り駆動ローラ14の回転力を付与され送り移動される。これによりテープ剥離部13上の積層テープTは送り駆動ローラ14の回転に対応した量だけ送り移動される。
【0033】
テープ巻取ローラ17は起立フレーム500に左右向き軸回りの回転可能に支持されると共に第3サーボモータ17aの出力軸と連動連結されている。該第3サーボモータ17aは通常時は送り駆動ローラ14を経た後のリリーステープT2及びこれに貼着された粘着テープT1の外側部分T1aにテンションを付与するための回転力をテープ送出ローラ17に付与するようになされている。
【0034】
次に上記テーブル200について説明すると、図3及び図4に示すように、上方視四角状の本体部18の上側に、環状支持部19と、これの内方に位置した円形支持部20とが嵌合状に係着されると共に、環状支持部19に対する円形支持部20の高さを変更させるための高さ変更手段21とを備えている。
【0035】
このさい、環状支持部19はリングフレームwを載置されるもので、本体部18に固定状に螺着された複数のボルト22を介して本体部18に対し若干の上下動自在となされている。そして環状支持部19の上面にはリングフレームwを位置決めするための3つの係止ピン19aが固定されている。また円形支持部20はリングフレームwと一緒に粘着テープT1の内側部分T1bを貼着される他のテープ被貼着体(例えばw1又は半導体ウェハなど)を載置するもので、本体部18及び環状支持部19の内方に抜け出しの規制された状態で上下動自在に係着されている。
【0036】
また高さ変更手段21は、円形支持部20の下面に楔部20a、20aを形成されると共に、これら楔部20a、20aと本体部18の内底面18aに固定された案内部材18bとの間に、本体部18に対し前後移動される前後2つの斜面部23a、23aを有する可動体23を配設されており、本体部18の前部に一定位置での回転可能に設けられた操作部材24を回転操作することで、可動体23に螺合されたネジ軸25が回転され、このさいのネジ軸25の送り作用により可動体23が楔部20a、20aに対し前後移動され、本体部18に対する円形支持部20の高さが任意に変更される構成となされている。
【0037】
該テーブル200は、台フレーム400の上部に設けられた左右一対からなる前後方向f3の案内軌道26a、26bにより前後方向f3へ案内されると共に、前後送り機構27により前位置p4と後位置p5との間の任意位置に移動可能となされている。このさい、前後送り機構27は、台フレーム400に固定された軸受28a、28bを介してネジ軸29が一定位置での回転のみ自在に支持され、テーブル200の本体部18の下部に固定されたナット体30がネジ軸29に螺合され、該ネジ軸29の後端に歯付ベルト伝動機構31を介してステッピングモータ32を連動連結された構成となされている。
【0038】
次にテープ貼着手段200について説明すると、テープ剥離部13でリリーステープT2から剥離させた粘着テープT1の内側部分T1bをテーブル200上に位置決めされたリングフレームwなどに押し付けて貼着させるテープ押圧手段33と、該手段33の動作に関連してテープ剥離部13の上下駆動部13bの出力軸を上下作動させる第1制御回路手段34と、テープ案内移動手段100における積層テープTの送り移動を制御する第2制御回路手段35とを具備したものとなされている。このさい、第1制御回路手段34a及び第2制御回路手段34bは起立フレーム500の近傍に設けられた制御盤34内に組み込まれている。
【0039】
図6はテーブル200上のテープ貼着開始位置p6がテープ剥離部13の真下に到達した状態を示す側面図であり、図7はテーブル200上のテープ貼着終了位置p9がテープ押圧手段33の真下に到達した状態を示す側面図である。
【0040】
