説明

ディジタルオーディオアンプ

【課題】入力されたオーディオ信号のレベルに対応して最適のディジタルゲインを設定することができるディジタルオーディオアンプを提供する。
【解決手段】係数乗算部32が、入力されたオーディオ信号に対してゲインパラメータを乗算する。この係数は係数演算部36から供給される。DSP乗加算処理部33がオーディオ信号に対して音場形成などの処理を行い、加算部34が元のオーディオ信号と処理されたオーディオ信号とを加算する。クリップ検出部35はこの加算部34で加算された信号がクリップしているか否かを検出する。この処理を所定のオーディオ信号(例えば1曲の楽曲)について行い、係数演算部36がクリップ検出部35の検出結果に応じてゲインパラメータを決定する。このゲインパラメータが係数乗算部32に設定され、再度所定のオーディオ信号が入力されたとき最適のゲインで再生・録音することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ディジタル化されたオーディオ信号を処理するディジタルオーディオアンプに関する。
【背景技術】
【0002】
オーディオ装置のディジタル化が進展し、アナログのオーディオ信号に対する各種の効果付与やフィルタ処理などのディジタル化や、アナログのオーディオソースのディジタル信号化などが進んでいる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ディジタル化されたアナログソースのオーディオ信号はレベルがまちまちであり、最適な設定が困難である。また、ゲイン設定は、アナログ回路の場合、処理している信号のレベルが大きすぎる場合には、リモートに飽和するため、歪みがそれほど大きくならないが、ディジタル処理の場合、信号レベルが量子化ビット数の最大値を超えてオーバーフローすると、その量子化ビット数の最大値で信号波形が切り取られて(クリップされて)しまい、波形の歪みが大きくなり、耳障りな音質になってしまうという問題点があった。一方、マージンをとって信号のゲインを小さくしておくと、今度は信号とノイズのレベル比が大きくならずS/N比が悪くなるという問題点があり、DSPなどのディジタル処理部において最適なゲインを設定することが要求されていた。
【0004】
この発明は、入力されたオーディオ信号のレベルに対応して最適のディジタルゲインを設定することができるディジタルオーディオアンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、ディジタルオーディオ信号を入力する信号入力部と、入力されたディジタルオーディオ信号に対してゲインパラメータを乗算する乗算手段と、前記乗算手段から出力されたディジタルオーディオ信号にレベルがサンプリングビット数の最大値を超えるクリップが発生したか否かを検出する検出手段と、所定のディジタルオーディオ信号が入力されたときの前記検出手段の検出内容に基づいて前記ゲインパラメータの値を決定し、前記乗算手段に供給するゲインパラメータをこの値に固定する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、録音機器が接続される信号出力部をさらに備え、前記信号入力部は、前記所定のディジタルオーディオ信号を2度入力し、前記制御手段は、前記所定のディジタルオーディオ信号が1度目に入力されたとき、前記検出手段の検出内容に基づいて前記ゲインパラメータの値を決定し、前記所定のディジタルオーディオ信号が2度目に入力されたとき、前記乗算手段に供給するゲインパラメータを前記決定された値に固定し、前記信号出力部は、前記2度目に入力され、前記乗算手段によってゲインパラメータが乗算された前記所定のディジタルオーディオ信号を前記録音機器に出力することを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1、2の発明において、前記乗算手段から出力されたディジタルオーディオ信号に対して所定の処理を行う処理手段を更に備え、前記検出手段は、前記処理手段で処理されたディジタルオーディオ信号と前記入力されたディジタルオーディオ信号とを加算した信号のクリップ発生を検出することを特徴とする。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1〜3の発明において、前記制御手段は、前記所定のディジタルオーディオ信号にクリップが発生しない最大値をゲインパラメータの値に決定することを特徴とする。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1〜4の発明において、前記制御手段は、前記検出手段がクリップを検出したことに応じて、前記乗算手段に供給するゲインパラメータの値を小さくし、前記検出手段が所定時間継続してクリップを検出しないとき、前記乗算手段に供給するゲインパラメータの値を大きくする処理モードの動作を更に行うことを特徴とする。
【0010】
この発明では、所定のディジタルオーディオ信号を入力してゲインパラメータを決定して固定するため、再度同じ所定のディジタルオーディオ信号を入力した場合に、最良のゲインで再生・録音することができる。
【0011】
さらに制御手段の他のモードの動作では、処理手段で処理された信号のレベルがクリップしたか否かを検出し、その検出結果をゲインパラメータの値に反映させて入力段の乗算手段にフィードバックする。このように、処理後の信号のレベルがクリップしているかを判定することにより、処理手段がどのような信号処理をした場合でもその処理内容に関係なくクリップの有無を判定することができ、これに応じて動的に入力段で乗算されるゲインパラメータを増減することにより、信号のクリップに迅速に対応することができる。また、クリップの発生の有無を短い間隔(たとえば2ms毎)でチェックすれば、利用者の聴覚に殆どクリップを感じさせることなく迅速にクリップを解消することができる。
【0012】
また、所定時間継続してクリップが発生しないときに、ゲインパラメータの値を大きくするため、その場その場で最適のレベルでディジタルオーディオ信号を処理することができ、クリップの発生によって小さくしたゲインパラメータを大きくしないようにすれば、そのオーディオソース全体に有効な固定的なゲインパラメータを割り出すことができ、このゲインパラメータを用いて再度このオーディオソースを再生すれば、全体を通して一定のゲインでクリップ(歪み)の生じない再生が可能になる。
【発明の効果】
【0013】
以上のようにこの発明によれば、所定のディジタルオーディオ信号を入力してゲインパラメータを決定して固定するため、再度同じ所定のディジタルオーディオ信号を入力した場合に、最良のゲインでSN比がよく歪みが少ない音質でオーディオ信号を録音・再生することができ、たとえばアナログのオーディオソースをディジタル化して記憶媒体に取り込む場合等に最適のゲインを設定可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図面を参照してこの発明の実施形態であるディジタルオーディオアンプについて説明する。図1はこの発明の実施形態であるディジタルオーディオアンプのハードウェアのブロック図である。図2は同ディジタルオーディオアンプのDSP17周辺の機能ブロック図である。
【0015】
図1において、このディジタルオーディオアンプの制御系は、CPU10と各機能部がバスで接続されるコンピュータと同様の構成になっている。装置全体の動作を制御するCPU10には、バスを介してROM11、RAM12、フラッシュROM13、表示デバイス14、パネルユーザインタフェース15、リモコン受信部16、DSP17、チューナ18、音声入力制御部19、音声出力制御部20、UDBインタフェース21が接続されている。
【0016】
ROM11はこの装置の基本的なプログラムを記憶している。RAM12には、この装置の動作を規定する各種の設定内容が記憶されている。RAM12は、バッテリバックアップ可能なSRAMで構成されており、設定内容は電源スイッチがオフされたのちも保持される。フラッシュROM13にはこの装置の動作プログラムが記憶される。フラッシュROM13は書き換えが可能であるため、動作プログラムをバージョンアップすることができる。このバージョンアップは、USBインタフェース21を介して接続される他のパーソナルコンピュータ3によって行われる。表示デバイス14は装置の前面パネルに設けられているLEDマトリクスディスプレイを含んでいる。また、パネルユーザインタフェース15は、装置前面パネルの各種ボタンスイッチを含んでいる。また、リモコン受信部16は、装置に付属の赤外線リモコン2から送られてくる赤外線のコード信号を復調してCPU10に入力する。
【0017】
DSP17は、入力されたオーディオ信号(ディジタルオーディオ信号)に対して、フィルタ処理を行い各種の音場を形成するための処理部である。形成される音場としては、中ホール程度の音場を形成するHALL、ライブハウスのような音場を形成するJAZZ、教会のような残響を有する音場を形成するCHURCH、ゲーム用の音場を形成するGAME、映画に適した臨場感ある音場を形成するMOVIE、ライブ感のある音場を形成するLIVE、三次元的なバーチャルな音場を形成するVDDがある。