テープ貼着手段200の各部について説明する。先ず、テープ押圧手段33は、図5に示すように、横向き部材13aの前面に固定された上下駆動装置33aと、上下駆動装置33aの出力軸の下端に固定されて支持された前方視門形の支持部材33bと、これの左右脚部間に水平支軸33cを介して回転自在に装着された押圧ローラ33dとを備えている。該テープ押圧手段33は、テーブル200が後位置p5から前位置p4へ向けての移動中において、テーブル200上のテープ貼着開始位置p6が、図6に示すようにテープ剥離部13で剥離された粘着テープT1の内側部分T1bの先端の貼着待ち位置p6’に合致したとき、上下駆動部33aの出力軸を降下作動させて押圧ローラ33dを仮想線で示す下位置p7まで降下させ、また図7に示すようにテープ貼着終了位置p9が押圧ローラ33dの真下を通過した後、上下駆動部33aの出力軸を上昇作動させて押圧ローラ33dを上位置p8まで上昇させるものとなされている。
【0041】
また第1制御回路手段34aは、テープ押圧手段33の降下作動に関連してテープ剥離部13を図6に図示したように下位置p10まで降下させると共に、テープ押圧手段33の上昇作動に関連してテープ剥離部13を上位置p11まで上昇させるような制御の行われるものとなされている。
【0042】
また第2制御回路手段34bは、2つの機能を有しており、1つの機能は、粘着テープT1がテープ押圧手段33に押圧されテープ被貼着体w、w1に貼着される過程で且つ粘着テープT1の最先端側の分離補助用切り込みb1がテープ押圧手段33の押圧領域に到達する前に、第2サーボモータ8aの作動を停止させて積層テープTの送り移動を規制するような作動を実現させるものである。
【0043】
そして、他の1つの機能は、テーブル200を後位置p5から前方へ移動させるための指令が制御盤34の第1スイッチ34cを入り操作することにより入力されたとき、これに関連して第2サーボモータ8a及び第1ステッピングモータ14aが反送り側である戻り側へ予め設定された任意回転量だけ回転され、その後、再び自動的に第1ステッピングモータ14aが送り側へ回転され、該回転により積層テープTが送り移動されている過程で、粘着テープT1の内側部分T1bの先端が基準位置p3に到達したとき、該先端をテープ先端検出手段13dが検出し、該検出時点から、第1ステッピングモータ14aが制御盤34の第2スイッチ34dの操作により予め設定された一定回転量だけ回転し、内側部分T1bの先端が貼着待ち位置p6’に到達したときに、第1ステッピングモータ14aの回転が停止されるような制御を実現させるものである。
【0044】
図3中、34eは制御盤34に設けられた第3スイッチであってテープ被貼着体w、w1に粘着テープT1の貼着を開始させるためのものである。なお、35は前位置p4のテーブル200の上側を覆う把手付のカバー体である。
【0045】
次に上記テープ貼着装置の使用例並びに各部の作用などについて図8及び図9をも参照して説明する。このさい、図8はリングフレームwなどを示す平面図、図9はリングフレームwなどに粘着テープT1を貼着する様子を示す平面図である。
【0046】
リリーステープT2の片面の略全面に粘着テープT1を積層状に貼着され且つ該粘着テープT1に何ら切り込みの形成されていない状態の積層テープTを筒芯部材に巻回したものであるロール状積層テープT0を用意し、該ロール状積層テープT0の筒芯部材を供給ローラ2に外嵌し固定させる。
【0047】
次にロール状積層テープT0から積層テープTをその巻き終わり端である先端側から引き出し、テープ案内経路の上手側から下手側へ図3に示すように導き、先端を巻取ローラ17に外嵌され固定された筒芯部材に止着させる。
【0048】
次に制御盤34の電源を入れるなどして各部を作動可能状態となす。
そして第1サーボモータ2a、第2サーボモータ8a及び第3サーボモータ17aに通電させる。これにより供給ローラ2及びテンション制動戻しローラ8に反送り側への予め設定された一定大きさの回転力が付与されてそれぞれのローラ2、8の下手側の積層テープTに適当なテンションが付与されると共に、巻取ローラ17にも予め設定された一定大きさの巻取側への回転力が付与されてその上手側のリリーステープT2などに適当なテンションが付与される。
【0049】
次に第1スイッチ34cを入り操作する。これによりテーブル200がその収納位置である後位置p5から前位置p4へ移動される。該移動の後、カバー体35を取り外し、図8に示すように、テープ被貼着体としてのリングフレーム(図9中に網目模様を付して示したもの)wをテーブル200の環状部材19の上面に載せ、他のテープ被貼着体としての例えば2つの電気回路基板(半導体ウエハなどであってもよい。)w1、w1をリングフレームwの内孔wa内でしかも円形部材20の上面に載せる。このさい、必要に応じて操作部材24を回転操作することにより、環状部材19に対する円形部材20の高さを調整し、リングフレームwの上面と、電気回路基板w1の上面との高さを合致させる。
【0050】
この後、再び第1スイッチ34cを入り操作する。これにより、先ずテーブル200上のリングフレームwや電気回路基板w1、w1は公知の真空圧付与手段により真空圧を付与されてテーブル200に固定されると共に、テーブル200が前位置p4から後位置p5へ移動される。
【0051】
次に第3スイッチ34eを入り操作する。これにより、第1ステッピングモータ14aが回転して積層テープTが送り移動される。この送り移動の過程で、プリカット装置4が粘着テープT1に図1及び図2に示すような分離用切り込みb2や分離補助用切り込みb1を加工する。
【0052】
この加工が適当な積層テープT長さに渡って行われたとき、第3スイッチ34eを切り操作して、積層テープTの送り移動を停止させ、該停止状態の下で、プリカット装置4よりも下手側でテープ剥離部13よりも上手側となる範囲に位置した粘着テープT1の内側部分T1bの適当長さ箇所を手作業によりリリーステープT2から剥離して、適当な分離補助用切り込み位置b1で分離し、該分離補助用切り込み位置b1よりもリリーステープT2先側となる内側部分T1bを廃棄し、いま分離された分離補助用切り込み位置b1は基準位置p3よりもテープ案内経路上手側に位置させる。
【0053】
これにより、積層テープTはプリカット装置4により切り込みを連続的に加工される状態となったのであり、この後、第3スイッチ34eを再び入り操作する。これにより、第1ステッピングモータ14aが回転し、積層テープTを再び送り移動させる。該送り移動により、積層テープTがテープ剥離部13の剥離用板部材13fに到達した時点から、剥離用板部材13fの前端で粘着テープT1の内側部分T1bがその先端から剥離されていき、該先端が基準位置p3を通過して貼着待ち位置p6’に到達した時点で、第1ステッピングモータ14aの回転が停止され、積層テープTは送り移動を停止され、粘着テープT1の内側部分T1bの先端は貼着待ち位置p6’に保持される
【0054】
このさいの第1ステッピングモータ14aの回転停止に関連して、第2ステッピングモータ32が回転を開始し、テーブル200は後位置p5から前位置p4へ向けて移動される。該移動によりテーブル200上のテープ貼着開始位置p6が貼着待ち位置p6’の真下に到達したとき、第1ステッピングモータ14aが再び回転を開始し、積層テープTがテーブル200の移動速度と同一大きさとなされて送り移動される。また第1制御回路手段の機能により、テーブル200上のテープ貼着開始位置p6が貼着待ち位置p6’の真下に到達したことに関連して剥離要部13c及び押圧ローラ33dがそれぞれの上位置p11、p8から下位置p10、p7に降下される。
【0055】
この押圧ローラ33dの降下時に、粘着テープT1の内側部分T1bはその先端周辺を押圧ローラ33dに押圧され先端がリングフレームwのテープ貼着開始位置p6に合致した状態で貼着されるのであり、その後、第1ステッピングモータ14a及び第2ステッピングモータ32の回転により内側部分T1bが連続的に剥離されつつテーブル200と共に前位置p4側へ引き移動され、該引き移動過程において図9に示すように押圧ローラ33dによりリングフレームw及び電気回路基板w1、w1上面に押圧されて連続的に貼着される。
【0056】