これらの音場の選択はUSBインタフェース21を介して接続されるパーソナルコンピュータ3によって行うことができる。
【0018】
図4および図5はパーソナルコンピュータ3が実行するディジタルオーディオアンプ制御プログラムのコントロール画面を示す図である。図4(A)では、上記DSP乗加算処理部33が形成する音場を選択するボタン群40、選択された音場のパラメータを設定するパラメータ設定画面41、およびアンプ22のゲインを設定するアナログボリューム43などが表示されている。また、同図(B)では、音場選択ボタン群40、オーディオ信号の周波数特性をコライジングするイコライザ画面41′が表示されている。ボタン群40のうちいずれか1つをクリックすることによってその音場が選択され、選択データがパーソナルコンピュータ3からディジタルオーディオアンプ1に送信される。また、設定画面41、41′で音場形成(残響)のパラメータや各周波数バンドのツマミを操作することによって、その変更データがパーソナルコンピュータ3からディジタルオーディオアンプ1に送信され、残響特性や周波数特性がそのように変更される。ディジタルオーディオアンプ1において、これらのデータは、CPU10からDSP17に入力される。
【0019】
また図4(A),(B)の画面の右上に設けられているSETUP42ボタンをオンすると図5に示す詳細設定画面が表示される。このなかにデジタルボリューム制御用のスライダ44が表示され、これを操作してDSP17におけるディジタルオーディオ信号のゲインを設定することができる。ただし、以下この実施形態で説明するディジタルゲイン自動制御機能では、ユーザによる設定は無視され、CPU10が入力信号のレベルに応じて自動的にゲインを設定する。設定されたゲインは、ディジタルオーディオアンプ1(CPU10)からパーソナルコンピュータ3に入力され、パーソナルコンピュータ3は、入力されたゲインに応じてこのスライダ44の位置を制御する。
【0020】
図1において、チューナ18は、FM/AMの放送を受信して、受信した信号を音声入力制御部19に入力する。受信周波数は、バッテリバックアップされるRAM12に40局程度の放送局の周波数が記憶される。この周波数は、スキャンして受信可能な局を自動選局して記憶することもでき、パーソナルコンピュータ3から入力することもできる。
【0021】
音声入力制御部19は、入力端子としてアナログ3系統(PC IN, AUX1 IN, AUX2 IN)およびディジタル3系統(USB, COAX IN, OPT IN)を備えており、入力セレクタによっていずれか1つの入力端子の信号が選択されて後段へ出力される。入力セレクタは、CPU10から入力される入力選択信号によって切り換えられる。CPU10は、パネルユーザインタフェース15(パネルスイッチ)、リモコン2、パソコン3などからの選択入力に応じて入力選択信号を音声入力制御部19に入力する。入力セレクタによってアナログ入力端子が選択された場合には、その端子から入力されるオーディオ信号は、ADコンバータによってディジタルオーディオ信号に変換されたのち後段に出力される。また、入力セレクタによってディジタル入力端子が選択された場合には、その端子から入力されるディジタルオーディオ信号はそのまま後段に出力される。
【0022】
音声出力制御部20は、DAコンバータを備え、ディジタル処理されたオーディオ信号を複数の系統から出力する。出力端子としては、サブウーファ端子付きのアナログ出力端子、ディジタルのUSB、OPT OUTなどが設けられており、各端子から出力オーディオ信号を取り出すことができる。また、音声出力制御部20には、アナログのオーディオアンプ22が接続されており、このオーディオアンプ22の出力端子であるスピーカ端子も装置背面に設けられている。オーディオアンプ22のゲインすなわちアナログボリュームは正面パネルに設けられているアナログボリュームエンコーダ(不図示)および図4(A)のコントロール画面の左端のボリュームスライダ43で設定することができる。オーディオアンプ22のスピーカ端子にはスピーカ5が接続される。なお、音声入力制御部19および音声出力制御部20には、たとえばDVDプレーヤやMDデッキなどの他のオーディオ機器4が接続される。
【0023】
また、上記のように、USB端子21にはパーソナルコンピュータ3が接続される。パーソナルコンピュータ3は、USB端子21を介してディジタルオーディオ信号の入出力をするとともに、パーソナルコンピュータ3上で動作する設定ソフトウェアにより、このディジタルオーディオアンプを制御する。
【0024】