このような貼着処理中において粘着テープT1の最先端側の分離補助用切り込みb1が押圧ローラ33dの押圧領域に到達する前に、第2制御回路手段34bの機能により、第2サーボモータ8aの回転が制動されて瞬時に且つ強制的に停止される。これにより積層テープTの送り移動がテンション制動戻りローラ8の回転停止で停止され、該停止状態の下でテーブル200はなおも第2ステッピングモータ14aの回転により前位置p4側へ移動されるため、粘着テープT1の最先端側の分離補助用切り込みb1の近傍である粘着テープT1箇所のテンションが漸次に増大していき、これが一定大きさに達したとき、粘着テープT1はこのテンションの増大に起因して最先端側の分離補助用切り込みb1位置で切断され分離される。
【0057】
該分離の後にもテーブル200は前位置p4側へ移動するため、いまリングフレームwに貼着を進行されている粘着テープT1の内側部分T1bは図7などに示す貼着終了位置p9まで押圧ローラ33dに押圧されて確実に貼着される。そしてテーブル200が前位置p4に到達したとき、第2ステッピングモータ32の回転が停止されてテーブル200の移動が停止されると共に第1制御回路手段34aの機能によりテープ剥離部13及び押圧ローラ33dがそれぞれの上位置p11、p8に上昇される。この後、テーブル200上において粘着テープT1を介して一体状に貼着されたリングフレームw及び電気回路基板w1、w1をテーブル200の外方へ取り除き、その後、次に粘着テープT1で貼着処理すべきリングフレームw及び電気回路基板w1、w1をテーブル200上に先と同様に載せる。
【0058】
そして、2回目のテープ貼着処理を実行させるべく、第1スイッチ34cを入り操作する。これによりテーブル200が後位置p5に移動する。
次に第3スイッチ34eを入り操作する。該入り操作に関連して、第2制御回路手段34bによる次のような作動が得られるのであって、即ち、第1ステッピングモータ14aが戻り側へ予め設定された一定回転量だけ回転して、積層テープTを戻り側へ一定距離だけ変位させて、粘着テープT1の内側部分T1bの先端を基準位置p3よりも上手側へ移動させ、その後、第1ステッピングモータ14aを送り側へ回転させる。このさい、積層テープTが戻り側へ一定距離だけ変位されることは剥離要部13cよりも上手側の積層テープTに弛みを生じさせる要因をなすが、第2サーボモータ8aから戻り側への回転力を付与されるテンション制動戻りローラ8が積層テープTに適当なテンションを付与すると共にダンサーローラ6が弾性部材6bの弾力で後側に引き変位されて積層テープTに適当なテンションを付与するため、プリカット装置4からテンション制動戻りローラ8までの積層テープTの弛みは防止される。
【0059】
このような第2制御回路手段34bによる作動において、既にテープ剥離部13で剥離されていた粘着テープT1の内側部分T1bは基準位置p3よりも上手側で再びリリーステープT2に接着される傾向となるものの、第1ステッピングモータ14aの送り側への回転によりテープ剥離部13で再び剥離され、その内側部分T1bの先端が基準位置p3に到達したときに基準位置検出手段13dが該先端を検出し、該検出に基づいて第1ステッピングモータ14aが該検出時点から予め設定された一定回転量だけ回転して該検出に係る内側部分T1bの先端が貼着待ち位置p6’に到達したときに第1ステッピングモータ14aの回転が停止され、その内側部分T1bの先端が初回の貼着処理の場合と同様に貼着待ち位置p6’に保持される。
【0060】
この後は、初回の貼着処理の場合と同様な作動が行われるのであって、即ち、第1ステッピングモータ14aの回転が停止されたことに関連して、第2ステッピングモータ32が回転を開始し、テーブル200が後位置p5から前位置p4へ向けて移動されると共に分離補助用切り込み位置を分離されるなどして、粘着テープT1の最先端側の分離補助用切り込みb1よりも先側部分はその後端まで押圧ローラ33dに押圧されて確実に貼着される。以後は既述の処理及び作動が繰り返されることにより、次々とテーブル200上に載せられたリングフレームwのそれぞれに、2回目のテープ貼着処理と同様な貼着処理が実行される。
【0061】
なお、テープ貼着処理を終了するさいは、前位置p4に移動したテーブル200上にリングフレームwや電気回路基板w1を載せない状態の下で、第1スイッチ34cを入り操作するのであり、これによりテーブル200は後位置p5に移動し、各部は次の貼着処理に備えた状態となる。該状態下で作業を終了する場合は、制御盤34の電源スイッチを切り操作する。