図2は、前記DSP17付近の機能ブロック図である。この機能ブロック図を参照してこのディジタルオーディオアンプのディジタルゲイン自動制御機能について説明する。アナログ入力端子から入力されたアナログオーディオ信号はADコンバータ31によってディジタルオーディオ信号に変換されたのちDSP17に入力される。ADコンバータ31は上述したように音声入力制御部19に含まれている。また、ディジタル入力端子から入力されたディジタルオーディオ信号は直接DSP17に入力される。
【0025】
DSP17において、入力信号(ディジタルオーディオ信号)は、係数乗算部32に入力され、係数(ゲインパラメータ)が乗算される。この係数はディジタルオーディオ信号のDSP17におけるゲインを決定するものであり、−24dB〜+18dBの範囲のゲインに対応するパラメータである。この係数は、係数演算部36から入力される。この係数演算部36は、CPU10が実行するプログラムによって実現される。
【0026】
係数乗算部32で係数が乗算されたディジタルオーディオ信号は、加算部34およびDSP乗加算処理部33に入力される。DSP乗加算処理部33は、いわゆるDSP処理である各種フィルタ処理を実行し、ディジタルオーディオ信号に上記各種の音場を形成するとともに周波数特性をイコライジングする処理部である。DSP乗加算処理部33は、この処理をしたディジタルオーディオ信号を加算部34に出力する。加算部34は、係数乗算部32から直接入力されたディジタルオーディオ信号とDSP乗加算処理部33で処理をされたディジタルオーディオ信号とを加算する。
【0027】
この加算されたディジタルオーディオ信号が出力信号として前記音声出力制御部20に出力されるとともに、クリップ検出部35に入力される。クリップ検出部35は、ディジタルオーディオ信号のレベルがサンプリングビット数(ディジタル処理におけるダイナミックレンジ)を超えてクリップ(オーバーフロー)が発生したかを判断する。クリップ検出部35は、このクリップの有無を2ms毎に係数演算部36に通知する。係数演算部36は、このクリップの有無に基づき、ディジタルオーディオ信号の出力がクリップしない範囲で最大のレベルになるように係数(ゲインパラメータ)を増減する。このようにして求めた係数を係数乗算部32に入力する。
【0028】
なお、ディジタルゲイン自動制御機能を用いず、設定された係数(ゲインパラメータ)で固定的にディジタルオーディオ信号を処理する場合には、クリップ検出部35および係数演算部36の機能を停止させればよい。
【0029】
図3は、CPU10のディジタルゲイン自動制御機能における係数演算処理動作を示すフローチャートである。動作のスタート時にまず係数をデフォルト値に初期化する。デフォルト値はたとえば最大の+18dBに対応するパラメータとする。
【0030】
そして、クリップ検出部35のクリップ検出結果を取り込み(s2)、DSP17で処理されたディジタルオーディオ信号がクリップすなわちオーバーフローしているかを判断する(s3)。クリップしている場合には係数(ゲインパラメータ)を1dB分下げて係数乗算部32に通知し(s4)、継続してクリップが発生しなかった時間をカウントする非クリップ時間カウンタのカウントをリセットする(s5)。そして、パーソナルコンピュータ3が図5の画面を表示しているときには、ゲインパラメータをパーソナルコンピュータ3に送信してスライダ44の表示を1段階左に変更する(s6)。以上の処理ののち2ミリ秒待機したのち(s7)、s2にもどる。
【0031】
一方、s3でクリップしていないと判断された場合には、非クリップ時間カウンタをカウントアップする(s8)。そしてこの非クリップ時間カウンタのカウント値が5秒以上になった場合には(s9)、ゲインを下げすぎているとて係数を1dB分上げて係数乗算部32に通知し(s10)、こののちs5に進む。
【0032】
このように、ディジタル処理部であるDSP17内でオーディオ信号がクリップしない範囲で最大の値に係数を制御することにより、音質に歪みがなく且つSN比がよい音声信号処理をすることができる。
【0033】
なお、この実施形態では加算部34が加算した信号についてクリップの有無を判断するようにしているが、DSP乗加算処理部33が処理した信号についてもクリップの有無を判断するようにしてもよい。
【0034】
また、この実施形態では、レベルの小さい信号が継続した場合には、s3→s8、s9、s10の処理で係数を大きくするように制御するが、これはリアルタイムでDVDなどを鑑賞する場合に適している。一方、アナログメディアのオーディオソースを他のメディアに録音する場合など、係数を固定する必要がある場合には、一度そのオーディオソースを通して再生して係数を決定し、次は係数を固定してそのソースを再生・録音する。この場合には、このソース全体をとおしてクリップしない(最大の)係数を決定するため、s8、s9、s10の処理は行わないようにする。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】この発明の実施形態であるディジタルオーディオアンプのハードウェアのブロック図
【図2】同ディジタルオーディオアンプのDSP周辺の機能ブロック図
【図3】同ディジタルオーディオアンプのCPUの動作を示すフローチャート
【図4】同ディジタルオーディオアンプに接続されるパソコンの制御画面の例を示す図
【図5】同ディジタルオーディオアンプに接続されるパソコンの制御画面の例を示す図
【符号の説明】
【0036】
1…ディジタルオーディオアンプ、2…リモコン、3…パーソナルコンピュータ、4…他のオーディオ機器、5…スピーカ、
10…CPU、11…ROM、12…RAM、13…フラッシュROM、14…表示デバイス、15…パネルユーザインタフェース、16…リモコン受信部、17…DSP、18…チューナ、19…音声入力制御部、20…音声出力制御部、21…USBインタフェース、22…アナログアンプ、
31…ADコンバータ、32…係数乗算部、33…DSP乗加算処理部、34…加算部、35…クリップ検出部、36…係数演算部、37…DAコンバータ、
40…音場選択ボタン、41…イコライザ画面、42…(ソフト的な)アナログボリューム、43…SETUPボタン、44…(ディジタルボリュームの)スライダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディジタルオーディオ信号を入力する信号入力部と、
入力されたディジタルオーディオ信号に対してゲインパラメータを乗算する乗算手段と、
前記乗算手段から出力されたディジタルオーディオ信号に、レベルがサンプリングビット数の最大値を超えるクリップが発生したか否かを検出する検出手段と、
所定のディジタルオーディオ信号が入力されたときの前記検出手段の検出内容に基づいて前記ゲインパラメータの値を決定し、前記乗算手段に供給するゲインパラメータをこの値に固定する制御手段と、
を備えたディジタルオーディオアンプ。
【請求項2】
録音機器が接続される信号出力部をさらに備え、
前記信号入力部は、前記所定のディジタルオーディオ信号を2度入力し、
前記制御手段は、前記所定のディジタルオーディオ信号が1度目に入力されたとき、前記検出手段の検出内容に基づいて前記ゲインパラメータの値を決定し、前記所定のディジタルオーディオ信号が2度目に入力されたとき、前記乗算手段に供給するゲインパラメータを前記決定された値に固定し、
前記信号出力部は、前記2度目に入力され、前記乗算手段によってゲインパラメータが乗算された前記所定のディジタルオーディオ信号を前記録音機器に出力する
請求項1に記載のディジタルオーディオアンプ。
【請求項3】
前記乗算手段から出力されたディジタルオーディオ信号に対して所定の処理を行う処理手段を更に備え、
前記検出手段は、前記処理手段で処理されたディジタルオーディオ信号と前記入力されたディジタルオーディオ信号とを加算した信号のクリップ発生を検出する請求項1または請求項2に記載のディジタルオーディオアンプ。
【請求項4】
前記制御手段は、前記所定のディジタルオーディオ信号にクリップが発生しない最大値をゲインパラメータの値に決定する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のディジタルオーディオアンプ。
【請求項5】
前記制御手段は、前記検出手段がクリップを検出したことに応じて、前記乗算手段に供給するゲインパラメータの値を小さくし、前記検出手段が所定時間継続してクリップを検出しないとき、前記乗算手段に供給するゲインパラメータの値を大きくする処理モードの動作を更に行う請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のディジタルオーディオアンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−124716(P2009−124716A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−322404(P2008−322404)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【分割の表示】特願2000−348129(P2000−348129)の分割
【原出願日】平成12年11月15日(2000.11.15)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】