【0062】
上記実施形態は次のように変形することができる。
図10は変形例に係るリングフレームwなどを示す平面図、図11は変形例に係る積層テープTを示す平面図、図12は変形例に係る積層テープTを使用してリングフレームwなどに粘着テープT1を貼着する様子を示す平面図である。
【0063】
これらの図に示すように、リングフレームwの内孔は円弧縁を有しない平面視方形状となす。積層テープTはリリーステープT2の片面の全面に粘着テープT1を貼着したものとなす。これに関連して、プリカット装置4は粘着テープT1の長手方向f1の一定間隔位置a1ごとに幅方向線からなる分離補助用切り込みb1のみを加工するものとなされる。その他の構成は先の実施形態のものと変わらない。
【0064】
この変形例に係るテープ粘着装置においても、粘着テープT1が押圧ローラ33dによりリングフレームwに押圧されて図12に示すように貼着されていき、最先端側の分離補助用切り込みb1が押圧ローラ33dの押圧領域に到達する前に、第2サーボモータ8aの回転が制動されて停止されることにより、先の実施形態の場合と同様に、最先端側の分離補助用切り込みb1の近傍である粘着テープT1箇所のテンションが増大し、粘着テープT1は最先端側の分離補助用切り込みb1位置で切断されて分離される。この分離後に、押圧ローラ33dがリングフレームwに貼着されている粘着テープT1の後端をリングフレームwに押圧することにより、該粘着テープT1はテーブル200上のリングフレームw及び電気回路基板w1、w1の上面に確実に貼着される。
【0065】
上記実施形態はさらに次のように変形してもよい。
上記テープ粘着装置においてプリカット装置4を省略すると共に、粘着テープT1に予め分離用切り込みb2及び分離補助用切り込みb1の双方、或いは、分離補助用切り込みb1のみの加工された積層テープTを供給ロール2に装着する構成となすことも差し支えない。
また本願発明におけるテープ被貼着体はリングフレームwや電気回路基板w1や半導体ウエハなどに限定するものでなく、任意なものであってよい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】粘着テープの一部を剥離した積層テープを示す上方視斜視図である。
【図2】積層テープの一部拡大説明図である。
【図3】本発明に係るテープ貼着装置の側面視概要図である。
【図4】前記テープ貼着装置の平面視概要図である。
【図5】テープ剥離部の周辺を示す側面図である。
【図6】テーブル上のテープ貼着開始位置がテープ剥離部の真下に到達した状態を示す側面図である。
【図7】テーブル上のテープ貼着終了位置がテープ押圧手段の真下に到達した状態を示す側面図である。
【図8】リングフレームなどを示す平面図である。
【図9】リングフレームなどに粘着テープを貼着する様子を示す平面図である。
【図10】変形例に係るリングフレームなどを示す平面図である。
【図11】変形例に係る積層テープを示す平面図である。
【図12】変形例に係るリングフレームなどに粘着テープを貼着する様子を示す平面図である。
【符号の説明】
【0067】
13d テープ先端検出手段
33 テープ押圧手段(テープ貼着手段)
100 テープ案内移動手段
200 テーブル
T 積層テープ
T1 粘着テープ
T2 リリーステープ
a1 一定間隔
b1 分離補助用切り込み
f1 長手方向
p3 基準位置(第1位置)
p6 テープ貼着開始位置
w リングフレーム(テープ被貼着体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向の一定間隔位置に長手方向を一定長さに分離するための分離補助用切り込みの形成された粘着テープをリリーステープに積層状に貼着してなる積層テープをテープ案内経路上で移動させ、該移動中に前記リリーステープから部分的に剥離させた前記粘着テープの先端をテープ貼着開始位置に合致させ、次にこのように合致された前記粘着テープをテーブル上に位置決めされたテープ被貼着体にテープ押圧手段で押圧した状態となし、次に前記粘着テープを前記リリーステープから剥離させつつ前記テーブルを移動させることにより前記粘着テープをテープ被貼着体に該粘着テープ先端側から貼着させ、該貼着中に前記積層テープの移動を規制し前記テーブルの移動力により前記粘着テープをこれの最先端側の分離補助用切り込み位置で引張分離させるように実施することを特徴とするテープ貼着方法。
【請求項2】
長手方向の一定間隔位置に長手方向を一定長さに分離するための分離補助用切り込みの形成された粘着テープをリリーステープに積層状に貼着してなる積層テープをテープ案内経路上で移動させるテープ案内移動手段と、前記積層テープの移動方向と関連した特定方向へ移動可能となされ支持面上にテープ被貼着体を位置決めするものとなされたテーブルと、前記粘着テープの最先端側の分離補助用切り込み位置よりも先側の前記粘着テープ部分を前記テープ被貼着体に貼着させ且つ該貼着過程で前記積層テープから分離させるテープ貼着手段とを備えたことを特徴とするテープ貼着装置。
【請求項3】
長手方向の一定間隔位置に長手方向を一定長さに分離するための分離補助用切り込みの形成された粘着テープをリリーステープに積層状に貼着してなる積層テープをテープ案内経路上で移動させ該テープ案内経路上のテープ剥離部にて前記リリーステープから前記粘着テープをその先端側から剥離させて特定方向へ張り出させるテープ案内移動手段と、前記テープ案内経路に対応する方向へ移動されるテーブルと、前記リリーステープから剥離させた前記粘着テープを前記テーブル上に位置決めされたテープ被貼着体に押し付けて貼着させるテープ押圧手段とを備え、前記テープ案内移動手段と前記テーブルと前記テープ押圧手段は、前記粘着テープを前記テープ被貼着体に貼着させる過程で最先端側の分離補助用切り込み位置で分離させ最先端側の分離補助用切り込み位置よりも先側の前記粘着テープ部分を前記テープ被貼着体に貼着させるように関連作動する構成となされていることを特徴とするテープ貼着装置。
【請求項4】
粘着テープをリリーステープに積層状に貼着してなる積層テープをテープ案内経路上で送り側へ移動させ該テープ案内経路上のテープ剥離部にて前記リリーステープから前記粘着テープをその先端側から剥離させて特定方向へ張り出させるテープ案内移動手段と、前記リリーステープから剥離された前記粘着テープの先端が第1位置に到達したことを検出するテープ先端検出手段と、前記特定方向と対応する方向へ移動されるテーブルと、前記第1位置に関連したテープ貼着開始位置に到達した前記粘着テープを前記テーブル上に位置決めされたテープ被貼着体に押し付けて接着させるテープ押圧手段とを備え、前記テープ案内移動手段と前記テーブルと前記テープ押圧手段との関連作動により前記テープ被貼着体に前記粘着テープ部分が貼着されるテープ貼着装置であって、前記粘着テープにはその長手方向の一定間隔位置に長手方向を一定長さに分離するための分離補助用切り込みが形成されており、前記テープ案内移動手段は前記粘着テープが前記テープ押圧手段に押圧され前記テープ被貼着体に貼付される過程で且つ後続の前記粘着テープの分離補助用切り込みが前記テープ押圧手段の押圧作用領域に到達する前に、前記積層テープの移動を規制するように作動することを特徴とするテープ貼着装置。
【請求項5】
前記テープ案内移動手段が前記積層テープの送り移動を規制することにより前記粘着テープが最先端側の分離補助用切り込み位置で切断された後に、前記積層テープをその反送り側へ戻して前記リリーステープと同体状の前記粘着テープの先端を少なくとも前記第1位置よりも特定方向上流側へ変位させ、その後、再び送り側へ移動させる構成としたことを特徴とする請求項4記載のテープ貼着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−298471(P2009−298471A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−178421(P2008−178421)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【出願人】(591182950)大宮工業株式会社 (10)
【Fターム(参考)】